1 :
名無しさん@実況は禁止です:
東京中央銀行営業第二部次長半沢直樹はこれまで5億円の回収や
伊勢島ホテルの再建など数々の困難を乗り越えて銀行を救い、
出向を受けた東京セントラル証券においても大活躍を見せたバンカーである。
順風満帆にバンカーとしての仕事をこなす彼に今回更なる難関が待ち受けていた。
これは半沢直樹が乃木坂46をAKB48を超えるアイドルグループに成長させるまでの物語である。
http://www.youtube.com/watch?v=QhXupMPWRL0
2 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/02(水) 22:11:41.30 ID:oVKrYe2b0
Ep1「会いたかったかもしれない」
「営業第二部半沢次長が参りました!」
秘書の男がそう言うと「通せ!」という頭取の中野渡が返ってきた。半沢は頭取室のドアを開けて正面に座る中野渡に一礼した。
「早速だが君にはある会社に出向してもらいたい」
前置きなどは一切ない中野渡らしく本題を口にした。半沢は戸惑いを隠せない。
「何故私が出向なんですか?私には全く身に覚えはありませんが…」
「いや、出向とはいっても一時的なもので実際は債権回収が君の役目だ」
「債権回収?」
「半沢君。君は乃木坂46って知っているかね?」
「いえ。初耳ですね」
「ならばAKB48ぐらいは知っているな」
「ええ。国民的アイドルグループで運営するAKSは当行の主要取引先ですから」
AKB48や一部姉妹グループの運営やイベントを統括するのがAKSで東京中央銀行はメインバンクである。
今回中野渡が半沢に命じたのはソニーミュージック等が投資して作ったアイドルグループ乃木坂46の運営会社である乃木坂46合同会社の解散に伴う債権回収と処理である。
乃木坂46は音楽プロデューサー秋元康とソニーミュージックが主体で立ち上げたAKB48の公式ライバルグループとして誕生した。
絶対的人気を博していたAKBの名のもとに成長を遂げていたが人気に陰りが見え始め、さらなるテコ入れを図るべく所属するメンバーをAKB系の各グループに配置するために行うものである。
東京中央銀行でも設立のために100億の融資を行っており、度重なる交渉の末に銀行主導で行われることになった。
半沢は代表取締役と同等の立場にある代表社員として出向することとなった。
3 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/02(水) 22:12:55.92 ID:NTfBcODN0
期待するわよ
4 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/02(水) 22:13:33.64 ID:oVKrYe2b0
東京都港区赤坂。都営大江戸線乃木坂駅2番出口を出たところにあるSME乃木坂ビル。
ここが乃木坂46の名前の由来になった場所で彼女たちの拠点である。半沢はビルを見上げた。そしてそのままビルの入口から中へ入る。
エレベーターで5階へ向かい、正面のレッスン場に着くと目の前に乃木坂46運営委員会委員長の今野義雄が立っており半沢を見るや一礼した。
「どうも今野です」
今野が半沢に名刺を手渡す。
「本日より代表社員となった半沢です」
「あなたが半沢さんですか。確か伊勢島ホテルの再建に携わった優秀な方とお聞きしましたが。」
「いえ、それほどでもありません」
「しかしメンバーに会う必要は特段ありませんよ。半沢さんはただ会社の解散処理に専念して頂ければいいんですから」
「いや、代表社員として同じ社員であるメンバーの皆さんに挨拶をするのは当然のことです。
ましてや彼女たちの運命を決める大事な仕事だ。どこの誰だか分からない人間にやられるとなれば彼女たちも気分が悪いでしょうしね」
「しかし、彼女たちの中には今回の事に不満を抱いている子もいます。あなたが悪者になってしまいますよ」
「ええ。そんなのは覚悟しています。実際もっとひどいケースも経験していますから」
半沢は澄ました顔でそう答えると今野は圧倒された様子だった。
「今まで色々な銀行員を見てきましたけどあなたみたいな人は初めでですよ。債権回収の人間がメンバーに挨拶だなんて」
「むしろ債権回収を担当するからこそ私はメンバーと顔を合わせ思っていることを聞いて実行する。不満があるなら聞き出す。
私に出来ることなら何でもします。確かに作業をするだけなら簡単でしょう。でもそれではメンバーである彼女らが抱える問題の解決にもなりません。
そういうのはやがて大きな問題に発展しかねませんから」
「凄いなあ半沢さんは」
今野は深くため息をつく。
「ではメンバーが待っているようですから行きましょう」
半沢はそう言うとメンバーの待つ部屋の扉を開けた。
5 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/02(水) 22:15:03.83 ID:oVKrYe2b0
「みんな聞いてくれ。今日から君たちのトップになる半沢直樹さんだ。」
今野が隣に立つ半沢を紹介する。案の定メンバーたちの反応は冷ややかでほとんどが半沢に冷たい視線を送る。
「今日から代表社員となった半沢です。どうぞよろしくお願いします。」
半沢が一礼するもメンバーは拍手すらしなかった。
「あれが例の銀行から来た人?」
小声で斉藤優里が畠中清羅に声をかける。
「そうみたい。ていうか何で私たちに挨拶なんてするのかな?嫌味のつもり?」畠中が目を合わせながら答える。
「おい斉藤優里と畠中。言いたいことがあるならもっと聞こえるように言え」
聞こえぬように声を押し殺して話をしていた二人が顔を見上げると半沢が睨みつけるような形相で見ていた。二人は即座に目を逸らした。
「いいか。他のメンバーも言いたいことがあるなら今この場ではっきり言え。遠慮はいらない。お前らが不満や疑念を抱いていることぐらい分かる。
言ったからといって俺は処分をしたりはしない。黙っていたって何の解決にもならないぞ!」
半沢の声が部屋中に響く。それを聞いたメンバーは下を向き考え始めた。彼女たちは今まで大人の敷いたレールに沿って言われるがままやってきた。
それを今日会ったばかりで普段見かけることもない代表社員からいきなり怒鳴り込まれれば萎縮しても無理はない。
もし話してしまったら処分されるかもしれない、芸能界にはいられないかもしれない、僅かな一言で今後の人生を大きく左右しかねない世界なのは銀行業も芸能界も差して変わりはない。
「あの、じゃあ言わせてもらいますけど…」
長い沈黙の後に生駒里奈が手を挙げて立ち上がった。彼女は全身を震わせて今にも泣き出しそうな表情をしていた。
「落ち着いて話せばいい」
半沢の言葉を聞いた生駒が深呼吸をした。全員が生駒に視線を向けた。
6 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/02(水) 22:16:45.25 ID:oVKrYe2b0
「私はこのグループを解散させるのは反対です」
緊張で震えるような声で言った生駒に全員が拍手を送る。よく言った。メンバーからそのような思いが伝わる。
「なるほど。理由を聞かせてもらおう」
半沢は生駒を見る。
「だってこのままじゃみんな離れ離れになってしまう。なかには居場所すら決まっていないメンバーもいるわけだしそれに…」
「それに?」
「やっと売上も安定してファンの数も増えてきていよいよこれからだという時にいきなり解散なんて納得できません。私たちが2年間かけて築いてきたモノを否定されてしまったように思えてならない」
生駒の思いは本気のようだ。生駒はついに抑えていた涙が一気に溢れ出た。
隣にいた井上小百合が持っていたハンカチを生駒に差し出す。
生駒は「ありがとう」と言ってハンカチで目を拭った。
「よく分かった。桜井はどうなんだ?お前の意見が聞きたい」
半沢はキャプテンの桜井玲香を名指しして意見を求める。いきなり意見を求められた桜井は場の状況が未だに把握できていないようだ。しばらくしてゆっくりと立ち上がった。
「確かに解散に反対するメンバーはほとんどです。ですが、秋元先生や上が決めたことなので今更どうしようも…」
「秋元先生や上やメンバーのことなんかどうでもいい。俺はお前の意見が聞きたいだけだ」
半沢に言われた桜井はさらに考え込む。桜井はキャプテンとしてメンバーと運営の意向の違いに悩んでいた。
桜井はメンバーから出る不満を何とか抑えて運営の意向に従うように命じられていた。桜井の立場は上司と部下の主張に挟まれて苦闘する中間管理職そのものだった。
「私はまだやり足りないことがあるので続けられるなら続けたいです」
桜井は下を向いたまま言うと何人かのメンバーが拍手する。半沢は冷静にメンバーを見渡していた。
中には生駒や桜井の意見に賛同しているとは思えぬ表情をしたメンバーがいたからだ。
7 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/02(水) 22:21:06.67 ID:oVKrYe2b0
「私はちょっと違うな」
そう言って立ち上がったのは衛藤美彩であった。
「衛藤はみんなとやりたくないのか?」
衛藤の表情を見ながら半沢は尋ねる。
「いや。みんなのことは大好きなんです。今でもかけがえのない仲間だと思っています。ですが、私はこの2年間で選抜には一度も選ばれずアンダーとして頑張ってきました。
ですが、選抜とアンダーが段々固定化されてきてチャンスを全くもらえず差が出てきているのは事実です。このままじゃ特定のメンバーだけが優遇されて意味がないというか。
そんな中で解散と48Gに行けるというのは私にとってはいやアンダーメンバーにとっては大きなチャンスなんです。
確かに向こうの方が遥かにハードルは高いかもしれないけどそれでも私は賭けてみたいんです。新たな環境でチャレンジしてみたい」
衛藤の主張に一部アンダーメンバーが拍手を送る。確かに乃木坂46の選抜メンバーは固定されておりその活躍の格差は大きい。
冠番組も呼ばれるのは主に選抜メンバーが中心であり当然歌番組やバラエティ番組も選抜メンバーが主体で出て行く。
アンダーメンバーに貰えるチャンスといえば握手会、不定期で更新されるインターネット動画と滅多にないイベント出演ぐらいだ。ファンからもこの格差に対する不満の声は少なくない。
「みさみさ!そんなのあんまりだよ!」生駒が立ち上がった。
「そりゃああんたはずっと選抜だし48Gに行ったら自分が霞むのが目に見えているからそれが不安なんでしょ?こっちはチャンスが欲しいだけ」衛藤が反論する。
「どうせAKBだろうがHKTだろうが行っても私たちは余所者扱いでチャンスは簡単に回ってこない。こっちの方がまだチャンスあるよ」桜井が言うと部屋にはメンバーらが言いたい放題に論争を始めた。
今野が宥めようとするがもはやスイッチの入った彼女たちを制御するのは至難であった。
くぅ〜疲れましたw これにて完結です!
実は、ネタレスしたら代行の話を持ちかけられたのが始まりでした
本当は話のネタなかったのですが←
ご厚意を無駄にするわけには行かないので流行りのネタで挑んでみた所存ですw
以下、直樹たちのみんなへのメッセジをどぞ
半沢「みんな、見てくれてありがとう
ちょっと腹黒なところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」
近藤「いやーありがと!
私の無能さは二十分に伝わったかな?」
渡真利「見てくれたのは嬉しいけどちょっと恥ずかしいわね・・・」
岸川「見てくれありがとな!
正直、作中で言った私の気持ちは本当だよ!」
大和田「・・・うん、楽しみにしてるよ」キエェー
では、
半沢、渡真利、近藤、岸川、大和田、俺「皆さんありがとうございました!」
終
半沢、渡真利、近藤、岸川、大和田「って、なんで俺くんが!?
もう容赦しねぇぞ…倍返しだ!!!」
本当の本当に終わり
9 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/02(水) 22:24:05.24 ID:LfghpsY5O
楽しみにしてるよ
10 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/02(水) 22:26:40.84 ID:oVKrYe2b0
「静かにしろお!!!!!!!!!」
半沢が怒鳴るとそれまで騒いでいた彼女たちが一気に黙り込んだ。まるで昔の証券取引所や築地市場のような大声が飛び交う環境は一気に静寂に包まれた。
「今お前らがこうして騒いで解決するならいくらでも騒げばいい。だがそんなことをしていても時間の無駄だ。
明日の夕方に俺はこの会社の解散決定を告げてあとは処理するだけになる。そうなればお前らの主張や思いなんか何の意味もなくなる。
お互いそれぞれ言い分や思いがあるのは分かった。だが時間はないぞ。明日までに結論を出すしかない。
もしお前らがこのまま続けたいのならそれなりの覚悟が必要だ。その覚悟をお前らにできるかどうかだ。決めたら教えてくれ。俺はいつでも待っている」
そう言った半沢はそのまま部屋を後にした。
11 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/02(水) 22:27:43.79 ID:oVKrYe2b0
「ねえ半沢さんならあの事信じてもらえるかも」
伊藤寧々が伊藤万理華にそう言うと万理華は渋い表情をする。
「でも2ちゃんの情報だし…」
「でもこのままにしておいたら明日には解散で私たちはバラバラになるのが決まってしまうんだし言うだけ言って損はないと思うけど」
「でも全く証拠がないしこんなの調べてくれなんて言ったら怒られるだけかも」
「でも言ってみなきゃ分かんないじゃん」
寧々の言葉に万理華も少しずつ考えが傾き始めた。
「まだいるかな?」
万理華が言う。
「多分まだどこかにいると思う」
寧々はそう言うと万理華の右手を握って引っ張って駆け出した。
それを見た他のメンバーも何事かと不思議に思って後を追った。
12 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/02(水) 22:29:54.74 ID:oVKrYe2b0
「これでよし。あとは家でやるか」
一息ついた半沢は机の上にある缶コーヒーを一気に飲み干して資料を鞄に入れて部屋の電気を消してエレベーターへ向かって歩き始めた。
するとドタドタと大きな足音がフロア内に響き渡っていた。半沢はどんどん大きくなっているのを感じた。
「半沢さん!!」
寧々の叫び声に半沢が後ろを振り向くとメンバーらが駆けてきた。半沢はただ圧倒されるしかなかった。
「何だお前らいきなり」
半沢は未だに状況が飲み込めないでいた。
「半沢さんに是非見ていただきたいものがあるんです」
万理華がそう言うと自分のスマートフォンを取り出してみせる。
万理華が見せたのは巨大掲示板『2ちゃんねる』の乃木坂関連のスレッドに2日前に投稿されていた書き込みである。
そこには乃木坂46が近々解散することになりその理由はAKB48の人気の陰りでサプライズとして主要メンバーを入れたいのと
大掛かりなコンサートツアーやイベントで蓄積したAKSの赤字を補填するために行われるという具体的な内容の書き込みだった。
だが、2ちゃんねるではこのような内部情報に似せたデマ書き込みをする事情通と呼ばれる書き込みは珍しくなく実際にスレッドでも相手にされてはいなかった。
しかし、半沢はこの書き込みが単なる悪戯だとは思えなかった。
「乃木坂の解散は銀行でもごく一部の人間しか知らないはずだ。AKB側も知っている人間は限られている。ただAKSは9月期の試算は1億円の黒字のはずだが…」
半沢はオフィスに向かって駆け出した。それをメンバーらが後を追う。
半沢はパソコンのスイッチを入れてスマートフォンを取り出して電話を掛けた。相手は半沢の同期で本店融資部の渡真利忍だった。
「もしもし渡真利か?まだ行内にいる?よかった。至急調べてほしいことがあるんだが」
半沢は渡真利にAKSの財務状況について聞き出していた。
13 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/02(水) 22:34:28.26 ID:oVKrYe2b0
「お前の思った通りだ。半沢」
渡真利はそう言うと革製のカバンから厚い書類の束を取り出した。AKSの上半期の決算書類である。
「色々ごまかしているようだが差し引けばかなりの赤字だ」半沢はAKS側から出された財務諸表と渡真利が持ってきた書類を見比べて言った。
「しかしお前がアイドルの子達の為にここまでやるとは脱帽だわ」
渡真利の表情はニヤニヤしていた。半沢もかわいい子には目がないのだな。渡真利は半沢の人間らしさを垣間見たように思えた。
「いや、俺は彼女たちを救いたいとか言う前に嘘をついて誤魔化す為に彼女たちの将来を左右するようなことを決めようとする奴らに腹が立つ」
「お前が絡むと常にこういう問題になるな。西大阪スチールに伊勢島ホテルに電脳雑技集団と」
渡真利は腕を組んだ。
「いや、遅れて悪いっていうか牛丼40個とか流石に辛いわ」
40個の牛丼を載せた台車を持ってやってきたのは半沢と渡真利の同期で本店広報室次長の近藤直弼である。
近藤は突然台車を止めて驚いた表情をする。
「マジかよ。さゆりんごがいるぞ」
近藤はそう言って松村沙友理を指差した。
「おい近藤。松村のファンなのか?」
半沢が尋ねる。
「違う。洋弼がファンで握手会に一度行かされたことがあってだな」
「あっこないだの幕張に来とったお父さんや。確かお昼休憩の最後やった」
「え?あれだけの人が握手していたのに覚えているのかい?」
近藤は唖然とした。
「当たり前だろ。お前もお得意さんや重要な人物の顔ぐらい覚えているだろ?彼女たちにとって握手会に来るファンは大事なお得意様だ。簡単に忘れるわけがない」
いとも簡単に説明した半沢の言葉に近藤も何となく頷いた。
14 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/02(水) 22:36:50.18 ID:oVKrYe2b0
「ところで半沢。これはあるメディアの関係者から聞いたんだが乃木坂について最初は意味わからなかったが今回のことでようやく分かったよ」
近藤の話に全員が耳を傾ける。
「どういう話だ、近藤」
「ああ。乃木坂は解散後48Gのそれぞれのグループに配置されるらしいがそれは人気メンバーの大島優子や小嶋陽菜の卒業対策で実際は選抜のメンバー、
それも八福神クラスだけはAKBに取り込んであとは研究生として受け入れて徐々にセレクション等で斬っていくつもりらしい」
「そ、そんな…」
今まで新たなチャンスに賭けていた衛藤の野望がもろとも崩れ去る瞬間であった。
他のアンダーメンバーもこの話を聞いて愕然とした。
「やっぱりAKBに行っても利用されるだけ。使えないメンバーは捨てられる。私はやっぱり乃木坂46を解散せずにみんなでやっていきたい」
桜井がそう言うと周囲も頷いた。
「いいのか。解散しないとなると秋元康の方針に逆らうということだ。つまり、喧嘩を売ることだぞ。向こうも生き残りをかけているからかなり抵抗されるぞ。
想像以上のことをやってくるだろう。でもそれを乗り越える覚悟はあるんだな?」
半沢はメンバーに問うた。
いくら自分が尽力しても最終的には彼女たちに覚悟がなければどうすることもできないからだ。
「はい。私たちは何があってもみんなでこのグループを守りたい。だからどうか力を貸してください。お願いします」
桜井がそう言うと他のメンバーも一斉に「お願いします」と言って深く頭を下げた。半沢は頷く。
「分かった。出来る限りのことはやろう」
半沢がそう言うと彼女たちは一斉に歓喜の声をあげた。
「渡真利。乃木坂46合同会社の概要を見たんだが…」
半沢は渡真利と近藤と共に概要や財務諸表を確認する。何とか乃木坂46を生き残る術がないのか徹底的に探し出した。
15 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/02(水) 22:38:52.33 ID:oVKrYe2b0
翌日。乃木坂ビルの会議室にAKSや関係先の主要幹部が続々と入ってきた。
室内にはテーブルを囲い、ペットボトルのお茶に資料を一部ずつ置かれている。
「秋元康先生がご到着されました!」
女性スタッフがそう言うと全員が立ち上がり一礼する。
半沢も合わせて一礼するとスーツ姿で眼鏡を掛けて右手を挙げて上座にある革製の椅子に座った。
「それではこれより乃木坂46の解散並びに今後のことについての会議を執り行います」
AKB48総支配人の戸賀崎智信がそう言うと会議が始まった。
「それでは東京中央銀行からいらっしゃった半沢直樹さんに乃木坂46合同会社の現在の財務状況等について説明していただきます」
戸賀崎が紹介すると半沢は立ち上がって一礼し「半沢です。どうぞよろしくお願いします」と言って財務状況を説明した。
「なるほど。結構いい感じじゃないか。じゃあいいんじゃないの?」
秋元が資料に目を通して机に置いた。
戸賀崎も「そうですね。では、次にメンバーの振り分けについてですが…」と会議を進めようとした時に半沢が立ち上がった。
「お待ちください。まだお話があります」
「え?な、何でしょうか?」
戸賀崎が予想外のことで少し慌てている様子だ。
「実は乃木坂46合同会社の解散について大事なお話があります」
半沢の発言に周囲が騒然となった。
秋元も予想外のことらしくAKS代表取締役社長の窪田康志に何やら耳打ちをしている。
「大事な話って?」
戸賀崎が尋ねた。
「はい。実は乃木坂46は解散しないことを決意いたしました!」
半沢がそう言うと会議室内はどよめいた。
16 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/02(水) 22:39:53.26 ID:iwhfr1yL0
読んでるぞ
17 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/02(水) 22:41:54.03 ID:oVKrYe2b0
「な、何を言うんですか半沢さん!冗談はやめてください!!」
「冗談じゃありません。これは本気です」
半沢は力強く言った。
「しかしこれは決定事項だぞ!昨日来たばかりの銀行員が何をふざけたこと言っているんだ!」
窪田が怒鳴りつける。
「あなた方は会社法をご存知ないのですか?」
半沢がそう言うと鞄から乃木坂46合同会社の定款を出した。
「この会社はメンバーも出資を求める業務執行社員に定められています。つまり意思決定をする際にはメンバーの承認も必要になるわけです。
どうせあなた方はメンバーの給料から出資金を取ることで安く使おうと考えていたようですが随分と間抜けなことをしたものだ」
「半沢さん。いい加減にしないか!!」
戸賀崎が怒鳴る。
「いい加減なのは会社を設立する際に十分な知識もなく適当に自己の利益のことしか考えずに作られたあなた方のほうじゃありませんか?
今までは何の抵抗もなくやりたい放題できたのでしょうがそうはいきませんよ。彼女たちはロボットではありません。立派な感情を持った人間です。
私は彼女たちの意向に応えたい。それだけのことです」
半沢の言葉に集まった幹部らは誰もが下を向いたままだ。秋元は黙って資料に目を通していた。
「おいそこのカメラ。止めるな!今から言うことをしっかり録画しておけ!!」
密着ドキュメントの取材なのかテレビカメラが入っており、半沢はカメラマンを指して止めようとしていたのを制止した。カメラマンは驚き、半沢にカメラを向ける。
「私は必ず乃木坂46をこの1年でAKB48を超えてみせる。二度と邪魔しないで頂きたい!!!」
18 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/02(水) 22:43:05.82 ID:ScZBHX6D0
続きオナシャス
19 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/02(水) 22:43:58.73 ID:oVKrYe2b0
半沢の言葉に誰もが絶句した。
ただ、秋元だけは違った。
資料を置き、置いてあったペットボトルのお茶を一口飲むと急に「フフフ」と笑い出した。
「いや実に有意義だったよ。さすがは半沢さんだ。しかもなかなか挑戦的なことを言ってくるとはさぞかし自信があるんでしょうな」
秋元はまるで見下すかのような言い方で半沢を見る。他の幹部らは動揺しきっているのにも関わらず秋元だけは冷静かつむしろ自信に溢れているような様子であった。
さすがは百戦錬磨を乗り切り、今までにないことを仕掛けてきて成功させてきた敏腕プロデューサーだ。
「秋元先生こそ反逆されているのに随分自信があるようなご様子ですね?」
「ええ。流石に1年で乃木坂がAKBを抜かすのは難しいでしょう。何しろ継続するなら私らの協力は一切得ることはできない。いずれにせよ彼女たちが可哀相だ」
不敵な笑みを浮かべて腕を組む秋元のまるで勝ち誇ったような言い草に少々原是さを感じた半沢だが屈することはなかった。
「抜けるか否かそれはやってみなければ分からないでしょう?今まで散々慣例や常識を打ち破ってきた方とは思えない発言ですね」
あえて嫌味を込めて言ってみるが秋元の表情は変わらない。
「半沢さん。私は善意で申し上げているわけですよ。彼女たちは解散で気が動転しているだけ。今までAKBも組閣や卒業など様々な変化があっても乗り越え成長してきた。
彼女たちはただ変化が怖いだけだ。それから逃げちゃ成長はしないしましてやAKBを抜くなんて出来るわけがない。だから無駄な抵抗に付き合うことはないのだよ」
「ご心配頂いているようで感謝します。ですが、これだけは言わせてください。人の善意は信じますが、やられたらやり返す。倍返しだ!それが私の流儀なんでね」
「ほう。是非期待していますよ。半沢さん」
秋元は終始ニヤニヤし続けており、半沢は睨みつけてから資料と鞄を持って会議室を後にした。
20 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/02(水) 22:44:49.79 ID:oVKrYe2b0
とりあえず小休止です。それまで保守していただけると幸いです
つまらんポエムを長々と良くかけるな
22 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/02(水) 22:48:21.59 ID:qeFP18mD0
やれるもんならやってみな
23 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/02(水) 22:57:15.89 ID:FH1/jTGA0
よほど半沢がお好きなようで
24 :
さくらたん様護衛軍大佐 ◆SAKURAxfH6 :2013/10/02(水) 22:58:10.21 ID:7kwwbRZK0
下町ロケットは読んどけ
25 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/02(水) 23:02:44.63 ID:c1QCMau40
こっちを見ろー!!!
やって欲しいです
26 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/02(水) 23:09:41.45 ID:U98tw8nz0
ミッチーあやしいな
27 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/02(水) 23:41:29.11 ID:MlkGGszi0
土下座だね
28 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/02(水) 23:53:42.38 ID:741nUQEn0
面白いです。ゆっくりでいいので続けてくださいね。
29 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/02(水) 23:59:13.15 ID:qeFP18mD0
期待してます
30 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/03(木) 00:22:58.21 ID:07kFBJKMO
9日までに終わらせないとリーガル関係が立ちそう
31 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/03(木) 04:09:30.25 ID:V1xoLlHx0
古御門スレが出来てしまう
32 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/03(木) 09:20:28.00 ID:cqaWSRMN0
見てますよ!
33 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/03(木) 12:27:21.72 ID:cqaWSRMN0
完結できなかったら土下座してもらいます!( ・`ω・´)
34 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/03(木) 14:22:25.72 ID:sBdkzXZwi
π返しだ
35 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/03(木) 17:03:41.81 ID:6A1qPplD0
うん、期待しているよ
36 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/03(木) 18:52:58.95 ID:LniXavR/O
やれぇ!秋元ぉ!
37 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/03(木) 18:56:23.82 ID:CU9Q1wvR0
こんばんは。保守や期待の言葉を書いていただき感謝します
また書いていくのでお願いします
38 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/03(木) 20:17:40.32 ID:CU9Q1wvR0
Ep2「人はなぜ走るのか?」
「半沢。銀行内でも大事になっているぞ」
解散しない宣言を出した翌日。渡真利が深刻な顔をしてやってきた。
だが、半沢は冷静だ。
半沢の行った行為は重大な離反行為にあたる。本来速やかな解散と債権回収の手続きが任務だっただけにそれとは真逆の存続というAKS側の方針はおろか銀行側の方針にさえ背いたのだ。
つまり、半沢はバンカーとして破滅的な行為に及んだのだ。半沢のバンカーとしての能力を高く評価する渡真利は半沢が何故このような行為に打って出たのか皆目見当もつかなかった。
「渡真利。心配してくれてありがとう。でももう俺は決めた。乃木坂をAKB以上のアイドルグループにすると。それまでは銀行には戻らないつもりだしバンカーの道が断たれたとしたらそれまでさ。覚悟は出来ている」
いかにも澄ました顔をしている半沢に渡真利の不安は増幅するばかりだ。
「しかし、何か策があるのか?まさか彼女たちの思いに情が移ったとか秋元の野望に腹が立ったとかそんな単純な理由じゃないだろうな?」
「確かに違うがこれといった策はない。それに俺がいくらいい策を持っても最終的には彼女たちに懸かっている。結局俺は彼女たちの力を信じるしかないのさ」
「お前…」
渡真利はこれ以上かける言葉が見つからなかった。
「とりあえず銀行のことは俺が何とか力になるから。お前はお前で頑張れよ」
「ああ」
渡真利はそう言うと鞄を持って事務所を後にした。
39 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/03(木) 21:02:12.23 ID:CU9Q1wvR0
すいません。メシ行ってたので今からつづきうpします
40 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/03(木) 21:42:04.92 ID:CU9Q1wvR0
「秋元先生。指原が来ました」戸賀崎がそう言うと秋元は小さく頷いた。そして、HKT48のメンバー兼支配人を務める指原莉乃が一礼してソファに腰掛けた。
「先生。今日は何ですか?私何かまた撮られたとかないですよね?」
指原は不安そうな表情で秋元を見た。秋元は笑みを浮かべていた。
「いや、今日はお前に頼みがあって呼んだのだ」
「頼み…ですか?」
指原が首をかしげていると秋元はティーカップに入った紅茶を一気に飲み干して戸賀崎の方を見た。
「お前も乃木坂の一件のことは知っているだろう?」
「ええ。確か銀行から来た人が乃木坂の解散を止めて続けるとかいうやつですね」
「そうだ。半沢という銀行から来た奴が突然会社法を盾に解散しないと言ったばかりかAKBを1年で追い越してやるという戯言まで言い放った。先生もかなり憤慨されている」
「で、私は何を?」
指原が尋ねる。
「実はお前に半沢対策を一任したいと先生は仰っている」
「え?指原が半沢を追い出せってことですか?」
指原は気が動転していた。
「そうだ。もしそれが出来れば先生はお前をAKBに復帰。さらには総監督に就任させたいと言ってみえる。更には最新のペントハウスまで用意している」
「え?ウ、ウソですよね。いやまさかそんな…」
指原は笑いながらも戸賀崎が言った好条件に少し興奮していた。
「嘘じゃないぞ。これはチャンスだ指原。お前を信用しているからな。まあ有り得ないだろうが万が一失敗したら分かっているな」
「はい。先生のご期待に沿えるよう指原。精一杯頑張ります」
「いや。僕の為じゃなくAKBの為に頑張ってくれ。AKBの運命はお前にかかっているからな。期待しているぞ。指原」
「は、はい」
極度の緊張と重圧からかまるで生まれたての子牛のように足が震えている指原を余所に秋元は笑いながら紅茶を飲んだ。
41 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/03(木) 22:24:11.61 ID:iSYbk8Ar0
せめて小鹿にしてあげたら
42 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/03(木) 22:37:40.56 ID:CU9Q1wvR0
「先生!どういうことですか!?」
指原が部屋を出てものの数分後に突然SKE48チームS兼AKB48チームBメンバーでAKBでも期待株の松井珠理奈が声を荒げて秋元のもとへやってきた。
「おい珠理奈。落ち着かないか!」戸賀崎が宥めようとするも珠理奈の怒りは収まっていない様子だ。秋元も笑顔が消えた。
「何故半沢の一件をさっしーさんなんかに託したんですか!?」
珠理奈は大声でそう言うと秋元のデスクを両手で強く叩きつけた。
「半沢のことはお前が出てくるような問題じゃない!」
「どういうことですか戸賀崎さん。私じゃ解決できないとでも?」
「そうは言っていない。ただあんな小さな問題で大事なお前が出てくるほどでもない問題だということだ。
先生はお前のことを大事に思っているからな。こんなくだらないことでお前のキャリアに傷がつくことがあってはならないからという先生の親心だ」
戸賀崎は発汗してタオルで汗を拭いながら説明する。
だが、珠理奈にとってAKBの今後を大きく左右しかねない問題について自分を除け者にされたような気持ちで一杯だった。
自分は無力なのか、自分は信頼されていないのか、自分はチームにとって大事な存在なのか。
そういったところまで考えていた。
「珠理奈。お前の気持ちはよく分かった。お前を信頼していないわけじゃない。だがいきなりお前が出ていってもダメだ。
相手はそんじょそこらの銀行員とはワケが違う。東京中央銀行営業第二部というエリート集団で何百億の問題を乗り越えた稀な男だ。
お前はとにかく見守っていてくれ。もし何か力が必要な時が来たら必ず一番にお前に知らせる」
「先生。分かりました。その時は必ず呼んでください」
「ああ。出来ればそうならないように迅速に解決したいけどな」
珠理奈は納得して一礼して部屋を後にした。
秋元は笑みを浮かべて腕を組んだ。
43 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/03(木) 22:38:33.66 ID:CU9Q1wvR0
数日経過したある日。半沢が乃木坂ビルの前にやってくると齋藤飛鳥と和田まあやが困惑している様子だった。
「どうした和田に齋藤飛鳥?」
オロオロしている二人の様子に半沢は何やら穏やかじゃない様子だと察知した。
「実は自主練しようと思って来たんですけどレッスン場はもう乃木坂は使えないからって門前払いされちゃって…」
齋藤飛鳥の目には涙が溢れそうになっていた。そっと肩に置く和田も不安そうな様子で今にも泣き出しそうな様子だ。
「分かった。俺が直接確かめに行ってくる」
半沢はそう言うと受付へ向かった。
「乃木坂46合同会社の代表社員の半沢だが今野さんにお会いしたいのだが」
「え?あ?こ、今野は今席を外しておりまして…」
受付嬢が何故か動揺している様子だ。これは何かあったに違いない。
半沢はふと玄関の方へ目を向けるとそそくさと外へ出ようとしていた今野を見つけた。
今野も半沢の存在に気づくと一目散に走り出した。
全力で疾走する今野だったが剣道で鍛えられた半沢に勝てるはずもなく追走劇はものの30秒程で幕を閉じた。
「今野さん。何故逃げるんですか?」
「え。あ。は、半沢さん。違うんだ。これには理由が…」
「理由?ちゃんとメンバーにも納得できるようなモノだろうな?言っておくが俺は誰だろうと嘘をつくようなら容赦はしない」
「ひいぃ…」
今野は半沢の鬼の形相に屈服した。
44 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/03(木) 22:40:40.68 ID:CU9Q1wvR0
「申し訳ありません。実は乃木坂をこのビルには入れてはいけない。もし今後も付き合いを続けるならお前をクビにするぞと上層部から言われましてつい…」
今野は泣きそうな顔をしている。
「それは秋元の指示か?」
半沢は睨みつけながら尋ねる。
「そ、それは…」
「どうなんだ今野ぉ!!」
「は、はい…。すみません。私にも家族がいます。彼女たちはデビューからずっと支えてきて見捨てる気はなかったのですが…。うう…」
今野は嗚咽をして泣き出した。その姿を見た齋藤飛鳥と和田もある程度の事情を把握したようで半沢の肩を叩いた。
「半沢さん。もういいです…」
「お前ら…」
「今野さんも生活があるんだし元々決められていたことを覆したのは私たちのわがままだからこれ以上巻き込まないであげて欲しいんです」
二人の切実な要望に半沢はもう出る言葉がなかった。
「飛鳥、和田すまない。半沢さん。私は決して彼女たちを裏切りません。私に出来ることなら何でもします。だからお願いです。どうか彼女たちをよろしくお願いします」
今野は土下座して頼み込んだ。半沢は伊勢島ホテルの時に大和田に土下座した時のことを思い出した。
「顔を上げてください今野さん。分かりました。私が彼女たちを全身全霊で守ります。悪いのはあなたじゃない。
生活を人質にして脅してきた奴らだ。私は必ずあなたにしたこと以上のことを奴らに味あわせてやりますよ」
「半沢さん。ありがとうございます」
今野は深々と一礼した。
半沢はそのままビルを後にした。
45 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/03(木) 22:57:26.84 ID:CU9Q1wvR0
翌日。半沢と乃木坂46のメンバーは伊勢島ホテルにいた。
伊勢島ホテルでは宴会場の控え室として使用されていたが近年大掛かりな宴会は行われなくなった為に使用されなくなっていた。
120億の損失を出した際に何度も足を運んだ際にこの場所も把握していた半沢は社長の湯浅威に使用を願い出たところ無償で貸してもらえることになった。またオフィスも会議室を自由に使ってもいいと言ってくれた。
湯浅は再建の際に尽力してくれた半沢への恩を忘れていなかった。
「湯浅社長。感謝します」
「いえ。あなたがしてくださったことに比べたらこんなものは恩返しにもならない。ただ、私はあなたが頼ってきてこうしてお役に立てることができるのはとても嬉しい」
湯浅はそういって半沢と握手を交わす。
「事務所は上の使っていない事務室を使ってください。一応オフィス用品は揃えておきましたが足りないものがあれば言ってくだされば何とかします」
「重ね重ね申し訳ない」
「そんな。でもあなたは素晴らしい方だ」
湯浅はそう言うと壁に飾ってあるホテルの油絵を見つめた。
「あなたは常に人のことを考えている。このホテルを救ったときもあなたは誰よりも我々の意見を尊重して正しい方向へ導いてくださった。
そして今回も自ら茨の道へ進もうとも彼女たちの夢を叶える為に動いている。あなたのような人は他にいない」
「そんなことはありません。夢を叶えるにはお金が必要です。その夢を叶えたい人間のために銀行は存在しその手助けをするのがバンカーの役目です。私はただバンカーとしての務めを果たしているだけです。
上の命令に従うことや自分の欲のためにやるわけではない」
半沢の言葉に湯浅は再び胸打たれた。
46 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/03(木) 23:22:38.85 ID:CU9Q1wvR0
「さっしー。新しい一発ギャグ思いついたんだけど見たい?」
HKT48チームHに所属しHKTでは指原を一番に慕う村重杏奈が笑顔で指原に擦り寄ってきて趣味である一発ギャグを披露しようとしていた。
「いやいい。てか今はそんなことどうでもいいしまず話を聞け」
指原はそう言うと村重の額に手を当てる。
「いいか。今までお前のメンタイコなんか何も役に立たないギャグだと思い込んでいたがようやくそれが役に立つ時が来た。お前のそれで乃木坂に対抗して半沢を潰す」
「は?」
村重は状況を全く飲み込めていなかった。指原はひとつため息をついて説明する。
「今度乃木坂と特番をやることになったんだがそこでお前のメンタイコと乃木坂の高山のギャグを戦わせる。
相手はとある幼稚園の園児たちでどちらが一番面白かったかを競わせる。心配いらない。こんなものはヤラセで既にお前が勝つように向こうのプロデューサーには話をつけておいたから」
「そんなヤラセで勝ったって面白くないじゃん」
「どうでもいい。とにかく普段通りやればいいんだよ。いい。これは秋元先生からの厳命なの。何としてでも乃木坂にダメージを与えなければいけないの。だからお願い」
指原の渾身の頼みに村重は少し感動を覚えた。これまで色々言われてきたが自分は必要とされる存在だ。とても期待されているのだ。それだけで十分嬉しかった。
「分かった。頑張る」
村重の顔を見た指原は勝利を確信し笑みがこぼれたのであった。
47 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/03(木) 23:23:29.83 ID:CU9Q1wvR0
すいません。今日はこれで
また明日あげます
48 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/04(金) 00:06:52.79 ID:kQ1ZPHXLI
期待してるで
49 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/04(金) 00:25:04.61 ID:m9WC+bXkO
半沢「AKBに入ることが私の夢でした。コチラでなければダメなのです。
私が中学のときエースのプライベートが晒されて解雇寸前にまで追い詰められました。
「坊主にします。坊主にします。」
そう言って必死に頭を下げるエースの姿は、今でも目に焼き付いております。
その数秒後、エースは頭を丸め、叩かれました。
メイン番組からは手を引きグループを苦しめました。
そのとき、エースを救ってくれたのが、このAKBでした。エースの将来性を正確に見極め降格し救ってくれました。
今では髪が伸び、どうにか続けることができております。
ですから私は是非ともAKBに入って、その恩返しがしたいと思っております。」
50 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/04(金) 00:31:20.73 ID:IQy/KqLFI
51 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/04(金) 01:01:30.62 ID:HGoBfcwx0
まだドラマの余韻が残ってるから再生余裕だよ、期待してる
高山と村重のすべり対決が楽しみだw
52 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/04(金) 01:25:24.82 ID:m9WC+bXkO
○○「いいよな元SKEさんは、パーさえ出してりゃ良いんだからなw」
○○「こら!元SKEさんに対して失礼じゃないか」
珠理菜「● ● ●● ●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●」
53 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/04(金) 01:36:08.73 ID:m9WC+bXkO
黒崎「AKBなんですけど、指原はパ〜、珠理奈もパー、経営の再建なんて不可能じゃなぁい?」
54 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/04(金) 01:41:14.41 ID:m9WC+bXkO
半沢「48G唯一の再建案を持って参りました。」
康「で、どうしろと?」
半沢「48Gは乃木坂の傘下に入って頂きます。」
康「どういうことだ!」
半沢「これしか方法はありません!どうか、ご決断を!」
55 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/04(金) 04:28:47.60 ID:8SyAKdwe0
あげとくわよ
56 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/04(金) 06:02:22.28 ID:zN3lNhnC0
続きよろしくネ
57 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/04(金) 06:19:16.77 ID:6BROJcIX0
中々面白いじゃない
また見に来てあげるわよ
58 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/04(金) 06:49:57.93 ID:m9WC+bXkO
近藤「溜め込むなよ半沢!
とにかく発散することだ!
俺も…
あのとき俺も…無心にパーを出してりゃ良かったよ。」
59 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/04(金) 06:54:48.53 ID:m9WC+bXkO
玲奈「めんめんめん。SKE時代を思い出せ!めんめん。」
60 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/04(金) 07:19:33.09 ID:m9WC+bXkO
渡真利「人事情報フライングゲット!」
半沢「好きだな〜人事ネタ」
渡真利「また1人飛ばされるらしい」
半沢「出向と言えば聞えは言いが、片道切符の島流し」
渡真利「また一人、有能なAKBが消えたな」
半沢「あいつの場合は自業自得だ」
61 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/04(金) 07:24:39.16 ID:m9WC+bXkO
東田「おぃ!こんな言葉を知ってるか?
康は、晴れた日にセンターの座をを与え、雨の日に取り上げる。
酷でぇ話だよなぁ」
62 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/04(金) 07:28:24.92 ID:lwI9ts3y0
★返しだ!
63 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/04(金) 11:28:19.56 ID:m9WC+bXkO
親父「ええか?珠理奈、どんな仕事してもええ、でもなロボットみたいにパー出し続けるのだけはあかん」
64 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/04(金) 13:17:52.34 ID:jGFicRRF0
ワクワク
65 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/04(金) 16:21:56.36 ID:TTApx4kmi
支援あげ
66 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/04(金) 16:44:06.44 ID:2YpZPBiH0
楽しみ
67 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/04(金) 17:24:08.02 ID:lwI9ts3y0
読んでますよ( ・`ω・´)
68 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/04(金) 17:39:07.28 ID:tB47Hg6ZO
(`・ε・´)金融庁検査よッッッ
ヨロシクねッッッ
69 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/04(金) 17:56:32.22 ID:iJ3zCZE40
あげ
70 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/04(金) 18:32:51.78 ID:Aau3pEwk0
あげとくわよ
71 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/04(金) 19:43:41.95 ID:kiZzOG090
悪く思わないでね
こっちも仕事なの
あげあげ
72 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/04(金) 19:58:10.31 ID:+0NJ53zsI
おい今日はまだか?
73 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/04(金) 21:16:10.74 ID:KggiXYmN0
74 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/04(金) 21:22:20.66 ID:s/C7bpHW0
こんばんは。仕事で遅くなり今帰宅しました。今からうpしていきます
ちなみに物語は全然完成してません。シナリオは出来ていますがどういう結末になるか自分でも予想できません
そんなgdgdですがよろしくお願いします。明日は休みなので出来るだけうpしたいと思ってます
75 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/04(金) 21:25:21.99 ID:lwI9ts3y0
書かれたら読み返す!倍返しだ!( ・`д・´)
76 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/04(金) 22:01:56.72 ID:s/C7bpHW0
翌日。半沢はパソコンを開いてメールボックスをチェックする。すると日本テレビからメールが届いていた。
半沢はそれを開くとかつてHKT48と共演した「HKT48vs乃木坂46冠番組バトル」の特番のオファーが届いていた。
半沢はメールの内容を読み、プリントアウトするとメンバーのもとへ向かう。
「みんな聞いてくれ。仕事のオファーが来た」
「え?秋元に妨害されているはずじゃ…」
秋元はあれ以来乃木坂46への仕事を妨害していた。ドラマ、バラエティ、歌番組はもちろん雑誌や新聞などの取材やCM等も一切消えた。
全て秋元が圧力をかけたからだ。
今の乃木坂46は秋元、ソニーからの援護もないために今では秋葉原などで活躍する地下アイドルと全く変わらない立ち位置にある。
そんな中でやってきたオファーだがHKT48の共演というところでメンバーも半沢も何か意図があるとしか思えなかった。
「どうするこのオファー?」
「何でそんなことを?半沢さんが決めたらいいじゃないですか」
「いや。お前たちに来た仕事だ。俺はお前らの意見を尊重したい。確かにこれはチャンスだ。
もし秋元が何か仕組んだとしたらここで見返すチャンスになるかもしれない。俺の意見はやるべきだと思うがもしお前らが嫌なら断るが…」
「いえ、受けてください。半沢さんの言う通りこの仕事で何かが変わるかもしれない」
桜井がそう言うと半沢は小さく頷いた。
77 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/04(金) 22:08:13.42 ID:tZh6Tobf0
どいつもこいつも縮こまってるんじゃないわよ!
78 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/04(金) 23:34:49.16 ID:s/C7bpHW0
「指原。半沢の件は進んでいるか?」
戸賀崎が缶コーヒーの蓋を開けて一口飲んだ
。隣で抹茶ラテを飲んでいる指原は足を組んで座っていた。
「はい。奴ら簡単にこっちの罠に引っかかってきました」
「そうか。お前はプロデューサーとも顔が利くからな。番組を使ってお茶の間で恥を晒して潰す計画を立てるとは見事な計画だ」
「いやいやいや。戸賀崎さんの方がもっとエグイことしてたじゃないですかぁ」
「それも全てお前たちのためにやったことだ。この世界性善説は通用しないのだよ」
劇場の中にある薄暗く狭い自販機コーナーで話す二人の姿はまるで時代劇に登場する殿様と越後屋の悪巧みの話をしている姿を彷彿とさせる。
「しかしちゃんと根回しは済んであるだろうな?こういうのは僅かな油断やミスが命取りになる。噂じゃ半沢は回収不可能とまで言われた隠し金を見つけて差し押さえたぐらいの男だ。どんな粗でも探り当てるぞ」
「大丈夫ですよ。プロデューサー任せじゃなく指原も独自に幼稚園に圧力かけといたので心配ありません。準備万端。余裕っすよ」
指原は親指を立てている余裕だが戸賀崎はどうも不安感が拭えない。
「信じていいんだな指原」
「はい。お任せてください」
持っていた缶コーヒーの空き缶を缶入れで捨てた戸賀崎は指原を横目で見て自販機コーナーを後にした。
「待ってろよ半沢。必ず潰してやるから」
指原は抹茶ラテの入っていた紙コップを拳で握りつぶしてくず入れに投げた。そして高笑いをしながら自販機コーナーを出た。
79 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/05(土) 00:19:05.03 ID:OBleCK2w0
指原の倍返しされる姿しか浮かばなくてワロタ
80 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/05(土) 01:29:38.79 ID:9m/e5nXo0
「高山。自信はあるか?」半沢は半笑いをしている高山一実に尋ねる。
「もちろんですよぉ〜。私子供大好きだし」
「そうか。だが、対策を行うに越したことはない。相手は幼稚園児だから正直だと思う。いかに気に入ってもらえるか考えよう」
半沢は高山の為に幼稚園の資料や気に入ってもらえるような仕草や動きなどについての資料まで取り揃えていた。
半沢もこの番組で名誉挽回できるチャンスだと思った。仮にここでアピール出来たなら乃木坂46にかかる秋元の圧力も払拭できるかもしれない。
メディア関係者に使いたいと思われるアイドルグループであることを印象づけたいと半沢は思い描いていた。その一方でメンバーの中には今回のオファーを疑問視する声が出ていた。
半沢自身も何か意図があるのではないかと感じてはいた。
「でもおかしくない?」
そう切り出したのは現在センターを務める白石麻衣であった。
「どうした白石」
半沢は尋ねる。
「この番組ってHKT48との共演が売りの番組で私の個人仕事まで潰してきた秋元が何で急に共演をOKしたのか分からないしそれに…」
白石が下を向く。何か言いにくそうな様子だ。半沢はさりげなく言う。
「白石。言いにくそうだな。恐らく推測なのだろうが構わない。言いたいことは言え」
半沢の言葉に白石は顔を上げた。
「実は噂ですけど秋元は私たちを潰すために指原を使っているみたいなんです。それを知った途端に今回のHKT48との共演オファーなんて偶然にしては出来過ぎで」
半沢は白石の推測は正しい気がしてならなかった。
そしてスマートフォンを取り出してあるところに電話を掛けた。
81 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/05(土) 02:17:55.07 ID:9m/e5nXo0
「指原。いよいよ明日だな」
秋元が指原に声をかけた。
「先生にはご迷惑をおかけしてすみません」
「いやいや礼には及ばん。お前の考えた策はなかなかいいものだった」
ニッコリと笑みを浮かべる秋元の表情を見て指原は勝利を確信した。優秀なエリート銀行員の割には全然大したことはない。
所詮お金の計算しか出来ない奴で芸能界ではただの負け犬でしかない。それを明日十分に思い知らせることが出来る。
指原は半沢の地団駄を踏む姿を想像して笑を浮かばずにいられなかった。
「随分余裕そうだな指原。だが、世の中そんな甘くはないぞ」
「分かってますよ。でもこの作戦は成功です」
「幼稚園の園長の弱みを握ってそれで村重のネタを勝たせるというのだろ?大丈夫なんだろうな?万が一向こうに手の内がバレていたらエラいことだぞ」
百戦錬磨、色々な業界の人間を相手に騙し騙されの繰り返しでここまで這い上がってきた秋元にとって指原の考えはとても甘いと考えていた。
「指原。私は本当にお前を信頼していいんだな?」
「もちろんです」
「そうか。そこまで言うなら万が一のことがあった時の覚悟は出来ているな。最後にこれだけは言っておくぞ。失敗したら今度は博多移籍ぐらいじゃ済まないぞ」
「そんなの分かってますよぉ〜。先生は心配性だな〜」
「ハハハ。そうだな」
秋元は笑みを浮かべて腕を組んで部屋を後にした。
82 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/05(土) 02:18:56.86 ID:ozAn4oQII
ありえねえー
83 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/05(土) 02:49:14.54 ID:9m/e5nXo0
「半沢さん。お久しぶりですね」
新橋の一角にある個室型居酒屋で半沢が会っていたのは大阪を中心に活動するフリーライター来生卓治だ。
彼は西大阪スチール融資事故の際に協力を得て伊勢島の再建時にも力になってくれた。
来生は芸能界の問題も記事にしており特にAKB48に対しての記事も少なくない。それを知っていた半沢は独自に依頼していた。
「まさか秋元が乃木坂46を解散させるつもりだったとは。最近露出が少なくなっていたから変だとは思っていました」
「これはまだどこも記事にしていませんからAKBに批判的な週刊誌は喜んで飛びつくでしょう。ところで例のことは調べていただけましたか?」
エビスビールの瓶を持った半沢は隣の来生のコップに注いだ。来生は一礼して一口飲んでから鞄に入っていた資料を見せる。
「半沢さんの言った通りあなた方を潰す為に動いているのは指原のようですね。
明日収録が行われる番組のプロデューサーはかつて指原の冠番組を担当した人間でした。
そして対決の舞台となる幼稚園を調べたら多額の負債を抱えていることが判明しました」
「負債?」
「少子化で経営難ですからね。
個人経営の割にどんな家庭の子でも良い幼稚教育をという園長のモットーで入園や通園料金が安く赤字が続いているのです。
どうやら指原はAKSの資金援助を盾にヤラセをしようと企んだみたいですね」
「じゃあどのみち高山には…」
「勝ち目はないということです。ひどい話です。罪のない園児たちに夢潰しの片棒を担がせるなんて」
「いや。まだ勝ち目がないとは言えません。来生さん。ありがとうございます」
半沢は一礼し、鞄と上着を持って一目散に店を出た。
84 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/05(土) 02:59:15.83 ID:9m/e5nXo0
少し仮眠
続きは後ほど
85 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/05(土) 03:00:50.60 ID:ozAn4oQII
おやすみ(^^)/~~~
86 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/05(土) 04:16:14.67 ID:Z0jUh2ov0
指原!
やってはいけない事をやってしまったな!
87 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/05(土) 09:43:44.61 ID:9m/e5nXo0
おはようございます寝すぎました
88 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/05(土) 09:55:35.23 ID:Wj7iXeht0
おはようございます。
期待してます宜しくお願いします。
89 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/05(土) 11:35:26.24 ID:nMBqt2OCO
半沢「あなた、私にこうおっしゃいましたよねぇ、「坊主などパフォーマンスだぁ、いくらでもやってやる!」と…
さぁ、やって頂きましょうか!」
峯岸「…」
半沢「やれーーーーーーーーっ!ミネギシーーーーッ!」
峯岸「…ぎっ…グォ…ぐっ…ぶっ…ブィーーーーーーーーーーン」
90 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/05(土) 12:00:13.50 ID:nMBqt2OCO
半沢「乃木坂再建の秘策を持って参りました。」
小木曽「バンバン指導します。」
灰田「気合いが入っていないじゃないかーーーっ!」
半沢「小木曽さんのリズム感は最高です。灰田さんですが…上々変な趣味がありますので…気を付けて下さい。」
91 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/05(土) 12:12:12.89 ID:ozAn4oQII
まだか?
92 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/05(土) 12:15:12.99 ID:nMBqt2OCO
竹下「もぉあかんわ…万事休すや」
93 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/05(土) 12:24:15.47 ID:nMBqt2OCO
『
康の恵比寿中生活がどんなものになるのか、
想像すると楽しみです。それに、
康の48gたちがマスコミに取り囲まれるところが早く見たい。
花
』
『
パパ大好き
お仕事がんばってね!
じゅりな
』
94 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/05(土) 17:08:49.09 ID:BF7KkLVU0
読んでますよ
よく考えるなーこんなこと。
続き楽しみにしてます。
96 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/05(土) 17:22:20.24 ID:CfPSeSl20
どうやって回収するのか
それを言いなさいよ
97 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/05(土) 17:41:38.81 ID:Bo0QxPpVI
続き気になる
98 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/05(土) 19:01:17.57 ID:nMBqt2OCO
半沢「中西〜オマエ48派?それとも乃木坂派?」
中西「…48派…ですけど?」
半沢「じゃあ…アンパンチ!!!糖分通ってない頭にはアンパンチだ!」
99 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/05(土) 21:02:35.01 ID:HUaldTwZI
あげ
100 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/05(土) 23:00:48.73 ID:z8k4Xb8WI
わくわく
101 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 00:20:37.70 ID:yjHzsFh50
こんばんは
遅いですがあげていこうかと思います
102 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 01:07:08.34 ID:yA0tmVdII
いつになったらあげるんや?
103 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 02:09:50.65 ID:0YjHBYLw0
焦らさないで早く始めなさい!
104 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 04:06:19.06 ID:hZKtcZ2vO
大和田「半沢くん、0に2をかけても、100をかけても、答えは0です。」
半沢「…」
渡真利「えっ…ぇえっ?」
近藤「半沢っ!渡真利っ! 学生時代を思い出せっ!」
105 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 04:39:17.14 ID:hZKtcZ2vO
半沢「母さん、俺、アイドルになるよ。」
母親「アイドルって…どういうことだいっ!」
半沢「父さんを苦しめたのがアイドルなら、救ってくれたのもアイドルじゃないか?
母親「でも…」
半沢「そろそろ夜行バスの時間だ。」
母親「夜行バスって、どこに行くんだい?」
半沢「今朝、AKBから内定をもらったんだ」
母親「AKBって!父ちゃんのこと忘れちまったのかい!」
半沢「忘れるわけないじゃないか」
母親「じゃあ、どうして!」
半沢「だから行くんだ!」
母親「直樹…」
半沢「いってくる。」
106 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 04:59:18.16 ID:hZKtcZ2vO
難波支店編
花「ねぇ直樹!裸で5億ってどういうことよ?ねぇ!」
直樹「利子も担保もなく5億を借りたから、俺が脱ぐってことだよ」
花「ふ〜ん…」
直樹「ふーんって、本当にわかったのかぁ?」
花「…待ってよ!何で直樹が脱がなくちゃいけないのよ!」
直樹「難波の支店長が脱いだら大変なことになるだろ?」
花「だからって何で直樹なのよ!ヲタの気持ちも考えなさいよ!」
107 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 05:52:56.41 ID:TCyBiDne0
108 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 08:36:43.49 ID:eGND8axZ0
何故黒崎はオネェキャラなのか
109 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 11:03:11.56 ID:hmTXxaka0
みんな待ち望んでます。
先生!
110 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 11:46:33.68 ID:/gNURZY00
読んでますよ
111 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 11:53:56.21 ID:cZXTbuMZ0
続きは後程からまだないよね?
期待
112 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 11:55:21.70 ID:yA0tmVdII
まさか逃げた?
113 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 11:56:31.06 ID:yjHzsFh50
おはようございます。寝たり執筆したりでごめんなさい
今からうpします
114 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 11:57:31.31 ID:yjHzsFh50
Ep3「偶然を言い訳にして」
都内の閑静な住宅地の一角にある平屋建ての小さな幼稚園「秋桜幼稚園」。
駐車場に2台のハイエースワゴンが乗り付けた。
「やれやれ。せっかくの休日の朝から何の呼び出しかと思ったらまさか運転手をさせられるとは」
運転席から降りた渡真利は呆れた顔でドアを閉めた。
「すまないな。ロケバスを借りる金がないから仕方ない」
ドアを閉めた半沢は渡真利の肩を叩く。
「まぁ数少ない同期で親友のお前の頼みじゃ断るに断れんよ」
渡真利はそう言うと持っていた栄養ドリンクを飲み干した。
メンバーも後部座席から降りて撮影スタッフやプロデューサーに挨拶をする。
半沢も初めて挨拶をするがとても態度が横柄で銀行員時代でもこんなに無礼な返事を返す顧客はいなかった。
半沢は腹の底にある怒りを抑えつつ関係者に挨拶に回った。
するとそこへ一台の大型バスがやってきた。見るからに豪華なバスであり誰もが圧倒された。
バスは停車するとドアが開いてそこからHKT48のメンバーが降りてきた。
この格差を見せつけるのも指原の作戦のうちなのだろう。
見え透いた意図を乃木坂のメンバーたちも察知しており誰も羨ましがる声を出す者はいなかった。
115 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 11:58:38.41 ID:yjHzsFh50
「半沢直樹さんは?乃木坂の社長の」
指原はプロデューサーに尋ねると引き連れてメンバーと打ち合わせをする半沢のもとへやってきた。
「あなたが社長の半沢さん?」指原がいかにも上から目線な言い方で尋ねる。
「いや。正式には乃木坂46合同会社代表社員の半沢です」
「どうも。HKT48支配人の指原です。今日はどうかお手柔らかにお願いしますよ」
「そうですね。お互いにフェアにいきましょう」
「ええ。フェアに」
半沢のフェアという言葉に指原は思わず吹き出しそうになった。
何がフェアだ。
今日ですべてが終わるというのに何を澄ました顔をしているのかこいつは。
指原は半沢が哀れだと思っていた。
「何あの態度は」
「マジで私たちを見下してるとしか思えない」
「かずみん。絶対負けないで」
メンバーの声援を受けるなかで高山は極度の緊張に襲われた。
これほどの緊張はあのバンジージャンプのジャンプ台に立って以来だろう。
そこにもし負ければ乃木坂が終わる。
みんなの夢が潰えるという不安まで伸し掛かり高山の重圧は限界寸前だった。
「高山。何も気にすることはない。いつものお前らしくアメイジングをやってこい」
震えていた高山に半沢は声を掛けた。
高山は半沢の顔を見て少し緊張感が和らいだ。
「いいんですか…?もし私が…」
「気にするな。お前なら出来る。きっと子どもたちの心に響くさ」
半沢は澄ました顔で指原の方を見ていた。
116 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 11:59:14.35 ID:yA0tmVdII
やっとキター
117 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 12:01:52.55 ID:yjHzsFh50
「めんたいこ!」
「アメイジング!!」
実際に自分がやれと言われたら赤面になることが確実な一発ギャグを簡単にやってのける村重と高山。
二人とも色々な思いを抱えて必死に幼稚園児にアピールしていた。
園児たちは笑っていてどれが一番いいのかは今の状況からは判断がつかない。
しかし、指原は既に園長に圧力をかけていた為に絶対的自信を持って見ていた。
時々欠伸をするほどの余裕だ。
「さぁ二人のアピールは終わりました!果たして結果はどうなることか?運命のジャッジはCMのあと!」
MCのイジリー岡田が笑顔でカメラの前でそう叫ぶ。
CM入りの時間に入った。
「高山よくやった。お疲れ」
半沢は高山にジュースを手渡す。
「ああ何か不安だ〜。勝てるかな?」
不安で頭に手を置く高山に半沢は言う。
「大丈夫だ。お前の姿を見て子どもたちは常に笑っていた。今まで色々な人間を見てきた俺の勘だがあれなら大丈夫だ」
半沢の言葉に高山の笑顔が戻った。
「楽しみですねぇ30秒が」
指原が余裕の笑みを浮かべて半沢に言う。
「そうですね。期待しています」
半沢も余裕の表情を浮かべる。
指原は半沢のこの表情に少し恐怖を感じるのだった。
118 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 12:03:11.72 ID:r1eWzXRU0
支援するわよ
119 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 12:03:46.67 ID:yA0tmVdII
どっちが勝つんや
120 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 12:04:15.20 ID:yjHzsFh50
「さぁいよいよ運命の結果発表です。果たして秋桜幼稚園の幼稚園児30人のみんなの心に響いたギャグはどっちなんでしょうか!?」
運命の結果発表にメンバーたちは祈りを捧げるように手を組んだ。
半沢は腕を組んで見守った。
「さぁみんな気に入ったギャグを大きな声で言ってみよう!!せーの!!」
イジリーがそう叫んだ瞬間園児たちは全員口を揃えて言った。
アメイジング
121 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 12:06:06.48 ID:yjHzsFh50
「嘘だ!!そ、そんなバカな!!」
指原が立ち上がって唖然とした。
一方で乃木坂メンバーは一斉に喜びを爆発させ高山のもとへ駆け寄った。
このメンバーの一体感と共に喜びを分かち合う瞬間に感動を覚える者すらいた。
「というわけで見事高山のアメイジングが認められました。いやぁ生放送は何があるか分かりませんね。以上。HKTと乃木坂一発ギャグナンバーワン決定戦でしたぁ!!」
イジリーがそう締めて撮影は終了した。
終了するや否や指原は全速力でプロデューサーのもとへ駆け寄った。
「おいどうゆうことだよ。シナリオと違うじゃねーか!!」
「俺に言われても分かりません…。園長には確認したし何の問題もないはずですが…」
「だったら何でこうなるんだよぉ!!」
胸倉を掴まれたプロデューサーは震えながら話す。
「あれれ?おかしいな。自分たちが勝つはずなのに。そう言いたいのかな?指原さんよ」
「は…は…半沢!!」
突然現れた半沢の姿に驚く指原。
プロデューサーは一目散に走って去っていった。
指原はただ呆然としていた。
122 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 12:09:52.95 ID:yjHzsFh50
「お、お前インチキしただろ!幼稚園側に金を渡したろ?どうやって買収した!?こんなコーナーは無効だ。卑怯なことしてんじゃねーよお前!!」
指原は震えながら右手人差し指で半沢を指差して怒鳴る。
「は?インチキ?買収?何のことですか?ウチは仕事も全くなくてバスを借りるお金もなくて激安のレンタカー使って自分たちでここまで来たぐらいですよ。
どこかのグループのように大型バスを借りられるほどであれば買収もインチキもできるでしょうが」
指原は計算が狂ってもはや現況すら見えていなかった。
こんなはずではなかった。
根回しは完璧なはずだ。
それなのにどうして。
指原は考えれば考えるほど理解が出来なくなってしまっていた。
「指原。お前はどこからか秋桜幼稚園が経営難になっているのを聞きつけて利用しようと考えた。
番組からの謝礼金の他に独自に資金援助を約束して子どもたちを買収しようとしたわけだ」
ズバズバ言う半沢に指原は反論する言葉が出てこない
「お前はどうせ何故このような結果になったのか気になっているようだから教えてやる。まず幼稚園の資金難については解決した。
東京中央銀行から保育施設拡充における融資を取り付けた。園長がどちらを選ぶかは分かるだろ」
東京中央銀行では合併前の東京第一銀行が目玉として保育、幼稚施設への融資を行ってきた。
渡真利から聞いた半沢は園長を説得して指原の願望は聞き入れないようにした。
半沢は逆のようなことはせず子どもたちに純粋に決めてもらおうということを約束した。
園長もまた資金難のせいで子どもたちを大人の道具にせずに済んだことに胸を撫で下ろしていた。
123 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 12:12:05.75 ID:yjHzsFh50
「そ、そんな…」
指原は崩れ落ちた。
「お前は金さえ与えればどうにかなると思っているだろ?だがそれは大間違いだ。
お前が調子に乗っている間に高山はどうすれば好かれるか子どもたちがどうしたら喜んでもらえるのだろうか必死になって考えていたぞ。
それも連日徹夜で。そんな努力もしないでただ大人の方しか向いていない村重のギャグは子どもたちに響くはずもない」
決めるのは子どもたちで実際に村重のギャグが勝つ可能性も十分に有り得た。
しかし、半沢は子どもたちの判断に委ねようと決めていた。
高山には努力は決して無駄にならない。
しっかりやれば勝てると言い続けた。
高山は今になって半沢の言葉の意味を理解できたと思った。
「何か弁明したいことはあるか?」
指原は震えながらスマートフォンを取り出してみている。
「こっちを見ろおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」
半沢が叫ぶと指原ははっとして半沢の方を向く。
124 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 12:15:21.03 ID:yA0tmVdII
指原=福山か
125 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 12:15:55.03 ID:yjHzsFh50
「いいか指原。今から言うことをお前の尊敬する秋元先生にしっかり伝えておけ」
指原は鞄からスケジュール帳を取り出してメモの用意をする。体は震えている。
「どんなことをやろうが汚い手を使おうが俺は決して乃木坂46を解散させない。必ず守りきると。
あと今後ウチの仕事を妨害するようなら今回お前がしたことを週刊誌にネタにしてもらって日本中にバラ撒いてやると」
「は、はい・・・」
指原はつい10分ほど前の余裕の表情は消えて哀れな敗北者の表情にすっかり変わってしまっていた。
半沢はこれまでに何人もの人間が落ちぶれて転落している様を見てきたが若干20歳ほどの少女が人生の終末期を迎えたような表情で涙を流している様は見ていて気持ちがいいものではなかった。
「よし。みんな帰るぞ。帰ったらレッスンだ」
「はい!!!」
メンバーたちは笑顔で和気藹々としながらワゴン車に乗り込んで幼稚園を後にした。
一方で凋落した指原が崩れているにも関わらず村重をはじめ他のHKT48メンバーは駆け寄ることもなくただただ倍返しされ、人生のどん底を味わっている姿を呆然と見ているだけであった。
126 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 12:19:24.24 ID:yjHzsFh50
「お前を信頼した僕がバカだったのだろうねぇ」
椅子に腰掛けている秋元は来生が送ってきたヤラセ疑惑の記事のコピーを見ながらそう呟いた。
後ろにはすっかり生気も余裕も何もない悲哀な表情をした指原が立っていた。
「申し訳ありません。先生には重ね重ねご迷惑をおかけしてしまって…」
指原は深く頭を下げる。
「指原。この記事を差し止めるだけで100万、幼稚園への口止め料に200万、その他色々な経費などで計500万かかった。
ただでさえ資金集めが大変な時に痛い出費だということはよく分かっているな?」
今回の後始末にかかった代償について説明する戸賀崎。
指原は先日秋元が心配してくれた言葉に何故素直に従わなかったのか。
何故もう一度チェックしなかったのか。
後悔の念ばかりが頭に浮かぶ。
しかし時すでに遅しだ。今は現状を受け入れるしか選択肢はない。
「指原。分かっているようだがそれ相応の処分をしないといけない」
「ク…クビ…ですか…?」
指原は恐る恐る尋ねた。
「いや、お前はしばらく体調不良で休養ということにしておく。その間にお前のせいで被った代償を返済してもらう」
「え?」
「指原…。お前、蟹は好きか?」
秋元はそう言って部屋を後にした。
127 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 12:19:41.06 ID:6KuJ8NaT0
村重さんよぉ、あんたもこの件に絡んでるんだろ?知らなかったで済まされると思ったら大間違いだ!
128 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 12:55:18.94 ID:a1YPmhpD0
Ep4「扇風機」
あれから一ヶ月が過ぎた。
乃木坂46には仕事のオファーが殺到していた。
秋元からの圧力がなくなったのもあるが来生が半沢への取材をもとにネットのニュースサイトに掲載した記事が大きな反響を呼んだのが要因だった。
今では全盛期に近い数の仕事が舞い込んできている。
「白石、松村、橋本。特番のクイズバラエティの仕事だ。台本にしっかり目を通しておけ!」
半沢もすっかりアイドル業界を熟知し、メンバーからの信頼も厚い。
意外に芸能界でも銀行員時代のことが役に立つ。
半沢は銀行員時代に築き上げたコネクションや人脈を使って次々に仕事を取ってきた。
唯一昔と違うことは選抜とアンダーで開いていた仕事の格差がないことだ。
適材適所に仕事を割り振り、メンバーの個性を活かせる仕事をさせることでさらに輝きを増し、ファンからの評判も上がっていた。
そんな中で半沢は乃木坂46の知名度をさらに上げる為に、AKBとは違った特徴的なものを生み出す為にある秘策を練っていた。
近藤の手助けなどもあってそれがようやく方向性が定まった。
「よし。これならいける」
半沢は改めて自信を持った。
129 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 12:55:53.42 ID:yA0tmVdII
指原どうなる?
130 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 12:59:17.26 ID:a1YPmhpD0
「お前らちょっといいか?」
レッスン場に入るや半沢はメンバーを集めた。
全員が体操座りをして半沢の方を向いた。
「実はあるプロジェクトの草案が出来上がった。これが成功すれば乃木坂の知名度も上がり、AKBから一線を画したグループになれるだろう」
半沢の突然の発表にレッスン場はどよめいた。
「静かに。今からプロジェクトを発表する。テーマは「会いに出向くアイドル」だ」
半沢が考案したのは『乃木坂46全国出向くアイドルプロジェクト』である
。専用劇場を持たない乃木坂46は楽曲を披露する機会が今までは握手会かコンサートに限られていた。
しかし、それでは知名度を浸透させることもできないし専用の場所を作ればAKBと何ら変わりない。
そこで、ホームページでファンから来て欲しい場所を募集してそれぞれのメンバーを派遣して楽曲を披露しようというものだ。
半沢のプレゼンも功を奏してかメンバー全員がやる気になった。
彼女たちもまた独自のアイドルとしてやっていきたいという願いがあったのだ。
「みんな集合!」
桜井が声を掛けると全員が円陣を組む。
「半沢さん!何やってるんですか?」
生駒が半沢の方を向いて手招きしている。
「何だオレもやるのか?仕方ないなぁ」
半沢は笑いながらも円陣の輪に入る。
「出向くアイドル。絶対成功させるぞ!!」
「オー!!!!」
一体感のある掛け声が室内に響く。
半沢は彼女たちを守る姿勢に転じたことを改めて間違っていなかったと思った。
131 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 13:03:35.23 ID:yA0tmVdII
出向くアイドルwww
132 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 13:10:41.40 ID:hZKtcZ2vO
灰田「出向くアイドルについてだが…オプションでコスチュームを選ぶなんてどうだ?」
半沢「鞄ではなく、貴方の頭の中身をあらためてさせてくれないか?」
柿内「ずいぶんとお楽しみのようですね…」
133 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 13:13:59.77 ID:hZKtcZ2vO
黒崎「予約システムはどうするの?」
半沢「それは…」
黒崎「明日まで待ってあげるわ。じゃあね」
134 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 13:15:39.74 ID:a1YPmhpD0
深夜の千葉県内のとある漁港に一台のハイエースバンが停車した。
後部座席から降りてきた指原は周囲を見渡す。
「あ、あの〜…。ここは?」
指原は恐怖感に震えながら尋ねる。
「あれだ指原。お前の第二の人生の船出に相応しい船だ」
戸賀崎が指すのは大型の漁船だった。大きいがいかにも古臭くて錆が目立っておりまるで密航船みたいな雰囲気だった。
「おう。そのネーチャンか?」
厚い革のジャケットに長靴を履き、無精髭が目立つ男が船から降りてきた。
「ああ。よろしく頼みますね。東田さん」
「おう任せとけや」
挨拶を交わした戸賀崎は全速力でバンに戻りその場を後にした。
「おいお前何やらかしたんだよ?」
東田が指原の肩に手を置いて尋ねた。
「どうもこうも。半沢という銀行から来た奴に嵌められたんですよぉ」
指原が半沢という名を出しただけで東田の表情は一変した。
「何やお前。半沢知ってんのか?」
「ええ。あなたも半沢を?」
「ああ。死んでも忘れねぇ。あいつは俺のビジネスの邪魔をして金取り上げて借金まみれになっちまった。今は借金返すためにベーリング海で蟹を捕ってるんや。くそぉ!」
「半沢絶対許さない」
東田と指原は半沢の悪口を言い合いつつ船に乗り込んでいった。
そして船はベーリング海へ向けて船出航した。
一方、村重は田島芽瑠と交代する形で研究生に降格。選抜からも外れた。
指原が休養してHKT48の人気は下がると思われていたが指原、村重不在のHKT48の3rdシングルは50万枚を売り上げた。
皮肉にも指原がいなくなったことでHKT人気はさらに上昇するという皮肉な形となってしまった。
135 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 13:18:21.00 ID:a1YPmhpD0
「いやぁまさかここまでうまくいくとはね」
「最近指原も天狗でしたからこれで少し学んだことでしょう」
神楽坂にある高級料亭で酒を酌み交わして談笑する秋元と戸賀崎
。二人は笑いながら高級な日本酒を飲む。
「しかし、乃木坂を解散しないなんて言いだしたのは予想外だった。
それを逆手に指原を粛清させて相手を調子に乗らせてから奇襲を仕掛けるとは。東郷平八郎ですら思いつかないような作戦だ」
「それも全てあのお方のおかげですな」
「いやいや。銀行員というのは非常に優秀だな」
そこへ女将が静かに戸を開いて一礼した。
「お連れ様がお見えになられました」
「どうもお待たせして申し訳ありません」
「いえいえ。我々もまだ始めたばかりですから気にしないでいただきたい」
秋元はコップを置き日本酒を注ぐ。
「いやぁ。うまくいったようですねぇ」
「ええ。あなたの言う通り。半沢というのはとんでもない奴ですね。でもその彼を利用して我々のシナリオを完成させて最後には失脚させるとか随分残酷なことを考えますな」
「いやぁあなたの方が一枚上手でしょ。何しろまだ道半ばで人生先の長い少女たちを平然と切り捨て犠牲にするとか私には到底できませんな」
「ところで次の作戦はかんがえてありますかね?」
「もちろんです。私の懐刀の松井珠理奈というまだ16歳の子がいましてね。彼女は優秀で将来我がAKBを背負う大切な逸材です。彼女は自ら半沢を対峙すると希望したのです」
「ほぉ〜。それは頼もしいですな。いい部下に恵まれて秋元先生は幸せ者ですな」
「いえ。あなたのおかげですよ。大和田さん」
秋元が笑みを浮かべると、笑みを浮かべコップを右手に持って一礼する大和田暁元常務で現取締役が一気に日本酒を飲み干した。
136 :
名無しさん@実況は禁止です:2013/10/06(日) 13:19:44.07 ID:yA0tmVdII