Rozen Meiden ローゼンメイデン SS総合 8
どうぞ。
↓
3 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2006/11/30(木) 04:30:17 ID:JG1MorBm
はぁ?
/´...:...:..:..:..:.::::::::::::::::::::::::::`丶、
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(´ L ―――--...,,,_:::::::::::::::::::::::::`ヽ、_
ヽ、__,ィ´::::::/:::/:::l:::::::|:::、:::::ヽ ̄¬、__::::::::::::/
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l::l:::l:::::|-r‐ト| !::::K-‐、::―ヽ:::|::::::ノ::|
リ:::|::::l::!l::::| ! ヾ、!ヽ,.::ヽ_;;::_`ー/‐':!
!::|::::|::YTヽ ヽ r'i´ リ:::|/゙}/ソ
l:ハ:::!从 ト_j ゝー;'!::/:!ノ ' ローゼンメイデン第4ドール蒼星石が
! ヘ:{ヽト、""_..'_ ""ノ:::ノハ:{
>>4ゲットです・・・・・・
ヽ `/´__`ヽィ´/ ' `
、_,/ .../;;;;;;;;;ヽ..ヽ`ー- 、_
,_/アュ、ヽ;;;;;;;;;;| r-、 j!`ト、
ノ`ー'、フ ...` ̄´f、ヽ_>、 ノ!r':::::ヽ
/:| 。ヘ`ー-ri´r'´ ∨ン::::::::::::\
__,,.イ´:::! 。│/!} {!:| f、。 ゙、::::::::::::::::::::\
⌒ヽ._| 。 j/::|、_j|:| } 。 、 ゙、:::::::::::::::::::::
「ヽー7ヽ」ー‐'t_rtゝ、。 ヽ ヽ、::_,,r-‐
` ̄´/::::l><l⌒:::ヘ  ̄´ ノ `
>>1さん、乙です!
>2わ師の鋏は、翠星石の如雨露と対になってます。
>3んな元気でなによりです。
雛いち>5は無邪気だなあ。
ジャ>6君、じゃなかったジュン君・・・・・・
か>7りやは、おっちょこちょいだなあ。
翠星石、もっと>8っきりジュン君の気持ち受け止めたら・・・・・・
真>9はあいかわらずわがままだなあ。
水銀>10はああみえて愛情に飢えてるんだ。
>>11-1000は、ローゼンメイデンこれからもよろしく。
何があったんだ?
6 :
真紅・激闘編:2006/12/03(日) 19:39:30 ID:y4wY01iI
圧倒的な力の差だった。
真紅は水銀灯に叩きのめされ床に這いつくばっていた。
(もうダメなのだわ・・・)
水銀燈はニヤニヤといじわるな笑みを浮かべ真紅の頭を足蹴にしている。
真紅は床に倒れこんだままジュンの方を見た、なぜか意味のない言葉が湧いてくる。
(なのだーわ)
知らず知らずのうちに呪文のように心の中で唱える。
(なのだーわ!)
体に力が戻り、気力があふれてくる。
「なのだーわ・・・」
水銀燈がギョッとして一歩下がる。
「なのだーわ!!」
真紅は立ち上がり水銀燈をにらみつける。
(もう私は負けない!この言葉があるかぎり!)
「なのだーわ!!なのだーわ!!」
真紅は突進し、握り締めたコブシを叩きつける。
ポクッ!ポコッ!ポコン
水銀燈には全く通用しなかった。
再び叩きのめされた真紅の前にジュンが割ってはいる。
「ごめんなさい!!許してください!!お願いです!」
ジュンは必死に水銀燈に土下座し慈悲を請う。
「そうねぇ・・・今日のところは許してあげるわぁ」
水銀燈は悠々と飛び去っていった。
ちょっとドキドキした。
大食いの戦いの為に作られた人形……フードファイトメイデン。
勝利を重ねた物だけが許される称号「アリス」を求め、大食い少女達は戦っていく…!
ラプラスの魔「ではこれより真紅と翠星石の戦いを執り行う……」
ざわ…ざわ…。
ラプラスの魔「ルールはいたってシンプル。30分のうちにより多く食べた物が勝者となる」
ジュン「メ、メニューは一体何なんだ?」
ラプラスの魔「では本日のフードファイトメイデンの胃の中に吸い込まれていくメニューは…こちら」
目の前に30本ほどのポッキーが置かれた皿が登場した。
ジュン「ポ、ポッキーだって!?それじゃ翠星石が圧倒的に有利じゃないか!あの性悪人形…何か仕組んだな!」
ラプラスの魔「お飲み物として、こちらに紅茶のオレンジペコーをご用意しております…もちろん、これはいくら飲んでもカウントされません」
ジュン「いくら真紅の好物の紅茶があるからって、メニューがポッキーじゃ圧倒的に不利だ!くそッ…」
ラプラスの魔「では両者は準備を……」
ジュン「真紅……」
真紅「大丈夫よ、ジュン。私は負けたりなんかしないわ」
翠星石「(クックック…真紅よりも翠星石の方が凄いという事をチビ人間に分からせてやるですぅ)」
真紅と翠星石は、静かに椅子に座り、目の前のポッキーを見つめている。
ゴウゥゥゥウウゥゥゥゥン!!!!
大きな銅鑼が鳴り響いたと同時に、戦いはスタートした。
ジュン「真紅ー!頑張れえぇー!!」
翠星石「くっ…あのチビ人間、真紅ばっかり応援して…!今に翠星石の凄さを分からせてやるですぅ!」【5】ピッ
真紅「バリッバリッポリポリッバリッ。ズズー…。くっ、この紅茶、全然熱くないじゃない…!せっかくの葉が台無しだわ…」【5】ピッ
両者共に5本ずつポッキーを口に含んでいく。
翠星石「んふふふ美味しいですわね(ポリポリ)紅茶なんて(ポリポリ)飲まなくても(ポリポリ)全然楽勝ですぅ〜(ポリポリ)」【45】ピッ【60】ピッ
真紅「くっ……はぁ……ハァ……………」【30】ピッ【45】
そう、一見差はなさそうに思えるが、紅茶で流し込んでいる真紅。そうでない翠星石、この差は明らかに大きかった。
翠星石「ヒッヒッヒ(ポリポリ)見てるですか(ポリポリ)チビ人間(ポリポリ)真紅より翠星石の方が凄いのですぅ〜(ポリポリ)」【105】ピッ【135】ピッ
真紅「はぁ……くっ…せめて紅茶が……熱くて……美味しければ………!」【75】ピッ【85】ピッ
差が開いたまま、時間は過ぎていく。
ジュン「くそッ…!真紅うううううぅぅぅ!!!頑張れえええええぇぇぇぇぇ!」
真紅「ジュン…!!そう…だわッ、私は、こんな所でッ…負けられないのだわ!!!」【240】ピッ【270】ピッ
なんと、真紅は一気に10本を掴み取り、口に運んでいった。
ラプラスの魔「ほう……」
ジュン「なっ、10本!?無茶だ真紅!5本でもギリギリなのに…」
翠星石「ぐうううぅぅぅ…えぇい、真紅ぅぅぅ!!!」【415】ピッ【450】ピッ
真紅「ババババババズズズズズズズズババババババババババズズズズズズズ」【420】ピッ【490】ピッ
翠星石「ポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリ」【535】ピッ【570】ピッ
真紅は10本を口に含み、一気に紅茶で流し込む。一方翠星石は5本ずつ食べていく。少しずつ差は縮んでいった。
ジュン「真紅うううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」
ビィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!
ジュン「時間だ!……結果はッ!?」
真紅【990】 翠星石【990】
ラプラスの魔「おや、これは……」
ジュン「引き……分け…」
真紅「いいえ、私の、」
その時、翠星石の手から、ポッキーのチョコのかかっていない部分が零れ落ちていった」
真紅「勝ちなのだわ」
ジュン「やった……!!」
翠星石「くうううぅぅぅ…なぜ、なぜ翠星石の好物のポッキーでも勝てないですか…!」
真紅「翠星石」
.ィ/~~~'~~~' 、
、_/ /  ̄ ̄`ヽ}
,》@ i(从_从.卯. ))
||ヽ|| ゚ - ゚ )..| 私の胃袋は宇宙なのだわ
|| 〈iミ'' 介 ミi〉|
≦ ノ,ノ ハ ヽ、≧
テ ` -v- --v-' テ
『みっちゃん と かなりあちゃん』
かなりあちゃんはみっちゃんが大好きでした。
卵焼きご飯に、卵焼きおやつ、卵焼きお夜食なんかも
みっちゃんは作ってくれるのです。
「みっちゃんって、すごくすばらしいのかしら」
「かなのためだったら、なんだってしちゃうんだから」
小さな丸いテーブルを囲み、みっちゃんもかなりあちゃんも
とても幸せな日々を送っていました。
でもある日、突然みっちゃんは帰ってこなくなってしまいました。
「どうしたのかしら!どうしたのかしら!」
かなりあちゃんはひどくしんぱいしました。
もう午後11時なんです、いつもなら帰ってきてたっておかしくないのに。
時計の針だけが、逃げたり追い抜かしたりをくりかえして、
心配だけが机の上につみかさなっていきます。
「さがしにいくかしら、ピチカート」
おとものピチカートといっしょにかなりあちゃんは出かけていきます。
雪がちらつく午前1時、かなりあちゃんのくつ音だけがろうかにひびきます。
ピー。留守録の発信音が部屋に響きます。
『こちら警察のものです。どなたか、ご家族の方いらっしゃいませんか?
みつ様が、事故にまきこまれ、いま…』
12月の風はかなりあちゃんのほほを平手でぱちんとうちます。
あっというまに真っ赤になったかなりあちゃんのほっぺ。
でも、ここで立ち止まってはいられません。
みっちゃんはこの寒空の中、きっとどこかで寝ちゃっているのです。
「ほら、毛布ももったし、準備万端よピチカート」
右手でかさを左手で毛布をもったかなりあちゃん。
10キロも、20キロも、空を飛び続けていました。
真っ暗闇の中にみっちゃんの顔を浮かべながら。
「みっちゃん、どこかしら・・・・どこかしら」
夜の空はかなりあちゃんの体力をようしゃなくうばっていきます。
ピチカートもなんとかかなりあちゃんを暖めようとしますが、うまくいきません。
じわりじわりと、かなりあちゃんのねじは止まりかけていってるのです。
そして、とうとうかなりあちゃんは、空を飛ぶのをやめてしまいました。
大きな川の土手にその身を沈めます。
「ピチカート、ちょっとつかれちゃったのかしら・・・
少しだけねて、おきたら、またみっちゃんを探すのよ」
ピチカートはねちゃだめ!となんどもジェスチャーでかなりあちゃんに訴えかけます。
でも、かなりあちゃんの目はうっすらと閉じかかっていました。
みっちゃんに渡す為にもってきた毛布にくるまり、ごろんと横になります。
対岸では、いくつもの赤色燈が光っています。
雪と混じり桃色に輝いたそれは、かなりあちゃんと誰かをつなぐ
小さな架け橋となってくれたようです。
そっとなにかが、かなりあちゃんのほっぺにふれます。
「・・・・みっちゃん、ようやく会えたのかしら・・・」
そして、かなりあちゃんのねじは、とまりました。
10 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2006/12/11(月) 20:55:58 ID:MUbwnKM1
11 :
Reiner Rubin:2006/12/11(月) 21:21:32 ID:QgcVlXdY
{:::.:::.:::>.::´ ̄ヽ、 ,. -一 ヽ_
,. -┘.:::.:/:.:::.:::.:::.:::ノ::.Y:;___.:.:./.:.:.:.:.ヽ
(.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:;:、;:;∠二:.ヽ`ヽ.:.:.:.:.:.:.:、
):.:::.:::.:::.:::.:::.; '´ //〈.:.:.:.:\ \.:.:.:.:.:.:.::ヽ-へ
r''".:::.:::.:::.:::.:::/ / / / ハ `ー‐┐\ ヽ:.:.:.:.:.:.:ノ=ニ):\
{ ::.:::.:::.:::.:::.; ′ / | {_:.:.:.ヽ ヽ:.:.:.(二`V/^):、
 ̄つ.:::.::/ / ,′ | |  ̄ヽハ. i.:.:.:.:.`i!ヽ.!_/:./
(:.:::.:::.::!l! l i |l! | ノ:.:.| |:.:.:.:.:.:||:.ト、;:ノ
`7:.::|l| | ハ ;'| し-、| |:.:..:_ノ.|.:| |
ヽ|H | | l__, / | / / ノ|/:.:ん. l |:.| |
|l!ヽ. 代「 ヽ. , / `ト、/! ,イ. く:.:/:.; -┘| L」 !
| l N.--ミ ヽ/ソ _レ'´ lメ // |/ | | | 新スレ乙なのだわ
| ! |l,ィ^h.、 ´ ̄ ヽ 1 | | | |
| !( { { | | ' _, """ ノ!| | | | |
!.| |_\ ヽ、 _,. <._| ! |ヽ. | | |
!/〈.:.:.Y_>、 }、 ̄´;:;:;:;:;:;://| |:.:.::', l l |
ム-レく.:.:.:_}ノ:@;:ニ、;:;:;//;:;! 、|:.:.:.:.:L_ ! ! |
_,.∠=ニ〈:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ニ V;〈〈_;/| ヽ:.:.:.:.:.:L_l ! |
`ーニ二_‐ヘ.:.:.:.:.:.:.:.:(゙こ /'^ヘ V:.:\ \:.:.:.:.:{! | !
<:.:.:. ̄} .:.:.:.:.:.:.:`} ノ:.:..:.ハ V:.:_>- ヽ.:.:.:.} | i
|_>'7.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:Y.:.:.:.:.:.:.:.::.:>'" /:.:r‐'´〉、 i
14 :
M氏:2006/12/12(火) 00:37:42 ID:MoyV9Spx
15 :
重複誘導:2006/12/12(火) 10:42:42 ID:QJlBvF3u
さて、いい感じに暖まってきたところでぼちぼち何か書くかな。
17 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2006/12/14(木) 00:01:10 ID:zkplP/iA
18 :
真紅・紅茶編3:2006/12/16(土) 16:29:29 ID:RkJ8ZLDZ
「ジュン、紅茶を淹れてちょうだい」
ジュンがカップに黒い液体を注いで差し出す。
「ジュン・・・これはコーヒーよ。淹れなおしなさい」
飲まなくても漂ってくる匂いで紅茶でないことは真紅にはすぐわかる。
「真紅、何を言ってるんだい?これは紅茶だよ」
ジュンは怪訝そうな顔で真紅を見つめる。
「おいしい紅茶ですぅ」
「紅茶だ〜い好きなの〜」
翠星石と雛苺も調子を合わせる。
「・・・たまにはコーヒーもいいのだわ、ありがとう」
「ジュン、紅茶を淹れてちょうだい」
コーヒーが注がれて出される。
「紅茶よ!紅茶を淹れて!」
「これは紅茶だよ、真紅」
ジュンが笑いながらカップを差し出す。
毎日がこの繰り返しだった。
雛苺と翠星石が聞こえよがしに話す。
「真紅は頭がおかしくなったですぅ」
「紅茶の味もわからなくなったの〜」
何度も繰り返されるやり取りに真紅も混乱してきた。
「ジュン、紅茶を淹れてちょうだい」
ジュンは真紅の目の前でインスタントコーヒーの粉にお湯を注ぐ。
「・・・・おいしい紅茶ね、ありがとう」
「毎日毎日、値段の高い紅茶ばっかり飲ませてられないよ、まったく」
「やっと真紅もあきらめたようですぅ」
「ヒナも高い紅茶よりお菓子のほうがうれしいの〜」
「ジュン、紅茶を淹れてちょうだい」
ジュンはイタズラ心をだしてカップにミソ汁を作ってだす。
「ジュン・・・おいしい紅茶ね、ありがとう」
真紅は壊れてしまった。
19 :
クリスマスのローゼンメイデン達:2006/12/25(月) 20:47:02 ID:LmjysBEj
ークリスマスの次の日ー
ノリ「翠星石〜お届け物が来たわよ。」
翠「おじじからですぅ。なにかしら?」
小さな箱の中にはクォーツ式の懐中時計が入っていた。
表を見る限りは普通の時計だが裏を見ると
ーMerry X'mas SUISEISEKI From SOUSEISEKIー
…と彫られていた。
翠「……蒼星石…………っ!」
時計を固く握って涙が止まらなかった。
蒼星石「これはボクが蒼虐待派に捕まった時、尻の穴に隠していた時計で・・・」
21 :
ジュソ:2006/12/29(金) 19:37:57 ID:XAWg7mU6
昨夜の翠・蒼ドールの襲撃から一夜明けた日曜日のお昼前、少年と赤い人形はダイニングで遅めの朝食を取っていた。
「…はぁ〜。」
少年の方をチラリと見ては溜め息を繰り返す赤い人形。最初のうちはスルーしていた少年だったが、そのいつまでも続く不愉快な態度に、ついに箸を止めた。
「さっきから何しっっっつこくガンくれてやがんだ、テメェ!胸くそ悪ぃ。」
そうキレる少年に対して一瞬怯みそうになる赤い人形。しかしながら今をおいて話を切り出すタイミングはない、と意を決して口を開いた。
「そうね…、私が悪かったのだわ。あなたに話があるのだけれどなかなか上手くきりだせなくて、やきもきしてて、それで…。今、いいかしら?」
「はぁ?んだよ。」
上目づかいで恐る恐る様子を伺いながら人形は語る。
「私、まだここに来たばかりで色々と不安なのだわ。それで、あの、その…。」
途中でまた口ごもる赤い人形に余計にイラつきを覚え、ドン!とテーブルに拳を叩き付ける少年。
「あ゛あん?はっきりしろや!」
「ほら、えっと、その。そんなふうな乱暴な態度や言葉遣いは控えて欲しいのだけれど…。一応私達はパートナーなんだし、これから上手くやっていくには信頼おける関係とか…、ね。」
少年の気に障らないよう細心の注意で言葉を選んだのだが、赤い人形はこの提案が悲劇を招く結果になってしまうとは夢にも思っていなかった。
「信頼ねぇ〜。なめてやがんのかテメェ!!!アリスゲームもろくにやらず、毎日食っちゃ寝するだけの人形が偉そうにご主人様に命令か!?」
「えっ!私はそんなつもりじゃ…。きゃっ!」
ブチ切れた少年は赤い人形の胸ぐらを掴んでリビングへと場所を移動した。
「きゃんっ!」
そして人形は少年にソファーに投げとばされた。
22 :
ジュソ:2006/12/29(金) 19:40:01 ID:XAWg7mU6
>>21 ただただ恐怖にビクビク震える人形をよそに、少年はおもむろにテーブルに置いてある来客用の分厚いガラス灰皿を手に取る。
「お前みたいな駄目な人形には躾が必要だな。」
「え?」
「オラよっ!」
次の瞬間、鈍い音と悲鳴がリビングに響き渡った。
ゴシャァァァ。。
「あっぎゃぁぁぁぁ!!!!」
赤い人形は突然の脳天をかち割られる激痛でソファーから転がり落ちる。
もうろうとする意識のなかで目に入ったのは、鈍器を手に持って自分を見下ろしている少年だった。
「おい、早く立て。お前のためにわざわざ躾てやってんだぞ?」
赤い人形の焦点の合わない眼球がかろうじて写したのは、ニヤニヤと薄ら笑いの少年が灰皿を振り上げる姿だった。
「いつまで痛がってるふりしてんだこのゴミクズ人形が!!」
ゴンッ。。
「うっぎぅぇぇぇぇ……。足が、私の足がぁぁぁぁぁ。」
全く容赦のないうちおろしが右膝を完全に潰し、人形の膝から下は無くなった。
「んん?どうだ?自分の立場わきまえて反省したか?それともこのまま手足潰されてイモムシにでもなってみるかるかよ?ククッw」
冷たい笑みを浮かべて容赦なくまた灰皿を振り上げる少年に一気に血の気が引く。
「い、イヤッ!もう止めて頂戴!こんなのただの虐待じゃない!!!私が何をしたって……あひっ!?」
そう言って両腕で頭を覆って床に伏する人形の髪の毛をむしり取って、無理やり自分と目線を合わせて少年は言った。
「お前は全然反省する気が無いみたいだな。残念だよw」
「ヒッ!誰か‥助っ、お父様ぁぁぁ、嫌ぁぁぁぁ…。」
23 :
ジュソ:2006/12/29(金) 19:45:31 ID:XAWg7mU6
>>22 少年は人形の髪の毛を掴んだまま勢いよく振り回し始めた。
回転を増す毎に赤い人形は床や壁に叩き付けられ、その度にボディが軋み、へし折れていく。
と次の瞬間、遠心力に耐えきれず
ブチブチブチッ。。
と音をたてて人形の髪が引き千切れ
人形は惰性であらぬ方向に飛ばされ、顔面からテーブルの角に衝突した。
ブチュッ。。
「おぎゃぁぁぁ!!!!目がっ、目がぁぁぁぁぁぁ…。」
「あぁ〜あ、こりゃ酷ぇなwどっからみてももう化け物人形じゃねーかひゃはハハハwwww」
左目を押さえて床にうずくまる人形の残り少ない髪の毛をむしり上げると、か細い声で反応した。
「私…ジャンクに…、もう…殺して、どうせ‥アリスには…。」
「んだぁ?まーだ躾が足りないようだな。」
ビリビリビリビリッ。。。
少年は赤い人形のドレスの下半身部分を破り捨てた。
「へぇ〜、究極の少女をウタうだけあってちゃんと“リアル”なのな。こいつは楽しめそうだククッw」
イヤらしくニタつく少年に、赤い人形は僅かばかり残されていた羞恥心を振り絞って懇願する。
「な、何っを…?、これ以上‥の辱めは、やめっ…、それだけはっ……。」
「はぁ?お前何か勘違いしてねぇか?俺がンな小汚ねぇ穴使うかよヴァァァカがw」
少年はテレビの下の棚の中にしまってあったウイスキーを取り出して蓋を開けた。
「体の奥までこびりついて取れないお前の腐った根性は、内側からなんとかしないと、なっ!」
ギャリッ、メリメリメリッ。。
「うっぎぃぃゃぁぁぁぁぁぁ」
ウィスキーの口は人形の“穴”に捻り込まれ、中身が注がれる。
穴に入りきらない分が穴から溢れて人形はウィスキーまみれになり、ビクンビクンと痙攣している。
恐らく余りの恐怖と激痛で気を失ったのか、口から泡を噴いていた。
24 :
ジュソ:2006/12/29(金) 19:50:39 ID:XAWg7mU6
>>23 カチッン、ボシュッ。。。
「ふぅ〜。」
おもむろに煙草に火をつけて一服する少年。
「体の芯から反省しろやカス。プッ!」
少年はそう言うとタバコを人形に向かって吐いた。
次の瞬間人形に染み付いたウイスキーに引火して赤い人形は文字通り赤い火達磨となった。
「……ッ……あっ…アツイ、あつ!?いぃぃぃぎゃぁぁぁ!!」
全身にまわった火の熱さで目が覚めた人形は必死に火を消そうと飛び跳ねる。
しかしそうするたびにウイスキーの瓶が穴にめり込む激痛で狂喜乱舞する。
その姿はまるでどこかの原住民の踊りのように滑稽で、少年は燃えながらジタバタと踊る踊り子を横目に二本目のタバコに火をつけた。
「全くヤレヤレだぜ…。」
(あれ‥私、)
半開きの寝ぼけ眼を擦りながら起き上がる赤い人形。どうやらソファーでうたた寝してしまったらしい。
(まさか…、昨日の夜から眠ってて、あれは夢、だった――) 「あっつぅ!」
全身に走る激痛に声を洩らす。
「よぉ、やっと起きたか?」
そして少年の声に反応して振り向いた。少年は隣のソファーで読書をしていたよう――
「あ、え!?」(視界が半分ない…)
全身に震えが走る。
恐る恐る体をくまなく触って確かめると、先ほどまでの悪夢が現実のものとして蘇ってきた。
(そ、そんな…)
ドンッ。。
「なにアホ面でプルプルしてんだ?そんなんじゃローゼンじゃなくて老人だな。」
少年が少し大きめのハンドミラーをテーブルの上に置いた。そこに写された自分の姿はとても直視できるものではなくて――
「おいおいしっかりしてくれよ。アリスゲームはまだ始まったばかりなんだぜ?ククッ、クククッwヒャははははははwwwwwww」
病んでるね
バイオレンスジュソ再臨
一話の切れ味が無いなあ
折角良い話を書くんだったら
もうちょっと設定をひねった方が……
元々壊れていたその時計を、蒼星石と翠星石が見つけて
おじじと一緒に楽しそうに直している蒼星石を、羨ましそうに見つめていた翠星石
でも、蒼星石は直した時計を翠星石にプレゼントした時の姉の喜ぶ顔が見たかったから頑張っていた事を
翠星石は時計を見て初めて気づいて、
冬の闇の中で、冷たい風に髪を揺らしながら、思い出す蒼星石と過したたわいも無い遠い日の夢を、
ただ、夜更けの月が静かに照らしている。
なんて感じで、肉付けすると良いかも。
29 :
↑:2006/12/30(土) 13:13:56 ID:DkCsPeLj
「ジュン、誰を選ぶのかはっきりしなさい」
「チビ人間が選ぶのは、この翠星石に決まってるですぅ」
「ジュンはヒナのことが好きなのよね?」
三体の人形が僕を取り囲む。
「チビ人間!!いいかげん私たちの中で一番好きなドールを決めるですっ!」
絶対絶命の危機と言っていいだろう。
誰を選んでも残りの二人を傷つけてしまう。
ひょんなことから真紅たちは喧嘩を始め、僕は誰か一人と契約するか選ぶことになった。
誰も傷つけずにこのままの生活を続ける、それが一番の幸せだと思ってた。
でも、それは出来ないようだ・・・
せめて、傷つけるにしても最小限にしたい、誰を選ぶべきか・・・
今、目の前の三人から選ぶのは論外だ、また大喧嘩になってしまう。
巴の名前をだせば雛苺が傷つくし・・・
蒼星石と言えば翠星石は深く傷つくだろう・・・
もう一人、黄色いのが居た気がするが名前が思い出せない・・・
パニックになった僕はあらぬことを喋ってしまう。
「ぼ、僕は・・・水銀燈が・・・」
「「「水銀燈!?」」」
「何をふざけたことを言ってるですぅ!」
「うゆ〜〜!ヒナよりも水銀燈のほうが好きなのね!」
「水銀燈ですって?あきれたわ・・・」
三人が一様にあきれた表情で僕を見つめる。
「まったく、あんなジャンクのどこがいいのかしら?」
「誰がジャンクですってぇ〜?」
最悪だ!最悪のタイミングで本物の水銀燈があらわれた。
三人がいつになく気合の入った視線を水銀燈に向ける。
「水銀燈、いつの間にチビ人間に手を出しやがったですぅ!」
「うゆ〜、水銀燈ゆるさないの〜」
「水銀燈、貴方がそんな泥棒猫だったなんて知らなかったわ」
水銀燈が怪訝そうな顔をする、当然だろう。
「いったい何の話かしらぁ?」
「ジュン、せっかく大好きな水銀燈が来てくれたのだから、お茶でも出してあげたら?」
真紅が氷のように冷たい声で言う。
「水銀燈!このチビ人間はお前のことが好きで好きでしょうがないそうですぅ!せいぜい仲良くするですぅ!」
ついに翠星石が決定的なことを言ってしまう。
「いや・・・その・・・色々あって・・・」
僕は言い訳しようとするがうまい言葉が見つからない。
「え・・・私のことが・・・」
水銀燈の様子がおかしい。
水銀燈は急に顔を赤らめ、モジモジしだす。
「お、お前がどうしてもって言うなら私のミーディアムにしてやってもいいわぁ・・・」
ええーー!?
「・・・・ジュン、よかったわね。仲良くしなさい」
「もう見てられねーですぅ!」
「ジュンなんて大嫌いなの〜!!」
ドン!
雛苺が僕を突き飛ばし、僕は水銀燈の上に倒れこんでしまう。
「やさしくしてね・・・」
僕の腕の下で水銀燈が目を閉じる。
「私たちはお邪魔みたいね、部屋から出ましょう」
「チビ人間の顔も見たくないですぅ!」
「・・・サヨナラなの」
その日から水銀燈は僕の部屋に居る。
真紅たち三人の激しい攻撃が毎日のように襲ってくる。
さすがに水銀燈といえど三人相手ではボロボロになってしまう。
「私がマスターを守ってあげるわぁ」
そう言って今日も水銀燈は戦いに出かけた。
乙です
ドタバタと廊下を走る音。
ジュンの部屋のドアが勢いよく開いた。
雛「ジュン朝なのー」
J「ぐえっ」
雛苺が寝ているジュンに飛び乗る。
翠「全く。しゃあねーですから翠星石が起こしにきてやったです」
それっ、といってジュンの布団をひっぺがす。
J「うわあっ馬鹿やめろ!」
何故か焦るジュン。しかし遅かった。
翠「問答無用で――」
布団を奪いとった翠星石は
きゃあああ!!1!11
!!!1!1!!
J「こ、これは生理的現象で、って痛あっ!?」
翠「う、うるさいです!この変態チビ人間!!」
雛「わーい!雛もジュンをやっつけるのー!」
J「コ、コラお前ら……」
の「あらあら」
一階ではのりが皆の朝食の準備をしていた。
紅「全く騒がしいわね」ふぅと溜め息をつき真紅は紅茶を飲む。
今日も騒がしい一日が始まる。
勢いで書いた
どう見ても恥晒しです
本当に(ry
きゃー! えっちばかへんたいしんじらんなーい!!
36 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/01/08(月) 22:45:48 ID:F0Bw+olL
テスト
此処エロSSありなの?
>>30 >>31 それからしばらく一緒に生活してまんざらでもなくなってきたジュン。
でも「好きといったのが実はその場しのぎのために吐いたウソ」ってことがバレて、
怒った水銀燈に改めて「あの時はウソだったけど、今では本当に好きだ」と告白。
そしてキャッキャウフフ。
そんな妄想が脳裡に浮かんだ。
>>37 何でもおKと思うけどエロパロ板に専用スレはある。
40 :
真紅・改造編:2007/01/24(水) 10:26:28 ID:pqS+wd8F
散歩に出かけていた真紅が怒りながら帰ってきた。
「くやしいのだわ・・・くやしいのだわ・・・」
真紅、どうしたんだい?
「近所の小学生に古臭いとバカにされたのだわ」
真紅はアンティークドールだし服とか古風な感じがするのは仕方ないだろ。
「違うのだわ!今時ゼンマイで動くなんて古いと言われたのだわ・・・」
う〜ん、ゼンマイはエコロジーだし何度でも使えるから良い動力なんだけどな。
真紅はバカにされたのがよほどショックだったのだろう、座り込んでさめざめと泣く。
よし!わかったよ、真紅。僕が改造してあげるよ!
早速、真紅の体を分解し腰からゼンマイを取り出す。
ゼンマイの代わりに入れるのはボールベアリング入り強力モーター!!
元通りに組み立てなおし服をきせてやり、腰から伸びたコードをコンセントにつなぐ。
真紅、完成だよ!起きてごらん。
真紅は起き上がると手を動かしたり、首を回して具合を確認する。
そのうちピョンピョン飛び跳ねて喜びだす。
「すばらしいのだわ!体に力があふれてくるのだわ!」
うんうん、成功したようだな・・・あっ!真紅!そんなに走ったら・・・
コテン!
腰から伸びたコードが限界まで引っ張られ真紅の体が床に転がる。
「こ、これは・・・コンセントの範囲1メートルしか動けないのだわ!」
それは仕方ないだろ、電気で動くんだからさ。
「直すのだわ!直すのだわ!」
ポカッ!ポカッ!ポカポカポカ!
いてっ!いてて!真紅、そんなに叩くなよ。すぐに直すよ。
バイク用のバッテリーを買ってきて真紅のコードをバッテリーにつなぐ。
赤い布でリュックサックを作ってやり、バッテリーを背おえるようにする。
ほら、これで動けるだろ。
「重いのだわ・・・重いのだわ・・・」
真紅はフーフーいいながら腰を曲げてお婆さんのように歩く。
前のように身軽に動き回ることはできないが、バッテリーとモーターという新世代の動力には満足してもらえたようだ。
今日も真紅はコンセントの前に座り、バッテリーの充電に余念がない。
アンティークとしての価値も、戦闘力も大幅ダウンだなw
意地っ張りww
ネジだと一回巻くだけで良いのにモーターだと常に充電しきゃならんのかw
逆に効率悪くなってるしw
ゆらゆらと揺れるカーテンの隙間から月明かりがやわらかく差し込んでいく。
わずかに開けた窓を窓枠によじ登って翠星石は見つめていた。
「・・・またうなされているです・・・」
ベッドのほうを振り返り、形のいい眉を潜める。
その視線の先にはジュンがいる。
苦しげに潜められた眉、体に浮かんだ玉のような汗。
そんな光景を翠星石はばつが悪いように眺めた。
真紅の腕を取り戻すため、無意識の海に入り込んで以来ジュンは毎日うなされていた。
あの時ジュンの足を止めた記憶が原因なのだろうか
翠星石の勘はそう言っていた。
だが、見られたくない記憶なのかもしれない。
だとすれば彼は傷ついてしまうかもしれない。
「・・・・でも・・・」
あの時、無意識の海の中で茨に打たれながらも進むジュンを、翠星石は純粋にすごいと思ったし、好感を持った。
それだけにこんなにもうなされているジュンを見ているのはつらい物だった。
庭師である自分にできることならばやってやりたいと思っている。
「・・・別にジュンのためじゃないです、ただ・・・、ジュンは翠星石のマスターですから心が壊れたら困るだけです・・・。」
彼がおきているわけではない。ただの強がりの言葉を紡いでみれば、むなしく壁に吸い込まれるような感覚があった。
「翠星石のマスターとして認めてやるです」
精一杯の素直。
自分でいったそんな言葉に少し恥ずかしくなった翠星石は逃げるように夢の扉を開けた。
「やめろ・・・!やめろ・・・!」
頭でそうさけんでも、周りの視線に捕らえられたような気がして、ジュンは激しい吐き気に襲われた。
耳をふさいでも響いてくる声。
逃げたくても逃げられない人の檻。
何故こんなことになったのだろう。
クラスメイトの視線が、声が、すべてが自分自身に対する痛めつけに感じてくる。
ジュンは次第に暗がりの、声だけの世界に落ちていった。
「やめろ・・・やめてくれ・・・」
「ジュン・・・。何処にいるですか・・・」
翠星石は、夢の扉をくぐり、ジュンの意識の中へときていた。
人の波がどっと視界に入る。
木の板が敷き詰められた広い空間、体育館という場所だろうか?
集まった学生たちは整列して、先生の話を聞いていた。
「2−3の桜田です!」
教師がそう継げたとたん、浮ついた雰囲気だった体育館はどっと騒ぎにあふれた。
「桜田って・・」
物陰に隠れながらみているのは、制服姿のジュンだった。
ジュンの周りの生徒はジュンから少し距離を置いて、視線はじゅんにいっせいに注がれている。
その中で。ジュンは息を荒げて耳をふさいでいた。
口々に何かを浴びせる生徒たちは収拾がつかなく、もはや何を言っているのかも聞き取れない。
それでも、何かジュンにとってつらい仕打ちになっているということがわかった。
このころのジュンは戦う術を知らなかったのかもしれない。
ジュンはそのまま戻してしまい、さらし生徒たちからどっと声が上がった。
そしてそのままジュンは、暗闇の底に逃げるように入っていった。
暗闇の中、桜田ジュンは膝を抱えて震えている。
いつものジュンからは想像もできないほどに乱れてた。
「心が・・・、乱れているです・・。」
そしてそれに反応するかのように心の木の周りに蔓が生えて絡んでいく。
「樹が・・・」
心の樹の周りに、ジュンのトラウマの記憶のつたがまとわりつく。
「蒼星石・・・!」
とっさに双子の妹の名前を呼ぶ、だが敵に回っている妹は来るはずもなかった。
彼女のはさみならば、この記憶を断ち切って上げれたのにと、翠星石は自分の無力を呪った。
如雨露で水を上げようか。そんな考えが脳裏をよぎったがそれはできなかった。
今のジュンを完全に救うには、如雨露だけではだめだ。
心の樹の成長を促す如雨露は、周りの蔓まで成長させてしまうかもしれない。
過去の記憶になお縛り付けかねない。
意を決して翠星石はジュンの前に立った。
「・・・ジュン・・・」
膝を抱え、顔を伏せたままぴくりと反応する。
肩で息をし、錯乱しているのがすぐにわかることだった。
それでも言い聞かせるかのように、淡々と告げていく・・。
「立ち上がるのですジュン。お前はこの翠星石のマスターです」
「過ぎた記憶です、だからもう怯えなくてもいいのです」
「いつものいやみはどうしたんです?とっとと立ちやがれです!」
「翠星石が・・、せっかく来てやったというのに・・・」
「ごめんです、いまの翠星石には何もできんです・・・」
翠星石はまた、夢の扉を潜り現実世界へととんだ。
翌朝、翠星石はジュンの耳元で叫んだ。
「ちび人間!朝です!とっととおきやがれですぅ!」
からだのうえでぴょんぴょんと飛んで、ジュンのうめき声を聞いた。
「性悪人形・・・。」
「翠星石には翠星石という名前があるです!早くおきやがれです!めがね小僧!」
ベッドから飛び降りて、ちらりと後を見た。
昨日の自分の声は届いているのだろうか・・・。
「・・・ジュン・・・」
「?」
「つらかったら翠星石に言いやがれです。一人で勝手に抱え込むなです。」
「え?あ、ああ・・・」
「別にお前のためじゃないです!す、翠星石のマスターなんだから、しっかりしやがれってことですぅ!」
少し様子がおかしい翠星石に、ふとジュンは昨日の夢を思い出した。
暗がりで膝を抱えた自分に、柔らかい声が振ってくる夢だった。
暗がりで確かに震えていた自分に注がれた声はまるで甘味な水のように思えた。
(よく思い出せないな・・・。でも・・・)
あのこえは翠星石の声によく似ていた。
もしかしたら彼女が、やわらげてくれたのかもしれない。
そう考えると少し楽になった。
心の糸のほつれはまだ解けないけれども。
いまだに自分自身は逃げている。
それでも助けようとしてくれるこの人形たちが今のジュンには頼もしくも愛しくも思えた。
初ローゼン投稿。
翠星石の口調は書いてみて難しかったからところどころ変だと思うが許してくれ。
ジュンも変だと思うが許してくれ。
ああ!なんてこと・・・ベッドの上で本を読んでいた僕の耳に悲鳴のような真紅の叫び声が聞こえてきたのはもう時計の針が2時を回っていた頃だった。
最近は真紅もパソコンの液晶画面と向き合っている姿を多く見かけるようになり深夜まで起きている事もしばしばだ。
まったく昔はいつも9時には寝ていたくせになんだんだこの変わりようはと思いつつ真紅の方に顔を向けると───泣いていた。
咄嗟に、何があったんだよと声をかけようとしたが途中で続いて耳に飛び込んできた真紅の言葉にそれもかき消された。
ジュン!なんとかして頂戴!お願いよ・・・真紅の様子にこりゃただ事じゃないなと思いつつベッドを起き上がりパソコンの画面を覗き込んだ。
「このページは表示できません」?くんくんの公式ホームページでも消えてたのか?僕の問いに真紅は俯いたまま答えようともしない。
なんなんだよ、俯いたままじゃ判らないだろ?若干苛立ちを含ませた言い方にその小さい体を少し震わせながらも僕の顔を見上げ言った。
「2チャンネルが・・・消えているのよ。」・・・これか最近妙に怒りっぽくなり液晶画面をその視線で打ち壊さんばかりの形相で睨みつけ不人気ですってぇ・・・等と口走っていたのは。
それをからかうと凄まじいばかりの勢いで攻撃してきたっけな、ああ3日前なんてホーリエまで持ち出して・・・そうかどうもこの頃翠星石との仲がギクシャクしていたと思ってたら原因はこれだな。
そう検討を付けると大丈夫だよとりあえずさ、今日はもう寝て明日また見てみればいいじゃないか。こんな事は以前もあったから悲観する事無いよ。正直ろくに見た事も無かったがその場を繕うために
言っただけなのだが真紅は少しほっとした様な表情を見せ、そう?あなたがそう言うのなら間違いは無いわね───どうも裁縫とインターネットに関しては随分と信頼されているらしい。
そいうと真紅は鞄に入っていった。これでやっと寝れる。電気が点いてると寝付けないもんな。ん?そういば2チャンネルが閉鎖するとかそんな電子記事を見たような・・・まあいいさ。明日いやもう今日か、うん。
起きる頃には復旧してるだろ。そう考えを纏めるとようやく眠気が襲いかかり・・・漆黒の闇へと意識は埋没していった。
連合軍最高司令部から褒められるなんて
>>48は凄いね
なんのことかと思ったらGHQかw
Go Home Quikly
七つの大罪とは以下のようなものである。
傲慢 … ラテン語:superbia. 英語:pride, vanity. 司る悪魔は、ルシファーまたはベリアルであると言われる。
嫉妬 … ラテン語:invidia. 英語:envy, jealousy. 司る悪魔は、レヴィアタン(リヴァイアサン)であると言われる。
憤怒 … ラテン語:ira. 英語:wrath, anger. 司る悪魔は、サタンであると言われる。
怠惰 … ラテン語:acedia. 英語:sloth, accidie, acedia. 司る悪魔は、ベルフェゴールまたはアスタロスであると言われる。
強欲 … ラテン語:avaritia. 英語:avarice, covetousness, greed. 司る悪魔は、マンモン(マモン)であると言われる。
暴食 … ラテン語:gula. 英語:gluttony. 司る悪魔は、ベルゼブブであると言われる。
色欲 … ラテン語:luxuria. 英語:lust. 司る悪魔は、アスモデウスであると言われる。
姉妹の順番で当てはめてみても、けっこう一致しているようなしていないような。
55 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/06(火) 18:36:27 ID:8uZfiC41
自分なりにはこうだと思う
傲慢 …真紅
嫉妬 …蒼星石
憤怒 …水銀燈
怠惰 …翠星石
強欲 …雛苺
暴食 …きらきー
色欲 …金糸雀
銀様と蒼の子のどちらを嫉妬にするのかを迷った
カナは数合わせで・・・
色欲 …金糸雀
萌え狂うのも色欲の範疇なら、俺にとってこれ以上のベストマッチは他に無いわけだが・・・。
カナに色気はな(ry
こうだと思う。
傲慢 …真紅(女王様気質)
嫉妬 …翠星石(ジュンと真紅の関係を見て)
憤怒 …金糸雀(烏に卵焼きを奪われて)
怠惰 …雛苺(アニメ版なら最後まで遊んでいたと思う)
強欲 …水銀燈(ローザミスティカに執着)
暴食 …雪華綺晶(人食いつながりでフランス人が絡んだのか?)
色欲 …蒼星石(ムッツリ)
「誰かに死ねって命令されて、はいそうですかって死ねるほど、私は軽く考えていない!
そんな簡単に死ねるなら、とっくの昔に何百回も死んであげてるわよ!
こんな……ゴロゴロ転がってるありふれた死にかたなんて、同化できない!
私にとって死ぬってことは……特別なの!
手の届かない高い場所にひっそりと咲いて……散る……誰にも……」
「不愉快だわ!私の領域に、こんな雑草みたいな連中が土足で入ってきて!
昔から知ってたみたいな顔して!ばたばた死んでいって大迷惑!」
「あなたの死なんて、ありふれたものよ!死にたいけど怖くて死ねない。
そんなヒョロヒョロしたあなたの志と同類項でくくってもらっちゃあ、汚れるの!
私の……死の神聖さが……おとしめられる!
あなたなんて、そこらへんの……この下に積み重なっている連中と一緒!
平積みの『完全自殺マニュアル』読んで?
『自分には最終手段が残されているって思うことが勇気になる』とかいって?
気取るな!現実と戦う覚悟がない世捨て人気取りが!そんなのみんな一緒!
私があなたを案内したのは……私の領域の端っこに招いたのは……同列の存在を作るためじゃない!
あなたは道具!いい、道具なのよ?!死の儀式に必要不可欠な……道具!
いい、あなたは条件なの。わたしが死んでいい状況を形作るための条件でしかないんだから
……あなたは過去のわたしなの!
今の私じゃない。なんでもなかった頃の私で………………………………………………
……………………………………………………………………………………………………
………………………………………………………………思い上がるなッ!」
61 :
shinku:2007/03/18(日) 23:44:34 ID:QVnusoNf
「ジュン、紅茶をいれてきてちょうだい」
「ノリにやらせれば良いだろ?なんで僕がそんな事…」
「人間のくせに、口答えするな!ですぅ…とっとといれやがれ!ですぅ…」
「この性悪人形…」
「ジュン」
「なんだ!」
「騒々しいわ、速くいれてきなさい?」
「…くそ、なんで僕が…」
…ジュンって微Mなんだろうか…
わ。
>住人のみなさん
お知らせ:
サーバ乗り換えのため、保管庫移転します。
しばらく移転リンクを残すのでブックマークの変更とかよろしくです。
URL貼り忘れていました、すみません。
tp://library.s12.dxbeat.com/rozen/
原作では、実はRMだけでなく、相手の身体も喰ってしまわなければならないという設定
なのかもしれないと、ふと思った。
1つの器に2つのRMは窮屈であり、力をコントロールできなくなると。
相手の身体も取り入れることで、RMを複数コントロールできるようになり
また、身体的にもアリスに近づくとか。
66 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/07(土) 21:19:03 ID:WHIXlRdk
人形を喰ってでかくなる人形…
元々、原作には陰惨な雰囲気が漂っていたから、
水銀燈が蒼星石の身体を貪り食らうシーンがあってもいいね。
68 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/08(日) 00:13:35 ID:OByCCJ57
ローゼンメイデンのアニメまたはじまらないかな?
その前に漫画がね・・・
69 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/08(日) 01:38:05 ID:WP2xc1jW
漫画は我慢
漫画は我慢
逆さ読みが出来そうで出来ない
71 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/10(火) 21:19:40 ID:MOl/iguo
逆さ
━→
逆さ
←━
72 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/03(木) 09:06:20 ID:1U9VHx5Q
後々使うつもりでいるので一応あげとくか
★
{:::.:::.:::>.::´ ̄ヽ、 ,. -一 ヽ_
,. -┘.:::.:/:.:::.:::.:::.:::ノ::.Y:;___.:.:./.:.:.:.:.ヽ
(.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:;:、;:;∠二:.ヽ`ヽ.:.:.:.:.:.:.:、
):.:::.:::.:::.:::.:::.; '´ //〈.:.:.:.:\ \.:.:.:.:.:.:.::ヽ-へ
r''".:::.:::.:::.:::.:::/ / / / ハ `ー‐┐\ ヽ:.:.:.:.:.:.:ノ=ニ):\
{ ::.:::.:::.:::.:::.; ′ / | {_:.:.:.ヽ ヽ:.:.:.(二`V/^):、
 ̄つ.:::.::/ / ,′ | |  ̄ヽハ. i.:.:.:.:.`i!ヽ.!_/:./
(:.:::.:::.::!l! l i |l! | ノ:.:.| |:.:.:.:.:.:||:.ト、;:ノ
`7:.::|l| | ハ ;'| し-、| |:.:..:_ノ.|.:| |
ヽ|H | | l__, / | / / ノ|/:.:ん. l |:.| |
|l!ヽ. 代「 ヽ. , / `ト、/! ,イ. く:.:/:.; -┘| L」 !
| l N.--ミ ヽ/ソ _レ'´ lメ // |/ | | |
| ! |l,ィ^h.、 ´ ̄ ヽ 1 | | | |
| !( { { | | ' _, """ ノ!| | | | |
!.| |_\ ヽ、 _,. <._| ! |ヽ. | | |
!/〈.:.:.Y_>、 }、 ̄´;:;:;:;:;:;://| |:.:.::', l l |
ム-レく.:.:.:_}ノ:@;:ニ、;:;:;//;:;! 、|:.:.:.:.:L_ ! ! |
_,.∠=ニ〈:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ニ V;〈〈_;/| ヽ:.:.:.:.:.:L_l ! |
`ーニ二_‐ヘ.:.:.:.:.:.:.:.:(゙こ /'^ヘ V:.:\ \:.:.:.:.:{! | !
<:.:.:. ̄} .:.:.:.:.:.:.:`} ノ:.:..:.ハ V:.:_>- ヽ.:.:.:.} | i
|_>'7.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:Y.:.:.:.:.:.:.:.::.:>'" /:.:r‐'´〉、 i
らき☆すたメイデン2
翠星石登場! なぜか真紅は人間サイズなのだわ クスクス
http://www.nicovideo.jp/watch/sm460762
76 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/07(土) 17:08:04 ID:FcSuOqj7
77 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/14(土) 06:24:06 ID:Fx31oIxq
総合スレで揉め事が起きてその結果総合スレとノーマルスレに別れた筈(原因は虐待厨の投下した作品だったような)
よく覚えていないので上手く説明できなくてスマン
統合するのかな?
こういうのはあれだけど、それほど活気が無いのにスレが2つもあるのはどうかと思う。
(虐待厨が酷いようならまた分ければ良さそうなもんだけど)
82 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/15(日) 01:56:53 ID:pMvTALmu
. |
‐──┼.=r.r=、ヽ ロ ー ゼ ン メ イ デ ン r 、_ィi _lニ!_
. | .|:.| }:.:) _ ___ __ ーレ'に|:/ィュ:ト, アニメ最萌トーナメント2007
. | .|:Κ:<´ .,ィ'''''ト, |_r ァ:./,イr_、:YT:T"「ヽ __ ヽ,=<_ 今年もローゼンメイデン オーベルテューレキャラに熱き1票を!!
__|:.| \:ヽ__l:.:l l:.:l /∠イ !:ヽニr;._|:.:|_ |:.:|_"|:.:| <こ〈 最萌2007の概要、投票方法、現在の状況などはコチラ↓
. └―‐〈 ゙ー '`''_-_''└―__-! `ー '',r:‐、 ‐┘|:.:| lフト-
http://animemoe2007.hp.infoseek.co.jp/ _/:て、 ト:ヽ /:.:.| _..--.、 >=< ,..--|:.:| ,.-.ト, _...-i_...-、
、ィr:ニヽ_ ,.、__|:.ト、ヽ/:/!:.| 〉=!:.| T:.| f:.f"`|:.:| /:'三:.YT:.:r'''l:.:| 現在一次予選開催中 以下投票日程
ゞツン-レK( |:.|. ヽ:./ |:.:!.{:.゙ーLァ._|:.:|_ヽ.ニイ:ァヘ.゙ー:.ア_|:.:.!__|:.:|_・7月16日(月)一次予選第10組 水銀燈
ソ ー' `,ー|:.|.., ' ,...!:.:!.,  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ・7月18日(水)一次予選第12組 雛苺
 ̄ ̄  ̄ ̄ | ・7月21日(土)一次予選第14組 蒼星石
・7月24日(火)一次予選第17組 サラ
現在までに、翠星石、真紅、金糸雀、柏葉巴(本選出場)
桜田のり、薔薇水晶、柿崎めぐ(二次予選進出)となっています
83 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/03(金) 18:01:55 ID:DV7qxyWi
虐待SS…読みたい。
84 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/05(日) 13:22:50 ID:X7pgVgez
8巻まで読んだのですが
あたらしい漫画はもうでないのかな?
>>85 今日、9巻発売日。
初回限定は水銀燈のフィギュアが付いてくる!
早く本屋に逝け。
90 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/18(土) 09:45:39 ID:WixwOQfg
test
ここってなんでもあり?
92 :
カプチーノ8世:2007/08/20(月) 09:53:26 ID:GwdeXLso
以前に書き込んだが誰も覚えてないだろうし保管庫にもないと思うので
この場で挙げさせてくれ、夏休みのいい暇潰しになることを祈る、長編
ここはnのフィールド。
荒野と化した大地に一体の人形が立ち尽くしていた。
彼女の名は水銀燈。
名工ローゼン初のドールにして、今やドールズ最後の戦士である。
「・・・そろそろ、行かなくちゃね。」
誰にともなくつぶやく。 しかし応えるものはすでにない。
やがて彼女はその翼を広げると最後の戦いに向け飛び立った。
「 行 き 着 く 先 」
あれからどれくらい経ったろう?
思い返せばわずかに数時間に過ぎないことに気付く。
それでも彼女には何年も昔のコトのように思われた。
感覚が狂っているのか? 私はジャンクだ、無理もない
自嘲気味に薄く笑い、今一度過去を振り返る。
93 :
カプチーノ8世:2007/08/20(月) 09:57:59 ID:GwdeXLso
「水銀燈。 貴女の力を貸して頂戴。」
珍しく真紅の方から水銀燈を訪れると、開口一番そう言った。
「あら真紅! ごきげんよう。 一体何の冗談かしら?」
「冗談ではないわ水銀燈。 私は真面目にお願いしているの。」
「お願い? お願いならお願いらしく振舞ったらどうかしら?」
いつもの嘲りの口調でそう言う。 すると真紅は膝をつき頭を垂れた。
「お願いするわ水銀燈。 貴女の力を貸して頂戴。」
「・・・・」
自分の言ったこととは言えこれにはさしもの水銀燈も呆気にとられる。
ドールズの中でも特に気位の高い真紅がここまでするとは思わなかったのだ。
「・・・あらあら、そこまで言うなら貸してあげてもよくってよ?
でも、その代わりの代価を戴けるかしら?」
「代価? 何がお望み?」
「うふふw わかるでしょ? ローザミスティカよ。」
「・・・いいわ、全てが終わったなら持って行きなさい。」
「・・・・」
またしても呆気に取られる。 思わず真紅の真意を探るべくその瞳を覗き込む。
「なにかしら?」
迷いのない澄み切った瞳は水銀燈の目を正面から受け止めた。
「・・・わかったわ。 ではこれからどうするのかしら?」
先に目を逸らしてしまった水銀燈は内心の動揺を隠そうと尋ねる。
「あの人形は12時に来ると言っていたわ。 それまでには来て頂戴。」
「そう。 では12時に伺うわね。」
「あまりレディを待たすものではなくてよ?」
「お互い様ね真紅。 私もレディよ?」
「・・・そうだったわね。」
そのやり取りを面白くもなさそうに切り上げると真紅は鏡の向こうに姿を消した。
「・・・真紅、どういうつもり?」
水銀燈は真紅の消えた鏡をじっと見つめ続けた。
94 :
カプチーノ8世:2007/08/20(月) 10:00:48 ID:GwdeXLso
ローザミスティカを狙う水銀燈は常時桜田邸を監視している。
当然コトの成り行きは見知っていた。
真紅が説明の手間を省いたのも全て承知との暗黙の了解があったからだ。
あの人形は突如彼女らの前に現われた。
ドールズの父ローゼンの作ではない。
日本の人形造形師、上近柳斎の作「瑞樹」。 それが金糸雀と
薔薇水晶の首を携えて来たときはさしも水銀燈も戦慄を禁じえなかった。
宣戦布告として真紅のミーディアムとその姉が殺害され桜田邸は炎上した。
そしていくらもしないうちに先の真紅の訪問である。
「・・・なにを考えているのかしら? 真紅。」
ローザミスティカはドールズの宿願たるアリスへの翼
そして敬愛する父の己らへの愛の証
例え損傷しようとも手放せるものではない。
それが、なぜ?
「行ってみれば、わかるわよね? 真紅?」
水銀燈は配下のジャンク人形達を従えて鏡に入った。
95 :
カプチーノ8世:2007/08/20(月) 10:03:42 ID:GwdeXLso
nのフィールドの一角にはすでに4体のドールズが揃っていた。
緑の服の人形が落ち着きなく歩き回っている。
「・・・それにしても水銀燈はホントにくるですか?」
「さぁ?」
「さぁって!? 来ないんですか?」
「知らないわ。 来るとは言ってたけど?」
真紅は相変わらず読書にふけり、片手間に答えるだけだ。
「まったく、あんなゲス野朗なんてアテにできないです。」
「でも味方は一人でも多い方がいいのぉ〜。」
「そうだね。 水銀燈はボク達の中でも一番強いし。」
「そうね。 この戦いには欠かせない存在だわ。」
「うぅ〜、来るなら早く来るです!」
「・・・お待たせしたかしら?」
「ひぃっ!?」
突如の背後からの囁きに思わず飛び退く翠星石。
「ごきげんよう。 お久しぶりね?」 優雅に一礼してみせる。
「久しぶりなのぉ〜。」
「久しぶり、水銀燈。」
「お、脅かすんじゃないですっ!?」
「・・・よく来てくれたわね、水銀燈。」
真紅は水銀燈に一瞥くれるとまた本に目を落とす。
「まぁ、真紅のたっての頼みだもの。 それで?
まだ時間はあるようだけどどうするのかしら?」
「別に? 時間が来るまで待つだけよ。」
「作戦は立てなくてもいいの?」 驚いたように蒼星石が尋ねる。
「ないわ。 立てようがないもの。」
「じゃ、じゃあどうするのぉ〜?」
「各個奮闘努力せよ。 こんなところかしら?」
相変わらずその目は本から外れない。 そして誰もがこれからの
戦いに気を取られ、本が逆さまであることに気付かなかった。
「相変わらずですねぇ真紅は。 先が思いやられるです。」
「・・・」
嘆息する翠星石、そして水銀燈は静かに真紅の横顔を伺う。
不安な沈黙の中、時間だけが過ぎていった。
96 :
カプチーノ8世:2007/08/20(月) 10:07:07 ID:GwdeXLso
「来たわね。」 真紅は本を閉じると立ち上がる。
「い、いよいよです!」
「うん。」 翠星石と蒼星石は如雨露と鋏を構え、宙を睨む。
「こ、怖いのぉ〜。」 雛苺は物陰に隠れてしまった。
「・・・」 水銀燈の目は相変わらず真紅の横顔に注がれているままだ。
やがて空が濁り、中心から「何か」が降りてくる。
遠目に判別できないがそれが瑞樹であることはわかる。
大気が歪むほどの「負」の気がここまで伝わってくる。
「待たせたの、西洋人形ども。
うぬらの体と命、我が父の悲願のために使わせてもらうぞえ。」
その姿はジャンクと言うも愚かな不気味な体を成していた。
様々な人形の部位をかなり乱暴に不規則に繋ぎ合わせている。
彼女本来の体が一体どれだけ残っているのだろう?
金糸雀、薔薇水晶の一部もその中に見て取れた。
「醜悪ね。」
「なんじゃと?」
「醜悪と言ったのよ。 そのお耳は飾りかしら?」
「抜かしたの小娘・・・」
「な、なんで私達を狙うですか!?」
「ほっほっほ、希代の名工ローゼンの手になる逸品なれば
必ずや究極の美を生み出す役に立とう。」
「そんなものを生み出してどうするんだ!」
「我が父に捧げるのじゃ。 究極の美こそが我が父の悲願なれば。」
「・・・」
私と同じ? 水銀燈は一瞬奇妙な親近感を覚えるもすぐにその考えを打ち消した。
(違う! 私はこんなジャンクとは違う。 私はジャンクなんかじゃない!)
「ジャンクは・・・ジャンクよ。」
その言葉に水銀燈は思わず真紅を睨む。 彼女のもっとも忌むべき言葉だ。
だがそれ以上に激昂した者がいた。
「・・・愚か者がっ!? すぐに貴様もガラクタに変えてくれるっ!」
叫ぶや否や瑞樹は真紅に襲い掛かる。
無数の手足がいくつもの連なりを見せ、ありえない距離を越える。
「真紅ぅっ!」 ババッ!
雛苺の叫びが響くと同時に真紅のいた場所に土煙が舞う。
しかし真紅は横っ飛びにかわし、ステッキを取り出す。
「はあっ!」 ガキッ!
蒼星石は一飛びで迫るや鋏を大上段に振り下ろし「腕」を切り落とす。
「邪魔じゃ!」 横薙ぎの一閃が蒼星石を弾き飛ばす。
「ぐぅっ!?」 鋏で直撃を防いだものの大きく弧を描いて飛んで行く。
「蒼星石ぃ〜!」 雛苺が伸ばした蔓で受け止めた。
97 :
カプチーノ8世:2007/08/20(月) 10:10:17 ID:GwdeXLso
蒼星石の無事を確認した真紅と翠星石は顔をあわせ頷きあう。
「行くわよ、翠星石。」
「はいです!」
正面から突進しつつ花を撒く真紅、如雨露を振りまわす翠星石。
「しゃあっ!」
真紅に飛ばした無数の腕はしかし突如伸び上がった蔓に絡め取られる。
「ぬっ!?」
「はっ!」 真紅は蔓と腕を駆け上り、掛声と共にステッキを繰り出した。
「無駄じゃっ!」 大きく開けた口から放たれた無数の「指」が真紅に降りそそぐ。
「きゃっ!?」
「真紅っ!」 落ちる真紅をすかさず翠星石が蔓で支える。
「たわけが!」
「貴女がね?」
「なに?・・・っ!?」
瑞樹の周囲には桃色の花が舞っていた。 それらは瞬時に針と化し瑞樹に向かう。
「ぬぅぅうっ!?」 腕を体中に巻きつけて針の雨を凌ぐ瑞樹。
「はあああああぁっ!」 間髪いれず蒼星石が宙を舞う。
「てやぁっ!!」
ガキキキッ! 鈍い音と共に数本の腕を切り飛ばす。
「ぐ、おぉぉ・・・」
瑞樹は衝撃に耐えかねその場に崩れ落ちた。
「やったです!」
「やったのぉ〜!」
「ふぅっ・・・」
「・・・」
しかし直後無数の黒い筋が蒼星石に巻き付く。
「なっ!?」
「・・・やってくれたの?」
腕を開き再び姿を晒したその顔からは夥しい量の髪がうごめきたゆたっていた。
98 :
カプチーノ8世:2007/08/20(月) 10:11:27 ID:GwdeXLso
「蒼星石を放すです!」「蒼星石!」
如雨露を振り回す翠星石と突進する真紅。
「かぁっ!」 瑞樹は全ての腕を四方八方に振り飛ばす。
蔓は腕と喰い合い、真紅はかわすのに手一杯だ。
「やりおるわな、西洋人形。 だがここまでじゃ。」
「あぐっ!?」 髪を締め上げ蒼星石を圧迫する。
「水銀燈っ!」 真紅の悲痛な叫び。
「・・・ちぃっ!」 逡巡も束の間、水銀燈は瑞樹に向かって飛んでいく。
「かぁっ!」 口から「指」を吐き迎え撃つ瑞樹。
「ふんっ。」 水銀燈は巧みにそれらをかわし一気に瑞樹に肉薄する。
途上で見た真紅の目が何かを訴えていた。
「おのれっ!」 大量の髪を展開し絡めとろうとする瑞樹。
しかし水銀燈は寸前で急上昇をかけ一気に天に舞上る。
「逃げるか小虫めっ!」
「あら失礼ね?」 静止すると翼を大きく左右に広げ竜と成す。
「ぬ・・・?」 思わず構える瑞樹。
「ホーリエ!」
グバッッ!!
「があああぁっ!?」 死角からの突如の衝撃に揺らぐ瑞樹。
「くっ!」 そのスキを突いて蒼星石は髪の毛を切払い縛から逃れる。
「おのれがぁぁ!!」 瑞樹は荒狂い、腕と髪をさらに振り回した。
そして真紅は再びステッキを振るう。
99 :
カプチーノ8世:2007/08/20(月) 10:13:46 ID:GwdeXLso
(なぜなの真紅? なぜ?)
水銀燈は最初から真紅を全く信用していなかった。
どうせ真紅は自分を弾除けにでもするつもりなのだ
水銀燈の心中には常に真紅への疑念が渦巻いていた。
だがいざ戦いが始まると真紅は先陣を切り、勇敢に戦っている。
絶えず一番前に立ち、皆を庇ってさえいるようだ。
(貴女はアリスになりたくはないの?)
―――アリス 完璧なる乙女
それはドールズの存在意義であり悲願だ。
それを望まないドールはいない。
しかしこのままでは真紅は無事ではすまないだろう。
その体がわすかでも欠けてしまえばアリスの資格を失うのだ。
この私のように・・・
(本気なの? 真紅! 貴女はどうしてそこまで・・・)
ローザミスティカの話も自分を騙すための嘘だと思っていた。
激戦のさなか、水銀燈は真紅への疑念に埋もれていった。
「しゃあっ!」 無数の手を真紅に伸ばす瑞樹。 しかし真紅は難なくかわす。
「!?」 その軌道の妙に気付いたときはもはや手遅れだった。
勢いを増してそのまま向かう先には・・・雛苺!?
「雛苺! 逃げなさい!」
「ぇう!?」 突然の危機に雛苺は逆に固まってしまう。
「くぉっ!」 攻撃を止めようと鋏を叩きつける蒼星石、だが勢いは止まらない。
「チビ苺っ! あぶないですっ!」
ズンッ
瑞樹の腕が翠星石の腹部を貫く。
「あ・・・が・・・?」
「翠星石ぃっ!?」
「翠星石・・・」
「・・・なっ!?」
「す、翠星石ぃ・・・」
最後の力を振り絞って雛苺を突き放す。
「・・・に、逃げるで、す、チビい、ち・・・」
カクンッ
翠星石の首はそのまま力無く垂れてしまう。
「ひっ、ひえぇ〜〜ん!」 その場から逃げ出す雛苺。
「よくもぉっ!!」 再度鋏を振るう蒼星石。
「くっ!」 真紅も続いて瑞樹に挑む。
(翠星石・・・バカな子ね。 他人を庇って死ぬなんて。
蒼星石ならともかくあんな役立たずを庇うなんて、ね。)
心中、翠星石を罵ってはいたものの水銀燈の受けた衝撃は大きかった。
アリスになる
それは姉妹を倒し、己ただ一人が父の寵愛を得ること。
敗者には骸のごときジャンクの末路しかない。 それがアリスゲームだ。
(邪魔者を蹴落とす絶好のチャンスだったハズなのに・・・)
双子である蒼星石ならまだしもなぜ雛苺を? 水銀燈は混乱していた。
水銀燈が援護をしたのはあくまで現状、利害が一致しているからだ。
言わば自分のためである。 皆もそうであるハズだ。 それがなぜ?
しかし物思いに耽っている余裕はもはや無かった。
戦況は一気に悪化している。
攻守の要であった翠星石を失い、真紅も蒼星石も攻め手を欠いていた。
闇雲に突っ込んでも腕や指に叩き落とされ、髪に絡め取られるだけだ。
今は自分が行くしかない!
「・・・ふぅっ!」 水銀燈は翼を広げ瑞樹に向かって羽を撃つ。
「小癪なっ!」 すかさず指を吐き出して迎え撃つ瑞樹。
さらに翼を竜に変じて放つ。
「グゥォオオオオ!!」
「しゃあっ!」 宙で絡み合う腕と竜。
「はっ!」「てやぁっ!」 花を撃つ真紅と飛びかかる蒼星石。
戦いはさらに激しさを増していった。
(これは?)
真紅は瑞樹の足元から腕が何本も地面に喰いこんでいるのを見つけた。
それはさらに地中に潜りこんでゆく。
「まさかっ!?」
慌てて中空の水銀燈を見る。 瑞樹の腕を必死に支える水銀燈。
その下には瑞樹から水銀燈に向かって大地に筋が這っていた。
(水銀燈っ!) 真紅は全力で走りだす。
「かかったのぉ?」
「? なにかしら?」
「先にそちが使った手じゃ・・・返すぞ!」
シュバババッ
突如地中から無数の腕が飛び出る。 とっさにかわそうとする水銀燈。
「ぐっ!?」 だが自身の翼が瑞樹の腕と絡み合って動けない。
貫手状の繊手が弧を描き水銀燈に迫る!
「っ!」「水銀燈っ!」
バキンッ
「真紅ぅっ!」
蒼星石の叫びに閉じた目を開く。
「?・・・真紅!?」
「水銀燈・・・後は、任せるわ、ね?」
水銀燈は目の前の事態が信じられなかった。
目の前で両手を大きく広げ、胸を貫かれている少女。
・・・真紅が私を庇っている?
「アリスに、なって・・・お父、様、に・・・」
「・・・真紅?」
胴を裂かれ、その体は奇妙にゆっくりと大地に落ちていった。
まるで彼女の振るう赤い花弁のように。
「てやぁっ!」蒼星石が水銀燈の翼と噛みあっていた腕を切り落とす。
「ジュン、のり、ゴメンね・・・」
まさに死のときを迎えながら真紅の心は不思議と静かだった。
どこかすがすがしい思いに包まれている。
自分は精一杯戦った。 力及ばなかったが二人は許してくれるだろうか?
そして・・・
(水銀燈・・・とうとう貴女に言えなかった。
貴女はジャンクじゃないって、最後まで伝えられなかった・・・)
姉妹の中でも水銀燈の存在は別格だった。
不完全ながら最強
いびつながら秀麗
背徳的ながら高貴
ドールズにとって水銀燈の存在は一つの壁であった。
ローザミスティカの獲得以上に、彼女を
超えることこそがアリスへの絶対条件と言える。
それはドールズ全員の共通認識である。
アリスへの試練、それこそが水銀燈の存在理由だった。
だがその現実を受け入れられるほど水銀燈の心は強くなかった。
水銀燈が他のドールに向ける目には劣等者への嘲りと共に、
常に嫉妬と憎悪があった。
「私はジャンクなんかじゃない。」
繰り返される虚勢の言葉は彼女自身が
その現実を認めている証左に他ならない。
(ずっと言いたかった。
貴女を尊敬してる。 貴女に憧れてる。 そして貴女を愛してるって・・・)
誰よりも優れた水銀燈を誰よりも崇拝していた真紅。
その想いが、言の葉として贈られることはついになかった。
アリスへの執着がなかったワケではない。
父を愛していた もう一度会いたかった
でもできなかった 水銀燈を超えることが
勝てなかったのは瑞樹にではない、水銀燈にだ
(貴女を超え さらなる高みに至る時 私は誰を目指せばいいの?)
(私にはわからない 私にはできない 私には貴女が必要なのに!)
その不安が、心弱さが敗因
でもいい
彼女はきっと勝つ
そして父に会うだろう
そしたら・・・
「・・・お父、様、に・・・今度、こそ・・・
作って、もらって、ね?・・・おねえ、さ・・・」
最後まで言い切ることなく真紅はこときれた。
「・・・」(なぜ?)
縛から解かれても思考はいまだ混乱の中にあった。
しかしその迷いがさらなる悲劇をもたらす。
「カカッ!」
「うぁっ!?」
水銀燈を解き放つも着地点に這わされていた髪に絡めとられる蒼星石。
「・・・っ!?」
助けなければ! しかしその距離は絶望的に遠かった。
「ぁぁあああああ!!」 おめいて飛び込む水銀燈。
「無駄じゃっ!」 させじと締め上げる瑞樹。
ギリリッ・・・ビキッ
「きゃあああああ!?」グバァァァアアッッ!!
巨大な鎌と化した翼が大地ごと髪を切り飛ばす轟音が
蒼星石の絶叫と重なる。
すかさず蒼星石を抱きかかえ、飛んでいく水銀燈。
「・・・逃げるかぁっ!?」
瑞樹の呪詛を背に受けながら水銀燈は飛び続けた。
>>91 1 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/14(土) 22:26:05 ID:q1yxvHbt
ここはローゼンメイデンの一般向けSS(小説)を投下するスレです。
SSを投下してくれる職人は神様です。文句があってもぐっとこらえ、笑顔でスルーしましょう。
18禁や虐待の要素のあるSSの投下は厳禁です。それらを投下したい場合は、エロパロ板なりの相応のスレに行きましょう。
次スレは
>>950を踏んだ人が、またはスレ容量が500KBに近くなったら立てましょう。
あとオリキャラは敬遠される傾向にあるよう
交戦地よりはるかに離れた荒野の一角に降り立つと
水銀燈は蒼星石を静かに大地に横たえた。
「・・・うぅ・・・くっ・・・」
「・・・蒼星石。」
あらためてみる蒼星石の姿は無惨なものだった。
あとコンマ数秒遅れていればもはや原型も留めなかったろう。
いまや戦うことはおろか立ち上がることも、
それ以前に命を保ち続けられるかどうかも怪しい。
「水銀、燈・・・」
「しゃっべては駄目よ、蒼星石。」
「い、いの・・・もう、わかってる、から・・・」
「・・・蒼星石。」
なんだろう、この気持ち?
胸が苦しい、なにかが溢れそうな危うい気持ちで一杯だった。
(悲しいの? 私は悲しいと思ってるの? これが悲しい、気持ち・・・)
「これ、を・・・」
外れかけた手を必死に動かす蒼星石。
水銀燈はすぐにその手を取った。
「ボク、の、鋏・・・キミ、が・・・」
「わかったわ、大事に使わせてもらうわね。」
「それ、と・・・これ、も・・・」
そう言って自分の腹部を指す蒼星石。
「・・・?」 じっと蒼星石の言葉を待つ。
「もって、行って・・・ボク、の・・・おな、か・・・」
「なっ!?」 流石にこの申し出には面食らう。
「アリ、スに・・・なっ、て・・・」
「何を言ってるの? そんなことできるワケないじゃない!」
「・・・ボク、も、翠星、石も・・・キミが、好き・・・」
「あ、貴女は何を・・・」
「・・・生き、て・・・」
その目が静かに閉じられると、手も力なく地に落ちた。
「・・・蒼星石?」
もはやいらえはない。
「・・・」
涙が止まらない。 こんなことは初めてだった。
嗚咽こそ出ぬものの涙はとめどなく溢れ続けた。
(どうして私は泣いてるの? いまいましい邪魔者が消えたのに。
おかしいわね? ふふっ、やっぱり私はジャンクなのね・・・)
水銀燈は蒼星石の言葉を思い返していた。
「ボクも翠星石もキミが好き」
信じられなかった。 いや信じたくなかった。
いまさら疑う理由とてもなかったが、それでも信じることを拒んだ。
いままでずっと皆が自分を嫌い蔑んでいると思っていたのだから。
蒼星石の言葉を信じることは今までの自分を否定することでもある。
皆の笑顔が恐ろしかった。
水銀燈にとって、彼女に向けられる笑みは全てが嘲笑だった。
自身が不完全であること、そのコンプレックスは
弱い彼女の心をいとも容易く蝕んでいた。
嘲笑や失望、侮蔑を恐れる余りミーディアムも持てず、一人孤独に彷徨った。
何かを、誰かを憎むことでしか自分を保てなかった。
でも今はハッキリとわかる。
自分に向けられた笑みは嘲りでなく、親愛の証だったのだと。
水銀燈は己の過去と現実に折り合いをつけるため
ただじっと荒野に立ち尽くした。
そして今、彼女は一人最後の地に向け飛び続ける。
すでに配下の人形達は全滅していた。
先に雛苺を狙わんとした瑞樹の気配を感じ、
配下の人形全てをその足止めに投入していたのだ。
後は自分がこの速度を保てば、先に会敵できるだろう。
(よりにもよって貴女が残るなんて、ね。)
これには水銀燈も思わず苦笑してしまう。
雛苺
一番幼く、一番頼りない少女。
妹どころか娘のように思えるほど彼女はかよわい。
アリスゲームに際し、水銀燈にとって彼女は完全に員数外だった。
例え自分に敗れるコトがあろうとも彼女が
勝ち残ることだけはあるまい。 そう確信していた。
よりにもよってその雛苺が最後まで残ろうとは
今まで苦々しく思っていた彼女のあどけない
言動も今となると妙に愛くるしく思える。
(雛苺・・・アリスには、貴女がなってね?)
自分に全てを託して逝った真紅や蒼星石には申し訳なかったが彼女の
意思はすでに決まっていた。 二人もきっと許してくれるだろう。
せめて雛苺と最後の別れをすませたかったがもはやそのいとまもない。
(貴女は私が必ず守る!)
決意を胸に水銀燈は飛び続けた。
規制にひっかかるのでとりあえずこれまで
一時間後くらいにまた
「・・・待たせたわね。」
瑞樹の眼前に舞い降りる水銀燈。
瑞樹はバラバラにされたジャンク人形の残骸の中にいた。
「怖気づかずによう来たの、西洋人形。」
改めて見ると、瑞樹の体は立っているのが不思議なほどに損傷していた。
彼女はただ一人でドールズ7体を相手に戦ったのだ、無理もない。
(・・・執念・・・)
まるでかつての自分を見る思い
どこか気恥ずかしい気持ちに思わず頬が緩んでしまう。
「・・・何がおかしい?」 それを嘲笑と取ったか、語気を荒げる瑞樹。
「フフッ・・・」 そんなところまで似ていることに感動すら覚える。
(おバカさんは、私一人じゃなかったのね・・・)
奇妙な嬉しさを感じ、さらに顔がほころぶ。
その顔はいつもの皮肉な笑顔からは創造も出来ぬほど屈託ない。
「・・・?」
その異様に呆気に取られ、瑞樹は手を出しかねた。
「貴女は、お父上を愛していて?」
「無論じゃ。 我ほどに父を愛する者があろうか?」
「私もよ・・・」
父への愛、しかしそれは呪縛でもあった。
父への愛に全てを捧げた、自分ばかりか他者までも。
それが間違いとは思わない。 だが悔いはあった。
今それを改められるなら・・・
「貴女とは良いお友達になれそうね。」
「・・・今更命乞いか?」
「いいえ、私は貴女を許せるけれど、
雛苺をその手にかけさせるワケにはいかないの。
引いてくださる? さもなくば・・・いまここで終わりよ。」
最前までの笑顔はいまや氷のように研澄まされ、その目は静かに闘志に燃えた。
それを嬉々として迎える瑞樹。
「やらいでか!? その美貌こそ我を成し遂げる最後の鍵!
今こそ父の悲願を叶えようぞ!!」
「ありがとう。 嬉しいわ、本当に・・・」
生まれて初めての賛美
水銀燈の寂しげな笑みも意に介さず、瑞樹は一気に躍りかかった。
最後の戦いが始まった。
「がぁぁっ!」 これを最後とばかりに猛攻をかける瑞樹。
「あぁぁっ!」 水銀燈も死力を尽くす。
共に帰る道はなく、相手を倒す、ただその一点に全てを注ぐ。
雛苺に全てを託した水銀燈はもはや損傷を恐れない。
一方瑞樹も体の挿げ替えを期し、損傷を意に介さぬ。
駆け引きも何もない力と力のぶつかり合いが繰り広げられた。
「ぐぅぅぅっ・・・!!」「ぬぅぅぅっ・・・!!」
再び絡み合う腕と翼、拮抗する力に戦いは膠着状態に陥った。
「・・・水銀燈、がんばるのぉ〜。」
雛苺は物陰に隠れてその様子を伺っていた。
翠星石に救われ、戦場から逃げ出したものの彼女はすっかり途方にくれていた。
やがて彼方にいる瑞樹の敵意が明確に自分に向けられるやパニックを起こす。
だが無数の気配が瑞樹に向かい、その進行を阻んだことから水銀燈の援護に気付いた。
そして、水銀燈の激しく燃えるような気が瑞樹に向かって
行くのを感じ、いてもたってもいられなくなったのである。
水銀燈が倒されれば次は自分。
とてもではないが己一人で立ち向かえる相手ではない。
雛苺はなんとか水銀燈への加勢を目論むも荒狂う巨大な気と
苛烈を極める闘争に竦んでしまっていたのだった。
「かかったのぉ?」
「なにかしら?」
以前と同じやり取り
「終わりじゃ!」
シュバババッ!
突如水銀燈の真下の地中から無数の腕が飛び出す。
しかし水銀燈は慌てず蒼星石の鋏を構える。
「同じ手をっ!」
「使うかよっ!?」
突如爆ぜ割れる腕、そして飛び出す大量の髪!
「っ!?」
「カカッ! そこまで舐めてはおらぬわえ!」
「うぬっ・・・!」 必死に力を振り絞るも体を縛る髪はビクともしない。
「その首、もらったっ!」
腕を大きく真横に薙ぐ瑞樹。 軌道は正確に首を指す。
ガクンッ
「なぁっ!?」 突如停止する腕。 それには無数の蔓が絡まっていた。
「水銀燈をイジメちゃ駄目なのぉ〜!」
「雛苺!?」
「小虫かっ!」
「ひっ!?・・・えぇ〜い!」
瑞樹の凶猛な眼光に一瞬ひるむも、雛苺はさらに蔓を展開する。
それは文字通り戦場を埋め尽くした。
「くくっ!?」「ちぃっ!?」
敵も味方も、自身さえも意に介さぬ力の暴走に二人の戦士は舌を巻いた。
その縛鎖から逃れようと一旦腕と翼を緩め合う。
「ふっ!」 水銀燈はその間隙を突き、髪を翼で斬払う。
「おのれぇっ!?」 絶好の好機を失い激昂する瑞樹。
怒りの矛先は・・・雛苺!
「この・・・小虫があぁぁぁぁ!!」 大地を引き裂きながら突進する瑞樹。
「あぅ・・・う〜!」 怯える雛苺はさらに蔓を紡ぎ出す。
結果、それが雛苺を追い詰めた。
「逃げなさい雛苺っ! 雛苺っ!?」
水銀燈は蔓を切り払いながら近づこうとする。
だが次から次へと湧き出す蔓に阻まれ、近付けない。
一方瑞樹は蔓の及ばぬ地中に半ば身を埋ずめ、
文字通り大地を掘り進みながら肉薄する。
負荷に耐えかね、その身はさらに崩れていった。
そして・・・
「死ねぇっ!」「雛苺っ!」
ズグッ
瑞樹の腕が雛苺の体を貫く。
途端に天地を埋め尽くした蔓は霧散した。
「あ・・・ぅ・・・」
「雛苺ぉっ!!」 水銀燈は即座に大鎌と化した翼を振るう。
「くっ!?」 大地を裂くが如き一撃に流石に飛びすさる瑞樹。
グバァァァアアッ!!
大地は裂け土煙が巻き上がり、すべてを隠す。
その絶好の好機にしかし水銀燈は追撃を怠った。
そして雛苺を抱え、その場を離れる
「雛苺! しっかりなさい!」
「・・・水銀、燈・・・?」
その目はすでに霞み、死期が差し迫っていることを告げていた。
「どうして来たの!? 臆病者の貴女が。」
「・・・だっ、て・・・水銀、燈、が・・・」
「バカな子。 なんで私なんかのために・・・」
雛苺は水銀燈に笑いかけた。
「・・・雛、ね・・・水銀燈、大、好き・・・」
「っ!」
「・・・おねえ、ちゃ・・・」
「雛苺っ!」
「・・・」
そして雛苺は静かに崩れ落ちた。
「・・・」
その様子を感情のこもらぬ瞳でじっと見つめる瑞樹。
水銀燈は雛苺の亡骸を大地に横たえると瑞樹と向き合った。
「・・・待っててくれたの? ありがとう。」
憎い仇でありながら、不思議と水銀燈に怒りはなかった。
むしろその心はこれ以上なく静かに澄んでいる。
「・・・よいかえ?」 問う瑞樹。
「・・・いいわ。」 答える水銀燈。
その身を一条の矢と化して
二人は互いに―――飛んだ
次はまた後で
「ぁああぁっ!」
「じゃあぁっ!」
繰り出される鋏と繊手
それらは交差し、互いの急所を突き貫く!
ドンッッ!
鋏は瑞樹の胸、繊手は水銀燈の腹に刺し込まれていた。
「・・・ぁ、う・・・」 苦鳴とともに水銀燈の首は力なく垂れ下がる。
「・・・カカッ! 我の勝ちじゃな西洋人形!」
勝ち誇る瑞樹、しかしその顔はすぐに神妙な面持ちとなる。
「・・・父上、ついにこの時がきました。
長かった我が旅路もようやく・・・」
「・・・終わりね。」
「!?」
突如跳ね上がる水銀燈の顔。 そこに死の翳りはかけらも見えない。
「メイメイ。」 グイッ
「なっ!?」
穿った胸部に精霊を押し込むと同時に両足で瑞樹の胴を挟み縛る。
そして上半身は宙に舞った。
「ばかなっ!?」
事態が飲み込めない瑞樹は空に浮かぶ水銀燈の上半身を驚愕の目で見つめる。
「・・・な、なぜ?」 攻撃も離脱も忘れただ問いかける瑞樹。
「私はね・・・」 ゆっくりと目を閉じる水銀燈。
「―――ジャンクなの。」
「・・・。」
「さよなら、メイメイッ!」
ズドオォォッ・・・
炸裂する衝撃をその翼に受け、水銀燈はさらに空へと昇って行く
私は ジャンク
心中に呟いたことはあっても、ハッキリと口に出すのはこれが初めてだ。
「私はジャンクじゃない。」
これが水銀燈の口癖だった。 数え切れぬほど繰り返してきた言葉。
でももういい 私はジャンクで構わない
最後に見た瑞樹の顔が不思議と穏やかであったことが救いだった。
彼女も救われたのだろうか? 最後の最後に
私達はとうとう勝てなかった、でも負けなかった
それで、十分だ
空をゆっくり舞い堕ちながら、やがて彼女の意識は白く溶けていった・・・
――ここは?
再び意識を取り戻した水銀燈は奇妙に見慣れた部屋に転がっていた。
暖炉の明かりが室内を薄く照らしている。
あちこちに見える人形のパーツや衣装・・・
まさか!?
上半身だけで必死に這って行く。
翼は爆風の煽りですでに使い物にならなかった。
しかし目的の場所にはすぐに辿りついた。
さして広い部屋でもない。
「おかえり、水銀燈。」
「・・・」
言葉に詰まる あれほどに思い焦がれた父が目前にいた
「そうか・・・オマエが残ってしまったのだね。」
「・・・あ」
水銀燈の思いをよそに彼は独白を続ける。
「私は敗れたのだな、天に。」
「・・・お父様?」
「よく知らせてくれた。 ありがとう。」
「わ、わたしは・・・」
言葉を挟もうとするももはや彼は聞いてもいない。
「ついに及ばなかったか・・・」
疲れきった声
「我が愛しい娘達を捧げてまでしたこの壮大な賭けもこれで終わりだ。」
そして初めて水銀燈の顔を見る
「さぞや私が憎かろう? オマエにだけ可能性を与えなかった私が?」
「そ、それは・・・」
流石にこれには言葉に詰まる。
不完全な自身への憤りを憎しみにこそしなかったが、恨みがないワケではない。
その逡巡を肯定と取ったか言葉を続ける。
「オマエには私を殺す権利がある。
オマエに殺されるならそれもいい、それこそ私にふさわしい最後だ。」
「待ってください、私は・・・」
「考えてみれば我が最高傑作たるオマエが残るのは、ある意味自然なことだ。」
その言葉は水銀燈にこれまでにない衝撃をもたらした。
「私が・・・最高、傑作・・・?」
「そうだ。 水銀燈。 オマエこそ我が生涯最高の作品だ。」
ローゼンは己ただ一人でアリスを成し得ると考えるほど愚かではなかった。
いかに天を衝く才に恵まれようと
いかに歳月を重ね技量を磨こうと
いかに我身を焼く情念を注ごうと
―――アリスは生まれない
アリスゲームは苦悩の末に生み出された一つの賭けであった。
結果として全ての者が倒れ、何一つ残らないかもしれない。
しかし己一人で天に挑むより、まだ希望があった。
そして彼は生み出す、至高の少女を
水銀燈
けしてアリスにはなれない
しかしまぎれもない彼の最高傑作
名工ローゼンが、己ただ一人で成した生涯の頂点
そしてアリスを生み出すための最後の鍵
「愛しているよ、私の水銀燈。 アリス、キミは今どこに・・・?」
彼は再び自身の想念に浸っていく
「待ってください! お父様、私は・・・」
「・・・ん?」
私は、なんだろう?
度重なる衝撃的な事実と悲劇に思考は混沌としていた。
自分は父になんと訴えるつもりなのか?
今 私は何を望む? 私の意味は?
「あぁ、そうだね。 オマエの体を完全にしてやらなくては。
我が最高の作を不完全なままにはしておけない。
すでに腹部はできている。 というより最初からできていた。」
「・・・」
「下半身を失ったようだがそれも問題ない。 せめてオマエだけでも・・・」
「お父様!」
「ん?」
「一つ、お願いがあります。」
「なんだね?」
「みな倒れました。 翠星石、蒼星石、雛苺、真紅、金糸雀、薔薇水晶・・・
お父様のお力で再びあの子達を・・・」
「・・・」
「・・・お父様?」
「残念ながらそれはできそうにない。
いや物理的には可能なのだがな・・・」
「?」
「犠牲無しには、叶うまい。」
「犠牲?」
「オマエと言う、犠牲がな。」
「私?」
「そうだ、我が最高傑作たるオマエを使えば、皆を復元させることは可能だ。」
「・・・」
「どうする?」
「お願いします、お父様。」
「・・・わかった。 それでこそ我が最愛の娘だ。」
水銀燈に向けられた彼の笑顔はこれ以上ない誇りと悲しみに満ちていた。
作業にとりかかる父の目は疲労に濁っていた先ほどとはうってかわり、
健康な生気に満ち満ちていた。
最後にその顔を見られただけで十分だ。
そしてなにより・・・
我が最愛の娘
父の言葉にすべてが報われた
いいようのない幸福感を胸に水銀燈は静かに眠りについた―――
とりあえずここまで
あとで後日談らしきものを挙げます
「ウフフッ♪ やっぱこういう自己犠牲モノが受けるのよねぇ〜」
自身の書き上げた短編を読み返し、そのデキに満足する
深夜にこっそり起き出し、少しづつ書き続けた力作だ
「これで私の人気もうなぎ登りよねっ!」
これで昼過ぎに起きては冷め切った朝飯をあてがわれるという
今までの辛苦も報われようと言うものである
「なにをしてるのかしら? 水銀燈」
ギクッ
「あ、あ〜ら真紅、ごきげんよう。 こんな夜更けにどうしたの?」
思わずPCのモニターを隠す
「最近外が騒がしいようだったので気になってたの」
「そ、そう? そんなことはないと思うけど・・・」
自分の悪癖、独り言を思い出す
「大層な力作ね? 誰が貴女を愛してるって? 冗談もそこまで行くと笑えないわ」
チッ 見てやがったがコイツ、かくなる上は口封じを・・・
「ふむ、裏山ってのはどうかしら?」
「・・・」
駄目だ のりにいらなくなったジャンクどもの処分を命じられて
捨ててきたら廃棄物不法投棄として桜田家は罰金を取られたのだ
おかげで一ヶ月のメシ抜きと町内清掃奉仕の刑を喰らったばかりである
空腹に耐えかね、虫や雀を捕食していた私を見かねた蒼星石は
こっそり食事を分けてくれた くぅぅっ、やっぱアンタはいいヤツねっ!
いつか私が世界を征服したら世界第二の地位をくれてやると言うと
困ったように笑っていた 遠慮してるのか? 相変わらず謙虚なヤツだ
「じゃあお隣の犬に喰わせるってのは・・・」
「・・・」
犬が腹を壊すだけだ、下手すれば死ぬ
それ以前にこんなもん食べてくれないだろう
「庭に埋めようかしら?」
「・・・」
バレたらのりに怒られる、またメシ抜きはもう嫌だ
「いっそ燃やしちゃおうかしら?」
「・・・」
ドールは燃えるような材質ではない
まったく、始末に負えないヤツらだ
「あ、そうだ! 粗大ゴミのタンスの中にでも入れとけばいいわ!」
「・・・」
粗大ゴミなら中身も見ずに即スクラップでバッキバキ!
ナイスアイデア! 私は今日も冴えている♪
「ねぇ真紅? 今度粗大ゴミの日に私と一緒に・・・」
「一人で行けぇぇぇ!?」
ボグッ!――グワッシャァアン!!
真紅の腰の入った右ストレートが水銀燈の頬を捕らえる
虎の咆哮にも似たその一撃は水銀燈を窓ガラスごと吹っ飛ばした
しまった、また声に出してたか・・・
今更ながら自身の悪癖を呪う
それというのもいつも一人で寂しかったからだ
これでもママゴトでは一人で最高七役をこなす
世界タイまであと一歩!
「金メダルも遠くないわね・・・」
「・・・なにを言ってるのかしら貴女は?」
呆れ顔の真紅は背後の気配に後を振り向く
「さっきからうるさいですぅ〜」
「ふわぁ、なにかあったの?」
「どうしたのぉ〜」
どうやら騒ぎを聞きつけ起き出して来たらしい
「あらあらみんなお目覚めね? 貴女の力作、ぜひみんなにも見てもらおうかしら?」
こいつらにまで知られるのはさすがに不味い
こうなったら証拠隠滅あるのみ!
「仕方ないわね、こうなったら・・・PCごとすべて灰にしてくれるわ!」
「なっ!?」
さいわい元は頭に入ってる
モノはいつでも再現可能なのだ
「あははっ! みんな消えちゃえっ♪」
「オマエが消えろぉっ!?」
ゴギッ!!
「げぶろぁっ!?」
マ、マジ痛い・・・
このガキ、いま本気で入れやがった! しかも木刀って!?
「ボクのPCを勝手に壊すんじゃなぁい!」
「うぅ、でも証拠が・・・」
「んなモン知るかっ! そのPCにはな!
ボクが数十時間もかけて集めたエロ画像が・・・」
慌てて自分の口を抑える少年A
「ケダモノ」
「けがらわしいですぅ」
「最低」
「Hなのぉ〜」
「無様ね」
「お姉ちゃん、悲しいわ」
いつの間にかのりまで起き出して来ている、この騒ぎでは無理ないか
「な、なんだよ!? 別にいいだろっ!」
「ジュン君も男の子だもんね、それは仕方のないことだわ。
でもジュン君には巴ちゃんがいるじゃない?」
最近ガキは巴と言う名のGFができていた
なんでも幼馴染とかで復学してから思い切って告ったらしい
「だ、だって、アイツ胸ないし・・・」
「ジュン君のバカぁっ!?」
ゴキッ!
のりの怒りのアッパーが完璧な角度で炸裂する
首が変な方向に曲がっているが平気なんだろうか?
「・・・チビ人間は巨乳好き、と」
翠星石が律儀にメモっている
どうやらまたエロガキをゆする気らしい
今まで一体いくら貢がせたのだろうか?
「・・・ぉごおおおおぅ!?」
なぜか顎ではなく口元を押さえもんどりうっている少年A
あ、舌噛んでら 指の間から大量の血が流れ出ていた
「・・・そりゃあね。 男の人の気持ちもわからなくはないわ。」
でもね? 女の子って、恋にはもっと繊細なものなの・・・」
どうも事態に気付いてないらしく滔々と説教を垂れるのり
相変わらずのマイペースっぷりだ
このままだと救急車をすっ飛ばして霊柩車を
呼びそうな勢いだがどうしたものか?
ま、いいや
証拠隠滅の邪魔者でしかないガキにはさっさと消えてもらうに限る
のりグッジョブ! 私は100万ドルの笑顔で彼女に向かい親指を突き立てる
のりは気付きもしないが気にしない、シカトには慣れている
見てろよ愚民ども! 私が天下を取ったあかつきには不敬罪で処刑してやる!
暗い野望を胸に秘め、ゆっくりとPCに近づく
今こそすべてを闇に葬るとき!
しかし振り上げた手は何者かに掴み取られる
「っ!?」
「ダメです、水銀燈」
「翠星石・・・どういうつもり?」
「そんなことをしても誰も喜ばないです」
「知った風なコトを! 貴女に何がわかるって言うの!?」
思わず語気を荒げてしまう しかし彼女は優しく微笑んだ
「そのPCにはチビ人間の思い出が一杯詰まってるんです」
「・・・」
「それさえあればチビ人間からいくらでもせしめられるです♪」
「鬼ね」
よーするにゆすりのネタを潰されては困る、と言いたいらしい
いいわ 分け前は5:5よ?
仕方ないので、作品項目だけ削除することにした
また打ち直すのははなはだ手間だが背に腹は変えられない
「あ、それ♪ ポチっとな?」
「させるもんかぁっ!?」
ゲシッ!――ガンッ!!
「はげぇぇえ!?」
真紅の矢の如きドロップキックが私の後頭部を蹴り飛ばす
顔はそのままモニターに叩きつけられた
「きさんっ!? なんばすっとかぁっ!!」
言葉がおかしいが気にしてはいけない
間違っても鹿児島在住経験などない
「せっかくの証拠をそうやすやすと消されてたまるもんですか!」
「どこまでも私の邪魔をする気? 真紅、許さないわよ!」
「許さないのはこっちの方だわ。 それをどうする気だったのかしら?」
「知れたことをっ! 全国のお茶の間にお届けするのよ!」
「そんなことは絶対にさせないわ。 私、真紅の名にかけて!」
「何人たりとも私の邪魔はさせないわ! 行くわよ? 真紅!」
こうして二人のとっくみあいが始まった
「・・・ふぇぇ〜〜ん!」
突然室内に響く雛苺の泣き声
死体予備軍に説教くれていたのりは我に返ると彼女を宥める
ちなみに少年Aは痙攣を始めた
もう長くねーな
「どうしたの? 雛ちゃん」
「雛が、雛が殺されてるのぉ〜!」
「ボクも殺されてる・・・」
あ、それ私の創作作品だ
どうも真紅と取っ組み合ってる最中に蒼星石と雛苺が読んでいたらしい
「まぁ、ヒドイことするわねぇ」
「のりも殺されてるよ?」
「・・・なに?」
バカ! 余計なことは言わなくていい!
蒼星石はマウスを操り、冒頭部分に戻す
「ほら? わずか一行で瞬殺」
「・・・」
その顔が青、黄を経て赤に染まる様はまさに信号機そのもの
そうか! 信号機のモデルは人間の顔だったんだ!
私はまた一つ利口になったことを喜んだ
「・・・これ、誰が書いたのかしら?」
やっべ! 喜んでる場合じゃない!
私は真紅を突き放すと急いで割れた窓から飛び出した
「まちなさーーーいっ!!」
夜空に響くのりの絶叫、それにしてもこういう場合の人間のセリフはいつも同じだ
「待てー!」 人間は有史以前から同じことを言っている
きっとこれから何千年経っても、やっぱりこういうときは「待て」と言うのだろう
人間とはなんと進歩のない生き物だろうか?
世の無常を憂いながら私は月夜に舞った
まるで月光の精のように――
ゴンッ! 「うげっ!?」
なにかが私の頭部を直撃する
「・・・うるっせーぞ桜田!!」
どうやら深夜の騒動にキレた御近所の投擲物らしい
私はそのまま大地に堕ちる
「うぅ、ちくしょう・・・」
私は大地を掻き毟って泣いた
なんで私がこんな目に?
それもこれもみんな社会が悪いんだ!
いつか世界を支配してやろうと決意を固め
ほとぼりが冷めるまで逃げることにした
ウフフッ♪ 今度は貴方のお宅に御邪魔するわね?
「 行 き 着 く 先 」 は 貴 方 の お 家
完
後日談1終了、残り二つは明後日に挙げます
「 行 き 着 く 先 」アフター1
「真紅ちゃ〜ん? はい、御飯よぉ♪」
「・・・」
「あらあら雛ちゃん、またこぼしちゃったのぉ?
もぅ、しょうがない子ねぇ。」
「・・・・」
「翠星石ちゃんも蒼星石ちゃんもすぐ食べさせてあげますからねぇ〜」
「・・・・・」
「はい! どう・・・」
ゴギッ!
「ぎゃああああああ!?」
「・・・それは押入れでやれって言ってるでしょ?」
私は木刀を突きつけると押入れを顎でしゃくった。
「うぅ、ごめんなさい巴様。 すぐ行きますから・・・」
散乱したわら人形や色とりどりのてるてる坊主を掻き集めるといそいそ
押入れの中に入っていった。 いちいちうっとうしいヤツだ
「まったく、我が家にはろくな人形が来ないわ。」
私は大きく溜息をついた。
話は3日前に遡る・・・
私は修行のために山篭りをしていた。
熊でも出れば新技のいい実戦テストになるのだがいかんせんここにはいない。
しょうがないので日々、自給自足と鍛錬を繰り返していた。
今日も今日とてエサを求めて山中を徘徊していると無数の壊れた人形達を見つけた。
人形に苦い経験のあった私は思わず眉をしかめたが当然それらは動き出す様子もない。
私は精神修養も兼ね、過去のトラウマを克服すべく一体持ち帰ることにしたのだった。
しかしあるのは壊れた人形ばかりで五体満足なものは一つもない。
恐らく欠けて売り物にならない人形をまとめて捨てていったのだろう。
最後に壊して遊んだのか、どれもこれも酷く損傷している。
仕方なく無事なパーツを組み合わせて作ることにした。
上半身のみの髪の長い人形が目を引き、それに合う下半身を探す。
すぐに見つかり、わずか二つの部品を組み合わせるだけで作業は終わった。
多少違和感がないでもないが十分だろう。
そのデキに満足した私はその場を後にしようとしたのだが・・・
「・・・ぇ〜〜〜」
奇妙にくぐもった声に思わず後を振り返る。
こんな山中に何者が?
私は出来上がった人形を放り出し、愛用の仕込み木刀「綾辻」を構える。
最悪の事態を想定し、親指で留め金を外す。 これでいつでも刃が使える。
注意深く周囲を伺い神経を研ぎ澄ます。 だが何者の姿も見えない。
「・・・ぇ〜〜〜」
再びの声。
それはどうやら積み上げられた廃棄人形の中から聞こえるようだ。
私は慎重に人形を取り除き、声の主を探す。
すると・・・
「おお! 父上っ・・・」 グシャ!
「それ」が何かを言い終わらぬ内に反射的に木刀を振るっていた。
誰が父上だ、私は女だ
ムカツいた私は腹いせに「それ」の残骸を薪の代わりにしてやることにした。
二つの人形を抱え、再び拠点にと作った巣に戻っていった。
「・・・ぉ〜〜〜・・・」
満天の空の下、焚火にくべられた残骸の断末魔が心地よい。
ここしばらく話し相手もいなかったので少し寂しく思っていたのだ。
今夜はこっちの完成品を抱いて寝よう。
少し早いが床につくことにした。
「・・・お父様ぁ〜〜!」 ゲシッ!
突然抱きついてくる完成品を反射的に蹴り飛ばす。
チッ、コイツもか!? 私は綾辻を手に様子を伺う。
「うぅ・・・お父、様・・・」
ゴリッ!
思わずその頭を踏みにじる。
どいつもこいつも・・・私はれっきとした女だ
その端正な横っ面を木刀の切っ先でぐりぐりこねまわす。
「あぐっ!?」
「・・・だぁれがお父様だって? あぁ?」
「ご、ごめんなさい・・・」
「私は、お、ん、な、よ! わかった?」
「はい、じゃあえ〜と・・・お母様?」
ダンッ!
「うごっ!?」
再度頭を踏みつける。 誰がお母様だ 私はまだ13だ
「あぅぅ・・・」
「巴様とお呼び、わかったわね?」
「は、はい・・・巴様。」
「よし。」
嫌な疲労感を覚えた私はすぐに眠ることにした。 とりあえず明日だ
完成品をロープでふんじばり、改めて床についた。
「ん〜、いい朝ね。」
「おはようございます、巴様。」
「・・・」
「巴様?」
「・・・おはよう。」
しっかりと縛り上げておいたはずが、いつの間にか抜け出していた。
縄抜けとは意外に器用なヤツだ
山篭りも今日で終わりだ
荷物を取りまとめ、下山の準備をする。 次来るのは来年だろう
完成品を伴い、私は山を降りはじめた。
「そういやアンタの名前は?」
「水銀燈です。」
「ふ〜ん。」
変な名前だ 「水銀」はまぁいいとして、どこら辺が「燈」なのか?
もしかして見つからなかった下半身がランプ状になっていて明かりが
取れる構造だったのか? んなわけないか
「水銀燈はこれから私の家で暮らしなさい。 いいわね?」
「はい、巴様。」
「言っとくけど私の命令は絶対よ?
逆らったら即スクラップだからね?」
「は、はい・・・」
動く人形は雛苺以来だ。 トラウマの克服にはうってつけと言えるだろう。
また、前回の失敗を反省し、これからは厳しくしつけることにする。
自分が厳しくしつけられた経験から、思わず甘やかしてしまったのが
いけなかったのだ。 子供できたら厳しくしよう
家に帰り着くと案の定、誰もいなかった。 好都合だ
とりあえず薄汚れた水銀燈を風呂に放り込み、ついでに
自分も風呂に入る。 山篭りの垢を落とさなくては
風呂から出ると早速タンスの肥やしになっていた子供の頃の服を
引っ張り出す。 手頃なサイズと言えるだろうそれを水銀燈に渡した。
「とりあえずそれを着なさい。 素っ裸じゃカッコわるいもんね。」
「はい、巴様。 ありがとうございます。」
「サイズは問題ないわね?」
「はい、ピッタリです。 でも・・・」
「? なに?」
「デザインがダサ・・・」
ガゴンッ!
「げぁぁあああ!?」
「・・・殺されたいの?」
「も、もうしわけ・・・」
「次はないわよ?」
「は、はい。」
久々にまともな食事を取ろうと台所に向かう。
食卓に置かれたメモを見つけ、その内容に愕然とする。
なんと桜田邸が炎上し、ジュン君とお姉さんは病院に運び込まれたらしい。
すでに事件より4日が経過していた。
「水銀燈っ!? すぐ出かけるわよ!」
「は、はい! 巴様。」
水銀燈を伴い、私は二人の入院先に駆け出した。
勿論お見舞いの品も忘れない。 この辺の細かい気配りで地道に
ポイントを稼ぐのは恋愛の鉄則だ。 お姉さんに対してもである。
リサーチ済みのジュン君とお姉さんの好物を物色しながら
公然とジュン君を訪問する口実が出来たことを私は天に感謝した。
大きく一つ深呼吸すると「桜田」のプレートが入ったドアをノックする。
コンコンッ
「はい、どうぞ?」 お姉さんの声だ。
「お邪魔します。」 音を立てぬようゆっくりドアを開ける。
「あら! 巴ちゃんじゃない。 わざわざ来てくれたの? ありがとう。」
頭には包帯が巻かれ、頬に絆創膏が貼られているが思った以上に元気そうだ。
「お久しぶりです。 あの、ジュ、桜田君は?」
「ジュン君は今寝てるの。 せっかく来てくれたのにごめんなさいね。」
そう言うと彼女はちらりとカーテンに遮られた隣のベッドに目をやる。
「い、いえ、いいんです。 あの、コレ良かったらどうぞ。」
「わぁ! ありがとう! 私の好物もジュン君の好物もあるんだぁ!」
「そ、そうなんですか? 良かった、気に入ってもらえて。」
あえてとぼけてみせる。 これもテクニックだ
「あら? その子は?」
「あっ、え〜と・・・しばらく家で面倒見ることになった水銀燈です。
ほら、桜田さんよ。 御挨拶なさい?」
彼女の肩をきつく掴む。 ここで下手打ったら折檻だというサインだ。
「あ、あの・・・はじめまして、水銀燈と申します。」
スカートの裾をつまむと優雅に一礼する。
その場違いなしぐさに思わず眉をしかめてしまう。
後で日本式仕儀作法を叩き込んでやる
また後ほど続きを
「・・・う〜ん。 誰?」
「っ!?」
カーテンの中から漏れ出る声に思わずドキッとする。 ジュン君の声だ
やった! ジュン君に会える 私は思わず声をかけた。
「あ、桜田君? 私、お見舞いに来たの。」
「・・・柏葉?」
「そうよジュン君。 巴ちゃんがお見舞いに来てくれたのよ?」
やがてそろそろとカーテンが開けられると
お姉さんと同じような姿のジュン君が見えた。
最初は目を細めて私を伺っていたが、断念したのかメガネをかける。
「あの・・・元気?」
「・・・うわぁぁぁぁぁっ!?」
ボンヤリしたその目が私の横に注がれると彼は突如絶叫した。
「桜田君っ!?」
「ジュン君っ!? どうしたの?」
「に、人形が、人形がぁ・・・」
えっ、コイツ?
ズンッ!
私は即座に水銀燈を室外に蹴り飛ばす。
ヤツのくぐもった呻きが聞こえるが気にしない。
「はぁはぁはぁ・・・」 少しは落ち着いたようだがまだ息は荒い。
「ごめんなさいね、巴ちゃん。 最近ちょっと人形でいろいろあって・・・」
「いえ、私の方こそすみませんでした。」
「いいのよ。 ところで水銀燈ちゃんは?」
「今外してます。」 空気も読まずに入ってきたら腕の一本ももぎとってやる
「そう・・・」
「そろそろお暇します。 お騒がせして申し訳ありませんでした。」
「いいのよ、良かったらまた来てちょうだいね?」
「はい、お伺いします。 桜田君? あの、また来るから・・・」
「・・・もう二度と来んな!」
「っ!?」
「ジュン君! なんてこと言うの?」
「いえ、それじゃあ失礼します。」
「ゴメンね巴ちゃん・・・ホントにゴメンなさいね?」
「はい、それではお大事に。」
私は頭を下げると外に出て扉を閉める。
「・・・」
「・・・巴様?」
ゴスッ!
「あぎっ!?」
とりあえず張り倒す。 まだおさまらないが後だ。
怒りと悲しみを胸に私は病院を後にした。
「・・・んで? そいつはどうしたのよ?」
家に着くとすきっ腹にエサを詰め込み、早速尋問に入った。
案の定、水銀燈は事情に通じており今までの経緯を語った。
犯人が瑞樹という名の日本人形であることまでは
わかったがそいつのその後が判然としない。
トドメを刺したらしいのだがまだ生きている可能性もあるという。
もし生きていれば良し、そいつの首を手土産にすれば挽回も可能だ。
この失点はなんとしてでも埋め合わせなければならない。
「そ、それがなんとも・・・」
「・・・わからないって?」
「い、いえ、多分私がいた場所にいるんじゃないかと・・・」
「それってあの山のことよね? やたら壊れた人形が一杯転がってたけど。」
「それは多分、私の配下だと思います。」
「配下? そんなのいたの?」
「はい、でも瑞樹の足止めをさせたら全部壊れてしまって・・・」
「よくわかんないけど、あれは全部アンタの関係者なのね?」
「はい・・・」
「まぁ動いてたのはアンタと首だけ日本人形だったけど・・・ん?」
「・・・えっ?」
思わず顔を見合わせる二人。
先に水銀燈はこう言った。 「日本人形」だと。
「そいつの特徴、覚えてるわよね?」
「あ、いえ、それが・・・」
「・・・アンタそいつとやり合ったんでしょ?」
「瑞樹は自分の体に他の人形の部品をかなり強引に
繋ぎ合わせていましたから顔しか覚えてないんです。」
「どんな顔よ?」
「それは、言葉で説明するのはちょっと・・・」
「あぁもう!・・・そう言えばアイツ父上がどうとか言ってたわね?」
「それです! その口調は瑞樹のものです。」
「・・・マジ?」
「ええ。 あの、なにか?」
「・・・」
その人形ならすでに腹いせに火にくべていた。
もはや灰しか残っていないだろう。
挽回計画、初っ端から頓挫!
私は頭を抱えてうずくまった。
仇を討ったのはまぎれもない事実だが、信じてもらえなければ意味がない。
そのためにはどうしても物証が必要なのだ。
とりあえず物分りの良いお姉さんに先に話を通しておこうか?
そのためには事情をさらに詳しく知っておく必要がある。
今度はもっと時間を遡って聞くことにした。
どうやら桜田家には6体もの人形が集っていたらしい。
その他もろもろ含めると数十体にはなりそうだがそれはいい。
以前に家でも飼っていた雛苺のクソガキをはじめ、赤色の真紅、
緑の翠星石、青色の蒼星石、日本人形の瑞樹、そしてこの水銀燈だ。
桜田邸はよく観察していたので水銀燈と瑞樹以外は少なくとも一度は
目にしている。 どうやら新参者がはっちゃけた挙句の炎上事件らしい。
その後、5対1のガチバトルが行われ、残ったのがこの水銀燈。
大雑把に言うとそういうことだ。
「・・・なっさけないわね〜? 5:1のリンチモードで
逆にそこまでケチョンケチョンにやられたってワケ?」
「はい、ことのほか瑞樹が強く・・・また序盤では約2名が
実質、戦力として機能していなかったものですから・・・」
「誰と誰よ?」
この手の話にのめり込むのは私の悪いクセだ。
親にははしたないと言われるし、友人には変な目で見られる。
間違ってもジュン君やお姉さんに知られるワケにはいかない。
「・・・私と雛苺です。」
「なんで?」
「え?」
「雛はわからなくはないけど、アンタはそこそこデキるんでしょ?」
「はぁ、それが今までいろいろあったので、どうにも共闘しかねて。」
「まぁいいけどさ。 他の3体も大したことないわねぇ。
3:1でのされるなんてどんな役立たずよ?」
「・・・」
なぜかこっちを恨めしそうな目で見つめる水銀燈
「何か文句ある?」
「い、いえ、別に・・・」
「? ま、結局ジュン君の仇は私とアンタで討っちゃったワケだ。」
「巴様が瑞樹を倒したんですか?」
「壊して火にくべた。」
「・・・」
「今は灰しか残ってないわ。 あ〜ぁ、知ってたらそのまま持ってきたのになぁ。」
「ジュン君がお好きなんですか?」
ゴンッ
「痛ったぁ・・・」
「ジュン様、でしょ? いずれアンタの御主人様になるんだから。」
「そうなんですか?」
「そうなるのよ。 いえ、そうするの。 どんな手を使ってもね。
アンタも手伝うのよ? いい?」
「は、はい!」
「まずは報告ね。 疲れたし、向こうにも落ち着く時間が
いるだろうから明日にしましょ。 ちょっと昼寝するわ。」
「はい、お休みなさい。」
私は布団を敷くとすぐに横になった。
天井を見つめながら私はボンヤリと物思いに耽っていた。
疲れているとは言え、今朝までぐっすり寝ていただけに頭は冴えている。
「雛ちゃ〜ん・・・」
「・・・?」
雛のクソガキがどうしたのだろう?
体勢はそのままに顔だけ声の主に向ける。
見ると水銀燈が何かに語りかけている。
「翠ちゃ〜ん・・・」
翠星石? あの口の悪い緑の猫被りのことだ
「・・・」
「・・・?」
次の言葉を耳を澄ませてじっと待つ。
「・・・4人足りな〜い!?」
「多いわよっ!?」
思わず跳ね起きて突っ込んでいた。
おい○さんだって1/10なのに、半分以上とは図々しいにもほどがある。
見ると水銀燈の前にはわら人形が置かれていた。
壁に掛けてあったのを持ってきたらしい。
「・・・なにやってんのよ?」
「あ、と、巴様? これはその・・・」
「それは雛苺でも翠星石でもないでしょ?」
「・・・」
水銀燈はうつむいてじっとしている。
その顔は今にも泣き出しそうに歪んでいた。
「・・・しょうがないわね。」
私はティッシュと輪ゴムを持ってくるとてるてる坊主を作り始める。
「・・・巴様?」
「ちょっと待ってなさい。」
やがて出来上がったてるてる坊主にスプレーで色を付けていく。
無い色をわら人形に割り振り、とりあえず数を揃えた。
「はい。」
「うわぁ〜♪」 途端に水銀燈の顔に笑みが広がる。
「乾くまで触っちゃダメよ?」
「はい! ありがとうございます!」
「あと、うっとうしいからやるなら押入れでやってね?」
「はい、わかりました。」
「それじゃおやすみ。」
水銀燈が押入れに入るのを見届けると再び私は床についた。
翌日、結局昼まで待ってメールを打つことにした。
二人のアドレスは無論知っている。
とりあえず仇は私と水銀燈の二人が命懸けで討ち、もう心配は
いらないこと、そして他の人形達は戦いに敗れて壊されたことを伝えた。
返信はすぐに来た。
お礼と先日のお詫び、そして私達ににケガはないかとの心配が記されていた。
私は山篭りで負ったいくつかの傷を瑞樹との戦闘のせいにすることにした。
また今後の付き合いを考え、水銀燈の下半身を損なうほどの健闘と、私が
それを継ぎ足したことを添えて送ると、重ねてお礼と心配のメールが届く。
これで少なくともお姉さんの好感度UPは間違いない。
後はお姉さんからジュン君にそれとなく伝えてもらえれば機嫌もどうにかなる。
いずれにせよ夏休みはまだ20日を残しているのだ。
勝負はこれからである。 ジュン君が正式に復学して来る
二学期までに確固たる関係を築いておかねばならない。
早速勉強机に向かうと夏休みの間の計画を練り始める。
すると、わら人形やてるてる坊主を抱きかかえた
水銀燈が窓辺に腰掛け歌いだした。
「しね♪ しね♪ しねしねしねしねしんじまえ〜♪」
「・・・」
「黄色いブタめをやっつけろ〜♪」
「・・・・」
「金で心をよごしてしまえ♪」
「・・・・・」
「日本人は邪魔っけだ♪ 黄色い日本ぶっつぶせ♪」
ゴギンッ!!
「がああああっっ・・・!?」
ドサッ
大上段の一撃が水銀燈を庭に転落させる。
よりにもよって日本の伝統を守る我が柏葉家で死ね死ね団の
テーマとは、そのクソふざけた度胸だけは賞賛に値する。
窓から庭を見ると散らばった人形達を泣きながら掻き集めていた。
室内の方に散らばったいくつかのてるてる坊主を投げ捨てる。
「いやああああああああああああっ!?」
途端に響く絶叫。 御近所に悪い噂が立ったらどうする!?
やがて人形を抱きかかえた水銀燈が部屋に戻ってきた。
「・・・なにあの歌は?」
綾辻の背でトントンと肩を叩きながら冷たい目で尋ねる。
「あ、あの・・・子守唄です・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・他にレパートリーは?」
「ありません・・・」
「あっそ・・・」
コイツは一体どんな人生を送ってきたのだろう?
「御馳走様でした。」
「ごちそうさまでした。」
食事を終えると揃って部屋に戻る。
前回の失敗を反省し、親に事情を話して飼う許可をもらったのだ。
尿意を催しトイレに向かうと、忘れていた疑問が頭をもたげる。
「そういえばアンタ達のお腹の中はどうなってるの?」
「? どういうことですか?」
「食べた物全然出さないじゃない? 雛もそうだったけどさ。」
「それは・・・ディラックの海に通じているとかなんとか・・・」
「なに、それ?」
「私もよくはわかりませんけれど・・・」
「入ってばかりで出てこないなんて、まるでブラックホールね。」
「ブラックホール? なんですか?」
「面倒だから説明はナシ。 それってなんでも入るの?」
「理論上はそうだと・・・あの、何を? あぐっ!?」
私は水銀燈の髪を引っ掴むと仰け反らせ、口の中に綾辻を突っ込む。
すんなりとはいかず何度か引っ掛かるたびに先端を掻き回した。
「あが・・・おぐっ!?、ぉごご! ぉがっ!?ぁががあっ!!」
「・・・大人しくしなさいよ?」
容赦なく木刀を突き入れる、水銀燈が涙目と手振りで訴えているが気にしない。
やがて、柄までが入るとそこから先に手応えは全くない。
「ぁが〜・・・」
しょうがないので木刀を引き抜く、先端は嫌に冷え切っているがそれだけだ。
「じゃあ、次はコレね?」
「なんですか?」
「爆竹。」
「・・・」
私は火をつけると水銀燈を引き寄せる。
「そ、それだけはお許しを・・・」
泣き顔で哀願するが容赦はしない。 抵抗する水銀燈を
押し倒し、無理やり開かせた口の中に爆竹を押し込んだ。
バババババンッ!
「ぅぎゃああああああああああああ!?」
「うるさいっ!」
ゴギンッ!
絶叫する水銀燈を思わず殴りつける。
どうやら手間取ってる間に火が本体に達したらしい。
嚥下する前に爆発してしまっていた。
喉の辺りで材質ごしに明滅する閃光が見えた。
「夜中に騒いだら怒られるでしょ?」
「・・・」
どうやら殴られた衝撃で気を失ったらしく、白目を向いて痙攣するばかりだ。
私はほっといて寝ることにした。
そして今朝目覚めると薄気味悪いママゴトを始めていた。
いまだ押入れの中で続行中らしく、くぐもった声が聞こえる。
停電時にしか出番の無い蝋燭に使い道が出来たのはいいのだが・・・
「ふぅっ・・・」
私はもう一度ため息をつくと今後の計画を練り始める。
そして計画に没頭するあまり、押入れの中の奇妙な
やりとりに気付くことはなかった。
暗い押入れの中に蝋燭のかすかな光が瞬く。
今にも消え入りそうな明かりを頼りに水銀燈は
わら人形や、てるてる坊主に話しかけていた。
その声は爆竹による損傷のためかしわがれ、
度重なる殴打のために全身はひび割れ、首はかしいでいた。
動く度にきしむ体は油の切れたカラクリのようだ。
そしてなにより
その目にはもはや正気はまったく見当たらなかった
彼女は今度こそ完全に壊れたのだ
体以上に 心が
「本当に怖いお姉ちゃんですねぇ〜真紅ちゃん?」
「・・・」
「あらあら、雛ちゃんもそう思うのぉ?」
「・・・」
「まぁ! 翠ちゃんそれはいい考えだわぁ!」
「・・・」
「うんうん、蒼ちゃんにもさせてあげますからねぇ♪」
「・・・」
「そう、今夜にでも・・・
・・・お仕置きしてあげなくちゃあねぇ?」
「 行 き 着 く 先 は ・ ・ ・ 」
完?
アフター2
今日もいい天気だ お父様を散歩にお誘いしよう
そう思いながらハーブを一枚むしりとる。
父に淹れる紅茶のために、一人ハーブ園を訪れていた。
本来ならばミーディアムにでもやらせるのだが今はいない。
そして今後、再びミーディアムを持つことがあるかどうかもわからない。
「ねぇ? 今日もいい天気よ。」
真っ赤なドレスに身を包んだ少女が
服に結いつけられた黒い羽に語りかける。
やがて彼女は家を目指し、ゆっくりと歩き始めた。
「 行 き 着 く 先 」 ノーマルルート
再び意識を取り戻したときは心底驚いた。
あれほどまでに思い焦がれた父が目前に居る。
最初は疲れた心が見せる幻だと、冷ややかとも言える
冷静さをもって懐かしい父の顔を見つめていた。
やがて語られる父の言葉からこれが現実で
あることを理解すると、途端に父に飛びついて泣いた。
人前で涙を流すなど、アリスを目指す己にあってはならぬこと
その決意、そして覚悟をこのときはじめて裏切った。
「水銀燈が?」
「そうだよ真紅。 水銀燈はお前こそアリスにふさわしいと言った。
いずれアリスとなる器だと。 一番に作り直し、早く見てやってくれとね。」
これにはさしも真紅も困ってしまう
つい最前に父の胸で赤子のように泣きじゃくったばかりだ。
自身の決意はおろか、水銀燈の期待をも裏切ってしまったことに
どうしようもない情けなさと慙愧の念を覚え、再び涙を流した。
「たくさんお泣き。 そして泣き足りたらまた笑っておくれ。
オマエの笑顔は薔薇の微笑み、この世で一番美しい。」
我が子をあやすようになだめる父の顔にかつての渇望や狂気が
もはやほとんど見て取れぬことに少なからず驚いた。
そして彼女は水銀燈を糧に、再び姉妹が甦ろうとしていることを知った。
「ゴメンなさいね。 ジュン、のり。 こんなにも遅れてしまって。」
時刻は深夜
世界が月光に染められる中、真紅は桜田家の墓前を訪れていた。
あれからすでに数ヶ月が経っていた。
鏡を抜けて日本に渡り、桜田邸を訪れたものの
もはや家は跡形もなく処理されたあと。
途方にくれた真紅はその場に居合わせた少女、
柏葉巴の協力でここに辿りついたのだった。
(貴方たちを守れなかった。 私が不甲斐無いばかりに。)
深い悔恨の念
それは己が生きるためにミーディアムを欲した結果でもある。
戦うことを是とする己の身勝手が、
戦いを厭うかよわい彼らを巻き添えにした。
‘ノブレス オブリージュ’
高貴なる者の義務として彼らを守らなければならなかったのに
(水銀燈、貴女は間違ってたのかもしれなくてよ? 私にはアリスなんて・・・)
しかしその気弱な考えをすぐに打ち消す。
彼らはすでに逝ってしまった。 己の挫折は彼らへの冒涜でもある。
やがて真紅の胸を去来する暖かい思い出は彼女の胸を熱くする。
そして流した三度目の涙に誓う。
(私はアリスになる、必ず)
「そしたらまた来るわね? ジュン、のり・・・」
二輪の薔薇を添えると真紅は墓地を後にした。
真紅はnのフィールドを訪れ、姉妹達の亡骸を探した。
水銀燈が最後の力でかろうじて己一人は転送してくれたものの、
その他のドールはいまだこの地に眠っている。
早く待っている父の元に送ってやらなくてはならない。
荒野を駆ける真紅は姉妹の亡骸と共に一枚の黒羽を見つけた。
手に取って眺めていると、水銀燈のいつもの皮肉っぽい笑みが思い出される。
自分に向けられる激しい嫉妬の目、そしてどこか寂しげな後姿・・・
(貴女はもう、どこにもいないのね・・・)
心にぽっかり穴が開いたような奇妙な感覚
それを埋めるように黒羽を胸に抱きしめる。
ふと我に返ると、いまだに水銀燈の影を追っている自分に苦笑してしまう。
(こんなことだとまた貴女に笑われてしまうわね?)
でもいい
自分はまだ弱い
しかし決して挫けるワケにはいかない
もし自分に負けそうになってもこの羽が見ていてくれるなら――
「今はまだ甘えさせてね? お姉様・・・」
彼女は羽をそっと懐に収め、父の待つ家へと歩き始めた。
「なに?」
「私はアリスになります。 お父様。」
「・・・」
眼前の父の顔は心底複雑、そうとしか表現しようのないものだ。
「・・・もう、よいのだよ?」
たっぷり時間を掛けてようやく絞り出された言葉はそんなお粗末なものだった。
おそらく内心の整理がまったくついていないのだろう。
深い懊悩が手に取るようにわかる。
父の決断を促すため、言葉を続けた。
「水銀燈はアリスを望んでいましたわ。
自身のために、なによりお父様のために。」
「・・・」
「私も同じです。 今度こそ、アリスになりますわ。 必ず。」
「しかしそれは・・・」
「アリスゲームだけがその道だとは思いません。
完璧なる乙女・・・少しだけ、考える時間をくださいましね? お父様。」
「・・・ああ! それがいい。 私も自分が一体なにを追い求めていたのか、
もう一度ゆっくり考えてみよう。」
そういって二人して笑いあった。
思えば、父の理想と己の理想とは本当に同じものだったのだろうか?
そしてそれは容易く言葉にできるようなものだったのだろうか?
まずは「完璧」という言葉、その概念について少し考察してみようと
父の作業を眺めながら静かに思索にふけった。
ハーブ園からの帰り道、色とりどりの花を見つける。
赤、白、黄色・・・
思わずのりが歌ってくれたチューリップの歌を口ずさむ
「・・・どの花見ても綺麗だな♪ そうね、本当に綺麗。」
(赤は私、白は水銀燈、黄色は金糸雀ね。
残念ね翠星石? 貴女の色はないみたい。 フフッ♪)
花弁の感触を楽しみながら、一つ一つの色と香りを確かめてゆく。
「本当に、どの花も綺麗だわ。
貴方達、とっても素敵よ?・・・・!?」
自らの独白にハッとする
どの花も・・・
そう、どの花も美しい 醜いものなどない
強いて言えば優劣をつけられるくらいだ
それとて己の主観にすぎない 真逆の評価をする者も居よう
もっとも美しい花とて欠点はある
逆に欠点が例えようもなく愛らしいものもある
まるで我々姉妹のように・・・
では 「完璧」とはなんなのか?
はたして「完璧」とは実現しうるものなのか?
そも「アリス」とは如何なる者だったのか?
なにか根本的な間違いをしていたような奇妙な感覚
少女は自分の思いつきを父に話そうと再び家を目指す
そして風になびく黒羽を見るや、その顔をほころばせる
(それでも一番美しいのは・・・きっと貴女よ? 水銀燈。)
やがて少女はゆっくりと駆け出して行った
「 行 き 着 く 先 」
正史・完
最後あたりしか読んでないがいい話だ
次はエログロネタです
「早くおいで?」
「はい・・・・」
蒼星石はうつむいたままボクの体を跨ぐと
そそり立ったモノを自分の秘所にあてがった。
「んっ・・・・」
ゆっくり腰を落として自身の中に迎え入れる。
すでに自分で濡らしていたのかすんなりと入ってゆく。
意地悪心を出したボクは慎重に進める蒼星石を
下から突き上げてやった。
グイッ
「んはぁっ!?」
甘い声と共に仰け反る蒼星石。
足はガクガクと震え、その身はいまにも崩れ落ちそうだ。
「トロトロやってないで早くしろよ?」
「は、い・・・・」
促され、再び腰を落としてゆく。
「ふっ・・・んくっ・・・んっ・・・」
切なげな吐息を漏らしながら、とうとう根元まで咥えこんだ。
「さ、動いて?」
「・・・・」
ボクの下腹に手を添えて体を支え、腰をぎこちなく上下に揺すりはじめる。
「うっ・・・うんっ・・・うくっ・・・」
声を出すのが恥ずかしいのか手で必死に口を抑える。
その羞恥心を捨てきれないところがまた愛らしい
再び意地悪心を出したボクは舌で湿らせた指を彼女のお尻の穴に這わせた。
「あぁっ!?」
思わぬ刺激に上がる驚きの声。
「どうした?」 ゆっくりと穴のふちをなぞる。
「やぁっ、そこは・・・・ダメだよぉ・・・・」
「ホラ? 腰がお留守になってるぞ?」
彼女の非難も構わず、再び下から突き上げる。
今度は一度では終わらずリズミカルに動かし続ける。
「やんっ!? あぅっ! はんっ! あぁんっ!」
蒼星石はもはや喘ぎを堪えようともせず、その口は甘い声を奏ではじめる。
やがて蒼星石も自ら腰を振りはじめた。
ボクも両手で彼女の乳房をこねまわしながら腰の動きを早めていく。
「蒼星石っ、いいぞっ・・・」
「あぁんっ! ジュンっ! あんっ! 好きぃ! あぁっ!」
高ぶると同時に彼女をきつく抱きしめ、その唇を吸い上げる。
そして欲望のたぎりを深奥に解き放った。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!?」
声なき絶叫が口内で弾け、蒼星石の小さな体はボクの胸で大きく跳ねた。
「っ!? っ!! 〜〜〜っ!!」
注ぎ込まれる度にその体はビクッ、ビクッと跳ね上がり
小さな爪先でボクの体を掻き毟る。
やがて射精を終えると張り詰めていた彼女の体は力なく崩れ落ちる。
ボクはその体をそっとベッドに横たえ、頬にキスする。
「愛してるよ、蒼星石。」
「はぁはぁはぁ・・・」
荒い息をつきながら、その目はボンヤリと霞んでいる。
しかし声は聞こえたのか、必死に声を絞り出した。
「はぁ、ジュン、はぁ、好きぃ、はぁ、はぁ、ジュン、ジュンぅ・・・・」
甘い声でボクを求め、震える手でボクを探し空を掻く。
そのしぐさがたまらなく愛おしく、胸に抱きしめ唇を吸い上げた。
チュゥッ
「んむっ・・・・」
安心したのか、 ボクに体を預けてぐったりしている。
その顔は満ち足りて安からだ。
額にキスすると、布団を引っ張り上げた。
ココに来たときとは大違いだな・・・・
ボンヤリと一週間前を思い返していた。
「 被 虐 の 罠 」
「こんにちは! 今日からお世話になるけどよろしく。」
「久しぶり。 元気だったか?」
「うん、ジュン君も元気そうだね。」
「まぁな。 翠星石は?」
「元気だよ。 元気すぎて困るくらい。」
「ははっ、そうだろうなぁ。」
蒼星石は勉強のために都会に出てくることになった。
そこで頼った先が旧知でもあり、
都会で一人暮らしをしているボクの元だった。
巴と付き合ってはいるものの、『お堅い』向こうの都合で
同棲はせず、同じ大学に通いながらも住処は離れている。
姉から連絡を受けたボクは二つ返事でOKした。
そして陰惨な宴はその夜の内にはじめられた・・・・
「お風呂上がったよ?」
タオルを体に巻きつけた蒼星石が部屋に戻ってくる。
「ああ・・・・」
返事をしながら手元の縄を掴みビデオカメラの位置を確かめる。
「パジャマは、と・・・・」
出した荷物の中から寝巻きを探す蒼星石。
ボクは気付かれぬよう蒼星石の背後に忍び寄る。
「あった。」
ガバッ
「っ!?」
蒼星石を押し倒し、素早く後ろ手に縛り上げる。
「なっ、なに?」
突然のことに事態が飲み込めないのか暴れもせずじっとしている。
「ジュン君? ねぇ? なにこれ?」
身をよじってこちらを伺うその顔にはいまだ疑いのカケラもない。
本当にお目出度いヤツだ
「ジュン君、早くほどいてよ。 イタズラは無しだよ?」
「・・・・」
前に回りこむと蒼星石の顎に手を添えて持ち上げる。
その顔は『よくわからない』と言う風にキョトンとしている。
「オマエは本当に可愛いなぁ? 蒼星石。」
「・・・・ジュン君?」
薄く開いたその唇に吸い付く。
チュウッ!
「んっ!?」
驚いたのか反射的に顔をそむけ、床に転がる。
「なっ! なにするのっ!?」
怯えたような目で問いかける。
「わからないか?」
「な、なにが?」
近づくと蒼星石はキュッと身を縮こまらせる。
構わず巻きつけられたタオルを剥ぎ取った。
バッ!
「あっ!?」
ボクは股間をさらけだすと、彼女を後ろから抱きかかえて立ち上がる。
子供にオシッコをさせるような格好になった。
何がはじまるのか理解できないのか
蒼星石の顔は恐怖のため、泣きだしそうに歪んでいる。
「ねぇ? どうしたのジュン君? なんだか怖いよ・・・・」」
「怖いことないさ? とっても気持ちいいコトだからな。」
「気持ちいい・・・・?」
ゆっくりとその小さな体を下ろし、秘所に自分のモノをあてがう。
「っ!?・・・・な、なにコレ?」
ヌルッ
「あうっ!?」
あらかじめ潤滑油を塗っておいただけに先端はすんなりと潜り込む。
だがすぐに抵抗を感じ動きを止めた。
「それじゃあ・・・・行くぞ?」
「ジュン、君・・・・?」
彼女の体を一気に落とす。
ズルリッ
「・・・・ぁああああああああああ!?」
一瞬遅れて響く絶叫。
その叫びには驚き、恐怖、苦痛のすべてが詰まっていた。
「痛いっ!? 痛いよぉっ! ジュン君!? やめてぇっ!!」
蒼星石はその苦痛から逃れようと必死に身をよじる。
しかしそれがかえって仇となった。
身をよじるたびに自然と自身の体重で喰いこんでゆく。
のたうつ度により深く貫かれ、その悪循環にパニックを起こした。
「あがっ!? やぁっ! ぃぎっ!? あぐっ! あはぁっ! いやあぁっ!!」
もはや言葉にもならず、ただ悲鳴を上げることしかできない。
やがてボクのモノを根元近くまで咥えこんで止まる。
穴は思ったよりはるかに深い。
グロはともかくエロはスレ違いなんじゃないか?
薔薇乙女(ローゼンメイデン)のエロ小説スレにでも投下なおした方がいい
〜???〜
「……ここは…ふふふ、なるほど」
「観せるのはここが良さそうですね……」
………
〜桜田家〜
「ジュン、紅茶を入れて頂戴」
「はいはいわかりまし「ハイは一回」はいよ」
「あはは〜♪ジュン登り〜♪」
「うわ!こら!今紅茶作ってんだろ!やけどしたらどうすんだよ…」
「ごっごめんなさいなの…」
「おバカ苺がまた怒られてやがるですw毎日毎日懲りない奴ですww」
「まぁ今のはちょっと間が悪かったね」ピンポーン…
「誰か来やがったです…」
ガチャ…「このロー」バタン
「閉めるなかしら!!」
「お呼びでないです、とっとと帰るです」
「虐めるのは可哀想だよ…こんにちは金糸雀」
「さすが蒼星石!どこかの性悪人形とは訳が違うかしら!」
「なっ!なんですって!このおでこ人形!」
「おっおでこは私のチャームポイントかしら!!」
「まぁまぁ二人とも…」
「お〜い何やってんだ?くんくんはじまるぞ〜?」
「!ベストポジションは私の物かしら!!」
「部外者の癖に厚かましいです!あそこは翠星石の場所です!」
「はぁやれやれ…」ピンポーン
「また誰かきた」
ガン!!
「!いった〜…」
「あっ…」
「薔薇水晶…こんにちは」
「おっぱっぴー……顔ごめんなさい…」
「うん大丈夫…」ピンポーン
「今日はよく人が来るな〜」
ガン!!
「…!!?」
「あ〜ら?ごめんなさぁい」
「大丈夫です…こんにちは…お姉様…」
「こんにちは水銀燈」「こんにちは〜もうくんくん始まってる?」
「あっそうだ!早く行こう」
「まさかあのくんくんに偽物が出てくるなんてびっくりです〜」
「カナは初めから知ってたかしら!」
「はじめは偽くんくん応援してたくせに何言ってるです」
「うっ嘘じゃないからしら!」
「あ〜うるさいな!なんで僕の部屋にいるんだよ!下で話せよ!」
「良いじゃない別に私はジュン君のそばに居たいだけよ〜?」
「水銀燈…ジュンにちょっかい出すのは許さないわよ」
「あら〜?真紅ヤキモチ〜?可愛いわね〜w」
「ちっ違うのだわ!こっこれは!しゅっ主人としての!」
「ジュン君…お姉様は私の物…手を出したら…」
「にっ人形に手なんかだすかよ!」
「でも…この前…」
「!!(あれはくんくんマグカップで手を打ったろ?)」
「(そうでした…)」
「みんな楽しそうなの〜」
「みんながそろうといつもこうだね」
「「これはこれは皆さんお揃いで……」」
「なんだ!?」
「こんにちは皆々様」
「ウサギさんなの〜」
「誰だおまえは?!」
「おや?ここでは私は存在しないのですか…まぁ好都合です」
「いや失礼、私はラプラスの魔っとでも言っておきましょう」
「ラプラスの魔?なにが目的なの?」
「それはただ暇を潰したいそれだけです」
「その暇人がなんのようですか!用がないならとっとと帰りやがれです!」
「用はありますとも…ふふふ、さぁ兎の穴へご招待…」
「「「うわぁー!!?」」」
なんかこれキモイな・・・
>>150-151 「…うっ…つぅ……なっなんだここ?」
「どうやらnのフィールドみたいね…」
「ようこそ…我が劇場へ……」
「お〜まえなんなんですぅ?!いきなり現れてこんな所に連れ出して!!」
「そうなのかしら!」
「おやおや…そんなに怒らずともいいでわありませんか」
「っで?私たちをこんな所に連れてきた用とやらはなんなの?」
「これはこれは話の分かる方もいるようで…でわ早速…あちらをご覧ください」
「映画のスクリーン?」
「貴方方は平行世界をご存じですか?」
「へいこうせかい?」
「SF映画とかに出てくるパラレルワールドか?」
「僕らの世界と限りなく近い世界…だけどまったく世界…」
「そう…あなた方の別の可能性……観てみたくありませんか?」
「それが用とやらなの?ならさっさと見せて帰って頂戴」
「真紅!あんな奴の話を!」
「危害を加えるつもりならいつでも仕掛けられたわ…でもしてこない…」
「だから大丈夫っと?そんな軽率な…」
「いいじゃない…それに平行世界とやらも興味深いわ…」
「そんな……」
「ふふふ…では上映開始です…ご静聴のほどお願いいたします……」
ジジジッ
「始まった…」
「あっ!真紅なの〜!」
「えっ…でもこれは…人間?」
「間接が…球体間接じゃない…」
「これはもしかしてアリスになった真紅なの?」
「色々疑問があるようで…しかしこの世界の中でアリスゲームは行われてはいません
いや厳密に言えばすでに終わっています…」
「アリスゲームをやっていないのに終わってる?どういうことだ…」
「あっ今度は金糸雀なの〜!」
「カナも間接が人間みたいかしら」
「…なんか……この中のおまえ等でかくないか?」
「そうねぇ…言われてみれば……」
「あとこれうちの中学の制服じゃないか!?」
「あっ巴もでてきたの〜♪」
「巴と身長がほとんど変わらないなんて……」
「真紅たちに何があったんだ?」
「どこかについたみたいなのー」
「うちの中学だ…」
「あっみんないるのよ〜!雛もおっきいの〜!」
「アリスゲームが行われてはいないのに終わってる……
みんなが人のように暮らしてる…なんでか説明してくれるかしら?」
「聞かれたならば答えましょう…そう厳密に言えばアリスゲームは終わっています
だがこの世界でアリスゲームは行われてはいないなぜ?」
「…すでに終わっているからか?」
「そうです…この世界でのアリスゲームは過去に終わっているのです
そしてその時に貴女達は一度死んでいます…」
「な!?」
「うっうそつくなです!!翠星石たちはそこに映ってるじゃないですか!?」
「そう…これも貴女達です…ですがこれは生まれ変わった貴女達の姿」
「生まれ変わった?人形の私たちが?」
「僕達の魂は迷子にならずに人間と同じ用に転生したと?」
「そうです生まれ変わり人形から人間となった貴女達…ある意味奇跡の存在です」
「……(これがアリスになるということなのか?)」
「うにゅ〜?ばらしぃ〜に似てる人がいるの〜」
「そっくりさん…」
「眼帯までしてますね〜反対ですが」
「その方はローゼンメイデン第7ドール雪華綺晶という方です…」
「第7!?私たちは6体しか作られてないはずじゃ……」
「わたしはローゼンの弟子である槐お父様の手によって生まれました…」
「おやおやこの世界は色々他の世界と違うようで…
ここ以外の世界には第7は存在してるというのに…
それにアリスゲームも行っていないようで……」
「翠星石たちはアリスゲームをやれとはお父様に言われてないです」
「アリスゲームで他のドールのRMを奪えばそのドールの能力が手には入る
っと言われたのだわ」
「そして全てのRMを集めればアリスになれるっといってたかしら」
「でもそのアリスがなんなのかわからないの〜」
「みんな断片的にしか覚えて無いけどまとめると意味の分からないアリス目指して争うより仲良くしましょって事になったの」
「だからアリスゲームはやらない意味がないから」
「なるほど…やはり他の世界と違うようで……では続きをご覧ください」
「…あっちび人間です」
「あらメガネをしてないのだわ」
「それに…なんか本当にジュン君小さいわね…」
「おまえ等がでかくなり過ぎなんだろ……」
「なんかしゃべってるかしら」
「気になります……」
「では音声も流しましょう…」
<おはようみんな>
<ジュンおはよーなの♪>
<おはようー♪ジュン君♪>
「雪華って奴雛苺みたいなノリだな」
「みた感じと違うみたいですね」
<あぁら?みんな集まって何やってるの?>
<お姉様おはようございます…>
<おはようなのだわ銀姉>
<銀ちゃんおはよー♪>
「「「「銀ちゃん…」」」」
「なっなによ?」
「今度からそう呼ぼうかしら…」
「だっだめに決まってるじゃない!!それに貴女は中では銀姉じゃない!」
「つまんないわね…」
会話ばっかりだな
ラヴクラフト全集でも読んでろ
158 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/11(火) 19:16:43 ID:nzpZCWjv
んあっ!!
159 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:31:01 ID:ayGzUH0k
オリキャラ
(俺)傍観&会話とかでも敬遠されそうだなぁ
そりゃ叩かれるけどね。投下できるなら投下しろ
過疎ってるな
163 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/04(日) 16:45:29 ID:UbFd0IR4
過疎とかそんなLvじゃねえな
だっれっかっとっうっかっしっろっ!
実装石のSSはどこに投下したら良いんだ?
166 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/16(金) 00:43:15 ID:lvNYUICO
保守
>>165誰かしらは絶対に文句付けるだろうけどここでもどこでも良いんじゃね?
人居なさ過ぎ…
169 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/22(木) 23:34:15 ID:4vhE6CV9
一番人気 不人気 無人気
┝━━━━━━━━━━┿━━━━━━━━━━┥
, -、 , -――- 、
! ', く ̄`'ー 、 ,rz:yェュヽ
ヽ. ヽ __ /.:ト 、 ー-{{ rャz_}}ハ
ヽ \ /´ } ここ! / '} 丶、 ヽ,:クー'ヽ.〉 li
r‐ヽ. ヽノ / l.: / >‐ゝ〃ヽl l|
r | {:. , 九、 l: /- 、 ' ,ィfメ、 \ l :!
. 「', \_}l ノ }' \ ヽ!:y=、 ヘ:りj 、Y´Vl
l ヽ_〕 _ イ _〕\´l\ _ハ:り 、 ´xXx fヽjノ
` ー 't--イ __j´ / _} \ //⌒ヾ _, -'´) ,rー」
フ⌒K´ ' ヽ、| ヽ、__./ ̄ `ヽー 、ニ´ r '´ ̄ ̄¨ヽ
厶ィ l \ / | 、 ヽ `丶 - V 」ト-イ_V´ . 二 _ 」、
/ ハ. 丶、{_ 」 ` ヽ / _}。 Y゙-―‥チ:〉
└ 'イ. ヘ / イ /‐t― ヽ、, イノ l:ト、 , -_」{
/ , l 'ーォ / / \__ , f´ ̄`フ|」 匕.-'‐i|
´} '´\ / { / / ≦三} 。 K≧イ!
¨´ケ ハ フ | / / └=' 、 /ハ l
{.ノ} し'イj' / /`ヽ }'´ :|
過疎
171 :
eat:2007/12/27(木) 13:58:01 ID:Ngi1sK5t
スレチかもしらんが、これの続き作った。
904 名前:水先案名無い人[sage] 投稿日:2006/09/25(月) 05:41:11 ID:HoinGn1B0
| \ / |
| \r rイ |
「 ̄ , ィ´ ̄`7ハ^X^ヽ  ̄`7
」 ,// //i::l::ノノl l:、 /
/ L_//, イ/::l:|::|:|::|ノノ::|:Vコ
/|:.|.:|::|`ト、,|:|::|.|::|_;:イl::lヽ ヽ
|.:!::|::|::!:0′.:.:::::.: 0′ | \
.:.:.::::| .:.:::::::::::.:.:. l:.:. ヽ
_.:.:.::::::::l /ヽ /::::.:.:. /
二三三ヽ ⌒ / ==ニイ
``>.::::フ^rrー - 、 _, -─-、ニ二<
l::/ |:にニニ >>ェ<ニ二::| `ヽ
〈 `ー一'77^トト ー一' /
> / // l:| i i 〉
雛苺は激怒した。必ず、かの邪智暴虐のツンデレを除かなければならぬと決意した。
雛苺には政治がわからぬ。雛苺は、純朴なドールである。うにゅーを食べ、絵を描いて暮して来た。
けれども性悪に対しては、人一倍に敏感であった。
172 :
eat:2007/12/27(木) 14:05:15 ID:Ngi1sK5t
雛苺は激怒した。必ず、かの邪智暴虐のツンデレを除かなければならぬと決意した。
雛苺には政治がわからぬ。雛苺は、純朴なドールである。うにゅーを食べ、絵を描いて暮して来た。
けれども性悪に対しては、人一倍に敏感であった。
きょう未明巴の家を出発し、野を越え山越え、徒歩一時間ほどのジュンの家にやって来た。
雛苺には、父も母も無い。女房も無い、気の弱い巴と暮している。
巴は、同級生の暗い、引きこもりニートである桜田ジュンを慕っていた。巴からジュンの家にお使いを頼まれていたのだ。
雛苺は、それゆえ、不死屋のうにゅーやら学校のプリントやらを持って、はるばる桜田家にやって来たのだ。
先ず、うにゅーを一つつまみ食いをして、それから街の周辺をぶらぶら歩いていた。雛苺には信頼する姉があった。
ローゼンメイデン第5ドール真紅である。
今このジュンの家で、ジュンを家来(下僕)にして生活している。その姉を、お使いついでに訪ねてみるつもりなのだ。
久しく逢わなかったのだから、訪ねて行くのが楽しみである。
歩いているうちにジュンの家に着いた雛苺は、家の様子を怪しく思った。ひっそりしている。
もう既に日も落ちて来ていて、うす暗いのは当りまえだが、けれども、なんだか、夕暮れのせいばかりでは無く家全体が、やけに寂しい。
のんきな雛苺も、だんだん不安になって来た。
中に入ってジュンに逢い、この家の様子について語勢を強くして質問した。
ジュンは答えなかった。雛苺は両手でジュンの体をゆすぶって質問を重ねた。ジュンは、あたりをはばかる低声で、わずか答えた。
「翠星石は僕と姉さんをいじめるんだ。」
「なぜいじめるの。」
「チビ人間は使えないと言うけども、僕たちがこき使われる云われは無い。」
「翠星石はそんなにいじめるの。」
「ああ、はじめは僕をチビ人間呼ばわり。それから、アレをしろこれをしろとこき使い、最後には姉さんを。。。」
「びっくりしたの。翠星石はそんなにわがままなの?。」
「たしかに、わがままだけれど。人を、信ずる事が出来ないんだそうだ。このごろは、姉さんのこともアゴで使うように、
少しでも気にいらないことがあると、鈴カステラをひとつずつよこせと命じてくるんのだから始末におけない。
命令を拒めば袋ごとよこせと言われる。今日は、翠星石に4袋食べられたよ。」
聞いて、雛苺は激怒した。「ジュンとノリをいじめるなんて、呆れた翠星石なの。生かしてはおけないの。」
雛苺は、単純なドールであった。プリントとうにゅーを、持ったままで、のそのそ翠星石の所へやってきた。。
173 :
eat:2007/12/27(木) 14:08:56 ID:Ngi1sK5t
たちまち雛苺は、翠星石によって捕縛された。
調べられて、雛苺の懐中からはクレヨンが出て来たので、騒ぎが大きくなってしまった。
雛苺は、翠星石の前に引き出された。
「このクレヨンで何をするつもりだったですぅ。言うのですぅ!」翠星石は問いつめた。
その翠星石の顔は蒼白で、口の周りはさっき食べたばかりの鈴カステラのザラメで汚れていた。
「ジュンとノリを翠星石から救うの。」と雛苺は悪びれずに答えた。
「チビ苺がですかぁ?」雛苺は、嘲笑した。「仕方の無いチビ苺ですぅ。チビ苺には、翠の心がわからないのですぅ。」
「何なの!」と雛苺は、いきり立って反駁(反駁)した。
「人の心を疑うのは、ダメだって巴が言ってたの。翠星石は、ジュンのことを疑っているの。そんなのだめなの。」
「疑うのが、正当の心構えなのだと、翠に教えてくれたのは、お前達ですぅ。
人の心は、あてにならないのですぅ。信じられるのは蒼星石だけなのですぅ。」
翠星石は落ち着いてつぶやき、ほっと溜息をついた。「翠だって、平和を望んでいるのですぅ。」
「何のための平和なの。翠星石自身為のものなの。」こんどは雛苺が嘲笑した。「罪の無いジュンとノリをいじめて、何が平和なの。」
「黙るですぅ。チビ苺。」翠星石は、さっと顔を挙げて報いた。
「口では、どんな事でも言えるのですぅ。翠星石には、人の腹綿の奥底が見え透いてならないのですぅ。
チビ苺だって、いまに、磔になってから、泣いて詫びたって聞かないのですぅ。」
「翠星石は自惚ばいいの。雛は、ちゃんと死ねる覚悟で来ているの。命乞いなど決してしないの。
ただ、――」と言いかけて、雛苺は足もとに視線を落し瞬時ためらい、
「ただ、雛に情をかけたいつもりだったら、処刑までに3時間の期限を与えて欲しいの。巴に、一言お別れをしに行きたいの。
三時間のうちに、雛は巴の家に戻ってお別れをして、必ず、ここへ帰って来るの。」
「ばかな、なのですぅ。」と暴君は、高らかに笑った。「とんでもない嘘を言うのですぅ。逃がした小鳥が帰って来るのですかぁ。」
「そうなの。帰って来るの。」雛苺は必死で言い張った。
「雛は約束を守るの。雛を、三時間だけ許して欲しいの。巴が、雛の帰りを待っているの。
そんなに雛を信じられないなら、このバッグには雛の大好きなうにゅーとジュンの大事なプリントが入ってるの。大事なものなの。
これを、ここに置いて行くの。雛が逃げてしまって、三時間後の九時までに、ここに帰って来なかったら、
あのうにゅーとプリントを好きにしていいの。お願い、そうして欲しいの。」
174 :
eat:2007/12/27(木) 14:11:18 ID:Ngi1sK5t
それを聞いて翠星石は、残虐な気持で、そっとほくそ笑んだ。生意気なことを言うチビ苺ですぅ。
どうせ帰って来ないにきまっているのですぅ。
このチビ苺に騙された振りして、放してやるのも面白いのですぅ。
そうしてチビ人間のプリントを三時間後に破ってやるのも面白そうなのですぅ。
これは、雛苺のせいなのですぅ。と翠は悲しい顔をして、そのプリントをチビ人間に見せてやるのですぅ。
そうすれば、チビ人間も翠のことをもっと構ってくれるのですぅ。
「わかったですぅ。その袋をよこすですぅ。三時間後、九時までに帰って来るですぅ。遅れたら、その袋ごと捨てるですぅ。
ちょっと遅れて来るのですぅ。そうしたらチビ苺のことは、永遠に許してあげるですぅ。」
「何を言うの、翠星石。」
「ぐふふ。命が大事だったら、遅れて来るですぅ。チビ苺のことは、分かってるのですぅ。」
雛苺は口惜しく、地団駄を踏んだ。ものも言いたくなくなった。
大事なうにゅーとジュンのプリントは、翠星石に奪われた。
渡す直前、雛苺は袋をひしと抱きしめた。もううにゅーは食べられないけど、、これでよかったの。
そうしてうにゅーとプリントの入ったバッグは、翠星石にわたしたのであった。
雛苺は、すぐに出発した。初夏、満天の星である。
175 :
eat:2007/12/27(木) 16:09:29 ID:NWVdWB2i
雛苺が、、巴の家へ到着したのは、7時、
巴はもう既に夕食を食べて雛苺を待っていた。。
よろめいて歩いて来る雛苺の、疲労困憊の姿を見つけて驚いた。
そうして、雛苺に質問を浴びせた。
「なんでも無いの。」雛苺は無理に笑おうと努めた。
「ジュンの家に用事がまだ残してきたの。またすぐジュンの家に行かないといけないの。
巴、ごめんね。」
巴は首を傾げた。
「雛苺は巴のことが大好きなの。だから心配しないで欲しいの。」
そう前置きをして雛苺は巴に事情を話した。
そうして雛苺はジュンの家に戻ることを頼んだ。
巴は、それはいけない、思い直して。と雛苺を引き止めた。
雛苺は、待つことは出来ないの。行かせて欲しいの。と更に押して頼んだ。
巴も頑強であった。なかなか承諾してくれない。
30分ほど議論をつづけて、やっと、どうにか巴をなだめ、すかして、説き伏せた。
突如、窓の外からぽつりぽつり雨音し、やがて車軸を流すような大雨となった。
巴は、何か不吉なものを感じたが、それでも、お互い気持ちを引きたて、
巴の部屋の中で、短い時を過ごした。しばらくは、翠星石とのあの約束をさえ忘れていた。
雛苺は、一生このままここにいたい、と思った。
巴と生涯暮して行きたいと願ったが、いまは、自分のからだで、自分のものでは無い。
ままならぬ事である。雛苺は、わが身に鞭打ち、ついに出発を決意した。
外は雨だがまだ一時間半ある。きっと間に合うだろう。
ちょっと一眠りして、それからすぐに出発しよう、と考えた。その頃には、雨も小降りになっていよう。
少しでも永くこの家に愚図愚図とどまっていたかった。
雛苺ほどのドールにも、やはり未練の情というものは在る。
「ごめんなさいなの。雛は疲れてしまったから、ちょっとだけ眠りたいの。
30分経って眼が覚めたら、すぐにジュンの家に出かけるの。雛がいなくても、
決して寂しい事は無いの。雛苺が嫌いなのは、巴の泣いてる顔と、それから、悲しい顔なの。」
巴はうなずいた。メロスは、それから、、
「仕度の無いのはお互さまなの。雛には、宝といっても、うにゅーとくれよんだけなの。
他には、何も無いの。全部あげるの。もう一つ、雛のミーディアムになったことを誇って欲しいの。」
雛苺は会釈して、巴の膝に座り、死んだように深く眠った。
176 :
eat:2007/12/27(木) 16:17:43 ID:NWVdWB2i
眼が覚めた時、時計の長針が2を指していた。メロスは跳ね起き、南無三、なの、寝すごしたの、
…いや、まだまだ間に合うの。
これからすぐに出発すれば、約束の時間までには十分間に合う。
あの翠星石に、人の信実の存するところを見せてあげるの。
そうして笑って磔の台に上ってやる。雛苺は、悠々と身仕度をはじめた。
雨も、いくぶん小降りになっている様子である。身仕度は出来た。
さて、雛苺は、ぶるんと両腕を大きく振って、雨中、矢の如く走り出た。
雛苺は、今日、殺される。殺される為に走るのだ。大好きなジュンの為に走るのだ。
翠星石の奸佞(かんねい)邪智を打ち破る為に走るのだ。走らなければならぬ。
そうして、雛苺は殺される。若い時から名誉を守れ。
さらば、巴よと。幼い雛苺は、つらかった。幾度か、立ちどまりそうになった。
えい、えいと大声挙げて自身を叱りながら走った。
家を出て、道路を横切り、柵をくぐり抜け、隣町に着いた頃には、雨も止み、月は高く昇って、
そろそろ寒くなって来た。
雛苺は濡れた服の雫を振るい、ここまで来れば大丈夫、もはや巴への未練は無い。
巴も、きっとわかってくれるだろう。雛には、いま、なんの気がかりも無い筈なの。
まっすぐにジュンの家に行き着けば、大丈夫なの。そんなに急がなくても大丈夫。
ゆっくりいくの。と、持ちまえの呑気さを取り返し、好きな小歌をいい声で歌い出した。
177 :
eat:2007/12/27(木) 16:18:30 ID:NWVdWB2i
イッチゴジャムゥ〜♪イッチゴジャムゥ〜♪イッチゴあじ〜のォ〜ノスパゲチィ〜♪
イ-チゴッもいっぱいはいってるウゥゥゥゥ〜♪スーッパゲィッチ、イィーーーーッッ!!!
ウォォ〜アンマァエアウエァ〜クハッ!キャハ!ケヘァ!カハァ!
178 :
eat:2007/12/27(木) 16:21:45 ID:NWVdWB2i
時は既に15分を切った。ぜいぜい荒い呼吸をしながら坂道をのぼり、のぼり切って、
ほっとした時…、突然、がくりと膝を折った。
立ち上る事が出来ぬのだ。天を仰いで、くやし泣きに泣き出した。
長い道のりを登り、雨の中、走り続け、突破して来た雛苺よ。真の勇者、雛苺よ。
今、ここで、疲れ切って動けなくなるとは情無い。
大好きなジュンは、おまえに裏切られたのだ。おまえは、稀代の不信のドール、
まさしく翠星石の思う壺だぞ。と自分を叱ってみるのだが、
全身萎えて、もはや芋虫ほどにも前進かなわぬ。
塀の壁ににごろりと寄りかかり、ころがった。身体疲労すれば、精神も共にやられる。
もう、どうでもいいという、ローゼンメイデンのドールには不似合いない、
ふてくされた根性が、心の隅に巣喰った。
雛は、がんばったの。約束を破るつもりは無かったの。
雛は精一ぱいに走って来たの。動けなくなるまで走って来たの。
雛は不信の徒では無いはずなの。ああ、できる事なら雛の胸を截ち割って、
自身のローザミスティカをお目に掛けたい。愛と信実だけで動いている。
このローザミスティカを見せてやりたい。
けれども雛は、この大事な時に、疲れきってしまったの。雛は、よくよく不幸な子なの。
雛は、きっと笑われる。巴からも嫌われちゃう。私はジュンを騙したの。
途中でやめるのは、はじめから何もしないのと同じ事なの。
ああ、もう、どうでもいいの。これが、雛の運命なのかも知れない。
ジュン、雛を許して。ジュンは、いつでも雛を信てくれた。
雛もジュンに、嘘つかなかったの。ジュンと雛は、本当に仲良しだったの。
いまも、ジュンは雛のことを待ってると思うの。ううん、ぜったい待ってる。
ありがとう、ジュン。雛のことを信じてくれて。
お友達は、この世で一番の宝ものなの。ジュン、雛は頑張ったの。走ったの。
ジュンに嘘つくつもりは、無かったの。信じて欲しいの! 雛は急いで頑張ってここまで来たの。
雨の中でも、服がびしょびしょになっても一気にここまでかけ降りて来たの。
雛だから、出来たの。もう、これ以上、雛には無理なの。放って置いて欲しいの。
どうでも、いいの。雛は負けたの。雛はだめな子。
笑ってくれ。なの。翠星石は雛に、ちょっと遅れてくるですぅ、と耳打ちした。
おくれたら、うにゅーとプリントと引き換えに、雛を助けてくれると約束した。
雛は翠星石の事を憎んだ。だけど、今になってみると、雛は翠星石の思うまま。雛は、遅れて行く。
翠星石は、雛のことを笑う。そして雛のことを許すだろう。そうだったら、雛は、死ぬよりつらいの。
雛は、永遠に裏切者なの。
ローゼンメイデンの中で最も、アリスにふさわしくないドールなの。
ジュン、ジュンは雛の事を信じてくれると思う。
179 :
eat:2007/12/27(木) 16:23:53 ID:NWVdWB2i
ううん、それも雛が、自分勝手なのかも知れないの?あうー、もういっそ、裏切者として生き伸びてみる。
この道を戻れば雛の家が在る。巴も居る。巴は、まさか雛を家から追い出さない。
正義、信実、愛、考えてみると、くだらない。
ドールを壊して自分が生きる。それがローゼンメイデンのはずなの。
ああ、何もかも、ばかばかしいの。雛は、醜い裏切り者。どうでもいいの、勝手にするばいいの。
やんぬる哉。なの。
――四肢を投げ出して、うとうと、まどろんでしまった。
ふと耳に、潺々と、水の流れる音が聞えた。そっと頭をもたげ、息を呑んで耳をすました。
すぐそこで、水が流れているらしい。
よろよろ起き上って、見ると、公園が。水飲み場から水が流れていた。
その水に吸い込まれるように雛苺は背を伸ばした。両手で蛇口を抱えて、一口飲んだ。
ほうと長い溜息が出て、夢から覚めたような気がした。
歩けるの。頑張るの。肉体の回復と共に、わずかながら希望が生まれた。
義務遂行の希望である。わが身を殺して、名誉を守る希望である。
月光は蒼い光を、樹々の葉に投じ、葉も枝も静かに囁いている。
時計をみる、まだ時間がある。雛を、待っている人がいるの。
少しも疑わないで、静かに期待してくれている人がいるの。雛は、信じられている。
雛の命なんて、問題じゃないの。死んでお詫び、なんて都合のいい事は言ってられない。
雛は、ジュンのことを裏切らない。いまはただそれだけ。走れ!雛苺。
雛苺は信頼されてる。雛苺は信頼されてる。さっきのは、あの囁きは、あれは夢。
悪い夢なの。忘れてしまえ。なの。
疲れているときは、ふいとあんな悪い夢を見てしまうもの。雛苺、雛のせいじゃない。
やはり、雛は真の勇者なの。再び立って走れるようになったの。
頑張るの! 雛は、正義の士として死ぬ事が出来る。ああ、時間が進む。ずんずん進む。
待っててなの。雛は生まれた時から正直なドールだったの。
正直なドールのままにして死なせて欲しいの。
180 :
eat:2007/12/27(木) 16:24:22 ID:NWVdWB2i
路行く人の足元を縫い、すり抜け、雛苺は紅い風のように走った。
急げ、雛苺。遅れてはならぬ。
愛と誠の力、いまこそ教えてやるの。格好なんて、どうでもいいの。
雛苺の服は、いまは、ほとんどボロボロであった。
呼吸も出来ず、二度、三度、口からうにゅーが戻って来た。
見える。はるか向うに小さく、ジュンの家が見える。
ジュンの家は、明かりがうっすらとついて佇んでいる。
181 :
eat:2007/12/27(木) 16:28:25 ID:NWVdWB2i
「雛苺。」叱るような声が、風と共に聞こえた。
「誰なの。」雛苺は走りながら尋ねた。
「真紅よ。主の名前も忘れたの。だめな家来ね。」
その真紅も、真紅も雛苺の後について走りながら言った。
「とにかく、止まりなさい。こんなくだらないことで喧嘩して。走るのはやめて。
もう、プリントごときで命をかけるなんてばかばかしいわ。」
「いやなの、約束は破れないの。」
「もう少しで時間よ。そもそも、あなたの足じゃどうあがいても無理だったのだわ。
だから、さっさと翠星石に謝りに行きなさい。!」
「いやなの、雛は悪くないの。」
雛苺は聞く耳持たずで、赤い大きい屋根ばかりを見つめていた。走るより他は無い。
「止めなさいと言っているでしょう。もう、お父様からいただいた服もボロボロじゃないの。
プリントなんかより、お父様からいただいた服の方が大事でしょう。そんなこと、
ジュンもわかってくれるわ。ジュンなら大丈夫よ。翠星石が、さんざんジュンをからかっても私の家来ですもの、
そんなことでへこたれるようにしつけた覚えは無いのだわ。」
「それでもだめなの。ジュンは雛のこと信じているの。
間に合う、間に合わないの問題じゃないの。雛自身のことも問題じゃないの。
雛は、なんだか、もっと恐ろしく大きいものの為に走っているの。真紅には!関係ないの!!」
「雛苺。言ってることは正しいわ。でもね。。。いえ、もういいわ。
勝手にするといいわ。翠星石にも後で言って聞かせるわ。」
まだ時計は九時を指さぬ。最後の死力を尽して、雛苺は走った。
雛苺の頭は、からっぽだ。何一つ考えていない。
ただ、わけのわからぬ大きな力にひきずられて走った。時計は、時計の短針は刻一刻と九時に近づいた、
まさに最後、九時を知らせる鐘の音が鳴ろうとした時、
雛苺は疾風の如くジュンの家に突入した。
182 :
eat:2007/12/27(木) 16:31:13 ID:NWVdWB2i
間に合った。
「待って。バッグを返すの。雛は帰って来たの。約束のとうり、いま、帰って来たの。」
と大声で翠星石に向かって叫んだ、
「げぇえ。チビ苺!!」と翠星石、
「雛苺、どうした。その格好は。」
と、ジュンが続いて声を出した。雛苺は事のいきさつを説明した。
そこでジュンは初めて事情を知った。
雛苺に駆け寄るジュンの足元に、雛苺は必死に齧り付いた。
翠星石は、動揺した。目が泳いで。何事かわめいている。
そして遂にバッグは、雛苺の手に返されたのである。
「ジュン。」雛苺は涙を浮かべて言った。
「雛のことを叱って欲しいの。目いっぱい叱って。雛、途中で一度、あきらめたかけたの。
ジュンがもし叱ってくれないと、雛はジュンにだっこしてもらう資格もないの。雛を叱って。」
ジュンは、困った顔で雛苺の頭を撫でていた。撫でながら優しく微笑み、
「事情はよく分からないけど、雛苺は頑張ったんだな。でも喧嘩はいけないぞ。あとでお互いに謝るんだ。」
雛苺はバツが悪そうに顔を上げた。が、笑顔で。
「ジュン。」と、抱き合い、それから雛苺は嬉し泣きにわんわん声を放って泣いた。
翠星石は、テーブルの上から、二人の様子をまじまじと見つめていたが、やがて静かに二人に近づき、顔をあからめて、こう言った。
「ジュ…、ジュンがぁ〜そこまでいうなら。今回雛苺が生意気言ったことは許してやるです。今回は、雛苺の勝ちにしてやるです。
そのかわり…、え…と、あ…、チ、チビ人間。翠星石もだっこするです。は、早くするですぅ!」
どっとジュンは噴出した。
「コラ!何を笑っているですぅ。」
ノリが、バスタオルを雛苺に渡した。雛苺は、まごついた。ノリは、気をきかせたのだ。
「雛ちゃん、びしょ濡れよ。早く服を脱いで。お風呂にはいってらっしゃい。私が洗ってあげるわ。」
雛苺は、ひどく赤面した。
183 :
eat:2007/12/27(木) 16:35:20 ID:NWVdWB2i
終了。。。
なるべく原作に沿って書いたけれども、矛盾してたり、
原作の川をわたるとこと、山賊のところまるまる飛ばしてしまった。
初のSS投稿なんで、かなり読み辛いと思う。
最後に、スレ汚しスマソ。
懐かしい気分でよんでた GJ 読みやすいほうだと思ったけど
ただ途中雛苺に変更されずメロスのままになっていたのが二箇所ほどあったようなw
吹いたw久々の投下だったな
小唄と公園の水……w
これまで何度クリスマス中止の知らせを受け取ったことだろう。
一人だけの寂しいクリスマス、それも今日で終わりだ。
バイト代で「ラブドール・ユミ」を買ってしまったのだ。
今日、クリスマス当日に宅配便で届くのが待ちきれない。
プルルル・・・プルルル・・・
チッ、こんなときに電話か・・・はい、もしもし?
「巻きますか?巻きませんか?」
なんだこれは、宗教の勧誘だろうか?適当に巻きますと答えておく。
ユミちゃんをお迎えするためにソワソワと部屋の掃除をしていると呼び鈴が鳴る。
やっとユミちゃんが届いたようだ。
玄関に立っていたのはウサギのコスプレをした配達員だった。
サンタの格好のピザ配達もあるし、クリスマス当日ならこれもアリだろう。
俺は上機嫌で荷物を受け取ると、さっそく包みを開ける。
むむむ・・・黒い衣装に銀髪の美しい人形だが、通販のHPの品物とは違う。
ユミちゃんは空気を入れて膨らませるタイプだったはずなんだが・・・
それでも顔立ちは悪くないし高級感もある、一度試してみるか
服を脱がしたところで大変なことに気がつく、なんだこれは!?
お腹の部品がない!!欠品か?
人形のお腹の部分は空洞になって何もついてない。
慌てて通販HPを確認すると、付属のオナホールとローションを取り付けて使用するみたいだ。
一安心してダンボールを調べるが、蝶ネジのような部品が一個入ってただけで何もない。
188 :
水銀燈・クリスマス編2:2007/12/30(日) 20:29:08 ID:fFG8EU/l
これは・・・欠品だな。
通販先に電話でオナホールがないことを伝えると、平謝りで代わりの品を送ると言ってきた。
今、手元にある人形は適当に処分してくださいとのことだ。
やれやれ、今年のクリスマスも一人寂しく過ごすことになりそうだ。
腹立ち紛れに人形を蹴飛ばして裏返しにすると、腰の辺りに鍵穴が空いている。
試しに蝶ネジを差し込んでみるとピタリと合う、グイグイと動かすといきなり人形が動き出した。
「ふぁ〜あ、よく寝たわぁ。お前が新しいミーディア・・・・って何で私がハダカなのっ!?」
驚いたことにこの人形は喋って動けるみたいだが・・・肝心の部分が無いんじゃ使えない。
人形は顔を真っ赤にしながら細い手と翼で体を覆い隠そうとする。
おまえを作ったとこに連絡したけど、適当に処分してくれだってさ。
「お父様と話したの??・・・私を処分??」
部品足りないし、使い物にならないだろ。
「私を処分・・・部品の足りない哀れなドールは処分・・・私は使えないジャンク・・・」
何かブツブツ言ってるが、こいつの名前はジャンクというらしい。
おいジャンク、自分で動けるなら、そのダンボール箱に入れ。
「私はジャンク・・・お父様にも見放された・・・・もうアリスにはなれない・・・」
呆然とした様子でシクシクと泣き出した人形をダンボールに詰め込むと燃えるゴミ置き場に捨てておく。
翌日、本物のユミちゃんの人形が2体も届いた。
俺はユミちゃんを膨らませながら、2体も送ってきたのはサービスのつもりだろうかと考えていた。
wktk
同じくwktk
コンコン・・・コンコン・・・
こんな時間にドアをノックするのは誰だろう?
ユミちゃんとのプレイを邪魔されたことにイラつきながら玄関に行くと
そこには捨てたはずの黒い人形が立っていた。
なんのつもりかビシッとポーズを決めて、セリフを喋りだす。
「私はローゼンメイデンの第一ドール水銀・・・」
お前の代わりの人形が届いたから用はないぞ
「なんですってぇ!!!私の姉妹がここに!?」
黒い人形はズカズカと部屋に踏み込む。
おいおい、土足で入るなよ
黒い人形は布団の上で寝ているユミちゃんを前に凍り付いていた。
「こ、これが私の姉妹・・・・??」
お前を作ったところから今日届いたんだ、ちゃんと部品もそろってる。
「そ、そう・・・・お父さまが作った新しいドールね・・・アリスゲームの始まりよっ!!」
黒い人形はどこから取り出したのか剣をかまえると、ユミちゃんに突進する。
ブスッ・・・・・パァーーーーン!!!!
空気がパンパンに張り詰めたユミちゃんは破裂し、黒い人形は壁際まで吹き飛ばされる。
おいおい、せっかく届いたユミちゃんを壊すなよ。
俺は目をまわしてる黒い人形を窓から放り出すと、もう一体のユミちゃんを膨らませる。
コンコン・・・コンコン・・・
こんな時間にドアをノックするのは誰だろう?
ユミちゃんとのプレイを邪魔されたことにイラつきながら再び玄関に行くと
そこには捨てたはずの黒い人形が立っていた。
なんのつもりかビシッとポーズを決めて、セリフを喋りだす。
「私はローゼンメイデンの第一ドール水銀燈、お前はこれより私の僕になる」
だからユミちゃんがいるから必要ないってば
「なんですってぇ!!!さっき倒したはずよぉ!?」
水銀燈はズカズカと部屋に踏み込む。
おいおい、土足で入るなよ
水銀燈は布団の上で寝ているユミちゃんを前に凍り付いていた。
「な、なぜ手応えはあったのに・・・・??」
水銀燈はどこから取り出したのか剣をかまえると、ユミちゃんに突進する。
最後の一体を壊されてはたまらない、俺は後ろから水銀燈を蹴飛ばすとボコボコに殴りつける。
気がつくと水銀燈は白目をむいて気絶していた、ちょっとやりすぎてしまったようだ。
水銀燈は体の部品が足りないことを気にしていたからユミちゃんに嫉妬したんだろう。
俺はぐったりした水銀燈を布団に寝かせると、空っぽのお腹にユミちゃん用のオナホールをはめ込んでやる。
動き回ったせいでユミちゃんと楽しむ気が失せてしまった。
タバコを吸いながらテレビを見ていると水銀燈が目を覚ます。
「負けたわ・・・完敗よ。貴女は寝てただけなのに私には貴女の攻撃がまったく見えなかった」
水銀燈はユミちゃんの前に正座するとペコリと頭を下げる。
どうやら、もうユミちゃんには何もしないようだ。
「私のことは好きにしなさぁい・・・元々、私は部品の足りないジャンク、これが運命なのよ・・」
そのことなんだがな・・・余ったパーツを入れておいたぞ。
水銀燈は慌てたようにお腹をさわり、そこに部品があることを確かめる。
「こ、これは・・・私はもうジャンクじゃないのね?」
ああ、これで水銀燈も立派なラブドールだよ
ポロポロと涙を流す水銀燈をユミちゃんは暖かい目で見つめていた。
あれから水銀燈は俺の部屋で暮らすようになった。
ユミちゃんとは本当の姉妹のように仲良くなり、家事もこなしてくれる。
俺は最高のクリスマスプレゼントをくれたことを神様に感謝していた。
本当はクリスマス編2で終わりのつもりだったんですがwktkしてくれたんで
遅くなりましたが新年おめでとう
194 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/05(土) 00:25:56 ID:u7G7YdQg
なんという最後wwwwGJwwwww
涙出るほどWrt
ん
ん
過疎ってるなぁ・・・みんなどうした?
199 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 20:30:30 ID:qJdjFW1i
保守しとく
俺は文才ねーよ
201 :
eat@ヤンジャン連載おめでとう、保守の為に話題age:2008/03/20(木) 04:09:55 ID:ie4SIP5H
真紅「雛苺。ヤングジャンプで遂に連載が再開するのだわ」
雛苺「うい。でもヒナの出番は無いの。悲しいの〜…、、」
翠星石「チビチビの代わりにこの翠星石が大活躍するですぅ。見ているですぅ」
蒼星石「あの…、翠星石…、多分僕もいないんだけど…。」
金糸雀「私はどうなるのかしら〜?」
水銀燈「それよりもめぐと私はどうなるのぉ。どうみてもあれは私の死亡フラグとかいうやつだわぁ。」
雪華綺晶「フフフ。計画通り」
薔薇水晶「―――アニメ三期フラグ――」
薔薇水晶「――私の―――出番は―?」
ラプラスの魔「とりあえずここは保守と言っておけばいいのですよ。…保守。」
薔薇水晶「――――保守――」
薔薇水晶登場、紅翠銀救出、蒼雛復活フラグ、
という設定だとこういう再開になるのか?
雪「来るのが遅かったようね」
いまにも雪に取り込まれつつある紅・翠・銀。
しかし、そこに、12機の薔薇水晶が雪に攻撃を仕掛けた。
J「薔薇シリーズ!完成していたのか!」
エンジュ「雪は我々が引き受けた!JUM君は他のドールの救出を!」
J「有難う!エンジュ先生!」
>>202 元ねたがわからんwww
なんにしても、
今週は、wktkがとまらない
>>203 エヴァとアクエリオンをやや逆シャアチックにしてみた。
まぜるな危険w
207 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 16:42:10 ID:+noOttte
さて、連載も再開したというのにここは活気が無いなぁ…orz
208 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/28(月) 22:17:02 ID:5hMoHreI
ふと思いついてしまった。
いっこく堂監修
実写版ローゼンメイデン
・・・・・・・・・・・見たくねぇ!
雪「…かつてダブルドールマスター。今は無様ね…」
桜「たしかに、ダブルドールマスターは昔の名前だ。だが今は違う…」
桜・島「ダブルマスターズだぜ!」
雪「…!有り得ない、二人のマスターを同時に媒介にするなんて!」
島「この俺が、ローゼンcore2デュオプロセッサーを埋め込んだ。
シングルマスターとは、ケタ違いの絆の力をみせてやるぜ!」
210 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/01(木) 20:41:45 ID:JDWEbkEV
エロ銀燈シネ
211 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/20(火) 09:56:54 ID:WNbwXhaS
212 :
人形の夢:2008/06/19(木) 15:56:12 ID:TD1pXI1J
子供のころ、生きている人形と遊んでいたような気がする。
青や緑の妖精みたいな人形と飽きることなく毎日遊んでいた。
いつのまにか人形たちは動かなくなり、本棚を飾る置き物になっていた。
今にして思えば、人形が自分で動くはずがない。
探偵ゴッコや、お医者さんゴッコの相手として僕が人形のセリフもしゃべりながら一人遊びしていただけだろう。
父の仕事は転勤が多かったので子供のころは友達がいなかった。
この人形たちだけが唯一の友達だった。
無性に懐かしくなり、本棚から緑の人形をとり上げる。
乱暴な子供の手で荒く扱ったのだろう、関節はグラグラになり、服にはハサミで切った跡が何箇所もある。
そうだった、この子は正義の味方役で僕を守ってくれるのが常だった。
腕を十字に組ませ、必殺技の破壊光線のポーズをさせようとしたら、不意に人形の左腕がポロリと落ちた。
そうだ・・・確か悪者の「青首仮面」に切り落とされたんだったよな。
緑の人形を本棚に戻すと、青い人形もたしかめてみる。
人形の表面は所々黒く焼け焦げ、片方の眼は外れて無くなっていた。
手に持ったハサミもすっかり錆で赤くなってしまい、かつての切れ味はもうない。
昔は奇声をあげながら切りつけてくる「青首仮面」が怖くて夜も眠れないこともあったのにな。
夢の中にまで追いかけてくる「青首仮面」から必死に逃げてたんだっけ。
213 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 15:57:06 ID:TD1pXI1J
その晩、僕は夢をみていた。
ここはいつも遊んでいる公園だった。
砂場で「青首仮面」と最後の対決、僕を助けてくれた緑の小人は腕を切り落とされてしまった。
そうだ、逃げなきゃいけないんだ。
僕は必死になって公園のブランコの間を抜け、フェンスをよじ登って逃げます。
青い人形は錆びついたハサミを掲げて追いかけてきます。
シャキンシャキンシャキン
ハサミの不気味な音が僕の恐怖を煽り、足をもつれさせる。
誰もいない団地を抜け、川沿いの砂利道を泣きながら駆けていきます。
前回は緑の小人が助けてくれたところで目覚めた。
「いつもずるいよ、ボクばっかり悪者役にされて・・・次はボクが正義の味方だよ!」
青い人形がケラケラ笑いながらハサミを振り回す。
必死に逃げ回るうちに元の公園に戻ってきてしまった。
泣きはらした目で隠れる場所を探すがどこにもない。
「こっちです!バカ人間!早く掘り出すです!」
不意に聞こえた声に心臓が止まりそうになる。
声がした砂場を見ると、そこには人形の首が生えていた。
そうだ、この子が僕を助けてくれた緑の人形だ。
落とし穴に埋まった人形を掘り出そうとするが、まわりの砂が掘ったはしから崩れてしまう。
シャキンシャキンとハサミの音がだんだん近づき、手が恐怖でこわばり一度は乾いた涙があふれ出す。
「早く目を覚ますです!!ここから逃げだすで・・・・」
緑の人形の首から錆びたハサミの先端が突き出ていた。
ハサミはギリギリと音をたてて開き、首を左右に引き伸ばしていく。
「これで終わりだね、今度はボクの勝ちだよ!!」
ブチッとハサミの刺さった首が千切れとび、緑の人形は動かなくなる。
「起きろ・・・です・・・・・・これは・・・夢」
214 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 15:58:01 ID:TD1pXI1J
そうだ、これは夢なんだ。
目を覚ませばいいんだ、殺されないですむ、起きればいいんだ。
起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ・・・
青い人形がニヤニヤ笑いながら呟いた。
「また逃げちゃうんだ、でも次ぎは誰も起こしてくれないよ」
目をさますと全身が汗まみれになっていた。
とても怖い夢だった。
昨日の夜、人形を手にとって昔を思い出したからこんな夢を見てしまったんだろう。
すべて夢だと思うと、必死になって泣きながら逃げたこともおかしく思えてくる。
こんな小さな人形の何を怖がっていたのか不思議になる。
僕は本棚から緑の人形を取りあげた。
人形の首がポロリと床に落ちた。
215 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 19:19:34 ID:IjYGyq0B
おぉ、久しぶりに来てみるとSSが・・・頑張ってくだされ
216 :
久保竣公:2008/07/17(木) 22:23:33 ID:k0kzTk5Q
狭い
暗い
怖い
今私は箱の中にゐる。
箱の中に独りでゐる。
もう数へるのも億劫なほど時間が過ぎた。
幾年が過ぎただらうか。
此処から出たい。
217 :
久保竣公:2008/07/17(木) 22:24:24 ID:k0kzTk5Q
ふと目が覚めた。
時計の針は6時を指してゐた。
なんだ未だそんな時間か。
私はまた眠る事にした。
最近妙な夢を見た。
私は暗闇にぽつんと一人で立つてゐた。
其の向かふには白い…いや銀色の髪を生やした少女がゐた。
私は救ひを求めて少女の元へもがくが体は一向に動かない。
少女は逆を向ひて去つてゐく。
私はもがくのを止める。
なにか空虚を感じた。
私は眠れ無かつた。
218 :
久保竣公:2008/07/18(金) 21:21:15 ID:P+AiYcBX
早起きは三文の得と云ふ。
今日は早起きして朝食を作る。
一人で住むには廣すぎる家だ。
昨日の作り置きの味噌汁を温める。
私は温まる間に新聞に目を通ほした。大正12年8月12日と日付はなつてゐた。
さふいへば夏だつたな
と独り事が出た。
季節は夏だ。元来外に出ない質の私は季節感がずれて仕舞つてゐるやうだ。
朝食を済ませて居間に向かふ。
何時もの様に書き物をする為だ。最近ネタに困つてゐる。
ふと足元に感触がある。
見てみると見慣れない箱が在つた。
体は無意識に手をのばす。まるで取り付かれたやうに。
左の手はぎうと握り拳を作つてゐる。汗がしみ出た。
219 :
久保竣公:2008/07/18(金) 21:22:18 ID:P+AiYcBX
見るからに大きな箱だ。
革張りの高級さうな。
金の大層豪華な薔薇の彫金が其の風格を際立たせてゐる。
私は無意識に蓋に手をかける。
鍵がかかつてゐると思つたが躊躇はしない。
きい…
鍵はかかつてゐなかつた。
ゆつくり蓋を開ける。
中には…
中には…
人形が入ててゐた。
220 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/06(水) 02:34:52 ID:JFn+41gB
久々来たら面白そうなSSあがっていたが、一ヶ月間が空いてるのな、、
諦めちゃったのカナ?期待。。
221 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/12(火) 17:30:56 ID:a8eXxrli
なぜこんな良スレが過疎ってるんだ?
RozenMaidenLatztRegieren & 水晶の星空 共同SS 「アリスゲームが終わったら」2008年9月時点
薔薇乙女たち七体の姉妹はこれまでになく強大な敵に対面した───それは"読者"。
─────────────────────────────────────────────────────────
紀元前1000年 パレスチナにヘブライ王国が建国される
紀元前1000頃 第三代国王ソロモンによってイェルサレムに唯一神ヤハウェ神殿が建設される
紀元前 538年 ヘブライ人の先人のユダヤ人による「旧約聖書」
紀元後 30年 イエス・キリストの処刑
紀元後 392年 ローマ皇帝テオドシウス、キリスト教を国教化
紀元後 375年 ゲルマン人の大移動 やがて、西ローマ帝国滅亡
紀元後 481年 ローマ帝国の衰退にしたがって、フランク王国が栄える
紀元後 500頃 ローマ教皇レオ一世の活躍により、ローマ=カトリック教会が発展する
紀元後 962年 東フランク大帝オットー、神聖ローマ帝国を建国
紀元後1339年 イギリスにてばら戦争が起こる(赤バラのランカスター家、白バラのヨーク家)
紀元後1438年 神聖ローマ帝国にて、ハプスブルグ家が皇帝位を世襲化。ローマ=カトリック教会をも支配する
紀元後1614年 神聖ローマ帝国にて、反カトリックの秘密結社「ローゼンクロイツ(薔薇十字団)」の噂が流行る
紀元後1618年 神聖ローマ帝国にて、反カトリックのベーメン新教徒が30年戦争を起こす(薔薇十字団の暗躍?)
紀元後1760年 イギリスにて、産業革命
紀元後1793年 フランス革命、ルイ16世の処刑。第三身分の農民の身分が上がり「ブルジョワジー」が出現
紀元後1837年 イギリスヴィクトリア朝始まる。裕福なブルジョワジーの間で「ビスク・ドール」の趣味が流行
紀元後1939年 第二次世界大戦
紀元後1957年 ダイアナ号沈没事故
紀元後1967年 アメリカヒッピー文化の全盛期
紀元後2003年 イラク戦争
紀元後2008年 チベット弾圧
そして2009年……
DIRECTED & WRITTEN BY
ROZEN MAIDEN LATZT REGIEREN
THE MAIDENS
それはとても延(なが)い旅だった。この世でまだ誰ひとりと見たことのない世界樹の根源までnのフィールドを遡る旅……
でもその巡りは私という自我が,自分という真実へただ近づこうとしていたのを比喩した旅だと気づいたのは,
これよりもずっとあとだった。…(第七ドール:雪華綺晶)
わたしたちはこれから別の道を探っていこう。アリスゲームとは別の道を。
わたしと、おまえたちで、一緒に。…(人形師:ローゼン)
分かっています。戦いに勝てる強さだけが、アリスになる資格ではないことは。でも、私のお父様(槐)はあなたを
超えようと願っている。私はあなたのローゼンメイデンシリーズに、戦いの他で勝てるものはありません。
私には生まれながら、こころも、感情さえ与えられませんでしたから…愛を感じ取れるという感情が、私にもあれば…
それならよかったのに。…(槐ドール:薔薇水晶)
SCENARIO SUPPORTED BY
SUISHO NO HOSHIZORA
偽物の第七ドール、薔薇水晶との悲劇の戦いが終わったあとに、真紅の前に姿を現した薔薇乙女の「お父様」、人形師ローゼン。
そしてローゼンはこう真紅に告げた──「アリスゲームの他にも、アリスになる方法はある。」
それは姉妹との戦いに苦悩していた真紅にとって、お父様から差し伸べられた"救い"だった。
だが、これがローゼンでさえ予測できなかった、恐怖の事態を巻き起こすきっかけとなったのだった。
そして、恐怖はやがて、本当の真実を探り当てた。いや、その真実こそが、恐怖だったのかもしれない。
運命の糸車が廻る……。
─────────────────────────────────────────────────────────
壊れていく!壊れいてく!アリスゲームが壊れていく!
迷い込んでく!迷い込んでく!お父様もアリスゲームも、ローザミスティカもすべてを見失って、
薔薇乙女はどこまでも迷子にくるう───どこまでも迷子にくるう──さあ──
わたしといっしょに,どこまでもどこまでも痛みに溺れてゆきましょう……(第七ドール:雪華綺晶)
原因は貴女よ……雪華綺晶。貴女がお父様のことでnのフィールドであまりにも無意識の海から人の記憶を
あぶり出しすぎたから……無意識と繋がっている世界樹が多大なダメージを受けたのよ…!
原因はこれだったんだわ…(第五ドール:真紅)
薔薇乙女たちの世界(nのフィールド)が、自らの法則を忘れ始める………運命のカウントダウンがはじまった。
───あと60149451948秒。
.
MUSIC LYRICS BY
”THE DOORS”
─────────────────────────────────────────────────────────
私の人形作りはもうおしまいだ。
膝をつき、両目を手で覆い、悲嘆にくれ、ローゼンはただそこでひたすら泣き続ける。
This is the end , my only friend , the end.
"もう終わりだ" "私だけの娘よ…"
私の業はアリスには届かなかった。どんなに愛し、精巧に手掛け、すべての苦渋も一人で乗り越えて完成した
私のドールがだした答えは、すべて失敗であった。
of our elaborate plans , the end.
"苦心して練り上げた計画は終わった"
終わりだ、なにもかも終わりだ、そんな絶望と狂気の闇の底に、ローゼンは心が陥っていった。
そこを…nのフィールドという。
ORIGINAL AUTHOR
PEACH−PIT
あなたのせいで、こうなったのよ!あなたがどうにかしなさいよ!
あなたが…(第二ドール:金糸雀)
廻ってる。廻ってる。憎しみの”円環”がぐるぐるぐるぐる死のように廻っているワっ!あは!(第七ドール:雪華綺晶)
そのいばらの苦しみからあなた自身を解き放つには、こころの憎しみを断ち切るしかない。
それはお父様と貴女のこころの繋がりを断ち切るということ。でも残念ね。お父様とあなたはこころで表裏一体。
繋がりを断ち切ればあなたは再びこころと自我をなくしてしまうでしょう。だとすれば、残された方法はあとひとつね。
あなた自身が自分のした全ての罪を自分でつぐない、憎しみを失くすこと。
そうすればいばらの苦しみは消えるはずだわ。…(第五ドール:真紅)
…
第35785世界
第35682世界
第35681世界
第35560世界
第35517世界
第35476世界
第35140世界
第35133世界
第35131世界
第35030世界
第34959世界
…
”もし私たちが世界樹の根源まで辿り着き,炎を根絶できたとしたのなら,貴女はそれからどうなさる…?”(雪華綺晶)
”そこでまずはお父様を探して,姉妹も取り戻したら,ジュンのところに帰るわ。あなたは?”(真紅)
”私は帰らないと思います…”(雪華綺晶)
”世界の根源で,何かしたいことでも?”(真紅)
”世界樹の根源で…そこで…。私はそこで神に会ってみたいわ”(雪華綺晶)
”神…?”(真紅)
”世界樹の根源は世界の根源だから。世界がいちばんはじめに出来たところ。現実世界の人間たちでさえ、
この世界が生まれたはじめの瞬間なんて予想できた人は一人もいないの。
でも,もし私たちが世界樹の根源に辿り着けたのなら…、そこが世界のはじまりなら……
世界をこに創造したような未知の神秘に会えるかもしれないって。誰もあったことのない,その存在に。”(雪華綺晶)
世界が幻だと知ったとき、乙女(ドール)はどう動いたのか──。
”MOTHER GOOSE”
LONDON BRIDGE IS FALLING DOWN
MY MOTHER HAS KILLED ME
RING A RING A ROSIES
LAVENDER’S BLUE
あなたは…誰?(槐メイデン:薔薇水晶)
あなたは…誰?わたしはあなた。あなたのなりかたったあなた。わたしがなれなかったわたし…。(第七ドール:雪華綺晶)
第七ドールからお父様へ……
わたしはアリスゲームに反撃する。(第七ドール:雪華綺晶)
これは不可思議なことが起こった。運命の糸車の手違いで第七ドールに花咲いてしまった、
それは新しい自我と…そういったところでしょうか。(ラプラスの魔)
人の見る夢は無意識の領海から発生するもの。その無意識と夢のあいだを繋いでいるのが世界樹なのに、
その世界樹が……。信じられない…。
でもこれはまだほんのはじまりよ。世界樹の奥の奥へと遡っていくほどに、私たちは未知の深みへとおちていくのだわ。
誰も試したことのない世界を目指しているのですもの…(第五ドール:真紅)
.
STORY BASED ON
”APOCALYPSE NOW ”
* * * * *
”雪華綺晶を打ち破って雪華綺晶になることを…nのフィールドそのものが,
自分のすがたをそのように変えてしまうことで,私をずっと誘っていたのです。かれの第0世界が…。”
* * * * *
.
第 七 ド ー ル が 呼 び 起 こ し た 、 現 代 ( い ま ) の 恐 怖 ────── 。
A ROZENMAIDEN FANFICTION STORY PRESENTS
” WHEN THE ALICE−GAME’S OVER ”
"ローゼンメイデン ファンフィクション 「アリスゲームが終わったら」"
2008年9月 現在
以上、今回はこれで終わりです。
↑みたいなプロットのSSを書こうとしてるのですが、完成の兆しが一行にみえねえ。
絶望しかけてきたので自分を縛る意味でも、プロモーション書いてみました。
とはいえ、今年中に完成はまず不可能です。
次会うとしたら来年でしょう。 それでは〜ノシ
なんか期待
水銀燈「めぐ、私に映画出演の話がきたのよぉ。声の吹替えだけどぉ」
めぐ「スゴイ!ね、どんな映画?そうだ台詞言ってみてよ!」
水銀燈「…まだ御稽古中なのに…しょうがないわねぇ。コホン
“はぁい。僕チャッキ−。ハイディホォ〜!”」
めぐ「ふうん。それだけ?」
水銀燈「馬鹿にしてるの?沢山あるわよぉ!!
“よう。会いたかったぜぇ!アンディ!!”とか
“俺と遊ぶか?!クソ女ァァ!!”とか色々あるわよぉ!」
めぐ「……何それ。一体なんていう映画なの?」
水銀燈「チャイルド・プレイ。可愛ぃ題名よねぇ。
そして私は主役のチャールズ・リー・レイ。通称チャッキ−の
声を演じるのよぉ!そぉ!例え声だけでも立派な御芝居。
乙女のする仕事に相応しいわぁ。」
めぐ「…オイ。」
わろたw
頭にバンダナをきゅっと巻きつけて、
今日もチャッキーの中に入って演じる水銀燈。
「…狭くてぇ、暗くてぇ、熱いけどぉ、頑張るわぁ。」
監督「じゃ、チャッキーが暖炉に突っ込まれて火達磨になる場面撮ろうか。」
水銀燈「え?!どういぅことかしらぁ?」
アクション。
−アンディが邪悪なチャッキーを暖炉に閉じ込めた。マッチを取り出す。
チャッキー(演・声:水銀)「なぁ〜やめろよぉ〜アンディ。
もう悪い事はしないからさぁ〜俺達友達だろぉ?」
アンディ「もう友達じゃない!(暖炉に火を付ける)」
チャッキー「ぎゃああああああぁ!本当に火がついたぁ!!
何すんのよぉおお!!この糞餓鬼ぃいいい!」
火がついて、文字通り火達磨になるチャッキー。その着ぐるみの中で、
アニメの時のトラウマも重なって大パニック陥った水銀燈を見て、
事態に気づかない監督やスタッフは迫真の演技だと絶賛した…
水銀燈「ヒいいいいッ!!誰か、助けてええぇぇッ!!」
ー結局、ボロボロになった水銀燈の着替えを手伝いながら、
めぐは水銀燈の心配をした。「大丈夫?」
水銀燈「……これもスターになると思えば耐えられるわぁ…」
めぐ「そうね、ホラー映画のスターにね。」
薔薇水晶と雪華綺晶の絡みというのはやっぱり欲しいよな。
あの二人ってなんか並んでるだけでもかなり絵になる。
薔薇水晶としては雪華綺晶に会ったらどんな気持ちになるのか
気になるところではある
薔薇水晶は雪華綺晶の贋作ってファンの間では通説(ネタ?)みたいになってるけど実際どうなんだ?
TBSのローゼンサイトかどこかにそう書かれてたのか?wikipediaにも贋作って載ってるが
ソースが見当たらなくてSSで書くとき贋作にするか槐のオリジナルにするか迷う
それのソースは俺も探した。改めてあちこち覗いてみたがやはりそれらしいのは見当たらないな
まあ個人が書く二次創作だし自由に設定してしまっていいんじゃね。叩かれない範囲で・・・
自分は槐作ってことにしてる
個人的に槐のオリジナルと思ってる
でも槐が雪華綺晶をどのようにかして見て多少参考にして薔薇水晶を作った、というのもアリかも
しかし弟子といっても実際ローゼンは槐に構ってたのか怪しいな
そこらへんも作者によって変わりそう
或る日のこと。
蒼星石のゲームの出演依頼が来た。
「僕は、ゲームなんて出たくないんだけど…」
でも、ちょっぴり嬉しそうな様子の蒼星石を見て、
姉の翠星石は「まったく、折角のチャンスなのに世話がやけるですぅ。」と、
物静かな妹の背中を押した。
結局、他のドール達の応援もあり蒼星石はゲームの出演を承諾した…
数ヶ月後、ゲームは完成し見本が届いた。
翠星石「どんなゲームか、楽しみですぅ。」
蒼星石「…園芸のゲームだといいなぁ…」
皆がワクワクするなか、鋏で小包の包装を切って開けると、
「クロック・タワー最新作!シザーマンに新キャラも加わり、
恐怖と戦慄が二倍、ニバーイ!!
…帽子を被って鋏を振り回す子供を見たら注意しろ!そいつは、
噂の新キャラ“ミニ・シザーマン”だ!見つかったら鋏で切り刻まれるゾ!」
…結局ゲームは大ヒットしたが、蒼星石はしばらく人間不信に陥った。
時が過ぎた。
人間不信から何とか立ち直った蒼星石は、日々の生活に戻った。
そんな彼女に映画の出演依頼が来た。今度は静かな森が舞台だから大丈夫
という監督の言葉を信じ、出演を承諾した。
撮影現場の森の中は快適で、言われるまま蒼星石は鋏の妙技を披露した。
時折、出演者が全員若い男女というのも不思議だな、と思いもしたが、
真面目な蒼星石は演技に没頭した…
数ヵ月後映画は完成した。
翠星石「出てるのが若い男女のみというから、きっと青春物ですぅ。」
蒼星石「…僕の鋏の技がどんな風に生かされてるんだろうなぁ…」
「全米各地で上映禁止!
元祖ハサミ殺人鬼!“バンボロ”の息子“バンボロ2世”が登場!
キャンプ地の若者達を鋏で切り刻み、血肉のジャンクに変えていく!!
“バーニング2”いよいよ日本公開!!」
「これが噂の“バンボロ2世”だ!」で写っているシルエットはどう見ても、
鋏を振り上げた蒼星石本人であった。
…結局映画は大ヒットしたが、蒼星石は完全に人間不信になった。
249 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 16:43:31 ID:fd2mTCMh
蒼星石wwww
その映画ぜひとも見てみたいわwww
250 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 20:13:49 ID:0aJBcCm6
総理と呼ばないで
私はようやくこの国の総理大臣になった。
それは、私が薔薇乙女と出会った時からの運命だったのかもしれない。
険しい道のりだったが、彼女達の力によりここまで登り詰めたのだ。
今、私の胸に去来するのは、忙しい政治活動の合間をぬって楽しんだ数々のオタクな思い出である。
それは心のオアシスだった。アキバ通い、某巨大掲示板へのゲリラ書き込み、密かに漫画家の先生にサインをねだったこともある。
そんな中で、私はこの乙女達に出会った。
彼女達は私に語った。「あなたはもうすぐこの国のトップになるのだわ」と。
数日を経ずして、前の総理大臣が辞意を表明した。
このようなあっけない辞職を誰が予想し得たであろうか。あるいは、これが彼女達の力だったのだろうか。
こうて私の日常は大きく変化してしまった。
政争に明け暮れる毎日が訪れたが、私の傍では常に6人の薔薇乙女達が私の支えになってくれた。
そして彼女達に悩みを打ち明けた後は、決まって良い方向に事が運ぶのだ。
総理となった今、何人かの乙女達は私の元を去っていったが、薔薇乙女髄一の頭脳である「黄色いの」とお菓子ばっかり食っている「ピンクいの」が今でも傍で私の心を支えてくれている。
現在、私の抱える大きな問題は、解散総選挙である。
その事を「黄色いの」に相談したところ、「黄色いの」は「ローゼンメイデン1の頭脳派の、あたしにまかせるかしら〜」などと、励ましてくれている。
私は、私の人生と、この国の未来を、この「黄色いの」と「ピンクいの」に賭けてみようと思う。
彼女達はきっと、私とともにこの国の重荷さえも担ってくれるだろう。
なんてのを、即興で考えた。反省している。
251 :
s:2008/09/29(月) 20:14:24 ID:BPnuF9EJ
ss
ピンクいので盛大に吹いた
『激ファイト! 真紅対ウルトラセブン』
今日も、桜田邸では真紅が静かに本を読んでおります。
「ジュン、紅茶を淹れて頂戴?」
何時もの様に紅茶を求める真紅ですが…今日は少し様子が違いました。
「すまないけど紅茶の葉を切らしてるんだ。今日だけ緑茶で我慢してくれ。」
申し訳無さそうに緑茶を出すジュンですが…紅茶にうるさい真紅が妥協出来るはずもありません。
「嫌よ! 紅茶! 私は紅茶が良いのだわぁぁぁぁぁぁ!!」
ついに真紅が切れてしまいました。しかも切れた勢いで巨大化してしまいました。
身長は40メートル、体重は数万トンと言う巨大真紅であります。
「だわー! だわー!」
巨大真紅はまるで怪獣の様な雄叫びをあげながら紅茶を求め街を破壊しております。
紅茶を飲めない怒りは真紅の理性を完全に吹飛ばしているのであります。
あ! そこに空自の戦闘機がスクランブルをかけて来ました。巨大真紅にミサイル攻撃を
仕掛ける様子であります。
「だわー! だわー!」
しかしミサイルが当たりません。真紅が掌から出す薔薇の花弁がチャフに似た効果を
発しているのでしょう。ミサイルの弾道を狂わせ、ミサイルは隣の建物に命中してしまうのであります。
もはや巨大真紅の前に自衛隊は打つ手はありません。全く恐ろしい。真に恐るべきは人形師ローゼンであります。
「だわー! だわー!」
東京湾の湾岸に出た真紅は港に停泊していたタンカーを襲っております。タンカーに満載した重油を
紅茶と勘違いしているのでしょうか? しかしこうされては迂闊に攻撃は出来ません。
下手をすれば重油に引火して東京湾は火の海。そうならなくても重油によって東京湾は
真っ黒に染まってしまうはずであります。
誰もが絶望しても仕方が無い状況でありますが……
「デァー!」
あ! あれは! ウルトラセブン! ウルトラセブンであります!
希望の光はまだ完全に消えてはいないのであります!
「デァー!」
は〜るかな星が〜ふ〜る〜さと〜だ〜♪
ウルトラセブンのテーマが鳴り響く中、ウルトラセブンはファイティングポーズを取りました。
真紅を巨大怪獣か侵略宇宙人の類と考えているのでしょうか?
「だわー! だわー!」
あ! 真紅が持ち上げていたタンカーを元に戻し、ウルトラセブンの方を向きました。
真紅もウルトラセブンを敵と認識している様であります。
真紅対ウルトラセブン。夕日をバックに真紅対ウルトラセブンの戦いが今始まりました。
真紅は人形師ローゼンが作ったローゼンメイデン故の超能力があります。
しかし、超能力に関しましてはウルトラセブンも負けてはおりません。
過去、幾多の侵略宇宙人や怪獣から地球を守って来た実績があります。
「デァー!」
最初に仕掛けたのはウルトラセブンであります。あっとしかし、真紅の得意とする巻き髪ウィップによって
弾き飛ばされてしまいました。しかもその後もさらに巻き髪ウィップで滅多打ちにされております。
攻撃のリーチに関してはウルトラセブンの手足よりも真紅の長い髪の方が遥かに長いのであります。
「だわー! だわー!」
「デァー!」
ですがウルトラセブンも何時までも負けてはおりません。真紅を攻撃するのはまず巻き髪ウィップを
何とかするべきと考えたのでありましょう。隙を見て真紅の髪を掴み、引っ張りました。
これは痛い。自慢の髪を引っ張られて真紅苦しんでおります。
「デァー!」
あ! ウルトラセブン、左手で真紅の髪を引っ張りつつ右手でアイスラッガーを掴み、
真紅の長い髪を切り裂きました! これでもう巻き髪ウィップは使えません。
「だわー! だわー!」
自慢の髪を切られて真紅は怒りました。怒りに任せウルトラセブンの顔面を殴り付けます。
連打連打! パンチの連打であります。
「だわー! だわー!」
自慢の髪を切られた事が余程悔しいのでしょうか? 真紅はひたすらにウルトラセブンを殴り付けております。
しかし、怒りに任せ冷静さを欠いた拳は辺りが甘く、逆にウルトラセブンに掴まれてしまうのであります。
「デァー!」
あっと出ました! ウルトラセブンが額から放つ光線! エメリウム光線であります!
幾多の怪獣や侵略宇宙人を葬って来たエメリウム光線が真紅の頭部に命中。
ヘッドドレスを消し炭と化すのであります。
「だわー!」
「デァー!」
真紅はヘッドドレスを燃やされてますます怒り狂います。しかしますます冷静さは失われるのであります。
今度はウルトラセブンのアイスラッガーによって首を切り落されてしまいました。
幾多の怪獣や侵略宇宙人を切り裂いてきた強力な武器であります。あーっとしかし真紅倒れません。
平然としております。首が切られているのにも関わらず真紅は平然と頭を持ち上げ、元の首にくっ付けました。
これが生身の怪獣や宇宙人ならば、首を切られた時点で絶命は必至ですが、真紅はドールなのであります。
本体は体内に内包するローザミスティカであり、身体はその器に過ぎないのであります。
このかつてない強敵にウルトラセブンはどう対抗するのでありましょうか?
「デァー!」
あ! ウルトラセブンの両目から真紅の身体に光線が放たれました。しかしこれは攻撃の為ではありません。
透視光線。透視光線で真紅の弱点を探しているのであります。そしてついに見付けました。
真紅の胸の内に赤く輝く宝石…ローザミスティカを見付けたのであります。
「デァー!」
出ました! 真紅の胸部へ向けてウルトラセブン最大の技ワイドショット。しかもこれは通常の
ワイドショットの数倍の威力を持つネオワイドショットであります!
「だわー! だわー!」
真紅はついに大爆発を起こしました。
体内のローザミスティカを直接狙われては流石の真紅も一溜まりも無い様であります。
誇り高き薔薇乙女…ローゼンメイデンも今や哀れなジャンクとなり果てました。
ウルトラセブンの勝利。ウルトラセブンの勝利であります。日本の平和はウルトラセブンによって
守られました。ありがとう。本当にありがとう。ウルトラセブン。
ちなみに真紅は後でジュンが元に戻したので無害であります。
おわり
真紅「>253がウルトラネタで来るとは流石なのだわ…
ならばこちらも!皆行くわよ!」
一同「おう!」
「マッハ全開!真紅!」
「ズバリ正解!蒼星石!」
「スマイル満開!金糸雀!」
「ドキドキ愉快!翠星石!」
「ダッシュ豪快!水銀燈!」
「ブレイク限界!雛苺!」
「キラキラ世界!雪華綺晶!」
真紅「…雛苺はちょっと苦しかったけど、
我ら!ゴーオン・メイデンなのだわ!!」
ジュン「あの皆取り込み中悪いけど…薔薇水晶が睨んでいるよ…」
薔薇水晶「…楽しそうだけど…私の分は無いのかしら…ねぇ……」
257 :
美月:2008/12/12(金) 00:39:19 ID:GLeq/k7s
こんなだったら納得出来た雛苺編最終回パロディ
巴とジュン、電話にて
巴「雛苺が…動かない…!?」
ジュン「そうなんだ…だから、せめて最期は巴の家に居させてあげたいと思って…引き受けてくれる?」
巴「うん。笑顔で最期1週間を過ごしてあげなきゃね。ねぇ…」
雛苺が動ける1週間
私は…何をしてあげられるのかな…
258 :
美月:2008/12/12(金) 00:54:44 ID:GLeq/k7s
一日目
巴「おはよう、雛苺」雛苺「ともえ〜おはようなの〜」
巴「今日は遊園地に行こうね、雛苺」
雛苺「わ〜いなの〜♪ともえ、ありがとうなの〜\(≧∀≦)/」
(雛苺版の巴がひらがななのは雛苺が推定5歳だからです)
遊園地
巴「何に乗りたい?雛苺」
雛苺「雛、コーヒーカップに乗りたいの〜♪」
五時間後
巴「じゃあ、そろそろ帰ろうか。」
雛苺「あぁ〜!!今日はくんくんの日なの〜!」
巴「じゃあ、帰らないと間に合わないなぁ…そうだ、今日は雛苺の好きなはなまるハンバーグ作ってあげる!!」
雛苺「わ〜い!!ともえ、ありがとうなの〜〜!(*^∀^*)/」
自宅
巴「…どう?雛苺、美味しく出来たかしら?」
雛苺「美味しいの〜美味しいの〜\(*T∀T*)/」
>>257 最後に掲載してからずいぶん経つね
もう書かないのかい?
久しぶりに水銀燈SS書こうと思ったが
なんか1年近く漫画やアニメに触れてないから
キャラ忘れてしもた
きらきーものを書いたんですが、載せていいですか?
どうぞ
今さらバレンタインネタでごめんなさい。
『チョコレイトの甘さは如何ほど?』
バレンタインデー、毎年2月14日に行われる勝ち組だけの楽しくて甘いイベントが大きな足音を立てて近づいてきていた。
あぁ、なんて恐ろしい行事なんだろう。甘いものが嫌いな人たちにとっては彼女が居ても居なくても、好きではないこの行事。
チョコレートを浴びたのではないかと思うぐらいに街の至る所で甘ったるい空気が流れているし、教室へ入れば女子は勿論のこと、男子でさえもチョコ、チョコと言う様だ。
僕は心底呆れていた。何でわざわざそんなくだらない事で騒がなければいけないんだ。
ちゃんとした理由はないけれど、ただ甘いものが苦手というだけでこの行事を憎むようになり、そして今年こそは一つも受け取らないようにと決めていた。
決めていたにもかかわらず。
2月といえど寒さはまだ厳しく、校舎の屋上に出れば編み目のフェンスを通ってくる風は凶器のような冷たさで全身を撫でる。
マフラーと服の小さな隙間を見つけては入り込んでくる風が少々鬱陶しい。
何があって僕はこんなところ、それも今日はかなり冷え込むという天気予報士お墨付きの寒さの中で、風が吹き止むことのない屋上になぜ呼ばれたのか。
思い出した、今日は13日の金曜日。なんてついてないんだ、どうしようもない中途半端な気持ちがこみ上げてくる。
「あ、あの」
思い切って声をかけてみた、かけてみたというのも何だか不思議なことだ。自分から呼んでおいてずっと景色を眺めているなんてひどすぎる。
傾きかけた夕日はちょうど僕の目の前にあり、逆光でうまくその人の姿をとらえることができない。
「もっと早く来ると思ってましたけれど、期待はずれですわ」
オレンジがかった光のなかから聞こえてくるのは、聞き覚えのある声。聞き覚えのあるって言うときっと怒りそうな気がするけど。
「き、きらきーなのか?」
「私以外に誰か見えますか?そっちはきっと逆光で何も見えないんでしょうけどね」
僕は慌てて両手で光を遮って、微笑んで立っているであろう御人を見た。最初からこうしておけばと後から何度も後悔にかられたことは言うまでもない。
そこには紛れも無い、僕の彼女、雪華綺晶が予想通りに笑顔を浮かべて立っていた。白磁のように透き通る彼女の頬はこの風と寒さのダブルパンチでかなりの赤みを帯びている。
「あれ、あの怪しい手紙って雪華綺晶だったの?」
怪しい手紙とは今日の朝、僕の靴箱に入っていた1枚の紙切れ。今日の放課後に屋上に来てほしい、以上。たったそれだけしか書いていなかったので、もしかして水銀燈の謀略かとも思ったほど。
それが最愛の彼女から呼び出しの手紙だなんて、誰が思うだろう。
「Yes, that's light! ひょっとして銀ちゃんのストレス発散相手にとかって思いました?」
「少しだけね、少しだけ」
「さすがに愛しのジュンを銀ちゃんの相手へ捧げるのは私も嫌ですわ。手足が変な方向に曲がって帰ってくるジュンを想像しただけで」
「いや、しなくていい」
ちょっとずれ気味の雪華綺晶に的確な突っ込みを入れながら、横目でちらりと街の景色を眺めた。
いつもの街なんだけれど、何か違う。やはり、チヨコレイトという甘くて、食べたら虫歯が出来てしまうお菓子のせいか。
僕は視線を戻して、風に遊ばれている彼女の淡いピンク色の髪の毛にそっと触れた。
特別何かしている訳ではないという彼女の髪はふわふわと雲のように柔らかく、癖毛なのか先っちょだけがゆるく巻いているように見える。
僕自身、フェチとかそういった執着とかはないと思っていたけれど、してやられた。
「やっぱりきらきーの髪の毛って気持ちいい。心が浄化されていく」
「残念ですがそんな効用はありません… と言いたいところですが、ジュンがそう思うのでしたらあるのかもしれませんね」
「そうだな、多分僕だけだよ」
だって、あんなに毎日触っているのに一つも行いがよくならない水銀燈はどうなるんだと口にしたら、眼帯をしていない左目を細めて、
「銀ちゃんは仕方が無いんです。そういう星の下に生まれてきた子なんですから」
「まさか」
「だから、私とジュンもこうして一緒に歩む運命の下に生まれてきたんじゃないかと思うんです」
「なんて乙女チックな」
「今、馬鹿にしましたね? 乙女を馬鹿にする殿方には」
「には?」
雪華綺晶は白く光る八重歯を見せつけるように悪戯っぽく笑い、
「特製のチョコはあげませんわ」
僕は固まった。数秒間、フリーズした。ctrlとaltとdeleteを押しても復帰できない、こういう時は強制終了しか手は無い。
でも彼女の前で意識を飛ばして倒れる訳にもいかない。
「ジュン? どうかしたのですか」
「いっ、いや… あー、なんでもない。うん」
訝しむような彼女の視線。
「もしかして、あの手紙で僕をここに呼んだのって」
「チョコを渡すためですわ。だって明日は土曜日でしょう?」
忘れていた、今日は13日の金曜日。明日は14日の土曜日。
ということは、バレンタインは休日に重なっているため、今日しか渡すチャンスがなかったのか。一人納得。
「すっかり忘れてた。でもそんなにもらうわけじゃないし、いいけど」
「はぁ、こういう行事には疎すぎるジュンが羨ましい。え、ちょっと待ってください!」
雪華綺晶は何かに気づいたように目を光らせて、僕に詰め寄った。
「何!?」
「さっき何とおっしゃいました? そんなにもらうわけじゃない、と言いましたわね」
首を縦に振って頷く。
「あなたは仮にも、仮にもっておかしいですけれど、私という彼女が居て。それなのにチョコを受け取っていたのですか!?」
「大丈夫だよ、みんな義理って言ってた…」
「義理だからいいというものでもないでしょう! これだから鈍感な殿方は困ります」
僕に言い訳させる間も与えず、彼女は一通りまくしたて上げると、疲れたようにため息をついた。
「ごめん。自分が如何に軽率な行動をとったか、本当にごめん」
そっぽを向いて、すっかり不機嫌になってしまった雪華綺晶に謝る。でももらった人たちにはみんな彼氏が居て、ただクラスメイトの仲だからと言ってくれた義理チョコばかりなんだけどなとはよう言えず。
本命らしきものをもらっても、甘いものが大嫌いだからと言って全部断っておいた事も今は黙っておくべきか。
「きらきーは、きらきーのチョコはきっと甘くないんだろうね」
「ジュン?」
「だって、僕の好みを一番よく知っているのはきらきーだけだし。僕が甘いものが嫌いってのもわかってるじゃないか」
言いたい事はただ単に、雪華綺晶以外には好みも何もかも明かしていないということと、彼女がどれだけ大きな存在か。ただそれだけ。
「乙女の気持ちもわからない男だけど、そんな僕にチョコはくれるのかな」
雪華綺晶は目に涙を一杯にためて、その涙を溢れ出させないためにぐっと口を結んでいた。そして、がさごそと鞄のなかから何か小さいものを取り出し、
「ううっ、出来れば鈍感で乙女の気持ちがわからないような殿方にあげたくはないんですが」
ピンク色の包装紙で綺麗にラッピングされた小さな小箱を差し出しながら、
「でもジュンの為に作ったんです。だから受け取ってください」
小さくお辞儀した彼女を僕は、差し出された箱を共に抱き締めた。
だって、とても愛おしく見えて、心に渦巻く真っすぐな感情をどうにも止められそうになかったから、ただそれだけのこと。
「本命ですからね」
「わかってるよ。本当にありがとう、きらきー」
自然と緩む頬が憎い。それこそ仕方の無い事だけど。
ホワイトデーのお返しが今から楽しみになってきますね」
「あと1ヶ月も先じゃないか。待つには長過ぎる時間だな」
「それがいいんじゃないですか! 恋も愛も待つからこそいいときもあるのです」
「でも待つのは疲れるよ、やっぱり行動に移さないと」
僕は緩んだ頬のまま、腕の中でおとなしくしている雪華綺晶の唇をに自分のを重ねた。
チョコは食べていない筈なのに、異様に甘く感じた。どうにも、恋をしすぎると糖尿病になるのかもしれない。いや、これとそれの関係性は全くないか。
惚気ではないが、こんなに可愛い彼女を前にすると頭の中がどんどん混乱していく訳であって。こうして別のことで紛らわせて誤摩化しておくのが一番だと自分自身で思う。断じて、逃げなどではない。
本当ならずっとこうしていたいが、まぁ無理なこと。
僕は彼女を抱き締めていた手を離し、かわりにそのふわふわの髪の毛の上へ乗せて、
「ホワイトデーのお返しの一部、のつもりだったんだけど。なんか甘かったよなぁ」
さっきのキス、そう思わなかったかと聞いてみると、
「なな、何でそんなことを仰るのですか! せっかく余韻に浸っていた私の気持ちを返してください! さぁ、今すぐに」
雪華綺晶の顔はすでにもう、寒さのせいで紅潮しているのではなかった。きっと僕が抱き締めた辺りから、違う意味で赤くなっていったんだろう。
そうやって些細なことで顔を赤らめ、瞳を輝かせながら怒ってくる雪華綺晶はやっぱり可愛い。彼氏としての贔屓目じゃなくても。
こんなことを思うあたり、今日の僕はおかしい。チョコの甘ったるい匂いのせいか、それとも目の前にいる、フランス人形のように美しく可愛い彼女のせいか。
「やっぱり僕、きらきーのこと大好きなみたいだ。これも今さらっぽいけど」
どう考えても離れられそうにない、素直な想いを言葉にして彼女へ届ける。
雪華綺晶は頭の上に立体的なはてなマークを浮かべ、不思議だと言わんばかりの表情を見せて首を傾げながら、
「何か今日のジュンはおかしく感じます。普段は絶対にそんなこと言わないでしょう?」
「あれだよ、チョコの匂いに浮かされたってやつかな」
「…たまにはそういうジュンもいいですけど」
「バレンタイン限定」
風に吹かれて冷たくなっていた彼女の手をとって、
「もうこんな時間だし、帰ろうか」
何事も無かったかのように平然と言う僕を見て、雪華綺晶は笑う。
「温かいジュンの手から熱を奪いとります」
彼女は紅潮しきった顔のままで、僕の手をぎゅっと握る。
お互いに数秒間見合って、口元に笑いを零す。
こうして雪華綺晶の隣を歩く僕は、願わずにはいられない。
世界中の恋する乙女たちの想いが、それぞれの想い人に伝わるようにと。
帰ってから、雪華綺晶にもらったチョコを食べてみた。
それはもう全身の毛が総立ちするぐらいに甘かった、でもそれは何個かある中でたった一つだけ。
箱の中に入っていた手紙に寄れば、
『恋の媚薬を入れているのでとっても甘いんです。媚薬って言っても怪しい薬ではありません、純粋に私のジュンへ対する想いですからね(はぁと)」
なんとも彼女らしい。
13日の金曜日の夜から14日のバレンタインの夜まで僕は終
投下失礼しました。
最後ちょん切れてますがすいません。
本当はこれ
『終日頬が緩みっぱなしだった』
>>270投下乙
甘〜い!
俺もドールズ相手にこんな恋愛をしてみたい…(泣)
でも、VIPの普通の女の子スレみたいなのりのSSだね。
>>271 そんなノリでごめんなさい。
今度からはVIPに投下するよー
感想thx
273 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 15:30:33 ID:v+bVvQUv
http://rozen.sync2ch.cc/2ch/test/read.cgi/news4vip/1235973265/ の続きです。全快はアクセス禁止でリタイア。
水銀燈「あ!見なさい。真紅。警察がいなくなったわぁ。」
真紅「警察がいなくなったんじゃなくて私達が移動したのだわ。
しかし・・・ふう。あの町にはもういけないわね。他の町を
探して何か情報を集めないとね。」
水銀燈「魔物とかいってたのはどうするのぉ?」
真紅「無視しましょう。そんなのに関わってても仕方ないわ。」
水銀燈「そう・・・。(この鎧で魔物を倒して真紅の好感度上げ
ようと思ったのに。)」
水銀燈「あっ!雛苺よぉ。雛苺がこっちに走ってやってくるわぁ。」
274 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 15:39:44 ID:v+bVvQUv
真紅「本当ね。あの子も「招待」されたのかしらね?」
ダダダダダダッ。
雛苺「ヒナヒナヒナー。」
水銀燈「ちょっと止まりなさい!雛苺。」
雛苺「ヒナは止まりません!止まらないのです!」
真紅「行ってしまったわね。」
水銀燈「あっ!また雛苺がやってきたわぁ。」
雛苺「ちょっとそこにいる二人とも!」
真紅「何?あなたもここに「招待」されたの?」
275 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 15:43:25 ID:v+bVvQUv
雛苺「今ここにこんな顔したドール見なかった?」
雛苺は自分の顔を指差した。
水銀燈「さっき向こうの方に走っていったわよぉ?」
雛苺「馬鹿もん!そいつがルパン・・・じゃなくて雪華綺晶
なの!」
水銀燈「何この雛苺。いきなり会って馬鹿者呼ばわりしてきたわぁ
。」
雛苺「こうしちゃいられないの!」
ガシッ。雛苺が走り出そうとするのを真紅が服をつかんで止める。
真紅「ちょっと待ちなさい。どうして貴方がここにいるの?
それに雪華綺晶というのは一体?」
雛苺「雪華綺晶はヒナの大事なものを盗んでしまった・・なのよ。
」
水銀燈「大事なものってローザミスティカのこと?」
雛苺「ローザミスティカとヒナの体なの。」
276 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 15:49:36 ID:v+bVvQUv
水銀燈「じゃあどうして貴方は動いてるのぉ?それに体まで奪われ
たら今ここにいる貴方が説明つかないじゃなぁい?」
雛苺「はあ・・・・。」
雛苺は呆れた表情で思いっきりため息をつく。
雛苺「今重要な事は、こんな無駄話をしてる間に雪華綺晶がどんどん
遠くに行ってしまう、というそのことなのよ。
ヒナがどうして動くのかとか、ローザミスティカも体もないのに
なんで存在してるのかとか。
そんなことは、実際そうなのだからどうだっていいのよ。
やれやれ・・・そんなことも分からないの?そもそも貴方達が
ぼけっとしてるから、雪華綺晶が逃げてしまったの。
その付けが、全部ヒナに回ってくるの。
全く部下が、無能だと困っちゃうのよ。」
水銀燈「な、なんですってぇ?」
真紅「お止めなさい。二人とも。それに水銀燈。雛苺が言ってること
はある意味正論だわ。」
雛苺「そういうことだから、ヒナはもう行くのよ。」
真紅「待ちなさい。見たところ貴方銭型刑事の服装ね?私のこの
服を見て何か思わないの?」
雛苺「ん・・・別に何も・・・あっ!ああっ!貴方はいや貴方様は
名探偵くんくん!」
277 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 15:55:51 ID:v+bVvQUv
真紅「そうよ。私と貴方がいれば、どんな難事件でもいちころだ
わ。」
雛苺「そこにいる鎧はくんくん真紅の部下なの?」
真紅「のろまで役立たずな飛べない豚だけどそうだわ。」
水銀燈「いじけるわよぉ?」
真紅「私の最も尊敬する姉だわ。」
雛苺「そうなの?そんな鎧が?まあいいのよ。じゃあ一緒に
雪華綺晶を追うのよ。とりあえず「パーティ」に「登録」するのよ。
いーい?」
真紅「パーティに「登録」?」
雛苺「しておくと便利なの。ともかくしたら分かるの。」
真紅「じゃあパーティに「雛苺」を「登録」。」
雛苺「許可。」
水銀燈の本「プレイヤー「真紅」が雛苺をパーティに「招待」しま
した。承認しますか?」
278 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 16:00:17 ID:v+bVvQUv
水銀燈「ま、またしゃべりだしたわぁ。どうしたらいいのぉ?」
真紅「はいと言えばいいわ。」
水銀燈「はい。」
水銀燈の本「承認しました。」
雛苺「そこの鎧は見た目と同じで鈍いのね。これでは足手まといなの
よ。捜査は時に非情なの。そこの鎧は、どこかで幸せに暮らしてた
ほうが実のためというものなのよ。」
真紅「そうはいかないのだわ。この鎧もつれてってちょうだい。
ちなみに名前は私が真紅で鎧が水銀燈っていうのだわ。」
雛苺「え?その鎧。水銀燈だったの?ヒナ、ちっとも気付かなか
ったの。どうしてそんなお間抜けなことになってるか分からないけ
ど、水銀燈が仲間なら心強いの。」
水銀燈「別に貴方達の仲間になったわけじゃないわぁ。ここにいる
間だけ協力するだけよぉ。ここから出たら敵同士よ。」
279 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 16:02:16 ID:v+bVvQUv
真紅「それでやっぱり雪華綺晶の仕業なのね?私達がここにきたのは
。」
雛苺「ヒナ、よくわかんないの。」
真紅「でも貴方は雪華綺晶を追っているのでしょう?」
雛苺「今はヒナが鬼だから。」
真紅「もしかして鬼ごっこしてるの?」
雛苺「もちろんそうなのよ。なんか突然ここにきたからたまたま
一緒にいた雪華綺晶と、今までずっと遊んでたの。
早く行ってあげないと寂しがってしまうのよ。」
水銀燈「ほら見なさい。雛苺なんてこんなものでしょ。私達は
他を当たってみましょうよぉ。」
真紅「いや、雛苺と違って、雪華綺晶なら何か知ってる可能性はもの
すごく高いわ。ここは雛苺と一緒に雪華綺晶を追いましょう。」
水銀燈「言われてみれば、確かにあの子なら何か知っててもおかしく
ないわねぇ。」
280 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 16:08:23 ID:v+bVvQUv
ザザッ。
雪華綺晶「その通りなのです。」
雛苺「ああっ!ルパン!」
雪華綺晶「私をルパンと呼ぶのは止めてください。遅いから心配に
なって戻ってきてみれば、面白いことになってますね。」
真紅「雪華綺晶、貴方やっぱり何か知ってるのね?」
雪華綺晶「そうなのです。私が全部知ってるのです。これは全て
金糸雀の仕業なのです。」
真紅「金糸雀が?一体なんのために?」
雪華綺晶「そこまでは知りません。ともかく金糸雀を倒せばこの世界
からでれるということなのです。」
水銀燈「ちょっと黙って聞いてれば胡散臭いこといってるんじゃない
わよぉ。あっ、ちなみに私、ローゼンファミリー長女の水銀燈。」
雪華綺晶「あら?黒薔薇のお姉さま。お似合いですわ。」
水銀燈「うるさいわ!どうせ貴方が何かたくらんでるに決まってる
でしょう。」
雪華綺晶「ぎくっ。まずいばれた。」
281 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 16:15:04 ID:v+bVvQUv
真紅「どういうことなの?」
雪華綺晶「う・・・・。」
真紅「う?」
雪華綺晶「うっえ〜ん!ヒナお姉さま!雪のことをみんなでいじめて
くるぅ。助けてー。」
雛苺「雪華綺晶を寄ってたかっていじめるなんて悪いやつらなの。
そんなやつらにはヒナは容赦しないの。これでも食らえなの!
えい!」
バーン!雛苺は水銀燈を撃つ!水銀燈はすってんころりん転んで
しまっている。
真紅「ぎゃー!雛苺がいきなり発砲したぁぁぁ!」
水銀燈「うぐぐぐ。驚いてないで起こしてほしいわぁ。鎧が重くて
一人じゃ起きれない。」
真紅「まるで達磨さんね。最も達磨さんはちゃんと一人で起きれる
のだけどね。」
水銀燈「馬鹿なこといってないで早く起こしてよぉ!ほら!
逃げてっちゃうじゃなぁい。」
282 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 16:15:48 ID:v+bVvQUv
真紅「どういうことなの?」
雪華綺晶「う・・・・。」
真紅「う?」
雪華綺晶「うっえ〜ん!ヒナお姉さま!雪のことをみんなでいじめて
くるぅ。助けてー。」
雛苺「雪華綺晶を寄ってたかっていじめるなんて悪いやつらなの。
そんなやつらにはヒナは容赦しないの。これでも食らえなの!
えい!」
バーン!雛苺は水銀燈を撃つ!水銀燈はすってんころりん転んで
しまっている。
真紅「ぎゃー!雛苺がいきなり発砲したぁぁぁ!」
水銀燈「うぐぐぐ。驚いてないで起こしてほしいわぁ。鎧が重くて
一人じゃ起きれない。」
真紅「まるで達磨さんね。最も達磨さんはちゃんと一人で起きれる
のだけどね。」
水銀燈「馬鹿なこといってないで早く起こしてよぉ!ほら!
逃げてっちゃうじゃなぁい。」
283 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 16:19:06 ID:v+bVvQUv
スタコラサッサー。
雪華綺晶「おほほほ。やりました!やらせていただきました!
まんまとかかりました!全ては私の策略だったのです!私は天
才だったのです!」
雛苺「ああ!また逃げたの。待てこらルパンーなの!」
雪華綺晶(うふふ。私の精神攻撃が効かない金糸雀さえ排除すれば
、アリスゲームは私が貰ったのも同然。せいぜい楽しんで殺しあって
ください。愛しい愛しいお姉さま方。)
真紅「よいしょ。よいしょ。全然あがらないわ・・・。こうなったら
・・。」
水銀燈「ちょっとちょっと、その冷めた目は止めなさい。こんなと
ころで置いてかれたらいくら私でもどうにもならないわぁ。」
真紅「大丈夫!ローゼンファミリーの長女はこんなことではへこたれ
ないわ!」
水銀燈「待って!そう・・そうよ!一つ貴方には貸しがあったはず
、ここで返してもらうわぁ。」
真紅「仕方ない・・・。とはいってもどうすればいいの?」
水銀燈「それを考えるのが貴方の役目じゃなぁい。」
284 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 16:21:40 ID:v+bVvQUv
ドドドドド・・・・。ガサッ。
金糸雀「相変わらずの夫婦漫才かしら。」
真紅「金糸雀!一体どういうことなの?」
水銀燈「夫婦漫才ってのはなによぉ?」
気がつくと二人はすっかり囲まれている。
真紅「このカラス達はなに?雪華綺晶の話は本当だったの?」
水銀燈「それと、貴方が乗ってるその変な乗り物はなんなのぉ?
飛んでて便利ね。私にもちょうだぁい。」
金糸雀「ははん?どうもこうも雪華綺晶の話は本当かしら。
これは全てカナが仕組んだこと。貴方達はカナの手のひらの上で踊
っていたにすぎない哀れなお猿さんかしら。」
真紅「金糸雀!貴方雪華綺晶に騙されてるのよ!なぜそれが分からな
いの!」
金糸雀「私が雪華綺晶ごときに騙されてる?く・・・くはははは。
」
285 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 16:31:01 ID:v+bVvQUv
水銀燈「あれ本当に金糸雀?」
真紅「さあ・・。それより貴方いつまでも転んでないで立ち上がり
なさい。みっともない。(こんなのの仲間と思われたら恥だわ。)」
水銀燈「私だってそうしたいのはやまやまよぉ。」
金糸雀「カナが万人を騙すことがあっても、カナを騙すことができる
ものなどありえないかしら〜。
凡人の目を持って、この才女たるカナを推し量らないでほしいかし
ら〜。」
真紅「ダメだわ。完全に調子に乗り切ってしまっている。」
水銀燈「どうにもならないわねぇ・・。」
金糸雀「もう貴方達と話すのも飽いたかしら。消えていいかしら。」
ビローン。金糸雀はバイオリンを一弾きする。
真紅「何も起こらない?」
286 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 16:31:54 ID:v+bVvQUv
金糸雀「愚かな貴方達に特別に教えてあげると、今のカナの演奏で
衛星兵器が貴方達にセットされたかしら。
おほほほ、これで貴方達はおしまいかしら!ジ・エンド!」
真紅「なんてことなの・・・。」
カラス「か、金糸雀様ぁ!」
金糸雀「ははん?なにかしら?」
カラス「どうやら範囲が広すぎて、今から逃げても私達も全滅する
模様です!しかも、金糸雀様が両人に逃げられないように予めセット
した「無効」のカードの効果でカードが使えません!」
金糸雀「オーマイガー。これがカナの「ドジ」というものか・し・
ら〜?」
カラス「どうしましょう?」
金糸雀「ははん?問題ないかしら。例えこの星が破壊されてもカナ
なら生きてられるかしら。」
カラス「では私達は?」
金糸雀「・・・・・。」
287 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 16:36:20 ID:v+bVvQUv
カラス「金糸雀様!我ら一同、貴方様にはずいぶん尽くしてきま
したぞ!」
金糸雀「仕方ないかしら。包囲を解いてカナの近くに来るかしら。
(水銀燈を仕留めるだけでよしとするかしら。)」
カラス「みんな金糸雀様に寄れい!」
むぎゅう。
金糸雀「うっとおしいかしら!(ドカッバキッ)はあはあ。ごほん
。真紅。水銀燈さえ見捨てて、全速力で逃げれば貴方だけなら助か
るかもしれないかしら?」
水銀燈「ねえ?聞いた今の?私のこと水銀燈っていってくれたわよぉ
?ジャンクとか豚とか鎧とか今まで散々言われてきたのに初対面で
水銀燈と呼んでくれたわぁ。」
真紅「貴方、今の状況分かってないようだからいうけど、ここにいた
ら私達死んでしまうらしいわよ。最も死ぬってのがどういう状態を
指すのか分からないけど・・・最悪ローザミスティカ奪われてしまう
かもしれないわ。」
水銀燈「な?あっ!そういえばさっき真紅だけなら逃げれるって・・
。」
真紅「大丈夫!死ぬときは一緒よ。貴方を見捨てたりはしないわ。」
久々に来たな、乙乙
読んでみる
289 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 18:11:42 ID:v+bVvQUv
金糸雀「ははん?水銀燈の大好きなお涙頂戴な展開かしら〜?」
水銀燈「そうよ。馬鹿言わないで!私なら平気だから貴方だけでも
逃げるのよぉ。ここに二人でいたって何の意味もないじゃなぁい。」
金糸雀「早く逃げないと二人まとめて黒こげかしら。カナにはその
ほうが都合よいのだけど、本当にそれでいいのかしら?」
真紅「私達の絆の力は、雪華綺晶に騙されて調子に乗ってる
貴方なんかに負けはしないわ!」
金糸雀「ははん?そういうのが通用するのは、漫画の世界だけか
しら?現実は非情かしら〜?」
真紅「く・・・なんてことなの。悔しいけど水銀燈。貴方より役者が
上みたいよ。悪役交代してもらったら?」
水銀燈「大きなお世話よ!私から悪役をとったら何が残るっていうの
よぉ。たまに見せる弱弱しいところとか見て、本当はいい子
なんだとか思わせるのが肝なんじゃない。真紅は何もわかってない
わぁ。」
真紅「そんな同情票で・・・。」
290 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 18:13:24 ID:v+bVvQUv
>>288 あっ、どうもおかげでとけました。
水銀燈「ああー!そんなこと言ってる場合じゃないのよぉ。早く
逃げなさぁい!逃げて私の仇をとるのよぉ。」
金糸雀「タイムオーバー。御機嫌よう。ご両人。また会うことは・・
ないでしょうけど。」
ドッカーン!
カラスA「・・・助かったのか?」
カラスB「助かったぞ!俺達生きてる!生きてるって素晴らしい!」
金糸雀「当然の結果かしら。カナのバリアに死角はないかしら。
そしてカナは用心深い。このスカウターで生きてるかどうか確認する
かしら。む・・・これは?」
真紅「どうして・・・どうして私をかばったの?水銀燈。」
水銀燈「・・・だって二人でやられたら何の意味もないじゃなぁい。
」
真紅「だからって!」
291 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 18:17:39 ID:v+bVvQUv
水銀燈「・・・もしも違う形で出会っていれば、私達いい友人にな
れかもしれないわねぇ・・。
アリスゲームのこと頼んでわよぉ。貴方ならアリスになれる。
そしてお父様を救ってちょうだい。」
ガクッ。
金糸雀「ははん?茶番はそこまでにしておくかしら〜。」
真紅「金糸雀・・・。そこまで堕ちたの?もう貴方をかつての金糸雀
とは思わない。ここからは本気だわ。」
金糸雀「・・・おめでたいとは貴方達のようなドールを指すかしら。
まあよい。才女ことこの金糸雀は、勝てる戦いを興が冷めたと抜かして
逃してしまう、そこに転がっている三流悪役とは違うかしら。
貴方が本気で来るというのなら私もお相手するまでかしら。」
真紅「金糸雀・・・。水銀燈は彼女の中で葛藤があった。悩んで苦
しみながらもアリスゲームに生きようという真摯な姿があった。
だからこそ私達は、敵対している彼女のことを認めてもいたし敬意を
払ってもいたわ。でも貴方はただ破壊しかない。
そんなドールにアリスになる資格なんかない。」
292 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 18:25:40 ID:v+bVvQUv
金糸雀「世迷言はそこまでにしてもらうかしら。アリスになる資格を
決めるのは貴方ではなくお父様かしら。
・・・ふふっ。ましてこのカナにはお父様すら眼中にない。
アリス?ちゃんちゃらおかしいかしら。カナはカナのルールに従って
生きるのみ。アリスゲームなんか知ったこっちゃないかしら。」
真紅「外道!貴方はもうローゼンメイデンですらない!」
なぞの声「そうだ!美学なきものはこの舞台から立ち去れ!君は
汚れすぎた。」
真紅「この声は?」
金糸雀「・・・・。」
シャキン!太陽をバックに鋏が輝く。
蒼星石「姉妹の汚点は僕達の汚点。貴方の過ちは僕のこの庭師の鋏
で断ち切ろう。」
真紅「蒼星石!貴方も来てたのね。」
蒼星石「真紅。一時休戦だ。」
293 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 18:29:09 ID:v+bVvQUv
真紅「もちろんよ。二人であの馬鹿の目を覚ましてあげましょう。」
蒼星石(何を甘いことを・・・。まあいいか。真紅らしい。)
金糸雀「・・・ならばこっちも、戦力を投下するかしら。「召還」。」
なぞの声「ですぅ・・・。」
真紅「あれは?」
蒼星石「やっぱり定めからは逃れられないのか・・。」
翠星石「・・・・。」
真紅「どうして?翠星石。」
翠星石「・・・何も聞くんじゃねえです。金糸雀の邪魔をするなら
翠星石が相手になるですぅ。」
真紅「事情が分からない限りうかつに攻撃できないわ・・。」
蒼星石「翠星石は僕が何とかする。真紅は金糸雀を頼んだよ。」
294 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 18:39:23 ID:v+bVvQUv
真紅「でも!」
蒼星石「心配しないで、壊したりはしない。僕の最も愛する姉なん
だからね。でも金糸雀はもうダメだと思う。
チャンスが来たら躊躇しないことだよ。」
真紅「私は正統なアリスゲームでない限り、ローザミスティカを奪う
ことはしないわ。こんな世界での戦いは無効だわ。」
蒼星石「・・・僕はこれ以上は何も言わないよ。好きにしたらいい。
お互いが信じるやり方でやろう。ということだけどいいね?金糸
雀。」
金糸雀「ふわあ・・。ああまだ無駄話をしてたかしら。聞いてな
かったけどもういいのかしら?」
蒼星石「君にもまだ美学が残っていたことを感謝するよ。翠星石
聞いての通りだ。場所を変えよう。」
翠星石「分かったですぅ・・。」
蒼星石「「同行」。」
295 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 18:42:19 ID:v+bVvQUv
翠星石「承認ですぅ。」
ビューン。
金糸雀「ははん?逃げたかしら。まあよい。あの緑には最初から
期待してなかったかしら。」
真紅「覚悟はいい?金糸雀。」
金糸雀「そうかしら・・・。このままじゃ勝負にならないかしら。
サービスしてやるかしら。カナはここから一歩も動かない。
もちろんバイオリンも使わない。
何もしないから真紅が一方的に攻撃すればいいかしら。」
真紅(罠・・?例の兵器をもう一度使われたら今度こそアウトだった
。例え罠だとしてもこれは好機だわ。)
真紅「悪いけどこちらも余裕がないの。お言葉に甘えさせていただく
わ。」
金糸雀「ふふ・・・。」
真紅「最初から飛ばすわ!ホーリエ!あの馬鹿の目を覚ましてあげ
なさい!」
296 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 18:47:53 ID:v+bVvQUv
ホーリエ「イエッサー!」
しかし、ホーリエの突撃は何かにさえぎられて届かない。
真紅「え?」
金糸雀「何か不審なことでも?何度でもどうぞかしら。」
真紅「・・・・。(同じことをしても同じ結果になるのは目に見え
てる、ここは多少リスクを犯してでも、何が起こったか確かめないと
勝ち目はないわ。)」
真紅「どりゃあ!キセルアタック!ぎゃ!眩しい!」
真紅が目を閉じた途端、四方から体当たりされた感触が体に伝わり
真紅は地面に転がる。
真紅(でこで光を反射してたのね・・・。でもそれだけではつじつま
があわないわ。金糸雀はなにもしてないのに、どうやって攻撃を
したのかしら?なにもしてない・・・あっ!まさか!)
真紅「人工精霊を使ったのね。確かに使わないとはいってなかったわ
。」
297 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 18:51:01 ID:v+bVvQUv
金糸雀「ははん?なんのことかしら?とはいえ真紅の頭ではその辺が
限度、よろしい。教えてあげるかしら。」
パチン。金糸雀は指を鳴らした。
カラス「・・・・。」
金糸雀「このカラス達はカナの部下の精鋭、そのスピードは
ローゼンメイデンといえでも見切る事は不可能かしら・・・。
最もカナだけは特別かしら。」
真紅「私達の戦いに力以外を使う?金糸雀、貴方誇りすらなくしたと
いうの?」
金糸雀「ここはそういう世界かしら。カナはこの世界の神かしら。
私が正しいといえば黒でも白になるかしら。
その神に逆らおうなどと愚かなことと知るかしら。」
真紅「ピエロとは貴方のような人のことを言うのよ。金糸雀。」
(とはいえここは一旦退いて体勢を整えないと、少なくてもジュンと
合流しないと勝ち目がないわ。・・・ジュンがこっちに来てると
いいのだけど。)
金糸雀「ははん?分かってるかしら。貴方もそして水銀燈もいつ
もそうかしら。
口で強がるときはいつも心では怯えている本当の貴方達はずいぶん
と泣き虫かしら・・・・カナがこのまま逃がすとでも?」
298 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 18:55:42 ID:v+bVvQUv
ザザッ。
真紅「まずい!囲まれたわ!」
ピッカーン!
水銀燈「苦悩があるからこそ!葛藤があるからこそ!人はそれを乗り
越えて強くなるわ。お父様への思いある限り私は何度でも蘇るわぁ!」
真紅「す、水銀燈!生きていたのね?」
水銀燈「実は、死んだあー!と思ったけど鎧のおかげでなんともなか
ったわぁ。」
真紅「貴方!立ってるじゃない!立てたじゃない!一人で!」
水銀燈「ふふ・・・私はふとこんなことを思い出したわぁ。
あの親父が私に鎧を受け渡すとき、一枚のカードをもらったわぁ。
そして私にこの鎧は重いから装備するときは、このカードを使って
「軽量化」させてから使ってくださいといったのよぉ、そこで私は
ピンときた。
そうかこのカードを使えば、あるいは鎧が軽くなって起き上げれるん
じゃないかって、・・・・そして結果は・・・うふふっずばり的中
だったわぁ。」
299 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 19:05:02 ID:v+bVvQUv
雪「個人的に思うこととしましては・・171の作品は、面白かったということ
その事実なのです。またやってほしい・・・といわざるをえません。
そして・・ヒナ姉様が、至高であること万人が認めるところでございます。
ではまた・・おさるさんに恐怖しながら、駄文を投稿させていただきます。」
真紅「(もっと早く使えばよかったのに・・・。ジャンクに多く期待
しても仕方ないわね・・。)と、ともかく生きていてくれて本当に
よかったわ。」
水銀燈「ええ。私はジャンクなんじゃないからねぇ。このくらい
朝飯前よぉ。何せ私はジャンクじゃないのだから。ここ重要よぉ。
」
真紅「そ、そうだわ。水銀燈は素晴らしいローゼンファミリーの長女
だわ!」
金糸雀「水銀燈が生きていたのはスカウターを見て知っていたかしら
。絶対何かたくらんでると思って、仕掛けてくるときを待ってたかし
ら。」
真紅「そうだわ。どうしてすぐに教えてくれなかったの?心配したわ
。」
水銀燈「それはなんだか口を挟みづらい雰囲気で、どうも忘れ去られ
てるみたいだからいじけてたところ、金糸雀が呼んでくれたから思い
切って会話に参加してみたとは、口が裂けてもいえないわぁ。
何しろ私のクールなイメージに関わるんですもの。」
300 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 19:11:00 ID:v+bVvQUv
金糸雀「・・・・。」
真紅「と、ともかくこれで形勢逆転だわ。」
金糸雀「ははん?一人増えた程度で状況は変わらないかしら〜。」
水銀燈「真紅みたいな小物をいいようにあしらった程度で、いい気に
ならないことねぇ。」
金糸雀「ははん?相変わらずのビックマウスかしら。」
水銀燈「口だけかどうか見なさい!」
ヒューン!水銀燈が驚くべき跳躍で、金糸雀に鉄の槍を振り落
とす。
真紅(おお・・・まるで黒い悪魔、通称ご○○り。)
金糸雀(デコフラッシュ・・・。)
水銀燈「鎧反射!」
金糸雀「ぎゃー。目が見えないかしらー!」
301 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 19:14:07 ID:v+bVvQUv
カラス「・・・・いかせん。」
精鋭カラスが水銀燈に襲い掛かるが、水銀燈はそれら全てを切
り捨てた。
水銀燈「もらったわぁ!」
ドカッ!しかし攻撃を受けてたのは水銀燈のほうであった。
水銀燈「ぐ・・・。バイオリンは使わないんじゃなかったっけぇ?」
金糸雀「サ、サービス期間は終わったのよ!(カナの精鋭が歯が立
たないなんて・・・。)」
水銀燈「私は他の人形とは次元が違うのよぉ。何しろ最もアリスに
近いドールなんだからねぇ。」
真紅「すごいわ・・。水銀燈。馬鹿だけに馬鹿力だけはある。これな
らいけるわ!」
水銀燈「お分かり?私はジャンクでもなければ豚でも鎧でもないの。
もちろん馬鹿でもないわぁ。至高の薔薇乙女、水銀燈よぉ。」
302 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 19:18:39 ID:v+bVvQUv
ガサッ。
金糸雀「・・・・・大地は久しぶりかしら。」
カラス「金糸雀様が馬を降りた!」
水銀燈「あれぇ?その乗り物要らないのぉ?いらないなら水銀燈に
くれない?」
金糸雀「カナに勝てれば考えてあげてもいいかしら。」
水銀燈「言ったわねぇ。それっ!」
真紅「ああーー!水銀燈!うかつに突っ込むと!」
バキン!直撃!
水銀燈「ど、どうして?どうして避けないのぉ?」
金糸雀「ははん?実力の差というやつを教えたかったからかしら。
今度はカナの番かしら。」
デコピン!
303 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 19:24:29 ID:v+bVvQUv
水銀燈「ぐわー!ただのデコピンなのに大砲みたいな威力よぉ!」
真紅「あわわわ。水銀燈がこっちに飛んでくるわ。に、逃げなくては
。」
真紅は逃げたが、なぜか水銀燈は90度曲がって真紅のほうに突っ
込んだ。
水銀燈「ぐげげ。」
真紅「だわわわ・・・。」
モコモコモコ・・・。煙が出る。
真紅「だ、ダメだわ。強すぎるわ。」
金糸雀「ははん?カナは親切だからいいことを教えてあげるかしら。
このスカウターを通して戦闘力というものが分かるかしら。
数字が大きいほど単純に強いかしら。
・・・真紅の戦闘力が、200。水銀燈の戦闘力が、2万かしら。」
真紅「・・・・それ故障してるわ。」
水銀燈「そのくらいが妥当よねぇ。」
304 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 19:28:08 ID:v+bVvQUv
金糸雀「でも真紅はマスターから力の供給を受けると大体10万にな
るかしら。」
真紅「ほら見なさい。」
水銀燈「他力本願じゃない・・・。」
金糸雀「ちなみに・・・・カナの戦闘力は53万かしら。」
真紅「ご?なんですって?53?」
水銀燈「へえ。すごいわねぇ。それってすごいのよねぇ?」
真紅「今までの金糸雀の話が全部本当だとすると、今の私達ではまず
勝てないってことになるわぁ。」
水銀燈「ああそうなのぉ?銀ちゃん機械に疎いからちょっと分からな
かったわぁ。」
真紅「(銀ちゃん?頭大丈夫よね?)機械というより算数だと思う
わ。」
水銀燈「う、うるさいわねぇ。ちょっとしか違いないわぁ。」
305 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 19:30:41 ID:v+bVvQUv
金糸雀「カナと戦うってことがどれだけ絶望的なことか。いかな
愚かな貴方達でも、数字ではっきり示されれば分かるというもの
かしら。(水銀燈はもうダメかもしれないかしら・・・。)」
真紅「逃げるわよ。水銀燈。」
水銀燈「え?でもあの機械ほしいわぁ。」
真紅「今の話聞いてたでしょう?」
金糸雀「ははん?この大勢のカラスに囲まれてる状態から、どう逃
げようっていうのかしら〜?」
真紅「「同行」。」
水銀燈「えっと「はい」でいいんだっけぇ?」
ビューン!
金糸雀「ははん?は・・・ははん?か、かしら?「無効」の効果がな
ぜ発動しないかしら?」
カラス「もうとっくに切れております!金糸雀様も先ほど「召還」
のカードを使っておられましたでしょう。」
306 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 19:35:03 ID:v+bVvQUv
雛苺「ふっふっふー。雪華綺晶、観念してさっさと大事なもの寄越す
のよー。」
雪華綺晶「雪、一生の不覚、そしてヒナ姉様は何たる外道。(ガチャ、
ガチャ)この手錠はずしてください。(このままだと私の大事なもの
が奪われてしまう。)」
雛苺「聞こえんなあーなの。おっとヒナのビックマグナムが・・。」
スドキューン!バチン!
雪華綺晶「ひい・・。」
雛苺「こら!めっめーなのよ。ヒナと違ってビックマグナムは気が
短くてやんちゃなのよ。ヒナも困ってるの。あやうく雪華綺晶に当
たるところだったのよ。」
雪華綺晶「当たってます!ものすごく当たってます!凄く痛いのです
!本当に凄く痛いのです!」
雛苺「はあ・・・・。でもう一度聞くのよ。「うい」か「のん」か?
」
雪華綺晶「「ういい」・・・。」
307 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 19:39:16 ID:v+bVvQUv
水銀燈「そこまでよぉ。雛苺!」
雛苺「うい?」
真紅「いくら雪華綺晶相手でもあんまりだわ。やり方がスマート
じゃないのよ。まさか貴方まで狂ってしまっているの?」
雛苺「うーい?(せっかく楽しく遊んでいたのに興ざめなのよ・・
。)」
雪華綺晶(やりました!あの人たちお馬鹿だから助けてくれるかも
しれません。雪の日頃の行いの成果です。)「うわーん。お姉さま方
〜、ヒナ姉様が雪のこといじめてきますー。いけない子です。
お仕置きしちゃってください。」
真紅「何かものすごく助ける気がうせたというか・・・。」
水銀燈「な、何言ってるのぉ?ほら、雛苺。ふざけてないでその
手錠を外してあげなさい。」
雛苺「うい・・。(水銀燈ったららしくないこと言ってるの・・。
何かあったの・・?)」
308 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 19:42:11 ID:v+bVvQUv
ガシャン。
雪華綺晶「やった!晴れて自由の身!やりました!またまた雪がやら
せていただきました!愚かな姉妹を利用尽くして至高の少女を
目指すのです!やっぱり雪は天才だったのでした!では皆様
おさらばなのです!」
真紅「ローズテイル。」
ガチッ!
雪華綺晶「あれれー?一難去ってまた一難、雪の苦難はまだまだ
続くのです。」
真紅「雪華綺晶、金糸雀の説得に協力してほしいわ。後まだなにか
知ってることあるのなら教えてちょうだい。」
雪華綺晶「愚かな人・・。どうして私が貴方にそのようなことを
教えなければならないのです?」
真紅「貴方には恩を知るを言う言葉は通用しないの?」
雛苺「雪華綺晶は子悪魔なの。すぐに人の大事なものを盗んでいく
悪党なのよ。」
雪華綺晶「おほほほ、そうなのです。」
309 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 20:03:54 ID:v+bVvQUv
水銀燈「そういえばどうして翠星石が、金糸雀に従っていたのぉ?
そこが何か匂うのよ。私の直感がそこが怪しいと睨んでるのよぉ。」
雪華綺晶「さすがは黒薔薇のお姉様。野性的です。といってもやっ
ぱり私が教える義理はありません。」
真紅「今の発言から考えるに一つ言える事は、翠星石が何らかの
事情で不本意に金糸雀に従ってるということだわ。翠星石が狂っ
てないだけよかったわ。」
雛苺「真紅探偵。読みが浅いの。推理はもっと直感的に大雑把に行う
ことも時に大切となるのよ。」
真紅「というと?」
雛苺「考えてもみるのよ。翠星石はあれでも意志が固いの。ヒナみた
いに、ちょっとうにゅーをあげるからこっちにおいで、といわれるだ
けで、ほいほいついて行っちゃうような尻軽じゃないのよ。」
水銀燈「尻軽って使い方間違えてるわぁ。」
310 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 20:04:29 ID:v+bVvQUv
真紅「水銀燈の発言は無視するとしてなら雛苺。貴方はどう推理
するの?」
雛苺「翠星石を動かそうと思うなら、まず第一に蒼星石、第二にジュン
のことなの。このどちらかが囚われている可能性が高いのよ。」
真紅「蒼星石は金糸雀と敵対していたわ。ということはジュンが?」
雪華綺晶「ふふふ。ご名答。私も詳しく知りませんが、ジュンが
金糸雀にいる事は確定です。なぜなら以前金糸雀の大事なものを
盗もうとして、あの城に忍び込んだときジュンに会ったからです。」
水銀燈「案外あっさりげろったわねぇ。」
真紅「汚い表現つかわないでほしいわ。」
水銀燈「ご、ごめんなさい。知り合いがよくげろとかいうものでねぇ
。」
雪華綺晶(さっきからヒナ姉様の視線が痛いのです。痛い視線に
雪はたじたじだったのです・・・。黙ってたら後で絶対お仕置き
されてたのです。)
雛苺「水銀燈、言い訳は見苦しいのよ。」
311 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 20:06:27 ID:v+bVvQUv
真紅「貴方はいきなり張り切って割り込まなくていいのだわ。
本当に変な性格になってしまったわね。
・・・ところで雛苺は、金糸雀の説得に協力してくれるわね?」
雛苺「うい?ヒナは風なの。自由な風。囚われない風。ヒナは
束縛されずに今日も明日もふらふらと飛んでいくのよー。」
雪華綺晶「さすがです!ヒナ姉様は怖いけど真の同志です!私の
気持ちも余すことなく代弁してくれました!」
真紅「じゃあ協力できないの?ジュンは私達のマスターなのよ。
貴方だってずいぶんジュンには甘えていたじゃないの。」
雛苺「うい・・・。ジュン・・。ヒ、ヒナは昔のことに囚われるよう
なじめついた性格じゃないのよ・・・。」
雪華綺晶「そ、そうなのです!私達は生を謳歌してるのです!
邪魔しないでください!」
(まずいです・・。押されてるのです。落ちるのも時間の問題なの
です。ヒナ姉様、アイト!アイト!です。)
真紅「うにゅーだってこっちに来てから食べてないんでしょ?」
雛苺「ヒナは〜ふらふらふらと〜真紅達についていくことにしたのよ
〜。もちろん雪華綺晶も一緒なのよ〜。」
雪華綺晶「そんな!お姉様!私達のポリシーをお捨てになるのですか
?二人で「KA・RI・SU・MA」を目指すと約束したじゃないですか!」
雛苺「雪華綺晶。いい言葉を送ってあげるのよ。「女心と秋の空」
残念!女の心変わりは恐ろしいの!これもヒナ達の道、ヒナ達の生
き様、ヒナ達の業なの。文句ある?」
312 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 20:10:04 ID:v+bVvQUv
雪華綺晶「あ・・いえないです。一生お姉様についていきます。」
水銀燈「やれやれ。一気にお荷物が増えたわぁ。」
真紅(貴方が一番お荷物だと思うわ・・。いい加減その鎧ぬぎな
さいよ。)
水銀燈「水銀燈ファミリーにはルールがあるわぁ。新入り二人には
特に注意して守ってほしいわぁ。」
雛苺「郷に入れば郷に従えと昔の人はよく言ったものなの。よろしい
。ヒナ達もついていくと決めた以上文句はないのよ。」
雪華綺晶「衆には勝てません。いくら私一人が必死に頑張ったとこ
ろでいずれ飲み込まれる運命なら、こっちから飲み込んでやります。
」
水銀燈「そう硬くならないでも簡単なことよぉ。まず第一に、
ジャンク、鎧、豚、馬鹿、これら私を侮辱するようなものを言っては
ならないわぁ。そして心の中でも思ってはいけないわぁ。
心の中で思った瞬間その人は罪を犯しているのよぉ。」
雛苺「深いと言わざるをおえないの。思ったより簡単でよかったの。
ねっ、雪華綺晶。」
雪華綺晶「どうも憂鬱です。私は人を小馬鹿にしてないと生きていけ
ない病気なのです。」
313 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 20:12:43 ID:v+bVvQUv
雛苺「諦めることなの。他に規則はあるの?」
水銀燈「基本的にはこれだけよぉ。特に「ジャンク」これだけは
言っていけないわぁ。
この言葉をいわれた人はどれだけ傷つくことか!これは言われた本人
にしか分からないわぁ。
また言った人も良心の呵責に苛まれてまともな神経をしてる人だった
ら自殺してしまうわぁ。ねえ?真紅ぅ?」
真紅「ねちねちとうるさいわね・・・。」
水銀燈「は?なにかいったぁ?もしかして自分が悪いくせに開き
直ったのぉ?なんだか分かってないようだから、言っておくけど、
貴方が犯した罪は貴方が考えるよりずっと深く・・・深く・・・
闇よりも深淵よりもっと深く・・・ともかくともかく深いものなの
よぉ。
一生懺悔しても貴方の罪は消える事はないでしょう。
でも安心なさい。寛大な私は貴方の罪を許してあげるわぁ。」
真紅「あーあっと。それはありがたいことだわね!これでいいの
かしら?」
雛苺「ともかくジャンクだけは言ってはいけないという由、よく
分かったのよ。分かった?雪華綺晶。」
雪華綺晶「ええ・・。その言葉は多分言わないと思います。
後は・・・努力します。」
水銀燈「うふふ。これで四人パーティそろっちゃったじゃない。
銀ちゃん、大張り切りよぉ。これで魔王もとい金糸雀を倒しに
いきましょう。」
314 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 20:16:44 ID:v+bVvQUv
雛苺「うい!なんだか楽しくなってきたの!ついてくることを選んで
正解だったの!」
雪華綺晶「はあ・・・?(ガチンコファイトは私の流儀に反します
」
真紅(うざいわ・・・。何であんなにテンション高いの?それにまた
自分のこと銀ちゃんっていってるわ・・・。)
水銀燈「真紅!掛け声よ!乗り悪いわねぇ。」
真紅「お、おおー・・・。」
雛苺「なっちゃいないの。」
水銀燈「まあ慌てる事はよくないわぁ。追々よ。」
雛苺「水銀燈は度量が広くて尊敬しちゃうの。」
水銀燈「ふふ。褒めてもなにもでないわぁ。羽だってだせないん
だから。」
水銀燈ファミリー結成!これで攻城戦に参加できるようになったぞ!
315 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 20:19:40 ID:v+bVvQUv
リーダー 水銀燈 その、のっしのっし動くさまはまるで牛の猛進!
ファミリーの主戦力にして頼れるお姉さん!
ちょっと頭が弱いけどそこがまた魅力的!
クラスは 騎士っぽい。
サブリーダー 真紅 慣れないキセルを使ってむせることでパーティ
を和ませるのが得意技!
戦闘では役に立たないけど頭脳はぴか一!
クラスは 探偵っぽい。
下っ端A 雛苺 一繋ぎの大秘宝、人類の最後の希望「KA・RI・SU
・MA」になるべく、各地を放浪していた遊び人。
ただし本人は、刑事だと思っている。
戦闘では愛銃ビックマグナムが火を噴くぞ!
趣味はうにゅーを食べること。
今回晴れて水銀燈ファミリーの一員になった。
風の如くゆらゆらと〜ふらふらと〜。
下っ端B 雪華綺晶 表向きは雛苺に弟子入りして「KA・RI・SU・MA」を
目指していたが、本当の目的は、大いなる峰の山頂、深淵よりはる
か深きもの、ただ一点の真実、確かなるもの「クールビューティ
」に至る道を模索していた遊び人。
雛苺についてった理由は雛苺に「クールビューティー」に至る素質
の片鱗を見たからである。
本人は、自分のことを遊び人ではなく、盗賊だと思っている。
人の「大事なもの」を盗むことが大好き。
特技は変装。
今回しぶしぶ水銀燈ファミリーの一員になった。
水銀燈「今はちっぽけな私達だけど、いつか必ずビックになって
金糸雀を倒して見せるわぁ。」
敵対
電脳世界の神 金糸雀 戦闘力53万の文句なしの王者。
なぜローゼンメイデンたちをこの世界に呼び出したのか?
彼女の真の目的とはなんなのか?なぞは深まる一方である。
翠星石 金糸雀の部下と思われるなぞの美少女。どうやら金糸雀に
弱みを握られているようだが・・・?
ジュン 金糸雀に囚われてる?らしい。
中立
蒼星石 ローゼンメイデン随一の使い手。翠星石と何か因縁めいた
ものがあるようだが・・・?
クラスは庭師。
316 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 20:23:36 ID:v+bVvQUv
金糸雀「ぷっはー。肩が凝ったかしら〜。演技も楽じゃないかしら。
」
ジュン「お疲れ様。金糸雀。どうやら計画は順調に進んでるな。」
金糸雀「最初カナに相談されたときには驚いてしまったかしら。
何しろ今まで最大の敵だったカナにあんな相談するなんて・・驚き
だったかしら。」←しかし原作では最大の敵どころか誰にも敵とすら
認識されてない。最大の敵と思ってるのはあくまで本人だけである
。
ジュン「金糸雀なら・・・あるいはと思ってな。そしたらどうだ。
ずばりだった。」
金糸雀「アリスへ至る道は必ずしも一つではないと、カナも思うか
しら。でも翠星石を騙すことになってしまったのはちょっと可愛そう
かしら・・。」
ジュン「金糸雀。もう賽は投げられたんだ。何百年も続いてきた戦い
を止める為には、ある程度痛みを伴わないといけないんだ。
それが改革というものなんだ。僕の友人である小泉
君もそういってた。(小泉君・・君の意思は僕が引き継ぐよ。)」
金糸雀「わ、分かってるかしら。今更カナも引き返そうとは思わない
かしら。(小泉?)しかしヒナはうまくやってるかしら?」
ジュン「雛苺には期待しないほうがいいだろう。でもいざというとき
スパイがいれば役に立つ。」
317 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 20:28:09 ID:v+bVvQUv
金糸雀「計画の成果はばっちり水銀燈は順調に軟化していって
るかしら。」
ジュン「そう水銀燈さえみんなと仲良くなってしまえば、最早僕達
に障害はないといえる。そのために用意した舞台だ。
そしてローゼン・・・。やつに逆襲するため僕達は戦わなければ
ならない。金糸雀、申し訳ないけどまた台本通り頼むよ。」
金糸雀「心が痛むけど仕方ないかしら。例のウサギはどうしてるか
しら?」
ジュン「ダメだな。口が堅いよ。見かけによらず。なかなかローゼン
の居場所をはかない。」
金糸雀「あまりいじめてはかわいそうかしら。程ほどにするかしら
。ウサギに罪はないかしら。雪華綺晶とか蒼星石はどうするかしら
?」
ジュン「羽虫がいくら騒ごうが計画に支障はないぞ。何も問題ない
。そう・・・何も問題ないんだ。このままでいい・・・。」
金糸雀「そ、そうかしら?(果たして無視してていいのかどうか・・
。しかしジュン。最近様子がおかしいかしら。)」
ジュン「僕はちょっとウサギの様子を見てくるぞ。」
金糸雀「いってらっしゃいかしら。」
ギイ・・・バタン。
318 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/07(土) 20:32:48 ID:v+bVvQUv
金糸雀「様々な思惑が乱れる中、果たして出し抜くのは雪華綺晶か
ジュンか。あるいはダークホースの存在か。
・・・なんにせよアリスゲームは、今回のことでまた完成度がます
そのことだけは確かかしら。
舞台がどう動こうとカナはカナの誇りにかけて、信じる道を進むのみ
かしら。そう思うでしょ?ピチカート。」
ピチカート「ピピ!」
ギーコ・・ギーコ。
ジュン「ウサギ?生きてるか?」
ラプラス「見くびらないでいただきたい。何をされても私の役目は
アリスゲームの進行を促すのみ。それ以外の事は関与できません
。」
ジュン「まだそんな口が聞けるのか。」
ガチャン!
ラプラス「あひゃひゃ、ひゃひゃひゃひゃ。」
ジュン「どうだ?まだ話す気にならないか?」
ラプラス「く・・・無駄です。こんな程度では私の魂は折れません!
」
あれ、また規制入った?それとも今回はここまで?
とりあえずローゼンのキャラがゲーム内に入ったら、という誰でも一度は考えてしまう内容を実際に書いてくれた点はありがたい
最近はキャラ崩壊してても十分面白いのが多いね
蒼星石とか扱い酷いけど面白いこと多いし
320 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/12(木) 18:04:10 ID:Jff+/iNn
ここどこですか?
ぷん太スレですか?
どうして私こんなところにいるんですか?
321 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 06:23:33 ID:yEINm9aL
テスト
322 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 06:31:24 ID:yEINm9aL
ようやく規制がとけたようです。
規制中シベリアで、やってて1000目指してましたが、余りの寒さに凍え死にそう
だったので途中で断念しました。
318の続き→
http://rozen.sync2ch.cc/2ch/test/read.cgi/siberia/1236469413/ 前回のやつのちょっと前に戻って、死んだ蒼星石が復活した辺りから
書きます。
翠星石「ふう・・・。例のマスターの部屋か・・。ゲテモノは・・
いるな。水銀燈と真紅もいる。」
真紅「おはよう。翠星石。・・・なんか貴方様子変ね?」
翠星石「僕は蒼星石だよ。翠星石にちょっと体を貸してもらってる
んだ。」
水銀燈「あっそうなのぉ?ごめんねぇ。ローザミスティカ横取りし
ちゃってぇ。」
蒼星石「・・・それはいいよ。でもなにかな・・・。まあいいや。
」
水銀燈「?」
ジュン「買いだなー。」
雪華綺晶「それはやめたほうがいいです。こっちにしましょう。」
323 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 06:39:40 ID:yEINm9aL
ジュン「確かにそっちのがいいな。買いっと。」
蒼星石「ねえ。ちょっと、ちょっと。」
ジュン「ん?翠星石起きたのか?」
蒼星石「いえ、僕は蒼星石です。翠星石にちょっと体を貸してもら
ってます。」
ジュン「れ、礼儀正しいな・・・。言葉こそ丁寧だが全く礼儀が感じ
られない約二名とは大違いだ。
しかもそのうち一名は変な言葉遣いだし。」
蒼星石「これから少しお世話になるので、挨拶をと思いまして。」
ジュン「そ、そうか。よろしく。敵ってことないよな?」
蒼星石「はい。少しここにいるだけですから。ところで着替えたい
んですが。」
真紅「ああ・・・服なら。翠星石が保管やつがあるから、帽子
もあるし。・・・・はいっ。着替えるといいわ。」
蒼星石「ありがとう。真紅。じゃあ僕着替えてきますので・・・。
覗いちゃダメですよ?」
ジュン「人形の着替えなんか、覗いてどうするんだよ・・・。馬鹿
馬鹿しい。」
324 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 06:56:07 ID:yEINm9aL
真紅「ああっ!なんて愚かなことを・・・。」
ジュン「ん?」
ドグシャー。蒼星石はデスクに飛び乗るとパソコンを鋏で真っ二つ。
ジュン「わ、わ、わ・・・お、お前何する。ぐう・・。」
雪華綺晶「あ・・通販が消えました・・。」
蒼星石はジュンの襟首をつかむと片手で捻りあげる。
蒼星石「・・・覗けよ。」
ジュン「え?」
蒼星石「それともなにか・・・。僕には女の子としても魅力がないと
君はそういうのかい?ねえ?そうなのかい?」
ジュン「お、おい!誰か助けろ!こいつ頭おかしいぞ!」
蒼星石「黙れよ・・。刈るぞ?」
ジュン「ひい・・・。水銀燈・・ヘルプヘルプ。」
水銀燈「な、何で私に・・。む、無理よぉ。」
蒼星石「水銀燈・・・しばらく見ない間にずいぶんと堕落したじゃあ
ないか・・・。君にもお仕置きが必要だね・・。
でもまずはこいつからだ。」
325 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 06:59:51 ID:yEINm9aL
ジュン「ぼ、僕をどうする気なんだ・・。」
蒼星石「いいかい・・・。覗け。分かったな?君に言う事はそれだけ
だ。」
ジュン「わ、分かった。覗くよ。」
蒼星石「覗くよ?君は何か・・・僕が催促したから覗くとでも?
覗きってのは、ばれないようにするものだよね・・。今から覗くと
宣言する覗きが、どこにいるっていうんだい?」
ジュン「え、えっと・・・。ここにいるとか?」
真紅「あちゃー・・。もうダメだわ。」
蒼星石「ふう・・・・。」
スパン。ジュンの椅子が真っ二つにされジュンは尻餅を着く。
その上に蒼星石が乗っかり鋏を突きつける。
蒼星石「・・・・ともかく今から僕は着替えるんだ。分かったな?
」
ジュン「は、はい・・。そ、蒼星石が着替えるのか・・。(そわそわ
)(こんな感じかな。)」
蒼星石「も、もうエッチなマスターですね。本当に覗かないで
くださいよ。」
326 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 07:08:13 ID:yEINm9aL
ジュン「・・・・。」
蒼星石「あ?」
ジュン「お、おう・・。でもふとした調子に目に入るかもしれない
なー。」
蒼星石「全く・・。じゃあ行ってきます。」
バタン。
ポン。
真紅「同情するわ。」
ポン。
水銀燈「巻きぞいだけは、ごめんだからねぇ。」
ポン。
雪華綺晶「頑張って生きてください。」
ジュン「お、おい。なんだあれは・・・。しゃれにならないぞ。」
真紅「翠星石がいればよかったんだけどね・・。」
327 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 07:19:30 ID:yEINm9aL
水銀燈「そ、そんなことより早く覗かないと、貴方死ぬわぁ。」
ジュン「な、なあ。ふと考えたんだが。」
真紅「どうしたの?」
ジュン「僕が覗くとするな。」
真紅「ええ・・。」
ジュン「ばれたらどうなる?」
真紅「死ぬわ。」
ジュン「じゃあばれなかったら?」
真紅「覗かなかったって事で、やっぱり死ぬわ。」
ジュン「だよな・・・。」
真紅「ええ・・・。」
ジュン「はあ・・・・。どうすりゃいいんだ。」
雪華綺晶「待ってください。よく考えてみてください。」
ジュン「名案でも?」
328 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 07:26:57 ID:yEINm9aL
雪華綺晶「まず覗かなかったら100%死にます。これは確定です。
でも覗いたら死ぬ、この可能性は100%ではありません。
だからここは覗くべきなんです。」
ジュン「おい・・・。」
水銀燈「は、早くいきなさいよぉ。ともかくいきなさぁい。じゃ
ないと貴方死ぬわぁ。」
ジュン「よ、よし。いくぞ。みんな。」
真紅「いってらっしゃい。」
水銀燈「私はここでお祈りしてるわぁ。」
ジュン「お、おい・・。雪は?」
雪華綺晶「勿論お供します。ただ私も怖いので、例によって眼鏡の中
に入ります。」
ジュン「やっぱりお前は頼りになる・・。」
真紅「ねえ・・・。例の呪いグッズ。蒼星石に試してみたら?」
水銀燈「ばっかじゃないのぉ。それで効かなかったら火に油を注ぐ
ようなものじゃなぁい。」
真紅「そ、それもそうね・・。」
329 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 07:30:50 ID:yEINm9aL
ジュン「最後の手段として確保していこう・・。よ、よし。いくぞ
。」
タッタッタ。
じー。
ジュン「ほっよかった。まだ着替えてない。そわそわしてるぞ。
こうしてみるとむしろかわいいな・・。っておい・・。あいつ
髪切りはじめたぞ・・。いいのか?」
雪華綺晶「まあ・・・何も言わないのが無難でしょう。
後で翠星石になんか言われるかもしれませんが、蒼星石よりまし
です。」
ジュン「だ、だな・・。」
ジュン「切り終わったみたいだな・・・。い、いよいよ着替えか・・
ごっくん。」
雪華綺晶「相手は人形ですよ。」
ジュン「分かってるよ!」
雪華綺晶「あ、こういうのはどうですか?」
ジュン「ん?」
雪華綺晶「着替えが終わる直前に突撃するんです。着替え中、覗い
てるのがばれたら、やはりまずいのでその間は隠れてて、終わりそ
うになったら突撃です。いかが?」
330 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 07:36:00 ID:yEINm9aL
ジュン「ぬう・・。しかし惜しい気がするが・・。やむをえないか
。」
雪華綺晶「惜しい・・・。何言ってるんですか?変態ですか?貴方
は。」
ジュン「お前には劣る。ま・・隠れるか。」
サササ。
蒼星石「ふんふんふん♪(ジュン君覗いてるかな?)ちらっ。」
蒼星石「ん・・・。(変だな?気配がしない。)」
バサッ。
蒼星石「い、いない・・。あ、あいつ・・・僕に恥じかかせ
やがって・・許さない!」
ダッダッダ。
ジュン「凄い剣幕で二階に登って行ったな・・。」
雪華綺晶「しかも下着姿・・。一階にもくるかもしれませんよ。
隠れましょう。」
ジュン「あ、ああ・・。というかなんで蒼星石とかいうやつ。
いきなり翠星石とチェンジしたんだ・・。」
ガラ!
蒼星石「出せ!」
真紅「ん?貴方まだ着替えてなかったの?はしたないわよ。そんな
格好でうろちょろと。」
水銀燈「髪切ってる・・。人の体を勝手に・・。ひどいわぁ。」
蒼星石「ジュン君出せよ。」
真紅「え?貴方の着替え覗きにいったはずだわ。」
水銀燈「ええ・・。ここには戻ってないわよぉ。」
蒼星石「真紅はともかく水銀燈があんな平然とした顔で嘘をつける
わけないか・・。なーんだ。てへっ。僕の勘違いだね。きっとばれ
ないようにうまく隠れてるんだよね・・。
僕が見つけ出せないとでも、思ってるのか・・。」
ダッダッダ。
331 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 07:39:54 ID:yEINm9aL
水銀燈「ね、ねえ。真紅。」
真紅「ええ・・。ちょっとやばいわね。」
水銀燈「どうするぅ?」
真紅「いきましょう。」
水銀燈「そ、そうねぇ。気が進まないけどぉ・・。」
一階
ジュン「戻ってくるなり一階を荒らし始めたぞ・・。探してるのか
?」
蒼星石「出てこいよお!」
ジュン「明らかに探してるよな・・。あいつは一体何がしたいんだ
?」
蒼星石「う・・いない。野郎・・。逃げやがったんだ。ぼ、僕は
侮辱された!」
ドピューン。
ジュン「あ・・・玄関のほうへ。ん・・?真紅と水銀燈だな。」
蒼星石は外にでようをしている。
真紅「や、やめなさい!貴方そんな格好でどこに行こうって
いうの?」
水銀燈「お、落ち着きなさいよぉ。」
蒼星石「止めるな!あいつを見つけて殺した後、僕も死ぬんだ!」
真紅「ダ、ダメだわ。その体翠星石の体でしょ?勝手に死んだら
翠星石怒るわ。」
蒼星石「そ、それもそうだね・・・。僕としたことが。ごほん。
少々取り乱してしまったようだね。さて・・着替えしてくるよ。」
332 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 07:43:08 ID:yEINm9aL
トコトコ。
水銀燈「あ、あれで少々?」
真紅「ジュンには雪華綺晶がついてるし、蒼星石にどうにかされる
ことはまずないでしょう。・・・あとは様子を見るしかないわ。」
水銀燈「え、ええ・・。」
ーーーーーーーーーーーー。
ジュン「お、おい・・。聞いたか?」
雪華綺晶「殺すって言ってましたね・・。」
ジュン「いやそれも問題だが・・・。あの人形、あんな頻繁に自殺
宣言してたのか?」
雪華綺晶「さあ・・・。でも思いつめると一直線みたいですよ。」
ジュン「怖いな・・。なあ・・あいつ頭おかしくないか?」
雪華綺晶「貴方よりましでは?」
ジュン「いや冗談抜きにどうにかならないのか・・。あれは一緒に
生活できるレベルじゃないと思うぞ。」
雪華綺晶「翠星石さえいれば、あんなふうにならないみたいです。
あれもあれできっと・・寂しいのかもしれませんね。」
ジュン「かもしれないが・・。あれはひどいぞ・・。」
雪華綺晶「あっ。そろそろです。突撃してください。」
ジュン「なんかいろいろと手遅れな感あるが・・。死ねば諸共だ。
雪も絶対道連れにしてやる。」
雪華綺晶「は、はあ・・・。」
333 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 07:54:10 ID:yEINm9aL
ジュン「うおおおおお。」
バサッ!
蒼星石「ん?」
ジュン「あ、蒼星石。着替えてる途中だったのか!ごめんよ!」
蒼星石「・・・・。」
ジュン「ダ、ダメですかね?」
蒼星石「きゃー、もう!ジュン君エッチなんだから!」
ジュン「よ、よかった・・。お気に召したようで。」
蒼星石「な、なにわけ分からないこと言ってるんだい。で、でてい
ってくれよ。恥ずかしいな。」
ジュン「わ、分かった。悪かったな。」
ササ。
タッタッタ。ガチャ。
真紅「うまくいった?」
ジュン「ああ・・なんとかな。」
水銀燈「やるぅ。見直したわぁ。」
ジュン「あいつ・・・いつまでチェンジしてるんだろうな・・。」
真紅「さ、さあ・・・。雪華綺晶、貴方何か分からない?」
雪華綺晶「残念ながら・・・私にも全く分かりません。」
真紅「そう・・・そういえば水銀燈にお仕置きするって、いってたわ
。」
水銀燈「忘れようと頑張ってたのにぃ・・。ひどいわぁ。」
334 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 08:01:18 ID:yEINm9aL
ジュン「まあ僕に害がなければなんでもいいや・・・でも絶対そん
なことないよな・・。絶対僕も巻き込むよな・・。」
真紅「・・・なんか負けた気がするけど、金糸雀呼んでみたら?」
ジュン「それが携帯が壊れてしまってな・・。」
真紅「そ、そうなのね・・。確かにいつもの貴方ならすでに、呼
んでるわね・・。」
雪華綺晶「神社でお払いしてもらうというのはどうでしょう?」
真紅「無理よ・・。だってあの性格元からなんですもの。翠星石の
時とはケースが違うわ。」
水銀燈「八方ふさがりねぇ・・。私達今までどうしてたんだっけぇ
?」
真紅「どうしたもこうしたも、蒼星石が切れても翠星石がいたし、
よしんばこっちに襲い掛かってきたとしても、私も貴方も容赦なく
撃退してたわ。」
水銀燈「そうだったわぁ。じゃあそうするぅ?」
真紅「でも昔やってたからと言って、今も同じ事する気分にな
れないわ。」
ジュン「わがままいうなよ。やれよ。」
水銀燈「いや貴方。戦わないでほしかったんでしょぉ?」
ジュン「そうは言うがな・・。あいつが死ぬか、僕らが死ぬかしか
ないんじゃないのか・・。」
真紅「諦めてはダメよ。」
水銀燈「まあ・・・この件はジュンに任せたわぁ。いつもみたいに
ぱっぱと解決しちゃってぇ。」
ジュン「僕がいつぱっぱと解決させたのか・・あえて触れないが。
こうなったらいつも通り、ゆきえもんに助けてもらおう。」
335 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 08:09:55 ID:yEINm9aL
雪華綺晶「お待ちなさい。赤薔薇のお姉様。ちょっとパソコン直して
いただけませんか?」
真紅「ええ。」
ピカッ。
真紅「これでいい?」
雪華綺晶「さっき通販で面白いものがあったのです。(カチャ、
カチャ)これです。
このローゼンメイデンの予備人形を使えば・・。」
ジュン「おい・・・。5000万とか書いてあるぞ。」
雪華綺晶「何言ってるんです。クーリングオフですよ。」
ジュン「できるのかよ・・。」
雪華綺晶「さあ・・・。でもこれを使って翠星石を呼び出せば、
どうです?」
真紅「いいアイディアだわ。いやむしろそれしかないわ。」
ジュン「でも5000万だぞ・・。まあいいか・・。考えてみれば僕の
金で買うわけじゃない。それにいざとなれば、金糸雀にだしてもらえ
ばいいだけのことだった。」
水銀燈「外道過ぎるわぁ・・。」
ジュン「ぽちっとな。・・・でもな。これだってすぐくるわけじゃ
ないんだぞ・・。」
雪華綺晶「後はこれが来るまで、耐えるのみです。」
真紅「みんな生存しましょう。」
水銀燈「ええ・・。」
336 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 08:24:38 ID:yEINm9aL
ガチャ。
蒼星石「やあ。おそろいだね。ところで僕を見てないか思わない
かい?」
真紅「(さっそくきたわ・・。)ふ、服が変わったわね。」
ジュン「そ、そうだな。かわいくなった。」
蒼星石「おい・・・。お前。」
ジュン「ぼ、僕ですか?」
蒼星石「お前といったらお前しかいないだろ?いいか・・翠星石を
馬鹿にするな。分かったな?」
ジュン「わ、分かりました・・。」
蒼星石「分かればいいんだよ・・。僕は翠星石を敬愛してるからね
。翠星石を侮辱されるような事を言われると、我慢ならないんだ。」
水銀燈「そ、そうね。貴方は姉思いだものね。」
蒼星石「そうだね・・・。でも堕落した姉は姉とは思わないよ。」
水銀燈「そ、そう・・。」
蒼星石「僕が思うに・・君たちはたるんでる。とそう思うんだよ。
」
真紅「そうね。たるんでるわね。」
蒼星石「せっかく僕がきたんだ。君たちを鍛えなおしてあげるよ。
山篭りだね。」
水銀燈「や、山篭り?」
蒼星石「そうだよ。徹底的に鍛え直して、みんなに野生の勘を取
り戻してほしいんだ。
ぎらついてたあの感覚を、取り戻してほしいんだよ。
いいかい。黄金時代を取り戻せ!が合言葉だよ。
今の君たちを見ていると、ただもう朽ちるだけという風に見える。
それじゃいけないよ。
ローゼンメイデンとして、そんなことはあっちゃいけないんだ・
・・。」
337 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 08:28:30 ID:yEINm9aL
真紅「な、なんか本格的ね。」
ジュン「まあ頑張れよ。」
蒼星石「まあ頑張れよ?だと・・・。」
ジュン「す、すみません!」
蒼星石「そう硬くならないでよ。君はずいぶんと、翠星石に気に入ら
れてるようじゃないか。
翠星石の中でずっと見てたけど、僕も君の事好きだよ。」
ジュン「こ、光栄です。」
蒼星石「それとな・・。お前もやるんだよ。分かったな?
ドールズ堕落したのは、お前のせいなんだからな。」
ジュン「わ、分かりました・・。」
蒼星石「さてと・・。じゃあ行こうか。」
真紅「え?今から?」
蒼星石「何か問題でも?」
真紅「金糸雀は?」
蒼星石「ああ・・・そういえばそんなのもいたね。呼んでよ。」
真紅「呼ぶといっても・・。」
ジュン「携帯壊れてるしな・・。」
水銀燈「そういえば、山篭りっていうけど、どこの山にこもるのぉ
?」
蒼星石「地図には載ってないんだけど、日本列島の近くに小さい島
(通称鬼が島)があるんだよ。そこに山があるからそこでやろう
か。」
雪華綺晶「せっかくだからお姉様も呼びますか?」
蒼星石「雛苺を?いや・・・いいよ。雛苺は別にいい。」
338 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 08:47:32 ID:yEINm9aL
ジュン「ちょっと待て・・。今さらっと変なこと言わなかったか?」
蒼星石「どうかしたのかい?」
ジュン「いや・・・雛苺呼ぶってのは一体どういう話なので?」
雪華綺晶「予備メイデン使えば、電脳世界と同じ原理でお姉様も呼べ
ますよ。」
ジュン「おい・・。どうして今まで言わなかった?」
雪華綺晶「聞かれなかったからです。」
真紅「ジュン。予備メイデンは万能ではないわ。使い捨てなのよ。
数もほとんどないし・・。分かるでしょ?別れがまた起こって、た
だ辛いだけだわ。」
ジュン「そうか・・。」
蒼星石「ともかく今いる人たちだけでも行くよ。金糸雀は後で僕が
つれてくるから。」
ジュン「行くよっていうが、どうやっていくんだ?」
蒼星石「Nのフィールドを使うんだ。」
ジュン「ようはどこでもドアか・・。もうなんでもありだな。」
真紅「愚かね。人形が動いて話す時点で何でもありと思わないの?」
ジュン「その位なら今の技術でできなくないよな・・。柏葉も
呼ぶか?(あいつも巻き込んでやる。)」
蒼星石「ああ・・巴さんか。・・・この際言っておくけど僕は、あ
の人達が苦手でね。
巴さんと雛苺のことだよ・・・。だからあの人達にはきてほしく
ないんだ。」
水銀燈「苦手ってなんでぇ?」
蒼星石「だって雛苺に至っては、はなからやる気ないし、なんだ
か話してると、気勢を削がれるんだよ・・。」
339 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 08:51:39 ID:yEINm9aL
水銀燈「そうなのねぇ。」
蒼星石「無駄話してる時間はないんだ。時間は限られてるんだし、
もういくよ。」
こうして一行は、鬼コーチ蒼星石の元、山篭りに向かった。
真紅「それで、具体的にはなにをやるの?」
蒼星石「だから山篭りだよ。」
真紅「それは分かったけど・・。」
水銀燈「(ひそひそ)ちょっと真紅。」
グイグイ。
真紅「な、なに?」
水銀燈「(ひそひそ)きっと何も考えてないのよぉ。山に篭ってれば
それでいいと思ってるのよぉ。
わざわざ知恵をつけてやることないわぁ。」
真紅「(ひそひそ)それもそうね。」
蒼星石「じゃあ僕は金糸雀つれてくるよ。・・・さぼるなよ。特に
お前。分かったな?」
ジュン「わたしくめのことですか?分かりました!」
蒼星石「じゃあ行ってくるね。頑張るんだよ。」
シュウウ。
真紅「ふう・・。」
水銀燈「ねえ・・。ここ寒いわぁ。」
雪華綺晶「ブルルル。」
ジュン「そうか?そんな、寒いか?」
真紅「水銀燈。火をおこして。」
水銀燈「いいけど・・。薪とかないと。」
340 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 08:58:16 ID:yEINm9aL
真紅「外にでるのはいやだわ・・。ねえ・・ジュン。」
ジュン「僕だっていやだぞ・・・。」
雪華綺晶「多数決でいきましょうか。」
ジュン「おい・・・。数の暴力じゃねえか。」
雪華綺晶「この場合やむをえないでしょう。」
ジュン「どうやむをえないんだ?」
真紅「あまりわがまま言うのものではないわ。」
ジュン「だって結果見えてるだろ!」
水銀燈「はあ・・。貴方はあれねぇ。
乙女が凍えて死にそうな目にあいながら薪を集めてる中、小屋の
中でぬくぬく過ごしたいっていうのねぇ。」
ジュン「そうだよ!それのどこが悪いんだ!」
シーン・・。
雪華綺晶「ジュンが薪を集める係りがいいと思う人、手を挙げて
ください。」
パッパッパ。手は三つ上がった。
ジュン「い、いやだぞ。僕は絶対行かないぞ!そんな数の暴力で
物事を決められてたまるか!」
なぞの声「薪拾いは楽しいの〜。」
341 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 09:05:20 ID:yEINm9aL
ジュン「な、なに・・?嘘だろ?」
雪華綺晶「こ、このいかにもやる気なさそうな声は・・。」
一同「雛苺ー!」
雛苺「ヒナも一緒に行くから、薪拾いに行くの。」
真紅「あ、貴方どうしてここに?」
雛苺「ヒナにもよく分からないの。でも蒼星石が復活したく
らいだから、ヒナがいても不思議じゃないの。」
水銀燈「蒼星石は呼ばないって言ってたのに・・。どうしてこの場所
が分かったのぉ?」
雛苺「そんなの勘に決まってるの。」
真紅「勘でどうこうできる問題じゃないような気がするわ・・。」
雛苺「今必要なのは、そんなことじゃなくて、薪なの。
今はみんなには薪が必要なの。れっつゴーなの。」
ジュン「ま、待て。僕も行くぞ。」
雪華綺晶「わ、私もお供させていただきます!」
バタン。
真紅「ねえ・・・あれ本物だと思う?」
水銀燈「私に分かるわけないでしょぉ?ローザミスティカは?」
真紅「あるわ。だからあれはミスティカなし・・。」
水銀燈「雛苺には、電脳世界で散々かき回された、嫌な思い出が
あるわねぇ・・・。」
真紅「待って。逆の発想よ。毒をもって毒を制す。この場合有効
だわ。」
水銀燈「なるほど・・・。名案かもしれないわぁ。考えてみれば
蒼星石は雛苺が苦手といってた。
翠星石が呼び出せるようになるまで、雛苺を矢面に立たせて、蒼星
石の攻撃をかわせば・・。」
真紅「そうよ。これはむしろお父様が、私達の不遇を見て与えてく
ださったチャンスかもしれないわ。」
水銀燈「ものすごく我田引水な解釈だけど、ともかく利用できるもの
はしないと損よねぇ。」
真紅「水銀燈!やるわ!」
水銀燈「ええ!やりましょう!」
342 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 09:08:54 ID:yEINm9aL
ーーーーーーーーーーーーー。
雛苺「全くあの頃の雪華綺晶ったら、まるでプリン食べるみたいに
ヒナを食べちゃうの。何でも食べちゃうのよ。ヒナよりグルメ
なの。」
雪華綺晶「ははは・・・。お恥ずかしい限りです。」
ジュン「グルメってな・・。まあいいか・・。いまさらだな。」
ぐおおおおお!
ジュン「げえ!」
熊「くまあああ。」
ジュン「びびらせるんじゃない!ジュンパンチ!」ボコッ!
熊「くまああ・・・・。」
雛苺「ダメよ。ジュン。めっめーなの。熊さんかわいそうなの。」
雪華綺晶「そうですよ。いきなり殴りかかって、動物虐待じゃないで
すか。何考えてるんです?」
ジュン「ま、待て。ちょっと待て。明らかに今この熊、僕達を威嚇し
てたよな?今まさに僕たちに襲いかかろうとしてたよな?」
雛苺「ぺっ・・。肝っ玉が小さいの・・。」
ジュン「え?今なんて?」
雛苺「え?なにもいってないのよ。ほーら、熊さん、なでなで。」
熊「くまあ・・。」
のそのそ。
雛苺「行っちゃったの・・。」
雪華綺晶「ジュンがいじめるからですよ。」
ジュン「僕が悪いのか・・。なんか理不尽だぞ・・。も、もう帰ろう
ぜ。薪も集めたし。」
雛苺「まだ寒い?雪華綺晶。」
雪華綺晶「そういえば今は寒くないです。」
雛苺「体動かしたからなの。薪さんいっぱい集めて、ぽっかぽかなの
。」
雪華綺晶「さすがお姉様です!恐れ入った神算鬼謀なのです!」
雛苺「えっへん。」
ジュン「大げさだな・・。(ま・・かわいらしいからいいか。)」
343 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 09:15:12 ID:yEINm9aL
ガラっ。
ジュン「帰ったぞ。」
水銀燈「こ、これが最後の羽よぉ・・。」ボオ。
真紅「暖かいわ・・。でもこれで最後なのね・・。」
水銀燈「ええ・・。もう力が尽きて燃やせないわぁ・・。」
ジュン「な、なにやってるんだ!貴重な火を!寄越せ!」
シュ。
真紅「ああ!私達の希望が!」
水銀燈「なにするのよぉ!このおたんこなす!」
ジュン「あちっ。まずい落とした!」
ジュウウ・・消えてしまった。
真紅「ああ・・・。」
雛苺「うゆ?ライター使えばいいの。」
水銀燈「持ってるのぉ?」
雛苺「持ってないの。」
水銀燈「ダメじゃなぁい・・。持ってる人?」
しーん・・。
真紅「帰りましょうか・・。薪だけあってもしかたないわ。」
雪華綺晶「ちょっと待ってくださいよ。帰るのはまだ早いと思わ
れますよ。ええそうですとも。」
真紅「雪華綺晶?(なんかキャラが変化してるわ。)」
雪華綺晶「ここは火起こししたら、いいんじゃあないですかあ?」
雛苺「それは名案なの。」
ジュン「じゃあここは・・・。」
真紅「お願いね。水銀燈。」
水銀燈「何で私なのぉ?」
ジュン「一番力があるからだよ。いやあ頼りになるな。水銀燈は。
」
水銀燈「ま、まあねぇ。見てなさぁい。ふんふん。」
高速で動く水銀燈の手。
真紅「煙が出てきたわ。これならいけるわ。」
344 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 09:22:06 ID:yEINm9aL
1時間後。
雛苺「うーん。なかなか火がおこらないの。」
真紅「何が足りないのかしらね?」
ジュン「ダメかもしれない・・。」
水銀燈「まだまだ余裕よぉ!」
2時間後。
雛苺「それでねー。ヒナがお菓子こぼしたら、蟻さんが寄ってき
たの。うーとねー。だからヒナはねー。」
真紅「へえー。すごいのね。」
ジュン「なんか・・絶対ダメな気がする・・。」
水銀燈「私もそんな気がしてきたわぁ・・。煙でてるだけだしぃ
・・。」
雪華綺晶「ぶ、ぶは、ぎゃはははは。」
雪華綺晶が突然足をジタバタさせて笑い出す。
ジュン「ど、どうした?ついにいっちまったか?」
雪華綺晶「手で木を回すだけで、火がつくわけないですよ!馬鹿
じゃないですかあ?
シンバル鳴らす猿のおもちゃみたいな、黒薔薇のお姉様見てたら
我慢ならなくなりました。
こうやってですね・・・。ちゃんと火をつけるような、道具を作って
から・・。」
シュルルルル。ボオ!
雪華綺晶「こうやれば、別に力なんかさほど使わずに、火をつけれ
るんですよ。あはは、おっかしー。」
345 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 09:28:15 ID:yEINm9aL
水銀燈「く・・くく・・。」
真紅「ま、まあいいじゃないの。火がついたわけなんだし。」
水銀燈「ふっざけるんじゃないわぁ!いい加減にしなさい!私が
、どれだけ苦労したと思ってるよぉ!」
雪華綺晶「顔が真っ赤ですねー。おかしな顔です。」
雛苺「こら、雪華綺晶。調子に乗りすぎなの。水銀燈に謝らないと
ダメなの。」
水銀燈「いや今回ばかりは、ダメよ。もう完全に頭にきたわぁ。
」
パチパチパチパチ。
蒼星石「ビューティホー。その意気、その意気。」
雛苺「あっ。蒼星石なの。」
蒼星石「なんだ・・・。君もいたのかい。君は来なくてよかったん
だけどな・・。」
雛苺「ふふふ・・。抜け駆けはダメなのよ。」
蒼星石「ちぇ・・。まあいいや。来たからには、僕のレッスンを
受けてもらうよ。ほら、さっさと入りなよ。金糸雀。」
ぼろぼろの金糸雀「か、かしら〜。」バタン
真紅「ぼろぼろだわ。一体どうしたの?」
金糸雀「な、なぜか知らないけど、蒼星石がカナのところに殴りこみ
にきたかしら・・。それでカナは拉致されてこんな目に・・。」
水銀燈「避けるな!あたりなさぁい!」
雪華綺晶「うふふ。あたりませんねー。」
蒼星石「こらこら、室内で剣を振り回したら危ないじゃないか。
壁に当たったら、そこから風が入ってきちゃうよ。」
雪華綺晶「そうですよー。へへーん。」
水銀燈「く・・。」
真紅「水銀燈。ここは収めて・・。」
346 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 09:34:00 ID:yEINm9aL
水銀燈「わかったわよぉ・・。忌々しいわぁ。」
雛苺「それでヒナ達は何したらいいの?」
蒼星石「うーん。普通に生活するだけで、結構野生の勘を取り戻せる
よ。」
雛苺「じゃあ普通にしてればいいの?」
蒼星石「かなあ?」
真紅「(ひそひそ)水銀燈の言うとおり、何も考えてなかったよ
うだわ。」
水銀燈「(ひそひそ)要するに、今まで死んでて寂しかったから、
構ってほしかっただけでしょう。」
雛苺「(ひそひそ)ひそひそ話楽しいね!」
雪華綺晶「(ひそひそ)そうなのです!病みつきなのです!」
真紅「だああ。寄ってくるんじゃないわ!目立つでしょ!
何のためのひそひそ話だと思ってるの?」
蒼星石「じゃあまったりまったりっと・・・。お茶でも飲もう。」
ジュン「お、おい・・。なんか家にいるときと、態度違いすぎないか
?」
蒼星石「・・・文句でもあるのかい?」
ジュン「べ、別にないが・・。」
蒼星石「ないなら、気安く話しかけないで貰おうか。僕は馴れ合いが
嫌いなんだ。」
ジュン「本当かよ・・。」
金糸雀「全く一体、カナは何のために、こんなところにつれて
こられたかしら・・。」
ジュン「ま・・・いいや。僕は僕で楽しめばいいだけだろ。
ほらっ。雛苺。ちょっとこっちに来いよ。」
雛苺「うい?」
ジュン「ほら、久しぶりに抱っこしてやるぞ。何なら登るか?
お前の後釜、無能でな。ろくに登ることすらできないんだ。」
347 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 09:42:39 ID:yEINm9aL
雛苺「わーい。ジュン登り〜。」ひょこひょこ。
ジュン「よく見ておけよ。雪。こうやって登るんだぞ!」
雪華綺晶「お姉様の動きは芸術的で、私には到底真似できないもの
です。」
ジュン「そんなことないだろ・・。お前はなからやる気がないだけ
だろ。」
雛苺「わーい。久しぶりにカナと雪華綺晶と一緒に遊ぶのー。」
ぴょん。
ジュン「あ・・・。まあいいか・・。お兄ちゃん複雑だが、雛苺が
遊んでる様子を見るだけで満足するよ。」
蒼星石「おほん。おほん。」
ジュン「・・・。(係わり合いにならないほうがいいな・・。
なるべく遠くに行っておこう。)」スクッ。
蒼星石「待ちなよ。」
ジュン「は、はい。なんでしょう?」
蒼星石「何か忘れてないかい?」
ジュン「はて・・。なんでしょうな・・。」
蒼星石「じらさないでよね・・。は、恥ずかしいんだからさ。ほらっ
早く思い出しなよ。」
ジュン「く・・・(マジで分からん・・。)」
雪華綺晶「ジュンが困ってる・・。お姉様!ここは貴方の出番です
よ!」
雛苺「うゆ?どうしたの?」
金糸雀「カナ達は山を作って遊んでるかしら。」←下は砂地。
雪華綺晶「あれを見てください。ジュンが明らかに困っているので
す。」
雛苺「大変なの。アドバイスしてくるの。」
雪華綺晶「ええ!お願いします!」
金糸雀「放っておけばいいかしら。甘やかすと、ろくな大人に育
ないかしら。」
チョンチョン。
雛苺「ねえねえ。ジュン。」
348 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 09:47:52 ID:yEINm9aL
ジュン「何だ?僕今ピンチっぽいから、また後でな・・。」
雛苺「うーとね。きっと蒼星石、構ってほしいんだと思うの。」
ジュン「でもさっきは話しかけるなって言ってたぞ。」
雛苺「きっと気が変わったの。」
ジュン「変わり安すぎだろ・・。」
雛苺「蒼星石はそういうドールだから仕方ないの。」
蒼星石「あの・・・丸聞こえだよ・・。もうちょっとばれないように
やってほしいな・・。」
ジュン「よ、よし!蒼星石!構ってやるよ!」
蒼星石「構ってやるよ?」
ジュン「じゃ、じゃあなんていえばいいんだ。」
蒼星石「あのな・・。こんな美少女が近くにいるのに、どうして話
かけないんだい?
それともあれか・・君は僕に女の子としての魅力がないと・・
あてつけたいのかい?」
ジュン「滅相もございません!(美少女ってな・・。人形だろ。
というかこいつ翠星石より、はるかにめんどくさいやつだな。
翠星石が残ってくれて、本当によかった。)」
蒼星石「まあ・・ともかく話しかけろ。君に言える事はそれだけだよ
。分かったな?」
ジュン「ははっ。あ、あの蒼星石様・・へぶしっ。」
蒼星石「・・・いい加減にしなよ。様をつけられて、喜ぶ女の子
がどこにいる?
呼び捨てかちゃん付けしろ。この無能が。分かったか?」
ジュン「蒼星石。なんか話しないか?」
蒼星石「嫌だね。僕は孤独が好きなんだ。」
349 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 09:52:58 ID:yEINm9aL
ジュン「(翠星石のときでもう慣れてる・・。僕は確実に成長してる
ぞ。)そ、そこをなんとか。僕はかわいい蒼星石と話したくて仕方
ないんだよ。」
蒼星石「い、嫌だな・・。か、かわいいだなんてそんな・・。←
(ブルルル。感激のあまり素晴らしくうち震える。)
こんな男の子みたいな外見なのに・・・む、無理してなくていいよ
。自分でもかわいくないってのは、分かってるんだから。」
ジュン「いや、かわいいよ。(こいつ・・哀れだな。きっとかわいい
って、いってもらったことないんだろうな・・。)」
蒼星石「じゃ、じゃあ翠星石よりかわいいかい?」
ジュン「翠星石もかわいいよな・・。比べられないな。(罠張っ
てきやがった・・。僕に二度も同じ手は通じないぞ。)」
蒼星石「だ、だよね。翠星石かわいいからな・・。僕なんか逆立ち
したってかなわないよ。」
ジュン「そんなことないと思うぞ。蒼星石だってかわいいよ。
(というか双子なんだから外見は同じだろ。)」
蒼星石「おい・・・。適当なこと言うんじゃねえよ。」
ジュン「え?」
蒼星石「お前・・適当に相手しておけば、いいやとか思ってる
だろ?」
ジュン「思ってない。思ってない。」
蒼星石「じゃあ具体例だせよ。それと愛を込めろよ。」
ジュン「はい?」
蒼星石「だからさ・・。僕のどこがかわいいかとか・・いろいろある
じゃないか。にぶいなあ。もうっ。」
350 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 09:56:37 ID:yEINm9aL
ジュン「そ、そうだな・・。悪かったよ・・。お、おい。雛苺。
なんかないか?」
雛苺「うにゅー・・。ないの。」
ジュン「おい・・。」
蒼星石(いらいらいら。)
ジュン「ま、まずい・・。(帽子・・はきっとダメだ。服もダメだ
。鋏もダメだ。だあーこいつ褒める要素一個もないぞ。)」
蒼星石「僕はまた侮辱されたのか・・。ねえ?女の子を侮辱すること
が、君にはそんなに楽しい事なのかい?」
ジュン「え?わたくしは生まれてこの方、女性の方を侮辱した
ことなどございませんが・・。」
蒼星石「もうさ・・いいよ。君は・・もういいよ。」ジャキ。
ジュン「ひえー!よくないっ!よくないって!」
雛苺「蒼星石。ジュンをいじめちゃめっめーなのよ。」
蒼星石「なんだい?君は。引っ込んでいてもらおうか。」
雛苺「動かないで・・・。交換なの。」
蒼星石「ん?なんだい?」
雛苺「ほら、ヒナのリボンと、蒼星石の素敵な帽子交換なの。」
蒼星石「い、いやだね。僕がそんなひらひらしたもの似合うわけない
し・・。」
ジュン「そ、そんなことないぞ!蒼星石はかわいいから何でも似合う
ぞ!」
蒼星石「そ、そうかなー。えへへ・・。やっぱそうだよね・・。
僕って何でも似合っちゃうから、自分でも嫌になっちゃうよ。」
雛苺「けっ。」
蒼星石「え?」
雛苺「な、なんでもないの。はいっ。つけたのよ。」
351 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 11:48:07 ID:y0G7JnyC
蒼星石「えへへ・・・。ど、どうかな?」
ジュン「か、かわいい!」
蒼星石「おい・・・。」
ジュン「な、何か気に入らないことでも?」
蒼星石「あのな・・・馬鹿の一つ覚えみたいに、かわいいかわいい
ってな・・。
そんなのだったら猿にでもできるんだよ。
もっとバリエーションを増やせよ。ワンダホーとかビューティホーと
かいろいろあるじゃないか。」
ジュン「ワ、ワンダホー!ビューティホー!」
蒼星石「・・・そんなに早く死にたいか・・。」
ジュン「し、死にたくない!死にたくない!」
雛苺「待つの!蒼星石。」
蒼星石「また君か・・。今度はなんだい?」
雛苺「ヒナは本気出すの!今まで手加減してたの!」
蒼星石「へえ・・。どう手加減してたのか、いってもらおうか。」
雛苺「えっと・・。うゆ・・。雪華綺晶に貰ったカンペ、難しくて
よく読めないの・・。」
ジュン「なに?貸せ!」
352 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 11:48:53 ID:y0G7JnyC
バッ。
ジュン「・・・よしっ!蒼星石はおしとやかで、純粋で、ショート
カットがよく似合う、明るい女の子なの・・。なのはいらないか。
いつもみんな蒼星石に励まされて、癒されているの。ダメだ・・。
語尾つけちまう。
もういいや。そのまま読もう。
ジュンは口下手だから、うまくいえないけど、そういう思いを全て
こめて蒼星石のことをかわいいっていってるの。
だから、蒼星石はそういうジュンの隠れた思いを、汲んであげるべき
なの。」
雛苺(き、きもいの・・。)
蒼星石「え?そうだったのかい?い、嫌だな・・。僕ったらまた
早合点しちゃって・・。
参っちゃうよ。ああでもいいのかな・・。翠星石に怒られてしまい
そうだよね・・。ねえ?どうする?ジュン君。」
ジュン「そ、そうだなー。どうしたらいいんだろうなあ?」
蒼星石「お、お茶で飲んで気分を落ち着けよう・・。恥ずかしすぎて
心臓がばくばくだよ。」
ジュン「そ、そうですか・・・。」
蒼星石「はいっ。ジュン君の分もあるよ。」
ジュン「どうも・・・。」
真紅「ちょっと、ずるいわ。ポット持込なんて・・私にも注ぎなさい
。」
蒼星石「あっ、気付かなくてごめんね。みんなにも注ぐよ。」
ジュン「ふうー。どうやら平和になった。」
353 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 11:50:10 ID:y0G7JnyC
雛苺「あのね。雪華綺晶が、油断しちゃダメって言ってたの。」
ジュン「そうなのか?(何で自分で言わないんだ?遠慮してるのか?
)」
蒼星石「ちっ・・。」(チラッ。チラッ。)
ジュン「お、おい。蒼星石がこっち見ながら、しきりに舌打ちしだ
したぞ。どうする?」
雛苺「複雑な乙女心なの・・。ヒナには、到底わかりっこないの。」
ジュン「お前・・・実は凄い役立たずだな・・。」
雛苺「・・・お前よかましなの。」
ジュン「え?何か言ったか?」
雛苺「な、なんでもないの。そ、そうね。えーと、うーと、やっぱ
わかんないの。」
ジュン「・・・まあいいや。お前は癒しだけあればいいんだ。
さすがの僕も、死人に鞭打つような事は言わないぞ。」
雛苺「そうかよ!そいつはよかったな!ジュンは優しいの。
ヒナもジュンだーいすき。」
ジュン「え?(なんか前半妙なこと言わなかったか・・。いや、幻聴
だろう。)」
354 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 11:51:21 ID:y0G7JnyC
雛苺「どうしたの?」
ジュン「いや・・・。」
蒼星石「おい・・。いつまで見せ付けてるんだい?」
ジュン「は、はい。何か御用でしょうか?」
蒼星石「お前な・・・。僕にいつまで恥をかかせようっていうんだい
?え?」
ジュン「な、なんのことだよ。いいかがりはよせ。雛苺と話すの
のどこが悪いんだ?」
蒼星石「そんな事は問題じゃないんだよ・・。さっきからサインし
てるよな?何で無視するんだ?」
ジュン「サ、サイン・・?」
雛苺「さっきの舌打ちとか?」
ジュン「あれか・・。」
蒼星石「・・・だからな。抱っこしろっていってるんだよ?
お前な・・分かったか?抱っこしろよ。」
ジュン「お、おい。蒼星石。いい加減にしろよ!そ、そんなの分かる
わけないだろ!僕はエスパーじゃないんだぞ!」
蒼星石「なんだい。君は、乙女心を蹂躙するだけは飽き足らず、
見苦しく言い訳をするなんて・・そんな見苦しいやつはいらないよ
ね・・。」
ジャキン。
ジュン「そ、そんな鋏なんか出して脅しても怖くないぞ!
どうせ脅しだろ?本気じゃないんだろ?」
蒼星石「それが遺言でいいのかい?じゃ・・刈るよ。」
ぶうん!鋏がうなりジュンを襲う!
雛苺「ダ、ダメなのー!」
雛苺がジュンを庇う。
355 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 11:51:58 ID:y0G7JnyC
ジュン「ば、馬鹿。あんなやつはったりだけだって、雛苺は下がって
ろよ!」
雛苺「馬鹿はお前なの!邪魔だから引っ込んでろなの!」ドカッ!
ジュン「うげ・・。」
雪華綺晶「ま、まずい。これはまずいです!金糸雀!合体攻撃です!
」
金糸雀「かしら!」
雪華綺晶は一生懸命、金糸雀のデコをぴっかぴかに磨く!
雪華綺晶「受けなさい!蒼星石!」ピッカーン
蒼星石「うぎゃー。まぶしい!目が焼かれる!」
金糸雀「効いたかしら!」
真紅「い、今だわ!今がチャンス!水銀燈!私達も合体攻撃!」
水銀燈「え?」
真紅「うすのろね・・。いいから私を燃やしなさい。」
水銀燈「いいのぉ?ミスティカでちゃうかもぉ・・。」
真紅「そんなこと言ってる場合じゃないわ!今こそ私達黄金コンビの
力を知らしめるいい機会!
貴方はおばかさんなんだから、私のいうことを黙って聞いてればいい
のだわ!
(あんな脇役に合体攻撃なんて目立つ事されたら、もう後に
は引けないのだわ!
そのくらいの事を、どうしてこの馬鹿は分からないのか・・。
こんなのがライバルってのが、私の汚点だわ。)」
356 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 11:52:44 ID:y0G7JnyC
水銀燈「そんなにいうならいいわよぉ。燃えなさぁい!」
ボボボボ。
真紅「うわっちぃ!も、燃えてきたわ!」
ジュン「ひ、雛苺、こっちにこい!真紅が火達磨になってこっちに
つっこんでくるぞ!」
雛苺「うるさい、チキンボーイなの。ジュンはせいぜい隅っこで
震えてればいいの。
いちいちあのくらいの事で慌てふためいて・・見苦しいったらありゃ
しないのよ。
どんな事態になっても動ぜず・・それがヒナのやり方なの。」
ジュン「お、おい。そこにいたら危ないって!こっちこいよ!」
ガバッ!雛苺強奪!
雛苺「ちっ!しけたマスターなの・・。」
真紅「あちちちち。も、燃えなさい!炎の絆パンチ!」
バッコーン!
蒼星石「ぐっはあ・・・。燃え尽きた・・。」
バタン。
真紅「ぐわああああ・・・。(ゴロゴロゴロ)だ、誰か。火を!
火を消してちょうだい!」
水銀燈「ふん。いい様よぉ。」
金糸雀「真っ赤に燃えてるかしら・・。」
357 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 11:54:08 ID:y0G7JnyC
雛苺「綺麗なの。」
雪華綺晶「もうちょっと焼けばおいしく食べれますよ。」
ジュン「ば、馬鹿言うな!早く助けてやれ。」
真紅「だわわわわ。」
ジュン「あわわわわ。」
転げまわる真紅と、その真紅の周りを、意味もなくどたばたと
走り回るジュン。
雪華綺晶「ねえ・・。お姉様。あれってあんまりにも美にかける
んじゃないですかあ?」
雛苺「仕方ないの・・。あんな豚野郎どもでも、とりあえずヒナの
マスターとご主人様なの。助けてあげないと。」
雪華綺晶「ミジンコほどの価値すらない、見苦しい人たちにも等しく
慈悲をかけるなんて・・雪には到底思いもしないことです。
世の中には、見苦しいというその理由だけで、命を消されてしまう
人たちがたくさんいますのに・・。
(そもそもローゼンメイデンにとって、見苦しいということは死よ
りはるかに悪いことなのです。)」
金糸雀「さしあたって、この砂山の砂でもぶっかければいいかしら。
」
水銀燈「そうねぇ・・。ちょっとかわいそうになってきたわぁ。」
ずざあ。水銀燈は真紅に砂をかけてやる。
真紅「ふ、ふう・・。危うく焼け死ぬところだったわ。」
ジュン「よかった。よかった。」
水銀燈「なんだってあんな無茶を・・。」
真紅「あれくらいインパクトある事しないと、主役は務まらない
のよ!」
358 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 23:55:16 ID:CtIb4IZz
水銀燈「え?(貴方主役だったのぉ?初めて知ったわぁ・・。)
だからってやりすぎなんじゃなぁい?」
雛苺「そんなことより、蒼星石がまずいの。」
雪華綺晶「見事に気絶してますね・・。顔がへこんでます。
これじゃ翠星石怒るでしょうね。」
真紅「し、しらないわ。全部蒼星石のせいにすればいいわ。」
ジュン「それが妥当だな。」
蒼星石「ふ・・ふふふ。」ゆらあ。
ジュン「く・・。もう復活したか。」
蒼星石「私の目論見どおり、ドールズが一箇所に集まってくれまし
た・・。これでしくじることはないでしょう。」
ジュン「なんだ?また変な性格になったぞ。」
雪華綺晶「これは・・。」
蒼星石「私は、雪華綺晶。」
ジュン「馬鹿だろ?お前は蒼星石だろ?」
雪華綺晶「いや・・まさか・・。彼女がいると言う事は私はすでに・
・・。」
蒼星石?「そうですよ。出来損ない・・・。よくもお父様を裏切り
ましたね・・。」
水銀燈「なになにぃ?どういうことぉ?」
金糸雀「なんだかまずい雰囲気かしら・・。」
雛苺「ともかく雪華綺晶が、二人になったって事なの?」
真紅「また私の拳を使うときが来た・・ということだわ。(きっと
・・・たぶんそうだわ。また燃えてやるわ。)」
359 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 23:56:04 ID:CtIb4IZz
蒼星石?「ふふふ・・。無駄ですよ。精神介入!」
一同「ぐ・・。」バタン
蒼星石?「たわいない・・。これでまたアリスゲームは、きちんと
進行してくれることでしょう。」
ビローン。
蒼星石?「ん?ああ・・・また余計な事をしてくれましたね。
そうでした。貴方には意味がないんでしたね。
貴方は、いつもいつも私達の邪魔をします。」
金糸雀「・・・。」
蒼星石?「なんなんですか?貴方は・・。一体アリスゲームをど
うしたいんです?」
金糸雀「アリスゲームは、憎しみで戦うものではないかしら。」
蒼星石?「戯言です。戦いの源は、憎しみではないですか?」
金糸雀「それでもカナ達は、歩いていける。みんなと一緒に歩いて
行く事を選べるかしら。」
蒼星石?「確かに・・・あるいは実現可能かもしれません。
愛のアリスゲーム・・。でもそれは時間がかかりすぎるのです。
金糸雀・・。お父様はお嘆きです!」
金糸雀「・・・攻撃のワルツ。」
ビローン。音が、蒼星石?の体を駆け巡り、その精神を蝕む。
蒼星石?「ぎゃ、ぎゃーーー。どこにそんな力が・・。」
金糸雀「バイオリンというものは、素晴らしいものかしら。
手入れさえ完璧に保てば、年百年経っても、美しい音色を奏でて
くれる・・それどころか、より霊的な音色を奏でてくれる。
無論カナは、一日たりとも手入れを怠ったことがないかしら
・・。」
360 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 23:57:38 ID:CtIb4IZz
蒼星石?「ぐ、ぐう・・。それがどうしたというのです?」
金糸雀「そうして時代を超えた、カナのバイオリンは最早、神器と
もいうべきもの。
お父様の錬金術でも、時が紡ぎ出す音色には、敵わない。
カナの「時を駆けるバイオリン」・・・普段は力を制御させてある
けど、「アリスゲーム」を邪魔する相手には、容赦なくこの力使
わせてもらうかしら。」
蒼星石?「あ、貴方がアリスゲームを語るな!」
金糸雀「カナ達のアリスゲームに、貴方は必要ない。さようなら。」
蒼星石?「い、嫌です!せっかく生まれたのに・・お父様の意
思を・・私は実現させなければならないのです!き、消えたく
ない!」
金糸雀「廻る・・・。」
ビローン。
蒼星石「ぎゃ、ぎゃああああああ。」シュウウウウ・・。
金糸雀「終わったかしら・・。・・寝てる振りはやめるかしら。」
雛苺「あらら・・。ばれちゃったの。」
金糸雀「何者かしら?」
雛苺「ヒナはヒナなの。」
金糸雀「本当に・・・?」
雛苺「本当なの。」
金糸雀「じゃ・・いいかしら。」
雛苺「いいの?」
金糸雀「みんな・・・ヒナが来て、うれしがってるかしら。カナも
うれしいかしら。」
雛苺「カナは優しいのね・・。大好きなのよ。」
金糸雀「カナも・・。ヒナがいなくなって、本当に寂しかった
かしら・・。・・・・さて、みんなを起こすかしら。」
361 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 23:58:36 ID:CtIb4IZz
ゆさゆさ。
ジュン「あーあ、よく寝たな。すっきりだ。」
蒼星石「ん?僕は一体何を・・。」
ジュン「あっ。こいつ!おい!みんな起きろ!こいつ・・起きて
るぞ!」
真紅「な、なに?」
水銀燈「うーん?」
雪華綺晶「・・・はっ!私は?どこに?」
ジュン「見ろ!こいつ・・・気違いだった振りをしてやがる!」
蒼星石「ほ、本当に知らないよ。僕何も知らないよ。」
雪華綺晶「そうですよ。蒼星石はなにも知りません。」
蒼星石「よ、よかった・・。味方がいて。」
ジュン「こいつは、いっぺん痛い目にあわせないとダメなんだ。
こういうやつがいるから、僕の毎日が不幸なんだ。」
蒼星石「あ?なんだい?刈るよ?」
ジュン「ちょ、調子に乗ってるぞ!おい!真紅!水銀燈!
やっちまえよ!」
真紅「もう燃えるの嫌だわ。」
水銀燈「見苦しい真紅の姿を見るのも嫌よぉ。」
ジュン「燃えなきゃいいだろ!え、えーい。役に立たん!金糸雀!
雛苺!」
金糸雀「勝手にやってりゃいいかしら・・。カナは知らないかしら
。」
雛苺「ヒナよくわかんないのー。」
蒼星石「どうやら君の味方はいないようだね・・。」
362 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/14(土) 23:59:57 ID:CtIb4IZz
ジュン「や、やってやろうじゃないか!僕だっていっぱしの剣士
だぞ!」
蒼星石「頭沸いてるんじゃないのかい?」
ジュン「お前にいわれたくないよ!」
なぞの声「待つです!」
雪華綺晶「通販の予備メイデンが、ようやく届きました。」
一同「やったー!救世主!」
翠星石「翠星石が来たからには、もう安心ですぅ。」
蒼星石「う・・。翠星石。うわーん。みんなで僕をいじめるんだー
。
特にジュンって言うやつが、僕の心をもてあそんだんだ!」
翠星石「・・・蒼星石。ちょっといいです?その髪型はなんです?」
蒼星石「う・・・こ、これもジュンってやつが、嫌がる僕を無理やり
この髪型にしたんだ!」
翠星石「そりゃちょっと無理があるんじゃねえですか?」
蒼星石「うん。正直僕もそう思った。」
翠星石「ですよね・・。」
蒼星石「そうだね・・。」
翠星石「この野郎!なんてことしやがるんです!死に晒せですぅ!」
蒼星石「うわーん!ジュン君助けておくれー。」
ジュン「なんなんだ。こいつは・・。」
ーーーーーーーーーーー。
363 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/15(日) 00:01:11 ID:hTW8YID/
ぼろぼろの蒼星石「と、ともかくこれでようやく全員そろったんだ
。本格的に合宿を始めたいと思う。」
真紅「(ひそひそ)ようやくまともになるわね。翠星石さえいれば
蒼星石もなかなかいい男の子だわ。」
水銀燈「(ひそひそ)待ちなさぁい。それは罠よぉ。ああ見えて、
蒼星石は女の子よぉ。」
雛苺「(ひそひそ)うわきなの。真紅にはくんくんがいるのに、
ダメなの。」
雪華綺晶「キシシシ・・・。」
金糸雀「カ、カナも混ぜるかしら・・。」
蒼星石「ちょっと聞いてくれるかな。それと僕は女の子だからね。
いくらかっこいいからって惚れちゃダメだよ。」
しーん。
蒼星石「どうしたようか?翠星石。滑ったかもしれないよ。」
翠星石「さあ・・。こういうときはチビ人間にきくです。」
ジュン「僕に聞かれてもな・・・。ともかく合宿って何をするんだ?
」
蒼星石「さあ・・。正直なところ、僕はみんな集まって、わいわい
できればそれでよかったんだ。」
ジュン「あのなあ・・・。」
蒼星石「何しろずっと一人だったからね。ちょっとくらいいいじゃ
ないか。」
翠星石「そうですよ。チビ人間。(ひそひそ)ところであのゲテモ
ノ全然退治できてねえですよ?どういうことです?」
蒼星石「(ひそひそ)ああごめん。忘れてた。」
翠星石「お前は今まで何をやってたんです!」ベシッ!
364 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/15(日) 00:02:17 ID:hTW8YID/
蒼星石「いて!」
翠星石「反抗的です!」ベシッ!
ジュン「じゃあ帰るか・・?」
蒼星石「あのな・・・帰るわけないだろ?お前はな・・分かった
か?」
翠星石「そんな言葉遣いしちゃダメです!」ベシッ!
蒼星石「いってぇ・・。覚えてろよ。ジュンのやつ!」
ジュン「何で僕なんだよ!」
ジュン「とりあえずなんか案あるやついるか?」
蒼星石「おい・・・。仕切るなよ。僕の見せ場とるんじゃないよ。
君には、もう十分見せ場を与えてやってるじゃないか。欲張るな。」
ジュン「うるさいな・・。」
蒼星石「みんな聞いてほしい。何か意見ある人いるかい?」
しーん。
蒼星石「どうしようか?翠星石。」
翠星石「そもそもなんでここに来たんです?」
蒼星石「なんだったっけ?」
ジュン「たるんでるからとかって、理由だったと思うぞ。」
蒼星石「みんな最近たるんでるんじゃないかい?だからこの機会
になんとかしよう!」
365 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/15(日) 05:48:34 ID:YVI20sPs
シーン。
蒼星石「難しいなあ・・。」
ジュン「お前に明確なプランがないのが、一番いけないと思うぞ。」
蒼星石「じゃあ君にはあるっていうのかい?」
ジュン「いやないが・・。」
蒼星石「だったら、えらそうな口聞かないで貰おうか。」
ジュン「・・・。」
蒼星石「うーん。僕が思うに僕達には明確なプランがないよ。
それがいけないんだと僕は思う。
そうは思わないかい?翠星石。」
翠星石「ですかね?チビ人間はどう思うです?」
ジュン「さあ・・。」
蒼星石「そんなやつ当てにしても仕方ないよ。いい加減目を覚まし
なよ。翠星石。」
翠星石「確かに・・・チビ人間なんかに頼った翠星石が、間違い
だったですぅ。」
ジュン「なんだか、お前らものすごく嫌味だな・・。」
雪華綺晶「バトルロワイヤルでもしますか?」
蒼星石「ええーー。君か水銀燈の圧勝じゃないか。結果見えてるよ
・・。」
翠星石「(ひそひそ)でも水銀燈混ぜて全員で、ゲテモノを集中
攻撃すれば倒せるんじゃないです?」
366 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/15(日) 05:49:37 ID:YVI20sPs
蒼星石「(ひそひそ)無理だって、束になっても無理だよ。
むしろ真っ先にぼこられるのはきっと僕らだよ。」
真紅「もう帰りたいわ・・。」
水銀燈「暇ねぇ・・。みんなでぼんやり外の景色でも眺めるってのは
どぉ?」
蒼星石「だから君はダメなんだよ。」
金糸雀「じゃあまた砂山作るかしら。」
水銀燈「いいわねぇ。じゃあどっちが綺麗な砂山作れるか、アリス
ゲームよぉ。」
蒼星石「え・・?もしかして、最近はいつもそんな調子で、アリ
スゲームしてるのかい?」
水銀燈「え、ええ・・。まあ・・自分でもどうかと思うけどねぇ・・
。」
翠星石「まとまりねえですね。」
ジュン「じゃあいっそチームわけして、それぞれ課題決めたらどう
だ?」
蒼星石「そうだね。そうしようか。」
翠星石「翠星石は蒼星石と組むですぅ。」
ジュン「それじゃ意味がないような・・。まあいいか。」
雪華綺晶「私!私はお姉様と!」
雛苺「うい?」
蒼星石「ダメだね。君は一人だよ。」
翠星石「いいこといったですぅ。そうです。お前は一人ですぅ。」
雪華綺晶「そうですか・・。じゃあジュンと組みましょうかねえ?」
翠星石「お前は、チビ苺と一緒がお似合いですぅ。」
蒼星石「そうだよ。君は雛苺とでも組んでればいいんだよ。身の程
しらず。」
真紅「えっとじゃあ・・私は水銀燈と・・でいいわ・・。」
金糸雀「裏切られた思いかしら・・。」
367 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/15(日) 05:50:25 ID:YVI20sPs
水銀燈「でいいわってのが気になるけど・・まあいいでしょう。」
ジュン「カナぶんぶんは、僕と組めばいいだろ?」
金糸雀「い、嫌かしら・・。」
ジュン「うるさいな!贅沢言うな!僕だって、嫌なんだからな!」
金糸雀「で、でもジュンはドールじゃないかしら・・。」
蒼星石「(ひそひそ)いいのかい?翠星石?」
翠星石「(ひそひそ)翠星石は蒼星石と一緒は譲れねえです。
まあ、金糸雀ならどうにかなったりしねえでしょうし。
目をつぶるです。」
蒼星石「金糸雀、わがままいうんじゃないよ。ここにつれてきて
あげただけ、ありがたいと思うんだね。」
ジュン「しかし・・・見事にいつも通りの組み合わせだな・・。
カナぶんぶんだけ、余ったな・・・。余りものだな。カナぶんぶん。
」
金糸雀「ぶんぶんいわないでほしいかしら!ジュンだって余りもの
かしら!」
蒼星石「ごほん。いいかい?チームわけしたからって、サボっちゃ
ダメだよ。分かったね?」
一同「はーい。」
蒼星石「じゃあ解散だよ。」
ーーーーーーーーーーーーー。
小屋の中、ジュン・金糸雀チーム
ジュン「ふう・・・。」
金糸雀「本当は、雛苺と一緒にいたかったんじゃないかしら?」
ジュン「まあな・・。お前だってそうなんじゃないのか?」
金糸雀「珍しいかしら。ジュンがそんなこというなんて。」
ジュン「な、なんだよ・・。いいだろ・・。まああれだな。
雪はやっぱ雛苺と一緒にいたほうがいいよ。
楽しそうだったからな。」
368 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/15(日) 05:51:09 ID:YVI20sPs
金糸雀「かもしれないかしら。・・・・・・・。」
ジュン「どうした?」
金糸雀「いや・・。なんでもないかしら。」
ジュン「言ってみろよ。」
金糸雀「そんなことより、どうするかしら?」
ジュン「どうするっていわれてもな・・・。なんか新しい計画でも
立てるか?」
金糸雀「ふーむ・・。いい案でも?」
ジュン「でもよく考えてみたら、どうやら水銀燈は、ほぼこっち側
に転んだと見なしていいな。」
金糸雀「なるほど。」
ジュン「雪もOKだろ・・。後は・・。」
金糸雀「殴りこみかしら?」
ジュン「ああ・・。そのためにはローゼンの探索だな。後はみんなの
合意を得ないと。賛成してくれそうなのは?」
金糸雀「おそらくは・・賛成者は雛苺・・・くらいかしら。」
ジュン「結局その面子か・・。まあいい。ともかく三人だけでもや
る。」
金糸雀「どうやって探すかしら?」
ジュン「そこなんだが・・。Nのフィールドのどこかだったよな?
・・一つ聞くが存在するんだよな?ローゼンって。」
金糸雀「・・・それは分からないかしら。」
ジュン「やっぱりな・・・。そうだと思った。」
金糸雀「どうして?」
ジュン「どうしてっていうか、おかしいじゃないか。何年も生きてる
人間なんて・・。」
金糸雀「何年も生きてる人形はおかしくないかしら?」
ジュン「だから・・・ローゼンって本当は人形なんだろ?」
369 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/15(日) 05:51:39 ID:YVI20sPs
金糸雀「・・・・。」
ジュン「何で黙るんだ?黙ってるって事は肯定と見ていいのか?」
金糸雀「そこら辺は、余り深く探索しちゃいけない決まりになってる
かしら。」
ジュン「こんなことも考えられるよな。ローゼンは本当は人形で
人間になるために、ローザミスティカが必要なんだって。
だから一つになったローザミスティカは、そんな風に何かの原料に
・・。」
金糸雀「そこまでにしておくかしら。ここの話ではともかくローゼン
は、人間として扱うかしら。」
ジュン「そ、そうか・・。でも実際、いろいろ考えられるんだよな。
まあやめておくか。」
金糸雀「だから後は簡単かしら。お父様が閉じこもられている場所
に火をつければ、驚いて飛び出してくるかしら。」
ジュン「なんだか発想が僕と同じだな・・。」
金糸雀「となると、カナ達がやるべきことは、想像力を鍛えること
かしら。」
ジュン「Nのフィールドで活動しやすくするためか。」
金糸雀「といっても、カナのエッチな姿とか、想像しちゃダメかしら
。」
ジュン「・・・自分を知れよ。」
金糸雀「冷たいかしら・・。指し当たって三国志でもやるかしら。」
ジュン「お?いいな。負けないぞ。当然僕は呂布を選ぶ。」
金糸雀「またかしら・・。その時代だとカナは・・。」
ジュン「劉備にしろよ。近いだろ?すぐに潰しあいができるし、
強さも手ごろだろ。」
金糸雀「曹操がいいかしら。」
ジュン「ダメだ。雑魚の劉備にしろ。」
金糸雀「わ、分かったかしら。」
ジュン「じゃあ例のルールで行くぞ。」
370 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/15(日) 05:52:42 ID:YVI20sPs
ーーーーーーーーーーーーーーーー。
竹林の中 蒼星石・翠星石チーム
蒼星石「さて・・・。別れたのには理由がある。」
翠星石「へえ?どんなです?」
蒼星石「これから他の組に闇討ちするんだよ。」
翠星石「え?何を言ってるです?」
蒼星石「じゃなきゃ意味がないじゃないか。ともかく闇討ちする
チームを決めようよ。」
翠星石「だから、どうしてそんなことせにゃならんのです?」
蒼星石「そのための合宿だからね。ゲテモノをやっつけたいんだ
ろう?」
翠星石「そ、そうですか・・。言っておくけど翠星石を当てにしても
らっちゃ困るです。」
蒼星石「え?」
翠星石「よ、よく考えてみるです。
水銀燈・真紅チームにはまず勝てねえです。
雛苺・雪華綺晶には・・チビ苺を人質にすればなんとか
なりそうですが、あのゲテモノがそんな隙見せるわけねえです。」
蒼星石「最初から決めてかかっちゃ何もできないよ。」
翠星石「後は、ジュン・金糸雀チームです。やつらは小屋の中にいる
とすでに分かってるです。
どうです?まずこいつらを始末するというのは?」
371 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/15(日) 05:53:17 ID:YVI20sPs
蒼星石「・・いくらなんでも卑怯だよ。相手は、実質一人でしかも金
糸雀だよ。」
翠星石「じゃ、じゃあどうするです?」
蒼星石「雛苺を人質にしてゲテモノをやっつけよう。それさえでき
れば、今回の合宿は成功といえるよね。」
翠星石「し、仕方ねえです。まず見つけないと・・方法はどうする
です?」
蒼星石「どこに行くかは事前に聞いておいたよ。
後はこの双眼鏡で、様子見てから襲いかかろう。」
翠星石「さすが我が妹ですぅ。お前は私の誇りですよ。」
蒼星石「えへへ・・。じゃあ行こうか。果樹園にいるらしいから。
手順は、翠星石は雛苺を拘束して、ゲテモノが驚いてる隙に、
僕がやつを鋏で刈るよ。」
翠星石「な、なんだかどきどきしてきたですぅ。」
ーーーーーーーーーーーー。
果樹園 雛苺・雪華綺晶チーム
蒼星石「いたいた・・。なんて人たちだ。
僕が手塩をかけて育てあげた果樹園を・・・・まるでブルドーザ
ーが通った後みたいになってるよ。」
翠星石「いつの間にそんなことしてたですか・・。どれどれ翠星石
にもちょっと見せろです。」
じーーー。ダッ!
蒼星石「ど、どこにいくんだい?翠星石。」
翠星石「翠星石も混ざってくるです!果物食べるです!」
蒼星石「落ち着きなよ。僕らの目的を忘れたのかい?」
翠星石「んなことはどーでもいいですぅ。」
372 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/15(日) 07:32:05 ID:YVI20sPs
ガバッ!
蒼星石「う、うわあ。」ドスン。
翠星石「おーい!翠星石にも食わせろですぅー!」
蒼星石「ああっ!翠星石!」
ーーーーーーーーーーー。
ダダダダ。
雛苺「ん?」
雪華綺晶「緑色の何かが近づいてきますね。なんでしょう?」
雛苺「緑といえば、翠星石位しか思いつかないの。」
雪華綺晶「何か用事でもあるんですかね?」
翠星石「チ、チビチビども!翠星石にも果物食わせろです!」
雛苺「うゆ?蒼星石はどうしたの?」
翠星石「いいから果物寄越せですぅ!」バクバク。
雪華綺晶「なんて意地汚い人なんでしょう。
果物を食べたいがために妹を見捨てるとは・・。」
雛苺「ま、まあ・・多めに見てあげるのよ。元々蒼星石の果樹園な
わけだし・・。(翠星石・・食べすぎなの。正直ひくの・・。)」
雪華綺晶「しかし凄い食べっぷりです。」
翠星石「ぷっはあ。食った。食った。ん?お前ら何見てるです?」
雛苺「うーい?」
雪華綺晶「貴方、食べすぎではないですか?もう果物全然残って
ませんよ。」
373 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/15(日) 07:33:15 ID:YVI20sPs
翠星石「はあ・・。みたいですぅ。まあ・・果物は食べられてなんぼ
でありますよ。」
雛苺「翠星石。久しぶりにヒナと遊ぶのよ。」
雪華綺晶「ええー・・。」
翠星石「そこまでいうなら、遊んでやってもいいです。」
雛苺「じゃあまた蟻の巣でも探す?」
翠星石「蟻の生態観察でありますか。受けてたつですよ。」
雪華綺晶「蟻なんか見てどうするんですか?」
雛苺「面白いの。例えるならサル山みたいなような感じなの。」
翠星石「ゲテモノは、きっと動物園とか興味ねえタイプです。」
雪華綺晶「あ、あの・・。そのゲテモノっていうのはもしかして
私のことなんですか?」
翠星石「そうです。お前は食うことしか頭にねえです。」
雪華綺晶「人のこと言えないでしょう。」
雛苺「しっ!待つの。殺気を感じるの。」
翠星石「ああ・・・。たぶん蒼星石ですぅ。まだ懲りてなかったで
すか。」
雪華綺晶「あの方もお姉様を、食べようとされてるんですね。
お姉様を食べていいのは、私だけです。」
翠星石「は、はあ?あ、頭いかれてるですぅ!」
雛苺「そこなの!苺わだち!」シュルル。
蒼星石「ぐう・・・。何でばれたんだろ・・。」
374 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/15(日) 07:35:03 ID:YVI20sPs
雛苺「おとなしくするの。蒼星石。」
蒼星石「雛苺・・。よくも僕の翠星石をとってくれたね。
どうやら僕がいない間、翠星石に取り入って、狡賢く点数稼いでい
たみたいで、ずいぶんとお仲がよろしいみたいじゃないか。
前々から思ってたけど、君とは決着をつけないといけないみたい
だよ。」
翠星石「ま、待つですぅ。それは誤解ですぅ。」
蒼星石「おかしいじゃないか・・。なんだって僕を見捨てて、僕の
一生懸命育てた果物を全部食べちゃうんだい?
そんなの・・・おかしいじゃないか。」
雛苺「だ、大丈夫なの。また実はなるの。」
蒼星石「ならないよ・・。だって雪華綺晶が、木の根まで食べちゃ
ったじゃないか・・。」
雪華綺晶「おいしかったから・・つい。」
雛苺「それは一部なのよ。まだ3割くらいは無事なの。」
翠星石「でも蒼星石にも困ったものです。いつまでも翠星石にべった
りじゃ、蒼星石のためにならねえです。」
雛苺「じゃあ妹交換してみる?」
翠星石「どういうことです?」
雛苺「翠星石の妹が雪華綺晶になって、ヒナの妹が蒼星石になるの
。」
雪華綺晶「ええー。嫌ですよ。絶対嫌です。」
翠星石「いや・・・案外いいかもしれねえです。(ゲテモノをこき
使ってやるです。)」
蒼星石「冗談だよね・・?」
翠星石「冗談じゃねえですよ。お前は、チビ苺のいうことよく聞
くです。」
蒼星石「妹だからって、姉の言うこと聞かなくちゃいけないなんて
ことないよ。」
雪華綺晶「そうですよ。それは妹差別です。」
375 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/15(日) 07:35:48 ID:YVI20sPs
翠星石「す、翠星石はゲテモノをこき使いてえです。チビ苺、ここは
協力しろです。
こいつに言って聞かせてやってほしいです。」
雪華綺晶「結局そういう不純な動機・・。貴方は救いがたい人です
。」
翠星石「ふーんだ。別に救ってほしいとは思わねえですよ。」
雛苺「ともかくやってみるの。面白そうなの。」
雪華綺晶「ものすごく嫌ですけど、お姉様がそこまでいわれるなら
。」
蒼星石「い、妹勝負で、負けたとあっちゃ僕の存在価値が問われ
んだ。分かったよ。僕もその勝負受けてたとう。」
翠星石「じゃあさっそくお姉ちゃんって呼べです。」
雪華綺晶「ぺっぺっぺ。お姉ちゃん。」
翠星石「なーにしてるですか!お前はー!」バッコーン!
雪華綺晶「ひでぶ・・。」
翠星石「行儀が悪いです。ほらさっさと肩を揉めです。ジュース
買ってこいです。
跪いて許しを請いやがれです。」
雪華綺晶「(ごりごり)どうです?気持ちいいですか?私の肩揉み
は・・。」
翠星石「いて・・いててて・・。や、やめるですよ・・。」
雪華綺晶「ふん・・。余りでかい口をきかないことです。」
翠星石「チ、チビ苺。なんとかしてくれです。」
雛苺「うい・・。雪華綺晶。翠星石に付き合ってあげてほしいの。」
雪華綺晶「しょ、しょんなあ・・。」
雛苺「じゃあ、蒼星石はヒナと一緒にこっちにくるのよ。」
ガチッ。
蒼星石「・・・。(ちっちゃい手だな・・。僕はこんなことしてて
本当にいいんだろうか。)」
376 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/15(日) 07:36:19 ID:YVI20sPs
砂浜へ
真紅・水銀燈チーム
蒼星石「こんなところにきて、一体なにをしようっていうんだい?」
雛苺「もちろん、砂遊びなの。」
蒼星石「砂遊びか・・。ん?あれは。真紅達だね。」
雛苺「真紅達も砂の山作ってるの・・。」
蒼星石「あの二人も、相当丸くなってしまったよ。
どうなるんだろうね。アリスゲームは・・。」
雛苺「お父様はアリスを求める・・。でもそれはお父様の納得する
ものでなければならない。
私達は、お父様の絶望を救うため一刻も早く、アリスを完成させな
ればならいけど、お父様の納得する形で、アリスを作り出すことはま
だまだ長い時間が必要かもしれないの。」
蒼星石「ローザミスティカの受け渡しは両者が納得する形で、
受け取らなければ無効となる。
だから・・矛盾するようだけど、そのためには絆が必要なんだ。
絆で結ばれていなければ、ローザミスティカを受け取っても制御
はできない。」
雛苺「真紅はきっと感覚的に気付いてるの。たぶんカナも。
カナの場合は、いろいろ調べたんだろうけど。」
蒼星石「みんな気付きつつあるね・・。ローザミスティカを託しても
いい相手・・・それが見つからない限り永遠に、ローザミスティカは
一つにならない。」
雛苺「アリスゲームはそれはそれは美しいものなの。
信じあい絆で結ばれたもの同士が戦い、意思を受け継いでいく。
そうして純度の高くなった、思いこそアリスの扉を開くことが
できる道。」
蒼星石「僕と雛苺のローザミスティカ。それぞれ受け渡しは完了
したけど、理想的な形は取れなかった。」
377 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/15(日) 21:05:57 ID:VYgtgBHh
雛苺「蒼星石。お姉ちゃんって呼ばないとダメなのよ。」
蒼星石「分かったよ・・・。お姉ちゃん。君は、やっぱり僕を
追ってきたのかい?」
雛苺「ううん。たまたまなの。」
蒼星石「怪しいものだね・・。金糸雀が何とかしなかったら、君が
なんとかするつもりだったんじゃないのかい?」
雛苺「ヒナはただ遊びに来ただけなのよ。本当にただそれだけな
の。」
蒼星石「完成するのかな?アリスゲーム。」
雛苺「まだ・・入り口なの。「狂気」で入り口が開かれ、「愛」へ
至る。ヒナ達の戦いはまだ始まったばかりなの。」
蒼星石「僕たちにまた出番あるのかなー。それと誰がアリスになるん
だろうね?」
雛苺「たぶん・・・最終的には、誰がってことじゃなくなってくると
思うの。」
蒼星石「どういうことだい?何か知ってるのかい?」
雛苺「なんとなくなのよ。ただそんな風に思うだけ。いちがんに
アリスに孵化するっていうけど、それは本当に大変なことなの。
・・・雪華綺晶が焦ったのも無理ないの。」
蒼星石「砂山・・・作るんだよね?お姉ちゃん。」
雛苺「蒼星石・・。翠星石と一緒にいなくていいの?」
蒼星石「いいよ。僕はすぐ消えるんだから。翠星石と雪華綺晶は
まだ舞台にいて戦っている。・・・お姉ちゃんは、わざとあの二人
を一緒にしたんだろう?
僕にだってそれくらい分かるよ。」
378 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/15(日) 21:06:53 ID:VYgtgBHh
雛苺「さすが蒼星石なの。」
蒼星石「ははは・・。翠星石の真似かい?まあまあ似てるよ。
40点。」
雛苺「なかなか厳しいの・・。」
ーーーーーーーーーーーーーーー。
水銀燈「ねえ・・。見て。真紅ぅ。蟹さんよぉ。」
真紅「そうね。蟹だわ。」
水銀燈「たくさんいるわねぇ。」
真紅「・・・暇だわ。」
水銀燈「そお?・・・まさか私と遊ぶのが、つまらないとでもい
うのぉ?」
真紅「遊ぶと言ったって・・。さっきから貴方、山を作ったり、蟹
つついてるだけだわ。」
水銀燈「それが遊びの心よぉ。人間には三つの心が必要よぉ。」
真紅「ほう?私に物を教えようというの?」
水銀燈「いつまでも上と思わないことねぇ。いい?一つ目は、
学びの心。二つ目は癒しの心。そして一番重要なのが遊びの心。
この遊びの心がなければ、柔軟で豊かな発想はできないのよぉ?」
真紅「貴方にしては、なかなか面白い話だわ。」
水銀燈「真紅も、何か役に立つ話してほしいわぁ。」
真紅「じゃあ・・・そろそろ読書の方法を教えるわ。」
水銀燈「ただ読むだけでしょぉ?」
真紅「いいえ。何事も正しい方法というのがあるわ。私達に必要
なのは知識じゃなくて、心だわ。
だから・・、余りたくさんの本を読む必要はなくて、一つの本を
ゆっくりと丹念に会話しつつ何回も読むのよ。」
379 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/15(日) 21:13:14 ID:VYgtgBHh
水銀燈「へえ?会話ねぇ・・。」
真紅「本は多くの事を教えてくれるわ。でもただ知識を暗記する
だけでは私達の目的は果たせない。
常に本と自分とで会話をして、広く浅くではなく、狭く深い読書を
しないといけないわ。」
水銀燈「狭く深く・・・会話をしてか・・。」
真紅「そうすれば、物事を本質的に、把握することができるように
なるわ。
それはきっとアリスへの手助けになってくれる。
水銀燈は、私より素質があるし・・。大丈夫だわ。すぐに慣れるわ
。」
水銀燈「奥が深いわぁ・・。(チョンチョン)ほら、蟹さんが真紅
のほうにいったわよぉ。」
真紅「え、ええ。(チョンチョン)あっ。動かなくなってしまった
わ。」
水銀燈「硬くなってしまったのねぇ・・。もっと優しくしないとだめ
よぉ。」
真紅「気をつけるわ。」
水銀燈「しかし・・・。こうやって、真紅と蟹さんをつつきあうよ
うな日が来るとはねぇ。」
真紅「貴方とは散々討論してきたわね。アリスゲームについて。」
水銀燈「か、考えを変える事は恥じゃないわぁ。違う?」
真紅「ええ。恥じゃないわ。むしろ勇気があることだと思う。
貴方はきっと、姉妹の中で一番勇気がある。
今なら言えるわ。貴方は、私達の誇り高いローゼンメイデン第一
ドール、私達を導いてくれる長女だと。」
水銀燈「よ、よしなさい・・。急に・・恥ずかしい子ねぇ。」
真紅「・・・いつか。私達は、本当の意味でアリスゲームの戦い
する時がくるかもしれないわね。」
380 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/15(日) 21:13:46 ID:VYgtgBHh
水銀燈「ふふっ。その時は、返り討ちよぉ。(といっても、私の
役目は、貴方に負けることなんだけどねぇ・・。
貴方のために私は全ての絆を壊す・・。もしも・・・アリスゲーム
が変わるとするなら、そんなことする必要もないのかもねぇ・・。
ともかく今はいろいろやってみないと、結論を出すのはそれから
でも遅くないわぁ。)」
真紅「ほら!何ぼうっとしてるの?蟹がそっちに行ったわよ。」
水銀燈「あ、ああ・・・。ふふっ。こつを覚えたみたいねぇ。」
真紅「私にかかれば、このくらいなんということもないわ。」
何百年もの間、いがみ合い、戦いあい、議論しつくしてきた二人で
あるが・・・、今お互い初めて、相手を見て話すことができた・・
のかもしれない。
アリスゲームは変わっていくのか・・・それは分からないが、なに
はともあれ、彼女達の戦いは続く。
今は、波打ち際に、ざあざあという音だけが流れていく・・。ただ
一切が流れていく・・。
ーーーーーーーーーーーーーーーー。
ジュン「だあ・・。また負けた。おい!また負けたぞ!」
金糸雀「ジュンはよわっちいかしら。」
ジュン「何で君主斬るんだよ・・。馬取るのやめろよ。」
金糸雀「なら戦争にださなきゃいいかしら。」
ジュン「こいつは戦争以外無能だろ!戦争ださきゃこいつになんの
価値があるんだよ!一騎討ちしろよ!」
金糸雀「ジュンは、いまいち想像力のトレーニングができてないかし
ら。そんなのじゃお父様なんて、到底見つけれっこないかしら。」
ジュン「ぐ、ぐぬう・・。ちょっと勝ったからっていい気になる
なよ!」
381 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/15(日) 21:14:31 ID:VYgtgBHh
金糸雀「でも勝手に家に帰ってきてよかったかしら?」
ジュン「別にいいだろ。僕はドールじゃないんだから、あの蒼星石
とかいうやつの横暴に付き合ってられるか。」
金糸雀「他の姉妹達は外で努力してるのに、カナ達だけ
暖かい部屋で、ぬくぬくゲームばっかりしてるかしら。」
ジュン「お前が、ゲームやろうって言い出したんだろ!」
金糸雀「そうだったかしら?よく覚えてないかしら・・。カナは無理
やりジュンに連れてこられただけかしら・・。」
ジュン「都合よく記憶を改ざんするなよな。言っておくが、蒼星石に
ばれたときは全部お前のせいにするからな。」
金糸雀「それは不公平というものかしら。ここはゲームの結果で決
めるものかしら。」
ジュン「ずるいぞ!」
金糸雀「なら今度は、カナが呂布を使ってやるかしら。ジュンは曹操
を使えばいいかしら。」
ジュン「な、なにい・・?なめた口を・・。いくらお前でも呂布で
曹操に勝てるか!」
金糸雀「ふふふ・・。」
1時間後
ジュン「お前・・ずるいよ・・。何でいつも斬るんだよ・・。
ずるいだろ?斬るなよ。」
金糸雀「そういうルールだから、仕方ないかしら。」
ジュン「正々堂々戦えよ。どうして、いつも小細工ばっかりする
んだ?」
金糸雀「なにいってるかしら。それが醍醐味かしら。」
ジュン「認めないぞ!もう一回だ!」
金糸雀「何度でもどうぞ。」
382 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/15(日) 21:15:37 ID:VYgtgBHh
ーーーーーーーーーーーーーーーー。
ジュン「くそっ。もう嫌だ。お前なんか嫌いだ!絶好だ!」
金糸雀「はあ・・。弱すぎるかしら。」
ジュン「どうしてずるっこい事ばっかりするんだよ!」
金糸雀「どうしてって言われてもそういうゲームだし・・。大体
カナが強いんじゃなくて、ジュンが弱すぎるかしら。」
ジュン「まどろっこしい!僕にはこんな方法あってないんだ。
もういくぞ。直接片をつけてやる。」
金糸雀「行くってどこへ?」
ジュン「殴り込みだ!」
金糸雀「まだ早いかしら。」
ジュン「うるさいな。やる気ないならお前はついてこなくていいよ
。」
金糸雀「し、仕方ないかしら・・。またなし崩し的に協力するはめ
になったかしら・・。」
ジュン「まず、仲間を増やすぞ。」
金糸雀「敵が増えるだけだと思うかしら・・。」
ジュン「いいから行くんだよ。」
小屋の中
ジュン「ここには誰もいないか・・。」
金糸雀「雛苺は果樹園にいるはずかしら。」
ジュン「よし、そこに行こう。」
タッタッタ。
383 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/15(日) 21:16:17 ID:VYgtgBHh
果樹園
翠星石「そーら。馬になれです。お前が馬にならないと、木の上に
なってる果物が取れねえですよ。」
雪華綺晶「ぐぐぐ・・。何たる屈辱・・。」
翠星石「とれねえ・・とれねえですぅ・・。なかなかとれねえです
ぅ。」ゲシゲシ。
翠星石は、ここぞとばかり雪華綺晶の頭を踏みまくる。
雪華綺晶「ぐぐ・・。早く、早くとってください。」
ジュン「なーにやってるんだ。お前は。」ひょい
翠星石「あ・・。チビ人間、気安く掴むんじゃねえです。」
雪華綺晶「助けていただき、ありがとうございました。」
ジュン「とんでもやつだな・・。この性悪人形は。」
金糸雀「変かしら?雛苺はどうしたかしら?」
ジュン「まあ・・この二人なら協力してくれるだろ。実はな・・。」
金糸雀「ま、待つかしら!協力するわけないかしら!」
ジュン「え?大丈夫だろ。実はこれからローゼンの家に、奇襲をかけ
にいくんだ。一緒に行くよな?」
翠星石「な、何言ってるです?い、意味がわからねえです。」
雪華綺晶「どうやら・・・本気で言ってるみたいですよ。」
翠星石「ほ、本気です?」
ジュン「当然だ。冗談で言えるか。」
雪華綺晶「比較的・・ジュンはいつも冗談で、そんなようなこと言っ
てます。」
ジュン「ほっとけ!で、どうするんだ?」
384 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/15(日) 21:16:56 ID:VYgtgBHh
雪華綺晶「いつかいいましたよね。私の邪魔するようなら全力で阻止
すると。」
ジュン「さ、さあなー?言ったかなーそんなこと。お、覚えてないぞ
。」
雪華綺晶「いいました。私は貴方に協力できませんし、もし・・
本気でお父様に会うおつもりなら、邪魔させてもらいます。」
ジュン「す、翠星石は協力してくれるよな!」
翠星石「きょ、協力といわれても・・。そんなことできるです?」
ジュン「できるか、分からないが・・。」
翠星石「まあ・・・翠星石は協力するです。」
ジュン「よしっ!どうだ?三対一だぞ。さっきは確か多数決で僕に
薪を拾わせてくれたよな?
今度はお前が従う番だ。」
雪華綺晶「・・・本当に仕方のないお人です。」
金糸雀(まずい・・。)「攻撃のワルツ!」
ブワッ!
雪華綺晶「く・・。」
金糸雀「今かしら!逃げるかしら!翠星石!」
翠星石「わ、分かったですぅ。スィドリーム。」
ダダダダ。
雪華綺晶「愚かな・・無駄ですのに。」
ーーーーーーーーーーーー。
385 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/15(日) 21:18:44 ID:VYgtgBHh
ジュン「お、おい。何で逃げるんだよ?」
金糸雀「翠星石、雛苺はどこかしら?」
翠星石「た、たぶん砂浜ですぅ。」
ジュン「無視するなよ・・。泣くぞ。」
金糸雀「あれは話を聞いてくれる目じゃなかったかしら。」
ジュン「決め付けるなよな・・。」
翠星石「あっ!チビチビと蒼星石です。おーい!」
雛苺「うゆ?」
蒼星石「どうしたんだい?」
翠星石「今まさに、翠星石達はゲテモノに食われるところだったです
。」
ジュン「適当言うな。僕らはただローゼンの家に奇襲しにいくから、
それであいつを誘っただけなんだが・・。」
雛苺「遊びに行くの?」
ジュン「そ、そうだな・・。」
蒼星石「馬鹿なことを・・。」
翠星石「蒼星石はこねえです?」
蒼星石「・・・行くわけないじゃないか。翠星石は行くんだね・・。
」
翠星石「えっと・・・でも蒼星石が行かないなら・・。」
ジュン「ダ、ダメだ!それはダメだぞ!」
蒼星石「・・・ここでお別れかな。・・・僕だけじゃ分が悪いし、
また後で会おうか。」
シュッ。
翠星石「ああ・・・行っちまったですぅ。」
ジュン「真紅と水銀燈、協力してくれると思うか?」
翠星石「そりゃ無理です。」
386 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/16(月) 06:23:14 ID:BU3FLnSQ
雪華綺晶「馬鹿な試みは、ここでお仕舞いにしてもらいましょう。」
ジュン「げ。もうきやがった。な、なんでだよ!いいじゃないか
!けちだな!」
雪華綺晶「・・・アリスゲームを正常に行うためですよ。そんな
無茶くちゃ許すわけないでしょう。」
ジュン「お前本当にけちで陰険だな・・。」
雪華綺晶「勝手に言いなさい・・。気を変える気がないなら、力づく
でいきますが・・。いかが?」
翠星石「ひ、ひい・・。ジュ、ジュン。やっぱ考え直すですよ!」
金糸雀「カナもそうしたほうがいいと、思うかしら。」
ジュン「うるさい!僕はやるといったらやるんだ。」
雪華綺晶「聞き分けのない・・。他の方は・・どうします?
ジュンに協力するというのなら、容赦しませんが。」
翠星石「ゲ、ゲテモノが怒ったって怖かねえです・・。」
金糸雀「これも付き合いかしら。」
雪華綺晶「・・・お姉様は?」
雛苺「ヒナはジュンの味方なの。」
雪華綺晶「そういうと思いました・・。では、精神介入・・。」
雪華綺晶は、全員の目の前で手を広げる。途端全員の体が脱力する
・・・はずだが。
金糸雀「音の壁かしら!何度も同じ手は通用しないかしら!」
雪華綺晶「同じじゃありません。」
雪華綺晶は、すでに次の行動に移っている。金糸雀の目の前まで接近
し、指で体を触れる。
雪華綺晶(白薔薇息吹・・。)
金糸雀の体に雪華綺晶の力が伝わるが、何かの力に遮断されてしま
う。
雪華綺晶「これは?苺わだちですか・・。すでに金糸雀の体に仕込
ませあるとは・・さすがに読まれてましたか。
(苺わだちをこんな風に使うとは・・。こちらの芸を少し見せすぎ
ましたかね。)」
387 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/16(月) 06:24:37 ID:BU3FLnSQ
雛苺「こっちにはまだ翠星石がいるのよ。雪華綺晶には勝ち目が
ないの。」
雪華綺晶「こうも対策ばっちりずくしでは、退くしかないですね。
でも・・・取り返しがつかなくなる前に、諦めたほうがいいと思い
ますよ。」
ジュン「ローゼンがそんなに偉いのか?」
雪華綺晶「そういう問題じゃありません。ともあれ・・ここは退き
ます。」シュウウ。
ジュン「なんだか不気味なやつだな・・。最近は結構かわいらしい
所もあると思っていたが・・。」
金糸雀「で、どうするかしら?今ならまだやめれるかしら。」
ジュン「行くといったら行く。そもそも見つかるかどうかも分から
ないのに、あいつは何であんなに必死なんだ?」
翠星石「さあ?そんなことより本当にいくです?行くなら早く
いかねえと追っ手が来るですよ。
蒼星石やらには後で飴でもやれば、機嫌直るです。」
ジュン「そうか?じゃあいくか。ああちょっとその前に寄る所が
ある。待っててくれ。」
金糸雀「そんなことしてる暇ないかしら・・。」
しばらくするとジュンは戻ってきた。そして、一行は移動しN
のフィールドへ。
ジュン「さてどうするか・・。」
雛苺「こっちなの。」
ジュン「分かるのか?」
雛苺「勘なの。」
ジュン「おい・・。」
翠星石「チビ苺の勘なんて当てにならねえですぅ。」
金糸雀「でも他に手懸りもないし、それに頼るしかないかしら。」
ジュン「なんというアバウトな・・。」
金糸雀「だからまだ早いと言ったかしら。満足したならもう帰る
かしら。」
ジュン「いや、まだだ。頼んだぞ。雛苺。」
雛苺「うい・・・。こっちなの。」
388 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/16(月) 06:25:16 ID:BU3FLnSQ
こっちなの。こっちなの。一行はどんどん進む。
金糸雀「どうやら・・近いかしら。」
ジュン「本当に?」
翠星石「そんな感じぜんぜんしねえです。」
金糸雀「確実に近づいてるかしら。だってほら。」
翠星石「ん?」
雪華綺晶「ここから先は行かせませんよ。」
金糸雀「あれが証拠かしら。」
ジュン「そうか?証拠にならないと思うが・・・。」
翠星石「なるわけねえです。ただ先回りされてただけです。」
雛苺「雪華綺晶通してほしいの。ちょっと遊びにいくだけなの。」
雪華綺晶「ダメです。貴方と私ではやはり、その作られた根本の目的
意識が違います。
こればかりはいくら話しても無駄です。
それと・・・今回は私だけでは、ありませんよ。」
真紅「ええ・・。残念だけどこれまでだわ。」
水銀燈「さっさと引き返しなさぁい。」
シュ!
蒼星石「やあ。面白い事になってるね。」
真紅「貴方はどうするの?」
蒼星石「勿論・・。」
蒼星石は真紅の近くに移動する。
蒼星石「選ぶ余地はないよね。翠星石。君もこっちにおいで。」
翠星石「く・・・ここは従うしかねえです。」
ジュン「お、おい。見捨てるな。」
翠星石「そういわれても無理ですぅ・・。だって考えても見るです
。こっちは、役立たずのチビ苺とチビカナ、それと可憐な翠星石
と引きこもりしかいねえです。
それに比べて、あっちは、よくできた妹、蒼星石を筆頭に、
真紅・水銀燈・雪華綺晶の強い所の武道派三強がそろってるです。
ここは降伏するしかねえですよ。」
389 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/16(月) 06:26:07 ID:BU3FLnSQ
ジュン「ひきこもりっていうなよ!傷つくんだぞ。それと真紅!
こっちにこい!」
真紅「馬鹿いわないでちょうだい。貴方こそ、変なことをその子達
に吹き込まないでほしいわ。」
ジュン「このままだと、泥仕合だぞ?いいのか?ローゼンに会って
一発蹴りでもくれてやれば、全部解決するんだぞ!」
水銀燈「安易ねぇ。そんな簡単なものじゃないわぁ。」
ジュン「じゃあせめてあって話をさせろよ!いいたいことがあるんだ
。」
真紅「ダメだわ。どうしてもいくなら・・・アリスゲームよ。」
翠星石「しょえ!む、無理ですぅ。無理無理。翠星石は降伏する
ですぅ。」
ジュン「ダメだ。むしろお前が主力だろ。なんとかしろ。」
翠星石「す、翠星石はかわいさが売りなんですぅ。あんな凶暴ドー
ルズにかないっこねえです。」
水銀燈「どうするのぉ?時間上げるから少し考えなさぁい。」
ジュン「おい。作戦だ。大丈夫。僕も柏葉の家から日本刀借りてきた
からな。」
金糸雀「はあ・・・。そんな無駄なことさえしなければ、たぶん
カナ達のほうが、先にお父様の家についてたかしら。」
ジュン「す、過ぎた事をぐだぐだ言うな!」
金糸雀「じゃあ、ジュンは真紅をお願いするかしら。真紅もきっと
ジュンが相手なら全力出せないはずかしら。
カナが水銀燈の相手をするから、雛苺は雪華綺晶、翠星石は蒼星石
をお願いするかしら。」
翠星石「ちょっと待つです。何でそんな因縁めいた組み合わせにしね
えといけないです?」
390 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/16(月) 06:27:28 ID:BU3FLnSQ
金糸雀「別に適当に言ってるわけじゃないかしら。
今ここで、マスターの力が使えるのは、カナと翠星石と雪華綺晶か
しら。
でもたぶん翠星石は、ジュンの体の負担があるから、余り力使えない
はずだし、そうなるとカナが水銀燈の相手をするしかないかしら。
問題の雪華綺晶は、放つ全てが一撃必殺で当たるわけにはいかない
かしら。
カナとヒナの防御フォローも攻撃に集中してたらできないから、
ここは勘のいいヒナに、ひたすら雪華綺晶の攻撃を避けてもらって
、時間稼いでもらうしかないかしら。
たぶん、ヒナ相手だと雪華綺晶はちょっとは手加減するだろうし。
後は残った蒼星石を翠星石がちゃっちゃと倒して、他の組に加勢
してほしいかしら。」
ジュン「翠星石がこの作戦の肝だな。」
翠星石「う、うう・・。無理ですぅ。」
金糸雀「後は・・カナ達が戦うどの相手も自分達より格上かしら。
格下相手は翠星石だけ。だからカナ達が倒れる前に、翠星石が加勢に
来てくれないと無理かしら。
それと相手は、まだ本気じゃないところが、救いっちゃ救いだけど、
いつ切れるか分からないから、はっきりいって命がけかしら。」
翠星石「やっぱりやめねえです?こんなことしても意味ねえですよ
。」
ジュン「女々しいぞ。覚悟を決めろよ。」
翠星石「なんでこうなっちまったです・・。これはあんまりですぅ
・・。」
雛苺「元気出して、翠星石。うにゅーあげるの。」ポイっ。
翠星石「パクッモグモグ・・。お前はよく平気ですね。む・・むむ。
なんだか元気が出てきたです!」
雛苺「ヒナがたくさんおまじないをこめておいたの。元気になります
ようにって。」
翠星石「うさんくせえですが・・よしっここはいっちょ、翠星石が
大活躍して、株を上げてやるです。」
391 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/16(月) 06:28:33 ID:BU3FLnSQ
ジュン「頑張れよ!とうとう活躍できるときが来たじゃないか!」
翠星石「翠星石にどーんと任せやがれですぅ。」
雛苺「(ぼそっ)単純なの・・。」
ジュン「おい!聞いての通りだ!悪党人形ども!僕と僕の仲間の
正義人形達がお前達を退治してやるぞ!」
ジュンはそういって刀を抜く。
ジュン「真紅!お前の相手は僕だ!」
真紅「え?ジュンも戦うの?しかも私と?マスターと戦うドールなん
て前代未聞だわ。
まあ・・・そういうことならいいでしょう。
おいたをするマスターには私自らお仕置きしてあげるわ。」
水銀燈「ねえ・・。真紅。」
真紅「なに?今かっこいいところだったのに。」
水銀燈「一本燃えとく?私あれ気にいっちゃったぁ。」
真紅「このおばか!」ベシッ
水銀燈「痛いわぁ。何するのぉ?」
真紅「これは真剣勝負だわ。そんな甘っちょろい根性じゃ、貴方は
すぐに負けるわ。」
水銀燈「でもぱっと見、雑魚ばかりよぉ。」
真紅「うーん・・・。言われてみれば・・。」
392 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/16(月) 06:29:12 ID:BU3FLnSQ
水銀燈「ところで私の相手は誰?」
金糸雀「カナがお相手するかしら。」
水銀燈「ほらねぇ。」
金糸雀「な、なにかしら!そのほらねぇというのは?カ、カナを
侮辱しようとしてるかしら?」
真紅「う、うーん・・。考えてみれば、私が向こう側にいないと、い
まいち盛り上がりに欠けるわ。」
雪華綺晶「ちょっと!今になって裏切らないでくださいよ。
納得してここにきたんでしょう?」
蒼星石「そうだよ。数だってちょうど半々じゃないか。」
水銀燈「半々ねぇ・・。まあ・・ぱっぱと終わらせて、帰ってみん
なで紅茶でも飲みましょう。」
真紅「分かったわ。よし・・・翠星石!」
翠星石「なんです?」
真紅「マスターの力はなしで戦いなさい。でないと私が戦ってるとき
誤ってふらふらしてるジュンの頭を、打ってしまうかもしれない
わ。」
翠星石「ち、力なしじゃ、蒼星石に勝てっこねえです!す、翠星石は
降参でありますぅ。」
蒼星石「僕と戦うつもりだったのかい・・。(ちょっと残念かもな
。)」
翠星石「うわーん。蒼星石ー。翠星石はチビ人間に騙されてたです
ぅ。」
ダダダ。
ジュン「あ、あいつ。裏切りやがった・・。」
雛苺「あれは・・・嘘の目なのよ。」
金糸雀「嘘の目かしら?」
蒼星石「もう心配要らないよ。翠星石。あいつは僕がお仕置きする
から。」
翠星石「とんまが引っかかったですぅ!これでも食らうですよ!」
393 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/16(月) 06:30:13 ID:BU3FLnSQ
ドッカーン。翠星石の巨木攻撃が蒼星石に炸裂。
真紅「そ、蒼星石!」
水銀燈「早っ!倒されるの早すぎよぉ!(さすが私達の中で一番の
小者!)」
翠星石「ふっ。美しすぎて自分が怖いですぅ。」
蒼星石「そうだね・・。」
翠星石「げ・・。なぜです?」
蒼星石「よく見てみなよ。それは残像だよ。」
翠星石「ざ、残像?い、意味がわからねえです。何言ってるです?」
蒼星石「バトルもので定番だろう?でも僕に残像は修行が足りな
くて無理だったから、ジュン君の家にあった映写機借りてきたよ。
だから正確に言えば朧影かな・・。多分、なに言ってるか分からない
と思うけどね。
そういう忍術があるんだよ。」
ジュン「勝手に僕のもの持って行くなよ!」
蒼星石「そんなことよりお前な・・・翠星石を誘惑しやがってどう
なるか後で見てろよ。分かったか?」
ジュン「う・・。」
雪華綺晶「皆さん。お下がりなさい。戦いの合図を送らせてもらい
ます。」
雪華綺晶(精神介入・・。)
雛苺「そうはいかないの!苺わだち!」シュルル!
394 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/17(火) 03:28:49 ID:lOL2E6No
雪華綺晶「く・・。この苺わだち・・改良してある。私の力を
取り込んで、精神介入攻撃をできるようにしましたか。」
雛苺「戦いの続きなの。」
雪華綺晶「電脳世界の?あれは・・・楽しかったですよ。
何の打算も計算もなくて・・今は違います。
それに、今は体のスペックが違いすぎますよ。
お姉様の今のそのポンコツの体じゃ力の万分の一も出せないでしょう
。」
雛苺「ヒナの「風」は、力の大小には関係ないの。」
雪華綺晶「ならばどこまで高められるか、見定めましょう。」
金糸雀(ヒナが負けたら、全部終わりになるかしら・・。なんとか
もってほしいかしら。)
ジュン「おい。真紅!今日こそ、今までこき使われた恨み晴らして
やるぞ。」
真紅「そんなにこき使ったかしら?」
ジュン「使っただろ!紅茶注がされまくっただろ!百回以上!」
真紅「百回は大げさだわ。ともかく刀でくるのなら、私もステッキで
貴方を手ほどきしてあげるわ。」
ジュン「なめやがって・・・。僕の力を知らないな。そーれチャンバ
ラだ!当たったら死ぬぞ!」
ガッキン!命中!
真紅「当たっても死なないわ。むしろ刃こぼれしてるわ。」
ジュン「あわわわ。柏葉に怒られる・・。」
真紅「そーらだわ!」ブン!
ジュン「くっ。そんな遅い動き!」
ガーン。しかし無常。ステッキを受け止めたはずのジュンの刀は
折れてしまう。
ジュン「安物だ!柏葉のやつ!安物寄越しやがって・・。通販で買
えばよかった!こうなったら・・呪いグッズを・・。」
水銀燈「それを使われると困るわぁ。」シュン!
ジュン「あちっ。ああ!呪いグッズが燃える・・。クーリングオフ
しなきゃだったのに・・。
おい!金糸雀!ぼうっとしてないで水銀燈抑えておけよ!
お前のせいだぞ!お前が呪いグッズの金払えよ!」
395 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/17(火) 03:31:18 ID:lOL2E6No
水銀燈「え?金糸雀が本当に私の相手なのぉ?私もなめられた
ものねぇ。」
金糸雀「し、仕方ないかしら。真紅がこっちにいないのが悪いかし
ら。」
水銀燈「それくらい貴方達ばおばかさんで、付き合いきれないって
ことなんじゃないのぉ?」
金糸雀「じ、実際のところカナも、ものすごくそう思うかしら。」
水銀燈「はあ・・?じゃ、じゃあこっちに来なさいよぉ。」
金糸雀「それは無理かしら。これも付き合いかしら。」
水銀燈「義理立てするのぉ?あの人間に。」
金糸雀「一応盟約を結んでるかしら・・。だから見捨てれないかしら
。」
水銀燈「そぉ・・・。貴方も大変ねぇ。私も貴方とはずいぶん付き
合い長いはずだけど・・。」
水銀燈は、剣を呼び出す。
水銀燈「貴方が、本気で戦ってるところみたことないわぁ。
いつも・・・貴方は場を濁して、しらけさせてしまうからねぇ・・
。」
金糸雀「う・・。(まずいかしら・・。なんだか水銀燈のってきてる
かしら・・。)ジュ、ジュンは?」
ジュン「うわー。やめてくれー。ステッキで頭叩くのはやめてく
れー。」
真紅「お仕置きだわ!」ポコポコポコ。
逃げるジュンの頭を追いかけて叩く真紅。
金糸雀「あちゃー・・・。」
396 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/17(火) 03:35:55 ID:lOL2E6No
水銀燈「さて・・・どうするぅ?」
金糸雀「あ、相手をしてやるかしら!でも場所を移動するかしら!」
水銀燈「場所を移動・・?どうして?」
金糸雀「いいから黙ってついてくるかしら!そしたらカナの本気を
みせてやるかしら。」ドヒューン!
水銀燈「ふーん?どうせ罠でしょうけど・・。面白いじゃなぁい。」
バサッ。
蒼星石「ふふふ。翠星石。まともにやったら君に勝ち目はない!」
翠星石「どうしてですぅ?」
蒼星石「なぜなら、今この体にはローザミスティカが二つ!
それに比べて君の体は単なるコピーの劣化品!これで僕に勝てる
わけないじゃないか。さあ、降伏するんだ!」
翠星石「言われてみれば確かに・・。とっとと体返すですぅ!」
蒼星石「ぐ・・・。ああ!また髪が伸びてる!早く刈らなきゃ!」
トコトコトコ。
翠星石「お前は・・私に喧嘩を売ってるですか・・。翠星石だって
こんな青い服、真っ平ごめんですぅ。」
蒼星石「な、なんだって?言っていいことと悪い事があるよ!
ぼ、僕だって好き好んで、青くなってるわけじゃないんだよ!」
翠星石「ともかく、服を交換するです。話はそれからです。」
蒼星石「そっか・・。(そわそわ)」
翠星石「ん?なにそわそわしてるです?」
蒼星石「あ・・。いやなんでもないよ。(あいつ・・また僕の生着
替え無視しやがって・・どうなるか見てろよ。)」
翠星石「じゃあこっちにくるですよ。」
397 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/17(火) 03:40:31 ID:lOL2E6No
雪華綺晶「さて・・どうやら、ちらほらと勝敗がつきつつあるよう
ですが・・・余り関係ありません。
ようは貴方が私に勝つか。私が貴方に勝つか。それで全てが決ま
ります。では・・・いきますよ。」シュルル。
雪華綺晶は茨を飛ばす、迎え撃つは雛苺の苺わだち。茨は苺に阻まれ
るが、容赦なく突き進む。しかしやがて失速し苺にからめとられる。
雪華綺晶(巧緻・・かつ精密。パワーこそ私のほうが、圧倒的に上
とはいえ、気は抜けそうにありません。
ならば・・・お姉様の苺わだちに私の茨を付着させる・・。
苺の中を突き進み一気に、本体へ攻撃させます。)
雛苺「無駄なの。考えてる事はわかってるの。」シュルル。
雪華綺晶「なんですと?うわっ・・。(逆に付かれた!一手とられ
ましたがしかし・・。)無駄です。蚊が刺したほどもダメージは
ありません。」
茨同士の巧緻な攻防が続く。このままでは一生埒が明かない。
雪華綺晶「一気に片をつけます。」
雛苺「うゆ?」
雪華綺晶「これでどうです?貴方の弱点のはずです。」
雪華綺晶はジュンと真紅のほうに手を向ける。
真紅「あ、ジュン。雪華綺晶がこっちに手を向けてるわ・・。
まさか味方を巻き込むつもりじゃ・・。」
ジュン「げ・・本当だ・・。に、逃げたほうがいいんじゃないのか
。」
398 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/17(火) 03:43:14 ID:lOL2E6No
雛苺「させないの!」
雪華綺晶「身を晒すとは・・愚かな。白薔薇息吹!」
雪華綺晶の突きが、雛苺の胸をつく。
雛苺「ぐぐぐ・・。」
雪華綺晶「無駄です。先ほどより出力を上げてあります。苺わだち
如きの力では抑えられませんよ。これで私の二勝ですね。」
雛苺「せっかちなの・・。」
雪華綺晶「もう打つ手ないでしょう?」
雛苺「そうでもないの。」
雪華綺晶「馬鹿な・・。その状況で一体何を?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー。
水銀燈「ほらほら。防戦ばっかりしてないで、さっさと本気とやら
を見せなさぁい!」
金糸雀「むう・・。(ここまで逃げてきたものも、どうしたらいい
かしら。バイオリンの封印は、アリスゲームの場合は解けない
し。)」
ピチカート「ピピ!」
水銀燈「む?メイメイ!」
カーン。
水銀燈「く・・。力負け。相変わらず人工精霊におんぶに抱っこねぇ
。」
ピチカート「ピピッ!」
金糸雀「え?なるほど・・。言われてみれば確かに・・。やってみる
かしら。」
399 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/17(火) 03:46:01 ID:lOL2E6No
水銀燈「なになにぃ?何かするのぉ?」
金糸雀「ピチカートに宿ってるカナの本来の力を、一時的に戻すか
しら。」
水銀燈「ああ・・。でもそんなことしたところで、変化があるとも
思えないけどぉ。」
金糸雀「大有りかしら。さて・・戻したかしら。」
水銀燈(雰囲気が変わってる・・。)「はったりよぉ。」
金糸雀「そうかしら?」
金糸雀は水銀燈に向かって一直線に突進していく。
水銀燈「く・・。(体が動かない・・。)」
金糸雀が目の前にくる。水銀燈はそこをめがけて剣を振り落とすが
・・・いない。
水銀燈「あれぇ?どこいったのぉ?・・・・まさか逃げたんじゃ
・・。」
・・・・・。
水銀燈「本当に逃げたのねぇ・・。・・・ずいぶん真紅達と離れて
しまったわぁ。戻らなきゃ。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー。
雪華綺晶「もう観念することです。」
金糸雀「待たせたかしら!ヒナ!攻撃のワルツ!」ブワッ!
雪華綺晶「なに?金糸雀?水銀燈はどうしたのです?」
雛苺「カナ、遅いの。」
金糸雀「カナがここにいることが、何よりの証明になるのではない
かしら?」
400 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/17(火) 03:48:44 ID:lOL2E6No
金糸雀はバイオリンの音色で、雛苺に巣食っている茨を除去する。
雛苺「ふいー・・。惜しかったの。後もうちょっとだったのにね。」
雪華綺晶「別に・・・金糸雀が二人や三人増えたところで、何も変
わりませんよ。」
金糸雀「そうもいかないかしら。ここで終わらせるかしら。
神曲、最後の審判!」
金糸雀の体から光があふれる。
雪華綺晶「こ、これは・・あのときの光。わ、私達を強制移動させる
つもりですか?」
金糸雀「帰ったら、ヒナと仲良く昼寝でもしたらいいかしら。」
雪華綺晶「お、お止めなさい。馬鹿な事は・・。」
金糸雀「カナ達は結構頑張ったし、ここらでご褒美があっても
いいころかしら。」
シュウウ。みんな消え、金糸雀だけが残る。
金糸雀「・・・・考えてみれば、みんな移動させることはなかった
かしら。」
雛苺「大丈夫。ヒナはいるの。ヒナがいなきゃ道案内できないの。」
金糸雀「ど、どうやって・・?ま、まあいいかしら。それでどっち
にいけばいいかしら?」
雛苺「こっちなの。」
やがて一軒のの家にたどり着く。
ピンポーン。
シーン。
金糸雀「ドンドンドン。誰かいないかしらー?」
401 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/17(火) 03:51:00 ID:lOL2E6No
雛苺「やっぱり燃やすしかないのよ。」
金糸雀「ジュンよりひどい引きこもりかしら。」
チロリン。
雛苺「どうして鈴を鳴らすの?」
金糸雀「ちょっと待つかしら。そのうちくるはずだから。」
・・・・。
カラス「はっ。金糸雀様。例のものです。」
金糸雀「ご苦労かしら。もうさがっていいかしら。」
カラス「はい!」
雛苺「あのおじさん誰なの?」
金糸雀「そんなことより、火炎放射器が手に入ったかしら。これで
燃やすかしら。」
家「ああ・・ごほんごほん。」
金糸雀「家がしゃべったかしら。」
家「金糸雀と雛苺かね?構わないから入りたまえ。鍵は開いている。
」
雛苺「こんなぼろの家でも、惜しかったみたいなの。」
金糸雀「せっかく火炎放射器取り寄せたのに、無駄になってしまった
かしら・・。」
二人は家の中に入る。
金糸雀「おじゃまするかしら。」
雛苺「おじゃましますなの。」
ローゼン「それはないだろう・・。ただいまといいたまえよ。」
402 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/17(火) 03:55:44 ID:lOL2E6No
金糸雀「お父様は相変わらず、非常識な事ばかり言うかしら。ん?
そのドールは新しいドールかしら?」
ローゼン「ああ・・いや違うよ。手を動かしてないと落ち着かない
から作ってるだけだ。」
雛苺「始めましてなの。」
ローゼン「む・・あてつけてるな・・。仕方なかったのだ。
あの時は時間がなくて、君に構って上げれなかった。ところで
今日はなんのようだね?」
金糸雀「ちょっとピチカートが、欠けてしまったから、直してほし
いかしら。」
ローゼン「ああ・・これなら簡単だ。待っていたまえ。すぐに終わる
。紅茶でもついで上げよう。」
ローゼンは、5分後には戻ってきた。
ローゼン「ほら、直ったよ。それで、用事はそれだけじゃないんだ
ろう?」
金糸雀「水銀燈に会えないかしら?」
ローゼン「それは無理だ・・。」
金糸雀「どうして?ちょっと会うだけかしら。」
ローゼン「あの子もそれを望んでいない。」
雛苺「それは無理してるだけなの。本当はきっと会いたい一心なの
。」
ローゼン「何を言うか・・。それにしても、全く君たち二人には
してやられたよ。
アリスの到達というのは、私に課せられた使命なのだ。
君たちが、のこのことやってきて、口を出せる問題じゃないのだ
よ。」
403 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/17(火) 03:58:43 ID:lOL2E6No
金糸雀「どうして、アリスを作らないといけないかしら?」
ローゼン「そうでなければ、この星はまたリセットされてしまうから
だ。愛を体現させれるアリスの誕生こそ、この星の歴史を守る唯一の
道だ。」
金糸雀「お堅い!お堅いかしら!」バシッバシッ!
金糸雀はローゼンの背中をどんどん叩く。
ローゼン「ごほっ。何をするんだね。」
金糸雀「一技術者如きが、そんな大層なこと考える必要ないかしら。
ならお父様は人形作りが嫌いかしら?
そうではないはずかしら。だったら遊べばいいかしら。
小難しい事、考える必要ないかしら。」
ローゼン「そうはいうが・・・私がやらなければ、終わってしまう
のだ。仕方ないだろう。」
金糸雀「そこが堅いというかしら。お父様が頑張らなきゃどうにも
ならないことだったら、別に終わってしまってもいいかしら。
カナはいろいろな人に出会ってきたけど・・人間もそう悪いもの
ばかりでもないかしら。」
ローゼン「う、うーむ。」
金糸雀「そもそも・・・なぜお父様は水銀燈が、アリスではないと
思ったのかしら?
お父様が気付いてないだけで、本当はアリスなんてとっくの昔に
完成してたんじゃないかしら?」
ローゼン「ローゼンメイデンシリーズがそれに当たると?」
金糸雀「そうかしら。」
ローゼン「いや・・・アリスはそんな簡単なものではないよ。」
金糸雀「それは思い込みかしら・・。なんにしてももうちょっとカナ
達を認めることかしら。
でなければ、アリスへ到達することなんて不可能かしら。」
404 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/17(火) 04:01:01 ID:lOL2E6No
ローゼン「なぜ君たちを認めることが、アリスの到達に繋がる?」
金糸雀「カナ達を認めるということは、お父様が自分自身を認める
ということに他ならないかしら。
いいところも・・悪いところも・・全部ひっくるめて自分を認め
なければ、そこから先には進めないかしら。」
ローゼン「そうか・・。そんな気もしてきた。」
雛苺「案外あっさりしてるの。」
ローゼン「私も今に至るまで、試行錯誤を繰り替えてしたからな
・・。
あまり考えを変えることにこだわりはないのだよ。
とはいえ、やはり今あの子達に会う事は難しい。悪いがこの考えは
変わらないよ。」
金糸雀「あれは冗談かしら。ただお父様にもうちょっと自信を持って
もらいたかっただけかしら。」
ローゼン「そのためにわざわざここまで?」
金糸雀「まあ・・・半分はなんとなくジュンに流されただけか
しら。うまくいくとも思わなかったし。」
ローゼン「君は相変わらず面白いな。」
金糸雀「お父様が堅すぎるだけかしら。」
雛苺「うにゅーないのー?」
ローゼン「ないよ。」
雛苺「けち!」
ローゼン「頼めた義理でもないが・・これからも雪華綺晶のこと頼む
よ。雛苺。」
雛苺「雪華綺晶はかわいい妹なの。そんなことよりさっさとうにゅー
だせなの。」
ローゼン「ないものはない。」
雛苺「ぺっ。もうこんなところに用はないの。カナ、もう帰るのよ。
」
405 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/17(火) 04:03:24 ID:lOL2E6No
金糸雀「そうかしら?じゃあそろそろ。」
ローゼン「もうきてはダメだよ。」
金糸雀「いちいち堅いかしら。」
二人はローゼンに見送られて外にでる。
雛苺「カナ、ちょっとそれ貸すの。」
金糸雀「え?・・・まさか。」
雛苺「とろとろするな。黙って貸せばいいの。」ヒョイ。
雛苺、金糸雀から火炎放射器強奪。
雛苺「ひゃっはー!汚物は消毒してやるのー!」
ボオオオオオ。家が見る見るうちに燃えていく。
金糸雀「あわわわ・・。やりすぎかしら・・。」
ローゼン「うわっちい!」ゴロゴロ。
家からローゼンが飛び出しゴロゴロと転がる。
雛苺はその様子を一瞥。
雛苺「これに懲りたら、今度来るときにはうにゅーくらい用意してお
くの。」
ローゼン「お、おのれ・・。」
雛苺「悔しかったら、こっちにこーいなの。あっかんべーなの。
べろべろばー。」
ローゼン「もう我慢ならん!」
金糸雀「ど、どうどう・・。落ち着くかしら。」
406 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/17(火) 06:05:24 ID:A5Ya2dPq
金糸雀がローゼンの足を掴む。
ローゼン「ぐぬう・・。なんという娘だ。」
雛苺「しけたお父様の家だけに、よく燃えてるのよ。ほらっ、
見てみるといいの。」
ローゼン「あ・・ああ・・。私の家が・・。」
金糸雀「こ、これはひどい・・。カナは冗談のつもりだったのに
・・。」
雛苺「これでちょっとはすっきりしたの。今までの鬱憤晴らしなの
。そらっこれもくれてやるの!」ポイッ。
金糸雀「ダ、ダイナマイトかしら!お父様伏せるかしら!」
ローゼン「わ、私の家・・。」
金糸雀「な、何してるかしら。こっちにくるかしら。」グイッ。
ドッカーン。木っ端微塵。
雛苺「汚い花火なの。お父様も、これで引きこもれる場所がなくな
って、おかわいそうなことなの。
何ならヒナ達の家に居候でもする?まあ・・・お父様なんてヒナ達
に比べたら、かわいさの欠片もないからきっと門前払いに決まってる
の。おーほっほっほ。」
ローゼン「ぽかーん。」
金糸雀「お、お父様。気を確かにするかしら!」
雛苺「もう帰るの。こういう輩は甘くすると、すぐつけあげるから
、これくらいがむしろいい薬なのよ。
全く・・たかが家一つでがたがたと、みみっちいったらありゃしない
の。ほらっ、もう帰るのよ。カナ。」
金糸雀「う・・。お父様、もしよかったら、姉妹の誰かの家にくると
いいかしら・・。自分でまた建ててもいいし・・手伝えって言うなら
手伝うし・・・ともかく元気出すかしら。
じゃあカナはもう行くかしら。元気出してまた頑張ってほしいかしら
。」
ローゼン「ぽかーん。」
407 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/17(火) 06:09:02 ID:A5Ya2dPq
数日後。
ローゼン「昔のえらい人はよく言ったものだ。目には目を歯に歯を
ってね。さて・・・よくも私をコケにしてくれたな。失敗作めが。
やつの家も同じめにあわせてやる・・。」
ローゼンは、落ち葉をジュンの家の前にもっさりと集める。
ローゼン「ふふふ・・。慌てふためいて、飛び出してくる雛苺の顔が
目に浮かぶ。そのとき私はこういってやるのだ。
君の大事な家が燃えてしまったね。もしよければ、私のところに
居候にでもくるかね?
はっはっは、でも残念。君の大好きな、うにゅーとやらはないのだよ
。」
ローゼン「さすが私だ。手抜かりがない。完璧すぎる自分に惚れ惚れ
してしまう。さあ・・燃えるがいい!」
警察「ちょっと、君。」
ローゼン「なにかね?今いいところなのだ。邪魔しないでくれたまえ
。」
警察「ここの家のものではないね?こんな夜更けに何をしている?
職業は?」
ローゼン「なんだと?人形師ローゼンと知っての事か!」
警察「・・・・ちょっと来てもらおうか。話はそこでゆっくりと
聞くから。」
ガシッ。
ローゼン「は、離せ!こんなことして後で後悔しても知らんぞ!」
雛苺「パパをつれていかないでー。」
警察「ん?」
ローゼン「ああ。雛苺助けておくれ。お父様は、悪い暴漢に捕まって
しまったのだ。」
警察「このお嬢さんは、君の娘なのか?」
ローゼン「あまりできはよくないがそうだ。」
408 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/17(火) 06:13:09 ID:A5Ya2dPq
警察「お嬢さん。そうなのかい?」
雛苺「パパはちょっと頭がおかしいから、夜中家の周りを徘徊する
癖があるの。
許してあげてほしいの。」
ローゼン「なにぃ?」
警察「・・・紛らわしい事を。こっちだって暇じゃないんだ。
今回はお嬢さんに免じて、許してやるから二度とこんなことする
んじゃないぞ。」
ローゼン「ぐぬう・・。」
雛苺「お父様。ともかく家の中に入ればいいの。大丈夫。今みんな
寝てるから。」
ローゼン「そ、そうかね。」
二人は家の中に入る。すでに他のものは就寝している。
雛苺「どうしたの?立ってないで座ればいいの。今紅茶注いでくる
から。」
ローゼン「・・・なぜ私が、ここにくると分かったのかね?」
雛苺「そろそろだと思ったの。お父様は、やられっぱなしで引っ込む
な人じゃないから。」
ローゼン「そうか・・・。」
雛苺「はい、紅茶。」ドン
ローゼン「やっぱり恨んでるかね?」
雛苺「うい?」
ローゼン「いろいろ・・あっただろう?」
雛苺「お父様はろくでなしだと思うけど、別に恨んではないの。
いろいろあったけど・・今考えてみると結構楽しかったの。
今はみんながいるから、もっともっと楽しいのよ。
紅茶飲まないの?」
ローゼン「あ、ああ・・。いただくよ。」
409 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/17(火) 06:16:20 ID:A5Ya2dPq
ゴクゴク・・。
ローゼン「・・・ここはなかなかいい家だ。厳かな気品がある
よ。なぜだろうか。」
雛苺「なんかジュンの両親が、いろいろな珍しいものを集めてる
らしいの。」
ローゼン「それでかもしれないな。・・・・どうかね?
アリスゲームのほうは?楽しいかね?」
雛苺「楽しいわけないの。ヒナもう脱落してしまったし、だから
ヒナのローザミスティカは、今は真紅のほうにあるの。」
ローゼン「そうか・・・雛苺には楽しくなかったか・・。」
雛苺「水銀燈にも会うといいのよ。」
ローゼン「金糸雀もそういっていたが・・なぜかね?」
雛苺「理由が必要なの?」
ローゼン「・・・いや必要ないな。紅茶ありがとう。私はそろそろ
いくよ。」
雛苺「篭ってたら気付かなかったことも、きっと外にでれば気付ける
ことだってあるの。
ヒナ達はいつでも歓迎するから、余り根をつめずに、たまには
羽目を外したほうが、きっとアリスにも近づけると思うの。」
ローゼン「・・・分かった。ありがとう。」
ガチャ。バタン。
雛苺「ふわーあ。もう寝るのよ。無理に起きてたから、眠くてどうし
ようもないの。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー。
410 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/17(火) 06:22:51 ID:A5Ya2dPq
ローゼン「誰かおりませんか?」
水銀燈(こんな森の中の教会に・・・人が来るなんてねぇ。ま・・
隠れてればそのうち帰るでしょぉ。)
ローゼン「おかしいですな。ここには天使がいると専らの噂でした
が・・。勘違いでしたかな。」
水銀燈(天使ねぇ・・。もうそんな噂が広まってるとは・・。
ここも変え時かも知れないわぁ。
ん?あの人間・・?)
水銀燈は目をごしごしさせる。
水銀燈(あれ?まさかねぇ・・。でもあれは・・そうよねぇ・・。
うーん。確かめたい・・。)
ローゼン「誰もおりませんでしたらしばらく、この教会で寝泊り
したいのですがよろしいですかな?」
水銀燈「ちょーっと待ちなさぁい!(でてきてしまった・・。)」
ローゼン「かわいらしいお嬢さんですな。きっと親がいいんでしょう
な。」
水銀燈「貴方・・・お父様では?」
ローゼン「はっ?何を言われます・・。貴方のような娘がいたら
それはもう誇りでしょうが、私は旅の神父です。
ローゼンなどというものではありません。」
水銀燈「や、やっぱりお父様じゃないですか!」
ローゼン「な、何を根拠にそのようなことをおっしゃられるのか。
私には理解不可能というものです。」
水銀燈「そうよねぇ・・。お父様がこんなところに現れるはずもな
いし・・・ところで貴方、背中に羽が生えた、話す人形見てなにか
思うところはないのぉ?」
ローゼン「ん?何か思わないといけないんでしたかな・・。(どう
だったろうか・・。世俗から離れすぎたせいで、よく分からん・・。)
」
411 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/17(火) 06:26:19 ID:A5Ya2dPq
水銀燈「ま、まあいいわぁ・・。ともかくここは私が住んでるの。
他をあたってくださるぅ?」
ローゼン「残念ですなあ・・。このようなことをお父様がお知り
になったら、さぞお怒りになるでしょうなあ・・・。
私は住むところを、ピンクに破壊されてしまったのです。
ですから宿無しなのです。誰か助けてくれる親切な、アリスに近
そうなドールはいないものですかなあ。」
水銀燈「・・・まあ貴方にはちょっと興味もあるし、住むくらいいい
わよぉ。ところでピンクってのは雛苺のことねぇ?」
ローゼン「(部分的に鋭い・・。これじゃまずい。)そ、そのような
事私は言っておりませんよ。ささ・・釣りでもいってきますかな。」
水銀燈「ふーん・・。ごまかすとお互いのためにならないと思う
わよぉ?」
ローゼン「い、いいがかりです。私は雛苺を作った者などでは
ありません。」
水銀燈「そう・・・。なら雛苺を、ここに連れてきても何の問題も
ないわねぇ?」
ローゼン「そ、それはダメです。それより貴方、気品が漂ってます
。私は占いができるのです。それによると近日中にアリスになる
相がでてますぞ。」
水銀燈「え?本当にぃ?」
ローゼン「ほ、本当ですとも。ラッキーカラーは黒です。
おっ!奇遇ですな!お嬢さんの服の色も黒!これはもう運命ですな!
しかし服のセンスが最高ですな。お嬢さんが自分でお選びになった
ので?」
水銀燈「いやお父様が、選んでくださったものよぉ・・。」
ローゼン「素晴らしいお父様なんでしょうな!一度お会いしてみた
いものでございます!」
412 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/17(火) 06:31:08 ID:A5Ya2dPq
水銀燈「そうねぇ。私も会いたいわぁ。でも今はダメなの。
って何で、貴方にこんな事話さなきゃならないよぉ。
ほらっ。釣りに行くんでしょぉ?いってきなさい。
全く、気安く話しかけないでほしいわぁ。」
ローゼン「ではいってきます。」
ザザ。
水銀燈「どうもやっぱり怪しいわぁ・・。私の直感があれは怪しい
とつげている・・。後を追ってみましょう。」
ーーーーーーーーーーーーーーー。
水銀燈(いたいた。)
ローゼン「釣れんなあ・・。」
水銀燈「貴方餌つけてないじゃなぁい。餌つけなきゃつれないわぁ
。」
ローゼン「別に、魚を釣ろうとしているわけではない。
何かアリスに近づくいいアイディアがないか模索しているのだよ
・・。心を無にしてな・・。むむ?」
水銀燈「そう・・貴方お父様の知り合い?」
ローゼン「あ、ああそんなところだ。」
水銀燈「へえ・・・。」
水銀燈はローゼンの隣にちょこんと座る。
ローゼン「どうしたのかね?」
水銀燈「別に・・。」
ローゼン「そうか・・。」
二人はしばらく無言で水を見つめていた。
413 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/17(火) 06:35:00 ID:A5Ya2dPq
ローゼン「ローゼンはな・・。」
水銀燈「ん?」
ローゼン「娘がいたのだ。とても自分の事を理解してくれて、今も
頑張ってくれてる娘がな・・・。」
水銀燈「ええ・・。」
ローゼン「ずっと長い間、孤独に一人で頑張ってきた・・。
ローゼンもそうだ。ずっと孤独だった。誰も彼を理解してくれた
ものはいない・・。
ローゼンにとってその娘は、同志であり友であったのだ・・。」
水銀燈「・・・・。」
ローゼン「きっとローゼンはその娘に感謝しているだろう・・。
・・・おや?どうしたのかね?泣いているようだが・・。」
水銀燈「気のせいじゃない?」
ローゼン「・・・気のせいだったな。まだまだ辛い戦いは続く。
かつて、ローゼンはあえてその娘に死と破壊の役割を命じた。
その娘を心底信頼していたからだ。そうでないのならば・・どうして
そのような非業の役目を、背負わせることができようか。」
水銀燈「・・・・。」
ローゼン「共にアリスを目指す・・。私と君とで、必ず・・。
私達は運命共同体、二人で一つなのだ・・。」
水銀燈「もしも、私がその娘だったとしたらこういうでしょう。
光栄です。と。そして私達の思いを必ず成就させます・・と。」
ローゼン「・・・冷えてきたんじゃないかね?もう結構な時分だが
。」
水銀燈「そうねぇ。帰りましょうか。」
ローゼン「ああ、帰ろう。」
414 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/17(火) 06:38:32 ID:A5Ya2dPq
とはいえ二人に帰る場所などあったのだろうか?
二人はずっと前にしか進まず、後ろを振り返る事などなかった。
あるいは、これからもずっとそうなのだろう。
しかし今このときだけは、帰ってもいいのかもしれない。
二人は帰路につくとき、無言であったが、何百年もの間同じものを
見てきたものにしか分からない、何らかの会話がきっとあったに
違いない。
ーーーーーーーーーーーーーー。
ローゼン「・・・食べないのかね?」
水銀燈「ええ・・。いつもそんなに食べてないのよぉ。」
ローゼン「・・・一人で食事をしてもつまらないものだ。食事という
のは、心をいただくものだろう?」
水銀燈「そうねぇ・・。なら食べましょうかぁ。」
ローゼン「こうして、誰かと食事をしたのは本当に久しぶりだよ
。」
水銀燈「そう?旅をしているっていってたわねぇ。」
ローゼン「旅か・・。そうだな。こういうのはどう思うかね?
世界の全てを自分の足であるいて、世界の全てを知ってみたい、
旅人はこういうものだと思うが、どう思うかね?」
水銀燈「うーん。私はたった一つだけ知れればいいわぁ。
後の事は些細なことかもしれない。」
ローゼン「なかなか面白い答えだ。そのたった一つとは?」
水銀燈「秘密に決まってるじゃなぁい。」
ローゼン「気になるな・・。」
水銀燈「せいぜい気にするといいわぁ。私は言わないけどね。」
ローゼン「なんだろうか・・。」
415 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/17(火) 06:42:14 ID:A5Ya2dPq
水銀燈「でも・・・世界の全てを知るのと、たった一つだけ知るの
って同じかもしれないわねぇ。
そのたった一つでさえ、本当に知る事は難しいから。
逆に言えば一つ知れば、全部知ってしまえるのかもしれないわぁ。」
ローゼン「かもしれないな。・・・・・古い教会か。教会が好きなの
かね?」
水銀燈「ええ・・・。」
ローゼン「なぜ?」
水銀燈「さあ・・・なぜでしょうねぇ?」
ローゼン「分からないのかね?」
水銀燈「・・・少なくても、私は清くありたいとは思ってる。
だとするなら、この場所しかないわねぇ。」
二人はその後も、ポツリポツリと話しつつ晩餐を楽しんだ。
ローゼン「・・・9時か。寝るかね?」
水銀燈「寝ましょうか。」
ーーーーーーーーーーーーーーー。
早朝
ローゼン「ふいー。これが睡眠か・・。水銀燈?いないな・・。」
タンタンタン。
ローゼン「何をしているのかね?」
水銀燈「お祈りしてるのよぉ。」
ローゼン「なんてお祈りしてるのかね?」
水銀燈「さあね。貴方もしたらぁ?」
ローゼン「ああ・・。しかしいつからしてるんだね?」
416 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/17(火) 10:29:11 ID:o+er7A7x
水銀燈「1時間前くらいからねぇ。朝は祈りの時間よぉ。」
ローゼン「そうか・・。」
二人はしばらく、お祈りをした。
ローゼン「・・・一つ聞くが。」
水銀燈「なぁに?」
ローゼン「辛くないかね?」
水銀燈「辛いといったらどうなるのぉ?」
ローゼン「辛いのならやめてしまっても・・。」
水銀燈「辛くても、やめられないことってあるのよぉ。
・・・仮にお父様が、もう止めていいと私に言ったとしても私は
やめるつもりはない。そのために私は翼があるんですもの。」
ローゼン「・・・・・ありがとう。」
水銀燈「さてと・・・。私は真紅の家にでも行くわぁ。貴方はど
する?」
ローゼン「旅立つよ。」
水銀燈「そう・・・旅の終わりごろに、また会えるといいわねぇ。」
ローゼン「そうだな・・。いつになるかは分からないが・・。」
水銀燈「それじゃあまたねぇ。ばいばぁい。」バサッ。
ローゼン「・・・・強くなった。そういえば金糸雀が言ってたな。
私が気付かないだけで、アリスはとっくの昔に完成してたのでは
ないかと・・・かもしれん。
だがそれでも私は行く。私が私であるために、そしてあの子があの子
であるためにも。」
417 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/17(火) 10:32:42 ID:o+er7A7x
ーーーーーーーーーーーーーーー。
水銀燈「お父様は嘘がお下手なこと・・。」
ピンポーン。
真紅「入りなさい。開いてるわ。」
がちゃ。
水銀燈「お邪魔させてもらうわぁ。」
真紅「ええ。」
とことこ。
水銀燈「じゃあ早速だけど・・・ん?」
真紅「どうしたの?」
水銀燈「珍しいわねぇ。今日はあの人間いないの?」
真紅「ええ。蹴りをつけにいくといって出かけたわ。」
水銀燈「けりをつける・・。まさか・・ね。」
真紅「心当たりでも?」
水銀燈「いえ、それよりここのところが、分からないんだけどぉ。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
418 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/17(火) 10:34:06 ID:o+er7A7x
ローゼン「私を殴りたまえ。」
ジュン「そんなことしてドールズが喜ぶか?」
ローゼン「けじめだ。それに君には世話になっている。」
ジュン「もう馬鹿な事はやめるんだ。アリスゲームなんてやめて、
ドールズと仲良く一緒に暮らせばいい。」
ローゼン「それはできない。」
ジュン「なぜだ?」
ローゼン「それが私達に課せられた使命だからださ。地球人の人間性
を一段高い段階にするために、必要なことなのだよ。」
ジュン「わけの分からないことを・・。屁理屈言うな!ドールズは
戦いなんて望んでいない!」
ローゼン「そういう子ばかりでもないじゃないかね?」
ジュン「そ、それは・・・でも心の奥底では嫌だと思ってるはずだ
。」
ローゼン「かつて、イエスがそうであったように、私達の戦いは至高
にして神聖。そして生の極みというものだ。」
ジュン「それはお前の思い込みだ。第一、お前の言うことが本当なら
、人間全部で解決しなきゃならない問題だろ?
どうしてお前は一人で勝手なことしようとするんだ?」
ローゼン「もう遅いのだよ。そもそもこの地球は、10億人程度で
しか、食料のサイクルができないのだ。
さらに核の脅威に常に、晒されている。
この星はもう何度も破滅の歴史を歩んできた。過ちを繰り返すわけ
にはいかないのだよ。」
ジュン「星がどうの、人間がどうの知ったことか。僕は絶対戦いを
止めてやるぞ!」
ローゼン「何を言っても無駄か・・。残念だ。なら好きにしたまえ。
だがな・・・。ん?あれはなんだ?」
ジュン「ん?別に何もないぞ・・・。」
419 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/17(火) 10:35:39 ID:o+er7A7x
ローゼン「馬鹿がみる豚のけつ!」ドガッ。
ジュンが振り返るとローゼンの拳が目の前に、とっさに体が反応し
回避。
ジュン「あ、危ないじゃないか!」
ローゼン「甘いな。まだある。」ドガっ。
ボディーブロー。
ジュン「ぐ。」
ジュンの体が曲がる。そしてそこへハイキック。
ジュン「ぐわっ。」バタン。
ローゼン「言って分からないなら、これしかなかろう?」
ジュン「い、いい度胸じゃないか。お前の攻撃なんか全然効いて
ないぞ!」
ローゼン(当然だ。一見派手だが、急所を意図的に外した。
ダメージなどあるわけがない。
体はよく練ってある。反応速度もいい。だが、知識がないようだな。
こちらにとっては好都合だが・・。)
ローゼン「そうかね?ならかかってきてはどうかね?」
ジュン「吼えずらかくな!」ブワン!
ヒュ。
ローゼン「当たらないな。それもう一つ進上!」ドガっ!
ジュン「ぐ・・。もう怒ったぞ!本気で怒ったからな!」
420 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/17(火) 10:40:18 ID:o+er7A7x
ローゼン「ほう?」
ジュン「何だその顔は!この馬鹿!」ドガッ。
ローゼン「ぐ・・やるね。」
ジュン「うるさい!」ドガッ。
ローゼン「殴られっぱなしは、性に合わないのでね。」ドガっ。
二時間後。
ジュン「じいさんの癖に・・やるじゃないか。」
ローゼン「どう見たら私が老人に見えるのかね?」
ジュン「でもそうなんだろ?」
ローゼン「まあそうだが。」
ジュン「ともかくな。もう好きにしろよ。でも僕も好きにさせ
てもらうぞ。それでいいな?」
ローゼン「ああ・・・。ありがとう。」
ジュン「後たまには遊びに来い。息抜きもたまには必要だろ?
こないなら、お前の家燃やしに行くからな。」
ローゼン「もう燃えたが・・。分かったよ。気が向いたらそうさせ
てもらおうか。」
ジュン「胡散臭いな。」
ローゼン「君は君の道を私は私の道を行くのだね。」
ジュン「何言ってるんだ。お前の道なんか認めるわけないだろ。
ただ頑固じいさんはちょっとのそっとじゃ、意見が変わらないと
思っただけだぞ。」
ローゼン「言ってくれるな。」
ジュン「もう僕は帰るからな。ああいってー・・。思いっきり殴り
すぎだぞ・・。」
タッタッタ。
ローゼン「彼がいるならば、アリスゲームも完成するかもしれない
な・・・。さて、帰ってまた家を作るとするか・・。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
421 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/17(火) 10:46:42 ID:o+er7A7x
長い間ありがとうございました。これでとりあえずおしまいです。
改善点など指摘していただけるとうれしいです。
でも台本形式は変えません。(自分自身そうでないと読む気がしない
ためです。)
もし誰も、投稿してなくてまた気が向いたら後日談でも投稿しておきます。
>>421 ゴメン。今更だが、乙。
ずっと言いたかったが、規制で書き込めなかった。
ひさびさの良作なのと、ヒナやカナといった不人気ドールの扱いが良くて涙が出た。
ただ、人間関係とドールの性格が原作と違いすぎるのに、作中でのフォローが少ないのが気になるなぁ。
特にジュンとカナの関係が分かり難かったよ。ナンか作中以前から付き合ってる感じだし。前作があるの?
後半は文句ないケド、前半の電脳世界編は何度読んでも意味が分からない。
ジュンが金と組んでやったということは分かるけど、何で真紅以外がああも既に順応してたんだ?
まあ、俺がコレまで読んだ中でも有数の傑作であることに間違いはない。
後日談にも楽しみにさせていただきます。
423 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/29(日) 17:35:47 ID:GsjXuOSo
ああどうもありがとうございます。
そうでしたか。面白かったですか。それは意外でうれしいかぎりです。
シベリアで変に意地になりすぎて、長くなりすぎてしまいました。
今は、蒼星石、翠星石が電脳世界で何をしていたのかという話を書いてます。
前作はないけど、電脳世界で水銀燈が順応してるのは、記憶を改ざんさせ
らている+ゲームということで、アリスゲームから解放されているためです。
(元々のジュン・金の目的としては、水銀燈のアリスゲームの固執をなくすこと。
そのために作れた世界が電脳世界。)
雛苺は、最初からジュン・金糸雀の協力者で、雪華綺晶・蒼星石は真紅たちがくる
結構前からこの世界につれてこられた感じです。
後は話の中の通り、雛苺がやたら雪華綺晶にからむのでなんかそのまま流された
みたいな風です。
だからその後の話と、電脳世界とでは、性格が多少違いますが、電脳世界で変わった
性格がそのまま引きずられてる部分があるという設定で書いてます。
金糸雀については、ジュンが告白してるように、真紅たちに戦いやめろとい
っても聞かなかったので、仕方ないから金糸雀に相談したところ案外協力
してやろうというこうとになったという設定です。原作的には雪華綺晶が
雛苺を食べた後、めぐが捕まったところから始まってます。
その後、金糸雀とジュンが雪華綺晶を倒しにいくわけですが、そのときに
金糸雀が神曲(強制移動)でみんなを移動させたみたいな感じです。
雛苺の性格が飛んでるのは、作者が雛苺が好きなためです。
(わがナンバーワンドールである。ちなみに金糸雀は二番目だ。)
なんかいろいろありがとうございました。
>>423 なるほど。めぐは捕まっているのか。キビシイこと言うと、その辺の背後設定が作中でなかなか語られなかったのも欠点の一つかな。
性格の違いウンヌンは、まあSSスレではよくあることだけど、物語を理解するための時間軸の設定はある程度明示してもらわないと。
一目見て判るくらいの原作を引っ張った設定なら、ある程度は何もなくても予測できるけど、コイツは原作乖離のオリジナル色が強すぎる。今の今まで原作と繋がってるとはちっとも思わなかったよ?
ヒナがスデに死んでるってのは作中スグに判ったが、ろくに出てもこない蒼い子もスデに死亡済みだったってのは、出てきて初めて驚いたからな。
ジュンが実は金側だったって判明してからが俄然話が面白くなったんだが。が、ちょうどその辺でシベリア送りになっていたとは。
正直、急に全版規制に巻き込まれたのかここの過疎ップリに見切りをつけて逃亡したのかと思っていたが・・・すまなかった、知ってたらシベリアまでケツを追っかけて行ったのだが、戻ってきてくれるまでまったく気付かなかった。許して欲しい。
ちなみに私は金糸雀が一番好きで雛はその次かな。(雛苺はペドらしく「JUM登り」してればイインだよっ!…ええ、それだけで充分でございますとも。早くフラグ立てて生き返ってくんないかなぁ。)
しかしながら作者さまも過疎版の、二つもある過疎スレの、さらにわざわざより過疎ってる方に投下されるとは、なんともマゾいことでございますよのぉ、ウェッヘヘへ(笑)
前編続編後日談、楽しみに待っております。
425 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/30(月) 23:17:00 ID:piR0Fphp
なるほど。面倒だからほとんど省略してましたが、書けば多少長くできそうですな。
めぐは捕まったけど、金糸雀がやってきてすぐ解放しました。
まあ・・・後付設定ですけどね。
普段ブログでやってるのですが、やはりブログだと意見聞けないし、聞けないと
今後どうやって書けばいいか分からないし・・・。
VIPに書いたけど、すぐ規制されてしまうし、シベリアで変に長くなってしまうし、
ネット喫茶でスレたてできなくて、なんだかよく分からないけどここの板見つけて、
乗っけた感じです。
だから過疎ってたとか知りませんでした。
なかなか意見聞けなくて残念でしたが、今更VIPってのもなあ・・と思い、
ともかくも試験的にここで続けてみました。
そしたら意見が聞けてよかったです。
一つでも聞ければ・・何せブログだとゼロなので・・。
重ね重ね礼を言います。ありがとうございます。
ちなみに、明らかSSに前半と後半とがありますが、前半のタイトルがローゼ
ンアイランドで後半が雪解けの季節となってます。
時間軸の設定とかやってみます。ペドってのがよく分かりませんが・・。
しかしここまで他の作品載ってないし、やっぱここは過疎ってるんですね・
・・。
真紅激闘編とかメロスの話よかったなあ・・。
今書いてるやつも、そのうち投稿しますので、何か感想とかほしいところです。
>>425 え、ブログにほかの作品もあるのかい?!
ぜひ遊びに行かせてもらいたいから、アドレスかググるのに良いキーワードを教えてもらいたいのですが。
此処は元々「蒼星石を虐待するスレ」っていう酷いところだったんだ。
だんだん虐体系の作品は普通のSSに飲み込まれて数を減らしていったけど、
それ系の少数派の読者がかなりスレの雰囲気を悪くしてねぇ。
(せっかく良作の投下があっても罵詈雑言に等しい意見ばっか言いやがる。)
おかげで批判禁止、虐待表現禁止のノーマルssスレと分化して、事実上コッチは使われていなかったんだ。
(逆に言うと、コッチは虐待表現・グロもあり。エロは禁止。)
ここがどれくらい過疎ってるかというと、此処と同時に立ったノーマルスレは現在9代目。
ちょうどあなたと同時期に良作長編が投下され初めて個人的にばんばんざいだった。
まあ、VIPで毎週立ってるような「ドールズ×ジュン」の甘々なやつじゃないとどっちにしろほとんど感想はつかないけど。
俺が碌に投下のない此処にまだ住み着いてるのも、真紅激動編とメロスの感動が忘れられないからだ…!
これらは名作。
ゴメン、雛苺の下りは冗談&原作でのことったんだ…!
ペド野郎とは私のことです、本当にスミマセンでした。
個人的な嗜好としては雛苺がジュンとベタベタしてればそれで満足な人なんですが、
此処の雛はカッコ良くて惚れた。(「ただ一人だけ」(←重要) 雪に慕われているのが素晴らしい。)カナデコがエラいハイスペックなのも吹いた。
それでいて、ちゃんとドジっこ空気スキルが失われていないのが蝶サイコー!
ヤッパ、調子こいて自爆しなくちゃ金糸雀じゃねえや。
実は「巻いた世界のジュン君」がローゼンキャラで一番好きなショタ野郎でもあるので、
ここの情けなさ過ぎるわがままで空気読めないジュンには正直殺意が湧いたが、カナがジュンに優しかったからもうドウでも良し!
すごくウザがって適当にあしらってるように見えて、ちゃんと最後にはかまってあげるカナ可愛いよカナ。
こ、ここは・・批判してはいけないのか・・。それは困る。
他の作品は・・・どうかな。お口に合うかどうか。あまりお勧めはできない。
グーグルで、雛苺 小説っていれれれば、そのうち出てくると思う。
応援されてやる気出たので、結構今書いてます。
だからそろそろ続編を投下できると思う。
しかし・・・。大ッ嫌いな虐待系OKだったとは・・。
ペドってのは調べた。
なるほど、ジュンがある程度うざかったようですね。
実は書いててそう思うこともあるから、やりすぎないように注意してます。
読んでて殺意湧くのはいただけないから、多少治したほうがいいかもしれない。
たぶん、金糸雀は表面的な優しさにかけてはドール1だと思う。(雛苺はあそこ
まで張り切らない。)
原作では、翠星石にその部分怒られてましたが、結果的にジュンが進めた
わけであれはあれでまあよかったのかなあと思います。
しかし、そうなると、もう一個のやつに投下したほうがいいのか。
ここに投下したほうがいいのか・・。
とりあえずもう一個のやつ見てきます。
どうもありがとうございました。
>>427 一つだけ。逆な。
ここは、どんなに誹謗中傷してもOK。禁止なのはもう一個のスレの方。(分化した時点で、もうそんな酷いヤツらはなりを潜めたが。)
禁止なのも、作者が次書く気を失うような暴言レベルの話。常識のある人間ならそんなに気にしなくてもいいよ。
vipにもよく居るだろ、SSスレに粘着質に張り付いていやがらせするやつ。
ジュンがウザかったのはあくまで第一印象。まあ、カナがちゃんとフォローしてくれなきゃ読むのをやめていたかもしれないが。
(むしろ、他の生き残り組みドールがジュンにかまってあげていない方が衝撃だった。)
カナの魅力を代わりに引き立ててくれているからコレはコレで宜しいかと。
キャラの性格変更は作者様の個性の一つなので、そこまで私の意見を気になさらずとも。
最後まで読んでいる時点で致命的欠陥とは(私は)思っていないし、ドールズよりジュンが好きだと公言する俺みたいなのは少数派だろうし。
作者様が良いと思ったキャラ性格の方が間違いなく良いよ。自信を持ってくれ。
二次創作SSのキャラなんて、好きなキャラ以外は本音ではどうでもいいやって思ってるやつのほうが多いだろうから、そんなの気にしてたら書けなくなるぞ?
多分、ドッチに投下しても人の人数自体はあまり…。元々分家したスレだから、居たとしてもここと読者層は被ってると思う。
投下中はずっとageてたみたいだから、あっちに居るようなやつはコッチに投下されてることにも気付いただろうしなあ。
まあ、何処に行こうと知ってる限り追っかけるから心配しないでくれ。
次回作も楽しみにしてます。早速ブログ探しの旅に出かけるわ。
確かに明らかに面白すぎるのに、意味もなく非難(しかも意味もない人格非難とか
もある。)する人いますね。
意見は多少は参考にさせてもらいます。
性格は、原作重視でやってます。変な性格になってても大抵原作からの派生。
ま、どうもありがとうございます。
シベリアじゃ1000達成できなかったし、ここで達成するのもありかもしれないな。
430 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/02(木) 20:08:55 ID:UmI+Ksg5
431 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/04(土) 07:46:43 ID:BZQL83b0
>220の続きと回想
ジュン「次、死にたいやつ前に出ろ。何なら味方でもいいぞ。」
ジュンの足元には、倒されたプレイヤーの残骸が転がっている。
戦士A「お前!なぜ味方まで殺した!」
ジュン「わざとじゃないぞ。当たるほうが悪い。」
戦士B「そんなどでかい鎌なんかもつなよ!」
ジュン「うるさいな・・・。文句があるならかかってくればいいだろ
。」
戦士A「お、おい。防衛組。まずこいつをみんなで一緒にやっつけ
ないか?それ後でまた攻城戦しようぜ。」
防衛組A「いいだろう。そいつはゲストだから一度ENDしたらもう
ログインできないはずだ。」
ジュン「ふん。群れをなさなきゃなにもできないのか?」
戦士B「うるさいぞ!死神!もうお前と一緒に戦うのはたくさんだ!
」
防衛組A「やっちまえ。撃てー撃てー。」
バンバンバン。カランカラン・・・。弾丸は鎌にはじかれる。
ジュン「遅いな・・・。」
戦士A「銃が効かない?」
戦士B「ひるむな!波状攻撃を仕掛ければあいつだって耐え切れない
はずだ。」
ジュン「そう思いたい気持ちは分からないでもないが・・・。
無理なんじゃないかな。」
ジュンが動く。鎌が弧を描く。そして・・・辺りには静寂が訪れる。
ジュン「やっぱり無理だったな・・。最近このゲームも飽きてきた
。誰か僕の相手になるようなやつはいないのかな。」
432 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/04(土) 07:50:18 ID:BZQL83b0
ザザ。
蒼星石「僕でよければお相手しようか?」
ジュン「ん?(蒼星石とかいうやつだな・・。)その出で立ちは、
噂に聞く青い旋風とかいうやつだろ?」
蒼星石「君が、味方殺しの「死神」だね。」
ジュン「相手をしてくれるって?」
蒼星石「君はとても退屈そうだからね・・。何でそんなに退屈
なんだろうね?」
ジュン「さあな?それより、僕の相手なんかしてていいのか?
噂では人探ししてるらしいじゃないか。」
蒼星石「そうなんだけどね。・・・君みたいなやつを見ていると
放っておけなくてね。」
ジュン「僕みたいなやつ?」
蒼星石「ゲームにだってマナーがあるよね。でも君はただ自分が
楽しむだけのために殺戮を繰り返している。
だからつまらないんだよ。」
ジュン「言ってくれるじゃないか。少なくてもお前をぶちのめせば
楽しくなりそうな気がしたきたぞ。」
蒼星石「それはよかった。どこからでもどうぞ。」
433 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/04(土) 07:52:29 ID:BZQL83b0
ジュン(ローゼンメイデン相手じゃ分が悪いな・・・。でもここで
退くのもつまらないしやるか。)
ジュンは、蒼星石に近づき鎌を振り回す、蒼星石は持っていたレ
イピアで対応する。
カンカンカン!
ジュン(妙だな・・・。なぜ鋏を使わないんだ?)
蒼星石(この人どっかであった気がする・・。誰かに気配が似てる
けど誰だろう。仮面とってくれれば分かりそうだけど。)
二人の攻防は熾烈を極め、勝負はなかなかつかなかったが、最後に
ジュンの一撃が蒼星石に決まり、それで勝負の区切りをつけること
にした。
ジュン「おい。どうして手加減した?その後ろについてるごっつい
武器は飾りなのか?」
蒼星石「ああ・・・。彼女は使う相手を選ぶんだよ。
彼女が僕に「刈れ」を命じない限り、僕は庭師の鋏を使うことがで
きないんだ。
そして君には、決して使ってはいけないらしい。」
ジュン「相変わらず微妙な能力だな・・。」
蒼星石「え?」
ジュン「あ、いやなんでもないぞ。とりあえず僕の勝ちでいいん
だな?」
蒼星石「そうだね。じゃあ僕の人探し手伝ってよ。」
ジュン「はあ?何で僕がそんなことしなきゃならないんだ?」
蒼星石「暇なんでしょ?」
ジュン「まあな・・。そうだな。暇つぶしにはなるか。他のやつ
と組む気はしないしな。」
434 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/04(土) 07:53:12 ID:BZQL83b0
蒼星石「ずいぶんと気に入ってくれたようだね。ところでどこか以前
会ったことなかったかい?」
ジュン「き、気のせいだろ。」
蒼星石「そうかなあ?」
ジュン「僕はお前みたいな青いやつなんて知らないぞ。」
蒼星石「青いやつなんていわないでよ。蒼星石って言う名前があるん
だから。」
ジュン「紛らわしいから青いのとかでいいだろ。」
蒼星石「紛らわしいってなにが?」
ジュン「だからすい・・・いやともかく紛らわしいんだよ。」
蒼星石「どうも怪しいな・・。」
ジュン「う、うるさいな。それで人探しの当てとかあるのか?」
蒼星石「金糸雀の動きを追ってるんだけどね。なかなか所在がつか
めないんだ。」
ジュン「電脳世界の神って呼ばれてる、あの金糸雀のことか?」
蒼星石「彼女が翠星石の居場所を知っているはず。下手したら幽閉
している可能性もある。」
ジュン「金糸雀ならゾーマ城が居城だろ?」
蒼星石「いや・・・そうでもないみたいだよ。あちこち飛び回ってる
みたいだね。
ただ一度ゾーマ城も調べてみたいとは思ってる。
そこに翠星石がいる可能性があるからね。」
435 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/04(土) 08:12:52 ID:BZQL83b0
ジュン「ここからだと近いな。」
蒼星石「でも、攻城戦の日はまだ遠いし、警備にかからないように
侵入するのも難しいだろうね。」
ジュン「かもな・・。そろそろ夜時間になるな。寝ておくか?」
蒼星石「寝込みを襲ったりしちゃダメだよ?」
ジュン「何言ってるんだ?」
蒼星石「・・・・。」
ジュン「馬鹿馬鹿しい・・。ん?お前はその鞄の中で寝るのか?」
蒼星石「うん。」
ジュン「ふーん。ま、なんでもいいな。おやすみ。」
蒼星石「おやすみ。」
すやすや・・・。
蒼星石「寝たかな・・・。確か翠星石のマスター・・ジュン君だっけ
に非常に気配が似ている。仮面をとってみればきっと・・。」
蒼星石が仮面に手を伸ばしたそのとき・・・。
ジュン「ぎゃあああああ。お、お前!なんのつもりだよ!」
蒼星石「あ・・。ごめんね。ちょっとどんな素顔なのか気になって
・・・。」
ジュン(まずいな・・。ばれる前にずらかるか・・。)
スクッ。
蒼星石「あっ!どこにいくんだい?」
ジュン「さあな・・。」
蒼星石「見捨てないでくれよ!」
ジュン「お、お前そんなキャラだったか?」
蒼星石「変だね。どうして君と僕とは始めて会うはずなのに、
なんだか過去の僕を知ってるような口ぶりだね。」
436 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/04(土) 08:13:45 ID:BZQL83b0
ジュン「う、うるさいな。僕はやっぱりここで別れる。」
蒼星石「なんだか図星だから、逃げてるように見えるよ。」
ジュン「く・・・。」
蒼星石「君が誰なのかもう詮索しないよ。だから一緒に姉を探して
くれないか?」
ジュン「分かったよ。(探すも何も・・隠したのも僕なんだけどな。
まあ・・・今どこにいるのかは僕も知らないけどな。)」
蒼星石「よかった。なんだか君といると、姉といるような気分になる
んだよ。」
ジュン「おい・・・。僕は男だぞ。」
蒼星石「そういうことじゃなくてね・・。明日ちょっと城下町を探
ってみようか。今はもう寝よう。」
ジュン「あ、ああ・・・。もう変なことするなよ?」
蒼星石「分かってるよ。じゃあおやすみ。」
朝
ジュンと蒼星石は、天気の話をしながらやがて町に着く。
蒼星石「ん・・あそこにいるのは。」
ジュン「どうかしたか?」
蒼星石「やっぱりだ。間違いない。」
タッタッタ。
ジュン「・・・・。(雛苺だな。少し消えるか・・・。久しぶりに
城に顔を出そう。)」
ーーーーーーーーーーーーーーーー。
ジュン「おーい。帰ったぞ。」
437 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/04(土) 08:14:26 ID:BZQL83b0
金糸雀「また遊んでたかしら?」
ジュン「だってつまらないんだから仕方ないだろ。」
金糸雀「面倒なことを全部カナに押し付けといて、つまらないと
はよく言ったものかしら。」
ジュン「うるさいな。そんなことより蒼星石に会ったぞ。今城に
翠星石っているのか?」
金糸雀「逃げたから、今捕まえようとしてるところかしら。」
ジュン「ずさんだな・・。」
金糸雀「文句言われる筋合いないかしら。このひきこもりんが。」
ジュン「ちぇ。カナぶんぶんの癖に・・・。」
金糸雀「ところで何しに帰ってきたかしら?」
ジュン「特に何しにって事もないんだが、久しぶりに近くに来たから
顔出しただけだぞ。」
金糸雀「そうかしら・・。まあゆっくりしたらいいかしら。」
ジュン「そうはいってもなあ・・・。金糸雀しかいないし微妙なんだ
よな。」
金糸雀「わがままいうものじゃないかしら。失礼な人間かしら。」
ジュン「だって事実じゃんか・・。ん?なんだあいつ!」
金糸雀「ん?げ・・。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
蒼星石「待ってくれ!」
438 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/04(土) 08:16:45 ID:BZQL83b0
タッタッタ。
雛苺「それはこっちの台詞なの。ヒナは雪華綺晶の逮捕に忙しいの
。」
蒼星石「え?雪華綺晶の?」
雛苺「そういうわけだから、残念だけど遊んであげてる暇がないのよ
。また今度ね。」
蒼星石「ああっ!待ってよ!僕も協力するよ!逮捕!」
雛苺「そう?雪華綺晶は誰かに化けてることが多いから、たぶん見
た目じゃ分からないの。」
蒼星石「大丈夫。彼女の気配には特徴があるからね。きっとみたら
何らかの違和感があるはずだよ。」
雛苺「それじゃお願いするの。」
蒼星石「その代わり、それが終わったら、僕にも協力しておくれ
よ。」
雛苺「分かったの。じゃあ見つかったら、「交信」してね。」
蒼星石「分かった。行こうか。死神。」
蒼星石は後ろを振り向く。
蒼星石「あれ?置いて行っちゃったか・・。急に走り出した僕が
悪いから仕方ないね。
町を歩いてれば、目立つからきっとすぐ見つかるよね。」
とことことこ。
蒼星石「あの樽なんか怪しいなあ・・・。いかにも雪華綺晶って感じ
がするよ。樽さん。君は雪華綺晶かい?」
439 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/04(土) 08:19:47 ID:BZQL83b0
とことことこ。後ろから足音が。
雪華綺晶「ぼけないでくださいよ。そんな樽が私のわけないでしょう
。」
蒼星石「やあ、しばらく。」
雪華綺晶「何か御用でも?」
蒼星石「雛苺が君を逮捕するっていうから、協力してるんだ。」
雪華綺晶「それはご苦労様なことです。貴方如きが私を捕らえれると
でも?」
蒼星石「こ、好戦的だなあ。」
雪華綺晶「貴方は、どうしてそんな弱気になってしまってるの
です?」
蒼星石「いつも通りだと思うよ。たぶんだけどね。」
雪華綺晶「・・・双子の姉はどうしましたか?」
蒼星石「金糸雀にジュン君をおとりにされて、翠星石が捕まってし
まって、それで何とか取り戻そうと頑張ってるんだよ。」
雪華綺晶「そうでしたか・・。」
蒼星石「そうだ。君ちょっとゾーマ城に行って、翠星石がいるか見て
きてくれないかな?」
雪華綺晶「どうして私が?」
蒼星石「変装得意だって聞いたから。ダメかな?」
雪華綺晶「ダメ。」
蒼星石「そうだよね・・。仕方ない。僕が青いからダメって言うん
だよね。」
雪華綺晶「意味分かりませんよ。第一いるのが分かったところで、
貴方は近づけないと思いますよ。」
440 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/04(土) 08:22:03 ID:BZQL83b0
蒼星石「うん。分かってるよ。だからいたら、僕は元気でやってる
って伝えてくれるだけでいいんだ。」
とことことこ。
雛苺「かわいそうで健気なことなの。ここはヒナ達が一肌脱ぐしか
ないと思うの。」
雪華綺晶「ええー?だって動くのは私なんですよ。たちをつけないで
くださいよ。」
雛苺「私のいうことが聞けないとでも?」
雪華綺晶「いえ・・・そういうことじゃないですが。」
蒼星石「なんだか雛苺に弱いんだね。僕自身をみてるみたいだよ。」
雪華綺晶「妹同盟でも結成しますか?」
蒼星石「妹は辛いよってね。姉の横暴に一途に耐えるのが妹の役割
というものだね。」
雪華綺晶「いつか爆発しますよ。」
雛苺「雪華綺晶の花火が見れるの。」
雪華綺晶「じょ、冗談じゃない。」
蒼星石「無邪気なのが怖いよ・・。」
雛苺「そういうわけで、とっとといってこーいなの。」
雪華綺晶「分かりましたよ・・。いけばいいんでしょ。いけば。
どうしてこんな割に合わないことを・・・ぶつぶつ。」
シュゥゥ。消えていく雪華綺晶。
441 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/04(土) 09:47:09 ID:u3D3GzDi
蒼星石「消えちゃったよ。」
雛苺「雪華綺晶はなんでもありなの。後はうにゅーでも、食べながら
ゆっくりを報告を待てばいいのよ。」
蒼星石「気楽なものだね。」
雛苺「果報は寝て待てというの。ふわあ。お昼寝でもするの。」
蒼星石「うにゅー食べるんじゃないのかい?」
雛苺「それは昔の事なのよ。じゃあおやすみ。」スースー。
蒼星石「自由人すぎやしないかい・・。もう寝てるし・・。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー。
雪華綺晶「じー。」
金糸雀「な、何しに来たかしら?じっと見てないで、何か言っ
たらどうかしら。」
雪華綺晶「貴方は、私の攻撃を回避した上に、さらに私に一撃を
加えました・・・。おかげで私の計画はおじゃんですよ。」
ジュン「ざまあみろ!」
雪華綺晶「品のない人間ですね・・。」
金糸雀「そ、それでカナをどうにかしようとでも?言っておくけど
、この世界で貴方がカナに勝つのは、不可能かしら。」
雪華綺晶「・・・とりあえず宣戦布告だけしておきますよ。
他の姉妹はともかく、私は貴方の存在自体が、そもそも気に入らない
のです。」
金糸雀「酷い言い様かしら・・。一体どうしてカナは、姉妹達から
いつもそんな扱いばっかりされるのかしら・・?」
442 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/04(土) 09:50:02 ID:u3D3GzDi
ジュン「日頃の行いじゃないのか?」
金糸雀「そんなことはないはずかしら。少なくてもジュンよりは上
かしら。」
ジュン「そういうこと言うから、ダメなんだろ・・。」
雪華綺晶「さて・・・ああそういえば、この城に翠星石はいるの
ですか?」
金糸雀「今はいないかしら。捕まえようとしてるところかしら。」
雪華綺晶「ならもう用はありませんね。金糸雀、白い茨にせいぜい
気をつけることです。」
シュウウ。
ジュン「なんだかな・・。」
金糸雀「雪華綺晶を放っておくと、まずいかしら。」
ジュン「あんなやつ、口だけだろ。・・・僕もそろそろ戻るか。
後は任せたぞ。」
金糸雀「ふう・・・。了解かしら。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
シュウウ。
雪華綺晶「みてきましたよ・・・あら?」
蒼星石「どうだった?」
雪華綺晶「・・・・。(お姉様・・・私がこんなに頑張ったのに
寝てらっしゃる・・。)」
蒼星石「どうしたんだい?」
雪華綺晶「あ・・。ええ。そうですね。金糸雀はいました。
翠星石は、脱走したから今捕まえようとしてるところだそうです。」
蒼星石「なんだって?どこに脱走したんだい?」
雪華綺晶「そこまでは分かりませんよ。」
蒼星石「そ、そうだね・・・。ありがとう。」
雪華綺晶「これっ限りですよ。お姉様!お姉様!」ゆさゆさ。
雛苺「うーゆ。もう食べれないの。」
雪華綺晶「どうしようもない方ですね・・。」
台本形式は、あまり長いと読む側はちょっと疲れるなぁ。
世代の違いかも知れないが。
444 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/04(土) 16:25:01 ID:PJ8nG/Ey
>443 僕の場合、読むのも書くのも台本形式でないとやる気が・・・。
頭が軽いのだろうか。
蒼星石「苦労してるようだね。」
雪華綺晶「まあそれなりには・・。」
蒼星石「分かるよ。さて・・じゃあ行こうかな。」
雪華綺晶「当てがないのにですか?」
蒼星石「う・・・。そういえば、僕の相方どこいったんだろう?
何か情報掴んでてくれるといいのだけどね。」
雪華綺晶「相方?」
蒼星石「うん。死神って名前なんだよ。」
雪華綺晶「そうですか。この町でもっと情報集めたらどうでしょう?
酒場などに行ってはいかが?」
蒼星石「そうしてみようかな。雛苺によろしく頼むよ。」
雪華綺晶「またお会いしましょう。青薔薇のお姉様。」
とことこ。ガラガラ。
マスター「いらっしゃい。」
蒼星石「ちょっと聞きたいことがあるのだけど。」
マスター「注文は?」
蒼星石「え?じゃあ紅茶で。」
マスター「はあ?」
蒼星石「な、何か悪い事でも言ったかな・・。」
マスター「・・・・入る店を間違えたんじゃねえか?坊主。」
445 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/04(土) 16:27:43 ID:PJ8nG/Ey
蒼星石「な、なに?」
ジュン「はっはっは。」
蒼星石「あ。死神。こんなところで道草くってたのか。」
ジュン「横に座ってるんだから普通気付くだろ・・。おい、マスタ
ー早く紅茶つげよ。」
マスター「は、はい。ただいま・・・。」
蒼星石「どうやら城には金糸雀しかないみたいらしいよ。翠星石は
脱走したらしい。」
ジュン「ああ・・・。それならもう捕まったぞ。」
蒼星石「え?」
ジュン「ごほん。岩窟城っていう、牢獄の城に閉じ込められてるら
しい。」
蒼星石「聞いたことあるよ・・。こうしちゃいられない。」
ダッ。ガシッ。
蒼星石「なんだい?離してくれよ。」
ジュン「紅茶が冷めるぞ。まあ座れよ。」
蒼星石「早くしないと、またどこかいっちゃうよ。」
ジュン「落ち着けって。一人で突っ走っても仕方ないだろ。
二人で作戦考えようぜ。」
蒼星石「君も一緒に?」
ジュン「暇だからな・・・。それに二人のほうが早く終わるだろ?
」
蒼星石「君はゲストだよね。一度ENDしたら一般プレイヤーで、やり
直しになってしまうよ。」
ジュン「一般プレイヤーか・・・。それも一興かもな。」
蒼星石「本当にいいんだね?」
ジュン「くどいぞ。そんな大げさな事でもないだろ。ただの遊びだ
。」
446 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/04(土) 16:29:51 ID:PJ8nG/Ey
蒼星石「分かった。ありがとう。」
ジュン「礼は早いだろ。」
蒼星石「なんだか君のこと誤解してたよ。」
ジュン「そうか・・。(誤解はしてないと思うぞ。)」
ーーーーーーーーーーーーーーーー。
蒼星石「ぐるっと回ってみたけど、正面門を突破するしかないみたい
だね。」
ジュン「中にどれくらいいるんだろうな。」
蒼星石「相当いるみたいだよ。40人くらいかな・・・。突破した
のが分かったら、きっともっと増えるよ。」
ジュン「時間を置くか?夜にするとか。」
蒼星石「夜のが危険かもね・・。今くらいがたぶんちょうどいいよ
。」
ジュン「ぶち破るか・・・。」
蒼星石「そうだね・・。じっとしてても仕方ない。破った後一気に
駆け抜けて、内門を壊して中に侵入するよ。」
ジュン「分かった。下がっていろ。」
蒼星石「・・・。」
ザザ。
ジュン「換装・・。破城槌。」
447 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/04(土) 16:32:34 ID:PJ8nG/Ey
蒼星石「すごいね・・。」
ジュン「もっと離れてろよ。」
蒼星石「うん。」
ガーン!一撃で粉砕!
ジュン「よし!いくぞ!」
蒼星石「行こう!」
吹き抜ける二つの風。
防衛隊A「来たぞ。矢をお見舞いしてやれ!」
バラバラと降り注ぐ矢嵐。
ジュン「止まって見えるぞ。」
蒼星石「構わず内門へ!」
ジュン「あ、ああ。換装、ロケットランチャー。」
ドッカーン。ぐらぐらと城が揺れる。
蒼星石「急ごう。」
二人の速さに追いつけるものはなく、切り結ぶものは風に吹き飛ば
される。
が・・・。
グサッ!
ジュン「ぐ・・。」
蒼星石「どうしたんだい!」
カラスA「我ら、金糸雀の音速部隊。お前らの好き勝手にはさせん。
」
蒼星石「音速部隊・・。僕らより早いのか。」
カラスA「当然だ。」
448 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/04(土) 16:34:39 ID:PJ8nG/Ey
ジュン「しくじった。先に行け。(なんだって僕は自分の兵の精鋭と
戦ってるんだ?意味が分からない・・。)」
蒼星石「で、でも」カーン。
話してる間にも、音速部隊の波状攻撃は続く。
ジュン「3分だ。」
蒼星石「え?」カンカン。
蒼星石はジュンを後ろに守り庇う。
ジュン「そのくらいなら、もたせれる。」
蒼星石「ぼ、僕が代わる。僕なら6分稼げる。その間に姉を探して
ほしい。」
ジュン「おいおい。水をさすな。今が僕の見せ場だろ。
3分で翠星石を見つけて、ここにもどってこい。」
蒼星石「・・・・ありがとう。」
ダダッ。
カラスA「逃がさん!」
ジュン「お前もな!」ガシュ!
カラスA「ぐわ!」
ジュン「蒼星石か・・・。僕とは違うな。あいつは熱い。」
ガシュガシュ。大鎌がうなる。
カラスB「応援を呼べ!」
わらわら、弓部隊がジュンに迫る。
ジュン「2分か・・・。こんなもんだろ。・・・だがこの扉は
守らなきゃな。せめて後1分は・・。
449 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/04(土) 16:36:24 ID:PJ8nG/Ey
ーーーーーーーーーーーーーー。
タッタッタッタッタ。ガキン!グサッ!
蒼星石「近い・・・。ここか!」
蒼星石は扉を蹴っ飛ばす。蒼星石は部屋の中にいた金糸雀をにらみ
つける。
蒼星石(はずれか・・・。いやそうでもないかも。)
金糸雀「・・・貴方にチャンスをあげるかしら。」
蒼星石「チャンスだって?どういう風の吹き回しだい?」
金糸雀は、そばにあった剣立てからレイピアを抜く。
金糸雀「こんなものかしら・・。さて。ではかかってくるといいかし
ら。カナから一本とったら翠星石の事、考えてやってもいいかしら。
」
蒼星石「まさか僕に対して、接近戦を誘っているつもりなのかい?
もしそうだとしたらいくらこの世界であっても、君は僕には遠く
及ばないよ。」
金糸雀「く・・・くはは・・くはははは。」
蒼星石「な、なんなんだ・・。一体。」
金糸雀「遠く及ばない?ならやってみるといいかしら。」
蒼星石「僕にあわせた武器なんだろうね・・。じゃあ僕もこれでいく
よ。」
蒼星石はレイピアを取り出し、金糸雀に猛攻をかける。
450 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/04(土) 16:38:28 ID:PJ8nG/Ey
切っ先がぶれるほどの突きの連射を、金糸雀はなんと目をつぶって
よけている。
蒼星石「当たらない?」
金糸雀「攻撃が直線的過ぎるかしら。攻撃をいうものは、こういう
ものをいう。」
金糸雀の突きが蒼星石を襲う。
蒼星石「こんな程度!(ガキン!)な、なに?」
金糸雀の突きが蒼星石の頬を掠めた。
金糸雀「・・・ちなみに今のはわざと外したかしら。」
蒼星石(全く同じ点を突くことで、目の錯覚を起こさせたのか・・。
彼女の技は僕の我流とは違う。これじゃまずい。)
金糸雀「たった一撃でもう意気消沈かしら?・・・所詮貴方の思いは
こんなもの。
だから貴方は、姉も救えず、己も救えず、マスターも救えない。
・・・貴方の半端な覚悟は、何者も救えない。そして結果的に
周りのものを傷つける。」
蒼星石「そんなことはない!」
金糸雀「なら行動で証明するかしら。」
蒼星石「それを君が望むなら、僕は本気で君を倒す。」
ジャキ。蒼星石は背負っていた鋏を抜き構える。
金糸雀「アリスゲームって事かしら?」
蒼星石「・・・後はこの庭師の鋏でお答えしよう。」
金糸雀「・・・アリスゲームじゃ分が悪い。ここは退かせてもらう
かしら。」
451 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/04(土) 16:40:13 ID:PJ8nG/Ey
蒼星石「待て!翠星石は?」
金糸雀「この奥の部屋にいるかしら。それではまた会う日までご機嫌
よう。」
シュウウ。
蒼星石「奥の部屋か・・・。罠かもしれないな・・。そういえば
死神のほうは平気かな・・。もう3分以上たってしまってるけど・・
追ってはこない・・。ということは、死ななかったのかな。」
バタン
蒼星石「翠星石・・・。違う。」
翠星石っぽい人形「ざーんねんでした。はずれだよ〜ん。またき
てね。」
蒼星石「全く金糸雀ときたら・・。一体何の目的でこんなことを
してるんだろう・・。」
翠星石っぽい人形「最初からここには翠星石なんていないかしら。
蒼星石ははめられたのかしら。あの死神っていうのは、カナのスパイ
だったかしら。まんまとはまってくれたかしら。」
蒼星石「死神が・・・?そんなわけないよ。ちょっとの間しか
接してないけど、彼はそういうタイプの人間じゃない。」
翠星石っぽい人形「ははん?お幸せな頭かしら。ふふ・・。ちなみ
にこれは爆弾になってるかしら。後1分で爆発するかしら。
早く逃げないとぺしゃんこかしら。おーほっほっほ。」プツン。
蒼星石「本当に彼女は一体何がしたいんだろう・・・。とにかく
戻ろう。」
シュン!
蒼星石「すごいな・・・。これ一人で全部やったのか・・。
でも姿が見えない。先に帰ったのかな・・。」
おお、新作乙です。
>>431にある、「>220の続きと回想 」が、一体どこのことだかわからないんだが。
ここのレス番220は作者さまの投稿前だし、シベリアの220はもう電脳世界編ではないし。
453 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/04(土) 18:53:28 ID:PJ8nG/Ey
>>452 非常に申し訳ないです。
420の続きでした。
あの420までの話の続きとか、回想とかです。今は電脳世界にいるとき
語られてないドール達やジュンは何をしていたかというとことです。
454 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/04(土) 18:54:28 ID:PJ8nG/Ey
ゴゴゴゴゴ。
蒼星石「大丈夫。きっと彼なら・・。爆発する前にここを出よう。」
シュン!
ーーーーーーーーーーーーーーー。
蒼星石は、その後嫌がらせのように、金糸雀配下の城を潰しまくって
いた。
蒼星石「変だな・・・。死神と全く会わない。戦場にいればそのうち
ひょっこり再会すると思ったのだけど・・。
やっぱりあの時ENDしちゃってそのままもうゲームしてないのかな
・・・。」
戦士A「がらあきだぜ!」ドガッ!
蒼星石「いてて・・・。なにするんだよ!もう!」グサッ!
戦士A「ぎょえ・・。」
蒼星石「全く人が考え事してるときに・・。無粋な人たちだよ。」
仲間A「お、おい。青い旋風さんよ。どうでもいいが戦いに集中して
くれねえかな・・。」
蒼星石「そういわれてもね・・。最近死神の噂聞かないね。」
仲間A「ああ・・・。あんなやついなくなってせいせいしたがな。」
ザザッ。
ジュン「おいおい・・・。そんな嫌わなくたっていいだろ。」
仲間A「げ・・。」
蒼星石「久しぶりだね。」
455 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/04(土) 18:56:49 ID:PJ8nG/Ey
ジュン「姉と再会はできてないみたいだな・・。」
蒼星石「うん。なかなか厳しいよ。」
ジュン「また組んでもいいぞ。」
蒼星石「そうかい?ならお願いするよ。」
仲間A「お、おい。あんたら。戦場の真ん中でのほほんと会話する
なよ。働け。」
ジュン「・・・・悪いが、僕は防衛側なんだ。ほら。後ろ見てみろ
よ。」
ジュンの後ろには、攻め側先鋒隊の屍が並んでいる。
仲間A「ひ、ひいー。お助けー。」ダダッ。
仲間B「し、死神が帰ってきやがった・・。」
ジュン「なんなんだよ。それは・・。僕はどれだけ嫌われてるん
だ。」
蒼星石「日頃の行いの賜物だね。」
ジュン「そんな悪いことしてないような気がするが。」
蒼星石「自覚がないのは病気だよ。」
ジュン「とりあえずどうする?」
蒼星石「行こうか。」
ジュン「どこに?」
蒼星石「翠星石のいるところだよ。」
ジュン「当てはあるのか?」
蒼星石「ないよ。だから君を待っていた。」
456 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/04(土) 19:01:58 ID:PJ8nG/Ey
蒼星石「困ったね・・。」
翠星石「ですぅ・・。」
ザザ。
ジュン「うまくやったな。」
蒼星石「あ・・。うん。そうなんだけどね・・。」
翠星石「ですぅ・・。」
蒼星石「翠星石の様子がおかしいんだよ。」
ジュン「・・・それは呪いだ。」
蒼星石「呪い?」
ジュン「その呪いにかかると、話す言葉が語尾だけになる。
例えば真紅だとだわになる。」
蒼星石「なぜ君が真紅の事を知ってるんだい?」
ジュン「・・・・そこはスルーしておけよ。」
蒼星石「僕がその呪いにかかるとどうなる?」
ジュン「そんなこと僕が知るわけないだろ。知りたいならかかって
みればいいじゃないか。」
蒼星石「別に知りたいとは思わないよ。」
ジュン「じゃあ聞くなよ。」
蒼星石「水銀燈がかかるとどうなるんだろうね?」
ジュン「しつこいな・・・。もっと他に聞くべき事があるだろ。」
蒼星石「例えば?」
ジュン「元に戻す方法は?とか。」
蒼星石「元に戻すにはどうしたらいいんだい?」
ジュン「本体を探せばいい。今いるのはダミーだからな。」
457 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/04(土) 19:06:51 ID:PJ8nG/Ey
蒼星石「こうやって上目遣いでじーっと見つめて上げる。(じー)
どうだい?かわいすぎて思わずなでたくなってくるんじゃないかい
?」
ジュン「お前・・・。なんという自意識過剰。人形の分際で・・。
まあそうだな。素直に感想いわせてもらうと、なかなか乙なもの
だ。」
蒼星石「じゃあ教えてよ。」
ジュン「もっとなんかしろよ。」
蒼星石「わがままだね・・。」
ジュン「どっちがだよ・・。」
蒼星石「じゃあウインクしてあげる。」パチン!
ジュン「ぐ・・。(グサッ。)何かが突き刺さった感覚がする・・。
い、いいだろう。その努力に免じて特別に教えてやろう。」
蒼星石「やったー!」
ジュン「翠星石は、サハラ砂漠で延々とほっつき歩いている。」
蒼星石「なんだってそんな場所に?」
ジュン「さあな。とにかくそこにいけばいい。」
蒼星石「よし!行こうか。」
458 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/04(土) 19:11:31 ID:PJ8nG/Ey
ジュン「僕もついていく前提かよ・・。大体僕が何かいろいろ知っ
てる事について疑問に思わないのか?」
蒼星石「調べてくれたんだよね?君って僕にべた惚れだから見えない
部分で頑張ってるんでしょ。」
ジュン「はあ・・・?平和な頭だな・・。」
蒼星石「照れない。照れない。」
ジュン「はいはい・・・。(そもそも翠星石に呪いかけたのも、
砂漠に幽閉したのも僕なんだが・・。何の因果でこんなことする
破目になるんだか。)」
蒼星石「じゃあこのダミー品は「収納」しておこう。
アイテム扱いだね。さて、一番近い場所まで飛ぼうか。」
ジュン「じゃあ「カルカト」まで飛ぶか。」
蒼星石「いったことあるのかい?」
ジュン「ああ・・・。いくぞ。「同行」」
ピューン。
ブワア。
ジュン「ぺっぺ。いきなり砂嵐の歓迎だ。」
蒼星石「砂だらけだね。日差しが強い。」
ジュン「ラクダでも借りていくか。」
蒼星石「遊びに行くわけじゃないんだよ?」
459 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/04(土) 19:17:27 ID:PJ8nG/Ey
ジュン「・・・そうか。ならやめとくか。」
蒼星石「いや借りないとはいってない。」
ジュン「意味が分からん・・。借りていいんだな?」
蒼星石「うん。1頭でいいよ。」
ジュン「おい・・・。」
蒼星石「二人で乗るんだよ。僕は小さいから。」
ジュン「本当だろうな?」
蒼星石「うん。」
ジュン「後になって、僕に降りろとかいわないよな?」
蒼星石「なんだか人間不信なんだね。そんなこというわけないじゃ
ないか。」
ジュン「はっきりいうぞ。僕はラクダに乗りたい。分かったか?」
蒼星石「凄く念を押すね・・・。」
ジュン「ああ・・・。こうやって念を押さないで、酷い目に合った
ことが何度もあるんでな。」
蒼星石「そ、そうなのかい?あまりいい人生じゃないんだね。」
ジュン「放っとけ。お前よりはましだよ。」
ザザ。
ジュン「おーい。ラクダ1頭借りてくぞ。」
管理者「へーい。」
ジュン「ここに金置いとくからな。・・・なんだかずさんだな。
大丈夫なのか・・。」
460 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/04(土) 19:21:10 ID:PJ8nG/Ey
ザザ。
ジュン「ん?蒼星石のやつ。ここで待ってろといったのに・・。」
トコトコ。
蒼星石「あっ。ごめん。」
ジュン「どこいってたんだ?」
蒼星石「ちょっと買い物をね。それじゃ乗ろうか。」
ピョン。
ジュン「どっこいしょっと。」ドスン。
ラクダ「グガアー。」トコトコトコ。
蒼星石「老人みたいだね。」
ジュン「うるさいよ・・。いちいち茶々入れるな。さあいくぞ。」
蒼星石「砂漠に?」
ジュン「そうだな・・。さすがの僕も砂漠のどこにいるかまでは
分からないからな。ただ砂漠の外にはでれないはずだ。」
蒼星石「うーん。困ったね。」
ジュン「ラクダ君の気の向くままに行けばいいだろ。僕はちょっと
寝るからな。」
蒼星石「器用だね・・。でも寝ちゃダメだよ。」
461 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/04(土) 19:24:01 ID:PJ8nG/Ey
ジュン「なんでだよ・・。」
蒼星石「僕が暇になるからね。」
ジュン「わがまますぎるぞ・・。」
蒼星石「いいじゃないか。けちだね。」
ジュン「ん?サングラスか。」
蒼星石「さっき買ったんだよ。」
ジュン「ふーん。」
蒼星石「君はいつもその髑髏の仮面つけてるね。」
ジュン「トレードマークだよ。」
蒼星石「どんな素顔なんだろう。」
ジュン「それを聞くなら僕はもう協力しないぞ。」
蒼星石「わ、分かったよ。ごめんよ。」
ジュン「・・・なあ。」
蒼星石「ん?」
ジュン「なんだあれ?ほら・・。前みてみろよ。」
クルッ。
蒼星石「砂のお城だね。」
462 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/04(土) 19:26:11 ID:PJ8nG/Ey
ジュン「砂のお城ってでかさじゃないだろ・・。なんだあれは。
バベルの塔か?」
蒼星石「上が見えないね・・。多分ここに翠星石がいるんだろうね
。」
ジュン「分かりやすいな・・。でもそうなんだろうな。」
蒼星石「案外楽しくやってるのかな?」
ジュン「かもしれない。入ってみるか・・。ラクダはここにおいて
おこう。」
蒼星石「待って。インターホンがあるみたいだよ。」
ジュン「え?」
蒼星石「ほら・・。押してみて。」
ジュン「お前が押せよ。」
蒼星石「嫌だよ・・。早く押しなよ。」
ジュン「・・・。」ポチッ。ピンポーン。
ガチャ。
*「どちらですぅ?」
蒼星石「あっ!蒼星石だよ!」
*「蒼星石ってなんでしたっけ?」
蒼星石「ほら!君の双子のかわいい妹の!」
463 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/04(土) 19:27:42 ID:PJ8nG/Ey
*「うーん・・・。長い間ここにいたから良く覚えてねえです。」
ジュン「青いやつだ。」
*「あー・・。確かにそういう青い妹がいたですぅ。今思い出した
ですぅ・・。はっ!そ、蒼星石って、あの蒼星石?」
蒼星石「そ、そうだよ!その蒼星石!」
*「な、なんてこった!」ガシャン・・。ドッドッド。
蒼星石「す、翠星石?どうしたんだい?」
ジュン「今に来るだろ。」
ガラッ!
翠星石「そ、蒼星石!」
蒼星石「翠星石!会いたかった!」
ガバッ。
翠星石「いやー。もう死んじまったかと思っちまったです。」
蒼星石「僕も死んだーって思ったけど、なんだか知らないが生
きてたよ。」
翠星石「いやー?お前はもう死んじまってるですよ?薄情にも自殺
しやがったです。」
蒼星石「な、なにー!なんだってー!」
翠星石「そんなことも気付かなかったですか・・。マヌケですぅ。
」
464 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/04(土) 19:29:10 ID:PJ8nG/Ey
蒼星石「お、思い出してきた・・。そうだ。それで僕が自殺したの
はいいものの。君がのろまで愚図なせいで水銀燈に、僕のローザ
ミスティカとられたんだったね!」
翠星石「ぐ・・・。」
ガヤガヤ。
盗賊A「あの・・・姉御?そちらの方は?」
翠星石「な、な、なんです?お前達はでてくるなといったのに・・。
」
盗賊A「そういわれても気になっちまって・・。」
翠星石「うっせーです。」
蒼星石「なんだい。そのいかにも悪人ですみたいな人たちは。
翠星石の友達かい?」
翠星石「それをいうなら、その胡散臭い犯罪者みたいな連れはなん
です?」
ジュン「・・・・再開できてよかったな。じゃあ僕・・・俺はもう
行くぞ。」
蒼星石「ま、待ってよ。冷たいじゃないか。」
ジュン「後は姉妹で仲良く再会を祝えよ。」
翠星石「ちょーっと待つです。」
ジュン「・・・・なにか?」
>>453 ああ、単純なレス番間違いか。
この作品の投下された全投下レス数の220番あたりにここにつながるような続きを省略された展開があるかと思ったぜ。
台本形式自体は否定しないが、この作品(電脳世界編)は会話でしか情報を示せない台本でやるには舞台設定が特殊すぎないか?
いまだにどうして作中で戦争やってるのかとか、ローゼンキャラだけ以上に強いのは装備が良いからなのかレベルが高いからなのかとか、
(ゲームマスター側のジュン・金はともかく、プレイヤー側のドールズまで他のプレイヤーより圧倒的に強い理由がわからん)
読者側には良く判らないことが多すぎる。(作中でちゃんと記述があったならゴメンね。でも俺が何度か読んでも覚えてないってコトは、読者には上手く伝わってないよ。)
466 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/05(日) 06:59:15 ID:vOVo6oDT
なるほど・・・。そういう設定を考えるのも醍醐味・・・にはなりませんよね。
すみません。
確かにどうして戦争してるのかは、書いてなかった。
ローゼンキャラが強いのは、「生身」だからです。
そこら辺も確かによく分かりにくいかもしれない。
生身で金糸雀の「最後の審判」(強制移動)システムで拉致されて、地上に
あるどこか(ハンターハンターのグリードアイランド設定。)に飛ばされ
てるのです。
このどこかというのは、恐らく地下。
ジュンが、電脳世界後やたら強くなってるのも、生身の体験だったからです。
じゃあ生身のローゼンメイデンは強いのか?
電柱引っこ抜いて投げたり、日本刀で斬っても傷一つ負わない程度強い。(対象真紅で作中実験。)
ただし、燃やされたり紅茶かけられると熱いとわめく矛盾。
一応書いてはないけど強さの限界的に、核ミサイル落とされても、水銀燈
なら余裕。他のドールも何とか生き残れる。
雛苺だけ消えるかもしれない。レベルです。強さについてはこの後多少分かる記述がでてきます。
ともかく最後まで、投稿してその辺のところは自作調整しますが、戦争の件
だけはちょっと加えたほうがいいように思われる。
毎度ありがとうございます。
あっ。装備についてなんですが。水銀燈は「鎧のおかげ」で助かったとか
言ってるけど、彼女自身が強いだけで鎧はただの足手まといです。(設定ではそうしてる。)
でもみんなは、凄い鎧だ!と思い込んでいる。
467 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/05(日) 07:15:50 ID:vOVo6oDT
戦争についての説明。
蒼星石「死神、そういえば一つ聞きたいのだけど。」
ジュン「なんだ?」
蒼星石「どうしてこの世界の人たちは戦争ばかりしてるんだろうね?」
ジュン「なんだ。そんなことも知らないのか。」
蒼星石「死神は知ってるのかい?」
ヒューン!
金糸雀「くはははは。殺戮と破壊!それが人間のさが!に決まってる
かしら!」
ジュン「だあー!お前の出番はまだだ!」
金糸雀「ありゃ?そうだったかしら?」
ジュン「いいから引っ込んでろ!」ガシュッ。ガシュッ袋に押し詰める。
金糸雀「むぎゅ・・。」
蒼星石「今の黄色いのなんだろうね?」
ジュン「さ、さあな・・。いいか。よく聞けよ。」
468 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/05(日) 07:17:33 ID:vOVo6oDT
蒼星石「うん。」
ジュン「まずこの世界には、ギルドというものがある。
言ってみればパーティみたいなものだ。
仲間の寄り合いとも言う。僕やお前はこれに属していない。」
蒼星石「それで?」
ジュン「このギルドが、各地にある城を巡って戦争してるわけだ。」
蒼星石「それは分かったけどだからどうして戦争するんだい?」
ジュン「それはな・・・。そこまでは知らん。男のロマンだからじゃ
ないのか?まあ別に戦争するだけがこの世界の楽しみではない。」
蒼星石「ふーん。」
ジュン「僕やお前は「傭兵」といって、金で雇われたり、逆にこっちが金が払って
一時的にギルドの戦力に加えてもらったりする。」
蒼星石「よくやってたよ。」
ジュン「そんなところだ。分かったか?」
蒼星石「結局どうして戦争してるんだい?」
ジュン「僕に聞くなよ。やってるやつに聞け。」
蒼星石「役に立たないね・・。それじゃ何も言ってないのと同じだよ。」
ジュン「お前な・・。そんなこというとついてってやらないぞ。」
蒼星石「そ、そうはさせない。」ジャキ!
ジュン「な、なんだ・・・。は、鋏で脅そうたってそうはいかないぞ
!」
蒼星石「でやー!」
ジュン「ぐわーーー!」
彼らの物語はまだまだ続く。
説明終わり。
469 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/05(日) 07:21:25 ID:vOVo6oDT
翠星石「お前・・・ジュンですね?」
ジュン「な、何をわけの分からぬことを・・。」
盗賊A「あ、姉御・・。あっしらはどうすればいいんで?」
翠星石「うっせーといってるです!お前らなんか翠星石はしらねえ
です!しっし!あっちにいってろです。塔から出てくるなです。」
盗賊A「ひでえよ・・・。」
蒼星石「知り合いじゃないのかい?」
翠星石「す、翠星石が盗賊なんかと知り合いなわけねえです。」
蒼星石「そう・・。」
翠星石「そんなことより・・・。ジュンですよね?仮面とってくれ
ねえです?」
ジュン「・・・あばよ。」
蒼星石「わー!そうはさせないよ!」
ガシッ。足を掴む。
ジュン「離せ。」
蒼星石「嫌だ!」
ジュン「もう俺に用はないだろ。」
蒼星石「だってせっかく姉に会えたのに・・。」
ジュン「だから・・・俺はもう行くぞ。」
470 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/05(日) 07:24:06 ID:vOVo6oDT
翠星石「あわわ・・・。なんか気に障ったです?」
蒼星石「ウィンクしてあげるから!」
ジュン「む・・。」
翠星石「ウィンクってなんです?」
蒼星石「ほら。」パチン!
翠星石「どっひゃー・・・!時が巡る・・。」
ドッカーン。後方に大きく吹き飛ぶ翠星石・・・。ドスン。
盗賊達「お、おかしらー!」
がらがら。翠星石を囲む盗賊達。
翠星石「わ、わが生涯にいっぺんの悔いなし・・。」
ジュン「意味が分からんぞ・・。」
蒼星石「どうしたんだろうね?」
盗賊A「き、貴様ら!よくも姉御を!」
ジュンたちを取り囲む盗賊達。
蒼星石「・・・やる気のようだけどどうする?」
ジュン「どうするってな・・・。それより吹き飛んだ翠星石が
ものすごく気になるんだが。」
蒼星石「ちゃッちゃと終わらす?」
ジュン「おいおい・・・。罪もない一般市民をいじめるなよ。」
盗賊A「ふ、ふざけやがって・・・砂賊をなめるなよ!」
蒼星石「へえ・・。そうかい。じゃあ君達、悪者だね。死んでもら
うよ。」
471 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/05(日) 07:25:19 ID:vOVo6oDT
ジュン「だからちょっと待てというのに・・。」
盗賊A「やっちまえ!姉御の仇だ!」
わらわら。わー。
蒼星石「醜いね・・。」グサッ。
盗賊A「ギャ!」ドスン。
盗賊B「う、うお・・・。こ、こいつ。下手にでてればつけあがりや
がって。もう我慢ならねえ。やっちまえ!」
ジュン「はあ・・・。仕方ない。」
蒼星石「背中は任せたよ。」
ジュン「お前・・・人使い荒いよ。(金糸雀が恋しいな・・。)」
ドカッ。グサッ。
盗賊B「ウギャー!」
盗賊C「ドワッ!」
蒼星石「ふっ・・・。」シュン!
ジャキン!グサッ!ドカッ!
駆け巡る青い旋風。吹いた後には、草も残らず。
蒼星石「悪い芽は刈らないとね・・・。でないと良い芽が育たない
から。」
472 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/05(日) 07:28:36 ID:vOVo6oDT
ジュン「翠星石まで吹き飛ばしてるぞ。」
蒼星石「え?」
ジュン「ほら砂の塔に引っかかってる。」
蒼星石「あわわ。」
慌てて翠星石を引きずり降ろす蒼星石。
蒼星石「しっかりするんだ!翠星石」ゆさゆさ。
翠星石「う、うーん・・・。心臓止まるかと思ったですぅ。」
蒼星石「どういう意味だい・・。」
翠星石「つまり蒼星石がかわいかったってことです。翠星石の心臓
に直撃だったですぅ。」
蒼星石「ふっ・・・当然だね。」
ジュン「あ・・・そう。じゃあ僕はもう行くからな。」
翠星石「待つです。」
ジュン「やだよ。」
蒼星石「ま、待ってよ・・。見捨てないで?」じー。
ジュン「むう・・。もう姉に会えたんだからいいだろ。」
翠星石「はっ!わかっちまったです。閃いたです。」
473 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/05(日) 07:29:53 ID:vOVo6oDT
蒼星石「どうしたんだい?」
翠星石「お前はジュンなんかじゃねえです!愚かなチビ人間は
一発で見破られるのに変装して正体を隠してやがるです。
それを翠星石にばれるといじけやがるものですから、騙されたことに
してやるです。
だからお前はジュンじゃねえです。」
ジュン「あのな・・・。俺はそのジュンってやつでもないしチビ人間
とかいうやつでもないぞ。」
蒼星石「そうだよ。彼は死神って名前なんだ。」
ジュン「いや・・・名前じゃないけどな。まあ名前でいいよ。もう
。」
翠星石「じゃあチビ死神。」
ジュン「わざわざ露骨にチビをつけるな。」
蒼星石「翠星石。ここは穏便に・・・ねっ?」
翠星石「全く仕方ねえですね。お遊びに付き合ってやるです。」
ジュン「ちっ・・・だから嫌だったんだ。でどうするんだ?」
蒼星石「カルカトまで行こうか。」
翠星石「あー。翠星石はこの砂漠からでれねえんですよ。」
蒼星石「ああ・・・。そうだったっけね。」
ジュン「ダミーと合体させれば呪いは解けるぞ。」
蒼星石「そうなんだ。よーし。」ガサゴソ。
ポンッ。
474 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/05(日) 07:31:49 ID:vOVo6oDT
翠星石のダミー「ですぅ。」
翠星石「・・・。」
翠星石のダミー「ですぅ。」
翠星石「なんかむかつくです。」
蒼星石「・・・気持ちは分からないでもないよ。でどうするんだ
い?」
ジュン「さわったらいいよ。」
翠星石「えっと・・。じゃあ・・。」サワッ。
翠星石のダミー「おめでとうですぅ。呪いが解除されたですぅ。
ですぅ。ですぅ。ですぅ・・・。」
シュウウ。消えていく。
翠星石「なんだか馬鹿にされた気分ですぅ。」
ジュン(にやにや)
翠星石「・・・何笑ってるです?」
ジュン「ん?なんだ?言いがかりはよせ。」
蒼星石「ラクダに乗って帰ろうか。」
ジュン「なあ・・。どうせ僕乗れないよな?」
蒼星石「うん。」
ジュン「行く前にあれだけ乗りたいって言ったよな?念も押した
よな?」
475 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/05(日) 07:33:04 ID:vOVo6oDT
蒼星石「うん。」
翠星石「何の話です?」
蒼星石「なんでもないよ。行こうか。死神は徒歩ね。」
ジュン「はあ・・帰りた・・」
蒼星石「帰っちゃダメだよ。ラクダの後ろについていけばいいじゃ
ないか。」
翠星石「もしかしてここにくるときは、一緒にラクダに乗ってき
たですか?」
蒼星石「うん。」
翠星石「ふてえ野郎です。翠星石のかわいい妹を何誘惑しようと
してるですか。こいつめ!」ゲシッ。
ジュン「いて!」
蒼星石「ははは・・。仲がいいね。さあ行こうか。後はのんびりと
この世界を楽しむ事にしよう。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
翠星石「はあ・・・。何でこんなことになっちまったですかね。
あの時はあんなにかわいかったのに・・。」
ジュン「分からん・・。予備メイデンのせいかもしれないな。」
翠星石「いつになったら効力切れるんです?」
476 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/05(日) 07:35:08 ID:vOVo6oDT
ジュン「分からん・・・。というか蒼星石が復活して喜んでただろ?
何でなんか消えてほしいみたいな発言するんだよ。」
翠星石「だって・・・。なんかあの蒼星石変です。」
ジュン「確かに・・・。」
雪華綺晶「私にいい考えがありますよ。」
ジュン「なんだ?言ってみろ。ちなみに神社に収めるってのはなし
だぞ。」
雪華綺晶「蒼星石があんなにすぐ切れるのは、服装と言動のせいで
す。言葉の乱れは心の乱れですよ。」
翠星石「つまり?」
雪華綺晶「まだ分からないのですか?・・・はあ呆れる。」
ジュン「すまん・・。僕にもよく分からない。」
雪華綺晶「・・・・。」
翠星石「もったいぶらねえでさっさとはけです。ゲテモノドールの
癖に。」
雪華綺晶「つまり、蒼星石を女の子らしくすればいいのですよ。」
翠星石「何いってるです。蒼星石は十分女の子らしいです。お前
こそ、もうちょっとおしとやかになったらどうです?チビ人間も
そう思うですよね?」
ジュン「やめてくれ。そういう返答に困る同意を求めるのは。」
雪華綺晶「私、女の子らしくないですかね?」
あれ、なんか急に場面変わったな、支援。
あと、説明乙。
設定厨なもんでどうしても舞台設定が気になっていた。
478 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/05(日) 20:52:42 ID:QUyW8En2
>>477 今回はいきなり場面が変わりまくります。
設定的に、翠星石の記憶を追っていって、最後に翠星石独りだけになるまで
続ける・・・つもりだったけどたぶん全然そこまで行かない。
支援、ありがとうございます。
479 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/05(日) 20:54:08 ID:QUyW8En2
ジュン「そんなことより蒼星石をどうするかだろ。」
翠星石「今は一階で雛苺と遊んでるみてえですが・・。」
雪華綺晶「まず一人称を僕から私に変えたらどうでしょうね?」
翠星石「はあ・・・・。」
雪華綺晶「なにか?」
翠星石「お前はちっともわかってねえです。浅はかです。安易です。
短絡的です。お前は本当に何も分かっちゃいねえです。」
雪華綺晶「意味分かりません。」
翠星石「一人称が僕だからいいんじゃねえですか。」
雪華綺晶「呆れた姉馬鹿ですね・・。」
翠星石「ジュンはどう思うです?」
ジュン「いや・・・僕に聞くなって、ともかく僕は逃げるからな。
後よろしく。」
ガシャン!窓を割って庭に飛び降りるジュン。
水銀燈「あ・・・。真紅。窓ガラスが割れたわぁ。」
真紅「どうして私にいうの?」
水銀燈「だって窓ガラス直すのが貴方の仕事でしょ?」
480 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/05(日) 20:56:07 ID:QUyW8En2
真紅「いつからそうなったの?」
雪華綺晶「いいからとっとと直しなさい。」
翠星石「そうです。そして二人で本ばっかり読んでないで会議に
参加してほしいです。」
真紅「ぐすん・・。なんだか私の存在がこの家でどんどん軽くな
ってるのだわ・・。なぜか、水銀燈もちゃっかり居候してるし・・
。」
水銀燈「そ、そんなことないわぁ。この家は真紅があってこそよ。
ねえそうでしょ?みんなそう思うでしょ?」
雪華綺晶「さあ・・。」
翠星石「別にどうでもいいんじゃねえです?」
真紅(ずーん・・・。)
水銀燈「惨めねえ・・。ぷぷっ・・・。」
真紅(ギロッ!)
水銀燈「ご、ごほん・・・。い、いい天気ねぇ。真紅。」
真紅「だから?」
水銀燈「だから・・・なんなんでしょうね?」
翠星石「ともかく、蒼星石をどうにかしないといけねえわけです。」
雪華綺晶「ジュンがかわいそうですね。」
水銀燈「うーん。別にあの人間がどうなろうと私は知った事では
ないわぁ。」
481 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/05(日) 20:58:16 ID:QUyW8En2
雪華綺晶「そんなこというと輪の中に入れてあげませんよ。」
水銀燈「おばかさん。なーんだって私が貴方達とそんな馴れ合い
しないといけないのぉ?」
雪華綺晶「はいはい。おばか銀燈は放っといて、みんなで仲良く会議
しましょうか。ほら、赤薔薇のお姉様もこっちにきなさい。」グイッ
真紅「え、ええ・・・。(チラッ。)」
水銀燈「裏切る気?」
真紅「そ、そんなこといわれても・・。」
翠星石「と、ともかく水銀燈は、私達の一番年長で頼りになる姉で
すぅ。だから協力するですよ。」
水銀燈「這いつくばって「ワン」といえば考えてあげないことも
ないわぁ。」
翠星石「な、何で翠星石がそんなことを・・。」
水銀燈「おっとっと!違うわぁ。そっちの生意気な末妹のほうよぉ。
」
雪華綺晶「ふんっ。」プイッ。
水銀燈「まあ・・・。なんてむかつくのぉ。あの態度。」
翠星石「こ、これじゃあ話がちっともすすまねえです。真紅が
ちゃっちゃっとまとめて片付けちゃってほしいです。」
真紅「え?私が?」
翠星石「そ、そうです。こういう時頼りになるのは、真紅しかいねえ
です。」
482 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/05(日) 21:01:31 ID:QUyW8En2
真紅「お、おおお、おおおお。(ゴゴゴゴゴ・・・。)」
翠星石「あ・・あれ?」
雪華綺晶「なんだか様子がおかしいですね。」
水銀燈「何か生まれそうな・・?」
真紅「おおおおおっしゃー!この第五ドール真紅が、ちょいして
、ぽいして、ぐるっと、まとめて片付けるわ!」
水銀燈「なにを?」
雪華綺晶「意味が分かりませんね。」
翠星石「ちゃっちゃっとやっちまうですよ!真紅!」
真紅「ふふ・・。そうその通り。このポジションこそ至高たるこの
わたくしのポジション。でなんだっけ?」
翠星石「蒼星石を切れにくくするってことを、みんなで考えてほしい
です。」
真紅「よし、みんな。考えるのだわ!」
水銀燈「だからどうして私が・・。」
真紅「いいから!(グルグル!腕をぐるぐる回す。)考えるのだ
わ!」
水銀燈「う、腕をグルグルさせてどういうつもり?まさか・・・?
」
翠星石「アンパンチですぅ!別名絆パンチ!」
真紅「どう?」
水銀燈「わかったわぁ・・。だから殴らないでね?」
483 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/05(日) 21:02:52 ID:QUyW8En2
真紅「雪華綺晶も、意地悪ばっかりいうと「殴る」わよ?」
雪華綺晶「や、やめてくださいよ・・・。なんだって殴るなんて
いうんですか?」
真紅「ともかく(グルグル!)いうこと聞かないと、紅茶ぶっかけて
殴るのだわ!」
雪華綺晶「わ、分かりましたよ・・。暴力反対ですよ・・。全く。」
真紅「なにか?(グルグル!)」
雪華綺晶「ひ、ひい・・・。そのグルグルするのやめてください。
なんだか凄い威圧感が・・。」
真紅「そうね・・。私としたことが・・。さてみんなで考えましょ
うか。・・・で何を考えるんだっけね?」
翠星石「蒼星石を切れにくくする方法ですぅ。」
真紅「カルシウム取ればいいのだわ。」
翠星石「真面目にやってほしいですぅ・・・。」
真紅「そういわれても・・・。他に意見ある人いる?」
雪華綺晶「さっきから言ってるように、女の子らしくおしとやかに
なってもらえばいいと思うのですが。」
水銀燈「茶道でも習うとか?」
真紅「いい案ね。採用するわ。翠星石、蒼星石をつれてきなさい。
私が茶道を教えるわ。」
484 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/05(日) 21:07:21 ID:QUyW8En2
翠星石「え?真紅は茶道なんてできたです?」
真紅「私にできないことはないわ。早くつれてきなさい。」
雪華綺晶「(ひそひそ)き、気をつけてくださいよ。あんなこと
いってるけど、テンションが高くてのりのりだから適当なこと
いってるだけですよ。」
翠星石「(ひそひそ)す、翠星石もものすごくそう思うですぅ。
どう考えても真紅が茶道なんて知ってるわけねえです。」
真紅「早く!早くしなさい!(グルグル!)」
翠星石「わ、分かったです・・。とんでもねえことになっちまった
ですぅ・・。」
水銀燈(金糸雀なら知ってそうな気がするわぁ・・・。でも今
そんなこといったら真紅の面目丸つぶれだし、殴られると痛いから
言わないでおくわぁ。)
ーーーーーーーーーーー。
蒼星石「おい・・・。あのな?僕にも限度があるんだよ?」
翠星石「つ、連れてきたですぅ・・。」
水銀燈「どうしてそんな最初から切れ気味なのぉ?」
雪華綺晶「切れ気味というか、もろ切れてますよね。」
翠星石「な、なんかチビ人間がこの部屋にいないことが気にいらねえ
みたいですぅ。」
雛苺「ヒナもいるのよ。」
485 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/05(日) 21:08:53 ID:QUyW8En2
真紅「ご苦労ね。おかげでみんなで有意義に話し合いができたわ。」
雪華綺晶(主に貴方は腕をグルグルさせてただけでしたね。)
蒼星石「それでな・・。ともかく限度があるんだよ・・。
どうしてくれる?」
真紅「さあ!蒼星石!私の茶道レッスンを受けるのだわ!(グルグル
!)」
雛苺「ヒナも受けるの!」
翠星石「ああー!余計なこといわないでいいです!」
真紅「ほう・・。いい案ね。じゃあみんな受けるといいのだわ。」
水銀燈「え?みんなって?」
真紅「・・・・貴方は相変わらず愚鈍ね。つまりここにいるみんなが
私のレッスンを受けるってことよ。」
蒼星石「ちぇっちぇっ。そんなに青いのが嫌かよ!あてつけ
かい?」
真紅「さてと、とりあえず紅茶を飲むのだわ。雛苺、全員分の紅茶
を用意するのだわ。」
雛苺「うーい。」
雪華綺晶「あっ。私も行きます。」
翠星石「あんのー。」
真紅「何か質問でも?」
翠星石「とりあえず蒼星石がカオスな事になってるので、直してや
ってほしいです。」
486 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/05(日) 21:13:01 ID:QUyW8En2
蒼星石「いいよね・・。翠星石はさ。そりゃ僕は青いよ?だから
どうしたっていうんだい?」
翠星石「しょ、しょえ・・・。し、真紅なんとかしてほしいです・
・。」
真紅「分かったわ。ほら雛苺。早く蒼星石の相手をするのだわ。」
水銀燈「雛苺は紅茶を注ぎにいったわよぉ。」
真紅「じゃあ貴方がやればいいでしょ?本当にうすのろね。
早くしなさい。」
水銀燈「え?何で私が・・。」
真紅「・・・。(グルグル!)」
水銀燈「そ、蒼星石。お姉ちゃんにたんと甘えなさぁい。」
蒼星石「お姉ちゃん?君が?僕の?」
水銀燈「え・・・多分そうだったと思うわぁ・・。」
蒼星石「ふーん。君が僕のお姉ちゃんね。へえそうかい。じゃあ
妹のためにジュン君の一人や二人連れてきたらどうなんだい?」
水銀燈「え?」
蒼星石「え?じゃないんだよ。愚図!」ドカッ!
水銀燈「いったぁい・・。」
487 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/05(日) 21:15:03 ID:QUyW8En2
蒼星石「僕のローザミスティカ横取りしやがて、何がお姉ちゃんだ
よ。
そんなこというなら君のローザミスティカ僕にちょうだいよ。
それでチャラにしてあげるからさ。」
水銀燈「え?でもぉ・・・。」
蒼星石「別に期待はしてないよ。君程度で僕の姉なんて名乗らないで
くれるかな?僕が穢れるからね。」
水銀燈「ひ、ひどぉーい・・。お、覚えてなさぁい。びえーん!」
ダダッ。ガバッ!
水銀燈「な、なにするのよぉ!翠星石!離しなさぁい!」
翠星石「い、いやですぅ。水銀燈がいっちまったら、まともなのが
翠星石だけになっちまうですぅ。」
水銀燈「そんなこといって貴方、自分の盾代わりに私を使おう
って魂胆でしょぉ?
今まで傍観してたくせに調子よすぎよぉ。」
翠星石「け、決してそんなことないです。し、信じてほしいです。
(み、見抜かれてるです・・。でもしかたねえんです・・。)」
トコトコ。
雛苺「紅茶持ってきたの。」
雪華綺晶「お待たせしました。」
真紅「ご苦労ね。なかなか使えるようになってくれてうれしいわ。」
雛苺「えへへ。ありがとうなの。」
488 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/05(日) 21:16:49 ID:QUyW8En2
雪華綺晶「お、お姉様・・。本当にそれでいいのですか?」
蒼星石「それで、真紅が茶道を教えてくれるって話だったね。
楽しみだよ。」
翠星石「ほっ・・・。波が終わったです。」
水銀燈「でもまたいつ豹変するか分からないわぁ・・。」
翠星石「す、翠星石を見捨てる事はゆるさねえです。」
水銀燈「・・・努力はするわぁ。」
翠星石「蒼星石が変化したら水銀燈がやっつけちまえばいいです。」
水銀燈「そうしたいのはやまやまだけど、なんかあれに攻撃すると
私が穢れそうで・・怖いのよぉ。」
真紅「はい。そこ!私語禁止よ。」
水銀燈「え、ええ・・。」
翠星石「し、真紅。蒼星石だけレッスンしてくれればそれでいいです
。」
真紅「そう?でもせっかくだから貴方達も付き合いなさい。」
翠星石「わ、分かったですよ・・。」
真紅「茶道は平常心が必要だわ。それが重要ということよ。
さっ。雛苺。みんなの前に紅茶を置いてちょうだい。」
雛苺「うい。」
ポン、ポン、ポン。
489 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/05(日) 21:18:18 ID:QUyW8En2
雛苺「ああっ!しまったあ!盛大に転んだのー!」バシャ!
真紅「ぐわっちいい・・・・!」ゴロゴロゴロ。
水銀燈「あーあ・・・。また見苦しい事になっちゃったわぁ・・。」
雪華綺晶「平常心じゃなかったんですかね・・?」
雛苺「あわわわ。ごめんなの。」
翠星石「しー・・。しー・・・。」ジョロロロロ。
蒼星石「ナイスフォロー!如雨露で冷却だね。」
翠星石「あまりこういうことに使いたくはねえですが・・。」
真紅「ぶは・・。ずぶぬれだわ・・。」
一同「じー・・。」
真紅「は!お、おっほん。このように心頭滅却すれば火もまた涼し
とそれが茶道の極意だわ。くしゅん・・。」
水銀燈「大丈夫?」
雛苺「ごめんなの・・。ほらっ。タオルなの。」
雪華綺晶「・・大した事ないですね。」
真紅「な、なに・・?」
雪華綺晶「あ・・。すみません聞こえましたか?テヘ。でも独り言
なので無視しちゃってください。」
真紅「ねえ・・。もしかして他のみんなも、たいしたことないって
そう思ってるの?」
490 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/05(日) 21:20:33 ID:QUyW8En2
雛苺「し、真紅は偉大なの!」
水銀燈「そうね!真紅は偉大ね!」
真紅「他のみんなは・・・?」
蒼星石「あ・・・いや・・。」
翠星石「で、ですぅね・・。」
真紅「はっきりといったらどうなの?」
雪華綺晶「あれのどこが心頭滅却なんですか?ただゴロゴロ転がって
わめいてただけじゃないですか。」
雛苺「こ、こら!」
水銀燈「何言ってるの!そんな本当のこといっちゃダメじゃなぁい!
」
雪華綺晶「あら?ごめんあそばせ。私は正直者で困ってしまいますわ
。」
真紅「い、いいじゃない・・。やってやろうじゃないの。
ほら!水銀燈!」
水銀燈「本当にいいのぉ?」
真紅「いいからやりなさい。」
水銀燈「はぁーい・・。」ボボボボボ。
真紅「ふっふっふ・・。も、燃えてきたわ・・。服が乾いてちょうど
いいわ。」
翠星石「燃え移って家が火事になっちまうですぅ。」
491 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/05(日) 21:21:41 ID:QUyW8En2
蒼星石「その前に真紅自身を心配しようよ。」
水銀燈「ああ・・。大丈夫。調整してあるから。」
雛苺「真紅燃え上がっててきれいねー。かっこいいの。」
雪華綺晶「やるじゃないですか。見直しましたよ。」
真紅「え、ええ・・・。(ボオボオ)こ、これくらいわけないのだ
わ。」
雪華綺晶「それで、茶道とやらを教えてくださいませ。赤薔薇の
お姉様。」
真紅「い、いいでしょう・・。このようにぐっと飲む。(ぐっ・・
。)」
雪華綺晶「はあ・・・?(ぽかん・・。)」
真紅「そしてぐっと飲む。もういっちょぐっと飲む・・。」
雛苺「あっ・・。みんなの分まで・・。」
翠星石「た、ただの一気飲みであります!」
真紅「さ、さらに・・・。ぎょ・・。」
水銀燈「ぎょ?」
492 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/07(火) 00:47:40 ID:YrE5KTP0
悪いけど他の人の邪魔だからオナニーはよそでやってくれないかな
493 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/07(火) 08:22:20 ID:fZstYZk5
>>492 ここ使われますか?使う人おられるのなら使ってください。
僕は移動しますので。
真紅「ぎょええええええ!あっちいいいいいいいいい!」ドッカーン
上空へ大きく吹き飛ぶ。
雛苺「花火みたいね。」
水銀燈「ずいぶん高く飛んだわぁ。」
翠星石「天井を突き破っちまってるですぅ。ジュンに怒られちまう
ですよ。」
蒼星石「あれが茶道なのかい?あまり美しくないんだね。」
翠星石「あ、あれが茶道なわけねえです。て、天然ボケもそれまで
にするです。」
雪華綺晶「そうです。茶道は美しいものです。見苦しいのは赤薔薇
のお姉様であって茶道ではありません。」
水銀燈「ねえ・・・。帰ってこないんだけどぉ?」
雛苺「お月様まで飛んでいっちゃったのかも。」
雪華綺晶「いいじゃないですか。見苦しい赤団子がいなくなって
せいせいしました。」
水銀燈「う、うーん・・。」
雛苺「探しに行く?」
蒼星石「僕に茶道を教えるって話はどうなったんだい?」
翠星石「い、今それどこじゃねえです。」
蒼星石「そうなのかい?でも探しに行くといってもどこを?
まさか月までいくのかい?」
雛苺「それ名案なの。みんなでお月様探検なの。」
水銀燈「月の裏側にはピラミッドがあるとか。なんかいろいろと。」
雪華綺晶「ああ・・・あれですよね。月は表面だけ見せて地球の周り
を回ってるから裏はどうなってるのか分からないとか。」
494 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/07(火) 08:24:37 ID:fZstYZk5
蒼星石「でもアポロの写真とかは・・。」
水銀燈「あれは、無重力でオゾンがないのに、旗がなびいてるじゃ
ない?変でしょ?」
蒼星石「そ、そういえばそうだね。」
水銀燈「宇宙分野はなかなか民間に情報が降りてこないわぁ。
上層部が独占しちゃって、はっきりいうと公開情報だけ信じてても
仕方ないわぁ。」
雪華綺晶「結局どうなってるか。行ってみないと、分からないって
ことですか。」
水銀燈「知的生命体がいるって話もあるし、人工物が民間人に発見
されたりして、NASAは見苦しい言い訳してたわねぇ。」
翠星石「へえー。すごいですぅ。ところで真紅探しにいかねえです?
翠星石としてはどっちでもいいですが。」
雛苺「でも真紅がいないと天井治せないのよ。」
翠星石「しまった・・・。そうなるとジュンに怒られちまうです。」
蒼星石「どうして真紅がやった事を翠星石が怒られるんだい?」
翠星石「わ、わからねえですが。世の中そう順序良く整ってれば
苦労しねえです。」
495 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/07(火) 08:32:36 ID:fZstYZk5
蒼星石「なんだか意味不明だね・・。」
雪華綺晶「確かに・・。私が理不尽な八つ当たりされる可能性も
あります。」
水銀燈「全員一致?」
雛苺「お月様に行くのー!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
カラス「ジュンという少年が面会を求めてますが、いかがなさいます
か?」
金糸雀「なに?どうしてこの場所が分かったのだ・・。まあよい。
通しなさい。」
カラス「ははっ。」
タッタッタ。
ジュン「しけた顔だな。金くれよ。」
金糸雀「・・・なに?(くわ!)(ドン!机を叩く)。そんなこと
いうためにここまで来たというのか!」
ジュン「なんだ?怖い顔だな・・。どうかしたのか?」
金糸雀「あ・・。失礼しました。で何の用かしら?」
ジュン「それより今のなんだったんだ?」
金糸雀「ああ・・・。ストレスがたまるとああなるかしら。あまり
気にしないでいいかしら。」
ジュン「ふーん。そうか。」
金糸雀「それでなにかしら?」
496 :
繋ぎ合わせの人形:2009/04/07(火) 08:34:11 ID:fZstYZk5
ジュン「暇だから遊びに来た。」
金糸雀「そう・・・。」
ジュン「なんだよ。その嫌そうな顔は・・。空き地にでも行くぞ。」
金糸雀「なんだってわざわざ空き地へ?」
ジュン「ドラえもんにでてくるあの土管さ・・。なかなかないだろ
?」
金糸雀「確かにないかしら。」
ジュン「見つけたんだよ。」
金糸雀「本当に?」
ジュン「ああ・・・。武士に二言はない。」
金糸雀「本当に?」
ジュン「本当だとも。」
金糸雀「行くかしら。」
ジュン「おう。」
ーーーーーーーーーーーー。
ジュン「ここがその空き地だ。」
金糸雀「お、おお・・・。」
ジュン「どうかね?」
金糸雀「となると・・・雷さんも?」
ジュン「もちろん。」
申し訳ありませんが、事情により投稿はここで止めにします。
支援してくれた人ありがとうございました。
( ゚д゚ )
499 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 23:07:37 ID:9oVZgoUj
500 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/05(火) 22:20:42 ID:CMLjKWQ/
保守
501 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/10(日) 10:32:36 ID:4B2GqqcX
ほ
502 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 10:23:56 ID:gtbvJiZG
ほ
なんとなく高校にはいって、それからなんとなく一年が過ぎて2年。
一年前は高校デビューとかなんとか考えてた気がするけどそんな情熱はいつの間にか消えてしまって、
今はどうにもだるい。
いわゆる、これが五月病ってやつなのだろうか。
窓際に振り分けられた席に着いて、登校中のやつらでも見ようかと、視線は窓の外に。
ぼうっと眺めた。
そのときだった。
それはもう見たとたん、目を疑うほどに、美しく、衝撃的だった。
銀の髪をなびかせ、スカートの裾を揺らして彼女は歩いていた。
カメラでそのときの瞬間を一枚一枚、フィルムに焼き付けていたなら、それはどれも画になるだろう。
そう思えるほどに、あまりにも可憐な姿だった。
「おいおい!見ろよ、やっぱすっげー美人だよなー銀先輩」
教室の前の方で、名も知らぬクラスメイトが、これまた名前の分からないクラスメイトに声をかける。
「えーそうかー?俺は真紅様のほうが好みだけどな」
「様ってなんだよ。気持ちわりぃ」
「うるせえ。…それよりも驚くべきことは、このクラスの翠星石ってやついるだろ?そいつがその姉妹の一人だということだ」
「え…嘘だろ?姉妹?だって…アイツぜんぜん似てな」
クラスメイトの声はそこで途切れた。
窓の外にばかり目を奪われていた俺だが、クラスに広がる寒気にハっと現実に引き戻された。
なぜなら――
「朝からそこまで褒めてもらうとテれちゃうですよー」
――顔面をピクピクさせてる翠星石がいたから。
「逃げっ…ブッ!」
言い終える前にクラスメイトAの顔に高速で飛来した鞄がめり込む!
クラスメイトAは綺麗な半弧を頭と鞄の軌道で描きながら地面に沈み、翠星石のとびっきりのガンつけに、クラスメイトBは逃げ出した。
どこかでファンファーレが聞こえた気がしたが気のせいだ。
「私が置き勉してなければ、今頃お前は死んでたですよ」
鞄を回収した翠星石は完全にノビているクラスメイトを背にそんなことをのたまっていたが…コイツは朝っぱらからなにやってんだ?
登校そうそう男子を一人ブッ倒しておきながら「つい手が滑っちゃったですー」なんて豪快に笑ってたりする。控えめに言って破天荒。
去年から引き続き今年もコイツと同じクラスだ。
男子女子ともに分け隔てなく接する代わり、これでは同じくらい敵を作っていそうな感じだ。
俺にとっては、気兼ねなく喋るクラスメイト。ってくらいだ。
「おっはよーです。そんなシケた面してたら残念な顔がさらに残念に見えるです」
早速気の利く上品な挨拶をしてきた。
「そりゃ悪かった。それよりもお前のその声が耳に痛い。脳に直接響いて頭が痛い」
こちらも相応に返しておく。
「なんならいっそのことウェスタンソングでも聞いて脳みそごと爆発すればいいですよ」
翠星石は文字で表すなら、わっはっは。といった具合に笑った。
何処かの火星人みたいな扱いを朝からコイツにされる謂れは無いが、これくらいはなんとも無い。
俺も一緒に笑って、「ちょっと聞きたいことがあるんだけど…さ」先ほどの話題を唐突に切り出した。
「いるですよいろいろと。姉とか妹とか…大変ですけど」
「ああ…そ、うなんだ…その、銀髪の、お姉さんっている…?」
「えっ?これはもしかして、そういう話です!?」
跳ねるように立ち直り、クラスに響きわたるほどの大声で翠星石は声を上げた。
「まぁその…なんだ、そゆこと…だったりする…かな」
翠星石に反比例して、俺は机にすがるように小さく、声は弱弱しくなる。
「はっはぁん。なるほど、それで頼れる私にキューピットになってほしいわけですね?」
「おおむね…その通り…。よく喋る女子なんてお前しかいないし…しかも」
「妹だからこれ以上の適任はいない。と?」
「その通り!」
直後、俺の脳天にゲンコツが刺さった。
「ちょっ!なんで俺殴られたの?」
「タダではやらないですよー」
興味が無くなったかのように、わざとらしくあっちを向いてしまう翠星石に俺は右手で作ったピースを突きつける。
「2つ、2つだ!あのケーキ屋のザクザクシュークリームを2つ」
「2つぽっちです?」
「ぐぬ……3つで…どうか…」
「あー。やっぱり何にもなかった。話なんてなかったです」
「お願いです…4つで…お願いしますっ!」
「仕方ないですね。手伝ってあげるですよ」
にこっとステキな笑顔で、「安心して任せるですよー」チャイムの慌しさの中席に向かって行った。
お金…大丈夫かな。
樋口さんはおろか野口さんですらすぐに家出してしまう状況の俺には、どうも痛い出費になった。
学園メイデンってことで、あまりにもありきたりなことを鬱憤晴らしにちょちょっとかいてみた。
それだけ。
>>505 正直、非ドール設定なら『普通の女の子スレ』行った方が人も多いし、喜ばれるぞ。
オレはそっちの住人でもあるから楽しませてもらったが。(もしかして、この男はJUMじゃないのか?)
>>506 わお
そんなスレあったのね
まったくなんていうかいろいろと分からなかったぜ
おk気をつける
しかし書き手がいないな。
自分でかいてもいいんじゃぁないかな
なに、適当でもいいのさ 愛があれば
自分の事をかわいいと思っているクソ雛苺に作中における己のあり方の真相を思い
知らせる為に、 顔面矯正処置を施してやる。
まず服の上から尻に成人男性の3倍の麻酔薬を注射して昏睡状態にさせる。
革製のベルトで小児用の寝台に固定、特に頭部を微動だにせぬよう慎重に調節。
顔面の素材に応じた特殊技能者を招聘し、工作機械もしくは薬剤等を用いて作業を
展開。
日本の伝統工芸品である「ひょっとこ」の面貌に顔面を改造。
その後、全面が鏡で覆われた部屋にすやすや眠るクソ雛苺を移動させ、覚醒を待つ。
廊下の長椅子には作業の成功を信じて待機するジュンと巴。
覚醒したクソ雛苺は己の変わり果てた姿を目の当たりにして狂ったように号泣しなが
ら逃げ惑う。
しかし、どこへ向かっても目の前には鏡の壁面があるのみ。自分自身から逃れる事は
出来ない。
「雛、かわいいのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
聞き覚えのある叫び声を耳にした二人が部屋に飛び込んで目にしたものは、フランス
人形の衣装を身に纏った小さな一匹の「ひょっとこ」。
「トゥモエ〜雛なの。私雛なの、わかるでしょ? 雛なのよ」
「ひょっとこ」に泣き叫びながら胸に飛び込まれ、ショックの余り失禁して気絶する巴。
「ぅうそだあっ!こんなのが雛苺なわけがないっ!」憤然とそう叫んで部屋を後にするジ
ュン。
巴が別室に運び出され一匹になった「ひょっとこ」面のクソ雛苺。
上下左右全面が鏡。目を開ければ飛び込んでくる「ひょっとこ」面の自分。逃れようのな
い真実。
「私はかわいい」という誤った自己認識だけで生きてきたクソ雛苺が醜い内面に相応しい
風貌を 「取り戻した」 今回の施術。
しかし、極めて強情な自我ゆえ内外面の一体化に失敗したクソ雛苺は精神崩壊を来たし
てしまう。
クソ雛苺は「ひょっとこ面の己」の受容を頑なに拒み、発狂という痛ましい事態を自ら招い
たのだ。
両親に説得され、泣く泣く見世物小屋への譲渡書にサインする巴。
これから雛苺は浅草で懐かしいフランス人も含む外国人観光客を相手に、絶望と激しい
失意のどん底の中で「ひょっとこ踊り」をして生きてゆくのだ。仮にクソ雛苺自身が激しく精
神的に拒み続けようとも。
それがクソ雛苺にとって最も相応しい在り方なのだから。
クソ雛苺は、顔面矯正とそれに伴う葛藤を経てその内面に相応しい自己へと還元されたの
だ。
すなわち、「笑いもののちんちくりん人形」である。
なお、当然の事ながら「ひょっとこ踊り」は真っ赤に焼けた鉄板の上で行なわれる。
俺がもしドールズが町を歩いているのを見つけたら完全ブチギレ
まずネコに乗って走っている雛苺の顔面に水平に蹴りを入れネコから叩き落す
地面に転がった雛苺にすばやく飛び掛り、足の膝を逆方向にへし折り逃走を防止する
その後、人気のない所にすみやかに移動、程よい高さの石の上に座らせ
雛苺の顔を正面から見据え、往復ビンタを交えながらネコに乗っかるという
動物虐待を激しく糾弾する
雛苺は自分の非を認めようとせず語尾にいちいち「なの〜なの〜」とつけながら
言い訳に終始し、挙句の果てに
「もうやめてなの〜雛、お家にかえりたいの〜」「ともえたすけてなの〜」
などと発言する始末。その有様に反省させることは不可能と確認できる
よってこれ以上動物を虐待させないために完全破壊を決意、
まずは四肢切断を実行。切断といっても道具は使わずに関節技の容量で
手、足の順に付け根からへし折り、完全ダルマ状態にする。その時点で
全く可愛くない無駄にごてごてとした服を剥ぎ取り体をつぶさに観察する
そして人間の体の構造と全く違うのに人間と同じように食べ物をほしがるのかとののしる。
人間の性器にあたる部分には単純にタテスジがついているだけなので
そのことを徹底的に嘲笑。雛苺は大粒の涙を流しながらくやしがる。
首と胴体は球体間接ではないので道具なしで切断は難しい。まずは髪の毛を掴み
大きく、ぐるぐると振り回し程よい速度が付いたところで地面に叩きつける。
胸の下の辺りまでは粉々にすることが出来たがこの方法ではこれ以上は
むずかしいようだ。よって手のひらサイズほどの石で頭部を破壊することにした
地面に仰向けに寝かし石を顔面の上に持ってくると、この期におよんでまだ
あきらめが付かないらしく、「なの〜なの〜」と叫びながら首を曲げたり伸ばしたり
して芋虫のように逃げようとする。その有様を見て正義の怒りが余計にこみ上げてきた
これはもっとジワジワと制裁を加えなければならない。両手で顔の両側から
耳の辺りまで包みこむように掴むと、親指を一気に両眼にねじ込む。
すさまじい叫び声をあげるが、怯まず今度は上唇を掴み一気に額の辺りまで引き裂く
この時点でもまだ活動を停止せずにくねくねと首を振り、喉の奥のほうから発する
不快な叫び声ををやめない。
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521 :
名無しさん@お腹いっぱい。: