★アナフィラキシーショック【命大切に・・】

このエントリーをはてなブックマークに追加
743名前アレルギー
視界に入るものは押し並べて敵だ。こんな体の俺はいつ殺されてもおかしくないのだから。
たまには外に出ろってのは、俺に運動誘発性のアナフィラキシーショックが起こるのを期待してるんだろう。
お前らも、隙あらば俺の口に小麦を詰め込もうとしてるんだろう。もう誰とも喋らない。口を開けたら狙われる。
自分で作ったものしか口にできない。畑の食材も24時間監視していないと危険だ。
おとといの水遣りは平時より遅れた。俺の母親だった女が、ここを先途とおせっかいを装ってジョウロを持って出かけた。俺は間一髪で女が小麦入りの水を散布するのを阻止した。
女は心にもない涙を流していた。その涙にも、俺を殺すための小麦の成分が混じっているのだろう。この女ならやりそうなことだ。
危機を感じた俺は女を畑から引きずり出した。
女に触れた箇所に蕁麻疹ができていた。やはりあいつは俺を殺す気だったのだ。見え透いている。