マジすか学園4―サーモンを待ちながら―

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1名無しさん@実況は禁止です
続きが気になります。
2名無しさん@実況は禁止です:2014/01/29(水) 06:06:56.14 ID:hb4dN0HbP
w
3名無しさん@実況は禁止です:2014/01/29(水) 07:29:16.32 ID:hS8XuslHO
組閣のせいで落ちちまった
4名無しさん@実況は禁止です:2014/01/29(水) 12:24:57.31 ID:uT8kKcS3O
何となく保守
5名無しさん@実況は禁止です:2014/01/29(水) 15:41:04.53 ID:7wgfF8Z40
先生!先生〜っ!
6名無しさん@実況は禁止です:2014/01/29(水) 16:22:07.74 ID:hS8XuslHO
どうなっちまうんだマジすか学園!
7名無しさん@実況は禁止です:2014/01/29(水) 20:07:36.30 ID:Z6Z7Rdwa0
前スレ
【小説】マジすか学園4【主演・小嶋真子】
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/akb/1390132798/
8名無しさん@実況は禁止です:2014/01/29(水) 22:16:51.43 ID:uT/5qwEO0
びっくりしますた
9名無しさん@実況は禁止です:2014/01/29(水) 23:01:48.41 ID:uT/5qwEO0
真子とサドが病院の屋上を出た頃、
マジ女の制服を着た1人少女が
“矢場久根”の門をくぐる。
怒号を浴びせる矢場久根のヤンキー達。
だが、“冷たい目”をしたその少女。
“岡田奈々”は全く臆する事なく
校舎の入口まで足を進めた。
「1年の“北川綾巴”・・・いる?」

「“綾巴”・・・って“あの”?」
「マジ女がうちの1年に何の用だ?」
ヤンキー達は少女を囲み威嚇する。
するとそこへ、1人の矢場久根の生徒が歩み寄ってくる。
「先輩、あまり虐めないでくださいよ。
 そいつ、私の客なんで・・・」

ヤンキー達はその生徒の姿を見て、
少し敵意ある目をして警戒する。
─「綾巴・・・!」

チームZERO・矢場久根高校、
1年の覇者─北川綾巴。

綾巴はヤンキー達を鋭い眼光で睨む。
「なんなら・・・私が相手しますよ?」

ヤンキー達は舌打ちして2人の前から
去っていく。
綾巴は奈々に顔を向ける。
「奈々、あまりふざけた真似するなよ。
 私はまだ“ここ”の頂点じゃないんだ」

「お前が携帯に出ないから来たんだ」

「・・・忙しいんでね。何かと」

「少し時間あるか?」

「ああ。こっちで話そう」綾巴は奈々を連れ、
矢場久根の裏庭へと足を運んだ。
10サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/01/29(水) 23:03:35.84 ID:uT/5qwEO0
話を切り出したのは綾巴のほうだった。
「聞いたよ。真子がガンギレを潰したんだって?
 凪咲がブチ切れてたよ・・・
 “あんた”に踊らされたってね」

「・・・あいつらも最初は乗り気だった」

「・・・で、次は私のとこに来たってわけか。
 矢場久根が今、マジ女と休戦協定を
 結んでいるのは知っているよな?」

「ああ。もちろん」
奈々が綾巴の目を真っ直ぐ見つめると、
綾巴は不敵に微笑む。 
「悪いが断る」

「休戦協定を気にしているのか?」

「違うさ、マジ女はいずれ私が潰す。
 それに・・・私は人に命令されるのが“嫌い”なんだよ」
綾巴は笑みを消し鋭い眼光で奈々を
見据える。
奈々は眉間に皺を寄せ、綾巴を睨みつける。
「・・・ならいい。話は終わりだ」

奈々がそう言って背を向けると、
綾巴が「おい」と呼び止める。
振り向いた奈々に綾巴は言った。
「勘違いするなよ・・・奈々。
 ZEROには今、“頭”なんていない。
 お前は、真子にはなれねーよ」

「まるで・・・真子を認めていた、みたいな言い方だな?
 ZEROから追い出したくせに・・・」

「認めていたよ。
 だが、お前がZEROを抜けてから、真子は荒れた。
 あの時の真子は危な過ぎた。
 ビビっていたよ・・・うちら幹部の4人以外は皆・・・ね」

奈々はふっと笑みをこぼす。
「巨大になったZEROを守るために・・・
 真子を追い出したか。
 それは“英断”だよ」
奈々はそう言って綾巴の前から去っていく。
綾巴は奈々の背中を見つめ、囁いた。
「楽しみにしてるよ。
 お前と真子の“タイマン”を」──
11サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/01/29(水) 23:07:11.25 ID:uT/5qwEO0
「真子にはなれない・・・か」
 矢場久根から帰り道、奈々の脳裏をよぎる過去。
“前田敦子”と交わした会話を思い出す。
─「前田さん。聞きましたよ。
  真子とタイマンしたって」

“ああ。あまりにしつこくてな。
 ボコボコにしてやったよ”
 
「私ともしてくださいよ」

“お前と?冗談だろ?”

「いや、本気ですよ・・・」
前田はそう言った奈々の目をじっと見つめる。
すると、突然背を向け、奈々に言った。
“お前とは戦えない。じゃあな”

「どうしてですか?・・・どうして真子は
 良くて私はダメなんですか!?」

“お前が勝ちたいのは私じゃない”─

─遠い過去は奈々の心を今でも締め付ける。
足を止めた奈々は拳を握りしめた。
「なんで、みんな・・・お前なんだよ・・・・・
 どうして私じゃない・・・」─
12名無しさん@実況は禁止です:2014/01/29(水) 23:22:18.11 ID:Z6Z7Rdwa0
先生キタ ━(゜∀゜)━( ゜∀)━( ゜)━( )━!!!!!
13名無しさん@実況は禁止です:2014/01/29(水) 23:32:12.92 ID:hS8XuslHO
ヤッター(・∀・)
14サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/01/29(水) 23:37:15.44 ID:uT/5qwEO0
その次の日だった─
マジ女の洗面所の鏡の前で手を洗う相笠萌。
ガチャ、ドアを開け中に入ってきた者の姿を見て
相笠は驚いた顔つきで振り返る。
「・・・!」
─“岡田奈々”─
萌は奈々の様子に何かを悟る。
「・・・昼飯一緒にどう?って顔でもないな?
 ・・・私は真子に負けた身だけど・・・
 “やる気”なら相手になるぜ?」

奈々は冷たい目で相笠を見据える。
「話が早い。“犠牲”になれ」

「“犠牲”?」

その刹那─
“バリッ!”奈々の拳は相笠の頬をかすめ、
鏡を割った。ぱらぱらと落ちる破片。
奈々は相笠を睨む。
「ああ。真子をマジにさせるための犠牲だよ」

相笠はふっと微笑む。
「中学の頃は、ぶっちゃけお前にビビってた・・・
 けど今は違うぜ?
 “真子”と戦った私は“レベルアップ”したからな」

奈々は拳から流れる血を自分の頬に
スゥーとなぞり付ける。
凍りつきそうなほどの目。
「・・・死ね」──
15サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/01/29(水) 23:38:48.82 ID:uT/5qwEO0
“ドカッ”奈々の左の拳を受ける。
少し後ずさりした相笠は、髪をかきあげ
ふっと微笑んだ。
「全っ然、痛くね〜よ!
 真子の拳のほうが数倍効くぜ?」

「おらぁ!」相笠は殴り返すが
奈々は相笠の腕を掴み、“ドン”膝蹴りを喰らわす。
“くっ・・・!”膝を付いた相笠の髪を
掴み、奈々は相笠の顔面を
“ドカッ!”地面に叩きつけた。
「効いたか?・・・」

「・・・全っ然・・・効かね〜」
相笠は顔を押さえ、片手を膝にかけ
ゆっくりと立ち上がる。
「・・・“真子”のほうが強いわ」
手の甲を奈々に見せ、挑発するように
指を二回動かす。
「来いよ・・・。本物の“涙”、流させてやるよ」

「・・・私にはねーよ。そんなもの」

相笠には見えたのかもしれない。
奈々の頬にある一粒の涙のタトゥーが
本当に頬を伝う涙のように。

奈々が泣いているように。

──奈々の拳から滴り落ちる“返り血”。
奈々は地面にうつ伏せに倒れた相笠を見下ろす。
「真子よりも・・・私のほうが強い」
16サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/01/29(水) 23:48:54.69 ID:uT/5qwEO0
その帰り道、岡田奈々はマジ女の近くにある神社に寄る。
1人で街の景色を眺める奈々・・・
神社の境内から街の景色を眺める。
─中学からの帰り道、真子の姿を見かけた奈々は、
真子に声をかけようとするが、
真子は誰かと待ち合わせているようだった。
足を止める奈々。

「前田さん〜!」
真子が嬉しそうに前田に話しかける。
前田の隣にいた“みなみ”が
「お〜!真子!元気だな〜」と手を合わせ真子とハイタッチする。
「みなみさ〜ん!いえ〜い!」
真子は少し困った顔をしている
前田のほうへと顔を向ける。
「プリクラ撮り行きましょうよ〜。
 約束したじゃないですか〜」

「え?そんな約束したか?」
前田が困った顔をすると、みなみは2人の肩を組む。
「よし!今から行こうぜ!」

「やった!」
真子は嬉しそうに笑っていた。

そんな3人の背中を、少し切なそうに
奈々は見つめていた。
そして奈々は真子に背を向け、その場から去っていった─



「・・・」
神社の境内から去ろうとした時、
階段を上ってくる誰かの足音が聞こえてきた。
姿が見え、奈々はその“誰か”の名を呼ぶ。

─「真子・・・」
17サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/01/29(水) 23:59:02.29 ID:uT/5qwEO0
真子は奈々の姿に気付くと、
「よっ」と手を上げ、奈々のほうへと歩いていく。
「ここにいると思ったよ、奈々」

「・・・」奈々は真子から視線を逸らし、
街の景色へと視線を移した。
真子は奈々を見つめ、言葉を続ける。
「中学の頃、よくここで話していたっけ・・・
 2人でマジ女に行こうってさ」

「・・・忘れたよ。そんな昔の事・・・」

「・・・奈々、お前・・・なんだZEROを抜けた?」
真子の問いに奈々は少し間を置いた後、
真子のほうへと顔を向ける。
「・・・お前に勝ちたいと思った。
 私は・・・ナンバー2じゃ納得できない」

「私はそんな風には思った事ない」
真子が悲しい顔でそう言うと、
奈々は険しい表情で言葉を返す。
「周りはそう思っていたさ」

真子は俯き、何かを考えるように
目を閉じる。
そして・・・瞳を開けた真子は話を切り出す。
「奈々・・・どうして萌を・・・?
 萌は情に熱くてすげーいい奴なんだ、
 見た目はギャルっぽいけど。
 涼花は・・・うるさくてやる事がガキだけど・・・ 
 いざって時はマジな顔してダチを助ける。
 未姫と夜叉もそう・・・。
 こんな私に心を開いてくれた・・・
 痛みを知る、強くて優しい奴だ。
 皆・・・いい奴なんだよ」

「何が言いたい?」

「お前も一緒に・・・ってさ。
 けど・・・私達はもう・・・」
奈々と真子は互いに真っ直ぐ見つめ、
“覚悟”を決めたような目に変えた。

「やるしかないさ・・・」
奈々は真子に背を向け、言葉を続ける。
「“タイマン”だ・・・真子。
 明日17時、ここに来い」

「・・・分かった」

「“仲間”の仇を取りに来いよ・・・
 ガンギレを動かしたのも・・・私だ」

真子は一瞬動揺した顔つきをするが
とても悲しそうな目をする。
「・・・全ての“ケジメ”をつけよう」

「・・・必ず来い。真子」
奈々はそう言い残し真子の前から
去っていった。
18サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/01/30(木) 00:03:08.08 ID:F2Rr9yoL0
マジ女の1年頂上決戦の噂は、
真子から話を聞いたチームぽん酢により
すぐに街中のヤンキー達の耳へと入った。
翌日17時─約束の場所には街のヤンキー達が集まった。
チームZEROからは矢場久根の北川綾巴・
八木女の田島芽瑠の2人。
マジ女からはラッパッパ部長・センター、
副部長・ネズミ。
もちろん、真子と戦った相笠萌と大島涼花、西野未姫、
チームぽん酢もその場に集まった。

小嶋真子は神社の境内の中心で
奈々を待っている。

すると、チームぽん酢の村山が階段
のほうへ顔を向け、声をあげた。
「来たぞ!奈々だ!」

ゆっくりと真子のほうと歩いていく・・・
“岡田奈々”。
「ずいぶんと集まったね。
 半端な喧嘩は見せられないよ?・・・真子」

真子は奈々の瞳を真っ直ぐな目で見つめる。
「あんたとの喧嘩は・・・
 いつだって“マジ”だったよ」

拳をぎゅっと握りしめる奈々。
「中学の時以来だな・・・
 始めようか?“真子”」

真子は髪を束ねシュシュで留める。
そして鋭い眼光に変えた。
「行くよ・・・」
真子は拳を握りしめ・・・奈々へ向けた。

─「おらぁ!!」
2人の拳が交差する。
19サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/01/30(木) 00:05:12.49 ID:F2Rr9yoL0
2人の拳が交差する。
“ザッ”クロスカウンター、だが2人は互いにギリギリで避けた。
いや・・・真子の頬からツゥーと血が滴り落ちる。
「そうこなくっちゃ」
真子は楽しそうに笑みを浮かべるが
奈々は“冷たい”眼光で真子を見据える。
「お前に勝って・・・私は“前に進む”」

「奈々、あんたが見ているのは・・・
 本当に“前”なのか?」
真子の言葉に、奈々は険しい表情に変え、拳を向ける。
「・・・黙れ!!」

その拳を受ける真子。
真子もまた奈々を殴り返す。
「昔のお前は・・・!」
真子が蹴りを繰り出し、それをガードする奈々。
真子は左の拳で奈々を殴り飛ばす。
「そんな目をしていなかった!!」

奈々は真子の胸ぐらを掴む。
─「これが本当の私だ!」

真子もまた奈々の胸ぐらを掴み返す。
「違う!・・・昔のお前は、優しい目をしていた・・・」
真子は悲しそうに奈々の目を見つめる。
奈々は真子の手を払い、殴り飛ばす。
“ドカッ”
真子は後ずさりし、唇から流れる血を拭う。
「前を向いてるなら・・・
なんで・・・そんな悲しい顔するんだよ?奈々・・・」

奈々は“ぺっ”と口から血を吐き出し
真子を見据える。
「・・・・・もう後戻りはできない」
奈々は俯き、拳を握りしめる。
「・・・・・お前を倒して私はマジ女の“てっぺん”に挑む!!」  
奈々は鋭い眼光に変え、
真子に向かっていった──

─“ドカッ”

2人の喧嘩を見守る者達は皆、息を飲んだ。
真子と奈々の喧嘩は・・・
とても悲しく、とても苦しそうに見えた。
中学の時とはいえ、“親友だった2人”。

涼花は真剣な眼差しで2人を見つめる。
「なんであんな喧嘩ができるんだ?
 ・・・友達だったんだろ?」
すると隣にいた“センター”が口を開く。
「友達だから・・・“マジ”でぶつかるんだよ。
 うちらもそうだった。な?ネズミ」
ネズミのほうへ顔を向けると、
ネズミは知らん顔でガムを膨らまし、
パンっと音を立てる。
ネズミが2人の様子に目の色を変えた。
「・・・残念だね。センター・・・。
 お気に入りの“真子”のほうが押されているよ」
20サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/01/30(木) 00:06:25.91 ID:uT/5qwEO0
──「おらぁ!!」
真子は殴りかかるが、
奈々は拳を避け、真子を腹部に拳を叩き込む。
“ドン”体をくの字に曲げた真子の体を掴み、
膝蹴りを執拗に腹部に入れる。
奈々は真子の胸ぐらを掴み、殴り飛ばした。
“ドカッ”─
地面に手を付く真子。
「・・・はぁ、はぁ・・・」

奈々は真子に歩み寄り、顔を蹴り上げた。
真子は仰向けに倒れる。
“冷たい目”で見下ろす奈々もまた、
少し息を切らし、唇や頬から血を流す。
真子の様子に、ZEROの田島芽瑠が
驚いた顔つきで呟く。
「まさか真子が負けるとはね」

その声が聞こえたのか、
相笠と涼花が芽瑠のほうへと顔を向け
なぜか微笑んだ。
「ば〜か、負けるわけねーだろ」と涼花が言うと、
相笠は芽瑠の目を真っ直ぐ見つめる。
「ここからなんだよ!“マジ女の小嶋真子”の強さはよ!」

芽瑠は眉間に皺を寄せ、
真子のほうへと顔を向ける。
ゆっくりと立ち上がる真子の姿が目に映る。
真子は鋭い眼光で奈々を睨む。
「この分からず屋・・・」

奈々は立ち上がった真子の姿に
なぜか少し嬉しそうに微笑んだ。

知っているよ・・・私は。
お前と初めて出会った時も、
こうして・・・お前は立ち上がった。

真子が叫ぶ─
「いっぺん死んでこい!!」

真子の一撃が奈々を狙う。
ザッ─
21サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/01/30(木) 00:11:42.62 ID:F2Rr9yoL0
・・・“強いな、お前。名前は?”

“・・・奈々・・・岡田奈々・・・”

“私は、小嶋真子。よろしく”

“何の手だ?・・・これは”  

“言わせんなよ〜。ダチになろうぜって意味だよ!”

“ダチ?・・・ああ。そういう意味か”

“うちらなら、この街のてっぺん取れるぜ!きっと!”──

奈々は目を覚ます。
仰向けになり、夕焼けの空が目に映った。
奈々は体を起こし、辺りを見渡す。
「真子・・・」

「あっ起きた。」真子もまた仰向けになり
地面に寝そべっていた。
神社には“2人”しかいなかった。
奈々は寝そべる真子に問いかける。
「お前・・・何してんだ?」

「何って・・・、青春?」
そう言って真子は微笑み、奈々に顔を向ける。
体を起こし、真子は奈々に手を差し伸べた。
奈々は真剣な表情で言った。
「何の手だ?・・・これは」

真子もまた真剣な表情に変える。
「言わせんなよ・・・“ダチ”になろうぜって意味だよ」

2人は互いの瞳をじっと見つめる。
すると奈々が「ふっ」と笑みをこぼし、
真子もまた「あははっ」と微笑む。
“微笑む”奈々は真子の手を“パチッ”と叩き、
夕陽が沈む空を見ている。
「・・・真子」

「ん?」

「強いな・・・お前は」──

すれ違った2人は、再び同じ道を歩く。
この軌跡は必然で2人の絆を真に強くする。
奈々と真子。
これからもライバルであり、無二の親友。
2人が出会ったのはきっと・・・“運命”だ。
22サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/01/30(木) 00:13:20.62 ID:F2Rr9yoL0
こうしてマジ女の1年最強決定戦は幕を閉じた。
小嶋真子は岡田奈々に勝利し、
マジ女の頂点・センターへ挑む・・・
はずだった。
真子と奈々が組んだ事により、
ZEROメンバー達の間に緊張が走る。
数日後、ガンギレ高校近くの喫茶店に集まる
ZEROのメンバー達。
矢場久根・北川綾巴がコップに入った氷を
カラカラとストローで回す。
「困ったね。まさか奈々が真子とまたつるむなんて・・・」

八木女・田島芽瑠が綾巴に顔を向ける。
「真子を相手にする時は・・・こっちも
 それなりの“覚悟”がいるね」

ガンギレ高校・渋谷凪咲が
不機嫌そうにサラダをフォークで刺そうとしている。
「コラ、動かんで黙って刺されや?」
ザクッとレタスを刺した凪咲は
芽瑠と綾巴に視線を送る。

 

「“うち”はあんたらがやらん言うても・・・
 マジ女を潰しに行くで・・・“奈々”にお礼しなあかん」

ガンギレ高校・薮下柊はパフェを食べている。
「おかわり〜」と言った後、
綾巴に視線を送った。
「真子の周り、戦えそうな奴どれくらいいるん?」

綾巴は冷静な顔つきで淡々と答える。
「相笠萌と大島涼花のクソガキコンビと・・・
 “夜叉”こと西野未姫。
 そして、元ZEROメンバーの岡田奈々。
 真子を含めて・・・5人か」 

薮下柊は腕を組む
「楽勝やないか・・・うちらは“連合”みたいなもんやで?
 マジ女なんか潰したろうや」
芽瑠は「え?私行くの?」と目をキョトンとする。
綾巴は真剣な顔つきで柊を見つめる。
「・・・歴史を変えるには“大きな力”が必要だ」
 

「そうや」柊が不敵に微笑み、
言葉を続ける。
「“最強のマジ女”?もう聞き飽きたわ・・・
 うちらがその“大きな力”になるんや。 
 ・・・そのためのZEROちゃうんか?」

凪咲はフォークをクルクルと手で回し・・・
“ガンッ”机に刺す。
「宣戦布告しよか・・・」──
23サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/01/30(木) 00:15:16.74 ID:F2Rr9yoL0
─神社での決戦から、
奈々は次第に相笠達と打ち解けていき
真子は奈々を嬉しそうに見つめる。
そんな真子だから・・・
気付いたのかもしれない。
奈々が少し元気がない、というよりも
何かに思い詰めている・・・
そんな気がした。
「どうしたの?奈々」

「・・・なにが?」

「何かあったでしょ?」

「何もないさ・・・」奈々はそう言って少し微笑む。
「・・・ならいいけど・・・」真子は
そう言って奈々の顔を見つめる。
奈々はふざけあう涼花と未姫の姿を
見て微笑んでいる。
どこか・・・切なさがある笑みだった。
その日の放課後─
1人で道を歩く岡田奈々は、
“覚悟”を決めた目で前に進む。

とある公園の入口で足を止める。
「“全員”揃ってお出ましか・・・」
公園の中心にいる者達のところへと、
奈々はまた足を進める。

奈々の前に立つ─
チームZERO・北川綾巴、田島芽瑠、薮下柊、渋谷凪咲。
名だたるヤンキー高の“1年の頂点”達。
だが、奈々は臆する事なく彼女達を
見据える。
「その顔ぶれ・・・狙いは私だけって
 わけでもなさそうだな」

凪咲が一歩前に出て、鋭い眼光で奈々を睨む。
「うちらな、マジ女を潰す事に決めたんや・・・
 ガンギレの看板を汚したあんたから・・・
 “退場”してもらおう思ってな」

「・・・真子達のところへは行かせない」

「自分の心配したらどうや・・・・・」
凪咲は豹柄のジャケットを脱ぎ、
柊に手渡す。
「・・・うちが相手なんやで?」

奈々は拳を強く握りしめる。
「・・どうせ勝っても違う奴が出てくるんだろ?」

凪咲の後ろにいた綾巴が口を開く。
「いや、万が一にでも勝ったら、
 この場は帰してやるよ」

「無駄な事考えなくてええわ
 あんたは・・・うちには勝てんからな」
凪咲が拳を握りしめ、足を一歩前に
出したその時──
24サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/01/30(木) 00:31:57.60 ID:F2Rr9yoL0
ZEROのメンバー達は驚いた顔つきで
奈々のほうへと歩み寄る者達を見つめる。
綾巴が言った─

「・・・真子!!」

「やっぱりこういう事かよ」
真子は奈々の右隣へと並ぶ。
奈々はふっと笑みをうかべる。
「おせっかいな奴らだ・・・本当に」

すると未姫は奈々の左隣へ。
「水くさいな〜、奈々ちゃん」
相笠と涼花はセットで真子の右隣へ並んだ。
相笠は髪型を変え、ポニーテールにしたようだ。
「奈々、“ダチ”に気ぃ使うんじゃねーよ」
涼花がZEROのメンバー達を睨む。
「お前ら無にしてやるよ。
 ・・・ZEROだけに・・・」
すると相笠が涼花のほうへと顔を向ける。
「なんか違くね?それ・・・」

「はっ?違ってねーし!
 せっかくキマったのに突っ込むなよ!」
涼花が少しムキになっていると、
奈々は真子のほうへと顔を向ける。
「こいつらマジ女に戦争しかけるらしいぜ。
 どうする?」
 
「・・・“マジ女”は“うちら”が守る」
真子が鋭い眼光でZEROのメンバー達を睨む。
25サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/01/30(木) 00:32:49.22 ID:F2Rr9yoL0
相笠もまた拳をポキッと鳴らし
目つきを変えた。
「いいね〜。真子も分かってきたな〜」
涼花はどこか楽しそうに微笑み、
真子の肩をポンと叩く。
「“本当のダチ”と一緒にな!
 マジ女に来て良かったな〜お前」

未姫は眼帯に手をかける。
「やるよ〜“夜叉”!」
眼帯を外すと、真紅の瞳があらわになる。
髪を結ぶゴムを外し、長い髪を風になびかせる。
「真子、こいつらが・・・“敵”かい?」
“夜叉”が不敵に微笑む。

北川綾巴が一歩前に出て真子を見据える。
「真子・・・こっちに戻ってこないか?
 “今”のお前なら・・・
 ZEROを任せられる」
 
真子はふっと笑みを浮かべた後
静かに首を横に振る。
「断るよ」
真子の殺気を感じたZEROのメンバー達
がその瞬間、目つきを鋭くする。
綾巴は敵意ある目で真子を睨む。
「ならいい。“潰す”」

真子は拳を強く握りしめた。
「私は決めたんだ・・・もう・・・」

“ザッ”高く飛び上がり拳を向ける。
真子が叫ぶ─


──「前しか向かねえ!!」──







マジすか学園は誰かの心の中に在り続ける。
例え誰かが去りセピアに色褪せたとしても
また新しい者達が物語を彩る。
26サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/01/30(木) 00:42:37.01 ID:F2Rr9yoL0
読んでくださり、そしてスレまでたててくださりありがとうございました。
感想有り難いです。
27名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 00:46:37.60 ID:dfhqqziJO
やっぱ刑務所なんて駄目でしたよね
28名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 00:51:22.88 ID:FBRquT/u0
サーモンさん、ありがとう!
情景が浮かんできて楽しかった
そしてスレ主、保守していた皆さんにも感謝
29名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 00:59:55.72 ID:tV12lP0z0
テンポのいい文章で読みやすかったです。
次回作、期待してます。
30名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 01:24:24.26 ID:pG/tnDsl0
サーモンさんありがとうございました!
感動しました!
ドラマ化してくれたらいいなあ
31名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 01:54:48.12 ID:ThuuXw6P0
サーモンさんの小説大好きです
また機会があれば書いてくれるのを待ってるよ
32名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 02:10:00.18 ID:wy7EW+Om0
絵が得意な人にこれを漫画化してほしいな〜
いやあ〜おもしろかった
33名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 05:29:59.35 ID:F2Rr9yoL0
テーマ曲 前しか向かねえ!
挿入歌 バラの果実 夕陽を見ているか
34名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 06:46:33.80 ID:wolgfi0S0
素晴らしい…( ;´Д`)
35 忍法帖【Lv=9,xxxP】(2+0:8) :2014/01/30(木) 06:50:01.42 ID:8objJDM80
なんだこれ
36名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 07:49:32.54 ID:ERhhqYokO
真子編お疲れ様でした!次回作お待ちしてます(*´-`)
37名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 07:52:58.04 ID:Y4o6seH2P
前々スレ
主演・小嶋真子のマジすか学園4
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/akb/1388764105/
38名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 08:40:28.99 ID:x5k4Ttjd0
いいねぇ面白かった
是非エンディング曲は選んでレインボーで
39名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 08:59:17.80 ID:KG8AH+FG0
サーモンさん、前スレ100くらいまで読んだとこで落ちてしまいました
たしか未姫の中から夜叉が現れた辺りだと思います
出来たらその続きをもう1度お願いします
40名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 10:51:25.55 ID:Q/PRbFD30
今回もありがとうな サ−モン!
処女作からサ−モンの作品を読んでいない連中もいるだろうから
機会があればどこかで(ここはスレ落ちしやすいので)全部読ませて
あげたらいいと思うよ
俺としてはNMBの遠征と優子・四天王の出会いが面白かった
41名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 11:25:41.06 ID:Y4o6seH2P
※初回からのリバイバル

マジ女の屋上で“それ”は行われていた。
ドアの入口を固めるように5人ほどの生徒達が固唾を飲んで見守っている。
「そんな・・・真子!!」未姫が叫んだ。

“ドカッ!!”

地面を転がり空を見上げるように
仰向けに倒れた少女がいた。

これが・・・マジ女のてっぺん・・・
私が・・・負ける?

「うわぁぁ!」“小嶋真子”は力を振り絞るように
声をあげゆっくりと立ち上がり、
目の前に立つ“頂点”を睨む。
とても冷たい目をした黒髪の少女だった。
まだ傷ひとつ付いてないその顔は無表情だが
その冷たい目からはなぜだか悲しみが感じられた。

「・・・本気でやれよ」
真子は悟っていた。少女が手を抜いている事を。
「・・・もういいでしょ」
少女は入口にいる2年の田野優花のほうに顔を向けた。
「早くこいつ連れて帰れ。私に構うなって言っただろ?」

「は、はい・・・」田野は真子を見守る未姫と奈々のほうへ振り返り
声をかける。
「うちら2年にお前らは勝ったんだ。それで終わりでいいだろ?
 “あの人”だけは別格なんだよ・・・・・」

“おらぁ!”真子は少女の顔面に向けて拳を向けるが
少女はいとも簡単に拳を交わし・・・
“ドン!”真子の腹部に拳を叩き込んだ。
膝から崩れ落ちる真子。
“・・・!”だが真子は顔を上げ少女を見つめる。
まだ挑む、そんな目つきだった。
「聞きましたよ・・・今のマジ女にはラッパッパがいないって。
 一番強いあなたが・・・ラッパッパに入らないからだって・・・」

「興味がない」

「・・・だからいつも屋上に?」

「1人が好きなんだ」

「・・・私は諦めませんよ」

「・・・」
少女は長い髪を束ねシュシュをつける。
真子は“頂点”に言葉を続けた。

「いつか“パル”先輩を・・・マジにさせてみせる」
42名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 11:27:24.73 ID:Y4o6seH2P
「・・・」パルと呼ばれた少女は少しだけ微笑んだ後
“ドカッ!”
真子を眠らせた。

マジ女の3年『パル』

ラッパッパに憧れ、マジ女に入学した1年小嶋真子はこの日初めて喧嘩で負けた。
だが怪我が治った真子はパルに言ったとおり
再び屋上へ行き挑む。二度目も完膚なきまでに叩きのめされた。
だが、何度目のタイマンだろうか。パルの顔に傷を付けたのは。
それでも圧倒的な差がある事を真子は感づいていた。

いつだったろうか。
パルが気を失った真子を背負い、雨の中病院へと
連れて行った事があった。パルの背中は
暖かく、優しさのあるぬくもりを感じた。
「パル先輩・・・・・・」

「起きたか?」

「こんな事されたら・・・もうパル先輩を殴れないじゃないですか・・・」

「・・・じゃあ寝てろ」

「私、パル先輩に・・・一生付いていきます」

真子はこの日以来、パルを慕うようになり、
パルもまた無邪気な笑顔を見せる真子に対して次第に心を開くようになった。
43名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 11:36:17.11 ID:Y4o6seH2P
マジすか学園4

「どうだネズミ?今年の1年は」

「なかなか面白い奴らがいるよ。
 昨日の1年最強決定戦で生き残ったのは4人」

1人は相笠萌。こいつは中学時代から名が売れている。
3つの中学を支配下に治めてそれを手土産に
マジ女に入学してきたらしい。
C組を制して隣のDに攻め込んだが、
そこでストップ。まだ勝負はついていない。

2人目はその相笠を止めた大島涼花。
相笠とは中学時代からのライバルだ。
相笠が攻め込んだ4つめの中学にいたのがこいつでね。
見た目はガキだけど喧嘩は強い。

3人目は岡田奈々。相笠のいた中学の南にいた。
相笠は一度も南中には攻めようとしなかった。
南中にはこいつがいたからね。
危ない喧嘩をする奴で頭もキレる。
左目の下に涙のタトゥーがあるから、見れば一発でわかる。

4人目は隣街の中学からきた西野未姫。
こいつは変わった奴らしい。
普段は子供みたいな性格だが、何かをきっかけに人格が変わる。
ちなみに金眉会の奴らがこいつにやられた。
気絶した相手を笑いながら殴っていたらしい。
もうひとつの人格の名前は“夜叉”。

ネズミの長い説明が終わるとセンターは腰を上げ窓から外の景色を見つめる。
「誰が来るだろうな?この部室に」

「ラッパッパの部長としては楽しみかい?センター」

「ああ。前田やおたべがいなくなってから退屈だからな」
センターは振り返りネズミの顔を見て微笑んだ後
「屋上で寝るよ」部室から去っていった。
前田を追っていたはずが、いつのまにか誰かに追われる立場になった。
それは寂しくもあり、嬉しくもあった。
強き者との出会いを待っていたから。
そしてこの日はセンターにとって忘れられない一日となる。
“ガチャ”
屋上のドアを開ける。
目に映った光景に眉間に皺を寄せるセンター。
背を向けたままの“少女”にセンターは静かに、そして怒りを込めた口調で言った。
「放してやれ。もう気を失ってるだろ」
少女はパッと手を放す。“ドサッ”
周りには5人ほど倒れていた。
ゆっくりと振り返った少女の長い黒髪が風に揺れる。
「“頂点”て普通、屋上にいますよね?
 いてくださいよ。
 ラッパッパ部長“センター”・・・」
少女は髪を束ね始める。
子供のように優しく微笑んだその顔には
真っ赤な返り血が付き、やけに不気味だった。
センターはなぜか一瞬、大島優子の姿を少女に重ねた・・・
こいつ・・・
44名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 11:37:25.42 ID:Y4o6seH2P
「一応聞いておこう。私に会ってどうするつもりだ?」

「頂点から引きずり降ろす」
少女から感じる殺気。聞くまでもなかった。
この感じ・・・ゲキカラやチョウコクと対峙した時のような
死をも感じさせる危険な空気。
いや・・・その時以上かもしれない。

少女が前髪を上げると額の傷跡があらわになり
目つきを鋭い眼孔に変えた。
その瞬間──
“ザッ!”少女の速攻がセンターを襲う!
だがセンターは左腕でガードする。
それとほぼ同時に繰り出されてきた左のハイキック。
センターは仰け反るように避けるが
“ザ”頬をかすめ血が滴り落ちる。
「チッ・・・!」センターは左の拳を向けた。
少女は即座に反応し跳び上がるように
右のハイキックを繰り出す。
“ドカッ!”センターの左腕を狙っていた。
「く・・・!」センターは左腕を押さえ顔を上げた。
「ただの無謀な新入生ってわけでもないみたいだな・・・
 お前、名前は?」

──「小嶋真子」
新入生・小嶋真子とマジ女の頂点センターが
対峙している事を知らないネズミは
部室に残り黒板に書かれた1年の猛者の名前を見つめていた。
すると2年のつの字連合・イズリナが血相を変えて部室に入ってきた。
「副部長!とんでもない奴がマジ女の1年に!」

「どうしたんすか?」

「今日、初めて学校に来たそうです。
 『小嶋真子』・・・先輩も聞いた事ありますよね?」

ネズミは一瞬驚いた表情をする。
小嶋真子・・・まさか・・・“あの”
「伝説の主人公か・・・」

以前チームホルモンウナギがこんな事を言っていた。
『ランドセルを背負った恐ろしく強い小学生が族を潰した』

前田敦子でもセンターでもない。
伝説の本当の主人公がマジ女の新入生としてやってきた──
45名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 11:44:00.80 ID:Y4o6seH2P
なにかイヤな予感がした。
ネズミは険しい表情に変えイズリナに言った。
「で、その小嶋真子は1年の教室に?」

「いや、学校に来てそのままどこかに消えたみたいです」

やはり狙いは・・・マジ女のてっぺん・・・  
「屋上だ。あいつはセンターに会いに行ったはず、いくぞ」

ネズミ達が屋上へ向かった頃
センターと小島真子は激しい攻防を繰り広げていた。
互いに顔から血を流し、拳からは返り血が滴り落ちている。
“互角”の戦いだった。
センターは唇から流れる血を拭う。
「さすが・・・“チームZERO”の小嶋真子だな」

「あなたも・・・。狩りがいがありますよ。
 それにしても意外ですね。
 “私達”の事を知っているんですね」

「他の“仲間”はどうした?」

「・・・皆、違う学校に進みましたよ。
 その学校を支配するためにね。
 マジ女の担当は私ですよ」

“チームZERO”
当時、小嶋真子が中学生だった頃、同年代のメンバーを中心に
各地区の選ばれた者だけで結成された最強の喧嘩チーム。
リーダーはいない。メンバーは・・・
現マジ女の“小嶋真子”
矢場久根には“北川綾巴”
ガンギレ高校に“薮下柊”“渋谷凪咲”
そして八木女の“田島芽瑠”
46名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 11:45:22.52 ID:Y4o6seH2P
“ペッ・・!”口から血を吐き出しセンターは真子を睨みつけると
カーディガンを脱ぎ捨てた。
制服の背中には銀色でラッパッパのシンボルマークの刺繍が
施されていた。その周りには何枚かの桜の花びらの刺繍もある。
髪をかきあげた瞬間、センターの殺気が高まる・・・

「ここからはマジでやらせてもらう。
 今の私には守らなきゃならないもんがたくさんあるんだ・・・。
 小嶋真子・・・マジ女に来たのは誤算だったな」

「誤算?」

「ああ。昔の“私”とは違う。“今”の私が相手だって事だよ・・・」──

──“おらぁ!!”
センターは飛び上がり、拳を振り下ろす。
“ガシッ!”それを左腕で受け止める真子。
センターはそれを読んでいたかのように
真子の後頭部に左手を回し引き寄せると同時に・・・
“ドカッ!!”飛び膝蹴りを叩き入れた。
“くっ!”真子は顔面を押さえながら
後ずさりをする。
鼻を押さえ、鋭い眼光でセンターを睨みつける真子。
真子もまたさっきまでの余裕の笑みを無くし
その表情が“マジ”になる─
「・・・センター、私はね・・・。
 あの“大島優子”を超えたいと思ってるんですよ。
 ZEROを作ったのもそのためだ。
 マジ女はその“通過点”なんですよ」

センターはなぜかふと笑みをこぼした。

──「どうやら私の見込みだ。お前は優子さんに似ていない」
47名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 11:46:41.43 ID:Y4o6seH2P
─「お前は強い。だがお前はマジ女の頂点に“ふさわしくない”」

“ガチャ”

「センター!」

屋上のドアを開けたネズミが足を止め
“敵”を見据える。連れてきたつの字
の仲間達5人は怪我をしているセンターの様子に一瞬戸惑いの表情を見せるが、
“敵”の小嶋真子に視線を移し、声を上げ臨戦態勢に入る。
「殺すぞ1年!」「部長に何してんだコラァ!」

小嶋真子は余裕の笑みを見せ、一歩前に出て
ネズミ達のほうへと近づいていく。
「いいですよ。
 私はタイマンだとかこだわってないんで・・・・・・
 このまま全員相手にしたほうが“シンプル”ってもんですよ」  
口調こそ穏やかではあったが明らかに
敵意むき出しで殺気を纏い威圧していた。
センターが真子を止めようと動き出そうとした時だった。
ネズミが口を開く。
「小嶋真子・・・今日のところは止めにしないっすか?」

「ネズミ・・・!!」センターは納得いかない様子だが
ネズミが真剣な眼差しでセンターを見据えると
「・・・くそっ」怒りを堪えるように拳を握りしめていた。
ネズミは目の前まで接近した小嶋真子に顔を向けた。
真子は不敵な笑みを浮かべネズミに言った。
「嫌だと言ったら?」

「・・・・・“マジ女”が今日、お前を“全力”で潰す」
48名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 11:49:12.41 ID:Y4o6seH2P
ラッパッパ副部長としてマジ女の生徒達を動かす─
微笑こそあったがネズミの言葉には
強い意志が感じられた。
その場は静まり返り緊張感に包まれた。
小嶋真子がその緊張を破るように
「ふふっ」と微笑んだ。
「・・・わかりました。楽しみは最後にしておきますよ。
 他にもやる事がありますし」

「1年制覇か?」ネズミの言葉に小嶋真子が
「ええ」と静かに頷くとネズミは言葉を続けた。
「甘く見て階段から転げ落ちないように・・・」

「ないですね。同世代に負けるわけがない」
小嶋真子はその場を去ろうとドアのほうへと歩いていくと
センターが口を開いた。

「待ってるぞ・・・小嶋真子」──

こうしてセンターを追い詰めるほどの強さを持つ小嶋真子は
屋上から去っていった。
1年を制覇するのは“小嶋真子”である。
つの字連合の者達はそう思った。
たった1人でマジ女を支配しようとするほどの強さ。
だが真子はこの後、知る事になる・・・
マジ女の“頂点”に立つためには
“力”だけではダメだという事を。
これから出会う者達が小嶋真子を変える──
49名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 11:50:44.08 ID:Y4o6seH2P
カツッ、カツッ、1年の廊下に響きわたる真子の足音。
廊下にいたヤンキー達は真子に気が付くと
静かに道を開ける。
ヤンキーなら誰もが知っている。
“ZEROの小嶋真子”
「久しぶりだね。何か用かな?“奈々”」真子は足を止める。
真子の行く手を阻んだ
─“岡田奈々”─もその1人だった。
綺麗な黒髪に冷たい目。その目の下の
一粒の涙のタトゥーが彼女の顔に“切なさ”を与える。
真子と奈々はお互い以前から知っているようだった。
「別に・・・避ける“理由”がないだけさ」

「あんたがZEROを抜けた時以来だね。
 まさかマジ女に来るとは・・・
 今度は私の“下”につく事になるよ?」

「たいした自信だな。私と戦った事はないだろ?」
奈々の目つきが変わり鋭い眼光に変わった。
「今からやるのさ」
真子が拳を握ると、周りにいた生徒達
に緊張が走る。
その時だった──奈々のほうへと近づいていく者達がいた。
岡田奈々の後ろに並ぶ5人組。
チームポン酢・高島祐利奈、篠崎彩奈、茂木忍、岩立沙穂、村山彩希。
茂木が奈々の肩に「ポンッ」と手を置く。
「手を貸すぜ。もし“こいつ”が頂点になったら
 マジ女は“チームZERO”のものって事になるからな」

篠崎はもまた奈々のほうに顔を向け
にっこりと笑う。
「マジ女は“マジ女”だからね。
 うちらはどこにも屈しない最強のラッパッパに憧れて
 この学校に来たから・・・
 そうだよね?“萌”」

篠崎が後ろに振り返ると、チームポン酢の者達、
そして岡田奈々も後ろを振り返る。
真子の視線の先にいるのは
─“相笠萌”と“大島涼花”だった。
50名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 11:52:24.56 ID:Y4o6seH2P
篠崎が後ろに振り返ると、チームポン酢の者達、
そして岡田奈々も後ろを振り返る。
真子の視線の先にいるのは
─“相笠萌”と“大島涼花”だった。
小嶋真子は少し驚いた顔つきをする。
「へぇ・・・あんた達手を組んだんだ?」

相笠はゆっくりと小嶋真子に近づいていく。
「悪く思うなよ。お前の強さを買ってるって事だ」
涼花もまた相笠の後に続き、真子の前に立つ。
「まずは面倒な奴から倒す。
 バトルロワイヤルの基本だろ?
 怪我してるみたいだけど、関係ないよな?」

小嶋真子は不敵な笑みを浮かべる。
中学で名が売れていた強者たちも前にしても
焦り様子も動揺する事もなかった。
「・・・喧嘩に“ルール”なんてないからね。
 全員かかってきなよ」

すると、岡田奈々は「ふっ」と突然笑い小嶋真子に背を向けた。
「私は今日は止めておく・・・勝手にやってくれ」

「逃げるの?奈々」真子がそう言うと
奈々は振り返る。
真剣な眼差しで真子を見据えていた。
「あの頃から変わっていないな・・・お前が哀れだよ」

「哀れ?」笑みを消す小嶋真子。

「・・・お前はマジ女の“頂点”になって何を見ようとしている?」

「・・・」すぐに言葉を返す事ができなかった。
名の知れたヤンキー高で“頂点”に立てればどこでも良かったから。
ZEROのメンバー達との言わばゲームのようなもの。
奈々の言った言葉が真子を苛立たせた。
「私と喧嘩したければ怪我を治してから来い。じゃあな」
そう言って奈々は去っていった。
目の前には相笠と涼花、そしてチームポン酢が残った。
真子の苛立ちは彼女達に向けられた。
「哀れだって?・・・私が?」独り言のように呟く真子。
「・・・・・・黙って私に下につけばいいんだよ・・・」
 
真子の殺気を感じた涼花と相笠はその瞬間身構える。
相笠が拳を向け、涼花は蹴りを繰り出した。
「誰がつくか!コラ!」

真子が叫ぶ──
「ならここで潰してやるよ!!」
51名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 11:54:11.96 ID:Y4o6seH2P
─“ガッ”
真子は相笠の左拳を右腕で払い、
即座に右のハイキックを叩き込んだ。
“・・・・!”相笠はこめかみを押さえ苦痛で顔を歪めるが
“おらぁ!”後ろ回し蹴りで反撃に出る。
真子は体を屈ませそれを避けると、
相笠の懐に入り拳を叩きこむ。
“ザッ”─床に手を付く相笠。
「てめぇ・・・」立ち上がり、相笠は声を荒げる。
「悪いコアラみたいな顔してんじゃねぇーよ!!」
真子に向かっていき相笠はドロップキックを叩きこむ。
「・・・・!」真子は両腕でガードするが
態勢が崩れ、“次”の攻撃の防御に間に合わなかった。
左腕に感じた痛みが反応を遅らせた。
“センターの拳”を受けたところだった。
あの時の・・・!
52名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 11:55:26.09 ID:Y4o6seH2P
相笠の右拳が真子の顔面に叩きこまれる。
長い黒髪が揺れ、真子の表情を隠す。
追撃しようと相笠が真子の胸ぐらを掴み、拳を上げた時──
─見上げるように顔を上げた真子の鋭い眼光に
相笠は一瞬怯む。
真子は相笠の襟を掴み、殴り飛ばした。
壁に背を打ち、尻もちを付く相笠。
「おい!やられてんじゃねぇーよ!」
涼花が相笠に向かって叫んだ時だった。

真子は“にこっ”と涼花へ微笑みかける─
そして涼花のほうへと向かっていき、
“ガッ”真子は涼花に跳び蹴りを繰り出した。
倒れた2人を見下ろす小嶋真子。
髪をかきあげ長い髪をシュシュで束ねる。
「言ったろ?・・・まとめて来いよ」

相笠と涼花は膝に手をつき、ゆっくりと立ち上がる。
真子の威圧感に相笠の顔色が変わる。
「タイマンじゃないってよ・・・・・・・どうするよ?涼花」

涼花は真子に気圧されるがそれを
楽しむかのように薄らに笑みを浮かべる。
「相手がそう言うなら・・・・別にいいんじゃね?」
小嶋真子は一歩、また一歩と2人に近づいていく。
獲物を狩る狼のように・・・・

2人は拳を強く握りしめ、同時に声を上げ向かっていく。
“行くぞ、おらぁ!!”──
53名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 11:56:32.14 ID:Y4o6seH2P
チームぽん酢の面々は想像以上の真子の強さに動く事ができずにいた。
喧嘩なんて殆どした事がない。
拳を強く握ろうとするが、震えて力が入らなかった。
村山の目に映る本物の喧嘩。
“涼花”が倒される姿・・・・真子は倒れた涼花の髪を掴み
力ずくで立たせ、“バシ”執拗に顔面を殴りつけた。
涼花は目をうっすらと開け、殴られてはゆっくりと
真子のほうへと顔を向ける。
心はまだ折れていない。
適わないとわかっていても屈したくはなかった。
薄れゆく意識を涼花のプライドが繋ぎ止める。
「止めろ・・・・!」
血を流し体をふらつかせる相笠が真子の体を背後から掴む。
「もう勝負ついてんだろ・・・・私が相手だ・・・・」
“ドカッ”真子が涼花の髪から手を放すと
涼花は膝から崩れ落ちその場に倒れた。
「わりぃ・・・萌。後は・・・頼むわ・・・」
涼花は眠るように目を瞑る。

「黙って寝てろ・・・クソガキ」
相笠は構えるが、真子はなぜか違う方向に顔を向けた。
チームぽん酢の者達は警戒するように震えながら身構える。
相笠は真子を止めようと肩を掴む。
「待てよ・・・本当はアイツら、喧嘩なんてできる奴らじゃねぇよ・・・
 それに、私との喧嘩が終わってねぇだろうが」

振り返る小嶋真子。相笠の手を払う。
「アイツらは、あんたに守られてきたから喧嘩をする必要がなかったんだ。
 ・・・だから弱いままなんだよ」

「力や心が弱い奴だっている・・・
 そういう奴らを守るのが“てっぺん”の役目だろ」  
「守れるの?あんたに」真子は相笠の胸ぐらを掴み
不敵な笑みを浮かべた。
相笠もまた真子の胸ぐらを掴み、鋭い眼光で睨む。

「何度も言わせんな。アイツらは私が守る」
54名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 11:58:03.57 ID:Y4o6seH2P
相笠の体力はもう限界、真子はそれを知っていた。
だが『守る』と言った相笠の目は
虚勢でもなく本気でそう思っている。
そんな目だった・・・
その時、真子の目に信じられない様が映った。

「よく言った・・・萌。それでこそ私のライバル・・・」

少し驚いた表情をする真子。
「・・・まだ、私とやる気?」
「やる・・・っしょ」
“大島涼花”はゆっくりと立ち上がり傷だらけの顔で
笑ってみせる。

涼花はふぅ〜と息を大きく吐く。
「さぁ、続きやろうぜ・・・小嶋真子」

先に動いたのは相笠だった。
涼花が限界なのは明白で、これ以上無茶をさせる
わけにはいかない。
相笠の右拳が真子に向けられた。
“ガシッ”
真子は拳を左手で受け止め、掴む。
押し切ろうと力を込める相笠に、真子は問う。
「もう限界だろうが・・・どこにそんな力が」

「さぁ?友情パワー・・・ってやつだろ?」

「・・・なんだそりゃ、訳わかんねーよ!」
真子は右拳を相笠の頬に叩き込む。
体をふらつかせた相笠は倒れまいと足に力を入れ
“バシ”真子を殴り返す。
「・・・!」こいつ・・・!
真子はもう一度相笠を殴りつける。
だが、相笠は体をよろかせるも倒れない。
“バシッ”真子を殴り返した。
相笠は鋭い眼光で真子を見据える。
「どうした?・・・“マジ”になれよ」
55名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 11:59:15.58 ID:Y4o6seH2P
「お前・・・」
真子は彼女達を、マジ女を舐めてかかっていたのかもしれない。
予想を遙かに上回る強さに戸惑いすらあった。
“仲間のために”限界を超える。
それは、仲間と呼べる存在がいない
今の真子にとって理解しがたい事だった。
真子の脳裏をよぎるZEROのメンバー、薮下柊の言葉。
「真子・・・あんたは恐ろしく強い。
 けど、それだけや。強すぎるから周りが見えてない。
 “皆”これ以上付いていけへん言うてる・・・
 あんた、“何のために”マジに喧嘩してるんや?」
背を向けて離れていく柊、そして他のZEROメンバー達。

─「何が・・・マジ・・・だ」
真子は俯きながら拳を固く握りしめ言葉を続ける。
「何が・・・仲間だ?」

「・・・お前」相笠は真子の様子がおかしい事に気づく。
だが、遅かった。
真子は静かに口を開く─
「マジになっても虚しいだけだ・・・」
56名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 12:00:42.65 ID:Y4o6seH2P
サッ、顔を上げた真子の目は怒りに満ちていた。
“ガッ!”相笠はその目を見た瞬間、強い衝撃で
体が吹っ飛ばされた。真子の右拳が見えなかった。
壁に叩きつけられた相笠。
手を付いて立ち上がろうとするが、髪を掴まれた。
真子の膝蹴りが顔面に直撃する。
髪を掴んだまま、“ドカッ”“ドカッ”と続けて二発。
真子の容赦ない攻撃が相笠の顔面を真っ赤に染める。
真子は相笠の胸ぐらを掴む。
と、同時に拳を叩き入れる。
「仲間だ・・・?!」
“ドカッ”すでに気を失った相笠を殴りつける真子。
「いずれ離れていくだろうが・・・!」
何度も何度も・・・相笠に拳を向けた。
「信じられるのは自分だけだ・・・!」

あまりの惨状に涼花は茫然と立ち尽くしていたが、
ハッと我に返りすぐに助けに向かった。
「止めろこらぁ!!」
57名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 12:02:14.60 ID:Y4o6seH2P
真子は振り返りハイキックを涼花に叩きこむ。
体をふらつかせた涼花に止めの後ろ回し蹴り。
涼花もまた地面に倒れるが「くっ・・・」ゆっくりと立ち上がる。
だが真子はそれを許さない。
彼女が立ち上がる事をわかっていたように、
右の拳を顔面に叩きこむ。
涼花が壁に背を打ったと同時に
“バリッ”真子の拳は廊下の窓を割った。
涼花が膝から崩れ落ちたため、偶然にも真子の拳は当たらなかった。
“ぱらぱら”と落ちるガラスの破片と真子の拳から流れる血。
涼花は顔を上げ、見下ろす真子の目をじっと見据え
「あはは・・・」と笑顔を見せる。
大島涼花に真子は問いかける。

「なにが可笑しい?」

「・・・笑っちまうしかねーって感じだろ・・・
 ここまで手も足も出ねーなんてよ・・・」

「・・・」真子は何も言葉を返そうとせず
拳を固く握った。
涼花は真子の目をじっと見つめた後
真剣な表情に変えた。
「さっき・・・お前言ってたよな?
ダチは離れていくって・・・」

真子は涼花の胸ぐらを掴む。
そして涼花は言葉を続けた。

「私はそうは思わねぇな・・・
 お前は、まだ出会っていないだけだよ。
 “本当のダチ”にさ・・・」

涼花には見えた。
真子が拳を振り下ろす寸前に
とても寂しそうな・・・悲しい目をしていたのを。

“ドカッ”─
58名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 12:03:38.68 ID:Y4o6seH2P
涼花が倒れ、廊下は静寂に包まれた。
「萌!!」「涼花!」チームぽん酢は仲間の名を叫び、
倒れた2人に駆け寄る。
真子は涼花、そして相笠に顔を向けると
2人に背を向けその場を去ろうと足を踏み出す。

「待てよ・・・」小さく震えた声が背後から聞こえ、
真子は足を止め、振り返った。

チームぽん酢・村山が真子を怒りに満ちた目で睨む。
今にも飛びかかっていきそうな顔つきだ。
真子が静かに口を開く。
「無理するなよ。もう終わったんだ」
「うちらだって・・・」村山は震える拳をぎゅっ
と固く握り締める。
「戦える・・・!!」声をあげ村山は真子に向かっていった。
“ドカッ!”─
村山の拳が真子の頬に当たる。
当たるその瞬間まで、真子は村山の目を
見ていた。それでも村山は怯む事なく拳を当てにきた。
村山自身も、真子が“避けなかった”事に気付いていた。
「お前・・・どうして・・・」
59名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 12:07:39.71 ID:Y4o6seH2P
村山は真子の目を見据える。
真子はなぜか“ふっ”と笑みを浮かべた。
「・・・・・“本当のダチ”か・・・」
もう立ち上がれないはずの大島涼花が立ち上がり、
相笠は想像以上の強さがあった。
喧嘩をした事がない村山の意外な行動も然り。
仲間のために限界を超えた彼女達は、真子を苦戦させた。
真子は村山に背を向ける。
「いいな・・・そういうの・・・」

その場を去っていく真子の背中からは
孤独が感じられた。
村山はもちろん、チームぽん酢の者達は
なぜ真子が自分達に手を出さなかったのか
わからなかった。
ギャラリー達に紛れこの喧嘩を遠く見ていた者がいる。
“岡田奈々”にはその理由がわかった。
「マジ女であいつは変わるかもしれないな。
 ・・・・・・だが、もう“遅い”。
 チームZEROにお前の居場所は“ない”」

最後にみせた真子の優しさに、
奈々はそう呟き去っていった。
相笠と涼花は病院へ運ばれ、真子もまた保健室に
寄ったあと、学校から去った。
1年最強を決めるカードから、大島涼花と
相笠の名前が消え、
残るは3人。
小嶋真子・岡田奈々・西野未姫。
のちの・・・「ラッパッパ三銃士」である。
・・・・相笠と涼花もまた彼女達とともに
ラッパッパの1人としてマジ女を守り続ける。

だが、それはまだ先の話。
そして小嶋真子は大切な何かに気づいていく。
次に出会う“西野未姫”は真子にとってその
“大切な何か”となる。
60名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 12:11:13.29 ID:Y4o6seH2P
廊下での戦いから三日後
小嶋真子がマジ女に姿を見せた。
大怪我を負った相笠と涼花は、学校が
サボれるという事もあり
入院生活を楽しむはずだった。
「なんでお前と同じ部屋なんだよ!」
相笠が隣で寝ている涼花に文句を言うと
「知るか!嫌なら出ていけバーカと!」
涼花も言い返す。
2人が騒いでいると看護師が怒鳴りこんできた。
「コラ!うるせぇぞ!クソガキ!」

「口のわりーババアだな・・・
 はいはい、静かにしますよ〜」
涼花の一言に看護師はピクッと
眉間に皺を寄せた。
「あぁ?病院生活延ばしてやろうか?」

拳をコキっと鳴らしたこの看護師の瞼には
小さな傷跡がある。
元ラッパッパ副部長・“サド”である。
61名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 12:13:58.36 ID:Y4o6seH2P
その頃、真子は教室の一番後ろの窓際に座り
校庭を静かに見つめていた。
学校に来て真子に話しかける者はいなかった。
メデューサと呼ばれた中学時代の真子を知る者や
先日の廊下での戦いを見ていた者達により
真子の噂はマジ女中に広まっていた。
真子から目を逸らし、関わりたくないといった様子で
生徒達は道を空け、近寄ろうともしなかった。

だが・・・1人の少女が真子に近づいた。
「小嶋真子ちゃんだよね?」

真子は振り向き、少女を見るが
知らない人間だった。
まだあどけなさの残る顔で、無邪気な子供のように
ニコニコと笑顔を見せる少女。

「そうだけど、何?」
真子が訊ねると少女はスッと手を差し伸べる。
「私、未姫!真子ちゃんと友達になりたいの!」

「は?」真子は少し困った顔をしていた。
髪型はどこかのアイドルがしているようなツインテールに
着ているジャケットはピンク色。
マジ女にいるのが場違いとすら思える。

あえて気になるところといえば、
左目にしている眼帯。

これが“西野未姫”と真子の最初の出会いだった。
62名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 12:16:12.56 ID:Y4o6seH2P
「・・・」真子は興味が無さそうに目を逸らし
椅子から腰をあげた。
そして教室のドアのほうへと歩いていく。
未姫は「待ってよ〜!」と追いかけるが
振り返った真子の鋭い目に思わず足を止めた。
「ついてくるな」

「やっぱりカッコいいね。ZEROの真子ちゃんは」

「・・・」真子は再び未姫に背を向け
教室から去っていった。
未姫は廊下に出て、真子の背中を
じっと見つめる。

「私と君は似ているの・・」

未姫がそう呟くと、周りにいる生徒達
は未姫を見てこそこそと話している。
「あいつ、“夜叉”だぜ・・・」
「バカ、見たら殺されるぞ・・・」

未姫にはその声が聞こえていた。
どこか寂しそうに未姫はふふっと無理に笑顔を作る。

─「夜叉かぁ・・・」
63名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 12:17:27.16 ID:Y4o6seH2P
その次の日、廊下を歩く真子の前に
ぴょんっと姿を見せる未姫。
「おはよう!」

「・・・」真子はそのまま未姫の
横を通り過ぎて教室へ入っていく。
「え〜。シカト〜?つれないなぁ」
未姫もまた教室に入り自分の席に座る。
その次の日も「真子ちゃん!」
その次の日も「真子ちゃんてば〜」
と未姫は真子に気さくに話しかける。
そんなある日、退院してきた相笠が真子に声をかけた。
「よっ、久しぶりだな」

「退院したのか」

「ああ。おかげさまで学校サボれたぜ。
 ・・・てか、さっきお前が話してた奴・・・
 “夜叉”だろ?」

「夜叉?」真子は知らなかったようだ。
入学式で夜叉が金眉会をボコボコにした事を。
そして、その夜叉が“未姫”であるという事も。
その事を聞いた真子は少し驚いた表情
をする。
相笠は言葉を続ける。
「まぁ、あいつは普段は無害な奴だからな。
 1年のトップを決めるカードは
 お前と岡田だろうよ。せいぜい頑張れや」

「・・・ああ」真子がそういうと、相笠は
背を向けて「じゃあな」と真子の前から去っていった。

未姫のあの子供のような純粋な笑顔からは
想像もつかなかった。
誰かを殴る姿など、そして“二重人格”であるという事も。
64名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 12:19:31.21 ID:Y4o6seH2P
その次の日だった─
朝、いつもならば同じ時間に来る未姫だが
今日はその時間に来なかった。
昼過ぎ頃、廊下を歩いていた真子の目に
未姫の姿が映った。
─頬にはガーゼなどが貼られ、拳や脚に
包帯を巻いている痛々しい姿だった。
「やぁ。おはよう・・・真子ちゃん」

「どうしたんだ?その傷?」

初めて真子が自分に関心を持ってくれた。
そう思った未姫は一瞬嬉しそうに微笑んだ。
「なんでもない!大丈夫だよ」

「“夜叉”はどうした?お前、喧嘩強いんだろ?」

真子の言葉に、未姫は表情を曇らせた。
「知っちゃったんだね・・・。
 夜叉はその時いなかったよ」

「いない?」

「うん。この眼帯を取った時、
 私と夜叉は入れ替わる事ができるの。
 けど、怖いんだ・・・」

「・・・」真子は未姫の目を真っ直ぐ見据える。
“怖い”と言った未姫の目は悲しさがあった。
未姫は言葉を続けた。

「最近ね、覚えていない時間があるの。
 気付いた時、私の手や服に誰かの血が付いてるんだ・・・」

「夜叉が“お前”になろうとしているって事か・・・」
65名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 12:20:48.06 ID:Y4o6seH2P
「そう。きっかけが何かはわからない。
 夜叉に頼り過ぎた“罰”なのかもね。
 今回もそう・・・私が前“自分の意志”で夜叉に
なって倒した相手にやられちゃっただけ。
 “私”が我慢すればそこで争いは終わる」

「その傷、相手は1人じゃないだろ?」

心配してくれているような真子の言葉に
未姫は嬉しそうに「ふふっ」と微笑んだ。
「やだな〜。真子ちゃんそういうキャラだっけ?
 それとも・・・興味があるのは“夜叉”のほう?」

「そんなんじゃない・・・ただ、」

「ただ・・・何?」

「いや・・・何でもない」
真子は何かを言いかけたが言葉を止めた。
「・・・ありがとう。“そう”だとしても・・・
 私は嬉しいよ?・・・バイバイ、真子ちゃん」

未姫は足を前へと踏みだし、
スッと立ち止まる真子の横を通り過ぎた。
未姫の顔に笑顔はなかった。
もう二度と“未姫”には会えない・・・
真子は、そんな予感がした。

ただ・・・お前は笑っていたほうがいい。

そう言おうとした。

私らしくないよな・・・そんな言葉は。
けど・・・あいつ・・・

「いや、私には・・・関係ない」
真子は自分の変化に気付いていた。
だがそれを認めたくなかった。
マジ女に来て変わってしまった“前田”のように
なりたくはない。
真実を知らない真子はそう思っていた。
66名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 12:25:53.33 ID:Y4o6seH2P
その日の帰り道だった。
真子が校門の外に出て歩いていると
1人の少女が血相を変えて真子に駆け寄る。
「良かった・・・いた・・・。“マジ女の”小嶋真子さんだよね?」
はぁはぁと息をきらしている少女。
茶色いブレザーを着ていた。
「その制服、お前“ガンギレ”の奴か?」

真子が訊ねると少女はこくりと頷く。
「未姫が・・・未姫が危ないの」

「・・あいつが?」
しばらく少女の目見つめると、
「・・・だからどうした」
真子はそう言って足を前に踏み出した。
「待って!!」少女は真子の腕を掴み
言葉を続けた。
「未姫とあなたは似ているの・・・
 助けられるのはあなたしかいないの!」

・・・真子の脳裏に、未姫の笑顔がよぎる。
ちっ・・・
「・・・なにがあった?」─

─街中を走る小嶋真子。
少女の言葉を思い出していた。
「未姫は私を助けてくれたの。
 未姫が夜叉になる時はいつもそう・・・
 誰かのためにしか動かない。」

少女の名は橋本耀。未姫の中学時代の
同級生だった。

「あいつはどこにいる?」

「未姫はガンギレの奴らに連れて行かれた・・・
 私を助けたからこんな事に・・・」
耀は自分を責め、泣いていた。
耀は真子を目を真っ直ぐ見つめる。
「あなた会えて良かったって言ってたよ・・・
 思ったとおりの強い人だったって・・・」
67名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 12:29:22.79 ID:Y4o6seH2P
──「くそっ・・・・・・」
真子は前田に言われた言葉を、耀の言葉で思い出す。
“私は・・・喧嘩が嫌いなんだ。
 ただ、みなみとバカやってるのが楽しかっただけなんだ・・・”

 “前田さんは・・・どうしてそんなに強いんですか?”

 “・・・ダチのためなら私はマジになる。
  お前にも、そのうち分かるよ・・・真子”

真子が向かっていたのはある場所。
ガンギレ・・・あいつらなら何か知っているはず。
だが、素直に教えてくれる奴らじゃない。
“柊”はともかく・・・“凪咲”とカチあったら面倒な事になる。
・・・その時は・・・やるしかない。
どちらかが出てくるまで、暴れてやる。
今は“コイツら”を─
「ぶっ飛ばす!!」

ガンギレ高校の近くまで来た真子の目に
映った茶色いブレザーを着たヤンキー達。
5、6人はいる。
ガンギレの生徒が気付いた。
「あいつ・・・・こっちに来るぞ」
「・・・おい!あいつ・・・!」
真子は飛び上がり敵に拳を振り下ろす。
─“ドカッ!”
1を倒し、敵の群れの中に立つ。
敵は皆、驚いた顔つきに変えた。

─「お前は・・・“小嶋真子”!!」

真子は前髪を右手でかきあげる。
そして鋭い眼光で敵を睨みつけた。

「マジ女に手を出したバカを
 ・・・連れて来いよ?」
68名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 12:32:11.47 ID:Y4o6seH2P
真子の迫力に気圧されるガンギレの生徒達。
真子に殴られた生徒が顔を上げ真子を睨みつけた。
「てめぇ、ここが“どこ”だかわかってるのか?」

「知ってるよ。この道を進めば、お前らの学校だろ?」

真子はそう言って、足を一歩前に出す。
不敵に微笑みながら。

「正気かよ・・・こいつ・・・」
このままガンギレまで行くつもりだ─
「ふざけんなよ、てめぇ!」
真子は殴りかかってきた生徒の拳を左手で掴み、
“ドン”腹部に拳をめり込ませ、
頭を両手で抱えこみ“ドカッ!”膝蹴りを
顔面に叩き込んだ。
膝から崩れ落ち、うつ伏せに倒れる敵。
そして真子は前に進む。
「次、やられたい奴は誰?」─

─小嶋真子は噂どおりの・・・
いや、それ以上の強さだった。
1人、また1人倒れていくガンギレの生徒達。
真子は1人倒していく度に確実に前に進んでいく。
だが、騒ぎを知ったヤンキー達が駆けつけてきた。
「いたぞ!!“ぶっ潰せ”!!」

3人に囲まれるが、真子は目の前の敵に
怯む事なく近づいていく。
“バシッ”拳で殴りつけ、背後から襲ってきた敵を
“ザッ!”後ろ回し蹴りで蹴り倒す。
3人目─
「また増えやがった。ピクミンかよ?お前ら」
真子の前にさらに8人、敵が来た。
「上等」──
69名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 12:35:16.46 ID:Y4o6seH2P
真子は前に走り出し、“ザッ”と飛び上がり
一番遠くにいた敵を蹴り倒す。
すかさず横にいた敵の胸ぐらを掴み
殴りかかろうとした。
「おらぁ!!」

だが、真子は肩を掴まれ振り向かされた
ところを・・・“バシッ”顔面に拳を喰らう。
真子の長い髪をゆらっと揺れた。
「潰せ!!」
ガンギレのヤンキー達は一斉に真子へ襲いかかった。
敵の拳が真子に当たるが、真子はそのまま殴り返す。
制服を掴まれるが、「オラァ!」と声をあげ
敵に向かっていった。

─「・・・後、何人だ?10人くらい倒したか?・・・」
真子は攻撃を喰らいながらも、
確実に敵の数を減らしていった。

そして・・・残り2人。
敵は警戒するように後退りし、
真子は追い詰めるように前に進む。

だが・・・「こいつか?乗り込んできた奴ってのは」
さらに10人以上、敵の仲間が駆けつける。

それでも真子は前に進みながら、
長い髪を束ねシュシュで縛る。
「・・・ったく何やってんだ私は・・・」
鋭い眼光で睨み・・・
「他人のために“マジ”になるなんて・・・」
ピタリと足を止め、拳を固く握り締める。

─「ガラじゃねぇーんだよ!!」
襲いかかる敵を殴り倒していく。
だが、数が多すぎた。
4人ほど倒したところで、次第に息を切らし
始める真子。
“バシッ”顔面を殴られる。
「くそっ!」真子は殴り返す。
攻撃を受けながら真子は敵に向かっていく。
その時だった─

「あんたら止めんかい!!」
70名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 12:36:58.91 ID:Y4o6seH2P
聞き覚えのある声が、敵の動きを止めた。
真子の目に映ったガンギレの生徒。
真っ黒いヒョウ柄のロングコートを着ているその“少女”に
ガンギレの生徒達は道を開けた。

「その子、うちのダチや。あんたらさっさと散れ」
 
真子は少女の名を呼ぶ。

「柊・・・」

チームZERO・そして渋谷凪咲と共に
ガンギレ高校を制した“薮下柊”─

柊の一言に、ガンギレのヤンキー達は
「は、はい」と頷き、倒れた仲間を連れ
その場から去っていった。

真子は柊に歩み寄っていく。
「お前に聞きたい事がある・・・」

「“うち”のモンがマジ女の生徒、
 攫ったって話やろ?」

「ああ。知ってるだろ?」

「うちは知らんかったわ。
 勝手にウチの奴らが動いただけや」

「未姫はどこにいる?」

「・・・この近くの“廃工場”や。
 手を出すな、とは言っておいたから・・・
 迎えに行ったらええ」
薮下柊の言葉に真子は安堵したような
表情を浮かべた。
「・・・悪いな。柊・・・」
真子は背を向け、その場から走り去っていく。
真子の背を見つめ、柊はポケットに手を入れる。
「・・・これで良かったん?“奈々”」─
71名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 12:38:51.35 ID:Y4o6seH2P
柊に歩み寄っていく“岡田奈々”と
真っ白いヒョウ柄のジャケットを着た“渋谷凪咲”。
奈々は柊の隣に並び、真子が去った方向に視線を送る。
「ああ。これでいい」

凪咲は不敵に微笑み、奈々のほうへと
顔を向ける。
「しかしあんたも鬼やな〜。
 さすがの真子も今回は“無理”やろ〜」

「無理なら・・・それはアイツが“弱い”って事さ」
奈々の凍てつくような冷たい目が
柊と凪咲の目に映る。
柊は前を向き囁いた。

──「“50人”って・・・死ぬで・・・」
72名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 12:40:15.13 ID:Y4o6seH2P
そうとも知らない真子は柊が言っていた
廃工場の前まで来ていた。
「ここか・・・」工場のドアを開く真子。
窓から差し込む光だけで中は薄暗い。

辺りを見回し、あまりの静けさに真子は
少し警戒するように前へ進む。
“ザッ”─

背後から聞こえた足音。
振り返った時には、遅かった。
“ドカッ!”頭を何かで殴られ、地面に手を付く真子。
全てを悟った真子は怒りに満ちた目で顔をあげる。
「・・・てめぇら・・・」

ぞろぞろと姿を見せるガンギレのヤンキー達。
─およそ“50”人。

柊・・・。あいつ、私を騙したのか・・・

真子はゆっくりと立ち上がる。
「ウチの奴はどうした!?」

敵の1人が“未姫”を連れてきた。
傷だらけの姿だった。
「真子ちゃん・・・?」
未姫は今にも泣きそうな顔で真子を見つめる。

「・・・その“ちゃん”っての止めろ」

「私を助けに来たの?
 ・・・ごめんね。私のせいで・・・」

「謝るな。まだ負けてねーよ」
拳を握り締める真子。
73名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 12:43:18.86 ID:Y4o6seH2P
ゆっくりと前に進む・・・一歩、また一歩。
目の前には50人の敵。
真子がピタリと足を止めた時だった。

─「お〜いたいた!ん・・・?敵の数多すぎだろ!!」

この声は・・・

真子は後ろを振り返った。

「大島涼花・・・」─

そして真子の目に映るもう1人の“仲間”。
「“こじまこ”!見直したぜ!
 夜叉を助けに行くなんて、いいとこあるな!」

「相笠・・・」真子は驚いた顔つきで2人を見つめる。
「こじまこってなんだ・・・?」

「ん?呼びやすいだろ」相笠と涼花は
真子のほうへと歩いていき、
隣に並んだ。
涼花は敵を睨みつけ、つま先をトントンと鳴らす。
「さぁ〜て始めようぜ」

相笠はネイルを外し、拳をコキッと鳴らす。
「1人・・・10人ってところか」

涼花は相笠のほうへと振り向きバカにしたように笑う。
「3人しかいねーのに、それじゃ余るだろ!バカだな〜」

「うるせぇな!」相笠が言い返すと
真子が「ははっ、あははっ」と笑う。
今まで見た事がない真子の純粋な笑顔に2人は驚いた。
そして真子は真剣な表情に変えた。

「いや・・・それでいい。残りは私がやる」

─「行くぞ!!」──
ついこの前まで敵同士だった“マジ女”の三人は
西野未姫を助けるために今、動いた─
74名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 13:21:00.62 ID:KG8AH+FG0
リバイバルありがとう!
75名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 13:59:05.02 ID:Y4o6seH2P
「おらぁ!」ドロップキックをする涼花。
何人か将棋倒しになる。
だが、地面に手を付いて着地した涼花は
すぐに敵に囲まれ、蹴られる。
「あっ、待て!」

“ドカッ”涼花を囲む敵を殴り倒す真子。
「何ふざけてんだ。早く助けに行くぞ」

「わかってるっつーの!」涼花は立ち上がり、
真子の背後を襲おうとした時を蹴り倒す。
相笠もまた、涼花の背後にいた敵を殴り倒した。

そして・・・三人は背中を合わせる─

涼花は大きな声で叫ぶ。
「しっかり私の背中は守れよ!」
相笠が敵を殴り倒し叫ぶ。
「お前が一番あぶねーんだよ!」
真子はそんな2人の声を聞き、どこか
楽しそうに笑みを浮かべる。
76名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 14:00:50.31 ID:Y4o6seH2P
“ドカッ”相笠は向かってくる敵の胸ぐらを掴み頭突きをする。
だがすぐ横から違う敵に殴られる。
「ちっ!」

真子の回し蹴りがその敵を地面に沈めた。
相笠は敵を倒しながら真子に話しかける。
「なんとなく分かったか!?」

「何が?」真子もまた敵を倒しながら
口を開いた。
相笠は大きな声で叫ぶ。

「“友情パワー”だよ!友情パワー!」

真子はふっと一瞬笑みを浮かべた後、
呆れたように答える。

「わかんねーよ!」

“バシッ”真子は敵を殴り倒す。
だが─真子はこの時すでに、体力の限界に近づいていた。
相笠や涼花もまた、次第に敵の攻撃を受け始め、
いつのまにか3人はバラバラになり
互いの姿が見えない位置になった。
77名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 14:03:27.74 ID:Y4o6seH2P
無我夢中で敵を倒していた相笠は
2人の姿が見えない事に気付く。
「おい!無事か?!」

返事はなかった。相笠は2人の名を呼ぶ。
「涼花!こじまこ!!」
喧噪でかき消されているのか、相笠の声は届かなかった。

あいつ等なら、大丈夫か・・・
早く、西野を助けないと・・・

相笠が前に進もうとした時だった─
“ドカッ”背中に激しい痛みが走る。
振り返る相笠の目に、バットを持った敵の姿が映る。
「くそったれ・・・!」──
78名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 14:05:10.55 ID:Y4o6seH2P
そしてその頃、大島涼花もまた体をふらつかせながら
敵と戦っていた。
「後・・・何人だ?半分以上・・・倒したかな・・・」
敵に掴まれるが、腕に噛みつく涼花。
そして怯んだ瞬間、噛むのを止め
殴り倒す。

ふらふらと歩きながら、敵の相手をする。

やべぇ・・・意識が飛びそうだ。
・・・皆、どこにいる?

・・・あれは、マジ女の制服・・・
倒れてる・・・誰だ?


・・・!

「萌!!」─

涼花は萌に歩み寄ろうとするが、
敵に囲まれ前に進めない。

「邪魔だ・・・!どけ!」

─「くそ・・!!」

頼むぞ・・・“真子”・・・

涼花は最後の力を拳に込めた。
─「おりゃぁぁぁ!!」
79名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 14:06:50.39 ID:Y4o6seH2P
そして、小嶋真子は・・・・・・

ガンギレの生徒達に捕まっている
未姫の目に、倒れた相笠の姿が映る。
「・・・・!そんな・・・」

自分のせいで誰かが傷つく。
未姫は自分を責め、涙する。
その時、未姫の目に映った“姿”。

─小嶋真子が未姫のほうへと歩いてくる。
ズルッ、ズルッと気を失った敵の髪を掴み、
引きずりながらゆっくりと・・・・。

残る敵は気が付けば10人ほどだった。
敵の1人が真子に襲いかかる。
「この・・・バケモノが・・・!!」

掴んでいた髪から手を放し、
ハイキックで敵を倒した真子。
「はぁ・・・はぁ・・・」と息を切らし
血まみれになりながら敵を睨みつける。
その時だった─未姫が何かに気付き叫んだ。

─「真子!!後ろ・・・!」

バットを持った敵が真子に襲いかかろうとしていた。
未姫の声が聞こえた真子は振り返る。
“ドカッ”──
80名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 14:09:36.81 ID:Y4o6seH2P
真子は驚いた顔つきをする。
目の前でゆっくりと、地面に膝から崩れ落ちる仲間の姿。

「お前・・・なんで・・・」

“大島涼花”は頭をバットで殴られ倒れた。
身を挺して、真子を守った。
「てめぇ・・・!」真子は涼花を襲った敵を殴り倒す。
涼花の体を抱きかかえる真子。
涼花は静かに、口を開く。

「昨日の敵は・・・・・・・・・昨日の・・・
 あれ?なんだっけ・・・」
 
「“今日の友”・・・だろ」

「そうそう・・・それだよ・・・。任せたぜ・・・
 “マジ”になれ・・・“真子”」

涼花は目を閉じた─

真子の脳裏をよぎる涼花の言葉。
“お前はまだ出会っていないだけだよ・・・
 本当のダチにさ”─

そっと涼花を寝かせ、立ち上がる真子。
「・・・マジだよ」

拳を握り締める。
敵は真子にじりじりと近づいていく。

「・・・私は・・・」
鋭い眼光で真子が睨むと、敵は怯み、足を止めた。
真子は首もとにあるスカーフをスッと抜き取り
拳に巻き、叫んだ。

─「いつでも“マジ”だよ!!」─
81名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 14:11:58.60 ID:Y4o6seH2P
敵もまた声を荒げて一斉に真子に向かっていく。
彼女達は身をもって思い知る・・・
マジになった真子の恐ろしさを。
“ドサッ”─
真子の目の前にいた敵が突然倒れる。
「・・・!?」
敵は皆、足を止める。
「こいつ・・・今、何をした?」
「さぁ?・・・」

本気になった真子の右拳を捉える事は
彼女達にはできない。
一歩、真子は前に進み、
“ザッ”敵に向かって飛び出した真子。
“ドンッ”また1人倒れる。
真子は怯んだ敵の頭を両手で抱えこみ、
膝蹴りを顔面に叩き込み、体をくるりと
回転させ後ろにいた敵を・・・
“ドカッ”
後ろ回し蹴りで地面に叩き伏せた。

敵は悟る。

“勝てない”─
「これが・・・ZEROの小嶋真子・・・」

真子はじりじりと敵を追い詰める。
「今は“マジ女”の小嶋真子だよ・・・」─

未姫を捕らえているガンギレのヤンキー達も
追い詰められているのは、自分達のほうだと気付く。
未姫の周りには5人ほどいたが、
誰も真子に挑もうとはしなかった。
“本能”が“勝てない”と思わせた。
ガンギレの1人が、やられていく仲間の姿を見ながら、
震える手で携帯を取り出す─
82名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 14:13:35.89 ID:Y4o6seH2P
ガンギレ高校の近くの喫茶店にいる
“薮下柊”の携帯電話が鳴った。
「はい」

“柊さん・・・!うちら・・・このままじや・・・!”

「なんや?落ち着かんかい」

“アイツに・・・小嶋真子に潰されます・・・!”

「・・・あんだけの人数をやりおったんか・・・」
柊は隣にいる“奈々”と“凪咲”のほうに
顔を向け、首を横に振る。

“・・・どうしますか?”

携帯で話す仲間に聞こえないように
2人に柊は言った。
「・・・うちが行くわ」

すると奈々は柊に手を出し、
「私が話す・・・代わってくれ」と携帯を手に取る。
「おい、“人質”はまだこっち側か?」

“はい・・・けど、時間の問題です・・・”

奈々の耳にも聞こえる誰かの叫び声。
奈々は“最後の手段”に出る。

──「“西野未姫”の眼帯を今すぐ外せ」

「え?・・・」

「死にたくなければ今すぐ外せ」

「わ、わかりました!」
─“ッツー”電話を切る奈々。
未姫の“秘密”を奈々から聞いていた凪咲は、
奈々の顔を見て不敵に微笑む。
「ほんまに・・・血も涙もないな。あんたは」

奈々は自分の頬にそっと触れる
“一粒の涙のタトゥー”を指でなぞり
妖しく微笑みかける。
「涙なんて神が人間に与えた
  ・・・ただの飾り物さ」──
83名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 14:20:46.75 ID:Y4o6seH2P
その少し前─
奈々に言われたとおり、未姫の眼帯を
取ろうとするガンギレの生徒。
真子はもうすぐそこまで来ている。
仲間ももう、立っているのは3人しかいない。
テープで固く両手を巻かれた未姫に
“ナイフ”を突きつけ、真子を止めようとする。
「・・・動くな。本物だぞ・・・」

真子は足を止め、未姫に視線を送る。
未姫は涙を零し、「・・・もう止めて・・・」と敵に訴える。
だが敵の1人が、足を止めた真子を潰そうとした。
“バシッ”真子は顔面を殴られるが、
敵を睨み続ける。
未姫は叫ぶ─「止めてよ・・・!お願い!」
敵は動きを止めた真子を殴り続ける。
「許さない・・・」
未姫は泣きながら小さな声で囁く。
「“夜叉”・・・真子を助けて。・・・お願い・・・
 私はどうなってもいいから・・・」

そしてナイフを突きつけているもう1人が
未姫の眼帯を取ろうと・・・
手を延ばした・・・その時──
未姫がガクッと下に俯く。

「なんだこいつ?気絶したのか?」
敵は未姫の髪を掴み、無理矢理に顔を上げようとした。
「・・・!」敵の目に映った“微笑み”。
未姫・・・いや、“夜叉”が笑っていた。
“きゃははっ・・・”
──「“死ね”」
未姫の激しい怒りによって“夜叉”が目覚めた─
84名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 14:22:28.03 ID:Y4o6seH2P
真子は未姫の変化に気付き険しい表情で声をあげた。
「未姫!!」
 
夜叉はチラッと一瞬、真子に視線を送った後
「未姫じゃない・・・」敵のほうへと顔を向けた。
夜叉はナイフを持つ敵の手を蹴り上げる。
その軌道は美しいほどの垂直。
“ザッ”ナイフはくるくると宙を舞う。
呆気に取られた敵を後ろ回し蹴りで倒した。
落ちてきたナイフを“パクッと”口に加え
両手に巻かれたテープをナイフで切る。
一瞬の出来事だった。
自由になった手をぷらぷらと揺らし
口に咥えたナイフを手に取る。
「私は夜叉だよ?・・・」
ナイフで髪を縛るゴムを切る夜叉。
バサッと長い髪が肩に触れる。
右手にナイフを持ち、右手で眼帯を取った─
“真紅の瞳”が真子を見据える。
85名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 14:23:37.66 ID:Y4o6seH2P
真子は“夜叉”の姿に戸惑いを隠せない。
「・・・夜叉・・・未姫はお前の中か?」

「そうだよ。“未姫”が望んだ事さ」
ガンギレの生徒は2人が話している隙に、
その場を去ろうと静かに後ずさる。
夜叉が首をコキッと鳴らし、敵のほうへ
顔を向けた。
「真子を守って・・・だってさ?」
夜叉は逃げようとする敵に向かって走り出し
“ザッ”飛び上がる。
拳を振り下ろし、倒れた敵をまたぎ、
見下ろす夜叉。
“ドカッ”腹を踏みつけた。
そして拳を顔面へと振り下ろす。
「あははっ・・・キャハハハッ!」
ピッと夜叉の顔に返り血が付く。
何発か殴った後、夜叉は飽きたのか
スッと体を起こした。
残された敵の1人は、ガタガタと恐怖で足を震わせている。
夜叉がニヤリと不気味に微笑みかける。

─「君も“ひき肉”になる?」
86名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 14:25:05.31 ID:Y4o6seH2P
「や、止めろ・・・うわぁぁ!」
背を向けて逃げようとした敵の襟を掴み
蹴るように足払いする夜叉。
転んだ敵の腹をボールを蹴るように蹴る。
敵は苦痛で顔を歪め、腹を押さえている。
顔を上げ、夜叉に脅えていた。
夜叉は敵の胸ぐらを掴み、拳を上げた。
だが、その時夜叉の腕が背後から掴まれた。
1人しかそんな事をする人間はいない。
夜叉は振り返る。
「放してよ?」

「もういい。止めろ」 
“バッ”夜叉は真子の手を払うと、
真子を見てニヤリと微笑む。
「・・・後少しだったのに残念だったね。
 “未姫”を助けられなくて」

「どうすれば未姫と話せる?」

「・・・無理だよ。君はもう未姫とは話せない。
 アイツの人格はそのうち消える」

「そんな・・・」
真子には引っかかっていた事があった。
なぜ未姫はここまで自分を慕うのか。
「・・・未姫はなぜ私を選んだ?」

「・・・君に憧れていたのかな。多分」
夜叉の顔つきが変わる。
笑みは消え、真剣な表情で真子を見つめ
言葉を続けた。
「未姫と君はとても似ている。
 力を誰かのために使っても・・・
 その誰かは、未姫を見て脅え、そして離れていった。
 アイツは孤独だった。 
 ・・・君もそうだろ?」

夜叉の言葉に、真子は自分の姿を重ねた。
求めれば求めるほど、“それ”は離れていく。
だから諦めた。手を延ばす事を。
そのほうが辛くないから・・・。
87名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 15:35:45.78 ID:Y4o6seH2P
夜叉は言葉を続けた。
「君には1人で戦おうとする強さがあった。
 以前の未姫は辛い事は“私”に押し付け
自分の力で戦おうとはしなかった。 
君に出会い、そんな“弱い”自分を恥じたってところかな」

「未姫と私は似ているかもしれない。
 けど・・・あいつは諦めなかった。
 私に手を差し伸べてくれた。
 あいつは・・強い人間だよ」

「お前に感化され、、強くなろうとしたアイツは・・・・・
 私に頼ろうとはしなくなった。
 危うく、閉じ込められるところだったよ。
 まぁ、最後の最後で自分に負けたけどね」

「・・まるで見ていたかのような言い方だな」

「未姫が見た物、聞いた事は全て知っている」
 
「じゃあ・・・“未姫”も今が見えているって事だな?」

「さぁね・・・」
じっと真子は夜叉の目を見据える。
そして未姫を安心させようと真子は優しく微笑む。
「未姫・・・聞こえるか?
  強くなりたいなら・・・自分に勝て」

─「やっぱり・・・“お前”は私にとって危険な存在だよ」

夜叉はそう言ってゆっくりと歩き始め、
真子に近づいていく。
真子はなぜか悲しそうな表情をする。
例え人格は“別人”でも見た目は未姫。
そしてその“別人”は未姫の中で“自分”を見ていた・・・
孤独なのは・・・夜叉。
「お前と戦いたくはない・・・」

“ザッ”真子の前に立つ夜叉。
「君らしくないなぁ?・・・大丈夫だよ。  
“マジ”になっても・・・“私”には勝てないから」

その瞬間─
突き刺さるような殺気を感じる真子。
夜叉は不気味に微笑む。

「・・・あげるよ・・・
 未姫に、二度と近寄れないほどの恐怖をさぁ!」
夜叉の拳が真子に向けられた。
88名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 15:44:05.37 ID:gODpXoZz0
「夜叉・・・!」真子は夜叉の拳を左手で受け止めるが・・・
“くっ”力ずくで押し切ろうとする夜叉。
真子は徐々に押され始める。
「・・・!」その細い腕からは考えられないほどの力。
このままでは危ない。
真子は反射的に拳を向けた。
だが夜叉の顔を見て思いとどまる真子。
拳は夜叉の目の寸前でピタリと止まる。
「優しいなぁ。けどこのままじゃ・・・」
夜叉はにっこりと微笑んだ後、
左のハイキックを真子のこめかみに叩き込む。
“ドカッ”体をよろめかせる真子。
夜叉の蹴りもまた、拳と同様に空を切るように
素早く、そして重い一撃だった。
スゥーとゆっくり左脚を下ろす夜叉。
─「君、本当に死んじゃうぞ?」

怪我をしていない状態で闘ったとしても
勝てるかどうかわからない。
夜叉の攻撃は真子にそう思わせた。

センターと闘った時でさえ、
感じた事がない“焦り”が真子を襲う。
だが容赦なく、夜叉は真子に攻撃する。
夜叉の右の拳を体を反らせなんとか避けた。
夜叉は蹴りで真子の腹部を狙う。
“ドカッ”体をくの字に曲げた真子は
痛みで顔を歪ませた。
その瞬間─
夜叉は脚を高く上げ、真っ直ぐ踵を
真子の頭にめがけて振り下ろした。

“ガッ”─

「殺す気か・・・」
ツゥーと真子のこめかみから流れる血。
「“殺す気”だよ?」
夜叉はあどけない顔をしてそう言った。
89名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 15:44:57.70 ID:gODpXoZz0
夜叉の踵落としを間一髪避けた
真子は夜叉を見据える。

“真子ちゃん、私と友達になって!”
未姫の笑顔が真子の脳裏をよぎる。

「あいつは言っていたよ。
 気付いたら手に血が付いてる事があるって・・・
 悲しい顔でそう言ってた」

「ふ〜ん。・・・で?」
“ザッ”─夜叉の右のハイキックが
容赦なく真子を狙う。
ガッ、左腕でガードした真子は
真っ直ぐな瞳で夜叉を見つめる。
「“未姫”は閉じ込められたら
 お前と違って外が見えないって事だ」

夜叉は真子の胸ぐらを掴み、不敵に微笑む。
「そのとおり。だからなに?」

真子は自分を掴む夜叉の手にそっと触れる。
とても悲しそうに・・・
「怖いだろうな・・・ってさ」

夜叉の手を掴み、力を込める真子。
「暗闇の中であいつは1人でいる。
 」

夜叉は掴まれた手に痛みを感じ
真子を睨みつける。
「それは・・・私もさ・・・」

「寂しいか?“夜叉”・・・」
力ずくで真子は、ググッと夜叉の手を胸ぐらから放すと
拳に力を込めた。
「私が“暗闇”から“2人”とも助け出してやる」

真子の拳が夜叉の頬に叩き込まれる。
真子は夜叉に言った。
「バカなクソガキ達に教わった事がある・・・」

夜叉は唇から流れる血を拭い、顔をあげた。
真子が言葉を続ける。
─「“マジ”でぶつかれば、ダチになれるらしいぜ?」─
90名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 15:45:49.61 ID:gODpXoZz0
体力の限界は超えていた。
だが助けてくれた涼花や相笠のためにも
ここまで来て負けるわけにはいかなかった。
未姫を・・・そして夜叉を救う。
真子の拳が夜叉の顔面を狙った。
ギリギリで避けた夜叉の頬から血が滴り落ちる。
“アハッ、キャハハハッ!”
─「邪魔するなよ?私達の世界を!!」
夜叉の拳を受ける真子。
夜叉は追撃しようとさらに左の拳を向ける。
それを右腕でガードした真子が
“バシッ”右の拳を夜叉に叩き込む。
夜叉は顔を上げると同時に、
裏拳を真子に叩き込む。
夜叉は落ちていたジャケットを拾い上げ、
それを真子の頭にバッと覆い被せる。
「・・・!」
夜叉の膝蹴りが顔面に直撃。
視界の見えない真子に攻撃を非情にも続ける。
“ドカッ”“ドカ”─
そしてトドメの拳を叩き込むと、
ジャケットは床にバサッと落ちた。
ぱっくり切れた真子の瞼から血が流れる。
・・・夜叉は強い。
「・・・・・・くそっ」

“アハッ、キャハハハッ!”
「そんな体じゃ勝負にならないよ。
 君は勝てない」──


この喧嘩を裏で操っていた者。
岡田奈々は柊達と別れ、1人街中を歩いていた。
仲良さそうに話す中学生達が目に映る。
奈々は足を止め、その2人をどこか懐かしそうに
見つめていた。
真子とつるんでいた頃を思い出す。

──「奈々。聞いたか?
   うちらさぁ・・・他の中学の奴らに、
   “なまこコンビ”とか呼ばれているらしいぜ」

「・・・なんだそれ」

「どうせならもっとカッコいい名前がいいよな。
 奈々はそういうの考えるの得意だろ?なんかない?」

「そうだな・・・
 “ゼロ”なんてどうだ?うちらで0から伝説を創るんだ」

「おっ、いいね〜!」─
楽しそうに笑う真子の笑顔を今も思い出す。
あの頃は何もわかっちゃいなかった。
私の本当の敵が“誰”なのか・・・
奈々はふっと微笑み、また歩き出す。

─「“宿命のライバル”・・・か」
91名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 15:46:41.43 ID:gODpXoZz0
その頃、廃工場の入口でなにやらこそこそと
中を覗き見しながら話している者達がいた。
チームぽん酢の5人だ。
篠崎彩奈は少し困った顔をしている。
「遅れたうえに、すっかり出て行くタイミング見失っちゃったね」

茂木は心配そうに相笠と涼花のほうへ
視線を送る。
「あいつらだけでも助け出さないと・・・」
「真子は?」と高島がつっこむと
茂木は少し間を置いて、
「行ったら・・・うちらが“夜叉”に殺されちゃうだろ」

すると村山が覚悟を決めたような表情に変えた。
「私、真子を助けに行くよ。
 ・・・あいつ、噂ほどそんな悪い奴じゃないし」
そして、村山は中へと入っていった。
岩立はそんな村山を見て言った。

「え〜、は〜やい〜」─

そして5人は廃工場の中へ入っていった。
すぐに涼花と相笠のもとへかけより、
声をかける。
すると涼花が目を覚まし、次に相笠が意識を取り戻した。
「ん・・・お前ら・・・。おっそ!!」
と言った相笠は思ったよりも大丈夫そうだ。
涼花はまだ頭に痛みが残っているせいか
時折、苦痛で顔を歪めていた。
「・・・真子は・・・アイツはどうなった?」
「今闘っている・・・」
7人は真子と夜叉の戦いを見て息を呑む。
「アイツ・・・・・なぜ夜叉と」
相笠がそう呟くと、村山が立ち上がる。
「私、行ってくる。真子を助けに!」
だが、涼花は険しい表情で村山の腕を
掴み、止めた。

「・・・うちらが出る幕じゃない。
 タイマンじゃなきゃ伝わらない事がある」
涼花はなんとなく分かっていたのかもしれない。
真子が夜叉と闘う理由を──
92名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 15:47:31.91 ID:gODpXoZz0
──「しつこいよ・・・!君・・・!」
夜叉は叫び、真子を殴り飛ばす。
ザッ、倒れまいと真子は足を踏みしめ堪えた。

もうどれくらい殴っただろうか。
攻撃は夜叉のほうが多い。
体力の限界を超えていた真子は
隙を見て反撃する程度。

だが・・・“恐怖”を感じていたのは
夜叉のほうだった。

後一発殴れば倒せる。
そう思い攻撃しても、真子は立ち上がる。
それが繰り返される恐怖と焦りが
夜叉を動揺させた。
“ガッ”真子の胸ぐらを掴む夜叉。
「どうしてそこまで・・・!」

「私が倒れたら・・・“おまえら”は
 何も変わらないだろ・・・」

「・・・余計なお世話だ・・・。
 お前に“私達”の何がわかる!!」
─“ドカッ”
夜叉は真子を殴り飛ばし、地面に手を
付いた真子の姿を、息を切らしながら見つめる。


まだ・・・立ち上がるのか・・・
こいつ・・・

真子は膝に手をかけ、ゆっくりと立ち上がる。
「・・・こうして闘って、気づいた事がある・・・
 お前は未姫の事を大切に思っている」

闘いのなかで真子は、夜叉の心を見ていた。
夜叉の強さの秘密は、未姫への思い。
93名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 15:50:02.96 ID:gODpXoZz0
心を見透かされた夜叉の目は悲しみと憎しみが
入り混じったような・・・
そんな目をしていた。
「・・・・・・中2の時。
 未姫は、酷いイジメにあっていてね。
 地獄のような日々の中で、未姫は
 心の中で毎日誰かに助けを求めていた・・・・・・
 終わりの見えない苦しみは、精神を蝕んでいった」

「そして・・・“お前”が目覚めた」
真子は夜叉の目を見据える。
夜叉は言葉を続けた。
「私は未姫の苦しみや悲しみを代わりに背負った・・・・・」

夜叉はそっと目を瞑る。
開いた真紅の瞳から零れた涙が頬を伝う。
「真子・・・・“お前”にわかる?
 未姫が赤いバラなら私はその醜い棘なんだ。
 未姫を守ってきた・・・ずっとね」

「夜叉・・・・・」真子が夜叉に歩み寄ろうとした時─

「・・・けど、私はもう必要ないのかも・・・
 君を殺して・・・私は消える」
夜叉は地面に落ちていたナイフをそっと拾い、
真子にその切っ先を向けた。
「それがお前の答えか?“夜叉”」

「終わりにしようよ。
 “友達”なら一緒に来てくれるよね?」
94名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 15:50:55.28 ID:gODpXoZz0
夜叉はそう言って涙を零し、
にっこりと微笑み・・・ゆっくりと真子に
近づいていく。
真子は夜叉の目を真っ直ぐ見据え、
拳からスカーフをスッと外した。
「未姫がそれを望むなら・・・」

「絶望するね・・・」
接近し足を止めた夜叉は両手でナイフを握り、
真子の目を見つめ囁いた─
「ごめんね・・・未姫・・・」
前へ歩き出す夜叉。
真子の腹部にナイフの切っ先がゆく。

その時だった─
“止めて!夜叉!”
夜叉に聞こえた声。
夜叉は足を止め、目の前に立つ者の姿に戸惑う。
「どうして・・・お前が・・・!」

真子を守るように両手を広げている。
“2人とも死なせはしない!”

夜叉は叫ぶ。
「・・・“未姫”!!」──
95名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 15:52:14.44 ID:gODpXoZz0
それは夜叉にしか見えていない・・・
未姫の幻影だった。
“ごめんね・・・1人にして・・・
 私だけズルいよね・・・”

「・・・消えろ!・・・こいつを助けにきたのか!?」

“・・・夜叉の心の叫びが、初めて聞こえたの。
 私は夜叉の気持ちを分かっていなかった・・・”

「今更・・・そんな事・・・」
夜叉は地面にナイフを落とし、
未姫に殴りかかろうとする。
「・・・どけ!!」
夜叉の拳は未姫の幻影をすり抜け空を切る。
「・・・未姫?」真子は夜叉の様子に驚くが、
未姫が守ってくれていると気付いた。
「未姫!!」

未姫は真子のほうへと振り返り、相笠と涼花の方へも顔を向けた。
“・・・ありがとう。皆のおかげで私は・・・
 夜叉と向き合えた”
夜叉に視線を戻し、真っ直ぐ見つめる未姫。
“これからは私が夜叉を守る。
 私達はずっと一緒だよ?”

そう言って歩み寄る未姫。
その真っ直ぐな目は強い眼差しで、
夜叉の知る未姫とは違っていた。
夜叉もまた未姫の目を見つめる。
「・・・・未姫・・・お前・・・」

“今までごめんね・・・私を許して”

「・・・・・強くなったよ。本当に」
そう言って微笑んだ夜叉を優しく抱きしめる未姫。
そして未姫の幻影は徐々に消えていき
最後に夜叉へ言葉を残した。
─“私達は友達だよ”─

夜叉は目を瞑り、求め続けた友の腕の中で
眠りについた─
悲痛に叫ぶ少女を残酷な狼の群れの牙から守るため
夜叉は生まれた。
一つの体の中で二人は支えあう。
これからも。
こんな詩がある。

オオカミたちの夜が近づいて
主のいないボート小屋で眠ろう
君の体温 感じてるだけで
心はほっと安らいで来るんだ
    
バラはなぜここで咲いていたのか
そしていつから その実をつけたのだろう
刺が守る信じられない花の意地
美しいバラの果実─
96名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 15:53:12.40 ID:gODpXoZz0
膝から崩れ落ち地面へ倒れた夜叉。
「・・・おい!夜叉!」真子は血相を変えて飛び出し
夜叉の体を抱きかかえる。
夜叉の名を叫び続ける真子。
そして倒れた夜叉の姿を見て村山と高島に肩を借りながら
相笠と涼花、そしてチームぽん酢の者達が
2人のもとへとやってきた。
「なにがあったんだ?いきなり倒れたよな?」
相笠は真子に問いかけるが、
真子も真実はわからなかった。
「よくわからない・・・ただ、夜叉は未姫と
 話をしていたように見えた」

「マジかよ・・・そんな事って」
涼花は驚いた顔つきで夜叉の顔を見つめる。
すると、ピクっと夜叉の瞼が動いた。

「あ!」夜叉が起きると思ったチームぽん酢は
ささっと真子の後ろに下がった。

夜叉が倒れる前、夜叉は何かに安堵したように
優しく微笑んでいた。
目を覚ましたのが夜叉だとしても、
攻撃してくる事はない。
真子はそう確信していた。
真子は警戒する事なく、じっと夜叉の顔を見つめる。
“どちらも”もう、仲間だから・・・

─「・・・真子・・・ちゃん・・・」
97名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 16:24:06.28 ID:Y4o6seH2P
─目を開けた“未姫”は仲間達の姿に
視線を送ると、静かに涙を零した。

「・・・皆・・・。ありがとう」

真子は子供を寝かせる母のように
優しく微笑んだ。
「おかえり。未姫」

「ただいま・・・・・・私ね、夜叉と友達になれたんだぁ・・・」
意識がまだ朦朧としているのか、ゆっくりと言葉を話し、
嬉しそうに未姫は微笑む。
あどけない子供のような笑顔だった。
真子は未姫の髪をそっと撫でる。
「良かった・・・・。お前達が少し羨ましいよ」

未姫は言葉を続ける。
「・・・“私達”・・・マジ女に来て良かった・・・」
真子は未姫の目から流れた涙を
手で拭う。
「未姫・・・ごめんな。痛いだろ?
 ・・・もう休め」

「いいの・・・これは、必要な痛みだから・・・」
未姫は安心したように目を瞑り、
眠りについた。

長い一日は終わった。
小嶋真子は未姫と出逢い、“本当のダチ”を見つけた。
真子を慕う未姫はもちろん、
助けに来た相笠と涼花、チームぽん酢は、
真子にとって大切な仲間となる。
そして、死闘を繰り広げた“夜叉”も。
98名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 16:41:28.02 ID:Y4o6seH2P
─体が動く者達が車を拾い、怪我をした者達
をすぐに病院へと連れて行った。 
相笠と真子はすぐに退院できたが、
眠り続ける未姫と、頭を強打した涼花は検査入院となった。
次の日、真子と相笠はチームぽん酢を連れ
2人の見舞いへと向かった。
病室に入ると、楽しそうに未姫と涼花が話していた。
涼花は未姫と同じ病室で、目を覚ました未姫と
すっかり仲良くなっていた。

──「大丈夫だよ〜。もういきなり夜叉になったりしないから」
未姫はあっけらかんとした顔でそう言うが、
相笠はまだ少し警戒している。
「本当かよ・・・」

すると未姫は急に俯き、顔を上げ真剣な表情に変える。
「“マジ”だよ・・・」
変化した未姫の様子に、警戒しさっと構える相笠。
未姫が「わっ!!」と脅かすと相笠は
驚いて尻もちを付いた。
未姫は無邪気に笑っていた。
「騙された〜あははっ」

「てめぇ〜!」
相笠はすぐに立ち上がり未姫に声を荒げた。
すると涼花は興味深そうに未姫の顔を
まじまじと見つめ、顔を近付ける。
「この眼帯取ったら夜叉になるんだろ?
 漫画のキャラに出てきそうだよな〜」

そう言って未姫の眼帯に触れる涼花。
「取ってみようか?」

「バカ!止めろ!」と相笠が涼花の服を引っ張る。
“ズルッ”
態勢を崩した涼花の手には未姫の眼帯がある。
2人は声を揃えた。
──「あっ」
99名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 16:43:02.22 ID:Y4o6seH2P
ゆっくりと未姫のほうへ顔を向ける2人。

真紅の瞳がこっちを見ている。
髪を留めたゴムを取り、首をコキッと鳴らした。
にっこりと笑う“夜叉”。
「ん?」夜叉は相笠を見て言った。

「あれ?君、未姫を助けに来て
 速攻やられちゃった人だよね?」

「な、なんだと!てめー!」
相笠は動揺して声を荒げた。
「萌、見せ場なかったもんな〜」と涼花は笑っていた。
真子もまたそんな3人の様子に笑顔で
楽しそうに笑っている。
夜叉は真子のほうへと顔を向ける。
「・・・礼を言うよ。真子」

「礼?」

「未姫が楽しそうだ」

「お前はどうだ?」

「・・・悪くないね」夜叉はふっと笑みをこぼす。
真子もまた嬉しそうに微笑む。
「いいよな・・・こういうのさ」

真子が本当に望んでいたのは、
仲間とくだらない事で笑い合う時間だったのかもしれない。
以前、“前田”が真子に言っていた言葉。
─“私はただ、みなみとバカやっていたかっただけなんだ・・・”
 “ダチのために私はマジになる”
その言葉の意味を分かり始めていた。
そして、小嶋真子はこの病院で、
“マジ女時代の前田敦子”を知る。
100名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 16:46:25.33 ID:Y4o6seH2P
─「夜叉!てめぇ、シカトすんな!!」
相笠の怒りはまだ治まらないようだ。
ベッドから起き上がった夜叉は、
相笠の拳をいとも簡単にひょいっと避け続ける。
「君じゃ無理だって〜。
 いい加減にしないと、“ひき肉”にしちゃうよ〜?」

「ならてめぇは刺身だ!」
相笠がわけも分からず危ない事を叫んだ
その時、病室のドアが開く。
1人の看護師が相笠達を怒鳴りつける。
「うるせーんだよ!!
 ったく・・・お前ら何度言ったら・・・」

その看護師の姿を見て相笠と涼花は
姿勢を正し、“彼女”の名を呼ぶ。

─「“サド”さん!!」

真子はサドのほうへ顔を向ける。
「サド?」

するとチームぽん酢の物知りな岩立が驚いた顔つきで
サドを指差した。
「あっ!!この人・・・知ってる!!」

涼花は得意気に口を開く。
「ほらほら〜頭が高いぞ〜!
 この人こそ!長〜いマジ女の歴史の中でも〜最強と言われる
“あの”!大島優子が率いていた、
 最強武闘派集団ラッパッパの副部長・・・“サド”さんだ!」

マジ女の一同は驚いた顔つきでサドを
まじまじと見つめる。
サドは涼花のほうへと歩いていき、
“バシッ”と頭を叩いた。
「だから声が大きいんだよ!てめぇは!」
101名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 16:48:04.03 ID:Y4o6seH2P
羨望の眼差しでサドに歩み寄るチームぽん酢。
夜叉は「ふ〜ん」と言ってベッドに戻り、興味が無さそうだった。

──「“前田敦子”・・・知ってますよね?」

真子はサドを真っ直ぐな瞳で見つめる。
“前田”の名を聞いたサドは、
急に真剣な表情に変え、真子を見つめる。

その目を見て分かる・・・。

最強と言われる大島優子や前田敦子と戦った
唯一の存在であるサドだから気付いたのかもしれない。

“小嶋真子”から感じた・・・

─優子や前田と同じ“頂点”の匂い──

「・・・なるほど。お前か?相笠と涼花を倒したって奴は・・・」

「・・・質問に答えろ」
真子の様子が変わった。
まるで涼花達と出会った時のような
トゲトゲしい殺気を放つ。
涼花は心配した様子で声をかける。
「おい、真子!止めろ!!」

だが真子はサドの胸ぐらを掴み、
鋭い眼光で睨む。

「なんであの人を“警察”に・・・!
 あんたもあの場にいたんだろうが!!」

「お前・・・前田の何だ?」
サドは静かに真子の手を掴む。
真子はサドを睨みながら、一筋の涙を零した。
─「・・・あの人は私を救ってくれた。
  それなのに・・・私はなにも・・・」

「・・・・・」
サドはそっと真子の手を服から放し
背を向けた。


「ここじゃ他の患者に迷惑だ。
 付いてこい・・・屋上で話そう」
102名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 16:50:06.32 ID:Y4o6seH2P
─空は夕焼けで真っ赤に染まり、
春の心地よい風が2人を包んだ。
サドは街の景色を眺める。
「よくこうやって・・・優子さんとマジ女の屋上から街を眺めていたっけ・・・。
 ・・・真子、だったか?隣に来いよ」

真子はサドの背中を見つめた。
何も言わず、サドの隣へと足を進め隣に並ぶ。
未だに敵意ある目をする真子の目を
見て、サドはふっと微笑む。
「前田も・・・そんな目をしていたよ。
 何を憎んでいるのか・・・
 何に悲しんでいるのか・・・
 よく分からない奴だった」

「・・・前田さんは“みなみさん”の事で
 自分を責めていた」

「あいつは変わっていった。
 マジ女に来て、色んな奴らと出逢い、戦い、
 少しずつ心を開いていった。
 いつのまにか、前田の周りには多くの仲間がいた」
サドは真子のほうへと顔を向ける。
「今のお前のようにな・・・」

サドは真子の“瞼”にあるまだ生々しい傷跡を見つめる。
夜叉との闘いで付いた傷跡だった。

「私もそうだ・・・マジ女で優子さんと出会って変われた」
サドは自分の瞼にある傷跡にそっと触れ
真子の顔を見て笑う。
そんなサドの笑顔は真子の瞳から敵意を無くした。
真子は静かに口を開く。
「優子さんて・・・」

「・・・・・・あの人は前田を可愛がっていたよ。
 前田も優子さんを慕っていた。
 正反対の性格だったからこそ、
 きっとお互いに惹かれ合う何かがあったんじゃねーかな。
 けど・・・優子さんの死は前田を再び闇の中でさ迷わせた」
103名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 16:51:29.69 ID:Y4o6seH2P
サドはそう言って街の景色へと視線を
戻した。真子はそんなサドの顔を
じっと見つめる。
「・・・苦しかったでしょうね・・・とても」

「前田はずっと何かの答えを探していたようだった。
 暗闇でもがくように、街のチンピラを狩り続け
 前田は警察に追われた。
 けどあいつは逃げなかったよ。
 矢場久根との闘いに、姿を見せた」

「・・・どうして?・・・警察がいたんですよね?」

「“答え”を見つけたんだ。
 だから前田は全ての“ケジメ”を付けにきた。
 それが前田の望みだった。
 ふっきれたって顔してたよ。
 だから何の不安もなくセンターに“優子さんのスカーフ”を託せたんだ」

警察に捕まった事は前田の意志だった。
「そうだったんですね・・・」
真実を知った真子は、そう呟き街の景色を見つめる。
真子は何かを考えるように、瞳を閉じ、
風を感じるとスッと瞳を開ける。
まるでサドに心を開くように─

「・・・私が中1の頃でした。前田さんと出会ったのは。
 私は・・・どうしようもなく荒れていて
 いつも街のヤンキーに喧嘩を売っていた。
 そんな時でした・・・私がぶっ飛ばした奴は
 地元でも有名な族のレディースで
 男達を何人も連れてきて仕返しにきた」

サドは聞いた事があった。
その“伝説”を。少し驚いた顔つきをする。
「まさか1人で族を潰したって話しか?」

真子は笑みをこぼす。
「真実は違いますよ。
 小学生でもないし、私は1人じゃ勝てませんでした。
 あれは・・・」──
真子は話し始めた、真実を。
104名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 16:52:42.73 ID:Y4o6seH2P
──「こいつ・・・!本当に中坊か!?」
真子の目の前には特攻服を着た男達とレディースが、
10人以上いる。
だが、真子の後ろには族の仲間が6人ほど苦しそうに倒れていた。
中1の真子に敵は容赦なく襲いかかり、
真子は傷だらけになっていた。
「はぁ・・・はぁ」と息を切らしながらも、
“まだ挑む”そんな目をしていた。
「潰せ!!」真子に襲いかかる敵。
真子は殴られるが、拳を握りしめ殴り返す。
だが違う敵に横から殴られ、
“バシッ”真子が体をふらつかせると、
また違う敵が真子を殴りつける。
地面に倒れ、手を付く真子。
その時だった─
顔を上げた真子の前に、“1人の高校生”が現れたのは・・・

その少女は真子を守るように
敵の前に立つ。
─「あんたら、中坊相手に何してる?
  ダセー真似してんじゃねーよ・・・」

敵は少女の顔を見て驚く。
「こいつ・・・!“八木女”の・・・!」

少女はカバンを地面に投げ捨てると、
敵に向かっていった。
真子は驚きを隠せなかった。
ひとつの族が、1人の高校生に殆ど一方的にやられていく。
少女は恐ろしく強く、そしてカッコ良かった。
全員倒すと、少女は真子に歩み寄り
すっと手を差し伸べる。
月灯りがその少女を照らす。
「・・・大丈夫か?」

「は、はい・・・」

「まだ中坊だろ?
 族と喧嘩する中坊なんて初めて見たよ」
そう言って少女は微笑む。
真子は少女の手を掴んだ。
「・・・もしかして、八木女の・・・」

少女は真子の手を引っ張り、立ち上がらせる。

─「私は“前田敦子”・・・よろしくな」
105名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 16:57:05.59 ID:Y4o6seH2P
真子は病院の屋上から街の景色を見つめる。
遠くを見るように、あの時の前田の姿を思い出していた。
「当時から有名でした、八木女の前田敦子・・・・・
 そして同じ学校の“高橋みなみ”。
 この2人は、うちら中坊の憧れだった。
 まさか・・・そんな人が自分を助けてくれるとはね」

サドは真子のほうへと顔を向ける。
「“伝説”の本当の主人公は、前田だったってわけか・・・」

「ええ。私じゃありませんよ。
 私は・・・あの人には遠く及ばない。
 一緒にいればいるほど、それが良く分かった。
 けど、それでも私は楽しかった。
 憧れの人といる時間は夢のようでしたよ」

そして真子は悲しそうな目に変え
言葉を続ける。
「だけど・・・そんな時間は長くは続かなかった」

「あの事件か・・・」

「はい。私が駆けつけた時には・・・
 みなみさんはもう・・・。
 前田さんは泣き崩れていました・・・。
 私はただ、見ている事しかできなかった。
 その次の日、前田さんは病院から姿を消したんです。
 血眼になって探しましたよ」

「ダチの敵討ち・・・
 前田ならそうするだろうな。
 あいつは・・・そういう奴だ」

「止めていなかったら、
 きっと前田さんはガンギレの奴らを殺していましたよ。
 それくらい・・・あの時の前田さんは怖かった」
106名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 16:59:17.36 ID:Y4o6seH2P
─“放せよ!!こいつらが・・・みなみを・・・!!”

“前田さん・・・・!”

“・・・・みなみ・・・!
 ・・・みなみ・・・うわぁぁぁぁ!”
前田は真子の胸で泣き叫んだ。
血まみれになったガンギレの生徒達は
前田に脅え、倒れた仲間を連れ逃げるように去っていく─

「前田さんはしばらくてマジ女に転校していった・・・
 それから私は、あの人を超えようと喧嘩に明け暮れたんです。
 必死でした・・・“仲間”を失うほどに」

サドは制服の上から羽織っていた
ファージャケットに手を入れる。
「だが、マジ女に来てお前は変わった」

真子はサドの目をしばらく見つめ
どこか照れくさそうに微笑む。
「今は・・・なんとなく前田さんの強さの秘密が分かります。
“アイツら”のおかげですよ」

サドはなぜが嬉しそうに微笑し、
真子に問いかけた。
「・・・学校は好きか?」

「はい」
真子はにっこりと微笑み、答えた。
その笑顔は辺りを照らす太陽のように明るく
ひまわりのように心を穏やかにする・・・
そんな笑顔だった。

サドはその笑顔を見て思い出す。
「お前、やっぱり似ているよ・・・」

「え?誰にですか?」

「悪いコアラに」

「なんですか?それ!」
真子が怒ると、サドは楽しそうに
「あははっ」と笑う。

似ているよ・・・

“優子さん・・・に”──
107名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 17:04:38.86 ID:ERhhqYokO
悪いコアラ(´∀`)
108名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 17:34:51.80 ID:KG8AH+FG0
保守
109名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 18:13:48.59 ID:tbn5uoYEO
サーモンさんありがとうございました。
110名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 20:10:02.88 ID:KG8AH+FG0
保守
111名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 20:40:43.50 ID:F2Rr9yoL0
>>49
ここと前半部分のセリフは変えてあります(^_^;)
>>7
が変更後のセリフです。真子と奈々の関係がこれによって変わるので(^_^;)

けどリバイバルありがとうございます。
>>40
さや姉と優子の会話やおたべの覚醒は特に自分も好きな部分です。

みなさん感想ありがとうございました!
リクエストあれば参考にして何かまたできたらと思います!
112名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 20:54:31.61 ID:wolgfi0S0
名作過ぎて地下ですぐに落ちて行くのがもったいないほどです
別板に移そうかな…
113名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 21:50:58.90 ID:KG8AH+FG0
保守
114サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/01/30(木) 21:57:27.32 ID:F2Rr9yoL0
前しか向かねえ!
115名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 22:04:11.92 ID:o1o+F+Rl0
アメブロにあげるじゃね
116名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 22:30:52.28 ID:2sHb9czI0
次回作も期待!
117名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 23:23:38.60 ID:KG8AH+FG0
保守
118名無しさん@実況は禁止です:2014/01/30(木) 23:37:15.54 ID:wolgfi0S0
>>111
SKE編宜しくお願いします!
出来れば古畑さんメインレベルで
119名無しさん@実況は禁止です:2014/01/31(金) 01:11:07.81 ID:r5Wd/tee0
落ちちゃう
120名無しさん@実況は禁止です:2014/01/31(金) 02:04:59.18 ID:1GLi01zR0
121名無しさん@実況は禁止です:2014/01/31(金) 03:04:40.31 ID:emjtsX4G0
落ちるの勿体無いから格付けにでも移動したらええんちゃうか?
一応マジすかも力関係のバトルで格付けがあるしね
122名無しさん@実況は禁止です:2014/01/31(金) 06:36:43.25 ID:FFxrVeZq0
イイネ(・∀・)!
123名無しさん@実況は禁止です:2014/01/31(金) 08:21:53.67 ID:XbmIhJEeO
保守
124名無しさん@実況は禁止です:2014/01/31(金) 09:24:02.17 ID:2U+ZL8k20
素晴らしいT_T
125名無しさん@実況は禁止です:2014/01/31(金) 10:32:18.40 ID:3i9S9bzz0
(๑•́ ₃ •̀๑)
126名無しさん@実況は禁止です:2014/01/31(金) 11:39:48.71 ID:r5Wd/tee0
(^^)
127名無しさん@実況は禁止です:2014/01/31(金) 13:25:22.37 ID:r5Wd/tee0
保守
128名無しさん@実況は禁止です:2014/01/31(金) 16:44:04.27 ID:o4OdsPyb0
スーパー保守(=´∀`)人(´∀`=)!
129名無しさん@実況は禁止です:2014/01/31(金) 17:21:17.29 ID:1NxZPCY+0
保守
130名無しさん@実況は禁止です:2014/01/31(金) 18:16:06.03 ID:B9hO7EUsP
みんな読んでるか?
落ちる前に読んでおけよ
131名無しさん@実況は禁止です:2014/01/31(金) 20:57:35.39 ID:r5Wd/tee0
危ない
132名無しさん@実況は禁止です:2014/01/31(金) 21:49:43.16 ID:FFxrVeZq0
みんな読んでね^^
133名無しさん@実況は禁止です:2014/01/31(金) 22:13:07.67 ID:S51Cb3pI0
マジすか学園4-主演・小嶋真子〜番外編〜
134名無しさん@実況は禁止です:2014/01/31(金) 22:36:56.58 ID:9FI/BvhO0
優子さんが卒業発表した今、マジすか1は涙なくして観れない。
135名無しさん@実況は禁止です:2014/01/31(金) 23:56:13.06 ID:uObEoxwD0
136名無しさん@実況は禁止です:2014/02/01(土) 00:58:20.94 ID:ibQRo77R0
137名無しさん@実況は禁止です:2014/02/01(土) 01:42:04.40 ID:NyRzat+R0
あげ
138名無しさん@実況は禁止です:2014/02/01(土) 04:29:16.41 ID:ibQRo77R0
139名無しさん@実況は禁止です:2014/02/01(土) 04:31:06.90 ID:0sSl3mwPO
保守
140名無しさん@実況は禁止です:2014/02/01(土) 05:28:39.25 ID:hqYQxMc80
「あの噂聞いたか?マジ女の“センター”が“転校生”に負けたって」
141名無しさん@実況は禁止です:2014/02/01(土) 05:38:48.46 ID:NyRzat+R0
マジすか学園5-主演・山本彩〜てっぺんまでの道のり〜
142名無しさん@実況は禁止です:2014/02/01(土) 08:23:53.01 ID:QJzlz6gu0
白間さんを出演させてください( ;´Д`)
http://i.imgur.com/N7JdP7E.jpg
143名無しさん@実況は禁止です:2014/02/01(土) 08:35:50.97 ID:N06iHmgH0
ストーリーはろくでなしブルースを引用したらいいよ
144名無しさん@実況は禁止です:2014/02/01(土) 10:48:50.91 ID:QJzlz6gu0
145名無しさん@実況は禁止です:2014/02/01(土) 13:52:44.69 ID:NyRzat+R0
浮上
146名無しさん@実況は禁止です:2014/02/01(土) 14:34:20.26 ID:QJzlz6gu0
( *´Д`)
147名無しさん@実況は禁止です:2014/02/01(土) 14:37:42.30 ID:QJzlz6gu0
148名無しさん@実況は禁止です:2014/02/01(土) 18:03:03.25 ID:NyRzat+R0
いいぞ
149名無しさん@実況は禁止です:2014/02/01(土) 20:03:32.18 ID:QJzlz6gu0
150名無しさん@実況は禁止です:2014/02/01(土) 22:16:21.33 ID:QJzlz6gu0
151名無しさん@実況は禁止です:2014/02/01(土) 23:54:10.77 ID:sFiKiFtJ0
152名無しさん@実況は禁止です:2014/02/02(日) 01:15:29.04 ID:hPsF/9810
153名無しさん@実況は禁止です:2014/02/02(日) 03:03:04.91 ID:hPsF/9810
154名無しさん@実況は禁止です:2014/02/02(日) 03:08:18.12 ID:lt6exhF5O
NMB編をサーモン先生が書いてくれるとしたらやはり山本渡辺山田の3人を軸にして他はどうなるかな?
上西と岸野が三人に近い位置で井尻城白間大田あたりも動いて欲しい
155名無しさん@実況は禁止です:2014/02/02(日) 04:23:01.58 ID:iJ+/51aG0
マジすか1
大島(卒)
篠田(卒)、板野(卒)、柏木、松井玲(SKE)、小嶋陽
仲谷(卒)、田名部、米沢(卒)、片山
宮崎、多田(HKT)、奥(卒)

前田(卒)
宮澤(SNH)、河西(卒)、倉持明日香、
指原(HKT)、仁藤(卒)、北原里英、高城(JKT)、小森(卒)

秋元(卒)、渡辺麻、峯岸、松井珠(SKE)、
矢神(卒)、小野(卒)、大家

佐藤亜、佐藤由(卒)、高橋み
156名無しさん@実況は禁止です:2014/02/02(日) 04:24:36.40 ID:iJ+/51aG0
マジすか2
横山、前田(卒)
宮澤(SNH)、河西(卒)、倉持、松井玲(SKE)、
指原(HKT)、仁藤(卒)、北原、高城(JKT)、小森(卒)
峯岸、
仲谷(卒)、田名部、米沢(卒)、片山

渡辺麻、松井珠(SKE)、

島田、山内鈴、島崎、大場、市川(NMB)


大島(卒)、高橋みなみ
篠田(卒)、柏木、小嶋陽、秋元(卒)


板野(卒)、矢神(卒)、宮崎、多田(HKT)
佐藤亜、佐藤由(卒)、
菊地あ、前田亜、佐藤す、永尾
中田ちさと、鈴木まりや(SNH)、近野莉菜、木本花音(SKE)

仲俣(卒)、阿部、入山、竹内美、中村麻
157名無しさん@実況は禁止です:2014/02/02(日) 07:38:50.56 ID:hPsF/9810
158名無しさん@実況は禁止です:2014/02/02(日) 07:45:11.25 ID:7KpRX56Q0
このストーリーはクローズ、ワーストの系譜だな
159名無しさん@実況は禁止です:2014/02/02(日) 10:09:37.91 ID:62WeYChT0
 >楽屋だと全裸で暴れてたりします(笑)

        ヽ|/
      / ̄ ̄ ̄`ヽ、
     /         ヽ
    /  \,, ,,/    |
    | (●) (●)|||  |
    |  / ̄⌒ ̄ヽ U.|   ・・・・・・・・ゴクリ。
    |  | .l~ ̄~ヽ |   |
    |U ヽ  ̄~ ̄ ノ   |
    |    ̄ ̄ ̄    |
160名無しさん@実況は禁止です:2014/02/02(日) 11:51:18.22 ID:hPsF/9810
クル━━━━(゚∀゚)━━━━!!
http://i.imgur.com/EiVWnU3.jpg
161名無しさん@実況は禁止です:2014/02/02(日) 14:38:37.42 ID:62WeYChT0
うむ、続けたまえ
162名無しさん@実況は禁止です:2014/02/02(日) 16:34:31.86 ID:i/wITm+uP
んんんんんんっ
163名無しさん@実況は禁止です:2014/02/02(日) 17:54:23.21 ID:hPsF/9810
164名無しさん@実況は禁止です:2014/02/02(日) 20:39:18.17 ID:i/wITm+uP
あげ(^人^)
165名無しさん@実況は禁止です:2014/02/02(日) 22:15:22.67 ID:hPsF/9810
166名無しさん@実況は禁止です:2014/02/02(日) 22:57:30.78 ID:62WeYChT0
 

                        { :::::;:;:;リ^|,ヾヘ..:::::::::::ヾ辷_
                       (.::;r' '    ヽ:::::::::::::::-=
                        j:;}      ..,,_ヾ::::::;;:;;z::|
  ___/ ̄/         / ̄/___   1::|,;r'".._ _ _. ‐_ "''._ヾ.,;:::}         _ノ ̄/ / ̄/
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167名無しさん@実況は禁止です:2014/02/02(日) 22:59:26.62 ID:pftEGgfw0
関西のとある高校の屋上─
カラスがベンチの背もたれに止まる。

「“スカーフェイス”やん。このカラス・・・」
近くの椅子に座る少女がカラスを見て
微笑む。
「うちと同じやな?」
少女の瞼には傷跡がある。
白いセーラー服の上から黒いファージャケットを羽織った
その少女の周りにはヤンキー風の生徒達がいる。
“ガチャ”屋上のドアから入ってきた1人の生徒が
その少女の名を呼ぶ。

─「“さや姉”!
  うちの奴らがやられたわ・・・!
  しかも・・・その相手・・・!!」

「なんや?」
難波女子高校2年・“山本彩”
は地面に置いてあった一冊の本を
手に取る。パッパッと手で汚れを払い
ぱらぱらとめくる。
生徒はさや姉に少し怯えたように
恐る恐る言葉を続けた。
「あの“柊と凪咲”らしいわ・・・」


─「“西中の黒豹と白豹”か・・・東京行ったんちゃうん?
なんでこっちにおんねん?」

「さぁ・・・」


さや姉はゆっくりと腰を上げる。
本を片手に髪をかきあげた。
「まぁ、ええわ。会いに行こか・・・」

その頃、道頓堀では2人の女子高生が人混みをかきわけ走る。
茶色いブレザーの上から黒い豹柄のロングコートを着た薮下柊と
白い豹柄のファージャケットを着た渋谷凪咲である。
ヤンキー風の生徒達に彼女達は追われていた。
「・・・墓参り来ただけなのになんでこうなんねん!
 面倒な事になったわ・・・!」
柊は少し焦った様子で声をあげると
「あんたが殴るからややこしくなったんや!!」と凪咲がつっこむ。

「しゃーないやん!喧嘩売ってきたのあっちや!」

柊が走りながらふと凪咲のほうに
顔を向けた時だった。

何かに気付いた凪咲は足を止め凪咲は険しい表情に変える。
「・・・“美瑠”さん・・・」
168名無しさん@実況は禁止です:2014/02/02(日) 23:14:07.98 ID:pftEGgfw0
柊も足を止める。2人の前に立つ
白いセーラー服を着た少女はにっこりと微笑みながら
「るんるん♪みるるん♪」と2人に歩み寄っていく。
「久しぶりやな〜。2人とも・・・。
 元気やった?」

髪型は黒髪のツインテールで黒いハイソックス。
一見、真面目そうなお嬢様にも見える
難波女子2年・“白間美瑠”に・・・
ガンギレ高校1年の頂点でもある2人が
警戒するように少し怯えていた。
柊は震えを止めるように拳を握る。
「中学ん時以来ですね・・・
 よく覚えてましたね?うちらの事・・・」

「もちろん覚えてるわ〜。
 うちらの誘い断って・・・東京逃げたんやっけ?」

「ちゃいますわ・・・家庭の事情ってやつですよ。
 だからいい加減止めませんか?
 この“鬼ごっこ”・・・」

「さや姉・・・怒ってたで〜」
─“ザッ”、
美瑠の繰り出したハイキックで柊が
地面に手を付く。
「柊・・・!!」凪咲が声をあげ柊のほうへ顔を向けた。
美瑠が凪咲の胸ぐらを掴む。
「“鬼さん”捕まえた♪」─
美瑠は不敵に微笑んだ。

 
169名無しさん@実況は禁止です:2014/02/02(日) 23:56:51.13 ID:/aAxVxim0
サーモンさん燃え尽きてなかった!?
170名無しさん@実況は禁止です:2014/02/02(日) 23:59:53.76 ID:pftEGgfw0
美瑠が凪咲に拳を向けようとした
その時─
「凪咲!!」立ち上がった柊が美瑠の
制服を掴み、美瑠を殴り飛ばす。
美瑠の黒髪が頬に触れ、
その表情を隠す。
「・・・痛いやん・・・“柊”?」

警戒するように柊と凪咲は身構える。
「来るで・・・気ぃつけぇや、凪咲」柊はそう言って目を鋭くする。

「わかっとるわ。白間美瑠・・・別名・・・」
凪咲もまた周りにいるヤンキー達には
目をくれず、美瑠だけを見据える。
通りかがった男子高校生達が
「おっ喧嘩か?」と足を止め、美瑠のほうを見ている。
「あの子可愛いじゃん」
「バカッ、止めとけ・・・殺されるぞ」
「なんで?」
「知らねーのか。あの制服・・・あいつは・・・難女の・・・」

「うちの顔に傷つけおって・・・
 お嫁に行けなくなったらどうするんやボケ・・・」
美瑠は顔をあげ鋭い眼光で
柊と凪咲を睨みつけた。
「殺すぞ!ワレェ!?」─

─「別名、血みどろ美瑠!」─
171名無しさん@実況は禁止です:2014/02/03(月) 01:09:16.51 ID:DTTGFIV50
新作キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
172名無しさん@実況は禁止です:2014/02/03(月) 01:54:27.47 ID:7f0SPJE7O
新作だぁ
白間のキャラが楽しみ
173名無しさん@実況は禁止です:2014/02/03(月) 06:35:24.83 ID:DTTGFIV50
174名無しさん@実況は禁止です:2014/02/03(月) 06:36:32.56 ID:zIyk235X0
スレが残ってたので書いてみましたが
何も考えていないのでかなり遅い更新になるとおもいます(>_<)
175名無しさん@実況は禁止です:2014/02/03(月) 06:40:10.89 ID:ch0XiaDN0
>>174
乙です。
楽しみに待ってます。
176名無しさん@実況は禁止です:2014/02/03(月) 09:23:21.17 ID:2Ljo5YLNP
177みなるん推し:2014/02/03(月) 10:01:45.31 ID:RFFosdd20
昔 野ブタをプロデュース というドラマも あるファンが 続編を望み
その後のストーリーをこうやって書いてたスレあったな
が、しかし 続編は作られなかった。
マジすか4は、作ってほしい 学園ものでな
178名無しさん@実況は禁止です:2014/02/03(月) 10:34:21.56 ID:2YAaMqi20
179名無しさん@実況は禁止です:2014/02/03(月) 11:48:42.88 ID:w42nICh60
キタワア*・゜゜・:..。.:*・゜(n'∀')η.*・゜゜・:.。..。.:*
180名無しさん@実況は禁止です:2014/02/03(月) 11:58:41.33 ID:OT3XmVet0
スポンサーは宝酒造ですか?
181名無しさん@実況は禁止です:2014/02/03(月) 12:42:22.40 ID:7f0SPJE7O
>>174
落ちないように保守し続けます
落ちたらまた立てますよ
でも、サーモンさんのペースでいいですので満足する展開をUPしてくれるのをまったり待ちます
182名無しさん@実況は禁止です:2014/02/03(月) 15:24:04.69 ID:TS11N51H0
183名無しさん@実況は禁止です:2014/02/03(月) 17:00:11.80 ID:p9jeL+y30
184名無しさん@実況は禁止です:2014/02/03(月) 19:29:12.36 ID:2Ljo5YLNP
185名無しさん@実況は禁止です:2014/02/03(月) 20:33:36.62 ID:2Ljo5YLNP
186名無しさん@実況は禁止です:2014/02/03(月) 21:55:06.17 ID:DTTGFIV50
187名無しさん@実況は禁止です:2014/02/03(月) 23:43:29.04 ID:PsBT5hFl0
>>181
スレが落ちたら読者がまた立てる、ってのはどうかな・・・
プレッシャーになるでしょ。
俺が当スレを保守ってる理由は、1人でも多くの人達に当作品を読んで欲しいから。
188名無しさん@実況は禁止です:2014/02/04(火) 00:30:04.53 ID:kew0orqP0
あげとくなっしー
189名無しさん@実況は禁止です:2014/02/04(火) 01:32:21.52 ID:CaIKoKOQ0
ぶちギレた美瑠の最初の狙いは“薮下柊”。
美瑠は柊の胸ぐらを掴み、力ずくで引き寄せ
“ドカッ”、額に頭突きを喰らわす。
「・・・!」一瞬怯んだ柊だが、
鋭い眼光でにらみ返すと、
“うらぁ!!”と美瑠に頭突きをやり返した。
美瑠は額を押さえ、後ずさりする。
額から流れる血を手で触れ、
手の平に付いた血を見る。
「・・・やるやんけ・・・」

美瑠が顔を上げた時には、
柊の“追撃”はすでに彼女を捉えようとしていた。
高くジャンプした柊が振り下ろす
“渾身の一撃”。
“バシッ”─美瑠の顔面を再び捉える。

柊は何かに焦るように美瑠への攻撃の手を休めない。
左の蹴りで脇腹を狙った。
「・・・!」
柊の蹴りを抱えこむように掴む美瑠。
不敵に微笑み、素早く柊の軸となっていた足を払う。
態勢を崩し、地面に尻もちを付く柊。
“ドカッ”美瑠は、即座に髪を掴み、
顔面に跳び膝蹴りをたたき込む。
「・・・!!」柊の顔面からは血が流れた。
髪を掴み、美瑠が覗きこむように不敵に微笑みかける。
「すまん、すまん。顔はあかんよなぁ?・・・なぁ!?」
“ドカッ”もう一撃。
柊の顔面に容赦なく膝蹴りを加える。
パッと手を放した美瑠。
柊は地面にバタリとうつ伏せに倒れた。
美瑠の顔面には返り血が付き
不敵に微笑む姿は不気味なほどだった─
「あんたら・・・東京“では”強いんやって?
 “レベル”低いなぁ・・・関東は・・・」
190名無しさん@実況は禁止です:2014/02/04(火) 06:40:02.25 ID:1gTFU0V40
191名無しさん@実況は禁止です:2014/02/04(火) 09:19:23.58 ID:HeJkMx63P
192名無しさん@実況は禁止です:2014/02/04(火) 09:38:08.05 ID:CaIKoKOQ0
近くにあった空き缶を“グシャ”と踏み潰す美瑠は、
倒れた柊を見た後、凪咲のほうへも顔を向ける。
「気に入らんなぁ・・・“マブダチ”やられて何余裕かましてるんや?
 柊にトドメ刺すで?」

凪咲はポケットに手を入れたまま
ふっと微笑する。
「うちの“ダチ”は・・・まだやられてへんわ」

「ウケるわ、寝てるやん」美瑠は柊を蹴飛ばし仰向けにする。
柊は苦しそうに微かに目を開け、呟いた。
「・・・東京が・・・なんやって?」

「はぁ?聞こえんわ!!」ローファーにハマった
潰れた空き缶で・・・
そのまま柊の顔面を踏み潰そうとする。

“ガシッ”足首を掴む柊。
目をしっかりと開き鋭い眼光で美瑠を睨む。
「レベル低い?もう一度言うてみぃ・・・」

「・・・!柊・・・!」美瑠は驚いた顔つきで
見下ろす。
その瞬間、柊はくるりと体を回転させ、
両足を高く上げ美瑠の首を両足で挟み、
「ドカッ!」投げ飛ばす─

美瑠は地面に背を付け倒れ込んだ。
首を押さえ、苦しそうにゆっくりと立ち上がる。

「・・・舐めた真似してくれるやないか・・・」

美瑠は首をコキッと鳴らし言葉を続ける。
「クソガキが・・・」

柊はふぅーと深呼吸した後、ゆっくりと身構える。
「東京には・・・あんたより強い“奴”・・・きょーさんおるで?
 “レベル”の違い、見せたるわ」
193名無しさん@実況は禁止です:2014/02/04(火) 10:41:00.74 ID:ffnDUFca0
194名無しさん@実況は禁止です:2014/02/04(火) 12:32:08.77 ID:rbhw062T0
195名無しさん@実況は禁止です:2014/02/04(火) 15:51:52.11 ID:fLJQdbMh0
196名無しさん@実況は禁止です:2014/02/04(火) 15:54:15.84 ID:kew0orqP0
保守なっしー
197名無しさん@実況は禁止です:2014/02/04(火) 17:31:11.10 ID:BPy6I7Ty0
198名無しさん@実況は禁止です:2014/02/04(火) 18:57:26.70 ID:CaIKoKOQ0
美瑠は柊の目を見据える。
「・・・この街から出たあんたは知らんのや・・・。
 うちらは負けるわけにはあかん。
 負けたら“さや姉”に何されるか・・・」

柊と凪咲はその名を聞き、驚いた表情に
変えた。2人は知っていた。
美瑠が口にしたその名を・・・
凪咲は少し笑みをこぼしながら美瑠
に視線を向けた。
「あんたらの頭って“さや姉”さんなんか。
 街中でこんな無法者みたいな真似しとったら怒られるで。
 あの人はむやみに絡んだりするの嫌いやろ」

「“以前”のさや姉はそうやった。
 変わったんや。
 あの“事件”が・・・さや姉を変えたんや」

美瑠はどこか悲しそうな顔でそう言った。
美瑠の脳裏をよぎる“あの”時のさや姉の姿─

おびただしい血を腹から流す“友”を、
泣き叫びながら抱きかかえるさや姉。

「“楓子”!!・・・こんなん嫌や!
 目ぇ覚ましてや・・・楓子!!!」──

中学で難波から去った凪咲と柊は知らなかった。
あの事件を・・・
柊は問う。
「なんや・・・事件って。何があった?」

「・・・“ヤクザ”の娘に生まれたばっかりに・・・
 あんな悲しい事件が起きたんや・・・」

美瑠が言葉を続けようとしたその時だった。
辺りがガヤガヤとざわつき、
誰かに道を開けるように人混みが割れる。

「美瑠、それくらいにしとき・・・」

柊達はもちろん、ギャラリー達もその声が聞こえたほうへ顔を向けた。
ぞろぞろと後ろに仲間を引き連れた
1人の少女の姿に、その場にいる者達は目を奪われた。

「難波女子や・・・」
「あの“横山組”と戦争したっていう・・・」
「真ん中におるスカーフェイスがこの街のてっぺん・・・」

─「・・・“山本彩”」─
199名無しさん@実況は禁止です:2014/02/04(火) 19:30:58.98 ID:HeJkMx63P
200サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/04(火) 21:51:35.64 ID:CaIKoKOQ0
柊と凪咲はさや姉の姿に驚きを隠せない様子だった。
自分達の知るさや姉とかどこか違う。
身に纏う危ない“空気”。
そして獲物を射るような鋭い眼光。
柊は思わず囁く。
「なんでそんな目ぇしてんねん・・・・」

そして凪咲はさや姉の後ろにいる
者達に視線を向け、驚いたように口にする。
「“山田奈々”に“上西”・・・そして“みるきー”・・・
 二個上の有名人ばかりやないか・・・・」
凪咲はその集団の中にいた
“黒い傘”をさした幼い顔だちの少女に目を細める。
「・・・あいつ・・・どこかで・・・」

さや姉はゆっくりとした足取りで
美瑠に歩み寄る。
近くにいた凪咲と柊は警戒するように
サッと身構えた。
だがさや姉は2人を睨みつける。

「さや姉・・・・・・」
美瑠がそう囁くと、さや姉は美瑠の肩に
手をポンッと置く。
「何余計な事喋ってんねん」

“パシッ”─  

美瑠の頬を手の平で叩くさや姉。
美瑠は俯き、頬を押さえる。
「・・・すんません」 

さや姉は柊と凪咲のほうへ顔を向ける。
「懐かしい顔やな。
 あんたらが中1の時か?うちに2人で挑んできたのは」

「・・・・・今でも覚えてますわ。
 ボロボロに負けたうちらにジュース、
 奢ってくれました・・・」
凪咲はそう言ってさや姉の目を見据えると、
柊が言葉を続けた。
「あん時のあんたの優しい笑顔・・・忘れられませんわ。
 いつか・・・あんたみたいな人になりたい・・・
 うちはそう思いました。
 けど、変わりましたね・・・
 昔のあんたは、仲間に手をあげるような事・・・絶対しない人やった」

みるきーは神妙な顔つきで柊の言葉を
聞いていた。
目を閉じて悲しそうに首を横に振るみるきー。
「あのな・・・さやかは・・・」

みるきーが何かを言おうとすると
「言わんでええ」とさや姉が言葉を遮る。
そしてさや姉は柊と凪咲の前に立つ。
「“難波”から出ていったモンは何も
 知らんでええ。
 ・・・・・・何も知らんまま“東京”に帰れ」
201名無しさん@実況は禁止です:2014/02/04(火) 22:43:08.96 ID:1gTFU0V40
202名無しさん@実況は禁止です:2014/02/04(火) 22:53:38.22 ID:1gTFU0V40
203サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/04(火) 23:24:26.17 ID:CaIKoKOQ0
“ザッ”さや姉の右拳が凪咲に向けられた。
左腕で払うように凪咲はガードするが、
さや姉の左のハイキックが凪咲のこめかみに叩きこまれる。
「・・・!」地面に手を付く凪咲。
「いきなり何すんねん・・・!」

さや姉は冷たい眼光で見下ろす。
「“ウチ”の奴らが絡んだ事は謝るわ。
 けど、少ししゃしゃりすぎやで・・・。
 “仲間”の仇取らせてもらうで」

凪咲はゆっくりと立ち上がり無理に
笑顔を作る。
「・・・何が仇や。そんな目しとらんで?」

そして柊もまた拳を握る。
「うちらは正当防衛したまでや。
 “大義”はこっちにあるの分かってるやろ。
 何があったか知らんけど・・・暴れたいだけちゃうか?」

さや姉は不敵に笑みを浮かべ・・・
“ドカッ”柊を殴り倒すさや姉。
「“大義”ならうちにもあるわ・・・」

立ち上がり飛びかかってきた柊の拳を避け、
さや姉は膝蹴りを腹部に喰らわせる。
「・・・!」腹を押さえ、跪く柊。
凪咲が声をあげながらさや姉に殴りかかる。
“ザッ”さや姉の後ろ回し蹴りが、
凪咲の頭に直撃した。

さや姉は倒れた2人を厳しい表情で見つめる。

─「その大義のためなら・・・うちは悪にでもなるわ」─

“おらぁ!”─さや姉の拳が返り血に染まる。
─みるきーは思い詰めた表情で
2人と戦うさや姉の姿を見つめる。

・・・さやか。
昔のあんたならこんな事・・・せえへんかった。
見てられんわ。
こんな事しても“楓子”はもう・・・
戻ってけえへん。
止めるんや・・・

「止めるんや!!さやか!」
204名無しさん@実況は禁止です:2014/02/04(火) 23:25:42.54 ID:1gTFU0V40
205サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/04(火) 23:26:03.54 ID:CaIKoKOQ0
みるきーの声はさや姉の拳を止めた。
柊と凪咲は傷だらけだが、
まだ向かっていく・・・そんな目をしていた。
「なんや?」さや姉は顔に返り血を付け振り返る。
みるきーはさや姉を見据え訴えるように語りかけた。
「もう止めにしようや?
 ・・・それじゃあんたを庇って死んだ“楓子”が浮かばれへんわ。
 今のあんたの姿見たら悲しむで・・・」

「楓子さんが死んだ?・・・なんや、何の話や、それ・・・」
柊と凪咲は動揺を隠せなかった。

「・・・そうかもしれへんな・・・」
さや姉は地面を見るように俯き、
拳を握りしめる。

「さやか・・・。難波を離れてたこの2人にも
 知る権利はあるで。楓子の事を知ってるんや」
みるきーは事件を知らない2人に、全てを話した。
「・・・そんな事が・・・」
2人は動揺を隠せなかった。
だが、それが本当ならさや姉の変わりようにも納得がいく。
何より、周りにいるさや姉の仲間達の目が
真実だと物語っていた。
柊はさや姉のほうへ顔を向ける。
「その目の理由はそれか・・・・・」

俯いたままのさや姉が口を開く。
さや姉しか知らない“真実”が語られる。
「その話には続きがある・・・
 “楓子”を殺した奴は・・・今も“東京”でヤクザやってる・・・・
 下っ端に罪を被らせたんや」

さや姉は拳をぎゅっと堅く握りしめる。

─「うちが“罰”を与えるしかないやろが」
206名無しさん@実況は禁止です:2014/02/05(水) 00:50:03.05 ID:nN8T2sSS0
おもしろい
207名無しさん@実況は禁止です:2014/02/05(水) 03:25:25.34 ID:lJ2lDohF0
あげ
208名無しさん@実況は禁止です:2014/02/05(水) 06:39:43.79 ID:tyiYKCri0
209名無しさん@実況は禁止です:2014/02/05(水) 09:17:25.87 ID:ugB+RSOcP
210名無しさん@実況は禁止です:2014/02/05(水) 11:14:38.02 ID:0STfkEcq0
211サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/05(水) 11:53:39.64 ID:bROjQQms0
みるきーは震えた声で呟く。
楓子を拳銃で撃った人間の名を。

─「“木村”・・・」─

さや姉の言葉に柊達はもちろん、みるきーや山田といった
当時を知る仲間達は驚きを隠せなかった。

楓子の死を受け入れられず、抑えきれない
悲しみや怒りがさや姉を変えた。
  
皆はそう思っていた。
たが、それだけではない。
さや姉の目的は・・・

山田奈々は青ざめた顔つきで口を開く。

「“復讐”する気なんか・・・」

相手は人殺し・・・
みるきーを助けた時とは状況が違う。
さや姉の考えに、仲間達は戸惑いを隠せなかった。
「冗談やろ・・・」
「あんなんもう御免やわ・・・」

さや姉は冷たい視線を仲間達に送る。
「なんや・・・。楓子の仇とりたくないんか?
 てっきり皆ついて来てくれる思ったわ・・・」

仲間達は言葉を返す事ができなかった。
あまりに突然の告白に沈黙せざる得ない。
その沈黙を破ったのは・・・
“柊と凪咲”だった。
柊はさや姉を見据える。
「ここにもおったか・・・周りが見えておらん奴が。
 昔の“真子”みたいやな」

凪咲はふっと微笑し、さや姉と目を合わせる。
「皆で復讐ってなんやそれ。
 “山本組”を復活させた気になっとったんか?
 とんでもない事考えよるわ」

さや姉は2人を鋭い眼光で睨めつける。
「部外者は黙っとれや」

凪咲はさや姉のほうへと足を進める。
怯む事なく真っ直ぐ見据えている。
「あんたらの“仲間”は、もう前に進みたいんちゃうか?
 止まってるのはあんただけやで」

「なんやと・・・」

「“復讐”なんてあんたのエゴや。
 違うか?」

「・・・黙らんかい・・・!」
さや姉の拳を避ける凪咲。
凪咲は拳を地面スレスレから突き上げていく。
凪咲のアッパーカットがさや姉を狙った。
“ドカッ!”顎に直撃し、2、3歩後ずさりするさや姉。
212サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/05(水) 12:03:27.92 ID:bROjQQms0
完全に捉えていたはずだった。
凪咲は驚いた表情でさや姉を見据える。
「嘘やろ・・・」

「・・・なんや?それ」
さや姉は倒れず、 凪咲の胸ぐらを掴み
思いきり殴り飛ばした。
地面に手を付いた凪咲に近づいていくさや姉。
しかしその時、橋の入口を固めていた
仲間の1人がさや姉のところに駆けつける。
「警察や!」

さや姉は静かに柊と凪咲に背を向ける。

「待たんかい!まだ終わっとらんぞ!」
凪咲は立ち上がり、さや姉の肩を掴む。
さや姉は鋭い眼光で凪咲を睨む。

「“一週間後”。
 うちら“東京”に修学旅行なんや・・・」

「なんやと・・・」

「会いにいったるわ。あんたの高校なんてところや?」

柊と凪咲はさや姉を鋭い眼光で睨み、
声を揃えて言った。

─「“ガンギレ高校”」─
213サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/05(水) 12:05:40.32 ID:bROjQQms0
さや姉は不敵に笑みを浮かべ、仲間達を
連れその場から去っていった。
柊と凪咲もすぐにその場から走り去る。
難波で起きたこの一件は、ガンギレ高校だけでなく
やがて東京にいる“彼女達”をも巻き込んでいく。

一週間後─
“落書き”だらけの学校の屋上のベンチで横になる小嶋真子。
「ふぁ〜」とあくびをし、青空を見つめる。
「平和だな〜」

“ガチャ”ドアを開けた大島涼花。
「おい真子!・・・なんだよ〜若者が寝るな!」

「ていっ!」相笠萌が寝ている真子の額に
チョップをすると、
真子は「痛っ!」と起きあがる。
「なにすんだよ!!」

両手を後ろで組み、ひょこっと真子の
前に顔を出す西野未姫。
「“動くよ”〜。真子ちゃん」

「“動く”?」真子は相笠にやられた
額をこすりながら未姫を見つめる。
するとそこに岡田奈々が歩み寄る。
「ガンギレの“柊”から電話があった。
 ヤバい事になってるから力を貸してくれって」

未姫が「行くぞ〜!」と拳を天に突き上げると
相笠と涼花も「お〜!」と腕を伸ばし、涼花が叫ぶ。
「マジ女出動〜!」

真子は「ん〜!」と背伸びをする。
「“相手”は?」

─「“関西”からの客だ」
214名無しさん@実況は禁止です:2014/02/05(水) 12:23:04.41 ID:ugB+RSOcP
215名無しさん@実況は禁止です:2014/02/05(水) 14:26:22.38 ID:/lIXWYhh0
216みなるん推し:2014/02/05(水) 14:33:28.31 ID:fQ7EH48B0
マジすか4 は、NMBも出すべきだよな さやねー ヤンキー役にあうし
みるきーは、ねずみみたいなギャップのある役か、そのまんまの癒しキャラ 
どちらもおもしろいが
217名無しさん@実況は禁止です:2014/02/05(水) 15:44:09.60 ID:PAEuIoEI0
218名無しさん@実況は禁止です:2014/02/05(水) 18:11:20.63 ID:ugB+RSOcP
219名無しさん@実況は禁止です:2014/02/05(水) 19:43:22.14 ID:tyiYKCri0
220名無しさん@実況は禁止です:2014/02/05(水) 20:47:17.08 ID:7vL3hlNg0
221名無しさん@実況は禁止です:2014/02/05(水) 20:50:00.75 ID:JjUxhid6O
リアルさや姉、ケンカ弱そうw
222名無しさん@実況は禁止です:2014/02/05(水) 21:05:17.44 ID:MIYJyq0x0
いやいやいやどー見ても強そうやろ
223サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/05(水) 21:58:16.17 ID:bROjQQms0
ガンギレ高校近くの喫茶店にて─
凪咲の声が店内に響きわたる。
「はぁ!?真子達が来る?!」

「そうや。助っ人や」
“ちゅー”とストローでジュースを
静かに飲むすまし顔の薮下柊。
“バン!”とテーブルを叩く凪咲。
「マジ女に助っ人頼むなんてアホか!
 あんたプライドないんか?!」

柊は凪咲の目を真っ直ぐ見つめる。

「あるわ。うちらの高校守らなあかんっていうプライドや。
 さや姉達が本気になったら・・・1日で潰されるわ。
 あんたも見たやろ?あの黒い傘さした奴・・・ただモンやないで。
 そいつだけやない・・・
 うちらとタメの“女帝”木下春奈もおった」

「あいつもおるんか・・・
 けど、あいつ1年やろ。修学旅行に行けん」

「そんなんさや姉がなんとかするやろ。
 ・・・ヨソの高校行ったら頭張れるような奴ばかりやわ」

「せやかて・・・何もマジ女じゃなくてもええやん」
凪咲は不服そうに静かに腰を下ろす。
柊はそんな凪咲に記憶をたどるように
語りかける。

「“あいつ”なら・・・真子ならなんとかしてくれる。
 そう思ったんや」─

─半年前、とある公園で行われた
各ヤンキー校1年の頂点達と真子達の激闘。
ほぼ互角の戦いのなか、最後は
真子と綾巴のタイマンとなった。

─「私の負けだ・・・」

真子に負けた綾巴は後日、ZEROを抜け事実上解散する形となった。
凪咲は何かを思いだしふっと笑みを浮かべる。
「あの後“皆でラーメン食べに行こう!”
 って言い出したの真子やったか。
 めっちゃ口に染みたわ・・・旨かったけど」

「綾巴だけは行かなかったなぁ・・・
 プライド高いからしゃーないけど。
 ずっと・・・連絡ないなぁ」─

─真子達が柊達のところへ向かっていた頃、
マジ女の生徒が使う駅に、白いセーラー服を着た少女達が次々と降り立つ。
柊と凪咲を狙う関西の“強者達”。
“木下春奈”が階段を降り始めると、50人はいる仲間達が後に続く。
ピタリと足を止める春奈。

「あかん、降りる駅間違えたわ」──
224名無しさん@実況は禁止です:2014/02/05(水) 22:03:16.78 ID:BQG0d0S50
で、天使に見せかけた悪魔のような天使の
りぃちゃんと炭酸はでるんかね?
http://lh4.googleusercontent.com/-S3AhOgQeaIU/Uue0uZdP2kI/AAAAAAACXo0/brxNHdvCndE/s0/28+-+1.jpg
225名無しさん@実況は禁止です:2014/02/05(水) 22:26:19.65 ID:MIYJyq0x0
女帝木下春奈wぴったり
226名無しさん@実況は禁止です:2014/02/05(水) 23:26:51.65 ID:5ngvEyfiO
間違えるなよw

ヤバい壮絶に楽しみだわ
227名無しさん@実況は禁止です:2014/02/05(水) 23:46:07.09 ID:ahG2t/zc0
緊張と緩和ww
228名無しさん@実況は禁止です:2014/02/06(木) 00:22:13.67 ID:y+yQK56hO
>>227
都筑Pおつかれさまですw

黒傘は木下桃花かな
229名無しさん@実況は禁止です:2014/02/06(木) 00:34:04.61 ID:adO9lHX60
須藤かも知れんで黒傘もしくはレモンかりぽぽ
こうやって登場人物が増えて来たらNMBには
ヤンキ−の似合うタレントが多いわ
230サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/06(木) 01:41:32.36 ID:2FUgYdYE0
春奈が止まると、後ろにいた少女が
「あっ・・・」と足を踏み外し
階段から転げ落ちる。
春奈が5段ほど上から「おい、大丈夫か?」と声をかけると、

少女は膝を付きながら振り返り
春奈を睨め付ける。
「アホか!いきなり止まるな!」
と声を荒げた。
「悪い“夢莉”、まさかそんな新喜劇みたいな事
 になるとは思わんかったわ」
春奈が降りようとしたその時、

階段を転げ落ちた“太田夢莉”に
手を差し伸べるマジ女の“相笠萌”。
「大丈夫か?凄い回転してたぞ」

「おっ・・・すまんすまん」と夢莉は
手を掴み立ち上がる。
夢莉は階段にいる春奈に叫ぶ。
「この人を見習えアホ!誰かさんと違ってめっちゃええ子やわ」

「アホアホうるさいわ。
 けど・・・あんたええ奴やな、名前は?」

「萌だよ。マジ女の相笠萌」

「うちは春奈や。この転げ落ちた奴は夢莉、よろしくな」
春奈は相笠に手を差し伸べると
「おう!それにしても凄い集団だな〜
 あんたらの制服見た事ないけど・・・」相笠は握手する。
春奈は一瞬、相笠の手を見て
不敵に微笑む。
「あぁ、実はな。うちら修学・・・」

相笠は「あ!」と何かを思い出したように
手を放しその場を去ろうとする。
「悪い!ダチが待ってるんだ!またな!」
階段を駆け上がっていく相笠に
春奈と夢莉は「またな〜」と手を振る。
夢莉は相笠の去った方も見つめる。
「ええ子やわ〜。もう会えへんやろな〜残念やわ」

春奈は不敵に微笑む。
「いや、また会うと思うで・・・」

「なんでや?」

「あの子の拳、あれ喧嘩慣れしてる証拠や。
 うちらがこの街で暴れとったら会うかもしれん」

「“敵”として・・・やろ?
 まぁ、それもドラマチックでええな」
夢莉はそう言って駅の“外”に顔を向ける。
地面に落としたままの薄い学生カバンを手に持つ。
「さて、行こか。“ガンギレ”狩りや」
231名無しさん@実況は禁止です:2014/02/06(木) 01:51:21.17 ID:o0SoD7D70
ゆーり登場か
232名無しさん@実況は禁止です:2014/02/06(木) 06:35:54.41 ID:XKP+cAUH0
233名無しさん@実況は禁止です:2014/02/06(木) 10:44:40.71 ID:M3qZS6fQ0
234サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/06(木) 11:28:56.65 ID:2FUgYdYE0
春奈もまた仲間に持たせていたジャケットを
手に取りバッと広げ身に纏う。
背中に“女帝 参上”と刺繍が施されている。
長い髪をオールバックにして束ねる春奈。
「パーティーの始まりや!」

「おー!」と声を上げる総勢50名の
難波の者達。
春奈は気合いを入れるように声をあげる。
「“本隊”が来る前に終わらしたれや!!」

“おー!”

「敵は茶色いブレザーのガンギレ高校!
 見つけたら連絡するんや!!」

“おー!”

「うちらは最強難波〜・・・」

“てっぺんとったんで!!!”

難波軍が声を揃えると、
“バッ!”春奈が最後に拳を天に突き上げ叫ぶ。

─「行くぞコラァ!!散れ!」─

春奈がそう言うと難波の者達は
それぞれ街中へと散っていた。
呆気にとられた顔つきで美瑠はその様を見ている。
「駅、間違えたのに散ってどうすんねん」

「あ・・・」─

難波の者達が動き出した頃、
真子達と合流するため電車に乗る“相笠”は
「あ!」と何かに気づいたように声をあげた。
真子と奈々の会話を思い出す。
─“相手は?”

 “関西からの客だ”─

「そういえばさっきの奴ら関西弁だったような・・・」

相笠はようやく気付く。

「敵ってあいつらかよ!
 どうする・・・引き返したほうがいいかな・・・」

腕を組む相笠は「ん〜」と考えている様子だ、
そして、考えるのを止めた。
「まぁいいか。とりあえず真子達と合流しよう」─
235名無しさん@実況は禁止です:2014/02/06(木) 12:27:44.22 ID:VJJ9nMZJ0
236名無しさん@実況は禁止です:2014/02/06(木) 14:07:07.38 ID:XWt+tiP6P
237名無しさん@実況は禁止です:2014/02/06(木) 15:56:38.00 ID:XWt+tiP6P
238名無しさん@実況は禁止です:2014/02/06(木) 18:46:13.29 ID:XWt+tiP6P
239名無しさん@実況は禁止です:2014/02/06(木) 19:36:30.25 ID:XKP+cAUH0
240名無しさん@実況は禁止です:2014/02/06(木) 21:04:26.53 ID:3948jyvp0
241サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/06(木) 21:20:50.45 ID:2FUgYdYE0
そして春奈が言っていた難波の“本隊”は・・・
さや姉が数人の仲間を連れ、とある街の繁華街を歩く。
“上西”はポケットに手を入れながら
隣にいる山田菜々に声をかけた。
「ホンマに“復讐”する気なんかな・・・」

「するやろ。そのために喧嘩して名上げてたんちゃうかな」

「なんでや?」

「“木村”に追い込みかけてたんや。
 “山本組”はここにいる・・・
 お前を許さない・・・ってな」

「・・・山本組・・・うちはそんなん入ったつもりないわ」
上西はそう言ってさや姉の背中を見据える。
行き先も告げられず、たださや姉の後を付いていく仲間達。
“みるきー”はクレープを食べながら
楽しんでいる様子だ。
さや姉は2人組の“女子高生”に何かを尋ねている。
その様子に気付いたは山田菜々がさや姉に声をかけた。
「どこ行こうとしてんねん?」

その女子高生の後を歩くさや姉は
振り返らずに答える。

「もうすぐ分かる」

ピタリと足を止めた2人組の女子高生。
「ここだよ。その住所」

仲間達は呆気に取られた様子でその場所を見つめ、
さや姉のほうに顔を向ける。
「なんや?“何もない”やん」

そこは空き地だった。

さや姉は女子高生の胸ぐらを掴む。
「どういう事や・・・なんでおらんねん・・・
 “木村組”はここのはずや!!」


“木村”の名を聞き、驚いた顔つきで
クレープを落とすみるきー。
髪の長いその女子高生はさや姉の手を掴み、
そっと服から放す。
「木村組は・・・もうここにはないよ。
 組長の木村が姿を消したって噂がある」

難波の仲間達は驚いた顔つきでさや姉の姿を見つめる。

さや姉は本気で殴り込むつもりだった。

その場所に来て彼女達はようやく実感する。
自分達が恐ろしい事に巻き込まれる寸前だった事を。
上西は動揺した顔つきでさや姉に声を荒げた。
「な・・・なに考えてんねん・・・
 あんた正気やないで?!」
242サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/06(木) 21:24:01.45 ID:2FUgYdYE0
さや姉は上西の言葉が聞こえていない
様子で呆然と何もない土地を見つめている。

「・・・なんやそれ?今まで何のために・・・」
さや姉はガクッと地面に膝を付く。

「木村・・・!!」
“ドカッ”拳を地面に叩きつける。
みるきーがそっとさや姉の肩に手を置く。
「さや姉・・・もう復讐なんてええやん。
 また皆で楽しくバンドとかやろうや・・・」

山田菜々もまたさや姉に歩み寄る。
「そうや・・・もう充分苦しんだやないか。
 喧嘩してる時のあんた・・・すごい苦しそうやった」

「・・・足りん」
“バッ”さや姉はみるきーの手を払い
ゆっくりと立ち上がり、空き地を見つめる。
「楓子の苦しみはこんなんやない・・・。
 うちが許されるとしたら・・・
 それは、木村をこの手で殺した時だけや」

復讐に取り憑かれたさや姉の覚悟ある言葉に
仲間達はどんな言葉を返したらいいのかわからなかった。 
沈黙を破ったのは、さや姉達をここまで案内した女子高生だった。

「復讐なんて物騒だな〜。まだ高校生なのに。
 友達は付いていけないって言ってるよ?」

髪の長いその女子高生がそう言うと、
隣にいるあどけない顔立ちの女子高生は
「“芽瑠”、言い過ぎ」と焦った様子で服を引っ張る。

「あんた・・・!」
難波の者達は芽瑠と呼ばれた少女を見つめる。
さや姉もまた芽瑠へと顔を向ける。
芽瑠は少し微笑んだ顔つきで言葉を続ける。

「代わりに伝えてあげたよ。
 皆、君にビビって言えないだろうから。
 それと・・・君がもし喧嘩屋なら・・・それは“本能”だよ。
 復讐だとか、自分への罰だとか・・・ただの綺麗事じゃないかな?」

芽瑠の言葉にさや姉は目つきを変える。
「なんやと・・・」

さや姉にも動ずる事なく、真っ直ぐ目を見据える彼女。
芽瑠は聞かれる前に自分から名乗った。
「自己紹介がまだだったね。
 八木女の田島芽瑠。よろしく・・・
 君と同じ、“喧嘩屋”だ」──
243名無しさん@実況は禁止です:2014/02/06(木) 22:34:41.84 ID:XKP+cAUH0
244サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/06(木) 23:26:19.92 ID:2FUgYdYE0
「あっ、ちなみにこっちは“朝長美桜”、よろしく。
 ただの普通〜の女子高生だよ」
芽瑠がそう言って美桜の肩にポンっ手を置くが
美桜はひょこっと恥ずかしそうに
芽瑠の背中の影に隠れた。

さや姉は芽瑠のほうへと歩み寄る。
目の前に立ち冷たい目で見下ろす。

「・・・あんた、“ガンギレ”知っとるか?」

「・・・もちのろん」

「“柊と凪咲”は?」

「知ってるも何も・・・“友達”だよ」
芽瑠はにこっと笑い、片手でそっと
背中にいる美桜を身体から離した。
美桜はその意味を察し、少しだけ芽瑠から離れる。
さや姉は芽瑠の目を見据える。
「・・・あんた、うちらの事“知ってた”やろ?」

「・・・バレた?」
245名無しさん@実況は禁止です:2014/02/06(木) 23:27:59.51 ID:XKP+cAUH0
246サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/06(木) 23:36:25.41 ID:2FUgYdYE0
芽瑠がさや姉達と遭遇する前─
芽瑠の携帯が鳴った。相手は薮下柊からだった。
“関西弁の白いセーラー服を着た奴らに近づくな”
同じ街にいる者として、芽瑠を心配した柊からの警告だった。
芽瑠はふっと微笑む。
「詳しく聞いてみたら、柊も凪咲も
 全く歯が立たなかったっていうからさ。
 けど・・・そうでもないみたいだね」

「どういう意味や?」

「あいつらにやられた傷が疼くんだろ?
 だから狙ってるんだ。疼きを止めるために」
芽瑠は自分の顎をトントンと指さす。
さや姉の顎にはまだ塞がったばかりの
生々しい傷跡が残っていた。
「・・・よく喋るわ。黙らせたろか?」

「君は私の“ダチ”に似ているよ。
 闇に向かってるのが分かっているのに・・・止まる事ができない」

みるきーが叫ぶ。
「さや姉!止めえや!!」

“ザッ”さや姉の拳を受け止める芽瑠。
だが、力負けしググッと押し込まれる。
芽瑠はそれでも無理に微笑む。

「けれど・・・そいつは今、前にしかない光を見て歩いている・・・」

バッ、さや姉に蹴りを繰り出す芽瑠。
さや姉はそれをいとも簡単に避ける。
芽瑠は拳を受けた手の平を「あ〜、痛かった」とひらひらと揺らす。
そして芽瑠はさや姉を真っ直ぐな目で見つめる。

「まぁ“アイツ”の事はどうでもいいや。
 来いよ。“敵”が欲しいんだろ?」

芽瑠の雰囲気が変わる。殺気に満ちた目で
さや姉を睨む。
「東京四天王の“うち”が相手じゃ」

「やったるわ。覚悟しぃや・・・」
さや姉は芽瑠の胸ぐらを掴み、睨みつける。
芽瑠が拳を向ける。
“おらぁ!!”
さや姉の頬に当たるが、さや姉はふっと微笑んだ後・・・
芽瑠を殴り倒す。
“ザザッ”地面に手を付いた芽瑠に近づくさや姉。

─「“東京四天王”か・・・関西じゃ名無しやな」─
 
247名無しさん@実況は禁止です:2014/02/06(木) 23:57:28.95 ID:yte+j/D/0
「"保守四天王"か・・・AKB板じゃ名無しやな」
248名無しさん@実況は禁止です:2014/02/07(金) 01:54:59.43 ID:VcaItIFt0
保守
249名無しさん@実況は禁止です:2014/02/07(金) 02:47:50.33 ID:Ld2NZxCrP
オマージュですね分かります
250名無しさん@実況は禁止です:2014/02/07(金) 06:40:46.74 ID:KYgm0UCL0
251名無しさん@実況は禁止です:2014/02/07(金) 07:52:34.88 ID:Q/YyKnY/O
保守
252名無しさん@実況は禁止です:2014/02/07(金) 09:29:12.06 ID:p6FVF68z0
253名無しさん@実況は禁止です:2014/02/07(金) 10:36:29.32 ID:1L7BrKT60
254名無しさん@実況は禁止です:2014/02/07(金) 15:09:41.91 ID:z+8u19UCP
255名無しさん@実況は禁止です:2014/02/07(金) 15:12:50.69 ID:8BM71+a+0
保守アゲ
256名無しさん@実況は禁止です:2014/02/07(金) 16:05:49.69 ID:8BM71+a+0
保守
257サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/07(金) 17:14:13.78 ID:6/f5FXLn0
難波の頂点・山本彩と東京四天王の1人である
八木女・田島芽瑠が対峙していた頃、
ガンギレ高校近くの喫茶店では、
柊と凪咲がマジ女の小嶋真子達と合流していた。

「“東京四天王”?なにそれ〜?」
未姫がそう言ってマカロンをパクッと口に入れる。
ほっぺたに手を当てながら「おいしい〜」と満足げに微笑む。

凪咲が腕を組み、未姫の質問に答える。
「知らんのか。
 ガンギレ高校のうちと柊・・・
 八木女の芽瑠に、矢場久根の綾巴。
 この四人はそう呼ばれてんねん」

柊は「どや?すごいやろ〜」と未姫の頭を
ぽんぽんと笑いながら叩く。
「羨ましくない!」と
未姫はすねた様子でマカロンをまた口にする。
すると、そこにいた涼花が「ちょっと待て〜い!」と身を乗り出す。
「うちらもなんかあるだろ?
 だってお前らに勝ったじゃん!」

「・・・・・あるわ。うるさいな」
凪咲はスッと岡田奈々を指さす。
「こいつと・・・」
次に西野未姫。
「こいつと・・・」

そして最後に、テーブルに両腕を置き
顔を埋め寝ている小嶋真子を指差した。
「このレッサーパンダは・・・」

─「“マジ女三銃士”、こう呼ばれとる」

ZEROとマジ女の戦い以来、マジ女の彼女達の名はさらに広まった。
なかでも、真子を苦戦させた“夜叉”こと西野未姫と
ガンギレを動かし1年戦争で暗躍した岡田奈々、
そして矢場久根の綾巴に勝った小嶋真子。
この3人は街のヤンキー達へとその名を轟かせた。

未姫が柊の頭をぽんぽんと叩きながら
嬉しそうに微笑む。
「どうや?凄いやろ〜?」と柊の真似をしている。
「止めんかい!そのツインテール引っこ抜くで!」

「私は?」と涼花が自分を指さしている。
凪咲は興味が無さそうに「ああ、お前と“相笠”は・・・」

凪咲はサラダをパクッと口にし言葉を続けた。
「K・S・G・K〜」
258名無しさん@実況は禁止です:2014/02/07(金) 18:25:58.03 ID:z+8u19UCP
259サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/07(金) 18:30:32.35 ID:6/f5FXLn0
涼花は「おおっ!横文字か!どういう意味?」
と少し嬉しそうにしている。
その様子を見ている柊はぷっと笑いを堪えている。
凪咲は少し笑みを浮かべ答える。

「クソガキや」

“ガタッ”涼花はずっこけた後、
凪咲の胸ぐらを掴む。
「てめぇ〜!絶対お前が考えたろ!」

「ちゃうわ。道行く人に聞いてみぃ」
すると涼花は、冗談が通じない岡田奈々に顔を向ける。
すると奈々は真面目な顔で“コクリ”と静かに頷く。

どうやら本当のようだ。
「マジかよ〜“雑”だな〜」と涼花はうなだれた・・・
その時だった─
“ガチャ”喫茶店のドアが開く。
「おい!!“関西弁”の奴らもうこっちに来てるぞ!」

血相を変えた相笠萌が叫んだ。
一瞬、喫茶店が静寂に包まれた後、
彼女達は事態を察する。
ポロッとフォークからレタスを落とす凪咲。
「・・・アホか・・・早く言わんかい!!
 携帯で言えや!!」

「あ・・・確かに」と相笠は納得する。
凪咲は椅子に掛けてあった白い豹柄のジャケットを羽織る。
「どこや!?何人おった?」

「50人くらいかなぁ・・・隣の駅で降りたよ」
相笠がそう答えると、柊は落ち着いた
様子で黒い豹柄のコートを羽織る。
「少ないな。150くらいはいるはずやけど。
 顔に傷がある偉そうな人、おった?」

「・・・いや〜そこまで覚えてないな。
 “タマゴ”みたいな奴と“お嬢様”みたいな奴なら」

「木下春奈と美瑠さんや・・・。
 なるほど・・・この2人なら駅間違えた可能性あるわ」
柊が納得した様子で頷く。
260サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/07(金) 18:37:18.15 ID:6/f5FXLn0
すると、それまで黙っていた岡田奈々が口を開いた。

「そいつらが“本隊”じゃないなら・・・
 全員で行くってわけにもいかないな。
 二手に分かれよう」

「なんでそんな面倒な事すんねん」

「うちらがその別働隊と戦っている間に、
 ガンギレに本隊が来たらどうする?
 手遅れになる。念には念をだ」
そう言って奈々はゆっくりと立ち上がり
目つきを変える。
「柊と凪咲は分かれてもらう。
 別働隊の所へは“柊”、“萌”、“未姫”・・・それに“私”。
 50人なら4人いれば充分だろ」

柊は首をコキッと鳴らす。
「奈々と組むのは久しぶりやな。
 よろしく頼むで」

奈々は柊の顔を見てふっと微笑んだ後、
残る者達へと顔を向け言葉を続ける。
「後は・・・もし敵が来た場合、ガンギレ高校を守るんだ。
 敵が来るまでは動くなよ。
 メンバーは“凪咲”と“涼花”、そして“真子”」

奈々は真子の頭を“パシッ”と叩く。
「痛っ・・・ん?」真子は眠たい目をこする。
奈々が真子のほっぺたを真顔で抓る。
「相手は関西のトップ・・・
 油断するな」

真子はほっぺたを抓られたまま口を開く。

─「いちゅでもマジだひょ」
261名無しさん@実況は禁止です:2014/02/07(金) 18:51:22.64 ID:z+8u19UCP
262名無しさん@実況は禁止です:2014/02/07(金) 20:34:57.46 ID:KYgm0UCL0
263名無しさん@実況は禁止です:2014/02/07(金) 21:15:44.33 ID:KYgm0UCL0
264名無しさん@実況は禁止です:2014/02/07(金) 22:43:20.88 ID:KYgm0UCL0
265名無しさん@実況は禁止です:2014/02/07(金) 22:47:48.66 ID:J92pxFDG0
ボイン
266名無しさん@実況は禁止です:2014/02/07(金) 23:51:54.33 ID:dwpBpd/g0
267名無しさん@実況は禁止です:2014/02/08(土) 00:48:52.05 ID:E416hiv40
268名無しさん@実況は禁止です:2014/02/08(土) 01:00:41.69 ID:H+4Zo9giO
保守
269名無しさん@実況は禁止です:2014/02/08(土) 01:33:29.55 ID:E416hiv40
270名無しさん@実況は禁止です:2014/02/08(土) 04:44:32.73 ID:4+6X4XJk0
271名無しさん@実況は禁止です:2014/02/08(土) 07:53:51.46 ID:8XlmYOLJ0
272名無しさん@実況は禁止です:2014/02/08(土) 09:04:30.92 ID:E416hiv40
273名無しさん@実況は禁止です:2014/02/08(土) 12:08:27.18 ID:6A+1Gc9n0
274名無しさん@実況は禁止です:2014/02/08(土) 13:12:50.25 ID:H+4Zo9giO
楓ちゃんが見てるさかい
あげ
275サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/08(土) 14:31:39.03 ID:Axvr7znz0
─ガンギレ、そして八木女がある駅から
ひとつ離れた隣の駅では
難波女子のヤンキー達が血眼になって
ガンギレの生徒を探していた。
だが、駅を間違えて降りてしまった
彼女達は未だに目標を見つける事ができずにいた。
街にちらほらと見かける自分達よりも
派手な時代錯誤のヤンキー達の姿に、
彼女達は最初目を疑った。
彼女達は知らなかった。
この街はトラブルがよく起きる事を。
なぜならこの街には“あの高校”があるから。

難波の生徒10数人に囲まれる
2人組の女子高生。
紺色のセーラー服の上から赤いジャージを羽織っている。
マジ女のチームぽん酢、村山と岩立だ。
村山は困った様子で岩立と顔を合わせる。
「もしかして私達、今絡まれてる?」

「ん〜そうかも!」と岩立が笑顔で元気に答える。

「別に絡んでないわ」

難波の生徒達の後ろから聞こえた声の方向へと、
マジ女の2人は視線を送った。
生徒達が道を開け、“木下春奈”が
2人の前に立つ。
「うちら、この辺の人間ちゃうから
 道案内してほしいだけや」

2人は春奈を見て同じ事を思った。

“うわっ強そ〜”

「どこにですか?」と岩立が尋ねると
春奈は答える。
「ガンギレ高校」

「ん〜私、転校してきたばかりで知らないんです」
絶対関わってはいけないと女の勘が岩立に嘘を言わせた。
村山もまた岩立と呼吸を合わせるように
「私も知らないっす」と手を振ってとぼける。

「・・・知らんか〜。手間取らせて悪かったな」
春奈がそう言って背を向け仲間を連れ
去ろうとした時・・・
276サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/08(土) 14:33:25.95 ID:Axvr7znz0
“夢は涙の先〜??”
村山の携帯が鳴った。
ビクッとした村山、そして春奈達もピタリと足を止める。
振り返った春奈の顔を見た後、恐る恐る液晶を見る村山。
「あっ、友達から電話で〜す」
相手が“相笠”からだと分かると安心した様に電話に出る。
「・・・はい」

“ゆいりー今どこ!?”

「どこって学校の外だけど・・・なんで?」

“今ガンギレの柊達とそっち向かってるんだけどさ・・・!”

「え?“柊”と?」
村山がそう言うと、春奈がその名に反応する。
眉間に皺を寄せ目つきを変え、村山を睨む。
「今・・・“柊”って言ったか?」
睨まれた村山は時が止まったように
凍りつく。
耳に当てた携帯の向こうからは相笠が喋っている。
“白いセーラー服着た奴らに近寄るなよ!!
 マジ女の奴らにもそう伝えろ!”

さっきの失敗から何も返事はしまいと
口を堅くする村山。
“お〜い、聞こえてるか〜?”と相笠。
だがもう遅かった。
春奈がゆっくりと近づき目の前に立つ。
「・・・“柊”がなんだって?」

「柊・・・が」
村山は岩立に合図をするように目を合わせた後、
春奈に顔を向け、こう言った。

─「・・・空“柊”警報〜」

“ザッ”

「逃げるよ!!さっほー!」
一目散にその場から逃げ出す村山と岩立。
難波の女帝・木下春奈が追う。

「待てコラァ!!」─
277名無しさん@実況は禁止です:2014/02/08(土) 14:40:27.03 ID:xJ5oIbiNP
278名無しさん@実況は禁止です:2014/02/08(土) 16:30:42.30 ID:xJ5oIbiNP
279サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/08(土) 18:03:46.83 ID:Axvr7znz0
村山と岩立は街を走る。
街といっても人通りはそんなに多くない。
誰かが助けてくれるわけでもないのに
岩立は「きゃー」と叫び、
「なんで追ってくるの〜!」と声をあげる。

何十分か全力で街を駆け抜けた。
その途中で美瑠と夢莉にすれ違う春奈。
夢莉が「がんばれ〜」と手を振っていた。

次第に距離が縮まり、
「はぁ、はぁ」と逃げる2人は息を切らし止まった。
そして難波の生徒達も皆、「はぁ、はぁ」と肩で息をする。
春奈も同様だ。
「はぁ、はぁ・・・なんで逃げんねん!」

「だって追ってくるから〜」と泣きそうな声で
岩立が言うと村山も「待てコラァって言うから〜」と後に続く。

「別にあんたらに何かしようってわけじゃないわ。
 ただ話し聞きたいだけや」
春奈がそう言うと、村山と岩立は顔を合わせる。
「けど・・・ねぇ?」と岩立が言うと、
「・・・ねぇ?」と村山が岩立に返し、言葉を続ける。
「やっぱり仲間は売れないじゃん?」

「仲間なんや?」春奈が即座にそう言うと、
村山は「う〜ん」と首をかしげる。
「あんまり話した事ないけど、
 ダチのダチだから・・・うん、仲間かな?私的に」

「・・・そういう仁義通す子、嫌いやないわ。
 けど・・・うちらこのまま手ぶらで帰るわけにいかんねん」

春奈がそう言って2人に歩み寄ろうとした。
その時、“遠く”を見た春奈の表情が
厳しい表情へと変わる。

─「・・・“黒豹”、薮下柊・・・」

「え?」後ろを振り向く村山と岩立。
2人の目に映る“4人の少女”。
相笠萌、岡田奈々、西野未姫、そして・・・
「じゃ〜ん!・・・薮下柊とその仲間達登場や!!」

腰に手を当てる“薮下柊”。
「うちの首は高いで?」

と・・・言った矢先。
“ドカッ!!”横から誰かに殴られ地面に
手を付く薮下柊。
「いきなり何すんねん!首飛ぶかと思うたわ!」
声を荒げ、顔を上げた柊は驚いた顔つきに変える。
「夢莉・・・!!」

「柊・・・久しぶりやな」
“太田夢莉”が鋭い眼孔で睨んでいる。
拳を固く握りしめる夢莉。
──「キエテシマエ」─
280名無しさん@実況は禁止です:2014/02/08(土) 20:20:05.62 ID:K0rsIClD0
名スレだな。
281名無しさん@実況は禁止です:2014/02/08(土) 20:27:14.97 ID:9uDMscnX0
頑張れサ−モン
282名無しさん@実況は禁止です:2014/02/08(土) 21:45:17.35 ID:s34TSh6L0
保守
283名無しさん@実況は禁止です:2014/02/08(土) 21:45:26.49 ID:E416hiv40
284サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/08(土) 22:32:50.71 ID:Axvr7znz0
“ザッ!”夢莉の右拳が柊に向けられる。
柊は左腕で払うようにガードする。
「まだ根にもっとんのか・・・!」

「当たり前や!忘れたとは言わさへんぞ!」
“ガシッ”夢莉は鋭い眼孔で睨めつけ、
柊の胸ぐらを掴む。柊もまた両手で
夢莉の胸ぐらを掴み返す。
「“小学生”の頃の話いつまで引きずってんねん!」

─「なんであんたが“シンデレラ役”なんや!」
突如始まった柊と夢莉の取っ組み合いに
言葉を無くし呆気にとられるマジ女の3人。
すると春奈が3人に語りかける。
「あの2人はな・・・幼なじみやねん」

─夢莉のハイキックを避ける柊。
柊の後ろ回し蹴りが夢莉の頬をかすめる。
「・・・」頬から流れる血を拭う夢莉。
「・・・それだけやない!」
拳を繰り出す夢莉。
“ガシッ”左手で受け止める柊。
「まだあるんかいっ!」

「ピアノ発表会も・・・!」
愛莉は左拳で柊の頬を殴りつける。
「・・・!」思わず掴んでいた愛莉の拳を放す柊。
愛莉はくるりと回転し、裏拳を叩きこむ。
「運動会のアンカーも・・・!」

後ずさりした柊に跳び蹴りをする愛莉。
「いっつもあんたが選ばれてた!!」

“ドカッ”柊はそれを両腕でガードする。
柊はなぜかふっと不敵に微笑む。
「そういえば・・・クラスの人気投票もうちが一番やった」

─「それが一番気に入らん」─

岡田奈々は少し呆れた様子でその喧嘩
を見つめている。
「確かに強いが・・・くだらん喧嘩だ」

「・・・だな」と相笠が頷き、未姫は
「あははっ」と笑っていた。
そして、それまで黙っていた春奈が口を開いた。

「で・・・、うちの相手は誰や。
 見物しに来たわけちゃうやろ?」
285名無しさん@実況は禁止です:2014/02/08(土) 22:51:24.18 ID:E416hiv40
286名無しさん@実況は禁止です:2014/02/09(日) 00:14:34.50 ID:UH6sleBOO
>>284
女帝部隊はギャグ部隊?
映像で見たいやり取りた
287名無しさん@実況は禁止です:2014/02/09(日) 01:25:42.42 ID:mQnenYe40
保守
288名無しさん@実況は禁止です:2014/02/09(日) 02:59:09.11 ID:6Z8ZSJtO0
289サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/09(日) 03:00:14.42 ID:peAIDn/J0
春奈がそう言って顔を向けると、
助けに来た3人と村山、岩立を難波の生徒達が囲む。
マジ女の3人はサッと身構え、警戒する。 
未姫は眼帯に手をかけ“夜叉”になろうとするが、
奈々が未姫の手を掴んだ。
未姫はきょとんとした顔で奈々を見つめる。
「え?なんで?」

奈々は春奈に視線を送る。
「周りにいる奴らは邪魔をしない。
 “囲み”くれるなら、とっくに柊を狙ってるさ。
 これは“タイマン”って事だろ?」

「・・・うちはそういうの大事にする子なんで」

「・・・もし私と柊が勝ったら・・・
 ガンギレから手を引いてくれるか?」
奈々を真っ直ぐ春奈の目を見据える。
目の前にいるこの少女が汚いやり方を嫌う
真っ直ぐな筋の通ったヤンキーだと奈々は感じた。
こちらのほうが不利にも関わらず、
数で攻めようとはしないから。
それは・・・春奈が自分の力に自信がある、
という事を意味している。
彼女の強さが読み取れた。
春奈は少し間を置き、笑みを消し答える。

「・・・うちにそこまでの権限ないわ。
 正直、あんたらが勝っても負けても
 あまり状況は変わらん。
 別の奴らが柊と凪咲を狙う。
 早い話・・・この2人だけ素直にボコられたら
 この件は終わるんや。そういう選択もある」

「・・・その“選択”は無しだ。
 私達は仲間を見捨てたりしない」

「いいね。
 ・・・と個人的には言いたいけれど・・・
 その選択は後で“後悔”するわ」

「・・・私がお前に負ける・・・とでも?」
奈々がそう言って不敵に笑みを浮かべると、
春奈は静かに首を横に振る。
真剣な表情で彼女は奈々の目を見据える。

「柊と凪咲の助っ人がどれだけいてるか知らんけど・・・
 皆、潰されるって事や」──
290名無しさん@実況は禁止です:2014/02/09(日) 03:02:09.68 ID:csF17zxe0
マジすか学園4 ザーメンを浴びながら
291名無しさん@実況は禁止です:2014/02/09(日) 09:45:36.27 ID:IlbUrtUvP
292名無しさん@実況は禁止です:2014/02/09(日) 11:13:15.73 ID:6Z8ZSJtO0
293名無しさん@実況は禁止です:2014/02/09(日) 12:13:00.47 ID:6Z8ZSJtO0
294名無しさん@実況は禁止です:2014/02/09(日) 13:17:52.22 ID:3zl23Sgf0
295サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/09(日) 14:26:37.24 ID:peAIDn/J0
脅しているつもりはなく、
ただ、事実を語っている偽りのない目だった。
「・・・私達を甘く見過ぎだよ」

「いや。あんたは強いだろうな。
 目を見れば分かるわ、全く引かんもん。
 ただ・・・あの人には誰も勝てんって話や」

「・・・こっちにも“秘密兵器”ならいるさ」
奈々がそう言って拳を握りしめると、
春奈はふっと笑みをこぼす。
「まぁええ。あんたは“幸運”やった・・・あの人にやられずに済む」

「・・・なぜだ?」
張りつめた緊張感が辺りを包む。
“ぎゅっ”と拳を握り締め、
女帝・木下春奈が叫ぶ。
「あんたはここで終いやからな!」

“ザッ”─
同時に拳を繰り出した2人。
腕がクロスし、互いにギリギリで避けていた。
奈々が腕を払い、左の拳で春奈を殴りつける。
春奈はふっと笑みをこぼし、
裏拳で奈々を殴り返す。
「ちっ・・・!」奈々が顔を上げた時には
すでに春奈の蹴りが向かってきていた。
“ドカッ”

側頭部に喰らい、身体をよろめかせる奈々。
こいつ・・・!

髪をかきあげる奈々の目に、
愛莉と互角の戦いをする柊の姿が映る。

いや・・・こいつら・・・

・・・“強い”・・・!

─ザッ─
296サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/09(日) 14:29:18.94 ID:peAIDn/J0
油断していたわけではなかった。
ただ、想像よりもさらに上をゆく強さだった。
それは喫茶店で待機する3人にも
意外な形で思い知らされる。
それは“一本”の電話。
八木女の美桜からだった。
内容は・・・
芽瑠が病院へ運ばれた。

やったのは白いセーラー服を着た奴。

そして最後に瀕死の芽瑠からの伝言。

“命が惜しかったらやり合うな”─

「どうして芽瑠が・・・」
真子は涙を堪え、怒りに満ちた目つきで拳を握る。
「・・・ぶっ飛ばしてやる・・・!!」
“ドカッ”椅子を蹴飛ばし、外へ行こうとする真子。
「待たんかいっ!!どこ行くんや!」凪咲が真子の肩を掴み止め、
涼花もドアの出口を塞ぐように立つ。

「芽瑠をやった奴を捜しに行く」
真子は凪咲を睨めつけ、次に涼花を睨めつけた。
「どけよ・・・涼花」

「駄目だ!奈々に動くなって言われただろ!」
涼花は真っ直ぐ真子の目を見据える。
真子が叫ぶ。
「どけって言ってんだろうが!!」

「落ち着かんかい!!」
凪咲は真子の前に立つ。
「あんた“自覚”してもらわな困るで!」

「・・・自覚?」

「そうや。あんたはうちらの“秘密兵器”なんや」

「秘密兵器・・・」
真子の表情が和らいでいき、
少し照れた様子を見せる。
凪咲はここぞとばかりに褒めちぎった。
「最終兵器でもあるで」

「最強か〜なんか照れるなぁ〜」

嬉しそうに笑顔を見せる真子に、
凪咲は真顔でツッコむ。

─「それは言っとらん」
297名無しさん@実況は禁止です:2014/02/09(日) 14:39:13.36 ID:6Z8ZSJtO0
298名無しさん@実況は禁止です:2014/02/09(日) 16:34:13.95 ID:n91tN59H0
子供の頃から他人でも怒鳴りまくる関西のおばちゃんに鍛えられてるからガチで
NMBの連中は強いと思うよ
関西人の弱点は情に脆いので非情に徹しきれない事かな
299名無しさん@実況は禁止です:2014/02/09(日) 17:17:53.07 ID:6Z8ZSJtO0
300名無しさん@実況は禁止です:2014/02/09(日) 19:21:25.78 ID:6Z8ZSJtO0
301サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/09(日) 20:51:02.12 ID:peAIDn/J0
真子はツッコんできた凪咲の顔を
じっと見つめると、にこっと笑みを浮かべる。
「・・・じゃ、どうする?」

「本隊がどこに向かってるかもわからん・・・
 柊から連絡がなくて状況も分からん。
 隣の街が“ウチ”の縄張りなら、  見かけた他の生徒から連絡来てもいいはずなんやけど・・・
 誰も見ていないって事やな」

「あっ・・・」
真子は何かを思い出したように手を叩く。
すると“大島涼花”も真子と目を合わせ、2人は声を揃えた。
「チームぽん酢!!」

「あいつらならまだ学校の近くにいるかも!
 様子見てきてもらおうぜ!」
涼花は携帯を取り出し電話をかける。
「あっけど危ないかな?」と真子は
少し心配した顔つきに変える。
涼花は八重歯を見せ微笑む。
「見に行くだけなら問題ないだろ」

涼花は携帯を耳に当てる。
鳴り続ける呼び出し音。
「あれ?出ねーな・・・」
いつもならすぐに出る“村山”が
今日に限って出ない。
涼花は不安げな顔つきで静かに待つ。

“ッ・・・”

「なんだよ〜心配したじゃねぇか!」


“・・・涼花?・・・”

「ゆいりー!頼みがあるんだけど、今どこ?」

“・・・涼花・・・お前達・・・
 なんでこんなヤバい相手と・・・”

「・・・え?」

村山の声は何かに怯えたように震え、
泣いているのがすぐに分かった。

─“・・・萌と奈々が・・・やられた・・・”
302サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/09(日) 20:51:53.80 ID:peAIDn/J0
涼花は耳を疑った。
何かの冗談かと少し口角を上げ
「・・・は?」と聞き返す。
凪咲と真子は涼花の様子に神妙な顔つきに変える。
「涼花?・・・どうした?」

「萌と奈々がやられたって・・・」

電話の向こうで村山が泣いている。

“『あいつ』・・・・・バケモンだ・・・”

「・・・すぐ助けに行く」
そう言って涼花は真子と凪咲のほうへ顔を向ける。
涼花は動揺した顔つきで涙を浮かべていた。

“・・・私達も戦わなきゃ・・・ガッ・・・”

“ッ・・・”電話は切られた。
真子は拳を握りしめる。
「もう止めるなよ。凪咲」

「・・・・・止めるか・・・」
凪咲は髪をかきあげ鋭い眼光に変える。
「行くで!!」─
 
303名無しさん@実況は禁止です:2014/02/09(日) 21:53:58.42 ID:HDffQ6tF0
304サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/09(日) 22:38:21.13 ID:peAIDn/J0
涼花が電話をかける少し前─

太田愛莉と薮下柊、そして木下春奈と岡田奈々のタイマンは
二組ともに互角の凄まじい戦いを見せ、
周りを囲む難波の生徒達から歓声があがる。
マジ女の相笠と未姫、そして村山と岩立は
祈るように静かに見守っていた。
だが・・・その時・・・

“黒い傘”をさした少女が姿を見せる。

「どかんかい」

「あ・・・」歓声をあげていた難波の生徒達は
急に静まり返り、怯えた様子でその少女へ道を開ける。
真っ直ぐ“2人”の所へと歩いてゆく。
黒い傘をサッと地面に落とした。

「どうしてここに・・・」
奈々と対峙していた春奈が、
その少女に気が付いた。
“奈々”に向けて声を荒げる。
「避けろ!!」

“ドカッッ”奈々の頭に凄まじい“ハイキック”を
叩き入れる少女。
「・・・!」奈々は地面に転がり、手を付く。
頭を押さえ立とうとするが、
“ガクッ”と膝が崩れる。
「・・・・・・てめぇ」

春奈は眉間に皺を寄せ、戸惑いの色を
隠せない様子だった。
「タイマンすよ?・・・邪魔しないでもらえますか・・・」

「邪魔?」
少女は男性の様に短い髪をクシャと
手で触れ、気だるそうに辺りを見回した。
そして春奈を睨め付ける。
“ドカッ”
腹を殴られた春奈は膝を付き
苦痛で顔を歪めながら地面を見つめる。
「・・・すんません・・・“百花さん”」
305サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/09(日) 22:39:13.96 ID:peAIDn/J0
冷たい眼光で春奈を見下ろす百花。
「選手交代や・・・
 さっさと終わらしてさや姉の所行くで」

百花はそう言った後、立ち上がった奈々に歩み寄る。
奈々は険しい表情で睨み、挑む。
「おらぁ!」
“ドカッ”─

その様子を見ていた未姫が奈々に駆け寄ろうと
足を前に出すと、相笠はサッと腕を
出して未姫を止める。
「未姫・・・この2人を頼む」
そう言って村山と岩立のほうへ顔を向ける相笠。
「ヤバいと思ったら逃げろよ・・・」

「萌・・・!」未姫が叫ぶと萌は
ピースをしてにこっと微笑み、奈々の所へ走っていった。

相笠は地面に膝を付く奈々の隣に立ち
百花を睨む。
「このバケモンが・・・」

「女の子に向かってバケモンはないやろ。
 ・・・殺すぞ、ワレ?」

「うるせぇ!刈り上げ!」
相笠は叫び、殴りかかっていくと
奈々も立ち上がり百花に向かっていく。

難波女子2年・木下百花。

乱闘を得意とする彼女の喧嘩は・・・

“百花繚乱”の如く、血が舞った。
306名無しさん@実況は禁止です:2014/02/09(日) 22:50:51.81 ID:6Z8ZSJtO0
307名無しさん@実況は禁止です:2014/02/09(日) 22:58:29.13 ID:IlbUrtUvP
ここで百花か〜
308名無しさん@実況は禁止です:2014/02/09(日) 23:00:55.15 ID:O0nR1UOZ0
黒傘は百花だったか
309名無しさん@実況は禁止です:2014/02/09(日) 23:05:57.44 ID:6Z8ZSJtO0
310名無しさん@実況は禁止です:2014/02/09(日) 23:47:45.52 ID:UH6sleBOO
黒傘はやはり百花だったか
つか、さや姉はトップだけどみるきーや山田上西の強さランクはどの辺りなんだろ
311名無しさん@実況は禁止です:2014/02/09(日) 23:57:28.36 ID:1FTSF+XS0
途中から夢莉→愛莉に変わってるな
312サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/10(月) 00:06:43.78 ID:peAIDn/J0
>>311
気付きませんでした(>_<)ご指摘感謝!
訂正→夢莉○です!
山田菜々○
2年→3年・山本彩○
ボロボロですね(泣)
313名無しさん@実況は禁止です:2014/02/10(月) 00:10:19.79 ID:+Utl8ceL0
気にせんでいいよ
サ−モンは地下の英雄やねんから
これからも頑張って我々をワクワクさせてください
314名無しさん@実況は禁止です:2014/02/10(月) 00:55:40.11 ID:zItSDKE2O
>>312
気にしないで下さい
315名無しさん@実況は禁止です:2014/02/10(月) 06:35:36.31 ID:95y7AUJ50
316名無しさん@実況は禁止です:2014/02/10(月) 08:00:52.04 ID:KxYCuOyRP
317名無しさん@実況は禁止です:2014/02/10(月) 09:53:42.44 ID:HFJP8CT80
今書いてくれてるのはマジすか5なのかな?
タイトル教えてくれるとうれしい
318名無しさん@実況は禁止です:2014/02/10(月) 11:50:51.60 ID:KxYCuOyRP
319名無しさん@実況は禁止です:2014/02/10(月) 12:24:42.85 ID:zmpuNzao0
320サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/10(月) 12:27:35.25 ID:nGVY6/3U0
─「なんや“アイツ”!」

「何よそ見してんねん!!」
“ちっ・・・!”夢莉の拳をギリギリで避ける柊。
夢莉はタイマンに集中できていない
様子の柊に、苛立ちを見せる。
「“仲間”が気になってしゃあないか?・・・柊!!」
蹴りを繰り出す夢莉。

「当たり前やろが!」
左腕でガードした柊は、夢莉の脇腹を蹴りつける。
“・・・くっ!”痛みを堪え夢莉は
すぐに柊の脚を抱え込む。

“バシッ”顔面を殴られた柊は後ずさりし、
顔を上げると「ぺっ・・・!」と口から血を吐き出す。
「男子からいじめられとった
 あの泣き虫ゆーりが・・・ずいぶん強くなったやないか」

「その上から目線止めろや」
夢莉の脳裏をよぎる小学生時代の記憶。
─“や〜い炭酸、炭酸”と男子からからかわれる幼き夢莉。
“え〜ん”と泣いていると、
誰かが男子を後ろから蹴りつけ夢莉を助ける。
“しゅうちゃんまん登場!”
幼き薮下柊はそう言って男子に跳び蹴りをあびせた。
ボカスカと一方的に男子達へ殴る蹴るの攻撃を加える柊。
“先生に言いつけてやる〜”
と男子達は泣きその場から逃げていった。
柊は逃げる男子にこう言った。

“ゆーりをいじめたらうちが許さんぞ!”
中指を立てる幼き薮下柊。
“おとといきやがれ!”─
321名無しさん@実況は禁止です:2014/02/10(月) 12:34:46.73 ID:KxYCuOyRP
322サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/10(月) 12:43:36.52 ID:nGVY6/3U0
夢莉はふっと笑みを浮かべ柊の目を見据える。
「あんたは昔から何やらせてもクラスで一番やった。
 明るくて優しい・・・」

「あんたは根暗やったな」

「うるさい、黙れ」

「・・・夢莉、幼なじみとしてひとつ教えたる。
 強くなりたいなら・・・過去の自分を受け入れなあかんで。
 あんたは否定してるやろ。
 それじゃ肝心の“ここ”が強くならん」
柊はそう言って拳を自分の胸に当てる。
真剣な顔つきで「心や」と夢莉に言った。
夢莉もまた真剣な表情で柊を見つめる。

「めっちゃ語るやん」

「“最後”やからな。降参するなら
 止めといたるで?」

「誰がすんねん」
夢莉がそう言った瞬間─
柊は目つきを変え、高く飛び上がる。
“ザッ”夢莉は胸に跳び蹴りを喰らい地面に手を付いた。
「くそっ・・・」
顔を上げた夢莉の目に映る薮下柊。
固く握り締められた拳を掲げる。
「大切なもん‥守らなあかんねん。
 邪魔する敵には容赦せぇへんぞ。
 それがうちの“マジ”や」

“バシッ”─

うつ伏せに倒れた夢莉を見つめる柊。

─「・・・嬉しいで。もう泣き虫は卒業したんやな?夢莉・・・」─
323名無しさん@実況は禁止です:2014/02/10(月) 15:19:24.13 ID:KxYCuOyRP
324名無しさん@実況は禁止です:2014/02/10(月) 16:42:53.17 ID:nwocoNg60
325名無しさん@実況は禁止です:2014/02/10(月) 19:46:45.43 ID:qXxXprkWP
春奈個スレから誘導されてきたけどめっちゃおもろいやん
最初から全部読んだわ
ドラマにならんかな
http://lh4.googleusercontent.com/-1t9C97F1_mo/UvikSqilxDI/AAAAAAAEZwg/pHAkK7FBNsE/s0/10%2B-%2B1.jpg
326名無しさん@実況は禁止です:2014/02/10(月) 21:25:56.13 ID:95y7AUJ50
327サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/10(月) 22:03:00.54 ID:nGVY6/3U0
柊はそう言って優しく微笑みかけた後、
覚悟を決めたように険しい表情に変える。
「さて・・・いじめっ子を退治せな」

柊の視線の先には、
“木下百花”が相笠の胸ぐらを掴み、
殴りつける姿があった。
傷だらけの相笠はもう限界に見える。
そのすぐには倒れた岡田奈々の姿もある。
“ザッ”百花に向かって走り出し、
高く飛び上がる柊。
柊の姿に気が付いた百花は相笠の胸ぐらから
“パッ”と手を放し顔を向ける。
相笠は膝から崩れ落ちうつ伏せに倒れた。
立ち上がる力もなく、か細い声で囁く。
「・・・柊。逃げろ・・・」

柊の跳び蹴りは百花の側頭部を狙う。
百花はそれを右の拳で迎え撃つ。

─“ドカッ”
不意をついた柊の蹴りが直撃し
百花は身体を少しよろめかせるが、
その眼光は柊を見据えていた。
「・・・痛いやないか」
首をコキッと鳴らす百花。
「ワレが“黒豹”か?。
 “白”いほうはどこや?」

百花の目の前に立った柊は
ギュッと拳を握りしめる。
「知るかボケ」
そして柊は“未姫達”のほうへと視線を送り
険しい表情で叫ぶ。
「何ボケッとしてんねん!
 早く逃げんかい!」

“おらぁ!”声をあげて向かっていく柊。
薮下柊と木下百花が対峙する─
328サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/10(月) 22:47:21.68 ID:nGVY6/3U0
未姫は泣きながら拳を握り締め、
柊の姿をじっと見つめている。
「柊・・・ごめん」

私は・・・逃げるわけにはいかない。

未姫は、村山と岩立の2人“だけ”を
この場から逃がす機会を待っていた。

それは、自分の番が来た時─

「・・・・・・私、ここに残るね。
 私が動いたら・・・すぐここから逃げて」
そう言った未姫の目を見据える
村山と岩立。
「・・・バカ、うちらも戦うよ。
 もうすぐ真子達も来るってさ。
 さっき電話があった」

「そっか・・・けど、真子達の出番はないよ」
未姫は柊と百花の戦いを見つめたまま
そう呟く。
岩立と村山は少し戸惑った表情で
未姫の横顔を見つめる。
“未姫”の怒りに満ちた眼光は2人でさえ恐怖を感じた。
「未姫、おまえ・・・」

「私が倒すから」
足を前に出しゆっくりと百花の所へゆく。
歩きながら髪を結ったゴムを取り、
長い髪を風に揺らせ
着ていたジャケットを脱ぎ地に落とす。
329名無しさん@実況は禁止です:2014/02/10(月) 22:58:53.89 ID:hUEKkQdQ0
夜叉クル━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
330サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/10(月) 22:59:28.23 ID:nGVY6/3U0
百花は地面に膝を付けた柊の顔面を蹴りつける。
“ザッ”「はぁ・・・はぁ」と息を切らし
柊は顔を上げる。
百花の“背後”にいる者に気が付くと、
柊はふっと笑みをこぼす。
「逃げなかったんかい・・・アホやなぁ・・・」

“ゾクッ”─

背筋に寒気を感じた百花。
ゆっくりと後ろを振り返る。
「なんや・・・・・」

自分を睨む左目に眼帯を付けた少女に
感じた“恐怖”。

「“ダレ”や・・・あんた・・・」

“ガッ”未姫の拳を受け止める百花。
「・・・!」
未姫が拳を広げ手を組んでくると
徐々に力で押され始める。
力負けした百花は手を払い、ハイキックを繰り出す。
「この・・・!」

“ドカッ”片手で蹴りを受け止めた未姫は、
百花のその脚を軽く押し払う。
そして鋭い眼光で百花を睨んだ。
「・・・よくも皆を・・・」

眼帯に手をかけ、サッと取り地面に投げる。
血に染まったような真紅の瞳が百花を見据える。
未姫の中にいるもうひとつの人格が
この時、完全に目覚める。
 
“彼女”の名は・・・


─“夜叉”─


“ゾクッ”

背筋が凍るような恐怖。
百花は思わず後ずさりする。
「バケモノやないか・・・」 

「・・・・・未姫がお怒りだよ?」
怒りに満ちた眼光で百花を睨み、
“夜叉”は静かに口を開く。

「君は死刑だ」─
331名無しさん@実況は禁止です:2014/02/10(月) 23:04:17.77 ID:qXxXprkWP
夜叉かっけえええええ
332名無しさん@実況は禁止です:2014/02/10(月) 23:22:34.99 ID:38IsbtJ/0
これは血みどろ百花が来るな 
http://i.imgur.com/ZiiPlFW.jpg
333名無しさん@実況は禁止です:2014/02/10(月) 23:28:24.88 ID:bJyPqV3A0
俺も未姫ちゃんの別人格になっていろんな事したいんや〜
334名無しさん@実況は禁止です:2014/02/10(月) 23:35:49.19 ID:zItSDKE2O
「・・・・・未姫がお怒りだよ?」
怒りに満ちた眼光で百花を睨み、
“夜叉”は静かに口を開く。

「君は死刑だ」─

ここが痺れる
335名無しさん@実況は禁止です:2014/02/10(月) 23:45:10.57 ID:BzCjGNcX0
そこにシビれる! あこがれるゥ! ほしゅゥ!
336名無しさん@実況は禁止です:2014/02/10(月) 23:47:58.38 ID:95y7AUJ50
337サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/11(火) 00:05:30.63 ID:aZQUVQeH0
>>317

マジすか学園〜続・てっぺんとったんで〜
338名無しさん@実況は禁止です:2014/02/11(火) 01:50:45.64 ID:b9xmnsBD0
ぞくぞくしながら待つ
339名無しさん@実況は禁止です:2014/02/11(火) 06:22:17.15 ID:G/P3oSvP0
340名無しさん@実況は禁止です:2014/02/11(火) 08:04:36.41 ID:e38TlLGO0
!!
341名無しさん@実況は禁止です:2014/02/11(火) 08:42:24.81 ID:uWlhK4LQP
全裸待機
342名無しさん@実況は禁止です:2014/02/11(火) 09:50:04.45 ID:ifAZf6vq0
サーモン待ち
343名無しさん@実況は禁止です:2014/02/11(火) 10:56:44.01 ID:ZCuKLJvQP
344名無しさん@実況は禁止です:2014/02/11(火) 12:27:33.33 ID:M/+MT2tk0
345名無しさん@実況は禁止です:2014/02/11(火) 14:17:39.09 ID:ZCuKLJvQP
346名無しさん@実況は禁止です:2014/02/11(火) 14:26:22.78 ID:QuqZeSZcO
綾巴がどう動くかが楽しみ
多分カッコいいセリフを言いながらの美味しい登場をするとは思う
347名無しさん@実況は禁止です:2014/02/11(火) 14:27:00.31 ID:uWlhK4LQP
はるちゃんもう終わりってことないよな
348名無しさん@実況は禁止です:2014/02/11(火) 15:57:39.46 ID:ZCuKLJvQP
349名無しさん@実況は禁止です:2014/02/11(火) 16:32:42.63 ID:ggIc/iMv0
あげあげぽよ
350サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/11(火) 16:44:23.57 ID:aZQUVQeH0
“夜叉”─
彼女と戦った小嶋真子が未姫にこう言った事がある。

「“あの時”、未姫が助けてくれなかったら
 私は負けていたかもしれない」

並外れた力と驚異的な反射神経を持つ夜叉は
マジ女1年の最強・小嶋真子からそう言わしめた。

─“ドカッ”

「これは・・・“奈々”の痛みだ」
貫くような夜叉の拳を顔面に受け
後ろへと吹っ飛ぶ百花。

「・・・・その台詞、あれやないか・・・」
地面に手を付き立ち上がろうとする百花。
ザッ、走りながら飛び上がる夜叉。
空中でくるりと体を回転させ、
“ドカッ!!”
立ち上がった百花のこめかみに
“跳び後ろ回し蹴り”を叩き入れる。
「これは“萌”の分・・・」

頭を押さえ、苦痛で顔を歪める
百花にゆっくりと歩み寄る夜叉。
「そしてこれは“柊と未姫”の分だ」

百花の髪を掴み、膝蹴りを顔面に喰らわせた夜叉。
“ドカッ”─
うつぶせに倒れる百花。
それを見ていた薮下柊が呟く。
「なんでうちだけ“セット”やねん・・・」

夜叉は手の平をぷらぷらと揺らし
“あはっ”と不気味に笑いながら百花に近づいていく。

「・・・おるんやな・・・
 “あの人”と同じタイプのバケモンが」
351サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/11(火) 17:02:49.55 ID:aZQUVQeH0
百花は近くにあった黒い傘をサッと拾い
持ち手を握りその切っ先を夜叉に向ける。
“ツゥー”と夜叉の頬から滴り落ちる血。
百花は不敵に微笑む。
「切れ味ええやろ?この傘・・・間違ってよく“刺さる”ねん」

夜叉は頬の血を拭い
手の甲に付いた血をペロっと舐める。
「・・・・それが君の“牙”かい?」

「・・・そうや!!」黒い傘で夜叉の顔面を狙う。
サッとギリギリで夜叉は避け、
百花を殴りつける。
地面に手を付けた百花の手から離れた傘。
夜叉はそれを“グシャリ”と踏みつぶし
バキバキッと傘の骨が砕ける音を鳴らす。 
「脆い牙だね?」

百花は口から血をぺっと吐き出し
ゆっくりと立ち上がり夜叉を睨む。
「・・・まだうちはやれるぞ、ボケ」

「そうこなくっちゃ。
 ・・・君はもっと痛みを知ったほうがいい」
夜叉は不気味に微笑んだ─

一方的に百花を殴りつける夜叉の姿に
驚きを隠せない難波の生徒達。
以前に、真子と戦う夜叉を見た事ある
村山と岩立も同様だった。
「す〜ご〜い〜」と興奮した様子でハシャぐ岩立。
「ああ。この喧嘩、うちらの勝ちだ!」
村山がそう言って夜叉を見つめる。

村山はまだ気付いていなかった。
これは個人のタイマンではない。
もう“戦争”になっているという事を。
352サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/11(火) 17:11:16.41 ID:aZQUVQeH0
倒れた夢莉の忍び寄る影。
「お〜い、生きてはる〜?」
夢莉のほっぺたをピシッと叩く少女。
夢莉は「う〜ん」とうなされ目を覚まさない。
少女は夢莉にまたがり不敵に微笑む。
「もう一発やな」
“ピシッ、ピシッ”と往復ビンタをする少女。
「あっ、二発やってもうた」

「てへっ」と笑った少女を
目を覚ました夢莉が睨む。
「痛いやないですか・・・“美瑠さん”」

「あっ、起きた?」
美瑠のすぐ後ろには木下春奈の姿もあった。
険しい顔つきで何かを見ている春奈に
夢莉は声をかける。
「・・・なんや、どうした?」 
 
「嘘やろ・・・なんやアイツ・・・」
夢莉は体を起こし、驚いた顔つきで
夜叉と百花のタイマンを見つめる。
─“ガッ”
馬乗りになって百花を殴りつける夜叉。
顔に返り血をつけた夜叉の微笑に
恐怖を感じゴクリと息を呑む。

美瑠は傷ついた春奈と夢莉の顔を
じっと見つめると、真剣な表情に変えた。
「見てのとおり非常にマズい状況や。
 あんた達は先帰ってさや姉にこの事報告しとき」

「え?・・・美瑠さんは?」

「うちはなぁ・・・」

美瑠は夜叉を見つめたままゆっくりと立ち上がり、鋭い眼光で睨む。
「・・・後始末せなあかんやろが」

「これ、返してもらうで」
美瑠は夢莉の近くに置いてある。
持ち手に“赤いテープ”が巻かれた薄い学生カバンを手に取る。
353名無しさん@実況は禁止です:2014/02/11(火) 17:25:37.74 ID:yWoRsDSt0
面白過ぎる!

サーモンさんありがとうございます
354名無しさん@実況は禁止です:2014/02/11(火) 17:35:17.23 ID:uWlhK4LQP
百花以外と呆気なかったな
355名無しさん@実況は禁止です:2014/02/11(火) 17:39:37.18 ID:7u90LRlwO
さっほー美味しいなワロタ
356サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/11(火) 17:45:42.97 ID:aZQUVQeH0
「あっ兵隊は借りるで。
 ・・・まぁ“あれ”相手じゃ、多分全滅するやろうけど・・・
 うち1人じゃ数分ももたんわ」
そう言って美瑠が静かに手を上げると
近くにいた難波の生徒達が
覚悟を決めたように目つきを変え、
夜叉を睨む。

「知っとるか? 
 ゲームじゃ“勇者”はタイマンなんかせえへん。
 皆で1人のボスキャラ倒すねん」
美瑠は後ろにいる夢莉と春奈に
背を向けたままそう囁き、言葉を続けた。
「けど、誰も“卑怯”とは言わん・・・
 ・・・勝つのためには“それ”が許されるんや」

美瑠が叫ぶ。

「難波の意地見せたれ!!
 行くぞコラァ!!」

─“おらぁ!!”難波の生徒達10数人が一斉に夜叉に向かっていった。
  
美瑠は後ろを振り返り、夢莉と春奈の
顔を見てにこっと微笑む。
「ガンガンいこうぜ〜」とおどけてウインクする美瑠。
そして背中を向けて“暴力”が待つ戦いの方へと歩いていった。

美瑠の背中を見つめる春奈が囁く。
「あんたに貸してたあの“鉄板入り”カバンを持つって事は
 マジモード”やな・・・」

夢莉は戦いから背を向ける。
「・・・戻るで」

「ああ」春奈もまた背を向ける。
すると、夢莉が顔を向け春奈に尋ねた。
「そういえばあのカバン、なんで赤テープしてるん?」

「“意味”も知らずに持ってたんか?
 アホやなぁ・・・」

「意味?」

─「赤テープは・・・“喧嘩買います”や」─
357名無しさん@実況は禁止です:2014/02/11(火) 19:11:12.34 ID:gbKgCYP50
>>330
「“ダレ”や・・・あんた・・・」 もいいけど

「あんた・・・“ダレ”や・・・」 も一部の人にはツボかもね。

要らない要素だけど、グループ的にはオイシイと思ったり。
358名無しさん@実況は禁止です:2014/02/11(火) 19:45:49.15 ID:yWoRsDSt0
ワクワク挙げ
359名無しさん@実況は禁止です:2014/02/11(火) 19:56:30.22 ID:uWlhK4LQP
今日は終わり?
360名無しさん@実況は禁止です:2014/02/11(火) 21:55:36.96 ID:b9xmnsBD0
期待あげ
361名無しさん@実況は禁止です:2014/02/11(火) 22:23:01.59 ID:pxSHZQ660
あげときますね
362名無しさん@実況は禁止です:2014/02/11(火) 22:45:29.63 ID:G/P3oSvP0
363サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/11(火) 23:00:19.54 ID:aZQUVQeH0
>>359
今日はちょっと難しいです。
申し訳ないです。
>>357
それが良かったですね!そこの台詞悩みました(汗)
364名無しさん@実況は禁止です:2014/02/11(火) 23:13:14.75 ID:uWlhK4LQP
ゆっくりでいいんで内容重視でお願いします!
365名無しさん@実況は禁止です:2014/02/11(火) 23:32:28.26 ID:ggIc/iMv0
>>363
本当にいつもありがとうございます

楽しみにしています

偉そうなこと言って申し訳ないんですが
全然急がなくて大丈夫ですよ
ゆっくりお願いします
366名無しさん@実況は禁止です:2014/02/11(火) 23:36:43.90 ID:ggIc/iMv0
>>363
連投すいません

もし落ちてしまった時のために
あらかじめスレタイを決めておくというのはいかがでしょうか?
失礼だったらすいません
367名無しさん@実況は禁止です:2014/02/11(火) 23:46:04.52 ID:iSPMIyT00
サ−モン無理だけはするなよ
ゆっくりマイペ−スでいいから
>>366
地下はアンチが連投しまくってスレオチしてしまう可能性があるから
引越した方がいいかも知れないよ
368名無しさん@実況は禁止です:2014/02/11(火) 23:53:12.82 ID:ujDTcz120
保守はおまかせあれ!
369名無しさん@実況は禁止です:2014/02/11(火) 23:54:51.90 ID:Ni9aBwyf0
>>338
センターさん乙です
370名無しさん@実況は禁止です:2014/02/11(火) 23:56:03.22 ID:B8//qCd40
さや姉をタクシーに出来るのはりぃちゃんくらい
https://www.youtube.com/watch?v=q2SmyJ-VsC0
371名無しさん@実況は禁止です:2014/02/11(火) 23:58:45.93 ID:QuqZeSZcO
>>366
スレタイはサーモンさんにお任せでいいと思う
まさかここまで延びるとは俺も予想外だったからこういうスレタイにしちゃった
372サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/12(水) 00:15:26.11 ID:zl5gTNN60
ありがとうございます!
スレ落ちした場合は書きためてからに
なると思いますが、
それから読んで頂けましたら嬉しく思います。
373名無しさん@実況は禁止です:2014/02/12(水) 02:57:54.65 ID:THjchLVs0
丑三つ時の挙げ
374名無しさん@実況は禁止です:2014/02/12(水) 06:38:35.48 ID:yCiurhx60
375名無しさん@実況は禁止です:2014/02/12(水) 07:33:39.16 ID:Sy9CgIKu0
マジすか学園 Zero
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/akb/1340124575/

サーモンさんってこれが最初?
これより前のあったら見たいです
376名無しさん@実況は禁止です:2014/02/12(水) 07:41:07.50 ID:kVwiqm/vP
377名無しさん@実況は禁止です:2014/02/12(水) 09:19:53.97 ID:IoxbGyy0P
>>376
おおお!d
378名無しさん@実況は禁止です:2014/02/12(水) 10:37:28.19 ID:lTW/lyMJ0
>>376
おお!
ありがとうございます!
しかし全く関係のない赤の他人のために
こんな面白いものを書き上げてくれるサーモンさんには
本当に頭が下がります
379名無しさん@実況は禁止です:2014/02/12(水) 12:08:47.36 ID:IoxbGyy0P
380名無しさん@実況は禁止です:2014/02/12(水) 13:33:54.20 ID:IoxbGyy0P
381名無しさん@実況は禁止です:2014/02/12(水) 14:53:51.60 ID:IoxbGyy0P
382名無しさん@実況は禁止です:2014/02/12(水) 18:25:35.08 ID:xyQ3brri0
383名無しさん@実況は禁止です:2014/02/12(水) 19:08:40.73 ID:OjJ/XhcO0
リアルマジすか学園inNMBって漫画になっててわろたwwwww
ってかすげえなww
384名無しさん@実況は禁止です:2014/02/12(水) 19:13:33.96 ID:OjJ/XhcO0
読んでたら途中で終わってたわ
http://ameblo.jp/cariber-zx/entry-11607087637.html
385名無しさん@実況は禁止です:2014/02/12(水) 20:09:38.42 ID:qfKf54GE0
386サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/12(水) 20:47:29.84 ID:zl5gTNN60
─「おらぁ!!」
向かってくる難波のヤンキー達に気が付いた夜叉。
百花は両膝と手を地に付け、
“はぁ、はぁ”と息を切らし顔をあげる。
難波の仲間達がタイマンに割って入った事で
思わず百花は囁く。

「助かった・・・」

知らずに安堵してしまった自分に
苛立ち、拳を握りしめる百花。
悔しそうに顔をしかめ、茫然とした顔で
1人で難波と戦う夜叉を見つめる。

アホか・・・何言うてんねん・・・

「・・・ダサいわ」
百花がそう言って俯くと、
“ポンッ”と誰かに肩を叩かれ、振り返る。
「美瑠・・・」

「ボロボロやな」
美瑠は百花にニコッと微笑みかけた後、
真剣な表情に変え“夜叉”を見据える。
「うちが仕留めたる」

夜叉を囲む難波のヤンキー達は
1人、また1人と倒されていく仲間の姿を見て
怯えるように後ずさりする。
1人であるにも係わらず、全く動じる事のない
無機質な夜叉の表情に恐怖を感じた。
「群がるハイエナ、狩る狼・・・」
夜叉はそう言って微笑し、じりじりと追いつめる。
敵に接近し、殴り倒す夜叉。
敵の1人が夜叉に殴りかかる。
サッと頬のギリギリで夜叉が避ける。

“ザツ・・・”

背後に気配を感じた夜叉は振り向きざまに
ハイキックを繰り出す。
“ドカッ”─
「・・・」一瞬、眉間に皺を寄せた夜叉は、
蹴りを“カバン”で受け止めた者に微笑みかける。
「それ・・・“鉄板入り”か?」

“美瑠”はカバンをペタペタと触る。
「・・・へっこんでるやないか。
 どうしてくれんねん!!」
美瑠はカバンで夜叉を殴ろうとする。
それを避けた夜叉をハイキックで狙う─
387サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/12(水) 20:51:22.09 ID:zl5gTNN60
“ザッ”夜叉の頬に当たる。
「ちっ」と舌打ちし夜叉は表情を変える事なく
美瑠を殴りつけるが、背後にいた敵に制服を掴まれる。
間髪入れずに後ろ回し蹴りで倒す夜叉。
そしてその隙を狙い、美瑠が殴りかかろとする。
“ザッ”夜叉は拳を固く握りしめ拳を向けた。
だが、美瑠は舌打ちをして拳を止める。

早い・・・!

“ボコッ”ガードしたカバンからは鈍い音がし、
地面へと“鉄板”が音を立てて落ちる。
ヘコんだ“それ”が夜叉の凄まじい力を物語っていた。
驚いた顔で鉄板を見つめる美瑠。

「死んでしまうやないか・・・
 少しは手加減しろや!!」

夜叉のほうへと顔を向け思わず本音を
口にした美瑠は、夜叉を見て
怪訝な顔つきに変えた。
「なんや・・・?拳が砕けたか?」

“パチ、パチリ”とまばたきを何度もする夜叉。
夜叉は眉間に皺を寄せ、ガクッと一瞬俯いては
またすぐに顔を上げまばたきをする。
美瑠は様子のおかしい夜叉を見つめる。
「・・・よう分からんけど、
 続き始めさせてもらうで・・・」

「・・・くそ」夜叉は拳を握り締め、
何かに焦るように先に美瑠へと向かっていった。
「おらぁ!」声をあげて美瑠を殴りつける。
俯いた美瑠は眉間に皺を寄せ苛立った様子で叫ぶ。
「ホンマに手加減するアホおるか!」

美瑠は顔を上げ、夜叉を殴り返した。
頬から流れた血を拭う夜叉の表情からは
動揺の色が見えた。
「・・・うるさい」
そう言って夜叉はまた、まばたきをする。

“最初”から飛ばし過ぎたか。

マズい・・・

こんなに早く“限界”がくるなんて・・・
388名無しさん@実況は禁止です:2014/02/12(水) 21:05:57.65 ID:kVwiqm/vP
イ府って何て読むん?
389名無しさん@実況は禁止です:2014/02/12(水) 21:09:35.50 ID:ndpzicMRO
>>388
うつむく
390名無しさん@実況は禁止です:2014/02/12(水) 21:24:33.45 ID:lTW/lyMJ0
みるるんやめてええええええええええええええ
391名無しさん@実況は禁止です:2014/02/12(水) 21:25:46.86 ID:lTW/lyMJ0
まこちゃん早くきてええええええええええええ
392名無しさん@実況は禁止です:2014/02/12(水) 21:34:11.95 ID:lTW/lyMJ0
でもみるるんにボコられんのちょっと羨ましいかも
393名無しさん@実況は禁止です:2014/02/12(水) 21:34:46.61 ID:fGSt1qfq0
394名無しさん@実況は禁止です:2014/02/12(水) 21:43:57.05 ID:eGDFPj4J0
395名無しさん@実況は禁止です:2014/02/12(水) 22:00:22.03 ID:lTW/lyMJ0
>>393>>394

ありがとう
どっちも可愛いです
でもボコられんならみるるんがいいです
(M男魂)
396名無しさん@実況は禁止です:2014/02/12(水) 22:02:57.99 ID:kVwiqm/vP
>>389
サンクス
397名無しさん@実況は禁止です:2014/02/12(水) 22:21:03.25 ID:lTW/lyMJ0
2chでネタバレしてるとかどうでもいいから
本当にこのままサーモン先生のマジすか学園をドラマ化してほしい

サーモン先生、本当にいつもありがとうございます
398名無しさん@実況は禁止です:2014/02/12(水) 22:32:29.84 ID:knf+plre0
何これ?
めっさオモロイやんけ
399サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/12(水) 22:37:50.69 ID:zl5gTNN60
朦朧とする意識の中で、
夜叉が耐えていたのは“睡魔”だった。
「・・・眠い・・・」
はぁ〜と思わずあくびをした夜叉。

殴りかかってくる敵の姿はぼやけ、
怒号もまともに聞こえない。 
“ドカッ”敵の攻撃を受け、
体をふらつかせる。
拳を向けても、もう込める力はなく
いとも簡単に避けられる。
“バシッ”一方的に殴られ始めた夜叉。
「・・・痛っ・・・・・ふぁ〜」とまた
眠そうにあくびをして、
ふらふらと足をふらつかせる夜叉。

意識が・・・無くなる。

未姫・・・ごめん。

「限・・・界・・・ふにゃ」
膝からゆっくり地面へと崩れ落ちる夜叉。
─“ガクッ”

美瑠が不敵に微笑む。
「・・・うちらの勝ちやな」

その様子を見ていた村山は
戸惑った様子だったが、覚悟を決めた目に変える。
「夜叉・・・!!」村山が声をあげ飛び出すと、
岩立は「え〜もぉ〜」と今にも泣きそうな顔をする。
「は〜や〜い〜!」と言って岩立も夜叉を助けに向かった。

美瑠は「おっ」と2人に気付く。
「・・・まだいたんか?もうエンドロールやのに」

村山の拳をかわし、後ろの襟首を掴む美瑠。
そして岩立の拳を受け止めると
力ずくで引き寄せ、村山と岩立をぶつける。
「痛っ!」互いの額に頭を打ち地面に尻もちを付く2人。
美瑠は残った仲間に顔を向ける。
「この2人は人質や。
 連れて帰るで」

「え〜」と岩立は目に涙を浮かべ、
「待てよ!」村山は美瑠を睨め付けるが
難波のヤンキー達が2人を囲む。

そして美瑠はまた別の方へと顔を向ける。
「残念やったな?・・・“柊”」
400名無しさん@実況は禁止です:2014/02/12(水) 23:30:28.29 ID:H3mHsfRm0
百花の強さと弱さのギャップに萌える
401サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/12(水) 23:30:54.59 ID:zl5gTNN60
柊はゆっくりと立ち上がり、
美瑠を睨め付ける。

美瑠は地面に落ちた柊の黒豹のロングコートに目を向ける。
「それ、もらってくわ。
 勇者がラスボス倒した“証”や」

「渡すか・・・ボケ」
柊は立っているのがやっとで、
戦う力はどこにもなかった。
美瑠はふっと笑みを浮かべる。
「あんたのそういうところ・・・
 嫌いやないで。」

美瑠が足を前に出したその時だった。

“ドカッ”背後から聞こえた鈍い音。
仲間のヤンキーが苦痛で顔を歪め、
腹を押さえ地面に膝を付けている。

村山と岩立を囲んでいた難波のヤンキー達が
“誰か”に次々と倒されていく。

─ドカッ

少し茶色がかったストレートの長い髪
を風になびかせる少女。

「マジ女を倒すのはこの“私”だ」

美瑠の方へと顔を向ける。
灰色のセーラー服を着たその少女が
拳を握り締めた。
402サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/12(水) 23:42:33.13 ID:zl5gTNN60
少女の姿に驚く柊、そして村山と岩立。
その少女は美瑠を睨め付ける。
「この街で暴れてんじゃねーよ。
 “余所者”・・・」

「・・・誰や、ワレ?」
美瑠もまたその少女を睨め付ける。
柊はふっと嬉しそうに笑みに変え、
少女の名を呼ぶ。

─「“綾巴”・・・」

矢場久根1年、新総長─“北川綾巴”が動く。

綾巴が美瑠の方へと歩いていくと、
建物の影からぞろぞろと灰色のセーラー服を着た少女達が姿を見せる。
綾巴の後に続くように歩き、その群れは前に進むほど数を増す。

美瑠が険しい表情で綾巴の睨む。
倒れた矢場久根の生徒達がゆっくりと立ち上がり美瑠の背後に集まる。

「ったく・・・大物気取ってんじゃねーよ」
綾巴の姿を見てマジ女の相笠が立ち上がる。
「・・・未姫」奈々は“未姫”のほうへと歩いていき
抱きかかえると、村山と岩立も未姫を守るように前に立つ。

相笠と柊は、美瑠の前で足を止めた綾巴の隣に並ぶ。
矢場久根の生徒達およそ50人を引き連れた
新総長・北川綾巴は妖しいほどに美しく微笑する。

─「“戦争”してみるか?“ウチ”と
・・・」
403名無しさん@実況は禁止です:2014/02/12(水) 23:45:55.36 ID:7BvClZg10
みるにげろ!笑
404名無しさん@実況は禁止です:2014/02/12(水) 23:46:56.07 ID:mgM3rmoo0
さぁ、杏仁の出番やで・・・なんてなw
405名無しさん@実況は禁止です:2014/02/13(木) 00:03:42.27 ID:E7t2SFsnO
うぉサーモンさんスゲェ
別に俺のリクエストに応えてくれたわけでもないしみんなの予想の範疇だけど綾巴の登場の仕方にはシビレる
時代劇好きにはこういう登場は琴線に触れるんだよね
406名無しさん@実況は禁止です:2014/02/13(木) 00:14:16.81 ID:ExIm4W/o0
りょうはやっぱりかっけえ

けどやっぱりマジ女はまこちゃんが助けに来てえええええええ
407名無しさん@実況は禁止です:2014/02/13(木) 00:17:19.13 ID:IhTVTZ9F0
408名無しさん@実況は禁止です:2014/02/13(木) 00:26:45.16 ID:ExIm4W/o0
>>407

ありがとう
りょうはたん きゃわわっ!
409名無しさん@実況は禁止です:2014/02/13(木) 00:41:10.30 ID:ExIm4W/o0
保守
410名無しさん@実況は禁止です:2014/02/13(木) 01:01:26.07 ID:82jGm8qk0
盛り上がってきたね〜
NMB本体のさや姉みるき-ナナけいっちが合流してからのクライマックスが
ワクワクする しかしNMBには絵に浮かぶ役者が多いわ
アカリンりぽぽ上枝レモン室も出演希望です
411名無しさん@実況は禁止です:2014/02/13(木) 01:04:18.00 ID:c5stg/8dI
女帝はるちゃん何処ー?
412名無しさん@実況は禁止です:2014/02/13(木) 01:09:57.33 ID:ExIm4W/o0
>>410

そこに更にマジすかのまこちゃん達がかかわってきて
本当に楽しみですよね

じゃあサーモン先生おやすみなさい

自分のペースでゆっくりお願いします
ありがとうございました
413サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/13(木) 01:10:15.84 ID:YtR9zKxK0
「後からしゃしゃりでてきて
 何息巻いてんねん・・・潰すぞワレ」
美瑠がそう言って睨みつけると、
難波のヤンキー達も怒号を浴びせる。

綾巴は微笑したままで、余裕すら感じられる
が強い口調で言葉を返す。
「その“上等”・・・もらってやるよ。
 潰してみろ」

綾巴の迫力に怯んだ難波のヤンキー達は
急に静まり返った。
辺りを包む一瞬即発の緊張感。
美瑠がギュッと拳を握り締める。
「・・・戦争や。
 戦争したろうやないか・・・」

「“今”、この場で潰してやるよ」
綾巴は笑みを消し、鋭い眼光で睨む。
互いに睨み合い、
緊張がピークに達したその時。

綾巴の後ろにいた矢場久根の生徒達が
ザワザワと声を立て、
“誰か”に道を譲る。

「どいてくれ・・・」

そう言った少女に道を開ける。

「・・・未姫・・・」
奈々に抱きかかえられた未姫の頬に
そっと触れる少女。
奈々は静かに少女に言葉をかける。
「大丈夫、疲れて寝てるだけだ」

「夜叉・・・ごめん。無理させちゃって」
少女はギュッと拳を握り締め、
鋭い眼光に変える。
長い髪をシュシュで束ね、
スカーフを拳に巻き、ゆっくりと立ち上がる。
414サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/13(木) 01:12:08.59 ID:YtR9zKxK0
「“凪咲”・・・“涼花”・・・
 私がアイツら潰しちゃっていいよね」
怒りを込めた静かな口調で少女は
そう言って“美瑠”のほうへと歩いていく。
難波のヤンキー達、そして矢場久根のヤンキー達の
視線がその少女に向けられた。
美瑠は真っ直ぐ自分を睨むその少女に
“何か”を感じた。

“ゾクッ”─

背筋を走る悪寒。
死神に睨まれたような死をも感じさせる“恐怖”。
「うち・・・ビビっとるんか・・」

その様子を見ていた矢場久根の生徒の1人が言った。
「凪咲って・・・ガンギレの“白豹”渋谷凪咲か?」
すると、別の生徒がこう言う。
「あいつがマジ女の“大島涼花”だ。
 噂どおりのチビだぜ」

「おい、聞こえてるぞ〜」
涼花のツッコミをよそに
矢場久根の生徒達の注目は、綾巴の
隣に並んだ“少女”に集まった。

「じゃあ・・・あいつが・・・」

「ああ、マジ女で最も“頂点”に近いと呼ばれる1年・・・」

誰かが言った。

──「“小嶋真子”」─
415名無しさん@実況は禁止です:2014/02/13(木) 02:01:27.69 ID:PSd7wX+u0
盛り上がってまいりましたー
マジでこれ映像化してほしいわ
416名無しさん@実況は禁止です:2014/02/13(木) 05:39:13.39 ID:eZskKkRs0
挙げ
417名無しさん@実況は禁止です:2014/02/13(木) 06:37:22.87 ID:IhTVTZ9F0
418名無しさん@実況は禁止です:2014/02/13(木) 08:13:55.79 ID:UsQfWZPqP
419名無しさん@実況は禁止です:2014/02/13(木) 08:30:24.44 ID:UsQfWZPqP
420名無しさん@実況は禁止です:2014/02/13(木) 10:29:31.50 ID:UWktE89m0
421名無しさん@実況は禁止です:2014/02/13(木) 11:07:55.14 ID:ExIm4W/o0
まこちゃん来たな

東京の強さ見せたってくれい!
422名無しさん@実況は禁止です:2014/02/13(木) 11:20:20.12 ID:t9nS5c5z0
いやいや
さや姉率いる関西の強さをみせたれ!
423名無しさん@実況は禁止です:2014/02/13(木) 11:29:42.78 ID:ExIm4W/o0
いやいや

そこはりょうは率いるヤバクネの強さ見せたってくれい!
424名無しさん@実況は禁止です:2014/02/13(木) 12:43:27.09 ID:XlbB1jQw0
425名無しさん@実況は禁止です:2014/02/13(木) 13:54:39.13 ID:eZskKkRs0
この展開ヤバイ!

サーモンさんありがとうございます
426名無しさん@実況は禁止です:2014/02/13(木) 14:36:06.54 ID:ExIm4W/o0
サーモンさんお疲れ様です

いつもありがとうございます
427名無しさん@実況は禁止です:2014/02/13(木) 16:11:45.77 ID:ExIm4W/o0
こじまこに
「私の仲間を傷つけた奴は許さねえ!!!!」
って言ってほしい
428名無しさん@実況は禁止です:2014/02/13(木) 16:54:10.79 ID:UsQfWZPqP
429名無しさん@実況は禁止です:2014/02/13(木) 16:58:39.19 ID:Ni5NZ7o2i
430サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/13(木) 17:33:16.87 ID:YtR9zKxK0
綾巴は美瑠を見据えたまま
真子に語りかける。
「・・・こいつらはうちら“矢場久根”が潰す。
 消えろ、真子」

「綾巴・・・芽瑠がこいつらの仲間にやられた。
 私は退くわけにはいかない」

「芽瑠が・・・?」
少し驚いた顔つきで真子に顔を向ける綾巴。
真子の目は怒りに満ち、“マジ”そのものだった。
ザッ、真子は一歩前に出る。
「お前に聞きたい事がある。
 “本隊”はどこにいる?」

美瑠は眉間に皺を寄せ、
険しい表情で真子を睨みつける。
「“本隊”?
 あぁ・・・“さや姉”達か、さぁ。うちは知らん」

「“さや姉”?そいつがお前達の頭か?」

「・・・そうや」

「ここに連れてこい」
真子の眼光とその迫力に、
美瑠は気圧され一瞬言葉を失うが
それを相手に悟られまいと
一歩前に出て自らの誇りを貫く。
「無理や。仮に知っていても仲間は売れん。
 自分で探せや」

「・・・じゃあ伝えろ。
 マジ女の小嶋真子がお前をぶっ潰す・・・
 そう言っていた、ってね」

「・・・ワレが“東”の代表か?
 ずいぶんとクソガキやな。
 “大阪”舐めとんのか」

“ガッ”美瑠は真子の胸ぐらを掴む。
真子はただ鋭い眼光で美瑠を
真っ直ぐ見据える。
美瑠はその真子の“眼”に思わずゴクリと息を呑む。

・・・こいつから感じるモンはなんや・・・

・・・うちは知っとる・・・

この感覚は“あの人”と同じなんや。

こんなガキが・・・
431サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/13(木) 17:34:13.42 ID:YtR9zKxK0
美瑠を見据える真子。
「そろそろ始めるか?“タイマン”だ」

「“タイマン”やと?」
状況はどう見ても真子達の方が有利だった。
自分達は手負いな上に、数でも負けている。
なのに、1対1のタイマンを
望んできた真子に、美瑠は苛立ちを隠せなかった。
「何甘っちょろい事言ってんねん・・・
 シバくぞ!?コラァ?!」
“バシッ”─
真子を殴りつける美瑠。
サッと髪が揺れ横を向いた真子の表情を隠す。
“ドカッ”
真子の拳を頬に食らい、ザザッと
地面に手を付く美瑠。
立とうとするが、ガクッと膝が崩れる。

間違いない・・・こいつからは・・・

“さや姉”と同じモンを感じる。

「タイマン・・・したろうやないか」
顔を上げた美瑠の眼に、真子の姿が映る。
「立てよ」

「・・・クソガキが・・・」
美瑠はゆっくりと立ち上がると、
“おらぁ!”声をあげて殴りかかる。
バシッ、真子は拳を受けるが、
表情ひとつ変える事なく殴り返す。
“バシッ!”─
体をよろめせる美瑠。
倒れまいと歯を食いしばり必死に堪える。
そしてまた真子を殴り返す。
それが何度か繰り返された。
“ザザッ”と地面に膝を付く美瑠。

力の差は歴然だった。

勝てない事は分かっていた。

それでも歯を食いしばり立たなければいけない。

そう思った・・・

それが難波に生きる狼のプライド─

「・・・うちは“白間美瑠”。
 難波の女、舐めたらあかんで・・・」

─美瑠は立ち上がった。
432名無しさん@実況は禁止です:2014/02/13(木) 18:19:19.92 ID:ExIm4W/o0
まこちゃんに関東の希望を託した
433名無しさん@実況は禁止です:2014/02/13(木) 18:42:41.95 ID:UsQfWZPqP
434名無しさん@実況は禁止です:2014/02/13(木) 20:43:14.95 ID:IhTVTZ9F0
435名無しさん@実況は禁止です:2014/02/13(木) 21:17:27.68 ID:b/Hwc9uV0
436サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/13(木) 21:28:22.15 ID:YtR9zKxK0
立ち上がった美瑠の瞳を、真子は真っ直ぐ見つめるとギュと拳を握る。
マジ女、そして矢場久根の生徒達は
美瑠の気迫に驚きを隠せなかった。

沈黙したなかで、薮下柊が口を開いた。
「・・・もうええ。真子、止めや」

美瑠は柊の方と顔を向け厳しい顔つきで叫ぶ。
「何仕切ってんねん!
 まだ終わっとらんぞ!」

「美瑠さん・・・あんたの“マジ”は
 よく分かったわ。
 けど、今日は終いや。
 ここであんたが退かんと・・・死人が出るで」

「なんやと?」
柊の目は美瑠の後ろにいる難波の生徒達を見ていた。
振り返った美瑠の目に映ったのは、
険しい表情で“敵”の真子達を睨む
仲間の姿だった。
立ち上がった美瑠の気迫に乗せられ
難波の生徒達の志気は極限まで達していた。
ふっと笑みを浮かべた美瑠は
柊の方へとまた顔を向ける。
「・・・尚更退けんわ。続き・・・始めるで」

だが対峙していた小嶋真子は
拳に巻いていたスカーフをほどき、
束ねていたシュシュを取る。
長い髪がサッと肩に触れると、
真子は美瑠の目を見つめる。
「・・・私はこの街にいる。
 いつでも来い・・・相手になってやる」
そう言って真子は美瑠に背を向けた。
437サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/13(木) 21:59:20.13 ID:YtR9zKxK0
「・・・逃げるんか・・・
 こっち向けや!?うちとタイマンはらんかい!!」
美瑠が叫んだその時、
美瑠の背後から聞こえた声。
「美瑠・・・今日は止めや・・・」

その声の主は木下百花だった。
足を引きずりながら美瑠に歩み寄る百花。
「冷静にならんかい・・・らしくないで。
 アイツらも“マジ”や。
 このまま続けたら・・・うちらが負ける」

「・・・退けっちゅうんか・・・」

「・・・そうや。“今”は退くんや」

「・・・くそっ」美瑠は厳しい顔つきで
拳を握りしめる。
振り返った真子を、百花が睨めつける。
「・・・あんた、名前は?」

「・・・小嶋真子」

「・・・“山本彩”・・・この名前、
 覚えておくんやな」 
 
「・・・そいつがお前達の頭、“さや姉”か・・・」

「そう。あんたを倒す者の名や」
木下百花は不敵に微笑んだ。
そして難波のヤンキー達は美瑠に
駆け寄り肩を貸す。
美瑠は真子を見据える。
「あんたは強い・・・けどさや姉には勝てんで・・・
 “絶対”にな」

真子はふっと笑みを浮かべる。
「私は負けない・・・“絶対”に」

“ふっ”美瑠はなぜか嬉しそうに
笑みを浮かべる。
そして美瑠は背を向け、足を前に出す。
「あんたら、行くで」
─その場から去る難波のヤンキー達。
美瑠は百花に顔を向け囁いた。
「あいつ・・・さや姉と同じ匂いがしたわ」

「・・・うちも気付いた・・・けど、まだガキやな」

「そう・・・未完の頂点や。
 “本物”になれるか・・・少し楽しみやな」─
438名無しさん@実況は禁止です:2014/02/13(木) 22:15:50.81 ID:IhTVTZ9F0
439サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/13(木) 22:27:35.57 ID:YtR9zKxK0
真子達を大きな木の影から見つめる
1人の少女。
白いセーラー服を着たその少女は、
首に付けたネックウォーマーを
上げ口と鼻を隠す。
「いいところやったのに・・・」
鋭い眼光で“綾巴”と“真子”を睨む。

「・・・・・アイツら邪魔やな」

まだあどけない少女はそう言った後、
背を向けどこかへと消えた。

綾巴は着ていたジャケットに手を入れ
「行くぞ」と仲間に声をかけ、その場から去ろうとする。
真子は去る綾巴に声をかけた。
「綾巴!・・・助けてくれてありがとう」

足を止めた綾巴は背を向けたまま口を開く。
「・・・助けたつもりはない。
 私がお前を倒す・・・ただ、それだけの事だ」
そう言って綾巴はその場から去っていった。
そして真子は傷ついた仲間達を連れ
この場を後にする。

関西から来た強者達との戦いは、
真子達に大きな傷を与えた。
修学旅行・初日の出来事だった─
440名無しさん@実況は禁止です:2014/02/13(木) 23:22:49.53 ID:IhTVTZ9F0
441名無しさん@実況は禁止です:2014/02/13(木) 23:27:31.84 ID:8F0ZLqEI0
おもろいやん
442名無しさん@実況は禁止です:2014/02/13(木) 23:49:10.78 ID:76mmY6Ip0
443名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 00:07:12.71 ID:E7t2SFsnO
>>439
誰だろ?
願望では井尻がいいけど城か?
西の頭脳派が誰かも気になる
444名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 00:27:35.95 ID:Y/qppmzu0
百花再登場うれしー
サーモンさんありがとう
445名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 00:59:00.13 ID:Q41mVeBQ0
446名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 02:07:15.78 ID:Ayf/4k560
サーモンさんには失礼だけど・・・・・
マジ女の2年、3年を登場させるかどうかを迷ってるのかなと思う。

多分まだセンターがてっぺんだろうし。
それから「優魂継承」の特攻服を着た武藤の登場とかね(笑)
447名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 05:31:17.18 ID:Q41mVeBQ0
448名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 06:36:11.20 ID:Q41mVeBQ0
449名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 08:32:38.04 ID:bwDLQDhlO
あげ
450名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 09:17:41.02 ID:4ez/WvhX0
451名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 09:20:41.10 ID:NEhp3Mww0
452名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 10:27:42.26 ID:JLu8jyvu0
453名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 13:05:33.93 ID:ZRfm2tdbP
454名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 13:53:50.63 ID:26bPbNXs0
大根役者、学芸会の延長感がでると
よりマジすからしくなるな
455名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 14:05:32.14 ID:ZRfm2tdbP
456名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 15:15:28.62 ID:sUk6PGS00
457名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 15:20:37.31 ID:sUk6PGS00
てんとうむchu!
458名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 15:25:04.41 ID:fseJoISj0
>>454
確かにw
そしてその中にみーおんとかさくらたんが出てくると逆に浮くんだろうな
459名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 17:03:21.88 ID:26bPbNXs0
>>458
ストーリー構成はとても良いんだけど
逆に良すぎるというかねw
マジすかって、もっと肩透かしなさっぶ〜いギャグとかも
時おり絡めてくるから
460名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 17:37:55.17 ID:Q41mVeBQ0
461名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 17:56:14.48 ID:laKbtBwD0
とむっとむちゃん来るかね
462名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 18:10:19.53 ID:25i7d9yr0
伝説のラッパッパ部長大島優子に愛された女武藤十夢
463名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 18:50:47.88 ID:bwDLQDhlO
>>446
現時点で小嶋は私闘って考えていると思う
ネズミ経由でセンターの耳に入るけど「ウチの学校に(これ以上)飛び火する時はオマエの面子は関係なしに動く!」って感じになる気がする

その特攻服を纏った武藤(2年?)やキレると英語になる平田とかその辺りの面子は面白そうだけどサーモンさんが大変だろうなぁ
464サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/14(金) 19:25:31.89 ID:tA5/cjfx0
いつもの病院に足を運んだ7人・・・
と村山、岩立の2人。
村山と岩立は額に絆創膏を張ると、
涼花が付き添い自宅に戻った。

凪咲、涼花、真子以外の4人は
入院を余儀なくされた。
未姫に至っては目を醒ます様子もなく、
真子は心配した様子で
「未姫の側にいる。いいよね?」と医者を脅していた。

医者と顔なじみになっていた事もあり
同じ病室にしてもらった4人。
涼花は村山と岩立を送り、
病院へとまた戻ってきた。
いつもなら騒ぐ涼花が、なぜか大人しく
やけに深刻な顔をしていた。
眠りについた相笠と未姫の顔を見つめる涼花。
「なぁ・・・凪咲。ぶっちゃけ勝てると思うか?
 この状況でさ・・・」

壁に寄りかかり、腕を組む凪咲。
「・・・ええで、降りても。
 あんたらには感謝しとる」

「誰も降りたいなんて言ってないだろ。
 ・・・正直ビビってるけどさ」
涼花はいつになく真剣な顔つきをしていた。
「無理もないわ・・・」と凪咲は呟き
言葉を続ける。
「初戦がこれじゃあな。
 けど、ダメージ受けたのはうちらだけやない。
 そうやろ?柊」

柊は部屋の端のベッドで毛布を被り、
皆に背を向けるように、窓の外を見つめていた。
「・・・百花に邪魔されんかったら、
 うちらが勝ってたわ」

柊の隣のベッドにいる奈々が
ゆっくりと体を起こす。
「・・・彩希に聞いたが、
 夜叉の圧勝だったんだろう?」

「そうや。百花が弱く思えるくらいにな・・・」
柊がそう言うと、奈々は一点を見つめる。
「戦った私がよく分かっている。
 アイツは強い・・・」
465サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/14(金) 19:27:35.71 ID:tA5/cjfx0
真子は未姫が眠るベッドの隣に
椅子を置き腰をかける。
「前に夜叉から聞いた事がある・・・
 “私はウルトラマンみたいなものさ”って」

凪咲はスペシウム光線を放つ構えをとる。
「ウルトラマンって“これ”か?」

「そう。夜叉は、限られた時間でしか戦えないヒーローなんだ・・・
 “私には限界がある。
  未姫が普段使わない力を無理に引き出しているんだ。
  あまりに引き出すと、脳が悲鳴を上げる”」

柊が毛布からヒョコっと顔を出す。
「それが“睡魔”っちゅうわけか。
 確かに何かに焦ってる様子やったわ」

真子は未姫の頬を手でそっと触れる。
「夜叉は分かっていたんだ。
 最初から全力でやらなきゃ負ける、
 だから“アクセル”を全開にした」

夜叉が認めるほどの強さを持つ難波の強き者達。
涼花が口にした“不安”は、他の者は
口にする事はなかったが、
皆“それ”を心のどこかで感じていた。
険しい表情をする真子も少なからずあっただろう。

私が・・・ケリをつけてやる。


“ガチャ”病室のドアが開く。
入ってきた看護師に視線を送る真子。
「“サド”さん」

「“西”とやり合ったらしいな」
元ラッパッパ副部長・現看護師のサド
は今回の事をすでに知っている様子だった。

「どうしてその事を?」

「白衣の天使を舐めんな。
 この街の出来事は、すぐに患者さんが教えてくれるんだよ」

サドは真子のほうと歩いていくと、
“バシッ”と頭を叩く。
「痛っ・・・何するんすか?」
真子は頭を抑えサドを見上げる。
ふっと笑みを浮かべるサド。
「シケた面するな。“笑え”」 

「・・・見てわかりませんか?
 仲間がやられたんですよ・・・
 笑えるわけ・・・」
真子が悔しそうに拳を握ると、
サドが真子に問う。
「お前の目指す・・・“マジ女のてっぺん”ってどんな姿だ?」
466名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 19:44:22.07 ID:ZRfm2tdbP
467サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/14(金) 19:52:34.26 ID:tA5/cjfx0
「・・・“最強”。
 誰にも負けない強さがある人」

「他の学校ならそれが正解かもな。
 だが、マジ女は違う」

「違う?」

「“マジ女のてっぺん”てのは
 ・・・周りに力を与える存在なんだよ。
 忘れるな。  
 ひとりで戦ってるわけじゃない。
 仲間に力を与え、与えられる者・・・
 それがマジ女のてっぺんだ」

サドはどこか“大島優子”に似たこの少女を
優しい目で見つめる。
まるで子を育てる母のように。
「お前の魅力は喧嘩の強さじゃない。
 どこか人を惹きつけるもんがある。
 例えばこの・・・」
サドは真子の口角の両端を両手で抓み、
グイっと上げ無理矢理笑みを作る。
「“笑顔”とかな」

真子は少し困った顔で口を開く。
「しゃどしゃん・・・」

真子の口から手を放しサドは言った。
「マジ女はいつだって“マジ”だ。
 “西”に教えてこい」
468サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/14(金) 19:54:05.79 ID:tA5/cjfx0
すると薮下柊が毛布をバッと払い
ベッドの上に立ち上がり
腰に手を当てた。
「その“オバチャン”の言うとおりで!
 マジ女は“マジ”を、ガンギレは“恐怖”を教えたろうやないか!
 マジギレ連合や!」

ピクッと眉を動かしたサド。
「オバチャン?」

凪咲は真子の目を見据えるとふっと笑みを浮かべる。
「・・・マジ女に勝てなかった理由が分かった気がするわ。
 その“オバサン”いいこと言うわ」

ピキッ─
眉間に皺を寄せるサド。
「オバサンさん?」

そして岡田奈々も笑みを浮かべ
真子のほうへと顔を向ける。
「私はお前に付いていくよ。
 ところで・・・あの“オバサン”何者だ?」

「あぁ?」
サドが目を大きく開けると、
涼花がサドの前に立つ。
「聞いて驚け!
 この“オバチャン”はな・・・!
 なんとあの・・・」

ブチッ─
サドの怒号が病室に響きわたる。
「誰が“ハバア”だ?!涼花!!」
 
「えぇ!?なんで私だけ!?」
涼花の叫び声が響きわたった。
“ぎゃあぁぁぁ”──
469サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/14(金) 19:56:34.18 ID:tA5/cjfx0
>>468
ミスった・・・
訂正です。

眉間に皺を寄せるサド。
「オバサン?」
470名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 19:58:14.28 ID:ZRfm2tdbP
471名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 20:18:08.45 ID:25i7d9yr0
そういえばこの前こじまこのスッピンが大島優子に似てるってスレもあったな
472名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 20:25:48.70 ID:Fng2YRu0P
うp
473名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 21:13:28.61 ID:Y/qppmzu0
黒傘
お前は強い
474名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 22:08:43.45 ID:sUEXeyQP0
>>446
今回のはサ−モンさんが前に書いてたけどタイトルが
マジすか学園〜続・てっぺんとったんで〜やけど
次作は優子無き後の武藤や藤田のチ−ムKメン主演のマジすか学園〜優魂継承〜がええな
475名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 22:14:48.00 ID:VTxZOKEL0
48G全体ならキャラは豊富だからね
いずれは博多も出して欲しい
476名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 22:17:50.36 ID:NSQP+Tmg0
そのうちドラフトメンも出るのかな
477名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 22:54:12.16 ID:Q41mVeBQ0
478名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 22:58:20.23 ID:sUk6PGS00
芽瑠はどこに入院してるのでしょうw
479名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 22:58:56.29 ID:CHNtvj8A0
480名無しさん@実況は禁止です:2014/02/14(金) 23:52:52.49 ID:laKbtBwD0
サドさんかっこいいです
481サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/14(金) 23:56:27.30 ID:tA5/cjfx0
>>474
優子さんの話はいつか書きたいです!
482名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 00:05:30.83 ID:laKbtBwD0
>>481
サーモンさんおつかれさまです

いつも本当にありがとうございます
483サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/15(土) 01:29:47.62 ID:ndTQFsv10
看護師・サドの鉄拳が涼花の顔に
炸裂した頃─

「・・・“隣”の奴ら、うるせぇ」

頭に包帯を巻いた少女はそう言って
毛布を払い、壁をドンッと叩いた。
「うるさ〜い!静かにしろ〜!」
と声を荒げる。
隣の病室から聞こえていた声が、
ピタリと止まった。

・・・壁に耳を当てる少女。
すると耳鳴りになりそうなほどの
大きな声が聞こえた?
“ごめんなさ〜い!!”

「ビクッ!」あまりの声の大きさに
床に尻もちを付き耳を押さえる少女。

「大丈夫?“芽瑠”」と心配した様子で
美桜が声をかける。

「・・・鼓膜が破れるかと思った・・・」
芽瑠は耳を押さえて壁を睨む。
「今の声・・・真子に似てたな。
 ははっ、まっさかね〜」

芽瑠がそう言ってベッドに戻り
布団をかけた時だった。

“バタッ”ドアが開けられる。
「芽瑠!」 

「真子!?」芽瑠は一瞬驚いた顔をすると
急に胸を押さえて「あ痛たたた・・・」と俯く。

真子は少し怒った表情だ。
「サドさんから聞いた。
 どこが“瀕死”なんだよ」

芽瑠はそぉ〜と顔を上げ、
真子の目を見つめると、ニコっと笑った。
「いやぁ、そう言った方が
 真子って“マジ”になるじゃん?」

「・・・なるじゃん?・・じゃないよ・・・。
 芽瑠!!」
拳を組み、コキッと鳴らし
じりじりと芽瑠に歩み寄る真子。
「や、止めろ・・・。怪我人に何する気だ・・・」

数秒後、芽瑠の叫び声が病室に響きわたった。  
484名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 01:57:04.53 ID:/FgLp2DU0
セーラーゾンビよりこれやってほしいわ〜
485名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 02:04:42.14 ID:HWN7wL7D0
486名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 02:48:34.47 ID:eAyL2S9c0
みるきーがきや姉に挑みそうな感じがしますね。

「うちがアンタを止めてやる」みたいな感じで。
昔のヤンキー漫画のろくでなしブルースで坂本が葛西に挑んだ
みたいに。若い人はしらんだろうけど(笑)
487486:2014/02/15(土) 02:49:54.46 ID:eAyL2S9c0
みっともない誤字。なんだよ「ぎや姉」って(笑)
488名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 03:39:58.02 ID:jquDre/yO
>>486
みるきーと山田菜々の戦闘力と序列がこの話しのポイントかもね


芽瑠は戦力ダウンしてないみたいでひとまず安心

サーモンさん今夜もおつかれさまでした
489名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 04:06:36.45 ID:HWN7wL7D0
490名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 10:00:38.24 ID:qYHLnvC40
あげ
491名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 10:44:43.91 ID:S7GOqgfs0
492名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 12:03:35.15 ID:uksFmB0L0
493名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 14:07:29.46 ID:uksFmB0L0
494名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 15:37:38.12 ID:xEwGDYW50
のだかないつものマジすか好きや
495名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 16:31:36.20 ID:uksFmB0L0
496サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/15(土) 16:48:48.97 ID:W9haBArq0
「芽瑠〜!」
真子が芽瑠の両脇をこちょこちょと
くすぐっている頃、
とあるホテルに泊まる難波の生徒達は
重苦しい空気に包まれていた─
「聞いたか?春奈達が呼び出されたらしいぜ」
「こっちの奴らに派手にやられたらしい」
「“さや姉”怒ってるんちゃうか?」
「・・・それがな・・・」

ホテルの一室に集まる難波女子の3年数人、
そして部屋の隅に立つ、春奈と夢莉。
春奈は困惑した顔つきだった。
「“命令”していない?
 んなアホな・・・!
 うちらはさや姉の命令だと思ったから・・・!」

ベッドの上に腰をかけるみるきー。
「したんか?“さやか”」

難波の頂点・山本彩は神妙な顔つきで
窓の外を見つめていた。
「・・・しとらん。あんなクソガキ潰すくらい、
 うち1人で充分やわ」

夢莉もまた動揺した顔つきだ。
「じゃあなんで・・・こんな人数集めて
 東京来たんですか?」

「それは・・・」
何かを言い掛けたさや姉の言葉を
遮るようにみるきーが口を開く。
「あれや、卒業前の思い出作りっ
て奴や。
 皆と東京来たかったんや〜。
 なっ?そうやろ?」

「・・・ああ」
さや姉は怪訝な顔をしてみるきーを見据える。
真実は言わんでええ、
まるでそう言うように、みるきーは
静かに首を横に振る。
1年の木下春奈と太田夢莉の2人は
神妙な表情をして下を俯く。
“ガチャ”ドアを開け部屋に入ってきたのは
3年の上西恵だった。
「百花と美瑠、やっと寝よったわ。
 あの百花をあそこまでやりおるなんて・・・
 あんたらどんな化けモンと戦ったんや」

「・・・全部、うちらの責任です」
春奈は拳を握り、奥歯を噛みしめた。
夢莉も俯いたまま眉間に皺を寄せる。
そんな2人に優しく微笑みかける“みるきー”。
「あんたらは大した事ないみたいで良かったわ。
 まぁ・・・起きてしまった事はしゃあない。
 そんな気にせんでええよ」
497名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 16:54:23.87 ID:uksFmB0L0
498名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 16:56:21.63 ID:uksFmB0L0
499名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 16:59:20.63 ID:uksFmB0L0
500名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 17:01:55.55 ID:uksFmB0L0
501名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 18:08:31.67 ID:xEwGDYW50
みる姉さんかっこいいです
502サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/15(土) 18:34:18.05 ID:W9haBArq0
春奈は顔を上げ、
みるきーの目を見据える。
「・・・戦争ですよ?
 “西”と“東”の・・・。
 落とす必要のない“火種”を落としたんや。
 気にせんほうがおかしいですわ」

みるきーの顔から笑みが消え、
目つきが変わる。
「・・・なんや?その言い方・・・」
2人の間を走る緊張感。
ピリピリとした空気が流れる。
上西恵、山田菜々の2人が、
2人の間に割って入り、引き離した。
「止めようや、みるきー」

上西も春奈の肩に手を置く。
「春奈、落ち着かんかい」
すると、みるきーはニッコリと微笑む。
「・・・ごめんな?春奈」

「うちも言い過ぎました・・・すんません」
春奈はみるきーに頭を下げると、
さや姉の方へと顔を向ける。
「うち・・・“アイツら”に詫び入れてきます。
 話が分からない奴らでもない・・・
 今なら・・・戦争を止められるかも」

夢莉も一歩前に出てさや姉に訴えかける。
「それならうちも行きます・・・!」

「そんなんせんでええ」
外を見つめていたさや姉はそう呟いた。
脳裏をよぎる“芽瑠の言葉”。

“だから狙っているんだ・・・
 疼きを止めるために”─

こういう意味やったか・・・。
狙っている、まるでうちがもう動いている
みたいな言い方やった。

さや姉は振り返り、
春奈と夢莉の顔を見つめる。
「“誰”や?」

「え?」

「あんたらに“命令”したんは誰や?
 百花と美瑠か?」

顔を合わせる春奈と夢莉。
夢莉はさや姉のほうへと顔を向けた。

「・・・いや・・・2年の・・・」─


─「須藤凛々花」
503名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 18:38:43.80 ID:LCRQrD6u0
りりぽんキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
504名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 18:43:27.81 ID:L9hSBgMr0
知らない娘来たー
505名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 18:49:41.74 ID:y/lf6Mp00
ドラフトの娘やで
506名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 18:50:13.10 ID:UDVVVfZJP
りりぽんついにキタ━(゚∀゚)━!
507名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 19:18:50.77 ID:xEwGDYW50
ドラフト期待の新星来たああああああああああ
508名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 19:25:25.30 ID:/6oOpOOzP
509名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 20:18:09.93 ID:65fQxSRp0
きたああ!ホームシックの子やあ・・
失礼
510名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 20:22:00.16 ID:imhfqqhAP
ドラ1きたか
511名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 20:26:18.32 ID:JWANnmiX0
須藤は東京からの転校生って感じか?
512名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 20:30:22.65 ID:/6oOpOOzP
513名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 21:13:43.39 ID:UIFhw9s1O
予想外のメンバーを持ってきたな
514名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 21:49:05.11 ID:xEwGDYW50
みるきーに睨まれたい
515サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/15(土) 23:05:13.43 ID:W9haBArq0
難波女子2年・須藤凛々花。
彼女の名を聞いたさや姉は眉をしかめ
怪訝な顔つきをする。

“転校生”がどうして・・・

「須藤を連れてきてくれるか?」

菜々は静かに頷き、部屋を飛び出した。
さや姉は春奈のほうへと顔を向ける。
「なんて言われたんや?」

「・・さや姉は用があって動けない。
 1年と2年で柊と凪咲をやる、今日中に・・・
 そう言ってました・・・」

さや姉が目を細めた時、
“ガチャ”部屋のドアが開く。
菜々を後ろを歩く須藤の姿がさや姉の
目に映る。
須藤は自分を睨む春奈と凪咲の姿に
が付くとふっと不敵な笑みを浮かべ
さや姉に視線を送る。
「光栄ですわ、さや姉さんとお話できるやなんて〜」

「下手な関西弁止めろや。
 東のモンが使うとイラッとすんねん」

さや姉の言葉に、須藤は笑みを消し
目つきを鋭くする。
「何故、2人にそんな事を言ったのか
 って・・・話ですか?」

「そうや。何勝手に動かしてんねん」

「・・・“桶狭間の戦い”って知ってますか?」

「織田が今川を討った話やろ」

「そうです。
 大軍の敵に寡兵で勝利した信長は・・・
 この戦いで天下への道を切り開いた」

「何が言いたいんや?」

「・・・好機の到来を信長は逃さなかったって話ですよ。
 “てっぺん”・・・穫るんですよね?
 あなたが変わってしまった事を
 嘆いている人もいれば・・・、
 今のあなたがいいと思う人もいる。
 私は、“後者”ですよ」
516名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 23:08:57.04 ID:LPtL0c3V0
台風ありがとうの子か
こういうのは得意そうだわw
517名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 23:13:27.28 ID:n468WIVe0
>>515
> 須藤は自分を睨む春奈と凪咲の姿に
> が付くとふっと不敵な笑みを浮かべ

百花のミスですかね?
あとメーカー付く?
518名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 23:16:02.07 ID:UDVVVfZJP
>>517
夢莉の間違いやな
519サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/15(土) 23:25:34.77 ID:W9haBArq0
>>517
夢莉です。゚(゚´Д`゚)゚。
520名無しさん@実況は禁止です:2014/02/15(土) 23:49:01.57 ID:uksFmB0L0
521名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 00:03:17.92 ID:xEwGDYW50
>>519

おつかれさまです
522名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 00:05:03.20 ID:A8eLrbiZ0
>>519
ありがとうございます
523名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 01:02:13.75 ID:zj15KdU2O
>>519
今日もおつかれさまです

須藤がこれからどんな思惑を持っているのかどんな役割をするのが楽しみです
524名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 02:29:03.58 ID:A8eLrbiZ0
あげ
525名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 02:31:18.06 ID:B9cbnZ350
526サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/16(日) 02:38:45.95 ID:LbxAs0IC0
須藤の言葉で部屋は緊張に包まれた。
部屋にいた者達の中には、
自分を問いただすように下を俯き
神妙な顔をする者もいた。
また別の者は、揺るぎない目で
さや姉を見つめる。
1年の木下春奈である。

睨むように須藤を見るさや姉、
そしてさや姉の心を見据えるように
真っ直ぐな目で見つめる須藤。
重苦しい空気が漂う。
それを打ち破ったのはみるきーだった。
「あんた・・・何さや姉を煽ってんねん!
 どういうつもりや!?」
須藤の胸ぐらを掴むみるきー。
取り澄ました顔をする須藤。

「みるきーさん・・・。
 あなたは“どちら”ですか?」

「・・・止めんかい・・・」
須藤のまるで真意の読めない目に
みるきーは怒りにとらわれた。
「殺したろか!!ワレ!」

“バシッ”─
須藤を殴りつけるみるきー。
倒れた須藤の胸ぐらを掴み、
また殴りつけようとする。
「立たんかい!!
 人の心かき回しよって!!」

「止め!みるきー!」菜々と上西が
必死に止める。
羽交い締めにして須藤から離そうとする。
みるきーは興奮した様子で叫ぶ。
「うちはずっとさや姉と一緒やったんや!
 友達なんや!
 さや姉が道を間違えたなら・・・
 うちが連れ戻したるわ!!」
527名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 02:43:12.93 ID:B9cbnZ350
528名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 02:44:18.98 ID:TQcREEjP0
みるきーかっこいいこと言うなあ
529名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 03:20:28.41 ID:l/W8jeSP0
さや姉は楓ちゃんの仇をとる為にみるきーより須藤を選択しそうだな。
530サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/16(日) 03:35:23.24 ID:LbxAs0IC0
─「止めんかい!!」
さや姉の声が、みるきーを我に返した。
「離せや!」菜々と上西の腕を払うみるきー。
須藤は壁によりかかり、唇から滲み出る血を拭い
ゆっくりと立ち上がる。
「・・・すみませんでした。
 私が“敵”に謝っておきます」
須藤はみるきーに頭を下げ、
さや姉のほうへと顔を向ける。
「・・・失礼します」
さや姉にも頭を下げ、須藤は背を向けた。

「待たんかい、須藤」
さや姉の声は須藤の足を止めた。
振り返る須藤。
「・・・はい」

「詫び入れる必要はない」

「さや姉!!」みるきーは嘆いた顔で友の名を叫ぶ。
だが、さや姉は須藤の目を見据える。

「“東”と全面戦争や・・・
 やり合う覚悟のある奴はロビーに集まれ。
 全員にそう伝えろ」

「・・・分かりました」須藤は頭を下げ
部屋を後にした。
さや姉は春奈と夢莉のほうへ顔を向ける。
「・・・あんたらは部屋に戻って休んでええ。
 うちが仇とったる」
さや姉はそう言った後、部屋のクローゼットを開け
コートを取り出す。
“豹柄のコート”を羽織ったさや姉は
部屋のドアへと足を進める。

「うちは・・・まだやれます」
春奈は拳を握り、さや姉の後を追う。
夢莉は下を俯くが迷いを振り切るように顔を上げ、歩き出す。
531サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/16(日) 03:38:12.90 ID:LbxAs0IC0
「さや姉!!」─

足を止めたさや姉。背を向けたまま
口を開く。
「・・・昔のうちにはもう戻れん」

みるきーはさや姉の目を見据える。
「・・・まだ間に合う・・・
 “そっち”は闇やぞ・・・。
 戻るんや・・・さや姉!!」

「・・・・なぁ?みるきー。
 うちがもっと強かったら・・・
 楓子は死なずに済んだと思わんか?」
 
「何言うてんねん!あれは・・・
 あんたのせいやない!!」

さや姉はゆっくりと振り返る。
自分を責め苦しむさや姉は・・・
無理に笑顔を作っていた。
「そう・・・思えて仕方ないんや・・・
 ごめんな?・・・みるきー」

さや姉はそう言った後、
部屋から出て行った。
崩れ落ちるように床に膝を付くみるきー。
「なんでや?なんで行くねん・・・」

菜々がみるきーの肩に手を置く。
上西はじっと何かを考えるように
みるきーの背を見つめていた。

目に涙を浮かべるみるきー。
「ほんまアホやなぁ・・・
 アホ過ぎて・・・泣けてくるわ・・・」

冷たい床に涙が零れ落ちた──
532名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 03:51:23.95 ID:B9cbnZ350
533名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 06:47:48.44 ID:oLFt4m5pi
534名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 07:47:00.31 ID:5dD/GYHcP
。゚(゚´Д`゚)゚。
535名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 08:57:45.53 ID:zj15KdU2O
マジに実写化して欲しいわ
そんでこじまこから難波女までのツンデレ告白が見たいぞ
536名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 09:11:57.71 ID:B9cbnZ350
537名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 09:29:12.89 ID:AjRscRHL0
538名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 10:26:33.45 ID:B9cbnZ350
539名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 12:14:03.21 ID:B9cbnZ350
540名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 14:07:38.40 ID:mGgyFTQC0
みるきーとさや姉のすれ違い

泣けます
みるきーかわいそうや
541名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 14:08:00.32 ID:B9cbnZ350
542名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 15:11:58.79 ID:B9cbnZ350
543名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 17:10:06.73 ID:zj15KdU2O
>>540
大丈夫だよ
こじまことタイマンとみるきーの涙の言葉がさや姉を闇から救うから
544名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 18:08:56.41 ID:mGgyFTQC0
まこよ
俺からも頼む

さや姉を闇から救い出してやってくれ!
この通りだ!
545名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 18:09:20.60 ID:B9cbnZ350
546名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 18:13:02.87 ID:TQcREEjP0
>>542
このみるきーの可愛さ半端ないね
547名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 18:26:56.09 ID:aM+UEeWi0
NMBもキャラ揃ってるなぁ♪
548名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 19:10:34.03 ID:B9cbnZ350
549名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 19:12:56.78 ID:B9cbnZ350
550名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 19:52:52.86 ID:B9cbnZ350
551サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/16(日) 21:29:02.87 ID:LbxAs0IC0
修学旅行2日目─朝。

難波女子1年・太田夢莉は
未姫達が入院する病院を訪れた。
右手に何かを持ち、コンコンと病室の戸を叩く。 

「・・・」と返事がないので
夢莉は勝手に戸を開く。
“ガラッ”

皆、寝ているようだった。
医者を脅して泊まった小嶋真子も
椅子に座り、未姫の布団に顔を埋め寝ている。
夢莉は静かに部屋の隅へと足を運ぶ。
“薮下柊”のベッドの横で足を止めた。
目を瞑る柊の寝顔をじっと見つめる夢莉。
「・・・うちのほうが可愛いわ、アホ」

そう言って台の上に何かを置いた。
パチリと目を開けた薮下柊。
「・・・なんで見舞いに“バナナ”やねん」

「起きとったんか。
 好きやったろ、バナナ 」

「うちは“猿”か」
柊がそう言うと夢莉はふっと笑みを
浮かべる。
「なんでうちに勝ったあんたが入院してんねん」

「こいつらの馴染みの病院でな。
 大袈裟なんや、大したことあらへんのに。
 昼には退院する」
柊がそう言って微笑むと、
夢莉は真剣な顔つきに変えた。
「・・・なぁ、柊。幼稚園の遠足覚えてるか?」
552名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 21:30:07.68 ID:B9cbnZ350
553サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/16(日) 21:30:27.54 ID:LbxAs0IC0
「あんたどんだけ記憶ええねん。
 忘れたわ、そんな昔の事」

「うちは・・・よく覚えてるわ。
 皆はお母さんが作った温かいお弁当を持って
 きてるのに・・・
 うちだけコンビニの弁当やった・・・」
夢莉が懐かしそうにそう話すと、
柊はぷっと吹き出して笑いを堪えた。
「コンビニって、めっちゃ可哀想やなそれ」

「笑うな、こいつら起きたらウチが
 シバかれるやろ」

「あ・・・すまんすまん」柊は真面目な
顔つきをするが、「遠足でコンビニ・・・」
またぷっと吹き出し両手で自分の口を塞いだ。 
夢莉は話を続けた。
「うちの親は忙しい人やったからな。
 5千円札を渡されて、うちはそれで
 お弁当と大量のお菓子を買ったんや」

「・・・」柊は笑いを堪え、
口を押さえているが、目が笑っていた。
夢莉は言葉を続ける。

「お昼になってうちが冷たいコンビニの弁当を
 1人で寂しく食べてたら・・・
 声かけてくれた子がおってな。
 その子は自分が持っていた、
 お母さんの手作り弁当をうちに渡した。
 “一緒にこれ食べよう?”ってな」

柊は口から手を離し、ふっと笑みを浮かべる。
夢莉は柊の顔を見据えた。

「あん時のお礼、言ってなかったな。
 ありがとう。
 嬉しかったで・・・“柊”」

「・・・なんでそんな話すんねん」
どこかいつもとは違う夢莉に柊は
問いかけた。
夢莉は真剣な目つきで口を開いた。
「・・・何でうちがこの場所、知ってると思う?」
554名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 21:31:15.77 ID:B9cbnZ350
555名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 21:55:52.63 ID:EJ+n117O0
556名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 21:58:58.67 ID:nz2QdYtX0
ええええ!?この流れネ申過ぎるやろ!
557名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 22:05:14.15 ID:5dD/GYHcP
この小説いつ出版されるんや
558名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 22:31:49.97 ID:t9nGIOd0O
おいしいバナナになれますように〜〜ブイ!
559名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 22:43:49.63 ID:zj15KdU2O
あえて朝にこの展開って練り込まれているは凄い

今さらだけどさや姉のキャラ設定もアゴと歴女って活きてるんだよね
560名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 22:58:05.60 ID:mGgyFTQC0
俺もこんな青春したかったなあ
561名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 23:01:00.21 ID:mGgyFTQC0
帰宅部なんかじゃなくて
562名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 23:26:11.48 ID:GYZSlWHbi
なんでなんでw♪
563名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 23:41:10.97 ID:SXJDiVWs0
今回の作品は過去最高の出来やと思う
サ−モンありがとうな
涙が出てきそうやわ
564名無しさん@実況は禁止です:2014/02/16(日) 23:43:07.11 ID:mGgyFTQC0
>>563

やっぱり組織絡みの話になってくると面白いよね

サーモンさん本当にありがとうございます
565名無しさん@実況は禁止です:2014/02/17(月) 01:21:26.08 ID:tBwDXgrq0
566名無しさん@実況は禁止です:2014/02/17(月) 02:57:13.04 ID:0JT9NVav0
さや姉が仮に今度の大組閣でAKBに完全移籍したら・・・・・
この小説みたいに、みるきーが泣くんだろうな。
「ごめんな、みるきー、本店でてっぺん取りたいんや」
みたいな感じで・・・
567名無しさん@実況は禁止です:2014/02/17(月) 03:43:01.27 ID:zLAbcWgF0
怖いこと言うなよなw
568名無しさん@実況は禁止です:2014/02/17(月) 06:38:08.21 ID:tBwDXgrq0
569名無しさん@実況は禁止です:2014/02/17(月) 08:28:06.22 ID:WCL/+W+eP
保守
570名無しさん@実況は禁止です:2014/02/17(月) 09:16:42.38 ID:oqGbe6j1P
571名無しさん@実況は禁止です:2014/02/17(月) 10:51:18.88 ID:oqGbe6j1P
572名無しさん@実況は禁止です:2014/02/17(月) 12:17:28.77 ID:pKaolnVNO
ランチ保守
573名無しさん@実況は禁止です:2014/02/17(月) 12:38:08.61 ID:oqGbe6j1P
574名無しさん@実況は禁止です:2014/02/17(月) 14:54:05.58 ID:RTYpin580
ほっしゅー
575名無しさん@実況は禁止です:2014/02/17(月) 15:12:11.15 ID:er03GJ1w0
576名無しさん@実況は禁止です:2014/02/17(月) 17:06:44.81 ID:zO8muFVf0
俺の誇りにかけて保守
577名無しさん@実況は禁止です:2014/02/17(月) 17:10:42.52 ID:oqGbe6j1P
578名無しさん@実況は禁止です:2014/02/17(月) 17:52:07.89 ID:zO8muFVf0
耐えきれぬ悔しさをかみしめながら保守
579名無しさん@実況は禁止です:2014/02/17(月) 17:52:24.86 ID:oqGbe6j1P
580サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/17(月) 18:03:27.81 ID:WqtM5xcN0
すみません。今日は遅くなるか
投稿できないかもしれません(>_<)
581名無しさん@実況は禁止です:2014/02/17(月) 18:05:05.00 ID:cOnOJBg+0
無問題
582名無しさん@実況は禁止です:2014/02/17(月) 18:08:40.94 ID:oqGbe6j1P
名作は遅れてやって来るのです
http://i.imgur.com/jPebwfe.jpg
583名無しさん@実況は禁止です:2014/02/17(月) 18:14:35.34 ID:yxSfZgRDi
てんとうむchu!
584名無しさん@実況は禁止です:2014/02/17(月) 18:19:12.09 ID:WCL/+W+eP
585名無しさん@実況は禁止です:2014/02/17(月) 18:21:54.59 ID:guvn/V500
マジかしかし質重視で
586名無しさん@実況は禁止です:2014/02/17(月) 18:43:45.82 ID:WCL/+W+eP
587名無しさん@実況は禁止です:2014/02/17(月) 19:26:51.12 ID:guvn/V500
マジかしかし質重視で
588名無しさん@実況は禁止です:2014/02/17(月) 21:18:15.37 ID:tBwDXgrq0
589名無しさん@実況は禁止です:2014/02/17(月) 21:49:52.00 ID:pKaolnVNO
>>580
サーモンさんのリズムでいいっすよ
590名無しさん@実況は禁止です:2014/02/17(月) 21:55:54.94 ID:WCL/+W+eP
禁断症状がでてきた
591名無しさん@実況は禁止です:2014/02/17(月) 22:09:29.04 ID:tBwDXgrq0
592名無しさん@実況は禁止です:2014/02/17(月) 22:19:36.89 ID:tBwDXgrq0
593名無しさん@実況は禁止です:2014/02/17(月) 22:25:54.80 ID:D6f5nLZp0
>>592
これ見えそうなのが良い意味でヤバいなw
594名無しさん@実況は禁止です:2014/02/17(月) 23:32:04.23 ID:zO8muFVf0
>>580

全然OKです
サーモンさんのペースでお願いします
595名無しさん@実況は禁止です:2014/02/17(月) 23:52:22.38 ID:tBwDXgrq0
596名無しさん@実況は禁止です:2014/02/18(火) 00:26:19.38 ID:g5gSAMnr0
>>592
見えてる、って思った方が幸せになれる
597サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/18(火) 00:27:20.74 ID:X0U578y30
─「まさか・・・!」─
何かに気付いた柊はベッドから降り
カーテンを開ける。
“バッ”─

「・・・嘘やろ」

柊の目に映ったのは、病院の入口近く
の駐車場に集まる“敵”の姿。
30以上はいるだろう。
「逃げれん・・・ちゅうわけか・・・。
 あんたは呼び出し役か?」

「すまん・・・本当に・・・」
夢莉は柊から目を逸らすように
下を俯く。

「気にせんでええ。
 うちがあんたの立場なら・・・
 きっと同じ事するわ。
 けど・・・こいつらは見逃してもらえへんか?」
柊はそう言って真子達の方へと
顔を向ける。

どことなく切なさを感じさせる瞳をする夢莉。

・・・あんたはこんな事せえへん・・・

いつも柊とは真っ向からぶつかってきた。
こんな形で柊を追い込む自分を恥じ、
柊への心苦しさで一杯だった。
柊の顔を見る事ができない。

「標的は・・・もうあんただけやない。
 ここに美瑠さんやった奴・・・おる?」

「・・・いや・・・おらんけど何でや?」
それが真子を指している事は分かっていた。
だが、あれだけの数が待ち構えている
敵の所へ連れて行くわけにはいかない。
柊は嘘を付いた。

その時、寝ていたはずの真子が
ゆっくりと目を開ける。
布団に腕を置き、両腕に顔を埋める真子は
何も言わず、ただ黙って二人の言葉に耳を貸した。
遠くを見るように、壁を見つめる真子。
598サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/18(火) 00:30:43.17 ID:X0U578y30
夢莉は顔をあげ、柊の耳に目を向けていた。
少しピクッと動いた耳を見て
なぜか笑みを浮かべる夢莉。

嘘が下手やな・・・

「・・・変わらんな、あんたは」
夢莉がそう呟くと、柊は目を丸くして
口を開く。
「何の事や?」

「なんでもない・・・
 部屋の外で待ってるわ」

「着替えたら行く」
柊は夢莉が持ってきた一房のバナナから
一本抜き取り皮を剥くとパクッと口に運ぶ。
その姿を見つめていた夢莉は柊に背を向け、部屋のドアへと
足を進めた。
どこか後ろめたさを感じながら、
ゆっくりと歩く夢莉。

ほんまにこれでええんか・・・


「美味いな、このバナナ」


柊の言葉に足を止める夢莉。

・・・柊、なんでや・・・

柊は真子達のほうへと顔を向ける。
「こいつら起こさんで正解やったな。
 ありがとな、夢莉」

夢莉はゆっくりと後ろを振り返る。
「なんでそんな・・・
 笑ってられんねん・・・」

夢莉の目に映る柊の笑顔。

「あんた・・・怖くないんか?」

「怖いな・・・けど最後くらいカッコつけたいやろ。
 見とけや。さや姉に一発くらいは拳入れたるから」
柊はそう言ってにこっと微笑んだ─

─「柊・・・」
夢莉は柊の目を見据える。
いじめられっ子から、うちを守って
くれた時とあんたは何も変わっとらん・・・

それに比べてうちは・・・

何やっとんねん・・・
599名無しさん@実況は禁止です:2014/02/18(火) 00:45:10.63 ID:mV82luoY0
良いね、さらに話が深まった
600名無しさん@実況は禁止です:2014/02/18(火) 00:58:35.72 ID:fKN6wnhE0
疲れてるのに投稿してくれてありがとう
サ−モン先生!
601サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/18(火) 01:46:33.78 ID:X0U578y30
思い詰めたように下を俯く夢莉。
そして、夢莉の耳に聞こえた声。

─「・・・私も行くよ」
小嶋真子はゆっくりと立ち上がる。
柊は驚いた顔をして囁く。
「真子・・・起きとったんか・・・」

「・・・まぁね。
 私にも頂戴、“吉備団子”」
真子がそう言って微笑むと、
柊はバナナを取り、真子にポイッと投げる。
「鬼退治やな」

パシッと片手で受け取る真子。
「・・・そういう事」

二人は目を合わせるとふっと微笑む。
夢莉は真子の顔を見据える。

うちは・・・何やっとる?─

ぎゅっと拳を握りしめる夢莉。
─「・・・逃げるんや」

「ん?」真子はバナナを食べながら
夢莉に顔を向けた。
夢莉は真っ直ぐな目で真子を見つめる。
「裏口や・・・あそこならまだ誰もおらん。
 ここから逃げて凪咲と合流するんや。
 まだ間に合うかもしれへん」
602サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/18(火) 02:04:02.59 ID:X0U578y30
「夢莉・・・」柊は少し驚いた顔つきで
夢莉を見つめる。

「連れ出すフリしてうちがあんたらを
 裏口まで連れていく」
どこか清々しい夢莉の目に迷いはもうなかった。
真子は真剣な表情で夢莉の目を見据える。
「いいの?もしバレたら仲間から何されるか・・・」

「・・・かまわん」
夢莉は柊のほうへと顔を向け、真っ直ぐその瞳を見つめた。
「うちにもくれ、吉備団子」 

「・・・“マジ”みたいやな」
柊はどこか嬉しそうに笑みを浮かべ
バナナを投げる。
パシッ、片手で受け取る太田夢莉。

「柊・・・あんた、
 ほんま憎たらしいねん。
 クチは悪いし、お節介・・・
 おまけに自信過剰で・・・いつも上から目線・・・
 記憶力悪いし・・・・どうしもないバカや」

夢莉は手に持ったバナナをじっと見つめた後、
顔を上げ言葉を続けた。
「けど・・・そんなあんたが・・・
 うちの憧れやった。
 強くて優しいあんたが眩しく見えた。
 “薮下柊”はこんな所で負けへん。
 子供の時からずっと・・・
 あんたはうちにとって“ヒーロー”なんや」

柊はふっと笑みを浮かべる。
「めっちゃ語るやん」

夢莉は言った。

─「今度はうちが守ったる」

 
603名無しさん@実況は禁止です:2014/02/18(火) 04:36:38.25 ID:Wj6l1eDzO
お疲れ様です
さっき、1時26分に届いた柊ちゃんモバメもむっちゃ熱い・・というか
静かな闘志に溢れたものだったんだよね、なんかリンクする!
604名無しさん@実況は禁止です:2014/02/18(火) 06:59:08.39 ID:feX6+HfI0
605名無しさん@実況は禁止です:2014/02/18(火) 07:16:17.94 ID:S3cTMuec0
「めっちゃ語るやん」は本当ジワジワくるわw
元ネタのレポが本当なら炭酸はスゴイな
606名無しさん@実況は禁止です:2014/02/18(火) 07:45:17.57 ID:5potqJRlO
ヤバい…目から汗が止まんねーぜ

今日も1日頑張るかっ!!
607名無しさん@実況は禁止です:2014/02/18(火) 09:24:42.86 ID:i4VM6DZk0
608名無しさん@実況は禁止です:2014/02/18(火) 12:21:34.18 ID:6LC+6KhD0
609名無しさん@実況は禁止です:2014/02/18(火) 12:23:19.40 ID:6LC+6KhD0
610名無しさん@実況は禁止です:2014/02/18(火) 12:29:53.20 ID:qF4Dckej0
ありがたや〜
611名無しさん@実況は禁止です:2014/02/18(火) 14:19:32.42 ID:iv0/j+1WP
612名無しさん@実況は禁止です:2014/02/18(火) 15:00:34.04 ID:5potqJRlO
ほ柊
613名無しさん@実況は禁止です:2014/02/18(火) 17:12:33.98 ID:ckkKZM8P0
614名無しさん@実況は禁止です:2014/02/18(火) 17:26:25.10 ID:eb1VsKx50
薮下ほしゅ
615名無しさん@実況は禁止です:2014/02/18(火) 19:18:03.60 ID:xbiIFlZe0
保守
616名無しさん@実況は禁止です:2014/02/18(火) 19:47:03.25 ID:+GOmhn/sP
ほす
617名無しさん@実況は禁止です:2014/02/18(火) 20:06:08.65 ID:iv0/j+1WP
618名無しさん@実況は禁止です:2014/02/18(火) 20:23:44.68 ID:SVArQrGb0
619名無しさん@実況は禁止です:2014/02/18(火) 20:27:37.58 ID:A0Rq0iKW0
小説ままんやないかー
620名無しさん@実況は禁止です:2014/02/18(火) 22:05:13.01 ID:A0NWleWGO
スパイラルラビリンス見ながら保守
621サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/18(火) 22:27:35.73 ID:X0U578y30
柊はどこか嬉しそうに、そして少し
ばかり照れくさそうに笑みを浮かべる。
「・・・アホ」

夢莉もまたはにかんだ笑顔を見せ、
真子のほうへと顔を向ける。
「病室の外で待ってる」

真子が静かに頷くと、夢莉は
ドアを開け外へ出て行った。

真子は寝ている相笠と奈々に視線を送る。
「柊・・・二人はどうする?」

柊は制服に着替えながら答える。
「“的”になってないんや。
 病院にいたほうが安全やろ」

「そのほうがいいか」
真子もまた紺色のセーラー服に
着替える。

柊はハンガーに掛けてあった黒豹の
コートを取り、袖を通す。
「とりあえず凪咲と合流や。
 準備できたか?・・・真子」

「おっけ〜」マジ女の制服に
身を包んだ真子は、未姫の方へ
顔を向ける。
「行ってくるね・・・」
すやすやと深い眠りについている未姫
の額をそっと触れ、
奈々と相笠の方へ視線を送る。

「・・・仇は私が取る」

─病室の外で壁に寄りかかりながら
2人を待つ夢莉。
“ガチャ”
病室から出てきた2人と視線を合わせる。
「行くで」─
622サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/18(火) 22:31:28.64 ID:X0U578y30
ガンギレ高校の薮下柊。
マジ女の小嶋真子。
難波女子の太田夢莉。
3人は入口近くにいる敵から逃れるため
裏口へと向かった。
途中でもし敵に遭遇しても怪しまれ
ないようにと、
夢莉は急ぐ事なくゆっくりと歩いた。
もし見つかっても、2人を連れ出した所だと
言い訳ができる。

エレベーターを使わず階段から下へ
降りていく3人。
夢莉の胸の鼓動が徐々に高まる。
妙な不安を感じた。

夢莉は不安をかき消すように
拳を握り締めた─

─一方、真子達がいた病室では・・・

窓の外を見つめる岡田奈々。
「無事、逃げられればいいけど・・・」

相笠はベッドから奈々の背を見つめる。
「いいのか?行かなくて」

「・・・一緒に行ってもお荷物になるだけさ」

「・・・柊の奴、いいダチもったよな」
相笠がそう言うと、奈々は振り返る。
奈々はふっと笑みを浮かべた。
「何泣いてんだよ」

「なんとなくだけど分かるんだよ、夢莉って子の気持ちがさ。
 あいつにとって柊は・・・
私にとっての真子や涼花みたいな存在なんだろうなぁ〜って。
 なんていうか・・・
 いつかお前を倒してやる!
 だからそれまで誰にも負けんじゃねー!みたいな?」
623名無しさん@実況は禁止です:2014/02/18(火) 22:41:50.45 ID:feX6+HfI0
624名無しさん@実況は禁止です:2014/02/18(火) 22:50:47.96 ID:eb1VsKx50
JJに借りを返しに来た

俺の仲間はどこにいる
625名無しさん@実況は禁止です:2014/02/18(火) 23:39:02.22 ID:feX6+HfI0
626サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/18(火) 23:46:17.19 ID:X0U578y30
そう言って微笑む相笠の目を見て、
奈々は優しく微笑んだ。
「分かるよ。
 私にとっては真子がそういう存在だ。
 ・・・“ライバル”」

「・・・だな」相笠はドアのほうへと
顔を向け遠くを見るように友を思う。
すると「あっ」と声をあげた。
「芽瑠、起きてるかな?」

「さぁ・・・なぜ?」

「あいつ、今日退院だけど
 病院にいたほうが安全だろ。
 外に出ないように言っておかないと」

「・・・出るなと言っても出るよ。
 敵の“頭”に負けて腹の中じゃ悔しがってる。
 うちらの前じゃ笑っているけどな。
 それにあいつは、お前が思っている以上に“強い」

─「え?」


その頃、一階に降りた3人は、
裏口のドアが見えるところまで
無事に辿り着いていた。
夢莉が先を歩き、警戒するように
静かにドアを開ける。

「ドキドキするね〜」
と真子はどこか楽しんでいるように
笑みを浮かべていた。
「緊張感のない奴やな」夢莉は
前を向く。
3人がいる場所から50メートル先に壁がありそこを越えれば外だ。
だが高くてよじ登る事は不可能。
裏口のドアの所で目を細める夢莉。
「あそこまで走るで」

外へ通じる門があった。
裏庭を走り、出口を目指す。
安堵したように夢莉は笑みを浮かべた。

出口まで後わずかだった。

足を止める3人。
─「・・・!!」

門の影から姿を見せる難波のヤンキー達。
そして、長い黒髪の少女。
「太田夢莉・・・。
 確か、薮下柊の幼なじみだったね。
 甘いよ・・・君」

夢莉は眉間に皺を寄せ“敵”を睨む。

「“須藤”・・・」
627名無しさん@実況は禁止です:2014/02/18(火) 23:57:40.81 ID:feX6+HfI0
628名無しさん@実況は禁止です:2014/02/19(水) 00:01:38.53 ID:Eis2g9kqP
629名無しさん@実況は禁止です:2014/02/19(水) 00:05:26.79 ID:wvcx2bU20
炭酸逃げるんや!
630名無しさん@実況は禁止です:2014/02/19(水) 00:25:46.70 ID:id9WzlVi0
須藤どけえええええええ
631名無しさん@実況は禁止です:2014/02/19(水) 01:15:56.95 ID:nYU6+fID0
632名無しさん@実況は禁止です:2014/02/19(水) 01:52:21.47 ID:PYc6r0V4O
サーモンさん今日もおつかれさまでした
633名無しさん@実況は禁止です:2014/02/19(水) 08:29:44.68 ID:pypK9vjEP
634名無しさん@実況は禁止です:2014/02/19(水) 10:37:07.07 ID:pypK9vjEP
635名無しさん@実況は禁止です:2014/02/19(水) 11:50:25.24 ID:pypK9vjEP
636名無しさん@実況は禁止です:2014/02/19(水) 13:39:08.09 ID:40SinDfF0
保守
637名無しさん@実況は禁止です:2014/02/19(水) 14:09:48.62 ID:pypK9vjEP
638名無しさん@実況は禁止です:2014/02/19(水) 15:36:35.03 ID:UlgnTQpW0
639名無しさん@実況は禁止です:2014/02/19(水) 16:24:39.86 ID:pypK9vjEP
640名無しさん@実況は禁止です:2014/02/19(水) 16:57:59.43 ID:9ueEP0/h0
こころに打ちあがった花火は終わらない

よってマジすかは負けない
641 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:8) :2014/02/19(水) 17:31:36.49 ID:XoKFfktE0
須藤って超能力使いそうなイメージ
642名無しさん@実況は禁止です:2014/02/19(水) 18:25:54.10 ID:OL4PALFBP
SF超大作になっていくんやな
643名無しさん@実況は禁止です:2014/02/19(水) 18:52:29.42 ID:XoKFfktE0
次の対戦カードは
サイヤ人小嶋真子vs超能力者須藤
ってのはどうよ
http://i.imgur.com/FD9ajzD.jpg
644名無しさん@実況は禁止です:2014/02/19(水) 19:06:59.85 ID:OL4PALFBP
ワロタ
645サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/19(水) 19:09:12.53 ID:aDOf0QOV0
夢莉達の行く手を阻む難波勢。
須藤が不敵に微笑む。
「もうすぐ入口にいる奴らもここに来る。
 勝ち目ないよ」

夢莉は覚悟を決めたように
拳を握りしめた後、一歩前に出て
柊と真子の前に立つ。
「ここはうちに任せて、あんたら行け」

“いたぞ!”3人の背後から声を荒げて
こちらに向かってくる難波勢30人。
身構える柊と真子。
2人は夢莉の背中を守るように立つ。
「あんた1人じゃこの数はキツいやろ」
足を前に出そうとする2人。

「そういうのウザいねん」
夢莉は2人の襟首を思いっきり引っ張る。
“ザッ”─
尻もちを付いた柊は顔を上げる。
「痛た・・・何すんねん!」
「一瞬息が止まった・・・」と地面に手を
付いた真子は顔を上げる。

夢莉は30人を前にして拳を握り
締め鋭い眼孔で前を向く。
「うちがこっちやるわ。
 あんたら2人なら10人くらい楽勝やろ。
 行け、この様子じゃ凪咲も危ないで」
─「ザッ」
夢莉は向かっていった。
646サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/19(水) 19:10:20.29 ID:aDOf0QOV0
「行くで・・・真子」
夢莉のその姿を見つめていた柊は立ち上がり、前を向く。
真子も立ち上がり夢莉を心配した様子で見つめる。
「いいの?あの人数じゃ・・・」

柊はギュと拳を握り締める。
「夢莉の“マジ”・・・
 汲もうやないか!!」
柊は出口を塞ぐ敵へ向かっていった。
真子は後ろ髪をひかれる想いで前を向き、
飛び出していった。        

真子と柊の強さは圧倒的で、
息のあった戦いを見せる。
夢莉が取り逃した敵が何人か真子達の
方へと行く。
柊の背後を回った敵を真子が倒すと、
柊はなぜか真子に向けて跳び蹴りを繰り出す。

真子がくるりと回転させ右へ避けると
その背後にいた“敵”に
柊の跳び蹴りが命中した。
柊と真子は「イエ〜イ」とハイタッチをする。

道を開けるように2人は敵を倒し、
出口の門を抜け、道に出た。
だが、柊の背後を敵が襲う。
柊は即座に振り返り、拳を受け止める。
「・・・!」柊の拳をかわした敵。
柊はハイキックを繰り出すが、
“サッ”それを敵は受け止める。
柊は驚いた顔つきをする。
「あんたは・・・・」─

夢莉は攻撃を受けながらも、食らいつ
くように戦っていた。
柊と対峙するその敵の姿に目を止めた夢莉。
「・・・“あの人”も須藤に付いたんか・・・」

後ろに下がりこちらを見つめる須藤に
夢莉は苛立ったように睨めつける。
敵の制服を掴みながら夢莉は叫ぶ。
「さや姉をけしかけおって・・・
 いけ好かんねん・・・“須藤”!!」
須藤は不敵に微笑む。

“ザッ”─
地面に手を付いた薮下柊は顔を上げる。
「・・・やるやないか」

柊を見下ろすその少女は、
口を隠すネックウォーマーを下げると不敵に微笑む。
柊は立ち上がり、少女の名を呼ぶ。

─「・・・城恵理子」
647名無しさん@実況は禁止です:2014/02/19(水) 19:24:09.36 ID:XoKFfktE0
城!!!ここでくるか
648名無しさん@実況は禁止です:2014/02/19(水) 19:26:10.62 ID:OL4PALFBP
そこで城が叫んだ
「城だジョー」
649名無しさん@実況は禁止です:2014/02/19(水) 19:27:40.85 ID:y5ZhUkGb0
ここで城きたか!
650名無しさん@実況は禁止です:2014/02/19(水) 20:12:26.84 ID:P99kgMFx0
浪速の城登場
651名無しさん@実況は禁止です:2014/02/19(水) 20:32:11.40 ID:OL4PALFBP
呼び名は大阪城か難波城か
652名無しさん@実況は禁止です:2014/02/19(水) 20:32:55.53 ID:yTxendTuO
やはりネックウォーマー少女は城だったか
しかし難波勢の方に猛者が多いのが厄介だな
653サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/19(水) 21:23:53.41 ID:aDOf0QOV0
夢莉は城の姿を見て、何かに気付く。
「美瑠さんや百花さんが動いた理由が
 やっと分かったわ・・・。
 “城”が動かしたんやな!」

須藤はふっと笑みを浮かぶ
夢莉を見据える。
「ご名答」

“バシッ”─夢莉は敵を殴り倒すが、
また別の敵が夢莉を囲み、
殴りかかる。
“ドカッ”体をよろかせた夢莉は
「・・・ちっ!」と舌打ちをする。

おかしいと思ったわ・・・

あれだけさや姉と敵対していた
城が今回の修学旅行に来るなんて・・・

・・・・・なんでさや姉に力貸してんねん?

どういうつもりや・・・

「・・・!」敵を殴り倒した夢莉は、
“はぁ、はぁ・・・”と息を切らす。

さや姉はどこや?

辺りを見渡す夢莉。
目を大きく開き動揺した顔つきで
さや姉の姿を探す。
「どこや・・・さや姉はどこや!!」

「寝てろ」
“ドカッ”
後ろから誰かに頭を蹴られ、地面に崩れ落ちる夢莉。
薄れゆく意識の中で、自分を見下ろす須藤の姿が映る。

・・・・・・こいつら・・・

“東”に・・・

さや姉を・・・
 
─「“潰させる”気か・・・」

太田夢莉は目を閉じた。
須藤は夢莉に背を向け、城を見据える。
「なんの事かさっぱりだ・・・。
 ね?“浪速のジョー”」
654名無しさん@実況は禁止です:2014/02/19(水) 21:51:05.84 ID:+8wZnQXU0
城ちゃん…
655名無しさん@実況は禁止です:2014/02/19(水) 22:05:35.24 ID:qszlAJep0
656名無しさん@実況は禁止です:2014/02/19(水) 23:24:36.76 ID:kwxUXeqJ0
657名無しさん@実況は禁止です:2014/02/19(水) 23:26:15.76 ID:kwxUXeqJ0
658名無しさん@実況は禁止です:2014/02/19(水) 23:48:37.79 ID:9ueEP0/h0
城ちゃん!
俺たちの誇りを裏切ったのか?!
659名無しさん@実況は禁止です:2014/02/19(水) 23:49:08.99 ID:OL4PALFBP
辰吉キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
660名無しさん@実況は禁止です:2014/02/19(水) 23:54:24.72 ID:V5TEbPrU0
なにぃ〜城ちゃん出てんのか!はよいわんかいボケがあああ
661名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 00:19:21.66 ID:qctJoSb50
気づけば毎日の楽しみになってるw
サーモンさんいつもありがとう!
662サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/20(木) 00:21:57.69 ID:sCL1jMD80
「夢莉・・・!」
柊と真子は倒れた夢莉へ向かって叫んだ。
「・・・夢莉ちゃん!!」

「夢莉を殴ったんはお前か!!」
須藤を睨みつけ、足を前に出す。
だがその柊の肩を掴む“城”。
「どこ行くんや?」

「邪魔や!」振り返り様に回し蹴りを繰り出す柊。
“ザッ”─

城はその蹴りを受け流すように払い
体をくるりと回転させ、
柊の顔に肘を叩き入れる。
“バシッ”
「・・・ちっ!」柊はすぐに城の制服を掴み、
力ずくで引き寄せわき腹に膝蹴りを
叩き込む。
「うらぁ!」

「・・・!」城は眉間に皺を寄せ、
サッと警戒するように後ろに下がる。
「成長したやん・・・“柊”。
 同じ中学の先輩として嬉しいわ」

柊は鋭い眼孔で城を睨めつける。
「どけや・・・“城”」

真子もまた険しい表情でこちらに迫る
敵を睨めつける。
夢莉が相手にしていた敵は半数近くまで
減り、真子と柊が倒した敵も何人か
息を吹き返した。 
20人ほどの敵に囲まれる真子と柊。

「行くよ・・・ここから逃げる」
真子は城を睨む柊の腕を引っ張り、
この場所から去ろうとする。

「離せや。こいつら皆殺しにせな
 気がすまん」

夢莉をやられ、怒りに抑えられない柊。
真子は険しい表情で柊を見据える。
「夢莉ちゃんはうちらを逃がそうとしたんだ。
 その思いを無駄にする気?」

「真子・・・」柊は真子と視線を合わす。

「“真子”?」
“城”は怪訝な顔で真子へと視線を送った。
「あんたが“小嶋真子”か・・・
 ほんまに美瑠を倒したんか?
 レッサーパンダみたいな顔やん」

真子が城を睨む。

「あ?」─
663名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 00:36:20.59 ID:e6qZYi8i0
いったいどうなってしまうのか!?
664名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 01:15:30.87 ID:qctJoSb50
めっちゃ可愛い
http://i.imgur.com/YD4FpXo.jpg
665名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 01:15:46.42 ID:Oe7Vq9v7O
城ちゃん地雷ふんだか!?
666名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 01:19:59.36 ID:qctJoSb50
城になんか〜
http://i.imgur.com/ov3fd1r.jpg
667名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 01:59:50.02 ID:fzfVTFjH0
悪いコアラやw
668名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 03:08:22.17 ID:8/ETKW/z0
城VSこじまこはいいカードだな。城は須藤が言ってた「変わってしまった
さや姉」を支持してるのかな。現実の世界ではみるきーが城復帰に喜んで
たし、現実と絡めるなら複雑な展開になりそう。

さや姉は・・・・東の大将のセンター狙いかな。
669名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 06:38:32.66 ID:e6qZYi8i0
挙げ
670名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 06:46:12.62 ID:1NA081xO0
671名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 07:41:13.88 ID:qctJoSb50
君と出会って〜
僕は変わった〜
672名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 09:28:50.83 ID:qctJoSb50
保守
673名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 10:14:15.82 ID:V8Eikkwa0
心の中棲むつくルシフェル
二重人格を楽しみなさい

西野ちゃんが残念少女で萌えるw
674名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 12:38:25.35 ID:6zRHBzqU0
675名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 12:59:24.38 ID:C7Fq8u0/O
お昼保守
676名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 14:09:59.49 ID:PkdREqlFP
677名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 15:39:07.43 ID:Oe7Vq9v7O
ほ柊
678名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 15:55:00.31 ID:JejVbSGS0
679名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 16:59:14.80 ID:PkdREqlFP
680名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 18:40:19.10 ID:Oe7Vq9v7O
あげ



やぶげ
681名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 18:45:41.28 ID:1NA081xO0
682サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/20(木) 19:00:00.25 ID:sCL1jMD80
「誰が“悪いコアラ”に似てるって?」 

「それは言っとらん」

“ザッ”─真子の拳を受け止めた城は
不敵に微笑む。
「うちとタイマンや」

薮下柊は苛立った様子で城を睨めつけた。
「コラコラ、あんたの相手はうち・・・」
柊の言葉を無視して真子が城に殴りかかった。
頬に拳を食らった城が殴り返す。
“ドカッ”
頬から流れる血を拭い、真子が
城の胸ぐらを掴む。
─「悪いコアラは撤回しろ!!」

城の声を耳にした須藤は眉をしかめる。

アイツが小嶋真子・・・

「どうして“こっちに”・・・」 
須藤は少し戸惑った様子で叫ぶ。
「そいつは“後”だ!手を出すな!」

“ザッ”城の拳が真子の目の前で
ピタリと止まる。
「あれ?」真子も思わず拳を止めた。
一瞬、須藤を睨めつけた城は
真子の襟首を掴み、引っ張り足をかける。
“ドカッ”前のめりになって
地面に転けた真子は顔を上げる。
「・・・今のフェイントはズルいよ」
そう言って立ち上がった真子だが、
城は真子ではなく、“須藤”を見ていた。
「誰に指図してんねん、須藤」

「そいつはさや姉がやる」

「・・・それは、さや姉が言ったんか?」

城がそう言うと須藤は眉間に皺を寄せ
鋭い眼孔に変える。
「・・・」
683サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/20(木) 19:04:21.69 ID:sCL1jMD80
─須藤の脳裏をよぎる数日前の城との会話。
“城、私と組まないか?”
 
“・・・お前と?”

“明日、東京に着いたら柊と凪咲を潰しに行く。
 一緒に来い”

“その事をさや姉は・・・?”

“知らない。さや姉より先に潰すんだ。
 そうすれば・・・周りは君を認める。
 難波の頂点に立てるよ?”

“・・・頂点ね”

“1度学校を辞めた君は・・・
 そのために難波に戻ってきた。
 そうだろ? 
 さや姉を倒すために・・・”

“・・・悪やな。お前は・・・”

須藤の誤算─
それは真子が“ここ”にいたこと。

無言のままの須藤に城が言葉を続ける。
「こいつにさや姉を潰させる気やろ。
 須藤・・・あんた、“甘い”で」

「・・・・・城、お前・・・」 
684名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 19:17:52.13 ID:Vvg7ximA0
甘いんだよ須藤舐めてんじゃねーそコラァ
685名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 19:38:32.07 ID:1NA081xO0
686名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 20:51:32.71 ID:f/rXOoc50
保守
687名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 20:58:14.59 ID:xAh4bgK20
須藤、
東も西も皆自分の信念を持って行動してる
お前が将棋やってる感じで動かせるような奴らじゃないんだ!

お前には何が足りないかって?
教えてやるよ
重みだよ!

マジすかや難女には先輩方が紡いできた歴史と伝統がある
それはお前のような遠くから見てるだけのような奴に壊せる代物じゃないんだ!
688名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 21:05:06.15 ID:XSTo5xNBi
ねずみ先輩の後継者w
689名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 21:06:12.49 ID:XSTo5xNBi
博多の矢吹、難波のジョー♪
690名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 21:06:58.54 ID:ICHgK7do0
どうせ寄生虫峯岸が寄生して出演するんだろ
691名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 21:17:11.35 ID:1NA081xO0
692サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/20(木) 21:18:36.99 ID:sCL1jMD80
鋭い眼光で須藤を睨む城恵理子。
半年前の事だった。
─学校を辞めた城の前に、
山本彩が姿を見せる。
“さや姉・・・何の用だ?”

“城、うちな・・・やらなあかん事があるんや。
 お前の力、貸してほしい。
 学校に戻ってけえへんか?”

“・・・あんたの首、
 狙ってたうちに声かけるなんてよほどやな。
 ・・・何する気や?”

“復讐”

“・・・楓子の事か・・・”

“ああ”

“・・・その返事する前に、もう一度
 うちとタイマンはれや。
 話しはそれからや” 

“・・・力ずくでもお前を手に入れたる”
─“オラァ!”─

もうひとつ・・・
須藤には誤算があった─
それは・・・

ざわざわと戸惑う難波のヤンキー達に
城が一喝する。
「黙れ!ボケ!」
そして城は真子と柊に背を向け、
須藤へと歩み寄る。 
“ガッ”城は胸ぐらを掴び叫ぶ。

「あんたの手の平で踊るとでも思ったか?
 うちを舐めるな!!」

城恵理子と山本彩の絆が見えていなかった事─
693名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 21:22:49.17 ID:1NA081xO0
694名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 21:50:25.92 ID:1NA081xO0
695名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 22:19:56.27 ID:XSTo5xNBi
誤算ばかり(;´Д⊂)
696名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 22:55:29.34 ID:1NA081xO0
697サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/20(木) 22:59:37.09 ID:sCL1jMD80
「・・・“頂点”は諦めたのか?
 君を買い被り過ぎていたようだ」
須藤は険しい表情で須藤を睨む。
いつもの余裕は無かった。
城は須藤の胸ぐらから手を放す。
「うちは“外”の世界を見て気付いたんや。
 さや姉みたいな目したモンは・・・そうおらん。
 あれは、本当の恐怖を知っている目や。
 うちが戦っていた“山本彩”は・・・
 本当の強さを持つ特別な人間なんやってな」

「・・・私に付いたフリをしていたのか。
 性格悪いよ・・・“お前”」

「フリじゃないわ。
 うちはこの戦争には賛成なんや。
 だから付いた。
 あんたが自分の力でさや姉を倒す、
 そう言うならまだ救いがあったんやけどな。
 敵に潰させるとかタチ悪いで?」

「・・・・・私だって力があれば・・・。
 力の弱い奴が上に行くには、
 こうするしかないんだ・・・」
それは須藤の“本音”だった。

「お前に分かるか?城・・・
 力のない奴の気持ちが!!」
拳を握りしめ、城へ拳を向ける。
城はそれを受け止め、殴りつける。
“ドカッ”─
地面に膝を付けた須藤を、
城が見下ろす。
「“悪”とは何か・・・
 弱さから生じる全てのものである・・・だそうや。
 ええ事言うな、昔の人は」─
698名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 23:26:44.10 ID:1NA081xO0
699名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 23:31:24.18 ID:qctJoSb50
いけ城!須藤なんてぶっ潰してしまえー!
700名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 23:32:34.48 ID:ZxlsxPPJ0
城がニーチェを知ってたなんて素敵やん
701名無しさん@実況は禁止です:2014/02/20(木) 23:52:00.64 ID:C7Fq8u0/O
>>700
ニーチェだったのかどこかで聞いたような言葉だが分からなかったよ

城にこういう台詞を使わせるのは楽しいね

つか、サーモンさんの本棚見て見たいわ
かなりの雑食で色々と読んでいそう
702名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 00:07:02.09 ID:qRBFHyFJ0
今夜は流れ早すぎるから気をつけないと
http://i.imgur.com/7mRpfCN.jpg
703名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 00:13:39.70 ID:mEl+8X2+0
あいにゃん助っ人に来てくれ
http://i.imgur.com/3mHzx0S.jpg
704名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 00:59:58.88 ID:cT7g4QcN0
フィギュアみようか迷うな
705名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 01:25:39.45 ID:aZ69KDup0
ちよっと須藤のイメージが悪すぎて可愛そう(笑)
けど、面白いですね。
706名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 03:15:12.84 ID:cT7g4QcN0
結局フィギュアみてるよ
リプニツカヤたんかわゆす
707名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 06:16:53.62 ID:4V5wPTTGi
まゆのネズミの様な期待の表れですかねw
708名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 06:56:07.90 ID:qRBFHyFJ0
709名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 08:43:19.32 ID:cAeAvQz+P
710名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 08:44:31.69 ID:4W5Ow62N0
711名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 10:20:11.03 ID:ZwKlOvHT0
毎日楽しみ過ぎる
712名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 10:29:34.27 ID:YtVMf/jh0
713名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 11:05:45.80 ID:kr57DEFe0
寄生虫峯岸がドラマに参加
714名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 13:21:38.52 ID:FAm3fVpP0
715名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 14:38:55.37 ID:j7BFF7G/0
黒傘にもさらに期待
716名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 16:31:25.72 ID:zN026h4L0
サーモンさんいつも楽しませてもらってます

本当にありがとうございます
717名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 16:41:10.98 ID:Ek5vA1K/0
718名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 18:11:52.74 ID:4W5Ow62N0
719名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 19:36:08.52 ID:cAeAvQz+P
720名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 20:34:42.16 ID:cAeAvQz+P
721名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 21:34:42.58 ID:qRBFHyFJ0
722名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 21:42:59.13 ID:eI9LD04j0
保守
723名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 21:55:26.14 ID:qRBFHyFJ0
724名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 22:06:16.28 ID:eUVke6gf0
パンチを繰り出すたびに揺れるけいっち
725名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 22:24:25.84 ID:qRBFHyFJ0
726サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/21(金) 22:26:22.46 ID:Xg505/lN0
下を俯き地面を見つめる須藤に
背を向け、城は仲間達の方へと顔を向ける。
「あんたらこの事は誰にも喋るんやないぞ!!」

ザワザワと声を立て顔を合わせる
難波の生徒達は、
動揺した様子だった。
「須藤がさや姉を・・・?」
「裏切ったって事か・・・」

厳しい表情で怒号を上げる城恵理子。
「喋ったらうちが許さん!!
 分かったんか!?」

「・・・はい」声を揃える難波のヤンキー達。
“須藤”は顔を上げ城を見つめる。
「・・・・どういうつもりだ?
 喋ればいいだろ、私が企んでいた事を・・・」

「さや姉はあんたの企みに気付いとらん。
 わざわざ話す必要ないわ」

「いいのか?・・・私はまた首を狙うかもしれない」

「それはないと思うで。
 今回の喧嘩でさや姉の“マジ”を見届けてみい。
 きっと・・・あんたの中で何かが変わる。
 そんな気無くなるわ。
 “うち”みたいにな?」
城はそう言って微笑み、スッと
“須藤”に手を差し伸べた。

何か思いつめたように城から視線を
逸らす須藤。
「早くさや姉を助けに行ったほうがいい・・・」

「だからさや姉があんなガキどもに
 負けるわけ・・・」

「昨日の乱闘にいた・・・
“ガンギレ高校”、“矢場久根商業高校”、“馬路須加女学園”
 この三校の“頭”が動くはずだ。
 駅に来るように伝えてある・・・」

「・・・それはマズいな・・・」 
“スッ”俯く須藤の手を掴み、無理矢理立ち上がらせる城。
「あんたも行くんや!」─
727サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/21(金) 22:27:22.51 ID:Xg505/lN0
城は少し焦りの色を浮かべ、
真子達の方へと顔を向ける。
「すまんすまん、待たせ・・・」

─!?

「おらん・・・あいつら、逃げよった・・・」
辺りを見渡す城。
倒れていたはずの夢莉の姿も消えていた。
道路に出た城の目に、100mほど先にいる真子の姿が映る。
「逃げるんか!!小嶋真子!」

真子は中指を立て叫ぶ。
「やられたらやり返す!倍返しだ!
 バ〜カ!」
と言って真子は走り去った。
城は舌打ちをして、顔をしかめる。
「アホやな・・・どうせまた会うのに・・・」─

病院の中からその様子を見つめる柊。
サドが隣に歩み寄る。
「随分と派手に暴れたな」

「夢莉・・・どうですか?」

「安心しろ、すぐ退院できる」

「すんません・・・迷惑かけちゃって」

「いいんだよ。これが私の仕事だからな」
サドは柊に微笑みかける。
「行けよ、真子の所に行くんだろ?」

「はい」─
そして柊は病院から出て、真子を追った。
病院から去った難波に見つからないように、
警戒しながら必死に街中を走る柊。
そして真子も“ある場所”へ向かっていた。

あの須藤って奴は、 
私と“山本彩”をぶつけるつもりだったんだ・・・

・・・“どうしてこっちに・・・”
確かにアイツは私を見てそう言っていた。 

「“マジ女”が危ない・・・!」─
728名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 22:32:30.59 ID:qRBFHyFJ0
729名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 22:32:32.36 ID:cT7g4QcN0
真子ちゃんがんばれー!
730名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 22:34:41.56 ID:qRBFHyFJ0
731名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 22:41:26.05 ID:qRBFHyFJ0
732名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 22:53:10.05 ID:O3yYh7oHO
マジ女にはネズミがいるからそうそう踊らせられないだろ
733名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 23:07:59.61 ID:zN026h4L0
城がいい奴すぎて泣いたわwww
734名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 23:09:53.61 ID:zN026h4L0
>>732
関東人としては
難女が意気揚々とまじじょに乗り込んで行くが
ネズミとセンターを中心にまこちゃんなしで難女に勝ったらうれしいなあ
735名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 23:12:55.34 ID:qRBFHyFJ0
736名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 23:19:26.41 ID:qRBFHyFJ0
737名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 23:31:51.09 ID:cT7g4QcN0
そっか、ネズミとセンターがいるのか!
738サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/21(金) 23:39:41.78 ID:Xg505/lN0
気付けばoverture並の長編に
739名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 23:48:38.83 ID:8Uy7HNz20
こっそり乃木坂編をリクエスト
740名無しさん@実況は禁止です:2014/02/21(金) 23:50:10.76 ID:qRBFHyFJ0
741名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 00:45:57.63 ID:DyivmzlC0
742名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 01:07:33.12 ID:9ileUKfSP
>>738
運営か出版社に持って行ったら?
743名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 01:20:38.30 ID:DP3W+QHC0
マジ女の頭はセンター、矢場久根の頭はすでに一年の北川だよね。
ガンギレは世代交代してるか特にコメントはなかったと思うけど
どうなんだろ。個人的にはセンター、ネズミはこの話では出てこない
方がいい方が気がしますが・・・・・
744名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 01:30:21.08 ID:DyivmzlC0
745名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 02:59:24.26 ID:DyivmzlC0
746名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 03:28:46.07 ID:DyivmzlC0
747サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/22(土) 06:25:50.12 ID:im5IQFtv0
須藤から全てを聞いた城は、
すぐに“みるきー”へと連絡した。
須藤の企みは話さずに、
さや姉が危ないという事、
そしてマジ女に向かっている事を伝えた。
この城の機転は、須藤の一声によるものだった。

ホテルの一室での、さや姉を思うみるきーの姿が、
須藤の心に焼き付いていた。
みるきーなら必ず救ってくれる。
そう思った。

電話を終えた城に、須藤は頭を下げ
「すまない」、そう言っていた。

連絡を受けたみるきーは
上西と菜々を連れ、ホテルから出てす
ぐにマジ女へと向かった。

その道の途中、街中を走る上西がみるきーに声をかけた。
「そんなに急がなくても大丈夫や。
 さや姉やで?負けるわけないわ」

「そんな事気にしてんちゃうわ!」

「じゃあ何をそんな焦ってんねん」

「敵は思ってるよりも強い!
 その中途半端な力が一番危険なんや!
 さや姉を“マジ”にさせたら・・・
 うちでも止められん!」
みるきーは悲しみと動揺が入り混じったような顔をして
必死に街を駆け抜ける。
追い付いていくのがやっとの上西と菜々。
菜々は前を走るみるきーに言った。
「止めるって・・・何すんねん!」

「うちがさや姉より先に敵を倒すか・・・、
 あるいは・・・」

「あんたまさか・・・“あれ”に
 なる気やないやろうな?!」

「場面やな!」
“ザッ”縁石を飛び越えるみるきー。
そして上西と菜々も飛び越える。
不安げな顔つきの上西は、
みるきーの背を見つめる。

“マジ”になったあんたが一番怖いねん・・・。

─「“悪鬼”」

「“あっき”やない、“わるきー”や!
 きー、って伸ばすねん!可愛くや!」
一瞬振り返ったみるきーは上西にそうツッコミ、
また前を向き、さや姉の所へと急いだ─
748名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 06:27:40.61 ID:SOBQzT3oi
八木女も駆け付けるんでつね♪
749サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/22(土) 06:42:44.81 ID:im5IQFtv0
マジ女や矢場久根の生徒達が
使う駅の広場にて─
広場の入口を塞ぐようにズラリと
難波のヤンキー達が並ぶ。
“木下春奈”、“白間美瑠”、“木下百花”の3人は
広場にある枯れた桜の木の下に立っている。
彼女達の視線の先にある光景─

たった独りの少女に追い込まれる
2人の“頂点”。

“ザザッ”─ 
地を転がり手を付き、顔を上げた
“渋谷凪咲”
「・・・・・・綾巴!!」

“ガッ”頬を殴られ後退りする綾巴。
誰かと戦っている“北川綾巴”は
顔に焦りの色を浮かべる。
凪咲と同じくボロボロの姿になりながら
向かっていく姿に、いつもの余裕は無かった。
「くそっ・・・・・・・!!」

“バサッ”
“敵”の着た豹柄のコートが揺れたその瞬間、
頭を貫くような強い衝撃が綾巴を襲った。
敵の放ったハイキックで体を吹き飛ばされる。
サザッ─
うつ伏せになった綾巴は膝を付き
ながら、必死に立ち上がろうとする。

獲物を追い詰める野獣の様な目をして
ゆっくりと綾巴に歩み寄る少女。

息苦しくなるほどの威圧感を纏っている。

一度目を合わせれば、逸らす事すら
恐怖に感じる冷たい眼光。

その瞳に宿る“悲しみ”と“怒り”。

本当の恐怖を知る者。

支配する者、統べる者。

難波の頂点─



─“山本彩”─
750名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 06:49:41.37 ID:9ileUKfSP
普通にあっきって読んでもた
751名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 06:59:12.55 ID:DyivmzlC0
752名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 07:20:25.15 ID:DyivmzlC0
753サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/22(土) 07:21:06.99 ID:im5IQFtv0
>>742
松本氏の作品を読んで己の未熟さを知った夏の夜。
>>743
ガンギレは柊と凪咲のツートップでございます。
754名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 09:21:31.61 ID:TSqWJf+t0
挽き肉ネタとか支配するもの統べるものって、特攻の拓やんwww
755名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 10:05:38.37 ID:9ileUKfSP
>>753
あんたならやれるはずや
756名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 10:43:41.35 ID:aA2aaOlL0
757名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 12:04:59.00 ID:RYYAWWvm0
上の方でまだセンターとネズミが居るって書いてるけど作中のラッパッパの頭は 川栄 じゃなかったか?
758名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 12:17:54.98 ID:DyivmzlC0
759名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 13:46:01.85 ID:DyivmzlC0
760名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 14:47:36.26 ID:DyivmzlC0
761名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 15:18:19.93 ID:bqER9XJRO
オラ、他の異名も楽しみになったぞ
762名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 15:21:39.53 ID:bqER9XJRO
ペケジェアールかよ
763名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 15:37:36.09 ID:DyivmzlC0
764名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 15:53:15.00 ID:DyivmzlC0
765名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 16:43:09.52 ID:DyivmzlC0
766名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 17:08:28.60 ID:Jqk3bBQ80
>>757
そうだっけ?
読み返してみまふ
767名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 17:20:39.26 ID:DyivmzlC0
768名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 18:32:31.67 ID:DyivmzlC0
769名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 18:52:33.46 ID:DyivmzlC0
770名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 19:28:41.72 ID:DyivmzlC0
771名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 20:03:52.65 ID:pN8gNCGk0
772名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 20:19:10.90 ID:HHgzltLl0
サーモンさんを俺は守ります
773名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 20:55:52.94 ID:DyivmzlC0
774名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 21:25:12.11 ID:DyivmzlC0
775名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 21:55:45.20 ID:DyivmzlC0
776名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 22:37:57.31 ID:DyivmzlC0
777名無しさん@実況は禁止です:2014/02/22(土) 23:57:12.23 ID:DyivmzlC0
778名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 01:17:37.58 ID:xy2hAN5v0
779名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 02:04:51.07 ID:xy2hAN5v0
780名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 03:04:27.39 ID:0GZ0mRkgO
飲み保守
781名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 03:57:48.82 ID:prsN1Wo30
>>757
サーモンさんは色々なシチュエーションの小説を書かれてるので
センターがなんらかの理由で失踪して、こじまこが2年、3年の川栄
が頭って小説もあったような・・・
けどこの小説はこじまこ1年の設定だから、3年のセンターは
存在しますね。
軽率な考えかもですがだけど、色々なシチュエーションの
小嶋真子をヒロインの小説を書いてるサーモンさんは
こじまこ推しだと思います(笑)
782名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 07:39:26.42 ID:Z6tNC6phO
>>781
うん、でも涼花の王道的いたぶり方には涼花ラブも感じたw
783名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 09:48:30.08 ID:xy2hAN5v0
784サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/23(日) 10:28:45.35 ID:3SHZl8xL0
異様な迫力に満ちたさや姉の冷たい視線は、
対峙する北川綾巴に恐怖を与えた。
綾巴は地面に膝を付いたまま、呆然と
さや姉の目を見つめていた。

目の前で足を止めたさや姉は
そんな綾巴を見下ろす。
「・・・あんたらの“大将”は何故来ないんや?」

「・・・誰の事だかわからねーな」
綾巴は地に置いた手を、土を掴むように握り締めた。
どいつもこいつも・・・

アイツの事ばかり・・・

ゆっくりと立ち上がる綾巴。
「癇に障るぜ」

“ザッ”拳を繰り出した綾巴。
さや姉はガードし、腹部に拳を向ける。
“・・・!”
綾巴は左膝を上げ、それを止めた。
「ちっ・・・」舌打ちをしてさや姉は眉をしかめる。
その瞬間、綾巴は跳んで軸足を変えると
右脚で蹴りを繰り出す。
ドカッと音を立てさや姉の脇腹に叩きこまれた。
そして左の拳で追撃する。
“バシッ”─

左に一歩、さや姉はゆらりと身体を
よろめかせ俯く。
前髪がさや姉の表情を隠す。
「・・・・・ボケが」 
785名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 10:32:19.82 ID:xy2hAN5v0
786サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/23(日) 10:43:17.77 ID:3SHZl8xL0
“ガッ”綾巴の胸ぐらを掴み
引き寄せると、額へ頭突きを食らわせた。
綾巴は思わず後退りし、額を押さえる。
そしてさや姉は綾巴を殴り飛ばす。
地面に手を付く綾巴。

「綾巴・・・!」
“凪咲”が飛び出し、さや姉に拳を向けた。

さや姉は拳を避けると、拳を出した凪咲の腕と襟を掴む。
足を払い、クルっと背を向け投げ飛ばす。
“ドカッ”
地面に背中を強く打った凪咲は
痛みで言葉にならない声を上げる。
「・・・!!」

「凪咲、あんた血液型は何型や?」
さや姉は仰向けに横たわる凪咲にまたがる。
襟首を掴み上げ、拳を高く掲げた。
凪咲は苦痛で顔を歪めながらも
さや姉を見据える。
「・・・・・なんでや」

─「救急車呼んだるわ」
787サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/23(日) 10:44:59.76 ID:3SHZl8xL0
“ドカッ”
さや姉が拳を振り下ろそうとした
瞬間、広場の入口から聞こえた音。
さや姉は凪咲から手を放し、振り返った。
難波の生徒が倒れている。
「あいつ・・・確か・・・」
その近くにいる見覚えのある少女の姿
に目を細めるさや姉。

少女は手を上げ叫ぶ。
「今だ行けー!めんたいこ軍!」

30人ほどいる難波のヤンキー達に、
“八木女”の生徒約10人が
声を上げて向かっていく。

少女に気が付いた凪咲と綾巴は
ふっと笑みを浮かべ声を揃えた。

─「“芽瑠”!」

芽瑠は同じ制服を着た背の高い少女の
背中をポンっと両手で押す。
「“ボス”!あんたも!」

ボスと呼ばれた少女は「ダルいな」と呟く。
ボスは腕をぴんっと伸ばし近くにいた
敵にラリアットを叩き込む。
敵が倒れると、ボスはガッツポーズをする。
「イエ〜イ」

その少女の名は田中奈津美─

特技・長渕キック。将来の夢・アイドル。
八木女の生徒達は親しみを込めて
彼女の事をこう呼んでいる。

“ボス”─と。
788サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/23(日) 10:46:31.62 ID:3SHZl8xL0
>>787
失礼しました。
訂正→田中菜津美
789名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 10:51:33.70 ID:indBKyIYP
なつみかんは難波に転校したいんちゃうんか
790名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 11:00:04.93 ID:p6+R2h/Qi
八木女・芽瑠リベンジキタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!
791名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 11:03:03.27 ID:xy2hAN5v0
792名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 11:14:51.87 ID:xy2hAN5v0
793名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 11:28:47.02 ID:KrHWLsNL0
博多がきたか…!!

  ( ゚д゚) ガタッ
  /   ヾ
__L| / ̄ ̄ ̄/_
  \/   /
794名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 11:35:24.54 ID:xy2hAN5v0
795名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 11:39:09.74 ID:gxreFbKs0
>>781
すまん
川栄てっぺんは芽瑠の四天王のスカジャン狩りの時の設定だったな
796名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 11:41:16.43 ID:xy2hAN5v0
797名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 11:44:39.58 ID:1j1I7QS70
パワー対決なら難波にも奴がいる
798名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 11:47:09.49 ID:XdpmfAeS0
肩幅姉さんか
799名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 12:28:41.59 ID:xy2hAN5v0
800名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 13:37:55.91 ID:xy2hAN5v0
801名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 15:22:52.99 ID:u8RCldhE0
芽瑠、ボス!難波にまけるな〜!
802名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 15:29:37.09 ID:xy2hAN5v0
803名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 15:33:34.85 ID:xy2hAN5v0
804名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 16:07:48.62 ID:xy2hAN5v0
805名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 18:11:11.21 ID:xy2hAN5v0
806名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 18:45:40.52 ID:nt5cFilO0
九州ツアー★マジやけん学園寸劇の披露一覧
山椒姉妹(多田)+チームホルモン(指原)

+めんたいこ軍(村重・若田部・伊藤・今田・宇井・梅本泉・深川)

+チームすき焼き(中西智・植木・熊沢・下野・上野・岡田栞・草場)

+モツ串一家(松岡菜・駒田・坂口・後藤泉・冨吉) ※宮崎公演追加

+生徒会三姉妹(穴井・岡本・渕上) ※熊本公演追加

+ロリータ連合(宮脇・本村・岩花・田中優・山田麻) ※鹿児島公演追加

+チームフェロモン(森保・谷・栗原・井上・神志那) ※佐賀公演追加

+めろっぴ教(兒玉・荒巻・坂本・筒井・外薗・山内祐・山下エ) ※長崎公演追加
807名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 19:23:03.59 ID:zahAazd10
山本、一ついいたいことがある


・・・・


東京をなめるなよ
808名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 19:33:02.28 ID:0GZ0mRkgO
>>799
(´Д`)ハァハァ


ボスのラリアットって腕が細いから日本刀みたいな感じに首を薙ぎそう
809名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 20:01:53.32 ID:VkRdd7c20
>>806
荒らすな
810名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 20:43:07.94 ID:xy2hAN5v0
811名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 22:00:40.90 ID:a6wdmGxu0
ほしゅ
812名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 22:22:33.12 ID:xy2hAN5v0
813名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 22:42:54.16 ID:T6K/Q3E40
明日は大荒れになるだろうからサ−モン先生推しの皆は
力を合わせて保守頑張ろうな
814名無しさん@実況は禁止です:2014/02/23(日) 23:06:27.36 ID:xy2hAN5v0
815名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 00:11:27.64 ID:Y86HGNaP0
816名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 00:23:21.64 ID:iJW+2U2/0
いつも保守頑張ってくれてありがとう
817名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 00:52:40.17 ID:Y86HGNaP0
818名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 01:11:56.56 ID:4F8u7/Tzi
>>813
おう♪
819サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/24(月) 01:34:14.01 ID:AlaaPxbZ0
数では難波が勝っていた。
だが少数ながらも個々が強い八木女側が
圧しているように見える。
特に芽瑠はその中でもズバ抜けており、
前へ足を進めながら1人、また1人と
敵を地面に沈めていく。 
乱闘の渦を抜けた芽瑠はさや姉と視線を合わせると不敵に微笑んだ。

「この前はどうも・・・」

「ああ・・・少し思い出したわ。
 東京四天王の“なんとか”や」

「芽瑠だよ、田島芽瑠」

「・・・で、何しに来たんや?
 うちとタイマンとかふざけた事
 ぬかしよるんやないやろな・・・」

芽瑠は髪をかきあげ、
鋭い眼光に変える。
 
「凪咲をやって“疼き”は止まった?
 いや、止まらないだろうね・・・
 あんたの中にある憎しみや苛立ちは
 凪咲と柊に向けられているものではないからね」

眉間に皺を寄せ、さや姉もまた
拳を握る。芽瑠の真っ直ぐな目に
苛立ったように険しい表情をしている。
「・・・・・もっと痛めつけんと分からん
 みたいやな・・・・・」
─「あぁ!?」
さや姉の拳が芽瑠を狙う。

“ガッ”顔に当たる寸前で受け止める芽瑠。
力を込めてさや姉の拳を横に少しずつ
ずらし、彼女の瞳を見据える。
「山本彩・・・あんたは自分自身にムカついているんだ。
 自分を痛めつけるように喧嘩に明け暮れ、
 それでもなお苦しみから解き放たれない。
 だから・・・」

「黙らんかい!!いてまうぞコラァ!!」
“ドカッ”─
さや姉は芽瑠の顔面を殴りつけた。
芽瑠は唇から滲み出る血を拭い顔を上げる。

「だから・・・誰かに止めてほしいと願っている」─

─「その目を止めんか!!田島ぁぁ!!」
820名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 02:36:16.08 ID:nwCrkccF0
大組閣の結果・・・・さや姉がこじまこを始め次世代の目標になる
立場になったら、まさにこの小説の通りになりますね。
821無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 02:57:08.07 ID:WbRMT4zA0
いっそ
チーム歌手
チーム女優
チームモデル
チームバラエティ
でいいんじゃない
822名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 03:59:32.34 ID:mFsUIrzOO
女子高警察見るとみんなヤンキーに見えるようになってきた
何が「ハヒフヘホー」だよ芽瑠可愛い子ぶりやがって!

ただみおたすだけはどうしても想像出来ないw
823サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/24(月) 04:01:20.92 ID:AlaaPxbZ0
“ドカッ”─
さや姉は芽瑠の顔面を殴りつけ、
両肩を掴むと力ずくで引き寄せ
腹に膝蹴りを叩き込む。

「うちが願っているやと!?
 あんたに何が分かんねん!!」

“ドカッ”何度も、何度も・・・

「止まるわけにはいかへんのや・・・
 あんたらとはなぁ・・・
 背負ってるモンが違い過ぎんねん!!」

我を失ったかのように怒りに満ちた さや姉の様子に、言葉を失っていた凪咲と綾巴だったが、
芽瑠に視線を送るとすぐに立ち上がり
飛び出していった。
 「止めろや!!」
─「・・・芽瑠!!」

さや姉が2人の方へと振り返った瞬間、
芽瑠がさや姉の胸ぐらを掴むと、
凪咲と綾巴は足を止めた。
芽瑠の目は“来るな”そう言っていた。

「おらぁ!!」
“ザッ”さや姉の拳を向ける芽瑠。
さや姉の頬に叩き込まれたが、
さや姉は微動だにせず鋭い眼光のまま
芽瑠を見据え、殴り返す。
体をよろめかせた芽瑠をたたき伏せる
ようにハイキックを繰り出した
サザッ─
地面に手を付いた田島芽瑠に
さや姉がゆっくりと歩み寄っていく。
「止まったらあかんねん・・・」

芽瑠の背中を見つめるさや姉。
「・・・それがうちが背負った“業”なんや・・・」

静かに、そして悲しそうな声で
さや姉はそう言った。
824サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/24(月) 04:02:45.38 ID:AlaaPxbZ0
地面を見つめたままの芽瑠もまた、
さや姉の言葉を聞きどこか切ない表情をする。
「やっぱりあんたには・・・どんな言葉も届かないか・・・
 ぶん殴られなきゃ分からないみたいだね・・・」

─さや姉が鋭い顔面に変え、芽瑠の髪を掴む。

芽瑠は顔を上げふっと笑みを浮かべた。
「・・・・・少しは“足止め”できたかな・・・」

綾巴が声を荒げる。
「アイツ・・・!」
「さや姉!!止めんか!」凪咲と綾巴は2人の所へ走り出す。

さや姉は拳を固く握り締め掲げる。
凍てつくような冷たい眼光で見下ろす。
芽瑠は最後までさや姉を、
憐れみを含んだ目で見つめていた。

真子・・・柊・・・ 

こいつを・・・助けてあげて・・・


“ドカッ”─

さや姉は掴んでいた髪から手を放す。
芽瑠は地面に倒れ、目を閉じた。
顔から流れた血が地面に滲む。

目を閉じた芽瑠に寄り添う綾巴と凪咲。
──「芽瑠!!」

2人の心を映すように冷たい雨が
降り始める─

空が泣いていた。
825名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 06:39:56.99 ID:Y86HGNaP0
826名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 06:58:30.29 ID:4F8u7/Tzi
>>822
禿同w
てんとうむchu!観ながら、こっちを思い出してたww

ちな、美桜は今回、ただの女子高校生じゃなかったかな?
827名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 07:22:10.18 ID:Y86HGNaP0
828名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 09:14:45.42 ID:05m7IenD0
みるき-早くさや姉を止めてあげて
829名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 09:25:24.34 ID:5vODJVgk0
830名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 10:23:38.10 ID:fuQR6Pc80
芽瑠ちゃん
831名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 11:05:23.16 ID:rR5VPxlI0
832名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 12:39:10.96 ID:1n9XzmDp0
ほっしゅ
833名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 12:51:40.48 ID:4YN14+Xg0
834名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 12:57:06.33 ID:hIq7qkx1O
>>826
美桜はおにぎりと言われた瞬間に…

ランチ保守
835名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 13:43:27.79 ID:fuQR6Pc80
みるきーいそいで!
836名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 14:25:33.35 ID:o4gNbDo10
悪鬼が来るか、真子が来るか♪
837名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 14:59:10.40 ID:0DkAwYk60
>>833
これサムネで見るとやばい
838名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 15:27:19.61 ID:ZQ+4tU8c0
839名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 15:46:53.48 ID:4F8u7/Tzi
>>837
ww
840名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 16:31:07.34 ID:fuQR6Pc80
>>837
自分も最初びっくりした
841名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 16:31:58.98 ID:FoRQ3P8sP
パイパンに見えるな
842名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 16:38:58.33 ID:o4gNbDo10
>>837
それがうちが背負った“業”なんや
843名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 16:43:00.64 ID:6hkJK+Cf0
844名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 17:40:00.68 ID:fuQR6Pc80
>>842
おいww
845名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 17:54:59.41 ID:o4gNbDo10
ハーブ騒動の時みたいな連携プレーで保守しましょう
846名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 17:59:26.01 ID:fuQR6Pc80
>>845
がんばろうぞ!
847名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 18:11:43.50 ID:o4gNbDo10
>>846
ご本人m(__)m w


今日は、さすがに先生は来ないでしょうね
848名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 18:11:59.77 ID:3Xb2Lpk40
サ−モン一派!嵐がそろそろ来るぞ
今日の保守だけでこのスレ完走しそう
849名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 18:13:47.19 ID:o4gNbDo10
次スレの準備・・・っても特に無いかw
850名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 18:20:19.75 ID:o4gNbDo10
落ちる?
851名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 18:31:10.10 ID:RJHt6s8I0
帰宅次第、次スレ立てようかな
http://i.imgur.com/4n51MbS.jpg
852名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 18:42:24.49 ID:fuQR6Pc80
落とさない!
853名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 18:51:48.13 ID:hIq7qkx1O
保守
854名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 18:53:20.29 ID:Wq4iH6uN0
まだ組閣の内容が発表されてないからそんなに簡単には落ちないよ
http://i.imgur.com/w08ktIP.jpg
855名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 19:01:07.23 ID:FEsdjiZQ0
保守
856名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 19:19:32.42 ID:LkYCYTpU0
現在、スタッフの人事異動発表中…
857名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 19:31:33.37 ID:fuQR6Pc80
チームA発表終わり
858名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 19:40:29.33 ID:o4gNbDo10
チームK発表終わり
859名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 19:46:55.04 ID:o4gNbDo10
チームB発表終わり
860名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 20:02:07.82 ID:fuQR6Pc80
KUなう
861名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 20:06:10.84 ID:hYZdcE/n0
チームEなう
862名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 20:12:40.62 ID:fuQR6Pc80
N
863名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 20:24:23.30 ID:o4gNbDo10
M
864名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 20:24:37.75 ID:fuQR6Pc80
BU
865名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 20:45:47.06 ID:o4gNbDo10
866名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 20:47:28.23 ID:fuQR6Pc80
組閣終わりまして
こっからだな
しっかり保守しましょう
867名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 20:56:41.73 ID:Y86HGNaP0
大組閣パネェ
http://i.imgur.com/ZjuqBqr.jpg
868名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 21:03:26.73 ID:fuQR6Pc80
参考までに

チームA
高橋みなみ(キャプ)・中村麻里子(副キャプ)・小嶋陽菜・川栄李奈・入山杏奈・森川彩香・松井咲子・武藤十夢・
藤田奈那・中田ちさと・前田亜美・小嶋菜月・片山陽加・島崎遥香・市川愛美(昇格)・達家真姫宝(昇格)・
西山怜那(ドラフト生)・田北香世子(ドラフト生)・中西智代梨(移籍)・矢倉楓子(兼任)・古畑奈和(兼任)・宮脇咲良(兼任)

チームK
横山由依(キャプ)・北原里英(副キャプ)・阿部マリア・永尾まりや・宮崎美穂・鈴木紫帆里・内田眞由美・
小林香菜・島田晴香・田野優花・石田晴香・岩佐美咲・野中美郷・相笠萌・小嶋真子・湯本亜美(昇格)・
後藤萌咲(ドラフト生)・下口ひなな(ドラフト生)・鈴木まりや(兼任)・兒玉遥(兼任)・松井珠理奈(兼任)・山本彩(兼任)

チームB
倉持明日香(キャプ)・大家志津香(副キャプ)・柏木由紀・高城亜樹(兼任解除)・竹内美宥・田名部生来・名取稚菜・高橋朱里・
大島涼花・内山奈月・梅田綾乃・橋本耀・伊豆田莉奈・平田梨奈・野澤玲奈(兼任解除)・渡辺麻友・大和田奈那(昇格)・
福岡聖菜(昇格)・横島亜衿(ドラフト生)・川本紗矢(ドラフト生)・小笠原茉由(移籍)・朝長美桜(兼任)・生駒里奈(乃木坂兼任)

チーム4
峯岸みなみ(キャプ)・木崎ゆりあ(副キャプ、移籍)・岡田奈々・西野未姫・岩立沙穂・岡田彩花・北澤早紀・篠崎彩奈・村山彩希・
前田美月・茂木忍・佐々木優佳里・小林茉里奈・大森美優・加藤玲奈・向井地美音(昇格)・込山榛香(昇格)・佐藤妃星(昇格)・
大川莉央(昇格)・土保瑞希(昇格)・渋谷凪咲(兼任)・小谷里歩(兼任)
869名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 21:20:03.10 ID:4F8u7/Tzi
全チームやりますかw?
870名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 21:36:15.47 ID:SkcBMYg20
SKEからゆりあちゃんが居なくなってしまった〜

悲しみながら保守
871名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 21:48:52.39 ID:Y86HGNaP0
チーム4が全然変わらないw
872名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 22:13:52.29 ID:Yv0aAymq0
873名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 22:31:03.89 ID:4F8u7/Tzi
また4に3人w
874名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 22:34:05.61 ID:SRJbsOTZ0
875名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 22:53:00.38 ID:5vODJVgk0
876名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 23:22:27.22 ID:j3YTcNh80
保守
877名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 23:27:09.35 ID:fuQR6Pc80
878名無しさん@実況は禁止です:2014/02/24(月) 23:47:09.61 ID:rR5VPxlI0
879名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 00:02:24.12 ID:XBjNFN5x0
880名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 00:02:41.13 ID:fuQR6Pc80
881名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 00:25:46.37 ID:9krAhcXoO
保守
882名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 00:49:10.49 ID:m2Cmq+200
(ココリコ乳)
http://i.imgur.com/GBAsXdS.jpg
883名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 00:57:56.07 ID:kaVgco3W0
884サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/25(火) 01:03:35.58 ID:kyppD/aT0
ほしゅありがとうございます。
まだ書けてません(>_<)すみません
萌ちゃんおめでとう!
885名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 01:12:36.45 ID:gAyjww9z0
サ−モン先生俺らが保守するから
今日はゆっくり休んでええで
886名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 01:14:49.52 ID:5css4FbEi
乙です
887名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 01:22:47.47 ID:0mut853/0
急ぐことないこのスレが落ちたって別にかまわない
何度でも立て直すから
888名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 01:48:48.68 ID:/GcXiBO60
自分のペースで書いてもらえればOKっすよ
保守は任せてくだされ!
889名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 02:28:59.36 ID:9krAhcXoO
トイレ起き保守
890名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 03:29:22.42 ID:eXUxaz0c0
891名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 06:24:59.53 ID:EjT4u7a40
>>882
ぶっころがすぞてめえ
892名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 06:42:59.85 ID:5css4FbEi
おHa♪
893名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 06:52:17.20 ID:AMJMv4yr0
894名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 09:12:36.04 ID:fQaNo+RF0
895名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 10:41:47.32 ID:DNCSkdQB0
896名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 11:41:25.15 ID:dbj0AH/f0
897名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 12:40:40.82 ID:ImudLkDK0
推しメンのはるっぴに
珠理奈とさや姉のチームKが見れるなんて感激だわwwww
898名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 12:53:22.86 ID:9krAhcXoO
さぁお昼保守
899 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2014/02/25(火) 13:42:11.80 ID:/GcXiBO60
レベル下がった?
900名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 14:02:29.91 ID:1yPf07KWi
900♪
901名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 14:22:37.42 ID:EyAn2huM0
902名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 15:11:38.74 ID:1yPf07KWi
903名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 15:44:04.80 ID:tkqOKTsB0
904名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 17:14:34.34 ID:7yXC3PES0
905名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 17:37:25.48 ID:zGvWJhvf0
保守です

サーモンさんおつかれさまです!
自分のペースでお願いします

あとそろそろ次のスレタイを決めた方がいいのでは?
失礼だったらすいません
906名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 18:49:20.09 ID:idoW/YDX0
2でよくない?
http://i.imgur.com/CwHW58T.jpg
907名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 19:26:25.23 ID:XGSK5FRp0
908名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 20:18:04.09 ID:y9MJV5dZ0
マジすか学園4は、一応完結したんじゃないの?

今は、NMB編?それとも、5?

次スレにも、リバイバルしてもらいたいなw♪
909名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 20:26:02.91 ID:9krAhcXoO
スレタイはこれでOKなら2を加えてにしよう
テンプレは1話から最新話数まで貼りたいけど面倒だろうからその辺りは「やってもいいよ」方がいたらって事にします?
910名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 20:30:30.21 ID:zGvWJhvf0
スレタイはサーモンさんに頼もうよ

サーモンさん簡単のでいいんでお願いします
911名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 21:04:10.22 ID:AMJMv4yr0
912名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 22:00:24.94 ID:AMJMv4yr0
913名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 22:48:23.42 ID:y9MJV5dZ0
914名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 23:21:18.21 ID:sp8hE/1u0
915名無しさん@実況は禁止です:2014/02/25(火) 23:52:56.61 ID:t7np4KMT0
916名無しさん@実況は禁止です:2014/02/26(水) 00:01:07.94 ID:lOSehc8G0
しゅ
917名無しさん@実況は禁止です:2014/02/26(水) 00:51:31.25 ID:ZeWzk4KC0
918名無しさん@実況は禁止です:2014/02/26(水) 01:40:32.51 ID:lAcLgtLx0
919名無しさん@実況は禁止です:2014/02/26(水) 03:03:27.49 ID:hD9wpTSA0
おやすみ
920名無しさん@実況は禁止です:2014/02/26(水) 06:15:30.97 ID:IPcv8SuX0
挙げ
921名無しさん@実況は禁止です:2014/02/26(水) 06:38:40.61 ID:ZeGsUKmuO
おはあげ
922サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/26(水) 06:42:13.65 ID:m6mGtm6c0
テスト
923サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/26(水) 07:00:53.71 ID:m6mGtm6c0
>>824

ポツリ─
さや姉の頬に落ちた空からの滴。
「雨・・・」
悲しそうにそう呟いたさや姉は
凪咲と綾巴に背を向け、乱闘を続ける
仲間達のほうへ顔を向け
静かに歩いていく。

「あんな距離で殴るなんて・・・」
綾巴は意識を失った芽瑠を抱えながら
さや姉のほうへと顔を向ける。
凪咲もまた鋭い眼差しでさや姉の背を睨めつける。

─「待てや・・・さや姉・・・」

ぴたりと足を止めたさや姉は
背を向けたまま口を開く。
「なんや?」

「・・・・この“戦争”・・・
 うちらの負けでかまへん・・」
激しい怒りの目と深い悲しみを
宿らせた顔つきで凪咲はそう言った。
綾巴は納得がいかない様子で声を荒げる。
「何を言ってる?・・・
 このまま終われるわけ・・・!!」

「すまん・・・綾巴。
 皆が傷つく姿はもう見たくないねん・・・・。
 限界や、うち・・・こんなの耐えられんわ」
声を絞り出すように小さな声で
凪咲は綾巴の顔を見てそう言った。
いつも強気だった凪咲から出た意外な言葉に
綾巴は何も言えず、怒りを堪えるよう
に拳を握り下を俯いた。
924名無しさん@実況は禁止です:2014/02/26(水) 07:08:27.63 ID:WQpzYkd+0
925サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/26(水) 07:19:44.24 ID:m6mGtm6c0
凪咲はずっと我慢していた。
美姫や奈々、萌が倒れた時も、
心の中で押し潰されそうだった。
自分達のせいで傷つけてしまったという思いが、
凪咲の胸を締め付けていた。
「さや姉・・・・・あんたに勝てる奴なんかおらへん。
 ・・・もう終わりにしようや」

さや姉は背を向けたまま
彼女達の顔を見ようとはしなかった。
「まだおる・・・・
 うちが倒さなあかん奴が・・・」
さや姉はそう言って再び歩き出した。
ぱらぱらと降る小雨がさや姉の髪を
濡らし始めると、
さや姉は髪をかきあげた。
「そうやろ・・・・・“楓子”・・・」

─「まだ、うちを許してくれんよな?」
さや姉の目に映る“敵”。
八木女の生徒達のほうへと歩いていくさや姉。
その姿に気付いた難波の仲間達は
なぜか怯えるように手を止める。
返り血を浴びたさや姉の顔が
やけに恐ろしく見えた。
「あんたら何ちんたらやってんねん」
“ドカッ”八木女の生徒を殴り倒すさや姉。
─「うちがおらんと何もできんのか!!」
百花と互角に戦っていたボスのもとへと
歩いていくさや姉。
「邪魔や・・・うちがやる」

「・・・さや姉」百花は怯えたように後退りする。
ボスがさや姉を睨みつけ対峙する。
「・・・よくも芽瑠を・・・この野郎!!」
ボスのラリアットがさや姉の首を狙う。
926名無しさん@実況は禁止です:2014/02/26(水) 07:47:29.01 ID:IpxMTvi90
927名無しさん@実況は禁止です:2014/02/26(水) 10:26:24.30 ID:eK00LzivO
なんか今はボスの名前見るだけでうるうる来るw
ガラスのハートを鋼鉄の意志で包んで単身SKEに乗り込む中学生頑張れ!
928名無しさん@実況は禁止です:2014/02/26(水) 11:42:33.69 ID:rbZrTSmHi
よくも、芽瑠を!!
929名無しさん@実況は禁止です:2014/02/26(水) 11:43:44.45 ID:rbZrTSmHi
(逃)
930名無しさん@実況は禁止です:2014/02/26(水) 12:10:12.21 ID:PKhbsSxn0
931名無しさん@実況は禁止です:2014/02/26(水) 13:33:20.38 ID:grvnF7vz0
932名無しさん@実況は禁止です:2014/02/26(水) 13:48:56.11 ID:vB0OeP0u0
933名無しさん@実況は禁止です:2014/02/26(水) 15:35:01.36 ID:IB9bnfqs0
934名無しさん@実況は禁止です:2014/02/26(水) 17:06:12.30 ID:vB0OeP0u0
935名無しさん@実況は禁止です:2014/02/26(水) 18:10:55.86 ID:j/C209NG0
 
936名無しさん@実況は禁止です:2014/02/26(水) 18:12:04.86 ID:Bp4dhlai0
937名無しさん@実況は禁止です:2014/02/26(水) 18:23:00.24 ID:V2Qhv1eq0
ボスは一瞬でやられるフラグだが

何とか頑張ってほしいな さやねえ無双すぎ
938名無しさん@実況は禁止です:2014/02/26(水) 18:35:25.03 ID:fGmNuqBC0
939名無しさん@実況は禁止です:2014/02/26(水) 18:43:20.39 ID:/JEfCdoM0
ぐぐたす写真、解禁されました♪

芽瑠はベストなksgkにやられていて、
疲労残るksgkは百花にやられていて、
百花は芽瑠の手下のボスと互角。
なぁちゃんの発言から、芽瑠の強さは、気分で変化するのかな
まぁ、さや姉には歯が立たなかったけどw
940名無しさん@実況は禁止です:2014/02/26(水) 19:04:10.49 ID:e8YQLlN60
941名無しさん@実況は禁止です:2014/02/26(水) 20:18:21.98 ID:WQpzYkd+0
942名無しさん@実況は禁止です:2014/02/26(水) 20:34:05.87 ID:ZeGsUKmuO
さや姉フォームチェンジ
ttp://i.imgur.com/1OeKW8X.jpg
943名無しさん@実況は禁止です:2014/02/26(水) 21:45:08.55 ID:75eX8zuK0
944名無しさん@実況は禁止です:2014/02/26(水) 22:37:43.00 ID:V2Qhv1eq0
保守
>>943
さやねえたまらんわ・・・
945名無しさん@実況は禁止です:2014/02/26(水) 22:54:25.83 ID:WQpzYkd+0
946名無しさん@実況は禁止です:2014/02/26(水) 23:42:20.80 ID:NHpW2uEQ0
保守
947名無しさん@実況は禁止です:2014/02/26(水) 23:50:27.58 ID:JJDMM8bJi
948名無しさん@実況は禁止です:2014/02/26(水) 23:59:36.13 ID:p3M2R6VZ0
949サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/27(木) 00:00:56.16 ID:mWFzJNd50
さや姉はサッと身を屈めそれを避け
拳でボスの顔面を貫く。
“ドカッ”ボスは後ろに吹っ飛び
地面に仰向けに倒れる。
鼻を押さえながらゆっくりと体を起こすボス。
近づいてくるさや姉の姿を見て、
手で地面を擦りながら後ろへ下がる。
ボスは一発で力の差を悟った。

勝てるわけない・・・

今にも泣き出しそうな顔つきで
逃げだそうと後ろに振り返った時、
凪咲の膝で眠る芽瑠の姿が映った。
「芽瑠・・・」
ボスはそう呟き、再びさや姉へと
顔を向ける。
「くそっ・・・こえーよ・・・ちくしょう!!」
震える脚を止めるように叫び
ボスは立ち上がった。
さや姉の冷たい眼光がボスを刺す。
「やるんか?逃げるんか?
 ハッキリせえや」

ボスは拳を握りしめさや姉に
向かっていった。

─「やってやるわ・・・!!」

その様子を見つめていた綾巴が凪咲に声をかける。
「凪咲、芽瑠を頼む・・・」

「・・・さや姉とやるんか?」

「・・・芽瑠の仲間を助ける」
綾巴はそう言ってゆっくりと立ち上がった。
さや姉のほうへと顔を向けた。

すると綾巴はふっと笑みを浮かべた。

─「今頃来やがって・・・・」
950名無しさん@実況は禁止です:2014/02/27(木) 00:08:55.94 ID:T0Ux79rD0
951名無しさん@実況は禁止です:2014/02/27(木) 00:49:29.91 ID:T0Ux79rD0
952名無しさん@実況は禁止です:2014/02/27(木) 00:53:43.45 ID:T0Ux79rD0
953サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/27(木) 01:01:46.02 ID:mWFzJNd50
“ザッ”─
「おらぁ!」
1人の少女が道を開けるように目の前の敵を倒していく。
八木女に襲いかかろうとした敵を蹴り倒すと、
再び前を向き歩いていく。

さや姉は地面に尻もちを付いたボスの
胸ぐらを掴み、拳を掲げる。
“ガッ”
背後からさや姉の腕を掴む少女。
ボスはさや姉の背後を見据えふっと笑みを浮かべた。
─「・・・おせーよ」

さや姉は振り向き様に“少女”へ拳を向ける。

“バシッ”─

さや姉の拳を片手で受け止める少女。
傷ついた芽瑠に視線を送り怒りに満ち
た目に変えると、拳を払うと同時に
胸ぐらを掴んだ。
「芽瑠を殴った?」
さや姉もまた少女の胸ぐらを掴むと
眉間に皺を寄せ少女を睨む。
「ああ。うちやで・・・」
“ドカッ”─
少女の拳を顔面を喰らったさや姉が
地面に背を付けた。
地面に手と膝を付きながら
少女を見上げるとふっと不敵に微笑む。

“こいつか・・・美瑠が言っていた奴は・・・”

「・・・頂上決戦といこうやないか・・・」
さや姉はゆっくりと立ち上がると
少女の名を呼ぶ。

─「なぁ?“小嶋真子”」─

「あんたが西の頂点か・・・」
真子は前髪を右手でかきあげ、
眼光を鋭いモノへと変える。

──「タイマンだ・・・“山本彩”」
954名無しさん@実況は禁止です:2014/02/27(木) 03:05:44.40 ID:NEKldILg0
955名無しさん@実況は禁止です:2014/02/27(木) 06:15:31.53 ID:ZkupdfKFP
もうクライマックスか?
終わっちゃうんか?
そんなんいーやーやー
956名無しさん@実況は禁止です:2014/02/27(木) 06:51:35.91 ID:T0Ux79rD0
957名無しさん@実況は禁止です:2014/02/27(木) 07:05:43.13 ID:LhGnOeYfO
ほ柊
958サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/27(木) 07:05:57.83 ID:mWFzJNd50
このスレで終える事ができなかった。
力不足で申し訳ありません。
959サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/27(木) 07:21:37.77 ID:mWFzJNd50
このペースで許していただけるなら

>>905

マジすか学園4─NMB参上!─

でお願いします。
960名無しさん@実況は禁止です:2014/02/27(木) 07:31:36.77 ID:T0Ux79rD0
了解しました
いつもありがとうございます!
http://i.imgur.com/2dp6x7h.jpg
961名無しさん@実況は禁止です:2014/02/27(木) 08:04:22.32 ID:Ro2gWD2f0
962名無しさん@実況は禁止です:2014/02/27(木) 09:14:36.54 ID:lLa/MatW0
真子ちゃんがんばれ!
963名無しさん@実況は禁止です:2014/02/27(木) 10:04:56.37 ID:kb6jMc1e0
さや姉頑張れ!
みるき-早く来てくれ

サ−モン先生マイペ−スでいいよ
大組閣を利用して次作は転校生編も面白い
964名無しさん@実況は禁止です:2014/02/27(木) 10:07:24.96 ID:7Pi9gzjiO
ボス可愛すぎ問題w
指原目線で読んじったよ
965名無しさん@実況は禁止です:2014/02/27(木) 10:58:22.54 ID:zFTsekhW0
966名無しさん@実況は禁止です:2014/02/27(木) 12:29:28.20 ID:o6a06BI00
967名無しさん@実況は禁止です:2014/02/27(木) 14:12:03.51 ID:ThmKeVDe0
968名無しさん@実況は禁止です:2014/02/27(木) 15:47:53.97 ID:4q40QJvo0
969名無しさん@実況は禁止です:2014/02/27(木) 16:56:16.74 ID:c9wR857g0
>>959
サーモンさんのペースで全然OKです

こっちは読ませてもらってる身ですから
970名無しさん@実況は禁止です:2014/02/27(木) 18:28:56.71 ID:X3j1uUgv0
971サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/27(木) 19:05:41.38 ID:mWFzJNd50
─「おらぁ!!」
声を荒げて飛び出していく真子。
高く飛び上がると拳をさや姉に向けた。
振り下ろされた拳がさや姉を狙う。 

バシッ─
さや姉の顔面に叩きこまれるが、
その拳は難波の頂点を動かす事はできなかった。
「あれ?」と真子は少し口角を上げて
動揺を隠すように微笑む。

凍てつくような眼差しで真子を見据え
髪をかきあげるさや姉。
「最初の一発は・・・ラッキーパンチみたいやな?」

「・・・!」
真子が驚いた顔つきに変えた時、
さや姉の拳が真子のこめかみを捉える。
ザザッ、横へと吹っ飛ばされ
地面へと転がる真子。
「くそっ!」真子は手を付いて
すぐに立ち上がり振り返る。
「全然効いてないし!」サッと身構えた。

さや姉が不敵に微笑む。
「足下・・・ふらついてるで?」─
972サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/27(木) 19:10:19.13 ID:mWFzJNd50
その2人の周りで戦いを続けていた難波のヤンキー達と八木女の生徒達。
ボスが動けなくなった事で
八木女側が次第に圧され、1人、また1人と倒されていた。
だが、その難波の猛攻を止める者達が
姿を見せた。

さっきまでさや姉と戦っていた北川綾巴。

もう1人は・・・

「おりゃぁぁぁ!」と声を荒げながら
春奈へと向かっていき跳び蹴りを浴びせる
─“薮下柊”。
地面に手を付いた春奈が振り返えると
柊の隣にいる“少女達”の姿に動揺する。
「・・・なんで“一緒”におんねん・・・」

髪を巻いた黒髪の“少女”は
春奈の横へと足を進めると、辺りを見渡し叫ぶ。
「あんたら止めんかい!!」

─「“みるきーさん”や・・・」
春奈だけでなく美瑠と百花、
そして難波のヤンキー達全員がピタリと動きを止めた。
みるきーの迫力は敵の八木女さえも圧倒した。
春奈は立ち上がり“みるきー”の胸ぐらを掴む。
「もう少しでさや姉はてっぺんとれんねん・・・
 邪魔せんでもらえるか?」

みるきーはいつになく真剣な目で春奈を見据える。
「何がてっぺんや。
 その先に何があんねん?」

「・・・関東を制覇して“木村”に対抗する力を手に入れるんや。
 さや姉が“復讐”を果たしたいなら・・・
 うちがその道を創ったる」
973サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/27(木) 19:15:03.55 ID:mWFzJNd50
“ドカッ”─みるきーは春奈を殴り飛ばす。
「ガキの喧嘩とはちゃうぞ!!
 さや姉は木村に会ったら必ず殺す!
 それを分かっとんのか!?」

春奈は地面に膝を付けながら
頬から流れる血を拭う。
「それは・・・」

「・・・あんたは、さや姉の本当の姿を知らんからそんな事言えるんや。
 難波が好きやと言っとった・・・
 あの頃のさや姉を・・・」
みるきーはそう言ってさや姉に視線を送った後、
“真子”を見つめる。

みるきー達がここに来る前の事だった─
道の途中でみるきー達と偶然会った“薮下柊”は、
みるきーがさや姉を止めようとしてる
事を聞くと急に足を止めた。

「・・・・その“役”、うちらに譲ってくれませんか?
 うちらは“ケジメ”つけなあかん。
 お願いします・・・みるきーさん」

「・・・さや姉に勝てるんか?」

「分かりません・・・。
 けど、“真子”ならきっと・・・
 さや姉を変えてくれると思います」

「このとおりです」柊がみるきーに
頭を下げると、ポンっと肩を叩かれた。
「分かったわ」
みるきーは柊の肩に手を置き、にこっと微笑む。
「・・・行くで、柊」─

みるきーはさや姉の姿を見つめる。

さや姉・・・あんた、強過ぎるんや・・・
974名無しさん@実況は禁止です:2014/02/27(木) 20:10:24.18 ID:T0Ux79rD0
975名無しさん@実況は禁止です:2014/02/27(木) 21:14:20.42 ID:T0Ux79rD0
976名無しさん@実況は禁止です:2014/02/27(木) 21:24:46.17 ID:ZkupdfKFP
977名無しさん@実況は禁止です:2014/02/27(木) 21:43:57.72 ID:tXl46feWP
978名無しさん@実況は禁止です:2014/02/27(木) 22:03:09.21 ID:lLa/MatW0
真子ちゃん…
負けるな!
979名無しさん@実況は禁止です:2014/02/27(木) 22:18:55.85 ID:c9wR857g0
まこ負けないでくれ

お前は関東の希望なんだよ!
980名無しさん@実況は禁止です:2014/02/27(木) 22:26:24.23 ID:uJxvFHjF0
(でもぱるるの方が圧倒的に強いんだよね?)
981名無しさん@実況は禁止です:2014/02/27(木) 23:01:03.01 ID:GgZ1zzve0
あれって、プロローグの扱いなのw?
982名無しさん@実況は禁止です:2014/02/27(木) 23:16:06.18 ID:A89ryh1bO
マジすか学園4─NMB参上!─
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/akb/1393510459/
次スレ
983名無しさん@実況は禁止です:2014/02/27(木) 23:17:06.43 ID:EC3/+D1H0
984名無しさん@実況は禁止です:2014/02/27(木) 23:20:49.21 ID:GgZ1zzve0
>>982
乙♪

>>983
さや姉、こんな大胆な活動していたんだ。
決意半端ないね
985名無しさん@実況は禁止です:2014/02/28(金) 00:25:44.70 ID:LriibcCq0
今夜も流れ早いぞ
http://i.imgur.com/r0BPKlg.jpg
986名無しさん@実況は禁止です:2014/02/28(金) 01:41:00.93 ID:ixKXODwA0
通りすがりに期待を込めて梅
987名無しさん@実況は禁止です:2014/02/28(金) 03:26:47.37 ID:EkfFu+060
大組閣でさや姉とこじまこが同じチームになった事にこの名作が
起因してるのかなとか妄想ですが思いました。
現実の活動でも切磋琢磨して頑張ってほしい。
988名無しさん@実況は禁止です:2014/02/28(金) 06:42:21.01 ID:LriibcCq0
989名無しさん@実況は禁止です:2014/02/28(金) 06:56:41.61 ID:MiZRyTRY0
990サーモン ◆pdlO7HZYuo :2014/02/28(金) 07:33:59.36 ID:f3aU3h550
>>980
あれは今回とは別で3の続編のプロローグ妄想です
>>982
ありがとうございます!
991名無しさん@実況は禁止です:2014/02/28(金) 09:24:34.93 ID:uexKz+670
992名無しさん@実況は禁止です:2014/02/28(金) 10:33:25.35 ID:ZFX+U+Yq0
993名無しさん@実況は禁止です:2014/02/28(金) 11:32:24.04 ID:GOOT01A/0
埋め
994名無しさん@実況は禁止です:2014/02/28(金) 12:11:24.56 ID:yjn4OKqp0
995名無しさん@実況は禁止です:2014/02/28(金) 12:38:35.29 ID:XmxPGF1Q0
996名無しさん@実況は禁止です:2014/02/28(金) 12:39:05.43 ID:XmxPGF1Q0
997名無しさん@実況は禁止です:2014/02/28(金) 12:39:43.86 ID:XmxPGF1Q0
998名無しさん@実況は禁止です:2014/02/28(金) 12:40:32.92 ID:XmxPGF1Q0
999名無しさん@実況は禁止です:2014/02/28(金) 12:42:01.88 ID:XmxPGF1Q0
1000名無しさん@実況は禁止です:2014/02/28(金) 12:42:59.24 ID:3zWt8W570
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