クールな音楽、気分も“涼”好 京都府立大教授、FM局と調査 「不快さ和らげる効果」
ttp://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2010012100094&genre=G1&area=K00 音楽を聴くことで不快な暑さの感じ方が和らぐかを検証したアンケートの結果を、京都府立大の松原斎樹教授(環境
心理行動学)がまとめた。昨夏にFMラジオ局と連携して行った調査で、回答したリスナーの95%が涼しさを感じたほ
か、冷房を控えるなどの行動を取る人もいた。松原教授は「音楽で環境への意識を高める、という新しい視点の社会
実験になった」と話している。
調査は「TOKYO FM」が昨年8月に実施した「Cooool MUSIC」キャンペーン。局スタッフが「涼しさ」を感じた音
楽約130曲を企画趣旨とともに放送し、ウェブアンケートに10〜60代の262人が感想を寄せた。
アンケート結果によると、少しでも「涼しさを感じた」人は248人。「地球環境に配慮する意識が高まった」人は224
人(85%)いた。また、165人が「冷房を控えたり、設定温度を上げた」、81人が「クールビズをするようになった」と
回答した。
音楽が体感温度を下げるという科学的根拠はないが、松原教授は「人の注意が暑さよりも心地よい聴覚刺激に向
くことで、全体としての不快さを和らげる心理的な効果があったのでは」と仮説を立てる。
松原教授は「回答者の層にはある程度偏りがある」としながらも、「音楽を聴く人たちのすそ野は広く、温暖化防止
の意識を広げる可能性もある」と語る。さらに調査結果の精度を高めて、今年の学会発表を検討しているという。