朱里 雀眼伝説 〜目死の闘牌〜 [転載禁止]©2ch.net

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1名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止
朱里 〜目死の闘牌〜

後に裏の麻雀界で最強と呼ばれ、
目死という通り名で闇社会の頂点に君臨した女王
高橋朱里。
伝説が今はじまる!

第1章 天才の誕生

1997年9月
朱里の父、高橋里志(さとし)は茨城で敵なしと言われた博徒であった。

雀荘での会話
A「里志さん、お子さん、もうすぐ生まれるんでしょう?」
里志「そうだ、今月末か来月の頭くらいかな」
B「女の子なんですって」
里志「そうだ」
C「里志さんのことだから、目に入れても痛くないでしょうね」
一同「ガハハハハ」
里志「ツモ!純チャン、三色・・・・裏が乗って倍満だな」
ABC「やっぱり里志さんは強ええや」

雀荘のマスター「里志さん、電話ですよ、奥さんから」
里志「そうか、代走頼むわ」

里志「もしもし、病院行ってきたんだろう、どうだった?」
里志の妻、朱里の母は高橋朱美(あけみ)という。

朱美「大丈夫だったわ。子供は元気に育ってるし、
もうすぐ生まれるわね。今日だって何回も私のお腹蹴ってるのよ」
里志「よかった。今日は早めに帰るから」

朱里の両親、里志と朱美はこのとおり幸せの最中にいた。
2名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/22(月) 23:13:15.49 ID:P9g3Gum+0
後日
中村建設社長室。
里志は社長の中村に呼び出されていた。

中村「というわけなんだ。里志さん。このプロジェクトの受注は
当社の命運がかかっている!
それで、是非里志さんに託したいんだ!」

当時の茨城ではゼネコンが下請けの発注先を決める際に
麻雀で発注先を決めるならわしがあった。

中村建設のような多くの土建屋がそれぞれ敏腕の代打ちを抱え、
博徒達はしのぎを削ってきた。
中でも茨城最強と呼ばれていたのが高橋里志である。

里志「わかりましたよ。社長、この勝負絶対に勝ちますから!」
中村「里志さんがついてくれるなら、当社は勝ったも同然!」

今回のプロジェクトの受注金額は10億!
勝てば代打ちの里志はそこから5パーセントの報酬、
5000万を得ることとなる。

里志「生まれてくる娘のためにも頑張らないとな」
中村「そういえば、里志さん、もうじきお子さんが生まれるんだな」
里志「ああ。この勝負必ず勝つさ」

中村「決戦の日は10月3日!
当社、中村建設と
松井組、高柳土建、柴田建設の4社の土建屋の代打ちが
卓につく!
プロジェクト受注には半荘10回での総合得点でトップをとる
必要がある!
里志さん!頼みます!」
3名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/22(月) 23:14:59.33 ID:P9g3Gum+0
1997年10月3日 午前8時

土建屋の朝は早い。
朝から麻雀が行われるのは珍しいことであるが、
当時の出雲の土建屋の多くは
麻雀を仕事のひとつとしてとらえていたため、
今回のようなプロジェクト受注を決める麻雀対決は
ほとんど業務開始時間である朝8時頃から行われていた。

里志が代打ちを担う、中村建設、
そして松井組、高柳土建、柴田建設の代打ちが揃う。

里志「今回の相手はこいつら3人か。
それぞれ名うての代打ちじゃねーか・・・
みな、どこかで見かけたやつばかりだ。

・松井組…ふけ顔のジュン。腰の重い麻雀打ち。いわゆる手役派だ。
打点の高いあがりは要注意だが
反面、すぐにおりる気の弱い側面もある。と聞いたことがある。

・高柳土建…あいつはバードじゃねーか。
鳥のように鳴くからバード。速さでは出雲で一番だと聞いたことがある。

・柴田建設…ギョロ目のアヤ。奴の伝説的なガン牌は聞いたことがある。
あのギョロ目で牌が透けて見えるとか…
そんなはずはないだろうが、捨て牌に工夫を施さないと
やつからの出上がりは無理だろう。
4名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/22(月) 23:15:34.42 ID:s1rhGX2zO
「悪いな、それロンや。……あんた、背中が煤けてんで」
5名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/22(月) 23:16:46.19 ID:gLcm0431O
>>4
悪いけどNMBじゃないほうの朱里なんだ
6名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/22(月) 23:17:17.09 ID:P9g3Gum+0
いよいよ勝負が始まる。

1、2回戦は高柳土建のバードが早上がりで半荘を終始圧倒していた。

そして3回戦目の出来事。

松井組のふけ顔ジュンがツモ切りが続く。
里志(もうテンパイしたのか)

ふけ顔ジュン、ドラのイーピン切り。

里志(ドラ切り、テンパイ確実だが安そうだ…典型的タンピンの捨て牌…)

そのとき
バード「ポン!」

バード、ドラのイーピンをポン。
その後、バードもツモ切りが続く。

里志(バードもテンパイしたか…)

里志(だが、こちらも…)

柴田建設のギョロ目のアヤはすでにオリ。
バードとふけ顔ジュンの現物を切り続ける。

次巡
ふけ顔ジュンもバードの現物切り。

里志(ふけ顔もおりたか、安かったんだな・・・)

次巡
バード「お、もう1枚きた!」
バード、ドラのイーピンを加カン!

そのとき!
里志「槍カン、ロン」
里志「槍カン、純チャン、ドラ1、満貫」

バード「くそ!」
里志(バード、欲張り過ぎたな。
俺の捨牌ならチャンタ手は読めたはず。
ドラに目がくらんでしまったんだ、おまえは)
7名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/22(月) 23:19:36.58 ID:P9g3Gum+0
3回戦目、トップを走り続けていたバードから
満貫の直撃をとり、波に乗った里志はトップへと躍り出た
次の4回戦目も里志はトップ
そして5回戦目の出来事である

親バード。
ドラは北。

バード「カン!」
バード、大明カン!

バード、自分の目の前にある王牌の新ドラをめくる。
新ドラ表示は西!
新ドラも北!

数巡後、
バード「もういっちょ、カン!」
バード、またしてもカン!
バード「さて、新ドラは…」
バード新ドラをめくる。
表示は西!
新ドラまたしても北!

ふけ顔ジュン、ギョロ目のアヤ(バードのやつ、しこみやがったか・・・)
里志(……)

王牌はバードの目の前、
百戦錬磨のバードにとってドラ表示のすりかえなど造作でもない。
ドラの北は河に1枚も出ていない。
おそらくドラの北は4枚、バードが抱えているだろう。
一同そう感じていた。

バードの2カンを機に、
ふけ顔ジュンとギョロ目のアヤはおりる。

そして数巡後。

バード「カン!」

バード、ドラの北を暗カン!

ふけ顔ジュン、ギョロ目のアヤ(三カンツ、ドラ12、役満まであるじゃねーか…!)

バード「さてと…リンシャンは…この流れだとつもっちまうかもなw」

バードがリンシャンに手を伸ばそうとしたとき、

里志「ロン」

バード「あ、なんだって?」

里志「ロンだ」

里志、手牌を倒す!
8名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/22(月) 23:21:23.60 ID:P9g3Gum+0
里志「バード、あんたも懲りないな。
俺の捨牌、みえみえの国士だったろう?
数え役満にそこまで目がくらんだか?」

一同「国士無双!!」

里志「暗カンでの槍カン、国士なら有りのルールだったよな」

バード「うう…」

里志「ドラをしこんだ場合、ついつい自分が早くあがろうと
他人の捨牌や手には無頓着になっちまうもんだ。
サマを使った側は逆に自分が盲目的になっちまうことを知るんだな」
9名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/22(月) 23:22:10.17 ID:P9g3Gum+0
5回戦目、国士をあがった里志はまたしてもトップ
続く6回戦、7回戦もトップを取り続ける
そして迎える8回戦
勝負の行方が傾きはじめる

8回戦目の出来事である

里志「リーチ」

それから
バード、ふけ顔ジュン、里志の現物切り。
バードは5回戦目に里志の暗カン槍カン国士の直撃を浴びてから
すっかり臆病になり、
得意の鳴きの速攻も影を潜めてしまっていた。

里志(バードはもう戦意喪失か…ふけ顔もすっかりおり気味だし
ただ、気になるのはギョロ目のアヤ…
あいつはそういえばずっと振り込みもせず
常にぶらさがりの二位だった…
逆にこれまでしかけてこないのが不気味ですらある…)

そして数巡後
ギョロ目のアヤ「リーチ」

次巡
ギョロ目のアヤ「ツモ。リーチ一発メンタンピン、っと裏が乗って跳満だな」
里志(!!!!!)


次の局
ギョロ目のアヤ「ツモ。リーチ一発メンピン三色、跳満だ」

そしてまた次の局
ギョロ目のアヤ「ツモ。また一発でひいちまったよ。
リーヅモ一発チートイドラドラ、っとやべえ裏2つ乗りの倍満だ。悪いな」

里志(また一発!!こいつ、ほんとに牌が透けてみえてやがるのか!)
10名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/22(月) 23:23:28.38 ID:P9g3Gum+0
8回戦目の南場
親:ギョロ目のアヤ

ギョロ目のアヤ「ツモ。リーヅモ一発、2000点オール。
ふふふ、それは冗談だ、これで八連荘か、役満だな」

一同(!!!!!!!!)

結局8回戦目は柴田建設の代打ち、
ギョロ目のアヤが7万点オーバーの大勝。
これまでのトップの里志につめよる。

そして9回戦目の出来事

ギョロ目のアヤ「リーチ」

里志(また一発ツモ?させるかよ!)
里志「ポン!!」

里志、一発消しのポン、そして浮いた字牌を切る。

ギョロ目のアヤ「ロン。リーチ、メンホン、中の満貫」
ギョロ目のアヤ「あせってるねえ里志さん。
こんなみえみえのホンイツ、そこで字牌を切るかね?」

里志「くそ・・・」

9回戦目、この後もギョロ目のアヤは早い巡目でテンパイ、
リーチ一発であがりまくり、里志とのこれまでの差を逆転する!

そして最後の半荘を迎える!
11名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/22(月) 23:24:52.30 ID:Y4NqXl3T0
10回戦目、最後の半荘。
またしても柴田建設の代打ち、ギョロ目のアヤが一発ツモを引きまくる。
もはやこの勝負完全にギョロ目のアヤが勝つかに思われた。
ついには里志とギョロ目のアヤの点差は開き、
里志は絶望的な状況へと追いこまれた。

そしてオーラス
里志の親。

里志(ついに俺の博徒人生も終わりか)

配牌が始まる。
里志、手元に萬子が集まってくる!

里志(おいおい、なんなんだよ、この引き…)

そして配牌完了。

ギョロ目のアヤ「おいおい、どうした里志さん。早く切れよ」
里志「できてる」

ギョロ目のアヤ「あ?」
里志「ダブルだ。九蓮の天和」

ギョロ目のアヤ「なんだって!!!!」

勝負あり。
ギョロ目のアヤ、うなだれる。
里志がタバコに火を付けた瞬間だった。

中村社長「里志さん、大変です、さっき電話があって、
奥さんが救急車で運ばれた!」
里志「なんだって!」
12名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/22(月) 23:26:49.90 ID:edmWt03a0
里志は大急ぎで妻の朱美が運ばれた病院へと駆けつける!

里志「あの!高橋朱美の夫です!妻が運ばれたと!
無事なんですか!妻は!」

看護婦「あ、お父さんですか!おめでとうございます!」

里志「え!?」


里志が病室へ案内されると妻の朱美がベッドに横たわっていた。
胸に生んだばかりの赤ん坊を抱えて。

里志「朱美!」
朱美「ごめんなさい、びっくりさせて、でもね
ほら、無事生まれたの」

看護婦「元気な女の子ですよ!」

里志「やった…よかった…」
里志の頬を涙が伝う。

朱美「ちょうどあなたが駆けつける一時間前くらいに生まれたのよ」
里志「一時間前・・・ちょうど九蓮の天和をあがったとき!
そうかあれは、この子が授けてくれたんだ!」

里志「ちょっと、抱っこしてもいいかな」
里志、わが娘をはじめて抱っこする。

里志「はははは、かわいいな、すごくかわいい」
赤ん坊「オギャー」

こうして1997年10月3日
後に神域の女と呼ばれた天才、
高橋朱里がこの世に生をうけた。
13名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/22(月) 23:28:06.77 ID:RGeMGzSE0
生まれた赤ん坊は
両親の名前から一文字ずつとり
朱里(じゅり)と名付けられた。

高橋朱里(たかはしじゅり)

のちに裏の麻雀界で神域の女と呼ばれた天才の誕生である。

朱里「オギャー」


朱里の父親、里志はかつて茨城最強の博徒と呼ばれた男である。

娘の朱里が生まれてからは代打ち稼業からは足を洗い、
かつての博徒時代に代打ちを担っていた
土建屋で現場監督を任されていた。
「まじめに働くのも悪くないな」里志はそう思った。
工事が難航し、くたくたになって帰宅しても
娘の朱里の顔を見ればどんな疲れも吹き飛んだ。

茨城の公民館の麻雀教室。
穏やかな日曜日であった。

里志は日曜日にはボランティアで
老人向けの麻雀教室の先生をやっていた。

朱里「オギャー」
里志「ああ、ごめんなさい、おしめかえなきゃ」

老人「いつもかわいいねえ、朱里ちゃんは」
老人「今度私にも抱っこさせて」

朱里は麻雀教室の老人達にも大人気であった。

老人「不思議よねえ、朱里ちゃんを抱っこして
麻雀を打ってると、不思議とすごい手があがるのよ・・・
あ、つもった、大三元、四暗刻!ダブル役満!」
14名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/22(月) 23:29:35.07 ID:/f4k7ciG0
1999年
2歳になった朱里はある遊びに熱中するようになる。
父親の麻雀牌を使った神経衰弱である。

この遊びはトランプの神経衰弱と同じである。
卓一面に裏返しにした麻雀牌を広げ、
プレイヤーが交代で任意の牌を表向きにめくる。
2個同じ牌を続けてめくればその牌はめくった者が回収する。
牌を回収したものは、続けて牌をめくる権利がある。
最終的により多くの牌を集めたプレイヤーが勝ちとなる。

朱里は両親と3人でこの遊びをプレイしていた
里志「わーすごいじゃないか朱里」
朱美「もうこれで7回連続のあたりね」
朱里「えっとね、次はね、これと、これ」

朱里、これで8回連続でペアをめくり当てる。

里志(すごい記憶力だ)
朱美「朱里はぜんぶ覚えてるの?」
朱里「うーん、覚えてるのもあるし、あとね、なんとなく、これかな、
ってめくってみると、同じ牌なの、その牌はね、
なんか光ってるの」
15名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/22(月) 23:32:47.31 ID:/f4k7ciG0
2000年
朱里はこの年3歳になる。

里志が工事が早く終わり、早めに帰宅した夕方の出来事である。

朱里「パパおかえりー!」
朱里は帰宅した里志に駆け寄り、抱きつく。

里志「ただいま、朱里」
里志は朱里を抱きしめ、頭をなでる。
一日のうちで最も幸福な瞬間である。

朱里「あのね、パパ!
朱里も出来るようになったよ!
パパの手品!」

里志「俺の手品?」

朱里に手招きされ、里志が子供部屋に入ると、
そこには少し大きめの箱が置いてある。

里志「これは!」


その箱は昔、里志が会社の飲み会で使ったくじ引きの箱である。
里志はこの箱を持って帰ってきて、
中に麻雀牌を入れて朱里と遊んだことがあった。
16名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/22(月) 23:41:08.40 ID:s1rhGX2zO
>>5
あがったのは由依ちゃんやで(´・ω・`)
17名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/22(月) 23:52:13.28 ID:STVrdiXa0
〜数ヶ月前〜
里志「朱里、これからパパが手品をみせてあげる。
この箱に麻雀牌が入ってるんだけど、
朱里が言った好きな牌を見ないで箱から出してあげるよ」

朱里「え!パパ!そんなこと出来るの!ほんと!
うーん、じゃあ、朱里の好きな白!」

里志、箱の中に手を入れて牌を取り出す。
出してきた牌は白。まあ、これは簡単だ。

里志「ほら朱里、白だ」
朱里「わーパパ、すごい!」

里志「もっといろんな牌を言ってごらん」
朱里「うーん、じゃあリャンピン!」

里志、盲牌して箱の中からリャンピンを取り出し、
朱里に見せる。

朱里「パパすごい!じゃあ三萬!」

三萬の盲牌はなかなか難しい。
二萬との微妙な差を指先で判断する必要がある。
しかし、里志、難なく牌を取り出し、

里志「ほら、朱里、三萬だ!」
朱里「パパすごーい!!」
18名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/22(月) 23:55:15.70 ID:STVrdiXa0
朱里「ほら、前にパパが朱里に見せてくれた手品だよ!
あのね、この箱からパパが言った牌を
見ないで取り出すの!
朱里もできるようになったんだよ!」

里志「朱里!すごいな!」
里志、朱里の頭をなでなでする。

朱里「さあ!パパ!好きな牌言ってみて!」
里志「うーん、じゃあ白!」

朱里、箱の中に手をやりごそごそ。
朱里「あった、はいパパ!白だよ!」
朱里、里志に白を見せる。

里志「じゃあ、イーピン!」
朱里、ふたたび箱をごそごそ、
里志「はい、イーピン!
パパが言うの簡単すぎだよ!
もっと難しいの言って!」

里志「ははは、すごいな!じゃあ、チーピンはどうだ!」
朱里「チーピンだね!ちょっと待ってて」

チーピンの盲牌はなかなか難しい。
似たようなのにローピンがあるため、
それを指先で区別しなければならない。

朱里「はい、パパ!チーピン!」
朱里、みごとにチーピンの盲牌をあてる!

里志「朱里、すごいじゃないか!
じゃあ二萬はどうだ!」

二萬は一萬、三萬とおよそ3種類の似た中から区別が必要で
なかなか難しい。

ところが朱里、そんなに時間もかけず牌を取り出す。
朱里「はい、二萬!」
里志「おお!」

里志「じゃあ、今度はソウズを1から9まで順番に取り出してみて!」
朱里、これもなんなくクリア。

後に裏の麻雀界で神と呼ばれた高橋朱里、

こうしてわずか3歳にして
盲牌をマスターしてしまったのである。
19名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 00:18:18.97 ID:u0xIUhv/0
で、このスレどうすんの?
20名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 00:20:31.13 ID:biOyy/dPO
>>19
頼むから保守手伝ってくれませんか
地下板はすぐ落ちるから嫌なんです!
21名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 00:21:36.80 ID:u0xIUhv/0
>>20
お前馬鹿か!?
22名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 00:24:27.79 ID:biOyy/dPO
>>21
一応このあとは小島武夫の登場と
川栄との出会いと
川栄とのコンビ打ちによる闘牌シーンを考えてる
頼むら保守させてくれ
23名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 00:26:54.63 ID:x6mlCM8Y0
朱里ヲタは基地外
24名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 00:32:55.02 ID:puVMXNaQ0
>>22
続き期待してるから頑張れ
25名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 01:46:00.81 ID:u0xIUhv/0
>>22
早く書けよ!
26名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 03:22:57.97 ID:2sPkc0qc0
.
27名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 06:47:16.63 ID:Tabi7iYI0
結構面白い
28名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 07:34:17.31 ID:WPm1kpkW0
おもしろいけど
2歳3歳はそんな長文しゃべれんわw
29名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 11:06:15.87 ID:TTNxRyHJ0
第2章 才能の芽生え

2001年
朱里はこの年の10月で4歳になる。
この頃には朱里は父の里志が日曜日に先生をやっている
公民館の麻雀教室で老人達を相手に打てるようになっていた。

ある対決での出来事

東四局

朱里手配
一一九19@H東南西北白發 ツモ五

朱里「えーん!何これ、これじゃあ全然メンツができないよ」

里志「そうか、朱里はまだ国士を知らなかったんだな」

朱里「こくし?」

里志「国士無双っていって、数字の1と9、字牌を全種類集めて、
その13種ならどれでもいいから、あと1枚あれば役満になるんだ。
特殊な役だから、13面待ちってこともありうる。
今の朱里の場合なら[中]を引けば国士完成だよ」

そしてすぐ次巡のことである。

朱里![中]をつもる!

里志「やったな、朱里!役満だな!」

朱里、3歳にして初の国士無双を和了する!
30名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 11:07:07.96 ID:TTNxRyHJ0
老人「朱里ちゃんはすごいな!」

里志「あ、小島先生!」

この老人は小島武夫。
今はすっかりしょぼくれた老人で
今はたまにボケ防止のために
里志の麻雀教室に先生として顔を出す。
その昔はミスター麻雀とも呼ばれ、
日本の麻雀打ちでは知らぬもののない存在であった。
役満を華麗にあがる姿には里志も憧れていた。

小島「朱里ちゃんには天性の引きがあるかもしれないな。
さっきだって朱里ちゃんは緑一色を和了した」

里志「え、緑一色!」

小島「朱里ちゃん本人は、そんな役ない、
チンイツだって言い張ってた。
發無しの緑一色なんてそうそうあがれるもんじゃない。
緑一色だとか役満も朱里ちゃんに教えないとな」
31名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 11:58:39.31 ID:biOyy/dPO
32名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 12:11:08.75 ID:ZnrjBlMt0
朱里はこのころ、麻雀教室を通じてたくさんの友達が出来るようになる。
朱里のかわいさと才能に沢山の子供たちが
朱里ちゃん朱里ちゃんと朱里のところに集まるようになっていた。

その中でも朱里が特に仲が良かった子。
川栄李奈。(かわえいりな)
学年でいえば、朱里よりも3つ上の小学1年生。

朱里と川栄はお互いを
じゅりちゃん、りっちゃんと呼び合い、
まるで中の良い姉妹のようであった。

麻雀教室ではこんなこともあった。

ある半荘のオーラス
朱里が西家で川栄が北家であった。
川栄はラスで
2位浮上になるには満貫のツモが必要であった。

朱里、リャンソウ切り
川栄「チー!」
川栄、1A3とソウズを鳴く。

朱里、北切り
川栄「ポン!」

次巡
朱里、白切り
川栄「ポン!」

数巡後
朱里、パーソウ切り
川栄「チー!」
川栄、今度は7G9とソウズを鳴く。

そして次巡
川栄「ツモ!ホンイツイッツー北白で満貫!」
東家・南家「うわ!逆転された!」

川栄、満貫をつもって見事2位に浮上する!
トップはもちろん、朱里。

川栄(じゅりちゃんが鳴かせてくれたからバカホンが
満貫にまで伸びたよ・・・
ありがとうじゅりちゃん!)

川栄を鳴かせることのみならず、
実は朱里、牌をつもるときに川栄のあがり牌を山に置いてきていた。

下ヅモをつもる時に手元に牌を隠し持ち、左上の川栄の次のツモ牌を
自分の手牌にあった川栄のあがり牌をすりかえていたのである。

川栄のみえみえのホンイツ、出上がりは無理だと悟った朱里、
実力行使をしたのである!

朱里は川栄を勝たせるために打つことによって、
このような次ツモのすり替えを自然と身につけて行ったのである。

恐るべき天才朱里!
33名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 12:21:10.78 ID:biOyy/dPO
ミスった。
このあがりはあり得ない
ちょっと書き直す
34名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 12:27:30.52 ID:GFEVI3t70
■■

朱里はこのころ、麻雀教室を通じてたくさんの友達が出来るようになる。
朱里のかわいさと才能に沢山の子供たちが
朱里ちゃん朱里ちゃんと朱里のところに集まるようになっていた。

その中でも朱里が特に仲が良かった子。
川栄李奈。(かわえいりな)
学年でいえば、朱里よりも3つ上の小学1年生。

朱里と川栄はお互いを
じゅりちゃん、りっちゃんと呼び合い、
まるで中の良い姉妹のようであった。

麻雀教室ではこんなこともあった。

ある半荘のオーラス
朱里が西家で川栄が北家であった。
川栄はラスで
2位浮上になるには跳満のツモが必要であった。

朱里、リャンソウ切り
川栄「チー!」
川栄、1A3とソウズを鳴く。

朱里、ウーソウ切り
川栄「チー!」
川栄。4D6とソウズを鳴く。

数巡後
朱里、パーソウ切り
川栄「チー!」
川栄、今度は7G9とソウズを鳴く。

そして次巡
川栄「ツモ!チンイツイッツーで跳満!」
東家・南家「うわ!逆転された!」

川栄、満貫をつもって見事2位に浮上する!
トップはもちろん、朱里。

川栄(じゅりちゃんが鳴かせてくれたからイッツーついて
跳満にまで伸びたよ・・・
ありがとうじゅりちゃん!)

川栄を鳴かせることのみならず、
実は朱里、牌をつもるときに川栄のあがり牌を山に置いてきていた。

下ヅモをつもる時に手元に牌を隠し持ち、左上の川栄の次のツモ牌を
自分の手牌にあった川栄のあがり牌をすりかえていたのである。

川栄のみえみえのチンイツイッツー、出上がりは無理だと悟った朱里、
実力行使をしたのである!

朱里は川栄を勝たせるために打つことによって、
このような次ツモのすり替えを自然と身につけて行ったのである。

恐るべき天才朱里!
35名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 12:49:49.70 ID:IoCIl0vY0
朱里はこのころ、麻雀以外にもひとつ、別の楽しみがあった。
シャボン玉である。
天才児、朱里も年相応の一面があったのである。

父の里志が工事現場で使われる薬剤を調合して作ってくれた
特殊なシャボン玉液。

これによって非常に大きなシャボン玉を膨らますことが出来た。

朱里はこれをもって公園に出かけて行って、
膨らますのが好きだった。

子供「わーママ、あのシャボン玉すごい!!」

朱里がシャボン玉を膨らますと、公園で遊んでいる子供たちが
みな朱里に注目した。
朱里はみなに注目されることに快感を覚えていたのである。


今日も朱里はシャボン玉で遊ぼうと公園に来ていた。

朱里、さっそくストローに特殊液をつけてプーッと膨らます。
みるみる大きくふくらむシャボン玉!

「わー!!!!」
他の子供たちの歓声があがる!!

と、そのとき!

「ドスン!!!!ガチャッ!!!!!」
どこかで大きな音がした!

瞬間、朱里のシャボン玉もパチッと割れてしまった!!
朱里「あーっ!!」

朱里が音をした方向をみると、一人の女の子が転んでいて。
周りに男の子達が数人仁王立ちしている。
ランドセルの中身があたり一面に散らばっていた。
36名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 13:04:47.96 ID:IoCIl0vY0
男の子達
「おまえはいつも足くせーし、
すげー馬鹿だし!
とっとと死んじまえ!!!」

男の子達は転んでいる女の子達にそう罵声を浴びせると
駆け出し、去って行く。

朱里、転んでいる女の子が心配になり、近くへ駆け寄る。

朱里「あっ!?りっちゃん!!?」
女の子「じゅりちゃん!?」

転んでいた女の子はなんと朱里の親友、
川栄李奈であった。

朱里「りっちゃん、大丈夫?」
川栄には幸い怪我はないようである。
朱里はあたりに散らばった川栄のランドセルの中身をけんめいに拾う。

川栄「ありがとう、じゅりちゃん」
川栄の目には少し涙がにじんでいた。

朱里「りっちゃん、どうしたの?」
川栄「最近いつも、そうた君たちが私をいじめるの、グスン。
この間は滑り台から落っことされた、グスン。」

朱里「そうた?」
朱里はいじめっこの一人である、「そうた」に覚えがあった。
37名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 13:24:28.12 ID:bqfZLMO90
朱里は「そうた」のことを思い出した。

川栄いじめの主犯「そうた」も
朱里の父、里志が毎週日曜日に先生をやっている老人子供向けの
公民館での麻雀教室に通っていた子供の一人だったのである。

確か、小学校1年クラスではトップの打ち手だったはずだ。
ところが最近、朱里と仲良くなった川栄の実力が迫ってきていて、
それが気に入らず、学校で川栄をいじめるようになったのだろう。

ある日曜日のこと。

朱里は麻雀教室に来ていた。
朱里「いた!!」

朱里はそうたをみつけて駆け寄る。

朱里「おい、そうた!」
そうた「あん?なんだこのガキ?」
そうたの友達「こいつは確か、あの川栄の友達だぜ」

そうた「あの足くさバカワエイの友達かw
なんの用だ?」

朱里「勝負だ!おまえが負けたら、今後一切りっちゃんをいじめるな!」

そうた「いいぜ!このクソガキ!生意気な口ききやがって!
俺が勝ったら、その代わり殴らせろ!
二度と生意気な口、きけないようにしてやる!」

こうして朱里といじめっ子そうたの勝負がはじまる!!
38名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 14:22:12.26 ID:biOyy/dPO
39名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 14:37:55.83 ID:7kkxyDLO0
朱里とそうたの勝負は半荘5回の総合得点で争われることとなった。
朱里・川栄の二人とそうた、スネオ(そうたの友人)の二人の
合計得点が多いほうが勝ちとなる。

席順は次のとおり。
スネオ:東家
そうた:南家
川栄:西家
朱里:北家(ラス親)


朱里「ツモ!リーチ一発メンタンピン!裏ドラひとつで跳満!」
半荘1回戦、2回戦は朱里が圧倒的な雀力でそうた達をぶっちぎっていた。

そうた「くそ・・・」
川栄「じゅりちゃん、やっぱりすごい!」

3回戦目の東場

親:そうた
配牌途中
そうた「やった、この配牌を待ってた!」
そうた、配牌でBBCCCCと引き入れる!

王牌はそうたの目の前、
そうたはドラ表示牌をめくる際に
ドラ表示牌とその右となりの牌2枚を手元に隠したB2枚とすりかえる。

数巡後
朱里「リーチ」

そうた(朱里のやつ、やはり流れにのってリーチをかけてきやがった!
みてやがれ、思い知らせてやる!)
40名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 14:55:53.66 ID:/n5wZhh70
この局、朱里はリーチをかけたもののツモれずにいた。
勝負は中盤、ツモ山がスネオの前の山に移ったときだった。

そうた「カン!」
そうたCを暗カン!
元のドラBとそうたが事前にすりかえた新ドラB合わせてそうたにドラ8が乗る!

そうた(いまだ!)
スネオ(よし!)

そうたの暗カンとリンシャンツモに朱里と川栄の目がいっている最中、
スネオ、朱里と川栄の目を盗み、
自分の河から拾った牌を山の牌とすりかえる。
スネオがすりかえた牌は朱里のツモ牌であった。

数巡後、朱里、スネオの山から牌をつもってくる。
朱里「…」
朱里はこの牌をつもった瞬間に嫌な感じがした。
しかしリーチをかけた朱里、
この牌をツモ切りせざるをえない。

そうた「ロン!」
朱里(!!!!!)
そうた「タンヤオドラ8、親倍だな」
川栄「じゅりちゃん!!」

スネオ「ダブロンありだったよな?」
朱里(!!!!)

スネオ「俺もロン。タンヤオ三暗刻、トイトイで満貫!」
朱里(!!!!)
41名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 15:40:34.99 ID:P0IT/z5w0
3回戦、朱里はそうたとスネオのダブロンを浴び、まさかのトビ!

4回戦目、このダブロンから流れをつかんだそうた陣営、
満貫、跳満クラスのあがりを繰り返し、
朱里達はとうとう逆転されてしまう。

半荘5回戦、これで最後の半荘。
東場、朱里は粘りを見せ、そうた陣営になんとか逆転。
しかし南場の一局、二局とそうた陣営がそうた、スネオともに
親のときに連荘をくりかえし、そうた陣営が再度逆転!
ふたたび朱里たち、窮地に追い込まれる!

そして迎えるはオーラス!
親:朱里

朱里たちが勝利するには満貫以上のあがりが必須であった!
42名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 16:07:52.70 ID:K8pVd33R0
5回戦目 オーラス
親:朱里 ドラ:八萬

半荘5回での総合得点勝負、
朱里たちが勝利するには満貫以上のあがりが必須。

配牌、
そうたは白3枚の特急券、スネオはドラの八萬2枚の好配牌。
朱里も一応は親の役牌、東を2枚引き入れる。
川栄にも東が1枚。

勝負序盤
朱里(りっちゃん!!)
朱里、川栄にサインをおくる。
直後、川栄、東切り。
朱里「ポン!」

そうた(東鳴き!むこうも早そうだな…しかしこちらも早いぜ
しかも朱里、おまえは満貫以上ないと俺達には追いつけない。
早くても安けりゃ意味がないぜ)

朱里、その後、ドラの八萬切り。
スネオ「ポン!」
スネオ、ドラ鳴き。

そうた(なんだよ、ドラ含みの線は消えたか。ふん、安いぜ、朱里)

その後、白1枚、發1枚、中3枚、南2枚と
役牌が次々に場に切られる。

そして朱里、發切り。

そうた(なんだよ朱里、ほかの役牌含みの線も消えた。
朱里の捨牌の色もバラバラ。ホンイツの可能性も薄い。
東のみでともかく早上がりして連荘に望みをかけようって考えか?)
43名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 16:59:04.49 ID:vjS5+lo90
数巡後
朱里(りっちゃん!)
朱里、再び川栄にサインを送る。
直後、川栄、イーソウ切り。

朱里「チー!」
朱里@23と鳴き。

そうた(鳴きのチャンタ!?)
朱里の捨牌はよくみると典型的なチャンタの捨牌だった。
ただ1枚、生牌の發を除いて、他家が切った字牌と
真ん中近くの数牌に捨牌が偏っていた。

その後、朱里、数巡ツモ切りが続くようになる。
そうた(朱里、テンパイしやがったか?!)

数巡後、朱里は4枚目の東をつもった。
朱里「カン!」
朱里、東を加カン!

そうた(はっ!)

王牌はそうたの目の前にある。
そうたはリンシャン牌を下に下ろすときにこっそり確認していたのだが
リンシャン牌はBサンピン。

そうた(朱里、このサンピンを引いてリンシャンカイホウであがってしまうかも!
東、チャンタ、リンシャンカイホウで3役、
万が一、カンドラが乗ったら逆転されちまう!)

そうた、朱里がつもるはずのサンピンをとっさに手牌にある白とすりかえようと
手を伸ばす!

その瞬間!
「バチッ!」
そうた「なんだよこの手は!」
川栄が伸ばしたそうたの手を引っぱたく!!
川栄「これはじゅりちゃんが引く牌でしょ!」
朱里「りっちゃん!」

そうた(くそ、こうなったら!)
そうた、リンシャン牌のすり替えは失敗したものの、
とっさに手を右側に払いながら新ドラ表示牌をすりかえる。
44名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 17:21:21.26 ID:OGD7ha/50
そうたは震えた。
自身の白とすりかえてきた元の新ドラ表示牌は北。
すりかえなければ、朱里がカンした東4枚にそっくりドラが乗っていたのである。

そうた(朱里、なんてやつ!すりかえなければやられていた!)

朱里「つもった。リンシャンカイホウ、東、チャンタ。新ドラは?」

そうた、得意げに自分のすりかえた新ドラ表示牌をめくる。
新ドラ表示はもちろんそうたのすりかえた白である。

そうた「新ドラは發だ。残念だったな、朱里。
3役どまりだろう?早く牌を倒せよ!」

朱里「あれ?この流れなら東が新ドラになるかと思ってた」

そうた「ふん生意気なガキだぜ、そうそうそんなラッキーが起こるかよ
とっとと牌を倒しやがれ」

朱里、牌を倒す!
45名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 17:40:15.66 ID:7gVKklWR0
朱里の手牌があらわになった瞬間、そうたとスネオは戦慄した。

朱里「リンシャンカイホウ、東、チャンタ、ドラドラ、満貫。逆転だな」
なんと朱里のチャンタ手、頭が發2枚!新ドラの發が2枚!
朱里が生牌として切った發!

そうた・スネオ「なんだと!!發が頭!!」

川栄「やった!!じゅりちゃん!!勝った!!」

そうた「そんな馬鹿なことがあるかよ!
どうして發が頭なんだ!?
じゃあ、朱里が切った生牌の發はアンコから切ったってのか!?」

朱里「そうだよ」

そうた「朱里…おまえ!
あの局面で役牌の發のアンコ落としだと!
おりえないだろ!」

朱里「そうた、おまえは三回戦の東場でドラ表示のすりかえをしただろ?
あそこで思いついたんだ」

そうた「じゃあ、捨牌の發は俺にすりかえをさせるためにわざと?!
俺がすりかえるだろうとわかってわざわざアンコから切ったっていうのか」

朱里「その通り」

そうた、うなだれる。勝負あり。


数日後
朱里は再び公園にシャボン玉を膨らませにきていた。
朱里のもとにランドセルを背負った女の子が駆け寄ってくる。

川栄「じゅりちゃーん!!」
朱里「あっ、りっちゃん」
川栄「あれから、そうた君達からいじめられなくなったよ。
じゅりちゃん、ほんとうにありがとう」
朱里「よかった…」

その後朱里、川栄と一緒にシャボン玉でいつまでも戯れていた。
46名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 18:10:03.37 ID:Vq3TplFI0
こうして朱里と川栄は無二の親友となったが、
別れは突然に訪れることとなった。

川栄「じゅりちゃん…あのね…
お父さんの仕事の都合で神奈川県に引っ越すことになった…」

朱里は人生で初めて友人との別れを経験することとなった。
川栄引越しの当日。

朱里はずっと泣いていた。
川栄「じゅりちゃん…もう泣かないで。
はなればなれになってもわたしとじゅりちゃんはずっと友達だよ」

朱里「りっちゃん…でも…」
川栄、泣きじゃくる朱里の頭をなんども撫でながら朱里を慰める。

朱里「りっちゃん、なんかお姉ちゃんみたい・・・」
川栄「私のほうが年上だけど、いっつもじゅりちゃんに助けられてたよね。
なんか、今はじめておねえちゃんらしくなれたかな?」
そう言った川栄の頬にも涙が伝った。

いよいよ川栄、家族が乗った車に乗り込む。
そして車は発進する。
朱里「りっちゃーん!」
川栄「じゅりちゃーん!!わたしたちずっと友達だからね!」
川栄、窓から身を乗り出して朱里にむかって叫ぶ。

朱里は川栄の車の姿が見えなくなってからもしばらくその場に佇んでいた。

ところが、十年弱の後に、
朱里と川栄は再び運命の再開を果たすことになる。
川栄が加入したアイドルグループAKB48に
朱里ものちに加入し、二人はさらなる友情を育む。
朱里と川栄の絆は運命によって結ばれていた。
47名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 18:38:32.14 ID:Tabi7iYI0
これで終わりなの?
もっと読みたい。
48名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 18:41:04.67 ID:biOyy/dPO
>>47
ありがとうございます
まだ続きます
今度は岡田奈々ちゃんが登場します
49名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 18:56:17.80 ID:bu+Mk+KN0
飛翔
50名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 18:57:36.50 ID:bu+Mk+KN0
>>48
涼花とゆいりーを出すんだ
51名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 19:15:42.40 ID:biOyy/dPO
>>50

ありがとうございます。
涼花ちゃんと彩希ちゃんも必ず出しますので
宜しくお願いします
52名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 19:15:59.70 ID:4kDDQZnz0
第3章 才能のかけら

朱里がシャボン玉の次に熱中したのはカラオケだった。
日曜日、父の里志が麻雀教室を終えると
朱里と朱里の友達を数人連れて、近所のカラオケ屋で歌うのであった。

茨城の田舎の個人でやっている小さなカラオケ屋。
店長は朱里の父、里志の友人だった。

朱里は採点機能つきのカラオケが大好きだった。

友達「95点!!朱里ちゃんまた90点台だよ!すごい!」
朱里「やったー!!」

朱里(将来は歌手になりたいな)
のちに超人気アイドルグループAKB48に加入して活躍することになる朱里だが
その才能のかけらは早くも芽生えをみせていたのである。

ところが、歌に関しては朱里にはライバルがいた。

友達「わー!奈々ちゃんもすごいよ!!96点だって!!」

岡田奈々。(おかだなな)
朱里と同い年の朱里の親友で、
岡田奈々も朱里と同様、歌が大好きだった。

朱里「わあ!また奈々ちゃんに負けた!」
朱里、くやしがる。

そのとき、部屋のドアが開き、女性が入ってくる。
女性「高橋さん、また、困りますよ!」
女性はなぜか怒っていた。
53名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止:2014/12/23(火) 19:27:03.71 ID:BscFY77O0
里志「ああ、岡田さん、申し訳ありません」
女性は岡田奈々のママである。

奈々ママ「高橋さん!うちの奈々は16時には帰してくださいと
いつも言ってるじゃないですか!
塾にピアノのレッスンにバレエの練習に奈々は忙しいんですから!」

朱里「奈々ちゃん、バイバイ!またね!」
奈々「朱里ちゃん、また一緒に歌おうね!」

朱里の友達、岡田奈々は大病院の院長の娘で箱入りのお嬢様である。

岡田奈々はもうすぐ小学校のお受験が控え、
その受験勉強のみならずピアノ、バレエ、習字、水泳、英会話と
教育熱心な両親にならいごとを沢山させられ、
忙しい日々を送っていた。

そんな岡田奈々にとっては朱里と一緒に遊ぶひとときが
唯一の息抜き、心のやすらぎとなっていたのである。
54名無しさん@実況は禁止です@転載は禁止
おかだななのママまで出てくるとは!
麻雀わからないのに面白いのはなぜ?