アニメ【裏最萌】トーナメント2006 投票スレRound8

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49名無しさん@お腹いっぱい。

>>48 からの続き

真紅が薔薇水晶にトドメをさす直前。
駆けつけたジュンの言葉を聞き、真紅は思わず、その手を止める。
最後の土壇場で、やはり他人の命を奪うことを、
ほとんど本能的なレベルで思い留まってしまった真紅。

だが、薔薇水晶はためらわなかった。
真紅の胸に水晶の剣をつきさした。

 や っ ち ま っ た。

アニメオリジナルの敵役キャラクターが、主人公とその仲間たちを、全滅させてしまった。
まさかのローゼンメイデン全員殲滅を、実現させてしまったのである。

結局、薔薇水晶は敗者たちから奪ったローザミスティカの力に耐えられず、自壊。
薔薇水晶によって殺された者たちは「ノーカウント」として、全員が復活を遂げる。

だが、彼女はとうとう最後まで、敵に屈することはなかった。
圧倒的な力でヒーローたちをねじ伏せ、打ち倒し、そして勝手に消えていったのである。



『トロイメント』という言葉は「夢見るように」という意味だと聞く。
悪が善を圧倒し、打ち負かし、その上に君臨する。
正統派のヒーローアニメ/コミックでは、決してあってはならないはずの、この物語は、
あるいは、つかの間の夢のような物だったのかも知れない。
だが、その夢は、この上もなく甘美なものだった。
極上の高揚感に満ちたものだった。

平和に暮らす人々を虐げ、ささやかな想いを踏みにじり、力ですべてを制圧する。
そんな薔薇水晶を見て、俺はたしかに、
強い、強い憧憬を感じていた。

社会という枠の中で、自分の気持ちを捻じ曲げ、薄ら笑いを浮かべて生きる。
なぜ、そうしなければならないのか? 
それは、俺に力がないから。
薔薇水晶は違う。彼女はその力をもって、すべてを超越する。
真紅たちと心を触れ合わせることはない。同情すらも受け付けない。

愛らしいと思う美少女キャラクターは、たくさんいる。
だが薔薇水晶は、薔薇水晶が俺に見せてくれた夢は、
そして『ローゼンメイデン トロイメント』という物語は、
他では代えの効かない、たったひとつの、大切なものなんだ。



2006/08/19 裏最萌 二次予選 01組
<薔薇水晶@ローゼンメイデン トロイメント> ∴支援