第5話「山の歌声」 ストーリー解説その2(再掲)
ttp://j72820.chez-alice.fr/up1/file/a2_007776.jpg 植物を人間化してみせる機能は、使ってはいけないと禁じられていました。
しかし、その歌う花に強い興味を持った双葉は、ちょっとくらいならいいかと、
スイッチを入れてしまいます。
擬人化されたその姿は、どこか古風な、花びらと同じ黄色い和服姿の、
双葉と同い年くらいのおかっぱ頭の少女の姿でした。
その頃、イヨは和己にイーハトーブ式交信装置の危険について話をしていました。
人間が植物と会話する装置の危険性を。
しかし双葉はそんなことも知らず、その花の少女と楽しく会話していました。
「あたし双葉っていうんだ」
それを聞いてくすくす笑い出す少女。
「だって、双葉って私達にとって赤ん坊のことです」
いわれてみればその通りと笑って納得する双葉。
ttp://j72820.chez-alice.fr/up1/file/a2_007777.jpg 自分は花だから名前がないというその少女に、双葉は名前を考えてあげます。
うんうんうなって思いついたのは
「ハナ子…」
これ以上はない安直な名前。
「ハナ子…ですか?」
「あ、ああっ。今のなし。なんとなく言っただけでっ」
泣き出してしまった少女に双葉は大慌て。
「ありがとう。すごくうれしいです」
なんと感激の涙だったのでした…。
気に入ってくれてるならそれでいいかと、その少女の名前はハナ子に決まったのでした。
ハナ子と双葉はすっかり仲良くなり、すっかり日が暮れるまで語り合います。
その後、朝に双葉が出会った変な外人(エジプトの錬金術師ヒッシャム)が、
自ら作った強化植物オシリスでがガーゴイルに挑戦しに来たりという騒ぎが
起きますが、ガー君はなんなく撃退して大事にはならず。あっさり解決。
梨々が連れてきた怪盗百色により、無事、イーハトーブ式交信装置も見事に外れたのでした。
ttp://j72820.chez-alice.fr/up1/file/a2_007778.jpg やっと外れた忌々しかったはずの装置。
その装置を抱えたまま、双葉はハナ子に想いをめぐらすのでした。
この先に待っている悲しい運命も知らずに。
第6話「もう君の歌は聞こえない」 ストーリー解説その1(再掲)
ttp://j72820.chez-alice.fr/up1/file/a2_007779.jpg 朝からハナ子の歌を聴きに来た双葉。
「聞いてくれる人がいた方が歌も幸せだと思うです」
「兄貴にも聞かせてやりてーな」
「わたしもお兄さんの前で歌いたいです」
そんなところに突然現れたガーゴイル。
「門番さん…ですか? 食べたりしないです?」
「しないしない」
世間知らずのわりに知識は豊富なガーゴイルの言葉から、
ハナ子は鐘馗水仙という彼岸花の仲間で、非常に丈夫な植物
だということが判ります。
ttp://j72820.chez-alice.fr/up1/file/a2_007780.jpg イヨからイーハトーブ式交信装置の使用レポートをとられる双葉。
報告を聞き終えたイヨは双葉に装置の使用を禁止されます。
「なんでだよ!」と反発する双葉。
装置が使えなくなればハナ子には会えなくなる。
そんな双葉の目の前でイヨはリンゴを包丁で真っ二つにしてみようとします。
思わずリンゴをつかんで逃げ、涙目でおびえる双葉。
そう。イーハトーブ式交信装置の危険とは植物に感情移入しすぎてしまうことだったのです。
結局イヨに装置を取り上げられてしまう双葉。
ガーゴイルにオシリスを撃退された錬金術師ヒッシャム。
オシリスは再生できたものの、このままではガーゴイルに勝てない。
もっと強い植物の因子を取り込めれば…。
そんなヒッシャムに、オシリスが触手で指し示したのは、崖の上にポツリと咲いている花
ttp://j72820.chez-alice.fr/up1/file/a2_007781.jpg その頃、双葉はイヨに装置を取り上げられたことで落ち込んでいました。
「双葉とハナ子の友情は装置の力を使っての仮初めの物
旅先で出会った友人だと思う他ないだろう」
ガーゴイルはそう諭しますが、双葉は納得できません。
かえって感情を爆発させてしまいます。
「あたしはあたしのやりたいようにする」
和己をつれて兎轉舎に行き、イヨに直談判します。
兄貴を紹介するとハナ子に約束したんだ。
吉崎家の人間は勝手な都合で約束を破ったりしないんだ…と。
欠陥品だとわかっている装置を使わせるわけにはいかないと頑ななイヨ。
そこへ、ガーゴイルが、我が責任をとるからとイヨにとりなします。
ついにイヨは折れて今日中に返すことを条件に装置を貸してくれます。
喜び勇んで和己を連れてハナ子の元へ向かう双葉。
しかし、たどり着いてみるとハナ子のいた場所に残っていたのは、
掘り返された土の跡だけ。
ハナ子の姿はどこにもありませんでした。
第6話「もう君の歌は聞こえない」 ストーリー紹介その2(再掲)
近くの植物にハナ子のことを聴こうとした双葉。
その耳に聞こえてきたのはあの強化植物オシリスの声でした。
赤い彼岸花の群生の中に立つオシリス。その姿はバイザー越しじゃないのに
人間の姿をしています。特殊な方法で進化したらしいオシリス。
ハッと気がついた双葉は、ハナ子をどうしたと問いかけます。
「あの歌のうまい花か。あれはもうわらわじゃ」
オシリスは、強い植物であるハナ子の因子を取り込んで強化されたのでした。
前回にくらべ格段に強くなったオシリスは、ガーゴイルと死闘を繰り広げます。
そこへ飛び込んでくる双葉。
「なんでそんなことするんだよ」
邪魔な双葉に向けて光線を発射しようとするオシリス。
しかし一瞬ハナ子の声が聞こえ…攻撃はとまっていました。
何故か双葉を攻撃できずに戸惑うオシリス。
やられてもやられても再生してくるオシリスの秘密が、ヒッシャムの持つ笛にあると
気づいた和己はその笛を奪おうとします。
折角の見せ場で「僕:喧嘩弱いですけど…」と情けないことをいう和己に対して、
ヒッシャムも「ワタシもケンカ弱いですが」と同レベルの争い。
ガーゴイルたちの戦いとは比べものにならない低レベルの戦いはガーゴイルの
光線で笛が焼かれることで決着します。
そしてオシリスに止めを刺そうとしたガーゴイルを双葉が止めます。
「ハナ子の声が聞こえたんだよ!」
そんなとき、周りに異変が起こります。
一斉に枯れていく彼岸花たち。
花たちの断末魔の声が聞こえ苦しむ双葉。
慌てて和己は双葉の頭から装置をはずします。
絶体絶命の危機に陥ったオシリスが暴走し、再生のために周りの植物の
生命力を吸い取りはじめたのです。
枯れていく森の木々、根っからの悪人でもなく、彼なりに植物を愛していた
ヒッシャムはオシリスを止めようとしますが、再生を制御するための笛もない今、
オシリスの暴走はもはや彼にも止められません。
ttp://j72820.chez-alice.fr/up1/file/a2_007782.jpg 周りの植物の命を吸収し巨大化していくオシリス。
オシリスと戦おうとするも、双葉の静止の声に専守防衛のガーゴイル。
防御の隙をついた光線で傷つく和己。その姿に動揺する双葉。
そんな双葉にガーゴイルの声が響きます。
「ハナ子が他の仲間たち喰らい生きることを望むと思うか。ハナ子が山を町を全てを滅ぼそうとすると思うか」
ハナ子との思い出を噛み締め、双葉はついに決断します。
「あんな奴ハナ子じゃねぇ。やっちまえ!」
第6話「もう君の歌は聞こえない」 ストーリー紹介その3(再掲)
ハナ子ごとガーゴイルに倒されたオシリス。
和己はオシリスの一部を持って逃げていくヒッシャムを発見し追いかけます。
山小屋に逃げ込んだヒッシャムを問い詰める和己。
ヒッシャムの話で、オシリスに取り込んだのはハナ子の因子だけで、
ハナ子の本体は無事だったことを知ります。
はじめてイーハトーブ式交信装置をつけ、ハナ子に話しかける和己。
翌日、双葉がまだ起きてこない早朝に家を出た和己は
元の場所に戻されたハナ子に逢いに行きます。
「どうして僕だけをここに」
問いかける和己にハナ子は応えます。
「咲いていられるのは今日が最後だから」
それなら双葉に、という和己にハナ子は双葉ちゃんじゃダメだといいます。
双葉の前だと歌えない。だってこんなになっちゃうから。
目に涙をあふれさせて告げるハナ子。
「会いたいです。双葉ちゃんに会いたいです。会ってサヨナラしたいです。
でも会えないです。もう枯れてしまうから。双葉ちゃんを悲しませたくないから」
「双葉ちゃんの代わりに僕がいうよ…さよ…なら」
「はい…サヨナラ…です」
双葉の代わりに歌を聴く和己の前で、最後の歌を歌うハナ子。
そんなことがあったとは知らず。
ハナ子はオシリスとともに死んだと信じている双葉は日常の生活に戻ります。
ttp://j72820.chez-alice.fr/up1/file/a2_007783.jpg こりないヒッシャムは、今度は知能優先で育てると再生したオシリスの苗を見せにきます。
携帯電話と接続されて、イーハトーブ式交信装置なしでも会話が可能となったオシリス。
携帯から流れてきたメロディに双葉はハッとします。それは、あのハナ子の歌っていた歌。
ハナ子の因子がオシリスの中で生きていることを知った双葉は少し元気を取り戻します。
ttp://j72820.chez-alice.fr/up1/file/a2_007784.jpg 登校途中、立ち止まった双葉はふとハナ子のいた山を見上げます。
もうハナ子の歌が聞こてくることはありません。