アニメ最萌トーナメント2006 投票スレRound74
<<四条光恵@かみちゅ!>>即興60行SS「光恵のお買い物」
ゆりえ「光恵ちゃん、また明日ね^^ ばいば〜い」
光恵 「うん、じゃぁね^^ 宿題ちゃんと忘れないようにね〜」
ゆりえ「わかってるよぅ〜」
光恵 「よしよし、じゃぁ明日ね^^」
いつものくせで、ゆりえにひとつ忠告を入れて、夕飯の支度を急ぐために早く家に帰ろうと思った
光恵だが、買い物袋を覗き、今夜の味噌汁の具をネギにするか豆腐にするかと考えようとして、
肝心のかつおぶしを買うのを忘れてしまった事に気づいた。
光恵 「あぁ…かつおぶし買い忘れちゃった…煮干はみんな嫌がるしなぁ…」
日の出町は瀬戸内海にある日の出水道を挟んで本州と島側に分かれた街で、
光恵やゆりえが住んでいるのは島側で、本州側と行き来するには渡船で渡らなければならない。
しかし、買い物は学校帰りに本州側にある商店街と決めていた…
値段は島のスーパーも同じだが、やはり質がいいし、なによりオマケをしてくれる。
…夕方も6時を過ぎたが、しかたなく渡船に乗って引き返すことに決めた。
夏は日も長いせいで、まだ明るかったが、さすがに瀬戸内のあまり大きいとはいえない街、
6時半も近くなると、商店街のアーケードも買い物客は減り、
店じまいの準備を始める店もチラホラ見えていた。
光恵は乾物屋に向かい、押している自転車とともに少しスピードをあげた。
乾物屋「おや、光恵ちゃん、珍しいね、この時間に来るなんて」
光恵 「えぇ、ちょっとかつおぶしを買い忘れちゃって^^;
私や両親は煮干でもいいんですけど、兄弟がうるさくて…」
乾物屋「あぁ、煮干は多少臭みもあるしねぇ…ちゃんとワタ取ればいいんだけどね〜」
光恵 「う〜ん、ちゃんとワタ取ってちぎって入れてるから、臭くないしカルシウムも取れるんですけどね…」
乾物屋「弟さんたちなんかはまだ小さいしね…ほい、かつおぶし!ひとつかみオマケしたからね!」
光恵 「おじさん、いつもありがとうございます^^」
乾物屋「いやぁ、わざわざ島から来てくれる常連さんだしね!
家族もいっぱいだから、ウチはありがたいよ^^」
光恵 「兄さんたちも弟たちも、食べ盛りですからすぐ食材がきれちゃって^^;」
乾物屋「まぁ、若いうちにいっぱい食うのはいいことよ!
そういえば、肉屋がそろそろ店じまいで安くしてるんじゃないかな?」
光恵 「そ、そうですか…じゃぁちょっと覗いてきます^^ おじさん、オマケありがとうございました^^」
乾物屋「あいよ!またよろしくねっ!」
6時半も回って、日もオレンジに染まりはじめると、商店街の各店は売り切りタイムセール開始である。
普段はもうこの時間は家で夕飯の支度をしているため、
久しぶりのタイムセールでワクワクしないわけがない。
タイムセールごときにワクワクしている自分をおばさんくさいと嘆く自分と
ワクワク感でたっぷりの自分の両面に葛藤しつつも肉屋に向かう光恵であった。
『ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!! ドッドッドッドッ!!!』
向島で渡船を降りたのは、7時を回り、ややあたりも暗くなり始めた頃だった…
自転車のかごには、はじめに買った野菜類、そしてタイムセールで買った肉屋のから揚げに焼き鳥。
両手にはさらにかつおぶしやらなにやら、結局タイムセールでいろいろ買ってしまい、
安さにつられてしまうおばさんくさい自分にひとつ溜息をつく光恵であった。
光恵 「はぁ…潤い、欲しいなぁ…」
誰にも聞かれないようにいつもの口癖をつぶやいてから、自転車に乗って家へと急ぐ。
『ガラガラガラガラ』
光恵 「ただいまぁ…遅くなってごめぇん、今から夕飯の支度するね〜」
おかえりの一言もナシに夕飯の催促をする弟たちに急かされ、着替えもしないでエプロンをひっかけ、台所に立つ光恵だった。