【絶叫うるせえ】土井敏之18【粒をフルボッコ】

〜回想シーン〜（ﾓｸﾓｸﾓｸ・・・）

ドイツ、ゲルゼンキルヘンとトルコのアンカラでは今にも暴動が炸裂する段階に入っていた。
ここではとても紹介出来ない程のアンチへの中傷プラカード、弾幕。
猛り狂う群集はまるで檻から今放たれんとする空腹のライオン達だ。
勿論、この様子の始終は会議の間にもモニタリングされていた。

ジリジリとしたディスカッションはまだ続いていた。
冷静さを取り戻しつつもまだ狂気を秘めた者達からは次のような提案が為された。
「アンチ一掃の為の緊急特別措置」

私が最も畏れていた事態だ。
超法規的措置や時限立法の類により、ツァｰリ・ボンバが着弾すれば世界が終わる。
いち国家や諸地域の集合体である機構が制御出来る代物ではない。
我々の力は地球を統べる程の力を得た一方、規律と制御を失えば共倒れになることに今更ながら実感を覚える。

万事休すか・・顔面蒼白の本部代表を横目に私は諦観の念が芽生えていた。