【AKB】小説スレ【48】

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1名無しさん@お腹いっぱい。
AKB48の小説を書くスレです。
アンチor荒らしは厳禁
自分の気に入らない小説に対し、批判、否定などはしない。
小説を書く人は、基本固定で。(固定が嫌な人はタイトルにトリップを付ける等してください)
エロネタ(下ネタ)禁止。
エロ小説はそれ専用の小説がありますので、そちらへどうぞ。
sage進行でお願いします。
2名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/18(金) 01:26:15
わくわく
31 ◆k0avXuG1yc :2008/01/18(金) 03:46:44
あとで、追記していくかもしれませんのであしからず。
4名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/19(土) 03:37:41
まだ誰も書いてないみたいだね
楽しみにしてます
5名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/19(土) 13:35:50
AKBが好きだから松本氏の小説も難なく読めたけどねー。
誰か頑張って書いてくれ
6名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/19(土) 17:24:58
このスレの存在自体が知られてなくないか?
いっぺんageてみるっていうのはどうだろうか?
7名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/19(土) 20:00:31
じゃあおれがageる
8名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/19(土) 20:01:48
まいまいヲタのファントムに依頼しよう
9名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/19(土) 21:24:18
快速小嶋カモン
101 ◆k0avXuG1yc :2008/01/20(日) 08:05:10
なるべくageずにsageでお願いします
11松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/01/20(日) 09:41:23
「436円になります――
500円お預かりします。64円のお返しですね。ありがとうございました」客の出入りのピークを過ぎ、今の客がお店を出て行くか出て行かないかのところで、ふぅ、と一息ついた。
「里菜ちゃん、もう上がっていいよ」
「あ、はい」
バックヤードの片付けをしていた店長が、私の代わりにレジへ立った。

今年の春、大学進学のため地元大分を離れ上京してきてから、こうしてこのコンビニでアルバイトをしている。
なるべく親の力を借りずにやっていこうと決め、アルバイトを始めたのだけれど、これがまた学業との両立が大変で何度か挫けそうになった。

「お疲れ様でしたー」
バックヤードを出ると、店長がなにやら頭を悩ませながらレジに立っていた。
「どうかしたんですか?」
「う〜ん…さっき電話があってさ…」
「また辞めちゃったんですか?」
「…まいったなぁ」
今月に入って二人目だ。
先月も一人辞めた。
決して忙しいわけでもなく、特別悪い人がいるわけでもない。問題は、店長のセクハラにあるんじゃないだろうか。
セクハラと言っても、身体を触ってきたりするわけではなく、「今日も可愛いね」とか「今度デートしよう」とか、その程度。
それも本気で言ってるわけではなく、冗談だと判るんだけど、若い子にはそれが「ウザい」となるんだろう。

「里菜ちゃん、悪いけど明日入ってくれないかな?」
明日は友達との用事があったのだけれど、店長の困った顔を見ると断れなかった。
「判りました。いいですよ」
「ほんと?助かるなぁ、お礼に今度デートでも…」
「お疲れ様でしたぁ」
「ちょ、ちょっと…」
最後まで聞く前に、私はお店を出た。
私だって学習能力くらいはある。いつもの冗談を最後まで聞いてやるほど私は優しくはない。
店長は苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
12松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/01/20(日) 09:42:26
スレ見つけました。
また書かせていただきます。
13名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/20(日) 13:26:11
松本氏キターーーー!!!
しかもりなてぃんだ!
14名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/20(日) 13:51:57
ずっとりなてぃんのターン
15名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/20(日) 21:36:00
美香ちぃのはまだかな…。
16名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/23(水) 12:49:07
松本氏続き続き♪
17名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/23(水) 18:11:30
書かぬなら書くまで待とう....
18名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/26(土) 11:50:32
みっけ
19名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/26(土) 17:33:31
松本さん

まだですか?
20松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/01/27(日) 13:08:09
昨日と同じ時間にバイト先のコンビニに到着すると、入口のとこで店長に深々とお辞儀する女子高生が目に付いた。
店長の「明日からよろしく」の言葉で、新しく入るバイトの子なんだと理解したが、なんというか、やっぱり女の子なんだなと思い、心の中だけで笑った。
女子高生が入ってくるからなのかどうか、店長は嬉しそうに鼻歌を唄っている。
「今の子、女子高生ですよね」
「あ、里菜ちゃんおはよう。そうだよ、明日から入るからよろしくね」
再び鼻歌を唄う店長に、お客さんが若干引いているように思えた。
バックヤードに入ると、今仕事が終わったのであろう同僚が、帰る準備をしていた。
「お疲れ様です」
「あ、里菜ちゃん店長のこと聞いた?」
年上のこの同僚は、このコンビニのオープン当初から働いているらしく、店長の家庭事情についてやけに詳しい。
「店長のことって、新しいバイトの子のことですか?」
噂好きの同僚は、不思議そうな顔の私を見て、ニンマリとした表情をした。
「違う違う、そんなことじゃなくて、なんかね半年振りに娘と会うらしいよ」
なるほど、それであんなに嬉しそうだったんだ。店長には、中学二年生になる娘がいると聞いたことがあった。
前は、一月に一度の割合で会っていたらしいのだけれど、この何年かは数ヶ月に一度くらいしか会えないと嘆いていたのを覚えている。
「それにしても、娘って中学生でしょ、わざわざ休日に父親に会うのってウザいと思うんだよね」
私なら絶対嫌だな。同僚はそう言うと、お疲れと言い残しバックヤードを後にした。
そんなものだろうか。家族大好きな私にとって、半年振りに会えるというのは、嬉しくて待ち遠しいものだけど。
所定の場所にバッグを置き、指定の制服に着替え、店内へと戻った。
機嫌のよい店長の鼻歌は、本格的なものとなっていて、私はそれを止めるべく、大きな声で「いらっしゃいませ」と叫んで見た。
びっくりした店長が私を見る。
「里菜ちゃん、元気なのはいいことだけど、ちょっと声が大きすぎるよ」自分の口元に人差し指を当てて慌てるように言った。
私は、それを無視するように、今度は先程より小さな声で「いらっしゃいませ」と続けた。
21名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:35:03
ワクワク
22名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 18:49:16
今度はメンバー視点ですか
前の二つは男性視点だったので、今回のはすごく楽しみに見ています
23名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 20:42:14
支援
24名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 20:49:43
やっと立ったの小説スレ
25名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/27(日) 20:53:47
お久しぶりです。
松本さん、ありがとうございます。
261 ◆k0avXuG1yc :2008/01/28(月) 03:52:45
松本氏乙です

みなさん、出来るだけsage進行でお願いします
27名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 05:03:08
はい下げるよ〜
28名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 05:03:56
下がりま〜す
29名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/28(月) 10:58:16
どんどん下がりま〜す。
30名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 00:19:35
今の時期は忙しいよなぁ
31名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/30(水) 02:28:51
まあ気長に待つしかないよね
32名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 21:51:58
書いている人は一人だけなのね
33名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 23:50:02
誰でも良いから書いてくれ
34名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 19:36:54
どうしようかな…。悩むわ
35名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 22:07:26
>>34
書いてくれる人なら歓迎するよ〜
36名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 23:34:22
良いですよ。

しかし、つまらですけれど
37名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 00:01:58
歓迎歓迎

ただし、叩きはなしだよ。悪役は有りだけど
38竹原海軍准将 ◆W1TMKk53po :2008/02/03(日) 13:03:36
自信ないけれど、書きます。凄い稚拙です。

ある秋の朝。雲一つない快晴の日だった。僕は父が勤めている大学のオープンキャンパスに行くため、豊洲へ向かった。
僕は世田谷に住んでいる。豊洲までは一時間かかる。日曜日で体がだるかった。
しかし、早く回るためにいつもより早く起きた。
そして、豊洲に着いた。IHIや高層マンションが建ち並ぶ。
「此所が豊洲か…。始めてきたけれど、新宿級に高いな…。」
マンションの建設ラッシュでできたばかりのマンションが多い。
大学もこの春に移転してきたばかり。
キャンパスを回る理由。それは、進路に関わるからだ。
11月に面談で最終決定をする。大筋も決まっていない僕は回ってみることにした。
そして、すべてを回り帰路へ。しかし、悲劇が待っていた。
それは帰り道、駅へ向かう途中で悲劇が起きた。「!?」「ドカッ!」
僕は跳ねられた。ひき逃げにあった。そこから、記憶が途切れた。
「もしもーし!」「???」気づいたら、病院にいた。何故か、無傷だった。寝ている脇に、少女がいた。
「大丈夫ですか?」「平気だよ。俺、どっかけがしているはずだけれど?」
意外な回答が帰ってきた。「怪我はないですよ」「!?」腰や足を触った。痛くない。何故だ?
なぜだか分からなかった。そして、問題なく即日退院に。
「ありがとう。」僕は少女にお礼を言った。「どういたしまして。困ったときはお互い様ですよ。」少女はこう答えた。
「そうだね。まさか、怪我していないとは思わなかった。」
「跳ねられ、落ちたとき足から落ちていましたよ。」
「そうか。最後にお名前を…。」僕は聞いてはいけないことを聞いた気がした。憎悪と後悔の気持ちが沸く。
そして…
39名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 13:17:51
竹原さんまあまあですね。
少女が誰か気になります。

個人的になるると予想
40名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 19:17:07
気になる
41名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/03(日) 22:34:06
松本氏は…
42松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/02/04(月) 02:53:08
バイトが休みの日、何故か私は遊園地のベンチに腰掛けていた。
「お待たせ〜。はい、これ里菜ちゃんの分」
両手に持ったソフトクリームの一つを私に差し出す。
今度の休み娘と会うんだけど、一緒に行ってくれないかな?
あの日、店長はいつもより真剣な表情で私にそう言った。
キョトンとしている私を見て、いや、年頃の娘とどう接していいか判らなくて…ははは…。と慌てて付け加えた。
それが妙におかしくて、気付くと私は「はい」と答えていた。
「ありがとうございます」
ソフトクリームを受け取る。渦巻状の先端部分をペロッと舐めた。
うん、冷たくて甘い。
「ねえ、次何乗る?お姉ちゃん」
店長の娘さん。中学二年生の割にはなんか子供っぽい気がするけど、私がこのくらいのときも、こんな感じだったのだろうか?いや、私はもう少し大人っぽかった気がするけど。
「お姉ちゃん聞いてる?」
「え?ああ、何乗ろうか?」
私の顔を覗き込み、不思議そうな顔をした。
「じゃあ、観覧車ね観覧車」
いつ食べ終わったのだろうか、彼女の手には既にソフトクリームは消えていて、その手で私の手を引っ張った。
「あ、ちょっと待って。
店長はどうしますか?」
彼女の足を止めさせ、店長にどうするか促した。
「僕はいいよ。なんか疲れちゃって」
「だってさ。早く行こ、お姉ちゃん」
再び手を引っ張る彼女に、今回は抵抗せずに着いて行く。
途中振り向くと、店長は優しそうな顔で微笑んでいた。その顔は、父親の顔で、不覚にも私はドキッとさせられてしまった。
43名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 08:56:09
松本氏乙です!
続きが楽しみです

海軍准将も頑張れ
44名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 10:25:56
准将、続きを
45名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 12:03:53
松本氏きてたw
続き気になります頑張ってください
46名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 12:08:56
続き続き

松本氏も竹原海軍准将も
47竹原海軍准将 ◆W1TMKk53po :2008/02/04(月) 13:04:54
此所で書かせていただきます。よろしくお願いします。
48松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/02/04(月) 13:50:17
>>47
竹原さん、こちらこそよろしくお願いします。
49名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 15:40:59
頑張ってください〜
50竹原海軍准将 ◆W1TMKk53po :2008/02/04(月) 16:55:40
後戻りできない。言ってしまったことを無しにはできない。後悔の気持ちが沸き立っていた。
しかし、予想外の回答が待っていた。
「ユカです。」
「!?」一瞬、心臓が止まった感じだった。快く答えてくれた。
「ユカさんありがとう。この辺の人ですか?」
「そうです。一昨年ここに引っ越してきました。」
「そうか、今日はありがとう。」
「もう事故らないでな!」
そして、僕は家へ帰った。日はすでに暮れていた。この事故が報道され、親に心配された。
数日後、事故を起こした人がやってきた。タクシードライバーの人だった。「あの娘に礼を返さなければ」
そう思うが試験が近かった。試験が終わり、玉澤先輩から誘いがあった。
「個人参加のフットサルやらない?」と話しかけてきた。
「大丈夫です。土曜日ですか?」
「土曜日の午後5時から豊洲だけれど。」
「大丈夫です。先輩は…」
そして、約束の日、市ヶ谷で待ち合わせ豊洲へ。
(俺、此所で事故ったな…)あの日の記憶が甦る。
そうこうしているうちに着いた。場所は屋上。
「高校生二人予約した玉澤です。」先輩が窓口と対応していた。身分証を見せ、千円払う。更衣室で着替え、屋上へ。
「ここ、景色がいいんだよ。」先輩の言うとおりだった。確かに、有明方向や臨海公園の観覧車も見えた。
先輩はレアルのユニフォームを着ていた。グティ。僕はユヴェントスで10番デルピエロ。
この日は男性陣が少ない。IHIや大学も近い。何故だ?
代わりに、女の人が多かった。若い女の子が多い。
アップとシュート練習を終え、いざ試合。男性陣が15人。女性陣20人。5チーム作る。
僕は先輩と25歳ぐらいのIHIの社員の人3人。チームコードDと割り振られた。
そして、女性陣Dチームと組む。
「どこ?女Dは?」「!?」見つかり、合流できた。数奇な運命でもあった。
「…」あの娘がいた。俺を見舞ってくれたあの娘。
「ユカだ。間違いない。」しかし、そんな空気ではない。
そして、チーム練習兼作戦会議。チャンスをうかがう。
自己紹介で名前を名乗った。藤井直隆。ナオにした。先輩は玉澤のタマ。そして、例のの娘。増田有華。ゆかとしていた。
他に、有華の先輩と大学生二人。
僕がキャプテンになってしまい、指揮を執ることに。
練習はパス交換とシュート、セットプレーと一通りやった。
その間、有華に話しかけられた。
「ナオさん、覚えていますか?」
バシュッと心に来た。
「覚えているよ。忘れてないよ。」
「高校生ですか?」
「高校一年だよ。有華は?」さん付けを忘れてしまった。しまったと思った。「同じです。」
親近感と驚きが入り交じった。
そして、
51名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 16:58:33
准将乙です。

先輩と大学生は?
52竹原海軍准将 ◆W1TMKk53po :2008/02/04(月) 17:00:45
忘れていましたが、実際の豊洲とは少し違うのでご了承お願いします。

先輩と大学生一人はAKBメンの予定です。
53名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 19:03:40
准将乙です!

ゆきりんかあっちゃんだと思いました
54松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/02/04(月) 21:06:33
「お姉ちゃんはパパのことが好きなの?」
観覧車の中、窓の外を見ている彼女の口から、突然発せられた言葉に、私はびっくりして彼女のほうに顔を向けた。
「な、なんで?」
「ん〜、なんとなくね」
子供特有の生意気な顔で、へへと笑った。
「じゃあ、恵令奈ちゃんはお父さんのこと好き?」
「ん〜、嫌いじゃないよ」
嫌いじゃない、か。「好き」とは言わないんだな。
年頃の女の子ってのは、父親を毛嫌いする子が多い。
だから、この答えはマシな方なのだろうか。
「あ、頂上だよ頂上」
彼女が私の腕を掴み、窓の外を促す。
彼女の手は、先程食べたソフトクリームを彷彿させるような冷たさだった。
「あー、もう頂上終わっちゃう」
本当に残念そうな顔をする。表情がコロコロ変わる子だな、と思った。
頂上が過ぎて飽きたのか、椅子の背凭れにもたれ掛かるように座る。
「あ、それ可愛い」
彼女が私のブレスレットに気付き、手を伸ばす。
彼女の手の冷たさを思い出し、反射的に手を引っ込めてしまった。
不思議そうな顔で私を見つめる彼女に、慌てて「ごめん、恵令奈ちゃんの手が冷たいからつい…」と正直に言うと、彼女はニヤっと笑ったあと、「手が冷たい人は、心が温かい証拠なんですよ」と得意気に答えた。
その表情が可愛くて、鼻を捻り上げるか、抱き締めるかをしたかったが、どちらもしなかった。

手が冷たいと心が温かい。

確かにそうかもしれない。
彼女の心はとても温かそうだから。
だから、それは迷信ではなく、本当なんだろう。

「あ、でもね。手が温かい人が心が冷たいってわけじゃないんですよ」
慌てるように付け足したのは、私の手が温かいと思ったからなのかもしれない。そうでもないんだけどな。
でも、彼女が言うんだから、それも本当なんだろう。

窓の外を見ると、もう四分の一を過ぎた辺りまできていた。
この次は何に乗せられるのだろうか。
まあ、彼女とならどんな乗り物でも楽しく乗れるような、そんな気がした。
55名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 21:52:42
松本さん乙です
えれぴょんキター!
まさかえれぴょんとは、やられましたw
56名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 23:13:50
准将、先輩が気になります。

松本さん
准将も複数登場
57名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 23:14:32
ゴメソ

准将も複数登場みたいですよ
58名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/04(月) 23:35:59
松本さん乙です。

准将も松本さんも頑張れ
59竹原海軍准将 ◆W1TMKk53po :2008/02/04(月) 23:56:42
松本さんお疲れ様です。

続きはまた明日
自分のはこのままだと危険な展開になりそうです。
60名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 07:07:45
松本氏&竹原さん乙です

松本氏、とも〜みのときに出て来たのは、えれぴょんだったんですね
全ての話に繋がりがあるとは、凄いです
続き楽しみにしています
61松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/02/05(火) 09:19:05
翌日、いつものようにバイトへ向かった。
「おはようございま〜す」
先日入ったばかりの新人の子が元気よく挨拶をする。
この子は確か高校一年生だったな、と思う。
恵令奈ちゃんと二つしか変わらない彼女は、身長はさほど大きくないが、恵令奈ちゃんよりは幾分しっかりしていると思われる。
やはりそこは、中学生と高校生の違いなのだろうか。
「おはよう」
彼女に挨拶を返し、バックヤードへと向かい、着替えて店内へ戻る。
「少しは慣れたかな?」
乱雑された雑誌を、元に戻している彼女の手伝いをし訪ねた。
「ええ、まだよく判らないことが多いですけど」
雑誌を片付け立ち上がると、彼女は愛想笑いとも似つかない笑い方をした。
真新しい制服に、真新しい名札プレート。
そこには、顔写真と名前が綴ってある。
彼女の夢は、歌手になることらしい。
いくつかのオーディションを受けたらしいのだが、いつも最終選考で落ちてしまうと言っていた。
もう一度彼女の名札を見る。「高橋」と書かれた横に顔写真。
写真の顔は、笑った顔ではなく、キリッとした表情。その表情が彼女の真髄だとでも言うようなそんな表情だった。

レジへ戻り、彼女のおぼつかない操作の手伝いをしながら、接客をこなす。
店内に客が入ってくる。
「いらっしゃいませ」と言おうと顔を向けると、そこに立ちはだかっていたのは、泣き腫らした顔の男子高生。
一瞬びっくりしてしまい、言葉を飲んだ。
「い、いらっしゃいませ」
同じく驚いた顔をしていた彼女が、最初に挨拶をした。
続けて私も「いらっしゃいませ」と挨拶をした。
男子高生は、店内をうろついたあと、飲み物とガムを買って店内を後にした。
「失恋ですかね?」
彼女が彼の後ろ姿を見送りながら言った。
「さあ?」
男の子が泣くときってどんなときなんだろうか。
親が亡くなったときとか、失恋したときとか、そんな感じだろうか。

「そういえば店長遅いですね」
話題が変わるのが唐突だな、と思った。その辺はさすが女子高生だ。
そういえば確かに遅い。
「電話、してみようか?」
「そうですね」
そんな会話をしていると、バックヤードから一本の電話が鳴った。
62松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/02/05(火) 09:28:26
>>60
とも〜みちゃんの章を書いたときに、全ての話に繋がりを持たせようと思い書いてます。

あと、前のスレでは基本ヒロインのメン以外名前を出さないで書いてきたのですが、このスレからは出して行こうと思い、出しちゃいました。
あ、でも、メン以外の名前は出すつもりは今のところありません。
63名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 11:28:52
お疲れ様です〜
64名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 11:51:10
たかみなだ(・∀・)ニヤニヤ
松本氏やってくれますな
65名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 14:56:12
松本さん乙です
続き気になってます。
66名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 15:50:52
松本さん乙です。

ヒロイン以外の名前を出すと言うことは、竹原さんの影響ですか?
67松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/02/05(火) 16:09:40
>>66
それも多少ありますね。

名前を出さずに複数人出すと、呼び名に困っちゃうことに気付いたんです。
佐江の章のときは、主役の男の子と佐江以外出てなかったんでよかったんですが、とも〜みの章から、複数人出てきたんで、名前を出さないで書くのが結構辛かったんですよ。
なので、今回からは名前を出していこうかと。
68竹原海軍准将 ◆W1TMKk53po :2008/02/05(火) 19:50:18
自己紹介もやった。最初は簡単な挨拶だった。正式な自己紹介を遅らしてしまった。

僕(ナオ)、玉澤先輩(タマ)、IHI社員成瀬源藏さん(源さん)、有華、有華の先輩佐伯美香さん(美香ちぃ)、大学生の大島麻衣さん(麻衣さん)、大学生の白川侑己さん(ゆうさん)の7人。

源さんはハンドボール経験者でGK。GKを快諾してくれた。IHIで働いている。
有華と美香ちぃは先輩後輩の関係。美香ちぃは高三だが、推薦で既に大学が決まったという。二人ともバスケ部。
麻衣さんはバレーボール経験者。
白川さんはテニス経験者。
白川さんは病み上がりだから、不安が残る。先輩も不安がある。スタミナが保つか。

そして、試合が始まる。僕は最年少で指揮を執る。
有華と美香ちぃを最前線に置いて先輩と僕でいろいろやる。守備は僕と先輩でやりくりする。守備専門なしの極端な作戦。

カウンター基本後は適当な作戦。やり投げ状態。しかし、全員を信頼するという裏の意味つき。

いざ試合が始まる
69名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 20:03:35
准将乙です。
長期連載ですね?

あと、准将は新しいスタイルを持ち込まれた印象です。
70名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 20:34:52
なんで長期連載ってわかるの?
あと新しいスタイルってのはどの辺のことなんだ?
別に批判してるわけじゃないよなんとなく引っ掛かっただけだから
711 ◆k0avXuG1yc :2008/02/05(火) 22:05:44
久し振りにきたら、新しい作家さんが増えてた!
松本氏も竹原海軍准将も頑張ってください
松本氏は初期にくらべて、どんどん文章力が上達していますね(上から目線でごめんなさい)
海軍准将は、これからって感じですかね

>>70
僕も同じことを思いましたが、>>69さんがそう感じたんならそれでいいと思います
72竹原海軍准将 ◆W1TMKk53po :2008/02/05(火) 22:42:40
明日は決まってませんが、確実に長期連載予定です。

文が下手で改善まで時間がかかりそうです。アドバイスもお願いします。
73名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 22:58:10
自演いらないです。
書いてくれる方は歓迎するので頑張ってください。
74名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 06:39:47
准将、もう少し落ち着いて書いてみては?
慌てて書いたイメージなので、ゆっくり練ってみてはいかが?
75名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 06:59:26
つまんね
76名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 12:19:38
竹原さんは急がせないんで、書いてからちょっと置いといてください。
それで読み直して読みやすい文章か確認してもらえると嬉しいです。
77名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 12:35:28
じゃあ松本氏はどうしよう?
78名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 13:29:01
松本さんは今まで通りで
79名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 13:56:07
松本さんは読みにくくはないのでこのままで大丈夫です。
80名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 14:00:07
読みやすくすれば良くなると思う。
81竹原海軍准将 ◆W1TMKk53po :2008/02/06(水) 18:04:42
第三話修正版として、近いうちに投稿します。

>>76
アドバイスありがとうございます。
82松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/02/06(水) 22:41:59
電話は、店長からだった。
急用が出来たらしくて、二、三日休むとのことだった。
電話の店長の声は、いつもの明るいトーンではなく、少し寂しげな声で何故か私に不安を与えた。

休んでる間は、店長からのこまめな電話のおかげで、なんの支障もなく済んだ。


「―――ないでよっ!」
店内に怒声が響いた。
ジュースの補充を終え、店内に戻ると、怒りに震えたみなみちゃんの姿があった。
高校生くらいの男の子が扉を開け出て行く。
「どうしたの?」
状況が飲み込めないまま、彼女の元へ駆け寄り訳を聞く。
「……ごめんなさい」
俯き、小さな声でそれだけを言うと、バックヤードに駆け込んだ。
店内に人がいないのは幸いだった。余計な処理をしなくて済むから。
彼女の気持ちの整理がつくまでは、そっとしておこうと思った。

意味もなく店内をウロついてみる。
自然と店長のことを考えていた。
あの日、遊園地での店長は、立派な父親の顔をしていた。
その時の店長の顔を思い出すと、胸の奥底がドクンと高鳴った。
右手で左胸を抑える。
これは「恋」だ。
それくらい、子供じゃないから判る。
私は、店長に恋をしてしまった。
自分の倍近い歳で、中学二年生の子供がいる男性に、恋をしてしまったのだ。

この気持ちを抑える術を私は知らない。

扉が開く。
我に返り、「いらっしゃいませ」と元気よ挨拶をした。

そろそろ彼女も戻ってくる頃だろう。
これからの時間、会社返りのサラリーマンやOL等で賑わう。
忙しくなれば、その間だけでもこの感情を忘れることができる。
これは、一時的な「逃げ」なのかもしれない。
だけど、経験則のない私に出来る唯一の選択。
いずれ決着をつけなければいけないのは判ってる。
だから、今だけは忘れさせてほしい。

店内に客が四人程に増えた辺りで、彼女がバックヤードから顔を出した。
83松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/02/06(水) 22:46:25
アドバイスありがとうございます。
今のままでいいと言うのは、一番の褒め言葉です。
自分の場合、下書きせずにその場で展開を考えて直で書いてるので、書くのに相当な時間を費やしてしまいます。

読んでみて、改善する部分がありましたら、いつでも言ってください。
84竹原海軍准将 ◆W1TMKk53po :2008/02/06(水) 23:16:47
松本さんは即刻タイプなのですね。意外です。

構想練って、書くのが僕のスタイルです。明日には、第三話修正版を書きます。
85名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 23:37:24
松本氏乙です
続きがものすごく気になります
構想を練らずにあの二つの作品を書いたとは恐れ多いです
期待してるので頑張ってください
86名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/06(水) 23:49:47
松本さん乙です。

まだ馴染めていない准将にアドバイスを
87名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 06:44:28
松本さん乙。
個人的にはたかみなが気になります
88名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 12:51:05
続き続き♪
89名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 16:06:17
見つけた二人とも頑張ってください
90松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/02/07(木) 18:37:28
アドバイスと言われてましても……
その時の直感で書く自分と、じっくり構想を練って書く竹原さんとは、タイプが違いますからねぇ。
ただ、自分が書く小説ですから、自分の表現力でいいと思います。
下手に誰かの作品を、参考にしようとすると、真似しちゃって自分の表現じゃなくなっちゃいますからね。
91名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 18:41:31
とりあえず頑張ってくださいな
92松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/02/07(木) 21:29:15
「はぁ……」
店長が戻ってきてから数日、いつもの元気がなくなっていた。代わりに、似合わない溜め息を 何度もついている。

休んでる間になにかあったのだろうか?
その話題は、仕事仲間達の間で噂になっていた。
根も葉もない噂が、尾ひれを付けて広がっていくのは耐えられなかったが、なんの言い訳もしない店長にも苛立ちを感じた。



「戸締まりはキチンとして寝るんだぞ」
仕事終り、忘れ物を取りにバックヤードに戻ると、店長の声が聞こえた。
誰と電話しているんだろう。別に盗み聞きをする性癖などないんだけれど、出るに出れない状況のため、嫌でも会話が耳に入ってきた。
「明日も学校なんだから、あまり夜更かしするんじゃないぞ」
学校?恵令奈ちゃんだろうか。
確か、店長は何年も前に離婚していて、今は一人暮らししてるはずだけど。
店長の口から直接聞いたことだから、間違いないはずだし、あの日、恵令奈ちゃんと遊園地に行ったときにも聞いた。
じゃあ、この電話の相手は?
頭の中が混乱してきた。
「――ああ、判ってる。
うん。おやすみ」
携帯の電源ボタンを押し、机の上に放り投げた。
ん〜、と伸びをしたあと立ち上がり、店内へ繋がる扉、すなわち私が隠れている場所へと歩いてきた。
身動きが取れないまま、申し訳ない程度に身を縮こませたが、なんの効果も得られなかった。
店長と目が合う。
一瞬、目を見開いたあと、口元だけで笑顔を作り、くいっとアゴで外を差した。
店長は、深夜のアルバイトに仕事を任せ、私を連れて近くの公園へと歩いた。


「誰と電話してたか気になる?」
近くの自動販売機で買ってきたであろう缶コーヒーを、私の目の前に差し出す。「ありがとうございます」と言い、それを受け取り、「聞くつもりはなかったんですけど…」と続けた。
「盗み聞きなんて趣味悪いよ」
「なっ…そんなんじゃありませんっ」
「冗談だよ」
判っている。いつもの冗談だってことくらい判っているはずだけど、私のやったことは、紛れもなく店長の言ったソレで、恥かしさでつい怒ってしまっただけだった。
店長は、クックックと堪えるような笑い方をした。
931 ◆k0avXuG1yc :2008/02/07(木) 22:05:49
松本氏乙です
この後の展開が気になります頑張ってください
94竹原海軍准将 ◆W1TMKk53po :2008/02/07(木) 22:38:30
チーム練習が終わり、二度目の作戦会議。その間に自己紹介も行った。
僕は藤井直隆なので、ナオに。
先輩は玉澤なので、タマちゃん。
IHIの人が成瀬英寿は、ヒデさん。
有華は増田有華なので有華。
有華の先輩が佐伯美香は美香ちぃ。
後の二人は大島さんと白川さんだが、名前を覚えなかった。

試合前、誰を先発にするか。僕と玉澤先輩は全試合フル出場前提だった。
なぜなら、二人ともスタミナがありそうだからだ。
先輩と僕は了承した。
そして、そのまま試合へ。

一試合目は、オフェンスに有華と美香ちぃをおいて、僕が中盤兼守備。先輩は中盤の底。
戦略はボール奪ったら全員攻めるという作戦。一番走るのは僕。チームを生かすも殺すも俺次第なのだ。
「ナオさん、前にいればいいんですね?」美香が聞く。
「セットプレーの時は戻ってきて。あと、有華は前にいて。速攻の時に備えて」
「守らなくていいんですか?」
「基本的に守らなくていいよ。有華は攻め中心。美香さんも基本的に同じです」
僕は速攻で点を奪う作戦メインで考えた。
「分かりました。」二人は口を揃えて答えた。嬉しそうな顔がチラッと見えた。
「疲れたら、俺に一言言っていいよ。怪我は元も子もなくなるし。」
全体を考え、そう言った。全体を見据える。主将として、最低限のことは…。

そして、一試合目。
円陣組んで手を重ねた。
僕は一番下。その上は美香さん。先輩は一番上だった。
7分ハーフ3分休憩。これなら、十分行けそうだ。
前半が始まった。
95名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 22:42:03
准将、修正版乙です!
96名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 22:47:59
准将自演はよくないよ
97名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/07(木) 22:59:04
自演と言えば狼の時代劇を思い出すw
自演いくないwww
981 ◆k0avXuG1yc :2008/02/07(木) 23:44:19
みなさ>>1をちゃんと読んでますか?
批判や否定はしないと書いてるはずですよ
言葉は慎みましょう
99名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 01:23:20
まぁ適度にね^^
100名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 07:17:11
准将乙です。
101名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 07:42:51
作品に対して批判したらダメなんだろ?
准将は自演してんじゃんw
自演に対しての批判はありだろww
102名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 08:46:55
>>101
まぁまぁw
とりあえず一回注意したんだしさ
103名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 09:21:41
自演乙
104名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 12:23:08
小説スレで自演とか一番最悪なパターンじゃん
でもそのくらいで叩きは終りにしとこうぜスレの雰囲気が悪くなる
105名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 14:34:09
よく自演ってわかるなw
俺全くわからんのだが
106名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 14:39:21
ながく2ちゃんやってるとなんとなく分る
107名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 15:47:27
准将の謝罪を待ちますか?
108名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 16:03:15
何か荒れてるな
109竹原海軍准将 ◆W1TMKk53po :2008/02/08(金) 16:58:40
私の責任です。

一連の騒動は私の責任です。
110名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 18:59:02
一切謝罪をしてない件
111名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 19:12:17
>>110
まあまあ准将も認めて反省してるんだろうし、そろそろ許してやろうぜ。
112竹原海軍准将 ◆W1TMKk53po :2008/02/08(金) 19:25:50
どの道、自分が悪いのです。

申し訳ございませんでした。
113名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 20:20:27
くじけず頑張れよ
2chは自演に敏感だからなぁ
まぁどうでもいいんだけど
114名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 20:44:27
一度自演しちゃったら支持してくれてた人まで寝返って叩きに回っちゃうからな。
まあ気をつけな
115名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 11:52:49
今後気を付ければいいよ
もうこの話終わりね
116名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 11:54:37
あまりスレの雰囲気悪くしたら、准将はおろか松本氏まで書きにくくなっちゃうよ。
117名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/09(土) 15:55:39
松本さん来ないのかな?
118名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 05:46:48
竹原のせいでスレの雰囲気悪くなりすぎ
119名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 08:37:18
まぁまぁ
ずっと言ってたら誰も書きたくない雰囲気になっちゃうからさ
120名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 08:50:26
今から准将の悪口スレに移行しますwww
121名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 17:01:06
准将今頃顔真っ赤にしてるぞ
122名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 19:58:01
やめましょうwww
123名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/10(日) 20:49:48
顔真っ赤にしてはないだろ涙目だろwwwww
124名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 03:03:56
誰も来なくなったな
125名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 03:14:38
>>124
だな
俺は結構続き楽しみにしてたのになぁ
126名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 10:19:27
待ってりゃ来るさ
127名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/13(水) 15:02:47
>>125
どっちの続きだよw
准将ならもういいよ荒れるから
128名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/14(木) 17:04:06
楽しみに待つ
129名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/16(土) 23:42:47
准将はあれだろ?松本氏が書くのを見計らってから書き始めようとしてんだろ?最低なやつだな
130名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/17(日) 17:43:36
まぁまぁ
131名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/22(金) 12:59:48
来ないなぁ
132名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/22(金) 16:36:21
来ないから自分も書こうと試みたが断念した…w

ちなみに優子で
133名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/22(金) 17:47:52
>>132
書いてみてよwww
134132:2008/02/22(金) 20:50:30
>>133
自分が前に見た夢を基に書こうと思ったけど展開が思いつかない…
やっぱ松本氏とかってスゲェわw

まぁ最近ヒマしてるからもうちょっと考えてみます
135名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/22(金) 21:15:19
>>134
気長に待ってる^^
136名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 00:02:48
前に才加を主人公に考えたことがある

でも、書く気になれなかった
137名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 03:37:02
>>136
そうですかぁ
138名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 13:40:27
>>137

そういうことです

>>132同様夢を基に書いて、視点を変えるつもりだった
139名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 15:41:17
下げようね
140名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 16:44:58
忘れてた…。

141名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 17:14:55
>>138
まぁ書けたらで…
142松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/02/23(土) 17:18:15
「実はさ、今娘と暮らしてるんだ」
缶コーヒーのプルタブを空け、一口飲むとそう呟いた。
「え、てことは、奥さんと復縁したんですか?」
「いや、娘と二人でだよ」
私の方に向かってではなく、ベンチの数メートル先の一点をジッと見つめながら続けた。
「パート帰りに、車に跳ねられたんだってさ」
驚いて顔を上げる私を見て、溜め息のような笑顔を見せると、再び先程の場所を見つめてから口を開いた。
「アスファルトに頭部を打ち付けたらしく、救急車が到着したころにはもう……」
そこまで言ってから、店長は視線を自分の持ってる缶コーヒーに移した。

頭が混乱すると言うのはこういうときに使うのだろうか。
冷静さを取り戻すために小さく深呼吸をした。
話の流れからすると、亡くなったのは恵令奈ちゃんのお母さんで、店長の前の奥さんのことだろう。
私は下を向いたまま、何も言わなかった。
というよりも、何も言えなかった。

「ごめんね。関係ない里菜ちゃんにこんな話しちゃって」
笑顔でそう言うと、コーヒーを一気に飲み干した。
店長は、今でも奥さんのことが好きなのだろうか?
そこで疑問符が浮かび上がってきた。
そもそも店長は何故離婚したのだろう?
前に、噂好きの同僚に聞いた覚えがあるんだけど、あくまでその子の推測にすぎないわけで、真相は判らない。
「あの……」
ようやく開いた私の口に、店長が首を傾げて「ん?」と返した。
口を開き始めてから、後悔した。
離婚した理由を聞く立場でもなければ、タイミングも悪すぎる。
店長が笑顔で私を見ている。
目を泳がせてから、私は下を向いた。

数十秒の沈黙の後、再び顔を上げてからもう一度口を開いた。


「……私じゃ、ダメですか?」


言ってから心臓が高鳴り始めた。血液が全身を駆け巡る。
店長の顔をまともに見れなかったが、笑っていないことだけは伝わってきた。
143松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/02/23(土) 17:25:01
お久し振りです。
もうすぐ完結すると思われます。
この話のあと、今度はどのメンバーにしようか考えてました。
佐江の章を佐江視点で書こうかとも思ったんですけど、なんか難しそうだったんで、それはいつか書こうと思います。
144138:2008/02/23(土) 17:42:32
松本さん帰ってきた!

書きたいけど、自信ない。
145名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 18:34:59
松本さん乙

>>144
まぁ書けたら^^
146名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 18:49:29
先の竹原氏は…
147名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 18:56:07
おいら
148名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 18:59:08
松本氏キター!
首を長くして待ってましたw
149名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 19:08:16
住人が現れた^^
150竹原海軍准将 ◆W1TMKk53po :2008/02/23(土) 20:13:37
皆様にお詫び申し上げます。

先日、私竹原がやってはいけない行為を行い、皆様に迷惑かけたことを深くお詫び申し上げます。
松本さん始め、多大な迷惑をかけた事を深く反省しております。
私は二度とこの様なことを行わないと誓約します。

皆様、大変申し訳ございませんでした。
151名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 20:50:54
准将まだいたのか
折角平和が訪れてきてたのに
152名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 20:57:40
とりあえずもういいよ
153松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/02/26(火) 05:28:34
しばらくの沈黙を打破ったのは、店長だった。
「……それは、同情かな?」
びっくりして思わず店長に顔を向ける。
「同情でそういうことを言ったんなら――」
「そんなんじゃありませんっ」
涙が頬を伝っていくのが判った。
「わ、私は…店長のこと、ことが……」
嗚咽で言葉が上手く出てこない。
頬を伝う涙を店長が優しく指で拭った。
「…ありが、と」
その言葉の意味を理解する前に、込み上げて来る感情が涙をさらに溢れさせた。
所在のない両手は、なにかを抱き締めることを許されず、ただ自身の両膝を強く握ることしかできなかった。



しばらく泣いた後、もう一度店長が「ありがとう」と言った。


そう、私はフラれたんだ。
二度目の「ありがとう」でそれは確信に変わった。
また、涙が込み上げてきそうだったが、鼻を啜ることでなんとか堪えた。

涙を拭いた後、私は精一杯の笑顔を店長に向けた。
いたたまれないと言った表情をしている店長が、もう一度口を開こうとする。

「ご…」
「ありがとうございます」

聞きたくなかった。聞きたくなかったからこそ、その言葉を打ち消した。
ごめん。なんて言葉を聞いちゃったら、全てが終わってしまいそうだったから。
店長を好きになったことも、あのコンビニでのバイト生活も、恵令奈ちゃんとの想い出も。

「今まで、本当にお世話になりました」

そんなの嫌だから、だから「ごめん」なんて言わせない。

「私、今日付けでバイトを辞めさせていただきます」

スラスラと言えた。
笑顔も崩さなかった。

店長は何も言わなかった。と言うより、何も言えなかった。そんな感じだった。

私がこのままバイトを続けるのは、迷惑以外この上ないことだ。
どうしてもお互い意識してしまうだろうし、店長から私に解雇を言い渡すことなどありそうにもないから、私から身を引いた。それを「逃げ」と言われようとも、私にはこの選択しか選びようがなかった。
154松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/02/26(火) 05:32:36
朝っぱらからの更新すみません。
もうちょいで終ります。
次の章は、たかみな辺りにしようか検討中です。
意外なメンバーでも有りかなとも思ったんですけど、意外なメンバーって誰だよwと思いまして、まだ模索中です。
155名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 09:46:14
乙〜
書きやすいメンバーでいいっすよ^^
156名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 10:17:30
松本氏乙!

次回作も考えてるんですね
もう終わるのかとも少し思ってたんで嬉しいです
157名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 14:40:41
松本氏乙です!

次回作が気になります。

他の人の作品もそろそろみたいです。
158名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 15:17:53
松本氏乙です
次回作も気になりますねだけど今はりなてぃんが非常に気になってます
159松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/02/28(木) 05:18:59

あの日、何のアクションも起こさない店長を尻目に、私は公園を後にした。


「大分出身なんだ?」
「あ、はい」
私は今レンタルビデオ店のアルバイトの面接に来ている。
「へー、いやね。私も鹿児島出身でねぇ」
大分と鹿児島じゃ、全然違うんだけど、と思ったが、その言葉は口に出さずに飲み込んだ。
つまり彼は、同じ九州出身だと言いたいんだろう。
そういえば父も、甲子園などをTVで応援しているとき、大分が敗戦した後は、同じ九州の高校を応援していた。
多分それと同じことだと思った。
多分彼は、海外で日本人に出会ったら「同じ日本人だよ」とでも言い、仲間意識を高めると思う。別にそれは悪い事じゃない。
私は「はあ」と気の抜けたような返事をした。
「そっかそっかぁ、大分かぁ」
履歴書を眺めながら、何度もそう呟くこのオーナーを見ながら、あのコンビニのことを思い出していた。

みなみちゃんや、同僚には何も言わずに辞めてしまったことをちょっぴり後悔しながら、いずれ忘れるであろう想い出を、今はしっかりと噛み締めている。

160松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/02/28(木) 05:19:58
あのコンビニで働いていたときの私は、大人になっていたつもりで、実は全然子供で、どうしようもないくらいに子供で。大人になりたくて、精一杯背伸びをしていただけにすぎなかった。

いずれ踏み込むであろう大人の世界に入り込んだとき、私はこの恋をどんな風に懐かしむんだろうか。

もう一度店長の顔を思い浮かべる。

いつものふざけた表情が浮かび、私は思わず緩んだ口元を慌てて取り繕った。

「じゃあ、明日から来れる?」
「え?あ、はい」
いつの間にか受かった面接に、慌てて返事を返した。

「じゃあ、明日17時にね」
「あ、仕事の説明とかあるから、30分前には来てくれるかな?」
履歴書を封筒に戻し、それを引き出しに入れ思い出したかのように付け加えた。
「はい」
私はそれに対して笑顔で返事をする。

明日からは、このお店で新たな大人の一歩を踏み出すことだろう。
お店を出たあと、大きく深呼吸をし、空を眺めながらそんなことを思った。



おわり
161松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/02/28(木) 05:25:59
またまた朝っぱらの更新すみません。
一応完結しました。
やはり書くなら同級生の恋愛のほうがやりやすかったな、というのが正直な感想です。
次回は、男性視点に戻そうかと考え中です。
誰の話にするかはまだ決まってないので、もうしばらくお待ちください。
待っててくれる人がいればですが…
162名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/28(木) 07:50:33
朝から乙です。

僕は待ちますよ
163名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/28(木) 11:08:41
お疲れ様
マイペースで良いですよ
164名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/28(木) 13:38:26
乙です。

そろそろ、他の人が書いてくれるかな?
165名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/28(木) 14:19:33
松本氏乙です
次も期待してる

>>164
お前失礼すぎw
166名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/28(木) 14:44:23
俺がかいてや んない
167名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/28(木) 15:02:30
>>164
お前竹原?
168名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/28(木) 16:58:05
>>164
お前変
169名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/28(木) 17:00:01
さげ
170名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/28(木) 17:01:00
あさげ
171名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/28(木) 21:42:15
さげ(´・ω・`)
172名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/29(金) 10:47:42
お〜
173名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/01(土) 00:39:51
降ります〜。

書きたくなってきたけど、自信ない。
174松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/03/01(土) 05:19:14
静寂が訪れる教室に、黒板に弾かれるチョークの音と、先生の声だけが響く。
窓から射し込む暖かな日がとても心地良く、私に眠気を誘った。

ガラガラ。
突如開かれた教室の扉に、遠のいていた意識を呼び戻してくれた。
みんなの視線は、扉を開けた張本人に向けられている。
「なんだよ、いちいち注目すんじゃねえよ」
無愛想な態度で、それでもキチンと開けた扉を閉める辺りは、彼の育ちの良さが出ているのだろうか。
「はい、もういいから、早く席に座って」
先生に一喝され、彼が私の前の席へと着く。

再び静寂が訪れた教室。

「前田――」
急に名前を呼ばれて驚いた。
「は、はい」
「続き読んで」
固まった。
どこから読めばいいのか判らなかったから。
立ったまま硬直していると、今度は私にみんなの視線が注がれているのを感じた。
175松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/03/01(土) 05:19:48
「…140ページ」
先程注目を浴びていた彼が、小声で教えてくれる。
急いでページをめくり、すうっと息を吸ってから、ゆっくりと読み始めた。

人見知りな私が、唯一声を発しなければいけない時間。
この瞬間が私は一番嫌いだ。

高校に入学して一年が経つというのに、まだ特定の仲の良い友達も出来ず、暗い高校生活を送っている。
「暗い」と思っているのは周りの人達だけで、当の本人は別段「暗い」高校生活だとは思っていない。

ようやく朗読から解放され、ふぅと溜め息を着き席に座る。
前の席の彼がニヤっと笑う。
なんだか気恥ずかしくて顔を背けてしまった。

176松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/03/01(土) 05:23:58
「なあなあ」
前のほうから聞こえてきた小声に、顔を上げると、彼がこちらに体を向けている。
先生は相変わらず黒板にチョークを走らせていて、彼に気付いていない。
それでも、こうもあからさまに体ごと後ろを向けていると、すぐにバレてしまうだろう。
私は驚きと戸惑いを隠せないまま、先生を気にしながら彼に「?」の表情を浮かべた。
「なあ、なんで喋んねーの?」
彼と先生を交互に見ていた私の視線が、彼にだけに注目し、「?」の色をさらに強調した。
「可愛い声してんのに、勿体ねえなーと思ってさ」
可愛い?
どの声が?
「そこっ、堂々とお喋りしない!」
彼に気付いた先生が、教科書の角で彼の頭を叩いた。
苦悶の表情を浮かべる彼とは裏腹に、教室は笑いの渦が出来ていた。
177松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/03/01(土) 05:26:55
何故か長文が書き込めなかったので、細切れに書きました。読みにくいと思いますが、どうぞ許してください。
178名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/01(土) 07:42:34
良かったです^^
179名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/01(土) 11:31:01
松本氏乙!

あっちゃんだ!!!!
180名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/01(土) 13:08:39
乙です。

181138:2008/03/01(土) 18:23:45
松本さん乙です☆

書きたいのですが、書いても良いでしょうか?
182名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/01(土) 19:10:53
見たい。読みたい。無問題。
183名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/01(土) 19:49:41
>>181
前にオカロの書くって言ってたやつ?
竹原みたいな自演しないなら俺は歓迎だよ
184181:2008/03/01(土) 20:33:34
そうですか。では、書こうと思います。

竹原みたいなバカなまねはしないことを約束します
185名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/01(土) 20:53:59
他の批判はせずに出来るだけ平和で
1861 ◆k0avXuG1yc :2008/03/01(土) 21:08:48
>>185さんの言う通りですよ。
平和なスレにしていきましょう。

>>184
本気で書くのでしたら固定でお願いします
187名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/01(土) 21:15:33
絶対 読みたい ド変態
188名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/01(土) 21:33:03
>>187
ふざけるな(怒)
189定岡 ◆iTA97S/ZPo :2008/03/01(土) 21:36:00
宜しくお願いします。定岡です。

才加主人公に進めるつもりです。

前文
才加はこの春に念願の大学進学が決まった。一浪して受かった。彼女の趣味はスポーツ。しかし、一年間球技系には餓えていた。
190名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 00:12:20
定岡さん乙です。
続き待ってます松本さんと共に頑張ってください
191名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/02(日) 00:32:43
頑張って
192定岡 ◆iTA97S/ZPo :2008/03/02(日) 19:16:37
「こちらが御希望の物件です。」
カチッ
鍵が回され、部屋を見た。

部屋の日当たりはそこそこ。家賃に見合っているか?
狭くなく、良い大きさだった。
一通り見通し、決めようと思った。
「家賃は7万5千円です。」
部屋を見回した限り、特に悪いとこはみあたらなかった。
「お願いします。」
「それでは、戻って契約をしましょう。」
営業所へ戻って、才加は仮契約を交わした。

この春、大学進学が決まり、部屋を探していた。
キャンパスに近い所を探し、選定していた。
才加は一浪せざるを得ず、一年間籠もりっぱななしに近かった。
合格が決まった瞬間は嬉しかった。意気揚々と物件を探していたが、どこも高い。
「どうしよう…。」と悩んでいた。
無駄をカットして、歩いて行けるとに絞った。
大学までは最寄り駅から一駅分の距離。駅までは8分弱。
「これなら、8万ぐらいでもどうにかなるかも」
内心、「まっ、いいか」と思っていた。

そして、引っ越しの日。
鍵を受け取り、大家さんに挨拶をした。
「今度202号室に入居する秋元才加です。よろしくお願いします。」
「こちらこそ。細かい説明は既に話されていると思うから。」
大家さんは80歳のお婆さんだ。アパートは母家と接続している。
母家は二世帯住宅であると聞いた。

引っ越し作業も終わり、一人になった。
内心、バイトより、スポーツがしたい。と思っていた。
才加は運動が好きである。しかし、昨年は浪人生だったため、ほぼできなかった。
「浪人の時は辛かったな…」
そう思いながら、テレビをつけた。
193松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/03/02(日) 21:42:41
彼がどういうつもりで、私にそんなことを言ったのか。
それを聞くタイミングは、クラスのみんなの笑い声と、それを制止する先生の声で完全に失われてしまった。
彼の後ろ姿を見る。
今度はちゃんと体を前に向けているが、やる気がありませんと意思表示するような態度で席に着いている。
別に授業の邪魔をしているわけではないので、先生もその事については特に注意しない。いつもの事だ。
「あ…」
溜め息にも似た小さな声を誰にもばれないように出してみる。
この声を、彼は「可愛い」と言った。
窓の外に顔を向けた。
空の青が雲の白さを際立たせ、太陽の光が地上に影を作る。
ピッピッ、ピッピッ。
リズミカルな笛の音色が校庭に響くのが聞こえた。
視線を校庭へと移すと、空と同じ群青色のジャージの集団が、体育の先生の笛の音に合わせて体操をしていた。
その集団の中の数人は、私の前の席にいる彼のように、やる気がなさそうな、でも仕方がないと諦めにも似た態度で体操をしていた。
その光景を見て、多分彼も同じような態度で体操をするんだろうな、と思うと、思わず笑ってしまった。
「おっ、笑った」
いきなり彼に指摘され驚いた。
確かに笑ったが、声には出していないはず、なのに笑ったことが彼に知られたってことは、つまり。
つまり、見られていたってこと。
急に恥かしくなり、顔が赤くなって下を向いて誤魔化した。
「赤くなった」
いちいち言葉にする理由はなんだろうか?
彼は先程のことを反省してか、顔だけをこちらに向けている。
「……な、に?」
上目遣いで彼に質問を投げ掛ける。
「前田ってさぁ、携帯とか持ってる?」
私の疑問とは違う答えが返ってきて、拍子抜けた。
「携帯、持ってないの?」
再び彼が同じ質問をしてくる。
特定の友達はいないが、別に昔から居なかった訳ではない、中学の時の友達とは今でも繋がっている。
たがら、携帯くらい普通の女子高生同様だ所有している。
「持ってる、けど…」
彼に顔が明るくなって、再び口を開いた。
「番号教えてよ」
突然の事にびっくりして、飴玉と思って食べたら、ビー玉だったときのような、そんな感じの顔をした。
彼は相変わらずニコニコと笑っている。
194松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/03/02(日) 21:47:57
今回は読んで判るように、あっちゃんにしました。
あっちゃんの声好きです。

定岡さん、初めまして。
お互い頑張っていきましょう。
195定岡 ◆iTA97S/ZPo :2008/03/03(月) 00:09:41
松本さん宜しくお願いします。お互いがんばりましょう☆

僕は才加の視点で書きます。敢えて明言しますが、他のメンバーも何人か出すつもりです。
196名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 01:19:07
197名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 02:48:29
198名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 06:05:16
両作者共に乙です
松本氏あっちゃんいい感じですね
あっちゃん推しになりそうですw
199名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 07:29:55
松本氏乙
同級生スレから読んでるんだけど、今回のはさえのときのようなワクワク感があります。
期待してるんでがんばってください。
200定岡 ◆iTA97S/ZPo :2008/03/07(金) 17:12:31
夕方の報道番組だった。
時間的にスポーツの枠。
ゴルフ、サッカー、MLBとやっていた。
「世間は若いスターが台頭している。あー、体動かしたい」
才加は横になった。
何気なく見ている。
「!?」
即座に体が起き上がった。
何の反動だろうか?
「バイト先も決めないと。」
結局、何だったんだろうか?

それから一ヶ月、バイト先も決まり、生活のサイクルが確立された。
肝心の運動は決まっていなかったが…。
「お金も貯まったし、買い物でも行こっ。」

日が変わって、一週間後の日曜日、才加は買い物へ出かけた。
部屋に置く雑貨などを買いに出かけたのだ。
所持金はいくらなのだろうか?謎である。
「これも良さそうだけれど、こっちも…。両方買っちゃお。」
つい、衝動買いに走ってしまった。
「残金は…」
財布の中身を気にする才加。
お昼代含めれば、残り一万五千円と潤沢に見える。
しかし、衝動買い中なので、そうでもない。
残金は実質、湯水に近かった。
次は服を買い、五千円消費した。
買うつもりは、殆どなかったようだが…。
財布の中はお札一枚になっていた。
小銭は最早一欠片もない。
そんなこと気にせず、才加は衝動買いに突っ走る。

「!!!」
突然、目に飛び込んだ。
「これ欲しい。」
飛び込んできたのは、真っ赤な運動靴。
燃える赤より、艶やかな感じ。
「ちょっと見てみよ。」
店内へ行く才加。
「いらっしゃいませ。」
店内へ行くと、小柄な若い店員に話しかけられた。
背は自分と差がないぐらい。
店員曰く、自分のサイズと同じ物だけ残っているという。
それが、店頭にあったあの赤い靴だ。
そして、店員は東北出身なのか、聞き取りにくかった。
早速、履いてみた。
自分が普段履いている靴より、携帯一台分軽い感じだった。
そんなことを気にしない才加は即決で
「これ気に入りました。おいくらですか?」
「こちらは、一万円ですね。」
財布の中を見る才加。
「一枚だけある…。」
そう、残金は丁度一万円。
才加は暴走していたのにやっとのことで気づいた。
201松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/03/07(金) 22:05:07
驚いた顔のまま硬直している私を見て、彼は一度前を向き直し、頭をポリポリと掻いた後、もう一度体を捻らせてこちらを向いた。
「えっと……」
何かを思い出すように目線だけを左上に向け、わざとらしく考えるふりをした。
「ほら、前田って学校じゃあんま喋んねえじゃん。
だから、電話だと喋るかなぁ…って」
ははは、とわざとらしく笑った後、ごめんやっぱ今のなし。と言い再び前を向き直った。

なんだったんだろう。
私の声を可愛いと言ってくれたかと思えば、今度は携帯番号を教えてくれと言ったり。
彼の思考がよく判らない。
黒板に羅列された白い文字を眺めながら、そんなことを考えてると、いつの間にか授業が終了した。
教科書を引き出しに終い、次の教科の教科書を引っ張り出す。
前の席の彼が豪快な欠伸をしたあと、眠そうな目を何度か擦りもう一度欠伸をした。
正面を向いてる私に対し、横を向いて窓側の壁を背もたれにして座ってる彼。
欠伸のあと、目が合った。
「なあなあ、前田の声ってさぁ」
まただ。また私の声の話。
自分ではそれほど良い声だとは思っていない。どちらかと言えば、コンプレックスを抱いてるぐらいだ。
「なんつうかさ。今の季節だと、雪が降ってくるような感じっつうの?
春だと花が咲くような。
夏だったら、入道雲のモコモコした気持ち良さとか。
秋だったら……ん〜」
よく判らないけど、どうやら私の声を季節に例えてくれているらしい。
何故かおかしくて彼にバレないように笑った。
秋の例えが出て来る前に、次の授業が始まった。
ブツブツと考えながら、仕方なしと言った感じで前に向き直る。

彼の背中を突っつく。

振り向く彼に、笑顔を見せた。

「ありがと」

季節は冬。
私の口から奏でる雪を、彼の背中に降らせてみた。

「おう」

彼は笑顔で、そして照れくさそうに返事をして再び前に向き直った。


春になれば、私の声は花を咲かせるらしい。

その時彼は、どんな顔で私の声を褒めてくれるんだろうか。

「ありが、と」

今度は誰にも聞こえないくらいの小さな声で、彼の背中に雪を降らした。


おわり。
202松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/03/07(金) 22:12:40
完結しました。
今回は短すぎたような気がしないこともないですが、あっちゃん編はまたいつか続きを書こうと思ってます。
次回は才加にしようかと思ったんですが、定岡さんとモロ被りになっちゃうので、別のメンを考えています。
203定岡 ◆iTA97S/ZPo :2008/03/07(金) 23:13:56
「萬札一枚…。」
才加は気づくのが遅かった。
衝動買いに気づいたのは、財布を開けたとき。
萬札一枚では、家に帰れない。
「どうしよう…。」
赤味を帯びた顔がだんだん青くなる。
青銅の如く、固まってしまった。
「どうしました?」
店員が才加に声をかけた。
才加は黙り込んでしまった。
「家に帰れない…。」
そう呟く。
此所で値切りを頼んでみることにした。
一か八か。
「値切ってもらえませんか?」
「少々お待ちを?」
店員はモルモットの如く奥の事務室へ。
そして、直ぐに奥から店長がやってきた。
金剛力士像みたいに、ガタイが良い。
(店長呼び出しちゃった…。あー、あたしって…。)
興ざめした才加は絶望だった。

「店長と直接交渉してください。」
店員に宣告され、絶望感が漂う。
「は、はい。」
店長が私の前にやってきた。
店長の視線が降り注ぐ。
「どうなさいました?」
柔らかい声がした。
(いける。此所は勝負しないと。)
「値切ってもらえませんか?」
店長はこういった。
「展示用でずーっと飾ってあった。状態が良い物だからなぁ。」
「やっぱり、無理ですか?あたし、一万しかないんです。」
「うーん、ちょっと待っててね。いま、調べるから」

店長はパソコンで靴の情報を調べだした。
二分ぐらい経った。
「いいでしょう。古いモデルなので、かまいません。新しいモデルが入荷するので。」
「本当ですか?いくらまけてくれるのですか?」
店長は腕を組んだ。
目が上へ上がった。
「いくらかな…。それじゃあ、特別に、五百円まけよう。お嬢ちゃん可愛いし。」
店員が焦る。
「てっ、店長!良いんですか?」
「いいのさ。」
「は、はぁ…。」

「それじゃあ、九千五百円ね。」
才加の顔は色を取り戻した。
無事、会計が済んだ。
危機を脱した。
「お嬢ちゃんは何かスポーツやってんの?」
突然、店長に聞かれた。
「いいえ。」
「なら、これを持って行きなさい。ここに情報があるから。」
フリーペーパーみたいな冊子をもらった。
204定岡 ◆iTA97S/ZPo :2008/03/07(金) 23:40:57
松本さん乙です。

才加すみませんね…。僕が書き進めている才加は衝動買いと…。

三話目まで終わりました。次の次辺りから、健康的な才加になると思います。
205名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 00:15:31
お願いなんですが、長い作品書くときに日にちが経って間にレスが入ってたりしたら前回の最後の部分のアンカーつけてもらえませんか?
そしたら読みやすいんで。
206名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 00:15:43
松本氏&定岡さん乙
ちょっと気になったんだけど定岡さんって竹原じゃないよね?
文章とか似てんだよねまあ違うならいいんだけどさ
もし違うならそのままの文章で続けてこの書き込みの後に文章変えちゃったら叩く奴とか絶対出てくると思うんで
207名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 01:00:33
お二方乙
松本さん完結乙でした
次回期待してます
208名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 02:50:33
ねむい
でも小説読むのは高まるね
209名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/08(土) 06:25:39
やばい、あっちゃん可愛いわwwww
210名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 03:33:55
sage
211名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/18(火) 03:38:32
そして誰も書かなくなった

俺が書こうかなww
212名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/18(火) 05:03:12
よろwww
213松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/03/18(火) 07:06:47
申し訳ありません。
今日か明日の夜ぐらいから、書きたいと思います。
もう少々お待ちください。
214松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/03/19(水) 23:41:48

ヤレバデキルコ。

「やらないだけで、やれば出来る子なんだよ」
ストローに口を付けて、オレンジジュースを一口飲むと、彼女はそう言った。
「じゃあ、やって見せろよな」
「あ、酷い。見せないのがカッコいいんじゃん。
能ある高田は妻を隠すんだよ」
「おいおい……」
それじゃ高田さんちの旦那が浮気してるみたいじゃないか…。
呆れながら煙草に火を点けると、携帯から流行のポップスが流れた。
俺のではなく、目の前に座る彼女の携帯からだ。
サビが終わるか終わらないかのところで通話ボタンを押し、携帯を耳に当てる。
「もしも〜し、どうしたの?もう着いてるよ。
え、うそぉ?ハハハハ…」
彼女の所在は、どうやら電話の向こう側へ行ったらしい。
話し相手を失った俺はというと、意味もなく携帯を弄ることで、暇を潰していた。
215松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/03/19(水) 23:43:59
彼女、大島麻衣は、一言で言うと「バカ」だ。
去年、バイト先で知り合ったのだが、彼女のバカっぷりには、店長を始め他のアルバイト達の苦笑いを誘うほどだった。
そんな彼女と親しくなったのは、たまたま遊びにきていた彼女の友人に、俺が一目惚れをしたからだ。
電話の相手は恐らく、その友人であろう。

「もうすぐ着くらしいから、私もう行くね」
十数分の電話を終えた彼女が、立ち上がり財布から小銭を取り出す。
「あー、別にいいよ」
「本当?ありがと」
出した小銭を受け取らず、手で振り払った。
スキップ混じりでお店を後にする彼女が、先程差し出した小銭は、彼女が食した金額よりも大きく下回っていて、正直彼女の将来を心配した。
216松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/03/19(水) 23:46:58
お久し振りです。
今回、こちらのスレでは初めての男性視点です。
217名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/19(水) 23:47:52
おっつんつん
218定岡 ◆iTA97S/ZPo :2008/03/20(木) 00:10:42
松本さん乙です

自身、人大杉で投稿は…

219名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/20(木) 05:00:24
松本氏乙!キタまいまい!
>>218
もう専ブラ入れるっきゃないね
220名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/20(木) 08:03:18
松本さん乙です。
まさかまいまいとはw
続き楽しみにしてます
221名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/21(金) 23:13:12
やっと見れた
松本氏乙です
まいまい編面白そうですね続き楽しみに待ってる
222定岡 ◆iTA97S/ZPo :2008/03/22(土) 00:39:41
近日中に続き書けそうです。

しかし、一つ問題が…

223名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/23(日) 10:07:25
そういう言い方や書き方は前問題になった方と同じなのであまり良いとは感じませんよ。
224名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/23(日) 12:24:19
>>223
定岡さんと竹原は同一人物なんだからしょうがないよw
225名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/23(日) 15:01:20
>>224
言っちゃったwww
226名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/23(日) 19:48:10
>>224
わかってて言わなかったのにw
227名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/23(日) 20:29:12
まぁ作品が良ければ叩かないから頑張れ
228松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/03/29(土) 18:49:40
彼女の背中を見送ったあと、二本目のタバコに火を付け、ゆっくりと吸い込んだ。


「あ、おそ〜い」
「ごめんごめん。家の鍵探してたら遅くなっちゃった」
小走りで駆け寄る友人が、両手を顔の前で合わせて申し訳なさそうに事情を話し謝った。
「じゃあ、行こっか?」
「間に合うかな?」
「大丈夫でしょ」
これから観に行く映画の開場時刻は13時45分。
只今の時刻が13時27分だから、急げばまだ間に合うだろう。
「ほら、急ごう」
携帯のディスプレイの時計を確認した麻衣が、映画館へと向けて走り出す。
「あ、ちょっと待ってよ」
続いて友人が、その後を追いかけるように走り出した。



残りのコーヒーを飲み干してから、伝票を手に取り会計を済ます。
「ありがとうございました。またお越し下さいませ」
店の外に出ると、小さく溜め息をついた。

また、何も聞けなかったなぁ…。

大島麻衣の友人、大島優子について、聞きたいことが山程あったのだが、どうしても口に出せなかった。
毎回こんな感じで、彼女との交友関係だけが続いていた。
時計を確認してから、少し早いがバイト先へと向かった。
229松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/03/29(土) 19:07:50
更新遅れてすみません。
考えに考えた末、結局ダブル大島になりました。
今後の展開はどうするか決めてないので、正直どうなるか自分自身不安ですが、まあ、なるようになればと思います。
それでは、また。
230名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 19:14:30
おっつんつん。
ゆぅこ〜
231名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 20:21:19
松本さん乙です
まいまいの友人がまさかのコリスとはw
いや〜不意をつかれましたw
今後の展開期待して待ってます

>>230
sage忘れてますよ
232名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 21:55:13
233名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 14:41:41
松本氏乙
234名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/05(土) 03:38:45
235松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/04/17(木) 12:36:15
みなさんお久し振りです。
最近、仕事のほうが忙しくて、中々小説のほうにまで手が回りません。
もうしばらくしましたら、続きを書きますので、お待ちください。
236名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/18(金) 21:53:52
期待してますw
237名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/19(土) 22:04:46
待ってるよ頑張って
238名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/22(木) 00:29:29
239名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/25(日) 19:44:54
240名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/31(土) 12:27:49
あげ
241名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 00:45:52
保守
242名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 19:21:09
まだか
243名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/05(土) 10:37:52
保守
244松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/05(土) 14:21:40
ピッピッピッ、時折鳴るバーコードをスキャンする電子音と、店内に響き渡るBGM。
「ありがとうございましたぁ」
ふぅ、と溜め息にも似た深呼吸をし、肩の力を抜いて見る。
「会計を済ましたお客さんに、『ありがとうございました』は失礼ですよ」
声をする方を向くと、自分よりも頭一つ分以上小さな少女が乱れた陳列棚を整理しながら呟いた。「もしかしたら、まだ店内を見て回るかもしれないじゃないですか。
それなのに、『ありがとうございましたぁ』なんて言ったら、『帰ってください』って言ってるみたいに聞こえますよ。
『ありがとうございました』は、店内を出て行くときに言うもんです」
整理を終えた少女は、俺の方へ近寄り、ニコッと笑いかけた。
彼女の左胸に付けられたネームプレートの写真に比べると、実物のほうが幼いようにも見えた。
「そんなことイチイチ気にしないでしょ?」
少なくとも俺は考えたことないな。口にこそはしなかったが、ぶっきらぼうに答えた。
「気にしないかもしれないけど、それがサービス業ってもんじゃないんですか?」
「みなみちゃんは偉いねぇ」
冗談交じりに褒めてやると、少しだけムッとした表情をしたが、お客さんが来たことにより、この会話はここで終了した。
彼女の名前は、高橋みなみ。
年下ではあるが、このバイトでは先輩に当たるわけで、何かと小言がうるさい。
まあ、年齢の割に働き者で素直な性格は、今時の女子高生とは思えず、少しだけ親近感を持てる。

「ありがとうございます。
……ありがとうございましたぁ」
今度は、彼女の言う通りにやって見た。
彼女の方をチラッと見ると、ニコッと微笑んで頷いてくれた。
ふ〜む。俺のほうが年上なんだけどなぁ……。
245松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/05(土) 15:25:42
「あのさ、みなみちゃんって好きな人いる?」
バックヤードでの休憩中、俺は思い切って聞いてみた。
聞かれた本人は、硬直したまま動こうとせず、気まずい沈黙が流れた。
「いや、そういう意味じゃなくてさ、今、好きな子がいて、ちょっと意見を聞かせてもらおうかと思っただけだから」
なんか、取り繕えば取り繕うほど、焦ってしまう。
「あ、そ、そういうことですか!?
あー、びっくりしたぁ」
顔を真っ赤にさせて、手で顔をパタパタと扇いでる。
「でで、なんですか?」
「え?あー、えっと…」なんて説明したらいいのやら。
みなみちゃんに伝わるように、ゆっくりとこれまでの経緯を説明した。


「なるほど」
みなみちゃんは、胸元で腕を組み、真剣な表情でう〜むと唸った。

「友達経由よりも、直接告白されたほうがいいんじゃないですか?

「え?」
「多分ですけど、友達を利用されるのって余り喜ばしくないですもん」
みなみちゃんは、組んでいた腕を解き、テーブルに片肘を付き掌に顎を乗せた。
「告白もなにも、相手の子は俺のこと好きかどうかも判らないんだよ?」
「それ、理由になってませんよ」
「え?」
「だって、相手が自分のことを好きかどうか確認しないと告白できないなんて、そんなのおかしいですよ」
みなみちゃんは立ち上がると、壁に掛けていたエプロンを首に掛けた。
「その人のことが本当に好きなら、想いは伝えましょうよ。
じゃないと何も始まりません」
そう言うと、バックヤードを後にして再び勤務に戻った。
俺はと言うと、先程のみなみちゃんのように、テーブルに肘を付いて、ふ〜むと唸っていた。
246松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/05(土) 15:28:50
つづく。


みなさんお久し振りです。
長らくお待たせ致しました。
まだ仕事のほうが忙しいので、更新頻度は少ないと思われますが、再開致します。
247名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/05(土) 15:36:48
おっつんつん
248名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/05(土) 18:34:30
おっ、やっとで再開したな
待ってたよ
249松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/06(日) 22:34:39
「お疲れ様でしたぁ〜」
仕事が終わった解放感からか、みなみは大袈裟にお辞儀をしてから踵を返した。
扉に手を掛けた辺りで、もう一度こちらを振り向き「頑張ってくださいね」と微笑んだあと、顔の横で軽く手を振った。
仕事のことで言われたのだと思ったのだが、先程のことを思い出して、少しだけ苦笑いをした。
「ん、どうした?」
それを見た店長が、不思議そうな顔をしながら訪ねてきたが、「何でもありません」と愛想笑いで返しておいた。

――その人のことが本当に好きなら、想いは伝えましょうよ――

そんなこと言われてもなぁ。

「いらっしゃいませー」店長の声につられて、いらっしゃいませと後に続いてから仕事を再開した。
250松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/06(日) 23:17:25

「あ、たかみな久し振り〜」
麻衣が仕事をほっぽり出しみなみの方へと駆け寄る。
因みに“たかみな”とは、みなみの愛称だ。
後輩に同じ名前の子がいるらしく、区別を付ける為にそう名付けられたらしい。
一度、「じゃあ、その子がみなみって呼ばれてるんだ?」と尋ねたことがあるのだが、その子はその子で、「みぃちゃん」と言う愛称があるらしい。
なんかよく判らなかったから、それ以上は聞かなかった。
「ちょっと、まいまいさん仕事しなきゃダメですよ」
麻衣が居なくなって少しだけ広くなった通路で、先程搬入されてきた弁当やおにぎりを、ラックに補充していた俺を見ながらみなみが注意した。
「たかみなって姑みたいだよね」
渋々仕事を再開しながら、麻衣が笑った。
その事についてみなみは何も反論せずに、一旦バックヤードへと姿を消し、数分後に店内へと現われた。
俺の隣りにしゃがみ込み、弁当の補充を手伝いながら、肘で俺の身体を突つく。
?の表情を浮かべて顔だけみなみの方を向くと、みなみが上目遣いでニヤけている。
「どうでした?」
みなみの顔からは、ワクワクと言う擬音が発しているが、それが何のことなのか判らなかった。
「…なんの、こと?」
正直に尋ねると、みなみの顔は一気に呆れたような、曇ったような表情へと変わった。
「…まだ告白してないんですか?」
あ、そのことか。と、気付いてから苦笑いを返すと、更に呆れた表情を強めた。
「告白ってなんのこと?」
真面目に黙々と仕事をこなしているかと思っていた麻衣が、「告白」と言う二文字に食い付いてくる。
「えっとですねぇ、実は…」
「いやいやいや、な何でもないからっ!
ほら、麻衣お客さんだよ」
慌ててみなみと麻衣を引き離し、事無きを得た。
251松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/06(日) 23:18:35
つづく。


同級生スレなくなったみたいですね。
252松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/07(月) 22:32:38
「で、話ってなに?」
バイト終り、俺は麻衣と二人でいつものファミレスに居た。
カラスミとアンチョビのパスタをフォークに絡めながら、麻衣は携帯をいじっている。
「ん…、あ、あのさ…」

大島優子って好きな人いるのかな?
大島優子ってどんな男がタイプなんだろ?
大島優子と俺の仲を取り持って欲しいんだけど。

聞きたいことは沢山あるのだが、どの一つも口にすることが出来ない。

口を開いたまま、黙っている俺を不思議そうな顔でのぞき込んで来た。
「どうしたの? なんか変だよ。もしかして麻衣に告白でもしようとしてた?」
ははは、冗談だよ。
そう笑いながら、麻衣は再びパスタを口に運び始めた。
惜しい。告白はしたいけど、大島違いだ。
このままだと、またいつものパターンだ。
「えっと…、優子ちゃん…」
「え?」
「ど、どう?げ、元気にしてる?」
突然、優子の名前が出たせいだろうか、麻衣の表情は間の抜けた顔をしていた。
「うん、元気だけど、どうして?」
「いや、実はさ…お願いがあって…」

優子が好きだと言うこと。
それを取り持って欲しいということ。
告白は自分でするから、好きだということは伝えないで欲しいということ。
一度口を開くと、次から次へとお願い事を並べてしまった。

麻衣はというと、えーめんどくさいよ。じゃあ、今度焼肉奢ってね。もし告白が成功したら、麻衣に一番に報告してよね。
そう言いながら、楽しそうにニコニコしていた。
「じゃあ、帰ったら優子に電話してみるよ」
そう言って立ち上がると、テーブルに千円札を一枚置いた。
「あ、お金はいいよ」
千円札を拾いあげ、麻衣に差し出すと、右手でそれを遮って小さく首を振った。
いつもなら「ラッキー」と言いながら、スキップ交じりに去って行くのに。
お店のドアに手を掛けたとき、一瞬だけこちらを振り返った。
そのときの顔が、とても淋しそうな表情をしていたように見えたのを、このときの俺は何も気に止めていなかった。

「こちらお下げしてもよろしいでしょうか?」
ウェイトレスが空いた皿を片付ける。
麻衣が食べていた皿には、パスタが半分以上残っていた。
253松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/07(月) 22:33:08
つづく。
254名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/08(火) 01:01:53
まいまいがかわいすぎる件について
255名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/08(火) 02:01:54
早くどんどん書いちゃってください。期待してます。
256名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/08(火) 02:12:08
三角関係の始まりか?  優子←俺←麻衣?
257名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/08(火) 12:21:33
三角関係ヤバス
258松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/08(火) 21:36:12

その日の夜、お風呂から上がり、さあ寝ようかとベッドに腰を掛けると、テーブルの上の携帯電話が、音を立てて震えた。
腰を浮かせ、携帯電話を手に取り、ディスプレイを確認する。
麻衣からのメールだ。
今度の休日に、三人で映画を観に行く約束を取り付けてくれたらしい。
最後に、『麻衣はタイミングを見計らって、居なくなるから頑張ってね』と書いてあった。
テンションが一気に高揚し、俺は枕を抱いてベッドの上をゴロゴロと転がった。
二、三回程転がったところで、ベッドから落ちてテーブルで頭を打った。
259松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/08(火) 22:48:48


歌うと死ぬ。
都市伝説を元に作られたホラー映画。
どこまで続いているのだろうトンネルを、主演の女の子がひたすらと走るシーンは印象的だった。
どことなく優子に似ている気がして、上映中は何度か優子の横顔を眺めていた。
その度に、その隣りの麻衣と視線があった。

映画が終り、近くのカフェでお茶をしようと提案したのは麻衣だった。
ついでだからと、少し遅い昼食も済ませることにした。
店内に入ると、ポケットから携帯のバイブ音が鳴った。
どうやら、麻衣がメールを送ったらしく、本文には、『お昼食べたら消えるから』とだけ入力されていた。
いよいよかと思うと、緊張で心臓が高鳴る。
「ちょっと、トイレ」
それだけ言った後、俺は店内の入口付近にあったトイレへと急いだ。
昨夜必死に練習した告白を何度も確認する。




「ねえ、麻衣ちゃん」
ティーカップに角砂糖を一つ入れた優子が、何気なく麻衣に声を掛ける。
「ん、なに?」
トイレへと視線を送っていた目を、すぐに優子へと戻した。
「麻衣ちゃん、彼のこと好きなんでしょ?」
「ええっ!ゴホッゴホッ…」
口に含んだコーヒーを噴き出してしまい、慌てておしぼりを口に当てた。
「な、なんで?」
「判るよ。今日さ、ずっと彼のこと見てたでしょ?」
優子がテーブルを拭きながら笑う。
友人の予期せぬ言葉に、思考が停止した。
この後自分は、その「彼」のために、この場から消えなくてはいけないのだ。
それなのに、なんでこの友人はいきなり核心を突く様なことを言うのだろうか。
「えっと、あー…えっとー…そのこと、彼には言わないでね」
「否定しなかったね」
優子は意地悪そうに微笑んだ。
「あ…」
そっか、否定すればよかったんだ。
今更そのことに気付いて、下を向いて固まってしまった。
「麻衣ちゃん、可愛いなぁ」
微笑んだ後、ティーカップに口を付け、紅茶を一口飲んだ。
260松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/08(火) 22:54:38
つづく。

予想通りの三角関係です。
ちょっと冒険してしまいました。
261名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 01:32:28
ニヤニヤとwktkが止まらない

まいまいのキャラがすっげー魅力的
262名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 03:35:25
まつもとさん毎日更新してくれ
263名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 03:58:16
誰かBRのスレで小説かいてほしい。48人参加で。
264名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 10:53:02
まいまいキャワ
265名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 14:54:04
いつの間にか更新されてるw
266松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/09(水) 21:13:28



告白までの流れをイメージしたあと、気合いを入れて二人の元へと戻った。
「あ、おかえりー」
優子の眩しい笑顔に迎えられて、気分は最高潮に高まる。
あとは、麻衣が居なくなるのを待つだけ……って、あれ?
異変に気付いた。
先程まで元気の良かった麻衣の様子が明らかにおかしい。
「麻衣、どうかした?」
「え、な、なんで? どうもしないよ」
取り繕うように姿勢を正し笑顔を作り、優子に向かって「ねえ?」と同意を求めた。
優子は、そんな麻衣がおかしいのか笑顔を崩さぬまま、それに返事した。
「ならいいんだけど…」
腑に落ちなかったが、それ以上の追求はしなかった。
ポケットからタバコを取り出し、それを一本咥える。
火を点けようとライターを手にしたとき、優子と目が合った。
タバコ、まずかったかなと思い、咥えてたタバコを口から離した。
「どうぞどうぞ、吸ってください。私、男の人がタバコ吸ってる姿好きなんですよ」
優子は軽く微笑むと、両肘をテーブルに乗せ、両手で自分の頬を包み込む様に顎を乗せた。
笑ったときに出来る両頬のえくぼと、少女漫画のキャラクターのような大きな瞳。
そして、その外見からはイメージ出来ないハスキーボイスが、さらなる魅力を醸し出していた。
許しを得た俺は、再度タバコを咥えると、そこに火を点け、一気に煙を肺まで吸い込んだ。
「…ゲホッゲホッゲホッ…」
タバコを吸う男の人が好きだと言った優子を意識してか、無理に格好付けようとして、噎せてしまった。
大丈夫ですか?と言う優子に対し、右手を前に差し出して、大丈夫と言う意思表示を表した。
水を一口飲んだあと、もう一度タバコを、今度はゆっくりと吸い込んでから煙を吐き出した。
なんか格好悪い気がして、その一本だけで、吸うのを辞めた。
267松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/09(水) 21:50:58



今日、私が何故誘われたのか判らなかった。
この二人は前々から仲が良い。
よく二人で会っているのは、麻衣から聞かされていた。
だから、麻衣が彼のことを好きだというのも、以前から気付いていた。
というよりも、二人がまだ“オツキアイ”をしていなかったことの方が驚きだった。

私が核心を突くと、しどろもどろと慌てていて、可愛かった。
私は、麻衣のために、親友として何をしてあげればいいんだろう?
そんなことを考えてると、彼がタバコを取り出した。
少し遠慮してるように見えたから、「どうぞどうぞ」と勧めてあげた。
その後、彼が煙に噎せてかどうか知らないが、タバコを置き、しばらくの沈黙が続いた。
親友のために私が一肌脱がなくちゃ。

「ねえ、麻衣ちゃん」
突然名前を呼ばれたのに驚いたのか、大きな目をさらに大きくして、私の方を見る。
「な、なに?」
そんな、怯えたような目で見なくてもいいのに。
「私、用事思い出したからもう帰るね」
せめてもの気遣いのつもりで、そう言い立ち上がる。
「え?そんなこと昨日は言ってなかったじゃん」
「だから、今思い出したの!」
麻衣の方を向いて、「頑張れ」の意味を込めて、ウィンクした。
彼はというと、唖然とした表情で、私達のやり取りを見守っていた。
慌てる麻衣を制止し、私は二人の行く末を見守るために、その場は去った。
268松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/09(水) 21:53:25
つづく。

>>262
なるべく毎日更新していきたいとは思っています。
ただ、仕事で書けない日がまたくると思いますが、一週間以上更新が止まることがないようにしていきたいと思います。
269名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 22:08:35
松本氏
無理せず更新していって下さい、応援しています。

しかし三角関係の話、読んでてヨダレが・・・
270名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 23:32:08
松本さん乙です。
松本さんのペースでいいですよ。
271名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/10(木) 01:19:19
このすれ違いは新線!!!どうする?俺・麻衣?
272名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/10(木) 07:01:09
これは・・・
いいね!
273名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/10(木) 17:40:07
いがいとはまた^^
まいまいのキャラいいね!たのしみにしてます。
274松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/10(木) 21:53:02



先程吸ったタバコの残り香が鼻に付く。
一体、何が起こったのだろう。
この後麻衣が、タイミングを見計らって立ち去ってくれるはずだった。
なのに、先に立ち去ったのは大島は大島でも、優子の方だ。
唖然として、去り行く優子の姿を眺めていた。
麻衣はと言うと、そんな優子をどうにか引き止めようとしていた。

去り際に優子が軽く手を振り、麻衣に向かって口をパクパクと開いた。


二人取り残されたテーブルには、三人分のティーカップと灰皿。
灰皿の上には、先程吸ってすぐに消したタバコ。
「……ごめん、ね」
俯き加減に謝る麻衣に、俺は「もう、いいよ」としか言えなかった。
再び流れる沈黙が、居心地を悪くさせた。
傍から見れば、別れ話でもしているカップルにでも見えていたかもしれない。
タバコを一本取り出し火を点けた。
今度は噎せなかった。
275松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/10(木) 22:49:08



大変なことになった。
彼に対する気持ちを優子に知られたのも、予定にないこの状況も。
最後に優子が、口の形だけで『ガンバレ』と言ったが、今はそれどころじゃない。
上目遣いで彼の様子を伺う。
彼がタバコを吸う時は、気持ちを落ち着かせようとしているときが殆どだ。
今は、どっちなんだろうか。もう一度、「ごめんね」と謝罪した。
「謝らなくていいよ。用事があるんなら仕方ないだろ?」
チャンスは今回だけって訳じゃないんだし。そう付け加えると、タバコの煙をフーッと噴き出した。
「また今度頼――」
彼が喋り終わるか終わらないかのとこで、麻衣の携帯が鳴った。
ディスプレイには“優子”の文字。
彼に断って、席を離れ携帯を耳に当てた。
「もしもし? もう、どういうつもり!」
開口一番、麻衣は勝手な行動を取る優子に対し、怒りにもとれる不満をぶつけた。
自分が優子と同じ事をしようとしていたことを、棚に上げて。
『どう? 上手く行ってる?』
電話の向こう側から、優子の楽しそうな声が聞こえる。
「何も用事ないなら、早く戻ってきてよ」
『えー、なんでよぉ?』
優子の当たり前な疑問に、何も答えられずにいると、通話口の向こうから、ふふっと笑い声が聞こえた。
『麻衣ちゃん、自信持って告白しなよ。今更二人きりが緊張するなんてことないでしょ?』
違う。そうじゃない。
彼は、麻衣のことじゃなくて、優子のことが好きなんだ。
そんなこと等言える訳もなく、返答に困っていると、誰かが肩を叩いた。
びっくりして振り返ると、彼が口元だけで笑みを作っていた。
「え、あ、ど、どうしたの?」
通話口を手で押さえ、慌てて姿勢を正した。
「ん、いや…俺、帰るわ」
「え?」
もう一度口元だけで笑うと、彼は扉に手を掛けて店内を後にした。
どこで、何を、間違ってしまったのか。
麻衣の思考は、停止した。

涙が頬を伝う。

通話口の向こうから、優子の「もしもーし」と言う声が、何度も聞こえた。
276松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/10(木) 22:52:33
つづく。


三角関係って難しいですね。
BRスレ面白いですね。
昨日読んでみて、少しだけストーリーを頭の中で考えてしまいましたw
277名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/10(木) 23:08:39
すごい展開ですね・・・

昇天しそうだ(笑)
278名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/11(金) 02:11:31
ドラマ化希望w

BR小説書けそうですか?
松本さんは正統な文章を書く方だと思っていたのであえて松本さんには
振らなかったのですけど。そちらも期待してます!!!
無理せず書き続けてください。
279名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/11(金) 12:11:11
ヤバイ!続きが気になる
280名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/11(金) 14:34:29
はじめまして。
携帯からなんですけど、
書いても良いでしょうか?
281名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/11(金) 15:15:33
>>280
まずはsageようか?
そして>>1を読め
話はそれからだ
282名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/11(金) 16:33:25
>>281

これで良いでしょうか?
283名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/11(金) 18:14:36
>>282
おk
分かってると思うが、自演だけはするなよ
竹原の二の舞になるからな
てか、自分から書きたがるなんてよほど自信があるんだなw
284咲弥:2008/07/11(金) 19:19:41
さくや、と言います。
ハードルも上がってしまったようなのでw
松本氏を見習いつつ、
書きたいと思います。
285咲弥:2008/07/11(金) 19:43:41
「はやく、起きなさいっ、遅刻するよっ!」
家屋全体を震わすような怒号が響く。
と、いっても俺に向けられたものではない。
妹に向けられたものだ。

ドドドッという慌てた足音を聞きながら
俺はのんびり眠気まなこをこする。


いつも通りに階段を降りれば、そこにはいつもの風景。


「あんた、今日朝練でしょ?なんでもっと早く起きないの?」
母はコーヒーをいれながら
妹に文句をいう。
「わかってるよ!だから急いでるんじゃん!
あっ!電車乗り遅れちゃう。」
妹は焦った様子で、コーヒーを流し込み、リビングを飛び出す。


「行ってらっしゃい、気をつけてね。」
母が玄関から見送る。

窓からは目眩がしそうな強い日差し。

今日も暑そうだ。
286名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/11(金) 19:59:47
>>285
ごめん、俺その話知ってるかも・・・
287咲弥:2008/07/11(金) 20:13:56
>>286

本当ですか!?
一応足りない脳をフル回転したんですが…
妹は誰にしようか
考え中です。
288名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/11(金) 20:28:07
咲弥さん
ハードルとか考えず頑張って下さい。
289松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/11(金) 20:54:13


別に怒ってた訳ではなかった。
優子が去ったあと、予定にはなかった展開に、少しだけ頭が混乱していただけだ。
ただ、あれ以上麻衣と二人でいると、怒っていなくとも、そういう態度を出してしまいそうで、
そんな自分が耐えられなくて、電話中の麻衣に精一杯の笑顔を作り、一言告げて、店を後にした。

ベッドに寝転がり軽く舌打ちをする。
店を出る間際、麻衣が見せた表情。
驚きにも見える寂しそうな顔。
その表情が脳裏に焼き付いて離れない。

一言、麻衣に謝りたい。

何を?
いきなり謝られても、麻衣は戸惑うだけだろう。
そう、俺は謝るようなことはしていない。
じゃあ、何に謝るつもりだったんだ?

そう、脳裏に焼き付いた麻衣の表情に、あの寂しそうな表情に、謝りたいんだ。

寝返りを打ち、携帯を開く。
メールフォルダの、受信欄には、麻衣の文字が並んでいる。
一つ、開いた。
最後のメール。
『お昼食べたら消えるから』
バレない様に、慌てて打ってくれたのだろう、たった一行だけ簡潔に打たれていた。

やはり謝ろう。
協力してくれたことに対する、謝罪とお礼。
「ごめん」と「ありがとう」。

親指で、ゆっくりと通話ボタンを押した。
290松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/11(金) 21:00:28
つづく。

>>278
暇なときにでも、書いてみようかと思います。
こちらのスレを優先的に進めたいので、更新は遅くなるとは思いますが;


咲弥さん、初めまして。
ハードルとか気にしないで楽しくやりましょう。
自分も文章力ないので、毎回頭をフル回転させながら書いてるんでw
291咲弥:2008/07/11(金) 21:13:49
>>288、290

すごく楽になりました。ありがとうございます。
少しでも面白くできるようにがんばります。

しかし、松本さんの続き気になりますねw
292名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/11(金) 21:30:15
松本さん乙です
この後の展開がすごく気になります!

>>咲弥さん
軽はずみな自演は自重しましょう
293咲弥:2008/07/11(金) 21:59:58
TVをボーッと眺めながら、朝食のトーストをかじる。
「ほら、あんたも今日はバイトの面接でしょ?
早く支度しなさい。」


そう、俺はニートだ。
大学受験に二度失敗し、もう、予備校にすら通っていない。
両親とも、もうあきらめたのか、「大学」の二文字は久しく聞いていない。

「まったく…やる気のない顔して…
すこしは友美を見習いなさい。」

母の皮肉が刺さる。

友美は高校のラクロス部で二年生ながらにエース。
明朗活発で、男ならまだしも同性のファンも多いと言う。

俺とは天地の差だ。

そんな事を考えながら、支度をし、バイトの面接に向かうため、家を出た。

「あっちぃなぁ〜。」

そんな独り言を呟き、灼けるような日差しの中、歩き出した。
294名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/11(金) 22:29:35
ちょまっwwwww自演とかwwww二代目竹原かよwwwwwwwww
295咲弥:2008/07/11(金) 22:32:00
すごく初歩的な質問なんですが…自演って何ですか?
296名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/11(金) 22:41:31
>>1から読んでみました
横から口はさんで申し訳ないですけど
もう少し書き手と読み手の間を置いたらいいと思いますよ
咲弥さんもそうですが馴れ合いが原因じゃないでしょうか?

この流れだと自演のととられてもいたしかたないです
1から読めば自演の意味も解かるでしょう

ほんとに書ける方は文才とかじゃなくて自分を確立してますからね
297咲弥:2008/07/11(金) 23:08:47
なるほど…。
気をつけます。

少し書く事に集中します。意見はどんどん頂けたら嬉しいです。

ありがとうございました。
298名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/11(金) 23:13:31
>>297
こいつ絶対分かってないwww
もうここで書かなくていいよwww
書きたきゃ自分でスレ立てろwww
299名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/11(金) 23:25:42
>>298
>>297はリア厨だろwww
ゆとり丸出しだしwwwwwww
300296:2008/07/11(金) 23:45:05
咲弥さん、もう大丈夫ですね?
自分も文章下手なんで人のこと言えませんから・・
私は叩かれても構いませんので
301咲弥:2008/07/11(金) 23:50:09
「ふーん、高校は出たんだね。まぁ、いいや。
明日から、本格的に働いてもらうから。」

若干、小太り気味の中年の男性。
バイトすることになったレストランの店長だ。

契約書にサインして、さて帰ろうかとしてるときに、1人のウェイトレスが目に入った。

「あれ…?由加理?」

佐藤と書いたネームプレート。間違いない。

「あ…お客様?
どうか、なさいましたか?」

よそよそしい営業言葉で俺に近づいてくる。

「あ、いや、何も…。」

しどろもどろになった俺は、逃げるように店を後にした。
302咲弥:2008/07/11(金) 23:55:01


ここまでは割と考えつきましたが…
書いてみると難しいですね。


>>300
大丈夫です。
ありがとうございます。
303名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/11(金) 23:55:27
>>301
2度も言わすなよ
ここはテメェのチラシの裏じゃないんだよ!
書きたきゃ自分でスレ立てやがれ!
304名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/11(金) 23:57:21
ちょwww誰か>>302に日本語教えてあげてwww
305名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/11(金) 23:58:11
>>300
咲弥自演はヤメレ
306名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/12(土) 00:03:44
>>302
貴方のせいで荒れて、松本氏が書きにくい状況になったらどうするんですか?
少しは空気を読んでください
307名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/12(土) 00:05:38
まだ竹原のほうが潔くてマシだったなwww
308咲弥:2008/07/12(土) 00:06:45
初歩的な質問なんですが、スレってなんですか?
309咲弥:2008/07/12(土) 00:06:50
…そんなに叩いておもしろいですか?
自演だか何だか知らないですけど…
ここはAKBの好きな子をモチーフにして、小説書いたり読んだりするスレッドじゃないんですか?
310名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/12(土) 00:08:13
>>309
だからお前はお前でスレ立てればいいだろ
311296:2008/07/12(土) 00:08:53
忠告したのに
312名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/12(土) 00:09:18
>>309
いい加減、空気ぐらい読みましょう。
313名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/12(土) 00:10:17
>>309
半年ROMってろ
314咲弥:2008/07/12(土) 00:10:44
携帯でどうやってスレッド立てるんですか?
315名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/12(土) 00:11:33
あーあ、折角松本さん復活したのに・・・・・
316名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/12(土) 00:12:34
マンドクセ
317名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/12(土) 00:14:21
竹原ー!>>309に謝罪の意味教えてあげてww
318名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/12(土) 00:15:36
>>314
それくらい自分で調べようねゆとり君
319名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/12(土) 00:16:29
アララなんか荒れちゃってるね。
320名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/12(土) 00:17:25
もういいよ
松本氏来なくなるから・・・
321咲弥:2008/07/12(土) 00:21:22
よくわかんないけど、
俺が悪いみたいなので、

すいませんでした。
322名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/12(土) 02:10:11
反省の色なしかよ!
もう来るな
323名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/12(土) 02:10:22
もう自演でもいいじゃん
俺は話読めるならなんでもスルーするから気にしてないよ
自演自重厨も見逃してやってくれ



とりあえずまいまいカワユス
324名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/12(土) 02:18:49
だからさ、咲弥って奴の専用スレ誰か立ててやれよ
それで平和になるなら安いもんだろ?
俺は昨日別のスレ立てたばかりだから、立ててあげられないけどよ
325名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/13(日) 20:10:37
あれだな
咲弥も松本氏みたいに一日1〜2レス分の更新くらいに抑えてくれれば歓迎なんだけどな
例えば松本氏が1レスしか更新してないのにその後咲弥が5レス分更新すると松本氏の更新分がどうしても埋まるだろ?
だからさこれから書く作者たちも周りを見てバランスよく書いて欲しいんだ
まあイチ読者の意見だ
326松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/14(月) 00:05:54

「ご注文は以上でよろしかったでしょうか?」
では、繰り返します。
ウェイトレスが注文を繰り返してる間、俺は目の前にいる彼女の存在に疑問符を打っていた。
ウェイトレスが頭を下げ、テーブルから離れる。
一体何故、彼女がいるのだろう。

先日、謝罪とお礼をしようと、麻衣に電話をしたが、途中、臆してしまい電源ボタンを押してしまった。
仕方ないと思い、一時間掛けて打ったメールを、勇気をだして送った。

そして今日、ここには麻衣が来る予定だったはずなのだが、
何故か、彼女、大島優子が目の前に座っている。
「用ってなんですか?」
優子はメニューをテーブルの端に寄せ、水の入ったコップに口を付けた。
用があるのは、麻衣の方にだ。
確かに、この前は優子の方に用があったのだが…。
「麻衣ちゃんのことですか?」
優子が悪戯っぽく笑う。
俺が麻衣に、協力を求めていたことを知っているのだろうか?
びっくりして顔を上げる。
「当たりみたいですね」
さらに笑顔を強めて、両肘をテーブルに付き、興味津津な顔をした。

「てことは…、俺の気持ち、知ってたんですか?」
優子に対する気持ちを、知られていたなんて、想定外の出来事だ。
「いえ、今初めて知りましたよ。
麻衣ちゃんといい、二人とも判りやすいですよねぇ」
優子の顔は相変わらずニヤニヤと笑っていてる。
麻衣? 何のことだろうか。
俺が好きなのは優子のことで、それがバレたことを『判りやすい』と言われるのは判る。
じゃあ一体、麻衣の何が『判りやすい』んだろうか。
「告白、するんですか?」
なんて大胆な発言をするんだろう。
自分のことを好きだと知った後に、その男に対して告白を求めてくるなんて。
「あ、じゃあ、遠慮なく…」
どうせバレてるなら、臆することなんてない。
俺の気持ちを知りながら、嫌な顔をしていないんだ。可能性は0ではない。

ゆっくりと息を吸い込み、優子の大きな瞳を見つめる。
327松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/14(月) 00:11:39
つづく。


あの…、なんか凄く荒れてたみたいですけど…
咲弥さんは本当に自演してたんですかね?
自分が読んでみる限りでは、どこも自演には見えないんですが…
折角新しい作家さんが来てくれたんです、もっと歓迎しましょうよ。
328名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/14(月) 00:33:42
>>327
おっつんつん
ゆぅこーかわゆす


ここは殺伐としてるもんねえ
俺も自演は見分けられないwww
自演自演うるさいから雰囲気が悪くなる
自演が嫌いなら無視してりゃいいのにさ
まぁそれが2chだもんなぁ しょうがないのかな
329名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/14(月) 14:06:05
乙です。
この先の展開がすごく気になります
330松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/15(火) 04:57:06

「好きです」

言った後、物凄いスピードで心臓が鳴った。
身体中を駆け巡る血液が、顔に集まり、朱色に染めていたかもしれない。
だが、見添える目はジッと優子の瞳を捕らえていた。
その優子といえば、大きな瞳をさらに大きくして、飴玉だと思って食べたら、ビー玉だったときのようなそんな表情をしたまま固まっていた。

何も反応を見せない優子に、もしかしたら聞こえていなかったんじゃないかと思い、もう一度言おうと口を開くと、優子が大きな瞳を二、三度パチクリとした。
「ちょ、ちょっと待ってください。
好きな人って、私ですか?」
ようやく反応を見せた優子の口から出た言葉に、耳を疑った。
「えっ、気付いてたんじゃ…?」
「麻衣ちゃんのことが好きなのかと…」
「ええ!?」
優子は恥かしそうに下を向く。その顔は朱色に染まっているようにも見えた。
「なんでそこに麻衣が出て来るんですか?」
「だって、ゴニョゴニョ…」なんてことだ。優子は、俺が麻衣のことを好きなんだと思ってたのか。
優子はゴニョゴニョと小さな声で、「だって、麻衣ちゃんのは貴方のことが…」と言い、その後しまった!と言う顔をした。
またもや耳を疑った。
麻衣の好きな人が俺だと言うこと。
そんな素振り見せたことなんてないのに…。
もしかしたら俺は、大変なことをしてしまったんじゃないだろうか。

気付くと、俺は店内を飛び出し、走っていた。
331松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/15(火) 05:07:53
つづく。


もうすぐクライマックスだと思います。
この物語が終わったら、次はどうしようかと悩んでいます。
才加にしようか、こじはるも面白そうだし、ツンデレな戸島花もありかなとかw
それとも、そろそろたかみなの話も書こうかと思ったり…。
非常に悩んでる訳で。
まあ、どの子を選んでもストーリーを考えるのは難しい訳で……。
特に、主役の男の名前を出さないのは意外と難しいですね。
あー、やっぱりえれぴょんにしようかな。
332名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/15(火) 08:03:20
やばい(笑)

次はツンデレなこじはるお願いしますm(__)m
333名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/15(火) 11:50:23
ツンデレチユウ(・∀・)
よろしくゥ♪
334名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/15(火) 14:41:06
これは・・すげえ

他の方も自演坊に負けずに書いて欲しい
それくらいの叩きには負けないくらいの根性を見せてくれ
335名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/15(火) 16:16:47
いよいよ終わっちゃうんですね!
今回のはすごく引き込まれた作品なんで、残念です
336名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/15(火) 16:37:26
優子と結ばれて欲しい
どんでん返しに期待
337名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/16(水) 02:42:35
いやーだまされましたよ汗
次は長編お願いします!
338松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/16(水) 06:06:26

ひたすらに走った。とにかく走った。徒に走った。己を痛め付けるように走った。
はっはっはっ、と一定のリズムを刻む呼吸音。いや、走り始めたときに比べれば、幾分速くなっている。
喉の奥がジクリと痛む。

足を止めた。

目の前には、コンビニ。

呼吸を整える。汗で濡れたTシャツが気持ち悪かったが、今はそんなこと言ってる場合じゃない。
店内を覗き込むと、麻衣が笑顔でレジを打っていた。
今日は休みのはずなのだが、俺と顔を合わせ辛くてシフトを変わったのだろう。
自分勝手な行動をしたことに、軽く舌打ちが漏れた。

深呼吸をした後、扉に手を掛け店内へと入る。

「いらっしゃい…」
言い終わるか前に目が合った。
麻衣の営業スマイルが固まり、悪戯がバレたときのような、気まずい顔に変わった。
目はどこを見ればいいのか判らず、あちこちを泳いでいた。
「…ませ」
言い掛けていた言葉を、数秒遅れで言った。
店内を見渡した後、レジの前にあるガムを手に取り、麻衣のいるレジへ差し出した。
麻衣は、俯いたままガムのバーコードをスキャンする。
「105円になります」
財布から500円を取り出し、レジのカウンターに置いた。
「500円お預かり致します。395円のお返しですね」
麻衣がお釣を差し出す。
その手を無言で取った。
麻衣の手はひんやりと冷たく、柔らかかった。

先程優子にしたように、麻衣の瞳をジッと見つめる。
後ろに並ぶ客の舌打ちが聞こえた。
「お待ちのお客様こちらへどうぞ〜」
何かを感じ取ったのだろう、みなみが隣りのレジを空けてくれた。

終始無言で手を取り合う二人を見て、先程の客は睨み付けるように店内を去った。
みなみの「ありがとうございました」の言葉が終わるか終わらないかのとこで、口を開いた。
「ごめん。そして、ありがとう」
ようやく出た言葉に、麻衣が顔をあげた。
「俺、自分のことばかり考えてて…
何も知らないで麻衣に協力求めてしまって…
今日だって、俺の為に優子ちゃんを代わりに呼んでくれたんだよな?

麻衣は視線だけを下に落とし、黙って聞いていた。
339松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/16(水) 06:07:02
「俺、告白したよ」
「えっ?」
再び麻衣が顔を上げる。
「そ、そっか。うん、良かったじゃん」
自分に言い聞かせるかのように、麻衣は頷きながらそう言った。
「で、OKは貰えた?」
無理に笑顔を作るその表情は、誰が見ても痛々しく思えるだろう。

「それがさ、返事聞く前に飛び出してきちゃって」
左手で頭を掻きながら、苦笑いした。
「じゃあ、返事聞かなきゃね」
今にも笑顔が崩れそうな麻衣は、俯きそれを隠そうとしながら明るく振る舞った。
「ん〜、でもフラれるかもなぁ…」
受け取ったお釣をポケットに仕舞う。
「なんせ、女の子1人置いて、飛び出してきちゃったわけだし」
はははと空笑いをし、下を向いた。
レジのカウンターのとこに、雫がポタポタと落ちている。
麻衣が俯いたまま、右手で涙を拭う。
それ以上は、何も話さなかったし、喋らなかった。
麻衣の顔に笑顔が戻るまで、ジッと佇んでいた。
340松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/16(水) 06:21:17
つづく。


本当は今日で終わらせるつもりだったんですが、意外と長くなってしまい、終わらせられませんでした;
そして、次回作。
みなさんの意見を見るからに、「ツンデレ」を期待されてるようで。
ツンデレとも〜みも中々面白そうなんですけど、残念ながらとも〜みは同級生スレで既に書いてるんですよね;
いつかは書いてみたいと思います。
341名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/16(水) 21:30:49
まいまいと結ばれないかな〜
342名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/16(水) 22:53:25
優子と結ばれてほしいけど、まいまいと結ばれたとしても
優子もハッピーエンドになるような内容を期待しています
343名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/16(水) 22:56:25
もしくは、両方とも結ばれずに優子とまいまいで友情ハッピーエンド?
344名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/17(木) 02:06:49
松本氏乙です
この流れから行くとまいまいを選ぶのかな?
345松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/17(木) 04:51:13

ついさっき告白してきたはずの彼は、もう居ない。
麻衣には黙っててと言われたけど、これで正解だったんだと思う。
今更ながらに彼に興味を惹かれてしまったのは、彼の真剣な眼差しに吸い込まれたからだ。
遅すぎたときめきに、軽く後悔する。
ただ、彼の向かう場所がここではなかっただけのことだ。
彼もまた、今更ながら気付かされた想いに、後悔しているだろう。
だけど、二人の想いが重なった今、結ばれるのに時間は掛からないとはずだ。
私はただ、親友として麻衣を、いや、二人を笑顔で祝福してあげなければならない。
それが、親友としての私の役目だろうから。
「………ふぅ」
口を付けていないティーカップをテーブルに置いて、溜め息をついた。
カップの中に注がれたダージリンティーは、一度も飲まれることなく、時間とともに温度を下げ、今では冷たくなっている。
ティーカップの取っ手を人差し指で軽く弾いた。
キン、と言う音が小さく鳴り、中の液体が波打った。
「………はぁ」
優子はもう一度溜め息を付く。

優子の前のティーカップが片付けられたのは、それから数時間後のことだった。
346松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/17(木) 05:38:39

「いらっしゃいませ〜」
店内に響く元気な声に、今、入店してきた客は驚いた表情をした。
「ちょっとちょっと、声が大きすぎますって」
慌てたみなみが、苦笑いで注意する。
「あ、ごめんごめん」
照れ笑いをしながら、右手で頭を掻いた。
まったく。と言いたそうな顔で、みなみが軽く溜め息をついた。
「みなみちゃんも大変だね」
麻衣がパンの陳列をしながら笑った。
「あっ、まいまいさん、新しいパンは後ろから並べないと」
みなみがレジから飛び出して、パンの賞味期限を確認しながら並べ直し始めた。
麻衣は、あはははと笑って誤魔化した。


あの日、麻衣の涙が止むのを待ち、二人で家路に就いた。
何かを喋るわけでもなく、ただ、二人並んで歩いた。
麻衣の家の前まで送り届け、しばらく向かい合った後、「またね」とだけ言い、笑顔で見送ってくれた。
たったそれだけの出来事だったが、ようやく見せた麻衣の笑顔に、俺はホッと胸を撫で下ろした。


「あ、みなみちゃん、俺やるよ」
賞味期限の表示と格闘しているみなみから、パンを受け取り、陳列棚に一つ一つ置いて行く。
「あ、じゃあよろしくお願いします」
軽く頭を下げると、レジの奥へと小走りに向かった。
俺が賞味期限を確認し、それを順番通り麻衣が並べる。その工程を繰り返す。
「なあ、麻衣」
「え、なに?」
一生懸命にパンを並べる麻衣が、慌ててこちらを向く。
また一つパンを渡す。
サボってると思われないように、手はしっかり動かした。
麻衣は、二つ同時に出来ないらしく、こちらを見たり、パンを見たりと忙しい。

「好きだ。付き合おう」

突然の告白に、驚いた顔をした麻衣が、渡したパンを落とした。
それを拾い上げ、再び麻衣に渡す。
驚いた表情のまま、麻衣は固まっている。今度は落とさないように、しっかりとパンを持っている。

「もう一回、言って」

呆気にとられた顔のまま、麻衣は確認するように言った。

「麻衣のことが、好きだ」

今度は言葉を変えてから言った。
理解したのだろう。麻衣の頬に涙が伝った。
瞬間、顔をくしゃくしゃにして、声を殺して泣き出した。
麻衣の頭を、自身の胸に抱き寄せる。

みなみが戻ってきたら、どんな顔をするだろうか。
そんなことを考えながら、俺はずっと麻衣を抱き締めていた。
347松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/17(木) 06:20:30
空の向こう側、散り散りに並ぶ星達を、俺は麻衣と手を繋ぎながら見ていた。
下弦の月が地上にぼんやりと明かりを灯した。
「ねえ」
麻衣が小さな声で呟く。「ん?」
二人とも、首は上を見上げたまま。
「ほんとに、麻衣で良かったの?」
見上げていた顔を、横に向けた。
「ん…、まあ」
顔は星を眺めたまま、ぶっきらぼうに答えた。
「ちょっとぉ、まあって何よ?」
麻衣が怒るふりをしながら、繋いだ手とは反対の手で太腿辺りを叩いた。
イシシ、と悪戯っぽく笑ってやる。
麻衣の叩く手が、さらに強くなった。
繋いだ手を軽く引っ張る。
「わあっ」
麻衣の身体がバランスを失い、こらへ急接近した。
麻衣の顔が15センチまで近付く。
瞳に映る星達が、キラキラと輝いているように見えた。
互いの顔が近付く。
5センチ程まで近付いたとき、自然と瞳を閉じていた。

触れる唇。

温かく、柔らかい感触に、酩酊した時のような感覚を思い起こした。

ゆっくりと唇を離す。
麻衣が目を軽く伏せて笑む。その表情はひどく大人びていた。

「…バカ」

麻衣の言ったその言葉は、本当にそう思ったわけではなく、気恥ずかしさを隠すために言った冗談だった。

「麻衣」

無防備な麻衣の両手を取る。
遠くで車の走る音が聞こえた。

「好きだよ」

今日、何度目だろうその言葉を、もう一度口にした。

麻衣の耳が朱色に染まる。

伏せていた目を上げ、照れ笑いをした。

「私も、好きだよ」





おわり。
348松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/17(木) 06:29:41
おわり。



ふう。ようやく完結しました。
結局はまいまいを選ぶという、当初の予定通りの結果になりました。
コリスを選ぶと言うどんでん返しを期待されてた方も居たみたいですが、あそこからその展開はさすがに難しすぎて、出来ませんでしたm(_ _)m

>>342>>343
期待に答えられませんで、申し訳ないです;
このままコリスを引き立て役なんかで終わらせないですからご安心ください。
ちゃんと、この後の話をコリス主役で書くつもりですから。
そのときまでお待ちください。

では、以上、まいまい編は終りです。
349名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/17(木) 09:27:21
なるほどサスペンスドラマの原理ですね?
ストーリー中盤で犯人と疑われるのは犯人じゃないみたいな・・・
でも楽しめたのでありがとう、優子編に期待してます
まいまいおめでとう
350名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/17(木) 15:53:05
まいまいカワユスw
松本さん次回作も大期待してますよ
351名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/18(金) 02:40:34
どんどんすいこまれていきますね!
高鳴りました。
まいまい好きにはたまらなかったです。
352名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/18(金) 03:30:25
松本さん完結お疲れ様でした!
ものすごく感動しました!
353松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/18(金) 05:24:05

居酒屋の一角、座敷席で異様に盛り上がる男三人と、それに対して異常に盛り下がってる女三人の、異質な光景。

「ねえねえ、陽菜ちゃんは好きだよねぇ?」
「え、なにが?」
必死で盛り上げようと、流行のポップスの話題を投げ掛けるも、陽菜は携帯のメールに忙しくて何も聞こえていなかったようだ。
「だ、だからさ…」
「あっ、ひぃちゃんそれ可愛い」
再び説明を続けようとするものの、陽菜の意識は隣りに座る仁美の写メに向いていた。
「じゃ、じゃあ、王様ゲームでもやっちゃいますかぁ?」
男が盛り上げようと、とっておきの手段に出る。
他の男二人も、それに合わせて「おー」と盛り上げる。
既に用意されていた割り箸のクジを、鞄から取り出した。
「じゃあ、いっせーのせっ、で引こうか?」
いえーい。と他の二人が言い、拍手をする。
「やだ」
陽菜が真顔で、本当に嫌そうな顔で口にした。
拍手がぴたりと止まり、男達の笑顔が固まった。
「ねえ、私つまんな〜い」
先程からずっと、自身のネイルを気にしていた希が初めて口を開いた。
指先に口を近付け、ネイルに向かって、フーッと息を吹き掛ける。
「そうだね。じゃあ、帰る?」
陽菜がそう言い立ち上がると、仁美と希の二人もそれに習って立ち上がった。
「ご馳走さまでした。じゃあね」
陽菜が指先を顔の横でヒラヒラとさせ、仁美が笑顔で軽く会釈をする。
希は相変わらずネイルを気にしていて、目すら合わせなかった。
男達三人は、呆気にとられて声も出なかった。
三人がお店を出て行ったあと、一人の男が怒声にも似た声を発した。
他の二人は、うなだれ、溜め息をついた。
354松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/18(金) 05:30:13
つづく。


悩みに悩んで、こじはるにしました。
こじはるは、前から書こう書こうと思ってたんで、今回やっと書き始めちゃいました。
実を言うと、まいまい編でのストーリーは、最初こじはるで考えてたんです。
そのときは、三角関係にする予定はなかったのですが;
まあ、この後の展開は何も考えていないので、気付いたらノゾフィス主役とかになってたらどうしよう…。
いやいや、それは多分ないと思いますが;
355名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/18(金) 16:09:40
おっつんつんっ
356名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/19(土) 02:20:47
お〜つ
357名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/19(土) 02:43:30
今度はこじはるですか?
楽しみにしてます
358松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/19(土) 05:10:30
「私、もう帰るね」
店員の、ありがとうございましたの声は、仁美が扉を閉めたことにより、最後のほうは小さく響いていた。
希は携帯を確認すると、二人とは正反対を向き、首だけをこちらへ向けて小さく「ばいばい」と言って、歩きだした。
「私もポンちゃんに餌あげないといけないから」
そう言うと、仁美は希とは反対の方に歩き出した。
陽菜がじゃあね。と笑顔で見送ると、両手を振って返してくれた。
さて、と。どうしようかな?と考えて、とりあえず、陽菜は携帯電話を取り出して時間を確認する。
まだ21時をちょっと回ったくらいの時間だ。
「21時までのシ〜ンデ〜レラ〜♪」
某アイドルグループの歌を口ずさみながら、スキップ交じりに駅へと歩いた。

電車の中、居眠りをするOLや、小説を読むサラリーマン。
それらを意味もなく観察していると、軽快なメロディが流れた。
それが自身の携帯の着信音だと気付いたのは、50センチ離れたサラリーマン風の男が、陽菜を怪訝そうな顔で見たからだ。
慌ててバッグから携帯を取り出す。
メールだった。ディスプレイに表示されてる“新着メール一件”の文字。
ボタンを操作し、開いてみる。
題名『おーい!』
本文『今何してる?』
たったこれだけの文章。
相手の名前を確認する。
『みぃ』と登録されてるこのメールの主は、陽菜の家の近所に住んでいる、年下の女の子だ。
別にそれが本名ではないのだけど、彼女のニックネームであるので、そう登録している。
まあ、陽菜がその子のことを愛称で呼ぶことはないのだが。
基本、陽菜はその子のことを本名の峯岸みなみから、峯岸を取って、そのまま苗字で呼ぶことが多い。
メールの内容のつまらなさに、陽菜は軽く鼻を啜った。
電車の中にいるのだが、そのまま返すと変にメールが続くと面倒なので、『寝るとこ』とだけ返して送信する。
一分もしない内に返事が来た。
フォルダを開く。
『年寄りは寝るの早いな』
陽菜の携帯を握る手が、少しだけ強くなった。
359松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/19(土) 05:12:58
つづく。


今回、微妙に登場人物多いです。
まだ恋愛に発展するような展開ではないですが、ガールズラブにならないように頑張ります。
360名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/20(日) 02:59:40
おっつんつん!
みぃちゃんのSっ気っがたまらないwwwwwwwwww
361松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/20(日) 08:18:02
反論しようかと、返信ボタンを押しかけて止めた。
これ以上、お子様の相手をする必要はない。先程のメールの内容の怒りを、無言で訴えてやることで、陽菜の気が晴れた。

携帯をパチンと閉じて、バッグの中に直す。
もうすぐ目的の駅だ。立ち上がり、ドア付近の吊り革に捕まった。
プシュー、と言う音と共にドアが開く。
降りようと足を一歩踏み出すと、肩付近に衝撃を感じた。
その瞬間、陽菜は地面に仰向けに転がっていた。
一瞬なにが起きたのか判らず、とりあえず上体を起こす。
目の前に差し出された手。
意味が判らないが、その手を取った。
ぐいっと腕を引っ張られる。そこでようやくその手の主を確認した。
「大丈夫?」
その言葉とは裏腹に、手の主は、笑うのを我慢しているように見えた。
「ごめんね、僕の不注意で。でも君も悪いんだよ。ボーッとして歩いてるから」
続けて男は、あはははと笑った。

ムカつく。

自分の非を認めたとこまではまだいい。だけど、ぶつかった相手に責任を押し付けるのは、許せない。
陽菜は、眉間にシワを寄せて、思いっきり不機嫌そうな態度を装った。いや、実際不機嫌だったのだが。
「もういいですか?」
これ以上、この男と関わりたくないと言う思いから出た言葉だった。
「え、あ、ああ」
返事を聞く前に、陽菜は既に歩き出していた。
「今度はちゃんと前見て歩けよー!」
男が意地悪そうに、笑いながら陽菜の背中に向かって叫んだ。

やっぱり、ムカつく。

陽菜は家路に就く間、腹癒せに、みなみにメールを送った。
『今日はやっぱり寝ないから、朝まで相手よろしく』
送信する。
イライラするときは、年下を苛めるに限る。
自分の性格の悪さを理解しながら、みなみの返事を待った。
5分程して返事がくる。
『いやだ』
陽菜の心情を察して、付き合いきれないと思ったのだろうか、それとも本当に嫌だったのだろうか、たったの3文字ではあるが、みなみの心情ははっきりと理解出来た。
悔しいので、陽菜は先程みなみに言われたことの逆のメールを送ってあげた。
『そうだね。お子ちゃまはもう寝る時間だもんね』
さて、みなみはどう反応するだろうか。返事が待遠しい。
意外にもすぐに返事が来た。悔しくて返事が来ないと思っただけに、陽菜は意表を突かれた。
中身を確認する。
『とうとう自分をババアと認めたな(笑)』
みなみの方が一枚上手のようだった。
あの男の笑う顔が頭に浮かんだ。
思い出すのを拒むように、陽菜はブンブンと頭を振った。
362松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/20(日) 08:21:17
つづく。


今ごろになって、たかみなの話が書きたくなってきた…。
こじはる編終わったあとにこの気持ちが持続してくれてれば、たかみな書こうかな。
363名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/20(日) 16:42:07
まさかの展開…
364名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/20(日) 17:55:21
咲弥って奴の続き
ゆかりん推しとしては気になるw
365名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/20(日) 18:25:21
>>364
荒れるからその名前は出すなって
366名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/21(月) 01:13:18
みぃちゃんのSry
367松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/22(火) 21:20:32

ピピピピピ……。
「ん…、ねむ…」
携帯のアラーム音が陽菜に朝だと教えてくれる。
手を伸ばし、アラームを止めて再び夢の中へ吸い込まれそうになるが、窓から射し込む朝日が、ちょうど陽菜に降り注ぎ、眩しくて起きざる得なかった。
「ふぁ〜」
勢い良く欠伸をして、ベッドの脇に座った。
昨夜の出来事のせいで、陽菜はろくすっぽ眠れなかった。
あの失礼な男のことを考えると、腹が立ってしょうがない。それに加えて、みなみのあのメールだ。
一晩にして、二度も悔しい思いをさせてくれたみなみには、いつか仕返しするとして、あの男だけは許せないと思った。
ベッドの脇に拳を叩き付けた。布団が拳の形に窪んで、ゆっくりと元に戻った。

陽菜はモテる。
いつからだろうか、もしかしたら物心ついたときには、モテていたのかもしれない。
小学生のときも、陽菜が何も言わなくても宿題を写させてくれたし、教科書を忘れれば、何も言わずに皆が差し出してくれた。
中学、高校とそれは変わらなかった。
そして今でも、陽菜が欲しいと言わなくても、指を差した物は大概周りの男たちが買ってくれた。
だから、昨夜のように陽菜が転べば、必ず誰かが助け起こして心配してくれるはずだった。
それがあの男は何なんだろう。
手を差し出したところまでは、いつもの男達と一緒だ。
だが、その後の態度が気に入らない。しかも笑うとは何事か。
その出来事が昨日からエンドレスでリピートされてる。
何度目だろうか、陽菜は頭をブンブンと振った。
寝起きだったせいか、少し頭がクラクラとした。
倒れるようにベッドに横になる。
「ムカつく…」
そう呟き、ベッドの上の携帯に手を伸ばした。
368松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/22(火) 21:22:18
つづく。


三連休は、用事があり忙しくて更新出来ませんでしたm(_ _)m
369松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/22(火) 23:17:04
着信履歴から適当な男を選び、電話する。
「あ、もしもしぃ?――」
こんな日は、気晴らしに遊びに行くに限る。
「――じゃあ、10時に駅に迎えに来てね」
パチンと携帯を閉じた。
さて、シャワーでも浴びよう、と立ち上がると、インターホンが鳴った。
こんな朝早くから誰だと思い、忍び足で玄関に向かい、覗き穴から確認した。
そこに立っていたのは、終始笑顔で佇む少女。みなみの姿があった。
少しだけ考えてから、ドアノブに手を掛ける。
少しだけ開いたドアの隙間から、みなみが顔を出した。
「おす。今暇?」
暇な訳ない。今からシャワーを浴びて、出かける準備をしなきゃいけないのだ。
「忙しい」
そう言って、ドアを閉めようとすると、みなみがすかさず隙間に足を入れてきた。
「ちょっ、忙しいって言ってるでしょ」
「大丈夫、大丈夫。昼から家庭教師来るから、それまでには帰るって」
なにが大丈夫だ。こちらは、10時までに駅へ向かわなくちゃ行けないと言うのに、お子様の相手なんかしてる暇なんかない。
まあ、10時丁度に行く気など、さらさらないのだけれど。
「おじゃましま〜す」
「もう…」
半ば強引に侵入してきたみなみを、諦めにも似た態度で中へ入ることを許した。
この子はなんでいつもこうなんだろう。
高校生のくせに、子供特有の強引さを持っている。
だが、そんなみなみを、陽菜は本気で嫌いにはなれないのは、みなみの人懐こい性格が嫌いではないからだった。
「あれ、峯岸、家庭教師なんて雇ってたっけ?」
ふと、疑問に思ったことを陽菜は口にした。
「あー、夏休みの間だけね」
溜め息をするように、少しだけ肩を落とした。
「ま、上手いことやって、夏休みの宿題全部やってもらうつもり」
落とした肩を再び上げ、シシッと、陽菜に向かって笑い掛けた。
みなみの屈託のない笑顔が、不覚にも可愛いと思ってしまった陽菜は、誤魔化すように顔を背けた。
みなみなら、家庭教師を丸め込むことくらい簡単にやってのけるんだろう。

外見で人を魅き寄せる自分と、内面で魅き寄せるみなみ。

タイプは違えど、魅き寄せてることに違いはない。
ただ、陽菜は、そんなみなみをいつも羨ましく思っていた。
370松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/22(火) 23:20:06
つづく。


寝ようと思ったら、眠れなかったもんで、もう1レス分更新しました。
なんか今までで一番長くなりそうな……。
371名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/23(水) 03:41:11
おっつんつん。
先長そうですね
372名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/23(水) 06:49:57
みぃちゃんカワユス
373名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/23(水) 13:36:43
みぃちゃんのキャラいいね。
374名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/23(水) 13:38:09
あげてしまったすいません。
375松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/23(水) 21:43:10

「私、シャワー浴びるけど、いい?」
「うん。おとなしく待ってる」
言葉とは裏腹に、部屋の中を物色し始めるみなみの頭を、軽くチョップしてやった。
「いた〜い。何?」
「『おとなしい』の意味でも調べとけ」
そう言い放って、みなみに分厚い辞書を放り投げた。
「もう、冗談も通じないんだから…」
殴られた頭を大袈裟に擦りながら、辞書を拾い上げ、テーブルの上に置いた。
退屈です、を絵に描いた様な態度でソファーに腰を降ろす。
部屋に散らばった、買って開けてもいない洋服や化粧品、ブランドバッグの数々。
その中の洋服の一つを手に取り、広げて見る。
「…ダサ」
呟くようにそう言うと、投げるようにソファーの背凭れに掛けた。
「どうせ買ってもらうんなら、今度はゲームでも買ってもらえよ」
呆れるように、冗談交じりにそう呟いた後、テレビの電源を入れた。
朝のワイドショーが、スポーツ選手の色恋沙汰に、盛り上がりを見せている。
誰と誰が付き合おうが、そんなのはどうでもいいことじゃないか。
何故、世間はそういう下らないことに興味を示すのだろう。
クラスの女子達も同じだ。
口を開けば、「愛」だの「恋」だの、恋に恋するお年頃ってやつらしい。
年輩のコメンテーターが、自分勝手な見解を語り出した辺りで、みなみはテレビを消した。
そろそろ陽菜が出てくる頃だ。
みなみは立ち上がり、キッチンへ向かった。
冷蔵庫から、二本のジュースを取り出す。
頭をタオルで拭きながら、お風呂場から出て来た陽菜に、キャップを開けてから一本を差し出した。
「あ、ありがと」
受け取り、フタに口を付ける。
「落ち着いていて、もの静かである。はででない」
「は?」
みなみの口から唐突に出て来た言葉に、陽菜は眉間にシワを寄せ、首を傾げた。
「『おとなしい』の意味」
「え、あぁ…」
先程のやりとりを思い出した陽菜は、口の中で「なるほど」と呟いた。
みなみはと言うと、してやったりと言った様子で、ニヤニヤと笑っていた。
376松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/23(水) 21:49:00
つづく。


これ、こじはる恋愛するんですかね?
377松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/23(水) 22:46:32

なんか、ムカつく。

みなみのバカにするような笑顔に、少しだけムッとしたが、それを交わすように涼しい顔でやり過ごした。
ドライヤーで髪を乾かす。
陽菜が、見事に交わしたと言うのに、みなみはそんなのお構いなし、という顔で、水槽の中の金魚に、餌をやったり何か話し掛けたりしていた。
そんなみなみを見て、陽菜は腑に落ちない顔をした。
「ねえ」
ドライヤーの電源を止め、みなみの背中に話し掛ける。
「ん、なに?」
水槽をペシペシ叩きながら、陽菜の方を向かずに返事をした。
「なんでさあ、いつも私のとこに来るの?」
水槽を叩くみなみの手が、ピタリと止まり、陽菜の方に顔を向けた。
向けられたみなみの顔が、悲しそうに見えて、陽菜の心臓がドクリと音を立てた。
「……ダメ?」
「べ、別にそういう意味で言ったわけじゃ…」
俯くみなみに、動揺した陽菜は慌てて弁解しようと、立ち上がる。
みなみの肩が小刻みに震えている。泣いているのかと思い、肩に手を置くと、突然、火が点いたように笑い出した。
陽菜に掴まり、涙を流しながら笑いつづける。
「はは……、はぁ、はぁ、…あー、面白かった。 ねぇ、びっくりした?」
「ちょ、今の…」
「うん、演技。名女優でしょ?」
みなみは、小首を傾げてニコッと微笑む。
ムカつく。
唇を尖らせ、頬を膨らませて、みなみに背中を向けた。
ごめーん。と言うみなみの声が背中越しに聞こえたが、陽菜はそれに何も答えなかった。
時計は10時を大きく回っている。
378松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/23(水) 22:47:35
つづく。


ごめんなさい。またも2レス目の更新です。
379名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/24(木) 03:38:48
おっつんt

すげーながそうwww
380名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/24(木) 06:47:08
このままみぃちゃんとのやりとりだけで終わらせてくれてもいいと思った俺がいるwww
381名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/24(木) 16:33:59
読んでいて楽しいです♪

気長に更新まってます^^
382松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/24(木) 21:15:38
「じゃあ、私そろそろ帰るね」
未だにいじけている陽菜の背中越しに向かって、みなみがそう投げ掛ける。
返事する気配すら感じさせない陽菜に、多少呆れつつ、玄関へと向かった。
靴を履き、ドアノブへ手を伸ばすと、急に肩を引っ張られ、みなみは思わず声をあげた。
「きゃっ」
びっくりして振り返ると、悪戯っぽく笑う陽菜の姿があった。
「もう、びっくりさせないでよ」
飛び上がった心臓を抑えるために、みなみは自身の胸を撫で下ろした。
「私も行っていい?」
陽菜が笑顔で訪ねる。
「は?」
「家庭教師。見てみたい」
そう言う陽菜の右手は、みなみを逃すまいと、服の裾を摘んでいる。
「邪魔しなから。ね?」
陽菜の笑顔に根負けしたみなみは、渋々了解した。
手早く出掛ける準備をする陽菜を、玄関先から眺めながら、ズルイよなー、とみなみは思った。
「おまたぁ」
20分程で、支度を整えた陽菜が笑顔でみなみに微笑みかけた。
その仕草がとても可愛かったが、悔しいので、みなみはそのことについて何も反応を示さなかった。
陽菜が住むマンションから1分程の場所にある、赤い屋根の一軒家。築10年近く経つであろうその家が、みなみの自宅だ。
マンションのエントランスを出ると、夏の陽射しが二人を出迎えてくれた。
「あつぅ」
時刻はもうすぐ正午を迎える。二人はなるべく日陰を通りながら、みなみの自宅へと向かった。
383松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/24(木) 21:30:13

「ただいま〜。あー、あちぃ」
玄関のドアを勢いよく開くと、みなみは靴を乱暴に脱ぎ、リビングへと歩いた。
陽菜もそれに習い、みなみに着いていく。靴は一応きちんと並べておいた。
「あら、遅かったわね。先生もう来てるわよ」
みなみの母親が、テーブルに座る家庭教師を一瞥し、挨拶しなさいとでも言うように、目配せをした。
「え、あぁ、初めまして。みなみと言います」
みなみが深々と頭を下げる。
それに対して家庭教師は、椅子から立ち上がり、口を開こうとしたあたりで、みなみの母親が陽菜に気がついた。
「あら、陽菜ちゃん居たの?
そんなとこに立ってないで、こっちへいらっしゃい」
母親は、みなみを押し退けるようにして、リビングの入口手前に立っている陽菜を出迎えた。
「あ、おじゃまします」
軽く会釈をしながら、陽菜がリビングへと入る。
「あ」
家庭教師の男が陽菜を見て声を出した。
「げ…」
それに対して陽菜は、男を見て眉間にシワを寄せた。
みなみは、そんな二人を不思議そうな顔で交互に見比べていた。
384松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/24(木) 21:32:51
つづく。


まあ、察するようにベタな展開ですw
ようやく起承転結の「承」辺りですかね?
あまり長いと読む方も疲れると思いますので、こっから展開を早める努力をしたいと思います。
385名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/24(木) 21:43:52
あるあるwwwwwwwwwwwwwwww



とりあえずおっつんつn
386名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/24(木) 22:45:59
乙です!
みぃちゃんのキャラが素晴らしいです!

>>385
お前失礼だよバカにしてんの?
387名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/24(木) 22:55:21
別にばかにしてねーよwwwwwwwwwwwww
なんでこのくらいで失礼になんのwwwwwwwwww


あんまり書く人を持ち上げるのはどうかと思うwwwwwww
もっと仲良く馴れ馴れしくやっていこうぜwwwwww


誰か芝刈り機もってきてwwwwwwwwwwww
388名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/25(金) 00:05:19

   刈り手不足だからな!
                    社長コレすごいですね!!
              ビビビビ
   ..∧_∧     _, ._    。))))))))
   (´・ω・`)  ( ・ω・)/
   (    ) ( つ二/)       ┯
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389松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/07/25(金) 00:43:33
自分に何か不手際があったのなら、言ってください。
同級生スレでたまたま書き始めた小説ですから、至らない部分はたくさんあると思います。
三年くらい前に、他板でギャグ小説書いてたくらいの実績しかないもので…。
390名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/25(金) 12:18:21
面白いですよ!
これからも頑張って続けてください。
391名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/25(金) 22:51:03
>>387
スマンちょっと過敏になりすぎてた
でも俺達は所詮読み手なわけなんだからさ
書き手を持ち上げる役目なんだと思うんだ
面白いと思ってるからこのスレに来てるわけなんだし
>>387の言う通り読み手の俺達も仲良くしていこう
392名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/26(土) 01:12:35
御免俺がわりぃわwwwwwwwwwwww
ただ松本サンは礼儀正しい人だし、あんまり持ち上げすぎずに同等に接したいと思ったから書いてみた。
なんかお互い敬語で2chっぽくないなぁとは思うし。けどそれはそれでいいのかもね。

書き手がいないと成り立たないもんね。
あんまり余計なこと言って居なくなっちゃったら一番嫌だし
ふざけ過ぎないように注意しまふ。
なんか空気濁してすいませんでした。
俺はしがない一ファンです
393名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/26(土) 02:45:37
こじはるもみぃちゃんもかわいいな〜
誤解を生むからあまり草は生やさない方が良いですよ♪
394名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/28(月) 22:12:00
草草草草草草草草草草草
395名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/28(月) 22:14:09

   刈り手不足だからな!
                    社長コレすごいですね!!
              ビビビビ
   ..∧_∧     _, ._    。))))))))
   (´・ω・`)  ( ・ω・)/
   (    ) ( つ二/)       ┯
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396名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 16:20:45
最近更新ないっすねぇ
397名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 19:54:02
松本氏仕事忙しいのかな・・・
398松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/08/01(金) 05:48:34

「さ、じゃあ陽菜ちゃん、どこ行こうか?」
先日、駅前で10時間も待惚けを食らった男が、陽菜のご機嫌を取るように車の助手席側のドアを開ける。
陽菜は、無言で後部座席のドアを開け、脚を組んで座った。
笑顔が引きつる男を、無視して、早くと急かすように空いた席を左手で叩いた。
「じゃ、じゃあショッピング…かな?」
運転席に慌てて座った男が、とりあえず車を発進させてからバックミラー越しの陽菜に向かって聞いた。
それには返事一つせずに、陽菜は窓の外の人波の向こう、ビルとビルの間の空を眺めていた。

みなみの自宅で再開した最低な男のことを思い出す。
あの日、偶然にも出会ってしまった陽菜達のことを、「運命的」だと囃したてたのは、みなみの母親だった。
不満顔を隠さない陽菜に気付くことなく、みなみのお母さんは、話を先に進めて行き、彼もまたそれに合わせるように調子に乗った。
みなみは、勉強が始まらないのを密かに喜び、リビングでゲームを始めていた。
彼がその日の家庭教師の業務を全うし帰る頃、みなみの母親から出た言葉に、陽菜は愕然とし、一生分の幸せが逃げ出したんじゃないかと言うくらいの、溜め息をついた。
「ついでに陽菜ちゃんを送ってあげてね」
みなみの自宅から一分程度の場所にあるマンションに、送るも何もないんじゃないの?と思いながらも、調子を合わせている彼に腕を引っ張られるように、連れ出された。
玄関を出る間際、「お幸せに」と言うみなみの声が聞こえたのは、聞き逃さなかった。
その後、掴まれた腕を振り払い、逃げるようにマンションのエントランスまで走った。

「あー、もうっ」
車の窓を拳で叩く。
「ご、ごめん。運転荒かったかな?」
運転席の男が、慌てるようにブレーキを踏み、スピードを緩めた。
交差点の信号が赤になり、陽菜は横断歩道を歩く集団の中に、彼を見つけた。
「げ……」
慌てるように、身を潜め、彼が通り過ぎるのを待った。
彼の隣りに、小柄な可愛らしい女の子の姿。

カノジョ……かな?

胸の奥底で、何かが膨らんで浮上してきている。
それは、まだ陽菜が感じたことのない感情だった。
399松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/08/01(金) 05:52:36
つづく。


すみません。盆前で仕事が忙しくて更新が遅れました。
このままだと、長ったらしくなりそうなので、少し展開早めちゃいました。
400名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 05:56:48
乙。
401名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 08:07:16
松本さん乙です!
わざわざ展開早めなくてもいいですよ
ゆっくり読まさせてください
402松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/08/02(土) 05:39:54

街灯に突っ込んだ虫がジジジと音を立てて燃えている。
その側、自転車を軽快に走らせるみなみの姿があった。
Tシャツにホットパンツという軽装で、ひたすらと自転車を漕いでいる。
目指す場所は、学校のプール。

夏の夜にエアコンなしで寝るというのは、無謀すぎる。
先日壊れてしまったエアコンの修理は、土日を挟んで月曜日に直るらしく、この日みなみはエアコンなしで眠ることを余儀無くされていた。
窓を全開にしようが、扇風機を強風にしようが、やってくるのは生温い温風だけだった。
「あー、もうダメ」
首筋に纏わりつく汗をタオルで拭き、お風呂場へと向かう。
階段を降りる途中で、あることを思い付いた。
お風呂場で水浴びをするよりも楽しいこと。
悪戯を思い付いた子供のような笑みを作り、部屋へと急いだ。
両親にばれないように、忍び足で玄関を出て、自転車に跨った。

走ること5分。
今年卒業したばかりの中学校。
家を出たときに通ったマンションの7階、陽菜の部屋の電気がついてるのを見て、メールを送ろうかと思ったが、めんどくさいので辞めた。
門を乗り越え、プールの前まで歩く。
「よいしょ」
年寄りのような掛け声を発し、プールの柵を難なく乗り越えた。
「いえ〜い」
小さい声で軽く歓喜の声を上げた。
服の下に身に着けている水着を一度確認し、Tシャツを脱いだ。
さて、この広いプールを独り占めしようと、ゆっくりと音を立てないように、足の指先を水面に付けた。
「峯岸?」
「きゃっ」
水面に足首まで突っ込んだところで、声をかけられ、驚いて水の中に落ちた。
一気に胸の上まで水に漬かってしまい、涼しいどころか、心臓が止まってしまいそうだった。
反対側のプールサイドに佇む男。一瞬幽霊かと思ったが、足が着いてる。
目を凝らしてよく見ると、見覚えのある顔だった。
「せん、ぱい…?」
403松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/08/02(土) 05:41:00
つづく。


みぃちゃんの話と平行ということで、読みにくいかもしれませんが、許してください。
404名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 01:13:42
みぃたんみぃたん
405名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/07(木) 09:42:41
age
406名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/08(金) 19:50:29
松本氏は・・・まだか・・・
407松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/08/11(月) 00:07:38
「やっぱり峯岸か。こんなとこで何やってんだ?」
それはこちらの台詞でもあるのだが、めんどくさいので口にするのはやめた。
「なにって…涼みにきただけですけど…」
恥かしさからか、鼻の下まで水に漬かりブクブクと息を吐いた。
「でも、久し振りだなぁ。俺が中学を卒業した以来だから、2年振りかぁ」
先輩は当時を思い出すように、空を眺めながら遠い目をした。
中学のときの一個上の先輩。みなみと同じ陸上部でキャプテンを務めていた。と、言っても、みなみはマネージャーだったのだが。
「競争しよう」
「え?」
バシャン。プールサイドから勢いよく飛び込んだ先輩は、深く潜り込み、みなみの目の前でまたもや勢いよく現われた。
「ぷはぁ」
「競争って、先輩は陸専門でしょ?」
「大丈夫。昔少しだけ習ってたんだ」
シシッと笑った後、再び水中に潜り、クロールを披露して見せた。
なるほど。習っていたって言うのはどうやら嘘じゃないようだ。
「早く、峯岸もこっちこいよ」
先輩が急かすように手招きをする。
本気で競争をするようだ。別に本格的に泳ぎに来た訳じゃないんだけど…。
みなみはゆっくりと歩いて先輩の元へと行った。
「じゃあ、あの時計ね秒針が12のとこに来たらスタートな」
陸上選手をやっているからなのか、それが水泳であっても、競争となると真剣な面持ちになった。
秒針をジッと見つめる。
3、2、1、ドンッ。
先輩が勢いよく水中に潜る。しばらくして浮上り、クロールの体勢に入った。
力強いストロークは、水泳選手とまでは行かないまでも、十分なスピードを出していた。
向こう側に着いた先輩は、辺りをキョロキョロし、まだこちら側で水に浸かっているだけのみなみに気付いて、「おいおい」と呆れるようなアクションをした。
ゆっくりと平泳ぎで戻ってくる。
「ちょ、競争だって言ったじゃん」
「ごめんなさい。私泳げないんです」
みなみが舌を出してエヘヘと笑った。
408松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/08/11(月) 00:53:30

水面に浮かんだ月が揺れている。プールサイドに座るみなみが、バタ足をすると、月は崩れ、しばらくすると元の形にまた復活した。
それが面白くて、何度も同じことを繰り返す。
「なあ、峯岸」
先輩が隣りに座る。みなみはバタ足を止め、顔だけを隣りに向けた。月の形はみるみるうちに元に戻って行った。
「俺、この街を離れるんだ」
水面を見つめる先輩の顔は、笑っているようにも見えた。
みなみも視線を水面へと戻す。
「今日は想い出作りにと思って、ここに来たんだ」
足をポチャンと、振り上げると水滴が飛んで、波紋が広がった。
みなみは「そっか」とだけ言って口を閉ざした。

しばらくの沈黙。
それを打ち破ったのは、みなみだった。
「競争しましょう」
ザブンと水に浸かり、先輩に向かって笑顔で言った。
「え?でも、泳げないって…」
「大丈夫です。なんとかなります」
自信のない根拠を、自信満々に言い放ち、手を差し出す。
「よしっ」
先輩が立ち上がり、みなみの手を掴み、水の中に飛び込んだ。

「じゃあ、ルールはさっきと同じでいいよな?」
先輩が準備運動するように、首をコキコキと鳴らした。
「はい。ただ、私が勝ったらお願い事聞いて貰ってもいいですか?」
「え、なに?」
「勝ったら言います」
「おいおい、なんか恐いなぁ」
「じゃあ、行きますよ」
秒針が12を差す。
二人が勢いよく潜り込む。
みなみは何度も足を着き、ゴールを目指した。
半分まで泳ぎ切った辺りで、先輩がゴールのとこで「ガンバレ」と応援しているのが目に入った。
結果を見るまでもなく、勝敗は着いていた。
8度目の足を着いたとき、ようやくゴールに着いたことに気がついた。
先輩が拍手をする。
みなみは照れるように髪を掻き揚げた。
「やっぱ、負けましたね」
諦めにも似た笑顔で、みなみは空を仰いだ。
「で、願い事って?」
先輩が、何?と言う表情で訪ねる。
「いえ、もういいんです」
いつかまた、勝負してください。勝てたらそのときにまたお願いします。と続けた。
409松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/08/11(月) 01:15:27

エアコンは、次の日の昼には直り、プールに行くことはなくなった。
ただ、願い事を叶えるため、みなみはその日を境に、水泳の練習を始めた。
先輩が親の転勤で北海道に引っ越したのは、その一ヶ月後のことだった。




「彼氏とは上手く行ってる?」
みなみが悪戯に笑いながら、陽菜に訪ねる。
「誰が彼氏って!?」
陽菜が怒ってみなみに空き缶を放り投げた。
「だって、運命の出会いだったんでしょ?もう、付き合っちゃいなよ」
みなみはさらに悪ノリし、陽菜を怒らせる。
しばらくは、これをネタに苛められると、みなみは嬉しそうに、キャーキャー言いながら、陽菜が投げる物を避けていた。

これで、本当に付き合うことにでもなれば、それはそれで面白い。
彼はみなみの家庭教師だ。二人のラブラブな話を聞くことだって出来る。
そしたら、それをネタにまた……。
そんなことを考えて、薄ら笑いを浮かべていたら、ガンッと頭に何かがぶつかった。
ぶつかった物を見ると、それは陽菜が投げた中身が入った空けていないペットボトルのジュースだった。
ちょっとこれはやり過ぎだろと、陽菜を睨むと、陽菜は何事もなかったように、雑誌を捲っていた。
みなみの怒りが頂点に達する。
「こらーっ!陽菜ぁ!」
空のペットボトルを陽菜の頭に何度も打ち付ける。
「ちょ、峯岸危ないって」
「どっちが危ないんだよ!もう、絶対許さん!」
「キャー、ごめんごめん」
わざわざ中身の入っていない空のペットボトルを選ぶ辺りが、みなみの優しいところなのだろう。
陽菜はそれが判っているのか、謝りながらも楽しそうに笑いながらみなみの攻撃を避けている。
410松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/08/11(月) 01:18:23
つづく。



しばらく更新出来ず申し訳ないですm(_ _)m
そして話は、陽菜編に戻ります。
411名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/11(月) 18:20:18
前の作品を読むにはどうしたらいいんですか?
412名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/11(月) 20:39:44
松本氏さん待ってましたーー(笑)

いい展開ですね
413名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/11(月) 22:47:01
松本さん乙です!
みぃちゃんカワユス
414名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/12(火) 01:24:36
こじはる編も楽しみ♪

>>411
同級生スレは落ちちゃったから、過去ログから探してみたらどうかな?
415名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/12(火) 03:30:38
>>414
携帯で見れますか?
416名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/14(木) 23:07:44
お盆ですな・・・
417名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/16(土) 19:10:12
吉田 金だって!
418名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/16(土) 23:53:39
松本氏さんはやはり忙しいのか?
419松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/08/20(水) 21:53:33

直ったばかりのエアコンが、冷たい風を部屋中に送り続ける。
寒いくらいの温度設定に、母親からの叱責を受けたが、勉強に集中するためと言うみなみの言い訳に、あっさりと肩を落として退散した。
週に二回の家庭教師の日。
クラスの友達が、夏休みを満喫している中、勉強をしていることに不満を感じつつ、苦手な数学の公式を一生懸命思い出していた。
「みなみちゃん」
みなみの右後ろからノートを覗き込んでいた家庭教師の彼が、唐突に話し掛けた。
「あ?なに?」
頭がパンク寸前のみなみが、若干の苛立ちを見せて返事をする。
「小嶋さんてさぁ」
彼は、そんなのお構いなしと言った顔で、言葉を続ける。
「彼氏とかいるのかな?」
「好きなの?」
「ぶっ!べ、別にそんなわけじゃ」
「そっか、好きなんだな」
勢いよく噴出したコーヒーを避けながら、みなみが口元に笑みを作り呟いた。
「べ、別にどっちでもいいだろ」
「それは、好きと認めたと取ってもいいってことだよね?」
みなみは、終始にこやかな笑顔のまま、よしよしと頷いた。
「ほんとっ、生意気なガキだな…」
男が口の中だけでそう呟くと、みなみも負けじと、「そのガキに、好きな子の情報を探ろうとするってどうよ」と笑った。
「べ、別に探ろうとなんかしてねえよ」
怒ったようにみなみに背中を向け、椅子にドカッと座った。
そんな姿を見て、どことなく陽菜に似てるなと思い、みなみは顔だけで笑った。
「そういえば、陽菜の男のタイプって…」
「なに?」
「探るなよ」
単純な彼の反応に、みなみは机を叩いて大笑いをした。
しまった。と言った表情を作り、照れ隠しに横を向く彼に、やっぱり陽菜に似てるなぁとみなみは思った。
420松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/08/20(水) 21:55:26
つづく。



すみません。遅くなりましたm(_ _)m
421名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/21(木) 02:21:17
お仕事お疲れ様です^^続き待ってます
BRすれのほうもひまを見てお願いします^^
422名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/21(木) 02:22:18
まちがえてあげてしまったすまん
423名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/21(木) 09:44:15
松本さん乙です。
忙しいみたいですね
無理をしないで頑張ってください。

>>421
BRってなに?
424名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/26(火) 20:30:29
こじはる編いい感じになってきたな(笑)
425松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/08/29(金) 04:17:41
独り暮らしの夕飯の支度程、面倒臭いものはない。
今晩の夕飯はどうしようか?そんなことを考えながら、部屋でボーッとしていると、みなみからの夕飯の誘いのメールが入った。
みなみの母親は、独り暮らしの陽菜のことを実の娘のように気遣ってくれる。
それは、時には嬉しく、時には気遣われすぎて、ウザったく感じることもあるが、だが、決して嫌いにはならなかった。

夕陽のオレンジが、入道雲の形を際立たせている。
マンションのエントランスを出た陽菜は、みなみの家へ向かう前に、近くのケーキ屋へと足を運んだ。
途中、駐車場の車の上で、居眠りしている猫が欠伸をしたのを見て、「にゃー」と鳴き真似をしたが、猫は何の反応も見せず、再び居眠りを再開した。



「おじゃましま…」
「いらっしゃい」
と出迎えてくれるのは、いつも決まってみなみなのだが。
だが、今目の前にいるのはみなみではなく、例のあの男。
玄関前に立ち、ニヤニヤと笑顔を見せている。
「……した」
踵を返し玄関に手を掛けた。
「ちょ、ちょちょちょちょ、陽菜何処行くの?」
男の後ろから現われたみなみが、慌てて陽菜の行動を止める。
「何処って、…帰る」
不機嫌です。を絵に描いたような表情を浮かべて、陽菜は彼を睨み付けた。
彼とみなみが困ったような顔で目を合わせて、溜め息を付く。
それが尚更、陽菜に火をつけたらしかったが、みなみの母親の登場で、その場は収まった。


夕飯をご馳走になって、すぐに帰るなんて失礼だということぐらい大人の陽菜は心得ている。
男友達相手のそれとは違うんだ。
リビングに居ると、みなみの母親の質問攻撃に合うので、みなみの部屋へと避難していた。
なのに、なぜ、ここにまで彼が着いてくるのだろうか。
「いや、俺家庭教師だし」
「家庭教師の仕事は終わったんでしょ?だったら、出てってよ。ここ一応女の子の部屋だよ!
ねえ、峯岸?」
「別にいいんじゃない?」
「もうっ」
棚に飾ってあったくまのぬいぐるみをみなみに向かって投げた。
ボスッ。ぬいぐるみはみなみの頭に当たり、ベッドの上に座る、陽菜の足元に仰向けに転がった。
426松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/08/29(金) 04:50:18
「痛いなぁ」
ぬいぐるみを拾い上げたみなみが、膝の上にそれを抱えたまま唇を尖らせて、ふて腐れるふりをする。
「ちょっと、いつもなら投げ返してくるじゃん」
「え?私そんなことできなーい」
みなみの芝居染みた口調で、バカにされてると察した陽菜が、唇を尖らせてふて腐れた。
くすくすと笑う彼の声に気付き、睨み付ける。
「ごめんごめん。いやー、君ら面白いなぁ。
本当の姉妹みたいだよ」
そう言ったあと、再び声を殺して笑いだした。
「そんなことよりぃ!」
みなみが怒ったように、叫んだ。
驚いて顔を上げる。
彼も笑うの忘れてみなみに注目した。
「今日なんで二人に集まってもらったか判ってる?」
陽菜と彼を交互に見渡して顔をしかめた。
「なに、って…夕飯ご馳走になりにきただけだけど…」
「俺は…家庭教師…?」
唖然とした二人にみなみがテーブルを叩き付けた。
「わたくし、峯岸みなみは、二人の愛のキューピッドになると、決めました」
選手宣誓!とでも言うかのように、みなみは右手を上げて、そう言い放った。
「はああぁっ!?」
陽菜は驚き声を上げる。
下の階から、みなみの母親が注意の声が聞こえたが、それを無視し、陽菜は続けた。
「な、なんで私がこんな最低な男と!」
「大丈夫だよ陽菜。
最低なのは、陽菜も一緒じゃん」
みなみが笑顔で応えた。
「は?私?」
「うん。自分の胸に手を当てて聞いてみな」
みなみは尚、笑顔のままだ。
「陽菜、私が何も知らないと思ってた?」
陽菜が慌てるように口を開き掛けて、すぐに閉ざした。
「男は皆自分の言いなりだとでも思ってる?
ううん。思ってるわけないよね。
陽菜は素直で優しい子だから。
だから、周りに流されてしまっただけなんだよね?」
泣いてるのか、みなみは俯きそれでも言葉を続けた。
「このままだと、陽菜、嫌な女のままだよ。
そんな陽菜、好きになれないよ」
左手の甲で頬を拭った。
斜め前に座る彼が、みなみにハンカチを差し出す。それを受け取って、再び涙を拭った。
427松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/08/29(金) 05:06:31
「本当の陽菜は、そんな女なんかじゃないよ。
ちょっと我儘で、怒りっぽくて、おっちょこちょいで、運動音痴で、ボケーッとしてて」
おい、と突っ込みたくなったが、それ以上に、陽菜も涙で声が出なかった。
「素直で、優しくて、スタイルよくて、可愛くて、美人で、綺麗で、あ、同じか」
ははっと涙ながらにみなみが笑ったが、誰一人笑う者は居なかった。
「彼なら、陽菜を変えられるかなって思って…
でも、それは違うよね。
陽菜の気持ち無視してくっつけても、やっぱりそんなの嬉しくないもん」なんかごめんね、一人で暴走しちゃって。と続けた。

それからは、誰も喋ることなく、みなみと陽菜の鼻を啜る音だけが時折響いた。
428松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/08/29(金) 05:09:28
つづく。



長らくお待たせ致しました。
もうすぐ完結すると思われます。
陽菜編の後は、優子編をそろそろ書こうかと思っています。
429名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 13:58:05
otu
430名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 21:22:21
優子編は優子が年上って設定がいいです!
431名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 21:35:44
いや優子編は同い年だろ(笑)
432名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 02:13:45
乙。
みぃちゃん泣けるね
433松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/09/02(火) 22:29:52

みなみの家から陽菜のマンションまで、歩いて1分。
その距離を彼と歩いた。
特に喋ることなどなく、すぐにマンションへ着いた。
エントランスで軽く手を振り、さよならをする。
踵を返し、歩みを一歩進めたとき、彼の「ねえ」の言葉で足を止める。
振り返り、首を傾げる。
「あのさ、俺達…付き合えない…かな?」
そう言い、彼は陽菜の瞳を見つめた。
「べ、別に、みなみちゃんがあんなこと言ったからとか、そんなじゃなくてさ」
言い訳するように付け足した。
あの後、みなみは何も喋らず、ずっと涙を拭っていた。
遅い時間だからと、陽菜と彼が立ち上がったとき、みなみは一言「ごめん」とだけ呟いた。

沈黙が続く。

仕事帰りのサラリーマンが、怪訝そうな顔をしながら横を通り過ぎていった。
沈黙を打ち破ったのは、陽菜だった。
「私のこと好きなの?」陽菜がもう一度首を傾げる。
「…そんなはっきりと聞かれたら照れるけど…」
照れ隠ししながら、コクンと頷く。
「そうなんだ…」
陽菜は軽く笑んだ後、彼の頭の向こう側を見つめていた。
彼は返事を待つように、陽菜を見つめた。
考え込むように、うーんと唸ったあと、陽菜はニコッと笑顔を見せる。
「判った。いいよ」
「え?」
驚きの余り、目が点になった。
「いいの?」
「やなの?」
「いや、嫌じゃないよ」「じゃあ、OKだね」
陽菜は笑顔で彼の顔を覗き込む。
何かを企むようなその笑顔に、多少不安を抱えながら、彼の告白は成功に終了した。
434松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/09/02(火) 22:32:25
つづく。


もう少しで完結致します。
435名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 01:45:10
更新お疲れ様です^^
436名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 12:29:46
松本さん乙です。
437松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/09/03(水) 21:31:19

「私達付き合い始めたの」
みなみの部屋のベッドの上に座り、陽菜が唐突に口にした。
彼は何も言わず、陽菜の言葉を黙って聞いていた。
「あっそ…」
みなみは全く興味がないと言った風に、視線を漫画に落とした。
「それだけ?」
陽菜が眉間に皺を寄せる。
「良かったね。おめでとう」
漫画から視線を外さず、朗読するかのように、棒読みでそう呟いた。
あの日以来、みなみの態度は素っ気なかった。
今までのみなみなら、怒ったり笑ったりするような事も、陽菜の前では一切しなくなった。
「ちょっ」
「陽菜ちゃん」
陽菜がベッドの上の枕を、みなみに投げ付けようとしたのを、彼が止めた。
彼が頭を軽く振って、「もう辞めよう」と目で訴えて来た。
陽菜は別に本気で怒っていた訳ではないので、軽く溜め息をついた後、ベッドに座り直した。
終始無言のまま、時間だけが過ぎていった。
みなみの母親が帰ってきたのを切っ掛けに、陽菜と彼はみなみの家を後にした。



その日の夜、陽菜の携帯に一件のメールがきた。

題名:『アドレス変えるので、これが最後のメールです』
本文:『彼と付き合い始めて何か変わったことはある?
多分ないよね。だって、彼のこと好きじゃないでしょ?
あの日、私が言ったことは忘れてください。
好きでもない男の人と付き合わせちゃったのは、私のせいだよね。ごめんなさい。
陽菜は優しいから。
いつも私といるときみたいに、そのままの自分で外に出てみなよ。
もしかしたら、なにか変わるかもしれないよ。
なんかまた、説教臭くなりそうだから、もうやめとくね(汗。
ほんと、ごめんね。じゃあね。』
陽菜の携帯を持つ手が震えた。
哀しさとか、寂しさとかじゃなくて、怒りに似た感情だった。
なんて勝手なやつなんだ。最後のメールってなに?
そんなの許さない。
陽菜は急いでメールを打つ。送信ボタンを押すと、すぐにメールが返ってきた。
『このアドレスには送信できません』
438松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/09/03(水) 21:32:21
つづく。
439名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 23:05:36
陽菜編展開すごいですね・・・
440名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 06:35:57
乙です。
なんかすごいことになってきましたね。
4411 ◆k0avXuG1yc :2008/09/04(木) 12:17:42
久し振りに覗いたら松本氏きてた!
お疲れ様です。またよろしくおねがいします
442松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/09/07(日) 22:23:23
陽菜は着替えるのも忘れ、部屋着のままサンダルを履き、飛び出した。
みなみの家のインターホンを、一度だけ鳴らした後、返事を待たずに勝手に玄関を開ける。そのまま二階へ駈け登り、みなみの部屋の扉を、勢いよく開け放った。
みなみは、机に腰掛け勉強をしていた。
「みぃ、なにあのメール?」
陽菜の問い掛けに、なんの反応も示さず、シャーペンを動かした。
「ねえってば」
陽菜がみなみの肩を掴み、引っ張った。
「うるさいなあ!勝手に入ってこないでよ」
振り向いたみなみの目は、泣いていたのだろうか、真っ赤に腫れていた。
陽菜は一瞬、躊躇したが、みなみの意図していることが判らず、問い続けた。
「私、峯岸のしてること判らないよ。付き合えって言ったり、なのに、いきなりあんなメールくれたり」
陽菜はふぅっと息を付いた。
「私、変わるよ」
陽菜が、若干トーンを落として呟く。
「そりゃあ、すぐには無理だと思うけど。私、みぃに嫌われるのが一番嫌だから」
だから、彼とも本気で付き合ってみる。そう続けた。
「好きでもない人とつ」
「付き合ってみて、初めて気付くこもあるんだよ。って、昔峯岸が言ってなかった?」
みなみの言葉を遮るように、陽菜が照れながら言った。
「それに、峯岸が言うように、今までの男達とは確かに違うし、もしかしたら…」
そこまで言うと、陽菜は口を閉ざした。
「そっか」
みなみは、左手で目元を拭いながら鼻を啜った。
「なんか、先走りすぎちゃったみたいで、ごめんね」
照れる仕草をしながら、恥かしそうにみなみが舌を出した。
「ほんとだよ。こんな格好で来ちゃったし」
両腕を軽く広げ、Tシャツとジャージをみなみに見せた。
「大丈夫。そっちの方が可愛いよ」
みなみが悪戯っぽく笑う。それに対して、陽菜が枕を投げ付け怒った。
いつもと同じパターンに、少し幸せを感じながら、陽菜は、みなみの脇腹をくすぐりながら、小さな声で「みぃ、好きだよ」と呟いた。
それは、恋愛感情と言う訳ではなく、友情愛というか、家族愛というか、まあ、愛情には変わりなかった。
みなみには、聞こえていなかったらしく、くすぐられたまま、いつまでも笑い転げていた。
みなみの母親が注意しにくるまでの間、二人の笑い声は尽きることなく、響いていた。



おわり
443松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/09/07(日) 22:25:40
おわり。



なんかものすごく長くなりそうだったんで、実際の文章の三分の一程度に抑えました。
一応要点だけは削除せずに書いたつもりですが、多分変な文章になってると思います。
次回から、優子編始めます。
444名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 23:07:06
松本氏お疲れ様

優子編は長くなっていいから全部書いて下さい。お願いします。
445名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 15:49:46
松本氏乙
はるにゃんとみぃちゃんのカラミが最高でした
次回も頑張ってください
446名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 22:28:35
松本氏はやはり仕事ですか・・・
447名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/19(金) 18:52:44
支援age
448名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/19(金) 19:01:12
ageちゃダメ
449名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 23:02:42
松本氏〜応答せよ
450松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/09/26(金) 06:34:27
「―――それでそいつさ、生活指導室から出てきたら、頭坊主にされてやがんの。いくら恋愛禁止っつても、五厘刈りはないよなぁ。あいつちょっと半泣きだったもん」
饒舌に喋ってるかと思ったら、急に同情するように遠い目をした。
「てか、ゆうねー聞いてる?」
カルピスの入ったグラスのストローに口を付けて、テーブルに落ちた雫を指でなぞっていた優子に、彼は不満顔を見せた。
「う、うん聞いてるよ。で、その子がどうしたの?」
「・・・もういいよ」
呆れた顔の彼が、ベッドを背もたれにして、大きく伸びをした。
優子はテーブルにグラスを置くと、壁のコルクボードに視線を移した。
コルクボードの表面には、写真が数枚。その中に一枚の懐かしい写真を見つけた。
そこに写っていたのは、今この場にいる二人だった。ただ一つ違うとこといえば、写っている二人の顔が、今よりも、うんと幼いということだろうか。
今にもいえーいと叫びだしそうな、いや、もしかしたら叫んでいたのかもしれない、そんな楽しそうな写真だった。
「これ、懐かしいね」
優子がコルクボードから写真をはずした。
「あ、それ昨日、クローゼットの中から出てきたんだ」
「これって、旅行に行ったときのやつだよね?」
「そそ。ゆうねーが6年で俺が4年のとき。二人とも子供だよなぁ」
優子の後ろから写真を覗き込んだ彼が、ははは、と笑った。
「でも・・・」
「ん? なに?」
「なんでもない」
身長差は逆転しちゃったね。そう言い掛けて、優子は口を噤んだ。
優子は昔から身長は高くはない方だったのだが、それでも二つ年下の彼よりは高かった。
今ではすっかりその差は逆転してしまっている。
彼が優子の身長を追い越したのは、彼が中学1年のときだった。今でもそのことを優子は忘れていなかった。
あのとき彼の言った「よっしゃー!」と言う歓喜の声は、優子に嬉しさと、悔しさと、寂しさを同時に味わわせてくれた。
あれから5年の月日が流れ、今では成人女性の平均身長にすら届かないことに、多少諦めにも似た節を見せている。
「ところでさ、さっきの話の続きなんだけど」
彼がベッドにドスンと腰を下ろし、優子に尋ねた。
「ゆうねーって彼氏いんの?」
唐突に聞かれたその質問に、優子は間の抜けたような顔をした。
「いや、変顔はいいから。どうなの?いるの?」
優子の特技の一つ、変顔。別にそれを今披露したわけではないのだが、どうやら、びっくりしたときや驚いたときなどにそれが出てしまうらしい。
彼氏の響きで思い出す。優子の親友、大島麻衣の彼氏。
優子の胸がチクリと痛んだ。
「その顔は、好きな人はいたけど、振られましたって顔だな」
彼がニヤっとした表情で笑った。
彼のするどさに動揺してしまう前に、誤魔化すように優子は「彼氏も好きな人もいませ〜ん」とおどけて見せた。
グラスの中の氷が、優子の寂しさを奏でるようにカランと音を立てた。
451松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/09/26(金) 06:35:57
つづく。



遅くなって申し訳ありません。
BRのほうに集中してしまい、今度はこっちがおろそかになってしまいました^^;
452名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 20:46:54
age
453名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 11:32:44
454名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 19:21:53
455名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 22:30:54
あげ
456名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 17:34:36
保守
457名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 01:48:12
保守
458松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/10/13(月) 21:58:08
部屋の窓から、下弦の月を眺めながら、優子は麻衣の彼氏のことを思い出していた。
あの日、彼は優子に告白をした。
勘違いしたのは、優子のほうで、彼はなにも悪くなんかなかった。
彼も優子も気づくのが遅かっただけで、結局優子は振られる運命だったんだと、何度も自分に言い聞かせた。
だけど、麻衣の嬉しそうな笑顔を見るたびに、優子は嫉妬し、彼に出会うたびに胸が締め付けられ、だけど、それを二人の前で出すことは許されず、優子はその感情をいつも呑み込んでは胸の奥に留めておいた。
あのとき、震えながら搾り出した「おめでとう」の言葉は決して嘘なんかじゃないから。
「はぁ・・・私ってダサいなぁ・・・」
窓の縁を指でなぞりながらため息を付いた。
身体を部屋の中に向けて、窓を閉めてから、優子は立ち上がる。
携帯をチェックすると、メールが1件。麻衣からだった。
もう一度ため息を付いてから、メールを開かずに携帯を閉じた。
ベッドに入って目を閉じると、今度は別の日ことを思い出した。

麻衣が彼のことを「一生愛し続ける」と嬉しそうに言った日。
優子は嫉妬のあまり、「そんなこと出来るわけないじゃん」と言い放った。
続けて「幸せなのは、今の内だけだよ。そのうち一緒にいるのがウザったくなったりするかもしれないじゃん」と言ってしまった。
怒るだろうと思ってた麻衣の表情は、とても悲しそうに目に涙を浮かべて、席を立った。
言い過ぎた。その日の夜、優子は眠れなかった。
次の日、麻衣は何事もなかったように優子と接してきた。
小さな声で麻衣に「ごめん」と言うと、麻衣は口元だけで微笑んでくれた。
優子の胸がチクリと痛んだ。

カチッカチッと時計の音が部屋に響く。
何度目かの寝返りを打ち、優子は閉じていた目を開けた。
携帯を手に取る。麻衣からのメールを開いてみた。
『明日暇〜? バイト休みになったんだぁ、どっか遊びに行かない?』
自然にフッと笑みが零れた。返事を打つ。
送信ボタンを押した後、優子は布団を肩まで上げて、もう一度目を閉じた。
数分もしないうちにスーッと睡魔に引き込まれていた。
459松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/10/13(月) 22:00:16
つづく。



BRスレと同時進行はかなりしんどいんで更新頻度がかなり長くなると思います。申し訳ありません。
460名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/17(金) 07:13:07
461名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/20(月) 03:44:22
保守
462名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/28(火) 17:54:51
保守
463名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/08(土) 11:59:41
保守
464名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/22(土) 14:06:56
保守
465名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/22(土) 18:41:53
保守
466名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/25(火) 11:34:45
まだか!
467名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/25(火) 18:59:25
↑まあ慌てなさんな。モチツケ、モチツケ
468松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/11/25(火) 19:37:51
長い間放置してしまい申し訳ありません。
今週中には続きを書きたいと思ってます。
469松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/11/28(金) 20:26:40
「おまた〜」
待たされること1時間以上、悪びれもない笑顔で片手を振って、いつものファミレスにやってきたのは、麻衣だった。
「・・・もう、待ちくたびれちゃったよ」
わざとらしく大きなため息をつき、カップに口を付けた。
「ごめん、ごめん。ちょっと間に用事が出来ちゃってさ、うん」
自分に言い聞かせるような口調で、麻衣が頷くと、優子はさらに大きくため息を付いた。
そういうことか。こういうとこは変に気を遣うんだから。僅かに笑んでから、優子がメニューを開いた。
「何か注文する?」
「ん〜、時間もったいないから、もう行こうか?」
着いた早々立ち上がった麻衣を、追いかけるように優子が立ち上がった。
「どこいくの?」
「ん〜? どこでしょう?」ひひひ、悪戯に笑った麻衣が、くるりと向きを変えて、歩き出した。
「ちょ、ちょっと待って」
伝票を持ったまま、お店を出ようとしてしまったとこを、店長らしき人に咳払いをされて慌ててレジに向かった。
「すみません」苦笑いで会計を済ますと、足早にお店を出た。
麻衣はすでに目の前の横断歩道を渡りきっており、同時に赤になった信号に優子は足止めされた。
「さ・き・い・く・よ・お」
口パクで麻衣がそう言ってから、その方向を指差した。
歩き出す麻衣を視線で追ってから、優子は信号が青になるのを待って、横断歩道を渡った。
「あぶない」
誰かがそう叫んだ。麻衣が振り返って、驚いた顔をした。
470松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/11/28(金) 20:32:59
つづく。


考えたら1年以上前に同級生スレで書いた、佐江の恋愛小説がきっかけでこのスレが立ったんですよね。
あのときの佐江の話は、今思うと一番良かった作品だと自分でも思っています。
多分、もう一度書けと言われても書けない気がします。
その佐江が、BRスレではあんなキャラになるとは・・・・
471名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/28(金) 21:45:32
続ききたああ!更新ありがとうございます!

どなたか同級生スレのURL知ってる人いたらはってもらえませんか。。。?
472名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/29(土) 13:33:17
松本さん乙です
またよろしくおねがいします

>>471
dat落ちしたから過去ログ探さないとないよ
473名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/29(土) 18:39:36
更新きたああああああ!
松本氏乙!
474名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/02(火) 06:55:42
保守
475名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/10(水) 14:18:47
保守
476名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/16(火) 18:24:16
保守
477名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/16(火) 22:00:27
松本氏はもうこのスレには来ないのか…
478名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/21(日) 14:53:36
479松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2008/12/22(月) 12:53:12
長い間待たせて、本当に申し訳ないです。
年末で仕事が忙しく、書く暇がなかったんです。
それでですね、色々考えた結果、前に同級生スレで書いてたときに言われたんですが、アメブロの方で色んな小説を書いて行こうかな?と思いまして、blogを作ってきました。
http://ameblo.jp/art56/
まだどんな小説を書くか判らないですが、これだと携帯からも楽に更新できるし、まとめサイトを作る必要もないかなと……
ま、仕事が落ち着くまでは、更新もあまりないと思いますが、こんな小説を書いて欲しい、などの意見を書き込みにでも来てください。
480名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/24(水) 20:45:59
保守
481名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/30(火) 19:08:03
保守
482名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 09:25:47
保守
483名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/21(水) 14:23:46
保守
484名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/30(金) 09:37:26
捕手
485名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/02(月) 06:58:54
*
486名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/15(日) 00:42:13
(@_@)
487名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 03:45:06
488名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 01:45:54
489松本氏 ◆Gl3jYdoy9. :2009/03/01(日) 22:34:09
気付くとそこは病室のベッドだった。
動かそうとした左手が何かに阻まれている。
不思議に思い見ると、そこには幼馴染みの彼が椅子に座って眠っていた。

わたしの左手は彼の右手に繋がれている。

「お邪魔しま〜す」
ガチャ、扉が開く。小さな声で入ってきたのは、麻衣……と、その彼。
わたしの心臓は不規則に動悸を高め、そして力ない弱い表情で微笑んでいた。
「目ぇ覚ましたんだね。良かったぁ!まい心配したんだよ」
それは、麻衣の目の下のクマを見れば一目瞭然だった。本当に心配してくれてたんだと思うと、嬉しかった。
「なんか、お邪魔みたいな感じ?」
幼馴染みの彼の存在に気付いた麻衣が、悪戯い笑みをむける。
「大丈夫、ちょっと寝てるだけだろうから」
誤魔化すように早口でそう言うと、麻衣の彼をチラッと見てから逸した。

やっぱ、なんか気まずい……

それに気付いたのかどうか、彼は一言「無事なの確認できたから、俺バイトいくわ」と言って出て行った。
「ちょっと!そんだけ?優子可哀相じゃんか!もうっ」
麻衣が唇を尖らせて怒る。ああ、この二人は本当に付き合ってんだなぁ、そう思うと目頭が熱くなってきて、慌てて右手で顔を覆った。
「え?優子どうしたの?どっか痛い?」
「ううん。なんでもない……ちょっと事故で不安定になってるだけだから」
ふーん。麻衣が心配そうにそう頷くと「じゃあ、私もバイトあるから」そう言って立ち上がった。
手を振る麻衣に、優子は軽く微笑んでから見送った。
490名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/03(火) 09:58:29
n
491名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/05(木) 15:40:49
492名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/15(日) 07:42:26
493名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/26(木) 20:01:05
age
494名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 11:19:19
495名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 10:25:37
496名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/27(月) 10:39:14
保守
497名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/06(水) 04:02:08
あげ
498名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/14(木) 21:25:34
499名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 16:27:35
500名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 10:49:55
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501名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/20(土) 00:24:47
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502名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/23(火) 11:51:34
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      /   阻止します     /   //
    /      ハ,,ハ        /  / /
    /     ( ゚ω゚ )     /  /  /
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503名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/27(土) 18:40:02








504名無しさん@お腹いっぱい。
4ヶ月間内容が無いとは凄いな