1 :
名無しさん@お腹いっぱい。:
ピージャンジャンジャラジャジャジャダン
「わああああああああああああああああああああ」
ステージのモニターに一位の文字が浮かび上がる
そこには”ヘビーローテーション”と記されていた
「1、2、1234!!!」
おなじみの掛け声と共にメロディーが流れ始める
真ん中の一番前で踊る大島の姿を彼女は見つめていた
AKBの楽曲の中で唯一他人の背中がそこにある
大島にとっても彼女にとっても特別な曲
「負けちゃった…」
彼女は小さくそう呟いていつものように踊った
前田敦子、二十歳
AKB48の押しも押されぬ絶対エース
人生二度目の敗北を喫したその時、まだ彼女は知る由もなかった
自らの身に起こる奇妙な出来事と数奇な運命を
2 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/27(火) 18:28:31.46 ID:OqmLD8uq0
__ ___ ___ ___
__l l__,へ、 │ │ __ { { } }
l l、 ヘ.┌─┘ レ´ `ヽ、 { { } }
└─┐ l====゙ヽ_ l.l___ ,.;-‐-、 ヽ { しヘ } }
,/ ̄ ヽ´ / r´ } } { ゝ } }
/ ,-┐ l ̄`ヽ } / │ ノ } ヽ、_ノ 丿 }
{ ヽJ l__ノ / ヽ、/l l___ノ 丿 ___ノ ノ
ヽ、__ノヽ、__ノ L_lヽ、___/ ヽ、____ノ
3 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/27(火) 18:32:42.01 ID:BMRK3ttP0
「聴いてください、ギブミーファイブ」
ドラムの柏木がスティックでテンポをとる
1,2,1234の合図で一斉に演奏が始まる
この日がファンに見せる初めての生演奏だった
「友よ〜思い出より〜輝いてる〜」
いつもと同じように真ん中に立つ前田
この景色はよく知っていた
目の前には観客以外にいない
しかし彼女の脳裏にこびりついていたのは大島の背中がそこにある光景
「まだ〜言えなかった〜ありがとうを〜ハイタッチで〜」
大歓声と拍手喝采のうちに幕は閉じた
正直なところ上手いとはお世辞でもいえない
それは彼女たちも自覚していた
しかし仕事多忙な中、懸命に練習した彼女たちの姿に賞賛の念が送られた
4 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/27(火) 18:34:22.25 ID:KNkmyZb8O
もしドラって言って欲しいんだろ?
5 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/27(火) 18:43:11.44 ID:BMRK3ttP0
「ふーっ…もっと練習しないとなぁ」
ライブを終えた前田は楽屋へと戻っていた
約半年肌身離さず身につけていたギターを肩からかけて
「写真集の撮影にコンサート、いろいろ忙しくなるなぁ〜」
ドアノブに手をかける
扉を開き中に入った
椅子に腰掛け愛用のギターをケースにしまう
「いい演奏だったね」
ケースに戻していた手が止まる
背後から聞いたことのない声
危険が過る
暴徒と化したファンが楽屋に襲来したのかと
「きゃっ…」
悲鳴を上げようとしたその時
前田の思考は止まった
振り向いたそこにいたのは見たことも聞いたこともない異形の生物
「怪しい者じゃないよ、ぼくドラえもん」
6 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/27(火) 18:52:18.81 ID:BMRK3ttP0
前田は考えた、否考えることをやめた
目の前には青いまん丸の物体
手足も丸くそれはまるで青い狸のようだった
「驚かしてごめんね、ぼくドラえもん」
てくてくと近づいてくる
まるでその足では歩けるとは思えないが確かにそれは歩いていた
遠くからでも感じたがそれは思いのほか小さかった
「どうしたの?前田敦子さん、ぼくドラえもん」
手を伸ばせば触れられる距離まで縮まっていた
しかし前田はピクリとも動けなかった
それに触れてもいいものなのか逃げたほうがいいのか
多すぎる選択肢に完全に思考はパンクしていたからだ
なぜだかはわからない
確証も保証もなかった
今思えばこれも運命だったのかもしれない
他の選択肢ではなかったことが
「あなたの名前は?」
「ぼくドラえもん」
7 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/27(火) 18:53:06.75 ID:BMRK3ttP0
8 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/27(火) 21:49:46.20 ID:axDwegBY0
ぼくドラえもん連発ワロタwwwww
9 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/27(火) 22:01:31.24 ID:0HnHh23NO
「ドラえもん…?」
「うん、ぼくドラえもん」
青いそれは言った
一体何なのかわからない前田は訊ねた
「な、何者なの…」
「21世紀から来た猫型ロボットです」
「ロボット………でも21世紀って…」
「違う次元の21世紀です。この次元より遥かに優れた技術の世界から来ました」
にわかには信じがたい言葉だった
しかし信じるも信じないも目の前の現実が物語っていた
「ドラえもん…あなたは一体なぜここに…?」
前田は恐る恐る訊ねた
「前田さん。あなたには伝えなければいけないことがあるのです」
「伝えなければいけないこと?」
「はい」
ドラえもんは間を少し空けた
前田もまた固唾を飲んでいた
「前田さん。あなたにはAKB48を卒業してもらわなければいけない」
10 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/27(火) 22:11:43.85 ID:0HnHh23NO
またも頭が混乱する
いきなり現れいきなり何を言い出すのかと思えば突拍子もない言葉
まだ全く考えたこともなかった単語
「卒業…?」
「ええ、卒業です。正確には卒業せざる負えないというこどですが」
「卒業せざる負えないって一体…」
突然すぎる言葉に前田は信用することはなかった
否、元より信用する気もさらさらなかった
考えてみれば只の青い変質者なのだから
「とあるバグによって前田さんはこの次元では存在が保てなくなります」
前田は馬鹿馬鹿しいというように鼻で笑って見せた
「まあ、信じられないのも無理はありません」
ドラえもんは腕を組むと前田の周りをゆっくりと歩き始めた
「あなたは確かにセンターとして輝いている。しかしそれがあまりにも強すぎるのですよ」
「強すぎる?」
11 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/27(火) 22:13:02.77 ID:axDwegBY0
ドラえもんが丁寧語とかwwww
12 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/27(火) 22:16:55.67 ID:C5ZFzDh4I
なんか もぐろうさんチックなドラえもんだなw
13 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/27(火) 22:22:46.65 ID:xBY3OlWA0
なんかドラえもんにまつわる怖い話思い出した
戦争?が始まって敵のリーダー出木杉にドラえもんがさらわれるとか何とか…
14 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/27(火) 22:23:47.24 ID:0HnHh23NO
「そう。センターとしての資質があるが故にあなたは存在そのものが危うくなっているのです」
ドラえもんの言葉がまるで不思議だった
なぜかその身を案じてくれているかのような物言いだったからである
「嫌でもその内わかるさ」
そして最後に呟いたドラえもんの一言が妙に心に刺さった
するとドラえもんは腹に取りつけられたポケットから扉のようなものを取り出す
小さなそこからその扉が出現したのも驚いたのだが何よりもその扉にこそ驚かされた
「じゃあね。また会おう」
できれば会いたくない
そう心の中を過ったがそれを言葉に表す前に消えた
扉の向こう側へと消えていったのだ
扉が閉まるとその扉も消えた
そして部屋には前田一人だけになった
まるで夢の中にいたかのような体験
結局あれが何だったのかも一体何が起きようとしているのかもわからない
ただひとつわかることそれはこれが夢ではないということだけだった
15 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/27(火) 23:08:24.02 ID:0HnHh23NO
今日はここまでです
また明日書きます
流れ速いからすぐ落ちそう
16 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/28(水) 00:05:10.92 ID:C5ZFzDh4I
あげ
17 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/28(水) 05:54:14.08 ID:1d/dqYRPO
あげ
18 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/28(水) 09:07:40.93 ID:9tQ+w/T7O
ー翌日ー
「あれは一体何だったんだろ…」
目が覚めた
布団から体を起こした前田はいつも通りの朝だった
もしかしたら本当に夢だったのかもしれない
疲れも溜まっている
体だけは壊さないようにしないとな、と思いながら前田は立ち上がった
「はぁーっ…仕事仕事、仕事に行く準備しなきゃ」
トーストにパンを入れた
やきあがるまで椅子に腰かけた
「おはよう」
前田は一人暮らしだ
だから朝一番に挨拶をするのはメンバーかスタッフかである
「おはよう。前田さん」
朝はあまり機嫌がよろしくない
眠いということもあるが朝ごはんをゆっくりと食べる時間もないからだ
目をこすり無理矢理眠気を覚ました
「え…?」
顔を上げる
まさかとは思ったがやはりそうだった
「おはよう。ぼくドラえもん」
19 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/28(水) 09:35:18.80 ID:9tQ+w/T7O
前田の眠気は吹き飛んだ
目を見開きもう一度見直す
そこにいたのはやはり昨夜の青い物体だった
確かその名前は
「ぼくドラえもん」
「ド、ドラえもん…どうしてここに…?」
当然の質問を投げかけた
「言っただろ?あなたには存在の危機が迫っていると」
言い返すことはなかったがいきなり現れるのは勘弁してほしいと思った
「まさか仕事にまで着いてくる気じゃ」
「勿論ね。でも歴史を変えるわけにはいかないから姿は隠させてもらうけどね」
「へ、へぇ…」
意味はわからなかったがとにかく大変なことなのだということはわかった
そんなことを考えている内にトーストの焼けた音が聞こえた
急いで食べると支度をすませ家を出た
20 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/28(水) 09:40:28.78 ID:3zghTX1pO
あげ
21 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/28(水) 09:51:13.57 ID:zl10LRrlO
ドラえもんの口調に違和感。
とりあえず漫画を5巻分読むか、アニメを10話分見て、書き直してこい。
22 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/28(水) 09:54:18.59 ID:9tQ+w/T7O
「ああやって着いてくるのね」
迎えにきたマネージャーの車に乗り込んだ
目的地へと走る窓から前田は空を見上げた
そこには頭に竹飛行機のようなものを乗せたドラえもんの姿があった
「誰かにバレないのかな」
「え?何だって?」
「いや、なんでもないです」
危ない危ないと思いながら談笑する
仕事関係者といえどドラえもんのことは黙っておいたほうがよいなと心に決めた
いくら知人といえど頭がおかしくなったとは思われたくないからだ
「ありがとうごさいましたー」
到着すると前田は車から降りた
いつの間にかドラえもんの姿を見失っていたが気にも止めず収録へと向かった
そしてまだこの時は知らなかったのである
何が待ち構えているのかもそして卒業に至るための序章であることも
23 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/28(水) 10:01:12.02 ID:1ekduHzUO
ドラえもんは押し入れにポスター貼ってるアイドルオタクだからな
24 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/28(水) 10:13:16.13 ID:9tQ+w/T7O
「MS−903が前田敦子に接触したようだ」
「そうか。奴が動いたということは少々厄介になるな」
闇に紛れた幾人かの影
隠された正体は裏で蠢く陰謀を物語る
「可変させることも仕方ない」
「えぇ、私たちがやらなければいけない」
「歴史を変えるために」
25 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/28(水) 10:18:08.20 ID:9tQ+w/T7O
>>21 すみません
物語の中で修正させていきます
26 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/28(水) 10:28:12.73 ID:yUGH8BhpO
>>9 とりあえず、ドラえもんは22世紀なんだけどね
27 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/28(水) 10:35:49.00 ID:TJUwklu6O
>トーストにパンをいれた
流石前田敦子、ただの大食いである
28 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/28(水) 15:13:47.34 ID:9tQ+w/T7O
ほ
29 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/28(水) 15:25:30.63 ID:DPr4MErK0
今までの口調のままでいいと思うよ
30 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/28(水) 16:25:07.47 ID:9tQ+w/T7O
31 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/28(水) 16:29:29.72 ID:yodzNVqcO
トーストにパンをいれた ワロタw
32 :
(^ω^)& ◆AdlGaFqE2g :2012/03/28(水) 16:48:40.37 ID:gViKiNEo0
>>1 どんなこと言われても折れるなよ
私は折れてしまった・・・
応援してる
33 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/28(水) 17:02:00.53 ID:9tQ+w/T7O
ワーキャーワーキャーザワザワワーキャーワーキャーザワザワ
「はい、オッケーです」
収録が休憩に入る
前田は一人楽屋へと戻った
存在そのものが危うくなっている
脳裏を過る
考えることが多すぎた
「はぁ…」
ため息をついた
お茶を一杯飲み一息つくと再び収録現場へと戻るために立ち上がった
扉に手をかけ開く
「え…ここは…」
前田の目に広がってきたのは駐車場の景色
それはありえることのない光景だった
「あなたが前田敦子さんですね?」
一人の男が前田に話しかける
そちらに気を逸らした間に扉は消えていた
そのことにも驚きを隠せなかったがそれよりも遥かに驚かざる負えない事態が起こっていた
「そう。強ばることはありません」
「あ、あなたは…だれ…?」
「のび、野比のび太」
34 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/28(水) 17:17:02.16 ID:9tQ+w/T7O
「野比のび太…?」
前田は首を傾げた
その姿を見つめ野比はクスッと微笑んだ
「今はまだ知らなくても仕方ありません。直に嫌でも覚える名ですが」
野比の言葉が意味深であることはわかったが前田にはそれが何を意味するのか理解できるはずもなかった
「とりあえずあなたには僕たちと一緒についてきてもらいます」
野比の声が低くなる
先ほどまでの優しい眼差しとは打って代わり真剣で鋭い眼差しへと変貌した
スッと野比が手を上げると同じ黒ずくめの男たちが前田を囲んだ
「………ッ!?」
不穏な気配を前田は察する
「ジャイアン、スネ夫。女の子だ、お手やらかに頼むよ」
「わかってる」
前田を囲む二人の男が頷いた
少しずつ前田への距離を詰める
刹那、魔の手が前田を襲った
ジャイ子
の続編が観たかったぞ
36 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/28(水) 18:10:25.98 ID:+tIkgSi20
のび太凛々し過ぎワロタwwwww
37 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/28(水) 18:16:58.49 ID:gPYcPUITO
ドラえもんのせいで因果率が高まって前田敦子が最強のセンターになるんだろ?
最終的に宇宙に存在するアイドルの概念を書き換えるんだろ?
38 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/28(水) 19:12:48.97 ID:xHrJxdI40
>>32 ありがとうございます
完結に向けがんばります
39 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/28(水) 19:21:15.81 ID:xHrJxdI40
前田は事の事態がわからなかった
だがしかし忍び寄る魔の手
屈強な男が襲い掛かるその瞬間、前田は目を閉じた
「ぐわぁっ」
次に聞こえてきたのは男の悲鳴だった
前田は恐る恐る目を開く
そこには襲い掛かろうとしていた男がうろたえていた
「間に合ってよかった」
それは昨日会ったばかりだがもう聞きなれた声
テクテクという特殊な足音
「ドラえもん!!!」
猫型ロボットがそこにはいた
「ドラえもん…」
「のび太君」
二つの視線が交わる
それは切っても切れぬ因果の鎖
40 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/28(水) 19:31:04.08 ID:xHrJxdI40
「ドラえもん…また邪魔をするのか」
うろたえた男が言った
いきり立つその姿にのび太は静かに制した
「逸るなよ、ジャイアン。あれは手ごわい」
そう言うとのび太は一歩前に出た
視線はドラえもんへと一直線に伸びていた
「未来を変えるためには過去を変えなければいけない、そうだろドラえもん」
「それは極めて小さな利益しか生まれない私欲だ」
「違う。退廃した未来は時間軸域でなければ変わらない」
ドラえもんはもうそれ以上何も発しなかった
のび太もまたそこからは押し黙った
「言葉ではもう解決できない、か」
のび太は拳銃を構えた
41 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/28(水) 19:41:07.25 ID:xHrJxdI40
「え?え?」
前田は困惑していた
状況が把握できないことは当然だった
「前田さん。ぼくの後ろに」
ドラえもんの言うがままにそそくさと背後に隠れる
のび太の向けた拳銃に対抗するようにドラえもんの手にも銃口が填められていた
「行くぞ」
のび太がそう呟くのを合図に脇にいたジャイアンとスネ夫が動く
引かれた引き金の先から放たれた光線がドラえもんへと向かう
ドラえもんもほぼ同時に銃口から放った
二人の中点でぶつかりあったそれは眩い光を放ち火花を起こす
しかしその瞬間にドラえもんの懐にはジャイアンが迫っていた
「ドラえもん!!」
前田が叫んだときにはすでにドラえもんの腹にジャイアンの拳が突き刺さっていた
42 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/28(水) 19:50:49.60 ID:xHrJxdI40
「ぐっ…」
嗚咽と共に吹き飛ぶドラえもん
止まっている車に激しくぶつかった
「まだだ!」
項垂れるドラえもんにスネ夫が飛びかかる
両手に握ったナイフで斬りかかる
「ぬんッ!!!!」
スネ夫の一閃は空を切る
上空へと跳ね上がったドラえもんは一瞬にしてスネ夫の背後へと回りこんだ
そして一発撃ち込む
「ぐわっ」
スネ夫は大きく跳ねると三台先の車まで吹き飛んだ
しかしこれは2対1
ジャイアンの動きは止まらなかった
「邪ッッッ!!!」
まるで大砲を喰らったかのようにドラえもんの体はスネ夫と同じように吹き飛んだ
43 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/28(水) 20:12:01.48 ID:xHrJxdI40
「彼らは対MSロボの訓練を受けている。そう簡単にはやられないだろう」
のび太が囁いた
気づくと前田の横に彼はいた
「そ、そんなに私が重要なんですか…?」
のび太は戦う三人に目を向けたまま口を開いた
「別に君じゃなくてもいいんだよ。ただ歴史を変えられるだけの器か否か」
「私なんか…」
「いや、君は自分で思っている以上に力を持っているんだよ」
「私をどうしようと…?」
「近い未来、君はSSAのコンサートで卒業を発表する」
「ドラえもんから聞きました」
「それを僕達は阻止する」
前田はそちらのほうがいいと思った
正直卒業なんてしたくない
ずっとこのままAKBでいたいからだ
「それなら大丈夫ですよ。私だって卒業したくないし」
「そんなに簡単なことじゃないんだ。時間の流れは絶対。今はそう思っていても必ず君は卒業するんだ」
「じゃあ…どうやってそれを…」
「力づくでもさ。オリジナルの君を消去してでも卒業しない未来に変える」
前田はようやく実感した
今自分が関わっているこの事態が只の事件や厄介ごとではないことに
そして彼らがやろうとしていることが生半可なものではないことを
自分の命も人類の存亡すら関わっているということに
44 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/28(水) 20:24:05.42 ID:+tIkgSi20
そうだろ、ドラえもんwwww
さりげなくそうだろ、たかみな持ってきたwwwww
45 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/28(水) 20:30:06.56 ID:xHrJxdI40
「一緒に来てもらうよ、前田敦子さん」
前田の肩に手をかける
しかし彼女はそれを払いのけた
「離して!」
「どうした?さっきまで協力的だったのに」
「私にはわかる。あなたから感じる恐怖を」
「恐怖?」
「あなたたちがやろうとしていることがいいことなのか悪いことなのかわからない。でもあなたからはなぜか悪を感じる」
「悪…か」
「ええ、目的のためなら手段を選ばない悪を」
「ふふっ、そうなのかもな」
のび太の瞳が暗く沈む
その瞳からは底知れぬ闇を感じた
「力づくでも連行する」
懐から小さなカプセルを取り出した
「これは空間転移装置。目が覚めれば我々のアジトだ」
スイッチにかかる指に力が強まる
今まさに押そうとしたその時のび太の腕がつかまれた
「そこまでです」
ドラえもんはジャイ子には非協力的だから
47 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/28(水) 20:53:16.33 ID:xHrJxdI40
掴まれた腕
止まった体にのび太は悟った
「ここまでか…」
視線を向けたそこには男が立っていた
「時空警察です。次元遍歴の容疑で現行犯逮捕させていただきます」
「野原しんのすけ。敏腕の刑事さんに来ていただけるとは」
「いえいえ、あなたはれっきとした時空犯罪者ですよ」
しんのすけはニヤリと笑った
のび太も笑っていたがその目にはまだ諦めてはいなかった
「ジャイアン、スネ夫」
ドラえもんと未だ戦闘を行っている二人を呼ぶ
その声に二人は気づいた
「MS−903、決着はまた今度だ」
「逃がすとでも」
二人がドラえもんから距離をとる
すかさずドラえもんが捕えようとするも二人の体が消えていく
「ッ!?」
しんのすけは驚いた
のび太の体が消えていったからだ
「まだ捕まる訳にはいかないんですよ」
のび太は不敵な笑みを浮べたまま姿を消していった
48 :
(^ω^)& ◆AdlGaFqE2g :2012/03/28(水) 21:50:14.02 ID:ASAKcWE40
この世界に落とされたら、さすがのあっちゃんも困惑するだろうな・・・なのに冷静なあっちゃんに惚れる
49 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/28(水) 22:52:43.18 ID:9tQ+w/T7O
今日はここまでです
また明日更新します
50 :
(^ω^)& ◆AdlGaFqE2g :2012/03/28(水) 23:05:29.39 ID:+xLgIrNMi
51 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/28(水) 23:38:20.27 ID:6X2qc42w0
ええええええええ
待てねええええええええ
52 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/29(木) 01:31:43.58 ID:BLvdSAtRI
あげ
53 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/29(木) 02:49:37.76 ID:aPtXAiAN0
やばいw面白いw
完結までがんばってくれ
54 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/29(木) 06:10:05.36 ID:pF/DGlwU0
続きはよ
55 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/29(木) 06:40:29.91 ID:sKm/TQC4i
期待あげ
56 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/29(木) 08:06:53.58 ID:+Bse+wq9O
公式設定でのドラえもんの制式番号はMS-903だったっけ?
藤子不二雄好きとしては、しんのすけでなくTPぼん、あるいは他の藤子キャラでいって欲しかったが。
まあ最初のよりは違和感減ったよ。
何故ドラえもんとのび太が対立したのが、その謎が明らかになるのを楽しみにしてるぜ。
57 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/29(木) 08:08:43.07 ID:b2vJbdwD0
ジャン・レノにやられたのか
58 :
(^ω^)& ◆AdlGaFqE2g :2012/03/29(木) 08:13:33.20 ID:sKm/TQC4i
エヴァとかのキャラでしなかったことは評価できる
59 :
(^ω^)& ◆AdlGaFqE2g :2012/03/29(木) 08:14:10.87 ID:sKm/TQC4i
60 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/29(木) 08:21:29.60 ID:C6j9K/2CO
「すみません。逃がしてしまいました」
敵のいなくなった駐車場にしんのすけの声が響く
前田はただ呆然としていた
「お、終わった…?」
「はい。ですがあくまでも一段落です。奴らは必ずあなたを狙いにくるでしょう」
そう言うとしんのすけは車の脇に目を向けた
そこにはグッタリと項垂れたドラえもんがいた
「MS-903!大丈夫ですか?」
「核はやられていません。補修は必要ですが」
ボロボロに傷ついたドラえもん
その姿を目の当たりにし前田は心苦しくなった
自分のためにここまで体を張ってくれたということに
「ドラえもん!」
前田が駆け寄る
彼女の瞳には涙の雫が滲んでいた
「泣かないで…前田さん…すぐにまた…戻って…きま…す…か…ら…」
ドラえもんの瞳の光が消えた
力は抜けそこにあるのは本当に只の機械だった
そして前田の啜り泣く声だけが静かなそこに広がった
61 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/29(木) 08:26:57.82 ID:SY9ki1cG0
結局 敦子はジャイ子ってオチな
62 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/29(木) 08:30:04.53 ID:C6j9K/2CO
「では一度修復させに行きます」
しんのすけは動かないドラえもんを抱え言った
前田はコクりと頷くと涙が伝う頬を拭った
「MS-903の修復が完了するまで別のMS型ロボを派遣します。すぐにこちらへ到着しますので安心してください」
「ありがとうございます」
「私もすぐにこちらへ戻ってきますので」
しんのすけは一礼すると懐からボタンを取り出す
それを押すと彼の背後にゲートが出現した
「それでは」
「しんのすけさん!」
「…………?」
「ドラえもん…大丈夫ですよね?」
「勿論です。彼は優秀ですから」
そう言うとしんのすけとドラえもんはゲートの中に消えていった
ゲートが閉まるとそれ自体も消えそこには前田だけが残った
「ドラえもん、元気になって帰ってきてね」
彼女はポツリと呟くと収録現場へと戻って行った
63 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/29(木) 08:49:37.22 ID:C6j9K/2CO
「やっばい、大遅刻だ」
前田は急いで戻った
しかし驚いたことにまだ休憩時間すら余るほどだった
ふとしんのすけが言っていたことを思い出す
「空間固定バリア?」
「はい。簡単にいえば時間の概念のない空間です」
「ん〜と…」
「まぁ、とにかく。あなたがここに来てからの時間は経過されていないので安心してください」
というものだった
「よかった〜、乱れた髪は直しとかないと」
櫛で髪を整える
すると扉をトントンとノックされた
「はいー」
「あっちゃん入るよ?」
小嶋陽菜の声だった
「ねぇねぇ、あっちゃんさー最近何かあった?」
「誰?」
「え?何が?」
「あなたにゃんにゃんじゃないでしょ」
前田が睨み付ける
顔も声も瓜二つの彼女がどうしても別人だと前田は感じていた
「よくわかったわね」
小嶋の声が変わる
女の声ではあるが小嶋とは似ても似つかないもの
「源静香、しずかって呼んでもいいわよ」
「あなた何者?」
「敵か味方なら敵かな」
「ッ!?」
「着いてきてもらうわよ、前田敦子さん」
64 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/29(木) 11:09:57.08 ID:C8hXgodUO
期待あげ
65 :
(^ω^)& ◆AdlGaFqE2g :2012/03/29(木) 11:43:35.86 ID:sKm/TQC4i
にゃんにゃんが!!
66 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/29(木) 12:02:34.66 ID:2j5GbUVF0
しずかちゃんきたあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
67 :
(^ω^)& ◆AdlGaFqE2g :2012/03/29(木) 13:01:28.33 ID:sKm/TQC4i
壊れたドラえもん、逞しいしんのすけ、目を白黒されたあっちゃん・・・微妙のコントでありそうな設定ですが、真面目な小説です
68 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/29(木) 13:26:40.51 ID:U84ezaJ80
( \
\ ̄)
.\ ヽ
\ \
. \ \ . i^ヽ
\ \ . ノ |
\ \ / /
\. ´⌒ヽ,⌒ヽ, / /
\ 人 λ ___, - / ./
ヽ、 、 /_____)
ヽ、 ヽ .| | / ヽ ||
\ . |_| ┃ ┃ .|| 父さんな、秋元さんに気に入られたんだ
|.\ (/ ⊂⊃ ヽ)
<\______|_ノ ! \_/ !
ヽ________,_\ _____ /
| |
| .|
| |
. | |
/ ヽ,
ヽ、__つ
69 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/29(木) 13:59:28.36 ID:BLvdSAtRI
ボブ・ドラエモン
70 :
(^ω^)& ◆AdlGaFqE2g :2012/03/29(木) 14:23:58.70 ID:sKm/TQC4i
71 :
オクタゴン:2012/03/29(木) 14:52:51.88 ID:mhG197b60
前田のジャイ子はミスキャスト さしこにさせるべきだった
赤いベレー帽はさしこの方が似合ってるよ
72 :
(^ω^)& ◆AdlGaFqE2g :2012/03/29(木) 14:58:41.86 ID:sKm/TQC4i
73 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/29(木) 15:04:01.80 ID:C6j9K/2CO
「成功だな」
時の流れの中を一台の戦艦が浮遊する
それに乗ったのび太が呟いた
「スネ夫のダメージがデカイがすぐに治るだろう」
ジャイアンがのび太の横に立ち言った
後ろのベッドではスネ夫が横たわっていた
「時空警察は僕たちを追い払ったことで満足している」
「しかもMS-903は修復中。脇が甘い」
二人は窓の外を見つめていた
景色も何もない外をひたすら眺める
それは目の前にあるものだけを見ているのではなかった
見えない彼らのその先にあるものを見つめていた
「静香なら任務を遂行してくれるさ」
ー別の時空軸ー
「もうしんのすけさんはいつも急なんだから」
コクピットに乗った黄色い物体が呟く
警護交代の為に彼女はマシンを走らせていた
「すぐ着くから無事でいてよ、前田さん」
微かな不安を胸にもう一段階アクセルを踏んだ
74 :
(^ω^)& ◆AdlGaFqE2g :2012/03/29(木) 15:11:26.92 ID:sKm/TQC4i
きたー!
75 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/29(木) 15:16:42.56 ID:C6j9K/2CO
「来ないで!」
前田は近づこうとする静香を制した
「ふふっ、あまり喚かないで」
静香は笑みを浮かべ余裕を醸す
「あなたで二人目よ。私の変装を見破ったのは」
「バレバレよ。そんなの」
「へぇー、どうして?」
「にゃんにゃんは私が悩んでても絶対相談に来たりしない」
「クスッ、意外と薄い関係なのね」
「違う!にゃんにゃんはわかってるから。余計な言葉なんていらないってことが」
前田は語気を強めた
仲間だけは馬鹿にされたくない
「笑っちゃう」
静香は鼻で笑うと口元を歪ませた
その顔は笑ってはいるもののどこか底知れぬ恐ろしさを感じた
「人間なんてね、すぐに裏切る生き物なのよ」
「それは違う!間違っても私の仲間は裏切ったりしない!」
「甘いのよ!」
思わず静香の口調が強まった
しかしそれに驚く間もなくすぐに異変に気づく
腕に広がる痛みに
前田の左腕に三本の針が刺さっていた
76 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/29(木) 15:30:50.84 ID:C6j9K/2CO
「痛っ…」
血が流れる
三本の針が正確に突き刺さっている
見えなかった…
前田は心の中で呟く
いつこの針が放たれたのかわからなかったしそんな動作すらも感じ取れなかった
「無理よ、あなたごときじゃ目でも追えない」
するとまた針が刺さる
次は太ももと胸、腹に一本ずつだった
「ハハハ、痛めつける気はなかったけど仕方ないわ。あなたはどこか癪に障る」
静香は悪魔のように微笑む
高笑いしながら目にも止まらぬ早業で針を放っていく
前田は為す術なく撃ち込まれる
もう二十発近く刺さったところで異変を感じた
「頭が…回る…」
視界がぼやけ吐き気を催す
「ようやく毒が回ってきたのね」
静香は卑しく笑う
その姿を前田はもうまともに見ることもできなくなっていた
膝から崩れ落ち立ってはいられなくなる
「お疲れさま、前田さん」
胸糞悪いその言葉を最後に前田は意識を失った
77 :
(^ω^)& ◆AdlGaFqE2g :2012/03/29(木) 16:58:59.62 ID:sKm/TQC4i
あっちゃーーーーん!!!!
78 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/29(木) 17:00:18.68 ID:heIYAi4bO
ジャイ子ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
79 :
(^ω^)& ◆AdlGaFqE2g :2012/03/29(木) 17:01:59.80 ID:sKm/TQC4i
>>78 あっちゃんのことか・・・?あっちゃんのことかぁぁぁぁぁぁぁあ!!
80 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/29(木) 18:48:56.99 ID:2/2dj8nm0
卒業後はどんな活動するのか
81 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/29(木) 19:56:11.17 ID:C6j9K/2CO
「はぁー、やっと着いた」
空間に穴が空きそこから一台の機体が現れる
コクピットが開き中から黄色の物体が降りる
「確か前田敦子さんは」
前田の部屋を探す
すぐに見つけると部屋の扉を開けた
「前田さん、こんにちわ。お兄ちゃんの変わりにやってきました。ドラミです」
「あ、こんにちわ…」
「よかった〜特に変わったことはありませんでした?」
「はい、何も」
ドラミは安心すると腹についたポケットからカードのようなものを取り出した
「本部に報告だけ入れますね」
ドラミはそのカードを何やら入力する
チラッと時間を確認した
「この次元の時間軸は確か十二進数だったね」
一人言を呟く
するとドラミはいきなりハッとした表情を見せた
「すみません、トイレに行ってきていいですか?」
前田が訊ね立ち上がる
部屋から出ようとした彼女をドラミは呼び止めた
「あなた前田敦子さんじゃないわね」
ドアノブにかかった前田の手が止まる
「なぜ?」
「どうしてこの時間に楽屋にいるのよ」
82 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/29(木) 20:18:54.70 ID:C6j9K/2CO
前田は何も言わない
頑なに黙ったままだった
「あなた何者?」
ドラミが光線銃を放つ
銃口から伸びた電撃が前田に直撃する
「がはぁっ」
「ッッ!!!」
前田が倒れる
しかしそこにいたのはスタッフだった
「前田さんじゃ…ない」
ドラミは慌てて辺りを見回す
しかしもうそこはもぬけの殻だった
「しまった…」
ドラミは歯をギュッと噛み締めた
「よくやってくれたね」
のび太が静かに笑みを浮かべる
ゆっくりと静香が歩み寄る
「前田敦子は運ばせておいたわ」
「ずいぶん痛めつけたようだが」
「ふふっ、人聞きが悪いわのび太さん。思いの外抵抗してきただくよ」
「そうか…」
二人の会話に一瞬間が空いた時、ジャイアンとスネ夫が現れた
「スネ夫さん、体は大丈夫なの?」
「心配いらないさ」
「そう、よかったわ」
「みんな集まったかい?」
のび太が口を開く
「それでは次の段階について話を始めようか」
83 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/29(木) 20:23:55.28 ID:C8hXgodUO
あげ
84 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/29(木) 21:43:53.60 ID:aPtXAiAN0
もちろん保守
85 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/29(木) 22:07:17.50 ID:VTMGr8FW0
大島優子というジャイアンに脅されたとしか考えられない
86 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/29(木) 22:09:23.40 ID:C6j9K/2CO
更新少なくてすみません
今日はここまでです
保守あげありがとうございます
87 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/29(木) 22:34:32.85 ID:in3pJRP+0
ここまでだとぉー?
乙カレw
次待ってるぜ〜
88 :
(^ω^)& ◆AdlGaFqE2g :2012/03/29(木) 23:02:58.18 ID:sKm/TQC4i
乙乙!
89 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/30(金) 01:43:35.53 ID:QwLWDbtoO
保守
90 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/30(金) 03:51:17.01 ID:QwLWDbtoO
保守
91 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/30(金) 07:50:32.95 ID:+7ks9czp0
92 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/30(金) 08:07:16.51 ID:5+6y8zrTO
「はっ…」
目が覚める
手足は鎖に繋がれ塀の中へ入れられていた
「ここは…」
前田が思考を巡らす
源静香という人物にやられたことを思い出した
「くそっ!」
繋がれた両手を激しく振るわせる
しかし頑丈なそれはビクともしなかった
「ドラえもん…しんのすけさん…」
失意のどん底に落ちる
絶望しかそこにはなかった
瞳からは涙が零れた
「これで未来は変わる」
のび太が言う
すると静香が口を挟んだ
「彼女をどうする気?時間歴は絶対よ。今いくら調教したところで未来が変わるとは思えない」
「それなら心配ない。彼女には消えてもらう」
「消えるって…」
スネ夫が慌てて言った
「オリジナルの彼女には消えてもらってダミーの前田敦子を作る。できるだろ。静香」
「えぇ、囮にしたダミーは簡易なものだったけど少し時間さえくれれば私の技術があれば瓜二つのものを作れるわ」
「そのダミーに卒業しない選択肢を歩ませる。これで未来は変わる」
静香は不敵な笑みを浮かべていた
スネ夫も驚いてはいたものの渋々了承した顔を見せた
しかしただ一人、ジャイアンだけは顔が曇っていた
93 :
(^ω^)& ◆AdlGaFqE2g :2012/03/30(金) 08:09:39.26 ID:Y2oScNA+i
きたー!
94 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/30(金) 08:11:41.37 ID:442nZSJpO
作者はトリップつけたほうがいいと思われ。
95 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/30(金) 08:18:19.67 ID:5+6y8zrTO
「どうした?ジャイアン」
「ん?…いや、なんでもない」
ジャイアンは俯いたままだった
その姿をのび太は静かに見つめ続けていた
「じゃあ早速ダミー製作に取りかかるわ」
「期間は?」
「すぐよ」
「わかった。それでは解散だ」
「うぐっ…うぐっ…」
前田は泣いていた
泣いて何かが変わるわけではないが泣いていた
何も変わらないから泣いているのだ
絶望と恐怖にうちひしがれる
「もう一度会いたいよ…みんなに…」
涙が止めどなく流れる
まるで前田の心を映したような灰色の床に染みができていた
「泣くな」
塀の向こう側から声が聞こえた
屈強な男の声
前田は顔を上げた
そこにいたのはドラえもんと戦っていた内の一人
「ここから逃げるぞ」
ジャイアンがそこに立っていた
96 :
(^ω^)& ◆AdlGaFqE2g :2012/03/30(金) 08:23:25.75 ID:Y2oScNA+i
たけし・・・
97 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/30(金) 08:28:20.56 ID:5+6y8zrTO
「え…?」
目の前の男が何を言っているのか前田にはわからなかった
しかし男は懐から鍵を取り出すと塀を開け中へと入ってきた
そして次々と前田の拘束具を外していく
「着いてこい」
気づけば体を縛りつけていたものはなかった
助けてくれた男を前田は呆然と見つめていた
「何をしてる。早くしろ」
「ど、どうして…」
「ん?」
「どうして私を助けてくれるんですか?」
前田は恐る恐る訊ねた
すると恐持ての男の表情が一瞬優しく緩んだ気がした
「似てたんだよ…」
「え…?」
「似てたんだよ、妹に」
そして前田は気づいた
僅かに優しくなった表情に悲しみの色もあることに
「まさか…」
「あぁ、死んじまった。未来の世界でな」
「……そんな…」
「バカなんだろうな、俺は。妹に似てたあんたをなぜか助けたくなったんだよ」
塀を出た二人
するとその前にのび太が現れた
98 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/30(金) 09:02:59.92 ID:vHMJoOy/0
保守
99 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/30(金) 10:12:18.07 ID:jUq6cPZ/0
ここでクリスチーネを持ってくるか
100 :
(^ω^)& ◆AdlGaFqE2g :2012/03/30(金) 13:26:58.12 ID:9/XbXUoti
(^ω^)まゆゆさんが華麗に100ゲット
101 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/30(金) 15:20:28.38 ID:znh7mtsxO
あげ
102 :
(^ω^)& ◆AdlGaFqE2g :2012/03/30(金) 16:39:32.17 ID:MooiSfpH0
(^ω^)あげまゆゆ
103 :
(^ω^)& ◆AdlGaFqE2g :2012/03/30(金) 18:44:42.56 ID:MooiSfpH0
(^ω^)保守
104 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/30(金) 18:44:50.05 ID:+rIWpWxw0
うん?
105 :
◆oRNahTy0Qw :2012/03/30(金) 19:43:35.82 ID:5+6y8zrTO
トリップつけました
保守ありがとうごさいます
106 :
(^ω^)& ◆AdlGaFqE2g :2012/03/30(金) 19:47:31.88 ID:MooiSfpH0
107 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/30(金) 19:49:07.85 ID:XnpWwEBr0
死刑
108 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/30(金) 19:51:11.46 ID:ef2Qjt+jO
出木杉君は?
109 :
◆oRNahTy0Qw :2012/03/30(金) 19:54:15.25 ID:5+6y8zrTO
前田とジャイアンの前に立ちはだかるのび太
悠然としたその様子からは奇妙さが漂っていた
「何をしているんだい?剛田武」
のび太がゆっくりと二人に歩み寄る
「逃げろ」
「え…?」
武は囁いた
前田は戸惑いを隠せない
「見つかってしまった以上仕方ない。俺が時間を稼ぐ。その内に早く」
「でも…」
「男に二度も言わせるな」
武はもうわかっていた
のび太が自分のことを本名で呼んだ時点で
二人では逃げ切れないと
「早く行け!」
前田は戸惑いながらも後ずさる
のび太とは逆の方向へと
「ありがとう」
前田はそう言うと駆け足で去って行った
武はその姿を見送ることはしなかった
視線はジッとのび太に注がれていた
生き延びてくれよ
武はそう遠ざかっていく足音に呟いた
110 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/30(金) 20:04:17.27 ID:ef2Qjt+jO
のび太は拳銃の名手だっけ?
111 :
◆oRNahTy0Qw :2012/03/30(金) 20:06:51.48 ID:5+6y8zrTO
「逃げ切れると思っているのかい?ここは僕たちの城だぞ?」
「へっ、うるせぇよ」
武は拳を握り構えた
「止めておけ。近距離を得意とする君と中距離を得意とする僕。この間合いがどちらに有利なのかわかるだろう?」
のび太の言葉に耳を貸さず武は少しずて間合いを詰める
「無駄だよ」
のび太の声が耳に届いた瞬間に駆け回る激痛
太ももには真ん丸な穴が空き血が溢れだした
「見えなかったか?」
銃声が聞こえた頃にはもう手遅れだった
一つ二つと穴は増えていく
その度に真っ赤な鮮血が噴き出す
目にも止まらぬ銃撃が武を襲っていた
「このリボルバーは僕に合っててね、光線銃や空圧砲よりも使い勝手がいい」
武も知っていた
そのリボルバーはのび太が世界大会で優勝したものであることを
そしてのび太の腕前がどれほどのものであるかということも
112 :
(^ω^)& ◆AdlGaFqE2g :2012/03/30(金) 20:12:35.17 ID:MooiSfpH0
のび太無双過ぎww
113 :
◆oRNahTy0Qw :2012/03/30(金) 21:56:36.44 ID:5+6y8zrTO
「変わっちまったなぁ…」
あの頃は今とは真逆だった
毎日のように追いかけ回しては泣かせていた
お前のものは俺のもの、そんなことも言っていた
「何がおかしい?」
のび太が鋭い眼差しを飛ばす
口元に微笑みを浮かべた武に
「だらっしゃぁ!」
武が駆ける
のび太の元へと一気に間合いを詰めた
しかし見えない何かに武はぶつかった
「隔離バリアだ」
尻餅をつき倒れる
それでも武は再び立ち上がった
バリアへと突進する
「やめておけ。そんなもので壊せるようなものじゃないくらいわかっているだろう」
武の耳には聞こえているはずだった
そして頭でも理解しているはずだった
それでも武は目の前の見えない壁に立ち向かった
何度も何度も倒れても倒れても
武の瞳の炎は消えなかった
114 :
(^ω^)& ◆AdlGaFqE2g :2012/03/30(金) 22:04:41.35 ID:FqZ7Wow+0
(^ω^)武・・・
115 :
◆oRNahTy0Qw :2012/03/30(金) 22:07:22.81 ID:5+6y8zrTO
「バカな真似はよせ。もう充分だろ」
懸命に当たっていく
鼻血も打撲も関係ない
目の前には無駄な悪あがきがあった
「おい!やめろと…」
「……せよ」
「……………」
「思い出せよ、のび太」
全身血まみれの男が見えぬ壁越しに言った
「お前はいつも諦めなかった」
拳を打ち付ける
執拗に放ったそこからは骨の折れる音が聞こえた
「どんなにボロボロになっても…どんなに泥まみれになっても…」
拳で叩き続ける
すると見えないそこに小さな亀裂が生じた
「心だけは絶対に負けなかった!!!」
亀裂が広がり割れる
ガラスのようなそれは地面に落ちるとすぐに消えてなくなった
「…………諦めなかった…か」
のび太はバリアの元まで歩み寄った
その目は恐ろしいほどに冷たかった
「そんなものもうどこかに置いてきたよ」
リボルバーの引き金を引く
地に伏した男の体が小さく弾み血の海が現れた
116 :
◆oRNahTy0Qw :2012/03/30(金) 22:30:25.20 ID:5+6y8zrTO
なかなか更新できなくてすみません
明日から少し忙しくなるのですが時間を見つけて書きます
保守あげありがとうございます
117 :
(^ω^)& ◆AdlGaFqE2g :2012/03/30(金) 22:41:31.46 ID:FqZ7Wow+0
118 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/31(土) 01:10:10.03 ID:KWrtJmcc0
のび太が悪役とは珍しい
119 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/31(土) 01:43:45.81 ID:xyc0yVXkO
ほしゅ
120 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/31(土) 03:19:14.00 ID:iIMDb/lF0
保守寝
121 :
(^ω^)& ◆AdlGaFqE2g :2012/03/31(土) 06:16:36.13 ID:zx77veqYi
起床保守
122 :
◆oRNahTy0Qw :2012/03/31(土) 07:52:51.02 ID:MciNzCrmO
「はぁ…はぁ…はぁ…」
前田はひすら走っていた
出口のない迷路を行くように
「武さん…」
助けてくれた男の顔を思い出す
はたして本当に妹に似ていたのだろうか
それだけで命をかけてくれるのだろうか
奥歯を噛み締めた
そしてまた走り出す
「いいね、いいね」
モニターに映る前田を男がジッと見つめていた
一人言を呟きながら笑みを浮かべている
「ぼくちんのセキュリティに不備はないんだお。鼠一匹たりとも見逃さないんだお」
片手でポテトチップスをほうばる
空いたもう一方の手はキーボードのようなスイッチを高速で叩いていた
「ぷぷぷー、ほらよっと」
不敵な笑みを浮かべボタンを押した
123 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/31(土) 07:54:38.86 ID:G3MHb5xk0
ほうばる、じゃなくて
ほおばる、な
124 :
◆oRNahTy0Qw :2012/03/31(土) 08:06:14.51 ID:MciNzCrmO
前田は曲がり角に差し掛かる
しかしもう体力の限界に近づいていた
「だめだ…走っても走ってもどこにもいけない…まるで同じところを…」
前田に電流が走った
「まさか…本当に同じ場所を…」
造りそのものは複雑にいりくんでいるが模様はシンプルだった
故に違いに気づきにくかったがそこは確かに先ほども通ったところ
「出来杉のデブもやればできるじゃない」
女の声が聞こえた
それは聞き覚えのある忌々しい声
前田は睨み付けた
そこには源静香が立っていた
「あら?そんなに熱い視線を送らないでよ。興奮しちゃうじゃない」
卑しく笑う
彼女の表情には悪意しかなかった
「あんたはどこか生け簀かないのよ。たっぷり調教してあげるから」
125 :
◆oRNahTy0Qw :2012/03/31(土) 08:07:54.85 ID:MciNzCrmO
>>123 これは恥ずかしい間違いです
すみません
頬張る
126 :
(^ω^)& ◆AdlGaFqE2g :2012/03/31(土) 08:27:32.12 ID:zx77veqYi
あっちゃんがんばって〜!
127 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/31(土) 08:32:02.21 ID:Rqw9olvYO
これ映画にしようか
128 :
(^ω^)& ◆AdlGaFqE2g :2012/03/31(土) 08:42:32.35 ID:zx77veqYi
129 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/31(土) 08:59:34.54 ID:r+07uVNsO
ジャンレノと共演でもすんの?
130 :
◆oRNahTy0Qw :2012/03/31(土) 10:38:28.25 ID:OCFqPr4M0
静香が鞭を振るう
撓った先端が空を唸らせる
前田は思わず後ずさった
「ッ!?」
あるはずのない壁にぶつかる
気づけばそこは先ほどまでの長い廊下ではなかった
暗がりの一室へと変わっていた
「この中ではあなたの行動なんて思いのままなのよ。簡単に居場所も変えられる」
「そんなことが…」
「うちには優秀なプログラマーがいてね。まぁ、糞デブのキモヲタだけどね」
突然鞭の音が消える
前田は静香の姿を見失っていた
暗闇のそこでは背中に当たる壁しか確かなものはなかった
「さっき言ったことももう忘れちゃった?」
その声は後ろから聞こえた
鞭の撓る音と共に背中に激痛を覚える
「ここでは位置なんて簡単に変えられるのよ」
131 :
◆oRNahTy0Qw :2012/03/31(土) 10:49:23.93 ID:OCFqPr4M0
「ぐふふ、静香ちゃん。僕がついてるからね」
モニター越しに出来杉が笑う
彼の見ているモニターに映し出すカメラは超光学迷彩のため暗闇の解析など造作もなかった
前田と静香の位置がはっきりと見える
彼が前田の位置を操作していた
「ぐふふ、がんばって。静香ちゃ〜ん」
「さぁ、どうするの?どこから飛んでくるかわからない恐怖」
静香の声が聞こえる
声の発せられる場所が次から次へと変わっていく
彼女の居場所を特定できないでいた
「そら!」
鞭が放たれる
どこからくるのかもどこにくるのかもわらかない
防ぐ術も避ける術もなかった
見えない恐怖が彼女を襲っていた
「なかなか倒れないのね。これならどうかしら?」
闇の中で空を撓らせ飛んでくる
前田の皮膚に鞭の激痛が襲う
しかし今回はそれだけではなかった
「ぐわぁっ」
前田の口から思わず嗚咽が漏れる
肩に当たった鞭の先端が小さな爆発を起こし彼女は火傷を負った
服は破れあらわになった肌も爛れていた
「あと何回耐えれるのかしらね」
静香の笑い声が暗闇に響いた
132 :
(^ω^)& ◆AdlGaFqE2g :2012/03/31(土) 10:55:51.38 ID:zx77veqYi
出木杉氏ネ
133 :
◆oRNahTy0Qw :2012/03/31(土) 11:19:13.72 ID:MciNzCrmO
暗闇からの奇襲
そして出来杉の空間操作
この二人のコンビネーションは完璧であった
そんな二人に力を持たぬ前田が抗えるはずもなかった
「くぅぅ…うぅ…」
前田は飛んでいってしまいそうな意識を必死に手繰りよせていた
起爆剤付きの鞭
それは想像を絶する痛みを伴い常人ではまず耐えうることはできない
がしかし、前田は踏みとどまった
意識の向こう側に落ちることを
奇跡、これだけでも奇跡
ところが燃えた、あろうことか燃えた
前田の瞳に炎が灯された
「こいつ…一体…」
静香が睨み付ける
彼女の目の前に立っているのは今まさに敗れようとしている者の姿ではなかった
勝者、勝者の姿だった
「ふざけるなぁ!」
静香が鞭を振るう
当然至極、完璧なコンビネーションに隙はない
しなる鞭は前田を巻き込み爆発を起こす
「死んだか?…………はっ…」
「………えた…………やっと捕まえた」
134 :
◆oRNahTy0Qw :2012/03/31(土) 11:31:19.48 ID:MciNzCrmO
僅かな綻び
鞭を振るった時に発した怒声
それが前田に情報を与えてしまった
自分はここにいるのだとどうぞ捕まえてくれというサインを
がしかしそれは簡単なことではない
犠牲、起爆剤の鞭を止めなければいけないという犠牲
前田はそれを果たした
その身を懸けて、命を削って掴んだ綱
崖っぷちから生き残る、否一発逆転の起死回生たる一手
「もう離さない」
助けられてばかりだったから
ずっとずっと助けられてばかりだった
ドラえもんに助けられ、しんのすけに助けられ、そして剛田武に助けられた
皆命を懸けて守ってくれた
こんな自分を、未来のために過去のために
「やあっ!」
鞭の伸びた先、そこには当然いる
暗闇で見えなくとも必ず
振り抜いた拳は静香の頬を貫いた
135 :
◆oRNahTy0Qw :2012/03/31(土) 11:46:19.59 ID:MciNzCrmO
「はぁ…はぁ…やった…」
渾身の一撃
見事命中したのが感覚として伝わった
静香は鞭を放し吹き飛んでいた
これが差、執念の差
「やったけど…もう…限界…みたい…」
前田の体は限界を迎えていた
酷使しすぎた体は言うことを聞かなくなっていた
「やってくれたじゃない」
闇から聞こえる静香の声
動けぬ前田にはもうどうすることもできなかった
「ここまでか…」
思いたくはなかったが思わざるおえない
一矢報いた、それだけでもよかった
心残りがあるとするならばちゃんとみんなにさよならが言いたかった
苦しい時も楽しい時もずっと一緒にいた仲間、そして友に
まだ言えなかったありがとうを胸に
「まだ諦めるには早いよ、前田さん」
136 :
◆oRNahTy0Qw :2012/03/31(土) 12:02:18.67 ID:MciNzCrmO
「あー!僕の静香ちゃんがー!」
出来杉は画面に向かって叫んだ
「前田敦子!許さない!」
ボタンを叩く
何かを入力した
「これで終わりだ!」
力強くボタンを叩きつける
しかし何も起きない
「あ?どうなってんだおい?」
目を丸くし呆然とする
するとモニターに映っていた二人の姿が途切れる
次から次へと映像は遮断されていく
「ふっざけんな!俺の!俺の城を荒らすな!」
キーボードに打ち込む
しかし時すでに遅し
「この電子回路プログラムは全てジャックしたデス。ユーの陳腐な構築なんて目でもないデス」
無数のモニターと機材に囲まれた出来杉の一室に音声が響く
出来杉は項垂れるようにキーボードに拳を叩きつけた
「糞!くそおおおおおおおおおおおお!!!」
「ぷぷぷー、思っていたより呆気なかったデス」
無数のモニターに囲まれたとある一室
胸に時空警察と刻まれたバッチをつけた男が蔑むように笑う
そのバッチには“磯野タラヲ”と記されていた
137 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/31(土) 12:04:17.88 ID:4BE6jBGi0
(´-∀-)
面白い!!!!
138 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/31(土) 12:19:09.02 ID:GZ6/rpcd0
夢のコラボか
って何でやねん!
139 :
(^ω^)& ◆AdlGaFqE2g :2012/03/31(土) 13:55:39.97 ID:zx77veqYi
140 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/31(土) 14:31:18.90 ID:+E573qm40
141 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/31(土) 17:24:59.48 ID:zx77veqYi
(^ω^)あげときまゆゆ
142 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/31(土) 17:28:53.00 ID:DleBADhO0
ドラえもん
143 :
(^ω^)& ◆AdlGaFqE2g :2012/03/31(土) 17:59:53.57 ID:zx77veqYi
まゆゆさん
144 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/31(土) 20:15:42.81 ID:zx77veqYi
(^ω^)続きが読みたいお!
145 :
(^ω^)推し& ◆AdlGaFqE2g :2012/03/31(土) 21:30:22.07 ID:zx77veqYi
(^ω^)おやすみ前にあげまゆゆ
146 :
◆oRNahTy0Qw :2012/03/31(土) 23:55:53.14 ID:MciNzCrmO
更新少なくてすみません
明日もできる限り書きます
147 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/01(日) 02:19:53.57 ID:VAPyqGhDO
>>146 この世界では藤子不二雄先生はどうなってるんですか?
「ドラえもん」 という漫画は存在しない世界?
148 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/01(日) 04:25:15.20 ID:vVotOWALO
保守
149 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/01(日) 05:33:40.44 ID:1wWNi4+Bi
150 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/01(日) 07:34:34.46 ID:vj2Jbvm0O
>>147 そうなってしまいますね
保守あげありがとうございます
151 :
(^ω^)& ◆70zN4hPCnDSN :2012/04/01(日) 07:38:07.23 ID:1wWNi4+Bi
>>150 てことは、サザエさんもクレヨンしんちゃんもないのか!
152 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/01(日) 08:10:24.22 ID:vj2Jbvm0O
『セキュリティがハッキングされました。全機能を緊急停止させます』
緊急事態を報せるアナウンスが流れる
のび太はそれを黙って聞いていた
出来杉がやられたのだということを悟る
未だかつて出来杉のプログラムが破られたことはない
だがもし破られたとするならばそれは出来杉よりもさらに長けた者
そんな者がいるとすれば
「時空警察だ」
のび太の前に一人の男が現れる
のび太は不敵に笑った
「お久しぶりですね」
「懐かしいよ、お前がここにいたときは」
「ふふっ、偽る正義ではなく正しい悪が大義だと判断したまでです」
「人を傷つけてもか?」
「はい」
「………やはり相容れぬな」
「磯野カツオさん、僕はあなたを尊敬している。今もそしてこれからも」
のび太は銃を抜いた
それと同時にカツオも銃口を向ける
鳴り響いた銃声は密閉された空間に谺する
「やっぱりあなたには勝てないな」
のび太の胸から血があふれだす
小さく微笑むと倒れた
「バカ野郎…」
カツオの悲しい声が虚しく響いた
153 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/01(日) 09:56:52.59 ID:zgclsGxB0
カツオの方が強いわけないだろ
アホか
154 :
(^ω^)& ◆70zN4hPCnDSN :2012/04/01(日) 11:49:31.81 ID:1wWNi4+Bi
155 :
(^ω^)& ◆70zN4hPCnDSN :2012/04/01(日) 14:55:23.44 ID:1wWNi4+Bi
あっちゃんあげ
156 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/01(日) 17:56:36.36 ID:8TO2HIXQ0
保守
157 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/01(日) 19:35:40.15 ID:vj2Jbvm0O
「……………あ……」
前田が死を覚悟したその時聞こえた声
それはつい最近知り合ったばかりだが思い出の深いあの声
涙が出そうになる
自分を守るためにその身を犠牲にした
そして帰ってきてくれた
「………ドラえもん」
青い真ん丸の猫型ロボットがそこにいた
「あら?故障したって聞いたのに意外と早く帰ってきたのね」
「源静香。誘拐及び時空遍歴の容疑で逮捕する」
静香が隠し針を放つ
しかしロボットのドラえもんに効くはずもなく間合いをとる
「分が悪いわね」
小さく呟く
懐から棒状の物を取り出しドラえもんへと一直線に駆けた
電流が迸る
「ムダだ」
棒を持つ腕を抑えられる
「MSロボ専用静止アンプ」
静香の腕を抑えた女が言った
彼女の胸に輝くバッチには“磯野ワカメ”と刻まれていた
「あなたの負けよ」
ワカメは冷静に告げた
158 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/01(日) 19:52:54.48 ID:vVATo7xM0
待ちわびたぞ!
続きが気になり過ぎるw
160 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/01(日) 23:29:05.83 ID:vj2Jbvm0O
誠に申し訳ないです
更新少なくてすみません
あと3日はこの状態が続きそうです
細々な更新になりますができるだけ人力を尽くします
161 :
(^ω^)& ◆XtJ.Ktvk4Uy7 :2012/04/01(日) 23:55:47.97 ID:1wWNi4+Bi
162 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/02(月) 01:49:16.94 ID:gBk92T110
保守
163 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/02(月) 03:32:02.90 ID:JAOGAMYNO
保守
164 :
(^ω^)& ◆XtJ.Ktvk4Uy7 :2012/04/02(月) 05:27:37.90 ID:ub+BV/5Ci
補修
165 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/02(月) 11:48:28.43 ID:27qH0lUo0
あげあげ
166 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/02(月) 15:38:33.72 ID:JAOGAMYNO
保守
167 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/02(月) 17:32:27.83 ID:6IdMUWJ40
あげ
168 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/02(月) 19:44:53.50 ID:RVAywX2i0
よし
ここからー気にクライマックスだな
169 :
(^ω^)& ◆XtJ.Ktvk4Uy7 :2012/04/02(月) 19:51:19.14 ID:iH/pMxF9i
170 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/02(月) 22:13:17.33 ID:gBk92T110
保守
171 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/02(月) 22:51:52.44 ID:XALTWLJYO
ほ
172 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/02(月) 23:02:55.49 ID:X7gAZAQ3O
映画化まだー
173 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/03(火) 01:22:36.37 ID:APryXHvc0
ぜってーしねーから!
174 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/03(火) 03:42:08.70 ID:vJLw/f5k0
あげ
175 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/03(火) 08:01:36.52 ID:5FYJYKA50
保守
176 :
(^ω^)& ◆XtJ.Ktvk4Uy7 :2012/04/03(火) 10:51:57.78 ID:RXDeaSYu0
あっちゃんあげ
177 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/03(火) 12:30:49.92 ID:lm65M9KK0
早くしろ〜
178 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/03(火) 14:58:41.73 ID:5FYJYKA50
あげ
179 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/03(火) 15:06:55.79 ID:C5fWgejUO
「まさかISONOが動いてるなんてね」
静香がワカメを睨み付けながら言う
掴まれた腕を振りほどき距離を空ける
しかしすでにドラえもんが砲口を腕に填めていた
「ぐわっ」
強烈な空気の砲弾が静香を襲う
壁に吹き飛ばされ体を打ち付けた
「くそっ…こんなところで…こんなところで…」
ダメージが大きいのだろう
静香の足取りは覚束ない
「捕縛します」
ワカメが呪文のようなものを唱える
すると静香の体が自然と固まる
「ッ!!!まずい…」
静香は必死に抵抗する
しかし体は言うことを聞かなくなっていた
「エセ魔術師がぁ!!!」
「この程度で心を乱すなんて精神コントロールが甘いわね」
ワカメはさらに呪文を放つ
静香の体が縛りつけられる
「このままではまずい…」
静香は歯を噛み締める
僅かに動く指先で腰につけた球体の栓を抜いた
その瞬間、神々しい光に包まれる
「しまった!」
ワカメが叫んだ時にはすでに遅く静香の姿はそこにはなかった
180 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/03(火) 15:07:45.16 ID:C5fWgejUO
保守ありがとうございます
家に到着次第続きを書きます
181 :
(^ω^)& ◆XtJ.Ktvk4Uy7 :2012/04/03(火) 15:26:32.42 ID:FeRhJNYti
待ってる
182 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/03(火) 18:44:42.90 ID:AcxO2cIm0
保守
183 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/03(火) 18:49:43.72 ID:V6nBmMLO0
ジャイ子は別な子が良かったドラ(=゚Д゚=)
184 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/03(火) 18:56:35.71 ID:9lz0nmrj0
「ちくしょう…ちくしょう…」
静香は廊下をひた走っていた
指定した空間移動が発動されないということは出来杉はすでにやられたのだろう
使えない奴だ、と思いつつも静香は走る
閃光弾の影響でまだ視界がはっきりしなかった
「のび太さん…」
しどろもどろに彷徨う彼女の口からふと零れた名
それはいつも心の片隅で思い続けてきた人の名前
「………………」
静香は愕然と足を止めた
目は見えない、だがわかる
「………のび太さん…」
それは先ほど呟いた感情とは違っていた
絶望の思いがそこにはあった
血まみれのまま倒れているのび太の姿が
「…そこに…いる…のか…静香…」
まだ息はあった。駆け寄る。のび太を抱き起こす
「のび太さん!」
「僕なら大丈夫だ…ただ出来杉も…ジャイアンもやられた…」
「二人だけでも!一緒に逃げましょう!」
185 :
(^ω^)& ◆XtJ.Ktvk4Uy7 :2012/04/03(火) 18:57:51.77 ID:FeRhJNYti
ジャイアンをやったのお前だろww
186 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/03(火) 19:04:37.71 ID:gt6fd4LTO
ドラえもんが修理してる間ドラミちゃんが来るのかと思ってた。出てこないのかな?
187 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/03(火) 19:11:37.69 ID:9lz0nmrj0
「もう無理さ…特殊刑事班ISONOが…」
「それなら私も出会った。なんとか逃げてきたけど」
「よかった…君だけでも…どうか…」
「だめ!そんなこと…そんなこと」
抱き寄せる
静香の涙がのび太の顔に零れ落ちる
のび太の生命力は明らかに小さくなっていた
「もう直にここは全て包囲される…その前に君だけでも…」
のび太が絞りだすように言う
しかし静香はもう決意を決めていた
のび太の体をゆっくりと下ろし立ち上がる
「大丈夫。私はのび太さん、あなたを守る」
「そんな…まさか…」
守りたい。そう決めたから
最愛の人を守れるのならそれ以上のことはない
できれば結婚したかった。普通の生活をして子供を生んで
一緒に老いて一緒にボケて
笑って死んでいきたかった
でもこんな人生もかまわない
ずっと隣にいれたから
あなたの隣にいれたから
「ありがとう、のび太さん。ずっとずっと大好きだった」
涙を拭った
ゆっくりとのび太の体を下ろし立ち上がる
振り返るともう立ち止まらなかった
静香の手には小さな球形の爆弾が握られていた
188 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/03(火) 19:30:47.99 ID:9lz0nmrj0
「出木杉英才、捕縛完了です」
ワカメが部屋から出木杉を連れ出てくる
「許してくだちゃい…許してくだちゃい…」
「気持ち悪いわね、こいつ。ちょっと口を消してもいいかしら?」
「やめておきなさい、ドラミちゃん。これから事情聴取をしないといけないからね」
ドラミがポケットから道具を出したのをワカメがとめた
しかし出木杉の目にはうっすらと浮べたワカメの笑みのほうがより恐ろしく感じた
「ひ、ひえ〜」
「剛田武は死体で発見、野比のび太は射殺…残るは源静香と骨川スネ夫か」
カツオがタッチパネルに映った彼らを見ながら呟いた
出木杉はワカメたちに連れられてこられていた
「のび太くんは本当に死んだのですか?」
「あぁ、私がこの手で撃った」
「……………」
「どうした?旧友に情が沸いたか」
「いえ、すぐに彼のデータは消去します」
その時だった
彼らの前に静香が現れた
「源静香ッ!!!」
ワカメが呪文を唱え捕縛に入る
それをサポートするようにドラミも動く
「あなたたち諸ともここでお別れいよ」
静香の抵抗しようとしない奇妙さにカツオは感づいた
「離れろ!!!!!」
静香は笑った
最後に咲かせる大輪の華
刹那、巨大な宇宙船が崩壊した
189 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/03(火) 19:41:39.88 ID:gt6fd4LTO
>>157 で前田を助けたのはドラえもんとワカメだけど、
>>188 でドラミちゃんになってる?
両方居たって事?
190 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/03(火) 19:49:31.92 ID:9lz0nmrj0
「なんデス?」
横になっていたタラヲが起きる
彼のモニターの映像が途切れていた
「これはハッキングではないデス。恐らく内部での損害」
表情一つ変えぬタラヲの頬に汗が一筋流れる
「カツオ兄さん、ワカメ姉さん。僕を一人にしないでくれよ」
モニターを見つめるタラヲの目には一抹の不安が過っていた
「ハハハハハハ!!!!!」
爆発した船の片隅から一機の小型船が旅立つ
高らかな笑い声が機内に響いていた
「やったぞ!やったぞ!ISONOを殺してやった!!!」
荒れ狂うカツオの姿は狂気じみていた
「これで俺の名は全次元に轟く!次元の覇者はこの俺だぁ!!!」
彼の脳裏にはもう静香の姿も武の姿もなかった
あるのは変わりうるであろう未来の自分の姿だった
「変わったな、のび太」
機内にのび太ではない声が聞こえた
スネ夫の姿がそこにはあった
「おぉ、スネ夫。君も逃げ延びれたのか」
「ずっとのび太を追っていた」
「ふふ、君は賢明だ。僕についてくればこの世界の頂の景色を見れるのだから」
「頂か…僕達が目指していたのはそんな低いものだったのかい?」
「何を言っている?未来を変えることなど覇権を握る1ピースにすぎない」
「そうか………だからジャイアンを殺したのか」
「ん?ジャイアン?あぁ、あの木偶か。所詮奴は道具でしかない」
「わかったよ、のび太。僕は悲しい。あの頃から志は同じだと思っていた」
スネ夫は拳を広げた
そこには静香が持っていたものと同じ小型爆弾があった
「ッ!!!お前、まさかッ!!!!!」
のび太が必死に駆け寄る
しかしもう遅かった
時間の流れの中でもう一つの火花が散った
191 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/03(火) 19:52:40.30 ID:9lz0nmrj0
>>188で宇宙船と表記しましたが間違いです。時空船です
>>189 ドラえもんもドラミもどちらもいます
わかりにくい書き方ですみません
192 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/03(火) 20:15:40.10 ID:gt6fd4LTO
193 :
(^ω^)& ◆XtJ.Ktvk4Uy7 :2012/04/03(火) 20:36:28.08 ID:TZsmF4m+0
あっちゃんどこ行ったんだよwwすでにドラえもん軍団対磯野軍団じゃねぇかww面白いからいいけどww
194 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/03(火) 21:02:46.80 ID:APryXHvc0
>荒れ狂うカツオの姿は狂気じみていた
のび太じゃないの?
196 :
(^ω^)& ◆XtJ.Ktvk4Uy7 :2012/04/03(火) 21:11:09.23 ID:TZsmF4m+0
197 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/03(火) 21:49:28.57 ID:C5fWgejUO
>>194 そのとおりです
誤字脱字多くてすみません
また明日更新します
198 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/03(火) 22:29:32.42 ID:D+7eDcxW0
明日かよぉおおおおおおおお
199 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/04(水) 00:48:15.23 ID:YjZygs4d0
保守
200 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/04(水) 03:00:36.37 ID:YjZygs4d0
保守
201 :
(^ω^)& ◆XtJ.Ktvk4Uy7 :2012/04/04(水) 05:57:41.19 ID:4m5D8BiMi
保持
202 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/04(水) 07:38:38.07 ID:7chd8XaK0
ドラえもんが何とかしてくれると思った
203 :
(^ω^)& ◆XtJ.Ktvk4Uy7 :2012/04/04(水) 09:26:56.38 ID:4m5D8BiMi
204 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/04(水) 11:59:44.02 ID:Qt47zxL80
保守
205 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/04(水) 13:13:18.39 ID:4m5D8BiMi
補助
206 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/04(水) 14:58:39.91 ID:yyZ4H0zP0
あげ
207 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/04(水) 15:38:19.23 ID:iesJac9VI
念のため上げ
208 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/04(水) 15:50:21.24 ID:bvUWXvidO
保守
209 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/04(水) 17:34:14.42 ID:fgEPZ+ZK0
あげ
210 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/04(水) 21:10:40.81 ID:fgEPZ+ZK0
まだ??
211 :
(^ω^)& ◆XtJ.Ktvk4Uy7 :2012/04/04(水) 21:40:17.21 ID:0G9ZsUpK0
212 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/04(水) 22:31:40.83 ID:7chd8XaK0
あれ?まだかしら
213 :
(^ω^)& ◆XtJ.Ktvk4Uy7 :2012/04/04(水) 23:08:14.80 ID:4m5D8BiMi
おーい
214 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/05(木) 01:23:21.64 ID:qDMyU+yg0
保守
215 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/05(木) 03:42:19.48 ID:qDMyU+yg0
保守
216 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/05(木) 03:48:30.88 ID:RgopSWvbO
のび太「あ!あれはしずかちゃんだ!おーい」
敦子「え?」
のび太「(しずかちゃ…じゃない)」
敦子「呼んだ?」
のび太「うげえええええっ…気分悪くなってきた…」敦子「……」
217 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/05(木) 03:55:48.35 ID:T3torls8O
ドラえもんが何とかしてくれると思った
218 :
(^ω^)& ◆XtJ.Ktvk4Uy7 :2012/04/05(木) 05:35:40.57 ID:wfl5Fz0di
219 :
(^ω^)& ◆XtJ.Ktvk4Uy7 :2012/04/05(木) 09:42:11.93 ID:wfl5Fz0di
今日こそは・・・
220 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/05(木) 11:16:08.18 ID:WjcFnJtK0
保守あげ
221 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/05(木) 13:11:56.27 ID:4uN524Qm0
保守
222 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/05(木) 13:12:16.51 ID:8bPoyRcz0
保守
223 :
(^ω^)& ◆70zN4hPCnDSN :2012/04/05(木) 15:08:01.61 ID:wfl5Fz0di
224 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/05(木) 17:46:10.42 ID:0uBBmtlM0
保守
225 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/05(木) 17:54:00.26 ID:FdrJSXx80
ほ
226 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/05(木) 20:09:36.98 ID:p8BlIM5GO
227 :
(^ω^)& ◆70zN4hPCnDSN :2012/04/05(木) 21:45:46.22 ID:wfl5Fz0di
もしかして忘れてる?
228 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/05(木) 22:49:47.53 ID:4uN524Qm0
まだ
229 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/05(木) 23:49:12.78 ID:qDMyU+yg0
230 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/06(金) 02:39:30.00 ID:zouCjfIOO
深夜保守
231 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/06(金) 05:02:16.71 ID:qnhW12wPO
もう一息なのに
232 :
(^ω^)& ◆70zN4hPCnDSN :2012/04/06(金) 06:16:47.44 ID:wiL59iX1i
逆に考えるんだ
「続きは各自で想像すればいいさ」と
考えるんだ
233 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/06(金) 07:35:19.08 ID:hgZ24OHO0
保守
234 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/06(金) 07:56:52.50 ID:HEj10YoSO
彼は映画撮影をしてるんだ
235 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/06(金) 08:00:51.62 ID:jTHdLaL/O
アク禁かもよ
236 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/06(金) 08:27:57.47 ID:ugW3mtWxO
ーあれから、一ヶ月ー
「AKB48さん、出番です」
名前が呼ばれる
一歩踏み出したそこにはたくさんのカメラが並ぶ
いつもと同じ景色
私の前には誰もいない
「友よ〜思い出より〜輝いてる〜明日を信じよう〜」
隣にはいつもの仲間がいていつも通りに生きている
今をときめくアイドルグループのセンターで多忙な毎日を送っているけれどこれはこれで楽しい
いつまでもこうしていたい
「ありがとうございました、AKB48の皆さんでした」
出番が終わる
もっと演奏を上手くしないといけない
課題はたくさんあるけれど無事に終えることはできた
これでいい、何も変わらないこれでいい
そう思っているのになぜだろう
心にぽっかりと穴が空いたような虚無感
何か、何か大切なことを忘れているような
237 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/06(金) 08:29:42.09 ID:ugW3mtWxO
保守ありがとうございます
二日も更新できずすみません
またあとで書きます
238 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/06(金) 11:14:43.82 ID:471+rUiC0
保守
239 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/06(金) 12:41:27.97 ID:qnhW12wPO
この世界では、前田敦子の卒業した結果どうゆう未来が訪れたのか?
のび太は前田を卒業させない事でどうゆう未来を造り上げようとしているのか?
この点が分からんのだが。
240 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/06(金) 12:50:48.79 ID:LlpkMaZr0
ドラのセリフが水田わさびか大山のぶよで脳内再生される
自分はのぶよ世代だけど何故か水田ボイスだ
241 :
(^ω^)& ◆70zN4hPCnDSN :2012/04/06(金) 13:36:47.48 ID:wiL59iX1i
242 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/06(金) 14:27:49.01 ID:qnhW12wPO
>>241 バカに説明するのは面倒だ
取り敢えずポール・アンダーソンのタイムパトロール読め
243 :
(^ω^)& ◆70zN4hPCnDSN :2012/04/06(金) 14:41:42.72 ID:pCNB1nhD0
>>242 それを読んだことはないけど・・・
この作品はまだ書きかけで全貌がまだ見えないんだから、分からない点があるのは当たり前
どういう未来が訪れて云々も後半辺りで誰も想像し得なかったような仕方で分かるにちがいないよ
これだけ待ってるんだから期待してる
244 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/06(金) 16:11:52.89 ID:8UMaUdpI0
よかった
てっきり死んだかと思ったわw
245 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/06(金) 19:46:22.76 ID:EzPFkXuIO
ほしゅ
246 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/06(金) 21:29:33.09 ID:dQ+adFlQ0
「あっちゃん、お疲れー」
今日も仕事が終わった
帰りの車に乗り込み体を揺らす
流れていく景色を眺めながらふと最近思うことがあった
あまり記憶のない一ヶ月前の数日
周りの誰に聞いても何も変わったことはなかったという
自分自身ちゃんと仕事をしていたし忙しかった
でもなぜか、それだけじゃない大切なことがあった気がする
どんなに考えこんでもその答えは見えなかった
「あっちゃん選手、お疲れちゃーん」
車から降りるとふぅと一つため息をついた
喉の奥につっかえたものが取れない、そんな気分が続いていた
家に着くとベッドに寝転ぶ
カバンも上着も辺りに散らかしたまま眠りについてしまった
「…さん………前田敦子さん…」
「ん…んん…?」
自分の名前が呼ばれて目を覚ます
そこにはよく知っている顔があった
「わ、私…?」
247 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/06(金) 21:48:17.02 ID:dQ+adFlQ0
同じ顔の自分が目の前にいる
「え…嘘…」
前田は唖然とし言葉がでない
戸惑う前田に現れた前田は言った
「単刀直入に伝えます。被害を最小限におさえるために今からいうことをよく聞いてください」
淡々と喋り始める
「まず寂しいとは思いますが家族の方と離れてください」
「ちょっと待って…」
「質問に答えている時間はないの。ごめんね」
「………はい…」
「できるだけ親しい友人、大切な人とは会わないで」
もう一人の自分から伝えられるのは想像しえないことばだった
とても信じられない残酷な言葉
「それからゆきりん、柏木由紀ちゃんの元に行って」
「え?…ゆきりん…?」
予想外の名前に前田は驚きを隠せない
その表情を見ながらももう一人の前田は続けた
「最後にもう一つ」
もう一人の前田は少し間を空けた
前田の目をじっと見つめていた
力強い眼差し
「決して諦めないで。そしてあなたの道はあなたが決めるの」
その言葉が何を意味しているのかわからない
でもなぜかそれが他人ごとではないように思えた
ずっと、否少しでも関わったかのような
未来や過去、そんな考えもしない大きな出来事に関わったかのような
「あなたは本当に…」
体を起こした
気がつけばもう朝になっていた
「夢?…だったのかな…」
爽やかな朝日を浴びながら前田は一人佇んだ
248 :
(^ω^)& ◆70zN4hPCnDSN :2012/04/06(金) 21:58:41.82 ID:wiL59iX1i
かなりの急展開だ
249 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/06(金) 22:16:56.64 ID:dQ+adFlQ0
足音が鳴る
広い空間に置かれたテーブルを囲むように男たちが座る
その先頭に最後に入った男が座った
「お集まりいただきありがとうございます」
一礼すると各々の目の前にモニターが浮かび上がる
「こちらが例の」
「前田敦子か」
「はい」
目の前に現れたモニターには前田敦子の顔が浮かび上がっている
それを見ながら男が続けた
「一旦は未来変動を防ぎました。しかし事態は深刻です」
「つまり自然経過は見込めないということか?」
「そういうことです。ですので特例をみとめてもらいたい」
「おい、自分がいっていることがわかっているのか?」
「ですから特例だと申し上げています」
場が騒然とする
雑音おさまらぬ内、男は語気を強めた
「今まで我々時空警察は時空の歪みを正すことだけやってきました。しかし時は変わりつつあるのです」
男の言葉に全ての視線が集まる
もうすでに彼へと注目は注がれていた
「議長、ご決断を」
男が対角線状の老人へと仰いだ
「わかった」
老人はそれだけいうと腕を組み口を閉じた
男は少し微笑むと声を張り上げた
「時空刑法第5906条特例法案に定め、前田敦子改めQ10の討伐を行う」
250 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/06(金) 22:22:13.88 ID:dQ+adFlQ0
更新少なくてすみません
物語りも佳境に向かっていますので慎重に書いてしまいます
できるだけたくさん書けるようにしますのでどうか最後までお付き合いください
251 :
(^ω^)& ◆70zN4hPCnDSN :2012/04/06(金) 22:23:16.79 ID:wiL59iX1i
252 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/06(金) 22:25:43.03 ID:KhHB2xvf0
Q10の討伐だとぉおおおお?
253 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/06(金) 22:30:19.66 ID:+WFYhgE60
卒業する日も決まっていないのに、そもそも卒業を口にするのがおかしいよな
卒業する日が決まっていないのなら、それは卒業しないということを示す。
卒業する日が決まっていないのなら、どのメンバーも卒業予定であり日程は未定だということが通ってしまう。
それは、どのメンバーも一生AKBにいるわけがないからである。
最後までファンに対して不誠実な対応だったということを
ファンは心にしっかり思うことであろう。
一生AKBだと発言したのにも関わらず、卒業をファンに告げる。
告げたにも関わらず、卒業日は未定なのである。
ファンのことなど1ミリも考えていない。
考えているのは、AKBや自分達のことだけであることに
ファンは早く気付くべきであろう。
本当にファンのことを思っている人なのであれば、卒業日が未定の段階で
ファンを悲しませるような発表というのはしないものである。
未定なのであれば、そもそも発表する必要もなく、卒業予定日が決まってから
発表すればいいことなのである。それが本当にファンを思っている人の行動となる。
それをファンは気付くべきであろう。
254 :
(^ω^)& ◆70zN4hPCnDSN :2012/04/06(金) 22:36:07.70 ID:wiL59iX1i
255 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/06(金) 22:40:04.30 ID:SzU3KWm70
>>253 俺はそうは思わんがお前がそう思っているならそう思っていればいい
ただここに書くことではない
256 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/06(金) 23:30:38.53 ID:HEj10YoSO
早く映画撮影の準備だ
257 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/07(土) 03:35:09.38 ID:cds+WVDN0
保守
258 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/07(土) 08:27:36.71 ID:r4PRcJWnO
ー某月某日ー
前田は仕事が休みのためあの夢に誘われるように柏木の元へと向かっていた
あの夢を信じられるわけではない
しかしなぜか心にぽっかり空いた穴に埋まりそうなそんな何かがあるような気がした
「ここがゆきりんの家かぁ」
柏木の家に来るのは初めてだった
否、ほとんどのメンバーが初めてだろう
それほど柏木は家に人を呼ばない性格だった
インターホンを押す
外にまで聞こえる音が響き中から受話器をとる
「はい」
「あ、前田です。前田敦子です」
そこで会話は途切れた
少し経って玄関の鍵が開く
扉の向こうから現れたのは柏木本人だった
「ま、前田さん…?」
いつものように驚いた表情を見せる
「ごめんね、いきなり」
「い、いえ…どうしたんですか?」
「実はさ…夢でゆきりんのところに行けって…」
「夢?」
「ははっ…バカバカしいよね。ごめん、私がどうかしてた」
前田が笑って誤魔化す
夢の出来事を真に受けるなんておかしい
バカに思われても当然だ
「どうぞ…」
「え?」
柏木は家の中へと前田を促した
259 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/07(土) 08:28:31.30 ID:r4PRcJWnO
保守ありがとうございます
また更新します
260 :
(^ω^)& ◆70zN4hPCnDSN :2012/04/07(土) 11:00:54.85 ID:Jhj7CiwN0
星
261 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/07(土) 14:55:45.86 ID:cds+WVDN0
hoshu
262 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/07(土) 15:00:16.42 ID:v8bDZiXy0
このスレ立ってからなんでドラえもん?って思ってたけど、これ略すと「もしドラ」になるんだね!
263 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/07(土) 15:07:55.23 ID:r4PRcJWnO
前田は家の中に入る
そこで目にしたものに驚きが隠せなかった
部屋は壁も床も全て黒ずくめ
至るところに骸骨や牛の生首などが置かれている
前田は挙動不審になりながら柏木に訊ねた
「ねえ?…これって…」
「あ、すみません。驚かせちゃいました?」
柏木は笑みを浮かべる
怪しげなランプに照らされた彼女の顔は少し不気味に映った
「幼い頃から好きなんですよね、こういうの」
骸骨の頭を擦る
「趣味…なだけでもないんですけどね」
そう言った柏木の顔はどこか曇っていた
そんなことをしている間にリビングに着き絨毯の上に座る
水晶を挟んだ向かい側に柏木も座った
「夢でっておっしゃりましたよね」
「うん。夢の中でゆきりんに会いに行けって」
「……………」
「そんなに深刻な顔しなくていいよ。夢を信じ込んでる私が悪いんだし」
「いえ…もしかすると…」
笑われるのかと思っていた
バカにされても仕方ないと思っていた
でも彼女の姿を見ていると何かを知っているそんな気がした
264 :
(^ω^)& ◆70zN4hPCnDSN :2012/04/07(土) 15:36:32.19 ID:EgfuwdlNi
面白いけど、ゆきりんヲタに煽られそうだな
265 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/07(土) 17:31:31.64 ID:lcSCySu10
ほしゅ
266 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/07(土) 19:59:30.90 ID:Fn+DVI+E0
>>262 バレましたか
>>264 できるだけ悪役などは作りたくないですが物語の流れで止む終えない場面も・・・
267 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/07(土) 20:18:56.80 ID:Fn+DVI+E0
「もしかするとって?」
前田が不思議そうに訊ねる
柏木は目の前の水晶に顔を落としたまま黙っていた
すると突然柏木は口を開いた
「前田さんには話しても信じてもらえるかもしれないですね」
柏木の決意を決めた言葉
だがまだ前田はその意味を知らない
「見ててください」
柏木は水晶に手を翳した
彼女はそこに意識を集中させる
すると水晶の表面に水面のような波紋が現れる
「え?」
前田が思わず言葉をこぼす
するとそこに浮かび上がったのは前田の姿だった
「これが前田さんが探している消された記憶です」
「消された記憶…?」
「はい、前田さんの記憶はある方々のよって一部消されています」
そこで前田は改めて思った
心に空いた穴はこれだったのだと
何かが足りないものはこれだったのだと
水晶に映し出された見ず知らずの人たち
覚えのない場所
ボロボロの自分の姿
そして青いロボット
「ドラえもん」
なぜだかその単語を呟いていた
268 :
(^ω^)& ◆70zN4hPCnDSN :2012/04/07(土) 20:32:39.62 ID:EgfuwdlNi
来た!
269 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/07(土) 20:35:22.37 ID:Fn+DVI+E0
涙が零れた
とめどなくとめどなく
拭っても拭っても溢れんばかりに流れる
「あれ…あかしいな…どうしてだろ…」
泣きじゃくる前田に柏木は言った
「嘘のようですがこれは真実です。ありのままをこの水晶に写しました」
柏木が翳した手を離す
すると水晶の水面は消え何も映らなくなった
「今のは…?」
「超能力…っていったらわかってもらえますかね」
「超能力…」
「どうしてこんな力があるのかわからないんですけど、気づいたときには使えたんです」
柏木から告げられた衝撃の言葉
しかしなぜか前田には疑う気持ちはなかった
それはありのままに話す柏木の姿でもあの夢を見たからでもない
ありえないことなどありえない、そんな想いが彼女の胸にはあった
「さっきのは本当に私の記憶なの?」
「信じてもらえるんですか?」
思わず質問に質問で返してしまった
しかし前田の疑いなきまっすぐな瞳にもうそれ以上は言わなかった
「私は前田さんの真実をそのまま映し出しただけです。それ以上もそれ以下でもありません」
「ならあのロボットやあの人たちも誰かわからないってこと?」
「はい、ただ映し出した限りでは前田さんはかなりヤバイことに巻き込まれた形跡があります」
「……………」
映し出された現実
忘れ去られたものが一気に流れ込んでくる
たくさんの感情が入り乱れる
受け止めることしか今の前田にはできなかった
270 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/07(土) 21:10:18.46 ID:Fn+DVI+E0
「捕捉は完了したか?」
胸にバッジを輝かせた男が言う
無数のモニターにたくさんの人が向かう
そこに映し出されたモニターの一つに日本の地図が現れる
「座標確認。圏域を特定していきます」
地図が近づいていく
赤い点が点滅している
「捕捉完了です。転送準備は整っています」
「わかった」
男は頷くとモニタールームから出て行った
長い廊下の曲がり角には一人の女が立っていた
「本当にやる気なの?」
「今さら何を躊躇う必要があるんだ、ワカメ」
「躊躇ってるわけじゃないの。ただ…」
「私情は任務の妨げになる」
男はそう言い捨てると去っていく
その後姿に女は呼び止めた
「お兄ちゃん!」
「仕事ではそう呼ぶなと…」
「ついていっていいんだよね」
「同じ未来は歩ませるわけにはいかないんだ」
男の背中はまっすぐ歩いていった
振り返ることも立ち止まることもなかった
「じゃああの夢は何だったのかな?」
「もしかすると他にも超能力を使える人がいるのかも…」
前田と柏木が情報を交換している時だった
突然水晶に波紋が広がる
「ッ!!何か嫌な予感がします…」
柏木のその言葉通りだった
家の外が眩い光に包まれる
何かが落下したような衝撃と共にそれは消えた
「あ、あれは…」
前田と柏木は窓の外を見る
そこにいたのは先ほど水晶に映った青いロボットがいた
271 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/07(土) 23:54:58.17 ID:cds+WVDN0
保守
272 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/08(日) 01:46:40.49 ID:n7e/3GX20
保守
273 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/08(日) 03:33:33.47 ID:0G2Magpi0
hoshu
274 :
忍法帖【Lv=23,xxxPT】 :2012/04/08(日) 07:36:45.64 ID:dIRD81/70
保守
275 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/08(日) 09:31:49.19 ID:JS7py0UkO
「ドラえもん…?」
それが本当にドラえもんという名のかも知らない
ただ前田は柏木に見せられた映像によって呼び起こされた記憶を頼りに呟いた
「さっき出てきた青いロボット…」
柏木も思わず声を漏らす
その存在と出現は明らかに不気味さを醸し出していた
「標的確認、排除します」
ドラえもんの瞳が紅く光る
その眼差しの先には前田がいた
「え?」
前田が呟いたその時だった
ドラえもんの体が浮き上がる
するとそのまま前田たちのいる窓へと迫る
「きゃあっ」
二人は咄嗟に身を屈める
ドラえもんは窓ガラスを突き破り部屋の中へと入ってくる
「ど、どういうこと?」
「前田さん!とにかく逃げましょう」
状況が理解できない二人はあわてふためく
しかしすでにドラえもんはそこまで迫っていた
真ん丸の足が一歩、また一歩と近づいてくる
するとドラえもんの腕に砲口が出現しこちらへと向ける
轟音と共に二人は壁へと弾き飛ばされた
276 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/08(日) 09:47:48.92 ID:JS7py0UkO
「ぐうぅ…」
二人はあまりの衝撃に悶える
衝突した状態のまま崩れ落ちた
「前田さん…大丈夫…ですか…」
「ん…んん…」
頭をぶつけていた
視界が霞み力が入らない
しかし眼前に青いそれがいることだけはわかった
「前田さん!」
柏木がどうにか立ち上がろうとする
しかしドラえもんの腹のポケットから取り出された道具によって動けなくされる
「く、くそっ…」
歯を噛み締める
前田に迫る魔の手を柏木は黙って見ていることしかできない
「標的捕獲、コレヨリ破壊ヲオコナウ」
砲口のつけていない丸い右腕が前田を掴む
掴むというよりは引っ付くという表現のほうが正しい
動かぬ体を無理矢理持ち上げられると顔に砲口を当てられる
「前田さん…」
柏木は前田の死を感じた
もう間に合わない
どうにもできないのだから
手を伸ばせば届く
それなのにそれなのに
277 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/08(日) 12:13:13.41 ID:F26gDLU6O
保守
278 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/08(日) 15:13:30.02 ID:0G2Magpi0
保守
279 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/08(日) 18:14:02.20 ID:n7e/3GX20
ほ
280 :
忍法帖【Lv=24,xxxPT】 :2012/04/08(日) 19:12:54.86 ID:dIRD81/70
しゅ
保守
(-∀-`)
おもろーーーーー
282 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/08(日) 22:09:57.88 ID:n7e/3GX20
保守
283 :
(^ω^)& ◆70zN4hPCnDSN :2012/04/08(日) 22:57:42.45 ID:dVlYRa0c0
星ゆ
284 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/08(日) 23:00:55.31 ID:nfNQJ3m+0
第4回総選挙の順位5位ときいて卒業決めたんだろ
285 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/09(月) 01:39:54.26 ID:A45bQfGa0
保守
286 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/09(月) 03:05:42.56 ID:PwHqQmrk0
ほ
287 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/09(月) 08:28:35.97 ID:RxV8FXIyO
薄れて行く意識
微かに見えるのは青い影
「ドラ…えもん」
前田は絞り出すように囁く
その声がそれに届いているのかわからない
けれども彼女は必死に投げかけた
記憶はない
記憶はないけれどこのロボットとは、ドラえもんとは何か一緒にいた気がする
隣でいてくれたり助けてくれたような気がする
自分にとってかけがえのない大切な存在
頭では忘れていても心が覚えている
ドクン…
ドクン…
ドクン…
ドクン
胸の鼓動はおさまった
脳裏にかかった霧も消えた
思い出した、あなたが誰なのか
思い出した、何があったのかも全て
思い出した…ドラえもん
「左手動けぇぇぇぇぇぇ!!!」
刹那、放たれた前田の左手はドラえもんを捉えた
288 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/09(月) 08:44:33.74 ID:RxV8FXIyO
「ドラえもん」
「ん…あれ?僕は何を…」
「ドラえもん、よかった」
「の、のび太くん…?」
「いいんだ、それで」
「え?」
「僕は君にとって頼りないパートナーだった」
「そんなことない!のび太くんは、のび太くんは!」
「ありがとう、でももう行かないと。ドラえもんにも待ってる人たちがいる」
「のび太くん…」
「もう泣かせるなよ、彼女を」
最後に笑ったのび太の表情はどこか切なくどこか名残惜しかった
けれども行かなければいけないから、いつまでも立ち止まってはいられないから
目の前が真っ暗になった
ありがとう、のび太くんに届いたかわからないけれど僕はそう呟いた
「ぐすっ…うぅ…ドラえもん」
僕を呼ぶ声がする
顔に何か水のようなものが零れてくる
「あっ!目を覚ましましたよ、前田さん!」
目を開くと目の前には二人がいた
一人は確かAKB48の柏木由紀さん
そしてもう一人は
「ドラえもん!」
ロボットだから痛みはないけれどそんなに慌てて抱きつかなくてもいいじゃないか
でもこの人と触れる心地好さ、温かみ
「おかえり、ドラえもん」
「ただいま。前田敦子さん」
289 :
(^ω^)& ◆70zN4hPCnDSN :2012/04/09(月) 10:50:13.45 ID:NMwVYXJK0
ちょっとドラえもんになってくる
290 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/09(月) 12:31:42.98 ID:7ua+vqXA0
291 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/09(月) 12:53:04.76 ID:4wLJKFL6O
>>136 磯野タラヲ…サザエとマスオは離婚した設定か…
292 :
(^ω^)& ◆70zN4hPCnDSN :2012/04/09(月) 14:17:42.10 ID:A/dDYUZvi
>>291 何かマスオはタラヲに全てを任せて散っていった
293 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/09(月) 17:31:08.69 ID:6P5yKvXPO
保守
294 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/09(月) 19:07:15.17 ID:RxV8FXIyO
前田は事の一部始終を思い出していた
それはドラえもんも同じであった
「じゃあドラえもんの記憶を消したのはあの人だっていうの?」
「そうです。野比のび太一派との戦いの時ーーー」
「私は愛する人のために死ぬの!」
静香が小型爆弾を片手に特攻を謀る
スイッチを押し今にも爆発するという瞬間だった
「亜空間風呂敷!!!」
「無震動発生波砲!!!」
ドラえもんとドラミが一斉に道具を取り出す
それを出すのをわかってかカツオはすでに静香の爆弾を持つ手を撃ち抜いていた
「呪式、空間隔離」
ワカメが唱える
するとカツオの撃ち込んだ弾丸が静香の手首を剥ぎ取るように空間の箱が生まれ分裂する
「な、なに?!」
「呪式だから痛みはない。あなたの手首の空間を切断しただけ」
ワカメがそう言い放った瞬間にドラえもんが亜空間風呂敷を被せる
そしてドラミが無震動発生波砲を放った
刹那、眩い光と地響きのような震動と轟音が襲い爆風がまきちった
295 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/09(月) 19:17:20.10 ID:RxV8FXIyO
煙が立ち込め破片が舞い散る
僅かな焦げ臭さがそこには漂っていた
「まさか亜空間風呂敷と無震動発生波砲をも凌駕するとは」
煙の中からカツオが姿を現す
「げほっ…げほっ…もう勘弁してよ」
ワカメも咳払いしながら煙を払う
「前田敦子は無事か?」
「えぇ、ちゃんと保護してる」
「よし、お前は源静香の身柄確保だ。まぁ、この爆発ならその辺りで倒れているだろうが」
カツオの指示でワカメがその場を離れる
カツオはゆっくりと影の写る煙のほうへと足を進めた
「大丈夫ですか?前田敦子さん」
優しい笑みを浮かべたカツオに手を差し伸ばされる
しかしその手を掴むことはできなかった
腰が抜けたとか唖然としてしまったなどではない
「ドラえもん!ドラミちゃん!」
そこには爆風と粉塵から前田を守るためその身を呈した彼らの姿があった
296 :
(^ω^)& ◆70zN4hPCnDSN :2012/04/09(月) 20:27:59.83 ID:A/dDYUZvi
カツオがあっちゃまを呼び捨てにしてる件
297 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/10(火) 00:09:18.34 ID:Zzs0Oj1LO
はよう映画化
298 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/10(火) 07:49:18.92 ID:HWiIna+NO
「そんな…」
自分のためにその身を犠牲にした二人に前田は絶句した
灰にまみれボロボロになった二体のロボットは見るも無惨な状態であった
「カツオさん…二人は…二人は…」
「この爆発です。どこかしらが損害している可能性は捨てきれません」
「じゃあ…」
「大丈夫です。MSロボの代わりはいくらでもいますので」
「そんな問題じゃない!ドラえもんとドラミちゃんは他にいない!」
前田はカツオに詰め寄る
そんなことをしても何の意味もないことはわかっていた
こうなってしまったのも自分のせいだ
けれどもこの気持ちを抑えてはいられなかった
どこかにぶつけたくて仕方なかった
「ふぅ…仕方ない」
カツオが前田の腕をほどく
「ワカメ、前田敦子の記憶の消去を」
ワカメはコクリと一つ頷くと前田の元へと近づく
前田は何が起こるのかわからずただ呆然としていた
「え?え?」
「ごめんなさいね。お兄ちゃんの命令は絶対なの」
どこか切ないワカメの表情を最後に前田の意識は途切れた
299 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/10(火) 08:07:03.34 ID:HWiIna+NO
意識を失い崩れ落ちる前田の体をワカメが抱えた
そのまま背中を向けたままのカツオに言った
「前田敦子、捕獲完了です」
カツオは何も返事を返さなかった
それは前田への僅かな情が芽生えたのか
ロボットを人と同じように扱う前田への憤りなのか
兄妹であるワカメにもカツオの考えがわからなかった
「前田…敦子…カラ…ハナ…レロ…」
不安定な今にも途切れそうな機械音が聞こえる
カツオが不意に視線をやった先には瀕死状態であるはずのドラえもんが動き出そうとしていた
「ほぉ、驚いたな。これがロボットの対象者防衛機能か」
おそらく破損は深刻な被害なのだろう
ドラえもんの動きはあからさまにおかしい
しかしそれでも一歩、また一歩と前田の元へ歩み寄ろうとする
「前田…敦子…サン…」
それはロボットのプログラムにインプットされた対象者防衛機能の垣根を越えていた
人間と同じ執念、云わば火事場の馬鹿力
限界を越えた先に迎える心の域にあった
前田だけだった
周りの誰もが自分のことを「MS-903」と呼んだ
でも初めて、初めて彼女は呼んでくれた
ドラえもん、と
「所詮機械だ」
その一言と共に放たれた銃弾はドラえもんの灯火を掻き消した
300 :
(^ω^)& ◆70zN4hPCnDSN :2012/04/10(火) 14:13:05.00 ID:rPCBq5mM0
| _, -‐‐';;´;;;;;; _ ...'''' -‐===‐- 、ヽ | |
保 す ま |() ̄;; .. -‐ ' ´ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,, ''';;;ヽ. |. い |
ま こ .|'"ヾヽ、 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;''' '';;;;ヽ| .|
守 な と |::::::,ヽ、 ヽ、 _ ;;;;;; _ ..... ---―‐--―‐ | い |
い.に |::'''' ''゙`ヽ、 ___ , .,,,、ァー,--,-‐‐ .| .|
だ が | '´ ----―・ナ´,゙〃シ l ! か |
ヽー'ヽ. _〈 '' ;;;;;; , ` ̄ ̄-‐´-___ュz. `、 ヽ ノ
! ト 〈 ヽ. _ノ´ `ヽ , ;,;;;;,, ,,, ´ / `
、ヽ`ー 、.l ! ,, '''' ,,; , __/
:ヽ、ー゙'´ ,、 ;; ;; , , , , , , , , ィ, ´, ´ ,,
"'',,  ̄ 、、ヽ ' ' ,У、 ",,
、 ,,""ッ, ヾ.、 // ̄, ̄二ニニニニチ./ ,:.:.:.,i '',,
"'' ,, '',,:.:`〒==ミ、 ヾー´ ̄ ._ l' /:.:.:.l| ,,''
"'' ,, '',,:.:.:.:`:.、 `〒===〒 ̄ヾ 、',' ',/ /:.:.::.:.i| ,,''
301 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/10(火) 19:43:13.45 ID:AAcz3DSN0
保守
302 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/10(火) 20:02:50.29 ID:HWiIna+NO
「任務完了だ」
カツオは静かにそう言った
握り締めた拳銃を懐におさめる
「ワカメ、転送の用意だ」
淡々と事だけを伝えていく
前田の体を抱えたままワカメは頷くと懐からスイッチを取り出した
それを一押しすると空間にゲートが現れる
「基地に戻ったらまずは前田敦子の記憶を消す」
「記憶まで消す必要は…」
「彼女はあまりにも危険すぎる。このままではトウマ最後の預言通りに成りかねん」
「ロボットたちの心を動かすってこと?」
「口は慎め。ロボットに心はない。ただの道具だ」
「………わかった。じゃあMS-903たちは?」
「処分…といいたいところだが性能は申し分ない。技術局にまわせ」
「わかりました」
もう誰もいない船内
二人の会話が響き渡る
その会話が途切れるようにゲートの中へと消えていった
303 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/10(火) 20:18:07.61 ID:HWiIna+NO
「これが事の真相です」
ドラえもんが壁に映像を映し出し説明を終えた
「まさかカツオさんが…」
「彼は時空警察特殊班ISONOの長です。まぁ、その優秀さ故にメンバーは三人しかいないのですが」
「そのISONOって人たちがどうして私たちを?」
「先ほどの映像にもあったようにトウマ最後の預言が危惧されています」
「トウマ最後の預言?」
「僕たちの世界はロボットが人間と共存しているのですがそのパワーバランスが崩れるという預言です」
柏木は勿論、前田も唖然としていた
事の重大さも大きすぎて理解も難しかった
「心を持たないロボットたちが心を持つ。そんなことになればロボットが一つの種として確立する」
「それを恐れているのね」
「そうです」
言い切られたドラえもんの言葉に前田は考え込んだ
そして力強い眼差しを向けた
「そんなことない!心を持ったって共存できないなんてありえない!それにドラえもんやドラミちゃんたちに心がないなんてない、みんな心を持ってる仲間なの!」
前田の言葉はドラえもんのどこかへと突き刺さった
304 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/11(水) 01:51:43.76 ID:U1r45Wqf0
歩でゅ
305 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/11(水) 07:31:10.30 ID:vCBVx8de0
SPECネタだとみせかけ元ネタはターミネーターだと予想
306 :
(^ω^)& ◆70zN4hPCnDSN :2012/04/11(水) 07:38:15.38 ID:cbxN5Ncii
307 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/11(水) 08:20:50.27 ID:mqXrrMmlO
ドラえもんは初めてだった
人間からそんなことを言われるのは
未来の世界、ドラえもんがやってきた世界では人間とロボットが共存する
共存という言葉は綺麗だが実のところはそんなに美しくない
戦車、戦闘機などを捨てロボットによる戦争
ロボットは人間たちによる都合のいい道具に過ぎなかった
しかしこの世界は、この人は違う
「ありがとう…」
「え?」
「いや、何でもないです」
ドラえもんは小さく呟いた
「でもどうして前田さんが狙われるんですか?」
柏木がドラえもんに訊ねる
ドラえもんは意を決したように口を開いた
「そうですね…もう隠している訳にはいきませんね」
「隠すって?」
「今回ののび太一派然りISONOがなぜ前田さんを狙うのか」
「それは未来を変えるためって」
「そう、未来を変えるため。それは表向きに美化された表現です」
「本当の理由があるっていうの?」
「はい」
ドラえもんは少し間を空けた
前田も柏木もドラえもんをジッと見つめた
「前田敦子さん。あなたこそ十年後、未来の世界で時空警察を敵にし戦う革命軍のリーダーです」
308 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/11(水) 08:34:40.89 ID:mqXrrMmlO
「か、革命軍?!」
前田は驚きを隠せない
しかし先に叫んだのは柏木のほうだった
「ちょちょちょ、革命軍てすごい壮大なことになってますよ!?」
前田は慌てふためく柏木を制した
ドラえもんに続けるように促す
「お察しの通り、世界はこの十年間で想像を絶するほど進歩を遂げます」
「十年後にはロボットと共存する世界になるってこと?」
「はい。今とはまったく違う文明とまでいっていいでしょう」
ドラえもんたちが未来から来たことは知っていた
だがそれが十年後、そんな僅か先の未来だったとは予想もしていなかった
「どうして私がそんなことに?」
「話せば長くなります。それにこれは時空警察の調査だけです。これが真実なのかはわかりません」
「いいよ、お願い。話して」
前田の決意の眼差しにドラえもんも決意を決めた
そしてドラえもんの口から語られる
未来の過去の話が
そして物語はその時へと飛ぶ
ーーー九年後、三月二十九日ーーー
309 :
(^ω^)& ◆70zN4hPCnDSN :2012/04/11(水) 09:07:46.75 ID:cbxN5Ncii
あっちゃま大変なことになってる!
310 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/11(水) 18:10:58.83 ID:bJ3XAC5N0
ほし
311 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/11(水) 21:13:23.03 ID:K8gfq0/oO
保守
312 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/11(水) 22:47:28.29 ID:vCBVx8de0
ほらみろ ターミネーターだ
313 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/12(木) 01:29:24.38 ID:H3Awu7VQ0
面白い!
ほしゅ
314 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/12(木) 07:53:06.46 ID:mszpr8P/O
おはようございます
連日の保守ありがとうございます
ちなみにターミネーターは見たことありません
内容も知りません
物語が被っている点はターミネーターファンの方すみません
創造力の乏しさ故の類似点です
誠に申し訳ありませんでした
315 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/12(木) 15:40:56.66 ID:KMPeGauv0
いいんだよ
保守
316 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/12(木) 19:42:45.51 ID:KMPeGauv0
保守
317 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/12(木) 20:11:24.82 ID:mszpr8P/O
「卒業おめでとう」
白髪の口髭を生やした老人に証書を手渡される
青年は笑顔でそれを受け取った
舞い散る桜は人生の栞のように
ひらひらと手を振る友の顔
「おめでとう。のび太くん」
「ありがとう、ドラえもん」
青年は卒業証書を脇に挟み満面の笑みを浮かべる
そこには未来への希望と自信があった
輝いた青春をいつまでも忘れぬように
「早速だけど挨拶に行こうか」
ドラえもんに促されとある場所へと着いていった
そこへ行くまでのセキュリティは厳重でのび太自身度肝を抜かされていた
これほどまでの場所で自分は働くのだと
おそらく人生の大半を捧げるであろう場所なのだと
最後の扉が開く
薄く半透明だが核ミサイルでさえも通さないものだというのはわかった
「おぉ、来たか」
入室した目の前に大きな机に深々と腰掛ける男
広大なその部屋にはあと二人の者がいた
「ようこそ、ISONOへ」
男が厳かな笑みを浮かべる
その男の机には“磯野カツオ”と刻まれていた
318 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/12(木) 23:58:24.57 ID:KMPeGauv0
hoshu
319 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/13(金) 03:03:15.60 ID:Y3a1tHHo0
保守
320 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/13(金) 08:07:33.77 ID:i8TGCQ3hO
「特別学校警護科首席、世界射撃選手権優勝」
カツオは手元の資料を読み上げる
「ふっ…なかなかの経歴だな。だが経歴だけではここは勤まらないぞ」
厳しい視線がのび太に放たれる
内心ではビビり散らかしてしまっていた
「もうお兄ちゃん!怖がらせないの!」
隣から口を挟む
その女の胸には“磯野ワカメ”と刻まれていた
「怖がらせてはいない。ありのままを語っただけだ」
「だからそれが怖いんだってば」
口喧嘩を始める
口論するカツオの姿はどこか和やかさを感じた
本当は優しい人なのだろうとカツオは思った
「野比のび太くん」
言い合いから一転、カツオは表情を戻した
「君には家族がいるだろう?」
「はい」
「いつでも失うと思っておけよ」
「え?」
「この仕事に就く以上、家族など…大切なものは失うと思っておけ」
あまりに唐突で突然の言葉だった
しかしその言葉の奥にある悲しみがのび太には伝わっていた
321 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/13(金) 08:21:36.36 ID:i8TGCQ3hO
「俺たちには残りの家族がいない」
残りの、という言葉で納得した
先ほどの睦まじさに
この二人は兄妹なのだと
そして恐らくここにいる三人は親族であるということ
「察しの通りだ」
カツオがのび太の表情を読み取る
「今現在ISONOにいるのは三人。その全員が磯野姓である」
「じゃあ…」
「そうだ。この三人が唯一の家族だ」
その言葉の重みをのび太は感じていた
「親族しかいないのも当然だがな。俺たちが作ったのだから」
「作った?」
「あぁ、あの第四次世界大戦の後にな」
第四次世界大戦、それは核を主力とした世界規模の戦争
アメリカ、ロシア、中国の三ヶ国が凌ぎを削っていたが日本の生み出したMSロボによって終止符が打たれた
この戦争の被害は多大なものであり世界165ヶ国が放射線の影響を受け78ヶ国が壊滅した
世紀末戦争とも呼ばれ人類最大の汚点として語り継がれる
322 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/13(金) 08:34:52.56 ID:i8TGCQ3hO
「あの戦争でここにいる三人以外の家族は皆死んだ」
遠くを見つめるようなカツオの瞳には深い悲しみがあった
それはのび太にも伝わってくる
「あの無念を晴らすべく俺たちはここで昼夜戦っている」
僕には父と母、両親がどちらもいる
「幸せは永遠には続かない。儚く脆いものだ」
たくさんの仲間に囲まれなに不自由なく幸せに暮らしてきたと思っている
「力なきものは駆逐され、力あるものは虐げる」
そして何よりも大切な友達、ドラえもん
「矛盾を正すことが正義だ。ならば俺たちが正義になればいい。君に全てを守る決意があるのか?」
守れないかもしれない
守りきれないかもしれない
ではない
守る、それだけ
他には何もいらない
正義とは善とはそういうものだ
僕がこの笑顔を守る
「はい!」
のび太の口から発せられたたった一言は他のどれよりも力強く真っ直ぐな言葉だった
それを聞いたカツオは口元を少し弛ませた
隅に置かれた判を取りのび太の履歴書に押した
そこには“採用”の二文字だけが刻まれていた
323 :
(^ω^)& ◆70zN4hPCnDSN :2012/04/13(金) 10:08:05.07 ID:KCoX06z7P
捕手
324 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/13(金) 17:46:32.46 ID:06BgZaDW0
保守
325 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/13(金) 20:38:51.75 ID:i8TGCQ3hO
「僕、がんばるよ」
部屋から出て帰路に着く
ポツリと呟いたのび太の姿はどこか誇らしげだった
「やっとぼくとパートナーだ」
「よろしくね、ドラえもん」
十年後もまたこうしていられるように
だが人生とは困難なものだ
壁があり障害があり転げ落ちる
だがこの二人ほど多難な道を歩む者は数少ない
それが険しい道だと知らずとも彼らは進むしかないのだ
十年後またこうしていられるために
「準備は整った」
「ようやくこの時が来たか」
「本当にやるのか?」
「もう後には引けないだろう」
闇に隠れて牙を研ぐ
それが悪だと云われようとそこに正義はあった
「ロボットへの服従関係は終わりを告げる」
「新たな人類の否、地球の歴史が開く」
「前田さん、あなたを信じてついてきた。ようやく報われる」
「報われる…か。違う」
「え?」
「ここから始まる。新たな一歩が」
326 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/14(土) 00:39:12.85 ID:+uIWRn3X0
保守
327 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/14(土) 03:10:51.02 ID:+uIWRn3X0
保守
328 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/14(土) 12:46:26.26 ID:kRcgnbR+i
ほしゆ
329 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/14(土) 15:35:55.44 ID:+uIWRn3X0
保守
330 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/14(土) 22:08:19.39 ID:wfr9/5Cg0
保守
331 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/14(土) 22:51:25.50 ID:3vAUS9kW0
はぁ、やっと規制解けたよ。
このスレずっと見てますよ。
2週間ぶりの……………
保守!
332 :
(´・ω・`):2012/04/14(土) 23:30:39.31 ID:R1nhPlfF0
保守
333 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/15(日) 01:03:29.52 ID:Ob2aZNuI0
明日早いんでもうそろ……
保守。
334 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/15(日) 12:44:08.87 ID:OaodPzH+0
このスレオワタwww
335 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/15(日) 12:44:52.97 ID:OaodPzH+0
このスレオワタ
336 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/15(日) 16:42:59.89 ID:4Mc2y3NL0
保守
337 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/15(日) 20:46:39.89 ID:vkobBfqS0
保守
338 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/15(日) 22:34:01.16 ID:3N6twvyb0
保守
339 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/16(月) 00:31:39.08 ID:lWNmZomM0
あれ、筆者さん丸二日すっぽかしてるぞ。
はよはよ
340 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/16(月) 08:02:05.35 ID:wnAYP+cbO
二日間保守ありがとうございます
土日の分まで更新できるようにがんばります
341 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/16(月) 08:19:56.16 ID:wnAYP+cbO
ー翌日、三月三十日ー
「これより野比のび太隊員の納官式を執り行う」
カツオが規則文を読み上げる
その一つ一つにのび太は了解の印しに首を傾げた
カツオとのび太の二人だけの問答が30分近く続いた
のび太は少々飽き気味ではあったが真剣な面持ちのカツオを見ると欠伸の一つもかけなかった
「以上で納官式は終わる。そしてこの部署のメンバーを紹介する」
そう言うとカツオは自分の胸に付けられたバッヂを指差した
「私がこの部署の長、磯野カツオだ。全ての任務は私の指事の元動いてもらう」
一礼すると振り返るようにのび太に背を向ける
そのまま何も言わず別の机へと向かう
座っている女を示し告げた
「彼女が磯野ワカメ。この部署の副官兼総務兼経理兼保護兼捕縛兼駆除兼…」
「ようするにほとんどの仕事が私なの」
ワカメが口を挟む
彼女は先日お茶を出してくれたからわかる
「よろしくね」
「よろしくお願いします」
握手を交わすとカツオは最後のメンバーへと誘った
「ここがもう一人の部屋だ」
次の瞬間、のび太の目に信じられない光景が飛び込んできた
342 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/16(月) 08:31:07.08 ID:wnAYP+cbO
「ここが最後のメンバーだ」
カツオに案内されたもう一つの机
しかしそこには誰も座っていない
先日、ここへ来たときもここには誰もいなかった
「え?僕の机ですか?」
「違う。ちゃんといるよ」
カツオは引き出しを開ける
その裏側にあるスイッチを押した
カチッという機械音と共に机が動き始める
「うぉっ!?」
のび太が驚くのも無理はない
動き出した机の下に現れたのは隠し通路だった
カツオと共にその階段を下りていく
真っ暗な地下にあるのは一つの扉だけだった
「入るぞ」
ノックしドアノブを回す
開いたそこから漏れてきたのは眩しい歪な光だった
部屋は広いとはいえないが何不自由なく過ごせる空間
だがそのほとんどがモニターなどの機械類で埋め尽くされている
床には何重ものケーブル
画面にはプログラムのようなものが羅列している
「彼が磯野タラヲだ」
カツオの示した先、そこには小学生ほどの大きさの男がいた
343 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/16(月) 16:39:49.24 ID:oG1LIc/LO
保守
344 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/16(月) 19:42:03.10 ID:h/ynFw6j0
hoshu
345 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/16(月) 20:13:15.03 ID:wnAYP+cbO
「ここに部外者を入れないでほしいといったデス」
「部外者とは言い過ぎだ。今日から配属された野比のび太だ」
「ふんっ…誰が来ようと僕には関係ないデス」
カツオと話す少年
しかし少年とは思えぬ雰囲気があった
のび太自身と同じ歳、或いはそれ以上にすら感じられる
「なにジロジロ見てるデスか」
タラヲがのび太を睨み付ける
「初日からいざこざは止めてくれよ」
カツオが仲裁に入り難を逃れる
のび太を連れ出すようにカツオはそのまま地下室を後にした
「すまないな。タラヲはああいう奴なんだ」
カツオの声が急に変わったことにのび太は驚いた
「家族が死んであいつは心を閉ざした。他人にもそして俺たちにも」
「ずっと地下室に?」
「あぁ、あいつはあそこから出ない。もうかれこれ数年閉じ籠ったままだからな。体が成長していないのもそのためだ」
妙に納得したような腑に落ちないような
しかしのび太はそれ以上踏み要らなかった
そこには血縁者であるが故の深い闇があるように見えたからである
346 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/16(月) 20:26:27.83 ID:wnAYP+cbO
「だがあいつの腕は確かだ。安心して任せられる」
カツオが隠し通路を閉じる
机は元へ戻り何の変哲もなくなる
「のび太の机はあそこだ」
カツオが指し示す
それを見たときのび太は目を疑った
机は机であるが明らかに他とはグレードが落ちている
まるで学校の勉強机であるかのようだった
「あれ…ですか?」
「新米のお前にはあれで充分だ。実績を上げてから口答えはしろ」
有無を言わさずのび太を追いやる
仕方なしにその机に腰かけた
「ふぅー…」
いろいろあるが一旦は置いておこう
初日ということで気も張っている
伸びをし緊張を解す
新たな旅路はここから始まる
いつの日にかきっとあの席に
そう見つめた先にはカツオが映っていた
『エマージェンシーエマージェンシー』
安息も束の間、部屋の中に警報が響き渡る
サイレンとベルが入り交じる中、ワカメが声を上げた
「現場へ急行です。何者かによって時間の狭間が生じています」
「時間の狭間だと?」
「応援要請です。レベルEです」
「わかった。タラヲに転送の用意をさせろ」
こうしてのび太の初任務が始まる
347 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/16(月) 23:22:31.53 ID:L8IPTBhA0
保守
348 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/17(火) 02:43:09.84 ID:kZ2tzOJp0
保守
349 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/17(火) 08:11:38.27 ID:u+RA9KfUO
「ここは…」
のび太は呟いた
目の前に広がる光景
それは決して歴史の教科書では教えられない闇の部分
「廃棄第三地区。放射能によって人間の住めなくなった場所だ」
第四次世界大戦、それによってもたらされた放射能被害は深刻だった
壊滅とまでは行かずとも日本も同じであった
そのために放射能で汚染された地域を隔離し洗浄させる政策が作られた
その間、人口の溢れだした日本はその豊富な技術力で電子空間を設立しそこへ移住させた
がそれは表向きの話、裏では違っていた
「この地区には約3900人の難民がいる。これが国の現実だ」
見渡す限りに溢れる屍
一目で飢餓とわかる人々
彼らはゴミ山を漁りながら人間ではない生活を送っていた
「そんな…」
「これが現実だ。電子空間に移住できたのはほんの一握りの大富豪だけ」
能々と生きてきた
自分の人生など中の上くらいだろうと
ましてや人よりも不幸なのかさえ思ったことがある
だけれどもこの現実を目の当たりにしのび太は絶句した
乏しい己の常識を悔いた
350 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/17(火) 08:25:47.72 ID:u+RA9KfUO
「ここが反応のあった場所だ」
塵を掻き分け辿り着く
そこは少し開け他とは異質な空気を放っていた
「臭うな」
「はい、怪しいですね。ここだけ…」
「違う。あれを見ろ」
カツオが指した先を見る
そこにはゴミ山から煙が立っていた
「ゴミの中の何かの物質が化学反応を起こしたんだろう。自然発火している」
孵卵臭のような異質な臭いは常に漂っていた
しかしその臭いにまぎらわされてこの煙の臭いにまでは気づかなかった
のび太はカツオの洞察力に舌を巻いた
「でもそれが今関係あるんですか?」
のび太は僅かに嫉妬していた
責められた子供のように反論する
しかしカツオは黙ったままだった
すると突然カツオが叫ぶ
「伏せろ!」
条件反射のようにのび太は体を屈める
その瞬間、煙の立っていた場所が爆発し激しい爆音を鳴らす
それを皮切りに次から次へと爆発が起こった
「敵襲だ!気を緩めるな!」
「はい!」
二人は咄嗟に銃を構えた
〜せざる負えない、じゃなくて
〜せざるを得ない、だぞ
352 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/17(火) 08:29:58.48 ID:u+RA9KfUO
353 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/17(火) 10:23:28.69 ID:qG10xIcrI
354 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/17(火) 16:34:20.04 ID:mk0mfN41O
保守
355 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/17(火) 20:10:41.77 ID:u+RA9KfUO
「気を緩めるなよ。もう敵のテリトリーだ」
カツオが声を張る
背中を合わせ周囲を見渡していた
のび太はやけに落ち着いていた
実習や実技で実践形式のものをたくさん積んできたからではない
ましてや物怖じし何も感じれなくなっているわけでもなかった
ただ静かだった
波紋一つ立たぬ水面のように
明鏡止水とはこのことなのだと悟った
「援護します。その間に連絡を」
のび太がカツオに言う
カツオは少し口元をにやつかせた
「ふっ…もう少しテンパるかと思ったがな」
若干悔しそうに呟いた
そしてのび太が周りからの攻撃に警戒したままカツオが腕時計の通信機で伝えた
「こちら廃棄第三地区。敵襲に遭った。敵の正体は不明…」
淡々と状況を伝えていく
その姿は実に慣れたものがあった
「ッ!!カツオさん!!!」
のび太が叫ぶ
するとその目線の先にはまたも煙が上がっていた
「来るぞ!」
二人は身を伏せる
案の定ゴミの山は爆発し粉塵を撒き散らした
356 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/17(火) 20:32:42.02 ID:u+RA9KfUO
「接近成功、身柄確認。抹殺を行います」
爆煙立ち込める中、聞きなれぬ声が聞こえる
その声が実に近いことだけはわかった
「のび太!避けろ!」
カツオの声と共に靡く風の音
のび太は咄嗟に身を仰け反らした
「くっ…何者だ…?!」
額が僅かに切れる
鋭い刃は触れただけで柔い肌を開いていた
「視界が晴れるまで神経を集中させろ!」
「はい!」
暗中模索、それはまるで闇の中で塵を掴むが如くだった
おそらく敵は煙の対策はしているだろう
刃は己の元へ確実に振り下ろされる
ブンッ
煙を掻き分ける風音
間一髪のところでかわす
「くそうっ…もう限界だ…」
二度かわせたのは奇跡に近い
もう次はない
そう覚悟した瞬間だった
ドウンッ
風が吹く
一陣のそれは立ち込める煙を凪ぎ払った
「ちっ…風が…」
そこに現れたのは水中メガネのようなものを装着し刀を片手に持つ女だった
357 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/18(水) 01:23:35.18 ID:b0my256K0
保守
358 :
(^ω^)◇eTtUWPaWlc:2012/04/18(水) 06:39:47.59 ID:GZEdUgCQP
ほしゅ
?
360 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/18(水) 22:24:35.42 ID:U4SjXch50
まだあったのか
361 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/18(水) 22:26:16.06 ID:81/RyL8k0
なんかよくわかんなくなってきた
前田関係無
362 :
☆AKB守り隊☆:2012/04/18(水) 23:10:04.09 ID:RDpCdS8c0
363 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/19(木) 03:36:20.79 ID:Od1CZkZp0
保守
364 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/19(木) 07:45:09.97 ID:XdXVLef6O
「煙が消された。でも大丈夫」
女はゴーグルを外す
そこに現れた美しい顔にのび太は思わず驚きを隠せなかった
「ゆきりん、サポート頼むよ」
女が呟き動き出す
小柄な体格の彼女は見かけ通りに素早かった
一瞬で詰まった間合いから刀を突かれる
のび太はそれを一つずつ丁寧に避けた
「(見える、煙の中に比べれば余裕だ)」
一太刀を見切り引き金を引く
狙いすまされた弾丸は女の太ももへと撃ち込まれた
「ぐっ…」
体勢を崩す
その時にはのび太の銃口は彼女の額に向けられていた
「そこまでだ」
同時にカツオの声
彼の銃口もまた女の真後ろから捉えていた
「時空警察だ。故意的攻撃と見なし現行犯逮捕する」
「…さすがね」
「…………?」
カツオとのび太が呆然としたほんの僅かな隙だった
突然、女の足元から爆風が吹き起こる
豪勢なそれに不意討ちを打たれる
「しまった…!」
煙の晴れたそこにはもう彼女はいなかった
365 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/19(木) 08:01:25.64 ID:XdXVLef6O
「危ない危ない」
女が一息をつく
声の聞こえた方を二人は睨みつけた
「ちぇっ…やっぱ地力じゃ勝てないか」
女が不敵に微笑む
「何をした?」
カツオが言った
隙はあった、しかし何かをさせるほどの動きは与えていない
つまり先ほどの爆風は無動作、ノーモーション
「へへへ、わかんないでしょ。教えないけどね」
「前田一派か」
「………なーんだ、知ってんじゃん」
朗らかだった女の顔が少し強ばる
その表情はどこか底知れぬ恐ろしさすら感じた
「私の名前は大島優子。すぐに知る名前よ」
「すぐに…か」
「……何がおかしいの」
「時間だ。お前はやはりここで逮捕する」
カツオがそう言うのと同時に空間にゲートが現れる
そこから現れる増援
「間に合ったわね」
可憐な女と青いロボットがそこにはいた
366 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/19(木) 18:28:53.41 ID:Od1CZkZp0
保守
ほしゅ
ほす
369 :
名無しさん:2012/04/19(木) 19:54:52.12 ID:gh6VwHX5I
780 :病弱名無しさん:2012/03/25(日) 22:09:50.25 ID:G8KgH4Sp0
おいおい前田敦子さんがAKB辞めるってよ
レーシック受けたのが原因なのか!?
レーシック難民なのか!?
781 :病弱名無しさん:2012/03/25(日) 22:37:21.37 ID:FcyK9J/T0
あっちゃんなんか目つき悪くなってる感じするし大丈夫かね?
失敗による後遺症で踊るのが困難とかだったら
782 :病弱名無しさん:2012/03/25(日) 23:39:57.93 ID:FZNDbzgmO
この件で国が動き出す。間違いない。
784 :病弱名無しさん:2012/03/26(月) 00:38:19.20 ID:gJXTm/wM0
やっぱりレーシックなの!?
なんか怖い.....
786 :病弱名無しさん:2012/03/26(月) 02:03:30.23 ID:Rx7WM/LL0
あっちゃん若いのになんでレーシックしちゃったんだろう
370 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/19(木) 20:28:56.83 ID:XdXVLef6O
「あれ?ヤバい感じ?」
大島優子と名乗る女を取り囲むように三人と一体が立つ
「空間隔離シールドを発動しています。逃げることはできません」
ワカメが呪式の構えに入る
「気をつけろ、妙な術を使うぞ」
「妙な術?」
「爆風を無動作で起こした。おそらく他にもできるはずだ」
「無動作…MSロボ気をつけて」
「はい」
緊張感が漂う
気を許せぬ間が埋まったその瞬間だった
大島が不敵に微笑む
「何がおかしい?」
「危なかったわ」
「……………ッ!」
カツオが何かに反応する
しかしのび太とワカメ、ドラえもんは交わしきれなかった
「ぐわっ!」
訳も分からず吹き飛ぶ
大島を囲んでいた陣形は崩れていた
「サンキュー、にゃんにゃん」
のび太が認識したその時にはすでに大島の隣にもうひとり女が立っていた
その女もまた可憐で美しい
それはまるで時が止まったかのようにスローモーションに感じられた
そしてこれが彼らと彼女たちとの初めての対峙でありのび太の歯車が動き出した始まりなのである
「間に合ってよかった」
前田敦子が姿を現した
371 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/20(金) 00:55:09.76 ID:pPoztTfV0
ほ
372 :
☆AKB守り隊☆:2012/04/20(金) 01:14:23.08 ID:T/jWwzrF0
し
373 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/20(金) 04:11:22.83 ID:pPoztTfV0
ゅ
374 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/20(金) 08:43:35.74 ID:wdgSOwmCO
まるでスローモーションのように
否、時の流れが止まっていた
前田が一人ずつ触れていく
ただ触るだけ、それだけだった
「そして時は動き出す」
そう言ったのと共に時間の流れが元に戻る
その瞬間、カツオたちが一斉に吹き飛んだ
「がはっ…何をした…」
カツオが即座に立ち上がり眼前の女を睨みつける
しかし前田は悠然と立ち尽くす
「お兄ちゃん!今のが?!」
「そうだ!何が起こっているのかわからない!だが確かに奴らの攻撃だ!」
理解できぬ事態に慌てふためく
それはのび太も同じであった
そしてその謎は恐怖に変わり考えることを止めていた
「だめだ…死ぬ…」
足が震え腰から砕けそうになる
こんな想定はなかった
実習でも授業でもこんな相手はいなかった
「あぁ…あぁ…」
「気を保てのび太!」
「……カ……ツオ…さん」
「諦めるな!必ず活路はある!」
375 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/20(金) 18:27:15.25 ID:OVlLlxvP0
保守
植物人間
377 :
名無しさん:2012/04/21(土) 02:06:00.30 ID:6XgAOc+MI
ほーらね、やっぱり
前田敦子レーシックなんて受けなきゃよかったのに。
引退だって。かわいそう。
前田あっちゃんレーシック難民だったのか!?
レーシックの
後遺症で光がまぶし過ぎる 。
AKBの絶対的エース
あっちゃんレーシック受けてから目の動き変だったからな。
瞳孔も異常に開いてる感じだったし。やっぱレーシックだけはあかん。
前田のあっちゃん眼位もおかしくなってきてるね
目の周りの筋肉や顔全体もゆがんで曲がってきてるな
目パチパチしながら出てくるから見ててみな
あっちゃんなんか目つき悪くなってる感じするし大丈夫かね?
失敗による後遺症で踊るのが困難とかだったら
欝、脳圧上昇、不眠、眼痛
レーシック手術を受けてから目の輝きがなくなって、
失調きたしたあげくに引退宣言したAKBの前田敦子
最近のあっちゃん悪魔に目をいじられて取り返しのつかないことをしてしまった
って訴えかけてるような目してて悲しい。
378 :
☆AKB守り隊☆:2012/04/21(土) 10:04:34.78 ID:6VDYapcQ0
keep
379 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/21(土) 15:59:17.36 ID:0FcxamIPO
ほ
ほすい
381 :
☆AKB守り隊☆:2012/04/22(日) 00:19:17.94 ID:+BHEz03q0
ガンガンガン速
382 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/22(日) 03:41:29.41 ID:9ZP4H2od0
ほ
383 :
☆AKB守り隊☆:2012/04/22(日) 09:06:01.22 ID:+BHEz03q0
あげ
384 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/22(日) 13:24:27.32 ID:9ZP4H2od0
ho
385 :
忍法帖【Lv=33,xxxPT】 :2012/04/22(日) 13:37:27.55 ID:rvzg99xw0
shu
捕手
387 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/22(日) 18:44:22.02 ID:9ZP4H2od0
ho
388 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/22(日) 20:47:19.21 ID:LZRghXcUO
賛否両論あるだろうけど俺は表現力が高いから好きだよ
情景が頭に浮かぶもん
これからAKBメンも出だしてくるだろうしそうなったら不安も消えるだろうから期待してるからがんばってね
こんなにたくさんの人が保守してくれてるってことは
楽しみにしてる人が多いってことだからめげずに完走してほしい
がんばってね
389 :
☆AKB守り隊☆:2012/04/22(日) 22:58:39.79 ID:+BHEz03q0
>>388 面白いのはいいんだが、
読者としてはもっと更新早くしてほしい
390 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/23(月) 07:55:44.14 ID:j5+R5iAOO
保守ありがとうございます
土日はどうも更新が捗らずすみません
指摘のあるとおり更新が少ないのは申し訳ありません
このスレがある限り完結までは書きますのでよろしくお願いします
391 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/23(月) 08:27:21.42 ID:j5+R5iAOO
「諦めたらいけない…」
のび太は呟いた
目の前に現れた前田に銃口を向ける
「無駄よ」
「無駄?最新式光線銃だぞ、僕の腕を見くびるな」
「そんなことじゃない。何がどれで誰であろうと関係ない」
前田の言葉には凄みがあった
圧倒されてしまいそうなほどの威圧が
「うああああああああああ!!!」
のび太が引き金を引く
放たれた光線は前田へ向かう
しかしそれは彼女に届くことはなく静止する
否、時間そのものが止まっていた
「だから無駄だっていってるのに」
止まった時間
その中を歩めるのは前田だけ
のび太へと悠然と歩み寄る
静かに優しくものび太に触れる
「そして時は動き出す」
その言葉と共に時は動き出しのび太が吹き飛ぶ
「さあ、戻ろう」
前田は振り返り静かに告げる
大島の元にいる小嶋が小さく頷いた
「待て!」
立ち去ろうとする彼女たちを引き止めたのは今にも崩れ落ちそうなのび太だった
392 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/23(月) 08:44:26.99 ID:j5+R5iAOO
「まだあんな威勢が」
前田がのび太を見つめ呟く
しかしその目は敵に向ける瞳ではなく慈悲すらも感じられる眼差しであった
「そんな…目で…僕を…見るな…」
のび太が振り絞るように噛みつく
それは枯れてしまいそうなプライド
「このッ…このッ…このおおおおおおおおお!!!」
「逸るな!のび太!」
カツオが叫ぶ
安易な攻撃は通用せぬとわかっていたから
これ以上の被害は抑えなければならぬから
しかし激情に駆られたのび太の引き金は止まることはなかった
ドンッ…
虚しくも鳴り響く発砲音
それが彼女たちに届くはずもなく
「ゴフッ…」
のび太の目の前に吐き出される血
目を疑うしかなかった
信じたくはなかった
けれどもそこには事実しかなかった
「カツオさん!!!」
腹を貫かれたカツオが突如として現れ、そして彼女たちの姿は消えていた
393 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/23(月) 18:55:09.62 ID:YTyDxBHnO
ほ
394 :
☆AKB守り隊☆:2012/04/23(月) 22:21:23.15 ID:KOeWpOdW0
ダンデライオン
395 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/24(火) 01:50:56.68 ID:Z6aJqnbj0
ほ
396 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/24(火) 08:08:08.91 ID:ultG+dzuO
「臓器は壊滅的損傷、意識もまだ戻っていません」
ピッピッという心臓の鼓動を伝える機械音が鳴り響く
大きく広い部屋の真ん中に横たわる男には幾本もの装置が備え付けられている
そのガラス越しに見守る人々
「命は助かったんですね?」
「一命はとりとめていますが予断は許されない状況です」
ワカメが看護師へと詰め寄る
その顔は蒼白としていた
「ぼ、僕の…せいだ…」
のび太は壁際で項垂れるように座っていた
頭を抱え床を一点に見つめる
「のび太くんのせいじゃないよ」
「…いいよ、ドラえもん。そんな気休めの言葉はいらないんだ…」
のび太の脳裏に駆け巡るのはあの一発
どうしてカツオの指示に従わなかったのだろう
どうしてあんなにも気を急いたのだろう
無駄だとわかっていたのに
まして逆にやられてしまうことも見えていたのに
心の片隅のちっぽけなプライドがそれを許さなかった
「のび太さん、帰るわよ」
ワカメが静かに言った
こうしていても仕方ない
自分たちには休む暇などない
そうわかっているのにのび太の体は動かなかった
397 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/24(火) 08:17:18.45 ID:ultG+dzuO
「のび太さんが悪いんじゃない。彼女たちの何らかの力が上回っていたの」
「違う…」
「あの状況を打開する策は私たちにはなかった」
「違う…」
「違わない!」
ワカメの語気が強まる
その目にはうっすらと涙が浮かんでいた
「私だって…私だって守りたかった…お兄ちゃんを…」
その言葉の重み
その言葉の悔い
「助けられなかった…悔しいのはあなただけじゃない…」
そう言うとワカメは歩き出した
しかしのび太は動かない
離れていくように二人は違えた
「苦しいのは彼女も一緒だよ」
ワカメと入れ違うようにドラえもんが現れる
「今は支えなくちゃいけない時だ」
「……………」
のび太の耳にドラえもんの声は聞こえてはいなかった
その心に芽生えた僅かな隙間
そこに吹き込む風はのび太に新たな扉を開かせていた
それが善か邪か、正か悪か
もう一人の自分の声がした
398 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/24(火) 08:33:30.50 ID:ultG+dzuO
核ミサイルさえ通さぬ屈強な扉が開く
薄透明なそこから覗かせたのはのび太の姿だった
「おかえりなさい」
ワカメが呟く
一番大きな席には誰も座っていない
のび太は静かにその前へ立つ
そして深々と一礼した
「のび太さん…?!」
ワカメには嫌な予感が走った
考えうる最悪のシナリオ
「何を考えてるの!お兄ちゃんのいない状況で勝手な真似は…」
ワカメの元に一枚の紙が差し出される
そこには“辞表届け”と記されていた
「命令違反は組織にとって大罪です。短い間でしたがありがとうございました」
のび太はそれだけ言った
そしてもう一つの空いている席へと向かう
引き出しを開け隠しスイッチを押す
カツオに連れられたように再び地下のこの場所へと降りる
「安易にここへ来るなと言っただろ」
「頼む、奴らの元に転送してくれ」
「無駄死にだぞ?」
「構わない」
のび太もタラヲも一切表情を変えなかった
ただ必要最低限のことだけを交わした
決意の眼差しを固めたのび太の手には愛用のリボルバーが握られていた
ーーー三月三十一日、運命の日ーーー
399 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/24(火) 18:15:38.17 ID:Z6aJqnbj0
ho
400 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/24(火) 22:18:53.42 ID:Z6aJqnbj0
ho
401 :
忍法帖【Lv=35,xxxPT】 :2012/04/24(火) 22:40:06.65 ID:oJWTN93m0
shu
402 :
☆AKB守り隊☆ 忍法帖【Lv=8,xxxP】 :2012/04/25(水) 00:03:34.22 ID:1uRIdcTW0
たもつ
403 :
忍法帖【Lv=5,xxxP】 :2012/04/25(水) 05:23:11.91 ID:Rj5ulLKn0
ほ
404 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/25(水) 08:09:04.30 ID:ch+dE23SO
「時間の亀裂は完成した。あとは天国への扉を開くだけだ」
「トウマ最後の預言か…」
とある場所のとある女たち
そこに流れる空気は重かった
「ロボットと人間の壁を超越させる…」
「本当に大丈夫なのかな?」
「できるよ、私たちなら」
「みなみの為にもね」
彼女たちの瞳には哀しみの色があった
そして戸惑いも
当たり前だ、世界を敵に回そうとしているのだから
迷わないほうがおかしい
迷う、けれども彼女たちには一つの信念があった
だからもう引くわけにはいかなかった
「明日、AKB48、SKE48、NMB48…全48で総攻撃を掛ける」
「獲るのは天皇の首でも総理大臣の首でもない」
「この国の未来」
彼女たちは静かに決意を固めた
それは燃えたぎる炎でもなく弾ける焔でもなく
決して消えることない煉獄の如く
「来ますよ」
一人の女が呟く
彼女たちは慌てることなく来ることをわかっていた敵を待ち構える
「いい準備運動だ」
不敵な笑みを浮かべた
405 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/25(水) 08:13:14.06 ID:uyFP1/HOI
橋下徹大阪市長ってレーシック難民なの?
レーシックのリスク
不正乱視、過矯正、欝、自殺、脳圧上昇、照射ズレ、偏心照射、充血、眼精疲労、
ドライアイ、色覚異常、不同視、視力再低下、角膜潰瘍、角膜混濁、DLK、ハロ・グレア、スターバースト、
ヘイズ、見え方の質の低下、コントラスト低下、エピセリウムイングロース、セントラルアイランド、
角膜感染、サハラ砂漠症候群、フラップ形成不全、フラップ不良、夜間視力低下、明所でのまぶしさ、
中近方の見えづらさ、複視、日中の視力変動、エクタジア、球結膜下出血、飛蚊症、毛様充血、
表層角膜炎、層間角膜炎、上皮迷入、激しい目の痛み(表面、奥)、充血(出血)、疲れ目、斜視、眼瞼下垂、
慢性頭痛、眩暈、吐き気、斜頸、全身倦怠感、不眠症状、欝症状、自殺願望、てんかん 、
前田敦子さんってレーシック難民なの!?
過呼吸、パニック障害
406 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/25(水) 08:27:50.27 ID:ch+dE23SO
「何らかの電波障害が起こされている。特定地に飛ばすことは困難だ」
「相手のど真ん中にだって構わない」
「転送した後の再転送もできないぞ?逆探知される」
「元より生きて帰ろうとは思ってない」
のび太の決意にタラヲが揺らぐ
否、タラヲは止めても彼が行くことをわかっていた
「一つだけ」
「…なんですか?」
「生きて帰ってこい」
「はい」
手榴弾の栓を抜く
扉の前に転がし身を隠した
次の瞬間、目の前の障害は全て吹き飛び大きな穴が空いた
「構えろ、敵だ」
大島優子が呟いた
その手にはすでに刀が握られている
「ウオォォォォォォオオオオオオ!!!」
煙の中からのび太が雄叫びを上げながら現れる
のび太は即座に間合いを詰める大島に銃弾を放った
「甘い」
大島は飛んできた銃弾を切り刻む
しかしのび太の口元は歪んだ
「甘いのはどっちだ?」
「……?!………閃光弾!」
斬られた三つの弾が眩いばかりの光を放つ
不意をつかれた大島は一瞬体が硬直した
のび太は大島の懐に飛び込み腹に拳を当てた
「波紋疾走ッッッ!!!」
人形のように彼女の体が吹き飛んだ
407 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/25(水) 17:09:22.01 ID:zrFoFE2O0
てす
408 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/25(水) 17:40:36.85 ID:zrFoFE2O0
空気が弥立つ
のび太から発せられる気配は変わっていた
「やはり波紋を使えるのか」
前田は呟く
大島が吹き飛ばされた現実を目の当たりにしても彼女は不動の姿勢を崩さなかった
どこかまだ余裕すらも感じられる
「いくぞッ」
のび太は止まらない
押し寄せる波のように畳み掛ける
その矛先は小嶋陽菜へと向けられていた
「うわぁっ、こっちにきちゃった…えーん」
のび太が拳を振るう
しかしそれは空を切りそこに彼女の姿はなかった
「ッ!?」
「危なかった〜」
のび太の後ろに現れる
即座に切り返し再び殴りかかる
「えーん、どうして私ばっかり〜」
のび太の拳は当たらない
それは避けるや外れるなどではなかった
ただ単にそこにいない
標的がもうそこから消えていた
その時、のび太の脳裏を霞めたのはあの謎の力だった
しかしそれを過ったときにはもう遅かった
「どこ見てんの」
のび太の懐にいたのは板野友美
しかしその声の元にのび太は驚愕する
「な、なんだとォーーーーーー」
板野はのび太の背中から顔を出していた
409 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/25(水) 17:53:01.77 ID:zrFoFE2O0
痛みはない、体に異常もない
しかし目に見てとれる”異変”が起こっていた
「ふいに気づいたらもう遅い」
板野の体がのび太の体の中へと入っていく
まるで水の中に入っていくかのように流々と
「うわぁ!!!あああぁぁぁあああ!!!!!」
のび太は必死に振り払おうとするも無駄だった
板野は完全に消えのび太へと入りきる
そして異変は起こった
「ぬぐぅぅぅ…か、体が…動かない…」
体の自由は一切なくなっていた
自分の体が自分のものではないように指先一つ動かない
『いいよ、麻友』
どこからか聞こえる声
だがそれは確かに板野の声
何一つ理解できない状況のまま目の前に渡辺麻友が立つ
「な、なんだァーーー?」
渡辺はただ黙ってのび太を見つめる
「何をするきだァーーー!!!」
彼の叫びは虚しくも響き渡った
ただ抵抗することもできず夢幻の世界へと堕ちる
「ここは?」
「私の世界」
「おまえは…」
「あなたはもう抵抗することはできない、終わりよ」
410 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/25(水) 18:11:41.86 ID:zrFoFE2O0
「終わったよ」
渡辺が言う
それと共にのび太の体が崩れ落ちる
「波紋使いってのも大したことないね」
のび太の体から板野が出てくる
深い息を一つ吐きのび太を見下ろした
「いってーなー、ちぇっ」
崩れた瓦礫の中から大島が現れる
「あ、生きてたんだ」
「こんなんじゃ死なないっての」
小嶋に向かって大島が笑みを返す
その時、柏木が口を開いた
「まだ終わってないみたいですよ」
柏木の視線の先、のび太が起き上がろうとしていた
「精神は完全に壊したはずなのに…」
「波紋だ。波紋で最後の最後持ちこたえたのよ」
驚く渡辺に篠田が冷静に告げる
その二人の後ろから意気揚々と戦う準備を始める大島
「よーし、第2Rだ」
不敵な笑みを飛ばす大島
それとは対照的に立つことすらままならぬ意識を保つことで精一杯ののび太
この状況は誰が見ても絶望的でしかなかった
「おまえ…たちを…倒す…カツオさんの…敵討ちだ…」
彼女達を睨みつける
その殺気が触れたか否か大島が同時に駆け寄っていた
振りぬかれる刃
反応すらできぬ高速の一閃
のび太は死を覚悟し目を閉じた
「優子!!!」
その声に刃が止まる
のび太の首筋ギリギリで止まったそこからは僅かに血が流れている
「もう勝敗は決まってる、無駄な殺生は私たちのしようとしていることじゃないでしょ?」
前田敦子がゆっくりとのび太の元へと近づいた
メンバーの個性爆発!
ともちん怖過ぎ
412 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/26(木) 00:18:52.10 ID:+NrsiKfH0
おもしろくなってきたね
保守
413 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/26(木) 01:32:01.21 ID:WQ5trGEWO
そうかな?
あんま詰め込むと良くない気がする…
414 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/26(木) 03:20:37.69 ID:+NrsiKfH0
個人的にメンバーの能力が楽しみなんだよね
415 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/26(木) 08:35:35.70 ID:ry+Cb8h0O
「あなたの負けよ」
前田は静かに告げた
地に這いつくばる男に向かって
「行くわよ」
その言葉と共に大島は刃を引く
前田に誘われるがままに彼女たちは背を向けた
「…待て…」
「………あなたにはもう勝機はないわ」
「…なぜ…止めを刺さない…」
「必要がないから。あなたなど取るに足らない障害だから」
絶望を感じた
力の差ではなくその命の意味の差に
こんなにもちっぽけな存在であったことの証明
のび太は敗北を知った
これによりのび太は自分の力の無さを知り姿を消す
そして旧友たちと手を組み国に背を向ける存在となるのである
その刃はいつか復讐を果たすために静かに研がれていく
この後、前田たちは48グループを引き連れ国を相手取る
その戦いは一年経っても治まることはなく今もまだ続いている
戦争の始まった四月九日、それを彼女たちは友の弔いと称した
一方、国民たちはその日を地球最後の始まりの日と定めた
416 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/26(木) 09:00:53.51 ID:ry+Cb8h0O
「行くのかい?」
口髭を生やしたバーのマスターのような男が言った
木漏れ日が射し込む部屋
窓から見えるのどかな景色
「一人で行くのか?」
「はい、仲間はみんな死んでしまったので」
「寂しいぞ、一人は」
マスターの言葉は妙に心に刺さった
男は仲間を捨てたから
一人で生きていくと決めた、否、一人でしか生きていけない
「って…」
「痛むかい?」
男の右半身は火傷のように皮膚が爛れていた
その傷は顔にまで広がっている
「匿って頂きありがとうございました」
男は深々と頭を下げた
食事も寝床もマスターから借りていた
恩人といって他ならない
感謝は仕切れないほどにしている
「礼は構わんよ」
笑みと共に目尻に皺が寄る
なんとも朗らかな屈託ない表情
男は彼に出会えて本当によかったと思いつつ拳銃を構えた
「本当にありがとう」
引き金の引かれた銃声が部屋を包み込む
男は真っ赤な鮮血が広がっていく床を踏み越える
「アリーヴェ・デルチ(さよならだ)」
野比のび太は静かに去った
417 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/04/26(木) 15:24:37.13 ID:6+yOhyiN0
このスレがたって一月だな
418 :
☆AKB守り隊☆:2012/04/26(木) 18:43:43.05 ID:+K20OOLe0
ググったら「アリーヴェ・デルチ」って
イタリア語らしいね
あとジョジョの奇妙な冒険の名台詞だって
419 :
忍法帖【Lv=6,xxxP】 :2012/04/26(木) 21:41:03.98 ID:T+BpM0Pk0
ほ
420 :
☆AKB守り隊☆:2012/04/26(木) 22:35:20.24 ID:+K20OOLe0
し
421 :
☆AKB守り隊☆:2012/04/27(金) 04:55:31.73 ID:6KmwhEOT0
ゅ
422 :
◆oRNahTy0Qw :2012/04/27(金) 08:20:18.87 ID:XiyT9JrbO
「じゃんけんぽん」
「わー、また負けたー」
「麻里子ほんとに強いね」
和気あいあいと戯れる人の群れ
その中心にいる一際背の高さが目立つ女性
「なんでそんなに強いの?」
「えーとね〜…心が読めちゃうからかな」
「心が?!」
「うん、こうジーッと見てたらね」
「へぇ〜」
麻里子と呼ばれた女はそう言うと優しげな笑みを浮かべた
どうせ信じてはくれない
またいつもの冗談だと思っているのだろう
彼女は胸の中でそう思いながらも顔には出さない
ポーカーフェイスが売りだから
「ごめん、ちょっとお手洗いに行ってくるね」
収録の合間の休憩時間
楽屋を抜けトイレへと向かう
「ポーカーフェイスが売りだからね」
彼女は小さく呟いた
そしてトイレに到着し鏡の前で身だしなみを整える
すると不意に口元を歪ませ言った
「誰?」
「あれ?バレちゃってましたよ」
「うーん…仕方ないね」
物陰から現れたのは前田と柏木だった
423 :
◆oRNahTy0Qw :
「いつから気づいてたの?」
前田が笑いながら尋ねる
篠田もまた笑いながら返した
「あんなに視線感じさせちゃわかるでしょ」
「へへっ、ごめんね」
「どうして私を尾行してたの?」
「んーっとね…」
前田が口ごもる
柏木と顔を見合わせた
「いいから話してみてよ。隠し事はなしでしょ?」
その言葉に前田は渋々頷いた
そしてドラえもんから聞かされた未来に起こる摩訶不思議な出来事を伝えた
「じゃあその未来では私たちが反乱起こすってこと?」
「そうなの。だからゆきりんと一緒に麻里子を嗅ぎ回ってたってわけなの」
「ふーん…」
「でも何にもなかったしよかった。この事は気にしないでね。ドラえもんも同じ未来になるとは限らないって言ってたし」
すると先ほどまで朗らかだった篠田の表情が曇りだす
何か悩んでいるように感じられた
「どうしたの?」
「…………隠し事はなしだよね」
そう言うと彼女は意を決したように顔を上げた
「私実はね超能力が使えるの」