【結】AKB48バトルロワイアル2014

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645サーモン ◆pdlO7HZYuo @転載は禁止
矢吹奈子に横山結衣の姿を重ね、
泣きながら拳銃を下ろす珠理奈。
結衣を失った彼女はずっと太陽のない夜を歩いた。
それは、とてもとても深い闇。
その手を血で汚し、罪を犯した彼女は
二度とそこから出られないだろう。
永遠に深い闇のある夜を歩く。
ただ────
太陽に似たものを見た珠理奈は、
最後に夜を昼だと思えた。
まるで、白夜のなかにいるように。

「結衣・・・・私を殺してくれ・・・・」

「珠理奈さん・・・・・・」
奈子は気付いた。珠理奈の目から殺意が消えたことに。
その目は死にゆく恐怖に怯えているような目だ。
結衣・・・・チーム8の横山結衣ちゃんだ。
珠理奈さんはその子のことを・・・
きっと悲しい出来事があったんだ。
珠理奈さんを憎んだらダメだ。
悪いのは、珠理奈さんを変えたこのゲーム、運営の人達だ。
大事な人を失った私達は同じなんだ。
不安だったのは私だけじゃない。
そう思った奈子は死を悟った珠理奈に
手を差し伸べる。
せめて、ぬくもりを。

「珠理奈さん、大丈夫です。
 私の手に掴まってください・・・・」

奈子の手を見つめる珠理奈。
腹の傷を左手で押さえ、苦痛で顔を歪
ませている。
そして傷から手を離した珠理奈は、
奈子を見据えるように視線を送った。
奈子はそんな珠理奈に微笑みかける。
珠理奈が泣きながら微笑んだ──
その時だった、誰かの声が聞こえた。

「珠理奈さん!!」

奈子は丘のほうへと振り向く。
2人の姿が見えた。
両手で銃を構えて、銃口を珠理奈に向けている。

───前田敦子と島崎遥香だ。