今年、歌手・安室奈美恵さんがデビュー20周年を迎える。10代からヒットを連発し、
以後20代、30代とすべての年代でミリオンセールスを記録した唯一の女性アーティストとなった彼女は、
この20年間にどんな思いをはせているのか? まずは、11月からはじまる15年ぶりの全国5大ドームツアーについて聞いてみた。
「ドームツアーは、できるだけ多くのお客さんと同じ空間を共有して『ありがとう』の感謝の気持ちを伝えたい。
そんな思いで開催することにしたんです。15年前にドームツアーをやってはいるんですけど、
残念ながらその時の感覚が残っていなくて、現時点では『広すぎてどうすりゃいいの!?』って感じです(笑)」
デビューから4年目の1995年に、小室哲哉プロデュースの『Body Feels Exit』が大ヒットした彼女だが、
実はデビュー後しばらくはヒットに恵まれず、沖縄に帰ろうと思った時期もあったそうだ。
それでも20年、心が折れそうなことがあっても、歌って踊ることをやめなかった理由はどこにあるのだろう?
「憧れのジャネット・ジャクソンが今も歌って踊っているから」と即答した彼女は、続けてこう話す。
「そこまで彼女に夢中になれて、迷うことなく『歌と踊りでやっていきたい!!』と思えたのは、
今のようにインターネットがない時代に育ったから、というのも理由のひとつかも。
私が10代の頃は、今みたいに情報が飛び交っていなくて、私にはそのビデオテープ
(ジャネットのライブ映像)しかなかった。だから、夢を絞り込めたのかもしれないですね」
「すぐにインターネットで情報収集ができて、選択肢がたくさんあるってことって羨ましくもあるけど、
結局本当に何がしたいのか迷ってしまうこともありそう」と語る安室さん。
はたから見れば、適職に出会ったようにしか見えないが、彼女自身は
「『この世界がダメなら別の道に行く』という選択肢がなかったから、
歌い、踊り続けてこられた」と思っているそうだ。(了)
【『MORE』2012年8月号 「20年目のリアル・メッセージ 安室奈美恵」より】
ソース:集英社女性誌のポータルサイトs-woman.net
http://www.s-woman.net/news/magazinenews/detail_1000017911.html