イチゴに、花粉症などのアレルギー症状を抑える成分が含まれていることを、
北九州工業高等専門学校(北九州市小倉南区)の川原浩治教授(47)(細胞工学)が突き止めた。
この成分を濃縮した機能性食品の開発が期待され、川原教授は「研究成果を様々な国で利用してもらえれば」と国際特許を出願している。
米国ボストン市で18〜21日に開かれた「国際バイオ展示会」で発表した。
川原教授は、人間の血液から採取した細胞の培養液にスギ花粉を入れ、花粉症を発症したモデルとなるヒト細胞を作製し、
ニンジンやタマネギなど約190種類の食品で試した。
その結果、すり潰したイチゴから抽出した液を加えると、アレルギーの引き金となる物質「IgE抗体」が減少し、
イチゴの成分を分析した結果、「GAPDH」という酵素が作用していることがわかった。
品種により抑制効果に違いがあることもわかり、「とよのか」ではIgE抗体の量が22・3%、「あまおう」は16・7%減少した。
人為的にアレルギーを起こした状態のマウスを使った実験では、一日1回イチゴの抽出液100マイクロ・グラムを与えると、
アトピー性皮膚炎や鼻炎の症状が1週間過ぎから改善した。
ただ、マウスに与えた量を体重60キロの人に換算すると、一日に「とよのか」(1個15グラム)を20個以上、
1週間以上続けて食べる必要があるという。(中村明博)
読売新聞 6月22日(金)16時1分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120622-00000644-yom-sci