【フジ朝の顔】高島彩 vol.19【聖火ランナー】
「先生、バナナはおやつに入りますか」
そもそも、この台詞は小学生が遠足のときにおやつの上限額の制約を
すり抜けるために考え出されたささやかな抵抗である。
すなわち、「バナナはおやつではないのでおやつの額には加算されない。
よってより多くのおやつ的なものを楽しむことができる」という巧妙な戦術だ。
だが、巧妙に見えても子供は子供。決定権を教師側に預けると言う愚を
おかしてしまっている。挙手をした小学生にわずかでも老獪さがあるのなら、
こんなものは遠足当日、バナナを持ってきた上で「私はバナナはおやつでは
なく通常の食糧と判断したので持って来ました。何か御反論は?」
と言い放てばいいだけの話である。そこで教師が「それはおやつには入る」
と主張したのなら、こちら側のおやつの概念との相違を事細かに指摘し、
「価値観の相違」の泥沼的決着に落とし込む。この技術を応用すれば、
ポッキーやせんべい、マシュマロやチョコレートいかなるものでも
「おやつではない」と主張することができる。