【無印】マジすか学園〜おたべとゲキカラ〜【小説】©2ch.net

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147の素敵な(庭)@転載は禁止 ©2ch.net
「留年・・・・・・?」

「ええ、出席日数が足りないの。
 このまま卒業させるわけにはいかないわ」

「・・・・・・なら、辞める」

「ゲキカラ・・・あなたはまだこの学校
 でやるべきことがあるはずよ」

「・・・・・・ない、そんなもの。
 ・・・・・・学校、辞める」

「前田敦子を支えてあげないの?
 ラッパッパ四天王として・・・・・・」

「・・・・・・知るか、私はもう関係ない」

「病と戦う大島優子もきっと、
 あなたが卒業することを・・・・・・」

「黙れ・・・・・・!!」

「ゲキカラ・・・・・・!」

「校長・・・・・・もう一度・・・・・・
 優子さんの名を口に出したら・・・」

彼女は学校にいる理由を失っていた。
もう、この学校に優子はいない。
もう一年、このマジ女に通ったって、
なんの意味もない。
マジに生きることなんてできない。
今はただ、優子のそばに。
病院で眠ったままの優子のそばにいたかった。
そう思う彼女にすれば、
校長の言葉は酷く煩わしく感じた。

「ワタシはあんたを殺しちゃうよ?」

もうほっといてくれ―――そう思った。
247の素敵な(茸)@転載は禁止:2015/02/18(水) 18:55:43.37 ID:z3ceU7j50
続けたまえ
347の素敵な(庭)@転載は禁止 ©2ch.net:2015/02/18(水) 19:00:18.22 ID:MYKFnahd0
校長室から出た彼女の脳裏に、
優子と出逢った頃の記憶がよぎった。
・・・・・・あの頃に戻りたい。
眠り続ける優子さんは、
きっと夢の中で苦しんでいる、
孤独で、悲しくて、助けを・・・・・・求めている。
そう思った彼女は、無力な自分に苛立ちを感じた。
心が壊れてしまいそうになる。
いや、とうに壊れていたんだ。
今までは優子が、
壊れかけた彼女の心を支えていただけにすぎない。
今の彼女の心は、
まるで無数の翼がざわめくような喧騒だ。
何かを破壊せずにはいられない。
優子さん、優子さん、と心の中で名前を呼びながら泣き叫ぶ。

「うわあぁぁぁ・・・・・・!!」

彼女・・・ゲキカラはゆらゆらと体をよろめかせて廊下を歩く。
彼女が通った後の廊下には、
血まみれで横たわる生徒達の姿があった。 


「バイバイ・・・・・・マジ女」


ゲキカラはそう呟いた。
返り血に染まった拳からは、
ポタポタと涙のように血が滴り落ちていた。

誰かが廊下の奥から、学校を去るゲキカラの背中を、
憂い気な表情で見つめている。
黒いカーディガンを着た少女だ。

「寂しそうな背中やな・・・・」

そう言った―――。
447の素敵な(庭)@転載は禁止:2015/02/18(水) 19:31:13.48 ID:MYKFnahd0
紗矢は果物を抱え、病院の廊下を走る。
とある病室の前で足を止め、
「失礼します」と言って戸を開けた。
紗矢の目に、眠る優子の姿が映った。
椅子に腰をかけ、優子を見つめる。
優子は青白く痩せこけ、人工呼吸器を
付け、静かに眠ったままだ。
卒業式を終えた一週間後、優子は苦しみ出し、意識不明になった。
それから二週間が過ぎ、未だ眠ったままだった。
紗矢は花瓶に視線を送ると、安心したように頬を緩めた。

「ゲキカラ先輩、来たんだ・・・・・・」

ゲキカラは病室に来ると、
一輪の花を花瓶に差していく。
ストロベリーフィールドという花だ。
本来は夏の花だが、どこで手に
入れたのかその花は綺麗に咲いていた。
優子に視線を戻すと、ふと悲しそうに
目を細めた紗矢。
「私達の電話には出てくれなくて・・・・・寂しいですよ」

ゲキカラの後輩である紗矢は、
優子にも可愛がってもらった。
ワルガキ中学生の紗矢にとっては、
最凶のゲキカラは憧れの存在だ。
同じ施設で育ったなら、なおのことだ。
ゲキカラを慕うワルガキは、紗矢以外にもいる。

「牛乳持ってきたぞ!」

戸を開けて入ってきた涼花も、
ゲキカラと同じ施設で育った。
だが優子と会ってからは、
優子に憧れたのか喋り方が優子にどこか似ている。
涼花の手には見舞いの牛乳がある。
「何で牛乳?バカじゃないの?」
と紗矢は涼花を睨んだ。
547の素敵な(SB-iPhone)@転載は禁止:2015/02/18(水) 19:49:54.02 ID:Jq4EWde/0
期待
647の素敵な(庭)@転載は禁止:2015/02/18(水) 19:59:48.32 ID:MYKFnahd0
「ばーか、目を覚ましたら飲みたくなるかもしれないだろ」
涼花はそう言って牛乳を冷蔵庫に入れている。
涼花もまた自分と同じように、
優子さんがまた元気な姿を見せてくれると信じているんだ。
そんな風に紗矢は思った。

「これ、誰が持ってきたんだろ?」
涼花は冷蔵庫で何かを見つけたようだ。
手に何かを持ち紗矢に見せる。
紗矢は「さぁ?」と首を傾げた。
「これ食べちゃダメかな?」と涼花が訊ねた。
「ダメだよ。優子さんのだよ」
「え〜甘いもの好きなんだよ〜」
「お菓子なの?」
「うん、京都銘菓って書いてある」
「ダメだよ、食べちゃ」
紗矢は箱を開けようとした涼花に、
そう言って鋭い目で睨み付けた。
涼花は「ちぇっ」と舌打ちをする。
冷蔵庫に閉まったそのお菓子のパッケージを見て、
涼花はいたずらっ子のように笑う。
「変な名前のお菓子だなぁ〜。
 誰が持って来たんだろ?」

「サドさんとかでしょ」

「やばっ、食べたらぶっ飛ばされるな」
747の素敵な(庭)@転載は禁止:2015/02/18(水) 20:15:41.33 ID:MYKFnahd0
涼花が紗矢の隣にいる椅子に腰をかけた。
さっきまで明るい表情だったが、
優子の顔を見て悲しげに目を細める。

「ゲキカラ先輩、マジ女を辞めるって・・・・・・。
 街中にその噂が広まっちゃって。
 ・・・・・・ヤバいことに」

「涼花・・・・・・」

「先輩、荒れちゃって大変ですよ・・・・・
 優子さんからも言ってくださいよ?
 ちゃんと卒業しろよ、って」
涼花がそう言って俯いた時だ。
携帯が鳴った。
「・・・・・・わかった、すぐ行く」
涼花は携帯をポケットに入れ、
紗矢に視線を送った。
紗矢は睨むような目をしている。
「携帯切っときなよ」

「綾巴が先輩を見つけたって」

二人がいる街から三駅離れた街の
とある寂れたゲームセンター。
そこはヤンキーのたまり場だ。
地元から離れた場所でも、
“ラッパッパのゲキカラ”は有名だ。
誰も彼女を見ようとはしない。
見ているのは綾巴だけだ。

「先輩、涼花達が心配してますよ」

UFOキャッチャーの灯りが、
ぽーとゲキカラの顔を微かに照らす。
つまらなそうにボタンを押した。
「・・・・・・何で」と呟く。

「何か変な噂があって。
 先輩を狙ってる奴がいるとか」

「・・・・・・あっそう」

クレーンは空を斬る。
「チッ」と舌打ちをしたゲキカラは、
ポケットに手を入れて小銭を探す。
もう使いきった。
帰ろう、と踵を返した時だった。
カチャとお金を入れる音がした。
振り返ったゲキカラの目に少女の姿が映る。
少女はにこっと微笑むと、ゲキカラに声をかけてきた。
「ジバニャン、好きなん?」
847の素敵な(庭)@転載は禁止:2015/02/18(水) 20:24:18.25 ID:MYKFnahd0
「・・・・・・別に」とゲキカラは答え、
怪訝な顔で少女を見つめる。
様子を見ていた綾巴の表情が曇る。
何か嫌な予感がした。

少女はマジ女の制服を着ている。
今は春休みだが、マジ女の生徒達の殆どが補習に呼ばれる。
だから、それは珍しくはなかった。
珍しいのは、
“先輩”に声をかけるヤツがいたこと。
綾巴はふとそう思った。
もしかしてコイツが・・・・・・
先輩を狙っている奴?

怪訝な顔をする綾巴に、少女が視線を送ってきた。
にこっと優しい笑みを浮かべた。
睨むゲキカラに少女は怯む様子もない。
「うちな、UFOキャッチャー得意なんよ」
そう言ってボタンを押した。
ゆっくりとクレーンが動き、
人形の真上で止まった。

「人形に付いてる紐あるやろ?
 そこを通すんよ。
 今は微調整できるからええよな。
 子供の頃は、そんなんなかった」

少女がボタンを押すと、
クレーンがゆっくりと下がっていく。

「うちは、諦めるのは嫌いや。
 どうすればいいか・・・考える。
 欲しいものは必ず手に入れる」
947の素敵な(チベット自治区)@転載は禁止:2015/02/18(水) 20:27:12.44 ID:gMp8JQ4J0
サーモン氏?
1047の素敵な(庭)@転載は禁止:2015/02/18(水) 20:28:37.84 ID:MYKFnahd0
紐のわっかにクレーンが通り、
人形をつり上げた。
少女は落ちてきた人形を取りだし、
静かにゲキカラに歩み寄る。

「うちな、京都からきたんよ。
 転校してきたばかりで、
 友達が一人しかいないんや。
 その子・・・忙しいみたいでなぁ、  あんまり相手してくれへんねん」

そういうことかと綾巴は思った。
転校生なら先輩を知らない。
先輩がどういう人間か知らないから、
目の前にいるコイツは、
気安く先輩に話しかけられるんだ、と。 
ゲキカラが少女に訊ねる。
「・・・・・・だから、何?」

「友達になってくれへん?
 これは、その“記念”や」

「・・・・・・」ゲキカラは少女に背中を
向け、何も言わず去ろうとする。
不機嫌そうに眉をしかめている。
馴れ馴れしい奴、そんな風に思ったのだろう。
少女は見たところヤンキーでもない。
喧嘩するのも馬鹿馬鹿しい。
だから、シカトだ。

「なんや、冷たいな・・・・・・ゲキカラ」

背中から聞こえた少女の声。
ピタッ、ゲキカラが足を止めた。
振り返らずに口を開いた。

「何で、私の名前を知ってる?」

「京都でもあんたは有名人や」

ゲキカラが振り返る。
敵意に満ちた目で少女を睨んだ。
少女からは、何故だか妙な違和感を感じた。
「・・・・・・殺すよ?」

「・・・・・・冗談や」
少女はそう言って顔から笑みを消した。
鋭い眼光でゲキカラを見据える。
空気が一気に張りつめた。
綾巴は動揺した表情で少女を見つめる。
ヤバイ・・・こいつ殺される。
ゲキカラを挑発する少女を心配している。

「これ、あんたが校長に出した退学届けや」

少女はヒラヒラと封書を掲げる。
それを両手で掴み、真っ二つに割いた。
ビリビリ、と音が鳴る。

――「うちが辞めさせへん」
1147の素敵な(地図に無い島)@転載は禁止:2015/02/18(水) 20:38:20.21 ID:uZaX5tWn0
続けたまえ、ひょっとしてサーモン氏か?
1247の素敵な(地震なし)@転載は禁止:2015/02/18(水) 20:49:22.24 ID:txleRbgJ0
    ___
   ,;f     ヽ         
  i:         i         色即是空
  |        |  ///;ト,
  |    ^  ^ ) ////゙l゙l;   空即是色
  (.  >ノ(、_, )ヽ、} l   .i .! |   
  ,,∧ヽ !-=ニ=- | │   | .|   
/\..\\`ニニ´ !, {   .ノ.ノ  では、いきます
/  \ \ ̄ ̄ ̄../   / .|
1347の素敵な(地震なし)@転載は禁止:2015/02/18(水) 20:50:14.70 ID:txleRbgJ0
         ニャーKB   
       / /  \\     
.     / (;;..゜);lll(;;..゜)\  「ハァハァ、奈子ちゃ〜〜ん」
    /   ⌒(__人__)⌒ \ 
    |  ノ(  |r┬- | u  | ________    
     \ ⌒  |r l |    / .| |          |
    ノ  u   `ー'    \ | |          |
  /´                .| |          |
 |    l         u  | |          |
 ヽ u  -一ー_~、⌒)^),-、   | |________|
  ヽ ____,ノγ⌒ヽ)ニニ-___| |  |____
1447の素敵な(地震なし)@転載は禁止:2015/02/18(水) 20:52:18.26 ID:txleRbgJ0
                  ノ      } ゙l、   」′           .,/′   .,ノ _,,y
    .,v─ーv_         〕      〕 .|  .il゙            《 ._   .,,l(ノ^ノ
   ,i(厂  _,,,从vy      .,i「      .》;ト-v,|l′          _,ノ゙|.ミ,.゙'=,/┴y/
   l  ,zll^゙″  ゙ミ    .ノ       .il|′アll!           .>‐〕 \ _><
   《 il|′     フーv,_ .,i″       ||}ーvrリ、             ¨'‐.`   {
    \《 ヽ     .゙li ._¨''ーv,,_     .》′  ゙゙ミ| ,r′                }   えーでるわいす、えーでるわいす
      \ ,゙r_    lア'    .゙⌒>-vzト    .ミノ′                 〕
       .゙'=ミ:┐  .「      ./ .^〃     :、_ リ                   .}
         ゙\ア'   .--  ,,ノ|    、    ゙ミ}                   :ト
           ゙^ー、,,,¨ -   ''¨.─   :!.,   リ                   ノ
              〔^ー-v、,,,_,:     i゙「   }                  .,l゙
              l!     .´゙フ'ーv .,y    ]                  '゙ミ
              |     ,/゙ .ミ;.´.‐    .]                   ミ,
              |     ノ′ ヽ      〔                   ミ
              }    }     ′    }                   {
              .|    .ミ     .<     〔                    〕
              .{     \,_   _》、    .{                    .}
              {      ¨^^¨′¨'ー-v-r《                    〔
1547の素敵な(チベット自治区)@転載は禁止:2015/02/18(水) 21:14:24.54 ID:5FMI/VhH0
おお!復活!
保守出来なくてごめんなさいでした。
バトロワの時の感じからして、ファンはいっぱいいると思ってたんだけど。
サーモンさんの名前を出したほうがよかったのかな?
1647の素敵な(庭)@転載は禁止:2015/02/18(水) 21:20:13.60 ID:MYKFnahd0
少女の手から放れた紙切れが、
ヒラヒラと空に舞い散った。
その刹那だった。
少女のこめかみにゲキカラの右拳が叩きこまれた。
鈍い音を立て、少女の身体が
UFOキャッチャーに叩きつけられる。
体重を預けるようにUFOキャッチャーに寄りかかると、
少女は顔を上げて不敵に微笑む。

「なんや、たいしたことあらへんな。
 ラッパッパ四天王・・・・・・」

少女の足が地を蹴った瞬間、
ゲキカラの身体がふっ飛んだ。ゲーム機に倒れ込む。
少女の後ろ回し蹴りが決まっていた。
崩れた椅子に手をかけ、
ゆっくりと立ち上がるゲキカラ。

綾巴は微動だにすることができない。
この一見真面目そうな少女が、
“あの”ゲキカラを蹴り飛ばしたのだ。
ポカーンと口を開けて驚いている。 

歩む少女は綾巴に優しく微笑むと、
綾巴の身体をそっと退かした。
「危ないで」
綾巴は驚きを隠せない。
ゲキカラの一撃は、
道路標識をひん曲げるほどの破壊力がある。
なのに、目の前にいるこの少女は
、まるで効いていない素振りだ。

通りすぎる瞬間、
少女は綾巴の耳元で何かを囁いた。
「え!?」と綾巴が驚く

嘘・・・・・・

・・・ この人が・・・次の・・・・・・
1747の素敵な(庭)@転載は禁止:2015/02/18(水) 21:27:55.12 ID:MYKFnahd0
「あははっ」

不気味な笑い声が、騒然となった
ゲームセンターに響きわたる。
店内に流れるゲームの音に紛れても、
その不気味さは周りにいた傍観者達に恐怖を与えた。
最凶・ゲキカラがキレた。
誰もが思う。
アイツ、殺されるぞ―――

「キャハハハハハッ!!!」

「うちが勝ったら、あんたはマジ女に帰る。ええな?」

「・・・・・・オマエ、誰?」

「補習受けないと進学できへんで。
 なんならうちが勉強教えたる。
 うちは京都じゃG・T・Oなんて、
 呼ばれてたんよ。
 ま、家庭教師やけどな?」

「・・・・・・答えろ」

「・・・・・・冗談や、笑うとこやで」

「てめぇは・・・・・ダレなんだよ?」
「うちは“おたべ”・・・・・・
 春から・・・ラッパッパの部長や」
殺意、ゲキカラの目にそれが宿る。
首に下げたRockのネックレスが、
不気味な光を放っていた。
ゲキカラの顔から笑みが消える。

「それも冗談?笑えないよ・・・・・」
「これは冗談なんかやない・・・・・」
少女・・・・おたべの拳が動く――。

――――「マジや!!」
1847の素敵な(地震なし)@転載は禁止:2015/02/18(水) 21:32:28.70 ID:txleRbgJ0
そういうことかと綾巴は思った。
転校生なら先輩を知らない。
先輩がどういう人間か知らないから、
目の前にいるコイツは、
気安く先輩に話しかけられるんだ、と。 
ゲキカラが少女に訊ねる。
「・・・・・・だから、何?」

「友達になってくれへん?
 これは、その“記念”や」

「・・・・・・」ゲキカラは少女に背中を
向け、何も言わず去ろうとする。
不機嫌そうに眉をしかめている。
馴れ馴れしい奴、そんな風に思ったのだろう。
少女は見たところヤンキーでもない。
喧嘩するのも馬鹿馬鹿しい。
だから、シカトだ。

「なんや、冷たいな・・・・・・ゲキカラ」

背中から聞こえた少女の声。
ピタッ、ゲキカラが足を止めた。
振り返らずに口を開いた。

「何で、私の名前を知ってる?」

「京都でもあんたは有名人や」

ゲキカラが振り返る。
敵意に満ちた目で少女を睨んだ。
少女からは、何故だか妙な違和感を感じた。
「・・・・・・殺すよ?」

「・・・・・・冗談や」
少女はそう言って顔から笑みを消した。
鋭い眼光でゲキカラを見据える。
1947の素敵な(地震なし)@転載は禁止:2015/02/18(水) 21:34:33.10 ID:txleRbgJ0
少女のこめかみにゲキカラの右拳が叩きこまれた。
鈍い音を立て、少女の身体が
UFOキャッチャーに叩きつけられる。
体重を預けるようにUFOキャッチャーに寄りかかると、
少女は顔を上げて不敵に微笑む。

「なんや、たいしたことあらへんな。
 ラッパッパ四天王・・・・・・」

少女の足が地を蹴った瞬間、
ゲキカラの身体がふっ飛んだ。ゲーム機に倒れ込む。
少女の後ろ回し蹴りが決まっていた。
崩れた椅子に手をかけ、
ゆっくりと立ち上がるゲキカラ。

綾巴は微動だにすることができない。
この一見真面目そうな少女が、
“あの”ゲキカラを蹴り飛ばしたのだ。
ポカーンと口を開けて驚いている。 
2047の素敵な(地震なし)@転載は禁止:2015/02/18(水) 21:35:35.97 ID:txleRbgJ0
彼女は学校にいる理由を失っていた。
もう、この学校に優子はいない。
もう一年、このマジ女に通ったって、
なんの意味もない。
マジに生きることなんてできない。
今はただ、優子のそばに。
病院で眠ったままの優子のそばにいたかった。
そう思う彼女にすれば、
校長の言葉は酷く煩わしく感じた。

「ワタシはあんたを殺しちゃうよ?」

もうほっといてくれ―――そう思った。


独で、悲しくて、助けを・・・・・・求めている。
そう思った彼女は、無力な自分に苛立ちを感じた。
心が壊れてしまいそうになる。
いや、とうに壊れていたんだ。
今までは優子が、最凶のゲキカラは憧れの存在だ。
2147の素敵な(地震なし)@転載は禁止:2015/02/18(水) 22:02:21.82 ID:txleRbgJ0
「ゲキカラ・・・あなたはまだこの学校
 でやるべきことがあるはずよ」

「・・・・・・ない、そんなもの。
 ・・・・・・学校、辞める」

「前田敦子を支えてあげないの?
 ラッパッパ四天王として・・・・・・」

「・・・・・・知るか、私はもう関係ない」
「なんや、たいしたことあらへんな。
 ラッパッパ四天王・・・・・・」
「なんや、冷たいな・・・・・・ゲキカラ」

背中から聞こえた少女の声。
ピタッ、ゲキカラが足を止めた。
振り返らずに口を開いた。

「何で、私の名前を知ってる?」

「京都でもあんたは有名人や」

ゲキカラが振り返る。
敵意に満ちた目で少女を睨んだ。
少女からは、何故だか妙な違和感を感じた。
「・・・・・・殺すよ?」

「・・・・・・冗談や」
2247の素敵な(やわらか銀行)@転載は禁止:2015/02/18(水) 22:05:36.32 ID:2c6NipfU0
期待
23サーモン ◆pdlO7HZYuo (庭)@転載は禁止:2015/02/18(水) 22:09:28.23 ID:MYKFnahd0
>>15
やぁ(・ω・)
2447の素敵な(茸)@転載は禁止:2015/02/18(水) 22:14:25.15 ID:ZbWDpWh+0
この前ゲキカラスレで書いてた小説か
小説終わってないのに途中でスレ落ちちゃったんだよね
25サーモン ◆pdlO7HZYuo (庭)@転載は禁止:2015/02/18(水) 22:16:12.81 ID:MYKFnahd0
ドンッ!!

ゲキカラの身体が左の壁に叩きつけられた。
おたべの横殴りの一撃が、
ゲキカラの顔を薙ぎ払っていた。
ギョロリ・・・・・・
ゲキカラの目が動き、おたべを捉える。
口の中には血の味が充満する。

「アハッ・・・・・キャハハハハハッ!!」

狂暴な笑みを浮かべたゲキカラが、
強烈な一撃をおたべに叩きこもうとした。
だが、視界からおたべが消えた。
拳が空を斬る。
身体を屈めて避けたおたべの拳が、 
下から突き上げてられていた。
ゲキカラの顎を貫く。
ゆらゆらと後退するゲキカラ。
倒れない。

「ラッパッパ・・・・・・?オマエが?」

まるで効いていない。
悪魔のような笑みを浮かべている。
痛みを感じないのだ。
ゲキカラは身体的な苦痛を感じない。

「・・・・・そうや」

「オマエ・・・苛つくよ」

おたべは自分の瞼の上をそっと触れる。
憐れんでいるような目だ。

「その傷が付いた時は感じたんやろ?
“痛み”・・・・・・。
 あんたが感じた“最後の痛み”や」

「どうして・・・・・・」
何故おたべがそのことを知っているのか。
驚いた綾巴が呟いた。
ゲキカラは苛立ちを感じずにはいられない。
何よりも苛立つ理由は・・・・・・
似ていることだ。
ゲキカラの脳裏に優子の言葉がよぎる。

“私が勝ったら、お前・・・私の言うこと何でも聞けよ”

優子と出逢った時の記憶だ。
初めて、優子と拳を交えた時の・・・ 色褪せることのない記憶。
おたべに優子の姿が重なった。
優子と同じ言葉を喋ったおたべと。
会った時に感じた違和感はそれか・・・。
ゲキカラはそう思った。
以前どこかで会ったような・・・
そんな違和感だった。

「苛つくんだよ・・・・・・!!!」
26サーモン ◆pdlO7HZYuo (庭)@転載は禁止:2015/02/18(水) 22:20:18.01 ID:MYKFnahd0
ゲキカラの強烈な拳が、
おたべの頬を捉えた。
えぐりこまれた拳。
ぶっ飛んだおたべの身体が、
店の入口のドアを突き破った。  
バリバリッ!!
ガラスの破片が辺りに飛び散る。
路上に倒れたおたべが、
地面に手をつき顔を上げる。
口から血を吐き出したおたべ。
“ぺっ!”

「こんな強かったんか・・・・」

壊れたドアの向こう側にいるゲキカラを、
おたべは鋭い眼光で睨めつける。
ゲキカラは腹を押さえていた。
ごほっ、ごほっ、と血を吐き出す。
おたべが殴られた瞬間に繰り出した
蹴りが、ゲキカラの腹部を捉えていた。
割れたドアを蹴り破るゲキカラ。
ドンッ!!
一歩、一歩と歩く度に、
バリ、バリ、とガラスを踏みしめる音が、おたべの耳に届いた。
ゆらゆらと身体をよろめかせ、
路上に出てくるゲキカラ。
狂気に満ちた笑みを浮かべながら、
ゆっくりと、静かに・・・・・・。

ドガッ!
ゲキカラの強烈な蹴りが、
膝を付いたままのおたべの頭を狙った。
咄嗟に左腕でガードするおたべ。
苦痛で顔が歪んだ。
身体が真横に吹っ飛んだ。
地面に転がったおたべが手を付く。
すぐに顔を上げ、立ち上がろうとした。
ゲキカラが何かを振り上げている。

「誰がラッパッパだって?」

バス停の標識だ。
コンクリートの塊が、おたべの頭を
狙っていた。
ドゴッ!
地面に叩きつけられたそれが、
粉々に砕け散る。
ギリギリで避けたおたべ。
彼女の額にひんやりとした冷たい汗が滲んだ。
なんちゅう馬鹿力や・・・・・・。
2747の素敵な(栃木県)@転載は禁止:2015/02/18(水) 22:26:20.08 ID:V6QEZTZF0
何これおもろい
28サーモン ◆pdlO7HZYuo (庭)@転載は禁止:2015/02/18(水) 22:32:34.31 ID:MYKFnahd0
おたべが拳を固く握りしめた。
見上げるように睨めつける。
ふと、懐かしい友の言葉が脳裏を過る。
 
“おたべ、敦子のこと・・・支えてやってくれ”

おたべが地を蹴って飛び出した。
ゲキカラは曲がった標識を振り回す。
その攻撃をくぐり抜け、
ゲキカラの懐に入った。
おたべの右拳がゲキカラの顔面にめり込んだ。
ボゴッ!!
後ずさりをするゲキカラ。
鼻を押さえた手が真っ赤に染まっていく。

「息、しづらいやろ・・・・・・。
 その血、なかなか止まらへんで。
 焦るんちゃうか?
 直にそれが“恐怖”に変わる」

「・・・何も感じないね・・・」

「うちが思い出させたる」

おたべのハイキックがゲキカラの
側頭部に叩きこまれた。
おたべはそのまま身体を回転させ、
左足を高く蹴り上げる。
全身の力を使った後ろ回し蹴りだ。
踵がゲキカラのこめかみにめり込んだ。
揺らめいたゲキカラの顔面に
向かって、おたべが拳を繰り出した。

「おらぁ!!」

ボゴッ、肉がへこむ生々しい音が鳴った。
おたべは苦しそうに腹を押さえ、
後退していく。
一歩、また一歩と下がり、
崩れ落ちるように地面に膝をつけた。
ゲキカラの蹴りが腹に入っていた。
何が起きたのか、
おたべ自身は気付いていなかった。
ゲキカラを見上げるおたべ。
髪を掴まれた。
その瞬間、目の前に血煙が舞った。
それが己の血だと気付いたのは、
おたべが空を見上げた時だ。
ゲキカラの強烈な膝蹴りを食らった
おたべは、後方に吹っ飛んだ。
ゲキカラが手を開く。
抜けたおたべの髪が零れ落ちた。

さらさらと。
2947の素敵な(pc?)@転載は禁止:2015/02/18(水) 22:34:27.97 ID:IiyVNY1q0
あの世から現世へ叩き戻す愛情に満ち溢れた
優子のパンチ
泣いたわ
30サーモン ◆pdlO7HZYuo (庭)@転載は禁止:2015/02/18(水) 22:44:58.14 ID:MYKFnahd0
空を見上げていることに気付いたおたべ。
ごほっ、ごほ、と苦しそうに咳をして
口に溜まった血を吐き出す。
身体を翻し、地面に手を付いて、
立ち上がろうとする。

「まだや・・・まだ終わっとらんぞ!!」

立ち上がったおたべは、
おぼつかない足取りで前に進む。
一歩、また一歩と。 
「うちは・・・・諦めない女や・・・」 
ゲキカラの目を真っ直ぐ見据えて、
おたべは前に進んでいく。
ゲキカラの前で足を止めた。
おたべを見て一瞬、笑みを消した
ゲキカラだが、またすぐに笑みを
浮かべて首に手をかける。
ゴキッと首を鳴らした。
「しつこいね・・・・・オマエ」

「オマエやない・・・“おたべ”や」

「・・・・・どうでもいいよ?あんたの名前なんて」

「春から・・・うちとあんたは・・・・・・
 “仲間”になるんや・・・・・・。
 覚えてもらわな・・・・・・困る」

最後の力を右の拳に込めた。
固く、強く、握りしめる。
まるで獣のような目をしている。
群れの中で、同族と戦い、
頂点に君臨しようとする獣の目だ。
「うちの名前は“おたべ”・・・・」
渾身の一撃をゲキカラの顔面に
向かって解き放つ。

「ラッパッパ部長になる女や・・・!!」
31サーモン ◆pdlO7HZYuo (庭)@転載は禁止:2015/02/18(水) 22:53:38.63 ID:MYKFnahd0
おたべとゲキカラの拳が交わった。
ゲキカラのクロスカウンター。
おたべの顔面にめり込んだ拳が、
めりっと音を立てて放れた。
膝を曲げたおたべが崩れ落ちる。
おたべの拳は届いていなかった。

「・・・・優子さんには・・・・・・
 遠く及ばないよ・・・“オマエ”」

地面に両膝を付けて俯くおたべ
に、そう言い放ったゲキカラ。
息苦しそうに咳をして、
口に溜まった血を吐き出した。
殴られた鼻から流れる血が、止まらなかった。
血を飲み込んでも、飲み込んでも、
すぐに口の中に溜まる。
“直にそれが恐怖に変わる”
おたべの言った言葉が頭をよぎった。
くそ・・・、険しい顔でおたべを睨む。
おたべは微動だにしない。
もう立てないだろう・・・そう思い、
おたべに背を向けた時だった。

ザッ、背後から地を蹴るような音が聞こえた。

ゲキカラが振り返った瞬間、
おたべの黒いカーディガンがひらりと動いた。
後ろ回し蹴りだ。
それが、ゲキカラのこめかみに、
鈍い音を立ててめり込んだ。

“ドガッ!”

鉄パイプで殴られたような衝撃が、
ゲキカラの脳を揺らした。
ガクッ、と膝を曲げるゲキカラ。
地面に片膝を付けて、顔を上げる。
蹴られたこめかみを手で触れた。
べっとりと血が付いた手を見て、
ゲキカラは不敵に笑う。

「・・・・・・殺してあげるよ・・・・・・」
3247の素敵な(地震なし)@転載は禁止:2015/02/18(水) 22:57:33.12 ID:txleRbgJ0
“痛み”・・・・・・。
 あんたが感じた“最後の痛み”や」

「どうして・・・・・・」
何故おたべがそのことを知っているのか。
驚いた綾巴が呟いた。
ゲキカラは苛立ちを感じずにはいられない。
何よりも苛立つ理由は・・・・・・
似ていることだ。
ゲキカラの脳裏に優子の言葉がよぎる。

“私が勝ったら、お前・・・私の言うこと何でも聞けよ”

優子と出逢った時の記憶だ。
初めて、優子と拳を交えた時の・・・ 色褪せることのない記憶。
おたべに優子の姿が重なった。
優子と同じ言葉を喋ったおたべと。
会った時に感じた違和感はそれか・・・。
ゲキカラはそう思った。
以前どこかで会ったような・・・
そんな違和感だった。

「苛つくんだよ・・・・・・!!!」


おたべの顔面にめり込んだ拳が、
めりっと音を立てて放れた。
膝を曲げたおたべが崩れ落ちる。
おたべの拳は届いていなかった。

「・・・・優子さんには・・・・・・
 遠く及ばないよ・・・“オマエ”」

地面に両膝を付けて俯くおたべ
に、そう言い放ったゲキカラ。
息苦しそうに咳をして、
口に溜まった血を吐き出した。
殴られた鼻から流れる血が、止まらなかった。
血を飲み込んでも、飲み込んでも、
すぐに口の中に溜まる。
“直にそれが恐怖に変わる”
おたべの言った言葉が頭をよぎった。
くそ・・・、険しい顔でおたべを睨む。
おたべは微動だにしない。
もう立てないだろう・・・そう思い、
おたべに背を向けた時だった。
33サーモン ◆pdlO7HZYuo (庭)@転載は禁止:2015/02/18(水) 22:59:45.51 ID:MYKFnahd0
ダメやったか・・・・。
おたべは片膝を付けて俯いていた。
立ち上がる力ももう残っていないのか
、はぁ・・・はぁ・・・・・・と、
荒い呼吸をしているだけだった。
“ドンッ!”
顔面を蹴られたおたべの身体が
壁に叩きつけられた。
背中を打ち、ズルズルと崩れ落ちる。

おたべは苦しそうな顔をして、
ゆっくりと顔を上げる。
彼女の視界は、歪んでいた。  
あまりの痛みに意識が混濁していく。
ゆらゆらと歩み寄る悪魔が、
不気味に笑っていた。

やられる、そう思った時だった。

「先輩!ダメ!」 

綾巴の背中がおたべの目に映った。
綾巴が守るように両手を広げ、
おたべの前に立っている。

「また少年院に入れられちゃいますよ!!」

「どきなよ・・・・・・綾巴」

「どかない!」

「あんた・・・・私の邪魔をする気?」

「またいなくなったら嫌だもん!」

朦朧とする意識。
おたべの上半身がゆっくりと前のめりに倒れていく。
冷たいアスファルトに頬をつけた。
途切れゆく意識のなか、
遠くから誰かの声が聞こえた。

「マッポだー!マッポがきたぞー!」

それは二人の少女の声だった。
おたべの最後の意識には、
病院のベッドに横たわる大島優子の姿があった。

“ゲキカラが小学生の時だった、
 あいつは・・・親に殺されかけたんだ”

・・・・・・優子さん・・・・・・・

“アイツは強い、あんたは多分、
 ・・・・・・勝てないんじゃないかな”

あんたのダチ、凄いわ・・・・・・

うちの・・・・負けや―――。

そこで、おたべは気を失った。
3447の素敵な(チベット自治区)@転載は禁止:2015/02/18(水) 23:18:40.41 ID:5FMI/VhH0
ああ!ゆいはん負けた!w まあしょうがない。
十分過ぎるほどかっこいい。
輪唱みたいになってるのは、好意的に解釈すれば、
誰かが前スレのをコピペしてくれてるのかな?
3547の素敵な(やわらか銀行)@転載は禁止:2015/02/18(水) 23:28:30.84 ID:t2ntEj9x0
マジすか2のおたべファンです。

前スレが落ちたみたいだったのでずっと探してました。
復活して頂いて非常に嬉しいです。

前スレの最後の台詞「わかっとる」が印象的で凄く好きでしたが、今回の加筆修正で無くなってしまったようで残念です。
しかしそれ以上にこられからの展開が楽しみです!
36サーモン ◆pdlO7HZYuo (庭)@転載は禁止:2015/02/18(水) 23:41:09.53 ID:MYKFnahd0
目を開けたおたべの目に、
真っ白な天井が映った。 
どこかの病院だと気付いた。
身体中が痛む。
そうか・・・・・・負けたんやな。
おたべは悔しそうに拳を握った。

「優子さんの言ったとおりやった・・・」

おたべは遠くを見るように窓の外
の景色を眺める。
しばらくすると、病室のドアが開いた。
姿を見せたのは、ゲキカラが
綾巴と呼んでいた少女だった。
「あっ、起きたんだ」

「あんたが運んでくれたん?」 

「そうだよ、タクシー乗せるの大変だったんだから」

「お礼言わんとな、ありがとう」

「死んだら困るもん」
綾巴はそう言ってジュースを口に含んだ。
ゲキカラが少年院に行くことに
なったら困る、
そう言っているのだとおたべは思った。
「はい、オレンジジュース」
綾巴が缶を差し出した。
おたべはそれを手に取り開けると、
少しだけ口に含んだ。
苦虫を噛み潰したような顔をする。
「どうしたの?」と綾巴が訊ねた。

「口の中、ズタズタや」

「あっ、ごめん・・・・・気付かなかった」

「ええよ、あんがと」

「けど、よく生きてたね。
 先輩が怒ったとこ久しぶりに見た。
 前に先輩を怒らせたチンピラは、
 肋骨折られて半殺しだったんだから」

「ゲキカラに絡んだそのチンピラも不運やったな」

「んーん、違うよ。絡まれたのは私。
 肩がぶつかった、とかいちゃもん
 つけられてさ。手を引っ張られて
 どこかに連れていかれそうになったの。
 だから脚を蹴ってやったんだ」

「・・・・・・勇気あるやないか」
3747の素敵な(チベット自治区)@転載は禁止:2015/02/18(水) 23:42:59.19 ID:5FMI/VhH0
>>15 気さくに声をかけて頂き嬉しいです!
勝手ながらゆいはんのスレで宣伝させていただきました。
松井玲奈さんのとこにも、と思いましたが、どうでしょうか?
38サーモン ◆pdlO7HZYuo (庭)@転載は禁止:2015/02/18(水) 23:49:11.67 ID:MYKFnahd0
「そしたら、顔殴られて。
 結局、逃げて無事だったんだけど。
 で、それが先輩の耳に入ってね。
 次の日、そいつを探しに行ったんだ。
 街で見つけたんだけどね、
 先輩、そいつに何したと思う?」

「さぁ、なんやろ」

「バス停の標識で後ろから頭をドン!
 そこからはもうボッコボコ。
 先輩、あんな細いのにさ、
 バカみたいに力があるんだよね」

ゲキカラの強さは、戦ったおたべも
その身体で味わっている。
一発一発がとてつもなく重い。
それに付け加えて痛みを感じない
身体、まるで悪魔と戦っている
ようにさえ思える。
綾巴が言葉を続けた。

「それでね、先輩さ、
 ソイツを私の前で土下座させたの。
 “綾巴に謝れ”って」

「・・・・・・ええとこあるやないか」

「そして先輩は、その事件のせい で、少年院行きになった。
 私のせいなんだよ。
 だから・・・私は先輩を守らなきゃダメなの」

「・・・・そうや、ゲキカラはどうなったん?
 警察来たんやろ、声が聞こえたで」

「あー、あれ嘘だよ。
 私の友達が機転をきかせたの」

「そうやったんか・・・・・・」

「先輩、なかなか止まらなかったけどね。
 “警察?知るか”って言って。
 涼花と紗矢が必死で止めたんだから」

「その子らにもお礼言わなあかんな。
 あんた達・・・よくゲキカラの前に立てたわ」

おたべがそう言って笑うと、
綾巴はあどけない顔でにこっと笑った。
「分かってたから・・・」と呟いた綾巴。

「先輩は私達には手を挙げないって」
3947の素敵な(やわらか銀行)@転載は禁止:2015/02/18(水) 23:51:09.02 ID:2c6NipfU0
支援
40サーモン ◆pdlO7HZYuo (庭)@転載は禁止:2015/02/18(水) 23:52:30.73 ID:MYKFnahd0
>>35
おふっ(´・ω・`)
あっちゃん出てくるから読んで(´・ω・`)
>>37
大丈夫かな(。´Д⊂)
4147の素敵な(pc?)@転載は禁止:2015/02/18(水) 23:57:58.97 ID:UEPjwcRo0
おたべごときが先に名前出すなよ
42サーモン ◆pdlO7HZYuo (庭)@転載は禁止:2015/02/18(水) 23:58:05.28 ID:MYKFnahd0
涼花と紗矢はゲキカラが住むアパートにいる。
気まずそうな顔をして座っている。
二人の視線の先には、
ソファーに座るゲキカラの姿がある。
額を右手で押さえ、俯いたままだ。
涼花がおそるおそる訊ねた。
「あのー、大丈夫ですか?」
ゲキカラは無言だ。
涼花は「あのー」とまた声をかけた。
すると、ゲキカラは額から手を放し、
腰を上げて立ち上がろうとする。

ゆら・・・・ゲキカラがふらついた。

「先輩!!」涼花と紗矢が飛び出し、
倒れそうになったゲキカラの身体を支えた。
眉間に皺を寄せるゲキカラの顔を
見て、二人は驚いていた。

苦しそうな表情だ。

おたべの最後の一撃・・・・・・
渾身の後ろ回し蹴りは、
ゲキカラの視界を歪ませていた。
軽い脳震盪を起こしているようだ。
こめかみから真っ赤な血が流れている。
紗矢は心配した様子で声をかけた。
「病院に行ったほうが・・・・・・」

「・・・大丈夫」とゲキカラは言って
ソファーに腰をかけると、また俯く。
すると、見かねた紗矢が救急箱から
消毒液とガーゼを取り出した。
そっと傷口に当てる。
「これで三人目ですね、ここまで先輩を追いつめたの」

「・・・・・アイツと戦ってる時・・・・・・
 優子さんと出逢った頃のことを思いだしたよ」

「その話また聞きたいです!」

「・・・・・・嫌だ」 
ゲキカラがそう呟くと、
涼花は冷蔵庫から取り出したぶどうを
ひょい、と口に含んだ。
「優子さん凄いよなぁー。
 初めてじゃん。
 先輩が誰かを“恐い”と感じたの」

「いや・・・・・違う」
ゲキカラはそう呟いた。
紗矢が険しい顔をして涼花を睨む。
しまった、と口を押さえる涼花。
ゲキカラにとって嫌な思い出を口にしてしまったのだ。

「いいよ、もう顔すら覚えていない」

そう・・・・・・顔は覚えていない。
だが、それ以外は鮮明に覚えている。
43サーモン ◆pdlO7HZYuo (庭)@転載は禁止:2015/02/19(木) 00:06:48.09 ID:0xP5KPqG0
母が泣き叫ぶ声、父の怒号・・・
食器が割れる嫌な音・・・・・・
幼い少女が、母親を庇う姿。

父親が大きな拳を振りかざした。
「ママを怒らないで」と少女が言った。
顔の左側に走った激痛。
真っ赤な血が冷たい床に広がった。
目を覚ました時、
少女は、病院のベッドの上だった。
左目が見えない。
ベッドから下りると、ふと目にした鏡の前に立つ。
頭から斜めに、左目を隠すように、
包帯が巻かれていた。
少女は小さな手で包帯を静かにほどいた。
ベリ・・・・・・ガーゼを剥がすと、
ガーゼの内側は真っ赤に染まっていた。
左瞼は大きく腫れ、生々しい傷ができていた。
流れた血が、ポツリと床に落ちる。
不思議と、少女は何も感じなかった。

その幼い少女が、
痛みを無くしたと知るのは、
いっこうに会いに来ない母親を、
病院から抜け出して探しに行った時だった。
住んでいたアパートには何もない。
父の姿も、母の姿も、家具も、
母に買ってもらった人形も、
何もかもが無くなっていた。

行き場を無くした少女は、
訳もわからず暗い道を呆然と歩いた。
雨のなかで、転んだ少女。
膝から流れる血に気付いた。
何も感じなかった。
ずぶ濡れになりながら少女は泣いた。

「ねぇ、怒ってるの・・・・・・?
 わたしがいい子じゃなかったから?」

左瞼の傷が開き、
真っ赤な血が雨に紛れて滴り落ちる。
気付いた少女は、
小さな手で左瞼を押さえた。
傷をなぞっても、何も感じない。
手のひらに付いた血は、
雨粒に混じってすぐに消えていった。

不思議そうな顔で手を見つめている。

何も感じないよ、ママ、パパ。
わたしは・・・・・・へいきだよ?

親に棄てられたと気付いた少女は、
泣きながら・・・・・・

「あはは」と笑った―――――。
44サーモン ◆pdlO7HZYuo (庭)@転載は禁止:2015/02/19(木) 00:23:16.72 ID:0xP5KPqG0
ソファーの上に横たわっていた
ゲキカラが目を覚ました。
毛布がかけられている。
涼花と紗矢の背中が目に映った。
二人は並んで映画を見ている。
涼花がゲキカラに気付いた。
「先輩、うなされてましたよ」

「ああ・・・・・・嫌な夢を見てた」
ゲキカラがそう言うと、
紗矢が「大丈夫ですか?」と
心配した様子で訊ねた。
「大丈夫」とゲキカラが答える。
涼花と紗矢はとても対照的な性格だった。
涼花はお調子者で、喧嘩っ早い。
紗矢は大人しくて頭が切れる。
二人は、自分ではヤンキーとは思っていない。

ただ、勉強が嫌いで、
ただ、気にいらないヤツを殴ってたら、
いつのまにか大人から、
ワルガキと呼ばれるようになった。
紗矢は「涼花のせいだ」とよく言っている。
決まってヤンキーに喧嘩を売るのは
涼花で、紗矢は巻き込まれるからだ。
綾巴を含めたこの三人は、
近隣の中学では敵無しになった。
ゲキカラの名は一度も出さずに。

しかし、知っている者は知っていた。
二人が、ゲキカラの“仲間”だと。
4547の素敵な(庭)@転載は禁止:2015/02/19(木) 00:24:54.38 ID:Rx/d6ukd0
また自画自賛自演スレが始まったかw
4647の素敵な(やわらか銀行)@転載は禁止:2015/02/19(木) 00:28:13.18 ID:EgboPzyI0
このスレは落としちゃいけない
4747の素敵な(チベット自治区)@転載は禁止:2015/02/19(木) 00:29:47.33 ID:SpiZUE9l0
>>40 「かな」と顔文字の意味がわからないまま・・・おやすみ
4847の素敵な(やわらか銀行)@転載は禁止:2015/02/19(木) 00:59:41.75 ID:K3N1D5ez0
そういえば前書いてたバトロワは完結したの?
途中までしか呼んでなかったんだよね
49サーモン ◆pdlO7HZYuo (庭)@転載は禁止:2015/02/19(木) 01:07:27.22 ID:0xP5KPqG0
涼花が何かを思い出したように、
「あっ!」と声をあげ、
ゲキカラのほうへと振り向いた。
「先輩のこと狙ってるヤツ、
 誰だか分かりましたよ」

「・・・綾巴もそんなこと言ってたね」
ゲキカラはあまり興味無さそうに、
ぼうーとした様子で、
天井を見つめている。
すると、紗矢が神妙な顔をして、
ゲキカラにこう言った。

「先輩に恨みもってた奴はたくさんいるんです。
 だけど、優子さんがいたから、
 誰も先輩に手出しはできなかった。
 ・・・・・・今、優子さんは病院のベッドの上です。 
 先輩が学校を辞めたという噂も広まった。
 先輩から“マジ女の看板”が無くなった今、
 奴らにとっては先輩を潰す、絶好の機会なんです」

「・・・・・どうでもいい」

「気を付けたほうがいいですって!
 けっこうヤバイ奴らですよ!」
涼花が険しい顔をしてそう言った。
ゲキカラは依然として天井を見つめたままだ。
まるで関心がない。

「知らないですか?
 最近できた愚連隊みたいな奴ら。
 頭の名前が鳥みたいな奴・・・・」

「・・・・・・知らない」

「えー、有名なんだけどなぁ・・・・・・」
涼花は肩透かしを食らった様子で、
頭をぼりぼりと掻いたあと、
こう一言呟いた。

「鷹の団」―――――と。
50サーモン ◆pdlO7HZYuo (庭)@転載は禁止:2015/02/19(木) 01:10:15.89 ID:0xP5KPqG0
>>48
完結したで(´・ω・`)
51サーモン ◆pdlO7HZYuo (庭)@転載は禁止:2015/02/19(木) 01:21:23.44 ID:0xP5KPqG0
病院にいるおたべは、
優子との会話を思い出していた。
意識がある前の優子だ。
話せたのは一度だけだった。
前田に付き添って、
見舞いに行った時の一度だけ。

“それが、わたしが前にゲキカラから
 聞いた話だ。
 両親に捨てられたアイツは、
 それから施設に引き取られたんだ。
 きつかっただろうよ、
 守った母親にも裏切られたんだ”

“なんでその話を、うちに?”

“校長から聞いたんだよ。
 アイツ、卒業できないって。
 だから、あんたが部長になるなら知る必要がある。
 アイツの・・・・・・過去を”

“・・・部長として認めてもらう
 ためのヒントってわけや?”

“まぁ・・・・・・そういうことだ。
 頼むわ・・・ゲキカラのこと”

「どうやって優子さんはゲキカラを・・・・・・」

「・・・・・・やっぱり知ってたんだ」
綾巴がそう言うと、
おたべは「一回話しただけや」
と言葉を返した。
綾巴がじっとおたべの顔を見つめる。
「優子さんに頼まれたの?
 “ゲキカラを頼む”的な感じ?」

「・・・・・・それもあるな」

「・・・・・・も?」

「うちは・・・親友が二人おる。
 内一人は、もうこの世にはおらん。
 そいつにな、約束したんよ。
 前田はうちが守る・・・・・・って。
 前田、知ってるか?」

「先輩を倒した人だ・・・・・・」

「前田はラッパッパの副部長になる。
 だから、うちが支えたいと思った。
 ほんまは前田が部長になればええんや
 けど・・・・・・変わっとるからな。
 “私じゃ優子さんの代わりになれない”
 そう言って自分から降りたんや」

「そうなんだ・・・・・・」
5247の素敵な(やわらか銀行)@転載は禁止:2015/02/19(木) 01:25:19.32 ID:0H2RhTgX0
サーモン氏乙

どこかのスレでひっそり始めてたぱるるのパン屋の話
気付かないうちにスレが落ちてたみたいなんだけど
あれは完結したんですかね?
53サーモン ◆pdlO7HZYuo (庭)@転載は禁止:2015/02/19(木) 01:28:41.86 ID:0xP5KPqG0
「・・・・だから、ゲキカラにマジ女を
 辞めてもらっちゃ困るんよ。
 半端はあかん、ちゃんと卒業せな。
 前田の顔を潰すことになる」
ベッドから降りたおたべ。
窓際まで歩いていき、
外にある桜の木をじっと見つめる。
少し先の未来をイメージした時、
マジ女の校旗を背景に立つ、
新しいラッパッパの姿が思い浮かぶ。
自分と前田、新しい四天王・・・・・・
そこには、はっきりとゲキカラの姿がある―――。
おたべはゲキカラと拳を交え、
彼女の強さは本物だと知った。
その強さの理由を、おたべは分かっている。
ゲキカラは親に棄てられたことで、
幼くして本当の恐怖を知ってしまった。
その目には今も悲しみがある。 
だから、強い。
・・・・・・神様、あんた。
またゲキカラから大切な人を奪うんか。

弱々しくなる優子の命の灯火が、
おたべの目には映っていた。
それが消えた時、ゲキカラは
大切な人を二度も失うことになる。
酷なことだと嘆いた。
すると、黙っていた綾巴の声が
背後から聞こえた。
「・・・・・・私も、辞めてほしくない」
綾巴は分かっている。
何故、ゲキカラがマジ女を辞めようとしているのか。
優子はもうラッパッパにいないから。
これ以外にはない、綾巴はそう思った。
優子の代わりとなる存在が
ラッパッパにいれば、戻るはず。
けど、優子の代わりなんて、
誰にもなれやしない。
ゲキカラと優子は固い絆で結ばれている。
時間をかけてできたそれは、
誰も侵すことができない深淵な場所にある。
優子の代わりはいない。
それも、綾巴は分かっていた。
「さっき、言ってたよね?
 “どうやって、優子さんはゲキカラを・・・”
 倒したのか・・・・・・でしょ?」

「そうや、気になってな」

「・・・知ってるよ。
 よく私に話してくれたから」

「ほんまか?聞かせてくれへんか。
 うちはアイツのことを、ちゃんと知りたい」

「優子さんはね・・・・
 前田さんと同じだったんだ。
 つまり・・・・・・“転校生”」
綾巴は話を始めた・・・・・・
大島優子とゲキカラの死闘を―――
54サーモン ◆pdlO7HZYuo (庭)@転載は禁止:2015/02/19(木) 01:40:18.03 ID:0xP5KPqG0
先輩が2年生の頃かな。
当時のマジ女に、ラッパッパは・・・
なかったんだ。
吹奏楽部は開かずの間だった。
ラッパッパを復活させようとした
のが、サドさん。
3年のサドさんが頭を張る派閥が、
一番大きな勢力だったんだ。
その頃は、サドとは呼ばれてなかったけどね。
サドさんの派閥には既に、
当時2年だったシブヤ、ブラック、
そして3年のトリゴヤ、
のちのラッパッパ四天王の内、
3人が揃ってサドさんの下についていた。
そのサド派と最後まで対立していたのが、
先輩・・・つまり“ゲキカラ”―――。

先輩は独りで戦っていた。
あんな性格だし、
独りのほうがきっと楽なんだ・・・・・・
当時の私は、そう思ってた。
毎日、毎日、喧嘩してたよ。
それが一番・・・・・・荒れていた頃。
怪我をして帰ってきて、
私や涼花、紗矢が声をかけても、
ろくに口をきいてくれなかった。
笑うのは、喧嘩をしてる時だけ。

そんなある日だったかな。
一人の転校生がマジ女にやってきた。
その転校生は、
初日にシブヤを倒した。
三日目にブラック・・・・・・
その次の日にトリゴヤ。
一週間も経たずに、サド派を壊滅寸前
にまで追い込んでいった。
100近くいたサド派をね。
その転校生が・・・“大島優子”―――

ある日、学校から帰ってきた先輩は、
私たちに声をかけてくれた。
「面白い奴が来たよ」ってね。
ほんの少しだけ、笑ったんだ。
55サーモン ◆pdlO7HZYuo (庭)@転載は禁止:2015/02/19(木) 01:55:18.60 ID:0xP5KPqG0
優子さんが転校した日から、
ちょうど一週間後だったかな。
蒸し暑い夏の日。
先輩は優子さんに声をかけた。
つまり、喧嘩を売ったんだ。
「大島優子・・・私とタイマンだ」
優子さんは誰かに先輩のことを
聞いていたのか、
先輩にこう言ったんだ。
「お前、痛みを感じないんだって?
 なら・・・・“ゲーム”しようぜ。
 普通に喧嘩してもつまんねーだろ」

「ゲーム?」
先輩は優子さんに訊ねた。
すると、優子さんはこう答えた。
「昔、漫画で見たんだよ。
 一度、やってみたかったんだ、
 “シシリアンルーレット”」

優子さんは先輩にそのゲームの
ルールを説明した。
コインを投げて、順番を決める。
死ぬか、降参したほうが負け。
避けるのは無し。
それは“殴り合う”ゲームだった。

先輩はそれを聞いて笑った。
楽しそうな優子さんの顔を見てこう思ったらしい。 
こいつは私と同じだ、
頭がイカれてる・・・・・・てね。
ゲームに乗った先輩は、
「裏だ」と答えた。
「じゃあ私は表だな」
優子さんは楽しそうな顔をして、
つま先で地面を叩いた。
「わりぃな、コインないんだわ。
 だから・・・靴で決めようぜ。
 ・・・・・・おりゃー!!」
56サーモン ◆pdlO7HZYuo (庭)@転載は禁止:2015/02/19(木) 02:03:21.70 ID:0xP5KPqG0
優子さんは叫んで、靴を飛ばした。
二人がいる場所は、学校の屋上。
靴は空高く翔んだ後、地面に落ちた。
拾いに行った優子さんは、
靴を見てにやりと笑った。

「表だ」―――
ゲームは優子さんから始まる。
固い拳を作り不敵に笑った。
「私が勝ったら・・・・・・お前、私の言うこと何でも聞けよ。
 お前も私にして欲しいこと何か考えとけ」

「ワタシが勝ったら・・・あんたはマジ女を辞める、どう?」

「いいぜ。私は・・・そうだな。
 喧嘩が終わるまでに考えとく。
 ・・・・・・じゃ、始めようか」

――「いくぞコラァ・・・・!!」

イカれた奴らのイカれたゲーム
が、こうして始まった。
先輩は、後で私にこう言った。

「・・・優子さんは不利だった。
 私は痛みを感じない。
 ただの殴り合いで、私が降参する
 ことなんてないと思った。
 何でもありの“喧嘩”なら・・・
 優子さんはもっと簡単に、
 私に勝てたはずだったんだ」
5747の素敵な(地震なし)@転載は禁止:2015/02/19(木) 02:19:17.82 ID:f6Jf5J3k0
「ねぇ、怒ってるの・・・・・・?
 わたしがいい子じゃなかったから?」

左瞼の傷が開き、
真っ赤な血が雨に紛れて滴り落ちる。
気付いた少女は、
小さな手で左瞼を押さえた。
傷をなぞっても、何も感じない。
手のひらに付いた血は、
雨粒に混じってすぐに消えていった。

不思議そうな顔で手を見つめている。

何も感じないよ、ママ、パパ。
わたしは・・・・・・へいきだよ?
5847の素敵な(チベット自治区)@転載は禁止:2015/02/19(木) 07:43:29.56 ID:SpiZUE9l0
おはようございます。
5947の素敵な(茸)@転載は禁止:2015/02/19(木) 10:31:25.83 ID:2/OtASzz0
マジすかHKT版がいつの間にか落ちてた
あのあと完結したの?
6047の素敵な(チベット自治区)@転載は禁止:2015/02/19(木) 12:46:54.33 ID:SpiZUE9l0
バトロワの時と比べて、レスが少ない気が・・・
ゆいはんがあまり人気なくてすまんw
6147の素敵な(SB-iPhone)@転載は禁止:2015/02/19(木) 12:55:55.93 ID:EuJENo1z0
>>60
ゆいはんの所為にすんな
6247の素敵な(やわらか銀行)@転載は禁止:2015/02/19(木) 17:02:56.11 ID:EgboPzyI0
支援
6347の素敵な(やわらか銀行)@転載は禁止:2015/02/19(木) 18:38:36.45 ID:EgboPzyI0
支援
6447の素敵な(pc?)@転載は禁止:2015/02/19(木) 19:26:00.39 ID:QaQXoUkj0
>>60
ゆいはんスレでは、小説系は人気ないみたいだよ
他の人がここへ誘導しようとしたけど全然反応なかったし
おれはおたべファンだからすごいありがたいけど
6547の素敵な(SB-iPhone)@転載は禁止:2015/02/19(木) 19:56:25.15 ID:EuJENo1z0
>>64
ゆいはんスレはスカ・グロ画像に誘導するキチガイとか沸いてるから誘導に拒否反応出てるんじゃないかな
6647の素敵な(チベット自治区)@転載は禁止:2015/02/19(木) 19:58:49.34 ID:SpiZUE9l0
思い返してみると、おたべって2のときは、格闘シーンは最後の乱闘の一瞬だけだっけ?誰かとやりあって勝った負けたはなかった気がする。
そのせいもあるのか、たんに俺がゆいはんのファンだからなのか、
おたべがこんなに強い描写は新鮮でもあり嬉しくもある。
2ではネズミとの舌戦が印象に残ってる。
6747の素敵な(SB-iPhone)@転載は禁止:2015/02/19(木) 20:00:45.12 ID:EuJENo1z0
>>66
前田vsおたべ(過去戦)は乱闘シーン無かったっけか
6847の素敵な(チベット自治区)@転載は禁止:2015/02/19(木) 20:00:53.23 ID:SpiZUE9l0
>>65 アドレス踏む時にはもう右下端に指を添えてる
6947の素敵な(チベット自治区)@転載は禁止:2015/02/19(木) 20:03:02.97 ID:SpiZUE9l0
>>67言われてみれば!
でも乱闘じゃなくタイマンだった気が。
橋の下、河原みたいなとこ。
70サーモン ◆pdlO7HZYuo (庭)@転載は禁止:2015/02/19(木) 20:04:12.52 ID:NyVdKwgW0
>>66
おたべはんは前田に負けるまで
喧嘩無敗なんやで(´・ω・`)
wikiに書いてあった!
7147の素敵な(SB-iPhone)@転載は禁止:2015/02/19(木) 20:04:58.78 ID:EuJENo1z0
>>69
ゆいはん負けのあっちゃん勝ちだけど
見た目で見たら大分引き分けに近く見えてしまった
7247の素敵な(SB-iPhone)@転載は禁止:2015/02/19(木) 20:06:44.08 ID:EuJENo1z0
>>70
口喧嘩は今でも無敗じゃね、割とマジで
73 回線(pc?)@転載は禁止:2015/02/19(木) 20:08:20.74 ID:ANjiInVD0
ゆいはん最強
7447の素敵な(チベット自治区)@転載は禁止:2015/02/19(木) 20:23:33.94 ID:SpiZUE9l0
>>70 今まで負けたことのなかったやつが負けに負け、
何故か部長になり、何故か四天王に。
サーモンさんの腕のなる音が耳に痛いよ。

>>72すいません。意味がよく分からない。
ゆいはんじゃなくておたべってことかな?
贔屓目ではあるとおもうけど、たんかきるようなのはいいもの貰ってる気がする。
7547の素敵な(やわらか銀行)@転載は禁止:2015/02/19(木) 20:30:06.09 ID:EgboPzyI0
支援。・゚・(ノД`)・゚・。
76サーモン ◆pdlO7HZYuo (庭)@転載は禁止:2015/02/19(木) 21:21:14.00 ID:NyVdKwgW0
優子さんの拳は、一発で意識が
“とびそう”になるほどの衝撃だった・・・・・・
先輩はそう言っていた。
次は先輩の番だ。
先輩の右拳はえぐりこむように、
優子さんの顔面に叩きこまれた。
全力の拳・・・殺す気の一撃だ。

その拳は、これまで名の通ったヤ
ンキー達を、一発で沈めてきた拳だった。

それをまともに食らって、
立っていられるはずがないんだ。

けれども・・・地面に膝をつけさせる
どころか、一歩も・・・・・・
ただの一歩も動かすことはできなかった。

「ふぅ〜」と息を吐いた優子さん
は髪をかきあげた。
「よし・・・私の番だな」
そう言って笑ったらしい。
自分の帰り血を拭って笑う優子さんの姿は、
先輩にとっては、まるで・・・・・・
“自分”と戦っているかのように思えたんだ。
長い・・・とても長い殴り合いに
なると、先輩はその時直感した。

「いや・・・これは“殺し合い”
か・・・あはは・・・・・・
 キャハハハハッ・・・・・・!!
 早く来なよ〜?私を殺しに・・・」

「ああ・・・・そのつもりさ」

ふたりともゲームを楽しんでいた―――。
7747の素敵な(関東・甲信越)@転載は禁止:2015/02/19(木) 21:31:35.91 ID:0QZAIulWO
サーモンさん保守
7847の素敵な(やわらか銀行)@転載は禁止:2015/02/19(木) 21:53:05.51 ID:EgboPzyI0
保守・゚・(ノД`)・゚・。
7947の素敵な(庭)@転載は禁止:2015/02/19(木) 22:20:37.52 ID:0fIRmCpZ0
死守
8047の素敵な(pc?)@転載は禁止:2015/02/19(木) 22:21:46.78 ID:BjQRTqX90
保死守
8147の素敵な(茸)@転載は禁止:2015/02/19(木) 22:53:15.48 ID:YheGQSw70
れなひょんは先輩なのにゆいはんにさん付けなんだよな
8247の素敵な(SB-iPhone)@転載は禁止:2015/02/19(木) 23:02:21.87 ID:EuJENo1z0
>>81
ひょんさんはんさんの仲
83サーモン ◆pdlO7HZYuo (庭)@転載は禁止:2015/02/19(木) 23:03:57.34 ID:NyVdKwgW0
屋上にはいつのまにかギャラリーが集まった。
二人を囃す声があちこちで沸き起こった。
“やれ!”“ぶっ倒せ!”
優子さんを応援する声が多かった。
サド派の幹部を倒した優子さんは
、その時には既に、
マジ女の生徒達にとってカリスマ的存在だった。
相反して、先輩は誰も寄せ付けない・・・
一匹狼の嫌われ者だったんだ。

先輩はそれまで喧嘩無敗。

一匹狼に成れるのも、
鬼のような強さがあるからだ。

先輩は・・・一歩も退かなかった。

血煙が殴り合う度に舞う。

大島優子とゲキカラのタイマン・・・

それはまさに“死闘”だった。
84サーモン ◆pdlO7HZYuo (庭)@転載は禁止:2015/02/19(木) 23:17:00.88 ID:NyVdKwgW0
どれくらい時が経ったか、
二人はもちろん・・・
見ていた奴らも分からなかっただろう。

お互いの顔が血だらけになった。
まるで試合後のボクサーみたいに、
瞼が腫れ上がった。
けれども顔は二人とも笑っている。
そんな二人の顔を見て、
最初は囃していたギャラリーも、
静まりかえって見守るようになったんだ。
クレイジーな奴等の喧嘩を。

先輩は身体的な痛みは感じない。

だけど、心には痛みを感じるんだ。

先輩は、一度も倒れない優子さんに、
次第に“焦り”を感じるようになっていった。
いつのまにか、先輩の顔から笑みが消えた。
殴っても、殴っても、
大島優子は・・・・・・倒れない。
自分の順番が来た先輩は、
ついに拳に力が入らなくなっていたことに気付いた。
長時間殴り合いを続けたら
・・・・・・普通はそうなるよ。
最凶のゲキカラだって、ただの人間なんだ。
けれども、優子さんは違った。
優子さんはボコボコの顔で、まだ笑っていたんだ。

「どうした?来いよ、ゲキカラ。
 ぜんっぜん痛くねーぞ・・・・・・。
 来ないなら・・・こっちから行くぜ」

その時、先輩のなかで、
焦りが“何か”に変わった。
どんなに殴っても壊れない人間がいる。
身体をボロボロにできても、
心には傷ひとつ付けられない。
先輩は、目の前の化け物を・・・・・・
優子さんを“恐れた”んだ。

こいつは“普通”じゃない・・・・・・

震える右手を押さえつけながら、
先輩はそう思ったんだ。

それが“恐怖”という感情だと気付いた。

先輩はその時初めて、喧嘩で・・・・・・

一歩、退いた―――。
8547の素敵な(やわらか銀行)@転載は禁止:2015/02/19(木) 23:48:26.14 ID:EgboPzyI0
保守・゚・(ノД`)・゚・。
86サーモン ◆pdlO7HZYuo (庭)@転載は禁止:2015/02/20(金) 00:18:46.84 ID:/Ktj53gG0
怖い、先輩が何かにそう感じたの
は、子供の時以来だった。
親に棄てられたあの時以来・・・。
無くしていた感情を取り戻した。
壊れていた先輩の心に、
優子さんは力ずくで痛みを与えたんだ。

無意識で一歩さがった先輩に、
優子さんが近づいていく。   

ゆっくりと、一歩、一歩。

心を見透かすような優子さんの
真っ直ぐなその目は、
今でも忘れられない・・・・・・
先輩はそう言っていたよ。

そして、優子さんは最後の一撃を放った。

手加減なんてありゃしない。

何もかもが吹っ飛ぶような・・・
そんなとてつもない拳。

先輩は冷たい地面に寝そべっていた。
自分が泣いていたことに気付いた。
だけどそれは、恐怖とか、
そんな禍々しい感情じゃない・・・・・
恐怖は消えていた。
ただ、嬉しかったんだ。
自分にも在った、と気付いた。
それは、超強烈な優子さんの拳がくれた・・・・・・
“生きている実感”。
87サーモン ◆pdlO7HZYuo (庭)@転載は禁止:2015/02/20(金) 00:21:03.32 ID:/Ktj53gG0
先輩の意識は朦朧としていたけれど、
その実感は鮮明に覚えていたんだ。
「どうよ?マジに生きてるって感じだろ?」
そう言って笑う優子さんの姿がうっすら見えた。
先輩は、返事をする力すらなく、
眠るようにそこで目を閉じた。
途切れる意識のなか、優子さんの声を聞いた。

「約束守れよ、お前は今日から
 ・・・・・・私の“ダチ”だ」

それが、先輩が聞き取れた最後の言葉だった。

優子さんが放った最後の拳は、
先輩の額を深く切りつけていた。
額の左側・・・・・・ちょうど、
左眉の上あたりをね。

それから二週間後、
優子さんがサドさんを倒して、
ラッパッパは数年ぶりに復活した。
“転校生”だった大島優子が、
マジ女の頂点に君臨したんだ―――。

「それがあの二つの傷ってわけや
 ・・・・・」
綾巴の話を聞いていたおたべは、
神妙な表情をして何かを考えている
ようだった。
その方法でゲキカラの心を開かせ
ることができたのは、優子だからこそだろう。
それは簡単なことじゃない。
優子の太陽のような明るさと、
決して折れない強靭な精神力、
傷だらけになっても消えない自信、
・・・・・・超強力な大島優子だから
こそ、できるゲームだ。
自分にはできない。
ゲキカラの強さは理屈じゃないと
、戦ったおたべは知っている。
同時に、自分と大島優子の間にあ
る大きな差を思い知る。 

超えられないんか・・・・・・

悔しそうに拳を握ったおたべは、
そんなことを考えていた。
88サーモン ◆pdlO7HZYuo (庭)@転載は禁止:2015/02/20(金) 00:24:38.28 ID:/Ktj53gG0
病院を出たおたべは、
独りで街を歩いている。
途中、黄色いジャージを着た
ヤンキー達とすれ違った。
目がチカチカするわ、
おたべはヤンキー達を目で追う。
彼女達の背中には、鷹が描かれていた。
おたべは首を傾げ、
「変な奴らや」と呟いてまた歩き出した。
向かっているのは、お寺だ。
坂を登った丘の上にある。
街の景色が一望できる場所だ。
寺の坊主に逢うと、会釈をするおたべ。
彼女の両手には、幾つかの花と、
カツ丼がある。

おたべは足を止めた。
とあるお墓の前で――――。

「カツ丼、好きやったやろ?」

おたべはそう言って腰を下ろした。
カツ丼を墓に置くと、持ってきた
花を花立に添えた。
お墓には、親友の名が刻まれている。
かつて通っていた、八木女子高で
出逢った親友だ。

「長いこと来れへんかった。
 ・・・・・・堪忍してな。
 前田は元気や。
 新しい学校で友達もできたみたいやわ」
8947の素敵な(芋)@転載は禁止:2015/02/20(金) 01:20:36.14 ID:N067b1FB0
保守
9047の素敵な(チベット自治区)@転載は禁止:2015/02/20(金) 02:58:09.14 ID:+oGf4i+j0
たかみなは最初のマジすかのときは前田の親友という設定での回想シーンだけで役名はみなみだっけ?
警察官として出てたのは2の時だけだっけ?警察官としての役名はなんだったんだろう?
4の食堂のおねーさんとしての役名はみなみ?
調べればすぐわかりそうなことをなんで俺は質問してるの?
9147の素敵な(dion軍)@転載は禁止:2015/02/20(金) 03:38:25.75 ID:Dqw9Rpy50
で、れれぴょんの姉ちゃんだっだよな。
なんか歴史を感じるし、えれぴょんが今AKBにいたら
どうなってたのかなとか思うよね。
9247の素敵な(東京都)@転載は禁止:2015/02/20(金) 03:40:16.64 ID:muayEwmR0
ホシュ
9347の素敵な(チベット自治区)@転載は禁止:2015/02/20(金) 08:05:22.34 ID:+oGf4i+j0
グーテンモルゲン
9447の素敵な(SB-iPhone)@転載は禁止:2015/02/20(金) 09:20:59.75 ID:wswRk+gD0
保守
9547の素敵な(茸)@転載は禁止:2015/02/20(金) 10:54:18.16 ID:2sW+NinZ0
紫煙
9647の素敵な(家)@転載は禁止:2015/02/20(金) 12:31:31.27 ID:m12zcrCF0
保守
9747の素敵な(チベット自治区)@転載は禁止:2015/02/20(金) 12:55:13.52 ID:+oGf4i+j0
松井玲奈さんのスレでも宣伝するか迷いつつ誰かがしてくれてないかな?
と期待しながら松井玲奈応援スレをチェックするようになってしまった。
松井玲奈さんのファンからすれば、おたべがゲキカラ相手に善戦してるのは気にくわないかもと躊躇してしまう。
でもおかげで、わらがみさまの情報が入って来た。
9847の素敵な(チベット自治区)@転載は禁止:2015/02/20(金) 18:39:41.66 ID:+oGf4i+j0
ジェニュイン
9947の素敵な(庭)@転載は禁止:2015/02/20(金) 19:12:47.11 ID:N3si9MdX0
保守
10047の素敵な(湖北省)@転載は禁止:2015/02/20(金) 19:58:05.42 ID:tzfjxVCt0
おう!
10147の素敵な(やわらか銀行)@転載は禁止:2015/02/20(金) 20:20:18.29 ID:kBYys5QD0
保守
10247の素敵な(チベット自治区)@転載は禁止:2015/02/20(金) 20:23:57.50 ID:+oGf4i+j0
保守だけでいいのか?
希望的葛藤リフレイン
保守あるある
103サーモン ◆pdlO7HZYuo (庭)@転載は禁止:2015/02/20(金) 20:28:27.53 ID:2FTo9gjP0
まるで目の前に親友がいるかのように、おたべは語りかけている。
おたべには親友の姿が見えているのかもしれない。 
八木女子の制服を着たあの頃の親友の姿が。
前田も“彼女”の親友だ。
おたべよりも前田のほうが、
彼女との付き合いは長い。
前田と彼女は、中学からの親友。おたべと彼女は、八木女子で出逢った。
当時は、おたべと前田は犬猿の仲で、
彼女がよく仲裁に入っていた。
今もその明るい声がおたべの耳に
聞こえてくる。
“おたべ!カツ丼食べ行こうぜ!”
“前田もおるんやろ、嫌や”

“お前らほんっと仲悪いな〜”

“・・・宿敵ってやつやな。
 前田とうちは戦う運命なんよ”

“はぁ?意味わかんねーし!
 ほら、行くぞ!おたべ!”

“嫌や。こら、放さんかいっ!
 うちは行かんで!嫌や〜!!”

「うちは・・・素直やなかった。
 ・・・・ほんまはな?
 あの時、嬉しかったんよ。
 三人でおるのが楽しかった・・・」
10447の素敵な(やわらか銀行)@転載は禁止:2015/02/20(金) 20:35:16.04 ID:kBYys5QD0
四円
10547の素敵な(チベット自治区)@転載は禁止:2015/02/20(金) 20:35:16.45 ID:+oGf4i+j0
嫌や〜!!
がおたべより山田菜々を思い出させる。
思い出にするにはまだ早い〜♪
10647の素敵な(チベット自治区)@転載は禁止:2015/02/20(金) 20:37:25.79 ID:+oGf4i+j0
それでも保守しようとして何も思いつかない時
そんなことあるよね?♪ あるある
107サーモン ◆pdlO7HZYuo (庭)@転載は禁止:2015/02/20(金) 21:23:16.57 ID:2FTo9gjP0
親友はヤンキーに殺された。
犯人は前田と揉めていたガンギレ
高校に通う生徒と、そのOBだった。
それを知った前田は怒り狂った。
「離せ・・・!!
 アイツらを殺してやる!!」

「待たんかい・・・!!
 あんた一人じゃ無理や!!
 相手は30人近くおるんやぞ!」

「だから何だ・・・!!
 私が皆殺しにしてやる!」

「警察に任せるんや・・・!!
 復讐して何になんねん!
 アイツは・・・みなみは・・・・・・
 あんたにそんなことしてほしくないはずや!!」
復讐しようとする前田を、
おたべは必死になって止めた。
けれどその日の夜・・・・・・
前田は犯人達を狩り始めた。

親友の形見である血に染まった青いシュシュと、
親友からもらった赤いシュシュを身に付けて。

おたべには何も言わず、たった独りで動いた。

一人また一人と敵を狩り続ける。
駆けつけたおたべの目に映った前田の姿は、
まるで返り血を浴びた鬼のように見えた。
声をかけることはできなかった。
もう止められない・・・・・・
これで前田が前に進めるならば、
彼女の復讐を黙って見届けよう。
おたべはそう思った。

「これがマジになった前田の力・・・か」
10847の素敵な(やわらか銀行)@転載は禁止:2015/02/20(金) 21:47:44.87 ID:kBYys5QD0
捕手
10947の素敵な(やわらか銀行)@転載は禁止:2015/02/20(金) 23:49:05.28 ID:kBYys5QD0
捕手
11047の素敵な(やわらか銀行)@転載は禁止:2015/02/21(土) 00:24:37.23 ID:aKUKLer50
死守
11147の素敵な(やわらか銀行)@転載は禁止:2015/02/21(土) 01:13:12.51 ID:USBuKk8a0
保守して寝る!
11247の素敵な(チベット自治区)@転載は禁止:2015/02/21(土) 02:02:23.68 ID:8RQ5I5F00
鞆の浦慕情vs無人駅
11347の素敵な(東日本)@転載は禁止:2015/02/21(土) 02:23:46.91 ID:PhbBxxex0
亜門のガチオーディションで惨敗したらすぐに代わりの舞台が用意されるとかヤバイな
さすがジキソーw
11447の素敵な(庭)@転載は禁止:2015/02/21(土) 03:34:54.37 ID:v7Q5uZ770
保守
11547の素敵な(チベット自治区)@転載は禁止:2015/02/21(土) 08:38:57.24 ID:8RQ5I5F00
田野ちゃんがマジすかに出たら役名はドロシーか?
11647の素敵な(庭)@転載は禁止:2015/02/21(土) 09:52:08.95 ID:v7Q5uZ770
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11747の素敵な(pc?)@転載は禁止:2015/02/21(土) 11:51:15.85 ID:YhGpSVDr0
>>113
マジすかがあるから落としたのかな?
マジすか舞台って春だっけか?
11847の素敵な(茸)@転載は禁止:2015/02/21(土) 12:53:38.09 ID:piOa9l1C0
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11947の素敵な(SB-iPhone)@転載は禁止:2015/02/21(土) 15:00:18.44 ID:RRCCz4C30
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12047の素敵な(庭)@転載は禁止:2015/02/21(土) 17:02:32.58 ID:v7Q5uZ770
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12147の素敵な(やわらか銀行)@転載は禁止:2015/02/21(土) 18:04:29.49 ID:aKUKLer50
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122 回線(pc?)@転載は禁止:2015/02/21(土) 18:06:05.34 ID:2zaYEj8n0
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12347の素敵な(庭)@転載は禁止
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