【小説】古畑任三郎vsAKB48

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439「古畑任三郎vsAKB48」
引き続き、代行からです。ご迷惑おかけします。
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/accuse/1318739742/

Scene28−14

 篠田が進み出た。
「この件は今日の最後で必ず発表します。だから、私たちに高橋と一緒にステージに上が
るチャンスをください。東京ドームは、私たちの夢なんです!お願いします!」
 深々と頭を下げる。
「お願いします!」
 ほかのメンバーも篠田にならう。
「みんな」
 古畑が高橋を見る。古畑が頷く。高橋も深々と頭をさげた。
「お願いします!」
 古畑はメンバーに背を向け、一二歩足を進めて、止まった。
「実は、私にはまだひとつ気になっていたことがあります」
 古畑の口調に、メンバーが顔を上げる。
「えー。それは…」
 古畑が向き直る。
「みなさんのステージです」
 古畑の一言に、メンバーは一瞬固まった。
「楽しみにしています」
 古畑は笑顔を見せると、再び踵を返した。メンバーはその背中に思い切り頭を下げた。
「ありがとうございます!」
「あと何分?」
「十分ぐらい」
「みなみ、円陣組もう」
「うん」
 古畑は背中に明るい喧噪を聴きながら、観客席につながる階段へ向かった。