【AKB】小説スレ【48】

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228松本氏 ◆Gl3jYdoy9.
彼女の背中を見送ったあと、二本目のタバコに火を付け、ゆっくりと吸い込んだ。


「あ、おそ〜い」
「ごめんごめん。家の鍵探してたら遅くなっちゃった」
小走りで駆け寄る友人が、両手を顔の前で合わせて申し訳なさそうに事情を話し謝った。
「じゃあ、行こっか?」
「間に合うかな?」
「大丈夫でしょ」
これから観に行く映画の開場時刻は13時45分。
只今の時刻が13時27分だから、急げばまだ間に合うだろう。
「ほら、急ごう」
携帯のディスプレイの時計を確認した麻衣が、映画館へと向けて走り出す。
「あ、ちょっと待ってよ」
続いて友人が、その後を追いかけるように走り出した。



残りのコーヒーを飲み干してから、伝票を手に取り会計を済ます。
「ありがとうございました。またお越し下さいませ」
店の外に出ると、小さく溜め息をついた。

また、何も聞けなかったなぁ…。

大島麻衣の友人、大島優子について、聞きたいことが山程あったのだが、どうしても口に出せなかった。
毎回こんな感じで、彼女との交友関係だけが続いていた。
時計を確認してから、少し早いがバイト先へと向かった。