【AKB】小説スレ【48】

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266松本氏 ◆Gl3jYdoy9.



告白までの流れをイメージしたあと、気合いを入れて二人の元へと戻った。
「あ、おかえりー」
優子の眩しい笑顔に迎えられて、気分は最高潮に高まる。
あとは、麻衣が居なくなるのを待つだけ……って、あれ?
異変に気付いた。
先程まで元気の良かった麻衣の様子が明らかにおかしい。
「麻衣、どうかした?」
「え、な、なんで? どうもしないよ」
取り繕うように姿勢を正し笑顔を作り、優子に向かって「ねえ?」と同意を求めた。
優子は、そんな麻衣がおかしいのか笑顔を崩さぬまま、それに返事した。
「ならいいんだけど…」
腑に落ちなかったが、それ以上の追求はしなかった。
ポケットからタバコを取り出し、それを一本咥える。
火を点けようとライターを手にしたとき、優子と目が合った。
タバコ、まずかったかなと思い、咥えてたタバコを口から離した。
「どうぞどうぞ、吸ってください。私、男の人がタバコ吸ってる姿好きなんですよ」
優子は軽く微笑むと、両肘をテーブルに乗せ、両手で自分の頬を包み込む様に顎を乗せた。
笑ったときに出来る両頬のえくぼと、少女漫画のキャラクターのような大きな瞳。
そして、その外見からはイメージ出来ないハスキーボイスが、さらなる魅力を醸し出していた。
許しを得た俺は、再度タバコを咥えると、そこに火を点け、一気に煙を肺まで吸い込んだ。
「…ゲホッゲホッゲホッ…」
タバコを吸う男の人が好きだと言った優子を意識してか、無理に格好付けようとして、噎せてしまった。
大丈夫ですか?と言う優子に対し、右手を前に差し出して、大丈夫と言う意思表示を表した。
水を一口飲んだあと、もう一度タバコを、今度はゆっくりと吸い込んでから煙を吐き出した。
なんか格好悪い気がして、その一本だけで、吸うのを辞めた。
267松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/09(水) 21:50:58



今日、私が何故誘われたのか判らなかった。
この二人は前々から仲が良い。
よく二人で会っているのは、麻衣から聞かされていた。
だから、麻衣が彼のことを好きだというのも、以前から気付いていた。
というよりも、二人がまだ“オツキアイ”をしていなかったことの方が驚きだった。

私が核心を突くと、しどろもどろと慌てていて、可愛かった。
私は、麻衣のために、親友として何をしてあげればいいんだろう?
そんなことを考えてると、彼がタバコを取り出した。
少し遠慮してるように見えたから、「どうぞどうぞ」と勧めてあげた。
その後、彼が煙に噎せてかどうか知らないが、タバコを置き、しばらくの沈黙が続いた。
親友のために私が一肌脱がなくちゃ。

「ねえ、麻衣ちゃん」
突然名前を呼ばれたのに驚いたのか、大きな目をさらに大きくして、私の方を見る。
「な、なに?」
そんな、怯えたような目で見なくてもいいのに。
「私、用事思い出したからもう帰るね」
せめてもの気遣いのつもりで、そう言い立ち上がる。
「え?そんなこと昨日は言ってなかったじゃん」
「だから、今思い出したの!」
麻衣の方を向いて、「頑張れ」の意味を込めて、ウィンクした。
彼はというと、唖然とした表情で、私達のやり取りを見守っていた。
慌てる麻衣を制止し、私は二人の行く末を見守るために、その場は去った。