前田敦子「私が右京さんと捜査をするって!?」

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1ジャック ◆jPpg5.obl6
【小説】AKB前田「時速80キロ以下で爆発するって!?」
http://akb48matome.com/archives/51819960.html

このお話の続きです。最後までお付き合いいただければ光栄です。
また、あっちゃんが出るまで少しかかりますがご了承ください。
2ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/09(水) 22:29:10.31 ID:8KM7U11K0
東京ビッグサイト

「それではメンバーの皆さん。そろそろブースへ移動お願いします!」
スタッフがそう言うとSKE48のメンバーが控え室を出てブースへ移動する。

今日はSKE48の個別握手会の日。
移動の時間もメンバー同士がおしゃべりをしたり、
スマートフォンで写真を撮ったりしている。

東京ビッグサイトの会場は既にメンバーがいるブースが設置されており、
外では多数のファンが並んで待機している。全員の気持ちは高揚していた。

ドォン!

「きゃあああああ!!」
突然ひとつのブースが爆発した。
白煙が上がり、非常ベルト少女たちの悲鳴が響く。

「中止だ中止!」
「すぐにファンとメンバーを避難させろ!」

「それと警察にも連絡をお願いします。」
現場前にメガネを掛けた一人のスーツ姿の中年男性が現れる。
「ちょっとあんた勝手に入ってこないで!」

スタッフが怒鳴ると男性は胸ポケットに左手を入れる。
「おっと申し遅れました。警視庁特命係の杉下と申します。」
3TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/09(水) 22:32:25.94 ID:/vjUT7Bdi
支援age
4ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/09(水) 22:33:30.73 ID:8KM7U11K0
東京ビッグサイトは爆破事件により、周囲はパトカーのサイレンが鳴り響き、
厳重な警備が敷かれた。

ファンはこれで握手会も出来なくなるだろうと思いつつも様子を伺っていた。

「まさかこのような形で来られるとは・・・。」
警視庁鑑識課の米沢守が破壊されたブースの残骸を調べている。
その隣で右京が周囲を見渡している。

「このブースは確か研究生の松村香織さんのブースでしたね。」
右京が米沢に尋ねる。
「えぇ。でも何故かおたんのブースを狙ったのでしょうか?」
「それは皆目見当がつきません。でも、何か嫌な気がしますね。」
「何しろあの選抜メンバーのバス爆破事件からそう月日も経っていませんからな。」
「確かバスが時速80キロ以下で走行すると爆破する仕掛けがあったというあの事件ですか?」
「えぇ。あっちゃんが飛び乗り、優子が運転手の代わりにバスを運転し、
ゆきりんが無理に降りようと試みて重傷を負い、最後は羽田で無事に降ろしたのです。」

「そして、犯人は自爆死で解決。その後前田さんが乃木坂46へ。
代わりに生田さんと生駒さんがAKBへ移籍することが発表されましたね。」
「それが先週のことです。まさかまた爆破事件とは・・・。これで当分公演も厳しくなるでしょうな。」
「でもこのような行為で彼女たちの夢の場所を潰すようなことを僕は到底容認できません。」

右京は厳しい眼差しで現場を見渡した。
5ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/09(水) 23:05:21.16 ID:8KM7U11K0
東京ビッグサイト 特設救護室

「失礼。松村香織さんですね?警視庁捜査一課の伊丹と申します。」
「三浦です。」
「芹沢です。」

警視庁捜査一課の伊丹憲一、三浦信輔、芹沢慶二の3名が
爆破による転倒で怪我をした松村香織に事情聴取を行うために訪ねていた。

「松村です。今じゃないとダメですか・・・?」
「ショックを受けておられることは察しておりますが、
一刻も早く犯人を逮捕すべくご協力をお願いします。」

伊丹がそう返答すると松村は小さく頷いた。

「では、まずお伺いしますが最近何か変わったことはありませんでしたか?
何か脅迫文が送られてきたとか・・・。」
「いえ、ファンレターやブログのコメントも運営で管理されているので・・・。」
松村が小さな声で答える。相当ショックが大きいのは誰が見ても歴然としている。

「では、爆発のある直前は何をしていましたか?」
「動画を撮っていました・・・。」
「動画?一体何故ですか?」
伊丹が尋ねる。

「恐らく1コメダに掲載するためではありませんか?」

伊丹らが振り返ると右京が立っていた。
6ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/09(水) 23:14:29.75 ID:8KM7U11K0
「おや〜。特命係の杉下警部殿。お呼びした覚えはありませんけど・・・?」

伊丹が鬼の形相のごとく右京を睨みつける。

「僕はたまたま握手会に参加する為にここに居合わせた。ただそれだけのことです。」
「えっ!?警部殿もAKBのファンだったのですか?」
「えぇ。AKBは勿論SKE、NMB、HKT、JKTの全メンバー全てを把握しております。
本日は初めての個別握手会ということで楽しみにしておりましたが、
誠に残念でなりません。」

「あの・・・?」
「失礼。松村香織さんですね。警視庁特命係の杉下です。
この度は大変災難な目に遭われてしまい心からお見舞い申し上げます。
あと、いつも1コメダを楽しく拝見させていただいております。」

「本当ですか?わーありがとうございます。」

「いえ。では、大変恐縮ですが事件前後の行動についてお教え願えませんか?」
「あの時は確か今夜載せるコメダの動画を撮っていたんです。」
「それは、ぐぐたす用に配布されたスマートフォンで撮影したのですか?」
「いえ、この自分のビデオカメラで撮りました。」
松村はそう言うとベッドの上に置いてあったバッグから
ビデオカメラをケースから取り出して右京に渡す。

「特に壊れてはいないようですねぇ。
申し訳ありませんが証拠品として預からせて頂けないでしょうか?」
「え〜。でも仕方ないですよね・・・。」
「申し訳ありません。早急にお返しできるようにしますので。」
「刑事さん。犯人を絶対に捕まえてくださいね。」
「もちろん。全力を尽くします。では、僕はこれで。」

右京はそう言うと一礼してその場を去っていった。
7ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/09(水) 23:22:21.67 ID:8KM7U11K0
警視庁鑑識課

「現場から採取した残骸から爆発物が特定されました。
タイマー付きの時限装置で火薬の量は少量でした。
でも、ブースにいたら死に至ったと思われます。」
右京は机の上に並べられた爆発物の破片をじっと見ながら米沢の説明を聞き入っている。

「でも、爆弾はメンバーがブースに入る前に爆発していますが。」
「えぇ。どうやら設営に時間がかかって時間が押していたようですな。
ということは最初からかおたんを狙っていたという方が妥当でしょう。」

「確かに開場時間が2分ほど遅れていましたね。その直後に爆発音がしました。
つまり、偶然にも時間が遅れたことで難を逃れたということですね。」

「しかし、何故かおたんなのでしょうか?」
「米沢さん。ビデオカメラの方に不審な点はありませんでしたか?」
「いえ。録画されていた映像から特にこれといった不審な点はありませんでした。」
右京はパソコンに映し出された爆破前に撮影された映像を見つめる。

「特に変わった様子はありませんね。」
「そうなるとこの爆弾の破片から割り出すほかないようですな。」

「そうですねぇ。」
右京はじっと現場写真を見つめていた。
8ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/09(水) 23:31:30.92 ID:8KM7U11K0
「また君ですか。」
右京が呆れた様子で見つめる。

「昨日の爆破事件で何故かおたんが狙われたのか。
その動機が分かったんですよ!ちょっとパソコンをお借ります!」

陣川はそう言うと右京のデスクのパソコンにUSBメモリを挿入し、ファイルを開いた。
ファイルにあったのは主に大衆掲示板の書き込みをまとめたまとめサイトのものであった。

「これはまとめるぜーですね。」
「杉下警部もご存知だったのですか?」
「えぇ。確か数あるAKB関連のまとめサイトでは最も人気のウェブサイトですね。」
「そうです。それで、全ての記事を見ていたらこれを見つけたんです。」

陣川が見せたのは3ヶ月前の爆破事件当日の早朝に掲載された
『BBQのスッピンワロタww』と書かれた一見何も関係のない記事であった。

「これが事件と何の関係があるんだよ?」
角田が首を傾げながら尋ねる。

「この動画の5分43秒あたりを見てください。」
陣川が動画をクリックして再生させた。

これは前日に投稿された1コメダであった。
1コメダはほとんど途中で事前に撮影された映像が使用される。
この映像は外で同じメンバーの金子栞と騒がしく話をする映像であった。

「これのどこに動機があるのですか?」
「まぁ見ていてください。あっここです!」
陣川は映像を停止し、画面を指した。右京と角田が覗き込む。

「こ、これは・・・。」
9ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/09(水) 23:39:20.49 ID:8KM7U11K0
お台場ロイヤルホテル

ロビーのソファに腰掛ける右京。

そして、松村と金子、それに劇場支配人でもある湯浅洋がやってきた。

「どうもお呼び立てして申し訳ございません。警視庁特命係の杉下と申します。」
「湯浅です。今日はどのような御用で・・・。」

「では、単刀直入にお伺いします。松村さん、金子さん。
こちらの映像はどこで撮影なされたのですか?」

右京はそう言うとタブレットPCを取り出して1コメダの映像を見せる。

「あ〜。確かこれは品川埠頭で撮影したものです。」
松村が答える。

「何故埠頭にいらしたのですか?」
右京が松村に尋ねる。

「テレビ番組の収録で来ていてたまたま空き時間があったので一緒にロケに参加していた
うんちゃ・・・いや、金子と動画を撮ったんです。」
「金子さん。間違いありませんか?」
「はぁい。確か撮っている最中にかおたんがカモメに襲われて
大騒ぎになったのでよ〜く覚えてますぅ。」

「おい!金子!余計なこと言わないで!」
松村が金子の右肩を押した。

「いえ。とても参考になりました。」
右京がそう言った瞬間携帯電話のバイブが鳴る。

「ちょっと、失礼。」
右京は席を立ち、ポケットから携帯電話を取り出して通話ボタンを押した。

「杉下です。はいぃ?」
10ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/09(水) 23:42:48.76 ID:8KM7U11K0
警視庁鑑識課

「警部殿に頼まれてこの映像を解析しました。
まず品地家野次雄に間違いありませんな。」

米沢がモニターに映る解析画面を右京に見せる。

「やはりそうでしたか。」
「映像を解析していましたら違和感を覚えましてな・・・。」
「おや、どういうことでしょう?」
「まずは最初に映ったのを見てください。」
米沢はそう言うと映像の始まりの部分のキャプチャ画像見せる。
「ほら、品地家はこの時大きなアタッシュケースを持っています。
ですが、次の画像をご覧ください。」
米沢は次に最後に写った部分のキャプチャ画像を表示する。

「見てください。ここではそれを持っていません。
つまりこの埠頭のどこかに置いたものだと推測されます。」

「そうですか。では一体を捜索してみる必要がありそうですね。」
「いえ。それが品地家は品川埠頭のとある倉庫を借りていました。
どうやらサバイバルゲームに使用していたようですな。それがここです。」

「なるほど。では、行ってみましょう。」

「あっ!杉下警部。やはりこちらにいましたか!?」
陣川が突然入ってきた。

「今度は何ですか?」
右京がまたかと言わんばかりの顔で陣川を見る。

「いや。またまたすごい情報を手に入れたんです!」
11ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/09(水) 23:46:27.80 ID:8KM7U11K0
警視庁特命係

「実はあれから色々と調べていましてそうしたら出たんですよ。」
「僕は君に本来の仕事に戻れと言ったはずですがねぇ。」
「ですからこうして情報を仕入れたわけですよ!」

右京はただただ呆れるほかなかった。

「見てください。これは乃木坂46。AKB48の公式ライバルのまとめサイトです。」
「君に言われなくても乃木坂46のことは把握しております。」

「で、その乃木坂46なんですが、あのバス事件の当日は全員がフリーだったそうです。」
「別に彼女たちの規模のグループならば
全員がまとめて休日なのも不思議ではありませんがね。」

「いえ、それが事件当日にファンの目撃情報だとメンバーたちが
この品川埠頭付近のココで目撃されています。」

陣川が指す場所は、松村の映像で品地家が写っていた場所に近い場所であった。

「陣川君。お手柄です。」
右京はそう言うと上着を着て足早に部屋を出ていった。

「っしゃぁ!」
陣川は大きくガッツポーズをするのであった。
12TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/09(水) 23:53:03.71 ID:rVBTZ+TOi
久々のこういうやつか
13TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/09(水) 23:57:49.97 ID:kI6NPns50
前スレ保守できなかったゴメン
14TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/10(木) 00:37:09.55 ID:qTXrPRSd0
ほす
15ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/10(木) 00:37:50.77 ID:tnN0h8By0
二度目の立て直しですみません。とりあえずここから本題に入っていきます。
どうぞ見守っていただければと思います。
16TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/10(木) 00:54:12.45 ID:hOOBwKTS0
亀の出番はなさそうだ…
かめぇ…
17ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/10(木) 01:16:54.11 ID:tnN0h8By0
SME乃木坂ビル レッスンスタジオ

「ちょっとまた前田遅れてるよ〜!」
「もう次のライブは来週なんですけど!いい加減覚えてください!」
「ここはAKBじゃないんです!手抜きなんて許されませんよ。」

乃木坂メンバーの怒号が飛び交う。
その中で息を切らしながら床に蹲る前田敦子の姿があった。

前田は乃木坂へ移籍してすぐにライブのリハーサルに追われていた。
しかし、メンバーとの波長がうまくいかず自主連も繰り返すが一向にうまくできない。
メンバーからは愚痴を言われ、コミュニケーションもうまく取れないのが現状だ。

もう逃げ出したい、AKBに戻りたい。

何度もそう思ったが逃げ出せば未来はない。そう思って練習に耐えていた。

「おい寝てんじゃねーよ!」
白石麻衣が前田の腕を掴むと誰かが肩を叩く。振り向くと右京がいた。

「少し休ませたほうが賢明かと思いますが。」
「すいません。どちら様ですか?ここは関係者以外立入禁止ですよ!」

白石が反論すると右京は胸ポケットから警察手帳を見せる。

「警視庁特命係の杉下と申します。実は皆さんにお話があってお伺いしました。」
18ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/10(木) 01:26:58.03 ID:tnN0h8By0
「何ですか?私たちライブまで一週間ないんです。練習したいんですけど。」
「えぇ。ですからここは単刀直入にお伺いします。
3ヶ月前AKBの選抜メンバーが乗ったバスに爆弾が仕掛けられた事件の当日。
皆様がどこで何をしていらしたのでしょうか?」

右京の質問に前田を除く全員が動揺した。

何故今更。

メンバーたちはお互いの顔を見合っていた。

その表情の変化を右京は見逃さなかった。

「えっと、その日は・・・。」

「その日はみんなで自主的にダンスの練習をしていました。ね、みんな。」

右京が振り返るとそこにいたのは新たにAKB48チームAのセンターに
抜擢された生田絵梨花だった。

「そ、そうそう。そうだった。あの時新曲の振り付けを合わせてたんだった。」
「そう。確かPV撮影地があの周辺だったからやる気を起こすためにもね。」

生田が証言すると全員が波長を合わせるかのように証言する。
前田はこの光景を見てあの時生田と話した後に感じた違和感を思い出した。

「そうでしたか。お休みの日も大変ですねぇ。」
「えぇ。乃木坂46はAKB48のライバルグループ。
AKBの何倍、何十倍も上手くならなければ勝てませんから。」

「確かにそうですねぇ。さすがは移籍早々チームAのセンターで
実質のエースに抜擢されただけの方とあって素晴らしい返答です。」
「いえ。杉下警部ほどではありません。」

右京と生田が笑みを浮かべながら顔色を伺っていた。
19TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/10(木) 01:29:24.36 ID:G7aKt93F0
20ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/10(木) 01:57:08.06 ID:tnN0h8By0
「ちょっとあんたたち何やってんのよ?」

「だって、こんな時にいきなりアリバイ聞いてくるからさ。」
「私が来たからよかったものの一歩間違えてたら捜査対象にされていたわよ。」

「ご、ごめん。生ちゃん。」

「でも、生ちゃんどうしてここへ刑事が来るって知ってたの?」
「あのお方がここへ警視庁特命係の杉下右京が来るっていうから飛んできたのよ。」

「あのおじさんそんなにヤバイの?」
「あのね。杉下右京は警察でも異質なの。
しがらみがないから嫌なことまでどんどん突き進んでくるわよ。
少しでもほころびが出たら最後。私たちを捕まえるまで来るわ。」
「ど、どうしよう・・・。」
「とりあえず杉下右京が来ることがあればすぐに私に連絡ちょうだい。」

「う、うん。分かった。でも、生駒ちゃんが・・・。」
「生駒?大丈夫よ。あいつはチームBでたっぷり可愛がってもらえているから。」
「そうなんだ。」

「とにかく杉下右京だけには余計な隙を見せないでよ。
あなたたちは黙って私の言うことを聞いていれば問題ないから。」
「わ、分かった・・・。」

生田はそう言うと部屋を出た。

「くそっ!杉下右京がもうここまで嗅ぎつけるなんて!
まさかあの握手会にいるなんて夢にも思わなかったし・・・。
これは、どうにかしないと。」

生田は内心焦りを感じていた。

そして右京への対抗策を考えながら劇場へ戻った。
21ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/10(木) 01:58:18.21 ID:tnN0h8By0
「杉下さん!」
乃木坂ビルを出た右京が振り向くと前田が後を追ってきた。

「前田さん。どのような御用でしょうか?」

「あの事件はやはり終わっていなかったんですね!?」
「例のバス爆破事件のことですね?」

「はい。私。絶対品地家が犯人だとどうしても思えなくて。
その矢先にSKEの爆破事件が起きたと聞いて終わってないと確信したんです。
何か分かったから来たんですよね?」

「僕も同感です。この事件にはまだ裏があると思っています。
もし、よろしければ何故品地家が犯人ではないと思われるのでしょう?」
右京が尋ねる。

「品地家の自宅が爆破する前、彼は言ったんです。
この事件には裏があるということを。その瞬間に爆破が起きて・・・。

恐らく爆弾を作って仕掛けたのは間違いないと思うけど、
この事件を計画したのは別にいるんじゃないかってそう感じるんです。」

前田の話を聞いて右京は目を見開く。

「やはりあなたもそう思っていましたか。実は僕もそう思っております。」
「杉下さん。お願いがあります。」
「お願いとは何でしょうか?」
右京は前田を見つめる。前田は鋭い眼差しをしている。

「私も捜査に協力させてください!」
「はいぃ?」
22ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/10(木) 01:58:57.31 ID:tnN0h8By0
とりあえずここまでにします。では、おやすみなさい。
23TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/10(木) 02:00:03.16 ID:G7aKt93F0
24TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/10(木) 02:01:48.23 ID:qTXrPRSd0
いくちゃん犯人とか許さんぞ
25TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/10(木) 02:04:31.96 ID:G7aKt93F0
26TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/10(木) 02:09:22.65 ID:Keo18HzS0
>>24
もう最初のヤツからいくちゃんが中心になっとるやん
27TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/10(木) 04:23:09.23 ID:TD9ws9VXO
28TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/10(木) 07:16:52.95 ID:Keo18HzS0
保守
29TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/10(木) 11:00:04.88 ID:QrgeYOFEi
30TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/10(木) 12:15:26.03 ID:o8vZ5+XV0
乃木坂のあっちゃんって想像できん
31TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/10(木) 13:43:09.97 ID:hOOBwKTS0
32TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/10(木) 14:45:12.67 ID:FUH8wRck0
しゅ
33TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/10(木) 18:31:00.71 ID:cGjYGrh/O
>>30
たしかにw

そこはお話だから

それに何かの伏線かも?
34TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/10(木) 18:40:04.97 ID:34QmTDHF0
>>30
確かに乃木坂の衣装を着たあっちゃんというのもね
逆に生田があっちゃんポジにいるのは違和感なさそうだなw
35TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/10(木) 18:49:23.29 ID:SDLcK07UO
あの話の続編なら、右京・木島・前田が揃ったシーンを読みたい。
36TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/10(木) 20:02:36.86 ID:L0VZn9Ad0
>>35
最後あたりにあるかもね
37ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/10(木) 21:17:33.16 ID:ldrBHP9i0
右京は前田の申し出に戸惑いを見せる。彼女はアイドルとはいえ一般市民だ。
この事件には嫌な感じがしてならない右京はさすがに申し出ているとはいえ
危険であると感じていた。

「大変申し訳ないのですが、
あなたを捜査に参加させることは賢明ではないかと僕は思うのです。
理由はまず、あなたはアイドルといえども一般市民です。
捜査は常に危険が伴います。
ましてやあなたはバス爆破事件で心に大きな傷を負っていますし、
犯人に狙われるリスクは大いに想定されます。」

「はい。それは分かっています。そう言われるかもって感じてたし。
でも、私は不安なんです。現にSKEの松村ちゃんが狙われたわけだし、
また真犯人が誰かを狙ってくると思うだけで夜も眠れないし、
練習も集中できないんです。

こんなこと早く終わらせたいしみんなを守りたいんです。私は去る身です。
だからこんな事を終わらせるまで私は自分の道を進むことなんかできません。

だから・・・。どうかお願いします。」

前田がまた深々と一礼する。無謀なのは自分でも分かっている。
でも、真犯人を見つけてこれ以上メンバーの不安を増大させたくない。
その思いだけが前田を突き動かしていた。

「分かりました。但し、僕の指示に必ず従うこと。
勝手な行動は慎むことをお約束できますか?」
「はい。必ず守ります!」

前田は嬉しかった。自分の思いが右京に伝わったことを。

そして何より自分がこの事件の真相と解決に大きく貢献できる機会を与えられたことを。

「それでは、行きましょうか?」
「はい。」

右京と前田は歩き始めたのであった。
38ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/10(木) 21:33:21.34 ID:ldrBHP9i0
AKB48劇場

「生駒ちゃ〜ん。休憩しよ。」
「えっ。でもさっきお昼食べたばかりですし、
それよりも夜風の仕業のこの部分がまだ自分自身納得がいかなくて・・・。
私は後でいいです。」

「そんなの大丈夫だよ。生駒ちゃんは乃木坂のセンターだったわけだしすぐに覚えられるよ。」
「無理なら研究生の子がアンダーやってくれるわけだし
そんなに追い詰めていかなくてもいいって。」

生駒は戸惑う。

自分はチームBでもセンターを任されたわけだし完璧な状態で公演に臨みたい。
幸いにもメンバーから辛く当たられていることはないが、
あまりに親切すぎて練習に集中できない。

確かにいろんな話も聞けてむしろ嬉しい。
しかし、これがチームBの雰囲気なのかと思うと生駒は首を傾げる。
既にチームAの生田は前田のポジションを完璧に覚えて初公演で賞賛されている。
自分も生田のような成果を出さなければと思っていた。

「ねぇねぇ生駒ちゃん。」
「あっはい。」
しかし、チームBで嫌わられるわけにはいかない。
自分はセンターとして引っ張らなきゃいけない。
コミュニケーションは大事だと思い付いていく。

「きゃっ!」
佐藤すみれがドアを開けた瞬間。目の前に右京が立っていた。

「失礼。警視庁特命係の杉下と申します。生駒里奈さんはいらっしゃるでしょうか?」
39ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/10(木) 21:49:21.03 ID:ldrBHP9i0
AKB CAFE

「あれ?前田さんも。」
「久しぶり。元気にやってる?」
前田は笑顔で声を掛ける。生駒は何だか心が落ち着いた。

「あっ!前田さんって今は私のポジションでしたね。どうですか?」
「うん。なかなかうまくいかなくて・・・。やっぱり生駒ちゃんには勝てないや。」
「そんなことないです。私なんかみんなに気を遣わせてばかりですよ。」
「みんな新入りには優しいからね。特にBの子達は・・・。」

前田と生駒が談笑する。

二人とも慣れない環境で苦労をしている。
共に違うグループでしかもいきなりセンターポジションを任されている。
良く思わないメンバーもいる中でチームを引っ張らなければいけない。

その重圧は右京も想像し難い。

「なかなか慣れないなかでも不安でしょうし、
その中でこのような事件があってはその不安も増大でしょうねぇ。」

「じゃあやっぱりお話というのはあの事件のことですか?」
「うん。生駒ちゃんも乃木坂のメンバーたちと一緒にレッスンをしてたの?」
「えっ?」

生駒の動揺した様子を右京は見ていた。

「どうやら何か他のことをやっていたようですねぇ。」
「何か隠し事があるの?そういえばビルで会った時も何か言ってたよね。」

しばらくの沈黙が続き、生駒が話をしようとした時だった。

「あら、生駒ちゃん。」
40ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/10(木) 22:25:04.26 ID:ldrBHP9i0
「い、生ちゃん・・・。」
生駒は驚いた様子で生田を見る。その様子に右京も前田も違和感をおぼえた。

「あら、杉下警部に前田さんまで・・・。」
「おや、今日はチームAの公演はないはずですが。」
「えぇ。でも明日公演がありますから今日は練習です。」
「そうでしたか。実に熱心なのですねえ。」

「それは当然です。何しろこちらにいる前田さんのポジションを任されたわけですから
並大抵の努力だけでは足りません。
やはり前田さんの穴埋めじゃなく新たに生田絵梨花あってのチームAと思われたいので。」
「なるほど。あなたの情熱の素晴らしさを感じます。」

「それであの事件の日の生駒ちゃんのアリバイですよね。
私たちと一緒にいましたよ。そうだよね?」
「そ、そうだった。ごめんなさい。
あの日のことはなるべく思い出さないようにしているので・・・。」

生田を見た瞬間に態度を急変させた生駒。
その様子を前田は疑念を感じざるを得なかった。
前田は確実に生田こそがこの事件の鍵を握っているのではないかと思った。
そう考えれば必然的にあの日劇場での違和感も納得がいく。

「ごめんなさい。練習しないといけませんからこれで失礼します。行こう生駒ちゃん。」
「え、うん。」

生田は右京と前田に頭を下げて生駒と共にカフェを後にした。
前田も右京は生田のことを疑うような視線で後ろ姿を見つめた。
41TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/10(木) 23:31:22.26 ID:THXvodma0
SKE松村も犯人側か。前回AKB選抜全員を狙っといて、
今回はSKE松村を狙うって不自然だしな。
42ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/10(木) 23:57:15.72 ID:ldrBHP9i0
「明らかにおかしいですよ。」
「生田さんのことでしょうか?」

「はい。確か私が乃木坂へ移籍する際に最後の挨拶で劇場に行った時
何か変な感じがしたんです。そして、乃木坂ビルとさっきのカフェ。
いいタイミングで現れています。

それを偶然で片付けるのは納得がいきません。
現にメンバーや生駒ちゃんの様子を見ましたよね?」

「えぇ。僕もあれが偶然だとは思えません。
しかし、だからといって生田さんが黒幕である証拠はどこにもありません。」
「それはそうですけど・・・。」

前田は納得のいかない様子で右京を見つめる。

「まずは、生田さんが黒幕である証拠を見つけなければいけませんねえ。」
「でも一体どうすれば・・・。」

「まずは、松村さんのブースが爆破された東京ビッグサイトへ行ってみましょう。」
「困ったときは現場に戻れ。捜査の基本ですよね。」

「さすがは前田さん。では、行きましょうか?」
「はい!」

前田は右京の横について歩く。
43ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/10(木) 23:59:43.37 ID:ldrBHP9i0
「杉下右京がもうそこまで来ていますよ。」
「さすがは杉下右京。そこら辺の刑事とは大違いよね。」

「どうするんですか?杉下右京は既に前田とタッグを組んで核心に近づいてきていますよ。そうなると・・・。」
「そもそもあなたが見られたと思ってあんなことをしたからよ。止めておけと言ったのに。」
「でも、あれに気づかれてしまえば終わりです。」
「あれだけの騒ぎを起こしたら余計に気づかれたんじゃないの?」
「そ、それは・・・。」

「いい。とにかく早急に何とかしてちょうだい!
生駒ちゃんは私たちが見ておくから。」
「わ、分かりました。」

生田は部屋を出てため息をつく。そして足早に駆けていった。


「もしもし。はい。杉下右京はこちらまで来ています。
はい。今のところ生田が動いていますけど核心にまで迫るのは
もはや時間の問題かと・・・。はい、分かりました。
では、そのように対処したいと思います。」

通話切断ボタンをタッチしてスマートフォンをジャージのポケットに入れる。

そして、部屋を出てきた新チームBキャプテン渡辺麻友は、笑みを浮かべて窓の外を見つめていた。
44TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/11(金) 00:29:01.72 ID:fH6E9tay0
なんやと!
45ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/11(金) 01:07:33.13 ID:xdlYRWR70
東京ビッグサイト

「おや米沢さん。」
右京は道具を持って床下を調べる米沢を見つけ、声を掛ける。

「これはこれは杉下警部殿。えっ!?」
「どうかなさいましたか?」
「あ、あ、あ、あっちゃんではありませんか・・・?」
米沢は激しく動揺した。無理もない。あの前田敦子が何故か右京と共にいるのだ。

「初めまして。前田敦子です。杉下さん。この方は?」
「鑑識の米沢守さんです。
実に優秀な鑑識官でいつも事件解決に貢献なされています。」
「へぇ〜。凄いんですね米沢さん。」
「い、いえ私はそれほどの者ではありません。」
米沢は照れていた。
だが、その姿を見られるのは恥ずかしいので
正常に振舞おうとするが余計に空回りしてしまっている。

「それで、米沢さん。ここで何をしているのですか?」

「それが残骸を解析した結果ですね。
爆弾は携帯電話端末を使用していたことが判明しまして、
それで携帯電話に使用されるSIMカードが
どこかに落ちてはいないか探しているところです。」
「なるほど。それが無傷であれば誰が爆弾のタイマーを起動させたのか
特定することができますからねえ。」
「恐らくこの程度であれば復元可能な形で残っているものと推測されます。」

「じゃあそれを探しましょう。」

こうして前田、右京、米沢の3人はビッグサイト内を捜索し始めた。
46ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/11(金) 01:13:05.57 ID:xdlYRWR70
お台場ロイヤルホテル

「大変お待たせしました。」
「いえ。こちらこそわざわざお呼び立てして申し訳ありません。」

ロビーに再び湯浅、松村、金子の3人を呼んだ右京と前田。
松村と金子は前田がいることに驚いている。

「松村香織ちゃんと金子栞ちゃんね。」
「ちょ・・・。ほ、本物の前田さんや〜。」
「ちょっと金ちゃん。落ち着いてよ。」

「まぁどうぞお掛けください。」
3人はソファに腰掛ける。

そして右京は胸ポケットから証拠保全袋に入れられたSIMカードを置いた。

「これは携帯電話のSIMカードですか?」
湯浅が下を向いて尋ねる。

「ええ。これは爆破のあった東京ビッグサイトの溝から発見されたものです。
残骸から犯人は携帯電話で発信してタイマーを作動させたことが既に分かっています。」

「じゃあ犯人の動機はやはりあの1コメダの・・・。」
「確かにあの動画にはバス爆弾事件の決定的証拠が映っていたのです。
事件は品地家の単独犯として終えていた事件がこの動画により捜査を見直される。
それを恐れたのでしょう。しかし、僕は全く違うのではないかと推測します。」

「え?じゃあ何故?」
前田が尋ねる。

「今回の事件。実は逆の発想ではないかと思います。」
47ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/11(金) 01:23:35.91 ID:xdlYRWR70
本日はここまでにします。なかなか更新少なくてごめんなさい。

落ちた前スレには書いたんですけどブログ開設しました。これが終わったらここを中心にやる予定です。
まだ挨拶文しかないですけど新作を書く予定なのでよろしくお願いします。

では、おやすみなさい。
48ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/11(金) 01:23:59.02 ID:xdlYRWR70
すみません。URL貼り忘れました。

http://ameblo.jp/akb48-novel-lab/
49TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/11(金) 01:32:12.21 ID:BSmQrOW40
おい何や!ここで終わりかww

続き気になって寝れんわ
50TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/11(金) 01:44:26.76 ID:MpUuV5bI0
真相がとても気になる
51TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/11(金) 08:50:59.53 ID:MpUuV5bI0
保守
52TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/11(金) 12:09:11.54 ID:s/u97S6aO
期待
53TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/11(金) 14:55:22.13 ID:cv9r1a610
落ちるで
54TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/11(金) 16:15:31.11 ID:uuMaeRDM0
ほす
55TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/11(金) 17:40:46.77 ID:s/u97S6aO
小説のまゆゆはいつも悪役か腹黒い役なんだよな
56TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/11(金) 20:30:24.26 ID:s/u97S6aO
保守
57TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/11(金) 22:30:20.10 ID:hJzlgKcl0
神戸尊がいなくなったから臨時の相棒かよw
これはなかなか期待できる
58TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/11(金) 23:02:11.57 ID:MpUuV5bI0
>>55
マジすかのネズミの影響だろ
59TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/11(金) 23:08:37.97 ID:d/thHb+P0
杉上スレ乙

結局名前変えてもやってることは一緒じゃねぇか
60TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/11(金) 23:55:27.56 ID:m3vR5xQ30
>>59
だから何?
そんなのどうでもいいわ
頼むからスレ汚したりしないでよ
61ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/12(土) 00:06:25.67 ID:kPhIicjz0
「逆の発想?」
前田はさっぱり分からない。逆とはどういうことなのか。
今までのことを振り返ってみた。

すると何かが繋がったような、まるで電流が全身に走ったような衝動を感じた。

「まさか、この動画に注目してもらうため・・・?」

「そうです。この事件はこの1コメダの動画を捜査関係者が注目してもらうように
注目してもらうために起こしたのです。
タイマーもあらかじめ誰もいない時をあえて狙って爆破するようにセットされていました。」

3人は気まずい様子でお互いの顔色を伺っている。

「今回バス爆弾事件の真犯人の立場で考えると不自然です。
既に事件は品地家による単独犯行ということで書類送検されて終わっています。
このままでいれば終わるはずなのに何故わざわざブースを爆破する必要があるのでしょうか?
松村さんを殺害する目的であればほかの方法もありますし、
第一、殺害しなくても動画を抹消すれば済む話です。
このような騒ぎを起こせば騒動になり、再捜査に及ぶ。一番危険な手法です。
つまり真犯人にとって都合のいいことが何一つないのですよ。」

「確かに。この事件が起きて私は不安になり事件のことを思い出して、
様々な違和感に気づいた。
そして調べていくうちに品地家の単独犯行とは思えないものが出てきています。
つまりこの事件が起きたことで事件の真実の突破口を開いたわけですか?」

「前田さん。その通りです。
つまり真犯人を追い詰める証拠を出すために起きたのがこの爆破事件だったのです。」

「一体誰がこんなことを・・・?」

「それを今日は伺おうと思って来たのです。
恐らくその真相を知っているのは松村さん、金子さん、湯浅さんの
3人ですからねえ。」
62ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/12(土) 00:32:40.96 ID:kPhIicjz0
いつも保守して頂きありがとうございます。
今日はちょっとここまでにさせてください。明日は休みなので多めに更新したいと思ってます。

では、おやすみなさい。
63TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/12(土) 00:42:25.61 ID:wgvn5YT70
やはり湯浅たちの自演やったかw

続きが気になるわ〜!
64TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/12(土) 01:05:40.74 ID:xQYnJ3vL0
いよいよ真相に迫っていくのか
65TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/12(土) 06:22:27.01 ID:dPO38WYo0
ブログ開設したんならブログでやれよ
66TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/12(土) 09:37:12.61 ID:f+rqboah0
早速ブログを荒らすバカがいるようだけど頭がおかしいんじゃない?
67TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/12(土) 10:09:44.73 ID:3tLovz6cO
期待保守
68TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/12(土) 10:46:36.30 ID:GA+rAUtI0
あげ
69ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/12(土) 11:41:11.00 ID:rie5/oGq0
「ご、ごめんなさい・・・。」
金子が突然立ち上がって頭を下げた。

「金子!」
「金子ちゃん。やっぱり・・・。」

「申し訳ありません。今回の事件を企てたのは全て私です・・・。」
「湯浅さん!」

「やはりそうでしたか。」
「でも何故こんなことを・・・。」

「じ、実は私宛にこんなものが届きまして・・・。」
「拝見します。」
右京は湯浅が出した封筒の中身の手紙を開いた。
そこにはワープロでこのように書かれていた。

『ユアササマ。イツモゴクロウサマデス。
コノアイダノバスジケンノコトデショウゲキテキナジジツヲミツケマシタ。
ジケンゼンジツノイチコメダヲミテクダサイ。』

「なるほど。それで見たのですね?」
「えぇ。それで映像を松村たちと見て品地家という爆弾犯が
不自然な行動を取っていたので地元警察にも言ったのですが取り合ってもらえませんでした。
ウチは松井珠理奈と松井玲奈があのバスに乗っていて未だにカウンセリングを受けています。
バスに乗るだけで気持ち悪くなるそうです。だからあの映像を見たときは驚きました。」

「確かに湯浅さん。あの事件以来AKB支配人も代行してメンバーのケアを
第一に思っていたから・・・。」

前田はバス事件直後の湯浅の行動を思い出していた。
そして、この騒ぎを起こした湯浅に同情の気持ちが芽生えているのに気づく。
70ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/12(土) 11:42:44.40 ID:rie5/oGq0
「もし、このまま放っておいていたら次はどのメンバーが狙われるか分かったものではありません。
品地家がいなくなったからといって事件は終わらない。そう思ったのです。
だからこの手紙と一緒に送られてきた品地家が作った爆弾を使ってこれを調べてもらおうと思ったのです。」


「それを松村ちゃんと金子ちゃんにも伝えたんですね?」
前田が尋ねる。

「湯浅さんがコメダの話をして私も協力しようと思いました。
私のブースを爆破したらこの動画を見た犯人が復讐すると思わせる。
そう感じたからです。」

松村が涙を堪えながら話をする。その姿を見て前田は胸が痛い。

「じゃあ金子ちゃんは・・・?」
「金子を巻き込むつもりはありませんでした。偶然話を聞かれてしまった。
ただそれだけです。本当に申し訳ないことをしたと思っています。」
「ほ、本当に・・・すみません・・・。」

前田は事件の真相を聞いてすごく胸が痛い。
確かに湯浅たちのした行為は許されることではない。
自作自演とはいえメンバーの不安や恐怖心をさらに招いた罪は大きい。
しかし、直に事件の傷に苦しむメンバーと接してどうしようもなく時間のかかるケアに
尽力した時にまだ真犯人がいると知り、目の前に爆弾を置かれたら使ってしまうのも無理がないような気もする。

「杉下さん・・・。」

右京は黙って座っていた。目の前では松村と金子が涙をしている。
湯浅も眼鏡を外し、目頭を抑えている。

それを見ながら表情を変えずに話し始める。

「あなた方がやったことは間違っています。」
71TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/12(土) 11:43:44.77 ID:mIwPHxs7i
何で早々に右京が松村香織をかおたん呼ばわりしてんだよ
72ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/12(土) 14:31:54.18 ID:rie5/oGq0
「まず湯浅さん。
あなたの訴えを聞かなかった警察に対しては警察官の一人として心からお詫びします。
しっかり聞いていればこんなことにはならなかったでしょう。
しかし、だからといってあのような爆弾騒ぎを起こしたことは決して許されるべきではありません。
あなたは支配人ではありませんか。
メンバーのことを一番に思わなければならないあなたがさらに皆さんを怖がらせる。
いえ、何より憎むべき爆弾を作動させて騒ぎを起こしたことで
あなたは品地家やこの事件を引き起こした真犯人と同じではありませんか?」

「杉下さん。湯浅さんはメンバーを思ったんです。
私があんなことを言わなければ・・・。」
「松村・・・。」

右京の言葉に反論した松村に対し、湯浅は松村の右肩に手を置いた。そして首を振る。

「松村さんも何故誰かに相談をされなかったのですか?
あなたが止めることもできたはずです。
それなのにあなたは湯浅さんの背中を押すように
自分の身を危険に晒してまでこのような暴挙に出たのです。
それは絶対にやってはいけないことです。」

「でも杉下さん。彼女たちがやらなければ事件はこのままだったんですよ。
それに手紙と爆弾を贈った人がそもそも悪いじゃないですか!」

前田は右京に反論した。自分が間違っていることは百も承知している。
だが、このまま彼女たちを見過ごすことは出来なかった。

もし、何もなければ事件は永遠の闇に葬られ、ま
た新たな事件が起きていたかもしれないのだ。
そう考えるとどうしても言っておきたかった。

「確かにこの事件がきっかけでバス事件の新たな重要事実が見えてきました。
しかし、どんな事情であっても許されない行為があります。
僕はそれを見過ごすわけにはいきません。間違いを犯せば罰せられる。
例え誰かを思った行為であっても罰を受けなくても良い理由にはなりません。」

右京は顔色を変えずにこう言い返してきた。
流石に前田もこれ以上何も言う事は出来なかった。

そして、ぐったりとする湯浅、松村、金子の姿を見て
ただ胸が締め付けられるような思いで見ているしかできなかった。
73ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/12(土) 14:35:27.28 ID:rie5/oGq0
「まさか自作自演だったとはね。」

伊丹が睨みつけるように3人を見る。

「湯浅洋さん、松村香織さん、金子栞さん。警視庁までご同行願います。」

三浦がそう言うと3人は小さく頷いて玄関前に停車してあった
日産エルグランドの覆面パトカーに乗り込む。
そして、伊丹たちが乗り込むとパトカーはサイレンを鳴らしてホテルを後にしたのであった。

「おい前田ぁ。また会ったな!」
「木島さん!」
現れたのは木島であった。

「おい何で特命の杉下警部がいるんだよ!」
「あなたはSITの木島係長ですね。あの時は大変なお手柄でした。
もし、あなたが機転を利かせていなければ大惨事になっていたでしょうからねえ。」
「それよりまた刑事部長に怒られますぜ!」
「別に気にしていません。一課の皆さんにお渡ししておりますから。」

「ところでどうしてここへ?」
前田が木島に尋ねる。

「それがよ。品川埠頭の品地家が持っていた倉庫を独自に調べてたんだよ。
そうしたらな。あの事件の時間帯にあの周辺から異常な電波が出ていたという証言が出たんだよ。」
「異常な電波って・・・。」

「とにかく、その倉庫へ行ってみましょう。」
右京がそう言うと足早にホテルを後にするのであった。
74TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/12(土) 18:12:27.73 ID:apeaC5UC0
あげ
75TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/12(土) 19:27:57.21 ID:3tLovz6cO
捕手
76TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/12(土) 19:29:20.48 ID:Uq7l36QpP
スレタイにも小説って書いておいてくれよ
開きたくないんで
77TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/12(土) 19:46:55.56 ID:YUcHQLmU0
自作自演ってwww
自分が一番よくやってるじゃん、杉上www
78TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/12(土) 20:10:29.95 ID:apeaC5UC0
いちいち荒らしてんじゃねーよ
見たくないなら消せ
つまんねぇいちゃもん書き込みこそ見たくないんで
79TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/12(土) 20:18:22.17 ID:E/Lmg26c0
ジャックが杉上という確たる証拠を出さない以上信じない
杉上アレルギーで小説スレを荒らす異常者の妄想だろう
ここでいちゃもん書く前に病院に行ったらww
80TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/12(土) 20:29:29.74 ID:YUcHQLmU0
>>79
ぐぐたす見てから病院行ってこいよ
81TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/12(土) 21:03:13.15 ID:wjXnQME00
>>80
どこにも書いてねーしww
大丈夫かお前?
82TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/12(土) 21:10:49.19 ID:YUcHQLmU0
>>81
お前杉上本人かwww
そんなにばれるのが嫌なの?www
新参者の俺カッケーって?www
83TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/12(土) 21:21:46.77 ID:WOIF24/c0
自分の反論者=杉上
相変わらず行き着く先はそれかよwww
いい加減進歩しろよ
84TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/12(土) 22:04:47.00 ID:tELm3oFK0
気に食わないのなら、スルーするか自分でもっと面白いものを書くのが大人の対応。

ゴチャゴチャ文句を言ってる輩は自分自身の幼児性と狂気性に気付けない可哀想な
人間だな。


85TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/12(土) 22:12:52.51 ID:tSxRjpvo0
>>84
全くもって同意するね
まぁ書けない奴ほどこういう幼稚な書き込みをするんだけどね
86TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/12(土) 22:14:53.04 ID:YUcHQLmU0
>>84
狂気性((ドヤッwwww

>気に食わないのなら、スルーするか
スルーできない子が何を言ってるんだろうね
87TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/13(日) 00:01:32.94 ID:4bCo7XU40
ジャックさん続きマダー?
88ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/13(日) 00:25:12.99 ID:choGOEE70
ジャックです。ようやく書き終えました。
これから更新します。皆様が起床後には完結できていると思います。
ご感想などお待ちしております。
89 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 :2012/05/13(日) 00:36:38.05 ID:vD1QxusX0
おー!楽しみです!!
90ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/13(日) 00:43:37.99 ID:choGOEE70
品川埠頭 品地家の倉庫

「うっわ!結構派手に荒れてるな。」
「仕方がないじゃないですか。ここはサバイバルゲームやってた場所なんだから。」
木島は倉庫の様子に驚いている。
前田もその雰囲気に気持ちが悪くなりそうだ。

しかし、右京だけは何くわぬ顔で歩いていく。

「こちらだけ綺麗に整理されていますねえ。」
階段を上った右京は事務室に入るなりそう呟く。
木島と前田も事務室に入ると異様に綺麗な空間に違和感をおぼえた。

「ここ最近誰かが出入したようですね。」
「確かに埃が少ないです。」
「てことはここがアジトみてぇだな。」

前田は奥の倉庫の扉を開ける。そして、ひとつのソファに目をやる。
すると何やら身に覚えのあるモノが見えた。

「杉下さん!木島さん!」
前田が二人の名を叫ぶ。二人は前田のもとへ駆けつけた。

「おい何だ!」
「コレを見てください。」

「前田さん。お手柄です。」
右京は笑みを浮かべてソファを見つめる。前田も笑みを浮かべた。
91ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/13(日) 00:44:25.03 ID:choGOEE70
東京ドームシティホール

「お疲れ様。今日もよかったよ。」
「生ちゃん凄いよね。ファンの人もすごい声援だったし。」
「いえ。まだまだ私は前田さんには及びません。」

「見逃した君たちへ」のチームA公演が終わり、
反省会を開こうとした時外からパトカーのサイレン音が聞こえた。
その音はどんどん大きくなり、ホールの前でサイレンは消えた。

外を見ると多数のパトカーが停車しているのが見えた。

「え?何で警察が?」
「ドンキで何かあったのかな?」

突然のことでメンバーはざわついていた。
そして、控室からノックの音が聞こえて岩佐美咲がドアを開けると
立っていたのは右京と前田であった。

「あっちゃん!」
「前田さん!」

突然刑事や警察官を伴ってやってきた前田に全員が戸惑いを見せる。
すると他のメンバーたち控室に入ってきた。

「え?何これ?」
「前田さん。どうして・・・?」

「みんな聞いて。これからあのバス爆破事件の真相を明らかにする。
この事件はまだ終わっていないの。」
92ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/13(日) 00:45:59.96 ID:choGOEE70
「ちょっと終わってないって犯人は品地家っていうヲタじゃないの?」
「もう解決したって言ったじゃない!」

「確かに。爆弾を作り、仕掛けたのは品地家よ。
でも、この爆弾事件を起こしたのは全く別の人物なの。」

前田の発言に全員がざわついた。あの事件の犯人が別にいる。
既に忘れようとしていたメンバーの記憶が蘇る。

「みんな嫌な記憶を呼び起こしてごめん。
でも、この真実を明らかにしなければ終わらない
。だから辛いし嫌だろうけど聞いて。」

「みんな。あっちゃんの話を最後まで聞こう。
確かに忘れたい記憶だけどこれを乗り越えなければ私たちは変われない。
あの事件の真相を知ること。今の私たちが大事なのはこのことだよ。」
高橋の一言で全員が黙り込む。そして、全員が前田の方を向いた。

「ここじゃ辛いだろうからみんなホールへ行こう。」

前田がそう言うと静かに外へ出た。
93ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/13(日) 00:47:16.85 ID:choGOEE70
「じゃあまずはこれを見て。」
前田はそう言うとスクリーンに1コメダの映像が流れる。そして、例の品地家の写った部分で映像を停止させた。

「これは?」
「そう。品地家が前日にこの品川埠頭にいた証拠映像よ。この映像によりある矛盾が生じてきたわ。」
「矛盾?」
「これを見て。
品地家は前日に大きなケースを持っているけどその後には何もない。
つまりこの時に何かを運んでいたことになるわ。」

前田の話に右京がさらに入っていく。

「補足しますと品地家は当日自宅にいました。
そこで色々なことをやっていた。それならば何故前日にこの場で目撃されているのでしょうか?
そう、これは第三者の関与も疑われるような映像です。」

「でも、それだけじゃ分からないじゃない?」
小嶋が疑問を投げかける。それに皆同調する。

「確かに。しかし、この後調べてみましたらしっかりと証拠が出てきました。
あの爆弾事件で前田さんを誘導する電話をしていたのは恐らく品地家が
サバイバルゲームを主催するために借りていた品川埠頭の倉庫です。
事件当日周辺の工場や倉庫からGPSシステムや無線が傍受できない通信障害が発生していました。
調べてみますとあの倉庫付近から相当強い電波が流れていたそうです。
さすがに短時間であったことから通報されるには至らなかったようですがね。」

「でも一体誰がそんなことを・・・?」
「犯人はこの中にいる。そして、爆弾事件を起こした真犯人は・・・。」

前田は人呼吸おいた後に右手でその人物を指した。
94ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/13(日) 00:49:44.44 ID:choGOEE70
「あなたよね。生田ちゃん。」
前田は生田を指すと全員が驚きを見せる。

「うそ、何で・・・。」
「生ちゃんが真犯人!?」

「みんな静かにして!」
前田はざわついた雰囲気のなか声を荒げる。

そして再びホール内は静寂に包まれる。

「私が?前田さん。冗談がキツすぎますよ。何ですか?
乃木坂でうまくできないから八つ当たりですか?」
生田は笑みを浮かべながら前田を見つめる。

「八つ当たりならこんなことしないわ。
ちゃんと立派な証拠を持って言ってるの。
そして、犯行はあなただけじゃない。乃木坂メンバーもよ。
そうよね、みんな。」

前田がそう言うとステージ上に乃木坂メンバーが出てきた。
それを見た生田はその光景に動揺した。

「ちょっと、みんな!」

「ごめん。生ちゃん。」
「もういいよ。これ以上は隠せないよ。」

乃木坂メンバーは既に自白をしたようだ。
それを見た生田はすぐに笑みを浮かべてこう言い放った。

「あなた達には残念ね。私は止めたのに。
それで、私に罪をなすりつけようっていうの?」

「いいえ。生田さん。ちゃんと証拠があるのですよ。」
右京は生田の前に立って言った。
95ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/13(日) 00:52:28.23 ID:choGOEE70
「へぇ〜。それは何ですか?」
生田が笑みを浮かべながら席に座り、足と腕を組む。

右京は胸ポケットから証拠保全袋を取り出して見せた。

「コレです。」
右京が見せたのは毛髪であった。それを見た生田は愕然とした。

「そうです。これは、品地家が借りていた倉庫の事務所の倉庫にあったソファから採取したものです。
あの場所が特定されないと思ったのかそのままにしたのでしょうが迂闊でしたねえ。」
「それが私のだという証拠がどこにあるのよ!」
「確かに。まだDNAを照合しておりませんからね。
しかし、髪から微かな臭いがしました。調べてみたら特殊なトリートメントでした。
これは主に頭皮湿疹を防ぐ成分が含まれており、
乃木坂メンバーではあなたしか使っていないことが判明しました。
成分値も一致しております。」

「だったら何よ。あいつらが私に罪を着せるために置いたものじゃないの?」
全く悪びれる様子もない生田についに前田は生田のもとへ行くと頬を叩く。

「ちょっと!何するのよ!」
生田は激高して立ち上がる。

「いい加減にして!」
前田は生田を睨みつけた。
96ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/13(日) 00:54:11.08 ID:choGOEE70
「乃木坂のメンバーがどんな思いであなたの罪を告白したと思ってるの?
最初はあなたを庇ったのよ。でもね。あなたがこのままじゃいけない。
そう思って泣きながら話してくれたの。それなのにあなたは何なの!
自分の罪から逃げてメンバーたちが自分に罪をなすりつけてるって!
本気でそう思っているの?あなたは何の為に乃木坂にいたの?
メンバーたちを信じていたからこんな事件を起こしたんじゃないの?」

前田が真剣に怒っている。それを見たメンバーたちは驚きを隠せなかった。

「私は決して仲間を自分の為に売ったりしない。
それはAKBだって乃木坂だって変わらない。確かに乃木坂では辛かった。
メンバーから厳しい言葉を言われ、世間ではあることないことを言われたわ。
前田は地に堕ちたってね。だからといって私は逃げない。
地に堕ちたならまた這い上がるわ。AKBだって最初はどん底よ。
寒い街中で怪しまれたり罵声を浴びせられながらチラシを配ったし、
誰もいない時もステージで踊った。
売れてからもゴリ推しとか色々なことを言われた。
でもそれを乗り越えてやってきたつもり。
あなたみたいに世間のせいにしてこんな爆弾を仕掛けて何かを変えようなんて思わない。
だって、こんなことでは何も変わらないもの。
大きな敵を消しても生まれるのは新たな敵だけ。
自分たちが変わらなければ結局敵に怯えるだけで本当のアイドルになんかなれないの。
あなたは負けたのよ。自分自身の弱さに。
あなたは本当の敵を見失っていたのよ。」

前田の言葉に誰もが胸を痛める。
普段人見知りで自分を出さない前田がそんなことを思っていたのか。
前田の本音を聞けたメンバーは次々に涙を流す。

「もう生ちゃん。正直に話そうよ。」
「そうだよ。私たちは仲間じゃなかったの?」

乃木坂のメンバーも涙を流しながら生田の方を向く。

すると生田は立ち上がり、全員を見渡した。

「ウフフ・・・。アハハハハハハハハハハハ!!!!!!!」

生田が突然高笑いをはじめた。
97ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/13(日) 00:55:34.50 ID:choGOEE70
「何がおかしいの!」
前田が生田に怒鳴る。だが、生田は笑みを浮かべて話す。

「メンバーの為?チームの為?そんなわけないじゃん。
私はトップアイドルになりたい。それが乃木坂では不足だって思ったの。
それでまずはあの爆弾でAKBの主力を欠かせればチャンスはあると思った。
それは最終的に失敗したけどでも、私はAKBのチームAのセンター。
そう、あなたのポジションに立つことができた。
そこから飛躍するつもりだったのに・・・。何よコレ。
乃木坂だって私のおかげで残れたんじゃない!でなきゃとっくにお払い箱よ!
それなのに私を売りやがって!」

「そんなことで爆弾を?」
「そう。全て品地家のせいにしておけば全て解決だったのに・・・。
もう全て終わりよ。」

生田はそう言うと隠し持ったナイフを出そうとした。
そこへ右京が右手を抑えてナイフは生田の手から落ちた。

「何なのよ!やめて!」

「そうやってまたお逃げになるつもりですか?」
「は?」

「あなたは結局ご自分で何も努力をしていないではありませんか。
トップに立つためにあなたは卑劣にも爆弾を用いて排除しようとなさった。
そして、それが明るみに出たら死を持って責任から逃れようとする。
まさに卑劣そのものではありませんか!」

右京の一言で生田は抵抗を止める。

右京が手を放した瞬間に生田は制止を振り切って外へ出て逃亡を図った。
98ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/13(日) 01:00:35.12 ID:choGOEE70
ホール内の倉庫へ逃げてきた生田はスマートフォンを取り出してどこかに電話を掛ける。

「もしもし。すみません。いえ。私ではありません。私は何も。ただ少々邪魔が入ってしまったのです。
何とかしてくださいませんか?

そ、そんな!私はあなたの為にこれまでやって来たんですよ。それを今更・・・。
ちょっ・・・ちょっと待ってください!」

電話が切れると生田は怒りのあまり置いてあったパイプ椅子を蹴り上げた。

何故?

自分はここまで尽くしてきたのに。

全てはセンターになる為、日本一のアイドルになる為。

その為のステップアップとしてやってきたはずだった。
それなのにこうなればいとも簡単に捨てられてしまうのか。
生田は頭がグチャグチャで冷静に立ち振舞うことができない。

「生田ちゃん。」
倉庫にやって来たのは渡辺であった。
「渡辺さん。どういうことですか?」
「まぁあのお方も大変苦労なされたけどこればっかりは・・・。」
「そんな。どうにかしてください!私がどれだけのリスクを背負ってこれをやったと思ってるんですか!?」

生田は涙を流しながら渡辺の両肩を持ち、助けを懇願していた。
そんな生田を冷たい視線で見つめる。

「生田ちゃん。今までありがとう。」
渡辺はそう言うと生田の首筋に注射を刺した。
薬剤が体内に入り込むと同時に生田は意識を失っていった。

それを確認した渡辺はスマートフォンを取り出して電話を掛ける。

「もしもし。えぇ、全て完了しました。あとはよろしくお願いします。」

渡辺は笑みを浮かべてその場を後にした。
99ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/13(日) 01:04:00.22 ID:choGOEE70
1ヶ月後

あの日すぐに生田絵梨花は発見され、検挙された。
しかし、その時の記憶が全くなく、心神喪失で不起訴処分となった。
現在生田は国立精神疾患特別保養所に収容されているそうだ。
それに配慮してか運営は、生田のことは精神的障害を抱えたことによる卒業という形で発表した。

乃木坂メンバーも結局証拠不十分により不起訴となった。
バス事件は結局生田と品地家による犯行と報じられ、
それを明らかにするために湯浅支配人とSKEメンバー2人が逮捕されるという形で幕を閉じた。

前田は生田の代わりに復帰するよう秋元康から求められたが拒否した。
前田はAKBのメンバーではなく、乃木坂のメンバーであるとして
これからも乃木坂46で頑張っていく決意を示した。
それには誰もが驚いていたが、前田の意思は固かった。

あれから新生乃木坂46のライブは延期された。
いよいよ初日を迎える。

このような事件に関与したことは遺憾でメンバー全員は卒業も考えたが
止めたのは前田であった。

その責任はステージの上で踊ること、

ファンの前で最高のパフォーマンスをすることで償うべきであると。

メンバーは前田についていくと決心した。

生田の後任としてチームAのセンターに生駒が就くことになった。
生駒のチームA公演はまた新たなAKBの歴史を刻むに相応しいものであった。

その一方で突然発表されたのは渡辺麻友の卒業であった。
突然のことでこれはファンのみならず関係者までが驚く事態であった。
そして発表した公演の直後、渡辺は姿を消してしまい、
それ以降は何事もなかったかのように報道されなくなった。
100ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/13(日) 01:12:54.76 ID:choGOEE70
警察庁

警察庁庁舎内の一室の椅子に腰掛けるのは
元警視庁副総監で現在は警察庁長官官房付の長谷川宗男であった。

そしてソファに腰掛けているのは何故か警察庁の制服を着た渡辺麻友である。

「いや、ここまでうまくいくとは思いませんでしたな。」
「それもこれも長谷川さんのおかげっすよ。」
「まさかあなた自らが潜入なさるとは実に大胆不敵なことをなされる。
それでいて本業も手抜かりなく行うとはあなたは天才ですよ。」

「こう見えても一応公安畑にいたもんっすから。それよりこれでいいですか?」
「ええ。これでいくら頭の悪い政治家もさすがに重い腰を上げないわけにはいかないでしょうし、
そして何より財務省の役人どももこれで公安費用を増額してくれるでしょう。
トップアイドルがこれ程テロの危険に晒されたわけですから。」

長谷川と渡辺が談笑するなか部屋に入ってきたのは生駒であった。

「生駒君。ご苦労だったね。」

「長谷川さん。この度はありがとうございました。」

「いや。これで君が実質のAKBのトップだ。これからも頼んだぞ。
チヨダの優秀潜入捜査官の生駒里奈警部補。」
そう、生駒は警察庁警備局警備企画課に属する公安警察通称チヨダの潜入捜査官であった。

「えぇ。長谷川さんのご期待に添えるように頑張ります。
それにしても見事でしたね。」

「いや。全てはここにおられる宇佐しじみ警察庁首席監察官の知恵だ。
私は命令に従ったまでだ。」

そう、渡辺麻友の正体は警察庁長官官房首席監察官宇佐しじみであった。

「じゃあ宇佐監察官。戻る際にはそれなりの待遇を。」
「私はかなりのリスクを負いましたからね。
それなりの評価をお願いしますよ。」
生駒と長谷川は宇佐にポストの確約を頼み込む。

「ええ。生駒警部補は予想以上の活躍でした。チヨダも優秀ですね。
お二人の処遇はそれなりに考えさせてもらいます。」

「それにしても監察官。何故辞められたのですか?かなりの人気でしたのに。」
長谷川が宇佐に尋ねる。

「私ももう38です。二足の草鞋には限界を感じた。ただそれだけっすよ。」

その一室には3人の高笑いが響いた。
101ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/13(日) 01:15:25.14 ID:choGOEE70
代々木第一体育館前

「みんな。どんなことを言われても絶対に笑顔を絶やさないこと。
誠心誠意で謝って来てくださるファンが納得する最高のパフォーマンスにしましょう。」

前田が円陣を組んでメンバーに伝える。
メンバーの皆は「はいっ!」と言って目を光らせている。

AKBのときは円陣中に携帯電話をいじった時期もあった。
でも、乃木坂にやってきて円陣の大事さに気づいた。

そして一度は殺そうと思っていたはずの少女たちが今では自分の言うことに
耳を傾けてくれる。それだけで嬉しかった。

「おやおや。皆さんとても素敵な笑顔ですね。」
「杉下さん!木島さん!」

目の前に現れたのは右京と木島だった。

「あの時は本当にありがとうございました。そしてすみませんでした!」
前田と乃木坂メンバーは2人に頭を下げる。

「お、おい俺らに頭下げてどーすんだよ!」
「木島さんの言う通りです。
謝罪はステージでファンのみなさんに言うべきです。」

「そうですよね。」

「ところでぐるぐるカーテンの衣装ですか。
まるで生田さんを思い浮かべますね。」
右京は前田の衣装を見てそう言った。

「ええ。でも生田ちゃんの分までしっかりやらないといけない。
彼女も乃木坂にいたのですから。」

「AKBに戻れって言われたんだろ?何で戻らなかったんだよ?」
木島が前田に尋ねる。

「一度乃木坂のメンバーとして入ったからには彼女たちを栄光の道へ導きたい。
それが私に出来ることだと思ったからです。
それに彼女たちを見捨てて戻るなんて私には出来ません。
もし私が戻れば乃木坂は解散だったんです。
そんなこと絶対させたくなかった。だから私はここにいるんです。」
102ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/13(日) 01:16:56.60 ID:choGOEE70
「やはりそうでしたか。
僕もあなたが一度持った仲間を簡単に見捨てるようなことは絶対になさらない。
そんな方だと思っていましたよ。」

「さすが杉下さん。やっぱり凄いなぁ。」

「いえ。僕こそあなたを尊敬します。
人の為に体を張って危険に挑み、あえて茨の道へ突き進む。
僕には到底真似できそうにありません。」
右京の一言に前田は笑みを浮かべる。

「終わったんですね。」
「ええ。事件は終わりました。」

「だがな。まだ終わっちゃいねーんだよ!」

「え?」

「ここから始まるんだろ?新生前田敦子のな!」

「木島さんに先に言われてしまいましたねえ。」
「細かいこと気にしなくていいじゃないっすか警部!」
「細かいところまで気になってしまう。僕の悪い癖。」

「確かに・・・。」

乃木坂メンバーと右京、木島は思わず笑いが出た。
それはまるで快晴の空の如く澄んだ雰囲気を漂わせていた。

「乃木坂メンバーのみなさんそろそろお願いします。」
スタッフが声を掛ける。

「そろそろ行きましょうか。」
右京がそう言うと体育館の方へ歩き出す。








「こんにちは!乃木坂46です!」

ステージに笑顔で立つ前田敦子。

ここで事件の終わりと新たな人生の始まりの幕開けである。

相棒 劇場版 サウンドトラック 『auf Wiedersehen』(さようなら)

Fin(完)
103TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/13(日) 01:18:29.05 ID:fhq7VC6B0
乙んつん
104ジャック ◆jPpg5.obl6 :2012/05/13(日) 01:19:37.79 ID:choGOEE70
以上で終わりです。いかがだったでしょうか?
もしかしたら続きが・・・なんてこともあるかもしれませんね(笑)

これでスレッドによる活動は終わりです。僕の作品を見たい方は是非ブログをご覧ください。
前作と今作はブログでも掲載します。

それではブログでお会いしましょう。ジャックでした。

http://ameblo.jp/akb48-novel-lab/
105TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/13(日) 01:41:34.61 ID:ciKgQdtk0
お疲れ
いやぁまさかこういう展開とはね
ブログ楽しみにしてるぜ
106 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 :2012/05/13(日) 01:46:08.91 ID:vD1QxusX0
誰か頭の悪い自分に教えて〜
まゆゆはイイもん?悪もん?どっち??
107TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/13(日) 01:47:43.88 ID:ciKgQdtk0
>>106
イイもんとは言い難いが警察官僚だからな
まぁズル賢いエリート官僚ってところだ
108TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/13(日) 01:52:35.09 ID:gd5EjmyE0

まとめんばーに載ったら読むわ
109 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 :2012/05/13(日) 01:53:00.66 ID:vD1QxusX0
>>107
テロの黒幕がまゆゆって事なん??
110TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/13(日) 01:59:15.03 ID:gd5EjmyE0
>>109
まゆゆ、生駒、長谷川が黒幕ってことだろ?
111 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 :2012/05/13(日) 02:18:20.48 ID:vD1QxusX0
>>110
読んだの??
112TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/13(日) 07:14:28.36 ID:ZJGC4SXTO
まゆゆは38歳だったの?
113TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/13(日) 08:38:39.46 ID:gd5EjmyE0
まゆゆのは「さばドル」の引用だな
冴えない公立高校教師が警察庁幹部と設定変えてるだけ
114TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/13(日) 10:20:18.99 ID:JCZ0TgAf0
」の前に句読点は不要だよ。
115TATESUGI値調整議論中@自治スレ:2012/05/13(日) 11:03:24.21 ID:ZJGC4SXTO
まゆゆ達の目的は何だったの?
116TATESUGI値調整議論中@自治スレ
>>104
いやいや、まだまだ続編考えているでしょ?



次は倉石あたりを期待。