【AKB】小説スレ【48】

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326松本氏 ◆Gl3jYdoy9.

「ご注文は以上でよろしかったでしょうか?」
では、繰り返します。
ウェイトレスが注文を繰り返してる間、俺は目の前にいる彼女の存在に疑問符を打っていた。
ウェイトレスが頭を下げ、テーブルから離れる。
一体何故、彼女がいるのだろう。

先日、謝罪とお礼をしようと、麻衣に電話をしたが、途中、臆してしまい電源ボタンを押してしまった。
仕方ないと思い、一時間掛けて打ったメールを、勇気をだして送った。

そして今日、ここには麻衣が来る予定だったはずなのだが、
何故か、彼女、大島優子が目の前に座っている。
「用ってなんですか?」
優子はメニューをテーブルの端に寄せ、水の入ったコップに口を付けた。
用があるのは、麻衣の方にだ。
確かに、この前は優子の方に用があったのだが…。
「麻衣ちゃんのことですか?」
優子が悪戯っぽく笑う。
俺が麻衣に、協力を求めていたことを知っているのだろうか?
びっくりして顔を上げる。
「当たりみたいですね」
さらに笑顔を強めて、両肘をテーブルに付き、興味津津な顔をした。

「てことは…、俺の気持ち、知ってたんですか?」
優子に対する気持ちを、知られていたなんて、想定外の出来事だ。
「いえ、今初めて知りましたよ。
麻衣ちゃんといい、二人とも判りやすいですよねぇ」
優子の顔は相変わらずニヤニヤと笑っていてる。
麻衣? 何のことだろうか。
俺が好きなのは優子のことで、それがバレたことを『判りやすい』と言われるのは判る。
じゃあ一体、麻衣の何が『判りやすい』んだろうか。
「告白、するんですか?」
なんて大胆な発言をするんだろう。
自分のことを好きだと知った後に、その男に対して告白を求めてくるなんて。
「あ、じゃあ、遠慮なく…」
どうせバレてるなら、臆することなんてない。
俺の気持ちを知りながら、嫌な顔をしていないんだ。可能性は0ではない。

ゆっくりと息を吸い込み、優子の大きな瞳を見つめる。