>>591 同局と市が2008年11月に実施したアンケートでは、回答者の63%がエフエム多摩を「知っている」と答えた。
うち聴いたことがある人は73%。回答者の中で週1回以上聴く人は17%、ほぼ毎日聴く人は5%だった。
無作為抽出した市民2000人を対象に、約640人が回答した。
一方、01年に社員を6人から4人に減らし、08年に平日のパーソナリティーを
1日4人から3人に見直すなど経営努力をしてきたが、赤字経営が続いていた。
さらに、スタジオの装置や屋外のアンテナなどの放送機器の更新時期も迎えていた。費用は総額約3000万円かかる。
運営会社では早急に支出できる経営状況ではないことから、株主の市に支援を要請した。
市は毎年、局の広告収入(約4400万円)の約半額にあたる広告を出しており、
「黒字体質への転換の具体的道筋を示していない時点で、
さらに更新費を支出することは財政的に厳しい」と判断、昨年12月に「支援は難しい」と回答した。
同局は「今のままでは、音が出ないなどの放送事故が発生する可能性が高い」といった理由から、
今年1月27日の取締役会で閉局を決めた。
同局の市村仁・放送局次長(43)は、「ここまで続けられたのは、リスナーの支援のおかげ。
残り2か月、地域密着情報の発信拠点としての役割を全うするので、最後まで応援していただきたい」と話している。
総務省によると、都内には12のコミュニティ放送局があるが、閉局は初めて。
◆コミュニティ放送局=地域に密着する情報を提供するFM放送局として、1992年に制度がスタートした。
今年1月時点で全国に235局ある。一方、これまでに経営不振を理由に10道県で14局が閉局した。
(2010年2月5日00時36分 読売新聞)