・海外メディアは今回の震災、そして原発事故をどう報じているのか(1/3)
ごく一部抜粋
北丸雄二
いつの間にか2キロ3キロが10キロとなり30キロとなったでしょ。例の茹で蛙の寓話じゃ
ないですけどいったいどういう風になってるのか、安全だ安全だと言ってたのが実は30キロも
危ないんじゃないかと、これは危機管理の方法としてはどうなのかな?って気はしますよね。
ジャーナリズムとしてはつまりアメリカのジャーナリズムっていうのはほら、いってみれば権力
であるとか組織であるとか必ず情報を隠すもんだと、不都合な真実ってのは隠すもんだから
それに対してジャーナリズムがどういう風に対抗していってそこから本当の情報を手に入れよう
とするのかって話でみんな鍛えられてるもんでしょ。
ところがまぁ日本ってのは記者クラブもあるし横並びになってあんまり厳しい質問もなかなか
あそこでは言わないみたいですしね。フリーの方とかは頑張ってるみたいですけれどもそれで
どういう風な情報の管理が行われているのか、どういう風な情報の統制が行われているのか
今一つ分からないですね、やっぱり見ていてね。
大根仁
今は海外メディアの記者会見とかは入れてるんでしたっけ?
・海外メディアは今回の震災、そして原発事故をどう報じているのか(2/3)
ごく一部抜粋
北丸雄二
今入れています。途中から入れるようになったみたいですね。但し、もうほとんどの人達が今
、帰っています。福島の事もあるし第一報が終わったということで帰ってて、ただ今日あたりの
CNNのFUKUSHIMA50の人達が、如何に劣悪な環境の中で作業しているのか、おにぎり1個で
、500メートル離れた宿舎で鉛の板を敷いて、それでそこで寝てるんだという事をやっていましたね。
K-19の時もそうだったんですけれども全てのいろんな悲劇の時にアメリカの報道ってのは
ハリウッド映画じゃないけれどもヒーローを作るんですよ。ヒーローを徹底的に描き出してそれ
を称賛する事によって鼓舞される一般大衆みたいな図式があってですね、そういう風に
ヒーローを作り上げていきながら報道していくという、そういう意味では今回、その名も無き匿名
のFUKUSHIMA50っていうのが、まぁ実際は50人じゃないでしょうけれども、その辺りの事が
実際出てこないのがアメリカのジャーナリストとしては歯痒いところがあるんじゃないですか。
あの、僕も一応新聞記者だったんですけれどもジャーナリストだったら行きたいよね、やっぱりね。
FUKUSHIMA50と一緒の所に寝泊まりさせてくれって東電に申し込む奴居ないのかな?申し入
れる奴。線量計が無いっていうけれども、今度あっちこっちの原発から集めて足りるようにする
んでしょ?それ一個持たせてもらってあそこでルポしたいなって気はありますよね、みんな恐らくね。
大根仁
だからあの、消防庁の人達はね、ハリウッド的な取り扱いっていうか祀り上げ方はした
じゃないですか。あの人達の行為はもちろん素晴らしいし勇気のあることだと思うんですけれど
も、もっと最前線で命懸けで作業している人達の事が、まぁ被曝したとかそういうニュースは
出てくるけれどもその行為が全く見えないってのは不気味な事ではありますよね。
・海外メディアは今回の震災、そして原発事故をどう報じているのか(3/3)
ごく一部抜粋
北丸雄二
つまりね、彼らがどういう風な作業をしているのかってのを発表でしか無いわけですよね。
実際問題としてどこまで酷いのかって事をひょっとしたら、やっぱりまぁ所謂、一般大衆である
私達は知らなくていいと思われてるのかも知れませんね。でもそういう所に、これ歴史なんです
よ、いってみれば歴史を刻んでいかなくっちゃいけないんでジャーナリズムっていうのはそういう
ところをやっぱり果敢に切り崩しながら歴史の事実を記録していかなくっちゃいけない。
そういうことを例えば湾岸戦争の辺りから戦場に入れなくなった。ところがベトナム戦争の時
はどんどんどんどん入り込んでいったんですね。でも湾岸戦争から所謂従軍記者という形で
米軍なら米軍の車両に乗って一緒に行くみたいな、そうじゃなくて昔はね、一匹狼みたいな人
がどんどんどんどん入っていって日本人も入っていって沢田教一さんだとかみんな写真家が入
っていって、そういう事をやっていたジャーナリズムってのは伝統があるんだけれども
今回の場合は、確かに怖いですけどね放射線、目に見えないし。
でもベトコンだって目に見えなかったんだからね。
そういうような意味ではなんかその辺の気骨のあるジャーナリストは、まっ僕を含めて(苦笑)
なかなかね、居ないのかな?って感じがしないでもないですけれどね。
大根仁
なんか報道の写真でも所謂、日本の雑誌とか新聞とかの写真も素晴らしいものがいっぱいあ
りますが海外のロイターとかその辺のをネットでそういう写真を見るとやっぱり切り口が違うって
いうかもっとハードに撮ってますね、やっぱり。