1 :
新田 ◆O7NLEm4eVc :
暗闇の中に一人の男が立っている
真っ黒な服に肩にかかりそうなほど長い襟足
スポットライトが当たり振り返る
「えーお久しぶりです、古畑任三郎です」
男は薄っすらと笑みを浮かべている
猫背で丸まった姿勢
懐から一枚の羽根を取り出すと話し始める
「『羽』というのはとても精密にできています
たくさんの『羽根』が折り重なって『翼』になり
『翼』は空気を上手く取り込んで飛ぶことができます
…えー…何が言いたいかというと…」
眉を八の字にし含み笑いを浮かべる
持っていた羽根を離すとひらひらと落ちていった
「決して一つでは飛べないということ」
主演:田村正和 ゲスト:AKB48(高橋みなみ)
【たかみなに着いて行きます】
2 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 19:21:15.67 ID:+b9F+81LO
小説かい?
お前まじでなに言ってんの?
4 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 19:22:20.49 ID:QTUenkbPO
小説ならスレタイに小説と書け
ネタスレならスレタイに自分はホモですと書け
5 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 19:25:33.57 ID:Nlnd7/p70
ホモです
?
7 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 19:49:22.15 ID:6VNNxXMM0
羽根→Bird→高橋みなみ
よって犯人は高橋みなみ、お前だ!
8 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 19:50:33.55 ID:gONOMddpO
こんな怖いスレ久しぶり
(°□°;)
9 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 19:51:14.83 ID:naY06Xcm0
通報しませんでした
10 :
ころなど ◆SKe/z6aFJg :2012/02/26(日) 19:51:27.28 ID:6ZAP+qPM0
古畑ネタはさんざんやったからお腹いっぱい
11 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 19:53:49.41 ID:qBMgx/KW0
殺人したヲタは既にいたよな
12 :
【プロローグ】 新田 ◆O7NLEm4eVc :2012/02/26(日) 20:06:41.98 ID:KjlPA7/v0
扉をノックすると中から声が聞こえた
ドアノブを回し開く
そこには中年で小太り、眼鏡をかけた男がいた
「入れ、高橋」
高橋と呼ばれた少女は部屋の中へと足を踏み入れる
椅子に座っている男の机を挟んだ向かい側へと誘導される
「腰掛けたまえ」
高橋は言われるがままに椅子に座った
「もう決心はついたか?」
「・・・・・」
秋元の問いかけに高橋は無言のままだった
「もう決まったことだ、おまえに権限はない」
高橋の物言わぬ言葉に秋元は少しイラついた表情を見せる
急かすように高橋の返答を煽る
「高橋みなみ、おまえは次のコンサートをもって卒業だ」
13 :
【プロローグ】 新田 ◆O7NLEm4eVc :2012/02/26(日) 20:32:44.00 ID:KjlPA7/v0
卒業、それを聞かされたのはあの事件が原因だった
隠し切れないことも消し去ることもできないことはわかっている
それでもアイドルというのは自分の道
「今回の件は事が大きすぎた」
母親の淫行事件、そして逮捕
運営の大幅な報道規制により全国ネットには明るみにならなかったものの
ネット上では情報が出回り事実上表になる形となった
「もうアイドルとしては限界があるだろう」
本人の不祥事ではないといえどスキャンダルはアイドルにとっては致命傷
ましてや刑事事件にまで発展する大事を身内が、それも母親が引き起こした
娘である高橋に火の粉が降りかかってくるのは当然であった
「アイドル生命は尽きたといっても過言ではない」
「………」
「もう諦めろ」
「…わかってます」
「勿論、歌手になるための補償はする。まだAKBには利用価値があるんだ」
利用価値、その言葉になぜか心がざわついた
14 :
【プロローグ】 新田 ◆O7NLEm4eVc :2012/02/26(日) 20:49:40.92 ID:KjlPA7/v0
わかっている、自分がいればみんなに迷惑をかけることくらい
知っている、芸能界がどれだけシビアな世界なのか
「たかみなー」
そういって傍に寄ってきてくれる声
いつも周りには仲間がいて支えてくれてここまでこれた
どれだけ辛くてもどれだけ苦しくても
笑顔がそこにあったから
「元気だしなよ」
「大丈夫?」
「たかみながいないと纏まんなんだから」
失意のどん底にあった私にみんなからメールが届いた
後輩からも同期からも
気を使ったり同情したりでもない
ありのままのメッセージ
立ち上がろうと決めた
みんなが必要としてくれるなら
AKBは高橋みなみのことである
そんなことは全くの嘘で
みんながいるから私がいる
支えられてばかりの人生だけどここにいる
もしもこの言葉が本当なのだとしたら
高橋みなみとはAKB48である
それしか伝える言葉が見つからない
15 :
【プロローグ】 新田 ◆O7NLEm4eVc :2012/02/26(日) 21:10:31.35 ID:KjlPA7/v0
「おまえにも悪い条件ではない」
高橋の目の前に一枚の紙切れが置かれる
そこにはたくさんの0が並んでいた
「1億だ、これと歌手としての道を約束する」
違う、そじゃないんだ
「これで手を打ってくれ」
お金でも夢でもない
「AKBなんて所詮『箱』だ、おまえたちはその中の部品
歯車の一部でしかない、そうだろ高橋?」
私にとってAKBとは家だ
そこにはみんながいて泣きたいときは泣いて笑いたいときは笑う
道の途中ではあるけれどそこは確かに今の私の大切な場所
「『箱』を変えるだけだ、それはいつか必ずくる」
それはどういう意味?
使えるだけ使ったら捨てるってこと?
「おまえだけは特別だ、今までの功績を称えてな」
特別?功績?
あなたに何がわかる?
「そう考えれば捨て時だろ、今が」
16 :
【プロローグ】 新田 ◆O7NLEm4eVc :2012/02/26(日) 21:25:36.50 ID:KjlPA7/v0
私はふと立ち上がった
煌びやかなトロフィーが立ち並ぶ棚へとふらふらと歩み寄る
あぁ…こんなにすごい人だったんだ
改めて思い返すとその実績は目を奪われるものだ
だからこんなにも機械的に無機質に成り果てたのか
いや心がなかったからこそこんなにも成功できたのか
「もうコンサートは決まった、武道館だ」
武道館…私たちの目標の場所
「高橋みなみの卒業に加えて解散もありか」
そうだ、わかってる
一億渡してもそれ以上の見込みがあるから
歌手への道、それだって時が経てば忘れたように捨てられる
目の前の目に見えるものしか映っていない
「ハハハハハハハハハハハハハ!!!!!」
秋元の高笑いが部屋に響く
それと共に鈍い音も響いた
気づけば秋元は項垂れ血が滲み出ていた
そして私の手には血のついたトロフィーが握られていた
そのトロフィーには奇しくも『レコード大賞』と刻まれていた
17 :
名無しさん@お腹いっぱい。:
スレタイだけ変えてくれ