あの作品のキャラがルイズに召喚されました part50

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@お腹いっぱい。
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。


あの作品のキャラがルイズに召喚されました part49
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1188594246/

まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/

--------------------------------------------------------------------------------

    _              ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃 ` ヽ  .   ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
    l lf小从} l /   ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
   ヽ_/ィヘ_)〜′   ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!
              ・議論や荒らしへの反応は、避難所でやりなさい!

--------------------------------------------------------------------------------
     _
     〃  ^ヽ      ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は本スレへの投下で問題ないわ。
    J{  ハ从{_,     ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず、本スレではなく避難所への投下をお願いね?
    ノルノー゚ノjし      ・クロス元が型月作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   /く{ {丈} }つ     ・クロスはお互いを尊重しなきゃだめ。一方的なのはモテないわよ?
   l く/_jlム! |      ・不要な荒れを防ぐには、sage進行もいいんじゃないかしら。
   レ-ヘじフ〜l         ・次スレは>>950から。お願いね?テンプレはwikiの左メニューを参照よ。

2名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:14:13 ID:0jPWfbGg
>>1
そして祝50スレ目
3名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:14:26 ID:Y5smUskT
乙なのかしらー
4名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:15:00 ID:Y4mKdp2Z
祝、50スレ
5名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:15:14 ID:hqU++bKl
乙〜
6名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:17:37 ID:iwL7zk9/
残ってる記録によると初代スレの>>439が6月24日なんだ……正に疾風怒涛。
7名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:19:11 ID:MyPRa+OA
>>1

そして祝50スレ目
いわいの〜 メロディ〜
8名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:28:37 ID:ueDGyKSk
1乙。
しかし、もう50スレ目か。 夏休み真っ只中では、一日一スレを消費していたからなぁ。

職人さんには今後ともがんばってもらいたいですよ。
9名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:28:55 ID:PE35Wisx
>>1乙。
とうとう50スレ目が…なんちゅう速さ。
そして男塾一号生召喚を読んでいまさらながら毒入りワイン噴いた。発想のスケールが違うぜ。

そんでは松下いくです。原作展開をそうそう崩せないが、まあつなぎとして…。
10名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:34:14 ID:N8M4JwDy
前スレ>>1000
訳が分からんwww
11名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:34:15 ID:ueDGyKSk
地獄のナイフが君を支援
マツシタを召喚してから、3ヶ月にもなるだろうか。もう夏だ。
『土くれのフーケ』を逮捕してから、とりたてて大事件はないのだが…。
国際ニュースでは、アルビオン王国で国王派が貴族派に追い詰められ、王城が陥落寸前だとか。
なんだか時間の流れがすっごく早いような、遅いような感じがする。9割がたこいつのせいよ。
簡単なコモンマジックは使えるし、わけのわからない先住魔法も使える、この変な『使い魔』のせい。
布教活動を自重してからは、なんだか小汚いホウキやガラス壜を弄くっているけど…。

「おお、やっとできた。あとはこれを量産化すればいいな」
「なにそれ? ただのホウキじゃない」
「『魔女のホウキ』だ。これに跨ると平民でも空を飛べる。まだ『飛翔』の使えない御主人様もどうだ?
 ベラドンナ草を煎じて飲んで、ヒキガエルの香油を体に塗らなければならないが」
「草はともかく、誰がそんな気持ち悪い香油を塗るもんですか!」
「猫の皮とヤモリを食べると、もっと早く飛べるぞ」
「やめて……それにこの壜に入った、甘ったるい臭いのする液体は何?」

「これは『魔酒』とも『希望酒』ともいって、ミネラルの多い水に竹の花を集めて作った酒だ。
 飲んだ者は希望に満ちて大きな借金も平気になり、以後これがないと禁断症状が」
「麻薬じゃない!! そんな恐ろしいものを私の部屋で作らないで!!」
「例の『モット伯』や金余りの貴族連中に飲ませて、もっと資金を搾り取ろうと思っている。
 今度は吸い込んだ子供の知能を急激に発達させる『白い粉』を作」
「やめてお願い何でもするから世界征服とかそういうことはしないでこれこのとおりだから」

偉大なる『始祖ブリミル』よ、このルイズが何かあなたを怒らせるようなことをしましたか?

《『悪魔』とは、それを呼び出す力を有するものが、とりもなおさず悪魔ではないのかな…。
 『悪魔くん』の有する、この大きな知恵の力……おお、これこそ悪魔ではないか…。
 この小さな子供『悪魔くん』こそ、真の『悪魔』なのだ……》
13名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:34:46 ID:hqU++bKl
予約!!
14名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:34:50 ID:Y5smUskT
あ、ウィンウィンで1000取っちゃった。
15名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:35:07 ID:iwL7zk9/
>>9
GO。

そして前スレ>>997の夜天さん何をw
16名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:36:19 ID:sppxBSZT
ジョジョクロススレが発端だったっけ?
あっちは5月後半から超加速しはじめて現在はさすがに減速中か
クロスSSスレはあんまし速度ないと思ってたけど
鬼のように速いな
17名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:36:46 ID:Y5smUskT
しぇん!
18名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:37:08 ID:zRi/4xaP
小ネタ予約
19名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:37:09 ID:c8fL7GNz
前スレ>>993
阿部さんはもう来てなかったか?
今日も授業だ。松下も神妙に、分厚くなったノートを携えて講義に望む。
『使い魔』だから授業料は免除されているが、こいつはどんな系統魔法を使うのだろう?
教室の扉が開き、黒い服装の男性教師が現れる。生徒たちは慌てて席に着いた。

「うほん、では授業を始める。知っての通り、私の二つ名は『疾風』、『疾風』のギトーだ」
この授業の先生であるミスタ・ギトーは、酷薄かつ傲慢なので生徒には不人気であった…。
「さて諸君、さっそくだが『最強の系統』とは何か、分かるかね?」
「『虚無』、じゃないんですか?」
キュルケのその言葉に、ギトーは肩をすくめた。

「私は伝説の話をしているわけではない。四系統のうちでの現実的な答えを聞いているのだよ」
「じゃあ、この私の『火』に決まっていますわ、ミスタ・ギトー」
「ほほう、ではどうしてそう思うね? ミス・ツェルプストー」
「全てを燃やし尽くせるのは、炎と情熱。破壊こそが『火の系統』の本領、そうじゃございませんこと?」
「残念ながらそうではない。最強は我が『風の系統』さ。風こそは不可視の剣にして盾。
 きみの火ぐらいなら『風』で吹き消して見せよう」

ギトーは腰に差した杖を引き抜くと、かちんときているキュルケを指す。
「では試しに、この私に君の得意な『火』の魔法をぶつけてきたまえ」
「あらあら、『微熱』のキュルケをなめると、ただの火傷じゃすみませんわよ」
「なあに構わん、本気で来たまえ。でなければ証明になるまい」

どちらも傲慢という点では人後に落ちない。いきなり教室で決闘が始まり、
前の席の生徒はこそこそと後ろへ退避する。なにせ『トライアングル』同士の対決である。
キュルケは爆乳の狭間から杖を抜き、ケッと舌打ちして『火球』を放った。
だがギトーは、大きな火球を目前にして、手にした杖を横薙ぎに振るう。
すると、ざあっと『疾風』が巻き起こり、火球は掻き消されてしまう…。

(なあるほど、『系統魔法』には相性がある。火は土を焼き尽くすし、少々の水なら蒸発させる。
 だが実体のない『風』には効果がないということか。『トライアングル』同士でも実力差はあろうし)
勝負を観察していた松下は、間近で見た魔法同士の戦いに考察を加えていた。
(とはいえ、『土くれ』のフーケのゴーレムにはあまりタバサの『風』は効かなかったし、
 合体魔法といって異なる系統を組み合わせる強力な魔法もあると聞く。使い手しだいだ。
 あのギトーは、自分の系統を自慢したいだけなのかな。…では、『虚無』とはどんな…)

「ははは、やはり『風』の方が強いようだね、ミス・ツェルプストー。こうした疾風ばかりではなく、
 『風』系統の上位魔法には他にも『遍在』と言って……」
21名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:39:17 ID:iwL7zk9/
予約3連携!
使い魔くん→>>13>>18
22名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:39:33 ID:Y5smUskT
ギトーと亀○って名前似てるよね支援
23名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:40:04 ID:hqU++bKl
支援
24名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:40:17 ID:0jPWfbGg
一発ネタ投下予約
25名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:40:57 ID:GPcO9Dr6
アンファンテリブル松下くん支援
突然教室の扉が勢いよく開き、緊張した顔で正装したミスタ・コルベールが現れた。
42歳独身にしては寂しいかぎりの禿頭には、ロールした金髪のカツラを被っている。
「ミスタ・ギトー! 失礼しますぞ!」
「ミスタ・オレンジ。授業中ですぞ?」
「ぼくの名前はコルベールですぅ……。…おっほん。ええ諸君、今日の授業はすべて中止であります!」
一瞬静かになった教室は、すぐ歓声に包まれる。授業料が勿体なくないのか。
大歓声にコルベールは一瞬のけ反る。その拍子に、頭に被っていたカツラがとれて床に落ちた。
「滑りやすい」
タバサの一言で、今度は教室が爆笑に包まれた。

コルベールは顔を頭頂まで真っ赤にし、怒りの表情を露わにしながら怒鳴る。
「でええい黙りなさい! この小童どもが!
 大口を開けて下品に笑うとは、貴族にあるまじき行い!
 貴族はおかしいときは下を向いてこっそり笑うものですぞ!
 まったく、これでは王室に教育の成果が疑われる!」
温厚なコルベールには珍しい剣幕に、教室は途端に水木風に『しーん』とする。

「えーおっほん。皆さん、本日は我がトリステイン魔法学院にとってよき日であります。
 『始祖ブリミルの降臨祭』に並ぶ、めでたい日であります」
平静を取り戻したコルベールが、芝居がかった口調で宣言する。カツラは頭に載せなおした。
「恐れ多くも、先の陛下の忘れ形見、我がトリステイン王国が誇る可憐な一輪の花、
 『アンリエッタ姫殿下』が、本日ゲルマニアご訪問からのお帰りに、
 このトリステイン魔法学院に行幸なされます!」
教室内の、特に男子生徒が色めきたつ。ギーシュが姫殿下の名前を聞いて、悩ましくポーズをとる。

「したがって、粗相があってはいけません。
 急なことですが、今から全力を挙げて、歓迎式典の準備を行います。
 そのために本日の授業は全て中止。生徒諸君は正装し、至急正門前に整列すること!
 諸君が立派な貴族に成長したことを、姫殿下にお見せする絶好の機会ですぞ!
 御覚えがよろしくなるように、しっかりと杖を磨いておきなさい! よろしいですかな!」

(…事前のアポイントメントもなしで当日いきなり行幸など、この国の王族は下々のことを思いやれないのか。
 いずれ人民革命が起きれば、可憐な王女様も断頭台の露と消えるかもしれないな)
松下がおっそろしく赤黒い思考をし、ルイズはなんとなく怖気がする。
彼は別にゴリゴリの共産主義者(アカ)ではないが、彼がいた昭和40年代前後の日本のインテリは左翼が多かったのだ。
まあ、それを考慮しても立派に過激なアナキスト(無政府主義者)だが。
27名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:41:45 ID:iwL7zk9/
予約4連携!
使い魔くん→>>13>>18>>24
「トリステイン王国王女、アンリエッタ姫殿下の、おな―――――り―――――い!!」

呼び出しの衛士が王女の行幸を告げる。
お付の女官が馬車から降りてくる王女の手を取り、ルイズたちと同年代の可憐な美少女が姿を見せた。
生徒の間から歓声が沸き上がる。胸は『つるぺた』のルイズよりは大分あるようだ。
王女はにっこりと王族的微笑を浮かべると、居並ぶ一同に向けて優雅に手を振った。

(あれが王女か。まだ随分若いが、先王崩御の後は『マザリーニ枢機卿』という人物が、
 トリステインの国政を取り仕切っていると聞く……)
松下が宮廷筋からの情報を整理する。貴族の上に立つ王族に取り入るのも、『千年王国』樹立の一手段だ。
「あれがトリステインの王女ねぇ……。ふんだ、あたしの方が美人じゃないの」
ゲルマニア人のキュルケがつまらなそうに呟くが、ほとんどの生徒・教師は彼女に見入っていた。

「ああ…なんて美しさ。このギーシュ・ド・グラモンが命をかけてお守りするに相応しい」
「あんたなんかより遥かに有能な『近衛隊』がついてるわよ。…あ、あの方は…」
ルイズの視線の先には、羽根帽子を被った、凛々しい青年貴族の姿があった。
近衛兵の一人なのだろう。公爵家令嬢のルイズが知り合いでもおかしくはないが…。

歓迎の式典はつつがなく終了し、王女は貴賓室に宿泊する。
ルイズたちは解散して各々の部屋に戻り、息抜きすることとなった。

その夜遅く。不意にルイズの部屋の『窓』がノックされた。
ノックは規則正しく叩かれた。初めに長く二回、それから短く三回。
松下より先に気配に気づいたルイズは、小走りで窓へ向かうと、ゆっくりと開いた。
『空中』に魔法で立っていたのは、真っ黒な頭巾をすっぽりと被った少女。
辺りを伺い、誰もいない事を確認した後、ふわりと部屋に入ってくる。

ルイズが驚きの声をあげる前に、少女は口元に指を立てた。
「静かに。敵意はありません」
黒頭巾の少女は『杖』を取り出し、呪文を唱えて軽く振る。
「これは……『魔力感知』?」
「どこに目や耳が光っているか、わかりませんから」
部屋のどこにも監視の目がないことを確認すると、少女はようやく頭巾を取った。
「あ……あなたは、姫殿下!?」
「ああ、本当にお久しぶりね。ルイズ・フランソワーズ」
そこには、トリステイン国民の憧れの的、アンリエッタ姫殿下がいた…。

(つづく)
29名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:44:12 ID:zRi/4xaP
>>28
乙〜
30『使い魔くん千年王国』:2007/09/02(日) 19:45:14 ID:PE35Wisx
つなぎ投下終了。今夜はやけに予約が多いな。
次回はワルド登場だが…どうしてくれようかなあこのロリペド…。

そんではお待ちの方、どうぞ!
31名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:46:29 ID:ueDGyKSk
GJ!!

さて、松下はレコンキスタをどう評価するかね。
非支配層が変化しない以上、革命ではあろうが、レヴォリューションではなくクーデターだからな。
松下の趣味には合わないだろうが・・・利用する可能性はあると見ている。
32名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:46:46 ID:hqU++bKl
それじゃぁ小ネタ2レス投下行きます
33名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:48:14 ID:hqU++bKl
ゼロの進化〜可能性〜


ポケモンを手に入れる手段は主に二つ。
野性を手に入れるか手持ちのポケモンか金額と交換することだ。
しかし、たまにそれ以外の方法でポケモンを手に入れる人間もいる。
ある世界の都会の一角、高層ビルの一室にポケモンの育成と売買を生業とする会社があった。
今その会社が血筋をあげているのがイーブイの繁殖である。
このイーブイというポケモンはその愛らしい姿と進化後の姿を七通りの中から自由に選べるということで人気が高い。
成功すれば大金を手に入れられることは間違いない。
努力の甲斐あって生まれたイーブイ第一期生八匹をポケモンの権威であるオーキド博士のもとに送信し問題がないかを調べてもらう。
報告をいまかいまかと待ちわびていた研究員に届いたメールには「いつになったらイーブイをこちらに届けるのか」と記されていた。


実に60回目のサモン・サーヴァントの末に、ルイズは八匹の獣を呼び出した。
契約のために近寄ると、向こうからもすり寄ってくる。
その人懐こさに心打たれた彼女は、迷わず全員と契約を交わした。
生徒たちのざわめきは一向に収まらなかった。
あのゼロのルイズが見たことのない獣を八匹も召喚したのだ。
メイジの実力を知りたければ使い魔を見ろとまで言われているのだ。
一度に八匹も召喚したという事実は決して見逃せるものではない。
浮かれるルイズがイーブイたちと戯れ散る間にコルベールはルーンの確認を済ませる。
その時に、ルイズの足元に紙切れが落ちていることに気づく。
「ミス・ヴァリエール、足もとに何かが落ちていますよ?」
「え?」
言われて気づく。
どうやらこの獣たちと一緒に召喚されたらしい。
何かと思って拾い上げてみるがこの国の言葉ではなかったために読み解くことはできない。
しかし、図説であったためにこの動物たちが成長すると全く姿形が変わった、いろいろな系統の能力を備えた生き物に進化するらしいということが分かった。
そのようなものがあるということは誰かに管理されていた生き物であるわけだが、ルイズはその事実を軽く無視して無限の成長の可能性を秘めた自分たちの使い魔に酔いしれ

ていた。

何であれこれで全員のサモン・サーヴァントが完了したわけだ。
一安心のコルベールは生徒たちに解散を告げる。
ルイズも遊び疲れれば自分で部屋に帰るだろう。
あの無邪気な笑顔に声をかけることはあまりにも無粋というものだ。

日の暮れるころ彼女は自分の部屋に戻ってくる。
「ほら、ペトルーシュカ、ヘンリエッタ、リコ、トリエラ、クラエス、アンジェリカ、アウラ、ゼフィ、今日からここがあなたたちの部屋よ?」
それぞれが呼ばれるたびに可愛い返事を返してくれる。
一度読んだだけで自分達の名前を理解したあたりずいぶんと知能も高そうだ。
自分はなんて素敵な使い魔を呼び出したんだろうかと、幸福感がこみ上げてくる。
今日は毛布は使わないでおこう。
自分の愛しい使い魔の体温を感じながら、その日は眠りについた。
34名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:49:34 ID:PC6P8yNS
乙つ〜

そういや悪魔くんの居た時代は北朝鮮を「この世の楽園」とか言ってるヤバイ時代だったなぁ・・・
35名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:50:02 ID:hqU++bKl
ドン!ドン!ドン!

寝ぼけた頭に響いたのは自室の扉を激しく叩くノックの音だった。
「…なぁに〜?」
そういいつつ体を起こし、飛び起きた。
遅刻?!
あわてて扉をあける。
そこにはあきれ顔のキュルケがこちらを覗き込んでいた。
「ちょっと、もう。まだ寝てたの?朝ごはん食べ逃すわよ?」
「な、キュルケ!あんたなんでここに!!」
「そんなことはいいから早くしたくなさいな!!あ、それがあんたの使い魔?皆して可愛いわねぇ」
キュルケはルイズにまとわりついている小動物を見て目を細める。
「でしょう?こんな可愛い使い魔きっとほかにいないわ!」
「でも、もうちょっと強くなくっちゃ。フレイム、おいで」
勝ち誇ったようなキュルケの声にサラマンダーが顔をだす。
「どう?この子。好事家に見せれば値段なんてついたもんじゃないわ」
「へんだ、この子たちの方がすごいわよ!!成長すれば水の属性にも火の属性にもなれるんだから!!」
「ふぅん…。そんな生き物もいるのねぇ…。私知らなかったわ」
「え?!あ、そうよ!!私とあんたじゃ勉強してる量が違うんだから!!」
誇らし下に胸を張るルイズに、キュルケは告げる。
「そう…。すごいじゃない。それはそうと、ルイズ、あなたいつのまに髪染めたの?」
「へ?」
「じゃあね♪」
髪?なんのこと?
怪訝に鏡を見たルイズは自慢の髪に絡まっている自慢の使い魔達の茶色い毛を見て朝食を断念した。


「お腹すいたなぁ…。」
使い魔用の食事はメイドからもらえたのだが、自分の分の朝食は流石に下げられてしまっていたのだ。
一時間目の後の三十分の休憩の間に軽い食事を作ってくれるとの言葉が救いだ。
先生の講義にも身が入らず、ついついペトルーシュカと戯れてしまう。
この子が一番人懐こい。
「ミス・ヴァリエール!!使い魔と遊んでいる余裕があるのでしたら前に出てこの石を錬金してみなさい!!」
「は、はい!!」
怒られてしまった、あたりまえだが。


クラスメートの制止もむなしく、ルイズは今瓦礫をかたずけている。
落ち込んでしまう。
素晴らしい使い魔を呼び出せたことで浮かれていたが、やっぱり自分はゼロのルイズだ。
可能性ならあるのかもしれないけど、少なくとも今の自分に取りえなんてものはない。
「…このぶんだと軽い食事も諦めなきゃね」
落ち込みはするが、諦めはしない。
自分に寄り添ってくれるこの子たちが自分に可能性を示し続けてくれるのだから。


〜fin〜
36名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:50:15 ID:Y4mKdp2Z
ファミリーかわいい
37名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:51:49 ID:POja/9UC
イーブイと言えば
ポケスペのレッドのイーブイは物凄いチートキャラだったな
38名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:52:16 ID:zRi/4xaP
>>35
乙〜

20時から投下します〜
39名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:53:21 ID:ril6zqXC
イーブイはいいものだ。愛らしい容姿に実戦向きの能力なんて素晴らしい
40名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:54:15 ID:MyPRa+OA
>>37
進化と退化が自由に出来るやつだっけ?
あれはどうかと思った。
そういえば、初代ポケモンカードにあった退化スプレーはいつ実装されるのだろう。
41名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:56:10 ID:4Xzf1Tz+
今更だが>>1スレ立て乙!
そして前スレ>>1000よ・・・

大概にしとけよw
42名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 19:59:21 ID:zRi/4xaP
ぼちぼち投下しま〜
43マリコルヌの日記☆抜粋:2007/09/02(日) 20:00:17 ID:zRi/4xaP


4月10日
今日、使い魔召喚をしたのだが・・・・
なんで俺の使い魔は「たまご」なんだ?  ふざけんな!!!
たまごも両手で抱えるくらいでかいし・・・しかも契約してもルーンも現れないし・・・意味不明にも程があるぞゴルァ!!
コッパゲが「君の使い魔はこれから生まれてくると考えられる。ドキドキ感があっていいじゃないか?」とか言ってた。ドキドキ感ってなんだよ・・・
まぁ、たまごから何か生まれればゼロが召喚した平民よりかマシだろう。

今気がついたんだがたまごから「コツコツ」と音が聞こえてきた!!!
やっべ、コッパゲの言うとおりドキドキしてきた〜〜〜〜!!!

44名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:01:12 ID:Y4mKdp2Z
タマゴ支援
45名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:01:37 ID:Xtjht+YB
ドキドキしてきたマリコルヌ支援
46名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:01:38 ID:b9CUq+vW
>ペトルーシュカ、ヘンリエッタ、リコ、トリエラ、クラエス、アンジェリカ、アウラ、ゼフィ
ルイズに条件付けされますか? 支援
47名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:01:58 ID:hqU++bKl
コッパゲww
48マリコルヌの日記☆抜粋:2007/09/02(日) 20:02:00 ID:zRi/4xaP
4月11日朝
生まれた!!!  
風系統の俺らしい鳥が生まれた!!!
徹夜して朝までがんばったら誕生の瞬間に立ち会えた〜〜〜〜!!!
物凄く感動して眠気とか吹き飛んだよ〜。名前は「クヴァーシル」前々から考えていたんだ。
クヴァーシルも気に入ったらしく名前を呼ぶと飛んできて肩に止まる。こいつ生まれたばっかでこんな事出来るなんて天才じゃね?
頭撫でると気持ちよさそうにしている・・・結構可愛い。羽に隠れていたがルーンも確認できた。
撫でながら気がついたんだけど、でかいたまごだったからかしらないけど生まれたばっかなのに30サントくらいの大きさなんだよな・・・見たこと無い種類の鳥だし・・・
まぁ細かい事は気にしないで、俺の使い魔として最後まで大事にしていこうと思う。

あ、コッパゲに報告しとかないと・・・
49名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:02:43 ID:b9CUq+vW
ほんだららった へんだららった どんがらがった ふん ふん 支援
50名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:03:00 ID:Y4mKdp2Z
半熟自重 支援
51マリコルヌの日記☆抜粋:2007/09/02(日) 20:03:41 ID:zRi/4xaP

4月11日夜
すっげ〜!!!
生まれたばっかなのにクヴァーシルは「エアカッター」が使えるぞ!!!
俺決めた!!! 
クヴァーシルをトレーニングして強くする!!! 
俺も勉強して実力つけて偉大なメイジになる!!!
平民と決闘して負ける様なギーシュと俺は違うぜ〜。
とりあえず、明日からクヴァーシルの事を図書館で調べてみよう
52名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:04:03 ID:95oNwlx3
ポケモンを進化前と後切り替えできるようにしてほしいな
具体的にはストライクとハッサム

ともかく支援
53名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:04:45 ID:MyPRa+OA
イーブイが前にあるもんだからホーホーにしか思えない支援
54マリコルヌの日記☆抜粋:2007/09/02(日) 20:04:57 ID:zRi/4xaP

4月12日
困った・・・・
図書館で調べてみてもクヴァーシルの事が分からなかった。どうやらハルケギニアには居ない新種の鳥みたいだ。
コッパゲにも相談してみたが分からないらしい。詳しく調べたいので使い魔を貸して欲しいと言われたが何かヤバそうだったので貸さなかった。
仕方ないので自己流でトレーニングをしていたが今一しっくり来ない。
どうもクヴァーシルが使うエアカッターと俺が知ってるエアカッターが微妙に違う。なんでなんだよ・・・
昨日の決意が揺らぎそうだ・・・
55名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:05:40 ID:Y4mKdp2Z
エアカッター支援
56名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:06:34 ID:hqU++bKl
しえん
57名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:06:39 ID:nHMLTMU5
58マリコルヌの日記☆抜粋:2007/09/02(日) 20:06:53 ID:zRi/4xaP

4月14日
驚いた!!!
ゼロのルイズが召喚した平民の使い魔「サイト」がクヴァーシルの事を知っていた!!!
「げーむぼーい」とか「ぽけもん」よくわからないことを言っていたがトレーニング方法や技(魔法?)とか進化とか色々教えてもらった!!!
その内容は
・ クヴァーシルは「ポッポ」と言う種類の鳥らしい。
・ 鍛えていくと「ピジョン」「ピジョット」と進化するらしい
・ 「ピジョット」に進化すると人を乗せて飛べるらしい
・ 使える技(魔法?)は色々あるが4つまでしか覚えないらしい
他にも色々教えてもらった。
てか、クヴァーシル他にも魔法使えるようになるのかよ!!!
しかも進化するのか!!! 人乗せて飛べるなんてすっげ〜!!! 
想像しただけで俺はワクワクしてきた。
今日サイトに聞いたとおりにトレーニングしてみたらいい感じだった。一昨日決意したことを再度胸に誓う。
サイトには今度、美味いものでもおごるとしよう。ロクな物食わせてもらって無いみたいだし・・・
ただ、「さすが魔法の世界、実在してるんだ」というサイトの言葉は気にしない事にした
59名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:08:00 ID:kc8zu5SV
ピジョット支援
60名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:08:06 ID:Y4mKdp2Z
ぽるっくー支援
61名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:08:53 ID:95oNwlx3
やっぱりポケモンかよ!
金で色違いポッポに反射的にマスターボール投げたのはいい思い出
62名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:09:29 ID:PC6P8yNS
アジョット支援
63マリコルヌの日記☆抜粋:2007/09/02(日) 20:09:45 ID:zRi/4xaP

5月4日
進化きた―――――――――!!!!!!
でけぇ・・・でけぇ・・・よクヴァーシル!!!
もう肩に乗せられねぇよクヴァーシル!!!
いや、素直に嬉しいんだけどね。
ギーシュとサイトに見せようとしたらどっかに出かけてるらしいとモンモランシーがプリプリ怒っていた。どうやらルイズも一緒だと言うのが原因らしい。
俺にはどうでもいい事なのだが・・・
もうクヴァーシルの相手だとイノシシや狼くらいじゃ物足りないかな?
でも実践回数が大事だとサイトが言ってたからこのペースで頑張るか。
何事も努力が大事!!! たゆまない努力こそ栄光への近道だ!!!
64名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:09:56 ID:hqU++bKl
マルコメダイエットふらぐww
今のままじゃ飛べないww
65名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:10:55 ID:kc8zu5SV
>>62
やめろwwwwww
66名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:10:59 ID:MyPRa+OA
ポケモンはかわいいし強いがサイズがいちいちデカイのが難点支援
67名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:11:11 ID:zy38L4ex
このマルコメは今までで一番輝いてるかもしれんね
68マリコルヌの日記☆抜粋:2007/09/02(日) 20:12:15 ID:zRi/4xaP

6月30日
なんとか間に合った。
クヴァーシルをピジョットまで進化させることに成功した!!
始祖ブリミルは努力する者を見捨てたりしないんだなと進化したクヴァーシルを抱きしめながら感動してしまった。
最後の方はかなり激しいトレーニングだったけどよく耐えてくれたと労いクヴァーシルを撫でる。

今夜は熊鍋かな? 
最近では手に入りにくい食材をちょくちょく持って行くので料理長のマルトーやメイド達とも打ち解けて気軽に話しができるようになった。
今までの自分では考えられない事である。

もうすぐ夏休みに入る。計画通りにクヴァーシルと冒険の旅に出ることが出来る!!
俺と同じくらいの大きさまで進化したクヴァーシルに乗って旅立つのだ!!!
それまでゆっくり休んでいてくれクヴァーシル。

69名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:13:33 ID:95oNwlx3
ニワトリモチーフで何故か炎・格闘なバシャーモは俺の嫁支援
70名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:13:45 ID:nCeB9pOb
目指せポケモンマスターマルコメ支援
71名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:14:09 ID:kDx+YiV7
オチが読めん…どうなんだ支援
72名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:14:21 ID:Y4mKdp2Z
意外にポケモンはでかくないぜ
73マリコルヌの日記☆抜粋:2007/09/02(日) 20:14:24 ID:zRi/4xaP

8月30日
帰ってきたんだ。
途中何度死を覚悟したことだろう・・・・
何度恐怖に震えただろう・・・・
だけど、どんな時もクヴァーシルと僕とで乗り越えてきた。
どんな困難も、どんな恐怖も力をあわせて乗り越えることが出来た。
今回の冒険の旅は、どんな授業よりも、どんな小説よりも。どんな格言よりも僕の人生に大いなる影響を与えたであろう。

食堂に行きメイドにクヴァーシルの食事の事で声をかけたが、僕がマリコヌルと分からなかったようで気がついた途端平謝りに謝ってきた。
そういえば、ここ一ヶ月の間にズボンのベルトを何度かつめたっけ?日焼けして真っ黒になったし仕方ないか。
その後、料理長のマルトーやたまたま居たサイトと再会の握手を交わし厨房でささやかな宴会が始まった。
僕の冒険話やサイトの戦争の話(冒険の間に戦争があったのは正直驚いた)にみんな興味津々だったようだ。
料理長のマルトーから「お前たちこれが漢の顔ってやつだ」とみんなに紹介されたときは正直サイトと二人で赤面してしまった。


夜、自分の部屋に行く前に豪勢な食事に満足しているクヴァーシルの元に行って頭を撫でながら「ありがとう」と声をかけた。
宝の地図で財宝は見つけられなかったけど不思議な箱見つけて「はかいこうせん」を覚えたっけ?
僕も強くなったと思うけどどうかな〜・・・明日コルベール先生に見てもらおうかな?
村を襲ってたオーク鬼の集団を倒した時とか・・・クヴァーシルと僕の連携もかなり良くなったと思うよ?
頭を撫でられながら僕の話をクヴァーシルは気持ちよさそうに聞いていた。

すべてのきっかけとなった僕の使い魔クヴァーシルには感謝してもしきれない。
クヴァーシル本当にありがとう。

74名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:15:31 ID:TQmxRv8m
二ヶ月の冒険でマルコメが痩せやがった!
75名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:15:38 ID:Xtjht+YB
支援&予約
76名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:15:45 ID:Y4mKdp2Z
破壊光線は特殊化しちゃったんで使いにくくなったけどな〜、支援
77名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:15:53 ID:95oNwlx3
全然先が読めない
取り敢えずエメラルドプレイしながら支援
78名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:16:07 ID:4dk3OqHt
や、痩せたマルコメなんて偽者よ支援。
79名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:16:30 ID:I+S2xDSf
オチがない予感バリバリ支援
80名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:16:36 ID:tu2LD+/8
なんて綺麗なマルコメヌ・・・
81名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:16:48 ID:6R/V56EJ
僕らの噛ませ犬・マルコメ太郎が驚きのシェイプアップ!?
82名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:16:58 ID:PC6P8yNS
輝いてる!
マルコメミソが・・・
いや、マリコルヌが輝いてる!
83名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:17:08 ID:MPhe/Zfv
マ、マルコメの扱いが今までで一番扱い良いな・・・コレ
(´;ω;`)ヨカッタナ マルコメ
84マリコルヌの日記☆抜粋:2007/09/02(日) 20:17:13 ID:zRi/4xaP

9月1日
誰も僕がマリコルヌだと言う事に気がつかない。同級生だけならまだしも先生まで気がつかないとは・・・
サイトが説明してやっと分かってもらえたがみんなが異口同音に
「こんなのマリコルヌじゃない」
と言って来た・・・



モウダメポ(‘A`)
85名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:17:47 ID:hqU++bKl
技マシンwwGJ!!
86名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:18:00 ID:a4vesFbo
芋粥オチかよw
87マリコルヌの日記☆抜粋:2007/09/02(日) 20:18:15 ID:zRi/4xaP
以上で終了です〜

ありがとうございました(´・ω・`)
88名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:18:29 ID:c8ZApQsn
8月30日の日記で
自分の名前間違えてるぞww支援
89名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:19:02 ID:6R/V56EJ
      ______       ______
     r' ,v^v^v^v^v^il    /          ヽ
     l / jニニコ iニニ!.   /  マ  き  ぼ   l
    i~^'  fエ:エi  fエエ)Fi  !   ル  れ  く    l
    ヽr      >   V  !   コ  い  は   l
     l   !ー―‐r  l <.   リ  な       l
 __,.r-‐人   `ー―'  ノ_ ヽ  ヌ         /
ノ   ! !  ゙ー‐-- ̄--‐'"ハ ~^i \_       _ノ
 ヽ ! ヽ、_     _.ノ  i  \    ̄ ̄ ̄ ̄
ヾV /              ! /.入
90名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:19:16 ID:8Fe00dbA
>>86
これでリバウンドして安心してたら芥川の「鼻」オチだったな。
91名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:19:42 ID:cIR3zkZ+
>>89
どこが綺麗だwww
92マリコルヌの日記☆抜粋:2007/09/02(日) 20:21:28 ID:zRi/4xaP
>>87
名前間違えちゃった(´;ω;`)
93名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:22:06 ID:txO5HouP
>>89
ああ、そんな話あったなドラで。
そして精悍なマルコメ乙!
94名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:22:17 ID:MyPRa+OA
そういえば、わざマシンって箱なのか?
リメイク赤緑だとCDっぽい形だった気がするんだけど・・・
95名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:23:46 ID:zy38L4ex
しかし卵技でエアカッターを覚えてるってことは
母親ポッポ、父親(ズバットorカモネギorエアームド)か

性格にもよるが種族値だけ見れば特攻型よりは攻撃型だから
エアカッターもはかいこうせんも向いてない技だな
というかピジョット自体の有効な育成方法があまり思いつかん
96名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:24:24 ID:cEgmrgjq
電撃ピカチュウでは箱だった気がする
二つに分けてポケモンの頭に近づけるとバチバチってなって技を覚える
97名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:24:51 ID:0jPWfbGg
さてさて、俺もそろそろ投下しますね
98名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:25:15 ID:MPhe/Zfv
シエ☆スタ
99名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:25:25 ID:Y4mKdp2Z
>>95
逆に考えるんだ、向いてない技でもそれほど威力出ると言うことなんだ
100名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:26:42 ID:ueDGyKSk
ポケモン世界ではさして威力なくても、ゼロ魔の世界だととんでもない技は多そうだよな。
数字から判断するととんでもない技が多すぎる。
101ゼロの真実(?):2007/09/02(日) 20:26:52 ID:0jPWfbGg
「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ!強く、美しく、そして生命力に溢れた使い魔よ! 私は心より求め、訴えるわ。我が導きに応えなさい!」
 歴史上、虚無の使い手・ルイズは何度かサモン・サーヴァントに失敗してから使い魔の召喚に成功したことになっている。
だが、実際にはサモン・サーヴァントは一回も失敗していないのだ。
これは、歴史の表舞台には出てこなかった真実の、ほんの一部分である。

Take.1
「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ!強く、美しく、そして生命力に溢れた使い魔よ! 私は心より求め、訴えるわ。我が導きに応えなさい!」
 ルイズの一回目のサモン・サーヴァントの呪文が広場に響くと同時に爆音が鳴り響き、爆煙が立ち込める。
 立ち込める爆煙の中に一匹の生物がいた。
それは1.5メイルほどの大きさの巨大なカマキリだった。ちなみにアニメ版の設定では赤いものを見ると興奮する。
しかし、こいつは召喚に成功したことに気づかれる前に爆煙に紛れてどこかへと逃げてしまったために、ルイズの一回目は失敗したことになっている。

Take.6
「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ!強く、美しく、そして生命力に溢れた使い魔よ! 私は心より求め、訴えるわ。(ry」
相当気合を入れて呪文を唱えたのか、一回目以上の爆煙が上がり、広場は煙幕に包まれたようになっている。
 二匹目の生物は3つの尻尾を持つ牛だった。まだ赤だったり緑だった頃は覚えられる技の汎用性とステータスの高さから、大会メンバーによく選ばれたヤツだ。
しかし、こいつは3つの尻尾で自分の体をビシビシと叩いて気合をため、勢いよくどこかへと走り去ってしまった。
 爆煙が晴れたときにはどこにもいなかったので、これも失敗したことになっている。

Take.13
「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ!強く、美しく、そして生命力に溢れた使い魔よ! (ry」
落ち着いて呪文を唱えたからか、爆発の規模は一回目の8割程度だった。
 今度は1日18時間は眠り続けるヤツが召喚された。ちなみにその進化した姿の正体は超能力少年なんだとか。
しかし、こいつは眠っていても超能力が使え、瞬時に場所を移動できる『テレポート』が得意中の得意。
やっぱり爆煙が晴れる前にその姿を消していたのでこれも失敗。

Take.25
「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ!(ry」
ルイズはなんだか凄い理不尽な目にあっているような気がしながらも、サモン・サーヴァントを唱える。
今度は爆煙は出なかったが、見た目はなんにも召喚されていなかった。
そう、見た目だけは。
 瞬間記憶能力者でもいれば、石ころの数が増えていることに気づいただろう。
25回目にルイズが召喚したのは、その身を色々なものに変化させることのできる生物。
が、悲しいかな、よりにもよって石ころに『へんしん』したヤツを召喚してしまったのだ。
しかも爆発で気絶している。
 25回目も失敗したことになってしまったルイズは流石に涙目になっていた。

Take.XX
「宇宙の果てのどこかに(ry」
 本日XX回目の爆音が広場に響く。
爆煙の向こうには一人の平民の少年がいた。
コルベールの薦めでルイズは嫌々ながらも、その少年と唇を重ね合わせた。

そして でんせつが はじまった
102名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:27:05 ID:vPywY7Jr
エアカッターじゃなくて実は風おこしじゃないのだろうか?
何にせよGJだ!
103チョコランタン先生:2007/09/02(日) 20:27:17 ID:7f+NZS2K
んじゃあ末尾に予約
104ゼロの真実(?):2007/09/02(日) 20:28:15 ID:0jPWfbGg
文字通り一発ネタです。ほんとうにありがとうございました。
105名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:28:51 ID:Y4mKdp2Z
ハルケギニアが奴らの巣窟に鳴るじゃないかw>101
106名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:29:23 ID:sppxBSZT
召喚しすぎ
設定的には元人間なのもいるしw
107名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:31:03 ID:pnLio1D8
元ネタがわからんのだぜ
108名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:32:19 ID:iKMpe/Hs
ポケモンでしょ
しかしこんだけ繰り返したら気づけよwww
109名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:32:31 ID:MyPRa+OA
>>107
これもポケモンだろ。
110名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:32:31 ID:RBG9KyyY
いまイーブイ系のポケモンって七匹もいるの?
イーブイ、シャワーズ、ブースター、サンダーズ、エーフィ、ブラッキー……
あと一匹誰?
111名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:33:37 ID:MyPRa+OA
>>110
イーブイは抜いてリーフィア?とグレイシアじゃないの。
112名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:33:50 ID:Y4mKdp2Z
リーフィア、グレイシア
113名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:34:04 ID:cEgmrgjq
>>110
イーブィを除いて7
シャワーズ、ブースター、サンダース、エーフィ、ブラッキー、リーフィア、グレイシアだよ
114名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:34:23 ID:Xtjht+YB
リーフィアとグレイシアじゃね? イーブイ抜きで8匹いるよ
そろそろ俺も投下いきます
115名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:34:37 ID:kc8zu5SV
ハルケギニアがポケモンワールドにwwwww
GJ!

>>110
イーブイ本人(獣?)では
116名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:35:32 ID:aC8UwTtl
>>96
うわっ 体に悪そう……
117名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:35:50 ID:kc8zu5SV
俺は何を言ってるんだorz
118ゼロのそこにある壁:2007/09/02(日) 20:36:29 ID:Xtjht+YB
ごめんイーブイ入れて8匹だった。

 一晩悩み抜いてから、ルイズは満足気に頷いた。
「名前は、バリバリがいいわね」
 なんせ鳴き声がそれだ。安直だし今まで避けていたのだけれど、と彼女は首を傾けたが、そう呼んだときこの使い魔は呑気な顔、楽しそうな顔をしていた。多分これで良いのだろう。
 使い魔の表情がわかるというのも妙な感覚だったが、これはメイジの全てが初めて使い魔を持ったときに経験するものだという。
 ちっぽけなことだったが、一般的なメイジの領域に一歩足を踏み入れた気分になった。ルイズは自然と緩む口元をなんとか抑える。
 同時にしかし、とも思う。
「ヴァリエール様、言いつけのあった紅茶をお持ちしました……。あら? 使い魔様は随分とご機嫌でいらっしゃいますね」
 困ったことにこの使い魔の表情、実に解りやすいのだ。とても人に姿形をしているからだろう。二足歩行でところどころに知性を見せる使い魔を喚んだことは確かに誇らしいが、少し召喚主の特権が侵害されたようで少し嫌な気分になる。
「ええ、そうね。さっき名前をつけてあげたの。人間の言葉がわかるのかしら」
「聡明な使い魔様ですのね、ええと、ヴァリエール様にはとてもお似合いで」
「あら、無理しなくていいのよ? 知ってるわ。私が貴女たちにもこっそりゼロって呼ばれてること」
 器用にも一瞬で顔中から血の気を失った壮年のメイドのさまを見て、面倒そうに手を振った。
「気にしなくていいわ。その通りだもの」
 でも、とルイズは付け加えた。
「やっと一つ魔法を成功させたわけだし、これからは上手くいくと思うの。
 あなたもそう思わないかしら?」
「……ええ、ええ! 勿論ですとも!」
 運の良いことに、この気難しい貴族のご令嬢は機嫌が良いらしい。メイドは必死になってルイズの言葉に追従した。
「そうよ。この子はとても素敵な使い魔だわ。
 紅茶ありがとう。カップは後で取りにこさせるから、貴女はもう下がっていいわよ」
 自室の扉の前で一度、大きく頭を下げて退室するメイドをなんとなく眺めてから、ルイズは己の使い魔に向き合った。
「不思議ね。あなたを見てると、なんだかわくわくしてくるのよ。
 小さかったころに戻ってしまったみたい。
 そういえば、昔にデラルテが王都を訪れたとき、姫様にご一緒させていただいたあのときの気分に似てるわ。
 本当にわくわくするの。なんでかしら?」
 不思議ね。もう一度呟いてから。首をかしげる使い魔の手を取った。
 人ではないし、幻獣でもない。その中間なのだが、亜人でもない。見せる仕草は極めて人に近いが、風体はどちらかというと幻獣寄りだ。
 胴のみが白く、四肢の付け根と腹部に赤いふくらみ。見ようによっては服を着ているようにも見える。腕と足が人間の肌の色だからだ。そして耳の変わりに小ぶりな羽。
 本当に不思議な使い魔。ルイズはティーカップを空にすると、使い魔を連れて教室へ向かうため、部屋を出た。
119名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:36:35 ID:RBG9KyyY
>>111
thk
いまちょっくら調べてきた……随分複雑になったなぁ、ポケモンの進化の仕方も……。
120名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:37:28 ID:yNq0wbJa
ここか……祭りの場所は支援
121ゼロのそこにある壁:2007/09/02(日) 20:37:53 ID:Xtjht+YB

 部屋から出て真っ先にルイズが思ったのは、先程のメイドへの罪悪感だった。部屋に戻って窓の外を覗いてみれば丁度明け方だ。
 こんな時間に起きているのは保健室に水系統の得意な三年生が一人(それも奨学金も貰えないドットかライン)と学院の各所で当直をしている教師くらいで、突然ベルの鳴ったメイドは身だしなみを整えるだけでも大変だったろう。
 後でヴァリエール家からなんらかの補償でも出してやるべきだろうか。ルイズは今回のことでどの位、あのメイドは不快な思いをしただろうか、なんて考えながら、自分の小遣いの残りがどの程度だったか思い出す。
 それで貴族の体面を保てるだろうか。そう考えてから少し嫌な気分になった。自分がどうしようもない俗物に陥ったような気持ちを覚えたからで、彼女はひとまず考えることを止めて授業に出ることにした。
 そしてルイズは、部屋から出て鉢合わせする同級生の赤髪に、今の時間には教室ではなく食堂に向かうべき時間であることを思い出すのだった。

 ルイズが貴族の子女としてあるまじき素早さをもって朝食を片付け、使い魔の手を引いて教室へ向かったことには訳がある。
 魔法を試してみたかったのだ。
 使い魔の召喚は幾度もの失敗のすえにだが成功したし、契約に至ってはなんと一度で成功した。
 今までの自分ではない。今ここに居るのは、昨日までの自分とは違う魔法の使えるルイズだ。彼女はこれを皮切りに全ての魔法が使えるようになると信じて疑わなかった。
 知識は豊富にあるのだ。そして昨日体験したばかりの実感がある。一晩を通して必死にコントラクト・サーヴァントを成功させた瞬間の感覚を想起した。何度も、何度も。
 早く魔法を使ってみたくて仕方がなかった。
 ルイズには見えた。そこには朝一番の授業の最初の実技で、高々と杖を挙げる自分に驚く教師と生徒がいた。
 口々に危険だ、止めた方が良いと言う彼らに私はこう言おう。
「今日からのルイズ・フランソワーズは一味違うのだ」
 本当にわくわくする。早く、早く教室へ行こう。
 ルイズはしっかりと使い魔の手を握りしめた。
122ゼロのそこにある壁:2007/09/02(日) 20:39:56 ID:Xtjht+YB

「さて、皆さんには土系統の基本、錬金を覚えてもらいます。
 錬金は基本でありながら最も応用の広い魔法です。先ず、私が手本を見せますので、次に皆さんの中から誰か……」
「はい! 私にやらせてください」
 ミセス・シュヴルーズは二年生と三年生の授業を長年受け持ってきた教師だ。そして彼女は自分の最初の授業では必ず生徒に錬金をやらせる。これははっきり言って使い魔を召喚したばかりの貴族の子女の興味を惹くことができるような内容の授業ではない。
「あらあら。意欲的で大変結構ですね、ミス・ヴァリエール。
 では、貴女に錬金をしてもらいましょうか」
 文字通りただ杖を振るように気軽に杖を振り、シュヴルーズはねずみ色の石片を真鍮に変えてみせた。ふくよかな外見に似合わずそれは優雅で洗練されたものだ。
 いつか彼女のように滑らかに魔法を使いこなしてみたい。そのいつかのために、今は不恰好でも魔法を成功させてみよう。ルイズは意気揚々と立ち上がった。
「そのっ、ミセス・シュヴルーズ、危険です!」
「うるさいわね、大丈夫よ」
 半ば予想していた横槍に、出来の悪い子供を諭すようにルイズは言う。彼ら彼女らの危惧も解る。しかし、私の隣に立つ使い魔を見るが良い。もうルイズ・フランソワーズは失敗などしないのだ。
「錬金したい金属を、強く心に思い浮かべるのです」
 シュヴルーズの指導を耳を通して頭に叩き込む。あのときの手応えを思い出せ、再現しろ。
 強く強く、金属を思い浮かべるのだ。
 ルイズは力強く杖を振り下ろす。素晴らしい速度で空を切ったそれは、時間を止めるようにぴたりと石の上で静止した。姿を変える一瞬を晒すことを厭うように、石は一度大きく光で自身を包む。
 そしてその光は収まらぬままに荒れ狂い暴発した。
「だから言ったのよ。あいつにやらせるなって!」
「もうヴァリエールは退学にしてくれよ!」
 ああ、この衝撃は知っている。失敗だ。
 ルイズは悟った。そして泣き崩れるように気絶した。
123名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:40:00 ID:Y4mKdp2Z
そういやバリヤードとルージュラって進化しないのよな
124名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:41:05 ID:7f+NZS2K
進化前なら追加されてるぜ支援
125名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:41:13 ID:ril6zqXC
>>119
新作出るたび互換性と新システムとバランス変更点の確認に疲れるぜ

支援
126名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:41:38 ID:TZKgYbUb
壁支援。
前スレ988は1000取ってないのにポケモン祭りになってるなw
127名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:42:01 ID:2GijjQns
|
| ∧         ∧
|/ ヽ        ./ .∧
|   `、     /   ∧
|      ̄ ̄ ̄    ヽ
| ̄ ̄新学期支援 ̄ ̄ ̄)
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.\
|ヽ-=・=-′ ヽ-=・=-  /
|::    \___/    /  <やあ
|:::::::    \/     /
128ゼロのそこにある壁:2007/09/02(日) 20:42:28 ID:Xtjht+YB

 目を覚ますと、そこは一年ほど慣れ親しんだ自分の部屋だった。重々しく四方を囲む壁も、しっかりと根をはる様に鎮座する家具も、自分のものだ。
 ああ、徹夜明けの頭がショックで気絶したのか。ルイズは思った。同時に自分が、深く澹い森野中に置き去りにされたように思った。
 そんなことを思うはずがない。ばかばかしい。ルイズは笑う。ここは自分の部屋のはずだ。全て、自分がが実家から持ってきたインテリアで固めた。ここはルイズ・フランソワーズの部屋。
 学院の中で唯一、自分だけのために与えられた部屋だ。
「そうよ、ここは私の部屋。怖がることなんてないわ。唯一、学院から私に与えられた…。
 生徒に与える寮の部屋よ」
 それは違う。
 ここは、学院が"メイジ"に与える部屋だ。

「え…・・・。嫌っ! いや……嫌よ!
 やだ、やだやだやだ……」
 抱きかかえていた枕を、扉に向けて思い切り投げつけた。扉が嫌だったのではなく、自分の近くに自分以外のものがあることが嫌だった。
 空の下に、服もなしに放り捨てられる感覚と言えば良いのだろうか。良く解らない。本当に良く解らない。ルイズは泣いた。
 がさり、と物音がする。ルイズはびくりと慄いた。
「あ……。バリバリ! ねぇ、あなたは私の使い魔?
 そう、そうよね。あなたが居るわ。大丈夫、大丈夫よ、ルイズ・フランソワーズ。
 ちいねえさまと約束したじゃないの、沢山勉強して、立派なメイジになるって」
 しかし、とルイズはベッドから降りた。
「でも、怖いのよ。怖いわ……。今日から、本当に上手くいくと思ったの。やっと手応えを掴んだのよ。
 これで駄目なら、私、もう、どうしたら良いか」
 バリバリは表情から笑みを絶やさない。ただ、ルイズの傍に立って普段どおりに動き回るだけだ。
 けれど、そのときは少しだけ違った。一際大きな鳴き声で、ルイズの興味を惹いてみせる。そして、ぺたり、とその使い魔は宙に手を貼り付けた。
「バリバリ……? 何を、いえ、私……それ、知ってるわ。知ってる。パントマイムよね。
 前に一度、城下で見たことあるもの」
 魅せるためのパントマイムではない、ルイズにはそれが直ぐに解った。使い魔は、ルイズに背を向けてマイムをしているのだ。
 ルイズの疑問を余所に、バリバリは少しずつ壁を表現する。丁寧に、しかしルイズに見せるように。自分の背中を見せるように。
 ぺたり、ぺたり。ぺたり、ぺたり。指の張り付く音が聞こえる。ルイズは恐る恐る手を伸ばした。ひたりという感触があった。
 ある。
「あなた、もしかして。壁を作ってるの?」
 脅えている私を、守るために。
 ルイズはじわりと体中が熱くなるのを感じた。こんなところに、味方が居た。
「あなたって、本当、素敵な使い魔ね……」
 その日ルイズは、ぎゅっと己の使い魔を抱きしめて、床の上、見えない壁で囲まれたその狭い"自分の城"で猫のように蹲り、眠った。
 明日からのルイズ・フランソワーズは、きっと使い魔に負けないくらい素敵なメイジだ。
129名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:43:05 ID:MyPRa+OA
CVうえだゆうじ支援
130名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:43:13 ID:cEgmrgjq
>>116
それを使ったイーブイ(戦闘経験あまりなさそう)は
使った後即効バトルに出て勝ったから影響とかはないように見える
使われてる顔は割と気持ちよさそうに見えなくもないような…

支援
131ゼロのそこにある壁:2007/09/02(日) 20:44:03 ID:Xtjht+YB

 二年生、使い魔の品評会のため、トリステイン魔法学院を訪れたアンリエッタ王女は、昨晩の幼馴染との会話を思い出していた。最後に思い出す幼馴染のルイズの顔は、魔法が使えない、そう言ってくしゃくしゃに崩した泣き顔だった。
 けれども、昨晩久方ぶりに会ったルイズは違った。まるで自分を置いて、一足先に大人にでもなってしまったかのように、力強い瞳をしていたのだ。アンリエッタは、それに自分が憧憬を浮かべたことを自覚しつつ、今日この席に座っている。
 ステージでは、ルイズの名前が呼ばれている。この場に居ないようだ。アンリエッタは思わず気を揉んでしまう自分を制した。王女として出席している以上、贔屓には気をつけるべきだ。
「ルイズ・フランソワーズ! 早くステージへ……」
「ただいま参りました」
 アンリエッタは彼女の滲み出る自信を表すかのようにつりあがる唇を見て、浮きかけた腰を下ろした。今日の優勝はきっと、彼女だ。
132名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:44:55 ID:Y4mKdp2Z
ポケモンの世界の技術力は異常、支援
133ゼロのそこにある壁:2007/09/02(日) 20:45:17 ID:Xtjht+YB

「ちっ……。ついてないねぇ。ついてない」
 ルイズは、ロマリア製の大皿を送ってから、毎朝私的に紅茶を淹れにやってくる壮年のメイドと談笑していた自分に後悔した。品評会へ遅刻しそうなことも理由の一つだったが、一人の女に遭遇したこともそうだ。メイジで、拳を振り上げたゴーレムに乗っている。
「あなた、盗賊? そこって宝物庫でしょう。私知ってるわよ」
「言い逃れもさせてくれないのかい、貴族のお嬢ちゃんは。賢くない、賢くないね」
「お互い見てみぬ振りをする方が、私の命がってことよね。思い上がりも程ほどにするのね。私はルイズ・フランソワーズよ」
 ヴァリエール公爵家の三女は、こそ泥を見逃す目など持っておりませんもの。
 ルイズはそう言って一礼した。品評会のために卸したばかりのスカートが、すらっと風に吹かれて揺れた。
「そうかい! じゃあ、さよならだよ!」
 ルイズは思考を切り替える。犯罪を未然に発見できたことを良いことだと思うことにする。それに、自分と使い魔が居れば、あんなゴーレムなどとるに足らないものだ。
「バリバリ、やって頂戴」
 主の声に呼応して、細腕の使い魔はゴーレムの前に飛び出た。
 振り下ろされるゴーレムの腕は力強い。盗賊、土くれのフーケは一瞬後に潰れる少女と彼女よりも背の低い使い魔の姿を想像して疑わなかった。
 "ひかりのかべ"
  空気を固めてそこに壁を生み出す。
「よし、あなたの好きなようにやって頂戴!」
 ゴーレムの拳の下で、少女の勇ましい声が聞こえる。その溌溂とした声からは、一切のダメージを感じられない。拳が下まで降りきらない。おかしい。
「は? なんだあの使い魔……。妙なポーズを」
 "ヨガのポーズ"
  命中率を上げる。
 バリバリは唖然とするフーケを前にしたまま、その不思議なポーズを止めると、くるりと後ろを振り返ってルイズとハイタッチをした。
 "バトンタッチ"
  上昇した能力値を次のメンバーに引き継ぐ。
 一歩下がった使い魔の代わりに、前に出たルイズは(下品だが)舌なめずりをした。あのゴーレムは脅威でもなんでもない、獲物だ。ここからは理詰めになる。
「ファイアボール、吹き飛びなさいっ!」
 酷い轟音がフーケの耳を打った。突如湧き上がる風圧に、痺れる。煙が晴れれば、ゴーレムの右足が吹き飛んでいる。拙い、倒れる。
「ちょ……、ちょっと待て! なんだってんだい本当に。"錬金"っ!」
 土をかき集め、補完する。なんとか体勢を立て直したフーケは、怒りのままに邪魔な二匹を討ってやるため、ゴーレムの右腕に先ほどの倍の質量の土を集めることにした。すぐさま杖を振り上げる。
 そこで気付いた。なにやら女生徒と使い魔の前後が入れ替わっている。またあの使い魔か。何をやったか知らないが、今度は二倍の拳を叩き込んでやる。
 そのとき場違いにも、使い魔の口から笛に似た、甲高い音が響いた。
 そして足で地面を鳴らし、両腕を頭の上に掲げて手のひらを叩き、そしてまた口笛を吹く。あれはフーケにも何をやっているのか解った。スタンディングオベーションである。
「馬鹿にしてくれるね…! "錬金"、"錬金"…っ」
 "アンコール"
  相手は直前に使った技を同じ技を繰り返してしまう。
「足じゃない、足じゃないんだって……くそっ。何がどうなってるのさ!」
 フーケの行使した"錬金"は、悉く先ほど補完したばかりの足に土を集めた。次第に肥大化し、バランスの取れなくなったゴーレムは横に傾き始める。フーケは畜生、と一度悪態をついてから、ゴーレムから飛び降りた。
 そして倒壊するゴーレムの煙が晴れたとき、目の前に現れたその使い魔の数に唖然とした。
「……遍在? 使い魔が?」
「驚いたかしら? "かげぶんしん"、って、言うのよ」
 相対している相手に技の説明をされる、ということがこれほどの屈辱を与えるとは。フーケは唇を噛み千切ってしまいそうな興奮を必死に抑え付ける。小娘が、まだ何かやろうとしている。
 今から、なんとか、時間を稼いで、ゴーレムを、大きな、ゴーレムを。
「それでね、これで終わりよ。盗賊のあなたには申し訳ないって思うわ。
 でも、私の使い魔の素晴らしさ、あなたにもわかってもらえると思う」
 そして、確定した勝利を祝うようにその少女と使い魔はお互いに片手を高く掲げ、"バトンタッチ"をした。
 二十に遍在した少女が、あの冗談じゃない威力のファイアボールを悠々と唱え始めたとき、フーケは、ああ、終わった。そう思った。
134ゼロのそこにある壁:2007/09/02(日) 20:47:06 ID:Xtjht+YB
あああなんかおかしいと思ったら命中ヨガのポーズじゃなかった…
なんで書き込んでから気付くんだ
135名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:47:49 ID:Y4mKdp2Z
影分身は回避率アップだ 支援
136名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:47:51 ID:JYWbIZY/
フーケ涙目wwwww
137名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:48:19 ID:EwPPpW1z
アンコールから相方でフルボッコてwwwwwww
まぁポケモンの技は実際想像すると凶悪なコンボも多いしなwwwwwww支援
138ゼロのそこにある壁:2007/09/02(日) 20:49:02 ID:Xtjht+YB

「本日おいでの皆様、パントマイムはご存知でいらっしゃいますか?
 ええ、ええ。そうね。彼らの芸術は私たちの心をとてもわくわくとさせてくれますの」
 ルイズは普段の彼女からは考えられないような、芝居がかった口調で審査員席の貴族に語りかける。
「ドゥルクー?マルセル?ジャンも素敵ね。
 彼らの素敵なパントマイムのために、屋敷の主と同じ分だけ豪勢な食事をもう一人分用意させたことのある方も多いのではないかしら。
 でもね、私は知っているのよ。
 彼らの芸は嘘っぱちだわ」
 そんなことは知っている、何を当たり前のことを。そう毒づく貴族も居れば、熱心なファンなのか小娘が何をと憤慨する貴族も居た。
 僅かに濁り始めた審査員席の真ん中でアンリエッタが小さな手を降って貴族たちの不満を吐く口を閉じるよう言う。アンリエッタの視線は、童女のように次の言葉が言いたくてうずうずとしている、幼なじみの彼女に注がれていた。
 さあ、ルイズ。あなたは私に何を見せてくれるのかしら。アンリエッタは心の中でルイズに問いかける。
 ルイズはその問いに答えるように、一段と熱の籠もった声を上げた。
「ところで、本日はみなさまにわたくしの自慢の使い魔を紹介したく存じます。
 素敵な使い魔です。名前はバリバリ」
 そこでルイズは一旦言葉を切る。そして、同性のアンリエッタがはっとするほど魅力的に笑って言った。
「種族は、パントマイミストです」
139名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:49:34 ID:MyPRa+OA
ヨガのポーズは攻撃力上昇だから間違ってるともいえない支援
140名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:50:12 ID:FnWjs6/N
>>139
ていうか普通にそういう意味に取ってたぜ支援
141名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:50:19 ID:PC6P8yNS
ルイズとバリバリの絆に全俺が泣いた支援
142ゼロのそこにある壁:2007/09/02(日) 20:51:48 ID:Xtjht+YB
 ぺたぺたとあたかもそこに壁があるかのように、バリバリはステージを四角に一周した。剽軽な仕草が会場の笑いを誘う。
「ご覧になりました?バリバリはたった今、部屋を一つ作ってしまいました。どこからも入ることはできません」
 ルイズは(はしたない仕草と知りつつも)右の腕をまくってみせる。そして思い切り力をこめるように、その"壁が有るはずの場所"を思いっきり押す動作をしてみせた。
 ヴァリエールの三女が突然見せた行儀の欠けるポーズに一瞬、会場は唖然とする。いや、決して少なくない数の男性の視線が、彼女の見せた白い二の腕に集まってもいたようだったが。彼女はそんなことは構わない、と楽しそうに使い魔の披露を続けた。
「さて、一つ困ったことが起こりました。どうしましょう! このままでは部屋の中に入ることができません。
 当たり前ですよね。四方が壁では開くドアが有りませんもの。
 ……さて、開かないドアの開け方。みなさまはご存知?」
 押す?それとも引く?あと横に動かないかどうか試してみるのも大切ね。
 ルイズは審査員席に座る"高貴な方々"に向かっておどけて見せた。
 道化師然とした(こんなに淑女から外れた)行為は生まれてこの方したことがない。けれど、難しいことではなかった。
 ただこの左胸の奥で弾んでまわる嬉しさと自慢の使い魔の素晴らしさを、この場に集まった全ての人間に伝えてやれば良いのだ。
 それはルイズにとって本当に簡単なことだった。
「開かないドアの開け方、みなさまはご存知だわ。だって中にはあの子が居るんですもの」
 彼女はそして、壁を軽く二回だけ、こんこんとノックした。
 その仕草を見たバリバリは、すぐさまルイズの近くまでやってきた。
 それは良く訓練された使い魔の動きで、ヴァリエールの三女がやってみせたノックのパントマイムで生じた音の出どころを探っていた審査員たちもその使い魔の評価を上げた。そして次の動作を見て更に評価を上げることになった。
 バリバリがこれまでとは違うパフォーマンスを見せた。あたかもノックされた場所にドアが、そこにドアノブがあるかのように手首を回し、そしてドアを開ける仕草をすると主人を迎え入れるように頭を下げて見せたのだ。
 あの使い魔には明らかに高い知性が宿っている。
 ルイズは驚愕に話し声の消え去ったステージの上で、上機嫌に笑顔を浮かべ続けた。
「ありがとう、バリバリ。ところでちょっと足が疲れてしまったみたい。どこかに座る場所なないかしら?」
 ここに、椅子が、あります。こちらに、どうぞ。
 バリバリは動作だけで全てを語ってみせる。ステージは既に、二人の独断場となっていた。
 そこに椅子が有ることを示して見せたバリバリは、当然のように淑女のために椅子を引く動作を見せた。ここでルイズの雰囲気ががらりと変わる。
 そこにいたのは客寄せの平民女ではなく、ヴァリエール公爵家が三女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールであった。
「ありがとう」
 ゆったりとした動作で自然と椅子に納まる様は貴婦人さながらで、何もないはずのそこを優雅なバルコニーと錯覚させる。
「どなたかいらっしゃいませんか?」
 可愛らしい貴婦人はそう言って審査員席から人を誘う。一人、意を決したように荘厳な男性が立ち上がった。ヴァリエール家に親しい家の代表だった。これ以上世話になっている家の娘に見世物をやらせるわけにはいかない、と思ったのだろう。
 彼は失礼、そう言って先ほどルイズが部屋の中へ入って見せた場所の前に立ち、中段に手を掲げ、ノブを回す仕草をし、即席のパントマイムが上手く見えているかどうか内心で冷や汗を掻きながら一歩踏み出した。
「痛……っ。……まさか……!?」
「そこじゃないわ。もう一歩右よ。そう、それから、王宮の南の一番大きなティールームはご存知?
 そこのドアと同じ形でデザインしてもらったの」
 男は半信半疑で(しかし額の痛みが耳元で囁いている)横に一歩ずれ、そしてティールームを思い出して手を伸ばした。そういえば、先ほどドアが出来る前にルイズはドアを手の甲でノックしたが、もしかして今なら。
「ドアノッカーがある……。同じ、形?」
「ええ、ようこそ」
 バリバリが丁寧に家具をマイムしていく。そこに椅子があり、戸棚があり、テーブル、肘掛、順々に出来上がっていく。
 ルイズはさながらホステス(女主人)のように、男のために一度立ち上がって、椅子を引き肩を叩いた。
「即席で申し訳ありませんけれど、快適さは王宮のそれと並べて保障します。
 青空の下で優雅にティータイムなどいかがかしら」
 その日の一位は、手のひらだけで優雅さと"気品"を表現した使い魔に決まった。
143名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:52:02 ID:kxRZhe4I
歩毛紋知らんのでイメージ検索しまくり支援
144名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:52:20 ID:POja/9UC
ポケモンな流れでイエロー召喚を期待してもいいですか支援
145名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:53:52 ID:RBG9KyyY
>>137
というか基本スペックからして洒落にならんのが多い。
伝説級は当然ながら、普通の野生ポケモンだって進化したりもしくは進化しないタイプだとマッハで移動できたりするんだぜ?
146名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:54:09 ID:iwL7zk9/
品評会で好評を得たルイズと使い魔ははじめてじゃないかな?支援
147名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:54:15 ID:MyPRa+OA
そういえばサトシの家のバリヤードは家政婦?夫?もしてたな支援
148ゼロのそこにある壁:2007/09/02(日) 20:54:16 ID:Xtjht+YB

 二代目のブリミルが幼少の頃、魔法の才に欠ける落ちこぼれであったことは良く知られている。
 その魔法の使えない貴族の少女は、のくだりで始まる物語があり、彼女はその物語の主役を務めた。
 しかし、この少女は幸福なメイジだった。

 六千年の歴史書を経て史実に現れる二代目のブリミルの使い魔は、最高の盾として広く名を残した。
 その使い魔は指先で空気を自在に操り、見えない世界を築き上げたという。
 遅れて大成した主、二代目のブリミルは、トリステインの王室に保存されている歴史書に一筆、こう残している。

 私の優秀な使い魔はどんなとき、どんな場所でも、剣から私を守り、魔法から私を守り、そしてありとあらゆる罵声から私を守ってくれた。

 私はそれに応えただけ。
 そう言った彼女の笑みは、国中の男という男を魅了するほどに、魅力的だったという。


 ゼロのそこにある壁 了
149マリコルヌの日記☆抜粋:2007/09/02(日) 20:55:34 ID:zRi/4xaP
>>148
乙〜 GJ
150ゼロのそこにある壁:2007/09/02(日) 20:56:23 ID:Xtjht+YB
投下終了です。あじゅじゅしたー。次の方どぞ
>>139-140に全俺が泣いた
151名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:56:30 ID:a4vesFbo
ポケモン3連携GJ
152名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:56:48 ID:FnWjs6/N
GJしたー。
なんかいいなぁ。何がいいとははっきり言えないけど、何かがいい。
153名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:57:01 ID:PC6P8yNS
ブラヴォー!おぉ、ブラヴォー!!
涙腺崩壊したじゃねえかコンチキショウ!?( つдT)

ポケモンは素で凶悪すぎて洒落にならん、ギャラドスとか
154名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:57:14 ID:iwL7zk9/
うぅむ……GJ。
155名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:57:24 ID:Y4mKdp2Z
バリバリ乙!
156名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:58:07 ID:kDx+YiV7
GJ!バリバリはサトシのそれみたいに家事上手いのかねえw
157名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 20:58:18 ID:Rc0OHjSD
今日はポケモン祭りか。
158名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:01:24 ID:kc8zu5SV
ハイパーポケモンタイムGJ!
159名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:02:05 ID:23YwNxLd
何この図ったようなポケモン連続
チャットとかで話し合ったの?
なら、ちゃんと予告なりなんなりしといてほしい
いきなりスレ占領するなよ
160名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:02:11 ID:sLrZ3EfD
>>145
上にあるピジョットですらマッハ2だしなぁ

一番ひどいのはカイリキーか?

発達した4本の腕で、2秒間に1000発のパンチを繰り出せる。
パンチを受けた者は地平線まで吹っ飛んでしまうという。
腕は1本でも山を動かせる力がある。
4本の腕で相手の手足を押さえ込み、地平線の向こうまで投げ飛ばす。
161名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:02:21 ID:7f+NZS2K
バリアーGJ!そして次は誰だろうか?
162名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:02:55 ID:TZKgYbUb
もしもルイズに召喚された平民がサトシ(モンスターボール+ピカチューのみ所持)だったら……

「ワルキューレ、ゲットだぜ!」
「うわぁ、ボクのワルキューレ返したまえ!」

「ゴーレム、ゲットだぜ!」
「なにすんのよこのガキ!」

「偏在ゲットだぜ!」
「私の偏在を! ってかここまでポケモン扱い!?」
163名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:03:29 ID:sziVe8li
ポケモンは電撃ピカチュウとアニメ(オレンジ諸島編)までしか知らんから
話について行けない
164名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:04:50 ID:RBG9KyyY
ポケモン召喚の作者、全員GJ! 久しぶりにポケモンやりたくなった。
金銀のころ妹と同時進行でやって妹が一発でイーブイのメスだして、しかもエーフィに進化させたのに嫉妬したのも今じゃよき思い出。
165名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:05:06 ID:kc8zu5SV
>>162
あいつはポケモンをほとんどゲットしないぞ
ポケスペのレッドなら普通にゲットするだろうが
166名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:06:33 ID:RBG9KyyY
>>165
ポケスペのレッドはトレーナーとしても一流だからな。
バランスは少々悪いが持ってるポケモンは皆強いこと強いこと。
167名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:08:42 ID:POja/9UC
>>166
サイホーンのしっぽをふるで墜ちるプテラはどーかと思う
168作家チャット代表:2007/09/02(日) 21:11:44 ID:0jPWfbGg
そろそろ気づいている方も出ているので、ネタ晴らしさせてもらいます。
実は数日前に、作家専用チャットで『50スレ目記念になにかやろう!』という案がでました。
そして、ネタの統一化の際に『ポケモンの召喚が一番汎用性を持たせられるのでは?』という意見からこんな風になっております。

ポケモン大嫌いだという方や、「俺はゼロ使と他の作品のキャラのクロスが読みたいんだ(もしくは投下したいんだ)」という方にはご迷惑をおかけします。
169名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:12:49 ID:4dk3OqHt
なるほど……記念作品GJ!!
170名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:13:37 ID:gWZkdOF9
面白いし、準備されてるだけあってネタも練られてるからGJ!
171名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:14:04 ID:6zd3mPQg
はいはい、くまくま
172名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:15:32 ID:23YwNxLd
なら、避難所でやればよかったじゃん
いきなりやられても、正直困る
チャットに参加しない作者は、投下すんな、黙ってを見てろ、ってことになるよね?
173名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:16:37 ID:kc8zu5SV
>>172
はいはい毒吐き毒吐き
174名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:17:22 ID:FnWjs6/N
面白ければよいと思うのですよ。GJしたー。
175名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:17:33 ID:23YwNxLd
良かれと思ってやってくれたんだと思う
その気持ちは、ありがたいし、感謝もしようと思う
ただ、もう少し気を使ってほしかった

あと、代表の割には謝罪文の書き方がなってない
何が問題かわかってないでしょ
176名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:17:47 ID:Rc0OHjSD
>>172
このスレで毒吐くなよ。空気が悪くなる。
避難所池
177名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:17:52 ID:9u2znA5Y
ポケモンは懐かしい気分になる年齢
作者方GJですぜ
178名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:18:24 ID:17o+6hJd
毒と批評の区別を付けなさいね
179名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:18:55 ID:sziVe8li
ポケモン大嫌いじゃないが
最近はちょっと・・・っていう俺は今日は居づらいかな?
180名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:19:24 ID:UFlfAjJN
>>168
謝ってねー!
181名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:19:43 ID:6zd3mPQg
>>172
ただの釣りじゃないか?
182名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:20:59 ID:kDx+YiV7
>>179
まあここは流れが頻繁に変わる節操の無いスレだからな。
ある意味、仕方がない。俺は楽しめたが
183名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:21:37 ID:6R/V56EJ
>>172

別にポケモン祭りの途中で投下するななんて誰も言ってないよな?
投下したかったら宣言すれば良かった訳だし。
184名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:22:23 ID:Y5smUskT
こんな流れがこのスレらしくていいじゃないか。
各作者GJ!
185名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:22:24 ID:ueDGyKSk
ここらで空気を読んで投下してくれる職人さんはおらんかえ?

自分で書くには時間がなさ過ぎる。
186名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:23:00 ID:kc8zu5SV
調べたらいつもの単発IDだった
187名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:23:03 ID:POja/9UC
お前ら釣られすぎ
188名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:25:01 ID:6zd3mPQg
何処からの釣り客か知らんが疲れるな
189名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:25:02 ID:4Xzf1Tz+
ポケモンは遊んだことが無いが面白かったぜ!
50スレ記念か・・・
この先もあるなら楽しみに待ってるぜ!
190名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:25:10 ID:GbvMxpzY
スルーだ、スルーを使え
191名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:25:33 ID:X+Ooiofn
>>190
ごきげんよう。
192名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:26:02 ID:yNq0wbJa
>>185
ははは、投下したくても書きあがって無い奴がここに一人。
前回と同じ分量書いてるのに全然区切りまで行かないこの辛さ。
せめて皆と同じ位の執筆速度があればなあ……。
193名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:26:16 ID:Fpkbu0t0
>>167
あの世界ではゲームじゃダメージを受けない技でもダメージを受けるからな。
しかも意外にも結構そういった技が決め技になる事が多いというw
サイホーンのにしたって、「しっぽをふる」じゃなくてしっぽで打ってるしw
194名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:27:10 ID:FnWjs6/N
>>191
それはスールだと突っ込むべきか?
そうじゃなくてワルキューレに出てきた商人だろ。
195名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:29:18 ID:kc8zu5SV
この流れ見てたらフーケとテファがロケット団コスしてる電波が
196名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:29:15 ID:RBG9KyyY
>>194
ごひが正義だと信じてる存在じゃないの?
197名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:29:50 ID:vPywY7Jr
>>194
そりゃズールだろ?
そうじゃなくてメタルギアソリッドに出てきた悲しい悲しい言ってる奴さ
198名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:30:37 ID:a8gtlPqF
ってか、ポケモンは知能かなり高いだろ
喋るニャースとかバシャーモ見る限り人の言うことも全部理解してるっぽいし
199名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:30:43 ID:nCeB9pOb
>>196
それもズールだろw
200名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:31:53 ID:ObmkTzj/
>>197
それはザ・ソローw
201名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:33:30 ID:Zja+Mk3g
誰か投下予定ございます?
202名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:35:08 ID:tu2LD+/8
>>201
歩道は空いているよ
203名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:35:12 ID:zeITXheZ
>>201
ない。
204名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:35:49 ID:Zja+Mk3g
じゃぁ投下させてもらってよろしいかしら。。。味のりうめぇ…
205名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:36:05 ID:ueDGyKSk
変態執事の事じゃあるまいか?
206ソーサリー・ゼロ:2007/09/02(日) 21:36:18 ID:Fifm52A7
えーと、この状況は予約なしと見てよろしいのでしょうか?
いいのなら2140時から。
207名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:36:58 ID:Y4mKdp2Z
>>204 >>206
かな?
208名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:37:01 ID:zeITXheZ
予約状況
201→ソーサリー・ゼロ かしらー?
209名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:37:12 ID:Xtjht+YB
投下前支援
210名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:37:19 ID:ZGspK9Vm
ご飯も一緒に食べないと消化に悪いよ支援
211名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:37:39 ID:POja/9UC
>>206
落ち着いて>>204を見ようか。
212名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:38:20 ID:Zja+Mk3g
味のりしかない、現状。
用事ができたので、ソーサリー・ゼロ の後で投下させていただきますかしら。
213ソーサリー・ゼロ:2007/09/02(日) 21:41:14 ID:Fifm52A7
え、私っスか?
それでは、第一部最終パラグラフと死亡パラグラフ集を、
投下させていただきます。
214男達の使い魔:2007/09/02(日) 21:41:33 ID:+BCGLgJF
それではその次に。
明日から仕事なので更新は遅くなりますが、
今回はきりのいいところまで書けましたし。

……ポケモンは実はやったことないので書けませんでした。
215名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:44:19 ID:Y5smUskT
投下ラッシュが来るとうれしいな。支援するぜ。
216ソーサリー・ゼロ:2007/09/02(日) 21:45:17 ID:Fifm52A7
四六〇
 
 振り返った君は、思わず感嘆の息を漏らす。
 君が目にしたものは、白いドレスをまとい、長く薄赤い髪を金色の装身具を使って後頭部でまとめ、静々と歩み寄ってくる
ルイズの姿だ。
 以前から眼が大きく可愛らしい顔立ちではあったが、こうして着飾った姿からは、大貴族の令嬢にふさわしい洗練された気品、
優雅な美しさが伝わってくる。
 いつもの我儘で高慢なじゃじゃ馬とは、似ても似つかない。
 女とは衣装や化粧でこうも化けるものかと、君は感じ入る。
 君が舞踏会はどうしたのだとルイズに尋ねると、彼女は
「なんだか、つまんなくなって」と言う。
「今までさんざん、ゼロだ、劣等生だ、とからかってきた連中が、掌を返したように馴れ馴れしく近寄ってきて
『お嬢さん、僕と踊ってもらえませんか?』とか言ってくるのよ?そりゃあ、最初は鼻が高かったけど、なんだかばかばかしく
思えてきて。わたしがちょっと爵位を貰いそうだからって、下心丸出しで擦り寄ってくる、つまらない連中よ」
 男子生徒たちが近づいてきたのは、名誉や称号よりも、彼女自身の美しさに魅かれてのことではないかと考えるが、
それを面と向かって告げるのも恥ずかしいため、黙っておく。
「舞踏会の華として、ダンスのパートナーをとっかえひっかえなんてのは、キュルケに任せておけばいいわ。
それで、ホールを脱け出してちょっと夜風に当たろうと思っていたら、偶然あんたがいたわけよ」
 そう言ってルイズは、君の隣に腰をおろす。
 
 互いに無言で二つの月を見上げている君たちだが、やがてルイズが沈黙を破る。
「あの闘いで、わたしは何もできなかった。あの化け物を倒したのは、あんた。わたしは蛇に巻きつかれて、
あんたの足手まといになっただけ」と、自嘲するような調子でルイズは言う。
「でも、見てなさいよ。あんたがもとの世界にに帰っちゃうまでに、このルイズ・フランソワーズ・ル・ブランド・ラ・ヴァリエールが、
あんたなんかよりずっと強くて、高貴で、美しいメイジだってことを見せてあげるからね」
 彼女は真剣な表情でそう言うが、あまり思いつめるのも体に悪いと考えた君は、それを茶化してやることにして、
それでは当分のあいだ帰ることができないなと笑い、それまで寿命がもてばいいのだが、とつけ加える。
「あ、あんたねぇ!使い魔の分際で、ま、またご主人様をばかにしてー!」
 いつもの調子に戻ったルイズが、顔を紅潮させて怒りの声を張り上げる。
 月明かりに照らし出された彼女は、美しく、生意気で、愛らしい。
 もうしばらくは、この世界に居るのもいいだろう。
 さまざまな驚異と、愛すべき人々に囲まれて。 
 
 しかし、君は自らの内側に起こっている異変に気づいてはいない。
 任務を完遂し祖国を救おうという義務感が、望郷の念が、いや、極めたはずの魔法の知識さえもが、
波に洗われる石のように、徐々に磨り減っていることを…
217名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:46:20 ID:UFlfAjJN
ええっ!?支援
218名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:46:57 ID:MyPRa+OA
かわいいルイズ支援
219名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:47:22 ID:FnWjs6/N
こえぇ……支援
220名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:47:42 ID:FXFAPT+i
ソーサリー待ってたよ!支援!
221ソーサリー・ゼロ:2007/09/02(日) 21:47:48 ID:Fifm52A7
 以下、死亡パラグラフ集。
 
一四
 
 君は武器を構え、六体の青銅ゴーレムに立ち向かうが、同時に繰り出される六本の槍をかわすことなど不可能だ。
 一本が腕を貫き、もう一本が脚に突き刺さる。
 しかし君は、悲鳴も苦悶の唸り声も上げない。
 三本目の槍が、喉を貫通したからだ。
 目の前が暗くなり、全身の力が抜け、その場にひざまずく。
 君が最後に聞いたのは、自身の喉がごぼごぼと鳴る音と、
「き…君が!君が悪いんだ!僕は殺すつもりは…」と叫ぶ、
狼狽したギーシュの声だ。
 もはや君が、アナランドに戻ることはない。
222名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:48:23 ID:Zja+Mk3g
味のり支援。
223ソーサリー・ゼロ:2007/09/02(日) 21:48:54 ID:Fifm52A7
一八五
 
 逃走のために背を向けるが、土ゴーレムはもう、すぐそこまで迫っている。
 相手は君をつかもうと、大木ほどもある腕を伸ばす。
 よけきれず、わしづかみにされた君を耐え難い激痛が襲うが、どうすることもできない。
 ≪土塊のフーケ≫は、盗みを邪魔しようとする相手に慈悲をかけることはないのだ。
 土ゴーレムは君を握りつぶす…
224名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:49:39 ID:a4vesFbo
義務感や望郷の念はともかく、魔法の知識が磨り減ってるってのはいったい……支援
225名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:49:49 ID:98jWTZmZ
支援いたす
226名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:49:58 ID:FXFAPT+i
使い魔のルーン怖ぇえ。支援
227名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:50:00 ID:5tgmK9xW
さすが死亡パラグラフ
えぐいぜ
228名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:50:05 ID:zdci1Ffx
支援
229ソーサリー・ゼロ:2007/09/02(日) 21:50:32 ID:Fifm52A7
四〇七
 
 体力点一を失う。
 石粉は持っているか?
 なければこの術は効かぬ。
 持っていれば、標的を選び、その標的を石に変えてよい。
 だが、土ゴーレムを石に変えたところでなんの意味がある?
 フーケがたちまちのうちに、石を土に変えるだけの話だ。
 君が術を使っているあいだに、残りの二体が近づき巨大な腕を振り下ろす。
 術に集中していた君は、その一撃に気づくのが遅すぎた。
 ≪土塊のフーケ≫は、盗みのためなら殺人もいとわないのだ。
 痛みを感じる暇もなかったのが、不幸中の幸いだ…
230名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:51:11 ID:/DjiR5P8
魔法の知識自体がアナランドとやらに基づいているのかな支援
231ソーサリー・ゼロ:2007/09/02(日) 21:52:08 ID:Fifm52A7
六七
 
 武器を構えて月大蛇に打ちかかろうとするが、怪物のほうが先に動く。
 月大蛇がルイズを全力で絞めあげると、彼女の全身から骨の砕ける鈍い音が響く!
 目の前の光景に半狂乱になり、絶叫して大蛇に斬りかかる君だが、突然、左手の甲に刻まれた紋様の輝きが強まったことに驚き、
足を止める。
 紋様の光はすぐに薄れ、それに合わせるかのように、君の意識も暗闇に飲み込まれていく。
 その場に倒れ伏したときには、心臓の鼓動が止まっている。
  
 君に刻まれた≪ルーン≫は非常に特殊なものであり、主人を守りきれぬ無能な≪使い魔≫には、しかるべき報いを与えるのだ…
232名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:52:20 ID:MyPRa+OA
きみのぼうけんはここでおわってしまった支援
233名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:52:30 ID:POja/9UC
うおぉ…何というかすげぇデットエンド支援
234名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:53:14 ID:UFlfAjJN
>>224
自分の使い魔が魔法を使うなんてルイズが認めないからじゃね?
235ソーサリー・ゼロ:2007/09/02(日) 21:53:44 ID:Fifm52A7
以上です。
第二部・アルビオン編、乞うご期待!
我ながら、恐ろしいルーンだ…
236名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:54:14 ID:Z/Ca31XS
召喚された者、物の本来の所有者が現れて争いになるとか書いてみたいが文才がなぁ
237名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:54:16 ID:FnWjs6/N
>>224
ガンダールヴは武器振るって虚無の使い手を守ればいいんであって、
魔法を使える必要はないってことかも知れん支援
238男達の使い魔:2007/09/02(日) 21:54:35 ID:+BCGLgJF
>>235
乙です!
バッドエンド集は必須ですね
239名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:54:45 ID:FXFAPT+i
えええ!?主が死ぬと僕も死ぬって何処の(ry
それはそうと乙でした!
240名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:54:51 ID:zRi/4xaP
>>235
GJ
241名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:55:52 ID:Zja+Mk3g
乙!
242名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:56:11 ID:cjLf9iTj
乙でした
243名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:56:12 ID:/DjiR5P8
乙。ルイズ=プレインズウォーカー、君=クリーチャーと考えてしまった俺はダメかもしれん。
244名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:56:34 ID:FnWjs6/N
GJしたー。
確かに洗脳効果オソロシス。
2巻も期待しています。
245名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:58:59 ID:Xtjht+YB
>>235乙です!
続けて男塾支援
246男達の使い魔:2007/09/02(日) 21:59:30 ID:+BCGLgJF
私の前に
>>212
の方がいるかと
247名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:00:02 ID:a4vesFbo
味海苔→男塾か
248The Zero:2007/09/02(日) 22:00:10 ID:Zja+Mk3g
では、投下させていただきますかしら。

「ジ・エンドが……」
「僕らを庇ったのか……」

 何処かの世界で、崩れてゆく巨大な人型を見て桃色の髪の少女と一人の男性がそう呟いた。





 ルイズ・フラソワーズ・ル・フラン・ド・ラ・ヴァリエールは、唖然として目の前に現れた黒いゴーレムを見上げる。
 その黒いゴーレムのフォルムは、禍々しくその黒と言う色がそれを一層際立たせている。
 さて、何故がこの黒いゴーレムがルイズの目の前に存在するのかといえば……
 使い魔召喚『サモン・サーヴァント』を唱え実行した為である。
 それはそれとして、ルイズは数十秒ばかり唖然とした後まるで狂った様に心の中で喜んだ。
 他のクラスメイトが呼び出した使い魔以上じゃない! と……
 これで、私はもう『ゼロ』じゃないんだ! と、喜んだ。
 そして、サモン・サーヴァントの次に重要な契約『コントラクト・サーヴァント』を行なうのだが……
 黒いゴーレムの頭の部分は、ルイズの身長よりもかなり高い所に存在する。
 コレを見かねて、引率の教師である中年男性……ハゲ……もといコルベールが、フライの呪を唱え
 ルイズを抱き抱えて黒いゴーレムの頭の部分まで空へと浮かび上がる。
249名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:00:30 ID:UFlfAjJN
いつの間にか学院のトップになっている江田島塾長。支援
250名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:01:31 ID:Zja+Mk3g
うわ、sage忘れた。ごめんなさい。

>>248
 丁度、その黒いゴーレムの顔の前まで来た時……ゴーレムの目が、ギョロリとルイズとコルベールを見る。
 突然の事にルイズは、身をすくめ……コルベールは、ゴーレムの鋭い眼光にルイズを抱き抱えていた腕の力を緩めてしまった。
 あっ……と、言葉を発する前にルイズの身は大地目掛けて落ちる。
 コルベールが、慌ててレビテーションの呪を唱え様とするのだが……遅い。
 ルイズは、「ちゃんと成功したのに……もう……終わり?」と心の中で呟く。
 しかし、ルイズの体は黒いゴーレムの手によって受け止められ……手がそのまま黒いゴーレムの顔前まで持ち上がる。
 丁度よくゴーレムの胸の部分に降ろされたルイズは、改めて黒いゴーレムの顔を見ると……
 先程と同じ様に、ゴーレムの目がルイズを見つめていた。
 ルイズは、少々脅えながらもゆっくりと黒いゴーレムの顔へと近づきコントラクト・サーヴァントの呪を唱え
 多分口だろう場所に、小さく口付けを行なった。
 数秒後、黒いゴーレムの左手に巨大な使い魔のルーンが浮かび上がり……
 ルイズを抱き抱えて降りたコルベールが、その巨大なルーンを見て「珍しいルーンですね」などと呟く。
 これで、クラス全員の使い魔召喚が無事……まぁちょっとしたハプニングがあったが……終了し
 クラスメイト達は、フライの呪を唱え学院へと戻ってゆく。
 その時に、クラスメイトに罵詈雑言を投げかけられるが……ルイズは、不思議と苛立つ事はなかった。
251名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:01:43 ID:/DjiR5P8
支援開始。
252The Zero:2007/09/02(日) 22:02:55 ID:Zja+Mk3g
今度は、タイトル忘れるし……
>>250
 そして、ルイズは黒いゴーレムを見上げて……「この子どうやって学院に連れてったらいいだろ?」と呟いた。
 するとその言葉に反応したように黒いゴーレムは、傅きルイズの前に右手を差し置く。
 乗れって事だろうか? と、ルイズは黒いゴーレムの手に乗ると……黒いゴーレムは腕を持ち上げ
 丁度黒いゴーレムの顔の後ろ……妙に後ろに膨らんでいる部分へと持ってゆく。
 なんだろう? と、ルイズが首を傾げると……黒いゴーレムのその妙に膨らんでいる部分が、静かな音を立てて開く。
 ルイズは、聞いた事も見た事も無い構造に驚きを表すが、どうやら入れば良いのね? と、呟き中へと入ってゆく。
 ルイズが、入ったと同時に開いた場所が閉じ一瞬暗闇後に、明るくなる内部。
 そこで、ルイズは改めて驚愕。
 黒いゴーレムの中に入ったはずなのに、外の風景が見える。凄い……凄いわ! と、興奮し
 後ろにもこんな風景が見えるのかしら! と、後ろを振り向いた瞬間……
 無数の目にギョロリと見られ立ったまま気絶すると言う器用な事をするルイズだった。

 三十分ばかりで再起動を果たしたルイズは、無数の目にまたギョロリと見つめられたが……耐性が着いたのか
 今度は、気絶せず……コレからどうすればいいのかな? と、考え始めた。
 すると、ルイズの目の前に見慣れない文字が書かれた紙の様な物……ウィンドウ……が、現れる。
 多分、どうすればいいのか……などと、書かれているのだろうが生憎、書かれている文字がまったく読めない。
 はぁ……と、ため息をつくルイズ。
 まるで、ため息に反応した様にウィンドウが消えまた出現すると……
 今度は、ルイズが良く見慣れた文字で色々と説明が書かれていた。
 結局、その説明書きみたいなモノを一時間ばかりかけて読み……おっかなびっくりあの無数の目がある場所へと近づく。
 其処には、穴が四つ空いており……説明に書いてあった通りにまず下に空いている二つの穴に足を入れ……
 次に上に空いている二つの穴に腕を入れようと試みるのだが……何度目かの挑戦後……
253名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:03:04 ID:a8gtlPqF
真のヒロインの機体ktkr
でもトラパーないけど飛べるんだろうか支援
254The Zero:2007/09/02(日) 22:04:16 ID:Zja+Mk3g
>>252
「……背筋と腹筋鍛えないとダメね」

 下の穴に足を入れたままがっくりとうな垂れるルイズだったが……なんとかこんとか上の穴に腕を差込顔を上げ前を見た。

「じゃぁ、行きましょうか! ジ・エンド!」

 ルイズが、黒いゴーレムの名前……説明にあったゴーレムの名前……を、告げるとジ・エンドは答える様に啼いた気がした。
 なお、学院に到着し自室に戻り……ベットに腰掛けた瞬間……
 手を最初に入れた方がやりやすかったんじゃない? などと気づいてルイズは、ベットに沈むのだった。






〜トリステイン学院新聞〜

 驚愕! 大地を揺らし走る黒いゴーレム!
 その正体は、ルイズ・フランソワーズ・ル・フラン・ド・ラ・ヴァリエールが召喚した使い魔!

 そんな記事があったとかなかったとか……
255名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:04:29 ID:ueDGyKSk
どじっ娘認定支援
256名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:04:31 ID:pnLio1D8
板野レーザーサーカス支援
257The Zero:2007/09/02(日) 22:05:48 ID:Zja+Mk3g
短いですが、投下終了です。

エウレカセブンより、アネモネの機体 ジ・エンド。
258名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:07:18 ID:GBJj/zX6
ジ・エンドと聞いてコブラ部隊のオジイチャンかと思った
259男達の使い魔:2007/09/02(日) 22:07:25 ID:+BCGLgJF
それでは日本男児として特攻します!!

土くれのフーケは、否マチルダ・オブ・サウスゴータは一つ溜息をついた。
ついに念願がかない、トリステイン魔法学院の宝物庫に押し入る、という段になってだ。
平民のメイドでありながら、圧倒的な力を持つはずのメイジに決闘を挑み、ついには打ち勝ってしまった少女。
潔く負けを認め、謝罪した少年。

あの時、マチルダ・オブ・サウスゴータの周りには、そんな素晴らしい人々は誰一人としていなかった。

そしてー

最後に故郷で待っている家族と、どこかそれに似たメイジと使い魔たちを思い浮かべ、

思いを打ち切った。

「行くよ!土くれのフーケ、一世一代の大仕事だ!」

そう言い切って宝物庫の方へとマチルダ・オブ・サウスゴータは、土くれのフーケは足を進めた。
260男達の使い魔:2007/09/02(日) 22:09:35 ID:+BCGLgJF
あの決闘騒ぎからおよそ一週間の時が過ぎた。
回復したシエスタは、マルトーや同僚のメイドから英雄扱いされ多少困惑している。
向こうに悪意がないため、強くは出られないのがほほえましい。
ギーシュはあの後、一号生の宿舎やシエスタのところに頻繁に顔を出しているようだ。
あの戦いは彼なりに思うところがあったようだ。
そういったギーシュの姿は下級生に人気があるらしく、きゃあきゃあ言われている。
一度、モンモランシーがその様を鬼のような形相で見つめていたのを見た時、ルイズは本気で引いた。

(見なかったことにしよう。)

生存本能に基づいた、的確な判断である。
キュルケとタバサもまた、シエスタとルイズの使い魔のところへやってくるのを見かける。

(宿敵ツェルプストーの女が何をたくらんでいるのよ!)

当初はそ思っていたルイズであったが、ただ熱心に話を聞くだけの姿に拍子抜けした。
もっとも、田沢や松尾、富樫などの鼻の下が伸びていたのは気にくわないが。
そして、これが一番意外だが、ミス・ロングビルの姿も見かけるようになった。
……一番最初に見た時は、建物の男臭さに多少引いていたようだが。
慣れって怖い、ルイズは真剣にそう思った。



そしてルイズは……

日が暮れ、皆が寝静まったころ、一人学院外の草原へと向かう姿あった。
ルイズである。
あの決闘騒ぎでもっともショックを受けたのは、間違いなくルイズだ。
少なくとも、本人はそう思っている。
ただの少女が(ルイズ主観)、決闘でメイジを破ったのだ。
ならば、自分ももっと修行を積み、高みに至らねばならない。
そう考えたのだ。
261名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:10:19 ID:/DjiR5P8
あ、アレは伝説のー!?
262名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:10:31 ID:FXFAPT+i
トラパー無いから走るのかwそして乙!
そんで男塾支援!
263男達の使い魔:2007/09/02(日) 22:11:27 ID:+BCGLgJF
10分ほど歩いたところでルイズは足を止める。
そこには、とても学院の近くとは思えない、見事な草原が広がっていた。
ここがルイズの秘密の特訓場所である。
今日は珍しくそこに先客がいた。

(桃で良かったわよね?)

使い魔たちのリーダー役であるその男を見止めたルイズは、声をかけることにした。

「こんな時間にそんなところで何をやっているの?」

桃と隣にいた生物はゆっくりとルイズの方を向いた。
この時になって初めてルイズは気がついた。
一緒にタバサのシルフィードがいることに。

「今日は月が綺麗なのでね。
 こいつからお誘いを受けたのさ。」

そう言って桃はシルフィードをさした。
ルイズの顔に?マークが浮かんでいることに気がついた桃は、もう少し詳しく説明することにした。

初日に一緒に月を眺めてから、時々シルフィードのお誘いを受けるのだ、と。

「そういうヴァリエール嬢はどうしたんだい。」

こいつらは、そろいもそろってそういう風に言うわね。
ルイズはそう思った。
子供扱いされているようで気にくわないのだ。
そうは言っても、相手は答えた。
今度はこちらが答えるのが筋だろう。

魔法の練習に来た。
そう告げてからルイズは練習に入った。
いつも通り全て爆発に結びついてしまったが、それを見る桃の目は不思議と優しかった。

そうして、(ルイズ主観で)無為に時間が過ぎてしまった。
桃とシルフィードの優しい時間を乱しているように感じたルイズは、少し予定を繰り上げることにした。
そうして彼女は帰途に着いた。
あとは寝るだけのはずだった。
264名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:12:17 ID:UFlfAjJN
シエスタは気が使えそう支援
265名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:12:22 ID:tu2LD+/8
もしかしてデルフ出番無し?支援
266名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:13:09 ID:ne3XKKOX
今来たぜ支援。
そして、元ネタの台詞を確認しようとビデオ見てたら
デッキがバンって煙上げたぜ orz 支援2。
267男達の使い魔:2007/09/02(日) 22:14:09 ID:+BCGLgJF
「予想通り!」

土くれのフーケは思わず声を漏らした。
その手には一本の剣が握られている。

「とうとう盗賊にまで使われるとは、俺も落ちたもんだぜー。」

剣がぶつぶつとつぶやいている。
この剣こそ、魔法を吸収する意思持つインテリジェンスソード、デルフリンガーである。

ミス・ロングビルとしてオールド・オスマンに頼まれた買い物をしに、トリステイン王都に行った時のことだ。
何気なく入った武器屋で、彼女はこの剣に声をかけられたのだ。
正直、ろくな剣がないと判断していた彼女は、この剣を調べることにしてディテクトマジックを使った。
しかし、その魔法はこの剣に吸収されてしまったのだ!
この事実に店主は気づいていない、そう判断したフーケは、格安でデルフリンガーを譲り受けたのだ。

そして今に至る。
本来なら、盗賊に使われている状況では、もっと騒がしくしていてもおかしくないのがデルフリンガーである。
しかし、細かい愚痴こそ言うものの、騒ぎ立てる様子はない。

持ち手の感情が分かる剣、デルフリンガーには分かるのだ。
彼女の心が土くれのフーケとマチルダ・オブ・サウスゴータで揺れているのを。
だからこそ、今は大人しく使われているのだ。


デルフリンガーにて無事、固定化を解除した。
しかし、まだ強固な防壁が残っている。
フーケのゴーレムでは、一撃で破壊することは困難だろう。
しかし、不可能ではない!
もはや故郷とも言える場所で、唯一心の底からフーケに説教をしていた男のことを思い出した
フーケは、そう確信していた。
フーケは今、どうすればゴーレムにその男のような動きをさせることができるか、
と問いただした時のことを思い出していた。
268名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:14:54 ID:f0K60MNr
>>265
唯一使いそうな桃だって使い慣れたダンビラのほうがいいだろうしね支援
269名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:15:11 ID://ixKJdP
汚れちまった悲しみに俺の青春ナンボのもんじゃい!支援!
270名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:15:39 ID:/DjiR5P8
>>266
おいおい大丈夫か?(汗) そして支援
271名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:15:50 ID:FXFAPT+i
とか言ってるうちにフーケに使われてるぞw支援!
272男達の使い魔:2007/09/02(日) 22:15:58 ID:+BCGLgJF
「拳の理は一朝一夕には身につかぬ。ましてそのような土人形にさせるとあらば、なおさらだ。
 それならば、もっとも単純な。単純ゆえに間違わぬ公式を使わせたほうがいいだろう。
 すなわち……」

宝物庫から少し離れたフーケは、己の全霊を振り絞ってゴーレムを作り出した。
高さは30メイルといったところか。
今の自分にはこれ以上のゴーレムは作り出せない。
そう確信したフーケは、危険を顧みずゴーレムの肩に乗った。

―タイミングを取るためには必要なこと。

そう自分に言い聞かせたフーケは、ゴーレムで全力疾走を開始した。
肩の位置は、想像を遥かに超えて揺れる。
しかし、フーケの目線は揺るがない。
ついには宝物庫の近くまで戻ってきた!
走る勢いをまったく緩めずに、フーケはタイミングをはかった!

「破壊力 = スピード × 体重 ×
       
       握力!」

完璧なタイミングで握りこまれた拳が宝物庫の側面に突き刺さった!
そう、「突き刺さった」のだ。

こうしてフーケは魔法学院の宝物庫に侵入することに成功した。

『伝説の杖と伝説の旗、確かに領収しました。
              ――土くれのフーケ』
273名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:16:20 ID:a8gtlPqF
デルフ・・・とうとうフーケに使われる身に・・・
あれ?結構幸せじゃね?支援
274名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:16:24 ID:zRi/4xaP
説教?誰だろう・・・支援
275名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:16:55 ID:/DjiR5P8
ちょ、その理論は板垣公式?w
276名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:17:15 ID:7MxiBt8d
>伝説の旗
上がらずの大塾旗ktkr! 支援
277男達の使い魔:2007/09/02(日) 22:17:35 ID:+BCGLgJF
その様子を見ていた生徒は少数派であった。
彼らの多くは地響きが走った瞬間、ベッドの下に隠れてしまったのだから。
見物していた少数の生徒も、そのフーケのゴーレムの威容に見なかったことにしてしまった。
(中にはギーシュのように、泥のように眠りこけていた猛者もいたが。)

そう、ルイズにキュルケ、タバサを除いては。

この三人がフーケ討伐隊に志願するのは当然の理であった。


着いてこようとするメイドを、
今は病みあがりだし、今回は私の番だ、
という理由で断ったルイズは、キュルケ、タバサ、使い魔の伊達、
そしてミス・ロングビルと共に馬上の人となっていた。
そうフーケの後を追っているのだ。
取りとめもなく会話をしていたとき、ふとロングビルが前から聞きたかったことを伊達に尋ねた。

「オトコジュクのイチゴウセイとは、確か学生のことでしたよね?
 皆さんは何歳くらいなのでしょうか?」

本当にたいした疑問ではない。些細な疑問だ。
老けた顔の人間が多いが、それは苦労しているからだろう。
おそらく20台半ば、そうロングビルは予想していた。

「そうだな。ほとんど20歳未満といったところか。
 富樫にいたっては16になったところかな。」

桃と雷電は不明だがな。
そう付け加えた伊達の台詞にルイズが反応した。

「わ、私より年下なのーーー!あの顔で?」

使い魔たちの濃い顔を思い返してしまったルイズは、あまりの衝撃に噴出してしまったのだ。
何食わぬ顔で伊達は付け加える。

「ああ、ただここの一年は384日で、俺達の一年は365日だったから少しずれるな。
 貴様らの感覚では、あと一つ年下と思ってもらってかまわない。」

あまりといえばあまりな台詞に、思わずタバサも持っていた本を落としてしまう。
その様子を眺めていたロングビルは、御者をしているにも関わらず噴出してしまった。
278名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:19:20 ID:dqnznCSl
それ伝説の杖じゃなくて旗竿じゃねーの!?
279名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:19:27 ID:/DjiR5P8
そりゃ噴出すわなぁ……w
280男達の使い魔:2007/09/02(日) 22:19:46 ID:+BCGLgJF
「わたくしの聞いた情報では、あの中にいるという話です。」

ミス・ロングビルがある廃屋を指差した。
さて、どうしようか?
そう考えていたルイズの目に思わぬ光景が飛び込んできた。
伊達が一人でさっさと小屋の中に入ってしまったのだ。
慌てて後を追う三人。
ミス・ロングビルは森の中へと偵察にいく、と言い残して姿を消した。

「ちょっと!無用心に入って危ない目にあったらどうするのよ!」

そう言って伊達の後を追った。

小屋の中で思わず伊達はうなっていた。
ここに人がいないことは、気配がないことから分かっていた。
(傍目にはそう見えなくとも)罠にも最新の注意を払っていた。
そうして、盗まれたという宝物を見やって、伊達はうなり声を上げたのだ。

盗まれたという伝説の杖と伝説の旗は、二つ並べておいてあった。
しかし、それは尋常の大きさではない。
旗の方は長さが15メートル×10メートルといったところか。
そして杖には、それをくくりつけられるようになっている。
極めつけは……

旗の中心部に大きく 男 と刻まれているのだ!!

(これは、戦中に紛失したといわれる、男塾幻の大塾旗!)

男塾の歴史に詳しい伊達だからこそ、その正体まで看破できたのだ!

そこにルイズが飛び込んできた。
文句を言おうとした矢先、地面が揺れ始めた。

土くれのフーケの帰還である。
281男達の使い魔:2007/09/02(日) 22:21:19 ID:+BCGLgJF
外に飛び出した伊達とフーケが見たものは、絶望的な大きさのゴーレムに奮戦する
キュルケとタバサの姿だった。

その威容に伊達ですら息を呑む。
魔法が聞かないのを見てとったキュルケとタバサは一時撤退しようとしている。
それは、戦術的には正しい。
しかし、

「敵に後ろを見せない者を貴族と呼ぶのよ!」

心の底からそう信じているのだろう。
ルイズの目に恐怖はない。あるのは強固な意思だけだ。
そうだ!男塾の辞書にも敗北や逃走などという文字はない!

伊達はゴーレムの前に躍り出た

その光景をルイズは信じることができなかった。
体長30メイル近くあるゴーレムの攻撃を、たった一人の人間が受け止めているのだ。
槍の穂先とゴーレムの拳。
普通に考えれば前者が粉砕されて終わりだろう!
しかし、まるで時が止まったかのようにゴーレムの拳がピタリと止められている!

「嬢ちゃん!できることをしろ!」

伊達の檄が飛ぶ!
その言葉にわれに返ったルイズは、慌てて詠唱をしだす。

(私の魔法は全て爆発させてきた!なら!)

伊達が一合、二合、三合とゴーレムの攻撃をさばき続ける。
そこにルイズは、渾身の『錬金』をたたきつける。

爆発音がその場に走る

煙が晴れて見えたのは、半分以上体をえぐりとられたゴーレムの姿だった。

(なっ!)

思わず声をもらしてしまったフーケだが、慌てずゴーレムを再生させる。
しかし、今の再生に相当の魔力を費やしてしまった。
そのことを悔やんだ瞬間!伊達の鋭い声が飛んだ!

「嬢ちゃん!あそこの茂みを爆破しろ!」

そう、一瞬もれた気配を伊達臣人が見逃すはずがない。

その声を聞いた瞬間ルイズは迷わず魔法を使った。
そして、指示された茂みを爆破しようとした。
282名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:21:44 ID:pnLio1D8
「小屋」に入るのか?いや、きっと入るんだな。支援
283男達の使い魔:2007/09/02(日) 22:24:20 ID:+BCGLgJF
ルイズは、立ち上がった人影に自分の魔法が収束していくのを感じた。
剣を構えたようだが、たかが剣ごときで防げるはずがない。
そう確信していた。

キュルケとタバサは驚いていた。
即席で見せたルイズと伊達の連携も見事だったが、それよりもルイズの爆発の強さに驚いていた。
ゆえに、これで勝負がついたと確信していた。

おおおおおおおっ!
フーケの気合の声がほとばしる。

「デルフリンガー!気合を入れな!」

爆発は起こった!
しかし、その爆発はフーケの構えている剣に吸い込まれていく。
思わずデルフリンガーから声がもれる。

「くそ!虚無のエクスプロージョンとはこの体ではきついぜ!」

その瞬間ルイズの時間が止まった。

(私が虚無?ゼロのルイズとさげすまれていた私が虚無なの?)

そのため弱まったエクスプロージョンはデルフリンガーに喰らいつくされた。
しかし、フーケに反撃にうつる余裕はない。
284名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:24:31 ID:f0K60MNr
伊達はみんなより三つ年上支援
285名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:24:59 ID:/DjiR5P8
>>282
入ると思ったらきっと入る支援
286名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:25:53 ID:FXFAPT+i
デルフが変に活躍してるーーー!?支援
287名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:26:20 ID:/DjiR5P8
デルフ、敵に回すとやらしいな。メイジ的に。
288男達の使い魔:2007/09/02(日) 22:26:20 ID:+BCGLgJF
全員の注目がフーケとルイズに集まった瞬間ゴーレムの動きが止まった。
しかし、伊達臣人にはその一瞬で十分だった。

(普通に破壊してもすぐに再生できる!ならば……)

「闘・妖・開・斬・破・寒・滅・兵・剣・駿・闇・煙・界・爆・炎・色・無・超・善・悪・殺・凄・卍・克・哀・?
 
 覇極流 気張?!」

その言葉を唱えた瞬間、伊達の筋肉が大きく膨れ上がる。
そして槍を用いて大きく飛び上がった伊達は、全身全霊をこめて突きを繰り出す。
一、十、百、……
すさまじいまでの速さの突きの連続に、ゴーレムの体が次々と粉砕されていく。
しかし、気張?の限界も近い。
そしてついに千に達したとき、気張?も限界を超えた。

「覇極流 千峰塵!」

だがそのときには、ゴーレムなどかけらも残っていなかった。


そして伊達は最後の力を振り絞り、槍を土くれのフーケに突きつける。

「王手(チェックメイト)だ。」

疲れなど微塵も見せずにそう告げた。
289名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:26:30 ID:POja/9UC
なんかルイズの爆発がドえらい威力に支援
290名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:26:40 ID:3RvYLJzU
意外と良いコンビしてるデルフとフーケ支援!
291名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:27:20 ID:/DjiR5P8
む、文字化け起こしてないかな支援
292名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:28:21 ID:f0K60MNr
文字化け起こしてるね支援
293名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:28:32 ID:ueDGyKSk
>>282
入るかどうかでは問題ではない。
入れたんだよ。支援
294男達の使い魔:2007/09/02(日) 22:28:50 ID:+BCGLgJF
「なっ!ミス・ロングビル!」

土くれのフーケのフードを脱がすと、そこには見知った顔があった。

「やれやれ。ばれちまったかい。」

取り繕う必要がなくなったフーケは、素の口調でそう返す。
正直、限界だった。

「さて、あんた達。あたしを突き出すのかい。
 なら、好きにしな。」

その台詞にルイズは思わず詰まる。
これ程の悪名を鳴り響かせた土くれのフーケだ。
突き出されることが死を意味することが分からないはずがない。
もっと往生際が悪ければ、何も感じることなく官憲に突き出せるのに。
ルイズは思わずそう感じてしまった。

「一つ聞こう。なぜ先ほどのゴーレムの攻撃には殺気がなかった?」

伊達がフーケに尋ねる。
思わぬ質問についフーケは本音をもらす。

「……あんた達が家族に似ていたからさ。」

その重い言葉に場の雰囲気が重くなる。
誰もなにも言い出せないその状況を破ったのは、やはり伊達だった。
フーケを縛っていたロープを断ち切ると

「行け」

と短く答えた。
思わず全員の視線が伊達に集まる。
フーケも意図が分からず伊達に目をやる。

「俺の槍は女は殺さん。たとえ間接的にもだ。
 それに……守るべきものがあるのだろう?」

そう告げると、くるりと回れ右をして歩いていった。
見逃す、という意思表示だろう。
その台詞と態度に思わずルイズも笑みをこぼす。

今回は、無事フーケから宝物を取り戻した。
それで十分ではないか。

そんなルイズと伊達の様子に、キュルケとタバサも従うことにした。
わざわざ自分でこの事件の後味を悪くする必要はないのだ。
295名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:29:33 ID:3RvYLJzU
男前支援
296男達の使い魔:2007/09/02(日) 22:30:37 ID:+BCGLgJF
「待ちな!」

そう言ってフーケは、魔法を吸い取って、白く光り輝くようになったデルフリンガーを投げつけた。
思わず取ってしまったルイズは意図が分からずフーケを見つめる。

「そいつはデルフリンガー。魔法を吸い取るインテリジェンスソードさ。
 詳しいことはそいつ自身に聞きな!あんたの魔法の手がかりになるかもしれないしね。」

そう言ってフーケは去っていった。


ルイズは考える。

(私の魔法はさっき虚無と言われた。私は虚無なの?)

そうしてルイズは手元の剣に目を落とした。
デルフリンガーは白く輝いていた。

男達の使い魔 第四話 完
297名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:30:49 ID:f0K60MNr
何気に伊達は塾生で唯一女と戦ってるんだよね支援
298名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:31:25 ID:zRi/4xaP
>>298
乙〜
299男達の使い魔:2007/09/02(日) 22:32:20 ID:+BCGLgJF
NGシーン

雷電「こ、この一撃はまさか!」

虎丸「知っているのか雷電!」

雷電「これぞまさしく、中国において古代より伝わる阿矩檄」

かつて、宋の時代、阿矩檄(あ・くげき)という武侠がいた。
弱い者を助け、強いものをくじくその姿勢は、たいへん好感を持たれたと言う。
彼について特筆すべきことは一点。
その尋常ではない握力であった。
彼によって握りこまれた拳の破壊力たるや凄まじく、
今で言う米国はネバダという場所で打ち放った一撃は、半径数キロにも及ぶクレータ
を作ったという。
その彼が晩年に言った言葉がある。
それが、「破壊力=スピード×体重×握力!」という公式だ。
このエピソードが日本とハルケギニアに伝わり、この公式を忠実に再現するものの必殺技が
「握撃」と呼ばれるようになったのは有名な事実である。
民明書房刊「花山薫、その人生」(平賀才人著)
300名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:32:40 ID:98jWTZmZ
孤戮闘の男支援
301名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:32:47 ID:/DjiR5P8
乙。
302名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:32:52 ID:ueDGyKSk
民房書支援
303名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:33:05 ID:zRi/4xaP
間違えた
>>299
乙〜
304男達の使い魔:2007/09/02(日) 22:33:33 ID:+BCGLgJF
と言うことで投下終了です。
途中で文字化けして申し訳ないです……orz
題材が題材なので、次からは無理せずカタカナも混ぜていきますね。

それでは皆様、ご支援ありがとうございました。
305名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:34:02 ID:f0K60MNr
>>299

しかし宋代にアメリカってw
306名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:34:47 ID:ne3XKKOX
お疲れの乙。
……やっべぇ、デッキなおんねぇ!
307名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:35:11 ID:kxRZhe4I
どう文字化けしてるか書いたほうよくない?
化けたまま登録されないかね?
308名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:35:29 ID:POja/9UC
おつかれ様!
309名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:36:02 ID:Otsqj4KW
アラスカを歩いて渡ったんじゃね?
310名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:36:54 ID:FXFAPT+i
乙!
しかしこの才人は花山まで知ってるのかw
311名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:37:07 ID:c8ZApQsn
やっぱり、花山だったかw
拳を語らせたらあの人の右に
出る人はいないものなぁ
312男達の使い魔:2007/09/02(日) 22:37:10 ID:+BCGLgJF
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AD%81%21%21%E7%94%B7%E5%A1%BE%E3%81%AE%E7%99%BB%E5%A0%B4%E4%BA%BA%E7%89%A9#.E4.B8.80.E5.8F.B7.E7.94.9F
のこの項目の、伊達の必殺技が一部ひっかりました。
きちょうとう、という技です。
313名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:37:16 ID:5tgmK9xW
>309
武侠がそんな尋常な方法取るわけないだろ
ジャンプしたんだよ
314名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:37:25 ID:UFlfAjJN
>>309
空飛べばいいだろ。
315名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:37:26 ID:tu2LD+/8
>>305
落ち着け、男塾なら、民明書房ならそれくらい普通だw
316名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:38:13 ID:O51Xii3X
>>309
ベーリング海峡と言いたいのかしら
317男達の使い魔:2007/09/02(日) 22:38:46 ID:+BCGLgJF
>>305
ちなみに、ネバダは6500万年前のファーストインパクトの地です。
318名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:40:25 ID:sppxBSZT
>>305
よくあること
突っ込んだ方が負けだw
319名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:41:44 ID:Y5smUskT
乙&GJ!
だからネバダにエリア51があるのか。

関係ないかね…
320名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:43:57 ID:7MxiBt8d
>>313
おいおい、幾ら古代中国の武侠と言えどもそこまで無茶苦茶は出来ないだろ


海を走っていったんだよ
ほら、右足が沈む前に左足を前に出して、今度は左足が沈む前に右足を前に出して
前進って感じに
そうすりゃあ理論的には人は海上を走れる
321名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:45:01 ID:P5NpbUNk
烈海王もはしってたな
322名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:45:04 ID:sppxBSZT
>>320
最終的には空気を蹴って飛行できそうw
323名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:46:53 ID:i5W3xVT/
ところでポケモンネタってもう終わり?
もうちょっとあるのかと期待してたんだけど・・・
324名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:47:21 ID:98jWTZmZ
サトシ召喚の続きも…
325名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:48:59 ID:S2Mp5ao7
最近スレの勢いが・・・
そうか、もう夏休みも終わりなんだな・・・

昔は一日に2スレぐらい消費して田のにな
326名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:49:49 ID:UFlfAjJN
>>322
ワンピースの月歩じゃねえかw
327名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:49:57 ID:5tgmK9xW
約3時間30分で300スレオーバー・・・まだまだ驚異的だと思うんだが
328名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:50:18 ID:Y5smUskT
勢いがあればいいってものでもないのさ。
むしろ勢いあり過ぎるといない間に次スレになっててやだ。
329名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:52:48 ID:VlfYMqj5
そーいや花山もルイズより年下じゃなかったか?
330名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:53:42 ID:pnLio1D8
男塾の人気に嫉妬
331名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:55:19 ID:mdLSZY6r
たいしじはそらをとぶー
332名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:55:46 ID:sdghQTC0
>>329
最大トーナメント時点で19歳だそうだ
333名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:56:55 ID:Y5smUskT
>>329
バキが13の時は15だったな。見た目変わってないけど。
334名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:57:47 ID:nsnBB3zP
あの頃よりでかいってバキが言ってるぜ
335名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:57:48 ID:/DjiR5P8
>>331
アンタ……卓ゲ者だな?
336名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:59:30 ID:mdLSZY6r
>>335
ノノノ、アイムワーシスト。
とりあえずオンセしたいな。
337名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 22:59:55 ID:vPywY7Jr
あぶどばはぬめをいぬかれるー
>>331
止めようぜ、兄弟。卓ゲネタがどこでも通用すると思っちゃいけねぇ
338名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:00:04 ID:TZKgYbUb
>>324
サトシ召喚に続きって……

「スキルニル、ゲットだぜ!」
「巨大ガーゴイル、ゲットだぜ!」
「ヨルムンガンド、ゲットだぜー!」
「ミョルニトニルン舐めんな小僧」

こんなん?
339名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:08:29 ID:98jWTZmZ
いや、ずいぶん前にルイズをゲットしていたような…
340ゼロのぽややん:2007/09/02(日) 23:13:39 ID:sllv6UPC
投下したいけど、予約って無かったよね?
341名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:14:29 ID:/DjiR5P8
存分にあいてるさね
342名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:14:37 ID:brrvjK6v
それじゃあ流れに乗って投下予告、
俺もアンアンのくつしたゲットだぜ!
343名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:14:42 ID:3l259jZm
>>340
無いハズ
KEY92支援
344名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:16:25 ID:brrvjK6v
ぽややん支援。
なんというかタイムリーなブッキングいや、スマンカッタ
345ゼロのぽややん:2007/09/02(日) 23:16:25 ID:sllv6UPC
では投下。

 翌朝。
 学院の秘宝、破壊の杖がフーケにより強奪されるの報により、教師陣を含めた上層部では、てんやわんやの大騒ぎになっていた。 
 責任追及から、果ては罪のなすりつけ合い。
 ……醜いもんだ。 
 アオは、右手を左手で動かないように固定して、湧き上がる衝動を抑えながら、顔をしかめた。気を抜くと、目の前の汚物を一掃したくなる。
 事の顛末の目撃者として待たされている身としては、ここを離れるわけもにもいかないのが辛かった。
 せめて視線だけでもこの不快なものから逸らせようと、自分と同じように待たされている三人、ルイズ、キュルケ、タバサに目を向ける。
 キュルケはそ知らぬ顔で、自分の髪をいじっている。
 タバサは……いつもの無表情で、正直なにを考えているかわからない。 
 だが。
「ルイズ……」
 下を向き、唇を噛み締めている主人に対し、かける言葉が見つからなかった。

「まったく、いい大人がそろいもそろってみっともない」
 開口一番、呆れたように教師陣を見回しながら、オスマン氏が現れた。
 オスマン氏の登場に、騒ぎたてていた者たちが、バツが悪そうに顔を見合わせる。
「オールド・オスマン!」
「ん?」 
「すみません! わたしたちが至らなかったせいで、盗賊を取り逃がしてしまいました!」
 思いつめた表情で頭を下げるルイズ。だが、オスマン氏はにこやかに笑いながら、ポンポンとその頭を叩いた。
「ミス・ヴァリエール。そう気負うもんではない。聞けばここに進入したのは、かの『土くれ』。
 君ら生徒に怪我がなかったのを喜ぶべきじゃろ」
「でも」
「むしろ責任があるとすれば、この魔法学院が賊に襲われる事など無いと、高をくくって何の対策も講じなかった我らにこそある」
 オスマン氏は、ジロリと教師たちを睨む。
「それでミスタ・コルベール。肝心の『土くれ』、フーケの足取りはどうなっておる?」
「それが、ミス・ヴァリエールたちの目撃証言と現場を徹底的に検証したのですが……残念ながら」
「手がかり無しというわけか……」
「いえ、手がかりならあります」
「おお、ミス・ロングビル」
 全員の視線が、現れたミス・ロングビルに集まる。
「ミス・ロングビル! どこに行っていたんですか! それに手がかりって一体?」
「申し訳ありません。今朝早くにこの惨状を知り、調査していたんです。そして見つけました、フーケの居所を」
「おおなんと!!」
 コルベールが素っ頓狂な声を上げて驚く。
「彼女は誰なの?」
 事情がわからないアオが、ルイズに耳打ちする。
「ミス・ロングビル。オールド・オスマンの秘書よ」
「優秀なんだ」
「みたいね」
 オスマン氏に報告するミス・ロングビルの堂々たる姿を、ルイズは羨望の眼差しで見ていた。  
346ゼロのぽややん:2007/09/02(日) 23:17:44 ID:sllv6UPC
 
「さて、ミスロングビルのおかげで、フーケの居所も発覚した。
 そこで私は捜索隊を編成したいと思う。我こそはと思う者は杖を掲げてほしい」
「まず王宮に報告して、応援を要請すべきでは?」
 コルベールの言葉に、オスマン氏は目をむいて怒鳴った。
「なにを言っておる!! 事は緊急を要するのに、王宮からの応援など待っておったら、フーケに逃げられてしまうわ!
 なによりこれは我ら魔法学院の問題じゃ! 我らの手で解決するのが道理よ!」
 その言葉を聞いてミス・ロングビルがうっすら笑ったのを見て、アオは目を細めた。
「さあ、フーケを捕まえて名を上げようという貴族はおらんのか!」
 オスマン氏が皆を鼓舞するよう、声を上げる。
 だが、誰も杖を上げない。皆、尻ごみしていた。
 ルイズは考え込むように俯いていたが、オスマン氏の「貴族」という言葉に反応し、意を決して顔を上げた。
 杖を掲げようとするが、しかし、アオの右手に押さえられた。
 心外そうな顔をするルイズに対して、首を振るアオ。
「お願い」
 真剣な目でアオを見るルイズ。
 この目は、知っている。けっして折れず、諦めることのない目。
 ああ、あの娘と同じ目だ。
 アオは溜息を吐くと、手を引いた。
 この目に、勝てる気がしない。
 肩をすくめるアオに目配せしたあと、ルイズは高々と己の杖を掲げた。

 魔法温存のために用意された馬車に揺られながら、捜索隊は一路、フーケのアジトを目指す。 
 捜索隊の顔ぶれは、ルイズ、アオ、キュルケ、タバサ、それに案内役のミス・ロングビルである。

 ルイズが杖を掲げたあと、キュルケはルイズには負けられないとしぶしぶ、タバサは友達が心配だからと、それに続いた。
 結局、教師たちの中から杖を掲げる者は無く、それどころやれ生徒だ、能力に不安だと、口だけ出す始末だ。
 オスマン氏は教師たちを一喝し、
 タバサは若くしてシュヴァリエの称号を持つ騎士、
 キュルケは炎の魔法の強力な使い手、
 ルイズは……まあその将来有望なんじゃない? と曖昧に、
 そしてドットとは言えメイジを倒した使い魔のアオ(興奮したコルベールが「ガンダー……」と口走ろうとするの、慌ててオスマン氏が口を塞いだ。)、
 その実力、素性を語り、反対意見を黙らせた。
「魔法学院は、諸君らの努力と貴族の義務に期待する」
 こうして、ルイズたちは送り出されたのだった。

 屋根の無い荷台のような馬車の御者台席にアオとミス・ロングビル、荷台側にルイズたち他三人が座る格好だった。
 手綱は、ミス・ロングビルが握っている。
 最初、アオも一緒に荷台にいたのだが、キュルケがしつこくちょっかいをだすため、ルイズに移動させれたのだ。
 アオを背に、ルイズがキュルケに睨みをきかす。
 つまらなそうに、黙々と手綱を握るミス・ロングビルに話しかけた。キュルケの隣にいるタバサは本を呼んでいるため、話し相手になってくれそうもなかったからだ。
「ミス・ロングビル……、手綱なんて付き人にやらせればいいじゃないですか」
 その言葉にミス・ロングビルはにっこりと笑った。
「いいのです。わたくしは、貴族の名をなくした者ですから」
 キュルケはきょとんとした。ルイズも意外そうな顔をし、タバサは本からわずかに顔を上げた。
「だって、貴女はオールド・オスマンの秘書なのでしょ?」
「ええ、でも、オスマン氏は貴族や平民だということに、あまり拘らないお方です」
「差しつかえなかったら、事情をお聞かせ願いたいわ」
 ミス・ロングビルは優しい微笑を浮かべた。
 だが目は、それを言うことを頑なに拒んでいる。
「いいじゃないの。教えてくださいな」
 興味津々といった顔のキュルケ。
「よしなさいよ。昔のことを根掘り葉掘り聞くなんて」
 咎めるルイズに、頷くタバサ。
 キュルケは、自分一人が悪者のような雰囲気に憮然とすると、足を組んで空を見上げた。
347名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:17:55 ID:/n6dDD8d
ぽややん支援
348名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:18:32 ID:E8Wf8qw1
>>305 アメリカ大陸を発見したのは中国人。というのは中国での定説。
349ゼロのぽややん:2007/09/02(日) 23:20:25 ID:sllv6UPC
 途中で馬車を降り、徒歩で森を抜けた先、開けた場所が広がった。
 真ん中に、元は木こり小屋だったのだろう、朽ちた廃屋がある。
「わたくしの聞いた情報だと、あの中にいるという話です」
 ミス・ロングビルが廃屋を指差して言った。
「作戦」
 タバサの言葉に、皆が首を縦に振る。
 いや、一人だけ横に振った者がいた。
 アオだ。
「その必要はないよ」
 アオの言葉に不思議そうな顔をするタバサ。
「僕と」
 がしっと、ミス・ロングビルの腕を掴む。
「え?」
「ロングビルさんとで様子を見てくるから、皆は周囲を見張っていて」
 にっこり微笑みながら、有無を言わさずに引っ張る。
「え、え、えええ!?」
 アオの見た目とは裏腹な力に、ミス・ロングビルは抵抗する事もできずに引きずられていった。
「……行っちゃった」 
 鼻歌を歌いながら、ミス・ロングビルを引きずるアオを、三人は呆然と見送った。
350名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:21:32 ID:O51Xii3X
>>348
鄭和か
351ゼロのぽややん:2007/09/02(日) 23:22:52 ID:sllv6UPC
 小屋の中は一部屋しかなく、床など所々に穴が開いていて地面が見えていた。他には崩れた暖炉とテーブル、その横にある大きめの箱―チェストだけだ。
「い、一体何のつもりですか!」
 小屋の中にまで連れてこられて、ようやく開放されたミス・ロングビルが、掴まれていた箇所をさすりながら非難の声をあげる。
「すいません。どうしてもあなたと二人っきりなりたくて、ちょっと強引にやらせてもらいました」
 アオは笑って頭をかきながら、後ろ手にドアを閉じた。
「ねえ、ロングビルさん……いや、フーケさんって言った方がいいかな」
「え? まさかそんな冗談を言うために、わたくしをここに?」
 ミス・ロングビルは愛想のいい笑顔を浮かべながら、訳がわからないといった様に首を振る。
「別にしらを切ってかまいませんよ。ただ、ここでロングビルさんとして死ぬだけですから」
 冗談にしか思えないのだが、あまりに凄惨な言葉に、ミス・ロングビルの顔が引きつる。
「な、なにってるんですか、まったく!
 ……幸いフーケもいないようですし、皆さんを呼びましょう」  
 ドアに向かおうとした彼女の眼前を、何かが通り過ぎた。
 切れた髪の毛が数本、宙に舞う。
 ミス・ロングビルは、壁に突き立ったナイフを見て、凍りついた。
「そこから動かないでほしいな。あと大声もダメ。
 わかるでしょ? この狭い空間なら、あなたが杖を取り出すよりも早く、このナイフが刺さる」
 そう言ってアオは、袖口からナイフを取り出すと、ミス・ロングビルにその切っ先を向ける。
「な、なら証拠は? わたくしがフーケだという確たる証拠があるんですか!」 
「証拠、ね。まあ、無くもないかな」
 アオは、鞘から剣を抜くと、床に突き刺して自立させた。
「ねえデルフ。あの晩の盗賊はこの人かな?」
 ミス・ロングビルが、剣に喋りかけるアオの行動に、眉をひそめる。
「あーどうかな」
「なっ!?」   
 剣から発せられる声に、ようやくその正体に気づく。
「インテリジェンスソード!?」
352名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:23:00 ID:O51Xii3X
>>350
語尾に支援って付け忘れたよ支援
353名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:23:33 ID:/DjiR5P8
支援
354ゼロのぽややん:2007/09/02(日) 23:24:10 ID:sllv6UPC
 デルフは、しばらく考えをめぐらすように唸っていたが。
「わりぃ、相棒。こいつのような気もするんだが、なんせあん時の状態が状態だったからな。断言できね」
「そっか」
 べつだん落胆する様子もなく、アオが頷いた。
 ミスロングビルの声に怒気がこもる。
「まさかそんなあいまいな言葉が証拠だとでも言うつもりですか!」
「いや別に。もしかしたらって、今思いついただけだから。期待はしてなかった」
「ひでぇ!」
 笑顔であっけらかんと言うアオに、デルフが泣きそうな声をあげる。   
「さっきも言ったけどね。あなたが否定しようが、肯定しようが関係ないんだよ。
 まあ、あえて言うなら……嘘つきの勘、かな」
 アオが自嘲気味に笑う。
 理屈じゃないって事かい。
 ミス・ロングビルが諦めたように首を振ると、口調ががらりと変わる。
 もうそこにいるのはミス・ロングビルではなく、盗賊のフーケだった。
「いつから私がフーケだと思ったのさ」
「あなたを初めて見た時からかな。うん」
「はっ! そんな最初から私だってお見通しだったて言うのかい。なら、なんでその時に、私を告発するなり捕まえるなりしなかった」
「それこそ、さっきあなたが言った通り、証拠なんて無かったんだ。
 僕の言葉と、ロングビルさんとしてあなたの言葉。信用されるのがどっちかなんて、言わなくてもわかるでしょ」
「ま、そりゃそうだわな」
 デルフが相づちを打つ。
「それで暗殺しようとチャンスを待っていたんですけどね」
「まんまとお膳立てにのっちまったてわけか。私としたことが、やきがまわったね」
「おかげさまでこうやって二人きりになれた事だし、フーケの罠にかかって死んだ事にして殺そうと思っていたんですけど」
 アオは言って困ったように肩をすくめる。
「私がこうやってまだ生きてる、って事は、どういう心境の変化だい?」
「あの馬車でのあなたの話。あれがどうしても気になって。あれだけが、嘘を感じなかった」
「はん、人の事情を詮索したいだなんて趣味が悪いね坊や……嫌だと言ったら」
「僕は、あなたに二つの選択肢を示しました。
 言わずに死ぬか、言って万に一つでも生を拾うか。
 選ぶのはあなただ」
「またずいぶんと、不自由な選択だな相棒」
「人生なんてそんなもんだよ、デルフ」
「ちげえねえ」 
 笑い合うアオとデルフ。
 たく。なんなんだいこいつらは。
 その選択を迫られている当の本人にとっては、笑う余裕などかけらも無かった。
 目の前の男、あのルイズとかいう貴族の使い魔。
 メイジを倒すほどの平民とは聞き及んでいたのに、道中の雰囲気からすっかり騙された。
 こいつは、私が拒否すればためらい無く殺すだろう。
 凄みも何も感じないのに、それだけがはっきりとわかった。
「……わかったよ。命には変えられないからね」
 自らの過去を語る苦々しさに、フーケの顔がゆがむ。
 だが、こんな所で死ぬわけにはいかなかった。
355ゼロのぽややん:2007/09/02(日) 23:25:19 ID:sllv6UPC
今回はここまで。
ここ最近書く暇が無くて困る。
356名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:28:11 ID:tu2LD+/8
魔王が手駒を手に入れそうだGJ
357名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:28:19 ID:wNPRl7bB
政治面でも戦闘面でも百戦錬磨の魔王あっちゃんはハッタリがうまいなw
358名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:30:14 ID:brrvjK6v

やっぱ初代ヒロインは黒くて怖いよね支援
RPGであるどこからか物を見つけてきたり敵を仲間にしたりをやってるのをこわく書くとあっちゃんになる

じゃあ続いてアルファ系投下する
359名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:32:35 ID:3l259jZm
乙!
あっちゃんは本人曰く「ちょっと偉くなってみた」で
統率3・司令・発言力1万だからな
360超1級歴史資料〜ルイズの日記〜:2007/09/02(日) 23:34:37 ID:brrvjK6v

パンがなければ死神定食を食べれば良いじゃないbyルイズ

そんなアホなセリフは誰が言った言葉であろう?
どうやら私が言ったことになっているそうだ。
モチロン私はそんなコトいった覚えはない。似たようなことをしたような気はする。

おそらくは色々なものの裏工作にも原因があるだろう、『にも』に注意だ、とかグランパに言われた。
保守的な者はハルケギニアの文明レベルをぶっとばしてるBALLSを良くは思わないだろう。
それと、最近何気に大手柄を立てているヴァリエールを妬む者も多いだろう、とのこと。
そもそもキミ自身も悪いのだから自重したまえ。
少なくとも死神定食を出すことを前提に調理機械を送りつけるのはマズイだろう。死神定食なだけに。
私に粗末な食事を与えるしつけを失敗した事のうっぷんを、食うのに困っている人たちで晴らすんじゃありません。
怒られた。さすがは幼稚園に勤めていただけのことはある。


ん?今、私が怒られているのはそんなレベルでの話なのか?


アルビオンの食糧事情を引っ掻き回した代償として、今年度のゴールデンラズベリー流行語大賞に選ばれるそうだ。
たぶん、このセリフはハルケギニア歴史に残るだろうな、とかグランパ言っちゃってるよおい。
そもそもすでに60億を超えてしまったBALLSを駆逐することは出来ないだろうから、最低でもBALLSを召喚してしまった者として君の名前は残るだろう。残っちゃうだろう。
マジ?億とかイッちゃってるの!?人知類よりも数多くね!?

361名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:34:42 ID:E8Wf8qw1
魔王と聞くと中坊の時の音楽の時間思い出す
362超1級歴史資料〜ルイズの日記〜:2007/09/02(日) 23:36:16 ID:brrvjK6v


次の日
ギーシュがルイズのゴールデンラズベリー流行語大賞受賞記念パーティーを開きやがった。空気嫁。
共犯はキュルケとタバサとマリコヌル。
ギーシュは無駄に仕切ってる。指揮技能99はもっと有効な事に使うべきだろうと思う。
モンモランシーがまだツンケンと当たってくる。だから何もないってば。
コルベール先生とシュブルーズ先生は素直に喜んでくれた。素直すぎだ。私は穴があったら入りたい気分なのです。

出された料理はもちろん火中の死神定食。
匂いをかいだだけで、貴族たちの悲鳴が響いた。
使い魔たちはその前にこらたまらんと話しながら逃げていった。ああ、我が母校にも隕獣みたくしゃべれる奴らが増えてきたわね。
それにしても無駄に手が込んでいる嫌がらせだ。
食堂でなく、屋外パーティーの形をとったのはそのためだったのか。においが食堂にこもると困るからね。

当然ですが、ウケをとるために一口だけ食べてみたマリコヌルが卒倒したのを見て、ほとんどの貴族が遠巻きに眺めてみるだけでした。
会の当事者である私は熱心に奨められる。
ええい!貴族の散りざま見せてあげるわ!!


なんとか耐え切った。伊達に爆発訓練で耐久力を上げてはいない。


タバサだけが死神定食を普通に食べてた。鉄の胃袋を持っておられるのを確認。
噂の死神定食を食ってみたくて荷担したのですか。アンタは。

お味は、なかなか、でも、はしばみ草には劣る、だそうである。
はしばみ草をかけて食うと風味が増すそうである。

363名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:37:02 ID:3RvYLJzU
もはや現在の地球の人口並みに増えているBALLS支援
364名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:37:09 ID:/DjiR5P8
超一級支援
365名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:37:25 ID:FXFAPT+i
タバサの舌はどうなってんだ支援
366名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:37:43 ID:TQmxRv8m
タバサの肩に小人が見える支援
367名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:40:05 ID:3l259jZm
タバサは3ヶ月前のサンドイッチを食べられます支援
368超1級歴史資料〜ルイズの日記〜:2007/09/02(日) 23:40:06 ID:brrvjK6v
夏期休業(里帰り)

夏休みなので、実家のヴァリエール家に里帰りすることになった。
エレオノール姉さま自ら学園に来て、私を実家に連れて行くとのたまわったのだ。
私もちい姉さまの顔を見たかったこともあって了承した。実家にも通信機を着ければ頻繁にちい姉さまとお話が出来るだろう。
と、いうわけで私たちは実家に出発した。

ヴァリエール壱号に乗って。

私とグランパだけでも飛ばすことぐらいは出来るのだ。戦闘には不安が付きまとうが。
おでれーたは水測席に安置した。剣知類なのに意外と耳がいいようだ。

家が国境を挟んで隣なので、里帰りするのに一緒に乗せて言ってほしいとキュルケがついてきた。おまけにタバサもついてきた。
たしかに片道3日が半日ですむのはいいわよね。
ヴァリエール壱号には使い魔も楽々入れるぐらいでかい入り口があった。RB用だそうだ。RBってなに?
キュルケは物珍しそうにそこら中いじっていた。何故か残っていた甲板風呂にも入りに行っていた。
タバサは乗ってすぐに艦内の何処かへ行った。たぶん1階の書庫あたりに篭るつもりだろう。
使い魔たちはぶらぶらと縄張り探検。マーキングするんじゃないわよ。しないよってそのまま返された。サラマンダー知類はツッコミ体質のようだ。

エレオノール姉さまはツェルプストーと一緒とは……とぶつぶつ言っていたが、船に乗ると物珍しそうに艦内を歩き回っていた。さすがは私の姉だ順応性バツグンだ。
あ、姉さま飛行長席は危険だから座らないようにね。


経済巡航で5時間で実家に凱旋すると、さすがに騒ぎになっていた。
駐船場ないから止めて置けないわよ〜〜、とのこと。大丈夫、BALLS乗せて浮かしとけばキップは切られないから。
ヴァリエール壱号は風石で浮いてるわけでないので、いつまでも平然と浮き続けていられる。
燃料はBALLSが何とかしてくれてる謎動力だ。何とかなるだろう。


やっぱり実家にもBALLSたちはいた。そこら中動き回ってる。
あんたたち私が帰ったんだから、ズラッと並んでお辞儀をして歓迎するぐらいの芸は見せなさいよ。勝手気ままな奴らだ。
せっかくだからと、キュルケとタバサも歓待されていた。


道中でエレオノール姉さまからBALLS排斥論の詳しいことを聞いた。
他の貴族の家では、使用人の仕事がなくなってしまうので追い出すところもあるらしい。
いわゆる、機械がオラたちの仕事を奪うだぁ〜〜、という理由らしい。
職人は、便利になるのは良いが、職責を犯されるのは良い気持ちはしないそうだ。
また、得体の知れないものに自分たちの全てを託すという不安もあるとのことだ。
アカデミーとしては珍しいものをばしばし作ってくれるBALLSにはおおむね好意的らしい。
今の姉さまの研究課題はブリリアント梅鉢の育成方法だそうだ。

そんなわけで、賛否両論のBALLSだが、我がヴァリエール家では娘の使い魔の分身なので、追い出すわけにはいかなかったそうである。
つまりは心情的には追い出したいという否定派らしい。古い格式ある貴族だしね。
ただ、使用人の仕事をとらない、あたりさわりのない仕事をさせているらしい。
ちい姉さまはショッキングピンクのBALLSをペットに加えてかわいがっていた。その組み合わせはヤバイ。

369超1級歴史資料〜ルイズの日記〜:2007/09/02(日) 23:41:53 ID:brrvjK6v

ちい姉さまは、前に合った時よりは元気そうに見えた。
BALLSが色々としてくれてるらしい。
やはり順応してる。たぶんわたしよりも順応性たかいだろう。得体の知れない動物好きだし。


グランパとタバサがちい姉さまをくわえて固まって話している。
なんでも、ちい姉さまの病気が治せるらしい。
ちい姉さまの身体を元にして作った組織で、ダメになってる組織をダメじゃない組織と交換するんだとか
くろーん培養という技術らしい。図解で説明されたが、要するに接ぎ木のようなものらしい。
アカデミーに勤めるエレオノール姉さまは、なかなかに有効な手だと言っていた。
普通他人の身体を移植すると拒絶反応が起こるが、本人の身体を育てて作ったものと取り替えるなら害は少ないだろうとのこと。

ただ、手術を実行するにはもう少し術者の医療の技能が育つのを待つ必要があるそうだ。
え?術者ってタバサなの?メイジなのに医者になるとか言ってる。どったのよアンタ。


元気になったらトリステイン魔法学園で学生生活したいと言っていた。
ちい姉さまに先輩と呼ばれるのは照れくさいだろうな。
370名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:42:22 ID:/DjiR5P8
>ちい姉さまはショッキングピンクのBALLSをペットに加えてかわいがっていた。その組み合わせはヤバイ。
アレかテロルで政権を奪取するあの娘
371名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:43:03 ID:3l259jZm
ピンク髪+ピンクの球体は確かにヤバイ支援
372名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:43:14 ID:TQmxRv8m
ああ、そうか。BALLSの科学力なら医療も急激に発展してるわなぁ
373超1級歴史資料〜ルイズの日記〜:2007/09/02(日) 23:44:49 ID:brrvjK6v

次の日
お父様が会議から帰ってこられた。

せっかくなので、ヴァリエール壱号の甲板にお招きしてお茶会を開くことにする。
キュルケとタバサもおまけで一緒だ。
甲板には何故か甲板風呂が残ったままだった。普通のトリステイン軍艦に似た船の上に、何故かある立派なお風呂は違和感バリバリ。
気持ちよさそうに入っていたので、BALLSが気を使ってまた設置したようだ。気が利くんだか利かないんだか。

お父様はなんかシブイ顔でぷりぷり怒っておられる。先日の戦場乱入の件であろうか。
軍のお偉方には散々嫌味を言われたそうである。
あれだけの戦力があれば我がトリステイン艦隊も壊滅しなかった。いえ、実は壊滅してから必死こいて作ったんです。一晩もかかりました。
お父様さらにシブイ顔。なんで?




シブイ顔の理由を更に聞かせてくれた。
なんでもヴァリエール家への縁談申し込み―――特に私への―――が急に増えたらしい。
いや、私婚約者いるから困ります。
どうやら、城壁を作ったり船を作ったり山を作ったりと、戦場や社会を引っ掻き回しすぎたので、
BALLSの有効性に気づいている貴族が増えてきてしまったらしい。
その並みいる貴族の中にはグラモン元帥の息子の名前もあった。それってギーシュの父親の息子だったわね。

へ?二人旅?あばんちゅーる?責任?お風呂?なんだか大きなことをやり遂げたやつれた顔で帰ってきた男?
いやいやいやいやなんなんですかそれは?

貴族の噂話というのは恐ろしい………。

たぶんギーシュのやつれ顔は訓練のし過ぎと死神定食の食いすぎによるものだろう。
大きなやり遂げたこととはウェールズ様や姫様からお褒めの言葉を頂いたからだろう。王子が復権できれば相当な勲章がもらえるだろうしね。

とりあえず貴族の誇りを汚されぬため、お父様お母様の誤解を解いた。
ギーシュなんかはちょっとお断りだ。数時間単位でネタのレベルで気絶するのを真近で見せられては千年の恋も冷めるだろう。リアルで怖いわ。
エレオノール姉さま曰く、赤くなりながら否定してないから、マジで恋してないわね、とのこと。私をなんだと思っていやがる。
恋、か。私も恋ぐらいしてみたいな…………。
とりあえず一番親しい・・・といえる男友達がギーシュだけというのは改善したほうが良いだろう。

374名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:45:05 ID:tu2LD+/8
タバサは母治療のために医療技術上げてるのか支援
375名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:46:29 ID:VWtA8hoG
そういや周りに男居ないなwwwww支援
376名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:47:20 ID:wNPRl7bB
エレオノールは妹のこと良く分かってるww
377超1級歴史資料〜ルイズの日記〜:2007/09/02(日) 23:48:09 ID:brrvjK6v

更に話は続いた。
ガリアの動向が怪しいらしい。
戦争準備でアルビオンとトリステインとゲルマニアの国力と経済が悪化する中、
一人戦争に口出しせず、BALLSから技術を巻き上げつつ富国強兵を目指しているらしい。

グランパ曰く、明らかに危険なオーバーテクノロジーは作らないように自重してはいるが、油断は許されないだろう、とのこと。あれで自重してたのか。
ガリアの無能王ジョゼフのフットワーカー、MZあるいはミューズという女がヤバイらしい。
その女に触れられただけで、そのBALLSからのリンクが途絶えたそうだ。
今、そのBALLSたちが何をしているかはわからないらしい。ただ操られるようにミューズの言うことを聞いているのは遠距離から確認できた。
洗脳されたBALLSたちは情報の城壁を作りあげ、今までのように敵の情報ダダ漏れということはできないらしい。
今はクロムウェルの個人秘書という形でレコン・キスタで暗躍中とのこと。

コレってやばくない?
レコスタのバックにガリアがいようとは……。


無能王ジョゼフ、伝説の虚無のメイジジョゼフ、彼はゲーム感覚で今回の騒ぎを起こしている。グランパは断言した。
あのまま陰謀が進めば詰め将棋のように、アルビオンを落としトリステインを落とし、レコン・キスタを吸収合併し、ハルケギニアを統一していただろう。

だが、その楽しいが緊張感に欠けた楽勝ゲームを壊したモノがいる。
策略や謀略に対して情報戦をしかけ、裏をかかれる前に物量で押しつぶす物がいる。
虚無の復活という、自分と同等の存在、自分が敗北する可能性を作ってくれた者がいる。
ジョゼフはヌルプレイヤーからマゾプレイヤーにレベルアップしてしまったのだ。

ルイズ、キミと我々、BALLSの存在は、彼にとってのシバムラティックバランスなのだ。



お父様唖然。お母様毅然。ちい姉さまニコニコ。エレオノール姉さま卒倒。
キュルケはなるほどねーって顔してる。タバサはいつもどおり本を読……むふりして耳をすませている。
家族の楽しいお茶会が緊迫した空気に包まれました。
グランパ曰く、このガリアが裏にいるという情報はすでにウェールズ王子とマザリーニにはリークしている、と。
アン女王は不安定で発作的にどう動くか読めないし、ゲルマニアの皇帝はまだどちらに転ぶかわからないので保留しているそうだ。
ジョゼフはどう転ぼうともいずれ戦うことになった相手だ、とのこと。
最初から最後まで、家族はキミの味方だ、とのこと。
ジョゼフはゲームバランスを滅茶苦茶にして難易度を上げてくれたキミにゾッコンだ、とか止めてほしい。


なんか秘密にしてたことも色々とばらしてくれたみたいだが、虚無とか、BALLSの情報収集能力とか
そもそもキュルケとタバサは虚無云々には薄々気づいていたらしい。
いくらやっても爆発しかしないってのはいい加減オカシイとおもうわよ。とのこと。
でも、伝説の虚無よりかは、100隻の船が突貫してくる方がリアルに怖いわよね。
とか、
グランパとは裏取引が成立している。
とか、
私の学友はなかなか驚かない。
378名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:48:18 ID:a8gtlPqF
>>376
だってツンデレなところ自分と同じだもの支援
379超1級歴史資料〜ルイズの日記〜:2007/09/02(日) 23:50:05 ID:brrvjK6v

その夜
BALLSたちにかき集めさせた無能王ジョゼフの情報を出させた。
無能なのは魔法の実技のみ。それでも魔法の座学の成績は私よりも下だったのか。勝ち点1。
それ以外はいたって普通の成績。つまりはあらゆる面で弟には大差をつけられていたそうだ。
そして王位を手に入れるために弟を謀殺してから、彼の道は変わってしまった。
残った王弟派を排斥するために、凄惨な権力闘争を繰り広げたらしい。

彼にとって不幸だったのは、彼を慕っていた弟をその手にかけてしまったこと。
そして、その後で虚無の素質に気づいてしまったことだ。

ジョゼフは主に机上の遊戯が得意だったそうだ。チェスとか軍人将棋とか。
私が魔法を使わずとも上達できる、乗馬が得意になったのと同じようなものだろう。
その頭の良さを生かしてか、政治家としてはかなり優秀で、どんどんとガリアの勢力を強めていっているらしい。
ただし、貴族や平民からは血も涙もないと評判は悪いらしい。


BALLSを使ったネットチェスではなんとかサイと名乗り、無敗伝説を作っているそうだ。
ああ、あのチェスの達人がガリアの王様だったとは知らなかった。
ナイトとビショップを抜いた大ハンデを付けられたのに完全敗北を喫した屈辱は今でも思い出せる。
アンパッサンやキャスリングを使われて負けるというのは印象深かった。

『余は強いだろう?次はこのように畳んでやろう』

とか舐めきった挑戦コメントされたのは、私の正体に気づいかれていたから?負け点1。
ユーザーIDが00000000番なんてのは、製作者に一番近いキミの特権だからね、とのこと。
バレバレじゃないの。


ちょっとだけ、グランパには空き部屋に泊まってもらって、一人でベッドに寝っころがって考える。

私には、彼の歪み、妬み、嫉みが理解できた。
魔法の使えないメイジ。家柄だけがすぐれているメイジ。
優秀な兄弟。それでも自分を愛してくれる兄弟。
彼への風当たりは私よりも強かったのだろう。王族であるが故に。
何故こうなったのだろう、
たぶん、私にとってのグランパのような、味方がいなかったのがよくなかったことなのだろう。

少なくとも、無能王とは呼べない。それは私がゼロと呼ばれていたのと同じ悲しいことだからだ。


気をつけろよ、私も一歩間違えれば彼のようになっていたかもしれないのだ。


380名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:50:25 ID:/DjiR5P8
大変だなぁルイズは(ほのぼの
381名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:51:09 ID:TQmxRv8m
チェスの相手が久しく居なかったのに、チェスの相手どころか新ゲームの相手になってくれるのが出てくれば
うん、喜ぶな。よかったなルイズ、ジョゼフは美形だぞ美形
382名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:51:42 ID:3l259jZm
シバムラティックバランス・・・懐かしい名称がw支援
383名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:51:58 ID:/DjiR5P8
と思ったら突然シリアスに……支援
384名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:52:27 ID:wNPRl7bB
つーかおいフットワーカーいるぞwww
七星製薬はゼロ魔世界にも手を伸ばしているのか!
385名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:52:31 ID:FnWjs6/N
まあ、エクスプロージョンより艦船ミサイル108発の方がアレだよな支援
386超1級歴史資料〜ルイズの日記〜:2007/09/02(日) 23:53:18 ID:brrvjK6v

会議開始
夏休みを利用して、ついに戦争準備のための会議が始まった。
私とグランパも呼ばれている。
会議会場ではトリステイン軍のお偉方が勢ぞろいしていた。げ、お父様もいる。
とりあえずはトリステインだけの会議で、後日同盟国のものの到着を待って本格的な軍議開始らしい。

私は姫様にもったいぶった口ぶりで、BALLSのご主人様という紹介をされた。
あれ?虚無のメイジという紹介ぢゃなかったの?
飲む携帯に通信が入る。だってルイズはまだ虚無をおおっぴらに使ったことないじゃないの、とのこと。ごもっとも。
軍人たちへの反応は様々だ。納得顔の大将もいるし、苦虫を噛み潰してる中将もいる。敵意は向けないでください、怖いから。
侮られたり、ぜろぜろと馬鹿にされたりする反応はないようだ。この学園での扱いとの差はなんなんだろう?


答え:ハルケギニア1の軍船持ちだから。


なんでコイツはのほほんと落ちこぼれ学生をやっているんだろうか?普通レコン・キスタみたく革命起こすよね?とか、思われてたらしい。
いえ、革命はイヤです。クロムウェルのクグツっプリや姫様たちの気苦労を見たり聞いたりしてると、革命も簒奪も割に合わないと思いますもん。
ただの貴族、されども誇り高い貴族が一番です。


娘がイモ洗いみたいに船を大量に出すので、お父様も仕方なしに軍を出すそうだ。
むしろ出さざるを得ない。あんな裏事情を聞かされてしまっては。
たとえアルビオンをどうにかしたとしても、ガリアは私をターゲットに絞って襲ってくるだろう。
そもそも通商破壊攻撃でレコン・キスタが弱っている今こそが好機なのだ。
うまくすればトリステイン・ゲルマニア・アルビオンでガリアに対抗できる。
戦後の幕引きもうまくいくだろう。



しかし、まとまろうとした会議はしばし中断されることとなる。
女王陛下が誘拐されたのだ。
387385:2007/09/02(日) 23:53:31 ID:FnWjs6/N
sage忘れ……申し訳ない支援
388名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:55:09 ID:TQmxRv8m
飲む携帯はオーバーテクノロジーじゃないのかグランパ支援
389名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:56:04 ID:pkpwC0hH
飲む携帯・・・ナノマシン?支援
390名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:56:19 ID:8Fe00dbA
軍人将棋てwww支援
391超1級歴史資料〜ルイズの日記〜:2007/09/02(日) 23:56:20 ID:brrvjK6v
以上投下終わり

チェスのネタはガンパレードオーケストラの同調技能増やせるアレを参考としてもらえれば幸いです。
392名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:56:38 ID:wNPRl7bB
>>388
再現できない技術は一般に魔法と呼ばれるのだ。
393名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:57:16 ID:/DjiR5P8
乙。
394名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:57:20 ID:ZDwT1zS4
れこ☆すた
395名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:57:37 ID:FnWjs6/N
GJしたー。
最後のルイズの台詞でスポールの格言思い出した。
なんか色々達観してるなぁ、分かる気もするけど(苦笑
396名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:58:14 ID:a8gtlPqF
乙でありんす
これってMZも召還されたのだから、MZがセプと連絡付いてるかどうかが最大のポイントだよな
付いてたら下手をすれば量産型ガンタールブとか量産型ミョゾとか相手にしなけりゃならんかもしれんからなー
まぁ、召喚された時期が第二次黄金戦争期ならセプ本部壊滅してるから問題ないといえば問題ないのだが
397名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:59:05 ID:wnnXs5R2
なんという無銘世界観連続投下。
しかしBALLSにBALLSで対抗されたらどうなることやら・・・
同じ数同士で戦争したらガチで最終戦争になりそうな予感がする
398DV基地害バカオル婆:2007/09/03(月) 00:00:13 ID:aUQaAZ8R
バカオル
60歳のババア。代々木に取り付いている悪霊。
狸顔。悪霊でありながら排泄介助が必要で、代々木
に介護してもらっている。
代々木をいじめる。代々木の心が病んだ原因。
ダサイりぼんに着物、オタクヘアーで近所の笑い者らしい
るろ剣の悪役ワーストキャラ神谷薫と同一人物というのが有力

悪霊なのにパソコンができる。
自縛霊と化した化物との説あり。
代々木婆という40路ニートに溺愛されている


神谷薫をよろしくふぉ歩尾おおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!
399名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:03:30 ID:vb9A/Fya
GJ
NEPが発動する前に決着着けろグランパ
400名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:07:54 ID:buGrVuob
投下乙
セプテントリオンに介入されてるwww
401名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:11:09 ID:lIimpIsy
ぽややん面白いなー

確か握力が500キロあったりするんだぜ
402名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:11:57 ID:LJ3y61UC
>ちい姉さまの身体を元にして作った組織で、ダメになってる組織をダメじゃない組織と交換するんだとか
>くろーん培養という技術らしい。図解で説明されたが、要するに接ぎ木のようなものらしい。
個々の臓器だけをクローン培養できるのか、「人体」を丸々造ってから必要な部分を摘出するのか。
そっちの原作よく知らんので気になる。
403ほしをみるひと:2007/09/03(月) 00:13:33 ID:eXtyn9cc
ぽややん氏、グランパ氏乙〜。
予約空いてたら00:25頃に投下していいかな?
404名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:16:07 ID:20B0MUY3
進路クリアー。発進どうぞ!
405名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:17:02 ID:xejS8zbY
>>402
カレンデバイスをブラックボックスとしてだけど、実用してたりする世界だったこともあるから大丈夫だヨ!
406名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:17:26 ID:vb9A/Fya
夜勤中で高テンションで支援
407名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:18:14 ID:buGrVuob
>>402
個々の臓器作れると思うよ、そういう細かい描写があった覚えはないけど。
俺としてはサイボーク化を推奨したいw
408名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:22:07 ID:W4r5x2DX
王様がやりこみプレイヤーに思えてくるから困るw
世界とイメージがどんどん変わっていく
409S−02 星の使い魔:2007/09/03(月) 00:24:25 ID:eXtyn9cc

 起床。
 視界良好。

 ベッドから立ち上がる。
 起立、歩行に問題なし。

 両手を握りこむ。
 左右双方ともに動作に支障無し。

 大きく息を吸い、顎をグッと噛み締める。
 痛み、無し。

『 Condition ALL GREEN. 』
 脳からの情報伝達、上々。


    ごっち〜ん♪
「───────────────ッ〜!!!」
 右足小指痛覚神経、及び脊椎その他神経系伝達、絶好調。


「……何やってんの?」
「……ストレッチ」

 とりあえず誤魔化しておいた。色々と。


 すっかり回復したクロードを呼びに来たのは、シエスタとは別のメイドだった。
 何でも、彼女の話では最近どうもシエスタに元気が無いらしいのだが、
 ここ数日の殆どをリハビリに当てていたクロードに思い当たるフシがあるわけも無く、首を捻るばかり。
 一歩前を行く彼女が肩を竦めていたように見えたのは気のせいだろうか。

 ……知らぬは本人ばかりなり。

「ったく、シエスタも難儀ねえ……って、今はそんなことはどうでもいいんだった!
 夕方になったら、何も言わずに食堂に来てね!」
「え、ちょ、ちょっと!」

 それだけを告げると踵を返し、鼻歌交じりに去っていく。
 あっけに取られたクロードは追いかけることも出来ず、立ち尽くすばかり。
 右足がまだ痛いから走りたくないし。

「なんだったんだよ、もう……
 とりあえず、ルイズのところに行かないとな」


410名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:24:27 ID:7ZvlsMyi
弾幕を避けて古き神々を打ち倒すタバサが見えるぜ
411名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:24:56 ID:XGWxk6Ul
ダブル無銘世界乙。
並べて見るとBALLSルイズがあっちゃん化しそうな気がしてくるわww

そして星支援。
412S−02 星の使い魔:2007/09/03(月) 00:25:39 ID:eXtyn9cc

 クロードくんの回想、今日の一日。

 ルイズに怒鳴られました。
 ミセス・シュヴルーズに説教されました。
 ルイズに怒鳴られ(以下略
 教室が爆発しました。
 ルイズに(略
 片づけを手伝わされました。
 ル(ry


「何だろ、前にもこんな日があったような……」
 もっとも、今日は決闘は起こりませんでしたけどね。

 ドッと疲れた顔をして、足取り重く食堂へと向かうクロード。
 正直言って、これから宴会等の準備を手伝ってくれ、というのは御免被る。
 一言詫びを入れて、さっさと帰って休もう。
 もっとも、帰ったところで待つのは硬くて冷たい石畳だが。

 そんなことを考えながら、クロードは食堂のドアに手をかけて───


「おおっ!『我らの剣』の到着だ!」

 巻き起こる万来の拍手。

 テーブルにこれ見よがしに盛り付けられたご馳走の数々。



「え、え、ええっ!?」
 思わぬ歓迎に回りを見渡せば、今朝のメイドも観衆に混じって舌を出している。
 観衆の中心に居るのは恰幅の良い中年の男。
 厨房の責任者であるマルトーと興奮気味に名乗り、くう〜っ、と喉を鳴らして目頭を押さえて捲し立てる。

「いやあ、魔法無しで貴族相手にあんな大立ち回りを演じるとはな!
 俺ァ感動して泣いちまったぜ、こん畜生め!」
「え、ええ? あ、あの、あれは、その───」
「謙遜なんてするもんじゃねえって!」
 豪快に笑うマルトーとは対照的に、予想だにしない展開に戸惑いを隠せないクロード。
413S−02 星の使い魔:2007/09/03(月) 00:27:12 ID:eXtyn9cc
 そも、貴族と平民の違いとは何か。
 前者は『持てるもの』後者は『持たざるもの』と分類するのが最も一般的なのではないだろうか。
 それは魔力という概念において、ハルケギニアにおいても例外ではない。

 では、翻ってクロードはどうか。
 父は不惑を前にして異例の早さで提督に就任した軍人。
 母は紋章学の第一人者である学者にして、超一流の格闘家。
 そして、両者とも先のレゾニア戦争終結における最大の功労者、英雄である。

 そんな彼を知るものに問えば、100人中95人はこう答えることだろう。
 クロード=C=ケニーは、生まれながらにして『持てるもの』である、と。
 そのことはクロード本人もまた嫌と言うほど自覚していた。
 そう。言葉通りに、嫌と言うほどに。

「そんな、僕はそんなつもりじゃ───」
 クロードの表情に陰が差す。
 彼は貴族を毛嫌いし、その貴族を倒したクロードがただの平民であると思い込んでいる。
 それがまるで彼を騙しているようで、胸が痛んだ。

「いいってこといいってこと!」
 そんな辛気臭い弁明は聞く耳持たぬと言わんばかりに、マルトーはクロードの背中を豪快に叩く。
 衝撃でクロードは咳き込み、おっとすまねえ、と頭を掻いて今度は肩に手を乗せた。

「俺はな、貴族野郎相手に一歩も引かねえ兄ちゃんの戦いっぷりに感動したんだ!
 兄ちゃんが魔法を使わずに、あのガキに勝ってくれたことが嬉しかったんだよ、俺は!
 要するに俺が勝手にやってるこった。兄ちゃんは好きに飲み食いしてくれりゃあ、それでいい」

 知らず肩を掴んだ手に力が入り、目の端に涙さえ浮かべて熱弁するマルトー。
 滾る思いは伝染し、クロードの胸にも熱いものが込み上げる。
 そうか、この人も僕のことを認めてくれているんだ。
 いい加減に理解しなきゃ。ここは地球とは違う。
 ここでは誰かの影に怯える必要なんて無いんだから─────


『ぐきゅるるる〜……』


 どうやら、胸よりも先に腹が音を上げたようだった。
 食堂は笑いに包まれ、クロードは赤面する。
 考えてみれば、三日三晩寝込んでいて
 その後の療養生活でも顎を痛めて碌なものを食べていなかった。
 内臓が抗議の声を上げても何の不思議も無い。

 クロードが改めてマルトーの様子を伺う。

 いいんですか?
 やっちまえ。

414名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:28:18 ID:20B0MUY3
星々の海の物語支援
415名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:29:11 ID:7zjcOcIL
実はタバサに死神定食をうまそうに食わせたかったからアルビオン編からネタ振ってたんだよ支援
だからもう死神定食ネタは出ないんだよ支援
416名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:29:30 ID:eXtyn9cc
 肉を一切れ。
 スパイスに彩られた肉汁が口の中に広がる。

 サラダを一口。
 シャキシャキした食感に、さっぱりとした酸味と塩味が心地よい。

 ワインを一含み。
 少しキツ目の口当たりの後に、喉から昇ってきた芳醇な香りが鼻腔を突き抜ける。


(WARNING! WARNING! WARNING! WARNING!)

『た、大変だ! 欲望が一人歩きし始めたぞォーッ!』
『満腹中枢のリミッターが解除されています! 非常コード───駄目です、受け付けません!』
『くっ、止むを得ん! 肝臓、緊急フルドライブ! 対アルコール戦闘用意!
 そのほか各消化器官に伝令! 我らはこれより修羅に入る、各員の奮闘に期待する!』






 ……数時間後。




「何も、全部食べてしまわなくてもよかったのに……」
 苦笑するシエスタに、クロードは壁に背を任せて返す言葉も無くただ力無く手を振る。
 積み上げられた皿の山と、空になったワインの瓶の林が、宴会の様相を物語っていた。
 向こうではへべれけになって潰れた蛙のようになっているマルトーが、メイドやコックたちに介抱されている。
 よほど嬉しかったのだろうか、いきなりゲラゲラと笑い出しては周りをドン引きさせている。
 そんな働き者たちも半数近くが撃沈し、残り半分は倒れたまま動けなかったり、
 桶に顔を突っ込みっぱなしで顔色が伺えなかったり、調子っ外れながらも独創的な歌を披露していたり。
 その様相、まさに死屍累々。宴の凄まじさが伺えよう。

「あんなに喜んで作ってくれてたみたいだし、残しちゃ悪いと思ってさ……うぷ」
 嫌〜な擬声とともに口元を押さえるクロードに、水の入ったグラスを片手に慌てて駆け寄るシエスタ。
 三日間サボり倒していた内臓をいきなりこれだけ酷使すれば無理もない。
 何とか暴発だけは最後に残された気合と根性で押さえ込むが、
 今度はアルコールの海を漂う脳が激しく揺らされる。
 肝臓打ちからガゼルパンチのコンビネーション、これは本格的にマズイ。
 このまま突っ立っていれば、無限大の連打でマットに沈むのは確定だ。
 クロードは差し出された水を一息に流し込むと、大きく息を吐いて立ち上がった。

「じゃ、じゃあルイズの部屋に戻るよ……」
「大丈夫ですか? ここで休んでいった方がいいんじゃ……」

 この場で眠ってしまうという選択肢が無いわけでもないのだが、
 流石に復帰初日に朝帰りというのは気が引ける。
 既に説教確定コースの気もするが、それはそれ。

「それに、危なそうですし……送りましょうか?」
「大丈夫。それに、シエスタは仕事が残ってるだろ?」

 真っ青な顔に引きつった笑みを浮かべ、親指を立てるクロード。
 何処からどう見てもちっとも大丈夫でない彼なりの気遣いなのだが、
 シエスタの表情が曇っていることに気付いていないあたりが何ともはや。
 もっとも、この状況でそのとような機微に気づけという方が無茶な注文だろうが。
 壁伝いによろよろと歩くクロードの背中を眺めつつ、溜息を吐いて立ち尽くすシエスタであった。
417S−02 星の使い魔:2007/09/03(月) 00:31:26 ID:eXtyn9cc




「結構、回復するもんなんだなぁ……」
 自分の消化器官と肝臓のタフさにちょびっと感心しつつ、寮内を歩くクロード、
 最初は壁伝いでないとまともに進めなかったものだが、
 今となっては微妙にふらつきながらも何とか歩ける程度にまで回復している。
 これもうわばみである母の血のなせる業か。

 所々で開いた窓から吹き込む風が火照った頬に心地良い。
 こんなに心の底から楽しんだのは何年ぶりだろう。
 或いは、生まれて初めてかもしれない。
 窓の外には夜の闇に輝く双月、その先にある星々の煌き。
 それらが地球に居た頃よりも美しく見えたのは、澄んだ大気のせいだけだろうか。

「……ん?」
 何かが引っかかったような感触───いや、引っ張られている?
 果たして、視線を落とすと見覚えのあるサラマンダーがズボンの裾に噛み付いていた。
 こちらに気付いたのを確認すると口を離し、尻尾を振り振り進んでゆく。
 炎をあしらった尻尾がまるでランタンのように揺れる。

「……僕を呼んでいるのかい?」
 宴会の熱気の余韻に浮かされたまま、怪しげな足取りで誘導されてゆくクロード。
 そして、とあるドアの前でサラマンダーは立ち止まる。
 どうやらこの部屋に入れ、ということらしい。

 ノックをするも反応は無し。
 首を捻ってノブを握ったところ、何の抵抗もなくドアは開いた。
 ドアの向こうでは闇の中で蝋燭の炎が小さく揺らめいている。
 あれ、そう言えばここって誰の部屋だっけ?

 このとき、クロードは極めて重要な情報を忘れていた。
 一つはこのサラマンダーの主について。
 そしてもう一つ、使い魔とは基本的に主の目的を果たすために行動しているということ、である。


  ───バタン
「なッ!?」
 背後に響く扉の閉まる音に思わず振り返るクロード。
 慌ててドアに触れるが、何時の間にか鍵がかかっているらしくウンともスンとも言わない。
 嫌な予感に残った酒気がスゥッと引いていくのが解る。
 これはヤバい。なんか知らんが、とりあえずヤバい。

「うふふ、そんなに慌てなくてもいいじゃない」
 薄暗い部屋の奥から聞こえてくる、聞き覚えのある妖艶な声に再びクロードは振り返る。
 暗闇に慣れ始めた瞳を凝らすと、そこには月明かりに照らされた赤い髪の娘が一人。
 細かい表情や服装まではよく見えない。

「……キュルケ?」
「いやん、私の名前覚えていてくれたのね、ダーリン!」

 ダーリン:最愛の人。愛するあなた。恋人・夫婦の間で言う。

 いやいやいやいやいやちょっと待って! 僕とアンタにそんな接点あったか!?
 悩ましく体をくねらせるキュルケに逃げ場を探してあとずさるクロードであるが、背には扉と壁。
 気付けばキュルケは目前に立ち、手を取ってクロードを部屋の奥へと招き入れようとする。
 フレイムの尾の炎を頼りに彼女をよく見れば、その服装は下着と見紛うほどに大胆なネグリジェではないか。
418名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:32:29 ID:dLyF0pPR
UFOのCM思い出した支援
419名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:33:10 ID:20B0MUY3
セリーヌさんもここまではしなかったよね支援
420S−02 星の使い魔:2007/09/03(月) 00:33:46 ID:eXtyn9cc
「私のこと、はしたない女だって思うでしょうね───」
 そう言うキュルケの頬は軽く上気し、唇はしっとりと濡れている。
 これは、その……男と女のアレか? アレなのか!?

「え、ええっと、僕は、そんな……」
「思われても仕方ないの、わかる?」
 躊躇いがちに目を伏せるキュルケ。
 絵画を切り取ったようなその美しさに、どきりと心臓が跳ねる。

「あああああああああの、その、キュルケ……?」
「私の二つ名は『微熱』───私はね、燃え上がりやすいの、松明みたいに。
 だから、こんな風にお呼びだてしたりしてしまう。わかってるの、いけないことだって」
「聞けよ、人の話!」
 ルイズといいアンタといい、この世界の貴族ってのは人の話を聞かないのがデフォですかそうですか。
 そうなんです、残念ながら。

「倒れても倒れても立ち上がって、ボロボロになっても最後には勝って見せた。
 あなたのその姿を見て以来ずっと、私の『微熱』は『情熱』になって、この胸を焦がし続けているの!」
「……いや、それはわかったんだけどさ」
 何よ、もう。せっかく良い雰囲気なのに。
 ムードぶち壊しの微妙なツラをしているクロードに促されると、そこには。

「キュルケ、その男は誰だ!」
「ペリッソン! えっと、2時間後に」
「話が違うわなにをするやめ」

 窓の外に浮かぶ男子目掛けて杖を振り、問答無用に火球で撃ち落すキュルケ。
 あまりと言えばあまりな光景にクロードがポカンとしていると、今度は別の男子が。
 次々と撃墜しては現れる男子たちのその姿、まるで椀子蕎麦の如し。

 さようならベリッソン。
 そしてスティックス、マニカン、エイジャックス、ギムリ。
 君たちのことは忘れないよ。
 キュルケが覚えてるかどうかまでは知らないけど。

「これでもう邪魔は入らないわ。ねえ、ダーリン……?」
 ホンマかいな、と突っ込む暇も無く、キュルケは振り向いてクロードの胸元にしなだれかかり、潤んだ瞳で上目遣いに見つめる。
 鳩尾の辺りに感じる、熱くて柔らかな感触。
 あんだけアレな状況の後であっさり切り替えるキュルケ、げに女とは恐ろしきもの也。

「うっ……」
 キュルケの全身から漂う色気に肺は締め上げられ、心臓は慌しく不規則なダンスを踊りだす。
 至近距離で交錯する視線に、自分の中の雄が呼び覚まされつつあることをクロードは自覚しつつあった。
 まずい、このままでは本格的に理性が銀河の彼方まで吹き飛ばされる。

「ぼ、僕は──────ッ!」
 ここで流されるな、クロード・C・ケニーッ!!
 己の貞操を守るため、魂の底から、彼は叫んだ。





「僕は、お淑やかで家庭的な女の子が好きなんだーッ!!」




421名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:34:38 ID:PE1FbAyW
ちょwwwクロードwww支援するwww
422名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:34:46 ID:sTlAjLLs
あれ、それって自爆フラグじゃね?支援
423名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:35:09 ID:pBVdl3dA
クロード支援
424S−02 星の使い魔:2007/09/03(月) 00:35:27 ID:eXtyn9cc
「ふうん……」

 クロードにとってなおのこと不幸だったのは、
 この発言のタイミングを見計らっていたかのように、主が彼の背に立っていたことである。
 日が沈んでも戻って来る気配の無い使い魔を探して延々と校内を歩き回っていたものだから、
 機嫌は最悪を通り越してレッドゾーンをぶっちぎり。
 その行き着いた先が、よりにもよって憎きキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーの部屋。
 その背からは怒気を通り越し、殺気さえ漏れ出で始めていた。

「あ、あの、これは───ッ!」
 慌てて振り返り、キュルケの肩を押して密着状態にあった体を離すクロードであったが、
 そんなことで収まるほどルイズの怒りは生易しくない。
 言うなれば、今の彼女は『微熱』に浮かされた愚者を粉々に吹き飛ばす『爆炎』そのもの。

「夕方から姿が見えないと思ったら、随分と結構な御身分になったものねぇ……」
「ちょ、ちょっと待ってルイズ! 誤解だってば!」
 古今東西を問わず、一体何人の人間がこう口走ったことだろうか。
 そして、この言葉が信じられたことが、真偽を問わず一度でもあっただろうか。


「問答無用、死ねぇっ!!」

「ごぶううううううッ!!」


 ドゴォォッ! という重厚な擬音を伴ったボディブローが深々と突き刺さり、体がくの字に折れ曲がる。
 その破壊力たるや、隻眼のトレーナーや影道の総帥が滂沱の涙を流すこと請け合いだ。
 豚のような悲鳴をあげて崩れ落ちるクロード。

「……うぶ」
「……え?」
「……あン?」

 ルイズは知らなかった。
 クロードがほんの数十分前まで、宴会でたらふく腹に食事を詰め込んでいたことを。








(ただいま映像が乱れております。しばらくお待ちください)




(ただいま映像が乱れております。しばらくお待ちください)




(ただいま映像が乱れております。しばらくお待ちください)





425名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:35:38 ID:20B0MUY3
それはつまりレナみたいなってことかと思ったが、ここだとシエスタになるんか? 支援
426名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:36:13 ID:xejS8zbY
美しいお花畑の映像支援
427名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:36:44 ID:20B0MUY3
まあ、そうなるわなぁ支援
428名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:37:10 ID:7jxqGlWU
ティファでもいいな。いや、むしろティファがいいな。支援
429S−02 星の使い魔:2007/09/03(月) 00:37:10 ID:eXtyn9cc

 どうやらしばらく収まりそうもないため、
 翌日以降のことについて若干の説明を付け加えて今回の話を終るとしよう。
 とっぺんぱらりのぷう。


 ルイズ:新たな称号を得ました。

 クロード:ギーシュほか多数の男子生徒におちょくり倒されました。

 キュルケ:しばらくの間、タバサの部屋で寝ることになりました。

 シエスタ:元気を取り戻したようですが、今度は上の空で仕事が手につかなくなることが多くなり、
      罰として同僚の実家から送られてきた激辛ジャムを押し付けられました。







(あとがき)
以上、投下完了。
今回はギャグ成分多めに相成り申した。
アノ台詞は恐慌状態に陥ったクロード君の魂の叫びです、他意はありません。
もっとも、それを周りがどう受け取るかは別問題ですが。
最初にちょびっと出てきたモブメイドさんはゲスト出演。
まぁ、最後のネタと合わせてわかる人はわかるでしょう。

それにしても、なんでこんなに拳闘漫画ネタが多くなったんだ?
WOWOWのエキサイトマッチを毎週書かさず見てるのが悪いんだろうか?

今日の宿題:以下の空欄を埋めよ。『○ロの使い魔』
430名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:38:56 ID:NO30Owb7
乙!
マロの使い魔だね兄貴!
431名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:39:02 ID:sTlAjLLs
乙ー。幸せの後には不幸がある、世の中よく出来てるなw
432名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:39:08 ID:X/aRUMi0
>>429
パロの使い魔的GJ
433名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:39:13 ID:dLyF0pPR
>>429
GJ!!

ん?宿題?
わかった答は『エ』だッ!!
434名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:39:24 ID:XGWxk6Ul
ゲロの使い魔乙ww
435名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:39:48 ID:20B0MUY3
乙したー。
436名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:40:19 ID:mSejk0Bb
GJだ
叫ぶところはクロードらしいって言えばらしいな
でもこの性格…サイトとは違う意味で苦労人だよね
437名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:40:25 ID:cj6r+5iy
GJ!今朝のメイドは薄いピンク髪のツインテール?
438名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:40:49 ID:XGWxk6Ul
しまった、ボケる場面だったか orz
それはともかく、投下しても平気でしょうかね?
439名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:40:48 ID:zOIdaOsg
トロの使い魔乙
つまり使い魔って胸キュン?
440名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:42:16 ID:20B0MUY3
胸きゅん。

そして構わん、全部落とせ!
441名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:42:47 ID:7ZvlsMyi
違うな。
フかバだな。
442虚無の使い魔と煉獄の虚神:2007/09/03(月) 00:44:03 ID:XGWxk6Ul
【虚無の使い魔と煉獄の虚神3・貴族と盗賊】

トリステイン魔法学園教師『疾風』のギトーは風のメイジである。
彼は常々『風』の魔法こそは最強の系統であると信じていた。
どの系統よりも早く、攻撃魔法も豊富で、なにより風は『偏在』する。
だが今、風が偏在するという事の意味を改めて知り、そしてそのチカラに驚愕の念を感じさせられていた。

「相似魔術は似た物同士を同じものとする魔術系統。
そして風、つまり大気の組成はこの世界の何処に在っても『似た』ものである。
ならばその相似を利用すれば、世界のいずこであろうとも視界を通す事も出来る」

偽装のために用意された杖を握るグレンの説明に、集まった学園教師達がどよめく。
かつて地球全土にちらばる数万の魔導師すべてに己の声を届けた『神に似た』男にとって、ハルケギニアの何処に土くれのフーケが逃げ出そうと見つけ出すのは容易い。
倒壊した本塔の前に集まった、目をつむらされたサイトを除く全員の眼球は銀弦で繋がれ、
それを介して網膜に飛び込む光を『似せ』られる事で、馬車を駆って逃げるフーケの姿を確認していた。
学園から盗んだ馬に乗って逃げるマント姿の人物の背に、奇妙な形の金属塊「破壊の杖」が背負われているのを、彼等ははっきりと見た。

「なんとも凄まじい魔術じゃな……ご協力を感謝しますぞ、ミスタ・アザレイ」

額に浮いた冷や汗を拭いつつオールド・オスマンは感謝を口にした。
学園長の唱えたライトの魔法で照らされている他の教師達は言葉も出ない。
本当はそうやって『視た』場所に、ここに居る全員を転移させる事も可能だったがグレンは黙っておくことにする。
単なる盗賊退治に誇り高き魔術師が全員で押しかける事もなかろうと思ったからだ。

だが、双月の月光の下でおこなわれる会議は紛糾した。
図書室や学園長室、ついでに女子大浴場などが含まれた校舎である本塔が倒壊。
グレンが咄嗟に救助したおかげで死傷者は無いが、オスマン氏の秘書ミス・ロングビル女史が行方不明。
甚大な被害を隠せる訳も無く、明日にも王国へ情報は流れ、騎士団の一つも調査に派遣されるだろう。
場合によっては学園の警備体制等に抗議や指導が与えられるかもしれない。
誇りを傷つけられたと言うなら、これ以上の事もそうはあるまい。
ゆえにオスマン氏は学園の問題は学園で解決すべしと言ってフーケ討伐の志願者を募るが、誰もその杖を掲げて志願しようとはしない。
貴族であるならば立ち上がってしかるべき時のはず。
けれど教師達の誰もがそれを躊躇うのは、噂されるフーケの力に恐れをなしての事だ。
一人、戦えば自分が盗賊を殺してしまう事に恐れを感じている者も居るが、それは少数の例外に過ぎない。
中には数人、目の前の強力無比な使い魔にやらせれば良いではないかと言いたげな視線をグレンに向ける者さえいた。
その中で、桃色の髪をなびかせた少女が杖を掲げる。
事件の目撃者としてキュルケやタバサ、サイトと共に連れて来られていたルイズであった。

「ミス・ヴァリエール!? なにをしているのです! 貴女は生徒ではありませんか! ここは教師にまかせて―――」
「誰も掲げないじゃないですか」

決然と正面を見据え、強く唇を噛んで少女は決意を表明する。
隣では主人が蛮勇を行使することに呆れつつ諦めたように肩をすくめるサイト。
それでも、逃げ出そうなどという意思は微塵も感じられない。
更にツェルプストーとしてヴァリエールに後れをとるワケにはいかないとキュルケが、キュルケが行くのならとタバサが杖を掲げた。
そんな少女達の姿に、ローブの使い魔が自らも杖を掲げて喝采を送る。

「見事なり。これぞ魔術師。これぞ誇り。
魔術という翼を背に、高く駆けんとする魂の在り様。
貴族を、教師を名乗りながら恐れに負けた者達、翼を持ちながら飛ぶ事を忘れた者達は、
彼女等の前に等しく頭を垂れよ」

グレンの言葉は正しい。
正しいがゆえに、教師達の誰もが黙り込み、ある者は怒りの視線を向け、ある者は自虐に顔を歪ませる。
誇りを口にして貴族を名乗るのなら、どんな敵にも困難にも退く事は許されないのだから。
同時にグレンの言葉は正しくない。
誰もが心に正義を抱きながら、現実のままならなさを、己の矮小さを、思い知らされながら大人になってゆくのだ。
誰もがグレンのように桁外れの実力で純粋な正義を持ったままで大人になれるわけでは無いのだから。
443名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:45:25 ID:+N3MD8f2
GJGJ−。
よいコメディです。芸風広いって羨ましいなー。
しかし魔法を以てしてもメルヘンの完全除去は一日にしてならずということかw
444名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:45:27 ID:i+rnRLnx
わたしとあなたで相似支援!!
445虚無の使い魔と煉獄の虚神:2007/09/03(月) 00:45:30 ID:XGWxk6Ul
それでも、その真直ぐな怒りと歓喜には誰も文句をつけられなかった。
正しいことは正しいのだと断じる、決して自ら膝を折る事を良しとしない大貴族の少女の姿は、恐怖に敗北した自分達にはあまりにも眩しかったから。

「征こう、誇り高きメイジの娘ら。剣を握れ悪鬼の少年。なに、直ぐに済む瑣末な用事だ」

言われてデルフの柄を握るサイト。その左手にルーンが輝く。
次の瞬間、室内から三人の貴族と二人の使い魔の姿が消えて、枯葉で出来たヒトガタが現われ、そしてクシャリと崩れ落ちた。

****

『土くれ』のフーケは逃亡者である。
なれば注意は怠らない。
本来なら近場の街へと逃げ込んで、そこから馬車などで獲物を売り払える大都市へと移動するものだが、
用心のために森林地帯へと逃げ込んだフーケは森の入り口で馬を逃がし、獣道同然の森道へと分け入っていた。
細身ではあっても、ぬくぬくと暮らしてきた貴族とは心身の鍛えかたからして違う自分なら、森を抜けるまで二日とかかるまい。
そこからフライで半刻ほども飛んで馬車を拾える街まで行くつもりであった。
この森の中なら、学園のメイジが空を飛ぶ使い魔を放っても見つからないから、もう追っ手の心配は無いだろう。
そう思った矢先、フーケは来ないはずの追っ手によって包囲されていた。

「冗談!? いくらなんでも追いついて来るのが早すぎるよ!」

ざぁっと音がしたかと思うほどの勢いでフーケの顔から血の気が引く。
飛んできたのでも隠れていたのでもない、系統魔術では考えられない空間転移で現われた魔術師に囲まれれば、それも当然か。

「観念していただきましょうか、盗賊フーケ! まさかこの状態から逃げられるなんて、思っていませんわよねぇ?」
「くっ……」

キュルケの宣言にフーケは奥歯を軋ませる。
正面に立つのは、似合わない簡素な杖を持った怪物魔術師。
左右にはそれぞれ、青髪の『雪風』と赤毛の『微熱』というトライアングル・メイジ。
背後には『ゼロ』のルイズと、錆びた剣を構えたその使い魔が立っている。
一番組し易いように見えるのは後ろの二人だが、そちらに逃げれば正面の怪物に背中を見せる事になるだろう。
万事窮すかと、フーケの四肢から力が抜け、勝ち誇ったキュルケの笑い声が森にこだまする。

「おっほっほ! おほほっ! この多勢に無勢じゃ、私の炎を出すまでも無かったわね、さあ、大人しくお縄に……」
「待って、ツェルプストー」

勝ち誇るキュルケ。それを遮るルイズ。

「なによヴァリエール。フーケ捕縛の功は自分のものにしたいって言うの?
まぁ最初に杖を掲げたのは貴女なんだし、べつにかまわないけど」
「違うわ。ただ、大勢で一人に襲い掛かるなんて貴族のやり方じゃ無いと思っただけよ。
『土くれ』のフーケ、貴族の誇りをかけて、貴方に決闘を申し込むわ!」
「なっ!?」

突然の行動にフーケが驚きの声をあげる。
続けて巻き上がったのは、キュルケ、サイト、デルフからの非難の嵐。

「ちょ、ヴァリエール、なに馬鹿な事言ってるのよ!」
「そうだぞルイズ! お前って魔法使えないんだろうが!
あんなゴーレム作れるやつと、ゼロのくせに決闘なんかしたら殺されちまうぞ!」
「そうだぜ娘っ子、考え直せって」
446虚無の使い魔と煉獄の虚神:2007/09/03(月) 00:47:00 ID:XGWxk6Ul
「うるさいうるさーい! 私はね、自分が恥ずかしかったのよ!
ミスタ・アザレイが私を貴族だと褒めてくれた時、私はあさましい事を考えていたわ。
討伐に名乗りを上げたのは確かに誇りのためでもある。
でも、フーケを捕まえたら認めてもらえるかも、もうゼロとは呼ばれなくなるかもって思ったのよ。
こんなの誇りある貴族の考え方じゃない。
その上、今だって私はなにもしていないも同然じゃない。
ツェルプストーの言ったとおり、最初に杖を掲げたのは私よ。
だから私が責任もって、正々堂々貴族らしく決闘でフーケを捕まえるわ。
我侭なのはわかってる。
でもそうしなきゃ、私はミスタ・アザレイの言った『貴族』では居られなくなるの!」

一息にそう言ってルイズはフーケに杖を向けた。

「私を倒したら好きに逃げていいわ『土くれ』のフーケ。さあ、杖を取りなさい!」

あっけに取られるキュルケやフーケ。無表情なタバサ。
そしてグレンの顔には、深い笑みが刻まれる。
彼女のあり方こそ誇り。
正しいと思う事を、命を捨ててでも貫こうとする意志が、人をより高きへと至らせるのだ。
かつて千の魔法世界に対してたった一人で戦いを挑んだグレンの誇りと、彼女のそれは等価のもの。
震えを隠して勝てぬ相手から視線を逸らさず仁王立ちするルイズ。
小さくて頼り無く、けれど心が震えるような自分の主人である少女を守るように、サイトはフーケとルイズの間に入るように立った。

「って言うか俺の事は犬とか奴隷とか散々な呼び方なのに、あの人はミスターかよ。お前やっぱヒデーヤツだよな。知ってたけど」
「な!? こんな時にいきなり何を言ってるのよ?」
「使い魔はご主人様を守るものなんだろう?
ルイズが決闘するんなら俺も参加しないワケにはいかねーじゃねーか。
正直恐いけど、すっげー恐いけど、つきあってやるから感謝しろよな」

グレンの笑みは更に濃くなった。
悪鬼の少年が見せたこれもまた誇り。
決闘の作法も知らぬ無骨さ無作法さではあるが、少年のそれい忠誠とも勇気とも、あるいは愛とも呼ばれる高貴な魂の在り方だ。

「ふざけんじゃないよ甘ちゃん貴族が! 誇りなんかが何の役に立つって言うんだい!」
「退いてなさいサイト! 決闘は1対1でするもんよ!」

二人の姿に何を感じたのか、激昂するように叫びながら銀色のタクトのような杖を抜いてフーケが呪文を唱え始めた。
サイトを突き飛ばして迎え撃つルイズ。
体勢を崩したサイトだったが、その身体はグレンの魔術で支えられ、浮かされ、
いつのまにかルイズから少し離れた場所に集まっていたキュルケやタバサの隣に降ろされる。

唐突に始められた決闘に先制したのはルイズ。
どうせ失敗する魔法ならと、ごく短い呪文で唱えられる『明かり』の呪文を使って爆発を起こす作戦を選んだ。
だが、それでは狙いをつけられない。
フーケはバチンと音をたてて弾けた失敗魔法で頭上の太い枝が落下してくるのを、素早く避けながら呪文を完成させている。
地面から生み出される岩のツブテ。
自分めがけて飛んで来るそれを、ルイズは木の幹に隠れる事で回避した。

「ルイズ!」

やはりマトモな魔法など使えないルイズに、見ちゃいられないとばかりに駆け出そうとするサイトだったが、その肩をキュルケに掴まれて止められた。

「止めちゃダメよダーリン。あの子は今、命よりも大事なものを賭けて戦っているんだから」
「そんなの理解できねーよ。命より大事なものなんて、有るワケないじゃねーか」
「あら、ギーシュのゴーレムに何度も立ち向かって行ったアナタが、判らないはずないでしょう?」
「それは……」

キュルケのもっともな言い分に押し黙る。
けれどサイトは、我侭だとわかっていてもルイズにそんな危険な事をして欲しくないと思った。
447虚無の使い魔と煉獄の虚神:2007/09/03(月) 00:49:07 ID:XGWxk6Ul
ルイズが怪我をしたり死んだりするぐらいなら、自分が戦って傷付く方がずっとマシだと。
でも、それもまたルイズが今戦おうとしている理由と同じ種類の心の在り方なのだ。

「誇りのために戦う者を止める事は神にとて出来ぬ。今は剣を置いて見守りたまえ、少年」
「けど、それでもおれ、納得できねぇよ……って、俺が剣を置いたらアンタは魔法が使えないんじゃないのか?」
「わたしとて彼女を手助けしたくなる自分を抑えるのは、いささか難儀している」

グレンの言葉を聞いて、サイトは初めてこの立派すぎる魔術師を同じ人間なのだと感じた。
そしてルイズの戦いから視線を離さないままの彼の言葉に免じて、デルフを地面に突き立てる。
その目の前で、ルイズは貴族にも恐れられる名うての盗賊相手に善戦して見せていた。

最短のスペルで連続して放たれる失敗魔法。
下手な鉄砲もなんとやらで、狙いこそ付けられないがフーケもウカツに近づけない。
元来『土』属性は攻撃魔法に乏しい系統であり、巨大ゴーレム召喚には長い詠唱が必要とあって、
このような正面からの1対1の戦いには不向きである。
それでも不向きどころか魔法成功率ゼロのルイズに、端から勝ち目など無いはずだ。
腹が立つ。
勝てるはずも無い戦いに挑む無謀さに、それを支える彼女の誇りに、フーケは心底腹を立てていた。

「そぉら、捕まっちまいな!」
「灯りよ! 灯りよ! 灯りよ!」

ルイズの足元から、蛇の姿をした小型のゴーレムが生み出される。
それは対象に絡み付き、動きを封じる鎖。
だが、立て続けに放たれたルイズの魔法の一つがラッキーにもその胴体を粉砕する。
自由になると同時に、フーケの狙いを外すため転がるように走り出す。
続けて、同時に複数の『明り』を灯す魔法を唱えるルイズ。
本来なら広い範囲を照らすために使われる魔法だが、ルイズの狙いの通り複数の爆発が森の中で発生した。

「くっ、このっ!」

爆発の脅威に体勢を崩しながらも呪文を完成させるフーケ。
地面から放たれるツブテは、またも木の幹に当たって突き刺さる。
伊達に母や上の姉から魔法を使った折檻を何度も受けてきたわけでは無い、おてんばのルイズだ。
並みの使い手の呪文なら、タイミングを読んで逃げるだけなら不可能では無い。
それ以上に、フーケの放つ呪文には手心が加えられている。
殺傷力の高い呪文、一撃で殺せるような呪文を、フーケは唱えられなくなっていた。
ゼロと笑われ、侮られ、罵られ、それでも誇りを捨てなかった少女の、学院での姿を知っていたから。
どこまでも貴族であろうとする姿に、殺したくは無いと思ってしまったから。

「ストーン・ブリッド!」
「灯りよ!」

石のツブテがルイズの肩を打ち、痺れに杖を取り落とす。
小さな爆発がフーケの側で弾け、顔を隠していたフードが剥がれる。
現われた顔に驚くルイズに、フーケの、ミス・ロングビルの杖が突きつけられた。
だが杖はナイフではない。
驚きを押し殺し、ルイズは左手で杖を掴んでそのまま茂みに飛び込む。
その様子に、サイト達はたまらず跳び出しそうになる。

「ルイズ!」
「来ないで! 来たら食事抜きぐらいじゃ済まさないんだからね!」
「……っこの馬鹿ルイズ! なんでそんな意地をはるんだよ!」
「私は―――貴族なのよ」
「なんだよそれ。貴族って魔法使いの事なんだろ? オマエはマトモに魔法使えないんだろう? だったら決闘なんか止めて逃げても良いじゃねぇか!」

戦いを止めさせたくて、最早懇願するようなサイトの声が茂みに隠れているルイズへと向けられる。
それを聞きながら、泣きそうな声出してんじゃないわよ駄犬使い魔などと思いながら、
ルイズは明りよりも詠唱時間の長い『ファイヤーボール』を唱えていた。
この呪文で起こされる爆発なら、多少狙いが外れても相手にダメージを与えるだろう。
448虚無の使い魔と煉獄の虚神:2007/09/03(月) 00:50:34 ID:XGWxk6Ul
「魔法が使える者を貴族って言うんじゃないわよ―――」

呪文を完成させ、同じく長めの呪文を完成させてこちらに向けてきたフーケに杖を向けて立ち上がる。

「敵から背を向けない者を、その誇りをこそ、貴族って呼ぶのよ!!」

ビタリとお互いを指し合う杖と杖。
二人の体内に練り上げられた魔力が、放たれる瞬間を待って唸りをあげるかのようだ。
運が良ければ合い打ち。運が悪ければルイズは死ぬ。
はりつめた頬、毅然とした瞳。今のルイズは、サイトが見てきたどの瞬間よりも確実に美しい。
その誇りが、内なる輝きが、フーケにとってはたまらなかった。

「何が誇りだい! なにが貴族だい!
貴族だったわたしの父親は誇りを守って、主君の娘を守るために反逆者として殺された!
わたしの両親を殺した貴族達は、誇りを口にして一人の罪も無い娘を殺そうとして、
その子の母親や私の家の使用人達を殺していった!
そんな貴族に、そんな誇りに、何の価値があるっていうのさ!?」

血を吐くような叫び。
それは世の理不尽への怒りであると共に、貴族の全てが目の前の少女のようだったらという思いの表れでもあった。
その勢いに言葉を失うルイズ。
答えたのは異世界の魔術師だ。

「そこに価値など無い」
「なっ、無いってアンタ!?」

静かで端的な言葉。

「価値など無いのだ。時に人は虚言を弄する。口先だけの誇りに意味など無い。
ただ貴族であるだけの貴族にも価値など無い。
誇りとは、価値無きものに価値を与えんとする努力によって意味を持つ。
貴族とは、より高くあらんとする信念によって高貴たりえる。
だがそうして生まれた価値は、時を場所を容易く越えた不滅なる至宝となるのだ。
そなたの父親が命を賭して守った誇りを、そなたが引き継いだように」

その言葉に、フーケは耐え切れなくなった。
押し殺してきたマチルダ・オブ・サウスゴータという幸せだった少女が、顔を出すのを止められなくなったのだ。
杖を落す。
その杖の上に、彼女の頬を流れ落ちた熱い水滴が雫となって落ちた。

****

キュルケ・アウグスタス・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーはヴァリエールの宿敵の家系に生まれた貴族である。
が、今はこの、目の前でいじけている少女を慰めても良いか、と思っていた。

「結局……私って何の役にも立ってないじゃない」

森の中で地面に直に座るのも気にする余裕無く、三角座りで膝に顔を埋めているヴァリエールの娘を。

「なに言ってんの。ミス・ロングビルの……じゃなかった、フーケの心を折ったのはアンタの『誇り』よルイズ。
いじけて無いで胸を張りなさいよ。ただでさえ小さい胸なんだから」
「だっ、誰のなにが小さいですってぇ!」

キュルケに詰め寄って怒鳴るルイズ。
立ち直りが早いのも彼女の美点だ。特にキュルケにとっては、イジリ甲斐があってとても良い。
もう心配はいらないだろう。後考えるべきはフーケの処遇をどうするかだった。
決闘に敗れたと認めて、フーケは大人しくしている。
だが、あんな話を聞いた後で官憲に突き出すというのも気が引けた。
貴族を散々出し抜いて怒らせたフーケの罪状を考えれば、彼女の死刑は間違いないのだから。
449虚無の使い魔と煉獄の虚神:2007/09/03(月) 00:52:03 ID:XGWxk6Ul
どうしたものかと皆が頭を悩ませる中、タバサがポツリと呟いた。

「グレンの腕ゴーレム」
「なに? あの腕がどうかしたの?」
「フーケは死体も残らず潰されて死ぬ」

不吉な呟きに顔色を蒼白にするフーケ。
だが、キュルケはその意味を正確に理解した。

「なるほど、死んだ事にするってワケね。流石ねタバサ、伊達に本ばっかり読んでるワケじゃないわ」

青い髪が乱れるのもかまわずワシワシとタバサの頭を撫でるキュルケ。
タバサは無表情でされるがままだったが、何処か嬉しそうにも見える。
後日調査が派遣される事も考えて、適当な場所にグレンの巨大な『腕』を使って一発パンチを打ち込んでから、
一行は無事学院へと帰還したのだった。

****

あとは後日談になる。
恩人の形見である『破壊の杖』を取り返してもらったオスマン氏は大変喜び、シュヴァリエの爵位申請を提案してくれた。
サイトは破壊の杖が自分の故郷で使われる武器だと気付き、オスマン氏に入手の経緯を尋ねたが、
残念ながら元の世界に帰る方法に繋がる話は聞けなかった。
その代わり、自分の左手に浮かぶルーンがガンダールヴという伝説の使い魔の物であるという話は聞けたのだが。
それからオールド・オスマンは、自分は味方であるからサイトの手助けになるように便宜を図る事、
同じくグレン・アザレイの身柄も、国やアカデミーからちょっかいをかけられぬようにする事を約束してくれた。

倒壊させられた歴史ある本塔は、再建に数年を要すると思われていたが、
神の如きグレンの魔術によってわずか半日で修復され、学院倒壊の報を受けて駆けつけた王国騎士隊に首を捻らせた。
今は基礎部分の岩盤には教員が総出で『錬金』と『固定化』をかけてまわっている。

盗難がおこなわれた翌日に予定されていた『フリッグの舞踏会』だが、残念な事に延期されてしまった。
いくらグレンが修復したといっても内装の不備までは完璧には直っていない。
ことらは専門職である平民の業者が入って、やはり『錬金』が得意な土のメイジと共に修繕に精を出している最中だ。

『土くれ』のフーケを討伐したという事で、ルイズ達は一躍注目を集める存在になったが、
本当は彼女を捕らえたワケではないルイズ達にとっては居心地が悪い注目だった。
尤も、盗賊フーケは二度と現われないはずだから、事がバレる心配は無いはずだが。

余談だが、あの討伐の日からルイズとキュルケはお互いを家名ではなく名前で呼び合うようになっていた。
サイトも、犬やら奴隷ではなくサイトと呼んでもらえる割合が多くなったようだ。
まだミスターとは付けてもらっていないが……無い方が親しみを持たれているようなので別に良いとサイトは思っている。
タバサとグレンは相変わらず本ばかり読んでいるが、サイトやルイズと逢えば挨拶ぐらいはしてくれるようになっていた。

そして……
450虚無の使い魔と煉獄の虚神:2007/09/03(月) 00:53:54 ID:XGWxk6Ul

「失礼します。今日のスケジュールを確認して下さい、オールド・オスマン」

すっかり元の姿を取り戻した学院長室に、スッキリしたメガネの女性が入ってきた。
書類を抱えた理知的なその女性は、ミス・ロングビルその人である。

「おお、ミス・ロングビル。今日の下着は何色かね?」
「延期になった舞踏会に王女殿下の行幸があるかもしれないという事で、その準備としての会談が……」

オスマン氏の早朝セクハラを華麗にスルーして、ミス・ロングビルは秘書の職務をこなしてゆく。
盗賊をやめる事を誓ったフーケであったが、ある所に仕送りをするために金が必要だと聞いたキュルケが、学院に残る事を勧めたのだ。
貴族の子弟を集めた学院の長であるオスマン氏付きの秘書の給金は存外良い。
過去セクハラに耐えかねて辞める秘書も多かっただけに尚更だ。

話し合いの結果、ミス・ロングビルは逃げるフーケを見かけて追跡し、追いついた所でルイズ達が発見、合流したのだと云う事で口裏を合わせる。
「これで色々便宜も図ってもらえるわね」とは、キュルケの弁。
それを聞いて嘘をつくのは貴族的に良いのか? などとサイトは思ったが、
サイトとてフーケを警察に突き出したいワケでは無いから何も言わなかった。

トリステイン魔法学園に、一時の平和な時間が流れている。
それは、嵐の前の静けさかもしれなかったが。
451名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 00:54:18 ID:mSejk0Bb
支援!支援!
452虚無の使い魔と煉獄の虚神:2007/09/03(月) 00:55:58 ID:XGWxk6Ul
投下完了です。
第一巻分終了。次はしばらく間が空きますのであしからず。
453名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 01:00:40 ID:XGWxk6Ul
ところで今更だけど「モロの使い魔」ってどうさ。
首だけになっても喰らい付くのがガンダールヴよ!
454名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 01:03:28 ID:mSejk0Bb
相似魔術、便利すぎる。
それに対抗できるのがサイトだというのが恐ろしい、どうなることやらGJ!
455名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 01:03:55 ID:PE1FbAyW
>>453
どこで読んだのか忘れたが、
サン「お母さん、私の着てる毛皮ってお母さんたちの毛皮にそっくりだよね」
モロ「…。もう寝なさい」
ってのがあったのを唐突に思い出した。
456MOZ―ザ・ミラクル・オブ・ザ・ゼロ:2007/09/03(月) 01:07:49 ID:jSEkBi+D
短いですが投下予告。なければ十分頃投下。
457MOZ―ザ・ミラクル・オブ・ザ・ゼロ第十八話:2007/09/03(月) 01:11:38 ID:jSEkBi+D
暗殺者が姿を現すという事はめったに無い。
指導者であるギルマーダですら、その顔を隠し続けていた事も多い。
そして、その姿を現して尚、命を頂戴すると宣言した。
その余裕というのは、果たして愚者の行動か、それとも圧倒的な技量に裏づけされたものか。
レクス、ルイズ、キュルケ、タバサ。
学院の四人組は無論――それらが、後者である事を知っていた。
ルイズが感情を昂らせ、戦闘態勢に入る。

「マスター、これを」

レクスが、不意にルイズに何かを手渡した。
忙しいときに一体何を、と思ったルイズではあるが、よくよくそれを見れば、それはレクスの持っていたカードだった。
ヘルプカードとスペシャルカードのみだが、これをレクスが手渡した事に驚く。
召喚獣を呼び出し、強力な力を引き出すコンボは、ヘルプカードがなければ成立しないのだと言う。
召喚剣で一度は代用出来るが、しかしそれでは特別な効果を持たせる事は出来ない。
つまり、戦局を左右する状況下では、ルイズのヘルプカードこそが重要という事になるのだ。
ルイズは頷き、力強くそれを握り締めた。
白仮面の男たち――三人だ――が一斉に木で出来た杖を持ち、魔法を詠唱する。
早い、皆がそう思った時には、しかしワルドが

「ウィンドブレイク!」

竜巻を発生させた。
この詠唱の早さ、流石に魔法衛士隊隊長は伊達ではないという事だろう。
続いてレクスがギルマーダへと踏み込んだ。
対メイジとの戦闘に於いては、第一に警戒すべきは肉弾戦を得意とするものを封じる事だ。
メイジは、中遠距離に於いては比類なき強さを発揮するが、反面、呪文詠唱時は無防備に近い。
エアニードルと言ったような近距離戦用の呪文も存在するにはするが、それを信じて接近魔法戦を挑むというのは、無謀だ。
よって、この場でレクスが取るのは召喚獣を呼び出す事ではなく、ギルマーダをまず押さえ込む事だった。
ウェールズに飛びかかろうとしていたギルマーダは、しかしレクスの一撃によってその出鼻を挫かれる。
しかし、そこで切り裂かれるほど甘ければ、暗殺隊を率いる事は出来ない。
ダガーにより、デルフリンガーを受け止めるギルマーダ。
タバサのエア・ハンマーが完成し、白仮面の一人へと叩きつける。
しかし、恐るべき事に、白仮面はそれを後手であるはずの自らのエア・ハンマーで相殺したのだ。
自らの技量よりも上だと悟ったタバサは、ウェールズ王子のシーツを引っつかみ、白仮面へと投げつける。
そこへキュルケのファイヤーボールが完成し、まるで弧を描くかのように曲がった軌道を描きつつ、シーツで視界をふさがれた白仮面を爆発させた。
しかし、それを悟ったかのように、もう一人がエア・ニードルを発動させた杖によって、キュルケの胸を貫かんと突進する。
だがしかし、それをウェールズ王子が、同じくエア・ニードルを発動させた杖でつばぜり合いを演出した。
――都合、四人が拮抗状態となった。
ルイズは今までのように暴発はしない。
功を焦る事はあるし、感情を抑えきれない事も多々あるが、しかし、この場でパニックを起こしてもどうにもならないと、わかっている。
しかし、それでも何か出来る事はないか、とヘルプカードを目を皿のようにして見る。
貝獣仙人の呪文――酒――オゾン層――ごちそう、何だこれは。
だがしかし、有効なものは何ひとつ見当たらなかった。
スペシャルカードならば、と思うが、ヘルプカードでは見えていたイメージが何も浮かばなかった。
それは、全てのカードを出し終えてからでなければ出せない、というスペシャルカードの特徴故だったのだが、しかしルイズには使えないカードだ、としか今の意味は存在しない。
ワルドが白仮面の一人に向け、剣を突き出す。
だが、三人目の白仮面もただではやられなかった。
――都合四人が鍔迫り合いを、二人が剣と杖の乱舞を演出していた。
こうなると、タバサ、キュルケ、ルイズに出来る事は、如何にして横合いから殴りつけるか、という事になる。
しかし、不用意に広範囲の魔法を使えば、戦っている仲間まで巻き添えになってしまう。
的確にぶつける必要性があるが、ファイヤーボールも、ウィンディ・アイシクルも、それは難しい。
ルイズの爆発など以ての外だろう。

「貴様ら、貴族派の手先か!」

ウェールズが叫ぶ。
鍔迫り合いをしながらも、如何にしてその仮面を剥がすかを考えていた。
仮面がはがれ、顔がわかれば、どのような貴族なのかがわかるからだ。
458MOZ―ザ・ミラクル・オブ・ザ・ゼロ第十八話:2007/09/03(月) 01:13:10 ID:jSEkBi+D
しかし、その叫びは命取りであった。
次の瞬間には、ウェールズの腹に膝が突き刺さっていたのだ。
胃を貫くような衝撃。
目を見開き、胃の中よりこみ上げる酸性の液体が喉を焼き尽くそうとするが――だがしかし、ウェールズはそれを踏ん張り、杖を両手で構え、エア・ニードルを耐え抜いた。

「王族を、そのような下衆の技で倒せると思ったか!」

ウェールズの一喝が飛ぶ。
その覚悟、その執念。
先ほどまで明日の死を受け入れていた人物とは到底思えず――ルイズは、不意に、何かがストンと落ちるのを感じたのだ。
先ほどまで感じていた、違和感の正体。
果たして自分は、ウェールズ皇太子が死に急いでいると思っていたのではないだろうか。
恋人を捨て、自分だけ死ぬ事を優先したのではないだろうか、と。
だが違う。
今のウェールズの啖呵を、目を、気迫を。
それらは決して死を受け入れたものではない。
死に対し、抗い、戦おうとするものの姿ではないか、と。
成る程、王族が先頭に立ち、戦わなければどの部下がついてくるというのだろうか。
自分はかつて、言ったではないか。
『背を向けないものを、貴族と言うのだ』と。
ならば、自らの国を滅ぼそうとするものに背を見せず、一人であろうと切り倒そうとするその姿は、まさしく貴族そのものではないか。

「聞くが良い、貴族派の者よ!
明日、我ら三百の軍勢は立ち向かおう!
貴様ら卑劣きわまる貴族派が如何に強大な力を持とうと!
アルビオンの誇りまでは渡さぬ!」

咆哮。
火竜の叫びをも上回ろうかというその大音量は、しかしウェールズの精神力を底上げし、肉体を力づける。
先ほどまで拮抗を保っていたエア・ニードルの鍔迫り合いは、徐々にウェールズが押し戻し――

「はぁ!」

一閃。白仮面の杖ごと、胸を切り裂いた。
盛大に血を噴出し、仰向けに倒れる白仮面。
息を荒げるウェールズだが、その仮面を剥ぎ取る前に姿が掻き消える事に驚く。

(遍在か!)

ならば本体を倒せば良い事だ。もし、あのギルマーダが本体なのだとすれば、それを隠すために仮面をしたというのは理解できる。
ワルドが鍔迫り合いを演じる白仮面に目をやる。
その視線を感じたワルドだが、先ほどのウェールズの姿に対し

「殿下! よくぞいわれました!」

ワルドが同じく拮抗していた杖を、片手で支える。
だが、両手で拮抗状態だったものを、急に片手に変えて保てる訳が無い。
逆に押されていくワルドの杖。
しかし、次の瞬間には、ワルドが懐から引き抜いた短剣によって、白仮面の心臓は貫かれていた。
メイジが近接戦闘を行う際に、杖を頼りに戦うという常識。
そのようなものを破ってこその魔法衛士隊ということか。
ウェールズも驚いた顔をしているが、流石に優秀だ、と頷く。
そして同時に視線を変える。
これで残すは――
459MOZ―ザ・ミラクル・オブ・ザ・ゼロ第十八話:2007/09/03(月) 01:14:41 ID:jSEkBi+D
「お前だけだ、ギルマーダ!」
「ほざけ、小僧」

レクスが叫ぶが、しかしギルマーダは堪えない。
両腕でクロスするかのようにダガーを構え、デルフリンガーを受け止めているギルマーダ。
皆にこそ聞こえないが、小声でデルフリンガーが痛いと繰り返しつぶやいている。
しかし、状況は既に詰みに等しい。
両腕を封じられている状況では、横合いからエア・ニードルで刺されるだけで終わりなのだ。
ギルマーダに勝ち目は無い、はずなのだ。

「――風はどこにでも遍在するのだ」

レクス達がギルマーダに目を奪われていた間に、突如として現れた、新たな白仮面がそこにいた。
そして、その姿をみて、ルイズは目を見開いた。
その手にもたれているのは、まさしくカードだったのだ。
一体何故、相手がカードを持っているのか。

「バードマン、ペガサス、召喚」

白仮面がつぶやき、カードが光り――剣を持ち、背中に翼を生やした男が、カードより現れた。
続き、翼を生やした白馬――ペガサスが召喚された。
危ない、とレクスは思う。
バードマンは40パワー、ペガサスは50パワーと、あわせても100パワーには届かない召喚獣である。
だがしかし、その組み合わせが危ないのだ。
バードマンは、ペガサスが相棒である。
それは翼を持つものとしての力なのだろうか、兎にも角にも、ペガサスに乗ったバードマンはその力を思う存分に発揮する。
その力、単体の十倍――400パワーにも相当するのだ。
既に部屋は荒れ狂う暴風によって、立つのすらつらい状況下に置かれている。

「形勢逆転、だな」

ギルマーダが、ニヤリと笑った――
460MOZ―ザ・ミラクル・オブ・ザ・ゼロ:2007/09/03(月) 01:16:04 ID:jSEkBi+D
以上、短めの第十八話。
……尚、前回の十七話は現在wiki登録されていないため、読む際はご注意を。
461名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 01:17:18 ID:mSejk0Bb
ギルマーダが相手だと今のレクスでは不安だが、きっと何とかしてくれると願ってGJを送るぜ
462名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 01:29:21 ID:AqkK7WiX
相似魔術もすごいが、原子にまで相似を見るグレンがすごすぎる。
握り締めた拳の中の空気と相手の周囲の空気を相似にして拳を振って相手を真空状態にしちまうし。

グレンってこう見ると良い人だけど悪鬼視点で見ると傍迷惑この上無い。魔術師の正義の為に
地球人皆殺し企むし。
しかし悪鬼の才人を随分と認めてるけど悪鬼は殺すのが正しい(子供の絵本の悪役にもなってる)魔術師の正義の
具現たるグレンが才人を認めるのか?
沈黙の事は認めてたっけ?
463名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 01:29:59 ID:/l+A48LJ
投下しますー。
464名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 01:31:03 ID:sTlAjLLs
支援ー?
465出来損ないの魔術師と改造人間:2007/09/03(月) 01:33:23 ID:/l+A48LJ

「ど、どうしてまともに走らないのよぉーーー!」
「…………あー」

 ルイズがバイクの乗り方を教えて欲しいとハヤトに頼んだのは、翌朝の事だった。
 正直な所、予想はしていたが、小柄なルイズでは一人でこのバイクに跨るのは難しいのだ。どう理由を付けて断ろうかとシュミレートしていた矢先の出来事である。思わずハヤトは困り顔で唸ってしまった。
 当のルイズと言えば、今までに無く目を輝かせて、両手まで合わせて頼み込んで来ていたのだ。この顔を見てしまえば無下に断るのも気が引けた。
 まぁ、実際の所は電子演算機の制御によってこけぬ様にも操作できるのだが、バイクに乗るに当たって、そう甘えた考えを持たせるのも良くない。
 結局の所、自分の見ている前では絶対にサイクロンには触れないこと。それを念押ししながら、昼休みなどの空いた時間を使い、人気の少ないヴェストリの広場でのバイク教習が始まったのであった。
 そして、現在がその教習の三時限目という事になるのだが。

「クラッチはもっとゆっくり切るんだよ。後、ギアやブレーキまでで結構足が一杯一杯なんだから、そう無理すんな」
「……あんな風に動かせる様になるのって、いつの事よ。走る事すら出来てないじゃない、わたし」
「練習すれば誰だって上手くなるさ。そんなに焦るなって」

 まず、発進そのものが難航しているのだった。慣れの問題である為、この辺りは細かい口出しよりも数をこなさせる方がいい。そう思っていたハヤトだったが、ルイズという少女はどうにもせっかちなのだ。常よりも失敗が多いのは、その性格のせいかも知れない。
 だが、こうして失敗続きで愚痴を吐きながらでも、投げ出さずにきちんと向き合う姿にはハヤトも好感を得ていた。一本気な気質は彼の好むところである。
 発進、エンスト、そこからこけそうになるのを支えたりを繰り返している内、昼の休憩の終わりを告げる鐘の音が鳴り響いた。

「今回はこれまでだな。続きは授業が終わってからだ。ルイズは先に行ってな。俺はこいつを馬小屋に入れてくる」
「うん……わかった」

 今回も発進を上手くする事が出来ず、しょぼくれ肩を落としながらハヤトの元から去るルイズ。
 その背中を見送りながら、ハヤトはサイクロンに跨り、そのハンドルを握った。
 そして、ふぅ、と息を吐いて胸を押さえる。

「つぅ……」

 いつもの鈍痛が彼の心臓を襲っていた。ゆっくりと、だが確実に彼の身体は改造手術の失敗の影響に蝕まれて行っている。幸い、まだ思う様に身体が動かぬ程ではないが。
 ハヤトは苦しむ自分の姿を、極力ルイズに対して見せぬ様にしていた。
 そう遠くない未来に、自分は彼女と死別する運命にあるのだ。せめてその時までは、自分を死の淵から引っ張り出し、夢の様な世界で生きさせてくれるあの少女に、辛気臭い顔は向けたくない、そう思っているからだった。
466名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 01:34:21 ID:sTlAjLLs
仮面支援
467名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 01:34:24 ID:WGo3T+IN
相似魔法あんど召喚剣乙

しかし相似魔法はかなり万能だよな。
グレンがモンスタークラスの使い手だからか余計そう思う。
さてフーケがこれからどうなっていくかが楽しみだ。
468出来損ないの魔術師と改造人間:2007/09/03(月) 01:35:15 ID:/l+A48LJ
 暫くすると、痛みは引き、身体が軽くなった。
 自嘲の笑みを浮かべ、彼はバイクを引きずって歩く。
 いつまで自分は生きられるだろうか? せめて出来得る事なら、一日でも長く。そんな考えをくゆらせながら、ハヤトはルイズの元へと向かう為、歩を早めた。

「見て見て! ハヤト! ほらほら!」
「余所見するな片手を離すな! 危ないぞー!」

 ルイズがバイクを乗りこなせるようになったのは、意外にもその翌日の事であった。
 一旦発進のコツさえ覚えれば、後はトントン拍子で彼女は上達していった。ある意味では才能があったのかも知れない。
 まだ操作に迷いはあるものの、彼女が駆るサイクロンの挙動には、ハヤトは内心舌を巻いていた。まるでいつぞやの本郷の上達ぶりを見ているかの様だ。
 思い通りにサイクロンを操れるのが余程嬉しいのか、時折片手を離してはハヤトに向かって手を振ったり、笑い声を上げたりするルイズの姿は、見ていて実に微笑ましいものだった。
 それを見ると、やはりどうしても自分の世界に残してきた者が気にかかってしょうがなかった。たまに、こうして思い出に浸り、表情を落ち込ませる事がハヤトにもある。
 身体の事に関しては上手く隠せるのだが、郷愁の念に抗うのとはまた彼にとって勝手が違うのだ。
 不意に翳った彼の顔を見て、不思議そうに首を捻るルイズ。それがいけなかった。

「ああああああ! 危ない危ない危な――――!」
「え、あ、きゃ……」
「あのバカ!」

 顔を前に向けると、死角から不意に、洗濯籠を抱えたメイドが飛び出して来ていたではないか。
 小さな手と、足りない脚で思い切りブレーキを押し込んだが、とてもじゃないが時速で六十キロを越えるスピードはすぐには止めることが出来ない。
 車体を横に傾けて避け様としたが、まだそんなバランス感覚の身に付いていない彼女は、あっと言う間にそのまま車体ごとこけてしまった。
 このままでは学院の壁面にぶつかってしまう。彼女がこける前からこの事態を想定し、ハヤトは改造人間としての自分の力を完全に発揮して大地を蹴っていた。
 幸いにしてそう離れぬ様厳命していた為、一息の跳躍で足りる距離。数字で換算するに、二十メイルの間を、一瞬で詰めると、横滑りする車体ごと、ルイズの身体を全身で受け止める。

「ぐっ……!」

 ぎりりと歯を食い縛り、地面に足を埋めると、壁のギリギリ手前でその勢いを殺しきった。
 改造人間であるハヤトでなければ、とてもではないが真似出来ない事である。
469出来損ないの魔術師と改造人間:2007/09/03(月) 01:36:46 ID:/l+A48LJ
 真っ先に車体を起こし、ハヤトはルイズの容態を確かめた。今は尻餅を付いてぶるぶると震えているメイドに構っている暇は無かった。
 車体に足が挟まれた為、太ももからふくらはぎにかけてに打撲の跡が見られる。多少の出血は認められたが、大した怪我ではない様だ。不幸中の幸いと言うべきか、地面が草原であった事がいい方向に働いていた。
 ルイズは落車のショックによってか、気を失っている。その小さな身体をよいせと背負うと、今度はへたり込んでいるメイドにハヤトは手を差し伸べた。それは彼にとって良く見覚えのある顔であった。

「シエスタ、驚かせて悪かったな……っと、大丈夫か? 怪我、ないか?」
「え、ええ……あまりに突然のことだったので、驚いてお尻を打っただけです」
「よかった、とは言い難いが、何にせよ怪我が無くて何よりだ」

 ハヤトの手を取って立ち上がったメイドはシエスタと言い、ハヤトが学院の中を散策して回っている時に知り合った女性である。
 境遇のせいか同情を受け、ハヤトは何かと彼女には世話になっている節があった、そういう付き合いだ。
 彼女はパンパンと尻についた汚れを払うと、ハヤトにぺこりと頭を下げ、地面に散乱した洗濯物を一つ一つ拾い上げていく。

「それにしても、あんな重そうな物を身体一つで受け止めるなんて凄いですね……」
「馬鹿力だけが取り柄でな」
「でも、あんなにスピードが出てたのに……って、あれ? これって」

 そんな会話をしている内に、ふとサイクロンに目をやったシエスタが怪訝な表情を浮かべた。ただ珍しいのだろう。それで気にかかるのだろうと思うハヤトは、これについてどう説明しようか迷った所で、シエスタの起こした行動に目を見開いた。

「すいません。ちょっと失礼します!」
「え、おい、おまえ……」

 手にした洗濯物を籠に直し、一言断りを入れてから、サイクロンのハンドルの下、そのスイッチに手をかけたではないか。
 偽装されていた車体が、一瞬にしてオフホワイトのカウルに包まれ、別個の物へと生まれ変わった。何故だ? 何故彼女がこの機能を? ハヤトにとって完全に想定外の出来事である。
 サイクロンの変形の様子に肩を震わせたシエスタは、ルイズを背負うハヤトの肩をがっしりと掴んでこう言った。

「こ、これ……うちのおじいちゃんが乗ってる物と同じ物なんですけど!」
「何ぃ!?」

 いきなりのカミングアウトである。まるで予想だにしなかった事を彼女の口から聞き、ハヤトは一瞬の思考停止状態に陥った。
 一種の興奮状態になっているシエスタはそれを知ってか知らずか、口々に言葉を発する。

「うわー、どうしてハヤトさんが……あ、そう言えばおじいちゃんから昔聞いたことが……って、そんなわけないよね。あはは」
「ちょ、ちょっと待て! どういう事だ!? おまえのおじいちゃんって何者だ!? 説明してくれ!」

 すぐさま正気を取り戻したハヤトは、ペタペタとサイクロンに触るシエスタに言った。彼女の言葉が正しければ、彼女の祖父は間違いなく……

「ど、どうしたんですか? 凄い形相で」
「頼む! 教えてくれ!」
「……わ、分かりました。ええと、その、おじいちゃんと言っても血が繋がってるわけじゃないんですけど……」

 今のハヤトにとって、こうして話すシエスタの間ですらもどかしかった。
 彼は話の流れを遮り、要点の答えだけを求めた。

「おまえのじいちゃんの名前だけでいい、名前を教えてくれ!」

 あまりにも必死なハヤトの様子に何かあると察したシエスタは、一拍の間を置き、すぅと息を吸ってこう答えた。

「タケシ。タケシ、ホンゴウです」
470名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 01:37:19 ID:sTlAjLLs
な、何ぃぃぃぃッ!?
471出来損ないの魔術師と改造人間:2007/09/03(月) 01:38:00 ID:/l+A48LJ
相も変わらず短くてごめんなさい。ここまでです。
あじゃじゃしたー。
472名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 01:38:34 ID:sTlAjLLs
乙ー。何かこう、急展開よね?
473名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 01:42:33 ID:mSejk0Bb
急展開ダァーーーーッ!?
ちくしょう続きが気になる
474名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 01:43:44 ID:AqkK7WiX
>>396
シオネが死んだのが悲しみの聖戦。黄金戦争は確か式神の城のノベルゲー
だかで少し出てたな。第二次黄金戦争って何時の話?
475ゼロのガンパレード:2007/09/03(月) 01:46:50 ID:BZPOCepn
短いけど投下よろしいかしらー?
476名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 01:47:43 ID:sTlAjLLs
かまーん!
477名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 01:49:45 ID:+N3MD8f2
ま、まさかダブルライダーが実現するのか!?誰が乗るんだー!?
いや順当に考えたらルイズだろうけど、肉弾タイプで(擬似)ダブルライダーキックとか無茶すぎる欲求が。
478名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 01:50:58 ID:sTlAjLLs
>>477
本郷が居て、隼人が居るが改造手術はないだろうからなぁ……
479ゼロのガンパレード:2007/09/03(月) 01:51:29 ID:BZPOCepn

その日は、端的に言って良い天気だった。
日差しは暖かく、風は心地よい。
広い草原に大の字に寝転がって、流れ行く雲を見ていれば時間の過ぎ去るのを忘れてしまうだろう。
今も目を上空に上げれば、空を行く竜とグリフォンの姿が目に入る。

「ねぇ、お頭」

崖の上で、空を見ながら一人の男が呟いた。
どうやら傭兵と見えて、革鎧と弓矢で武装している。

「……なんだ」
「俺たち、グリフォンに乗ってやってくる連中を襲うんですよね?」

答えた男と、その周囲にも同様の格好の男たちがたむろし、思い思いに空を見上げている。
そこにはなんらの詩的な感情はなく、ただ呆れたような、困ったような色だけがある。

「そう聞いてるな」
「空、飛んでますよね」
「飛んでるな」
「弓、届きませんよね」
「届かんな」
「どうしましょう?」

傭兵のリーダーと思しき男は腕を組み、しばし首を捻ると、
胸を張って部下に言った。

「――――お前が何を言ってるのかわからんな。
 俺達は崖下の道を見張ってたんだ。
 だから空なんか見なかった。
 なぁ、そうだろう?」

顔を見せ合い、部下達もそれに同意する。

「そうっすね。
 あぁ、まだ来ませんね」
「いつになったら来るんですかねぇ」

常に死の危険がある傭兵の仕事は基本的に前払いである。
死んでしまっては金も使えないからだ。
ならば危険はなるたけ少ない方が良い。
それが男達の共通見解だった。



480名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 01:51:42 ID:7ZvlsMyi
>>474
今こそが二度目の黄金戦争だと人は言う
人が人をやめ、オーマとなりて人を地べた擦りと呼び始めた。
終末戦争の戦争は既に始まっている。
だが、それゆえに抗うものが復活した。
481名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 01:52:22 ID:dsZx4FRV
>>474

ええと、終わったのが確か先月だから、第一世界時間で2007年8月まで?
確か、去年の冬からやってたんだよな?
セプの本部が仲間割れで壊滅したのも、確か同じ頃。


なんでかは知らんが、失われたオーマたちの乗ったと視線があちこちにポコポコでてきて、第七世界?で戦闘してたんよ。
482名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 01:52:50 ID:sTlAjLLs
まぁそうだわな支援
483ゼロのガンパレード:2007/09/03(月) 01:54:07 ID:BZPOCepn
/*/



「いや、それにしても驚いたな。
 これなら思ってたよりも早くラ・ロシェールの街に着きそうだね」

空を行くグリフォンに跨り、ワルドは自分の前に跨ったルイズに言った。
風の音が大きいので、声を聞かせようと思ったら叫ぶか耳元で告げるかしかない。
ワルドが選んだのは後者であった。
ルイズの耳元に口を寄せ、ささやく様に声を吹き込む。

「ギーシュ君か。
 グラモン元帥とその息子達とは面識があったんだが、
 彼は父上とは違って知将タイプらしいね」

言いながら自らの乗騎に括り付けられた荒縄を見やる。
グリフォンの首当てにつけられたそれは10メイルほどの長さがあり、
その先はタバサの使い魔であるシルフィードに結ばれている。

「この牽引法一つ取っても、軍で正式採用したら今までの常識が覆るよ」

竜種とは違い、グリフォンは長時間の飛行には耐えられない。
それはマンティコアも同じであり、このことは一日の行軍距離に影響してくる。
横目でグリフォンの翼を見る。羽ばたいてはいない。
バランスを取るために広げられてはいるがそれだけである。
ないしろこのグリフォンは、『レビテーション』の魔法で浮いているだけなのだから。
術者の意のままに動ける『フライ』とは違い、『レビテーション』はそれこそただモノを宙に浮かせるだけの魔法である。
だからそれをかけられたモノを動かそうとすれば、手で押すかなにかしなければならない。
そんなことは言われるまでもなく常識であり、だからこそワルドはタバサがグリフォンに『レビテーション』をかけ、
ギーシュが荒縄を括り付けているのを不思議に思ったのである。
もっとも、それはシルフィードと共に宙を舞いだした瞬間に驚愕と感嘆の念に変わったのであるが。

「ところで、縄の真ん中あたりに白い布が結ばれてるのはなんだい?」
「識別のためだそうですわ」
「ほう――――」

感心したような声を上げつつ、ワルドは背中を冷たい汗が伝うのを止められなかった。
手綱から感じる感触からも自分の騎獣が殆ど疲労していないのがよく解る。
前を飛ぶ幼竜とてもそれほど疲労はしていまい。
離陸の際には重みが加わっただろうが、一度飛んでしまえばそんなこともない筈だ。
それはつまり、二騎編成の隊を作ればほぼ一日中飛んでいられるということを指している。
一騎が曳航し、もう一騎を休ませる。疲れれば交替する。
しかも使う魔法はコモンマジックである『レビテーション』であり、
魔法衛士隊であれば誰でも使える魔法である。
しかも初歩であるが故に殆ど精神力を使用しない。
なにしろ学生が教室に帰るのに使う『フライ』よりも下位の魔法なのである。
予算も訓練も殆ど要らずに一日の行軍距離を飛躍的に伸ばす方法。
そんな夢物語がワルドの眼前で展開されていたのだった。
484名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 01:55:20 ID:E9FRN4rv
ブータにルイズがもふもふしてる光景を受信したぁああ!
支援。
485名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 01:56:18 ID:sTlAjLLs
支援支援
486名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 01:56:24 ID:n1vlULDo
ギーシュが役立ってるよ支援
487名無しさん@お腹いっぱい:2007/09/03(月) 01:59:23 ID:CzJlfeoI
ぬこ支援ぬこ支援
488ゼロのガンパレード:2007/09/03(月) 02:00:01 ID:BZPOCepn

「ギーシュ君は、これを自分で考えたのかな。
 それともタバサ君か誰かに教えてもらったのかな」
「さぁ? そこまでは知りませんわ」

嘘である。
実際はこの方法はブータが語った戦場の話に出てきたモノなのだ。
第二世界で、破損して浮くことしか出来なくなった天駆ける船を鳥神族が曳航した故事に基づく方法である。
だが、たとえ婚約者とはいえブータに関しては秘密である。
とても口に出来たものではなかった。



/*/



「ギーシュよ、そんなに我が主人のことが気になるのか?」
「へぇぇ、ひょっとして、あんた、やっぱりそうなの?」」

先ほどから何度も振り向いては後ろのグリフォンを確認する弟子に、
ブータは髯を震わせて声をかけた。
手持ち無沙汰なキュルケもそれに追随して面白そうな声を出す。
こちらはシルフィードの背中の上である。
乗っているのはキュルケとギーシュ、タバサとブータ、それにウェルダンテとフレイムの使い魔たちである。
ルイズはブータと一緒にいたいと訴えたのだが、グリフォンに乗るには大きすぎるとのことでこちらに乗ることになった。
今ではタバサの背もたれになっている。
タバサの魔法によって風をさえぎられているため、普通の声でも会話するのに不自由はない。
風を止めることによって音を消す『サイレンス』の魔法の亜種とでも思えばいいだろう。

「何を言うんだいミス・ツェルプストー。ただぼくは貴族として、あのような破廉恥漢を許せないだけですよ」

言いながら青銅の薔薇で指す方をと見てみれば、背中からルイズを抱きしめながらその耳に囁くワルドの姿。

「あらま。あの殿方そういう趣味なのかしら? タバサも気をつけたほうがいいわよ」
「向こう、魔法使ってない。単に会話してるだけだと思う」
「ああ、そういえば何の魔法使うか聞いてなかったわねぇ。
 衛士隊の隊長で、危険な任務を任されるんだからやっぱり『火』なのかしら」
489名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 02:01:57 ID:sTlAjLLs
ウェルダン テだとかりかりに焼かれちゃいそうだよ支援
490ゼロのガンパレード:2007/09/03(月) 02:02:45 ID:BZPOCepn
あくまで暢気そうな女性二人の表情とは裏腹に、ギーシュは苦虫を噛み潰したような表情を崩さないまま口を開いた。

「……『風』だよ。
 魔法衛士隊はぼくたちトリステイン貴族にとっては憧れだからね。
 その隊長格の魔法くらいは知ってるさ。
 あのワルド子爵は『風』のスクエアメイジだ」

ちなみに、ワルドが魔法を使わなかったのはギーシュが想像しているような理由ではない。
単に、初見の牽引法に驚いて注意がそこまで回っていなかっただけである。
ついでに言えば、グリフォン隊はおろか竜騎士隊の中にも会話する為だけに魔法を使う者はいない。
この魔法の使い方は、日頃から『サイレンス』を使い慣れており、
シルフィードを従えているタバサだからこそ思いついたものである。

「あら。それはそれは……でも、婚約者だからちょっとくらい、ねぇ?」
「ギーシュ、野暮」
「彼がルイズのことを本当に理解しているのならぼくも止めないがね。
 あの時の彼の態度を見てるとそうは思えないな」

なるほどね、とキュルケは頬を緩めた。
やはりギーシュもワルドがルイズを小さい子のように扱うのが我慢できないらしい。
からかうネタが無くなるのは残念だが、ギーシュにとってのルイズは恋人というより友人なのだろう。
友人が馬鹿にされるのは許せないというわけだ。
暖かい目で自分を見るキュルケと猫にも気づかず、ギーシュは未だに文句を言っていたが、だんだんその矛先がおかしくなってきていた。

「まったく、マリコルヌも未だにルイズを馬鹿にするし、
 ミスタ・ギトーにいたっては自分と違う属性は一段下に見る。
 今度はワルド子爵か。まったく、『風』の属性のメイジは本当に……」

いつの間にか本を置いた眼鏡の少女が、小首を傾げて問いかけた。

「――――喧嘩、売ってる?」
491名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 02:03:21 ID:mSejk0Bb
タバサ怖ッ!支援!
492名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 02:03:53 ID:sTlAjLLs
そりゃギトーと一緒にされると怒るわなw
493名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 02:04:33 ID:AqkK7WiX
>>480 >>481
じゃあちょっと前にアルファでやってた大絢爛舞踏祭だかの一大ゲームが
第二次黄金戦争だったのか?確かにオールスター勢ぞろいだったけど。
494名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 02:07:06 ID:cOFiX/0I
>>493
その通り
ttp://74405495.at.webry.info/200708/article_2.html
これがゲームの歴史的経過
495ゼロのガンパレード:2007/09/03(月) 02:07:28 ID:BZPOCepn
短いですがギーシュが墓穴掘ったところで終了です。
次はラ・ロシェール編ですな。

そして
ウェルダンテ×
ヴェルダンデ○
でしたごめんなさい・・・・


あじゅじゅしたー
496名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 02:07:54 ID:sTlAjLLs
あじゅじゅしたー
497名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 02:08:28 ID:eXtyn9cc
おつでした〜
498名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 02:09:33 ID:yXvdLK2v
ガンパレードさんGJでした!
499名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 02:11:09 ID:WWpF5DLr
渡り鳥みたいに「V字型」に編隊を組むと、
翼端渦流に乗れるからさらに効率がよくなるぞ。
500名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 02:11:17 ID:mSejk0Bb
乙です、無表情でこれ言われるとすごい怖いよね、たぶん。
501名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 02:13:23 ID:cOFiX/0I
乙です
でもある意味タバサも・・・だね
502名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 02:15:53 ID:oc5dQtL5
乙でした。
これはワルド戦も偏在に対して何らかの対抗策や戦略を立てて
ワルドびっくりーなフラグですな。
503名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 03:14:15 ID:JA/ePP+n
偏在じゃなくて遍在
504名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 03:18:02 ID:OusjJVKo
偏っちゃらめぇ
505名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 03:21:03 ID:G0FOCzMe
右側に偏ったワルド想像して汁吹いたwww
506名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 03:32:03 ID:JOKM48z2
右曲がりのワルドと申したか。

昔、右曲がりのダンディーというマンガがあってな。
あれをルイズが召還すると小ネタくらいにはなるかも。
507名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 04:08:04 ID:XgR7RDno
おまえらwww
右曲がりな局部を晒しながら堂々佇む白仮面×5を想像しちまったじゃねえかwww
508名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 05:13:06 ID:hOfbS7TI
>>484
もふもふといえば、森の妖精トトロを召喚したルイズってどないだ?

可愛いだけであんまり役に立ちそうに無いけど…
509名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 05:18:22 ID:VHd81pGC
>>508ルイズとシエスタがトトロのお腹に捕まって飛んだり
ちぃ姉様のお見舞いにネコバスで風になってる
とかするんだな。
きっとルイズはトトロのお腹の感触が気に入って上で寝たりするんだぜ?
510名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 05:25:50 ID:ElfVffnu
駄目だ、トトロと聞いてもジブリ作品を聞くと暫く前にあった

「節子、それドロップやない!バックドロップや!」の台詞がリフレインする。
511名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 05:33:48 ID:VHd81pGC
メイがトトロの家に行った場面だけどメイをルイズにしたら萌えないか?
512名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 06:32:57 ID:/GlHAWFE
話は変わるが、穴子はまだ喚ばれていないな。
513名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 06:37:02 ID:tfxmj5d6
まだっていうかなんというかほらその・・・
514名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 06:47:17 ID:3Rb9hpBF
コルベール君、今夜一杯どうだい?
515名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 06:48:13 ID:hOfbS7TI
いじわるばあさん呼ぼうぜ。

もちろん青島版の
516名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 06:50:08 ID:ElfVffnu
笑えよ、コルベェル。
517名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 06:51:51 ID:VHd81pGC
ぶるぁっ
518名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 07:04:23 ID:cCnbcbrB
メトロフレックスとか、フォートレスマキシマスとか、ターボビルダーとか、
デカベースロボみたいなのをルイズがよんだらコルベール先生が嬉しゲロを吐きながら失禁しそう。
519名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 07:09:21 ID:hOfbS7TI
丸出だめ夫くらいのレベルじゃないと理解もできないんじゃねえの?
520名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 07:09:26 ID:E1EhAZPH
>>518
移動しただけで学院が崩壊するwww
521名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 07:21:34 ID:cCnbcbrB
>519
自分でエンジン作ったりゼロ戦を修理したりできる先生なら、なんとなくどういう
方向性のものか理解出来そうな気がする。
522名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 08:31:56 ID:WocL+lwz
>>518
ブレインを召喚したジョゼフの所で建造された大鉄人17を召喚
ジョゼフ率いるブレイン軍団と抗争なんての以前妄想した。
(まあ、手に負えないので執筆は断念したが)
そういや17は体内に工房持ってたなんて思い出して、
コルベール喜びのあまり失神 という光景が浮かんださ。
523名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 08:37:05 ID:tfxmj5d6
グゥとかどうよ
ちょっと扱いにくすぎるか…
524名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 08:39:03 ID:VHd81pGC
グゥは短編であった気がする
525名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 08:57:11 ID:HBBGhMBG
コルベールの技術力的に見て、サクラ大戦の光武あたりが一番エレクトできるんじゃないだろうか。
汎用性低いけど、霊子甲冑は。
526名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 09:24:36 ID:v+cBWHWM
いや、ガソリンの精製が出来るのなら
ブルーゲイル・ザブングルだろう?
527名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 09:47:08 ID:tfxmj5d6
いやいやいや燃料が生産できるのと、整備が可能であるかどうかは別じゃないかw
528名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 10:09:06 ID:osLF5SgC
>>527
それでもコッパゲ先生なら……コッパゲ先生なら何とかしてくれる!
っていうかシビリアン連中に何とか出来たんだからコッパゲ先生も時間をかけて学んでいけば……
529名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 10:17:22 ID:G0FOCzMe
ルーンの強化やデルフの魔法吸収よか
コッパゲ先生の存在の方がよっぽど重要じゃね?
コッパゲがどこまでできるかでがらっと難易度が変わりそうなんだが
530名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 10:21:55 ID:cxQHbfMR
ゼロ戦もウォーカーマシンもハルケギニアでは基本的に替えの部品を作ることができんからな。
継続して使い続けるにはどうしても大量生産の概念と技術がいるよな。
先生にそこまでできるかどうか。
531名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 10:36:24 ID:q+S81aiA
奇天烈大百科召喚。
これなら大丈夫。世界が変わるぜ。
532名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 10:39:34 ID:v+cBWHWM
宝物庫には破壊の杖ではなくアノ眼鏡がある訳か
部品は木で作れる物だしな
533531:2007/09/03(月) 10:41:46 ID:q+S81aiA
キテレツ斉の方じゃないと駄目かorz
先生とマブダチになりそうだぜ。
534名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 10:47:22 ID:+N3MD8f2
ジョセフがあしゅら男爵とかブロッケン伯爵を召喚。
毎回侵略に失敗してジョセフ様お許しを
535名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 10:50:09 ID:v+cBWHWM
>>533
いや、

大百科と何か道具を召喚→フーケ眼鏡を盗む→眼鏡をかけても変わらない→
学院から何人か派遣(ルイズ含)→眼鏡を見つける→ルイズかけてみる→
フーケ乱入→偶然大百科が開かれる→眼鏡と大百科がセットである事が判明→
道具の使用法が分かる→ゴーレム撃退→学院でコルベールと共に発明開始

まで想像出来たぞ。
536名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 10:54:48 ID:G0FOCzMe
あしゅらの女の方が召喚されて
ジョセフと合体して現れるシーンしか思い浮かばないw
537名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 10:58:56 ID:SlyAb8dg
>>535
こうじき(漢字はわからない)が作られないことを祈る
538名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 11:00:46 ID:49CoW+VH
航時機だっけ
539名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 11:00:56 ID:cxQHbfMR
>535

それやるとルイズがただのサブキャラになりそうな気がする
540名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 11:05:48 ID:wQkgfF1I
キテレツ→コルベール
のび太→ルイズ&サイト

でいいじゃん、コッパゲが生徒に見本を見せるためにサモンサーヴァントしたらキテレツ大百科が出てきた、で
ルイズ以外が召喚するのはすでに他にもあるし、ちょうどコッパゲ使い魔持ってないし
541名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 11:06:37 ID:SlyAb8dg
ころ助じゃなくてノビータかい!?
542名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 11:08:21 ID:q+S81aiA
>>535
同じ事考えたけど、まんまルビーと秘宝の関係なんだぜ。
大百科と神通鏡は。
543名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 11:12:17 ID:G0FOCzMe
ブリミル=奇天烈斎様か!?
それはなかったわww
しかしコッパゲの道具作製能力がミョズより凶悪になりそうだな。
これはフーケやミョズさんをイヂめるルートか
544名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 11:12:52 ID:tEn13rEh
眼鏡の名前そんなだっけか
覚えてねぇw
545名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 11:19:52 ID:XzTCAN/V
>>543
その前にコッパゲは間違いなく睡眠不足で倒れるなw

しかし、何気にBALLSのと被りそうだが結構おもしろいのができるかもな>奇天烈
コロ助大量生産とか。
ただ、航時機をどう扱うかがキーになりそうだが
546名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 11:28:26 ID:q+S81aiA
>>545
航時機を作るには、オーパーツ『戸乱辞須太』が必要。
でも、ゼロ戦にも使われていないので、作成不可能。
547名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 11:30:28 ID:wQkgfF1I
現代では比較的楽に入手できるものでもハルケギニアではオーパーツなので入手できない
ってすれば作られるとまずいものは作らせないようにはできるな
実際そういうものは山ほどあるだろうし
548名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 11:30:46 ID:v+cBWHWM
>>539
だよなぁ。
なんか制約付けて・・・ルーン効果でルイズしか見られないとか、
日本語が脳内で自動的に翻訳されるとかにしないと。
大百科は眼鏡があれば誰でも見れるから恐ろしい。
>>545
コロ助のライバルっぽいの・・・アイツ、なんて名前だったか?
アイツは武士数人を相手に戦える戦闘能力を持つからな。
人格排除をすればコロ助もそれ位戦えるのかもしれない。
549名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 11:37:12 ID:SlyAb8dg
トランジスタ……

電気を物理的に発見、フレミングの法則とエンジンによる安定発電、2種類以上の半導体物質を発見し練成

まさにオーパーツ……コッパゲ一人ではまず無理だ!?
550名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 11:37:19 ID:ElfVffnu
からくりむしゃー
551名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 11:40:19 ID:6vvlfbtR
ゴーレムがあれば要らないんじゃね
量産できるって利点はあるが、整備できる人材を育成する手間とか考えたら
実用化は時間かかりそうだし
552名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 11:46:01 ID:zc1mNftm
コロ助の利点は自立思考ができて自分で考えて行動できること
術者が必要なゼロ魔のゴーレムでは比較対象にもならんよ

>>548
そもそもコルベールを主役に据えたら問題無しじゃね?
ルイズがサブにすぎないのなんてもうあるし、登場すらしてない作品だってあるんだし
553名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 11:48:54 ID:q+S81aiA
>>548
めしとり人の事?

>>547
LSIや真空管では駄目で、トランジスタでなければならない理由があるかもしれないしな。

「加楽利生物台」ならカトレアの治療が可能だと信じている!
554名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 11:49:09 ID:dLyF0pPR
コッパゲ大百科
555名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 11:59:39 ID:cxQHbfMR
BALLsの人のやり方はうまいな。
ルイズが空気になりそうな設定でもルイズ視点で語らせることによってルイズの空気化を防いでいる。
556名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 12:06:39 ID:wFgdu4z2
>>455
「コサイス」で検索するとヒットするサイトにあるよ
557名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 12:10:35 ID:cxQHbfMR
>553
カトレアをサイボーグにする気か
それもありといえばありだな
558名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 12:10:59 ID:D15f3/6p
コロ助ってたしか風呂桶だったよな、胴体
559名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 12:13:32 ID:cxQHbfMR
>558
ちがう!洗面器だ。
風呂桶を胴体にするってどんな大きさになるんだよ。
560名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 12:24:07 ID:D15f3/6p
>559
スマン、素で洗面器=風呂桶とおもってた。投下するまえの違和感はこれか。
561名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 12:27:18 ID:7ZvlsMyi
マシーネンカトレア

胸がたゆんたゆん
562名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 12:31:09 ID:4NeSYNT3
>>552
自律行動できるのはガーゴイルっていうんじゃなかったっけ
きゅいきゅい誤魔化す時になんか言ってたやうな
563名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 12:35:35 ID:XGWxk6Ul
>>547
現代でって言うか、設計したキテレツ斎様の時代だから
江戸時代の技術レベルで手に入る物が中心だな、材料。
まれに江戸時代にゃありえない材料も要るけど。

コロ助の胴体も設計図だと木桶用意せよ、ってなってるのを洗面器で代用してたはず。
564名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 12:38:17 ID:w79h8BWU
>>561
……マシーネンヤパーネン?
565名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 12:41:21 ID:6sW+OY0B
>>557
なんというか、獅子の女王思い出した。
566名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 12:44:30 ID:B67Et7jp
最終手段「東方から来ました」
567名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 12:45:30 ID:erVxdHI5
俺はアラレちゃんのパーツ使われたせいで手に余るパワーになってしまった
サイボーグ蘇生された熊が浮かんだ
568名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 12:47:16 ID:Mz83MXcJ
>>563
その辺り曖昧なんだよな
コウジキの作り方をキテレツ齋に教えたのが奇天烈で、その時にトランジスタとか電池関係の事も教えてるから以外と電池とかトランジスタ自力で発明したのかもしれんし
569名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 12:59:30 ID:q+S81aiA
>>566
「東方先生が来ました」
冗談です。

>>543
マジックアイテムでは無いのでミョズ涙目。
如意光でおマチさん涙目にしかならなそうだ。
570名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 13:06:13 ID:ncShPFOr
からくりだったら鳴海とかやあるるかんやオリンピアを…。
571名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 13:06:33 ID:HBBGhMBG
キテレツねえ。アニメはさんざん見てたけど、如意光と天狗の抜け穴と亀甲船と航時機とからくり武者しか思い出せん。
572名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 13:14:18 ID:LJ3y61UC
>>568
電池は結局再現できなくて、航時機自体は完成したもののキテレツ斎自身は乗れずに終わったんじゃなかったっけ?
573名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 13:15:39 ID:XGWxk6Ul
ふと、日ペンの美子ちゃん召喚なんて電波が来た。

ゼロのルイズと馬鹿にされていた私も、一日10分の練習でこの通り!
日本ペン字検定合格者の6割が日ペン受講者なんだって!
テキストもバインダー形式でとっても使いやすいの。
今では私、トリステイン魔法学院一の人気者よ!

そして、字が上手いだけでレコンキスタ問題とか解決する日ペンのルイズ。
574名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 13:35:06 ID:mV7f/wmr
けっこう仮面をマスクだけ召喚

どこの誰かは知らないけれど誰もが知ってるあの(無い)おっぱい
575名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 13:43:51 ID:WWpF5DLr
使い魔は「こら股てんぐ」か?
576名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 13:47:19 ID:tfxmj5d6
>>569
奇天烈やドラえもん級の道具は、むしろミョズニトニルンの担当だと思うんだ。
577名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 13:48:40 ID:SBCVhdMF
ドラ召喚は考えた事あるけどな、アルビオン編が取り寄せバック一つで終わるんだ。
578名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 13:54:25 ID:mV7f/wmr
ドラは子供漫画補正外してマジに戦力換算したらシャレにならんしなあ
地球破壊爆弾とか抜きにしても
579名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 13:53:39 ID:8N4M8m4z
ドラえもんは道具が揃ってるとあらゆる状況に対応できるからなぁ。
(というか、なんで地球破壊爆弾なんて物騒なものまで持ってるんだ)
かといって道具がないとただのタヌキだし。
まあ、都合のいい道具が都合よくメンテ中とするしかないのかな。
580名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 13:56:34 ID:dtl2qzil
いしころぼうしも結構な脅威だしな・・・
581名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 13:58:07 ID:80anEgOT
というかドラの四次元ポケットは異世界でも使えるのか?
582名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 13:59:35 ID:m24dhxGT
異世界でしっかり使ってたぞ
魔界大冒険とか
583名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 14:02:55 ID:NO30Owb7
異世界でも使えるから四次元ポケットなんでしょ。きっと。
ポケットあれば強すぎる。なければただのタヌキロボ。
584名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 14:06:09 ID:tfxmj5d6
ポケットなしドラは猫と喋れるしヴィンダールヴ?
鈴が壊れてなければなあ・・・
585名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 14:09:24 ID:m24dhxGT
道具なし四次元ポケットでも十分すごそうだ
586名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 14:09:30 ID:l1GrSvDB
>>579
ドラ本編でも縛りとしてよく使ってるな>道具がメンテ中
587名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 14:13:00 ID:q+S81aiA
>>572
電池は開発しています。航時機の他に、
『脱時機』『獣類あやつり機』『如意光』『念力帽』『分身機』
はバッテリー(乾電池で代用可能)を使用していますので。

参考:キテレツ大百科アッとおどろくからくり道具大図解(コロタン文庫)
588名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 14:15:43 ID:w1tNznaw
亜鉛と銅と塩水があれば電池はできるからな
589名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 14:22:51 ID:WWpF5DLr
大きなものを、一旦四次元ポケットに入れてから目的地で出せば、
大きさと重さに関係なくはこべるんだよな。
590名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 14:23:01 ID:HBBGhMBG
ドラえもんってああ見えてめちゃくちゃ馬力あんだぞ。
591名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 14:24:41 ID:tfxmj5d6
微妙に浮いてるせいで踏ん張りがきかなさそうだけどな。
592名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 14:24:54 ID:NO30Owb7
自分の意思が明確にあるロボットってだけですごいよな
593名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 14:26:01 ID:/vTstWFR
>>577
だがうっかり存在を忘れててもそれも原作クオリティ

大長編の大半がちゃんと道具の事を全て憶えていれば一瞬で解決した物ばかりだ・・・
大抵そう言うのはラスト間際で思い出して気付くんだよ
594名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 14:51:53 ID:lv7CnBxS
ドラ魔に期待。
595名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 14:58:26 ID:Bzf7H8XC
ドラマ化記念で風魔の小次郎召喚
596名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 15:00:25 ID:csFo0eZu
電光丸とヒラリマントで大抵の魔法は捌けるかな。
精霊呼び出し指輪で水の精霊も呼べるし、タイム風呂敷でタバサ母も治る。
桃太郎印のキビ団子を使えばヴィンダールヴにもなれる。
自家用人工衛星とどこでもドアで、いつでも聖地に行ける。
ジャンボガンは戦車をも吹き飛ばし、熱戦銃は一瞬でビルを蒸発させる。
……話の作りようがないってばww
あとはカトレアの病気だが、お医者さんカバンじゃ無理かな。
597名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 15:03:33 ID:NO30Owb7
もしもボックスで治せるじゃないか。


ドラえもんって俺TUEEEEなんてレベルじゃねーぞw
598名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 15:07:14 ID:erVxdHI5
もしもボックスって平行世界になるだけだろ・・・
599名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 15:08:02 ID:csFo0eZu
>>595
小次郎は強すぎだ。劉邦か兜丸くらいにしとけ。
>>597
なるほど……っつーか万能だよなアレは。
でもアレは一種のパラレルワールド製造機だからなぁ。魔界大冒険の時みたく、
「それじゃ解決にならない」とか言い出さないか?
600名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 15:08:12 ID:w1tNznaw
>>597
それは健康なカトレアがいる世界、もしくは治療法が手に入ったカトレアがいる世界に行くだけで
元の世界のカトレアはそのままだ
601名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 15:10:16 ID:NO30Owb7
もしもボックスって平行世界作るようなものだったんだ。
すげえ勘違いしてたぜ。
602名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 15:11:05 ID:HBBGhMBG
作るというか、平行世界に行く道具かな。
603名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 15:13:35 ID:G0FOCzMe
ああゆう超越した万能キャラは何に分類されるんだろうか?
む、なんか来た。他にも凄すぎな万能キャラとして
「セロが使い魔」というのはどうだろう?
「サプラーーイズ!」
で何でも解決できそうだ。
あの人ニ次元から物とりだせるしきっとニ次元人だからクロスもOKなはずだぜ
604名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 15:26:17 ID:7IPwN56o
二次元で引田天功二代目を思い出した
605名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 15:27:09 ID:V2vx6ly3
藤子ならバードマン召喚してパーマンにってのは考えたことがある。考えただけだが。
606名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 15:35:34 ID:WWpF5DLr
>>596

それでもドラ映画は成り立つんだから、俺TUEEEE話しか考えられないのは想像力不足かも。
607名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 15:36:25 ID:ncShPFOr
ドラえもん系だったらあたるやパプワを呼んだらいいかもしれん。
608名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 15:37:29 ID:mV7f/wmr
しずかちゃんの飼い犬を治した薬は何でも治せる万能薬だし
609名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 15:37:32 ID:8N4M8m4z
>>606
結局、どんな道具も使い方次第ってことかと。
ドラえもんは間違いなく「うっかり」属性を持ってるからなぁ。
適当な道具が咄嗟に出せないor道具を使う前に不意打ちで捕まるなんてよくあることだ。
610名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 15:39:09 ID:l1GrSvDB
>>608
「万能」ではないらしい。
「効かないこともある」とドラ自身が言ってるし。
611名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 15:51:56 ID:mV7f/wmr
じゃああれだ、世界の都合さえ打ち消せる万能の道具、ウソ8OOで
姉さまの病気は絶対治らないと
612名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 15:54:22 ID:l1GrSvDB
あれはとても高いので、もうドラには買えません
613名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 15:54:30 ID:mp+Grxaa
もしもボックスで治療法の発見された平行世界に行く

その世界で治療法入手、元の世界に帰還
の手順でいけちゃいそうな気がする
614名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 15:58:32 ID:ciRFw7Zl
カトレアを未来なりどこでもいいから病気を治せる場所につれて行けばいいと思うんだが。
タイムマシンとかで。
615名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 16:01:18 ID:l1GrSvDB
>>613
まずどんな病気かが正確に分からないとダメだと思うんだ
616名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 16:02:29 ID:SrNKdErL
>>612
ソノウソホント辺りはマジで究極の道具じゃないか?
617名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 16:07:32 ID:l1GrSvDB
>>616
あれは効果範囲に厳しい制限が加えられている上に、使い捨てなので一度はずすと再使用できません
618名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 16:08:16 ID:dLyF0pPR
独裁者スイッチ召喚しようぜ
619名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 16:08:45 ID:2hlVVZNm
ハルケギニアにタイムマシンまでは持って来れないと思う。ポケットに入ってるわけじゃないし。
まあ、タイムベルトがあるわけだが。
荒技として、『かぐやロボット』で健康な身体を作って、
『入れかえロープ』で中身を入れ替えるという手は……非人道的だなぁ。
620名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 16:09:32 ID:7ZvlsMyi
カトレア姉さんの治療ほうが明日確立されてその50分後に治療にお医者さんがやってくる世界へもしもボックスでいけばいいんじゃね?
621名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 16:10:58 ID:/vTstWFR
お前等馬鹿だなぁ
治療法がある世界へカトレア姉さんがもしもボックスを使って行けば良いだけじゃないか
622名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 16:15:17 ID:PzAljvDu
そのものズバリ「お医者カバン」って道具があるよ
623名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 16:19:30 ID:XgR7RDno
もしもボックスって物を持ち出したりは出来るの?
「どんな病気でも治せる薬がタダ同然で手に入る世界」とかに行って薬を持って帰還、とかそういう使い方
624名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 16:20:39 ID:2hlVVZNm
>>621
うーん、うまく言えないが、カトレアの治療法がある世界=カトレアがもう治療されてる世界じゃないかと思うんだ。
ガンみたいに病名のある、他にも患者のいる病気じゃなくて、カトレアだけの体質みたいな?
だから、もしもボックス使ってもパラレルになるだけじゃないかなぁ、というのが前出>>598-600の意見だと思われる。
>>622
あれは簡単な病気しか治せない。しょせんごっこだから。
625名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 16:23:44 ID:E1EhAZPH
>>573
若い子はしらんだろwww
626名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 16:24:12 ID:2hlVVZNm
>>620
ああ、だから「明日確立」なのか! すげえ深い考えだな、まいった。
627名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 16:27:00 ID:Uue4sxAt
魔法辞典の知名度は低いみたいだ
あれもあるいみ究極に便利だしルイズも魔法使えるようになる
呪文の設定に注意がいるけど
628名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 16:31:50 ID:jCDXcIv1
お前等バカばっかりだな
なんでもかんでも簡単に道具を使って解決したら

ルイズとドラえもんと仲間達がちい姉とタバサ母を治す事の出来る幻の秘薬を異界にとりにいく
「ドラえもん ルイズの異界大探検」とかが見れなくなるんだぞ自重汁
629名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 16:33:40 ID:ZsU1wt6A
カトレアの持病もドラえもんの道具の設定も曖昧なんだから作者の都合でよくね?
所詮自己解釈だけの論議なんだし
630名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 16:39:58 ID:+N3MD8f2
曖昧の二文字を見るだけで先生が見える俺はもう病気
631名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 16:42:18 ID:ncShPFOr
病気ってブラックジャックやKには治せないのか?
632名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 16:43:16 ID:B67Et7jp
それも書き手の自由
633名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 16:43:28 ID:nblprSGu
魔法辞典については1ページ目に
「この本に書かれている魔法は以下の儀式を行ったものにしか使えない」
という条件付けをしておけばいい気がしたのだがどうだろう?
634名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 16:43:41 ID:l1GrSvDB
アイマイミーマイン

ユーユアユーユアーズ

ヒーヒズヒムヒズ

シーハーハーハーズ
635名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 16:45:11 ID:l1GrSvDB
>>633
「以下の儀式を行ったものにしか使えない」の下に

・どじょうすくい

とか書いたらルイズ憤死
636名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 16:46:38 ID:49CoW+VH
>>633
コマネチとか書いたら迷宮入
637名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 16:47:18 ID:mV7f/wmr
単行本一巻の時点のドラえもんを召喚、それ以後に登場した道具はまだ購入してないので使えません。

これ位の縛りを入れたら破綻もなく話を作れそうだ。
638名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 16:49:20 ID:XgR7RDno
>>637
召喚時例のパニック起こして道具の大半をばらまいてきちゃいました
で破壊力高すぎるのとか置いて行けば大丈夫
639名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 16:51:01 ID:irpCrq1B
確かどこでもドアは座標登録してないところには行けないから
とりあえずどこでもドアは使えないはず
640名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 16:54:02 ID:49CoW+VH
世界改変の力をもつ道具は、自ら行った場所では使えるが。
意図せず呼ばれた場所では使えないというのはどうだ。
641名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 16:55:37 ID:nblprSGu
でも一度いったところにはいけるはずだ。
日本誕生で座標を登録したことがあるから。
ただ、動いているアルビオンにいけるかどうかは不明。
642名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 16:55:46 ID:Ywcix37X
>>631
>>630の治療はBJ先生でも無理


冗談は置いとくとして二人とも外科医だしなぁ
病名も解らんちい姉なら希望もあるがタバサママは……
643名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 16:56:00 ID:8N4M8m4z
>>639
のびたと恐竜でどこでもドアが使えない理由はそれだっけ。

鉄人兵団で絶望的な篭城戦やってたことを考えると、
大軍相手ってのもそう容易でもないのかな。
644名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 16:58:01 ID:oHRyOElN
まぁいざとなれば地球破壊爆弾……連載時ネーム原子爆弾を使えば数なんぞ
645名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 17:07:53 ID:HYMw8+/D
魔法辞典・・・ってドラえもんのアレか
ひみつ道具は反則w
646名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 17:11:05 ID:8N4M8m4z
>>645
まあ、子供相手には反則なぐらいはっきり強いほうが分かりやすいし(苦笑
647名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 17:15:45 ID:Su0tfAcG
サイトがドラえもんの道具を手に入れたら、絶対エロい事に使う気がする。
648名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 17:21:28 ID:NO30Owb7
いや、俺もそうするwwww
649名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 17:24:40 ID:lDyJg/9Z
とりあえず石ころ帽子かぶって女湯へゴーだな
650名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 17:28:05 ID:igfWo3Xr
>>648
誰だってそーする。
俺もそーするw
651名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 17:28:38 ID:sjAZkMsm
しかしすべって転んで帽子が脱げてしまい
「きゃーーー!エッチーー!」と叫ばれるのがドラクオリティw
652名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 17:31:33 ID:Mz83MXcJ
桃太郎印のきびだんごをアンリエッタに食べさせてアンとアンアンに決まっておろうが
653名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 17:31:51 ID:XgR7RDno
>>649
しかし入浴時間を間違えて熟女コース
654名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 17:33:43 ID:/vTstWFR
>>647
のび太と大差無いじゃないか
ドラ自身とも大差無いじゃないか
何せ二人揃って嬉々として盗撮するからな
655名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 17:36:20 ID:WWpF5DLr
のび「どれもこれもまずいなぁ」
ドラ「じつにまずい、もっとだせ」
656名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 17:38:20 ID:exy77zRZ
>>652
あれって人間にはきかないんじゃなかったかな?
ここはシルフィードに食べさせて(ry
657名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 17:43:06 ID:Su0tfAcG
お前ら正直過ぎw
658名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 17:43:09 ID:Mz83MXcJ
>>656
今調べたけど人間にはあれ効かないのね
そしてシルフィときゅいきゅい
 貴 方 が 神 か 
659名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 17:45:04 ID:h+AdKZHx
何時から此処はドラえもんの道具スレになったのですか……イイゾ、もっとヤれ。
660名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 17:45:19 ID:E1EhAZPH
シルフィ人間体人気ねーな
661名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 17:48:39 ID:XgR7RDno
>>660
お前頭が悪いな
竜型と人型両方取ればいいじゃないか
662名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 17:50:17 ID:/IfYMJH+
つまりマリコルヌの梟は俺の嫁だと言いたいのですね
663名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 17:50:41 ID:NO30Owb7
>>662
それはお前にやるよー
664名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 17:50:59 ID:exy77zRZ
ところできゅいきゅいとフラグ立ってるのはとらだけだっけ?
665名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 17:52:09 ID:l1GrSvDB
あとアンヘルと百合フラグw
666名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 18:01:58 ID:mp+Grxaa
きびだんごって、もしかしてエルフには効くんじゃないか?

……………………乳革命とか。
667名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 18:04:18 ID:7ETwp8U3
美麗なエルフ達とアンアンか
668名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 18:05:32 ID:l1GrSvDB
>>667
待て、それはビダーシャル卿だ
669名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 18:05:47 ID:G0FOCzMe
以前のスレでDQ5の子供時代リュカが召喚されたって時に
シルフィときゅいきゅいな話しだったかな。
あれにはみんな感涙したな。
670名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 18:12:37 ID:V5jSJNcs
>>664
スタースクリームにも憧れてはいるようだったな。
好きなものをフレンジーに聞いたりとかしてたし。
一人ボケツッコミを繰り返すあのシルフィは可愛い。
いや、訂正。どのシルフィも可愛い。
というわけで、俺がシルフィときゅいきゅ……
あれ、何だか風が強いな。ちょっと見てk
671宵闇の使い魔:2007/09/03(月) 18:20:33 ID:kR0w4vlg
丁度良い時間になってきたので、
きゅいきゅいな流れをぶった切って投下宜しいかな?
672名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 18:21:45 ID:6vvlfbtR
>>669
そんなのあったっけ?
まとめには見当たらないんだが
673名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 18:23:16 ID:sjAZkMsm
うい、支援準備完了です!
674宵闇の使い魔:2007/09/03(月) 18:25:29 ID:kR0w4vlg
[注意]
ワルドが割と悲惨なので、
主要キャラが悲惨な目にあうのが嫌な人はスルーしてくだっされい。

--------------------------------------

混乱している。
頭も、心も全てが戸惑っている。
だが、それでも唯一つ確かなのは―――
トラゾウが助けに来てくれたという事だ。


宵闇の使い魔
第拾肆話:《閃光》の末路


「悪いね、子爵。お前さんにゃ、毛程も恨みはねえが―――こいつを守るのが俺の"役目"でね」

虎蔵はぽんぽんとルイズの頭を撫でると、始祖ブリミルの像の方へと押した。
あまりの急展開に唖然としていたルイズはたたらを踏むが、何者かに柔らかく受け止める。
見上げるルイズの視界に入ってきたのは、ラ・ロシェールで別れた仲間たちであった。

「お待たせ」
「ルイズ。王女殿下からの任務は果たせたかい?」

太陽の様に笑みを浮かべるキュルケに、いつもの様にバラを出して格好付けるギーシュ。
その向こうには身長よりも長い杖を構えるタバサと―――

「え、ミス・ロングビル?」
「あー、まぁ、色々あるの。後で説明するわ。とりあえずは味方。オーケー?」

オスマンの秘書である筈の彼女を見て驚くルイズに、キュルケが人差し指を立てて言い聞かせる。
色々な衝撃でまだ軽い混乱状態を抜け出せないで居るルイズは、ただこくこくと頷いたのだった。


一方、ウェールズも予定外の乱入者に、わずかながら戸惑っていた。
虎蔵がつれてきた以上、味方だとは思うが―――

「君達はいったい―――」
「不本意だけどアンタの味方さ。今だけはね。どうせ今日中におっ死ぬ身だろ?深くは気にしないことだね」
「下がって。人質にされると困る」

杖は収めぬままに問うウェールズに、マチルダは随分と刺々しい口調で答えた。
貴族嫌いの彼女にしても、少し過剰な刺々しさである。
それを聞いたルイズが注意しようとするが、状況が状況なので飲み込んだ。
ピリピリとした空気が感じられる。

既に作戦を立てているのか、虎蔵が一人前に出て、その後ろにマチルダ、タバサ、キュルケが並ぶ。
ギーシュはワルキューレを3体出して、ルイズとウェールズの前を固める。
何時ものよりも粗雑な造りに見えるが、頑丈そうで、盾には向いているだろう。
準備万態である。

「くッ―――随分と用意が良いじゃないか、使い魔君。一対五かい?」
「いやいや、ネタは割れてんだよ。ほれ、さっさと遍在とやらを使うんだな―――」
「なるほど。《土くれ》がそっちに付いたとなれば―――」
「違う。最初からこっちだ」

虎蔵に言葉を遮られ、ふん、と不機嫌そうに立ち上がるワルド。
なぜか背後から「むぅ」とキュルケの不満げな声が聞こえたが、理由が分からないのでおいておく。
ワルドは青白い光の消えた杖を再び構え、呪文を唱えた。
675名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 18:25:48 ID:Mz83MXcJ
ワルドフルボッコの為に支援準備完了!
676名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 18:26:18 ID:+cEnLrF/
ワルドは主要人物じゃないよ支援
677宵闇の使い魔:2007/09/03(月) 18:27:20 ID:kR0w4vlg
「―――ユビキタス・デル・ウィンデ」

ワルドの身体が陽炎に包まれたかのようにぶれると、一人、二人と分裂していく。
最終的に、本体を含めて五人にまで増えたワルドが杖を構える。
油断は一切無い。
ワルドはラ・ロシェールでの手合わせから、
虎蔵一人を押さえ込むのに少なく見積もっても二人は必要であるということを理解していた。
二人でも長時間抑え続けるのは難しいだろう。


「五人か―――ちょっと考えて動く必要がありそうだね」
「二人の守りは任せんぜ。俺ぁどうも、攻める方が性にあっててな」
「見てれば分かるよ。後ろは任せて好きにやんな。
 貴族を守るのは不本意だけど、ラ・ロシェールでの詫び分は働かせてもらうからね」

五人のワルドを見てマチルダがぼやくものの、虎蔵は自分勝手に指示を出す。
だが、マチルダは言わなくても分かっているといった感じで頷いた。
遍在のワルド四人が同時に《エア・ニードル》を唱えると、それぞれの杖が青白く光る。
杖を包む空気の流れが、なによりも鋭利な針となって敵を貫く魔法だ。

「ちょっと、ミス・ロングビル。貴女、ダーリンと話す時はやたらと饒舌じゃない?」
「黙ってな。来るよ―――」

こんな状況でも余裕を忘れないのが彼女の信条なのか、キュルケがぶーぶーと文句を言ってくる。
マチルダはそれを黙らせながら、精神を集中させる。
一度は倒した相手だ。

「行けッ!」
「――ッ」

杖を構えた遍在が飛び掛る直前に、ワルドが《エア・ハンマー》でけん制してくる。
距離は離れているが、まともに喰らえば体勢は崩れるだろう。
だが、ワンテンポ遅れてタバサも同じ《エア・ハンマー》を放ち、相殺する。
威力負けはしたが、殆ど無効化できた。

ワルドは殆ど戦力にならないと踏んでいた小娘――タバサの予想外の機転に驚くが、
遍在は構わずに青白く光る杖を構えて飛び掛ってくる。
四人がかりで虎蔵を押さえ、あわよくば倒しきるつもりなのだ。
しかし―――

『甘いッ!』
「なんだとッ!?」「嘘ッ!?」

虎蔵もまた二人に分身しては、それぞれがスリーブガンよろしく袖から刀を両手に取り出して、遍在の杖を受け止めた。
その場に居る誰しもが驚愕の声を上げる。
それもそうだ。
いかに"手品"と称して妙な業を持つにしても、遍在らしき真似事までするとは思いもしないだろう。

「遍在だと?馬鹿な、奴はメイジだと言うのか!?」
「いやいや、こちとらただの百姓生まれだぜ?」

驚愕に顔を強張らせるワルド。
しかし虎蔵はニヤリと笑って答える。

「さぁて―――お返し、だッ!」

虎蔵は見かけ以上の怪力を発揮し、鍔競り合う遍在達を弾き飛ばす。
彼らは見事に着地するが、虎蔵はすぐさまに追撃にうつった。
678名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 18:28:38 ID:sjAZkMsm
支援
679宵闇の使い魔:2007/09/03(月) 18:28:48 ID:kR0w4vlg
刀と杖がぶつかり合う音が礼拝堂に響く。

《エア・ニードル》を纏った杖は折れこそしないが、素早さと重さを兼ね備えた出鱈目な剣戟に、
遍在は防戦一方に押し込まれる。
そこに別の遍在が斬りかかるのだが、虎蔵は独楽のように回って《エア・ニードル》による突きを回避。
更に隙が出来たその遍在の背後に回ると、蹴りで最初に鍔競り合っていた遍在とまとめて吹き飛ばした。


もう一方では、遍在の一人が果敢にも息が上がるほどの猛烈な勢いで連続して斬り掛かってきている。
虎蔵は軽々と往なし続けるのだが、その背後から詠唱を終えた遍在が《エア・ハンマー》を放った。
しかし―――

「―――哈ッ!」

目の前の遍在の勢いが弱まってきた所で彼を薙ぎ飛ばすと、
背中に目でも付いているのかという絶妙なタイミングで振り返る。
そして、ラ・ロシェールでの時のように数珠による不可視の盾によって《エア・ハンマー》も防がれた。
更に呪文を防ぎきれば、その数珠を軽く振り回して投げつける。
まるでチャクラムかなにかのように空を切り裂き飛来する数珠を、遍在は横っ飛びに避ける。

「戻れッ!」
「―――ガッ!?」

だが、虎蔵の一言でカクンと軌道を変えて数珠が虎蔵の元へと向かい、
その間に無防備な背中を晒していた遍在がしたたか打ち付けられる。
切り裂かれこそしないが、どれほど恐ろしい威力なのか、血反吐を吐きながら壁面まで吹き飛んだ。


その向こうでは遍在二人が素早く《ウインド・ブレイク》を詠唱、発動させた。
左右から虎蔵を挟みこんでの同時攻撃である。
だが虎蔵は礼拝堂の壁と天井を使い、高速の三次元移動でそれを避わすと、片方の遍在へと肉薄。
流れるよな動作で料腕と首が斬り飛ばし、消滅させた。
のこり三人。



「くッ―――」

あっという間に目論見が破綻したワルドは唇を噛む。
四対一ならばどうにか出来ても、二対一では抑えるので精一杯だ。
現に遍在達は虎蔵に次々と攻撃を繰り出しているが、全て往なされては反撃を受け、一人が消えた。
残りの三人のうち一人は倒れ、なんとか立っている残りも四肢から血を滴らせている。
このままではジリ貧どころの話ではない。
ならば――――

「貴様を倒すよりも、優先せねばなッ!」

ワルド本人が詠唱をしながら虎蔵と遍在の間を走り抜ける。
阻もうとする虎蔵は、逆に遍在によって阻まれた。

「もはや手段は選ばんッ!」

《ウインド・ブレイク》を地面に放ち、土煙を巻き上げるワルド。

「くッ―――前が!」
「任せて――――」

遮られる視界にキュルケが怯むが、タバサが風を起こして吹き飛ばす。
しかし、土煙が晴れた時にはレイピア状の杖を構えたワルドが跳躍し、
三人を飛び越してウェールズの元へと向かおうとしていた。
680名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 18:29:20 ID:sb9SzDNm
支援スタ!
と、ここで『松下』が次を予約しておく。
こっちはワルド登場だがな…。
681宵闇の使い魔:2007/09/03(月) 18:30:11 ID:kR0w4vlg
「貰った!」
「やらしゃしないよ!」

マチルダが天井から土壁を伸ばしてそれを遮ると、ワルドは舌打をして壁を蹴り、《フライ》を使って着地する。
そこにキュルケの火球が襲い掛かり、風で軌道をそらした瞬間にタバサが疾風で追撃する。
切り裂かれるワルド。四肢から血が吹き上がるが、致命傷ではない。

「ぐぅッ――――貴様らッ!!」
「どうだい、お得意の数で攻める手を奪われた気分はッ」

三対一で押され気味のワルドをマチルダが笑いながら、ゴーレム創造の応用で彼の足元の土を錐状にした突き上げる。
ワルドは跳躍し、風で受け流し、致命傷を避けてはいるのだが、三人の絶妙な波状攻撃に着実に追い詰められていった。



彼ら、彼女らの戦いをワルキューレに囲まれながら見ていたルイズ達三人は、
そのあまりにもハイレベルな攻防に息を呑んでいた。
ウェールズもかなりの使い手で、実戦経験も積んでいるが、虎蔵ほどの実力者は始めて目にしたといってもいい。

「――本当に平民、百姓の出なのかい?」
「いえ、わかりませんが――正直、信じられません」
「僕もだよ」

ウェールズの素朴な問いに、ルイズとギーシュは呆然と呟いた。
遍在が使える位のメイジだとでも言うのだろうか?と。
虎蔵"達"は確実に遍在にダメージを蓄積させていき、
マチルダ、キュルケ、タバサも見事な連携でワルドの攻撃を防ぎきってからは、
波状攻撃で逆にて傷を負わせて行っている。

「私も戦う必要があるかとも思ったが―――ラ・ヴァリエール嬢。君の仲間たちは見事だな」
「はい―――頼もしい仲間です」

ウェールズの言葉に、ルイズはしっかりと頷く。
ただ壁役にワルキューレを呼び出しただけのギーシュであったが、
ルイズのその言葉を聴けただけでも、役得はあったかなと感じたのだった。



「仁義八行、彼宿の霊玉、天風矢来の豪雨と成りて―――疾く彼の辣奸を撃ち射抜け!喝ッ!!」

戦いはどんどんと終結に近づいていく。
ルイズ達が聴いたことの無い呪文を虎蔵が唱えたかと思えば、数珠の珠がバラけてふわふわ宙にと浮かびあがる。
それぞれが不規則な軌道で飛び回りながら、物凄い勢いでワルドを打ち付けた。
四方八方から珠によって殴打されボコボコにされた遍在は、見るも無残な姿でがくりと膝を突く。
更に虎蔵は刀を投擲。遍在の頭を壁に縫い付けた。
容赦など皆無である。
一瞬血飛沫を上げるが、すぐに掻き消えた。
あと二人。


しかし、遍在達も一方的にやられていたわけではない。

「ッぐ―――貰ったぞ!」

先ほど数珠によって吹き飛ばされていた遍在がなんとか立ち上がり、
ふらふらになりながらも虎蔵の背中へと詠唱した呪文を放ったのだ。
682宵闇の使い魔:2007/09/03(月) 18:31:22 ID:kR0w4vlg
《ライトニング・クラウド》
必殺の電撃呪文である。
しかし―――

「ガッ―――」

衝撃に軽く吹き飛ぶ虎蔵。だが―――

「悪ぃが――効かんなッ!」

自らの身体から放電するような存在だ。
電撃では致命傷になりえない。
虎蔵は身をひねって着地し、瞬時に遍在に肉薄してボディブローを放つ。
既に数珠で痛めつけられた所に追加の打撃を貰って、遍在は身体をくの字に折り曲げる。
更に虎蔵はその遍在の頭をガシッと片手で掴み、アイアンクローを仕掛けながら宙に持ち上げた。

「ぐッ!?」
「お返ししてやるよ―――くたばれ」

虎蔵はニィッと犬歯が覗く笑みを浮かべると、言葉のままに自らの身体から放電し、遍在を黒焦げにした。
不気味なほどに痙攣する遍在から、肉の焦げる嫌な匂いが漂う。
だがそこへ、最後の遍在が切り結んでいたもう一人の虎蔵を《ウインド・ブレイク》でけん制してから、
雄たけびをあげて杖を構え、突撃してきた。

「うおおおぉッ!!」

杖が青白く光る。
《エア・ニードル》だ。
ずぶりと改心の手応えだが―――

「なんだとッ!?」

突き刺したのは黒焦げになって消滅寸前の遍在。
ラ・ロシェールでは見せなかった空蝉である。
黒焦げの遍在は《エア・ニードル》がトドメとなって消滅した。
あと一人。

「カカカッ!詰めが甘いぜ、子爵様よ」

そして最後の遍在の背後に現れる虎蔵。
その手には左右共に刀が三振り。
ギーシュとの決闘時にやったアレだ。
しかし、今回の相手はワルキューレ六体ではなく―――人間が一人!
ゾクリと背筋が凍るような笑みを浮かべて―――

漸ッ――!

「―――ッ!?」
最後の遍在が一瞬にして細切れにされて、掻き消えた。

683宵闇の使い魔:2007/09/03(月) 18:32:54 ID:kR0w4vlg

虎蔵が遍在を全て片付けた頃、マチルダ達三人とワルドの戦いも終結しようとしていた。
遍在が次々と消滅していくのを見たワルドが、作戦の失敗を覚って逃亡を試みたのだ。
彼は素早く見切りを付けるとマントを翻し、《ウインド・ブレイク》で扉を壊した。
だが、その向こうには分厚い土壁。
マチルダとギーシュが事前に作っておいた物である。
退却など許しはしない。

「なんだとッ!?」
「逃がしゃしないよ―――お嬢ちゃんたち!」

マチルダが《アース・バインド》でワルドを拘束すると、
タバサとキュルケが《ウインディ・アイシクル》と《ファイアー・ボール》を放つ。
顔を庇う腕がボロボロに炭化し、無数の氷の矢に全身を貫かれた。

「ぅっ―――あぁっ、がッ―――」

血を吐き出しながら崩れ落ちるワルドの手から、ぽろりと杖が落ちる。
死んではいないようだったが、戦闘不能は確実である。
ウェールズの「終わったか――」という呟きが、静寂を取り戻した礼拝堂に響いた。



「ワルド―――」

瀕死のワルドに近づいたルイズが、彼の杖を拾い上げた。
魔法衛士隊の制服も、凛々しかった顔立ちも、壮絶なまでにボロボロである。

「貴方――――なんでこんな事を」
「どーでも良いだろ。さっさと楽にしてやろうぜ」
「トラゾウ―――やっぱり、殺しちゃう、の?」

いつの間にか分身を消して一人になった虎蔵が近づいてくる。
流石に激しい戦いをしただけあってスーツが破れていたり、焦げていたりはするが、怪我はほぼ皆無のようだ。

勿論ルイズにだって、彼が裏切り者なのは良く分かっている。何せ一番裏切られたのは自分なのだ。
そしてウェールズの命を狙い、アンリエッタをも裏切っている。
許せるものではない。
だが、だからといって簡単に命を奪えるほど、知らない仲でもないのだ。

「そりゃお前、人様に刃物向けた時点で殺されても文句は言えまい」
「ルイズ、あんたの気持ちは分からなくは無いんだけどね―――
 それに、もう助かりはしないわ。楽にしてあげるのも優しさよ」

キュルケがやってきては、ルイズの手をそっと握った。
ルイズが母親にでもするかのように、キュルケに抱きついて泣きじゃくる。
タバサも思う所があるのか、沈痛な視線をルイズに向けていた。

「後、頼むわね―――」

キュルケは虎蔵にそう告げると、ルイズを伴って忍び込んできた裏口から出て行った。


684宵闇の使い魔:2007/09/03(月) 18:34:29 ID:kR0w4vlg

一方、マチルダは杖を収めようとして、ふと何かに気が付いたかのようにウェールズを見た。
四年前のある事件を―――自らの父が死に、貴族の名を捨てることになった事件を思い出し、手に力が入る。
その視線にウェールズが気づき、見詰め合う。
片方は憎しみの視線だが。

「―――君は、まさか――――」
「ふんッ―――」

ウェールズはハッと何かに気づいたようだが、マチルダはギリギリと歯が鳴るほどに噛み締めると、杖を収めた。
踵を返して、キュルケと入れ違いに虎蔵の元へと向かう。
ウェールズもそれに習った。
最後は見届ける義務がある。



「お前たちも行った方が良いんじゃね?」

虎蔵がタバサとギーシュに視線を向ける。
ギーシュは蒼白になり、タバサも無表情な中にわずかな抵抗を感じる。

「大丈夫」
「ぼ、僕も軍人の子だからね――――これ位の覚悟は、ひ、必要だと思うんだ」

マチルダとウェールズもやってきた。
虎蔵は一度ウェールズに視線を向ける。

「――――頼む」
「あぁ――――――あばよ」

虎蔵はウェールズの言葉に頷くと、たいした感慨も無く別れを告げ、心の臓を一突きした。
自らの野望のために祖国を、許婚を裏切った男の、哀れな末路であった。


685名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 18:34:49 ID:G0FOCzMe
ワルドボッコ支援!
DQののはネタ出しなだけだったから小ネタに登録されてないよー
書いた人が長編の人だもんだからもったいなかったけど
686名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 18:35:57 ID:+N3MD8f2
そういえばこの二人が顔合わせんのって実に珍しい支援
687宵闇の使い魔:2007/09/03(月) 18:36:16 ID:kR0w4vlg

全てが終わった。
一行は礼拝堂の外に出てきていた。
ワルドを葬っている時間は無い。
今にも戦いが始まりそうな時間である。

「それでは諸君、色々と助かったよ。特にトラゾウ―――君のお陰で最後の戦いに挑むことが出来るようなものだ」
「気にすんな。半分はこっちの都合だしな」

本当に死地に向かう直前であるにも拘らず、穏やかに笑うウェールズ。
虎蔵はひらひらと手を振って肩を竦めた。
マチルダだけがつまらなそうにそっぽ向いている。

「殿下―――――」
「ラ・ヴァリエール嬢。すまないが、最後に一つだけ、頼みを聞いてもらえるだろうか」
「―――はい」

最後という言葉に、唇を噛むルイズ。
ウェールズは彼女の頭を優しく撫でると、自らの指に嵌めていた《風のルビー》を手渡した。

「これをアンリエッタに。ウェールズは勇敢に戦ったと、伝えて欲しい」
「畏まり―――ました―――ッ」
「無事に帰ってくれたまえ。では」

涙が零れそうになるのを、ギリギリで堪えながら《風のルビーを》受け取った。
ウェールズは全員の顔を眺めると、軽くアルビオン式の敬礼をしてから去っていった。
貴族である学院生の四人は、見よう見まねで敬礼をして見送る。

「ほら、そろそろ逃げるよ―――」

マチルダはウェールズの背中に舌打を一つすると、彼らに声をかけて穴へと飛び込む。
虎蔵、タバサ、キュルケも続いた。
ルイズは暫く礼拝堂を眺めていたが、ギーシュに「さぁ、帰ろう――」と促されると、

「さよなら―――ワルド」

そう小さく呟いてから穴へと飛び込んだのだった。

-------------------------------------
以上、第拾肆話でした。
流石に寄群編・シホイガン編ほどの派手さは無理っすorz
あと、アルビオン式の敬礼とかはまぁ――雰囲気で。
688名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 18:40:24 ID:65DLMF8z
これが私のドミナントだ
689名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 18:42:23 ID:oHRyOElN
>>687
寄群やらシホイガン並の派手さなんてやったら街一つ文字通りなくなっちゃうよ
690名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 18:43:03 ID:sb9SzDNm
GJ! ワルドがここで死ぬ展開は他にあったかな?

では5分後に松下投下。腹黒注意。
ちなみにワルドはまだちょろっとしか出ません。
691名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 18:45:18 ID:XgR7RDno
ちょっと居眠りしてる間に投下終ってたとかなにこれ
乙!
そして支援準備
692名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 18:45:25 ID:RVA1olnt
死んでも復活しちゃうのがワルドクオリティ
693名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 18:47:19 ID:+N3MD8f2
ここまできっちり死亡確認されんのは珍しいのでは。
694名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 18:48:14 ID:KYfagHN8
>>688
貴様アライアンスの手先かっ支援!
突然の王女の来訪に、さしものルイズもがばっとひざまずく。
松下も神妙に片膝をつけ、無言でうつむき礼をする。
「こ、このようなところにお忍びで来られるなど、いけません!」
「よいではないですかルイズ。私とは幼馴染の仲でしょう? 今はアンリエッタと呼んで欲しいの」
「しかし……今は……誰かに気づかれたら大事に」
「あの子が噂の使い魔くんね? フーケ捕縛の時も活躍したとか。
 あんな小さなメイジを召喚するなんて、あなたはやっぱり変わっているわ」

「…マツシタ、神妙にしているのは感心だけど、ちょっと部屋を出なさい」
「いいのですよマツシタくん。爵位が差し上げられず、済みませんでした。
 さあルイズ、まずは昔のように、楽しいおしゃべりをしましょうよ」
しばらく二人は楽しそうに昔話をしていた。一緒にふざけたり、遊んだり、笑いあったり、泣いたり。
思い出は尽きない。互いに数少ない遊び友達だったのだ。

松下には、そんな友達はほとんどいなかった。大人も子供も皆が『悪魔くん』と呼んで避けた。
母親は小さいとき、我が子の『異能児』ぶりに恐れをなし、心身を病んで死んだ。
実業家の父親も彼を持て余し、奥軽井沢の広大な別荘地に引きこもらせ、
別荘番夫婦や家庭教師をつけて好きなように振舞わせた。結果はこの通りだ。
別に寂しいとは思わなかった。低レベルな凡人など、近くにいるのもわずらわしい。

だがアンリエッタは、時折寂しげな表情を見せた。彼女も立場上、不自由な生活を送ってきたようだ。
やがて王女は意を決し、語調を硬くしてルイズに向き直る。
「ルイズ、あなたに話したい事があるの。…国家の大事ですから、誰にも話していけません」
「……はい。マツシタはやっぱりちょっと出てなさい」
「いいえ、使い魔と主は一心同体。席を外す必要などありません」
そしてアンリエッタは語り出した…。
696名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 18:49:41 ID:aLkDainn
ふと思ったんだが、虎蔵なら宗州草薙を使えば
五万の兵にも勝てるんじゃないか
697名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 18:50:08 ID:U/7vhzUy
ワルド、死亡確認!


…あれ?
698名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 18:52:15 ID:XgR7RDno
支援
原作はよく知らないが凡人がそばにいてもうっとうしいとか本気なんだろうな
699名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 18:52:52 ID:oHRyOElN
>>696
大団扇出すだけで勝てそうだな、低気圧モードになれば余裕
宗州草薙?虐殺にしかならんと思う
700名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 18:52:57 ID:tfxmj5d6
支援
「ご存知でしょうが、現在アルビオン国内では、貴族派によるクーデター騒ぎが起きています。
 目的は王制・王党派を打倒し、貴族連合組織による共和制を目指す政治革命。
 彼らの名は『レコン・キスタ』。代表者は『クロムウェル』という人物です」
レコン・キスタにクロムウェルか。なにやら西洋史に出てくる名前じゃないか。
アルビオン(白い国)とは英国の古名だが、レ・コンキスタ(再征服運動)はスペインではなかったか?

「伝え聞くところでは、彼らはアルビオンばかりか、始祖ブリミルの降臨した『聖地』をも奪還し、
 このハルケギニアを統一するつもりだとか。噂の真偽はともあれ、
 始祖が授けし栄えある王権の一つ、アルビオンのテューダー王朝が倒れようとしているのは事実なのです。
 そして彼らの矛先は、まずこの小さなトリステインに向く事でしょう。
 強力な『アルビオン艦隊』の力をもってすれば、トリステインなんて容易く制圧されてしまいます。
 そうなれば全て終わり。ですから、わが国は隣国ゲルマニアと同盟しなければならない…」
王女は可憐な顔に憂愁の色をますます深めた。
「つまり、私はゲルマニア皇帝・アルブレヒト三世陛下に嫁ぐ事になります」

ルイズが驚いて、王女の言葉をさえぎる。
「なんですって姫様! よりによって、あの野蛮な成り上がりなどと同盟を結ぶなんて」
「いいえ、ガリア王国やロマリアとは微妙な仲。援軍を出すかどうかは難しいし、
 アルビオン艦隊に対抗できるかはわかりません。ゲルマニアは新興国ですがそのゆえに強い。
 かの国と強固な同盟を結べば、心強い味方となってくれましょう」

『日米安保条約』のようなものか。政略結婚は王侯貴族の義務だ、是非もない。
そこまで話が進んでいながら、ルイズに内密に頼みたいことというのは…?

「『レコン・キスタ』の内通者は各地にいます。このトリステインの中にも。
 ですから、彼らはこの同盟計画を嗅ぎつけ、阻止しようとするでしょう…。
 そして、政略結婚を行うに当たって致命的な障害の材料があるのです」
そら、来なすったぞ。
「…それは、何でしょうか?」
「手紙です。よりによって、私が書いた…アルビオンの皇太子『ウェールズ殿下』への、恋文なのです」
702名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 18:53:52 ID:gI+LY/Ur
虎蔵は体に爆弾かかえてるから、五万相手とかで長期戦や大出力攻撃やりすぎたら消滅してしまうとおもう。
かわりに低気圧がドーンだが。
ウェールズ殿下と言えば、次代のアルビオン王国を担う、文武に優れた凛々しき王子(プリンス)。
金髪の美青年で人柄も素晴らしく、その声望はトリステインにも響いていた。
アンリエッタとは従兄妹にあたるのだとか。まあ、恋仲でも不思議はなかろう。

(しかし、王国の元首が『国王』なのに、王位継承者の太子が『皇太子』なのはなぜだろう。
 『王太子』でいいじゃないか。外交儀礼によるものなのか?
 大体『プリンス・オブ・ウェールズ(ウェールズ大公)』は英国の太子の称号であって、人名ではない)
松下はどうでもいいことを考えた。異世界だから気にしてはいけない。

「このままでは、殿下は遅かれ早かれ反乱勢力に捕らえられてしまうでしょう。
 そうしたら、あの手紙も明るみに出てしまう。そうなったらゲルマニア皇帝との縁談は破談。
 結果として、トリステインは一国で反乱軍に立ち向かわねばならなくなります」

「では姫様、私に頼みたい事と言うのは…」
「そう、私の手紙を、戦場におられるウェールズ殿下から取り戻してきて欲しいのです。
 臣下であっても、アルビオンの貴族派と内通している可能性が否定できません。
 最早頼れるものは誰もいないのです。たったひとりのお友達である、あなたを除いて!」
『継子(ままこ)の尻拭い』という草の名前が、なんとなく松下の脳裏をよぎった。

「ああ…このような『お願い』をすることは、本当に恥ずかしく、情けないと思っています、ルイズ。
 私はあなたとの友情を利用しようとしているのです。どれほど軽蔑して下さっても構いません」
涙ながらにルイズの退路を断つ王女。意識的なのか無意識にか、王族としての権謀術数を身につけてはいる。

これは―――『受ける』べきだ。小国同士とは言え、伝統ある両国の王位継承者二人に多大な恩が売れる。
うまくすれば救国の英雄だ。任務が任務だけに表立っての褒章は難しいだろうが、
それだけに両国宮廷内の深いところまで踏み込める『コネ』が得られる。
貴族どもの革命ごっこなんぞどうでもいいが、つけいる隙があればどちらも利用は出来る。
(それにルイズが『お友達』だと言うのなら、『狡兎死して走狗煮らる』ということにはなるまい)
松下は、心中密かにほくそ笑んだ。しかし表情には出さない。
704名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 18:58:19 ID:tfxmj5d6
支援
松下黒いよ松下
705名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 18:58:52 ID:aLkDainn
そういえば、デルフは?
「姫様! そんな重要な任務をこの私めに……わかりました!
 どうぞこのルイズにお任せ下さい! 見事手紙を取り戻し、必ずや姫様のお手元へお届けに参ります」
「おお、なんて心強い! 頼んだわ、ルイズ・フランソワーズ」
ルイズは読みどおり『受けた』。ここまで言われて断る者はいまい。
「…はっ! そこにいるのは誰!!」
ルイズの声に、ガタリと廊下側の扉で物音がして、ゆっくりと開く。

「お話は全て伺いました、我らが麗しき姫様…」
「ギーシュ!! あんた盗み聞きを…てゆうかなにその凄いポーズ」
「どうか、このギーシュ・ド・グラモンにもお役目を仰せ付け下さい。
 ミス・ヴァリエールをお守りし、必ずやご依頼を果たします」
「ああ…あなたは、たしかグラモン元帥の息子ですね。でしたら信頼いたします」
「おお姫様! 感謝いたします!」
(やれやれ、面倒な奴に聞かれたものだ…。まあ、囮か盾にはなるだろう)

「アルビオンの貴族達は、王党派を国の隅にある『ニューカッスル城』まで追い詰めていると聞き及んでいます。
 国王陛下とウェールズ殿下の居場所もそこ。事態はもう一刻の猶予もありません」
「はい。ならば、明朝の早い時間に、ここを発つ事に致します」
「ええ、頼みましたよ、私のルイズ。トリステインの、もしかしたらハルケギニアの命運は、
 あなたの小さな双肩にかかっているのですから!」
プレッシャーのかけ方もまずまずだ。場数を踏めばいい女王になるかもしれない。

王女は涙を拭い、鮮やかな青い宝石の嵌った指輪をルイズに渡した。
「これは我が王家に伝わる始祖ブリミルの秘宝、『水のルビー』。
 たいした手助けは出来ませんが、これをお貸しします。殿下に出会ったら、
 これをお見せして証明としてください。それと、この書簡もお見せして下さい」
「これは……」
「お見せしたら、焼き捨ててかまいません。亡命をお勧めする機密文書ですから」
トリステインに匿う気か。王政復古の際はいい手駒になる。
「それと、信頼できる護衛の者を、一人付けます。アルビオンへの道案内は、その者に任せます」
707名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 19:02:14 ID:4lSSfEkq
こ、このアンリエッタはビッチらしくない!支援
翌朝早く。学院の門にて。
ルイズは用意された馬に跨り、いつでも出発できる態勢にいた。
松下も馬に乗っているが、『占い杖』と『魔女のホウキ』を背負っている。
ギーシュは…朝食のつもりか、果物や野菜をほおばっている。
「最近頭の中がモゾモゾするけど、土いじりをしていると落ち着くんだ…どうだい、この見事な収穫は?」
土のメイジだからって、そんなものなのか。

いきなりモコモコと地面が盛り上がり、茶色の大きな生き物が顔を出した。
ギーシュは大喜びで瞳を輝かせ、その小熊のぬいぐるみのような生き物を抱きしめる。
「ああヴェルダンデ! 僕の可愛いヴェルダンデ!」
すりすりと頬ずりするギーシュ。生き物はつぶらな瞳だが、むしろギーシュの方が可愛らしい。
「僕の可愛い使い魔のジャイアントモール(巨大モグラ)『ヴェルダンデ』だ。ついて来たいのかい?」

と、巨大モグラが鼻をひくつかせた。ギーシュの元から離れ、ルイズへと近寄る。
「な、何? …やあ、ちょっと! きゃっ」
巨大モグラはいきなりルイズを押し倒すと、鼻で体の隅々を嗅ぎまわり始めた。いろいろと危ない!
「やぁっ! ちょっと、どこ触ってるの!? このスケベモグラ!」
「どうやら、きみの持つ『水のルビー』に反応しているようだ。僕のヴェルダンデは、珍しい宝石に目がないのさ」
「もおおマツシタ! ギーシュ! さっさと助けなさいよ! 重いの重いの!! くすぐったい!」

その時、上空からごうっと一陣の風が吹き、ルイズに抱き着いていたモグラが吹き飛ばされた。
ごろごろと転がったモグラは、目をまわしてしまった。
「誰だッ!! 僕のヴェルダンデに何をする!!」
ギーシュは薔薇の杖を構え、怒鳴った。というかお前が怒鳴られるべきだろ。
すると朝もやの中から、鷲の前半身と翼、獅子の後半身を持つ幻獣『グリフォン』に乗った、
長身の男が現れた。頭には羽根帽子を被っている。
「まあまあ、僕は敵じゃない。姫殿下より、きみたちに同行することを命じられた者さ」
「あ、あなたは……!!」
舞い降りた髭の青年は友好的な口調で帽子を取り、ルイズに恭しく一礼をした。
「女王陛下の魔法衛士隊『グリフォン隊』隊長、ワルド子爵だ。
 よろしく、ミス・ヴァリエールご一行」

(つづく)
709名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 19:06:46 ID:tfxmj5d6
なんだかワルドとアンリエッタがきれいだ
ともかくGJ
710『使い魔くん千年王国』:2007/09/03(月) 19:07:00 ID:sb9SzDNm
投下終了支援感謝。姫様はビッチを自重していただきました。
ロリペドもといワルド登場! どうせろくなことになりませんが…ね。
あと、デルフは『ガンダールヴ』の人が武器屋(ねずみ男)から引き取っていきました。
今後出るかどうかは展開しだい。

深夜あたりに続きが投下できるかも。
711名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 19:17:11 ID:RapkBqTT
投下乙ー
珍しくビッチじゃないアン

ワルドという足かせをつけるのはデフォだから仕方ないか
712名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 19:18:08 ID:G0FOCzMe
乙でしたー
しかしアン様はビッチでなくて命拾いしたな
利用価値があるなら悪魔君に赤いことをされる危険が減るわけで
713名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 19:18:52 ID:3QdjryjS
もしもマジアニキが召喚されて出てきたら…
超絶マッチョと化して敵を殴り飛ばすのは魔法と認識されるのか否か。
714名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 19:20:45 ID:Wou/KNQE
チスト召喚。可愛過ぎて鞭でビシバシ出来ないルイズ。
戦場を花で埋め尽くして戦争を止めるチスト。
715異世界BASARA:2007/09/03(月) 19:33:15 ID:Qe91uZCm
乙でしたー。
自分も久しぶりに投下してよろしいですか?
716名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 19:33:42 ID:+N3MD8f2
ワルド戦に敗北したりさ、原作以上にすれ違いが酷かったりワルドが巧妙だったりで
結婚式でルイズを奪われる展開などはどうだろうか。王道的展開が期待できるようになる。
しかしストックホルム症候群とかでさらわれてる間になびいてしまうと数多くの読者のトラウマを刺激する諸刃の剣。
717名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 19:35:08 ID:4XcgriOI
>>716
それなんてバハラグ?
718名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 19:35:36 ID:nBp0+w7W
つ マージ・ジルマ・ジンガ
まあゼロ世界でいうレビテーションやらフライやらは普通に使えるしなんとかなるでしょ
719名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 19:36:27 ID:4q+xlJyf
>>715
GO!
720異世界BASARA 1/4:2007/09/03(月) 19:39:32 ID:Qe91uZCm
では投下。これで番外編も終わりだ。


大食い大会は幕を閉じた、結果は…1枚差でタバサの逆転勝ち。
賞金はタバサの元に渡った。
その賞金を持って彼女が向かったのは、街の本屋だった。

「ありがとうございましたー!」
店員の声を背に受けながら、タバサが沢山の本を抱えて出てくる。
店の外ではキュルケと利家が待っていた。
「どう?お目当ては見つかった?」。
キュルケの問いにタバサはコクリと頷く。
「でも、それ持って帰れるの?馬に乗れないんじゃない?」
両手で本を抱えているタバサを見てキュルケは言った。
確かにこのままでは馬に乗る事は出来ないが、タバサは表情1つ変えない。
「大丈夫」
タバサがこう言うのだから心配はないだろう…

さて…これからどうしようか…キュルケは考える。
大会は終わったがまだ時間はあるし、何処か店を覗いてもいいのだが…
「キュルケ殿、この世界にも鍛冶屋はいるのか?」
考え事をしていると、利家が横から話し掛けてきた。
「武器を売っている店ならあるけど…見に行きたいの?」
「うむ、この世界の刀や槍を一度見ておきたいからな!」
食べ物の事しか頭にない男だと思っていたが、ちゃんと侍らしい部分もあったようだ。
「じゃあその店に行きましょうか。確か…」
「こっち」
いつの間にかタバサに先導されながら3人は路地裏に入って行った。
721名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 19:41:09 ID:6qqhTr6t
しかしアニメ版と違って黒いな…
722名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 19:42:17 ID:hOfbS7TI
しえん
723名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 19:42:53 ID:NxbTe4WO
支援
724異世界BASARA 2/4:2007/09/03(月) 19:43:38 ID:Qe91uZCm
「あそこ」
しばらく進んでいると、剣の形を象った看板の店が見えてきた。
店の前に来た3人だったが、扉に張り紙が張ってあるのに気づく。
利家が見てみるが、何が書いてあるのかさっぱり分からなかった。
代わりにタバサが張り紙の内容を読み上げる。

「…赤くて半裸の人お断り…」
「えぇ!?どうしよう!それがし入れないんだって!」
「あなたは赤くないから大丈夫でしょ」
「あ、そうだな。それがし赤くないからな!」

「いらっしゃ……」
利家が武器屋に入ると、なぜか店主に複雑そうな目で見られた。
「あなたがあんまり恥ずかしい格好をしてるから困ってるわよ?」
「何!?それがしの裸が恥ずかしい!?」
自分の事を言われて利家は素っ頓狂な声を上げた。
もしかして自分の姿が普通だと思っているのだろうか。
「い、いえ…ついさっきも変わったお供を連れた貴族のお嬢様が来たもので…」
「さっきの張り紙の?でもそんな変なお供を連れた貴族なんて…」

赤くて半裸…そんな変なお供を連れた貴族……まさか…
(ルイズかしら?あの娘何かと騒ぎを起こすわねぇ…)

武器も見終わり、店を出た頃には日が傾きかけていた。
「そろそろ帰らないと…で、タバサはどうするの?」
馬に乗っているキュルケと利家に対し、タバサは馬で来た様子ではない。
「…タダカツ」
彼女はただ一言、彼女は自分の使い魔の名を呟いた。
725名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 19:43:47 ID:JA/ePP+n
>>587
その辞典いいな。欲しいぜ
726名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 19:44:27 ID:nBp0+w7W
又佐が持つならやっぱ槍だよね支援
727異世界BASARA 3/4:2007/09/03(月) 19:47:30 ID:Qe91uZCm
すると空の一点が光り、徐々にそれが地鳴りのような音を上げながらタバサの元に降りて来た。
2メイル、いや3メイル近い巨体を鎧で覆った男、本多忠勝である。
タバサは持っていた本を忠勝に渡すと、自身は肩に登る。

「戻ってタダカツ」
「…!…」ヴイィィーン!!
タバサの言葉に機械音で応えると、背中から加速装置を起動させる。
そして、スピードに重点を置いた「機動形態」へと変形した。
「!…!」ブオォン!!
青い火炎を噴き出しながら飛び上がり、見る見る内に忠勝とタバサの姿は小さくなっていった。

さて、馬を走らせて学院に戻ってきたキュルケと利家。
到着した頃にはすっかり夜になっていた。
「お、おお前田殿にキュルケ殿。そなた等も遠出をしていたのか?」
自分の部屋に向かっていると、廊下で正座させられている幸村がいた。
ついでに何やら鞭を持って怒っている様子のルイズも。
「どうした、幸村が悪戯でもしたのか?」
「違うわよ、ちょっと武器屋に1人にしておいたら騒ぎを起こしたの!」
やはりあの張り紙の“赤くて半裸”とは幸村の事だったようだ。
「しかしながらルイズ殿!いきなり剣が喋り出せば誰でも驚くのは当然でござる!」
「剣?」
見ると、幸村の座っている前に古びた剣が1本置かれている。
この剣が喋ったというのか。
利家はその剣を手に取った。
「…幸村、嘘は駄目だぞ。そんな事があるわけ…」


「おでれーた!格好は変だがお前も中々の達人だな」


剣が……喋った。
728名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 19:48:40 ID:hOfbS7TI
支援
729名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 19:49:46 ID:sb9SzDNm
ホンダムが飛んだー!! 支援
730異世界BASARA 4/4:2007/09/03(月) 19:52:02 ID:Qe91uZCm
「おおおお!?本当に喋った!!」
南蛮野菜を見た事のある彼でも、喋る剣は流石に驚いたようだ。
利家は珍しそうに剣を色々と弄ぶ。
「この国には不思議な物が一杯あるな。ところで幸村、これの名前は?」
「うむ、出流腐麟牙亜と言うらしいぞ」
「相棒、なんか変な風に覚えてねぇか?」

「あれって…もしかしてインテリジェンスソード?あんたまた妙な物を…」
「本当は買う予定じゃなかったのよ。なのにこいつが自分を買えって…」

「ユキムラが店で暴れたから断れなかったのかしら?」
キュルケの嫌な言葉がルイズの神経を逆撫でした。

「ご主人様がいなくて寂しかったのよ。酷い事するわよねぇ」
キュルケはそう言いながら幸村の顔を掴むと自分の胸に当てて抱きしめる。
幸村はというと案の定、顔から蒸気が出そうなほど真っ赤になっていた。
「ツ、ツェルプストー!人の使い魔にまで手を出さないで!」
「なぁに?私は主人に振り回されている使い魔を慰めてあげてるんじゃない」
キュルケはさらに幸村を強く抱きしめる、そして幸村の顔がさらに赤くなった。

「キュキュキュルケ殿ははは破廉恥にも程があブヘッ!!!!」
抗議の声を上げようとした幸村だったが、それよりも早く限界が来てしまったようだ。
「…なぁ裸の大将、相棒って女と付き合った事ねぇだろ?」
「うむ…無いだろうな…」


これで利家の番外編終了。
次はいよいよフーケ編か…
731名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 19:54:25 ID:SlyAb8dg
なんという、当て字 GJ
732名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 19:54:53 ID:mp+Grxaa
デルフってば随分と千葉県民みたいな名前になってGJ
733名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 19:57:28 ID:igfWo3Xr
>>732
千葉県民舐めんな!
734名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 19:59:15 ID:nY1VFs4U
支援
735名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 19:59:37 ID:HBBGhMBG
どっちかっつーと独眼竜っぽいネーミングだよな。こう、盗んだ軍馬で走り出す的に考えて。
736名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:07:44 ID:BiSgzWO8
なんか初めてだけど書きたくなった!

ただ召喚したい奴がいるけど、そいつを召喚するとネタバレを多く含む事になりそう。
別のやつで手を打つか……まぁそいつでも多少は含む事になるんだが……うむむむ……
737名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:09:04 ID:DyOVbAmm
>>736
男は黙って書け
738名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:10:24 ID:unOVBYXa
>>736
ネタバレ怖くてクロスが読めるかーと誰かが申されております。
739名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:10:38 ID:U/7vhzUy
>>735
城中の襖を破いてからだな、勿論w
740名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:11:07 ID:2BBq1ZUA
>>736
早く書かないと他人にネタを取られてしまうかもしれないぞ?
それが悔しく思えるなら思い切って書いてしまうのがいいさ!
741名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:13:24 ID:XgR7RDno
>>736
書いて推敲して誤字脱字ないかチェックして投下してからゆっくり考えるといい
742名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:16:31 ID:exy77zRZ
>>716
いっその事、召喚された奴がとんでもない悪党でルイズを裏切ってレコン・キスタ側につくというのはありだろうか?
何度も戦場で敵同士として戦うけど、ルーン効果によりルイズに致命傷を与えられないとか
743名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:20:41 ID:wedoxN9a
>>742
理想郷にでもいって書いてろ
744名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:23:02 ID:dLyF0pPR
>>742
ルーンの洗脳効果ナメんなハゲ
745名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:23:45 ID:l1GrSvDB
>>742
Mr.0がそれに近い感じかも
746男達の使い魔:2007/09/03(月) 20:25:55 ID:JWCV+C6t
>>736
書きたまえ!
出来が悪いとか、話が続かなぇとか苦労するかもしれんが、
できた瞬間はとても楽しいぞ!!

……と今夜か明朝に投下するので予約(早っ!)
747名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:26:03 ID:4lSSfEkq
>>744
ハハハハハハゲちゃうわ!
748名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:26:25 ID:qdiXS3S6
   ,rn                 
  r「l l h.                
  | 、. !j                
  ゝ .f         _      批判は許さないニダ!!
  |  |       ,r'⌒  ⌒ヽ、.  
  ,」  L_     f ,,r' ̄ ̄ヾ. ヽ. 
 ヾー‐' |     ゞ‐=H:=‐fー)r、) 
  |   じ、     ゙iー'・・ー' i.トソ  
  \    \.     l ; r==i; ,; |'  
   \   ノリ^ー->==__,..-‐ヘ___
     \  ノ ハヽ  |_/oヽ__/     /\
      \  /    /        /  |.  
        y'    /o     O  ,l    |
749名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:29:12 ID:h+AdKZHx
>>742
とんでもない悪党なら、ルイズを操ってヴァリエール家の権力を利用したり
自力で自分の勢力を作るのではないか?
房小説な感じにするなら、レコン・キスタなんて言う操られるだけの組織なんて接触しないで
ガリア王と取引のとか、ガリア王を操ってたり、ガリア王すらソレの手下にすぎなかったとか。
750名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:30:10 ID:wedoxN9a
>>749
そういうのってさ
踏み台小説っていうんだよ
751名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:30:46 ID:U/7vhzUy
>>746
もってけ陸軍ふくは?ねぇもってけ陸軍ふくは?
752名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:30:52 ID:exy77zRZ
>>743>>744
ルーンの洗脳ってもし使い魔が主人の敵に回ったら、使い魔にとってかなり苦痛になるんじゃないか
(ソードワールドのギアスみたく)と思いついてネタを出してみた
不快な思いをさせたならスマン
753名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:32:57 ID:HBBGhMBG
逆にヴァリエール家(というかルイズ)を盛り立てるだけ盛り立てていく軍師キャラとかはどうだ。
アンリエッタ陥れてトリステイン政権簒奪、その後レコンキスタ撃破してアルビオン併合。
ここに天下三分の計が完成したのだとかなんとかうん面白くないね。きっと。
754736:2007/09/03(月) 20:33:01 ID:BiSgzWO8
勿体無いお言葉ありがとうございます
おかげで眼が覚めましたよ……!
一番好きなキャラなんで全身全霊を込めて書いてきますね
755名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:36:43 ID:m2QPCE9j
よし来い支援
756名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:37:46 ID:h+AdKZHx
>>753
ルイズの数少ない友人であり、気兼ねなく話せるアンリエッタを陥れる時点で盛り立ててないと思う。
757名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:38:10 ID:lzYe8Rb0
裏切ったふりをするようなタイプのキャラを召喚するというのもありかと思うが、
レコンキスタはあまりにも粗末過ぎるんだよなぁ。
ガリア王に取り入って・・・というのならわかるんだが。
758名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:39:08 ID:+N3MD8f2
諫めるため敢えて敵対する、という選択なら可能だとは思う。根底は主への想いだし。
759名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:39:51 ID:l1GrSvDB
>>753
三国統一まで持っていかないと完成したことにはならないぞ。
あれはもともとそのための戦略だし。
760名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:40:25 ID:lls5R5+u
元祖ガンダールヴはきっとそんな気持ちでエルフに付いたんだろうな。
761名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:40:50 ID:077WKqk0
G・G・スレイマン召喚とな?
762名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:41:34 ID:VFzvSx2D
>>742
>>752
ロードス島戦記のバグナード級ならギアスにも耐えられるな。
こういう方向性も面白いと思うよ。
763名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:42:45 ID:077WKqk0
>>762
べルド並のカリスマがルイズに要求されるな。
764名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:43:50 ID:lzYe8Rb0
>>762
問題は、そこまでして敵対する理由があるか、何だよな。
よほどのMでない限り、ルイズ側について目標を達成する道を選ぶだろ。
765名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:44:03 ID:Bzf7H8XC
スターリンと100万の赤軍と毛沢東と100万の紅軍、召喚されるならどっちの方がいいかね?
766名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:44:41 ID:XgR7RDno
>>761
通常言語で悪態ついて死の呪文並の言霊喋る魔術師だぞあいつ
黙れの一言で全員サイレントかけられて死ねって言われたら皆死んじゃう
……どこをどうしたら話が進むかなあ
767名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:47:29 ID:077WKqk0
>>764
理由なんて気に入らないで十分。
768名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:48:31 ID:hOfbS7TI
>>756
ぶっちゃけアンアンは十分な財産与えて権力を奪う、つうか重責から開放してやるのが本人の幸せとも言えるしな。
769名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:49:20 ID:h+AdKZHx
>>766
能力をさておいても、正確もぶっとんでるからなー(あの作者のはみんなそうだが)
原作終了後のなので、魂が混じって二重人格状態にしてスレイマンは表にあまり出てきません
魂を燃料にして神の光臨の余波から救ったあとなので、能力はほとんど失われて回復まちです。

此処までやっても物語に出来るカナー?
770名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:49:55 ID:VFzvSx2D
>>764
例えばバグナードなら、べルドへの忠誠とルイズの目的が相反すればルイズに逆らうだろうね。
「敵対する使い魔」が重要であって、辻褄合わせならいくらでもできる。
文句言いつつ従うだけの使い魔はもう飽きたよ。
771名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:50:44 ID:1mAsl9mI
>>770
理想郷へいってください
772名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:52:39 ID:G0FOCzMe
召喚されたキャラが敵側に回るとかはどうなんだろね?
相当考えないとちょっと苦しい気がする
もともと虚無系統に呼ばれた使い魔は主人を側で守るないしサポートするのが役目だからさ
長時間離れてるとルーン洗脳パワーで禁断症状がでるとか?
サイトが大怪我して離れてた時なんかなんだかんだで執着心がMAXみたいだったし。
主従お互い、どうもシエスタみたく恋愛感情からくる情念とは違う気がする
773名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:54:00 ID:4G5l7mNb
>>761
「貴族の誇りは――――」
「クソッタレ、だな」

うわ読みてえ
774名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:54:03 ID:VFzvSx2D
>>771
従う理由は無いが、自分で書く気も無い
775名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:55:28 ID:20B0MUY3
>>768
まあ取ってる言動は、年頃の女の子として考えると分からんでもない範囲だからな。
最大の問題は王女(女王)という立場を考えるとマズい言動になるってことだし。

>>772
伍長と少尉思い出した。
あの二人もオレルドにそんな感じのこと言われてたな。
776名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:58:24 ID:h+AdKZHx
>>772
いや、本人の話だとルイズの近くに寄ると望郷の気持ちを忘れるくらいだからなんとも。

……学生が美少女の主人の近くにいてドキドキしたり、押し倒そうとしたり
そのせいで鞭打ち食らってたり、一緒の寝台で寝てる時に故郷を思い出す余地が有るのか?
と、聞かれると無いだろと思えるので、ルーンの効果が何処までかは推測の域だが。
777名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 20:59:59 ID:lzYe8Rb0
敵対するのは難しそうなら、独立行動とりそうなやつを召喚してみたらどうだろう。
778名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:00:22 ID:HYMw8+/D
召喚されたキャラが独断専行、ってのはよくある話だがね
779名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:00:32 ID:ND5NNIuj
つーかルーンの洗脳洗脳ってゼロ魔側を悪人に仕立て上げたいのが見え見えのやつらが多すぎ
洗脳の効果なんてあいまい極まりないものだってのに
あげくルイズと敵対しろって本気でいってんのか、とあえてここに書かせてもらう
780名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:02:17 ID:bxRd6lml
>>774
なら黙ってれば?
こっちもあんたの言う事に従う気はないんでww
781名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:02:47 ID:VFzvSx2D
召喚されると同時にルイズごと学園を殲滅するようなネタはけっこうあるな。
一発ネタなので後が続かんが。
782名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:04:02 ID:4lSSfEkq
>>779
別に洗脳効果が極悪=ルイズたちが悪いっていう式にはならんだろうに…
783名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:04:51 ID:077WKqk0
むしろ洗脳効果が低いとルイズ達が危険だな。
784名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:05:23 ID:QZI2FstG
お前ら夏休みは終わっただろうが……
785名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:05:50 ID:l1GrSvDB
取り扱い厳重注意な使い魔をルイズがどう捌くか、ってのも見どころだあね。

スレ地だがアーカードの旦那とか。
786名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:06:12 ID:S8qaNhja
>>779
皆ツンデレなんだよ
787名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:07:03 ID:QZI2FstG
そういや最近は秋休みなんてのもあったな
788名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:09:08 ID:h+AdKZHx
ルーンの効果が強いSSだと、タバサと使い魔の関係が
ルーンの洗脳による物になって鬱っぽくなののがなー

お姉さま、お姉さまと懐いてるのも洗脳の結果 orz
789名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:10:03 ID:1L2RFxUf
ルイズ&使い魔がアンリエッタと敵になる内容ならプロットを考えたことあるけど
ものすごいウツ展開になるねえ…。
まあ、これ考えた時のプロットの主役はルイズじゃなかったんだけどね。
790名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:10:06 ID:NO30Owb7
>>788
なんかいやだよなwそれ。
791名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:11:13 ID:zQ+O4Wn3
前にも出たかもだが洗脳対抗ならマップスのダード・ライ・ラグンだろ
やつは洗脳等して自分を押さえつけようとする対象こそ敵だと認識するからな
しかも惑星規模〜恒星規模破壊戦が可能

「そんなことは無い。私はこのルーンとやらの効果で洗脳されている……
 しかし、だからそ。これが私に教えてくれるのだ……私が真に戦わねばならないものと
 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは私が倒す」

こんな感じに
むしろマップスから召喚なら十鬼島ゲンをルイズが召喚してシェフィールドのポジションにダードにして
最後のほうでダードがガリア王に反旗を翻すって方が面白そうだけど
やっぱり十鬼島ゲンは洗脳系(精神操作系)の異能が一切効かない特殊能力持ちなんで
最後はリプミラがゲンの奥歯の発信機頼りに迎えに来てハルケギニアを去っていくってストーリーになりそうだ
792名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:11:42 ID:+MgM4YqL
洗脳の結果なのは確実じゃね?
シルフィードはサイト並みの頭だから同じように葛藤が生まれることもあるかも
しれんね。知能の低い連中だと問答無用で疑問も持たずに洗脳完了だろうさ。
793名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:11:52 ID:WatXQTH0
>>703
>(しかし、王国の元首が『国王』なのに、王位継承者の太子が『皇太子』なのはなぜだろう。
流石。でもそれを言ってたら、>>28だって「行啓」ですぞ。
行幸なら、国王(天皇)か王妃、もしくは元王か王妃でもないと。
794716:2007/09/03(月) 21:12:07 ID:+N3MD8f2
本気で敵対関係にさせるなら。
ワルド戦であと一歩のところで失敗爆破で敗北、ルイズわりと本心からワルドについていく。
惚れさせられた女を取り戻すためワの字を倒して取り戻すことを誓う。
でも既に心は思い切り傾いてるため、ワルドを襲うとルイズも敵に回る。など。
ワの字の欺瞞という大義名分もあるし、嫉妬心からでた行動でもこのくらいならなんとかならんもんだろうか。

考えてて気になったけど、ルーンの洗脳効果って滅私性はあるんだろうか。
主が幸せなら身を引くのか、それとも好きになるだけで主の幸福性の重視は副次的な物なのか。
795名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:12:55 ID:g4oGqh/a
洗脳効果が無いとした場合、普通の奴ならサイトみたいな扱いを受けたら激怒するとしか思えないからな。
まぁ原作がそもそも壊れギャグだから真面目に考えてもしょうがない。サイトはマジドM
796名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:16:04 ID:+MgM4YqL
ヤマグチノボル本人がゼロ魔のラジオにゲスト出演した時に
サイトはMってはっきり言ってたぞ。
797名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:16:25 ID:m5dDhRq8
滅私性がなければ、七万の兵隊を相手にバンザイ突撃はやらないと思われる。
798名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:16:55 ID:HYMw8+/D
サイトは色々と抜けすぎ
799名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:17:25 ID:077WKqk0
マテリアルパズルのドルチルレベルのバカなら可能。
800名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:17:46 ID:VFzvSx2D
敵対する理由は「新天地で私欲を満たしたい」でいいよ。
召喚されたキャラに目的があれば長編も書けるね。
801名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:21:04 ID:h+AdKZHx
>>792
原作だと、元々お姉さまみたいな人が欲しかったらしい
召喚前は孤独だったので、本人は喜んで契約したと書かれてる。

……が、洗脳の強いSSだと、ソレさえ洗脳のせいとゆーことになりそーで。


>>795
何の才能も無いサイトがサモン・サーバントで呼ばれた理由なのかもね
ドMでルイズと相性の良く、それでいてルイズをやきもきさせて虚無の動力源にもバッチリな
高性能な存在として呼ばれたのかと。
802名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:22:04 ID:exy77zRZ
何とゆーかあくまで主役はルイズで、召喚された後裏切ってルーン効果に苦しんでる使い魔が最後の敵
になるのはどうだろうかというつもりだったんだが、言い方がまずかったかな
803名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:22:42 ID:HYMw8+/D
ここであえて逆にルイズに従順に尽くすようなタイプのキャラを模索
804名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:23:02 ID:VFzvSx2D
wiki読んでると作者でヘイトルイズってけっこう多そうだな
805名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:23:44 ID:HBBGhMBG
>803
つまりメイドガイというわけだな?従順だぞ、彼は。ええ、それはもう。
806名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:24:11 ID:l1GrSvDB
まあ好み分かれそうな性格だしねえ
807名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:24:20 ID:lzYe8Rb0
好きな女のためなら、どんな無茶でもできちゃうのが男の子でしょう。

まぁ、そもそもサイトの場合ルーンの効果と恋心があいまいだからな。
多少好意を感じるのは確かだろうし、少しは滅私性もあるのかも知れんが、
あくまでもその程度出しかない、と考えたほうが話は広がるんじゃないか?
808名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:24:39 ID:qdiXS3S6
>>771
理想郷も此処も大して変わらんわww
809名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:25:37 ID:HYMw8+/D
いちいち返事するから、連鎖が起きるんだッ・・・!
810名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:26:43 ID:XgR7RDno
ここらで好きだから殺すみたいなキャラを呼ぼう
811名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:26:54 ID:9I6+dR1D
原作のラスボスは才人だったら面白いと思うw
812名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:27:33 ID:G0FOCzMe
洗脳の力の強弱はおいといて
全てのルーンにはある程度の順従性だとかは間違いなく刷り込まれてると思う。言葉とかと一緒に。
でないと他の学生の原生生物召喚、即言うこと聞くな流れがわからないし。
ガンダーが特別凶悪な刷り込み効果があるとは考え難いような?
813名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:29:57 ID:WocL+lwz
>>810

マナマナ?
814名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:31:08 ID:5GBQFJSn
まあなんだ、考察スレに行けお前たち
815名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:31:14 ID:VFzvSx2D
ヒソカ
816名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:31:15 ID:cGs5Oks5
>>810
仮面ライダータイガかね?
817名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:31:44 ID:evwSRlGX
>>806
シエスタの方がやや万人向けの性格か
818名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:32:20 ID:lzYe8Rb0
少なくとも、人間としての倫理観は植えつけそうな気がするな。
でないと、集団生活は不可能だろ。
819名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:33:29 ID:VFzvSx2D
そういやハンター×ハンターキャラを見ないが専用スレとかあるのかな?
820名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:34:01 ID:+MgM4YqL
ガンダールヴ以外の奴らのほうが洗脳の度合いが強いと思うけどね。
始祖ルーンの場合は使い魔が皆高知能もしくは人間で確定だと思うから、あってもゆっくりと自然に洗脳していく感じ。
通常の使い魔連中は普通なら人間になつくことが無いような奴らなんだから、間違いなくその場で強力なのがかかってる。
821名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:35:00 ID:iLzb7GkZ
サイトには惚れた弱みもあるのさ。
822名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:36:12 ID:hOfbS7TI
>>821
出会い系サイトに登録するほどだしな。
飢えてんのさ。
823名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:37:17 ID:20B0MUY3
流れをぶった切って、琥珀召喚とかどうだろう。
割烹着の悪魔じゃなくて、筋金入りのロリコンの方。
「弱いけど死なない」から、ガンダールヴのルーンとの相性はばっちり。
問題はルイズがストライクゾーンから外れることか……。

「……オバン」とか鼻で笑われてぶち切れるルイズが目に浮かぶ。
824名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:38:09 ID:HYMw8+/D
ええい、洗脳洗脳と五月蝿いな!

要するに"物凄い睡眠教育"だッ!
はい解決!終ーわりッ!やったぁ!(猿蛇合戦より、大塚明夫ボイスで)

>>819
全く思いつきもしなかったっつーか休載長くて忘れ去られてたっつーか
825名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:38:59 ID:20B0MUY3
>>824
>休載長くて忘れ去られてたっつーか
てかまだ(建前は)連載中だったのか、あれ。
826名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:39:01 ID:h+AdKZHx
ルーンの洗脳なんて無いルイズでさえ、12巻までいくと最後までいってOKな覚悟完了してるしな。
商業誌の壁とサイトの自爆と、サイトの告白に言葉では答えてないのが重なってコトは為されなかったが。
827名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:39:15 ID:1L2RFxUf
>>823

テンプレをよく見ましょう。
828名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:39:40 ID:7ZvlsMyi
ここで柊をアンゼロットとベルとルイズで取り合って使い魔が目立たないクロスを
829名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:40:50 ID:QZI2FstG
>>826
そもそも12巻の内容は普通に書いてもよかったのか?
性的な意味で
830名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:41:03 ID:20B0MUY3
>>827
にゅおう、スマン。
俺が言及したかったのは出たとこプリンセスのキャラなんだけどね(汗
831名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:41:52 ID:unOVBYXa
>>825
10月から連載再開だよ、今年は何話進めれるか・・(2006年は四話)・
832名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:42:06 ID:+MgM4YqL
>>829
12巻の最後の方はすごかったよなぁ
833名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:43:04 ID:QZI2FstG
>>831
あれ再開するのかよ
というかあの落書きは何なんだよ
834MtL:2007/09/03(月) 21:43:21 ID:rUJZG92b
10時から投下しますー
835名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:43:22 ID:LJ3y61UC
ありとあらゆる並行世界のルイズを召喚してスーパールイズ大戦。
そのうちの一人ぐらいは巨乳なルイズが…いないか。
836名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:43:25 ID:h+AdKZHx
>>829
アレが素晴らしいのではないか、ノボルがヤっちまってくれた
そこに痺れて憧れるほどには……むしろ、同人なネタとは思うが。
(シエストとルイズ、アレの翌日顔をあわせずらいだろうなー)
837名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:43:44 ID:+MgM4YqL
>>831

2006年は4回って・・・・・・・・すごすぎるなぁwww季刊ですかww

838名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:44:18 ID:7ZvlsMyi
つまり、13巻の一番最初の行にキュルケが
「今夜はおたのしみでしたね」
といえばおk
839名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:44:58 ID:W0+9nPMV
出たプリの琥珀さんはもう顔もおぼろげにしか思い出せないなあ
840名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:45:11 ID:QZI2FstG
>>834支援

>>835
スレに投下されたあらゆる作品の使い魔達によるスーパー使い魔大戦の方が面白そう
841名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:45:17 ID:xEYpD32N
あれ?
H×Hって、まだ連載してたのか?
842名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:46:01 ID:+MgM4YqL
>>838
www宿屋の親父ww
でもキュルケって毎晩お楽しみなのによく寝不足にならないね。あと性病にも。

843名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:46:17 ID:7ETwp8U3
そういやルーンの洗脳効果って明確に説明されてるのは何巻?
だいぶ前に途中まで読んだだけだから記憶が
844名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:46:33 ID:QZI2FstG
>>836
同意の上だからまだ大丈夫では



まあ正直あそこまでされると痺れて憧れるが
845名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:47:16 ID:unOVBYXa
>>835
某所になら千数百人くらいサイトを召喚してるSSが
846名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:47:30 ID:+MgM4YqL
>>843
11巻。それ以前からもシエスタの発言とかでほのめかしてはいた。
847名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:48:40 ID:QZI2FstG
>>845
そんなのあるのか
848名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:48:40 ID:YObXsdo7
>>791
ちょっと地味だが冒険中のツキメとか逃亡中のガッハでも面白そうだな。
あと、侵略大帝もどうだろう?
クロノアイズシリーズ版なら
契約→仮面取ってキス→美形だ→よして下さい、私には再婚した妻が…
と言う笑える展開が。

更にマイナーだが、ダイソードのコ・ズー(ただしダイソードに吹き飛ばされたはずの左半身のみ召喚、48の大魔法使用不能の役立たず。)も面白そうだと思うがどうだろう?
849名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:48:59 ID:1L2RFxUf
>>823
は!ロリのほうだったのか見間違えたスマン。
850名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:49:34 ID:XgR7RDno
>>840
混ぜてスーパーハルケギニア大戦ゼロとでもするか
使い魔だけじゃなくその主も参戦
大体ルイズなので画面が桃色に
作品次第では同じルイズ同士なのに強弱があるのも面白い
851名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:49:36 ID:tfxmj5d6
スーパー使い魔対戦はきもいって
主にデルフリンガーのはもる声が・・・
852名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:50:23 ID:V5jSJNcs
ゲキレンジャーからルーツ召喚
……誰かが一緒にラスカも召喚してくれないと
学院中の奴らが赤ん坊やガキになっちゃうな。
……あれ?ロリド大喜び?

853名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:50:31 ID:QZI2FstG
>>850
さらにキュルケ、タバサ、ギーシュの使い魔達も参戦させれば
854名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:51:53 ID:7ETwp8U3
>>846
そうか
1巻からちゃんと読み直すかな
855名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:51:58 ID:QZI2FstG
>>851
武器店の親父涙目wwwwww
856名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:52:21 ID:nBp0+w7W
>>801
>ルイズをやきもきさせて虚無の動力源にもバッチリ
それなんて臨獣拳?と読んだ瞬間思ってしまった
857名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:54:25 ID:LJ3y61UC
実はデル公って百なる一の剣だったのか。
858名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:56:00 ID:YRdREZH5
トライガンからニコラス・D・ウルフウッドを召喚
あらゆる武器の使い方を叩き込まれたというからガンダールヴいらないな。
そういえば今まで関西弁キャラはいなし。
859名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:00:07 ID:+MgM4YqL
ガンダールヴにこだわるからデルフリンガーをどうするかが問題になるんだろ。
ヴィンダールヴで召喚すればよろしい。
860名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:00:21 ID:+N3MD8f2
そろそろ支援タイムか
861支援:2007/09/03(月) 22:01:15 ID:hOfbS7TI
支援準備完了
862MtL:2007/09/03(月) 22:01:16 ID:rUJZG92b
マジシャン ザ ルイズ (12)復讐の連鎖

(父さま…父さま………父さまっ!)
誰かが泣いている。
胸を締め付ける子供の泣き声が響く。
こんな真っ暗闇の中で、誰が泣いているんだろう。
力になってあげたい、そう思ったタバサは泣き声の主を探してみることにした。
闇のほかにも何も無い、空虚な世界。
こんな場所で泣いているなんて、あまりにも可哀想と思ったからだ。
小さな声を標にして近づいていく。

幸い、すぐに声の主の元にたどり着くことが出来た。
そこには床に倒れた人が一人と、それに縋りついてなく少女の姿。
顔は―――闇に隠れて見えない。
(父さまっ……ひっく、ひっく…父さま…)
こちらに気付かぬまま泣き続ける小さな女の子、タバサはそのそばに近寄ると、そっと背中を抱いてあげた。
「悲しいの…?」
(うん…父さまが…死んじゃった…どうして、どうしてっ)
「…そんなに、泣かないで」
タバサは精一杯の言葉を尽くして、少女を慰めようとする。
けれど、その口から出てくるのはたどたどしい言葉ばかり。
母を襲った悲劇の日から、シャルロットは感情と言葉を捨ててタバサとなった。
誰にも頼れぬ孤独の中で、己の心を凍てつかせてタバサとなった。
そんなタバサの口からでは、思ったような慰めの言葉をかけてやることもできない。
だから、ほんの少しだけ、あの頃の自分に戻ることにした。
「私も、一緒に泣いてあげるから、そうして一杯泣いたら、その後は、元気に笑って」
(うっ…えっぐ……ひっく…)
しゃくりあげながら、女の子が振り向いてタバサを見た。

そうして顔を向けた少女は、なんと五年前のタバサ自身であった。
(一緒に泣いてくれる…?父さまの為に泣いてくれるの…?)
「え…ええ」
何ということだろうか、過去の自分に現在の自分が哀れみをかけるなどとは。
(嘘つきっ!!)
突然に浴びせられる少女の罵声。
唐突な思いもよらぬ言葉に目を瞑るタバサ。
再び目を開いた時、そこにいたのはシャルロットではなく、別の少女であった。
(人殺しっ!人形娘!あんたには人の心が無いんでしょう!?だからこんなことが出来るんだわっ!)
そう彼女を糾弾したのは自分と同じ青い髪をした娘、イザベラ。
そして、いつの間にか横たわる人影は、ガリア国王ジョセフへと変わっていた。
イザベラ、父を謀殺し母を狂わせた仇敵ジョセフの娘。そして、自分のたった一人の従兄弟。
863名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:01:44 ID:unOVBYXa
>>858
関西弁なら、このか・はやて・大阪が召喚されてるものが支援
864名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:02:07 ID:cGs5Oks5
Ancestral Recall支援
865名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:02:49 ID:20B0MUY3
はやてと聞いて真っ先にはやてブレードが浮かんだ俺はアレだな支援
866名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:03:31 ID:Q7PWoIDi
関西弁…ザ・グレイトバトルのダークブレインだな、支援
867MtL:2007/09/03(月) 22:03:55 ID:rUJZG92b
「私は………殺して、無い…」
(見殺しにしたのが殺したのと、どう違うのよっ!)
「―――」
(あんたは自分の復讐を果たしたのよっ!
 どう!気分は爽快かしらっ!満足?ねぇこれで満足なの!?さぞや満足でしょうね!
 あんたにとっては憎い憎い仇だものね、私の父上は!)
タバサの心のいたるところに振り下ろされる、刃物のような言葉の数々。
続いて黙って聞くことしか出来ないタバサに、悪鬼の如き形相のイザベラが、獣のような敏捷性を発揮して飛び掛った。
そうして馬乗りになったイザベラは、タバサの白くほっそりとした首に手を回す。
(あんたが復讐したのなら、私にもそうする権利があるっ!あんたがそうしたように、あんたを殺して復讐を果たす権利があるっ!
 「自分の復讐は綺麗な復讐、私のする復讐は汚い復讐」だなんて思っては無いでしょうねっ!
 あんたも父上と同じ、所詮は人でなしよっ!)
タバサの口がパクパクと開く、それは空気を求めるようでも、何かを伝えようとするようでもあった。
(命乞いっ!?許すわけが無いでしょうっ!私の父上を殺したあなたなんかを!)
窒息しかけるタバサ、けれどその口は懸命に何かを伝えようとしていた。
(死ねっ!死ねっ!死ねっ!死ねっ!死ねっ!死んでしまえっ!)

霧散していく意識の中、必至に手を伸ばす。

タバサはただ一言を伝えたかっただけなのだ。


「ごめんなさい」と。







「――――――ッッ!!」
タバサが勢い良くベットから上半身を起こした。
「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ―――!」
浅い呼吸を細かく何度も繰り返す、酸素を求めて何度も何度も。
首には、今も生々しくイザベラに締められた手の感触が残っている。

いかに聡明なタバサと言えども、動転した頭では、先ほどまでの光景が夢であったことを理解するのに時間を要した。
「タバサッ!ねえタバサッ!大丈夫!?」
だから、自分が寝かされていたのがトリステイン魔法学院の寮の自室で、心配そうに自分を覗き込んでいる少女がいることに気付くのにも時間がかかった。
「突然うなされたから心配だったけど、起こそうとしたら自分から飛び起きるんだもの。逆にこっちが驚かされたわ」
「………ここは?」
「ここ、って……魔法学院よ?もしかして倒れる前のこと覚えてないの?…それとも寝ぼけてる?」
混乱した頭が徐々に普段の冷静さを取り戻し、思考の欠片を繋ぎ始める。
ジョセフの死、イザベラ、囚われた牢獄、脱出、飛翔。
そうしてタバサは、トリステインにつくまでの経緯を思い出し、ようやく自分が無事にガリアを脱出して目的地にたどり着くことができたという事実を理解して安堵した。
「大丈夫…思い出した」
「そう……それなら良かったわ。ちょっと待っててね、今水を持ってくるわ」
そう言って立ち上がろうとしたルイズの裾がタバサに掴まれていた。
「……母さまは?」
「お母様?あのご婦人なら、今はキュルケの部屋で休んでもらっているわ。執事のペルスランさんと、あの変なフードも一緒よ」
それを聞いて胸を撫で下ろすタバサ、その仕草を見て、ルイズはタバサがいかに母のことを想っているかが分かった。
部屋の入り口横、そこに据えられた机に置かれていた水差しを持って、ルイズが戻ってくる。
タバサの部屋には、基本的にものというものが少ない。
ベットにクローゼット、あとは小さなテーブルがあるくらい。
「それにしても、あなたの部屋って初めて入ったけど。随分と殺風景ね。机に花でも置いたらどう?」
渡されたカップに口をつけながら、タバサはルイズを横になったまま見上げる。
「………考えておく」
水を飲み、落ち着きを取り戻したタバサ、その額に浮いていた汗をルイズがそばにあった手ぬぐいで拭った。
「………看病」
「え?」
868名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:04:01 ID:XgR7RDno
つい10版と時のらせんのパック買ったよ
なんだこのピットファイターカマールとか疫病風とかクソ重い支援
869名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:04:54 ID:cGs5Oks5
>>868
スクイーが出ないのがお主の限界じゃよ。そして支援
870支援:2007/09/03(月) 22:05:02 ID:hOfbS7TI
支援
871MtL:2007/09/03(月) 22:06:52 ID:rUJZG92b
「看病、してくれたの?」
真正面から見つめ、尋ねるタバサ。
静謐な色をたたえる美しい瞳で問われたルイズは、自分の頬が紅潮していることを自覚しながら明後日の方向を見て答えた。
「別に、こんなことくらい当然でしょ。アルビオンから返ってきた後は世話になったんだし。…それに私たち、友達、だし…」
言いながらやはり最後をごにょごにょと濁すルイズ。
そんな素直になれない同級生を見ていたタバサは、唐突に彼女に伝えなければならない用件があることを思い出した。

「ワルドが、生きてる」
「…え?」
唐突に何を言うんだろうか、この娘は。
そう思いながらタバサに向き直ったルイズ。
その目に飛び込んできたのは、一辺の冗談も無く真剣を形にしたような表情。
これを見ては、流石のルイズも軽口を叩ける雰囲気ではないことを悟った。
「…幽霊、じゃ無いわよね?」
こくりと頷く寡黙な少女。
ニューカッスルの城、自分の放った暴走した虚無に巻き込まれて、跡形も無く消滅したと思い込んでいたワルドが生きている。
にわかには信じがたい話であったが、タバサが嘘をついているとも思えない。
確かに、同じように巻き込まれたはずのウルザが生きていたのだから、ワルドが生きていたという道理が通らない訳ではない。
しかし、彼が生き残ったのは異世界のメイジという彼の背景があってのことと、納得している。
その彼がワルドの死についてははっきりと明言していた。

何の背景も持たないワルドが、あの場を生き延びたということに、ルイズは引っ掛かりを覚えた。

「………ミスタ・ウルザにも伝えるべきね」
ルイズがそう呟いたのと、静まり返っていた階下が騒がしくなったのはほぼ同時であった。
誰かが大声で何かを喚いているような―――女性の金切り声。
「………何の騒ぎかしら?今の学院に人なんて…」
「……っ!母さま!」
言いかけたルイズを遮るようにして、タバサが寝ていたベットから飛び降りた。
タバサの格好は学院に到着した時のボロボロの肌着ではない、ルイズとモンモランシーの努力によって真新しいシャツが着せられている。
しかし、身に纏っているのはそれ一枚。
そんな格好で飛び出したタバサに対してルイズが慌てたのは仕方が無いことであろう。
「ちょっとタバサ!服!服っ!」
小さな体躯には似合わぬ勢いで飛び出していくタバサに遅れること一呼吸、ルイズも廊下へと飛び出した。

タバサを追いかけたルイズがたどり着いたのは、自分の部屋の隣、つまりキュルケの部屋であった。
そこには今、タバサの母親、それに執事のペルスラン、フードの女、それに今入っていったばかりのタバサがいるはずである。
開け放たれたままののドアから立ち入ったルイズは、先ほどから絶え間なく響く声の正体を知った。
キュルケのベット、そこには意識を取り戻したタバサの母の姿があった。
だが、その姿はどう見ても尋常であるとは思えなかった。
ぎょろりと開かれた瞳は光を失い、何も映してはいない。
タバサと同じ青い髪は伸び放題に伸ばされ、長いこと手入れをされていないのが分かる。
かつては美しかったであろう体は痩せこけ、死人を連想させるような病的な白さを、キュルケの部屋が際立たせていた。
「下がりなさい!無礼者!」
そう叫んだタバサの母は、ベットにあった枕を娘の頭に投げつけた。
「………」
それをぶつけられても、微動だにしないタバサ。

キュルケの部屋の中にはベットに横たわるタバサの母、それから入り口近くでおろおろと立ち尽くすペルスラン、最後にベットの前で俯くタバサ、その三人がいた。
「恐ろしや、この子がいずれ王家を狙うなどと…、わたくし達は静かに暮らしたいだけなのです…」
タバサの母は誰にとも無く呟きながら、手に持った綿のはみ出した古い人形に頬ずりした。
「母さま…」


「おいたわしや、シャルロット様…」
異常な光景に飲まれたルイズが、横に立つペルスランの言葉で我に帰る。
「…何よこれ…、どういうことよ、あの人はあの子のお母様なんでしょう!?どうしてそれが、タバサにあんなことをするのよ!?
 それに、シャルロットってどういうことなの?何がなんだか分からないわ!」
「………わたくしはオルレアン家の執事の執事を務めておりますペルスランと申します。
 失礼ですが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
872名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:07:26 ID:XgR7RDno
黒の出来たらスーサイドウィニーをつくってみたいのに妙に重いカードが当たる支援
873名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:08:40 ID:cGs5Oks5
>>872
今はタッチ緑のハンデス+拷問台デッキが強いらしいぞ支援
874名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:08:55 ID:iLzb7GkZ
最近カードが触りたくなってきた
またポケモンでも始めようか支援
875名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:09:27 ID:QZI2FstG
支援
876名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:09:29 ID:+MgM4YqL
イザベラが出てくるSSがもっと増えればいいのに。みんな序盤しか読んでないのかな支援
877名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:09:51 ID:cGs5Oks5
そして話を聞くのがキュルケじゃなくてルイズになるとは支援
878名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:10:25 ID:6IJbY/OP
使用可能なカードがかわるから再構築がたるいんだよな
879MtL:2007/09/03(月) 22:10:50 ID:rUJZG92b
私は…私はルイズ・ド・ラ・ヴァリエール。タバサの、友人よ」

ルイズは執事ペルスランに促されて、キュルケの部屋から廊下へと出た。
そして、ペルスランは廊下に誰もいないことを確認してから語り始めた。
「先ほど、ヴァリエールさまは『タバサ』、と仰いましたね」
「ええ、でもシャルロットがあの子の本当の名前なんでしょう?何であの子はタバサなんて名乗っているの?」
「お嬢様は、タバサと名乗っておいでなのですか…」
「私も偽名っぽいとは想ってたけど…、どうして偽名を使って留学してきたの?」
「留学は、お嬢様の叔父である国王の仰せです」
「叔父、ってことは、あの子はガリアの王族ってこと?」
ルイズの言葉に、ペルスランは一度切って、一息おいてから答えた。
「シャルロットさまのお父上、今は亡きオルレアン公は現国王…いえ、もう前国王でしたか。とにかく、その弟君でございました」
「今は亡きってことは、タバサのお父様は…」
「殺されたのです」
はっとしたルイズがペルスランを見上げる、そこには長い時間を苦悩と共に過ごした老人の顔があった。
「お嬢様が心許す方なら構いますまい。ヴァリエール様を信用してお話しましょう。
 オルレアン公は王家の次男でありながら長男のジョセフ様より魔法の才に秀で、何より人望と才能に溢れておいででした。
 五年前、王が崩御された時、どちらが王の座に相応しいかということで、宮廷が真っ二つに分かれてしまったのです」
「継承問題ね…」
「左様。そんな醜い争いの中…オルレアン公は謀殺されました。そして、ジョセフ様を王位につけた連中は将来の禍根を絶とうと、次にお嬢様を狙いました」
「五年前って、それじゃその頃タバサは…」
「はい、まだ十になったばかりの頃です。
 ある晩のこと、奥様とお嬢様は晩餐会に招かれました。しかし、その最中、とある貴族からお嬢様へと渡された杯には、毒が盛られておりました。奥様はそれを知り、お嬢様を庇って自ら毒杯を呷られたのです。
 それはお心を狂わせる水魔法の毒が仕込まれておりました。ことは公となり、その貴族は断罪されました。ですが…それ以来、奥様は心を病まれたままなのでございます」
ルイズは黙って老人の告白を聞き続ける。
「タバサというのは、奥様がお嬢様にプレゼントされた人形の名前なのです。
 そして今現在、奥様の腕の中にある人形、奥様が自分の娘だと思い込んでいるあの人形こそがタバサなのであります。
 あの日から、快活で明るかったシャルロットさまは別人のようにおなりになりました。まるで、言葉と表情を自ら封印されてしまったように。
 …わたくしは、そんなシャルロットさまに何もして差し上げることが出来ないのです。この身の不甲斐なさ、この悔しさ…筆舌に耐えがたく、わたくしは我が身を呪うような日々を送ってまいりました。けれど、お嬢様はそれ以上の苦しみを味わっておいでなのです」
言いながら涙を流すペルスラン。
聞かされたルイズは………怒りで頭がどうにかなってしまいそうだった。
「それじゃあ、あの子はずっと、五年間もそんなものを背負ってきたって言うの!?」

想像してみる、自分の父が殺され、母が狂ってしまった光景を。
思いつきもしない。
自分には父がいて、母がいて、厳しいけれど想ってくれている上の姉、優しくて甘えさせてくれる下の姉がいた。
自分が十歳だった時、とても幸せだった。少しばかり寂しい思いをしたのは否定しない、しかしそれがなんだというのだろう。
十歳のタバサの気持ちを想像することもできない。
ルイズは怒っていた、恵まれた自分に、そして何も言わないタバサに。
あの子はきっと一番の親友であるキュルケにもこのことを話していないに違いない。
全部、全てを一人で背負い込む気であろう、そんな彼女に猛烈に腹を立てた。
ルイズは確かに何も知らなかった、けれど「助けて」と、そう言葉にしなければ、人には伝わらないものなのだ。


「これはなんの騒ぎかね、ミス・ルイズ」

走り出そうとしたルイズにかけられる言葉。
ああ―――本当にこの使い魔はいつもなんて良いタイミングで出てくるのだろうか。
ルイズはそう思い声の主に振り返った。

                                 罪を購うことは出来ない
                                    ―――コルベール
880名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:11:09 ID:NO30Owb7
しぇん!
881名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:12:19 ID:XgR7RDno
>>873
強い弱いじゃなくて(いやそれもこだわりたくはあるけど)
趣味に突っ走りたいんだ
魔法円置かれたり山置かれただけで目の前がさあっと暗くなるあのスリルがいいんだ
肉を斬らせて骨を断つっていいよね
支援
882MtL:2007/09/03(月) 22:14:02 ID:rUJZG92b
投下終了です。
ウルザが久しぶりに喋った…

>>872
つ隠された恐怖

>>873
タルモッモー高いよタルモッモー

>>876
イザベラ可愛いよね、きさくさん、応援してます。
883名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:14:12 ID:ITeBMsTc
乙。
コルベール先生って一歩間違えばヨーグモスルートだったよな…
884名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:14:22 ID:XgR7RDno
フレーバーのコルベールがやたら渋いGJ!
885名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:14:51 ID:tfxmj5d6
GJ
>>883
ギリギリ回避だな
886名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:15:28 ID:cGs5Oks5
乙ー。さてそろそろ反撃開始……なのかな?

>>881
「自分が使ってて楽しいデッキを組む」、その心を忘れてたぜ。
だがアンタ……マゾいな。

>>882
むしろ近所のイエサブで一枚3980円とか値段付けられてる滅びの方が高いですぜ旦那。
……なんであんな値段設定なんだろうなぁ、売れないだろうに。
887名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:15:48 ID:iLzb7GkZ
GJ!
話に絡んでないのに何でコルベールがこんなにかっこいいんだ?
888名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:15:57 ID:nBp0+w7W
魂喰いメインの黒緑デッキが大好きだった支援
また始めたいけど金がない相手もない店もない支援
889名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:18:27 ID:rUJZG92b
890名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:20:28 ID:XgR7RDno
>>888
たしか無料でマジックを再現したネットで対戦できるゲームがあったはず
MWSだかなんだか
詳しくは自分で調べてみてくれ
取り敢えずこれで相手はなんとか解決するが問題は生身でカードに触って楽しみたいという部分がどうにもならない点
891名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:20:30 ID:nBp0+w7W
魂食いじゃねえ魂売りだorz
>>889
面白そうだな
暇が出来たらやってみる
892名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:21:24 ID:NO30Owb7
コッパゲ先生はかっこいいなあ。
GJ!
893名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:23:57 ID:cGs5Oks5
しかし今回本編にコッパゲ先生出てないのに何でコッパゲ先生関連レスが多いんだ?w
894名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:25:40 ID:+OAKCZ8w
今更ながら出流腐麟牙亜に吹いた


お前はどこの武者ガンダムだ?(゚Д゚ )
895名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:27:50 ID:J3ZUzOTl
>>893
それだけ最後のフレーバーがかっこよかったのさ。
896名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:30:21 ID:ITeBMsTc
ただ誤字だから直さんとな
897名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:34:28 ID:XgR7RDno
>>896
罪(つみ)を購(あがな)うだから……あ、贖のほうか?
898名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:35:14 ID:SJI45I9k
>>896
「つみをあがなう」
で変換できるけど
899MtL:2007/09/03(月) 22:35:42 ID:rUJZG92b
アッーーーーーー!!
「贖う」でした、ブルーベリー食べよう…
900名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:35:46 ID:AXPUazbh
購だと買うほうになってしまうからな
901名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:38:20 ID:XgR7RDno
ブルーベリー……
マジカルバケーションなんて誰もしらないだろうなあ
周りにプレイしてる人間がいなくてアミーゴでつまったのはいい思い出
902名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:41:28 ID:hOfbS7TI
シスプリとのクロスで妹12人召喚という妄想。
姉ちゃま、お姉さまと呼ばれるルイズ。

何気に魔術使う奴とか、ロボ作る奴とか、武術修めてる奴とか、使える妹もいるし。
まあ、半分以上は単なる足手まといだが。
903名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:43:55 ID:UT1d/3xH
12都市から12人の(ry
904名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:46:18 ID:VFzvSx2D
同じこと考える人は居るもんだな。

>26 名前:マロン名無しさん :2007/07/17(火) 21:36:15 ID:???
>H×Hのヒソカ召喚とか考えたけど、

>最初の契約時、念能力と勘違いされて警戒されたり
>説明して、交渉してなんとか協力関係築こうにも
>【薄っぺらな嘘(ドッキリテクスチャー】 で使い魔になったと
>見せかけるだけで契約自体が成立しそうに無いんだな・・・
905名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:47:44 ID:WocL+lwz
ブロッケンブラッドの主人公のプロダクションの社長を召喚してしまったばかりに
「インチキな広東語でプロジェクトAの主題歌を歌いながら攻め寄せてくるレキンコスタの皆さん」
にたいして 魔法少女に変身して「ちくしょ〜」と泣き叫びながら迎え撃ち、殿を勤めるルイズの姿が、
意味もなく脳裏に浮かんだ。
906名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:55:49 ID:hOfbS7TI
GS美神から万能の文殊使い横島を召喚

ただし、文殊で生み出した炎がキュルケのファイヤーボールと同程度の威力しかないという弱体化。
万能さは武器になるだろうけど力押しは絶対にできないヘタレ設定で。

907ゼロのアトリエ:2007/09/03(月) 22:58:10 ID:PzAljvDu
投下しますよ
908名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:58:32 ID:hOfbS7TI
支援
909名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:59:03 ID:W4r5x2DX
支援する
910ゼロのアトリエ(1/9):2007/09/03(月) 22:59:15 ID:PzAljvDu
ゲルマニア皇帝アルブレヒト三世と、トリステイン王女アンリエッタの結婚式は、
ゲルマニアの首府ヴィンドボナで行われる運びであった。式の日取りは来月、ニューイの月の一日に行われる。
そして本日、トリステイン艦隊旗艦の『メルカトール』号は新生アルビオン政府の客を迎えるために、
艦隊を率いてラ・ロシェールの上空に停泊していた。
後甲板では、艦隊司令長官のラ・ラメー伯爵が、国賓を迎えるために正装して居住まいを正している。
その隣では、艦長のフェヴィスが口ひげをいじっていた。
アルビオン艦隊は、約束の期限をとうに過ぎている。
「やつらは遅いではないか、艦長」
イライラしたような口調で、ラ・ラメーは呟いた。
「自らの王を手にかけたアルビオンの犬どもは、犬どもなりに着飾っているのでしょうな」
そうアルビオン嫌いの艦長が呟くと、見張りの水兵が大声で艦隊の接近を告げた。
「左上方より、艦隊!」
なるほどそちらを見やると、雲と見まごうばかりの巨艦を先頭に、
アルビオン艦隊が静かに降下してくるところであった。
「ふむ、あれがアルビオンの『ロイヤル・ソヴリン』級か…」
感極まった声でラ・ラメーが呟いた。あの艦隊が、姫と皇帝の結婚式に出席する大使を乗せているはずであった。
「しかし…あの先頭の艦は巨大ですな。後続の戦列艦が、まるで小さなスループ船のように見えますぞ」
艦長が鼻を鳴らしつつ、巨大な艦を見つめて言った。
「ふむ、戦場では会いたくないものだな」
降下してきたアルビオン艦隊は、トリステイン艦隊に併走する形になると、旗流信号をマストに掲げた。
「貴艦隊ノ歓迎ヲ謝ス。アルビオン艦隊旗艦『レキシントン』号艦長」
「こちらは提督を乗せているのだぞ。艦長名義での発信とは、これまたコケにされたものですな」
艦長はトリステイン艦隊の貧弱な陣容を見守りつつ、自虐的に呟いた。
「あのような艦を与えられたら、世界をわが手にしたなどと勘違いしてしまうのであろう。
よい。返信だ。『貴艦隊ノ来訪ヲ心ヨリ歓迎ス。トリステイン艦隊司令長官』、以上」
ラ・ラメーの言葉を控えた士官が復唱し、それをさらにマストに張り付いた水兵が復唱する。
するするとマストに、命令どおりの旗流信号がのぼる。
どん!どん!どん!とアルビオン艦隊から大砲が放たれた。礼砲である。弾は込められていない。
しかし、巨艦『レキシントン』号が空砲を撃っただけで、辺りの空気が震える。
その迫力に、ラ・ラメーは一瞬あとじさる。よしんば砲弾が込めてあったとしても、この距離まで届く事はない。
それがわかっていながらも、実戦経験もある提督をあとじらせるほどの、
禍々しい迫力を秘めた『レキシントン』号の射撃であった。
「よし、答砲だ」
「何発撃ちますか?最上級の貴族なら、十一発と決められております」
礼砲の数は、相手の格式と位で決まる。艦長はそれをラ・ラメーに尋ねているのであった。
「七発でよい」
子供のような意地をはるラ・ラメーを、にやりと笑って見つめると、艦長は命令した。
「答砲準備!順に七発!準備出来次第撃ち方始め!」
911ゼロのアトリエ(2/9):2007/09/03(月) 23:00:29 ID:PzAljvDu
アルビオン艦隊旗艦『レキシントン』号の後甲板で、艦長のボーウッドは、
左舷の向こうのトリステイン艦隊を見つめていた。
隣では、艦隊司令長官及び、トリステイン侵攻軍の全般指揮を執り行う、サー・ジョンストンの姿が見える。
貴族議会議員でもある彼は、クロムウェルの信任厚い事で知られている。
しかし、実戦の指揮は取った事がない。サー・ジョンストンは政治家なのであった。
「艦長…」
心配そうな声で、ジョンストンは傍らのボーウッドに話しかけた。
「サー?」
「こんなに近づいて、大丈夫かね?長射程の新型の大砲を積んでいるんだろう?もっと離れたまえ。
私は、陛下より大事な兵を預かっているのだ」
クロムウェルの腰ぎんちゃくめ、と口の中だけで呟いて、ボーウッドは冷たい声で言った。
「サー。新型の大砲といえど、射程いっぱいで撃ったのでは当たるものではありません」
「しかしだがな、何せ、私は陛下から預かった兵を、無事にトリステインに下ろす任務を担っている。
兵が恐がってはいかん。士気が下がる」
恐がっているのは兵ではないだろう、とボーウッドは思いながら、ジョンストンの言葉を無視して命令を下す。
空では自分が法律だ。
「左砲戦準備」
「左砲戦準備!アイ・サー!」
砲甲板の水兵たちによって大砲に装薬が詰められ、砲弾が押し込まれる。
空の向こうのトリステイン艦隊から、轟音が轟いてきた。トリステイン艦隊旗艦が、答砲を発射したのだ。
作戦開始だ。その瞬間、ボーウッドは軍人に変化した。
政治上のいきさつも、人間らしい情も、卑怯なだまし討ちであるこの作戦への批判も、全て吹っ飛ぶ。
神聖アルビオン共和国艦隊旗艦『レキシントン』号艦長、サー・ヘンリ・ボーウッドは矢継ぎ早に命令を下し始めた。
艦隊の最後尾の旧型艦『ホバート』号の乗組員が準備を終え、
『フライ』の呪文で浮かんだボートで脱出するのがボーウッドの視界の端に映った。
912名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:00:39 ID:+MgM4YqL
支援するぞい
913名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:00:48 ID:hOfbS7TI
支援
914名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:00:53 ID:XgR7RDno
支援
915名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:01:26 ID:hOfbS7TI
支援
916名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:01:38 ID:iLzb7GkZ
今日のアトリエは長そうだ支援
917ゼロのアトリエ(3/9):2007/09/03(月) 23:01:40 ID:PzAljvDu
答砲を発射し続ける『メルカトール』艦上のラ・ラメーは、驚くべき光景を目の当たりにした。
アルビオン艦隊最後尾の…一番旧型の小さな艦から、火災が発生したのだ。
「なんだ?火事か?事故か?」
フェヴィスが呟く。次の瞬間、もっと驚くべき事が起こった。
火災を発生させた艦に見る間に炎が回り、空中爆発を起こした。
残骸となったそのアルビオン艦は、燃え盛る炎と共に、ゆるゆると地面に向かって墜落してゆく。
「な、なにごとだ?火災が火薬庫に回ったのか?」
『メルカトール』号の艦上が、騒然となる。
「落ち着け!落ち着くんだ!」
艦長のフェヴィスが水兵たちを叱咤する。『レキシントン』号の艦上から、手旗手が、信号を送ってよこす。
それを望遠鏡で見守る水兵が、信号の内容を読み上げる。
「『レキシントン』号艦長ヨリトリステイン艦隊旗艦。『ホバート』号ヲ撃沈セシ貴艦ノ砲撃ノ意図ヲ説明セヨ」
「撃沈?何を言ってるんだ!勝手に爆発したんじゃないか!」
ラ・ラメーは慌てた。
「返信しろ!『本艦ノ射撃ハ答砲ナリ。実弾ニアラズ』」
すぐに『レキシントン』号から返信が届く。
『タダイマノ貴艦ノ砲撃ハ空砲ニアラズ。我ハ、貴艦ノ攻撃ニ対シ応戦セントス』
「バカな!ふざけたことを!」
しかし、ラ・ラメーの絶叫は、『レキシントン』号の一斉射撃の轟音でかき消される。着弾。
『メルカトール』号のマストが折れ、甲板にいくつも大穴が開いた。
「この距離で大砲が届くのか!」
揺れる甲板の上で、フェヴィスが驚愕の声を上げる。ラ・ラメーは怒鳴った。
「送れ!『砲撃ヲ中止セヨ。我ニ交戦ノ意思アラズ』」
しかし、『レキシントン』号はさらなる砲撃で、返事をよこしてきた。着弾。
艦が震え、あちこちで火災が発生した。
『メルカトール』号から、悲鳴のような信号が何度も送られる。
『繰リ返ス!砲撃ヲ中止セヨ!我ニ交戦ノ意思アラズ!』
しかし、『レキシントン』号の砲撃はいっこうにやむ気配がない。着弾。
砲弾の破片で、ラ・ラメーの体が吹っ飛び、フェヴィスの視界から消えた。
同時に、着弾のショックでフェヴィスは甲板に叩きつけられる。
フェヴィスは悟った。これは計画された攻撃行動だ。奴らは初めから、親善訪問のつもりなどない。
自分達はアルビオンに嵌められたのだ。
艦上では火災が発生している。周りでは傷ついた水兵たちが、苦痛のうめきを上げている。
頭を振りながら立ち上がり、フェヴィスは叫んだ。
「艦隊司令長官戦死!これより旗艦艦長が艦隊指揮を執る!各部被害状況知らせ!艦隊全速!右砲戦用意!」

「やつらは、やっと気付いたようですな」
ゆるゆると動き出したトリステイン艦隊を眺めつつ、ボーウッドの傍らでワルドが呟いた。
ワルドも、名ばかりの司令長官であるジョンストンにいかほどのことができるとも思っていない。
上陸作戦全般の実際の指揮は、ワルドが行うことになっていた。
「の、ようだな。子爵。しかし、すでに勝敗は決した」
行き足のついていたアルビオン艦隊は、全速で動き出したトリステイン艦隊の頭を抑えるような機動で、既に動いていた。
アルビオン艦隊は一定の距離をとりつつ、冷静に射撃を加えていく。艦数で二倍、それに加え、
こちらには新型の大砲を搭載した巨艦『レキシントン』号がいる。砲力は比べ物にならない。
トリステイン艦隊をいたぶるように、砲撃は続けられた。
十数分後、火災を発生させていた『メルカトール』号の甲板がめくれあがる。
瞬間、轟音と共に『メルカトール』号は空中から消えた。爆沈である。
他のトリステイン艦も、無傷のものは一艦たりともない。旗艦を失った艦隊は混乱し、バラバラの機動で動き始める。
全滅は時間の問題であった。既に白旗を掲げた艦も見えた。
『レキシントン』号の艦上のあちこちから、「アルビオン万歳!神聖皇帝クロムウェル万歳!」の叫びが届く。
ボーウッドは眉をひそめた。かつて空軍が王立だった頃は、戦闘行動中に『万歳』を唱える輩などいなかった。
見ると、司令長官のジョンストンまでが万歳の連呼に加わっている。ワルドが言った。
「艦長、新たな歴史の一ページが始まりましたな」
苦痛の叫びをあげる間もなく潰えた敵を悼むような声で、ボーウッドは呟いた。
「なに、戦争が始まっただけさ」

ゼロのアトリエ 〜ハルケギニアの錬金術師31〜
918ゼロのアトリエ(4/9):2007/09/03(月) 23:02:49 ID:PzAljvDu
トリステインの王宮に、国賓歓迎の為、ラ・ロシェール上空に停泊していた艦隊全滅の報がもたらされたのは、
それからすぐのことだった。ほぼ同時に、アルビオン政府からの宣戦布告文が急使によって届いた。
不可侵条約を無視するような、親善艦隊への理由なき攻撃に対する非難がそこには書かれ、
最後に『自衛ノ為神聖アルビオン共和国ハ、トリステイン王国政府ニ対シ宣戦ヲ布告ス』と締められていた。
ゲルマニアへのアンリエッタの出発で大わらわであった王宮は、突然のことに騒然となった。
すぐに将軍や大臣達が集められ、会議が開かれた。しかし、会議は紛糾するばかり。
まずはアルビオンへ事の次第を問い合わせるべきだ、との意見や、ゲルマニアに急使を派遣し、
同盟に基づいた軍の派遣を要請すべしとの意見が飛び交った。
会議室の上座には、その様子をつまらなそうに見つめるアンリエッタの姿も見えた。
本縫いが終ったばかりの、眩いウェディングドレスに身を包んでいる。
これから馬車に乗り込み、ゲルマニアへと向かう予定であった。
会議室に咲いた大輪の花のようなその姿であったが、今は誰も気にとめる者はいない。
「アルビオンはわが艦隊が先に攻撃したと言い張っておる!しかしながら、わが方は礼砲を発射しただけというではないか!」
「偶然の事故が、誤解を生んだようですな」
各有力貴族たちの意見を聞いていた枢機卿マザリーニは頷いた。
「よし、アルビオンに特使を派遣する。ことは慎重を期する。この双方の誤解が生んだ遺憾なる交戦が、全面戦争へと発展しないうちに…」
その時、急報が届いた。伝書フクロウによってもたらされた書簡を手にした伝令が、息せき切って会議室に飛び込んでくる。
「急報です!アルビオン艦隊は、降下して占領行動に移りました!」
「場所はどこだ?」
「ラ・ロシェールの近郊!タルブの草原のようです!」
919名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:03:49 ID:hOfbS7TI
支援
920名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:03:56 ID:hOfbS7TI
支援
921ゼロのアトリエ(5/9):2007/09/03(月) 23:04:00 ID:PzAljvDu
トリステイン魔法学院近くの草原に、マンティコアと、それに乗った…傷つき倒れた衛士が降り立った。
すぐに水のメイジによる『治療』が行われ、意識を取り戻した彼が、アルビオンの宣戦布告の報を告げる。
自分はそれを王宮に伝える伝令役のうちの一人、運悪く追撃を受け、ここまで飛んで力尽きたのだと…
コルベールはオスマン氏に許可を取ると即座に伝書フクロウを飛ばし、事実の確認を急ぐ。
間違いであって欲しい、心からそう祈っていたが、もたらされた事実は救いがたい現実を裏書きするものであった。
「アルビオンがトリステインに宣戦布告。姫殿下の式は無期延期。
王軍は現在ラ・ロシェールに向かって進軍中、したがって学院におかれましては、
安全のため、生徒及び職員の禁足令を願います、と…」
オスマン氏は深く息を吐くと、学院長室のイスに腰掛けた。
「やはり…戦争かね?」
机の上で指を組み、オスマン氏はコルベールにもたらされた書簡を受け取る。
「タルブの草原に、敵軍は陣を構築しているようです」
「アルビオンは強大だろうて」

コルベールは、悲しげな声で言った。
「敵軍は、巨艦『レキシントン』号を筆頭に、戦列艦が十数隻。上陸せし総兵力は三千と見積もられます。
わが軍の艦隊主力は既に全滅、かき集めた兵力はわずか二千。未だ国内は戦の準備が整わず、
緊急に配備できる兵はそれで精一杯のようです。しかしながらそれより、完全に制空権を奪われたのが致命的です。
敵軍は空から砲撃を加え、わが軍を難なく蹴散らすでしょう」
「現在の戦況は?」
「敵の竜騎兵によって、タルブの村は炎で焼かれているそうです。同盟に基づき、
ゲルマニアへ軍の派遣を要請しましたが、先陣が到着するのは三週間後とか…」
オスマン氏はため息をついて言った。
「見捨てる気じゃな。敵はその間に、トリステインの城下町をあっさり落とすじゃろうて」

学院長室の扉に張り付き、聞き耳を立てていたルイズは、戦争と聞いて蒼白になった。
そのルイズの手を脇に立っていたヴィオラートが掴み、ルイズを引きずってゆく。
「どこに行くのよ!」
「タルブの村」
「な、何しに行くのよ!」
「決まってるでしょ?シエスタちゃんと、アンリエッタさんを助けに行くんだよ」
ルイズはヴィオラートの腕を振りほどこうとして、もがいた。
「ダメよ、戦争してるのよ!私達が行ったって、どうにもならないわ!」
「なるよ」
ヴィオラートは見た目とは裏腹に強靭な腕でルイズをがっちりと掴み、きっぱりと、そう言い放った。
ルイズの動きが止まる。
「…何よ、何がどうなるってのよ」
「あたしとルイズちゃんがいれば勝てる。大丈夫だよ、あたしを信じて」
そう言ってルイズを見たヴィオラートの瞳にいつもの『本気』を見て取って、
結局ルイズはヴィオラートの希望通り、追従の言葉を口に出してしまう。
「ああ、いつものアレね…わかったわ、ダメだって言っても、結局あなた一人でもやっちゃうんでしょ?」
「ごめんね…」
「いいわよもう。使い魔に協調するように、私ってば条件付けられてるから。ああ、なんてかわいそうな私」
その自虐的なもの言いに、思わずヴィオラートがルイズを覗き込むと、
ルイズはニヤニヤしながら、ヴィオラートの反応を観察していた。

二人はひとしきり笑いあうと、愛用のホウキとフライングボードに乗り込む。
「じゃ、行こっか」
「そうね」
言葉少なに、タルブを目指して飛び立つ二人。
二つの航跡が遠大な仮想の弧を描いて、どこまでも伸びて行った。
922名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:04:02 ID:hOfbS7TI
支援
923名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:04:21 ID:hOfbS7TI
援助
924名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:04:34 ID:hOfbS7TI
助成
925男達の使い魔:2007/09/03(月) 23:04:47 ID:JWCV+C6t
支援!
そして次投下する!
926ゼロのアトリエ(6/9):2007/09/03(月) 23:05:10 ID:PzAljvDu
大きな風竜に跨ったワルドは、薄笑いを浮かべながらかつての祖国を蹂躙していた。
近くを、直接指揮の竜騎士隊の火竜が飛び交っている。
ワルドの誇る風竜はブレスの火力では火竜に劣るが、スピードで勝る。
指揮を執るならとあえて選んだ風竜であった。
「何でまたこんな村を焼く必要があるんだい?」
風竜の端から下を覗き込んだフーケが、不快感もあらわに問いかけた。
ワルドは眉をぴくりとだけ動かし、お優しいフーケを嘲弄するような態度で答える。
「ふん。本体到着前の露払いという面もあるが…一言で言ってしまえば、挑発行為だな」
「挑発行為?」
「そうだ。ただ漫然と上陸するだけではトリステインの奥に誘い込まれたり、対峙させられて時間を稼がれるかも知れん。
それならば、敵側を挑発して正面決戦を誘った方が時間的な効率がいい」
「そうかい」
ただの、レコン・キスタの戦略上の都合のためだけにこの村は焼かれ、灰燼と帰するのか。
フーケはそれ以上何も言わず、ただ、炎上する村をその目に焼きつけた。

昼を過ぎた。王宮の会議室には次々と報告が飛び込んでくる。
「タルブ領主、アストン伯戦死!」
「偵察に向かった竜騎士隊、帰還せず!」
「未だアルビオンより、問い合わせの返答ありません!」
それでも会議室では、未だ不毛な議論が繰り返されていた。
「やはりゲルマニアに軍の派遣を要請しましょう!」
「そのように事を荒立てては…」
「竜騎士隊全騎をもって、上空から攻撃させては?」
「残りの艦をかき集めろ!全部!全部だ!小さかろうが古かろうが何でも良い!」
「特使を派遣しましょう!攻撃したら、それこそアルビオンに全面戦争の口実を与えるだけですぞ!」
一行に会議はまとまらない。マザリーニも、結論を出しかねていた。
未だ彼は、外交での解決を望んでいるのであった。

生家の庭で、シエスタは幼い兄弟たちを抱きしめ、不安げな表情で空を見つめていた。
先ほど、ラ・ロシェールの方から爆発音が聞こえてきたのだ。
驚いて庭に出て、空を見上げると、恐るべき光景が広がっていた。
空から何隻もの燃え上がる船が落ちてきて、山肌にぶつかり、森の中に落ちて行く。
村は騒然とし始めた。しばらくすると、空から巨大な船が降りてきた。
雲と見まごうばかりの巨大なその船は、村人達が見守る中、草原に鎖のついた錨を下ろし、上空に停泊する。
その上から、何匹ものドラゴンが浮かび上がった。
「何が起こってるの?お姉ちゃん」
幼い弟や妹たちが、シエスタにしがみついて尋ねる。
「家に入りましょう」
シエスタは不安を隠して兄弟たちを促し、家の中に入った。
中では両親が、不安げな表情で窓から様子を伺っている。
「あれは、アルビオンの艦隊じゃないか」
父が草原に停泊した船を見て言った。
「いやだ…戦争かい?」
母がそう言うと、父が否定した。
「まさか。アルビオンとは不可侵条約を結んでいるはずだ。この前領主様のお触れがあったばかりじゃないか」
「じゃあ、さっきたくさん落ちてきた船はなんなんだい?」
艦上から飛び上がったドラゴンが、村めがけて飛んできた。父は母を抱えて窓から遠ざかる。
ぶおん!と唸りを上げて、騎士を乗せたドラゴンは村の中まで飛んできて、辺りの家々に火を吐きかけた。
「きゃあ!」
母が悲鳴を上げた。家に火を吐きかけられ、窓ガラスが割れて室内に飛び散ったのだ。
村が燃え盛る炎と怒号と悲鳴に彩られていく。
父は気を失った母を抱いたまま、震えるシエスタに告げた。
「シエスタ!弟たちを連れて南の森に逃げるんだ!」
927名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:05:53 ID:hOfbS7TI
声援
928名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:06:01 ID:hOfbS7TI
後援
929名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:06:06 ID:XgR7RDno
支援
930名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:06:08 ID:hOfbS7TI
救援
931ゼロのアトリエ(7/9):2007/09/03(月) 23:06:35 ID:PzAljvDu
会議室に怒号飛び交う中、アンリエッタは自らの服装を省みていた。
晴れの舞台にと用意されたドレスは、現状…まとまらない会議、放置された姫…とあいまって、
滑稽なまでに『お飾り』としてのアンリエッタを際立たせていた。
思わず苦笑が漏れる。お飾りを嫌い、できる限りの努力をしてきたつもりだった。
嫌な貴族にも高貴なる笑みで答え、勉強をしろと言われれば勉強し、結婚しろと言われれば…
誰よりも『姫』たらんと、責務を果たさんと望まぬ婚姻を受け入れ、
全ての『私』を犠牲にしてトリステインに尽くすつもりだった。そのはずだった。
だが現状はどうだ?そのトリステインを支えるはずの…アンリエッタがゲルマニアに嫁いだあと、
見事国を支えて見せるとアンリエッタの目の前で誓ったはずの重臣たちが、
アルビオンの裏切り一つで蜂の巣をつついたような大騒ぎだ。
そう、裏切り。自分でさえ理解できる裏切り行為が、彼らには何か別の意義ある行動にでも見えているらしい。
自分の知らない外交的な決まりでもあるのやもしれぬ、と、会議…怒鳴り合いを見守っていたアンリエッタだが、
話題が三巡し、四巡し…どうやら、彼らはどうにかして戦わない理由を探そうと躍起になっていることに気付く。
馬鹿馬鹿しい。明確な敵意を持って国土を侵略してきた国に使う外交的手段などあるものか。
せいぜい相手の要求を全て受け入れ、隷属でも誓約するか。二度と逆らわないと誓い、お姫様でも差し出して…

そこまで考えが至った時、アンリエッタは思わず重臣達を見渡した。
そう、戦争を外交的手段で避けるということは、そのような選択肢もありえるということだ。
普段アンリエッタに向かって誇らしげに国家を語り、国家のために死んで見せると簡単に吐き散らしたこの者たちが…
民草のためという言い訳を用意して、自らの保身のためにアンリエッタを差し出す。
「タルブの村、炎上中!」
その急使の声にはじかれるように、アンリエッタは音を立てて立ち上がった。一斉に重臣達の視線が注がれる。
アンリエッタは大きく深呼吸すると、わななく声で言い放った。
「あなたがたは、恥ずかしくないのですか」
「姫殿下?」
「国土が敵に侵されているのです。同盟だ、特使だと騒ぐ前にすることがあるでしょう」
「しかし…姫殿下…、誤解から発生した小競り合いですぞ?」
「誤解?どこに誤解の余地があるというのですか?礼砲で艦が撃沈されたなど、言いがかりも甚だしいではありませんか」
「我らは、不可侵条約を結んでおったのですぞ。事故です」
「条約は紙より容易く破られたようですわね。もとより守るつもりなどなかったのでしょう。
時を稼ぎ、虚をつくための口実にすぎません。アルビオンには明確に戦争の意思があって、全てを行っていたのです」
「しかし…」
アンリエッタはテーブルを叩き、大声で叫んだ。
「わたくしたちがこうしている間に、民の血が流されているのです!彼らを守るのが貴族の務めなのではありませぬか?
我らは、なんのために王族を、貴族を名乗っているのですか?このような危急の際に彼らを守るからこそ、
君臨を許されているのではないですか?」
誰も、何も言わなくなってしまった。アンリエッタは冷ややかな声で言った。
「あなたがたは、怖いのでしょう。なるほど、アルビオンは大国。反撃を加えたとして、勝ち目は薄い。
敗戦後責任を取らされるであろう、反撃の計画者にはなりたくないというわけですね?
ならば、このまま恭順して命を永らえようというわけですね?」
932ゼロのアトリエ(8/9):2007/09/03(月) 23:07:52 ID:PzAljvDu
「姫殿下」
マザリーニがたしなめた。しかし、アンリエッタは言葉を続けた。
「ならばわたくしが率いましょう。あなたがたは、ここで会議を続けなさい」
アンリエッタはそのまま会議室を飛び出ていった。
マザリーニや、何人もの貴族が、それを押しとどめようとした。
「姫殿下!お輿入れ前の大事なお体ですぞ!」
「ええい!走りにくい!」
アンリエッタは、ウェディングドレスの裾を、膝上まで引きちぎった。
引きちぎったそれを、マザリーニに投げつける。
「あなたが結婚なさればよろしいわ!」
宮廷の中庭に出ると、アンリエッタは大声で叫んだ。
「わたしの馬車を!近衛!参りなさい!」
聖獣ユニコーンが繋がれた、王女の馬車が引かれてきた。
中庭に控えた近衛の魔法衛士隊が、アンリエッタの声に応じて集まってくる。
アンリエッタは馬車からユニコーンを一頭外すと、ひらりとその上に跨った。
「これより全軍の指揮をわたくしが執ります!各連隊を集めなさい!」
状況を知っていた魔法衛士隊の面々が、一斉に敬礼する。
アンリエッタは、ユニコーンの腹を叩いた。
ユニコーンは、額から突き出た角を誇らしげに陽光にきらめかせ、高々と前足を上げて走り出した。
その後に、幻獣に騎乗した魔法衛士隊が口々に叫びながら続く。
「姫殿下に続け!」
「続け!後れをとっては家名が泣くぞ!」
次々に中庭の貴族たちは駆け出していく。城下に散らばった各連隊に連絡が飛んだ。
その様子をぼんやりと見つめていたマザリーニは、天を仰いだ。
どのように努力を払おうとも、いずれアルビオンとは戦になるとは思っていたが…。
未だ、国内の準備は整っていないのだ。彼とて、命を惜しんだわけではない。
彼なりに国を憂い、民を思ってこその判断だった…と、自負している。小を切っても、負ける戦はしたくないのであった。
しかし、姫の言う通りであった。彼が傾注した外交努力は既に泡と消えていた。しがみついて何になろう。
騒ぐ前に、すべき事があったのだ。
一人の高級貴族が、マザリーニに近づいて耳打ちした。
「枢機卿、特使の派遣の件ですが…」
マザリーニはかぶった球帽をその貴族の顔に叩きつけた。
アンリエッタが自分に投げつけたドレスの裾を拾い、頭に巻いた。
「おのおのがた!馬へ!姫殿下一人を行かせたとあっては、我ら末代までの恥ですぞ!」
933名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:08:44 ID:hOfbS7TI
応援
934名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:08:51 ID:hOfbS7TI
声援
935名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:08:58 ID:hOfbS7TI
後援
936名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:09:02 ID:XgR7RDno
支援
937ゼロのアトリエ(9/9):2007/09/03(月) 23:09:00 ID:PzAljvDu
「そろそろこの辺りのかたはついたな。後を頼む」
ワルドはそう言い残すと、フーケに向かって不気味な笑みを浮かべ、
空を飛べる部隊員を引き連れ、フーケに後を託して、残存するトリステイン竜騎士隊の掃討のために飛び立った。
「後を頼む…ねえ」
ワルドが消えた後、ワルドの指揮下にあった急造の寄せ集め部隊のそのまた残りカスは一気に統制を失い、
人気のない周辺の民家に押し入ると、そこに残された金目の物、甚だしきに至っては野菜や穀物まで持ち出し、
抜け目なく荷車まで盗み出してせっせと運び始めた。そして…その後の指示さえ、ワルドは残して行かなかった。
後を頼むと言われても、これで一体どうしろと言うのか。
それに、何だかさっきから妙な焦燥感が脳裏をかすめてならない。あの、ワルドの不気味な笑み…
その正体が何なのかつかみかねて、フーケは燃え上がる民家をよそに、じっと思考の海に沈んでいたのだが…
「なあ、いくらなんでも全部焼く事はねえんじゃねえの?」
「なあに、勝った後に何もかもトリステインのせいにすりゃいいのよ」
略奪に加わった兵士のその言葉を聞いた瞬間、フーケの脳内で全ての事象の糸が繋がった。
ワルドは…もしかしたらレコン・キスタは、その罪を全部私に負わせる気だ。
わざわざ私を風竜に乗せて連れてきたのも、全てはそのため…
土くれのフーケという元盗賊がごろつき兵どもを扇動し、略奪行為を行わせたという捏造のため。
勝利の後、フーケに罪を着せて処断する事で彼ら自身の『公正さ』でもアピールするつもりか。
まずい。あまり考える時間は残されていない、どうする、どうする…
自らの危機に思わず爪をかんだフーケに天啓を与えたのは、やはり無防備に放たれた兵士の会話だった。
「なんだ、もう何もねえな。本陣戻るか…」
「ちょっと待った。村の平民どもはどうやら森の方にいるらしいじゃねえか」
「らしいが、どうした?」
「肌身離さず持ってる貴重品…あるだろ?」
「おお、お前頭いいな」
「へへへ…ココの出来が違うのよ」
これだ。フーケの名を上手く使えば、一気に逆転の目が見えてくる。 
今まで貴族だけを狙ってきたのは単なる趣味の問題であり、また貴族の方が物を持っていたからだ。
だが幸いにして平民の物は何一つ、パンの一つさえ奪ってはいない。ここで…
村に火を放ち、略奪をし、その上逃げおおせた村人に害をなそうとする『貴族』を相手に大立ち回りでも演じてやれば…
『土くれのフーケ』の評価が、変わってくる。少なくとも生き残った村人が肯定的な証言をしてくれるだろう。
たとえ平民でも、証言は証言だ。
その後、フーケの真の名…マチルダ・オブ・サウスゴータの名を使って上手く立ち回れば…
わずかな、そして実現不可能かと思えるほどの微かな希望だが、とにかく目指す方向は決まった。
ワルドの、そしてレコン・キスタの薄汚いシナリオを大幅に修正してやろう。
「今までと何一つ変わりゃしない…気に入らない腐れ貴族の滑稽な顔を見てやるとするさ」
フーケ…いや、マチルダ・オブ・サウスゴータは、未来に確かな希望の光を見て、一歩を踏み出した。
まるで太陽に祝福されたかのように、その背後に傾き始めた陽を背負って。
938名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:09:14 ID:hOfbS7TI
救援
939名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:10:18 ID:hOfbS7TI
支援
940男達の使い魔:2007/09/03(月) 23:10:32 ID:JWCV+C6t
ちょっと申し訳ないが、多少長めなので、
次スレで投下させていただきます
941名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:10:39 ID:hOfbS7TI
声援
942ゼロのアトリエ:2007/09/03(月) 23:10:58 ID:PzAljvDu
投下おわーリ
943名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:11:21 ID:XgR7RDno
支援
944名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:12:06 ID:hOfbS7TI
ごっちゃんです。
945名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:12:35 ID:20B0MUY3
GJしたー。
946とき0:2007/09/03(月) 23:12:52 ID:XQSghluf
乙です。
男達の使い魔さんに代わって、十五分頃に投下いたします。
947男達の使い魔:2007/09/03(月) 23:13:30 ID:JWCV+C6t
ニーシュ支援!
948名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:16:27 ID:hOfbS7TI
ちょっちフライングだが次スレを立てた。

あの作品のキャラがルイズに召喚されました part51
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1188828905/


とき0様は後顧の憂い無く存分に投下を!
男達の使い魔様は新スレで存分に投下を!
949名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:17:27 ID:xEYpD32N
>>948
950とき0:2007/09/03(月) 23:17:30 ID:XQSghluf
世界征服路ロボが世界征服ビームにより出来上がった地面の凹みに膝を落とした。クロムウェルが手馴れた動作でコクピットに乗り込むと、世界征服ロボの左肩突起部分が開口し、無数の穴が姿を現した。その全てが独裁ミサイルの射出口である。
紫煙を撒き散らしながら、次々と独裁ミサイルがぼくを目掛けて発射され、着弾する度に閃光と轟音を放った。金属片や石くれが空気を劈いて、ぎりぎりのところでミサイルをかわし続けるぼくを襲い続ける。攻撃に転じる暇も無い。ぼくの衣服はずたずたに切り裂かれていった。
おまけに砂埃や白煙が辺りを覆いつくし、ぼくの視界を不明瞭にしていった。
そのせいで、襲来するミサイルの確認が非常に困難だ。
「相棒。あのゴーレムは弾切れってもんを知らないのかい?かれこれ、百発は撃っているように思うんだが」
「独裁ミサイルの残弾数は常に無限だよ」
「…おかしいだろ、それ」
「ぼくに言うなよ。あのロボットの中身は完全にブラックボックスなんだ」
「そんなやつに勝てるのかい?」
「勝てるか勝てないかなんて、関係ない。勝つんだよ」
厚い白煙が立ち込め、いよいよぼくの視界がゼロになった時、ようやくミサイル攻撃が止んだ。ぼくの生死を確認するつもりなのだろう。
ぼくは頭上に構えたデルフリンガーを高速で振り下ろし、突風を巻き起こした。風圧に吹き飛ばされた白煙が縦に割れ、視界が一気に開かれる。
ぼくは、世界征服ロボに向かって跳躍した。
「早乙女…。お前の技を借りるぞ」
ぼくは悪友の名前を口にした。
「いくよ、デルフリンガー!」
「おう!」
瞬時に仏界から不動明王を召喚したぼくは燃え滾る熱き闘魂をデルフリンガーに注入した。
「くらえ!不動明王唐竹割り!!」
渾身の力を込めたこの技で世界征服ロボを袈裟切りにするつもりだった。だけど、悲しいかな、世の中、思うようにいくことなんて滅多に無い。
951名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:18:56 ID:XgR7RDno
アトリエ乙!
相変わらず雑談がピタリと止んで皆黙々と支援するのはいっそ不気味にすら思える程
これが人望?
>>948乙!
そしてとき0支援
952名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:19:17 ID:hOfbS7TI
支援
953名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:20:02 ID:hOfbS7TI
支援
954とき0:2007/09/03(月) 23:20:09 ID:XQSghluf
「いてぇぇぇぇぇえ!」
さっきまで長剣だった物が悲鳴を上げる。非常に辛いことだけど、デルフリンガーの刀身が根元から折れてしまったのだ。もはや、剣ではない。
どうやら、ぼくは紐雄さんを侮っていたようだ。セカイセイフク二ウム合金がここまでの硬度を誇るとは思いもしなかった。
「…必殺技がこうも簡単に敗れてしまったら、にっちもさっちもいかないな」
「いてて。で、どうするんだい?」
デルフリンガーの声は、実に不機嫌そうだった。ぼくのせいで、彼は半身を失ってしまったのだ。それも当然のことだろう。
しかも、困ったことに刀身が無いため鞘に収めることすらかなわない。ぼくは柄だけになってしまった可哀想なデルフリンガーをポケットにしまいこんだ。
「精霊の三原色は使わないのかい?」
「世界征服ロボは、光の精霊のマナを感知すると、自動的にステルスモードに切り替わる」
「それが?」
「前にも言ったろ?色素破壊は可視たる存在にしか効果が無い。見えない存在には手も足も出ないんだよ」
「相棒の奥義も万能というわけじゃなかったのか」
「世の中、万能なものなんてないよ」
「目の前のゴーレムもかい?」
ぼくは頷く。そう、こいつにだって必ず弱点はあるはずだ。
しかし、それを考察する暇もない。世界征服ロボが執拗に服従パンチを繰り出すためである。音速を超える拳は白い巨大な柱にも見える。
それが連続的に地面を貫き、次々と地形を作り変えていくのだ。いやはや、地獄絵図としか例えようが無い。ぼくはただただ逃げ惑うしかなかった。
「相棒。後ろから変な音が聞こえる」
「後ろ?」
振り返ると低空を飛行しながら、バンクするゼロ戦の姿がぼくの目に映った。ぼくに向かってまっすぐ飛来してくる。
「まさか…」
ぼくがそう呟いたときには、ゼロ戦はもう目の前に迫っていた。
考える暇もなく、ぼくは反射的にゼロ戦の右翼に飛び移った。こいつ、なんて真似をさせるんだ。
955名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:20:38 ID:hOfbS7TI
声援
956名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:21:45 ID:hOfbS7TI
二正面作戦で支援
957名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:21:44 ID:lzYe8Rb0
銀河番長支援
958名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:22:26 ID:hOfbS7TI
二正面作戦で支援
959名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:22:55 ID:XgR7RDno
もう生半可な事では驚くまいと思っていた。
仏界から不動明王を召喚とか普通に書かれて吹いた
支援
960とき0:2007/09/03(月) 23:23:37 ID:XQSghluf
風防を空けると、パイロットのきら校生には有無を言わせず、半ば強引にその中に転がり込んだ。ゼロ戦のコクピットは二人乗りには出来ていない。男同士の押し競饅頭は始めての経験だったけど、どちらかと言えば、正直、不快だった。
最近までガンダールヴだったぼくと、現在ガンダールヴを担うサイトの邂逅である。
「あんた、小波だろ?良かった、生きてたのか。ルイズが喜ぶよ」
青年は快活さを感じさせる爽やかな声で言った。
「きみが今のガンダールヴか?」
「ああ、おれは平賀 才人。あんたと同じきら校生だ」
「ぼくは小波。小波 公だ」
「よろしくな」
サイトはそう言うと、ぼくに向かって握手を求めた。しかし、ぼくの顔を認めると、彼の笑顔があからさまに凍りついた。そして、ぼくの姿を舐めるように見つめた後、そっと眉をひそめた。

「あんた、主人 公(あるひと こう)じゃないか…?」
961名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:24:19 ID:hOfbS7TI
二正面作戦で支援
962名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:24:38 ID:lzYe8Rb0
>>959
さらに、こいつには「真不動明王唐竹割り」なる技があるんだよ、支援。
963名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:24:58 ID:LSQ/46qr
ぬしびとじゃないのか支援
964とき0:2007/09/03(月) 23:25:19 ID:XQSghluf
投下終了です。ご支援ありがとうございました。
965名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:25:19 ID:ZDCj9iQg
本名キタコレ
つーかなんと言う当て字支援www
966名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:25:38 ID:XgR7RDno
支援
967名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:26:55 ID:4lSSfEkq
これはよい主人公
968名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:28:04 ID:+MgM4YqL
もうこれ以上の投下はなさそうだし埋めようか
969名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:28:48 ID:LmYPjW+S
ら、らめえぇ!
って実在する人物だったのか…
970名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:30:24 ID:cGs5Oks5
埋める……? 埋めるでぇ!!
971名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:31:25 ID:+N3MD8f2
>>970なら
スタジアムの大天井より高く飛び上がり素手でコンクリに罅を入れる男
キャプ翼5よりアルシオンくん現る。ラ・オルケスタで七万人を突破して指揮官にスターバースト「砕け散れぇ!」
972名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:31:40 ID:hOfbS7TI
>>999なら銀河鉄道999召喚

永遠のおっぱいを求めてルイズが旅立つ
973名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:32:00 ID:9HM+oG66
しっかり三巻に出ておるわ!
みさくら語を叫んで死んだわけじゃないからインパクトはまったくないが。
974名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:33:34 ID:+N3MD8f2
>>980ならポーランドのジャイッチくん召喚。
虚無の長い詠唱で出来る隙をローリングセーブでカバー
975名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:36:53 ID:Mz83MXcJ
ってか、平日のスレ1個が1日で埋まるって
976名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:37:08 ID:vRSlwy1u
タバサがフラミーを召還。 
マナの聖地を目指す。
977名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:37:47 ID:hOfbS7TI
>>975
まあ一本のSS投下に対してその数倍の支援が付いてくるからねえw
978名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:38:40 ID:ncShPFOr
1000なら修羅の門連載再開
979名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:39:05 ID:kRI0FfqX
それでも夏休み終わり明けだけあって、投下少ないきがする・・・
980名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:39:19 ID:cGs5Oks5
>>1000なら「私に良い考えがある」なトランスフォーマーロボットティーチャーや、
飴をやろうな金髪ロリ吸血鬼生徒、12歳の魔法先生、触覚付きの8歳教師などがごった煮の
リオフレードマジカルアカデミー召喚。リオフレード島ごと。
981名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:40:20 ID:MdeN3UzT
>1000ならマテリアル・パズルのドルチル召喚
982名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:41:32 ID:4FTX0oql
>>1000なら夏厨どもが召還されてあぼーん
983名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:41:59 ID:znp9uGsK
1000なら京都編後の天剣の宗次郎召喚
984名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:43:11 ID:lzYe8Rb0
支援する人もがんばっているスレだよな。

>>995ならケンイチより新島召喚。
戦わない使い魔現る
985名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:43:27 ID:l2a/vJYa
>>1000なら怪奇警察サイポリスから鬼塚勇気召喚
長編で鬼の主人公ってまだいないよな?
986名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:44:27 ID:unOVBYXa
>>985
アレは面白かったのに途中で終わって残念である
987名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:44:36 ID:cGs5Oks5
>>1000
ならナイトクォーターズ召喚
988名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:44:49 ID:hOfbS7TI
>>1000なら花咲天使テンテンくん召喚


でもやっぱり虚無のサイダネは無い。
989名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:45:49 ID:MdeN3UzT
>990ならマテリアル・パズルのドルチル召喚
990夜明けの人:2007/09/03(月) 23:46:03 ID:5k5eRO7x
>>980
な、なぜ二話のプロットを知っている――!
明後日くらいには一話クライマックス投下したい……
991男達の使い魔:2007/09/03(月) 23:46:18 ID:JWCV+C6t
>>1000
なら男爵ディーノとふんどしで長編を一本書く!
992名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:47:08 ID:uS2uaPZG
1000なら
北斗4兄弟
993名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:47:54 ID:MdeN3UzT
>1000ならマテリアル・パズルのドルチル召喚
994名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:48:07 ID:RyF8bd3f
>>1000なら郭 海皇召喚
995名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:48:30 ID:lzYe8Rb0
>>1000なら、ギルギアよりファウスト召喚。
996名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:48:32 ID:4q+xlJyf
>>1000なら土管君と操縦する人が召喚される
997名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:48:35 ID:HYMw8+/D
>>1000ならOUTER HEAVEN召喚
998名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:48:40 ID:cGs5Oks5
>>990
え……マジで?(汗

そして1000ならムシウタbugより一之黒 亜梨子or花城 摩理召喚。
デルフリンガーとあわせて槍&剣の初代ガンダールヴに。
999名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:48:44 ID:DncwyPVT
1000ならMASTERキートンの平賀・キートン・太一を召喚。
1000名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:48:51 ID:ZsU1wt6A
>>1000ならルイズの右手はゴッドハンド
1001名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 23:48:52 ID:DUop9UbZ
1000ならバイド召喚
R-9シリーズが追ってくる
10021001
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。