1 :
名無しさん@お腹いっぱい。:
エマージー・マクスフェルはHOLY隊員である。
彼はある日、噂となっていたネイティブアルターと(永住権欲しさに)戦うが、無様に敗北。
挙句の果てに海に転落してしまう。
もう何日経ったか分からない。
エマージーは何とか生きていた事をうれしく思ったが、反面不安に駆られていた。
あのネイティブアルターに負けた事で、市街の永住権はパーになってしまった。
下手をすると、あの橘あすかのようにHOLY除隊すらありうる。
……考えてもしょうがない。エマージーはその考えを振り払った。
それにしても、ここはどこなのだろう。
2 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/18(水) 01:19:19 ID:ZNixCbFz
『とりあえず動いたほうがよさそうですねぇ。』
……手が何かに当たった。
足もなぜかこれ以上動かない。
というか、起き上がる事も出来ない。
……否。『起き上がるスペースが無いのだ』
3 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/18(水) 01:27:03 ID:ZNixCbFz
手でノックをしてみると、なんだかやわらかい。
クッション製の生地でも使用しているのか。
『……く開けてみろよ』
『あせるなよ……』
どうやら、自分は何かの箱に閉じ込められていたようだ。
扉が軋んだ音を上げて開くと(強引にこじ開けた)、ようやく立ち上がることが出来た。
日の光がまぶしい。
4 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/19(木) 18:56:42 ID:Dcx9+/LN
続きはまだかな?
5 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/20(金) 00:02:27 ID:phd0o8xi
>>4 読んでる人がいて嬉しいので書きます
外へ出ると、目が文字通り点になっている屈強な男たち。
当然だろう。密閉された箱の中から人が出てきたのだから。
気味悪がった男たちは、エマージーを全身全速で陸地まで送ると、そのまま海へ出て行ってしまった。
一言もしゃべってくれなかったので、言い訳もできなかった。
6 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/20(金) 00:50:36 ID:phd0o8xi
「……ここはどこなんでしょう」
暑い。
少なくとも、エマージーの故郷ロストグラウンドではない。
仕方が無いので、日陰で休んでいる小さな老婆に話しかけてみた。
「申し訳ありません、ここは一体何処か教えていただけますか?」
その声を聞いたとたん、老婆は驚いたかのように顔を上げた。
そして、とたんに落胆しうつむいた。
エマージーは自分の顔に何か付いているのかと思ったが、何も付いていないようだった。
「どうやらワシの占いは間違っていたようですじゃ」
「はぁ。私でよければ話を聞きますが」
「旅のお人。ワシは今日、ここでこの世を支配するお方と出会うつもりだったのですじゃ」
7 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/20(金) 23:35:27 ID:66A7yWP6
世界を支配する……この老婆はボケているのだろうか。
「そのお方は、DIO様といわれる。間違いなくこの世を支配できるッ!そんなお方なのじゃ」
「で、おばあさんは今日ここにそのDIOという人物が来ると。そういうことですか」
「そのとおり。ワシは望みはDIO様の支配する世を見ることッ!その為にはDIO様の手となり足となる覚悟は出来ておるのですじゃッ!」
どうやら、そのDIOとやらは相当な男のようだ。
老婆とはいえ、これほどの狂信者をつくるのだから(実際存在するかは分からないが)。
8 :
名無しさん@お腹いっぱい。:
「はぁ。……あぁ、そうそう、忘れるところでした」
ぽん、と手を叩くエマージー。
「ここは一体なんと言う所でしょうか?良かったら教えていただきたいのですが」
「アスワンですじゃ」
「……申し訳ありません。もう一度お願いします」
・・・・
「エジプトのアスワン」
……日本は、どうやら遥か遠くのようである。