(抜粋)
問題は、私が食べられるものがあるかということで、普通の大人用の料理は
とてもじゃないけど、顎が痛くて噛めません。この日は、迷った末に、
スパゲティを頼むことにしました。注文時に、ウェイターの人にお願いしました。
「私は歯が悪くて、あまり噛めないので、スパゲティをよくゆでてほしいんです。
もう『やわらかめ』っていうんじゃなくて、かな〜りやわらかい、こう、離乳食みたいな
感じに…」
私が「かな〜り」のところで、ニカッと笑うと、ウェイターも「ふふっ」と笑いました。
手応えあり、という感じです。
ゆでるのによほど時間がかかったのでしょう。スパゲティが運ばれてきたときには、
夫はもう食事を終えるところでした。皿の上には、本当にくたくたに煮込まれたスパゲティが。
これはとても食べやすかったです。顎が痛いので、少しずつ少しずつ食べていきました。
途中から痛みでどうしようもなくなったので、麺を「そばめし」のようにはさみで切って、
スプーンですくって食べました。痛かったけど、なんとか食べ終わりました。