レズアナ・バイアナを語るスレッド Part2

このエントリーをはてなブックマークに追加
430名無しさん
〜帰郷と出会い〜

第1章 出発

夜の東京駅で新幹線を待つ1人の若い女性。
年齢は24歳前後であろうか。表情は少し寂しげである。
彼女は東京で仕事をしていたが、リストラの影響で会社を解雇され、
故郷の大阪に帰郷するところであった。
しばらくすると、白いヘッドライトを光らせた新幹線がゆっくりと入線してきた。
そして、彼女と同じ名前の列車に乗り込んだのである。
新幹線に乗り込んだ彼女は、周りに目もくれず財布にある指定券を確かめ、
指定された窓側の席にゆっくりと腰掛けた。
彼女が乗った車両には周りに殆ど人がおらず、彼女は車窓をじっと眺めていた。
まもなく、発車ベルが鳴り、新大阪行き最終のぞみはゆっくりと走り出した。
ネオンライトが光る光景はまだ東京の車窓であるが、
彼女は「さようなら、東京」と小さな声で独り言を言った。
431名無しさん:02/06/17 22:12 ID:S0KumIX2
第2章 謎の女性

東京を発ってから十数分、望が乗った電車は新横浜に到着した。
車窓は東京よりは少し寂しい。でも、まだ関東にいるのだと望は思った。
新横浜での停車時間は短い。すぐに電車はゆっくりと走り出すのであった。
それから、望がいる車両に数人が乗り込んできた。
その中の1人の長身の女性が彼女の隣に来て、「よろしいですか」と声を掛けてきた。
「ええ」と望は彼女を見ることもなく、暗い車窓を眺めながら返事をした。
その女性は軽く会釈をして、望の隣の席に腰掛けた。
まもなく、車掌が検札にやって来たとき、望は初めて隣にいる女性の姿を見た。
「どこかで見たことある人だなぁ」と思いつつ、誰なのかは思い出せなかった。
そして、望は再び車窓を眺めようとすると、突然、隣にいる女性から声を掛けられた。
432名無しさん:02/06/17 22:13 ID:ddUTr/kV
第3章 出会い

「外は真っ暗だから、外を見てもおもしろくないでしょ」

確かに、新横浜を過ぎた夜の車窓は真っ暗で殆ど何も見えない。
ただ、望は目のやりどころがなくて外を眺めているだけだった。
声を掛けられた望は女性の方を振り向いた。

女性 「ところであなた、名前はなんて言うの」
望   「私は望と言います」
女性 「望ちゃんね。この列車と同じだね」
女性 「でも、最初はこの列車好きじゃなかったわ」
望   「なんでなの?」
女性 「私、名古屋で生まれて京都で育ったから、私の故郷を無視されたようで…」
望   「そう言えば、あの頃は名古屋と京都は通過していたっけ」
女性 「でも、望ちゃんは嫌いじゃないから安心して」
望   「そう言えば、お姉さんの名前は?」
女性 「私は『さくら』。長崎に行く寝台列車と同じよ」
望   「さくら姉さんか。かわいい名前でお姉さんにぴったりだね」
女性 「やだ。望ちゃんったら、上手いんだから」
望   「でも、お姉さんは鉄道に詳しいんだね」
女性 「それほどでもないけど、旅行が趣味だから、何となく覚えていったわ」
女性 「九州へは飛行機で行くことが多いけど、たまには列車でのゆっくりとした旅も悪くないわよ」
望   「やっぱり、旅行は彼氏と一緒に行くの?」
女性 「ううん。同性の友人と行くこともあるけど、一人旅が多いかな」
望   「悪いこと聞いちゃったかな」
女性 「気にしていないから、大丈夫よ」
望   「今度、機会があったらお姉さんと一緒に旅行に行きたいな」
女性 「そうだね。今度、機会があったら望ちゃんと2人で行きたいね」
望   「だったら、連絡が取れるようにメールアドレスと携帯番号を教えて」

そこで、2人はお互いのメールアドレスと携帯番号を交換した。
その後も2人は女性の趣味である旅行の話を弾ませていた。
その間、望はどこかで見たことのあるこの女性が誰であるか考えていた。
433名無しさん:02/06/17 22:13 ID:D3C0ij9i
第4章 別れ

東京を発ってから約2時間過ぎ、列車は京都を出発し、終点の新大阪駅に向かっていた。
そして、終着を知らせる車内メロディーが流れた。

さくら 「そろそろ、新大阪だね。望ちゃんは降りる準備できた?」
望.   「私は大丈夫よ」
さくら 「望ちゃん、私の話し相手になってくれてありがとう」
望.   「お姉さんの旅行の話おもしろかったから、機会があったら一緒に行こうね。これは約束よ」
さくら 「わかったわ。機会があったら連絡するから、スケジュール空けておいてね」
望.   「私はいつでも空いているから大丈夫よ」

定刻通り、新大阪に着き、2人は列車を降りた。

さくら 「もう遅いけど、望ちゃんはこれからどうするの?」
望.   「私は新大阪で家族が迎えに来ているから大丈夫だけど、お姉さんは?」
さくら 「近くのホテルを予約しておいたから大丈夫よ」
望.   「そうだよね。私って、何を質問しているのかしら」
さくら 「早く行かないと、家族が心配するから、ここでお別れね」
望.   「お姉さん、おやすみ。また、どこかで会いましょうね」
さくら 「望ちゃんもおやすみ」

こうして、2人はそれぞれの方向に歩んでいった。
そして早速、望はさくらにメールを打った。

「さくらお姉さん。絶対に2人で旅行に行こうね。 by望」

メールを送信するとまもなく、返信メールが来た。

「望ちゃんと旅行に行けることを楽しみにしているから心配しないで。 byさくら」

それから、望は家族の迎えで自宅に戻り、さくらはホテルに泊まったのであった。
その時も、望はさくらの正体が気になっていたが、やはり思い出せなかった。
434名無しさん:02/06/17 22:14 ID:/T0Kkh4q
第5章 旅行計画

2人が別れてから約1ヶ月後、さくらの方からメールが届いた。

「今度の土日に、有馬温泉に行こうと思っているけど、望ちゃん一緒に行かない?」

もちろん、望は快諾した。そして、旅行計画の詳細を詰めていった。
今回は2人だからということで、さくらの運転する車で行くことになった。
宿泊の手配などの面倒なことはさくらが全てしてくれることになった。
実は、この旅行を望はもちろん、さくらも楽しみにしていたのである。
それは望の知らないところで、さくらはあることを実行する計画を立てていたのである。
435名無しさん:02/06/17 22:14 ID:/7eXLpYh
第6章 温泉旅行

温泉旅行の当日、望はさくらの迎えを待っていた。
そして、さくらの車が望の目の前に停まったが、望は少し驚いた。
なにせ、さくらの車はスポーツカーだったからだ。しかも、手袋も着用していたのである。
望はさくらの車に乗り込むと、さくらの車は勢い良く発車した。
また、望はさくらの運転の華麗さにも驚かされたのである。
「お姉さん、A級ライセンス持ってるの?」と、望は冗談交じりに質問した。
「国内だから大したことないけど、一応ね」と、さくらは軽く言った。
望は思わず「お姉さん、格好いい〜」と言ってしまったのである。
望も運転免許こそ持っているが、東京での生活で運転は殆どしていなかったから、
ペーパードライバーに近いものがあったので、驚くのも無理はないだろう。
しばらくしているうちに、目的の旅館に着いた。
早速チェックインを済ませ、部屋に入ったのである。
ここで、すぐに温泉に入りたくなるところだが、旅行慣れしているさくらは
「温泉に入るのは、1時間ぐらい休憩してからの方がいい」と望に温泉の入り方のコツを教えた。
さくらの言うとおり、1時間休憩してから2人は温泉に向かうことにした。
運が良かったのか、温泉には2人以外誰もいない。
2人とも浴衣を脱ぎ、お互いの身体(からだ)を見せ合った。
さくらは「望ちゃんは若いから、やっぱり肌がきれい。ちょっと触らせて」と望の身体に触れた。
一方、望は「お姉さんこそ、綺麗な身体をしているわ。胸なんてとっても綺麗」と望は軽くさくらの胸に触れた。
温泉ではお互いに体を流し合ったりして、2人は段々親密度が増していった。
温泉に入った後は神戸牛を初めとした豪華な食事があり、ここではさくらのグルメぶりが発揮された。
食事中、望はトイレに行きたくなったので、部屋の鍵を借り、いったん部屋に戻ったのである。
そこで、さくらの意外な正体を知ることになってしまうのである。
436名無しさん:02/06/17 22:14 ID:y60ez0Jz
第7章 さくらの正体

部屋に戻り、用を済ました望は出会った頃から気になっていたことを確認したくなった。
悪いこととはわかってはいるが、どうしても気がかりだったので、さくらの鞄を覗いてしまった。
そして、さくらの財布を見つけ、中身を確認し、免許証を取り出した。
さくらの免許証には「有賀さつき」と書かれていた。望はこれを見た瞬間、今までの疑問が解けた。
さくらは実際にはタレントの有賀さつきであること、彼女の名前が本名であること。
しかし、望にはもう1つ疑問が残った。そう、彼女は結婚していたはず。
なのに、免許証には旧姓であるはずの「有賀さつき」と書かれている。
望はしばらくして、彼女が離婚していたと感づいた。
また、今回の旅行は離婚による傷心を癒すのが目的だったのかと思った。
でも、望は今回の旅行ではこのことは知らなかったことにしようと決意した。
そして、さくらの鞄を元通りにして、元のところに戻ったのである。

さくら 「望ちゃん、ちょっと遅かったね。そういうのは食事前にしないとダメよ」
望.   「ごめんなさ〜い」
さくら 「まあいいわ。料理が冷めてしまったけど、食事を再開しましょう」

望は何事もなかったように食事を済ませ、2人は再び部屋に戻るのであった。
437名無しさん:02/06/17 22:15 ID:C2bxHR0r
第8章 告白

食事を終えた2人が部屋に戻ると、突然さくらが望に話しかけてきた。

さくら 「ねえ、望ちゃん。私、誰だかわかる?」
望.   「さくら姉さん、突然どうしたの?」

望は部屋で免許証を見たのがばれたのかと焦った。

さくら 「もう気づいちゃっているかもしれないけど、私はタレントの有賀さつきなの」
さくら 「今まで、嘘付いちゃってごめんね」
望.   「本当のこと言ってくれてありがとう。私の方も謝らなければならないことがあるの」
望.   「出会ったときから気になっていたから、食事中にお姉さんの免許証見ちゃったんだ」
望.   「お姉さん、ごめんなさい。このことで、私のこと嫌いにならないで」

望はうっすらと涙を浮かべて謝った。

さくら 「望ちゃん、もういいよ。私のことは気にしないで」
さくら 「そしてもう1つ、望ちゃんに言いたいことがあるから、しっかり聞いてね」
さくら 「免許証見ちゃったから気づいたのかもしれないが、私、離婚したばかりなの」
さくら 「当時は『結婚』の2文字に憧れて結婚したけれど、やっぱりうまくいかなかった」
さくら 「まだ、マスコミには知られていないけど、もうすぐこのこともニュースになるわ」
さくら 「どうも、私は男性とはうまくいかないみたい。こうやって、女の子といる方が落ち着くわ」

望は少し嫌な予感がしたと同時に、彼女となら構わないかなという気持ちもあった。
そして、さくらは話を続けた。

さくら 「望ちゃん、お願いがあるんだ。私、望ちゃんを抱きたいの」
さくら 「無理なお願いなのはわかっているけど、このままだと私、死んでしまうかもしれない」
望.   「お姉さんが死ぬのは嫌だから、私を抱いていいわよ」

望は半分開き直っていた。でも、不思議にまんざらでもない気持ちも同時にあった。
そして、望は自分の名前の通り、彼女の生きる望みになってもらえればと覚悟を決めた。
438名無しさん:02/06/17 22:20 ID:vn1P87Aw
>>430-437
レズアナ・バイアナスレッドでは、この作品の続きを募集しています。
文章力に自信のある方、官能的な作品に仕上げてください。
お待ちしております。