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名無しさん@実況は禁止です:
>「とぼけないでください!」
> 同い年の昔なじみの侍女の鋭い言葉に、肩をすくめたヴァンは
>「バレたのかもね、僕の正体」
>とたいした事でもないように言った。
>「な」
>「な?」
>「何をやってるんですか!?貴女は馬鹿ですか!!」
> 凄まじい勢いで迫ってくるシェリルに、馬鹿呼ばわりされた(一応主人の)ヴァンはこれ下手したら不敬罪に
>なるんだけどなーなんて思いながらも(割と言われるのは慣れていたのだ)口を開いた。
>「まあ、というのは冗談なんだけど」
> と何処か気怠げに言った。いつの間にかヴァンは椅子の上でゆったりと胡座をかいていた。
>「はい!?」
> フルフルと拳を握りしめた自分の侍女に、ああ説教コースかなあなんて暢気な考えを浮かべたヴァンだった。
被害作より引用 2
>「結論を言えば……たぶんバレたんだな、俺の正体が」
>
>「……お馬鹿〜!何やってるんです!?」
>
> 一瞬絶句したシュニアだったが、今度の立ち直りは早かった。
> 明確な原因が目の前にいたからだ。
>
> 一方で馬鹿呼ばわりされたラス(一応主人)は、本来なら不敬罪に問われるような侍女の言葉をあっさりと流して───割と言われ慣れているのだ───だがな、と言葉を続ける。
盗作より引用 二話
> アルテミシアとはヴァンの異母兄弟だった。その可愛らしい容姿は国中だけに留まらず各国の王から求婚をされているほどである。
>また彼女は少し人と違う予言を受けた少女でもあった。
> その言葉にヴァンは、ちっちと指を横に振った。
>「アルテミシアはダメだよ。だってあの子は政治的価値が高いからね。王の側室、しかも臣下に下賜されるかもしれない立場なんかに使えない。
>だから、僕なんだよ。エイダお姉サマは家の跡取りでアルテミシアはさっき言った通り。それに比べて僕は一応公爵家の血を引いているけど母親は妾だ。
>側室としては扱いやすい」
> そうヴァンは父である公爵の愛人の子だった。そのために屋敷の者にも疎遠にされていたし、堅苦しい貴族の令嬢の嗜みなどをきっちりと
>学ぶ必要がなかった。だからこそ、こんなにも自由なのだが……。
被害作より引用 2
>「なんで俺を側室に、なんてことになるのかわからん。まだリニルネイアを指名されるならわかるが、『セラスティア』はただ大公の血を引く庶子の一人にすぎない」
>
> ラスの異母妹、第7公女リニルネイアはとある予言を受けて生まれ、公族の中でも位置付けが高い。
> 母親の身分も高く、しかも容姿に優れていた。
> それに引き換え、たとえ公宮をたびたび(というかほとんど)抜け出している上、ごろつきどもを集めて傭兵団を結成し、
>男の姿で戦場で指揮をとっていようが、セラスティアは表立っては何の力も持っていない無力な少女なのだ。