【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 2【一般】

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725名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/17(木) 08:19:41 ID:hIPTLKzA
いいやおもいっきりかましてやれ
726ジュンの忘れ物:2006/08/18(金) 14:09:31 ID:c+5/5lld
色々あってジュンは何とかヒキコモリを克服し、復学する事が出来た。
確かに最初の頃は色々言われたが、無視し続けたかいあって今では
何も言われる事無く、ジュンは普通の学校生活を取り戻した。
(とにかく細かい説明抜きでジュンが復学したと言う前提でこの話は始まる)

そんなある日の事、ジュンが忘れ物をしていた事を翠石星が気付くのだった。
「チビ人間忘れ物してやがるですぅ。救えねぇ奴ですぅ。」
と、口ではそんな事を言っていても、彼女の脳内ではある図式が浮かんでいた。
この忘れ物をジュンに届ければジュンに見直してもらえる→嬉しいと言う物である。
「しょうがねぇですぅ。翠石星が持っていってやるですぅ!」
翠石星は忘れ物を持ち、鞄に飛び乗るとジュンの通う学校へ向けて飛び上がった。

学校へ到着する翠石星であったが、ジュンが何処にいるのか分からなかった。
「ヒィ!人間がこんなに一杯いるなんて知らなかったですぅ!」
姉妹の中で一番人見知りが激しく臆病な翠石星にその光景は恐ろしい物に映った。
そしてこの後どうしようかとあたふたしている翠石星が他の人間に見付かるのも
無理も無い話であった。
「あ!何だアレは!鞄が飛んでるぞ!」
「何々ー?これ人形?」
大勢の生徒が翠石星の所に集まって来た。
「ヒィ!人間が一杯やってきたですぅ!怖いですぅ!」
「うわ!人形が喋った!」
「良く出来たロボットだなー、一体誰が作ったんだ?」
生徒達はまるで宇宙人でも見るかのような目で翠石星を取り囲んでいた。
が、そこで騒ぎを聞いたジュンが駆けつけてきた。
「翠石星!お前こんな所で何をやってるんだ!」
「あ!チビ人間!助けてですぅ!こいつ等翠石星を取って喰うつもりですぅ!」
大急ぎでジュンの背後に隠れる翠石星。
「何でこんな所に来たんだよ!」
「お前に忘れ物を届けてやろうと思ったですぅ!でもここがこんな恐ろしい所とは
思っても見なかったですぅ!」
「忘れ物の事は礼を言うけど・・・とにかくさっさと帰るんだ!」
「言われなくてもそうするですぅ!」
翠石星はジュンに忘れ物を渡すと、大急ぎで鞄に乗って飛んで行った。
しかし、今度はジュンが他の生徒等に迫られる事となる。
「桜田!さっきのはお前の何なんだ!?」
「え・・・そ・・・それは・・・。」
「あ!あれだろ!?俺知ってるぜ。部分的に精巧に出来てるアレだろ?ダッチ・・・。」
「違う!!」
「きゃあ!桜田君って洋物ダッ○ワ○フとお話しする怪しい男だったのね!」
「気持ち悪い!」
「だから違うってば!!」

この時を境に、桜田ジュンは洋物ダッ○ワイ○人形とお話しするキモイ男と言う噂が流れ、
次の日からジュンはまた学校に来なくなった。
「まったくお前のせいだぞ!」
「うわ〜んチビ人間ひでぇ奴ですぅ!」

                    おわり
727名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/18(金) 18:59:42 ID:8LltroMb
GJ
真紅だったらうまくごまかしてくれたかもな
728名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/19(土) 00:12:53 ID:S6kY6Izy
GOOD…?

最後の『うわ〜ん』が惜しかった
729合体薔薇乙女 1:2006/08/19(土) 10:19:12 ID:8GnbPtsa
薔薇乙女7体による壮絶なアリスゲーム。しかし、その戦いは意外な形で決着が付く事になる。
『私の娘達よ、今まで良く頑張ったね。ご苦労様。』
7体に向けられる謎の声。だが誰もがその声の主が誰であるかは直感していた。
「お父様!」
直後、空間に裂け目が生じ、一人の光り輝く少女が姿を現した。突然の事にあっけにとられる7体。
『紹介しよう。彼女の名前はアリス。正真正銘のアリスだ。』
「え!?」
謎の声の言葉に7体は唖然とした。本来ならばあり得ない事である。7つのローザミスティカを
一つにしなければアリスは誕生しないはず。この光り輝く少女が本当にアリスと言うならば、
私達は一体何なのだと・・・。
『私は君達の前から姿を消した後も、アリスを忘れる事は出来なかった。そして独自に研究を続け
ついに完成した。彼女こそ真のアリス。正真正銘、唯一無二のアリスなのだ。』
「そんな・・・じゃあ私達は・・・。」
衝撃の事実に落胆する7体。しかし、真の衝撃はここからだった。
『今までご苦労様。だからもうお休み・・・。』
直後、アリスの右手から怪光線が放たれ、7体は一気に吹っ飛ばされた。
「な・・・何をするの!?お父様!」
『アリスが完成した以上、君達はもうアリスゲームを行う必要は無くなったんだ。だからお休み・・・。』
「!!」
謎の声の思惑を7体は同時に悟った。そう、アリスが完成した以上、薔薇乙女7体は用済み、
もういらないのだと。だからアリスを持って処分しようとしていたのだ。
「そ・・・そんな!酷いですぅ!」
「雛まだ死にたくないのー!」
薔薇乙女達は己の身を護る為に迎撃した。しかし、アリスの力は圧倒的だった。
姉妹達のいかなる攻撃もアリスには効き目が無く、容易く弾かれた。それでも薔薇乙女達は
立ち上がる。彼女達も死ぬのは嫌なのだ。だが、ただ一人その場に蹲る者がいた。水銀燈である。
「うそ・・・うそでしょう・・・?お父様・・・嘘だと言って・・・。」
水銀燈は姉妹の中で最もアリスになる事に固執していた。その為には手段を選ばず、
様々な悪行にも手を染めてきた。それだけにショックが大きかったのだ。
「水銀燈立ちなさい!貴女死にたいの!?」
真紅が水銀燈の手を引っ張るが、逆に水銀燈が引っ張り返す。
「もう終わりなのよ。お父様に捨てられた以上私達には何も残らないのよ。」
その時、真紅の平手打ちが水銀燈の頬を叩いた。思わず硬直する水銀燈。
「貴女は一人では無いのでしょう?例えお父様に捨てられても、全ての人に捨てられたワケじゃない。
まだ私達の帰りを待っている人がいる。だからここで死んではならないのだわ!」
直後、今度は水銀燈が真紅に平手打ちを返した。
「腹が立つ。お馬鹿さんにこんな事言われるなんて・・・。でも、お馬鹿さんにこんな事言われては
もう戦うしかないじゃない!ここで何も理解せずに蹲ったままだったら、私はそれ以上の
大馬鹿になってしまうもの。」
「水銀燈。」
やる気を取戻した水銀燈は立ち上がり、真紅と共にアリスへ立ち向かった。
姉妹の中でも特に犬猿の仲と言われ、幾度と無く戦い続けてきた本来の二人からすれば
考えられない姿である。しかし、アリスゲームそのものが無意味になってしまった今、その事は
何の意味も成さない。お父様の為ではない。ただ己と己の帰りを待つ者の為に戦っていたのだ。
730合体薔薇乙女 2:2006/08/19(土) 10:20:27 ID:8GnbPtsa
「ねぇ真紅。」
「何?水銀燈。」
「この戦い、生きて帰る事が出来たら、貴女達がおいしいって言う花丸ハンバーグって言うの、
食べさせて頂戴。」
「いいわ。今度のりに頼んであげるわ。ただし、生きて帰れればね・・・。」
「約束よぉ。私もお返しにめぐの病院の最低にマズイの食べさせてあげるからぁ。」
「・・・。」
最後の一言が何か余計な気がしたが、二人はアリスへ向けて同時攻撃をかけた。
しかし容易く跳ね返され、吹き飛ばされた。
「やっぱり・・・ダメかも・・・。」
やはりアリスの力は圧倒的だった。7体のドールズの攻撃が全く通用しないのだ。
『さあアリス。早く彼女達に永遠の安らぎをプレゼントして差し上げなさい。』
謎の声はやはり薔薇乙女達を処分するつもりだった。やはりアリスが完成した以上、
失敗作には用は無いようである。しかし、それでも薔薇乙女達は立ち上がった。
「もうジュンにもトモエにも会えなくなるのは嫌なのー!」
「私もみっちゃんに会えなくなるのは嫌かしらー!」
「ジュン・・・力を貸して・・・。」
薔薇乙女達は絶望してはいなかった。例えお父様に捨てられようとも、帰りを待ってくれている人がいたからだ。
「お父様が私達を見捨てても、私達は生きる!私達も生きているんだから!!」
7体の心が一つになった時、奇跡が起きた。7体の薔薇乙女達が一斉に強く輝き出し、
その輝きが一つとなると共に一人の薔薇乙女が誕生したのだ。
「合体薔薇乙女!!」
一人の薔薇乙女が自分以外の6つのローザミスティカを手に入れて誕生すると言われるアリスとは
また異なる存在。しかし、それはアリスにも負けない程の輝きと美しさを持っていた。
『そんな事をしても無駄だ。さあアリス、やっておしまい。』
「ハイ、オトウサマ。」
アリスは怪光線を放つ。しかし、合体薔薇乙女は片手で容易く弾き返した。
「!?」
「私は生きて帰る!待っている人達の為に!」
合体薔薇乙女は強かった。7体がかりでかかっても歯が立たなかったアリスと互角に戦っていたからだ。
両者の実力はほぼ互角。しかし、合体薔薇乙女にはアリスには無い物があった。それはマスターとの思い出。
代々のマスターとの思い出の中での経験、それらは何らたわいも無い物が殆どだった。
しかし、世の中いつ何が役に立つか分からない物である。今がまさにそれだった。
「それぇ!ハイキック!マウントパンチ!!」
合体薔薇乙女のハイキックがアリスの顔面に命中し、さらに倒れたアリスに対しマウントポジションを
取って連続でパンチを入れだしたのだ。およそ薔薇乙女らしくない戦い方である。だが・・・
実は翠石星は総合格闘技のTV中継にハマり、その試合中に出た技の数々を面白半分でジュンに掛けていた。
たわいも無い遊びである。しかし、その時の経験が今大いに役に立っていた。それだけではない。
他にも様々な思い出から培った経験がアリスを翻弄した。そして追い詰められ、
フラフラになったアリスに対し合体薔薇乙女が最後の攻撃を仕掛け、大きく右腕を振り上げた。
「これが絆だと言うのよ!!」
最後のトドメは真紅の絆パンチだった。そしてアリスは完全に倒れ、起き上がる事は無かった。
『素晴らしい!君こそが真のアリスだ。おめでとう。』
「調子のいい事ね。これが私達がお父様と呼んだ者の姿と言うの?」
『!?』
731合体薔薇乙女 3:2006/08/19(土) 10:21:42 ID:8GnbPtsa
合体薔薇乙女は合体を解き、元の7体に戻ると共に一斉に睨み付けた。
「お父様はもう私達が必要では無いのでしょう?さあ、このアリスと共に何処へでも行けば良いわ。」
真紅が倒れているアリスを抱え上げ、ぽいと投げ捨てた。そして7人は去って行く。
「私達は帰るわ。私達には帰る場所があるもの。」
『まて!お前達!』
「もう二度と翠石星達の前に姿を現すなですぅ!」
「めっなのー!」
『待て!待つんだ!』

翌日、何時ものように桜田家でお茶を飲む真紅の姿が見られた。
「ジュン、お茶がぬるいわ。入れなおして頂戴。」
「うるさいよ!そんなに文句があるなら自分で入れれば良いだろ!?」
「嫌よ、面倒くさいもの。」
「何だとぉ!?」
「それはそうと、ジュン、そろそろ学校に行ってはどう?」
「余計なお世話だ!!と言うかお前はどうするんだよこれから!結局何時ものように紅茶飲んで・・・。」
「さあ・・・。これからの事はゆっくり考えるのだわ・・・。」
いつもと変わらないごく平凡な光景。しかし、彼女等の表情はどこか明るい。
アリスゲームと決別し、殺し合いをする必要は無くなった彼女達は今いるマスターとの時と言う
名の新たな道を進み始めた。アリスゲームと言う目標がなくなった以上、何をすれば良いのか?
と言う悩みもあったが、それはこれから時間をかけて考えて行けばいい。
この瞬間から薔薇乙女達の新たな生活が始まるのである。
                     おわり
732名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/19(土) 21:36:38 ID:aHSIoSbA
感動の最終回吹いた
733名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/19(土) 22:30:00 ID:BkmGjXTm
>フラフラになったアリスに対し

ラプラスになったアリスに見えてワロタw
734名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/20(日) 02:30:55 ID:ODRsstB9
一切の妥協無き信念
あらゆる面に長けた究極の少女

お父様の心意気に吹いたw
もはや少女の概念じゃねーしwww
何処が基準なんだよオトーサマwww
735名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/20(日) 02:39:36 ID:Ri3/GLCq
やはり合体ロボバトルは戦隊ものの華だなw







で、蒼星石はどこ?
736名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/20(日) 02:56:42 ID:/6eXO5Xs
「合体」ってのもドール達がミーディアムの元で暮らした記憶から生まれたんだろう
真紅達がジュンと見たロボットアニメとか、水銀燈がメグと見た釣りバカ日誌とか
737名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/20(日) 08:46:01 ID:2ODVF5yn
雪華綺晶の場合は他の6体と境遇が全然違うけど
まあコイツはコイツで死ぬのは嫌やーってのはあったって事かな?
738名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/20(日) 08:52:23 ID:3wTlJnUB
なんとなくその場にいてノリで合体しちゃったんだろう
739名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/20(日) 14:14:13 ID:hjMUuo8r
合体と言うより寄生…
740名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/20(日) 16:22:37 ID:Tz9K4jXD
勝ったからって合体を解いちゃうのもったいないじゃん・・・・
741水銀燈・監禁編1:2006/08/20(日) 17:03:43 ID:Tz9K4jXD
「ねぇ、水銀燈。髪とかしてあげようか」
「いやぁよぉ。人間になんて触られたくないわ」

水銀燈はブチブチという音で目覚めた・・・なんだろう
気がつくとメグが水銀燈の羽を楽しそうに毟っていた。
「メ、メグ!何をしてるの!?」
「ふふふ・・・水銀燈がいじわるして逃げちゃうからいけないのよ」
もうすでに翼の半分ほどがむしりとられ部屋中に黒い羽根が散らばっていた。
「メグ!止めて!私の羽が!飛べなくなっちゃう!」
「これからは私とずっと一緒に暮らすのよ。水銀燈のために鳥篭も用意したんだから」
メグが指さすほうを見ると鈍い銀色に輝く鳥篭が置いてあった。
「メグ・・・本気なの?」
メグは黙って水銀燈を押さえつけ羽を毟りつづける。

水銀燈は鳥篭に閉じ込められた、メグはうれしそうに話しかける。
「ねぇ、水銀燈。あなたは天使よ、かわいそうな私を幸せにしてね・・・ふふふ」
「私は天使じゃないわ。メグ、ここから出して、あなたの傍に居てあげるから」
メグは笑いながら告げる。
「ふふふ・・・ダメよ。出したら水銀燈逃げちゃうでしょ」
メグは水銀燈との格闘で疲れたのかベットに上がり眠りにつく。

「メグ・・・貴方・・・どうしちゃったの・・・」
水銀燈はメグの身を案じながらも逃げ出そうと試みる。
篭の隙間から手を伸ばし入り口を固定する針金をゆっくりと解いていく。
「ふふふ・・・逃げちゃダメよ〜水銀燈」
水銀燈が見上げるとメグがベッドから顔をだし笑いながら水銀燈の手を捻り上げる。
メグは寝たふりをして水銀燈を誘っていたのだ。
「みんな私から逃げていくの、水銀燈も同じね」
「メグ、違うのよ。私にはアリスゲームがあるの、貴方をまきこみたくないの」
メグは鳥篭の扉を開け、水銀燈を抱き上げる。
「メグ・・・ありがとう・・・」

グシャッ!

メグは水銀燈を床に叩きつけ、膝で押さえつける。
「アリスゲーム?それがどうかしたの?どうせ私もあなたも死ぬのよ」
病人とは思えない素早い動きで水銀燈の足をつかみ両腕で引っ張る。
「メグ!止めて!私壊れちゃう」
球体関節がメキメキと音を立ててきしみ、やがて限界を超える。

ボグッ!

鈍い音を立てて水銀燈の足が根元から抜け、関節の砕けた破片が飛び散る。
「水銀燈も私も壊れた子なのよ!誰も私たちを救ってくれないわ!」
742水銀燈・監禁編2:2006/08/20(日) 17:05:17 ID:Tz9K4jXD
「ねぇ、水銀燈の体を食べちゃったら私も天使になれるかしら?」
メグは引き千切られた水銀燈の足をゆっくりと口に運ぶ。
カリカリと音をたてながら齧られていく自分の足を水銀燈は怯えながら見つめる。
(なぜ?なにかがメグを変えたんだわ・・・一体誰が・・・)
さすがに疲れたのだろう水銀燈の足を食べ終えたメグはベッドに上がりすぐに寝息をたてはじめる。

鳥篭の中に座り込んだ水銀燈は不意に誰かの視線を感じた。
壁際に置かれた大きな姿見、その中から白い人形がショーウィンドウに貼りつく子供のようにこちら見ていた。
「雪華綺晶!」
鳥篭に閉じ込められた水銀燈を雪華綺晶は無表情に見つめる。
雪華綺晶を見た水銀燈は瞬時に理解した。
(こいつがメグの心を狂わせた!許さない!)

雪華綺晶はポツリとつぶやく。
「カワウソ・・・ウッ!ゴホッゴホッ!!・・・カワイソウ」
「・・・カワウソ?」
「・・・・・・・・・・・・」
雪華綺晶は目を逸らし、立ち去ろうとする。
「あ〜〜〜!!間違えたのねぇ!!カワウソ??なにそれ!笑っちゃうわぁ」
雪華綺晶の肩がピクピクと震え、立ち止まる。
「カワウソはネコ目イタチ科カワウソ亜科に属する哺乳動物の総称・・・」
「いいのよぉ、無理しなくて。誰にでも間違いはあるわぁ・・・うふふ」

雪華綺晶は鏡の中からおぼろげな体を引き抜くようにして出て来るが、様子がおかしい。
「あらぁ?雪華綺晶、貴方まともに歩けないのぉ?喋り方だけじゃなく体もジャンクなのね」
雪華綺晶は産まれたての赤子のように壁にすがりながら水銀等の鳥篭に近寄ってくる。
「カワイソウ・・・出してあげる」

鳥篭の入り口に手を掛けた雪華綺晶を水銀燈は篭の隙間から思い切り引き寄せる。
「いまさら情けをかけるつもりかしらぁ?」
水銀燈は容赦なく雪華綺晶の首に手をまわし締め上げる。
首を絞められながらも鳥篭の針金を外した雪華綺晶は微かに笑ったように見えた。
「貴方はジャンク、もうアリスになれない・・・」
雪華綺晶の体は瞬時に霞のようになり消え去った。

水銀燈は雪華綺晶の言葉を鳥篭の中で反芻していた。
(もう、アリスになれない・・・羽と片足を失って他の姉妹と闘えるのか・・・)
一度は鳥篭の外に出たが再び鳥篭に戻る。
(雪華綺晶は消えた・・・メグも元に戻るはず・・・メグと共に生きよう)

いつの間にか夜が明けていた。
「メグ、起きなさぁい。朝御飯にしましょ」
743名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/20(日) 21:03:39 ID:ZmVB2TF/
水銀燈カワイソスと思ったけど、いい話的要素もあって泣けた。
雪華綺晶の扱いはワロッタ。最初はメグに羽と足をやられた水銀燈に
トドメを刺しに来たのか?と思ったけど、全然違う扱いで。
744名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/20(日) 21:15:45 ID:BejP3d3z
内容は兎も角、
>>678>>742 の変化
意を汲んで言わせて貰うと

自分の文を 一度読み直して見ては?
と。

漏れ『だけ』かも知れないが、
文章にくどさを感じる


まぁ、内容は良かったですよ
次回作に期待
745ロボファイ水銀燈 1:2006/08/21(月) 08:16:02 ID:ki5bCt1I
西暦21XX年。科学技術の発達は人格を持つロボットを実現させ、人間とロボットの
共存する社会を生み出していた。その中、人間とロボット共通の娯楽として楽しまれていたのが
ロボットファイト、略してロボファイと呼ばれるロボット同士の戦いによる戦闘競技。
そして今日も我こそが最強ロボと信じるロボット達がスタジアムに集結する。
そんな中、街外れに一つの寂れたジムが存在した。トンゲロボファイジム。
ロボファイの選手を育成するジムであるが、大した選手は殆ど輩出されておらず、
三流ジムと呼ばれていた。そのジムの真ん中の練習用リングの真ん中に一人の男が座っていた。
男の名はトンゲ=ドンペイ。このジムのオーナー兼コーチであるが、その服装は
オッサンシャツに腹巻、ゲタなど、時代遅れも甚だしい格好をしていた。貧乏なのだ、彼は。
しかしその日、ある存在が彼の生活を一変させる事となる。
ローゼンメイデン第一ドール、水銀燈。彼女がドンペイのジムにやって来たのである。
「あ〜らぁ、貴方が私のネジを巻いたのぉ?な〜んか冴えない親父ねぇ〜。」
「コイツはすげぇ・・・。ただの古臭ぇアンティークドールかと思ったらお前ロボットか!?」
「何このお馬鹿さんはぁ。私はローゼ・・・んが!」
水銀燈の言葉を遮り、ドンペイが物凄い勢いで彼女の肩を掴んだ。その時の力は物凄く
思わず関節が外れそうになった。
「お前・・・ロボファイ選手にならねぇか?」
「ちょっちょっといきなり何なのよぉ!話が読めないわぁ!」
「あ・・・す・・・すまねぇ。俺の名はこのジムのオーナー兼コーチのトンゲ=ドンペイ。お前は?」
「ローゼンメイデン第一ドール、水銀燈よ。」
「聞いた事無い型式だな〜。一体何処のメーカーが作ったロボットなんだ!?」
「ロボットなんて下等な物と一緒にしないで欲しいわぁ。私はローゼンメイデン。
お父様が作った誇り高きドールなのよぉ。」
「ああなるほど。個人によるオーダーメイドってワケか。」
「貴方・・・人の話聞いてる?」
ドンペイの態度に水銀燈もカチンと来ていたが、それ以上に気になっていたのは今いるジムの汚さだった。
「それにしても汚い所ねぇ。信じられなぁい。」
「何しろ貧乏ジムでな。門下生も殆どいなくなっちまって。だが、お前は鍛えれば結構行けると見たぜ?
おい!ここで会ったのが何かの縁だ!ロボファイ選手にならんか!?」
「何よそのろぼふぁい?ってぇ〜?」
「ロボファイってのは最強のロボットを決めるロボットの格闘大会よ!」
ドンペイはそう言うと、テレビのスイッチを入れる。そしてテレビではロボファイの中継が行われていた。
多種多様のロボットによる壮絶な格闘戦、入り乱れるビームやミサイル、会場中が大勢の人間や
ロボットで湧くスタジアム、などなど様々な事が映し出されていた。
「どうだ?わかったか?」
「バッカみたぁい。あんなのアリスゲームに比べれば子供の遊びよぉ。」
水銀燈はドンペイをあざ笑うかのような顔で後ろに振り返ろうとした。しかし・・・
「ほぉ。アリスゲームってのが何なのかは分からんが、お前・・・怖いんだろう?」
「な!?こ・・・怖いですってぇ?」
「違うか?この試合見て怖気づいたんだろう?キャア怖い怖いって感じによ!」
ドンペイのその言葉だけで水銀燈を怒らせるには十分だった。水銀燈は背中の翼を大きく左右に広げ、
ドンペイの顔を物凄い形相で睨みつけた。
「分かったわぁ!ならば直接アリスゲームに比べれば子供の遊びだと言う所を見せてやるわぁ!」
「よし決まりだな!試合出場等の手続きは俺に任せろ。」
746ロボファイ水銀燈 2:2006/08/21(月) 08:16:58 ID:ki5bCt1I
数日後、大盛況のスタジアムのど真ん中に水銀燈の姿があった。前座扱いだけど。
『彗星の様に現れた期待のルーキー!スイギントー!ゼンマイ動力と言う変り種であります!』
「キャー!小さくて可愛い!」
「ゴスロリロボだー!」
「それにしても良く出来たてるなー!本物の女の子みたいだー!」
観客達が水銀燈をはやし立てるが、水銀燈本人は思い切り緊張していた。
「て・・・テレビで見る以上に・・・本格的じゃなぁい・・・。」
水銀燈が緊張するのも無理も無い話だった。それまで一部の関係者以外の前からは
姿を隠す様な生活を続けていた彼女にとって、これほどの大勢の人間から注目されるのは
初めてだったからである。
『対しましてはー!迫り来る重金属!ビッグバン!』
「ちょっと・・・大きすぎなぁい?」
対戦相手は全身が超合金の重装甲で覆われた2メートル以上の大型ロボットだった。
「全くひでぇ貧乏くじ引いちまったぜ。こんなおチビちゃんを相手にしなきゃならんとは。」
「お!おチビちゃぁん!?」
ビッグバンの最初のセリフで水銀燈は怒った。普段から人を馬鹿にしている者ほど
他人からの馬鹿にされる事には意外に脆い物である。今の水銀燈がまさにそうだった。
『それでは試合開始です!』
そして試合が開始された。ビッグバンがその巨大な腕を振りかぶって水銀燈に迫る。
「その可愛いお顔を粉々に砕いてやるぜぇ!」
「きゃあ!」
その瞬間、水銀燈にある恐怖の記憶が蘇った。かつて彼女は顔面を思い切り殴られると言う
辛酸をなめた事がある。しかも自分が最も馬鹿にしていた相手に・・・
その事が彼女のトラウマとなっていたのだ。
「避けろ水銀燈!!スピードならお前のが上だ!!スピードでかき回せ!!」
「はっ!!」
ドンペイのアドバイスで我に返った水銀燈は翼を広げ、後ろに飛び上がる事でビッグバンの
拳を回避した。そして距離を取りながら羽を飛ばした。
「これで切り刻んであげるわぁ!ってええ!?」
残念ながらビッグバンには通用しなかった。人間やドールなど柔らかい対象を切り裂く事が
出来ても、強固な重金属の塊であるロボットには通用しなかったのだ。
「無駄だ無駄だ!」
「それならぁ!」
水銀燈は羽の中から一本の剣を取り出す。その剣先をビッグバンの肘関節に突きこんだ。
「関節なら脆いはずよぉ!」
「なるほど。考えたな?だが・・・。」
その時だった。ビッグバンの肘関節が火を噴くと共に、肘から先が撃ち出されたのだ。
そう、それは俗に言うロケットパンチと呼ばれる物だった。
「あああ!!」
ロケットパンチの直撃を受けた水銀燈は思い切り壁に叩き付けられ、倒れこんだ。
「か・・・は・・・。」
水銀燈は立ち上がろうとした。しかし、体が動かなかった。
「(う・・・動けない・・・。そんな・・・ロボットなんかにぃ・・・ロボットなんかにぃ・・・。)」
水銀燈はショックだった。自分が子供だましと馬鹿にした相手にこの様にやられるなど
プライドの高い彼女にとってそのショックは想像を絶するものだったからだ。
747ロボファイ水銀燈 3:2006/08/21(月) 08:18:09 ID:ki5bCt1I
『無様ね、水銀燈。』
「(!?)」
水銀燈が見た物。それは彼女の姉妹達だった。しかも水銀燈を見下すような顔で見下ろしていた。
『あの時謝って損したのだわ。やっぱり貴女はジャンクなのだわ。』
「(真紅!)」
『頭脳派な私と違って大馬鹿なのかしらー!』
「(金糸雀!)」
『お前はローゼンメイデンの面汚しですぅ。』
「(翠星石!)」
『所詮第一ドールなんて僕達を作る為の試作品。この程度って事だね。』
「(蒼星石!)」
『水銀燈なんて大嫌いなのー。』
「(雛苺!)」
『アナタハジャンク・・・。』
「(雪華綺晶!)」
『アハハハ!ジャンクジャンク!』
「(違う・・・私はジャンクじゃないのよぉ・・・。)」
水銀燈は心の中で必死に叫んだ。しかし、肝心の声が出なかった。
『何時も私達をお馬鹿さん呼ばわりしていた貴女は何処へ行ったの?水銀燈。』
『悔しかったら立ち上がって見るですぅ!』
『ま、ジャンクには無理な話だよ。』
「私はジャンクなんかじゃ無いのよぉぉぉぉぉぉ!!!」
姉妹達に罵倒された怒りからか、水銀燈は立ち上がった。その時の彼女の目付きが変わった。
そして物凄い気迫を発しながらビッグバンを睨みつけていた。
「私はぁぁぁ・・・ジャンクなんかじゃ・・・無いのよぉぉぉ!!」
「何をワケの分からん事を素直にダウンしてれば良いものを!」
ビッグバンはパンチを打ち込むが、水銀燈はビッグバンの頭上に飛んでかわし、
背後に回りこんだ。素早く振り返るビッグバンだが、水銀燈は背を向けたままだった。
「バカめ!敵に背を向けるとは!」
「さぁ・・・。それはどうかしらぁ・・・。」
その時だった。水銀燈の翼が大きく伸びると共にビッグバンに襲い掛かった。
「本当のバカはお前だな!その技はもう通用せんと・・・うわぁ!」
水銀燈の翼はビッグバンの全身に絡み付いた。しかもまだまだ伸びて行く。
「これがローゼンメイデン第一ドールの力よぉ!」
ビッグバンを絡みつかせた水銀燈の翼は何十メートルにも渡って伸び上がり、
そこからさらに高速で振り回したのだ。強風が起こる程にまで・・・。
『これは凄い!スイギントー、重量級のビッグバンを振り回しております!!』
「うおおおおおおおおおおお!!」
「これで・・・終わりよぉぉぉ!!」
高速で振り回した後、その勢いの全てを注ぎ込んでビッグバンを地面に叩き付けた。
それは大きなクレーターが出来る程であり、流石のビッグバンの重装甲もそれには耐えられなかった。
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・。」
「俺ぁお前におチビちゃんと言ったが訂正するぜ・・・。お前はとんでもねぇおチビちゃんだ・・・。
お前なら勝てるかもしれねぇな・・・。あの桜田博士が作った最強ロボ・・・
あの紅の悪魔に・・・。お前の行く末・・・期待するぜ・・・。」
『やりました!スイギントー!デビュー戦は勝利を飾りましたー!』
「すげぇぜ水銀燈。やはり俺の目に狂いは無かった。」
「や・・・やったのぉ?私・・・。」
水銀燈はロボファイにおいて記念すべき一勝を飾った。しかし、それが彼女の新たな戦いの始まりだった。

                    おわり
748745:2006/08/21(月) 08:25:45 ID:ki5bCt1I
ロボットが普通になる程の時代になったらローゼンメイデンはどんな反応するだろう?
と随分前から考えていた。そんな時代ならローゼンメイデンも大手を振って外に出歩けるだろうし。
749名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/21(月) 10:15:16 ID:/2SoUeFS
立ち上がれ!水銀燈
彼女の脳内に流れるのはやっぱり「アリス」か?

戻れるんだ・・・これでただのドールに・・・戻れるんだ・・・ラ〜イラライラライラ・・・
750名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/21(月) 10:58:36 ID:INqKcoGr
GJ
真っ白な灰になって燃え尽きるまでを書いて欲しいね
751名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/21(月) 11:08:07 ID:/2SoUeFS
紅の悪魔が不自然な判定勝ちをすると見た
752名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/21(月) 13:44:24 ID:oUxp+XWT
(#^ω^)ビキビキ
753名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/21(月) 16:37:21 ID:gedwFfKM
>>744
うん、最後のほうはグダグダだった
もっとシンプルにまとめるべきだった

次は力抜いてかいてみる
754真紅・便所編:2006/08/21(月) 19:50:27 ID:gedwFfKM
「ジュン、紅茶を私の部屋に持ってきてちょうだい」
僕は紅茶を淹れてトイレに運ぶ。
「ジュン、ご苦労様。そこのテーブルに置いておいて」
僕は紅茶を便座の蓋の上に置く。

最初に会った時に説明しなかった僕が悪いんだ。

初めてトイレに入った真紅は芳香剤の匂いと落ち着いた色の壁紙がすっかり気に入ってしまった。
真紅はトイレを自分の部屋に決めてそこで生活するようになった。
幸いにも僕の家には一階と二階にトイレがあるから不自由はないが
トイレで紅茶を飲み、トイレで眠り、トイレでシャワーを浴びるのは問題がある。
いつかは真紅に本当のことを説明しなければならない。

ある晩、僕は腹痛で目を覚ました。

グキュ〜〜キュルル〜〜グリュリュ〜

もう間に合わない!真紅には申し訳ないが二階のトイレを使わせてもらおう。
僕はトイレに駆け込むと床に置いてあるトランクを踏まないように便座にすわる。

ブビッ!ブビビビビッ!ブビビッ!ブピピピ!プシュ〜〜!

ふ〜快感!!食べ過ぎた夕食の中身を全部はき出してしまい、腹内のガスもついでに出す。
そういえばトイレの電気つけっぱなしだった、いつも閉まってる便座の蓋が開いてたな・・・

「・・・なのだわ」

僕のお尻の下からくぐもった声が聞こえてきた。
どうやら真紅は夜中に水風呂につかって涼を楽しんでいたらしい。

僕は黙って尻を拭き、トイレを流した。
背後の人形の悲鳴を聞きながら僕は明日から学校に行こうと決心した。
755名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/21(月) 22:48:28 ID:AeemJZ9n
ふむぅ、着眼点はなかなか…
オチは最悪だがw
756名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/21(月) 23:53:15 ID:/LVdRybv
>>754
想像すると恐ろしいがワロッタ。
で、その後復讐鬼と化した真紅が○○○まみれの姿で
ジュンの前に姿を現すという展開が・・・無いか
757名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/21(月) 23:58:25 ID:T9Tqhcqq
いい加減面白くないよ。
758名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/22(火) 03:44:13 ID:f0y5w3Ef
>>754
素晴らしい才能です!
759梅岡大作戦:2006/08/22(火) 08:57:29 ID:bLTEPNwj
「ジュン、お茶がぬるいわ。淹れなおして頂戴。」
「うるさいな。茶位いい加減自分で淹れろ。それとも何か?茶でさえ淹れられないとでも・・・んべ!」
「口の聞き方がなってない下僕ね。早く淹れなさい。」
「やっぱり図星じゃ・・・べふぅ!」
何時ものように真紅がジュンに命令し、口答えしたジュンに真紅の制裁が加えられる。
もはや桜田家にとっては何の変哲も無い平凡な光景。しかし、その日は少し違っていた。
ジュンと真紅のやり取りを監視する何者かの姿があったからである。
「す・・・凄い物を見てしまった・・・。桜田・・・お前はそこまで追い詰められていたのか?」
その男の名は梅岡。ジュンの学校の担任教師である。梅岡はジュンのヒキコモリを治そうと
努力していた。その為に桜田家をこっそりと観察して機を伺っていたのである。
殆ど犯罪では?とも思われたが、ジュンのヒキコモリを治す事で頭が一杯の梅岡には
その問題は全く考えていなかった。
「何と言う事だ。桜田は引きこもり続けた挙句、フランス人形と話をするようになってしまったなんて・・・
しかもあんな主従関係の演技までして・・・うう。一体何がお前をそこまで変えてしまったんだ。」
どうやら梅岡にはジュンと真紅のやりとりが、ジュンが一人でお人形さんごっこをやっていると
映った様である。そしてフランス人形と呼んだのは、まあ素人から見て西洋人形=フランス人形の
図式がある為であろう。
「このままでは桜田は本当にダメになってしまう。引きこもって話し相手がいないからって
何もフランス人形を相手にするなんて・・・。だが自分に何が出来る? ・・・はっ!」
その時梅岡に良いアイディアが浮かんだ。
「これだ!今の桜田を何とかするにはこれしかない!」

数日後、梅岡が桜田家に家庭訪問にやってきた。
「やあ桜田。元気で何よりだ。」
「あ・・・あ・・・。」
ジュンは蛇に睨まれた蛙のような顔をしていた。しかし、梅岡に対してではない。
確かにジュンにとって梅岡の存在は恐怖以外の何者でもない。だが、それさえ気にならなくなる程の
恐怖が、梅岡の肩に乗っていたのだ。
「ああこれかい?これは先生のお友達のウメウメ君だよ。」
『ヤア僕ノ名前ハウメウメ。ヨロシクネ。』
「う・・・あ・・・ああ・・・。」
これこそ梅岡が取った戦略だった。何事も相手の気持ちになって考えるのは大切な事である。
故に梅岡は人形を買い、腹話術をする事でジュンの気持ちを考え、上手くいけばそこを
きっかけにしてジュンと話をし、そこからヒキコモリを治せないか?と考えたのである。
『ジュン君。ドウシタンダイ?』
「ああ・・・ああ・・・。」
ジュンは恐怖に引きつった顔で後ずさりしていた。梅岡が取った人形作戦、確かにそのアイディアは
悪くなかった。だが、それは今のジュンにとって逆効果だった。
梅岡の腹話術が泣きたくなる程下手と言う問題もある。だが、それ以上にこのウメウメ君と
名付けられた人形があまりにもキモかったのである。その人形の造型はどう見ても
日本人好みじゃない外国製で、誰が見ても不気味としか言い様の無い妙なリアルさを持っていた。
確かにジュンが普段接している薔薇乙女達もリアルと言えばリアルなドールなのだが、
あまり不気味さは感じられないし、その存在自体ジュンは慣れてしまっている為に問題は無い。
だが、このウメウメ君は余りにも不気味で怖かった。そして・・・
「う・・・うぇぇぇぇぇぇぇ!!」
ジュンは吐いてしまった。こうして梅岡の作戦はあえなく失敗に終わったのだった。

「やっぱり今日もダメだった。だが、何時の日か桜田のヒキコモリを治して見せるぞ。」
『ウン!僕モ頑張ルヨ!』
帰路の途中でも腹話術をする梅岡。その光景は他の通行人さえ引く程の異様さであったが、
数年後、梅岡は「腹話術先生」と呼ばれ、県内にその名を轟かせる事になる。
だが、それはまた別のお話である。
760名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/22(火) 21:17:43 ID:x/s5ur3m
次スレ立ててきまーす
761名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/22(火) 21:23:32 ID:x/s5ur3m
次スレ

【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 3【一般】
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1156249254/
762名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/22(火) 22:12:46 ID:3x6kq3+k
>>761
超乙
763名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/23(水) 17:49:58 ID:a22SEKzn
あれ?もう容量近かったのか
超乙
764名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/26(土) 00:18:01 ID:GNr2x6l3
蒼の話

蒼「やあ、ジュン君。ひさしぶり。」
 僕は”桜田家”と書かれた墓に着き線香をあげて言う。
蒼「1ヶ月に一回は来れるようにしているのだけど・・・まあいいや
 今日は嬉しい報告があるんだ。」
蒼「僕、癌にかかっちゃてさ、半年も生きれないって医者に言われてね。」
 墓の前で静かに言う。
蒼「君が死んでもう50年・・・・僕もおばあさんになったし、君にもすぐ
  会いたいし、君からみて半年なんてすぐだろ、そっちに逝って君の隣に
  女が居たらすぐにどかして君の隣にいくよ。」
 木々がざわめく。
蒼「だから・・・まってて。すぐに来るよ。」
蒼「じゃあ、僕は行くよ。半年後に・・・また。」

END
 
765名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/26(土) 19:12:18 ID:7SZvLEF5
全米が泣いた
766名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/27(日) 17:58:52 ID:UokIQ1Qk
そこまで良い物ではないと思う
ぶっちゃけ僕は面白くなかった
767投稿作品まとめ (敬称略):2006/08/27(日) 22:37:22 ID:IjS6RCMJ
01. 【 Y.A.S.S. 】 >6-17
02. 【 薔薇乙女戦争 】 >32-35 >70-78 (ケットシー)
03. 【 終章 】 >36-42 (お兄ちゃんsageて!そいつ殺せない!)
04. 【 -- (あしや人形感謝祭) 】 >49
05. 【 桜田さんちの薔薇少年 】 >57-64 >313-317 (熊のブーさん)
06. 【 -- (TWENTY FOUR) 】 >66
07. 【 5月の結婚記念日 】 >110-117 (妄想のままに)
08. 【 SPOON 】 >121-127
09. 【 初めてのなっとー 】 >138-140 (ケットシー)
10. 【 BABY MAYBE 】 >159-169 (吝嗇)
11. 【 引き籠もれ 】 >172-173 (こがね)
12. 【 人に歴史あり 】 >211
13. 【 -- (元治) 】 >214-222
14. 【 酒 】 >258-262
15. 【 -- (くんくん) 】 >267-268 >298-299 >309-310
16. 【 -- (酒) 】 >271
17. 【 翼と喜怒哀楽 】 >274-293 (妄想のままに)
18. 【 狂った時計塔 】 >304-307
19. 【 -- (ローゼン) 】 >337-340
20. 【 -- (めぐ) 】 >381-385
21. 【 タコ 】 >402-404 (妄想のままに)
22. 【 真紅・修行編〜死闘編 】 >426-428 >439-441
23. 【 ゼンマイ 】 >453
24. 【 ティーカップ 】 >459
25. 【 花火 】 >462-469
26. 【 水銀燈行進曲 】 >481-487 (吝嗇)
27. 【 真紅・陰謀編 】 >497
28. 【 真紅・中華編 】 >506
29. 【 真紅・不死鳥編 】 >515
30. 【 ガラスのくつ 】 >529-535
31. 【 金糸雀・陰謀編 】 >543
32. 【 真紅・酒場編 】 >551 >559
33. 【 真紅・完結編 】 >554
34. 【 真紅・契約編 】 >560-563
35. 【 -- (居眠り) 】 >569-571
36. 【 水銀燈・彼岸編 】 >577-580
37. 【 真紅・巨乳編 】 >584
38. 【 真紅・首無編 】 >593
39. 【 〜戒〜 】 >598-607
40. 【 雛苺・密偵編 】 >652 >678
41. 【 水銀燈・携帯編 】 >693
42. 【 金糸雀・精霊編 】 >720
43. 【 ジュンの忘れ物 】 >726
44. 【 合体薔薇乙女 】 >729-731
45. 【 水銀燈・監禁編 】 >741-742
46. 【 ロボファイ水銀燈 】 >745-747
47. 【 真紅・便所編 】 >754
48. 【 梅岡大作戦 】 >759
49. 【 -- (墓参り) 】 >764

計 49 作品 おつかれさまでした
768名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/27(日) 22:42:34 ID:7oIamEv9
結構たくさんあったね。
769名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/28(月) 23:42:13 ID:TkErBa7f
>>767
乙であります
770名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/29(火) 10:53:14 ID:UxDEkGUq
>>767
乙ですぅ
771名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/30(水) 20:30:01 ID:L9KSVAwy
>>767

34の真紅・契約編に真紅・対決編が混じってる
772名無しさん@お腹いっぱい。:2006/09/02(土) 20:14:47 ID:sdefvRvp
俺のも数に入ってる…うれしいやら恥ずかしいやら…
てか題名はつけるもんなんですね、つけてなかったや
773名無しさん@お腹いっぱい。:2006/09/03(日) 17:40:57 ID:0QmrrZiz
最期っぺあげ
774名無しさん@お腹いっぱい。
もしも薔薇乙女達がドブネズミだったら
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1157367376/