AKBでバトルロワイヤルやったら誰が生き残るの?.
ゴツいからこじはる?..
2 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 20:44:21
>ゴツいこじはる
萌えた
案外、自在性があるもっちぃのような気がする
4 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 21:07:03
「明日は明日の君が生まれる」の佐江はそのままバトルロワイヤルに出れる件についてw
5 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 22:03:57
最後は頭がモノをいうのだ。花の勝ち。
6 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:19:04
いやかおりんが最後まで存在に気づかれず、かつ頭のよさで生き残る
7 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:31:31
あっちゃんには鍋の蓋
有華はボウガン
8 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:33:12
野性の本能が必要だ
9 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:33:21
ユカリン最初に…(;_;)
10 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:39:19
さやか
11 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/10(木) 23:55:56
映画で柴崎コウがやった役はオカロしかできない。
前田亜季の役はえれぴぇんが適役。
12 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 01:34:25
野呂にはパンダの着ぐるみで
13 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 01:56:46
秋元に決まってると思ったが以外と小野だったり…w
14 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 02:07:07
ジャングル戦なら河西だろ
ちなみに握力500Kg
15 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 02:12:34
二番目に弱いやつが生き残る。
つまり、研究生をふくめないとすると
答えはまゆゆ
16 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 02:16:31
最後に勝ち残るのは優子
17 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 18:01:15
前田敦子は顔を泥で塗って匍匐前進で64式短銃を乱射。
小嶋はワナを仕掛けるも、小野にはお見通しで、建物ごと爆破。
小野は浦野から裏切られ死亡。
最後には大江が不戦勝。
18 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 18:15:13
案外まゆゆかもて思ったら書かれてた
19 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 18:36:20
20 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/11(金) 19:33:03
だれかここで小説書けば?
21 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/12(土) 02:09:58
やっぱ勝ち残るのは「佐藤ゆかり」だろう。
我田引水の規制緩和やってね。
22 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/12(土) 02:44:13
優子主演で映画化希望
優子と大堀のナイフ戦
優子と峯岸のガチの殴り合い
逃げ回る優子に機関銃乱射の松原
などが見てみたいもちろん勝ち残るのは主演の優子
23 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/12(土) 02:46:05
みぃは殴りというより蹴りだよ
あの見事なハイキックはかなり凄い
24 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/12(土) 02:49:05
性格が一番悪い奴だろ。
って事は・・・↓
25 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/12(土) 03:38:35
戸ケ崎
26 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 10:50:53
優子が大勝利
27 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 11:02:30
主演優子w
28 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 11:03:23
かやの強そうだなあ
人使うの上手そう
29 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 11:06:41
こうゆうのは実際性格の悪さが必要。
優子の勝ち。
30 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 11:09:37
正座して手を合わせて震える大江を優子が・・
31 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 11:12:02
やっぱKメン強いですな
32 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 11:15:17
優子がオカロを利用して生き残って残り二人になって裏切り優子優勝。
33 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 11:18:59
毒でやられるツインタワー
殺ったのは↓
34 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 11:21:46
野呂の呪いで全員突然死
野呂おめー
35 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 11:26:34
バトロワ|の最初に出てる前年度優勝の女の子の武器呪いの人形ってあるもんな。
しかし優勝はゆぅこー
36 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 11:27:02
まゆゆとおおぃえはすぐに手繋いで崖からとびおりちゃいます。
37 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 11:27:56
え〜〜〜そんな
38 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 11:30:52
花は屁理屈言って、最初の説明の時、早速頭撃たれちゃいそう。
もちろんとがちゃき先生に。
39 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 11:36:38
白はかまとハチマキで参戦は東郷示現流剣術の柏木
祖父より授かった古太刀と壊刀で美しく闘う
40 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 11:37:51
Bメン本格的にキタねw
41 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 11:40:12
優子は何のためらいもなくザックザックメンバー刺し殺しそう。
首切りつけたり、目玉ほじったり。
もしくは金槌で顔面滅多打ちとか。
じゃなかったら、機関銃で頭ふっとばすとか…
意外と知能派で、自分は手を汚さず、仲間同士で殺しあいさせたり、
仲間のふりして、食料や水に毒を平気で仕込んだり…
何れにせよ、生き残るのは優子だけだがw
42 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 11:42:33
小説『私以外のメンバー、イラネ』
43 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 11:43:09
生還者だが、闘いを終わらせる為、山本太郎のやった役であゆ姉参戦。
44 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 11:47:45
プレデタ-役として五井道子こと、ちる特別出演
45 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 11:51:15
自衛隊役のエキストラはヲタで
46 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 11:55:16
「お先に…。」
優子の前であっちゃん、首に刃物刺して自殺
優子ショック!!
ではない
仕組んだの優子だし
47 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 11:59:40
ドンキに連れて行かれる車中で眠らされて、起きたらそこは無人島。
48 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 12:00:56
「さー、今日は皆に殺し合いをしてもらうぞー!」
戸賀崎はニコニコしながら喋っている。
戸賀崎の冗談に、いつもに増して会議室中が騒がしくなってきた。
「じゃあ、今からルール説明のビデオを・・成田!私語すんじゃねえ!」
一瞬麻衣の目の前に白い光が走った。
「ぎっ!」
成田が悲鳴を上げる。
チョークだと思ったそれは細身のナイフだった。
成田の顔は一瞬にして血に染まり可愛くて大きな目の片方には垂直にナイフが刺さっていた。
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!」
成田は床に倒れ込んでのた打ち回っている。
隣にいた前田は恐れおののき、助けを求める成田の手を振り払う。
「なんなのよこれ!」
「うるさいなー・・」
戸賀崎はそういうとポケットから拳銃を取り出して動き回る少女に銃口を向けた。
一度だけ銃声がなる。
びくっと跳ねた成田の体はそのまま動かなくなった。
「うるさいぞお前達・・・。椅子に座れよ」
戸賀崎の声はその場にいる全員を黙らせた。
麻衣は仕方なく座った。周りを見るとみんな声を殺して泣いているのが分かった。
ただ一人、大島優子だけはニヤつきながらガムを噛みつづけていた。
成田の死体から流れた血が、麻衣の足元にまで流れてきた。
ただただ呆然としながら、その血の流れる先を、麻衣は見ていた。
ふと、眼差しを上げると、優子の視線とぶつかる。
なぜ優子はこんな状況で笑えるの?
優子の足元にまで、成田の血が広がっている。
優子はつま先に成田の血をつけると、床に何か文字を書いている。
そして麻衣を見ながら、ニコリと笑った。
麻衣は書かれた文字を見て、愕然とする。
「マイ コロス」
49 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 12:02:03
戸賀崎『今日は皆さんに殺し合いをしてもらいまーす。』
50 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 12:02:31
ネタが古すぎ
51 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 12:02:41
最初からあきらめてメ-ルばっかりやってるピンクがiモ-ドで偶然首輪のはずしかたを発見。
52 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 12:02:46
起きたら首輪のついた彼女達。
秋元「今日はみなさんにちょっと殺し合いをしてもらいます」
53 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 12:04:40
起きたら首輪のついた全裸のゆかりん
優子「今日はメス豚ゆかりんの公開調教します」
54 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 12:09:30
「おまえから死ねよ豚野郎!」
お互い罵倒しながら撃ち合う小嶋と駒谷
55 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 12:14:00
秋元康vs奥真奈美
56 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 12:14:37
それみて「おもちしね〜」と奥様おお喜び
57 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 12:28:43
たかみなは?
58 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 12:30:20
ドサクサに紛れて康を殺しに行く早野、しかし
目の前に現れたのは康の死体と血に染まった前田の姿
前田
「あたしもう我慢出来なかったんだ…毎晩毎晩コイツに…」
59 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 12:57:51
レズみぃ
とも〜みを犯そうとしたが
失敗に終わりともちんこに殺される
60 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 15:03:32
昼公で優子からバトルロイヤルの言葉がw
48人で何かトーナメントをやり一位を決めたいそうだ
ここを見てるんじゃないか?www
61 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 15:31:37
優子からマジでバトルロワイヤル発言あり
62 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 15:32:28
やっぱり優子様は見ていらっしゃるんだ!
63 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 15:44:25
主演にしないと怒って犠牲者が出るぞ
64 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 17:38:54
Kメンを総出演させたバトロワパロディドラマ作ったら面白そうだなw
もちろん主演・優勝者は優子様
65 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/14(月) 19:22:54
セガール秋元オカロVS薩摩剣士柏木はどうなる?
66 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/15(火) 19:58:48
age
67 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/15(火) 20:26:39
優勝者(主役)は前田でいい。優子は柴咲の役所がいい。さやかは山本タロウの役所。
68 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 11:54:17
みんな仲良しだから
69 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 20:34:00
全員撮影なんてBINGO!以来だからみんな浮かれてる。
仕事で中々休みもない私達はバスの中、修学旅行気分だった。
「ねぇ優子、なんか元気なくない?」
あっちゃんだ。最近公演に出れず、みんなに会えなかったせいかいつもより元気だ。
「別に。ちょっと眠いだけだよ。」
「ほんと?でもさ、やっぱ楽しいよねー、こういうの。」
好きな人でも思うかのように嬉しそうに微笑むあっちゃん。
「今回朝から夕方までずっと撮りで一緒だもんね。
仕事とは言え、みんなが浮かれるのも無理ないよね。」
「ほんとほんと。あ、ちょっと待ってあたしもやる!!」
あっちゃんはそう言うと後ろで騒ぎ始めたまいまい達の方に戻って行った。
実はあっちゃんに、核心をつかれたような気がして少しひやひやした。
さっき言ったように元気がないわけではない。
昨日遅くまで本を読んでたせいで眠いのも本当だ。
でもそれを抜きにしても、私はあんまり乗り気じゃなかった。
いきなり決まったシングル発売。
それに伴うレコーディングの合間を縫ってまでのPV撮影。
みんな浮かれて忘れてるが、本来ならありえない話だ。
まぁいいか。
私は考えるのを放棄して少し眠ることにした。
実際、最近仕事に思うように力が入らなくて気分転換したかったとこだし。
これも仕事なのには変わりないが普段の劇場公演やテレビ撮影とはまた違うし、
今回の仕事はメンバーや、何度もお世話になってるスタッフさんばかりだ。
少しは気分も晴れるだろう。
本当ならその奇妙さに、もう少し突っかかってもよかったのかもしれない。
でもこの時はそこまで大変なことになるとは思ってなかった。
まだバスが着くまで二時間くらいある。
少し寝よう。
こんな感じ?
70 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 20:48:44
いいよいいよ続きよろしくお願いします
71 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 22:23:49
スマソ、衝動で書いたからまだ続きないんだ
とりあえずバトロワ借りてきて書いてみますノシ
72 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 23:17:36
まさかのはるゴン
才加は正面突破を計るけど
裏をかかれてやられちゃうんだろうなぁ
74 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 23:51:57
「ん…」
もう着いたのだろうか。車内がやけに静かだ。
まだ起きてない頭を無理やり起こすように体を起こす。
「・・・・・・!」
みんな寝ている。それだけならおかしくはない。
おかしくはないはずなのに・・・
隣で寝てるとも〜みの首に何かついてる。
それはネックレスなんて格好のいいものじゃないことはすぐわかった。
無骨な黒い首輪。少し混乱する頭。
とっさに自分の首元に触れる。
案の定、とでもいうのか私の首にもついてる。
ガチャリと重い音がなる。
その音に気付いたからだろうか。
バスガイドが私に気付いた。
「ちょっ…なんなんで…」
言葉が遮られる。
遮ったのは無骨な警棒だった。
朦朧とする意識の中で誰かが嫌らしく笑った気がした。
まるでこれから起こることを楽しむかのように。
75 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 23:54:12
「ん…」
もう着いたのだろうか。車内がやけに静かだ。
まだ起きてない頭を無理やり起こすように体を起こす。
「・・・・・・!」
みんな寝ている。それだけならおかしくはない。
おかしくはないはずなのに・・・
隣で寝てるとも〜みの首に何かついてる。
それはネックレスなんて格好のいいものじゃないことはすぐわかった。
無骨な黒い首輪。少し混乱する頭。
とっさに自分の首元に触れる。
案の定、とでもいうのか私の首にもついてる。
ガチャリと重い音がなる。
その音に気付いたからだろうか。
バスガイドが私に気付いた。
「ちょっ…なんなんで…」
言葉が遮られる。
遮ったのは無骨な警棒だった。
朦朧とする意識の中で誰かが嫌らしく笑った気がした。
まるでこれから起こることを楽しむかのように。
周りがざわざわと騒がしい。
なんだろう。うるさい。
もう少し寝たい。
「優子!大丈夫?起きてよ優子!」
私の肩を揺らす誰か。あっちゃんだった。
「あれ…おはよ…何もう着いたの?」
「何寝ぼけてんの!それどころじゃないんだから――」
よくよく周りを見てみると学校、教室みたいだ。
しかも古い、よく言えば風情がある感じ。
「ここ…ロケ地?」
いまいち状況が掴めない。
「違うよ…だって今回行くの海沿いの学校のはずなのに…周り山だもん・・・。」
遅いけど、段々とこの状況の異常さに意識が呼び起こされていく。
「じゃぁ…ここは…」
その瞬間、ガラッと開くドアの音。
戸ヶ崎さん…?
「みんな席つけ〜授業始めんぞ〜」
なんでもないかのように教室に入ってくる。
でもその後ろにいるのはなんでもありそうな人たち。
戸ヶ崎さんの後ろからついてきてるのは銃を持った兵隊みたいな人たち。
「早く席につけぇ!!」
兵隊が叫ぶ。
みんな何がなんだかわからない顔をしながらも逆らっちゃいけない雰囲気を感じ、
各々近くにある椅子に座ったり、そのまま床に座ったりする。
「えらいぞ〜、みんな。んじゃ転校生紹介するからな〜
と言っても、みんなよく知ってるだろうから、あえて名前言ったりはしないからな〜」
そう言うと後ろの方を指さす戸ヶ崎さん。
みんながよく知ってる?何言ってるんだろう。
そう思って後ろを振り返る。確かにその言葉は当たっていた。
そこにいたのは高田とちるちるだった。
「今回はその二人にも参加してもらうからな〜」
参加?なんのことだろう。
唯一はっきりしたことがある。
これはただのロケなんかじゃないことだ。
首輪をつけられて言われてたロケ地と場所が違って、まして卒業生がいる。
しかも今までの卒業生みんなってわけじゃない。
いったい何が始まるんだろう。
いったい何を始める気なんだろう。
まだ混乱が収まらない今の私の頭じゃ、答えなんて出るはずもなかった。
76 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 23:56:48
ゆかりんかえれぴょんだな
こじはるがまっさきに殺されちゃう
77 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/01(金) 23:56:52
コピペ失敗したorz
とりあえずスレに書かれてることと映画本編基本に
勝手に脚色してく予定です。
78 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 00:37:24
で逃げ出してBINGOのPVになるわけだ
79 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/02(土) 02:42:09
80 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/05(火) 18:35:58
そろそろ続きを
81 :
69:2008/02/08(金) 00:30:04
スマソ
引越で今続き書いても載せれん
でき次第投下します
82 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 04:06:21
WINNER:多田愛佳
83 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/08(金) 23:17:00
84 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 14:39:11
やっぱ主役は優子かな?
85 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 14:44:53
86 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 15:14:25
俺だろ
87 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 16:44:50
グッキーは相馬光子役で
88 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 15:32:53
>>78は鋭い
意味分からなかったあのPVのシチュエーションがつながった
89 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 15:35:00
おかろ
90 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 17:27:01
TAKADAは貴重な非常食を独占したので即リンチ
91 :
希空えもん調査局ヽ(`Д´)ノ..:2008/03/10(月) 01:12:38
ゴツいこじはる..略してゴツはる..
92 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 09:34:19
香菜に頑張ってもらいたい
93 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 09:42:55
香菜はけっこうやると思う
94 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/12(土) 11:50:41
亜美菜
95 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/12(土) 19:38:49
無欲なたかみなが優勝
96 :
名無し:2008/04/12(土) 21:47:03
浦野シンディー
97 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/12(土) 21:50:03
CinDyは米にやられそう
98 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/12(土) 21:56:05
浦野と米山は丘の上で一騎打ち
99 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/12(土) 23:11:03
最後は経験の差でCindyの勝利
100 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/13(日) 00:22:18
かちょすが華麗に100get
101 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/13(日) 06:25:34
102 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/13(日) 06:37:04
大江はヤルときはヤル
103 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/13(日) 06:42:15
大江はザラキを使えるがHPは48しかない
104 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/13(日) 10:41:27
たかみなは空飛べるし強いよ
105 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/13(日) 10:42:31
浦野にビンタした美香ちぃが生き残る
106 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/13(日) 10:43:17
107 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/13(日) 10:44:31
昨日の夜公演めーたんがなっちにジャンピングキックしてたぞ
108 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/17(木) 16:28:48
あげ
109 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/17(木) 16:33:16
なんか優○ってよ、正直可愛いからファンが多いのは認めるが
だからこそヲタ達から虐められて精神的に追い詰めるの見てるほうが楽しいぜ
ヲタ達の性の対象みてぇーな風習の格好の虐めターゲットだよな
○呂みてぇーなブスにブスとか解雇とか嫌われ者とか書いて泣かれても
全く楽しくねぇーけどよ
優○みてぇーな小生意気で可愛い子にブスとか解雇とか嫌われ者とか
酷い事をたくさん書いて虐めていくのおまえらも楽しくないか?
特にメンを使ってこうした優○を嫌われ者にアレンジして妄想するの、
すっげぇーたまんねぇーよ
でも実際、優○が解雇ならこの楽しみが減ってつまんねぇーんだよ
優○辞めんなよ!逃げんなよ!ましてやリーマン事件起こして虐め甲斐があって
妄想が激しくなって楽しくなったんだしよ
虐められて虐められてどんどん泣け優子!俺はそれで毎日抜いてるからよ!
おまえらもっとこいつ嫌われてんだよとか、普通に嫌いだ、マジうぜぇ〜とか
優○の酷い事をもっと書いていってくれ!優○が虐められるのはよ
マジ性の対象で抜けるわ!
こういう可愛い奴は普通に応援しててもつまんねぇーよな
こんな可愛い奴が虐められて困ってるの見るのが楽しいもんだぜ
大島○衣も可愛いけどよ、あいつはなんか不貞腐れてる感あるからよ
虐められても泣いてもつまんねぇー
110 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 14:57:23
野呂は強そう
111 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 15:14:32
AKBのバトルロワイヤルに秋元康が参加!!AKBメンバーを見つけしだい、レイプ。
112 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 15:20:20
なかやんが生き残るとみた
113 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 17:09:40
オカロと佐江がフュージョン最強戦士の誕生!
114 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 20:04:23
浦野がそこいら辺にいるヘビやカエルやイノシシやオオカミを手なずけ
自らは手を汚さずに勝利
まいまいかな
116 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/09(月) 02:43:43
どなたかマジで小説書いてくれ〜
これに限らずAKBの空想小説書いてるサイト&スレあったら教えてくれ〜
117 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/09(月) 03:34:53
こじはる残るよw
あの性格の悪さでw
118 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/09(月) 05:30:11
1行小説スレでこのネタ3回くらいやったよなw
119 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/09(月) 06:00:03
意外とまゆゆ
120 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/12(木) 00:51:12
えれぴょんは感情なく殺っていそうw
121 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/12(木) 01:05:38
>>118 こっちが古いし優子がMCでネタにしてくれた
メモリストはスルーしてたがw
122 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/12(木) 01:06:11
>>120小野が渡辺を笑いながらめった刺しwwww
123 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/12(木) 01:07:45
まゆゆのほうが強そうだ
124 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/12(木) 01:10:08
優子が花を使って細菌や毒ガスで勝利しそうだ
正統派なトコで秋元オカロ。
126 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 23:23:37
はるごん
127 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 07:21:25
まゆゆは戦闘マシーン
早乙女はセックスマシーン
128 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 07:23:23
生きたくたって生きられない人間もいるっていうのにヒドイスレだよ全く
129 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 23:12:50
足の臭さで、前田の勝ち!
たかみな
131 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 01:36:16
ハングリー精神で
美香ちぃ
目立たない人が残る
133 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 02:04:37
マジでBR本格小説希望。
夏の空は高い。
わたあめにも似た、白く柔らかそうな入道雲が、地上に陰を作る。
自己主張するかのように、光と熱を強める太陽が、才加の肌を焼き付けた。
バスの中、真ん中よりも少し前の席で、才加は窓の外を眺めていた。
遠くの方に見える光の乱反射。
それが海だと気付かせてくれたのは、後ろの席に座る恵令奈だった。
「あーっ、海だっ!」
この一言により、大半のメンバーの意識は窓の外に向けられた。
「わー、すごーい」
「海行きたーい」
「ほら、見てあれ」
「あっ、船だーっ」
こんな会話が、車中のあちこちから聞こえてきた。
「食べる?」
突如隣りの席から向けられた声。
振り返ると、お菓子の箱を才加に差し出して笑顔を浮かべる佐江が居た。
「あー、ありがと」
箱の中から、お菓子を一つだけ摘み取り、半分だけ口に放り込んだ。
「元気ないね」
佐江が顔を覗き込む。
「うん、なんか眠くて」
佐江に向けて発した言葉だったが、才加の視線は窓の外に向けられていた。
ちょっと、素っ気無い態度だったかな?と思ったが、佐江は別に気にした風でもなく、「そっか」と言い、通路の向こうの優子たちの輪の中に入っていった。
再び才加が窓の外に視線を向ける。
先程より近くなった、光の乱反射のその向こう、空と海の境目を見ていた。
メンバー達の海への関心は、いつの間にかなくなっていたようだった。
48人揃ってのPV撮影。
この日は朝から、皆テンションが高かった。
AKB48と名乗ってはいるが、全員が揃うことなどごく稀なことだし、そのせいもあるのだろうが。
バスに揺られながら雑談を交わすメンバーや、トランプやウノを持ち込んで楽しむメンバー、中には、丸めた雑誌をマイク代わりにアカペラで歌を唄うメンバーもいた。
かれこれ二時間近く経つ。
目的地は知らされていなかったが、今度の新曲の曲調と歌詞を見るからに、恐らく海のある場所だろう。
才加は相変わらず意識を窓の外へと向けていた。欠伸を噛み殺す。
言い訳のつもりで言った佐江への言葉が本当になってきた。
意識が朦朧としてきた。
太陽の熱で滲んだ額の汗が、ツーっとこめかみを伝った。
少しだけ眠ろう。
目的地へ着けば、誰かが起こしてくれるはずだ。
遠のいていく意識の中で、隣りの佐江の笑い声が耳に響いた。
48人揃ってのPV撮影。
この日は朝から、皆テンションが高かった。
AKB48と名乗ってはいるが、全員が揃うことなどごく稀なことだし、そのせいもあるのだろうが。
バスに揺られながら雑談を交わすメンバーや、トランプやウノを持ち込んで楽しむメンバー、中には、丸めた雑誌をマイク代わりにアカペラで歌を唄うメンバーもいた。
かれこれ二時間近く経つ。
目的地は知らされていなかったが、今度の新曲の曲調と歌詞を見るからに、恐らく海のある場所だろう。
才加は相変わらず意識を窓の外へと向けていた。欠伸を噛み殺す。
言い訳のつもりで言った佐江への言葉が本当になってきた。
意識が朦朧としてきた。
太陽の熱で滲んだ額の汗が、ツーっとこめかみを伝った。
少しだけ眠ろう。
目的地へ着けば、誰かが起こしてくれるはずだ。
遠のいていく意識の中で、隣りの佐江の笑い声が耳に響いた。
続く。
すみません、最後2回押しちゃいました;
おおー松本さんがホントに
キターーーーーー。
続きキターイしてます。小説本スレのほうも期待してます。
え…やだ…ここどこ?
なんか頭が重い…。
……か、起きて。
…やか。
「才加!」
名前を呼ばれたことと、身体を揺さぶられたことで、才加は目を覚ました。
ようやく着いたのだろうか。眠ってから物凄く時間が経ったような気がする。
心配そうに「大丈夫?」と言う優子に、左手で自分の頭を押さえながら、もう片方の手で大丈夫だよという手振りをした。
頭を押さえていた手を、ゆっくりと降ろした。
首筋辺りに来た時、指先に違和感を感じた。
優子の首元を見やる。
首輪? 鉄製の黒っぽい首輪の様な物体が着いていた。
周りを見渡すと、他のメンバー達にも同じ様な首輪。
そして、ここは……教室?
学校の教室なのか、それとも、教室を模したスタジオのセットなのだろうか?
怯えた目をしたメンバーと、これから起こるのかもしれない、なんらかのサプライズに浮かれるメンバー。
ほとんどのメンバーが目を覚ました時、教室の入口の扉が、ガラガラと勢いよくレールの上を滑って、開いた。
まず、迷彩柄の軍服を着た男が二人、姿勢を正して入ってくる。手には銃らしき物を持っている。
それに続いて、秋元先生の姿が現われた。
私達を一瞥すると、目の前の教卓の前まで無表情のまま歩いた。
そして、最後に戸ヶ崎さん。
私達と目を合わせることなく、秋元先生の隣りに立った。
なんだろう、この重苦しい空気は。
そして、あの軍服の男達は何の為にいるのだろう。
隣りの優子が、才加の服の裾を掴んだ。
その手は微かだが、震えているような気がした。
「みんな、こんばんわ」
秋元先生が口を開いた。
続く。
書き初めたものの、正直、難しいな……と。
「こんばんわ」
もう一度、口を開く。今度は少しだけ語調を強めていた。
「挨拶ぐらい出来ないのか!」
戸賀崎が教卓を掌で叩く。
ぱらぱらと挨拶をする声が聞こえた。
「声が小さい!」
「こんばんわ」
二度目の怒号により、全員の声が揃って挨拶をした。
才加は、こんばんわと言う挨拶で、今が夜なのだと確信した。
ポケットの携帯電話がなくなっていることは、既に確認済みだった。
壁には止まったままの掛け時計。
時間を知りたかった才加にとって、今の挨拶は有り難かった。
再び静まる教室。
秋元先生が軽く咳払いをした。
「みんな聞いて欲しい。
今から、みんなで殺し合いをしてもらう」
言った後、口元だけで笑みを作った。
「先生、そう言う冗談はやめてください」
笑いながら口にしたのは、佳代だった。
「前フリもなしにそんなこと言っても、面白くもなんともないですよ」
前へ一歩踏み出すと、夏希の肩に肘を乗せクスクスと笑った。
瞬間、パンッ!と言う乾いた音が教室に響いた。
夏希の肩に乗せられた腕が、ズルリとこぼれ落ちた。
横たわる佳代の頭から流れる液体が、血だと言うのに気付くのに時間はかからなかった。
夏希が叫ぶ前に、誰かが堰を切ったように叫んだ。
それを境に、佳代から離れるように皆が後退る。
横たわったまま動かない相方を目の前に、夏希は崩れるように膝を着いて佳代を抱き締めた。
「もういいか?
それじゃ、ルールを説明する。戸賀崎」
秋元先生の指示で、戸賀崎がテレビとビデオをセッティングする。
「ねえ、どういうこと?
ノンティ死んだんだよ。
なんで、先生も戸賀崎さんも平気な顔をしてるんですか?」
震える声で疑問を投げ掛けたのは、優子だった。
「殺し合いってなんなんですか?」
「今から説明するから黙ってろ」
秋元先生がくるりと背中を向けた。
軍服の男が銃を構える。
ビデオの再生ボタンを押した。
5秒程砂嵐が続いたあと、真っ白な背景が映る。
画面端からピョンッと少女が現われた。
『映ってます?大丈夫ですか?じゃあ行きます』
画面の中の少女が何かを確認した後、喋り始めた。
続く。
BR観たのって、もう随分前なんですよね;
印象的な映画だったから、内容はなんとなく覚えているんですが、それでも部分的しか思い出せません;
まあ、AKB48版BRだし、あまり覚えてないほうがいいのかもしれないですね。
最初の殺られ役が野呂さんなのは残念ですが・・・
まあ誰かしら最初に犠牲になっちゃうんですよね^^;
つづき期待してますよー^^
『みなさ〜ん、見えてますかぁ?
では、早速ルールを説明します』
緊張感のない声のトーンに、一同唖然としている。
『あ、自己紹介がまだでしたね。
AKB48研究生の北原里英です』
画面の中で深々と頭を下げる。
『で、えっと…ルールなんですが…
率直に言うと、みなさん達で殺し合いをしてもらいます』
先程、秋元先生から聞いた言葉を里英が復唱するかのように言う。
『それで、期間は今日の午前0時から、3日後の午後12時まで。
あっ、生き残れるのは1人だけですからね』
慌てて付け加えるように話す。里英の表情は終始明るい。
『もし、3日後の12時に2人以上生存してる場合は、その首に着いてる爆弾が爆発して、みんな死んじゃいます』
「爆弾」の言葉に教室内がざわついた。
才加は自身の首の爆弾と呼ばれた首輪に、もう一度触れてみる。
先程と同じように、ヒヤリと冷たい感触が指先を伝った。
『あと、ここは日本のどこかにある無人島らしいんで、逃げだそうなんて思わないでくださいね。
もし、島から逃げ出せても、その首輪のセンサーが働いて、ドカンと爆発しちゃいます』
掌を開いて、爆発を表現した。
そんな中、才加は周りのメンバーの中で、ある異変に気付いた。
ほとんどのメンバーが恐怖で涙を流している中、佐江だけが薄ら笑いを浮かべている。
『それと…、えと…』
里英が、顎を人差し指で押さえ、右上を向いて思い出すように『えと…えと』を繰り返した。
『はい、続きは私がします』
里英を押し出すように、画面端からもう1人の少女が現われた。
『研究生の藤本紗羅です。
この島を48区画に区分けしています。
指定された時間にそのエリア内にいると、やっぱりセンサーが反応して爆発してしまいます。
ちなみに、三時間置きにそのエリアは変わりますんで気をつけてください。
あっ、ちゃんと島内放送で伝えますんで、安心してくださいね』
続く。
>>143 当初の考えでは、ノンティは主要キャラの一人だったんですが、あの場面で先陣を切って文句を言えそうなメンを考えてたら、ノンティになったわけでして…
続き待ってます^^
『なんと、3日後に生存していた1人にはですねぇ』
沙羅と里英は顔を見合わせ、イヒヒと笑い合った。
『なんと、今後の芸能活動による将来が約束されてるんです!』
声を揃えて大きな声で言った。
教室内は、テレビから聞こえる二人の声だけが響いた。
『でもさ、どんなことが約束されてるの?てか、売れなきゃ意味なくない?』
里英が芝居口調で沙羅に聞いた。
『それはぁ…』
こちらも芝居染みた口調で焦らした。
『それは?』
里英が大袈裟に首を傾げて演技をする。
麻里子が舌打ちをしたのを、才加は聞き逃さなかった。
『生き残ってからのお楽しみぃ』
沙羅が満面の笑顔で茶化した。
『え〜、なにそれぇ』
里英が沙羅の頭を軽く小突きながら、画面から追い出した。
そのまま里英も画面から消える。
その反対側から、今度は別の少女が二人現われる。
『こんにちはぁ。石田晴香です』
『小原春香です。続きは私達二人が説明します』
晴香が画面端からバッグを取り出した。
『みなさんには、今から順番にこのバッグを受け取ってもらいます』
晴香が画面の前にバッグを置く。
『中には、最低限の食料と水。そして、この島の地図が入ってます』
春香の説明に対して、晴香が一つ一つ言われた物を取り出してカメラの前に映して見せる。
『それと、忘れちゃいけないのが、武器ですよね?』
春香がカメラに向かって首を傾げながら、ニコッと微笑んだ。
武器の言葉に教室内はざわつく。
『さて、晴香ちゃん。その中にはどんな武器が入ってますか?』
先程の二人同様、芝居口調で春香が語り始めた。
『はい。じゃかじゃかじゃかじゃか、じゃ〜ん』晴香の口でのドラムロールのあと、バッグから取り出したのは、猟銃だった。
『うわお!これは当たりですねぇ』
春香がわざとらしく驚いて見せる。
『ばん』
それに合わせて、晴香が猟銃を構えて、春香を撃つ真似をした。
『武器はなにが出るか判りません、もしかしたらこんなのが入ってるかも?』
春香が手にしてるのは、プラスチックの刀。
『それはやだね』
晴香が顔の前で手を二、三度振った。
『みなさんも、当たりが出てくるのを祈って、バッグを受け取ってくださいねぇ』
画面端から、里英と沙羅が小走りで現われる。
『では』
春香が三人に目配せをしたあと、四人一斉に口を開いた。
『頑張ってくださ〜い』
四人が笑顔で手を振った辺りで、テープは終了した。
続く。
この小説、最後まで書ききれるか心配になってきました。
小説とはいえ、メンバー同士争わせなければいけないのは辛いことです。
あまり考えないようにはしていますが、途中で終了しちゃうようなことになったら、ごめんなさい。
松本さんは純粋なファンなんですね。
こういうことは小説の中だけに留まってほしいと願いつつ
続き期待しています^^
でも辛くなったら遠慮なく言って下さいね。
あと47人。
続き待ってます^^
JOU
153 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 22:36:04
ノンティ
154 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/13(水) 11:41:32
あやりん
155 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/13(水) 17:58:09
チユウ(・∀・)
156 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/13(水) 20:39:19
麻理子様
157 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/13(水) 20:44:14
真っ先はまいまい
158 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/16(土) 18:59:45
遠距離攻撃できるあゆ姉
159 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/26(火) 20:58:15
きたりえ
沈黙が流れる中、それを打ち破ったのは、やはり秋元だった。
「説明は以上だ。これ以上の質問は一切受け付けない。では、これより名前を呼ばれた順に荷物を受け取れ」
「秋元才加」
戸賀崎が一人一人名前を読み上げる。
「秋元才加!いないのか?」
才加は恐る恐る前に出る。
戸賀崎が投げ付けるようにリュックを渡し、続けて「板野友美」と名前を読み上げた。
荷物を受け取った才加は、足早に外へ向い、出口付近の物陰に身を潜めた。
「峯岸みなみ」
「は、はい」
峯岸は縺れる足を必死に支えながら、荷物を引きずるように出て行った。
「宮澤佐江」
「はい」
リュックを受け取る。
佇む佐江に、戸賀崎が眉を顰めた。
「ノンティの分は?」
佐江の質問に一瞬理解できない顔をした戸賀崎だったが、佐江がリュックを持ち上げて見せると、すぐに理解し、余った一つのリュックを佐江に投げ付けた。
才加は、物陰から息を潜めて、出て来るメンバーたちをジッと見つめていた。
二つのリュックを軽々と抱えて、出口からふてぶてしい態度で出て来た佐江を確認すると、才加は小さな声で声を掛けた。
「佐江!」
物陰から手招きする。
「才加?なにしてんの?」
不思議そうな顔で佐江が近付いてくる。
「ねえ、どうするの?」
「どうするってなにが?」
「だって、殺し合いなんてバカバカしい真似…」
「あのね才加。ノンティ見た?」
佐江は溜め息をつくように、呆れるように話だした。
「死んじゃったんだよ?
もう、私達逃げられないよ」
「だからって」
「ねえねえ、才加のリュックには何が入ってた?
私のはぁ…なぁんだナイフか。
こっちは…おお、格好いい!これなんて名前の鉄砲かな?」
佐江がいつもの無邪気な笑顔で、嬉しそうに右手の銃を見せた。
「佐江…」
「才加も中見てみなよ。
とりあえず、食料とかも確認しとかないとさ」
「う、うん」
前屈みになり、才加がリュックのファスナーを開けた。
中には、大きなマシンガンのような物が見えた。
その奥には、水の入ったペットボトルと食料と思われしき物の数々。
佐江に見せようと、身体を起こしかけたとき、脇腹に電流が走ったような感覚が伝わった。
それは次第に熱くなり、痛みへと変わって行った。手で触ると、赤い液体がべっとりと付いた。
「さ、佐江…?」
続く。
このスレの存在忘れかけてました^^;
162 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 18:43:50
楽しみに待ってました
頑張って書いて下さい
163 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 18:49:37
こじはめは完全に柴咲コウの役
164 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 19:07:40
確信した絶対はるごん
165 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 19:36:03
∀・) チユウゎしななぃ
ヒュッ。
「きゃっ!」
「な、なに?」
暗闇の向こうから放たれた矢。
それは、峯岸の頬を掠め、そのまま地面に突き刺さった。
素早く峯岸に駆け寄る友美。
「大丈夫?」
「う、うん…」
頬に付いた血を拭い見、そして矢の飛んで来た方向を目を細めて見つめた。
「ちっ」と言う舌打ちが聞こえた後、ガサガサと動いた。
瞬間、峯岸が銃を構えた。
「ともちん伏せて!」
引き金を引き発砲する。
銃口から飛び出した弾丸の反動で、後ろに飛ばされた。
「いたたたた…」
倒れたときに打ったのだろう、後頭部を擦りながら身を起こす。
「ここに居たら殺されちゃうよ。早くとも〜みのとこに行こう」
未だに伏せたままの友美に峯岸が声を掛けた。
「ともちん?」
返事がない。恐怖で動けなくなっているのかと思い、友美の側へ歩み寄ったところで異変に気付いた。
友美の背中に白羽が突き立てられている。
それは、運悪く丁度心臓部辺りに刺さっているようだった。
「とも…ちん…?」
震える手で、友美の身体に触れた。
友美の体温が手に伝わる。
医学の知識があるわけではなかったが、友美が死んでいると言うことくらいは峯岸にも確認出来た。
走馬燈のように、想い出が流れる。
「はは……」
何故か笑いが込み上げてきた。
気が付けば、友美の側で大声で笑い続けている。
だが、涙は頬の傷に沿うように流れ落ちていた。
はっ、はっ、はっ、と息を切らしながら山の中を走る姿があった。
右手には弓、左手には矢の束、背中には身体には不釣り合いな大きなリュック。
何度も転んでは、身体中に生傷を作り、だが走ることを止めない。
「はっ、はっ、こ、殺しちゃった」
本当は助けて欲しかった。
だが、殺し合いという言葉が恐怖を駆り立ててしまい、このようなことをしてしまっていた。
れいなは走りながら後悔した。
後悔はしたが、その罪の重さに耐えれる程の精神力を合わせ持っておらず、“仕方なかった”んだと思うようにした。
かなりの距離を走ったれいなは、気持ちの整理を付けようと、足を止めた。
はぁ、はぁ、はぁ…。
倒れ込むように横になった。
息を整え、リュックから水の入ったペットボトルを取り出す。
蓋を空け、口を付けて一口だけ飲んだ。
仰向けのまま、空を眺める。
木の枝の隙間から覗く空には、東京では見ることのできない数の星が散りばめられていて、れいなの気持ちを落ち着かせてくれた。
しばらく星を眺めていたれいなの視界の端に、黒い影が掠めた。
続く。
あと46人(←松本氏の凝った演出の可能性もあるので参考程度に)
つづききたいしてmす。m(__)m
素早く身を起こし、辺りを見渡す。
「誰?」
所在の知れぬ方に向かい、声を投げ掛ける。
すー、はー、と自分の呼吸音だけがやけに大きく聞こえた。
「ねえ、誰?お願い、返事して!」
時折吹く風が木々を揺らし、れいなの恐怖心を一層増幅させる。
「ごめんなさい!もう誰も殺しません。
だから、だから…もう…いやーっ!」
リュックを抱え込むように丸くなり、力一杯に目を閉じた。
そのままの体勢で数分が過ぎる。
れいながゆっくりと目を開け、視線を前へ向ける。視界に映ったのは、れいなの目の前に無言で佇む誰かの脚だった。
誰の脚なのか、確認しようと顔を上げると、そこには、屈託のない笑顔を向ける、佐江の姿があった。
「れいにゃん、おはよー」
佐江はれいなの顔を覗き込む。
安心したのだろうか、れいなは幾分落ち着きを取り戻して、ぎこちないが、佐江に笑顔を向けた。
途端、佐江が右手を前に差し出す。
その手には、銃が握られていた。
れいながそれを銃だと認識したときには、既にれいなの頭は、佐江の右手のそれにより、吹き飛んでいた。
銃声で、夜鳴き鳥がパタパタと羽ばたいた。
「次…」
佐江はそう呟くと、来た道とは反対方向、つまりは、れいなが通ってきた道に沿って歩き出した。
「ん……んん…」
窓から射す陽の光が眩しい。
倉庫かなにかの跡なのだろうか、無数に積まれてある箱と、錆びてしまっているフォークリフト。
何年もの間、このままだったんだと思わせるくらいの埃っぽさ。
才加はそんな倉庫の片隅の、木で出来たパレットの上に寝かされていた。
「あ、才加起きた?」
才加の顔を覗き込んだのは、恵令奈だった。
「まぁちゃん、才加起きたみたいだよ」
積まれた箱をテーブル代わりにして、なにか作業していた真奈美が、振り向き駆け寄ってきた。
「大丈夫?まだ痛い?」
真奈美のその言葉に、脇腹を刺されていたことを思い出した。
身体を起こそうとすると、痛みが走る。
「いたたた…」
「あ、あんまり無理しないで。傷開いちゃう」
恵令奈が慌てて、才加を抑え付ける。
「ここは? 二人がここまで運んでくれたの?」
「うん…本当は香菜もなんだけど…」
そう言うと、恵令奈は俯いたまま口を閉ざした。
「なに?香菜がどうしたの?」
才加の問詰めに、余計に下を向く二人の態度に、才加は香菜が殺されたのだと確信した。
「誰? 誰に殺された? 佐江?」
「わかんない…。香菜ちゃん、見回りに行って来るって…」
「…帰ってきたら、血まみれになってて…」
恵令奈の目から大粒の涙が零れ落ちた。
真奈美は両手で顔を覆い、泣いている。
才加は、目の前で殺された野呂のことを想う。
脇腹の傷が痛んだ。
『才加が一番手強そうだから、先に殺っちゃうね』
最後に耳元で呟くように囁いた、佐江の言葉。
「他は、他に生きてる子は? てか、私どれくらい寝てたの?」
自分が寝てる間にどれくらいの犠牲者が出たのか、才加は不安で一杯になった。
「今は…まだ九時ちょっと前だよ…」
恵令奈が、涙を拭い、嗚咽を抑えるように応える。
「他に死んだ子は?」
“死んだ”と言う言葉に反応した真奈美が、耳を塞いだ。
「えと…ともちんと…れいにゃん…あと…えと…香菜…」
恵令奈がたどたどしく、ゆっくりと喋る。
それと同時くらいに、ピンポンパンポーンと、間の抜けた音が倉庫に、いや、島全体に響いた。
続く。
あと44人(参考)
更新お疲れ様です。続き待ってます^^
「ちょっと、外の様子見て来るね」
そう言うと香菜は、止める恵令奈と真奈美を払いのけ、倉庫の外に出て行った。
鬱蒼と茂る森の中を、バッグの中に入っていた懐中電灯の明かりを頼りに、歩いた。
時折、方位磁石で方角を確認するが、いまいち使い方が判らず、とりあえず赤い針が向いている方向に歩いた。帰りはその逆に進むつもりだった。
15分ぐらい歩いた辺りで、木に寄り掛かるように座る女の子の姿を見つけた。
香菜は、その子が寝ているのかと思った。
声を掛けようと、肩に手を置くと、グラっと倒れた。
頭が半分程吹き飛んでいたが、それがれいなだと言うことは、すぐに判った。
香菜は息を呑む。
恐怖の余り声が出なかった。
「きゃあ!」
後ろから声がして、振り向く。
声の主は夏希だった。
「なっち、こ、これは違うの…」
「ひ、人殺し」
夏希が銃を構える。
佳代の死の後、夏希は誰も信用していなかった。
皆が殺人鬼に見えてしまい、誰もが殺し合いを望んでいるのだと勝手に妄想した。
バッグを手にした後、すぐさま中を確認し、銃の撃ち方を説明書により学習した。
そのときに、自分の銃の名前が357マグナムだと知ったが、そんなことはどうでもよかった。
「なっち、これは私がやったん」
バンッ。夏希の銃が火を吹いた。
香菜の右腕から血が流れる。
「人殺し!」
バンッ。二発目。
今度は腹部から血が吹いた。
「誰か…」
香菜は口をパクパクさせて、自分が来た道とは違う方向に向かって、助けを呼んだ。
それには香菜なりの意図があった。
夏希に恵令奈達の居場所を知られない為だった。
香菜は必死に、その別の方向に、さも仲間がいるかのように助けを求め続けた。
三発目の銃弾が香菜の右胸を貫いた時、香菜はゆっくりと音もなく倒れた。
香菜の思惑通り、夏希が助けを求めていた方角に歩みを進めたのを見届けてから、香菜は、這うように恵令奈達の場所へと向かった。
続く。
ちょっと時間軸戻しました。
『みなさんおはようございます』
戸賀崎の声だった。島中のあちこちに取り付けられている拡声器から聞こえている。
『戸賀崎です。午前九時になりまし。みんな起きてるかー?』
才加は顔をしかめるように、戸賀崎の明るい声を聞いていた。
『では、これまでに死んだらメンバーの名前を言うから、聞き逃すなよ。
まず、駒谷仁美』
真奈美が両耳を強く抑える。恵令奈が真奈美を抱き寄せた。
『続いて、成田梨紗、梅田彩佳、井上奈瑠、片山陽加、菊地彩香、米沢瑠実』
才加の身体は震えていた。自分が気を失っている間に、これほど多くの死者を出してしまったことに。
そして、その死んだ者の数だけの殺人者も存在するということに。
少なくとも、佐江は才加を殺そうとした。ゲームはまだ、続いている。
『もっと頑張れよー。それじ次に禁止エリアについて説明するぞ。今からエリアと時間を言うから地図出してチェックしろよ』
「恵令奈、地図は?」
才加は我に返り、恵令奈に地図を要求した。
慌てるようにバッグから地図を取り出して、恵令奈は才加に地図を渡した。
『一時間後の10時に、C-4エリア。10時までにCの4を出ること』
C-4は島の北西辺りの場所だ。
『そして、12時。I-7』
I-7は、島の丁度南側、一番最初に才加達が居た学校の側だった。そして、今いる倉庫のエリアの隣りでもあった。
『以上。では、殺し合い再開してください』
そう言うと、放送は切れた。
「梅ちゃんの名前があった」
恵令奈がぽつりと呟くと、才加はそっちを見やった。
「うん」
「殺され、たのかな?」
恵令奈がまたも呟くように言うと、真奈美は恵令奈の腕の中で嗚咽を上げながら泣いていた。
「判らない…」
彩佳は足を悪くしている。もしかしたら、追いかけられて、逃げ切れずに殺されたのかもしれない。
死んだ者の名前を放送されると言うことは、佐江は才加が生きているのを知っている。
だとすると、佐江は必ず才加を捜し出すに違いない。ここに止どまっておくのは危険かもしれない。
才加は恵令奈と真奈美の二人を連れて、この場所を離れようと試みた。
おびえて隠れ潜む仲間に、会えるかもしれないと言う希望を含めて。
「ねえ、殺し合いなんてバカな真似、ウチらはやめようよ、ね?」
彩香が許しを乞うようにも似た、必死さで陽加に訴えた。
瑠美は先程から俯いたまま、顔を上げない。
奈瑠が思い詰めた顔で口を開いた。
「ねえ、皆は、人を殺すのと、殺されるのと、どっちがいい?」
俯いたままの瑠美が顔を上げる。
陽加は困ったように、顔を歪めた。
「ねえ、みんなで逃げようよ。殺すのも殺されるのも、私嫌だよ」
彩香が語調を強めて、必死に三人にすがりついた。
「なんで、三人共黙っちゃうの?ねえ、なんか言ってよ」
途中から、彩香は涙を流しながら訴えかけた。
「死のう」
陽加がポツリと呟く。
奈瑠と瑠美がコクリと頷いた。
「何言ってんの?逃げればいいんだよ。死ぬことなんてないよ」
彩香の顔は涙でグシャグシャになってはいたが、三人を必死に説得しようと、一生懸命に努めた。
「あやりん、もう、私達逃げられないんだよ」
陽加が自身の首に付けられている、首輪を指差した。
「…で、でも、もしか、したら…」
奈瑠と瑠美も首を振り、俯いた。
陽加が彩香を押さえ付ける。
「え、な、なにすんの?ねー、止めてよ。恐いよみんな」
奈瑠と瑠美も後に続くように、彩香を押さえ付ける。
「みんな、今までありがとう」
奈瑠が泣きながら口にした。
堰を切ったように、他の二人も涙を流した。
「生ま、れ変わっても、また、友達だよ」
瑠美がゆっくりと、噛み締めるように言葉にする。
それと同時に、陽加が、手榴弾のピンを抜いた。
「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だーーっ!!!死にたくな」
泣き叫ぶ彩香の言葉をかき消すように、手榴弾は爆発し、四人の身体をバラバラに吹き飛ばした。
朝日が陽菜の顔を照らす。
眩しさに耐え兼ねた陽菜が、生あくびを噛み殺しながら、身体を起こした。
隣りで寝ている仁美と梨紗の寝顔を見やると、陽菜はフフッと笑った。
バッグを枕にしていた梨紗が目を覚ます。続いて仁美が目を覚ました。
「二人共、おはよ」
陽菜が笑顔で挨拶を交わした。
「おはよ。今何時?」
「もうすぐ6時。放送の時間みたい」
梨紗は時計を確認し、なるほどと納得した。
三人は村の集落付近の神社で、仮眠をとっていた。
寝ていたためか、れいなと香菜の死を知らないようだった。
もちろん自分達の今いる場所が、もうすぐ禁止エリアになることも。
「私ちょっと顔洗ってくるね」
そう言うと、陽菜は立ち上がって、近くの小川に向かった。
冷たい水が、陽菜の目を覚まさせてくれる。
両手に水を汲んで、口に付けた。ゴク、ゴクと喉を鳴らし、もう一度、水を汲んだ。
すると、小川の向こうから、誰かが近付いてくる気配がした。
同時に、陽菜は腰に差し込んでいたナイフに手を掛けた。
目が合った。梅田彩佳だった。
彩佳の手には長い槍のようなものが握られている。陽菜はゆっくりとナイフを引き抜き、ゆっくりと深呼吸をした。
一羽の鳥が啼いたのをきっかけに、彩佳が陽菜に向かって、一直線に走り出した。
彩佳が振り下ろした槍が、陽菜の肩口を掠めて、服が5cmほど破れ、そこから血がにじみ出した。
槍は彩佳の身体には大きすぎたようで、振り下ろしたときに、バランスを崩しよろめいた。
陽菜は、それを見逃すことなく、咄嗟に彩佳の手をすぐに取り押さえた。
それを振りほどこうと、暴れる彩佳を、力ずくで押さえ付けた。
そのとき、ピンポーンパンポーンと間の抜けた放送が始まり、陽菜の後方から叫び声が上がった。
禁止エリアに居た、梨紗と仁美の首輪が、ウルトラマンのカラータイマーよろしく光出したのだ。
陽菜と彩佳は、ギリギリエリア外だったらしく、首輪はなんの反応もしめさなかった。仁美の姿を確認した瞬間、仁美の首輪が爆発した。
陽菜は息を呑む。ここからは見えないが、梨紗もどうやら死んだらしい。
戸賀崎の明るい口調が、禁止エリアの説明を続けていた。
陽菜はある異変に気付いた。
取り押さえている彩佳が抵抗しない。不思議に思い、陽菜は一旦彩佳から離れた。
彩佳の首もとを見ると、先程、陽菜が握っていたナイフが突き刺さっていた。
愕然として膝を着いた。
禁止エリアのせいで、仁美の場所まで行くことすら出来ず、陽菜は彩佳の死体の横で、自身を抱き抱えるように、ジッと座っていた。
戸賀崎の放送は、いつの間にか終わっていた。
残り37人
続く。
お疲れ様です。これからも更新よろしくおねがしします^^
182 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/09(火) 15:46:38
なんか面白そうなスレ見っけ
183 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/09(火) 17:55:35
頑張って下さい
「恵令奈、頼みがある」
才加が上半身を起こし、恵令奈に向かって言った。
「針と糸、持ってない?」
恵令奈はキョトンとした表情で、才加を見つめたあと、思い出したように、バッグの中を漁った。
「これなら…」
恵令奈が差し出したのは、自身の裁縫道具だった。
「糸は、もっと丈夫なやつがいいんだけど」
才加がキョロキョロと辺りを見渡す。
「探してみる」
恵令奈は倉庫の中に積んである箱の中を漁り始めた。
「真奈美、お湯、もっと沸かして」
先程、真奈美が作業をしていた場所から、湯気が出ているのに気付いた才加が、真奈美に指示を出す。
真奈美が、右手で目を拭うと、「うん」と頷き立ち上がる。その目は、赤く腫れ上がっていた。
バッグから水の入ったペットボトルを取り出すと、鍋の中へと注いだ。
「あった」
恵令奈が箱の中から、木綿糸を引っ張り出す。
「これでいい?」
才加は返事をする代わりに、頷いて見せた。
「じゃあ、その一番大きい針と糸を、お湯の中に入れて消毒して」
恵令奈は、才加が何をしようとしているのか判らず、言われたままをとりあえず実行した。
お湯が完全に沸騰するのを見て、才加が針と糸を二本の棒で取り上げた。
針に糸を通し、恵令奈に手渡す。
針と糸を手のひらの上に乗せたまま、「?」の表情を浮かべた。
脇腹の傷にあてがってある布を剥す。
「くっ…」
血でベッタリと張り付いていた布は、剥すときに才加に苦痛を与えた。
「恵令奈、その針と糸で傷口縫ってくれる?」
「ええ? む、むむ無理だよ」
恵令奈が一歩後退りした。
才加は、真奈美の居る向こう側に、ウィスキーの空の瓶が転がっているのを見た。
「ここ、お酒あるの?」
真奈美が才加の視線を追うように、ウィスキーの瓶を見てから、頷いた。
「持ってきて」
真奈美が木箱のある場所へと走り、お酒を取り出した。
その間中、恵令奈は才加の傷口を見つめて、震えていた。
「はい」
真奈美の持って来たお酒の瓶を受け取ると、蓋を開け、自分の脇腹、つまりは傷口部分に引っ掛けた。
「…んんっ…」
お酒のアルコールが、傷口に染みる。
「さあ、恵令奈、縫って」
その光景を見ていた恵令奈が、震えながら、首をぶんぶんと振った。
「お願い。みんなを助けに行くためなんだ」
才加の真剣な眼差しに根負けしたように、恵令奈が才加の傷口に近付く。
「雑巾ぐらいしか、まともに縫ったことないよ」「十分だ」
母親が、ボタン付けくらい自分で出来るようになりなさいと、渡してくれた小さな簡易裁縫道具。こんなことなら、ちゃんと練習しておけばよかった、と恵令奈は思った。
「くくっ…んっ…」
一縫いするごとに、才加が苦痛で顔を歪める。その度に恵令奈は手を止める。
十五分以上経っただろうか。傷口を全て縫い終わった恵令奈の顔は、酷く疲れきっていた。
才加の額にも、脂汗がにじみ出ていた。
真奈美はと言うと、その光景に絶え切れず、少し離れた場所で、後ろを向いていた。
「さあ、ここを離れよう。荷物まとめて」
才加が、脇腹を押さえながら、立ち上がった。
恵令奈と真奈美が、残ってる食料と水をバッグに詰める。
それを見て、才加はあることに気付いた。
「私のバッグは?」
恵令奈が持っているバッグと、真奈美が持っているバッグ。そしてもう一つのバッグ。
それは、香菜の物であろう。てことは、才加のバッグは?
「―――あ」
佐江だ。佐江が持って行ったのだろう。それで辻褄が合う。
さらに才加は、最悪な事を思い出した。才加のバッグの中に入っていた、マシンガン。
佐江は今、それを所持している。
急がないと、みんな死んじゃう。
お疲れ様です^^
187 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/11(木) 22:51:21
応援してます(>ω<)♪
188 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/13(土) 16:54:15
先生 よろしくお願いいたしますm(__)m
189 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/13(土) 17:17:52
痛さが伝わってくるわ
190 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/13(土) 18:00:12
続き期待∩^ω^∩
191 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/13(土) 18:04:05
今残り何人?
BINGOのPVがリニューアルされたらコレでよろしく
193 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/14(日) 00:59:46
奥えれコンビ良いね
194 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/16(火) 17:06:54
先生〜〜〜〜〜
195 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/16(火) 17:34:27
こんなスレあったんだ。
似たようなのでまる子のクラスでバトロワってのを最近読んだよ
196 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/16(火) 18:19:54
20世紀少年(少女)で作るのも有りだな
197 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/17(水) 01:39:02
支援支援
峯岸みなみは、自身の武器、コルト・ガバメントを、右手にハンカチでぐるぐる巻きにし、持っていた。
左手には、友美の武器(?)簡易ラジオほどの大きさの機械の液晶スクリーンを見ながら移動していた。
スクリーンの中央に黒い小さな丸が一つ、その左上から、もう一つの小さな丸が近づいてきているのを確認した。
近づいてくる者が、敵か味方かを判断すべく、右手のガバメントを胸の前まで持ち上げ、茂みの中へ身を隠した。
鼻を啜る音と重い足取りが近づいてくる。
バッグを背に背負って、手には鎌を握っているその人影は、渡辺麻友だった。
「まゆゆ!」
峯岸が茂みから飛び出すように現れた。
「きゃあ!こっちこないで!」
鎌を振り回しながら、固く目を閉じて身を縮める。
「まゆゆ、落ち着いて。なにもしないから」
尚も暴れようとする麻友を、抱きつくように押さえつけた。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・み、峯岸さん?」
「大丈夫? 一人? 他に誰かいないの?」
一気にまくし立てて、麻友の背中を左手で摩った。
「なっちゃんとらぶたんと一緒だったんですけど・・・」
「はぐれっちゃったんだね?」
「ひゃっ」
峯岸の右手のガバメントに驚いて声を上げた。
「あ、ごめんごめん。これ、私の武器なんだ。別にまゆゆに向けて撃つつもりはないよ」
その鎌で私に向かってくるなら、話は別だけど。と付け加えてから、あははは、と笑った。冗談とも本気とも取れる峯岸の言い分に、麻友は苦笑いで返した。
「峯岸さ、んは、このゲーム、に、賛成なんですか?」
麻友の目は、峯岸のガバメントだけを見つめていた。咄嗟に右手を背中に隠すと、その視線は、峯岸の目へと移動した。
「まさか。殺し合いなんてバカげてる」
はっ、とバカにするような笑い方をしたあと、両手を腰の高さで裏返し、外国人のような呆れるポーズをしてみせた。
「そ、そうですよね! じゃあ・・・」
「でもね」
麻友を遮り、峯岸が続けた。
「でも、殺されていく仲間を、ただ、見ているだけなんて、もっと嫌」
峯岸の表情が険しくなる。
その時、どこからともなく、ぱぱぱぱぱぱ、とマシンガンの銃声が聞こえた。
身を縮込ませる麻友に、峯岸が覆いかぶさった。
もう一度、ぱぱぱぱぱぱ、と音が響く。そんなに遠くはない。
峯岸が探知機の液晶を確認する。ボタンを2回ほど押すと、少し先に黒い丸が点滅している。
「ここに居たら殺されちゃう。少し離れよう」
麻友の手を引き、峯岸がその黒い丸の反対方向へと歩き出した。
続く。
遅くなって申し訳ありません。
仕事で海外のほうへ行ってましたので、更新できませんでした。
200 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/19(金) 02:12:31
ご苦労様です。
次も楽しみにしていますので、松本氏のペースで頑張ってください。
これからも更新お願いします^^
興味本位で、銃を試し撃ちしたのがいけなかった。
佐藤亜美菜の武器、スミス&ウェッソン・M629(44口径)を、佐伯美香が面白そうに手に取っていた。
「ちょっと、それ私のだからね。返してよ」
「いいじゃん、私の貸してるんだから」
「美香ちぃの武器じゃないじゃん」
そう言うと、手に持っているけん玉をくるくると回した。
バンッ。スミス&ウェッソンが火を噴いた。
「・・・ちょっとぉ、びっくりさせないでよ」
「ごめんごめん。試しに撃ってみたくなっちゃって。もう返すから」
はい、と亜美菜に手渡す。受け取ると、銃口からジワリと熱が伝わった。急いでバッグにそれを仕舞うと、何事もなかったように、さてと、と芝居染みた口調で立ち上がる。
立ち上がったときに、美香の後ろ側に人影が見えた。
その影の主がゆっくりと近づいてくる。
「み、宮澤さん?」
その声に美香が振り向く。佐江は笑顔を向け、草を掻き分けながら二人に微笑んだ。
亜美菜が安堵の表情を浮かべる。
「亜美菜、逃げて!」
美香が亜美菜の手を取り走り出す。そのとき、ぱぱぱぱぱぱ、とマシンガン特有の銃声が響いた。
美香の背中に4つの穴が空いた。
「美香ちぃ!」
足元から崩れ落ちる美香の口元が「逃げて」と動く。
もう一度、ぱぱぱぱぱぱ、と銃声が響く。今度は美香の頭に2つ穴が空いた。
そして、亜美菜の太ももとふくらはぎからも、血が流れ出していた。
美香のことを気にしていたせいか、亜美菜は、自分が撃たれたことを一瞬気づかなかった。
立ち上がろうとして、足に力が入らないことでその事実に気づいた。
穴の空いたふとももに触れる。
「い、いやーーーー!!!」
ぱぱぱぱぱぱ。追い討ちをかけるように放たれた銃弾の雨に、亜美菜と美香の身体にいくつもの銃弾の穴が空いた。
亜美菜の武器、スミス&ウェッソンを拾った佐江は、引き金を引き、すでに息絶えている亜美菜と美香の脳天に、一発ずつ銃弾を放った。
パンッ、パンッ。
マシンガンの音が止んだあと、二発の銃声が聞こえた。
麻友は耳を塞いでしゃがみ込み、峯岸は発信機の液晶と銃声の聞こえた方角を交互に見つめていた。
「まゆゆ、もう大丈夫だよ。向こうに行ったみたいだから」
麻友の肩に手をかけると、震えているのが伝わった。
「ねえ、ごはんにしよ」
何を思ったのか、峯岸が嬉しそうにそう言った。
麻友が不思議そうにゆっくりと顔を上げる。
「お腹空いたでしょ? 私も昨日からなにも食べてないから、もうお腹ペコペコ」
「みね、ぎしさん?」
峯岸がバッグからパンと缶詰を取り出すと、半分を麻友に渡した。
「あ、私、持ってますから」
そう言うと、麻友は自身のバッグに視線を送った。
「私たちさぁ、一緒に居たほうがいいかもね」
峯岸がパンを頬張りながら、何気なくつぶやいた。
「え?」
ペットボトルを取り出していた麻友の顔に「?」マークが浮かぶ。
「ほら、私たちは殺し合いはしません、ってアピールするにはさ、二人以上と行動してたほうがよくない?」
パンを一度飲み込んだあと、さらに続けた。
「殺し合いに賛成する人が、誰かと一緒に行動してるなんてことないと思うんだよね」
差し出されたペットボトルの水を受け取ると、一度それに口付け、また話し出した。
「それに、殺しあうって思ってる人ってさ、自分が殺されるかもしれないって言う恐怖心もあると思うから、誰かと行動しようなんて考えないんじないかな?」
たぶんだけど。そう付け加えると、峯岸は麻友のほうを見つめた。
「私は、判りません・・・。殺しあおうなんてか、考えたこと、ないですから・・・」
麻友が視線を地面に落とした。
「・・・そう、だよね。ごめん、変な話しちゃって」
峯岸がため息交じりに、ふぅっと呼吸を吐くと、麻友が「でも、一緒に行動したほうがいいってことは、よく判りました」と、少しだけ笑顔で応えた。
峯岸もそれに笑顔で応える。
「じゃあ、仲間になってくれそうな人、捜そうか?」
左手の発信機を顔の前でひらひらと掲げて見せた。
「はい」
さっきよりは幾分明るい笑顔で返事をした麻友が、「あ、でも」と続けた。
「誰か、見当付く人、いますか?」
その言葉に、峯岸がニマっと笑って見せた。
「それなら、さっきからずっと思い浮かんでんだ」
ニヤニヤと笑う峯岸に、「誰ですか?」と不思議そうな顔で麻友が問いかけた。
「ふふふ、それはぁ・・・才加でーす」
気味の悪い笑いの後に、ジャーンとでも言い出しそうなトーンで自慢気に答えた。
麻友の口が、なるほど、とでも言いたげにポカンと開いた。
確かに才加なら頼りになるかもしれないなと思った。
続く。
205 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/19(金) 22:14:45
支援支援
206 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/20(土) 18:03:44
素晴らしいです
その音は、風に乗って才加たちの耳にも届いた。
恵令奈は隣に座っている才加の顔を見た。
「今の音って、鉄砲の音かな?」
「うん。そうだね」才加が断定した。
「また誰か死――」
言い切る前に恵令奈は口を閉ざした。
才加は何も言わず、恵令奈の頭をポンと叩いた。
「――とにかく、これからは誰も信じないこと。いや――信じるか信じないかは、私が判断するから」
才加が恵令奈の武器、ショットガンに弾を込めながら言った。今まで黙っていた真奈美が顔を上げる。
「――ねえ、私たちどうなるの?」
真奈美を一瞥したあと、才加が口を開いた。
「とりあえず、仲間を捜す。そして、この島から脱出しよう」
「でも、この首輪・・・」
真奈美が自分の首輪に手を掛けて俯いた。
「その方法も考えよう。この島から脱出することが出来ると判れば、みんな殺しあおうなんて気、なくしてくれると思う」
そう、佐江だって・・・。
才加は真奈美の武器、モーゼルM712を恵令奈に差し出した。
首を傾げる恵令奈に「それまでは、これで身を守って」と言った。
恵令奈は黙って受け取ると、ポケットの中へとしまった。
太陽の熱が肌にジリジリと照りつける。なるべく日陰を通ろうと山の中の木々をすり抜けるように、大島優子は移動していた。
目の前に空と海が広がる。潮風が優子の前髪をふわりと掻き分けた。
優子の武器、Cz75をズボンの前に差込み、背中にはバッグを背負っていた。
途中、仁美や彩佳の死体を目の当たりにし、しばらく動揺を隠せなかった。一人なので、隠す必要もなかったのだけれど。
足を一歩進めて、ここが崖だということを知った。島の北側辺りだ。
バッグを下ろすと、中を開け、ペットボトルを取り出す。「コリン?」突然の声に、優子がCz75を手にした。
「待って、私、ともだよ」
降参のポーズのように、両手を挙げるのは、河西智美だった。
「なんだ、とも〜みか」優子がCz75を再びズボンの前に差し込む。
「なにやってんの? 自殺?」
冗談っぽく笑いながら優子が問いかけた。
「私、見たの・・・」
智美が泣きそうな顔で震えながら、続けた。
「佐江ちゃんが、れいにゃんを殺すところ・・・」最後はほとんど嗚咽で聞こえなかったが、優子はすぐに理解した。
あの時、れいなが見た黒い影は、智美のものだった。慌てるように身を隠した智美に、れいなが叫びかけていた。その声が佐江にれいなの居場所を教えてしまったのであった。
そして結果、れいなは智美の目の前で、佐江に殺されたのであった。
「佐江が・・・?」優子の表情が険しくなる。
その時、目の前に現れたのは、その人物だった。
佐江がニヤ〜っと笑う。今の話を聞いたからなのか、優子にはその笑顔が異質な物に見えていた。
「とも!伏せて!」バンッ
先制は優子だった。Cz75の銃口から弾が飛び出し、佐江の後方の木に当たった。
佐江がスミス&ウエッソンの引き金を引いた。バンッ、バンッと二発。
一発が智美の腹部に当たった。次いで、佐江がマシンガンを構える。
優子が智美の手を引き、さらにもう一発放った。一瞬佐江が怯んだ瞬間、優子は、智美とともに、崖の一番低い部分から飛び降りた。
佐江が崖の上からマシンガンを、ぱぱぱぱぱぱと放ち、「ちっ」と舌打ちをした後、山の中へと踵を返した。
続く。
ペース若干遅めになってますね^^;
現在、残り35名です
210 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 00:30:33
本出たら買いますよ
佐江は桐山の役ですなw
更新たのしみにしてます
お疲れ様です^^
白だと思っていたメンが黒い
黒だと思っていたメンが白い笑
うめちゃんがなぜ乗り気だったのかが気になる^^;
「戸賀崎」
唯一島にある学校の教室の中、さきほどからコンピューターの前に座っていた戸賀崎が椅子を回転させ、秋元を見た。
「現状はどうなってる?」
秋元がコーヒーを啜った。
「えと、先ほど、佐藤亜美菜と佐伯美香の二人が宮澤によって殺されました」
「二人だけか?」
「はい」
呼吸を吐くように、ふむ、とつぶやいたあと、背もたれに仰け反った。
「あ、そういえば秋元・・・いや、秋元才加が島を脱出しようと企んでるみたいですが」
秋元の顔が険しくなったと、「ほう」とだけ言ったあと、またコーヒーを啜った。
「宮澤かな」コーヒーのカップをテーブルに置くと、秋元が小さくつぶやいた。
「なにがですか?」
戸賀崎がキョトンとした顔で聞き返す。
「優勝者だよ。お前は誰だと思う?」
秋元の顔はやけに楽しそうだった。戸賀崎はしばらく考えたあと、「意外と大島優子辺りが優勝するんじゃないですかね?」と応えた。
「まあ、出来れば芸能人として実力のあるやつが、生き残ってくれればいいんだけどな」
くくっと笑ったあと、秋元は再びコーヒーカップを持ち上げて、中身がないのに気づいてから、戸賀崎のコーヒーを半分、自分のカップの中に注いだ。
水の入ったペットボトルの大半が消費されてしまっていた。
真夏日よりと言う事もあるのだが、才加の傷の治療と、針と糸の消毒に大半の水を使ってしまっていた。
集落に行けば水ぐらいあるだろうと、才加の提案で集落に向かうことにした。
なるべくゆっくりと、山道を十分に警戒しながら歩き進んだ。
パンッ。乾いた音が鳴り響いた。驚いてその方向に顔を向けると、そこには夏希が357マグナムを構えて立っていた。
「真奈美伏せて!」才加がショットガンを構えた。「なっち辞めて! 私たちは戦う気なんてないから!」
才加の声は夏希に届いていないのか、夏希は尚も発砲し続ける。
仕方ないと、才加がショットガンを夏希に向けたとき、恵令奈が才加の袖を引っ張った。
「あれ、あれ! あそこ見て」恵令奈が指差す方向、夏希の後方には、仲谷明香と野口玲菜の二人が目を見開いて立っていた。
「二人とも、こっちに来ちゃダメ! 逃げて!」
才加の叫び声に、夏希が振り向く。「あ、あんた達も、私を殺しにきたの?」パンッ。
夏希の放った銃弾が玲菜の肩口に直撃した。
「え・・・? ええ!?」明香が驚いて両手で口を押さえる。さらにもう一発の銃弾が、今度は明香のこめかみに穴を空けた。
「辞めてなっち!」才加が叫ぶ。
夏希が玲菜に近寄る。「くそっ」才加がショットガンを放った。
威嚇のつもりで放ったそれは、初めて受ける衝撃から才加の身体は仰け反り、不覚にも玲菜の全身に風穴を空けてしまった。
夏希が才加のほうを振り返る。357マグナムを構えた後、狙いを定めるように片目を瞑った。
バンッ。発砲音が辺りに広がる。夏希の右手から357マグナムがポトリと地面に転がった。
「な・・・なんで・・・?」夏希が胸に手を当てると、べったりと血が溢れ出していた。
膝を付き、そのまま崩れるように倒れた。
「ご、ごめん、なさい・・・」
才加が声がするほうに振り返ると、両手にしっかりとモーゼルM712を握り締めている恵令奈の姿があった。銃口からは薄く煙が吐き出していた。
恵令奈の目から、ポタポタと涙が零れていた。才加は恵令奈に近づくと、右手で恵令奈の頭を強く抱きしめた。
うっううう・・・と才加の胸の中で嗚咽を上げる恵令奈を見下ろし、こんな小さな子にまで殺し合いをさせる、このゲームを恨んだ。
続く。
>>212 その辺の心理描写端折ってしまってますね^^;
申し訳ないです。
梅ちゃんは乗り気だったわけではなく、一人という孤独の中、陽菜と目が合ってしまって、しかも陽菜がナイフに手を掛けてしまったことで、恐怖心から攻撃してしまったんですね。
本当はこれちゃんと書くつもりだったんですけど、流れから端折ってしまうことになってしまったんです。今度からは気をつけます。
216 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 00:24:58
ぐっさんなかやんが死んだのはショックだが支援支援
補足説明ありがとうございます^^;;
これからも更新お願いします^^
218 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 03:29:02
優子は杉村のポジション?w
とても面白いです応援しています。
これからも更新頑張ってください^^
219 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 05:15:07
近くで銃声が鳴り響く。
その音に、篠田麻里子は一瞬身を縮めた。
足元に下ろしたバッグを肩に掛け、その音がするほうへと、身を潜めながら足を進めた。
麻里子が最初に目にしたのは、仲谷明香と野口玲奈の死体だった。
その数メートル先には佐藤夏希の死体があった。
麻里子は息を呑む。そして、そのさらに奥に、三人の人影を見つけて、麻里子は大きく目を見開いた。
そこには、涙目で俯く真奈美と、才加、そしてその才加に抱きしめられている恵令奈の三人だった。
麻里子が驚いたのは、そんなことではなく、才加が手にしたショットガン、いや、それよりも、恵令奈が握り締めているモーゼルM712のを見たからだった。
「えれぴょんが・・・」
恵令奈が手に銃を持ってると言う事は、少なからずとも、それを発砲したと言う事で、もしかしたら、この死んだ三人のうち一人は恵令奈の銃弾により殺されたのかもしれない。そう麻里子は考えた。
もし、殺していなくとも、あの発砲音のひとつは恵令奈の撃った銃弾の音だったかもしれない。
そう考えると、麻里子は身体がブルブルと震え始めた。
戦いは既に始まっている。
気がつくと、麻里子は夏希の死体のすぐ横に立っていた。
最初に気づいたのは、真奈美だった。その後、才加が気づき、ショットガンを構えた。
「麻里子、あんたは殺し合いなんてバカなマネ――」
「この三人殺したの才加たちでしょ?」
麻里子は口の端をゆっくりと持ち上げるように、笑みを作った。
恵令奈の表情が重くなる。
「人殺しだね。三人とも」
そう言うと、麻里子は夏希の傍に転がっていた357マグナムを拾い上げた。
「これって、どう使うんだろ?」
麻里子が夏希のバッグから弾丸の入った箱を取り出しながら説明書をパラパラと捲った。
「麻里子、何する気?」
才加がショットガンを構えたまま、麻里子にジワジワと近づく。
「才加のほうこそ、そんなもの構えちゃって、私を殺す気なんでしょ?」
「殺す気なんて・・・」
「じゃあ、それ下ろしてよ」
額からこめかみにかけて、汗がツーっと才加の頬を伝った。
死体を目の前にしてるにも関わらず、冷静にしている麻里子の心理状態が才加に恐ろしく怖かった。
麻里子がすっと銃を才加に向けて構える。
「辞めて! 麻里子!」
才加が引き金に指を掛けた。
「才加、それ矛盾してるよ。自分の姿鏡で見てみなよ」
ふふっ、と麻里子が笑う。
「私はさ、どっちでも良かったんだ。みんなを捜し出してさ、学校に乗り込んで、あいつら皆殺しにして、この島脱出してもよかったんだよ」
麻里子が銃を構えたまま、才加にゆっくりと近づいた。
「でもね、今この光景を見て、はっきりしたよ。こんな小さな子まで殺し合いをしてるんだって思ったらさ、なんかワクワクしたって言うか、身体の奥のほうから、こうこみ上げてくるものがさ、なんて言うんだろうね、こう言うの」
ふふふ。笑いを堪えるように麻里子が左手で口元を抑えた。
「麻里子・・・」才加は麻里子の影に、佐江の姿を見たような気がした。
やる気のある子たちは、皆こうも豹変するのだろうか? 才加は引き金に掛けた指に少しだけ力を込めた。
「撃つなら確実に殺してよね。そうしないとあの子が死んじゃうよ」
才加に向けていた銃口を、真奈美のほうへと向けた。
真奈美は身をちぢ込ませ、泣きそうな顔をしていた。
そのとき、ピンポンパンポーンという間抜けなチャイムが鳴り響き、麻里子が目を逸らしたのをきっかけに、才加が麻里子を突き飛ばした。
「二人とも逃げて!」才加が二人を連れて、森の木陰へと走った。
「くそっ!」パンッパンッ。
麻里子の放った弾は、二発とも木に当たり、才加たちの背中は消えていった。
続く。
>>218 杉村ってどんな奴でしたっけ? 一応重要なポジションにはつけています。
杉村って漫画だと拳法だかを習ってて桐山と竹藪で戦ってやられちゃう奴で映画だと武器がGPSで好きな女の子に撃たれちゃう奴じゃなかったっけ?
223 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 00:53:04
麻里子様はそっちのキャラできたかw
>>221 杉村は主人公と仲良くて憲法習ってて身体能力すごく良い
誰にでも優しいけど少しぶっきらぼうな奴って感じですかね
今の所杉村と被るシーンはあまりありませんがともーみを
守って崖か飛び降りるシーン七原と杉村にもそんな感じ
のがあったので何か思い出したから書いただけですww
おおーついに麻里子様が!
これからも更新お願いします^^
放送を知らせる音で、優子は目を覚ました。右手で頭を抑え、身体を起こした。
手のひらに伝わる感触と、口の中の塩味のする砂で、ここが砂浜だということに気づいた。
『みなさん、こんにちわ』
戸賀崎の挨拶が響いた。その声に耳に障ったが、自分の身体の安否を確認することでいっぱいだった。
『それじゃ死んだ者を発表しまーす。まずは佐藤亜美菜。』
自分自身を身体検査するように、手のひらで身体中を触った。どこからも血が流れていないことに幾分ホッとしたが、崖から飛び降りたときに、打ったのだろう、左腕を持ち上げたときに、肩に痛みが走った。
『それから、佐伯美香、仲谷明香、野口玲奈、佐藤夏希』
戸賀崎が死者の名前を読み上げる。
バッグに手を伸ばしかけたときに、智美の存在を思い出した。
「ともみ!」優子から数メートルほど離れた場所に横たわっている智美を見つけた。
『みんなペースが遅いぞぉ。遠慮しないでどんどん殺しちゃっていいんだぞ』
戸賀崎が明るい口調で言った。
「とも、とも、起きて!」優子が智美の身体を揺さぶる。
「ん・・・んん・・・」
目を覚ました智美が、優子の顔をマジマジと見つめたあと、ニコっと笑いかけた。
「コリン、生きてたんだ。よかった」
『それじゃぁ、禁止エリアを発表するぞー。メモの用意いいかぁ?』
感傷に浸る余裕もなく、戸賀崎が禁止エリアの説明を始めた。
優子はバッグの中から地図を引っ張り出し、メモの準備を始めた。
『まずは、13時からE−3』
E−3は島の西側の診療所の近くだ。
『続いて、15時からB-8。B-8だぞいいかぁ?』
B-8は優子と智美が出会った、あの崖だった。そして、佐江と戦った場所でもある。
『そして、17時からは、H-6だ。ちゃんとメモしとけよ』
H-6は島の南側、倉庫の北側にあたる場所だった。
優子は地図に赤いペンでその場所に、時間を書き綴った。
『じゃあ、次の放送は夕方の18時にしまーす。判ったかぁ? 次の放送でたくさんの名前を呼ばせてくれることを、祈ってるからな。じゃあなー』
プツッとスピーカー独特の音がした後、戸賀崎の声が消えた。
「なーにが祈ってるよ。殺し合いを望む奴なんて――」
「ねぇ、コリン」
口を尖らせて、ブツブツと文句を言ってる優子に、智美が声をかけた。
「え? なに?」慌てて、優子が智美に向き直る。
「ここ・・・ここ見晴らしよすぎない?」
智美がキョロキョロと辺りを見渡した。
「ん? そういや、そうだね」ぐるっと周りを見渡した優子が、バッグに手を掛け、「ちょっと移動しようか?」と智美に笑いかけた。
「うん」頷いたあと、智美も、自分のバッグに手を掛けた。
「――っつ」智美が苦痛の表情を浮かべる。
「大丈夫?」
優子が智美の身体を支えつつ、智美が押さえてる腹部を確認した。
「そういや、撃たれたんだっけ? 治療しないとね」
バッグの中に入ってる海水で濡れた包帯を取り出し、優子が智美の服の裾を捲った。
シャツの下から表れたのは、銃弾で穴の開いた肌ではなく、ごわごわとしたグレーの防弾チョッキだった。
「これ・・・?」
優子が目を丸くする。
「これがともの武器だよ」えへへ、と智美が笑った。
どうりで血が流れていないと思った。優子は智美の頭をたたくふりをして、「なぁんだ」と言って笑った。
続く。
>>222-223 説明ありがとうございます。
映画でそのシーン(崖から飛び降りる)があったのを思い出しました。
漫画のほうは読んだことないので判らないのですが、映画と漫画とじゃキャラが大分違うみたいですね^^;
227 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/26(金) 22:57:30
漫画のほうは読んでなかったのか。。
麻里子のどっちでもよかったっていうくだりは
漫画の桐山を引用したのかと思ってました。
228 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 01:22:44
ともが防弾チョッキ!
面白い展開になりそうw
229 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 11:31:21
支援支援
島の南西の集落。そこにある一軒の商店に才加達は居た。
「これは・・・いらないか」
必要な食料と水をバッグに詰め込み、役に立ちそうな物を物色していた。
「ねえねえ、このジュース飲める?」
真奈美が手にしているのは、チームBの平嶋夏海のニックネームでお馴染みの名前の飲料水だった。
「どっかに消費期限載ってるんじゃない?」
才加が消毒液のラベルを読みながら言った。
「ねえ、なんで水しか持って言っちゃダメなの?」
恵令奈がペットボトルのジュースを両手に抱えて首を傾げた。
「ジュースなんて飲んだら、余計に喉が渇くでしょ? どうしても飲みたかったら、ここでたくさん飲んどきな。もしかしたら―――」
「ん? もしかしたら、なに?」
―――もしかしたら、これで最後になるかもしれないから―――
喉まで出掛かったその言葉を慌てて飲み込んだ。
「ううん、なんでもない。ほら、飴とかキャラメルなら持って行っていいから」
「うん。まぁちゃん、これ持って行こう」
恵令奈がイチゴミルク味の飴を、嬉しそうに掲げて見せた。
真奈美はと言うと、恵令奈のそんな言葉は聞こえておらず、ジュースの缶を色んな方向から眺めてはん「う〜ん」と唸っていた。
「ニャンニャン、待ってよ。うちら同じチームAの仲間じゃん」
島の中腹辺りの民家の近くで、陽菜は浦野一美と出会っていた。
「そんな呼び方したことないくせに、気持ち悪いから止めてくれる? 第一、シンディチームBでしょ?」
「そう言わないでよ。一人で心細かったんだもん、なんでもするから一緒にいようよ。ね?」
一美が陽菜の前に回りこんで、両手を顔の前で合わせた。
「・・・はぁ。わかった」
「ほんと!? よかったぁ」
一美のしつこさに根負けした陽菜が、ため息を付きながら了承した。
嬉しさでスキップをしている一美に、陽菜はハエがしつこく纏わり付いてくるときのような感じを覚えて、嫌な顔をした。
「で、で、で、で? これからどうすんの?」
スキップに疲れた一美が、今度は陽菜の左隣から顔を覗き込んだ。
陽菜は疲れた表情をしただけで、なにも言わなかった。というか、なにも喋りたくなかった。
「あ」
麻友が発信機に反応を見つけて、声を上げた。
あれから、峯岸と麻友の二人は、才加を捜すために山を下ることにし、峯岸が右手にガバメントを持ってたため、麻友が代わりに発信機を持たせれていた。
だが、麻友にとってこれは嬉しかった。少なくとも、峯岸は自分のことを信頼してくれてるのだという安心感。
それが嬉しくて、麻友は少しでも峯岸の役に立ちたくて、発信機から一度たりとも目を離すことはなかった。
「反応あった?」
峯岸が麻友の持つ発信機を覗き込む。
「ここに二つ。二人ってことですよね?」
麻友が嬉しそうに峯岸の顔を見た。峯岸は笑顔でコクンと頷いた。
「二人ってことは、戦う気がないかもしれないんですよね?」
「たぶんね」
たぶんと口にした割には、峯岸の表情は明るかった。
なるべく音を立てないように、その二つの反応に近づいた。
「ひゃっ」
最初に声を上げたのは麻友だった。
二つの反応は、確かに「二つ」と言う表現が正しかった。
峯岸と麻友の目の前に現れたのは、身体中に空いた銃弾の穴。血は流れきったのだろうか、地面をどす黒く染めているだけで、身体からはもう流れていなかった。
頭からは、脳みそが露出していた。寄り添うように横たわっている死体。
それは、先ほど戸賀崎に名前を呼ばれていた、佐藤亜美菜と佐伯美香だった。
「うっ・・・」麻友が口を押さえる。
鉄の錆びた匂いと、腐敗臭。その二つが混ざり合って、おどろおどろしい臭いになっていた。
「うげー」昼に食べたパンが、麻友の胃袋から逆流して出てきた。
峯岸は麻友の背中を擦りながら、二人の死体を目を細めてみていた。
「ひどい・・・誰がこんなこと・・・」
自然と下唇を噛んでいた。ガバメントを持つ手に力が篭った。
続く。
まだ出てないメンバーいるんですよね?^^;
AKB人数多すぎです・・・
更新お疲れ様です^^これからもお願いします。
未登場のメンバー:大江、大島麻、川崎、佐藤由、高橋、戸島、中西、前田
大堀、倉持、成瀬、早野、増田、松原
多田、柏木、早乙女、田名部、仲川、平嶋、松岡
間違ってたらすいません;
235 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 19:27:59
最高
236 :
クリトリ:2008/09/30(火) 19:37:26
236
237 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 20:47:31
今残り何人?
島唯一の診療所は、大きくはないものの、それなりの設備がそろっていた。
申し訳程度に設置されている、入院用のベッドが2つ。その1つに、成瀬理沙は寝ていた。
この診療所にたどり着く途中、突出された木の枝でふくらはぎに傷を作ったためだった。
「足、痛い?」
倉持明日香が、理沙にコーヒーの入ったカップを差し出した。
カフェインの独特の香りが部屋中に漂い、それだけで理沙の気持ちを落ち着かせてくれた。
「ありがと。大分よくなったみたい」
カップを受け取ると、2、3度息を吹きかけ、口を付けた。
苦かったのか、理沙は一瞬顔をしかめさせてから、口を離した。
「また、すぐ移動しなきゃいけないから、ゆっくり休んでね」
明日香が、申し訳なさそうに理沙に笑顔を見せた。
「うん、大丈夫。すぐにでも出発出来そうだよ」
怪我をしたほうの足を真っ直ぐ突き出して、明日香に見せた。
「明日香ちゃ〜ん」
診療所の外から、明日香を呼ぶ声が聞こえた。明日香が、窓から顔を出す。
「これ、運ぶの手伝って」
早野薫と松原夏海の二人が、懸命に鉄くずや空き缶の入った木箱を抱えていた。
「これ、どうするんですか?」
箱の中からボルトを一つ摘み取り、マジマジと眺めた。
「この缶の中央に穴を空けて・・・」
薫がなにやら、工作のような真似事を始めたのを、松原と明日香は何も言わずに眺めていた。
「そして、この紙をシリンダーの代わりに差し込んで・・・と。
ここに導火線を入れて、火薬を詰める・・・」
薫が何を作ろうとしているのか、明日香にも松原にも理解出来た。ただ、それを本当に作れるのかを信じることは出来なかった。
「・・・鉄くずを入れて・・・テープで止めれば・・・出来た!」
薫が嬉しそうに缶を掲げる。明日香と松原は、顔を見合わせていた。
「二人も今みたいに作って。出来るだけたくさん」
薫が二つ目の空き缶に手をつけながら、急かすように言った。
「かおりん、一応聞いとくけど・・・それ、なに?」
二つ目に取り掛かった薫の肩越しから、夏海が顔を覗かせた。
薫の手がピタリと止まる。くるっと首だけを松原の方へ振り向かせると、軽く首を傾げて口を開いた。
「なにって、手榴弾じゃん」
当たり前でしょ、とでも言うように薫が口を尖らせる。
「判ったら早くなっつみぃも作ってよ」
再び薫の手が動き出した。
「やっぱ、そうだったんだ・・・」はは・・、と笑ったあと、松原が薫の横に腰を下ろし、空き缶を手に取った。
明日香は出来上がった手榴弾を、棒で突きながら、疑問に思ったことを口にしようか、するまいか悩んでいた。
続く。
>>234 間違ってないですよ。わざわざありがとうございます^^
>>237 残り32人ですね。まだまだ長くなりそうです^^;
お疲れ様ですぅ。これからも更新お願いしますぅ。(まゆゆ風)
未登場のメンバーはあと17人
原作だと残り5人まで未登場だった人もいたくらいです。
早野薫らが手製の手榴弾の製作に没頭してるとき、その数十メートル向こうの茂みの先に宮澤佐江の姿があった。
佐江はスミス&ウエッソンに弾を込めてから、ポケットの中の煙草を取り出した。
1本を口に咥えてからライターで火を点ける。軽く咽たあと、もう一度、今度はゆっくりと煙を吸い込んだ。
木の幹に煙草を押し付けて、マシンガンを構えた。茂みから一歩踏み出す。
薫が立ち上がり、診療所の中へ入った。松原夏海が手榴弾を作っている、倉持明日香が完成した手榴弾を一箇所にまとめていた。
さらに一歩踏み出したとき、明日香が佐江の存在に気づいた。佐江は自然と笑みを浮かべていた。
明日香の目が大きく見開かれたとき、佐江はマシンガンの引き金を引いていた。
ぱぱぱぱぱぱ、とマシンガンの弾が左から右へと扇状に広がる。缶に火薬を詰めていた松原の頭部から、血が噴出した。
その瞬間、明日香が言葉にならない叫び声を上げて、佐江に向かって手榴弾を投げつけた。導火線に火が点いてない手榴弾は、その役目を果たすことなく、無常にも佐江の足元に転がるだけだた。
もう一度、ぱぱぱぱぱぱ、とマシンガンの銃声が響く。背中を向けて逃げようとしていた明日香のわき腹から肩口にかけて斜めに5つ程、銃弾の穴が空いた。
何事かと、薫が窓から顔を出すと、先ほどのライターで手榴弾に火を点ける佐江の姿を見た。
近くには、血を流して横たわる松原と明日香の姿。瞬時に状況を理解した薫は、勢いよく窓を閉めたが、佐江の投げた手榴弾は、もう一つの開いた窓を通って、理沙の寝ている部屋で爆発した。
爆発したときに、中の鉄くずが四方に飛び散り、理沙の身体に突き刺さった。
薫は息を呑む。口の中がカラカラだったが、水を飲む余裕などなく、2つ目の手榴弾が投げ込まれ、再び爆発した。
続く。
>>240 そうなんですか? じゃあ、焦って全員出す必要ないですね。
243 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 03:42:23
本間AKBでバトルロワイヤルの映画やってくんねぇかな
244 :
世界中の邪気 ◆aZZXqifvR. :2008/10/05(日) 19:41:01
まるでAKBに魔界が取り憑いたような作品だ、今後も期待する…
次回から宮澤はその手流弾を武器にまた大暴れかな?
篠田麻里子の耳に聞こえてきたのは、風で揺れる木々に紛れて聞こえる、誰かの話し声だった。
耳を澄まそうとその方角に顔を向ける。少し首を上へ向けると、気の隙間から形の良い入道雲が見えた。
秋元才加らを逃がしたあと、麻里子は反対方向へと足を向けた。
あそこで才加たちを見つけたのはラッキーだったかもしれなかった。それが証拠に、右手に持つ357マグナムだ。
銃があれば、大胆な行動が出来る。少なくとも、銃を持ってない奴に負けるようなことはないだろう。余程のバカではない限り。
ゆっくりと声がするほうへ足を運んだ。茂みの中にぽっかりと開いた空間があった。
周りはやはり茂みになっている。その中にある岩に寄り添うように座る二人の後ろ姿を見た。
その二人が横を向いてお互いの顔を見たときに、川崎希と佐藤由加理の二人だと判った。
麻里子は音を立てずに、慎重に二人に近づく。右手には357マグナムを握り、背中に回していた。
確実に二人を殺すためには、もっと近づく必要があった。最初の一発を外せば、また逃げられてしまう。
二人まであと5メートルという程の距離まで迫った。背中に回していた右手を前に向けようと、ゆっくりと腕を動かす。
由加理が「あ――」と言い、麻里子のほうに顔を向けた。続けて希もこちらへ顔を向ける。慌てて右手の銃を背中に隠した。
「まりりん、どうしたの? 一人?」
由加理が嬉しそうに麻里子に近づく。右手の銃を背中のズボンに差込シャツで隠した。
「え、あ、うん、そう一人。寂しくてウロウロしてたら、二人の話し声がきこたから」
何も持っていませんとアピールするように、麻里子は両の手のひらを胸の前でひらひらと振った。
「・・・じゃあ、なんですぐに声かけなかったの?」
希が最もな意見を言う。
「え? えーと・・・その――」普段はボケーッとしているくせに、なんでこういうときだけ頭の回転が速くなるんだよ。麻里子はそれを表情には出さなかった。
「私、さっき才加たちがなっちを殺すとこ見ちゃったから、だから、声かけたら殺されるんじゃないかって、恐くて―――」
麻里子は下を向き、鼻を啜る振りをした。右腕で涙を拭う振りも忘れずにやった。自分の下手な演技に笑いがこみ上げたが、それが逆に真に迫ってたのだろう、二人とも何も疑わずに麻里子を受け入れた。
「とりあえず、ここ座りなよ」由加理が麻里子の肩を抱いて、岩に座らせた。
二人に背中を向けないように、岩に腰を下ろした麻里子は、右腕の隙間から二人の武器を確認しようと目を走らせた。
視界の先に二つのバッグを見つけた。一つは大きく開いており、その中に緑のハエ叩きが覗いていた。麻里子は思わず、「ぶっ」と噴出しそうになった。
「才加が人殺しだなんて・・・」
希が信じられないとでも言うように、思いつめた表情をした。
「だよね。一番正義感が強そうなのに・・・」
由加理が立ったまま、地面を蹴った。
麻里子が泣き止む振りをし、もう一つの武器の確認をしようと、視界を張り巡らせる。
「大丈夫? そんなの見ちゃったら普通じゃいられないよね」
由加理が麻里子の顔を覗き込んだ。麻里子は声には出さずに、頭をコクリと頷かせた。
「これ食べる?」希が差し出したのは、支給されたパンだった。
麻里子は「ありがと」と言って受け取ると、そのパンを見て、あることに気づいた。
パンが綺麗に切られていたのである。その切り口をマジマジと見つめてると、由加理が「どうかした?」と麻里子の顔を覗き込んだ。
「これ、どうやって切ったの?」我慢出来なくて、疑問に思ったことをそのまま口にした。
「どうって・・・ナイフで切ったんだよ」
由加理が後ろのポケットから刃渡り10センチ程度のナイフを出して見せた。
それを見た瞬間、麻里子の表情は先ほどまでの泣き顔ではなく、唇の両端を持ち上げ、ニヤーっと笑った。
「え?」由加理が不思議そうな顔で麻里子を見つめる。
「どうし――」パンッ
麻里子が背中から取り出した357マグナムで由加理の頭を打ち抜いた。
由加理が右手に掲げていたナイフがポトリと地面に落ちてから、由加理もゆっくりと後方に崩れるように倒れた。
何が起こったのか判らないと言った顔の希が、口をポカンと開けて、倒れる由加理を見ていた。
「ノゾフィス、ばいばい」
麻里子の右手が今度は希の顔面を捕らえた。なにが起きたのか理解した希が、ギュッと目を閉じて、叫び声をあげようとしたのと同時に、麻里子の銃から弾丸が放たれた。
続く。
>>244 その辺は今後の展開で変えていくつもりです。
即興で書いているもので、最後がどうなるかすら本人も判っていません^^;
247 :
魔界 ◆aZZXqifvR. :2008/10/05(日) 22:44:11
お疲れである!
まさにグラビア飛躍のお二方はあっという間であったなぁ…
里菜もこんなカンジでやられそうで寒気がするわ!
ところで成瀬は死んだのか?
破片が刺さったというだけで死んだとは書かれていないが?
更新お疲れ様です^^
>>247 成瀬さんが生きているかどうかは今後の展開を静かに待つべし。
>>247 そういや死んだとは書いてなかったですね。
その辺の詳細は明日にでも書かせていただきます。
里菜はどうなるか自分もよくわかっていません。一応推しメンの一人ではあるので易々と殺したくはないですけどね^^;
では、また明日続きを書きます。
はあ、はあ、はあ・・・。
山道をひた走る姿があった。身体には爆発の影響で付いた傷が数箇所。
だが、その爆発に紛れたおかげで、宮澤佐江から逃げ出すことが出来た。
薫は走る足を止めて、近くの岩場に倒れるように腰を下ろした。
「はあ、はあ、はあ・・・理沙ちゃん・・・」
薫の目には、助けを求める理沙の姿が脳裏に浮かんでいた。いや、助けを求めていたかどうかは定かではないのだが、薫の目にはそう映っていた。
あの時、佐江が投げた手榴弾が爆発したあと、血だらけの理沙を横目に、薫は診療所を飛び出していた。
三回目の爆発音が聞こえたあと、しばらくして、銃の発砲音が一発だけ聞こえた。
それから30分、薫は足を止めることなく走り続けた。
「・・・はあ、はあ・・・ど、どうしよう・・・」
奥歯を噛み締めることで、震える身体をどうにか押しとどめた。
薫が、ふぅっとため息を付いたとき、どこかで2発の発砲音が鳴り響いた。びっくりして立ち上がった。
武器はおろか、荷物さえ持っていない薫は、不安と恐怖心でいっぱいだった。
地図を広げ位置を確認する。誰でもいい、仲間になってくれそうな子を捜さなきゃ。
そうすればまた、手榴弾でも爆弾でも、なんでも作れる。目についたのは、南の集落だった。
薫は近くに落ちていた木の枝を拾い上げ、それを刀に見立てるように構えながら、集落へと向かった。
続く。
時間があれば、また深夜あたりにでも更新しようと思います。
252 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 21:13:44
頑張って下さい
いろんな意味で生き残るって大変ですね
「ねえ、どこ行くのぉ? ちょっと休もうよぉ」
山の南側、分厚い緑に覆われた斜面を小嶋陽菜と浦野一美は歩いていた。
一美が陽菜の5歩ほど後ろから、疲れた表情で身体を揺さぶって駄々をこねる子供のような仕草をした。
その言葉は、先ほどから陽菜の耳には届いておらず、いや、届いてはいたがそれに対して何も応えていないだけだった。
大きな爆発音が2度ほど鳴り響いてから、1時間以上余りが過ぎていた。
一美は相変わらずその爆発音に目を見開かせて驚き、陽菜は反応こそはしたものの、平静を保ちつつその音の方向を見据えていた。
それからと言うものの、陽菜はずっと歩きっぱなしだった。一美がどこに行くのか問いただそうとも、なにも応えてくれなかった。
「ねえ、もう私クタクタ。死にそぉ」
一美がとうとう根を上げて、地面に尻を付いた。陽菜がくるりと身体を反転させる。
「じゃあ、本当に死んじゃえば?」
一美に向かって笑顔でそう言うと、陽菜はまた踵を返し、歩き出した。
「ちょっとぉ、待ってよぉ」一美が再び陽菜を追いかける。
払っても払いきれない五月蝿に、陽菜の眉間に皺が寄っていた。瞬間、陽菜が悪戯を思いついた子供のような顔をした。
「シンディさ、なんでもするって言ってたよね?」
ニコっと笑うその表情に、一美は一瞬ドキッとしたが、すぐに思いとどまり、「え、う、うん」と答えた。
「じゃあさ、ここで死んで」陽菜がナイフの柄を一美のほうへ差し出した。
「ちょっと、冗談は止めてよ・・・」
ははは、と空笑いをする。一美を見る陽菜の目が、真剣な眼差しそのもので、一美はゴクリと唾を飲み込んだ。
「・・・・ほんと、に・・?」
頭の中で色んなことが回り巡った。たどり着いた答えは、許してくれと懇願することだった。
「私死に―――」
「冗談だよ。じょ・う・だ・ん」陽菜が今度は鼻で笑うように、口元で笑みを作った。
「も、もう! 冗談とかやめてよ。ほんとにびっくりしたんだから――」
「シッ」陽菜が一美の口元を右手で覆った。左手の人差し指を口の前で立てて、「静かにして」と口パクで言った。
一美は応える変わりに、頭を上下に動かした。
茂みに隠れながら、陽菜は何かを見つめていた。その視線の先を一美は追う。
鬱蒼と茂る緑の奥に、木の棒を握り締めている薫の姿を確認した。身体は血の痕で黒ずんでおり、服もドロと血が混ざり合っていて、まるで浮浪者のそれのような格好だった。
「ねえ、シンディ」陽菜が一美にだけ聞こえるように小さな声でつぶやくように言った。
「なんでもするって言ったよね?」
それはデジャヴでなければ、先ほども聞いた台詞だった。
「ちょっと、あの子殺してきてくれない?」
そう言った陽菜の顔は、先ほどのようにニコっと笑っていた。
ナイフを一美の右手に無理やりに握らせる。一美は「出来ない」と言うかのように、何度も首を振った。
「・・・はぁ・・・。ほんと、役に立たないね、シンディって」
ため息を一つ付いたあと、奪い取るように一美からナイフを取り上げ、茂みから一歩踏み出した。
「ダメ! 何する気?」
一美が思わず声を上げた。疲れた表情で歩いていた薫がびっくりして顔を上げた。
「誰?」薫が呟くように呼びかける。その声はあまりにも無抵抗で、ちょっと強い風でも吹けばすぐにかき消されるであろう、それほど小さく弱い声だった。
ひぐらしが空に向かってたからかに鳴いた。その瞬間、陽菜の右手のナイフは一美の右目を突き刺していた。
「ニャン・・ニャン・・・殺し、合い、は・・・絶対・・ダメだ・・・」
陽菜に寄りかかりながら、ズルリと一美が倒れた。薫の身体は震えていて、いつの間にか握っていた木の棒を地面に落としていた。
「次はかおりんの番だよ」陽菜が薫に一歩、また一歩と近づく。
距離にして僅か6メートルほど近づいたとき、ガサっという音で陽菜は足を留めた。その音は陽菜の左前方、薫の右真横から聞こえた。
そしてその瞬間、パンッという音が鳴った。薫のこめかみからドボドボと血が溢れ出した。膝を曲げ、そのままうつ伏せに倒れた。
陽菜が咄嗟に茂みの中へと転がって身を伏せた。その代わりのように、今度は薫を撃った何者かが、茂みの中から現れた。
「麻里子・・・」
陽菜は思わぬ来客に、ナイフを持つ手に力を込めた。
続く。
ちょっと長くなりすぎて、寝る時間まで計算してませんでしたorz
>>252 なんかものすごく深いこと言いますね。確かに生き残るって大変なことだと思います。
255 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 09:16:52
支援支援
麻里子は薫の死体を裏返すように蹴った。ゴロンと仰向けになった薫を見て、麻里子は口元に笑みを作った。
肩に掛けたバッグを薫の側に下ろすと、陽菜の隠れた方向に向かって口を開いた。
「小嶋、隠れてないで出てきな」
銃口をすっと持ち上げた。パンッと一発威嚇射撃を放つ。
このままじゃ殺されると悟った陽菜が慌てるように茂みから出てきた。
「う、撃たないで」両手を挙げて降参のポーズをとる。
「ちょっとちょっと、それはないんじゃない?」
麻里子が、フッと鼻で笑った。
「自分は人を殺しといて、殺されそうになったら命乞い? 虫が良すぎるにも程があるよ」
右目から血を流して息絶えてた一美を、顎で指し示した。陽菜が後ろを振り返る。
「あれは・・・」頭を高速で回転させて、いい訳を考えた。
「シンディが、私を殺そうとしてきたから・・・それでナイフの奪い合いになって・・・」
陽菜の瞳に涙が浮かぶ。我ながら名演技だと思った。
麻里子は銃を構えている。殺そうと思えばいつでも陽菜を殺せるはずだ。だから、敢えて今すぐに殺さないのだろう。
すぐに殺してしまえば、楽しみが減るから。麻里子が望んでいるのは、命乞いを懇願する弱者の姿なのだ。陽菜はそう予想した。
もしも自分が逆の立場なら、そうするだろうから。
「私、まだ死にたくないよ・・・お願い何もしないから殺さないで」
目に溜まった涙を敢えて拭わず、顔をグシャッと崩した。
「何もしないからって、何も出来ないんだよ、どうせすぐ死んじゃうんだからさ」
相変わらず麻里子は笑っていた。
陽菜はさらに推測する。麻里子は必ずこちらへ近づいてくると。
誰しも弱者を甚振るときは、己の手で下すものだと。そう、だから麻里子は必ず陽菜の元へと歩み寄ってくるだろう。
「死ぬって・・・そんな・・・」
両腕、両膝を地面に付け、亀のような体勢になり泣き崩れた。
ザッザッと麻里子が陽菜に一歩ずつ歩み寄る。思い通りの展開に陽菜は地面に向かって笑みをこぼした。
目の前に麻里子の足が見えた。白いスニーカーの爪先部分に血の痕を見つけた。さきほど薫を蹴ったときにできたものだろう。
「私さ、あんたのこと大っ嫌いなんだよね!」
地面に向けて、泣く振りをしていた陽菜の視界が一瞬にして前方に変えられた。麻里子の左手が陽菜の髪の毛を鷲掴みにしていた。
これに関しては、陽菜は本気でムカついたが、表情は相変わらず、泣き顔のままだった。
「大体あんたのキャラってなんなの? ぶりっ子天然キャラでも演じてるわけ?」
髪の毛を掴む手がさらに上へと持ち上がった。
「い、痛い・・・離して・・・」苦痛で顔を歪める。これは演技でも何にでもなく本当に痛かった。
「正直キモいんですけ―――っつ」陽菜の髪の毛を掴む麻里子の手が離れた。
「小嶋っ! 何しやがった!」
両目からボタボタと涙が流れ落ちる。拭っても拭っても染み渡る痛みに、麻里子は思わず銃から手を離した。
しまった、と思ったときには、その銃は陽菜が拾い上げていた。
「これ、催涙スプレーって言うんだ。ひぃちゃんの武器なの」
ヘアスプレーよりも一回り小さいスプレー缶を、麻里子の前に掲げて見せるが、麻里子にはなにも見えていなかった。
「そうそう、一つ言っていい? もし私が麻里子の立場ならさ、近づく前にまず、両足くらいは撃っとくよ」
357マグナムの引き金を試しうちをするように、麻里子に向かって撃った。
麻里子の右太ももから血が流れる。二発目の発砲で、左腕から血が流れた。
「あんたのそう言う所も大っ嫌いなんだよっ!!」
麻里子が雄叫びを上げるように吼えた。残った右腕で両目を拭っている。
「大丈夫だよ。私もあんたのこと嫌いだから」
ニコッと微笑んだあと、陽菜は麻里子に三発目の銃弾を浴びせた。
口をパクパクとさせながら、麻里子はそのまま仰向けに倒れた。
続く。
麻里子のキャラ好きだったんですけどね・・・
これでやっと半分くらいですね。まだまだ長くなりそうですけど、がんばりたいと思います。
258 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 17:49:06
序盤の メイン対決
良かったです
259 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 22:28:48
麻里子様が死んだのは残念ですがこれからもよろしくおねがいします
260 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 01:21:49
松井はまだ出てこないのか
261 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 02:06:49
支援支援
262 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 23:17:48
支援あげ
まだ大堀でてこないよね?
どんなポジションなのか楽しみ
このゲーム開始以来、一番大変なことといえば、やはりトイレだった。
AKB48は女の子の集団グループなのだ。男ならば意図も簡単にやってのける立ちションでさえ、女の子となるとやはりそうはいかなかった。
「ねえ、おしっこ・・・」
恵令奈が才加の袖を引っ張って、上目遣いでモジモジとした仕草をした。
「また? さっきもしたでしょ」才加が呆れた表情で、バッグを肩から落とすと、中からティシュを取り出した。
「ジュース飲みすぎるからそんなことになるんだよ」
バッグの中から取り出したティッシュを恵令奈に渡す。
「だって、沢山飲んどけって言ったの才加じゃん」頬っぺたをプクっと膨らませて唇を尖らせた。
「もういいから、早くしといで」はあ、とため息を付いたあと、思い出したかのように反対側に目を向けた。
「真奈美は? しとかなくて大丈夫?」隣にチョコンと暇を持て余している真奈美に向かって恵令奈のほうを顎でしゃくりながら尋ねた。
「大丈夫」チラっと才加のほうに笑顔を見せたあと、再び暇を持て余したように石ころを足で転がし始めた。
才加は近くにあった岩に腰を下ろすと、地図を広げた。
1時間ほど前にあった放送での禁止エリアを、もう一度確認しようと入念にチェックした。
そのときに、松原夏海、倉持明日香、成瀬理沙、川崎希、佐藤由加理、浦野一美、早野薫、篠田麻里子の名前が呼ばれた。
「お待たせ〜」
用を足して戻ってきた恵令奈が、ペットボトルの水をハンカチに湿らせた。
「じゃあ、行こうか」
岩から腰を持ち上げた才加がバッグを肩に掛ける。
恵令奈が湿らせたハンカチで手を拭きながら、「ちょっとちょっと〜、待ってよ〜」と言いながら、自分のバッグにペットボトルを戻して肩に掛けて走り出した。
「真奈美も早く来ないと置いていくよ」
小走りに走り出す真奈美を、恵令奈は少し待ってから手を繋いで才加の元へと走った。
続く。
>>258 ありがとうございます。麻里子と陽菜の対決ですかね?
あれは麻里子がやる気になった時点で、この二人に戦わせようと思ってたんです。
>>260 申し訳ないですが、松井は出ません。
>>263 大堀は一番悩んでるキャラです^^;
どういうキャラ設定で出そうか、誰と一緒に居させようか、ものすごく悩んでいます・・・
松本きたぁぁぁ!!!
松本サンはよく劇場にはいくの?
267 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/14(火) 09:59:17
松本氏乙です
268 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/14(火) 10:06:11
待ってました!松本さん乙です
269 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/14(火) 11:20:15
お-いぇとりなてぃんは、「殺し合いは出来ない!」とか言いながら
どこかの崖から手をつないで飛び込み自殺しちゃいそうな気がする……
そういえば、原作でもカップルが1組飛び込み自殺してましたね……
270 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/14(火) 17:37:10
おもろいね〜。更新楽しみ
海岸の近くにある小さな小屋で、優子と智美は身を潜めていた。
優子が空き缶を焚き木にかけ、お湯を沸かしている。
ほとんど真っ暗闇の中、微かな月明かりと焚き木の火の明かりだけが二人を照らしていた。
優子がプラスチックのコップにインスタントコーヒーを入れてから、お湯を注いだ。一つを智美に渡した。
「とりあえずさっきも言ったように、これ以上死人を出さないためにも、明日からまたみんなを捜そう」
空き缶に残ったお湯を焚き火にかけて、火を消しながら優子がそう言った。
「でも、佐江ちゃん以外にも殺そうとしてくる人がいるかもしれない・・・」
暗くなったせいで、ほとんどシルエットだけになった優子を見ながら、智美はコップをグッと力を込めて握り締めた。
「うん、そうだね。でも、どこかで殺されるのを怯えながら身を潜めている子達もいるかもしれないんだよ」
優子はコップに口を付けた。月明かりで照らし出された優子の顔は、寂しげな表情だった。それで知美は反省するように俯き、コップを地面に置いた。
「もし・・・」優子の顔が闇に消えてから、再び口を開いた。
「もし、また誰かに襲われそうになったら、私が守るから」だから安心して。そう言ったあと、優子は智美に笑いかけた。その顔は智美には見えなかったが、十分に安心感を与えてくれた。
「月、綺麗だね」
優子が窓のほうへ顔を向けた。続いて智美も優子の隣へ並び、窓の外に視線を向けた。
「ほんとだ・・・なんか、こんなことしているのが嘘みたい」
それに関しては、優子は何も言わず、ただ黙って月を見上げていた。
梟がホーホーと鳴いたあと、がさっとと何かが落ちる音がした。
優子が窓から顔半分だけ覗かせて、智美の上に覆いかぶさった。
「誰か仕掛けに引っかかったみたい」優子が小さな声でそう呟いた。
昼間優子が作った仕掛けは、小屋を中心に半径30メートルに渡って張ってあった。
作りは意外と簡単で、木と木の間に糸をピンと張り、その間に石や大きな木の枝などをぶら下げて置くだけのもだ。もし、誰かがその糸に引っかかれば、それらが落ちる仕組みになっていた。
優子は息を潜めると、Cz75を構えたまま窓から慎重に辺りを見回した。
「もしかしたら、さっきの焚き火の光見られたのかも・・・」
智美が優子を見上げながら小さな声で呟いた。
「だとしたら、まずいな・・・見つかる前にここを出よう」
優子はゆっくりと辺りを警戒しながら、扉を開けた。安全を確認してから、智美と二人で小屋を出た。
ガサッ。またも何かが落ちる音がした。誰かが小屋の周りをグルグルと回って、見張っているような、そんな感じだった。
何かを思いついたように、優子が近くにあった石を小屋の後方に思いっきり投げ飛ばした。
その石は思ったより遠くに飛ばず、さきほどの窓の数メートル向こう側の木にぶつかり、下の茂みに落ちてガササっと音を立てた。
途端、パンッと銃の音が鳴り響いた。
優子は大きな目をさらに大きくし、智美の手を引っ張り音を立てないように茂みの中へと進んだ。
続く
>>266 前は平日もいけるときは行ってたのですが、今は基本土日が多いです。
しかし最近は、休日出勤も増えてきて行く機会がほんとに減っています^^;
ですので、ネット配信は本当にありがたいものになってます。
>>269 それ見ちゃったら、その二人はそういう風に書きそうになるじゃないですかw
でも確かにその二人はそんな感じですよねぇ^^;
273 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/14(火) 22:15:05
えれぴょんは中川かな?面白いです。更新まってます
274 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/15(水) 00:36:50
支援支援
275 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/15(水) 14:52:35
更新お疲れ様
今残り何人ですか?
276 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/15(水) 16:07:47
おもしろい!
今後が楽しみです
本当に素晴らしい
ありがとうありがとう
特にオカロ有り難う
原作知らない俺が見ても楽しめる
更新楽しみにしてます。
優子と智美は、茂みの中をザザザと走っていた。やみくもに走るのではなく、慎重に辺りを警戒しながら逃げていた。
さきほど小屋に近づいてきた者は、優子の投げた石の音に反応して発砲していた。
音に反応して発砲したということは、もしも優子と智美のどちらかが見つかっていれば、迷わずに殺しにきたかもしれない。
優子は何事もなく小屋を離れられたことに安堵感を覚えた。
「はぁ、はぁ、はぁ、こ、ここまで来れば大丈夫でしょ」
優子が地面に転がるように倒れた。智美も仰け反るように座り込み、ぜぇぜぇと呼吸をした。
「はぁ、はぁ、誰、だったん、だろう、ね」
「判んない、けど、逃げたのは正解だったかも」
優子がCz75をズボンの前に差込み、身体を起こした。
「今日はここで夜を明かしたほうがいいかもね」汗を拭いバッグからペットボトルを取り出した優子が、もう一度口を開いた。
「今頃どこかで、誰かが殺されてたりするのかな?」
智美の表情は終始暗く、膝を抱え込むように座っていた。
それに対し、優子は何も応えず、黙って智美に水を差し出した。
「とにかく今は、疲れを取ることだよ。さあ、少しでも寝な」
地面をばんばんと叩き、眠るように指し示した。
「そう、だね」智美がバッグを枕に横になると、疲れが溜まっていたのであろう、数分もしないうちにスースーと寝息を立て始めた。
優子は智美の寝顔を眺めながら、未だ死んでいない者の安否を願った。
闇の中を歩く音が辺りに響いた。手にはGPS機能がついた発信機を持っている。
「あ」麻友が小さく声を出す。峯岸が麻友の手の中にある発信機を覗き込んだ。
「また二つの反応だね」その声は苦笑いにも似た、少し反応の悪い言い方だった。
麻友の口がへの字に下がった。
「とりあえず、行ってみようか?」
峯岸が二つの反応の先に歩みを進めた。
夜のほうが動き易いと言い出したのは、麻友のほうだった。
こちらには発信機という武器がある上に、夜に行動する者は少ないんじゃないかと思ったからだ。
夜の闇より、昼間のほうが怖いと思うようになっていた。昼は自分の姿が周りから丸見えだから、闇は姿を隠してくれる。だから麻友は昼間が怖かった。
液晶の黒丸がほとんど真ん中に近づいたとき、峯岸と麻友は顔を合わせてから、慎重に茂みの中を進んだ。
茂みの奥に人影が見えた。一度死体を発見してからというもの、動いてるというだけで安心してしまった。
「優子?」峯岸が小さく呟くと、麻友が「え?」と峯岸の顔を振り返った。
視線の先には、優子が体育座りで座っている。
「峯岸さん」麻友が嬉しそうに峯岸の顔を見遣った。
峯岸は迷っていた。この子たちは味方だろうか、敵だろうか。ここまで来る間にメンバーの半分が名前を読み上げられていたことで、峯岸に迷いが生まれていたのだ。
「峯岸さん?」いつまでも動かない峯岸に、麻友が不思議そうな顔をする。
優子が大きな欠伸をしたとき、優子の向こう側で何かが動いたのを峯岸は確認した。
ここからじゃ見えにくいと思い、少しだけ移動する。誰かがバッグを枕に眠っているようだった。
その顔を見たとき、峯岸は茂みから飛び出していた。
「とも〜み!」
優子が驚いてCz75を構えた。
「待って待って待って!」峯岸が両手を前に突き出し、優子を押しとどめる。
続いて、麻友が現れたことで、優子は目を見開いて両者を交互に見比べていた。
「私たち、なにもする気ないですから」麻友が幾分落ち着いた声で優子に向かって言った。
ほう、っとため息のような息を吐き、優子が銃を降ろした。
「もう、急にびっくりさせないでよ」心臓が飛び出るかと思ったよ。そう続けたあと、再び腰を降ろし、額を拭う振りをした。
騒ぎに目を覚ましたのだろう智美が、「ふぇ?」と言って辺りをキョロキョロと見回した。
それが可笑しくて、智美以外の三人が声を殺してくすくすと笑った。
続く。
いつも感想ありがとうございます。
現在確か残り24人ですね。
282 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/15(水) 21:54:37
コリス、とも〜み、まゆゆ、みぃって組み合わせなんかいいな。ユニット組んで欲しい
283 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/15(水) 21:56:11
お疲れ様です
メンバーそれぞれのキャラが上手く表現されていて、本当におもしろいです!
これからも頑張ってください
284 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/15(水) 22:11:38
たて続けの更新お疲れ様です。
素敵な4人が集結しましたね。
これで才加グループと合流できれば
強力なレジスタンスチームになりそうですが・・・。
続きが楽しみですが、
ご無理なさいませんように。
285 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/15(水) 22:23:19
いつも楽しみにしています!松本さんのペースで頑張ってください!
286 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/15(水) 22:24:52
まだ出てないメンバーの動向も気になるしほんと面白いよ
287 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/15(水) 22:41:35
優子とも〜みで「禁2」編スタートか?と
ちょっと期待しちゃった
更新楽しみにしています
緊張と緩和の配分が素晴らしい
更新の早さに嬉しい驚きです
この4人が揃うとは意外でしたが
偶然ですが推してる子達が積極的に動いてくれるおかげで
さらに感情移入がしやすいです
289 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/16(木) 02:21:14
松本さんがんばってください
応援してます!
290 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/16(木) 19:01:46
おもろいよ〜
更新頑張って
291 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/16(木) 22:24:36
頑張ってください
島の北西の海岸沿いに、一軒の教会とそのすぐ後ろに西洋風の家屋が建っていた。
教会の礼拝堂で、祭壇に登りお祈りしているのは前田敦子だった。
両手を組み合わせ、目を閉じて俯いている。
「あっちゃん、ご飯出来たよ」
裏口から顔を覗かせたのは、高橋みなみだった。敦子は顔を上げ、高橋の方を向いた。
「またお祈り? 神様なんか言ってた?」
ははっと笑ったあと、高橋は祭壇の向こう側、ステンドグラスを見上げた。
「私達、神様に嫌われたんだね」高橋がそう呟くと、敦子が寂しげな表情で、高橋の視線の先を追った。
「そうなのかな?」
高橋の横顔を見てからそう呟いた。高橋はステンドグラスを見上げたまま何も応えなかった。その横顔は、寂しげでもあり、どことなく笑顔に見えるそんな横顔だった。
「おそーい! もう、まいお腹ペコペコだよぉ」
いつまでも帰ってこない二人を呼びに、大島麻衣が裏口で怒った風な口調でそう叫んだ。
驚いた敦子と高橋が、顔を見合わせふふっと笑いあったあと、敦子の「じゃあ、行こっか?」の言葉で裏口へと歩き出した。
「ちょっとなによぉ! なんで二人で笑ってるわけ?」
自分だけ仲間外れにされた気がした麻衣が、不機嫌そうにした。
「あ、きたきた。二人とも遅いよ」
テーブルを離れて、歩み寄ってきたのは中西里菜だ。敦子の背中を押して、テーブルに着かせてくれた。
「じゃあ、私はるごん呼んでくるね」
そういうと立ち上がったのは、大江朝美だった。2階にある広めのバルコニーで、一人見張りをしている仲川遥香を呼びにキッチン兼リビングを出て行った。
この家屋の大体の構図は、今敦子たちがいるキッチン兼リビングをキッチン側の扉を開けると玄関までの廊下になっている。その廊下のすぐとなりに2階へと続く階段。廊下を玄関のほうへ少し進むと、右側にバス・トイレ、反対側に小さめの寝室があった。
リビング側の扉を開けると、大きめの寝室が2つ。2階には子供部屋が2つあった。そして遥香が見張りをしているバルコニー。
「早く食べよ」麻衣がシチューをテーブルに運ぶと、椅子に座る。
「これ、りなてぃんが全部作ったの?」
敦子が食い入るように料理を見ると、麻衣が遮るように割って入った。
「まいとおーいえも手伝ったんだよ」自慢するように笑顔を作る。
「まいまいさん、玉ねぎの皮剥いただけじゃないですか」
高橋が笑いながら茶化すと、麻衣がぶーと頬を膨らませて不機嫌な振りをした。
「あー、お腹空いたぁ」見張りから戻ってきた遥香が、崩れるように椅子にドカッと座り込む。手にしていたウージーサブマシンガンをその隣にぶっきらぼうに置いた。
「はるごん見張りご苦労様。さぁ沢山食べて」
里菜がスパゲティを皿に装ってあげ、遥香の前に差し出した。
「さあ、みんなも食べよ」里菜の合図でいただきますをした。
空腹のせいもあるのだろう、皆の手は止まることなく料理を平らげていた。遥香の手が止まる。
「あのぉ・・・」遥香が回りの様子を伺うように目を右から左へと泳がせた。
「ん、なに?」
高橋がシチューのスプーンを口に付けながら遥香に「?」を投げかけた。
「見張りをしてるときに、ふと思ったことがあるんですけど」
そういうと、また皆の顔を見渡す。
「このまま、ここにいても結局は皆死んじゃうんじゃないですか?」
言った後、すぐに目を伏せた。敦子が俯く。
「ちょっとぉ、はるごんこんなときに止めてよね」
麻衣が口調をやや強めてから、遥香にそう言った。
「すいません・・・」伏せていた目がさらに伏せられ、遥香は拗ねたような顔をしていた。
「二人とも、もういいよ。シチュー冷めちゃうよ」
慌ててなだめる里菜が、遥香にサラダを勧める。
「でも、はるごんの言うとおりだよね」呟いたのは大江だった。「このままだと死んじゃうんだよね・・・」フォークでくるくるとスパゲティを巻きつける。
「私達が何もしなくても、半分のメンバーが死んじゃってるんだよね?」
敦子が皆を見渡したあと、最後に隣の高橋と目を合わせた。高橋が敦子の手をギュッと握る。
「な、なんとかなるよ。もう止めよこの話は」
わざとらしく明るい声で麻衣が取り繕った。それにあわせるような調子で里菜も麻衣に続いた。
「ごちそうさま。引き続き、見張りしてきます」
遥香が隣に置いたサブマシンガンを手に取り、リビングを後にした。
麻衣と里菜が顔を見合わせて、苦笑いをした。嫌な沈黙が続く。
続く。
一度書いたのを間違って消してしまいましたorz
もう一度書くのに時間掛かってしまいました。申し訳ないです。
こんな駄文に沢山の感想をありがとうございます。
皆さんの期待に応えられるよないい展開になるように努力したいと思います。
今後ともよろしくお願いします。
294 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/16(木) 23:00:58
一気にメンバー出てきましたね!
続き楽しみにしています!松本さんのペースで頑張ってください!
Unseen Menber
戸島
大堀、増田
多田、柏木、早乙女、田名部、平嶋、松岡
296 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/17(金) 00:10:36
りなてぃん登場しましたね!
wktkしながら待ってます
297 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/17(金) 01:28:50
乙です
次回もwktk
298 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/17(金) 03:02:11
がんばって下さい!
更新楽しみに待ってます!
あげんなよ。続編かと期待したじゃないか
300 :
sage:2008/10/17(金) 11:56:24
はるごんがAメンの中に混じってるのが新鮮でいいです
教会の東付近の雑木林に生えている1本の杉の木に、松岡由紀は寄りかかっていた。
ゲーム開始からずっと一人で島を歩き回り、時折聞こえる銃声と爆発音に怯えて過ごしていた。
物音一つに過剰反応してしまい、今や緊張感と恐怖心で疲労がピークに達していた。
ふう、と息を付いて、視線を前に向けたとき、海面上に散りばめられた星の並びに、星よりも一際大きな光を見つけた。
「家・・・?」
目を凝らして何度もよく見た。建物の窓から照らし出されている光の中に、微かに複数の人影が見えた気がした。
由紀は考える。自分はもう疲労で疲れきっている、ここで白旗でも掲げてあの家に向かえば、殺されることだけは避けられるんじゃないか。あわよくば仲間に入れてもらえるかもしれないと。
意を決したように立ち上がると、バッグを肩に掛けた。
歩き出そうと、足を踏み出す。シャツの背中を引っ張られた。木の枝か何かが引っかかっただろうと、右手で振り払おうと背中に手を伸ばす。そこで由紀はギョッとした表情をした。
木の枝が引っかかっているのではなく、誰かに掴まれているのだと。そう気が付いた。
ゆっくりと後ろを振り返ると、宮澤佐江が俯いたまま立っていた。
「ひっ」由紀が軽い悲鳴のような声を上げると、佐江が俯いたまま目だけを由紀の方へ合わせた。
「ど、どうしたんですか?」
背中を掴まれているため、首だけを佐江に向けている。佐江の唇がゆっくりと動いている。
「・・・・ちがいい?」
「え?」
風の音で聞こえなかった。もう一度佐江の唇がゆっくりと動き出す。
「刺し殺されるのと、撃ち殺されるの、どっちがいい?」
佐江の唇の口角が持ち上がった。この人はなにを言ってるのだろうか? 由紀が頭の中で葛藤する。
「答えないんだ・・・」
佐江の右手がゆっくり持ち上がった。スミス&ウエッソンを由紀の頭に突きつけた。
「え? え? ええ?」頭の中が真っ白になった由紀の目が泳いだ。
後頭部に突きつけた拳銃の引き金を、何かを摘み取るかのようにゆっくりと引いた。
「いやーーーーっ!!」
至近距離から放たれた弾で、由紀の身体は反動でびくんと揺れた。そして、そのまま頭から地面へと倒れた。
遥香は2階のバルコニーから梯子を伝って、テラスの上でウージーを片手に星を眺めていた。
見張りと言っても、ただ1日こうしてテラスから景色を眺めているだけだった。
地図上に唯一載っていないこの教会と家屋のおかげか、未だに誰か近づいてくる気配は感じられなかった。
「はるごん、見張り代わろうか?」
梯子から顔を覗かせたのは敦子だった。よいしょと梯子を上り終えると、遥香の隣へ腰を降ろした。
「大丈夫です。私こんなことくらいしか出来ませんから」
立ち上がって両手を双眼鏡のようにして、周りを見渡した。敦子がふふっと笑う。
「さっきさ、はるごんが言ってたこと」遥香が両手を目から離して、敦子のほうを向いた。
「このままだと、私達死んじゃうんだよね・・・」
表情とは打って変わって、敦子の声は少し寂しげな色をしていた。
「じゃあ、戦いますか?」遥香が今度はウージーを構えて、ダダダダと撃つ振りをした。
「秋元先生や戸賀崎さんを人質に取って、首輪を外してもらえば、あとは逃げるだけですよ」
そう言うとウージーを降ろして、敦子の隣へ座った。
「今度はそんなこと考えてたの?」敦子が苦笑いをした。
「考えてますよ。皆が助かるためには、どうしたらいいんだろう?って。
でも、結局行き着く先は、時間切れで死んでる姿なんです・・・」
遥香が首輪に手をかけ、少しだけ俯いた。
「たかみなからさ」
唐突に話題が変わって、遥香が拍子抜けた表情をすると、敦子が少しだけ笑んでから、話を続けた。
「私が礼拝堂でお祈りしてたら、『神様なんか言ってた?』って聞かれちゃった」
海の向こう側を見つめて、敦子が笑いながら言った。
「なんか言ってたんですか?」敦子の顔を覗きこむ。
「非道いよね、神様何も言わないんだよ。何もしてくれないし・・・」
敦子の顔を覗きこんでいた遥香が、慌てるように顔を背けたのは、敦子の目が潤んでいたからだった。
「もしも・・・もしも神様が居て、はるかたちの味方なら、みんなこんなとこにいないですよ」
両手でお尻の埃を叩きながら立ち上がって、敦子のほうに振り返った。敦子は人差し指で涙を拭っていた。
そのとき、『いやーーーーっ!!』と、東方向の雑木林から悲鳴が聞こえた。
続けて、パンッと銃声が鳴った。
顔を見合わせてから、敦子が梯子を降りた。遥香はウージーを構えたまま、雑木林に視線を向けていた。
「あっちゃん、今の!」高橋が慌てふためきながら、敦子に寄り添う。
「近かったよね? 今まで一番」麻衣が部屋をウロウロしている。
「まいまい、落ち着いて。それから電気全部消して」
大江が部屋の電気を消し、リビングへと降りて行った。
1階の部屋の電気は既に里菜が消しており、部屋中のカーテンを閉めていた。
遥香が息を潜めて、雑木林を見つめていると、人影が出てくるのを確認した。
その人影が誰のものなのか確認しようと、バルコニーへと降りて、身を小さくし頭だけ出して、目を凝らしていた。
その瞬間、遥香がバルコニーからリビングへと駆け下りたのは、その人影が左手に持っていた物に、火を点けたからだった。
続く。
今更ながらに麻里子様と佐江の戦いが見たかったなと・・・・
そういえば、みぃちゃんまゆゆ組って誰とも争ってないんですね^^
304 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/17(金) 22:47:09
お疲れ様です!これ読んでたらバトロワ見たくなって一気に見ちゃいました(^^;
305 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/17(金) 23:48:49
おもろすぎ!更新楽しみだ〜〜
遂に魔の手があっちゃん達に・・・
次回もwktkwktk
307 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 00:19:06
支援支援
308 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 00:55:14
これからもよろしくお願いします!(`∀´)/
309 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 04:31:25
彼女達が勝手に動き始めたんですね(^-^)
素晴らしいことだと思います
310 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 20:34:09
奇しくも「no3b」の3人と「渡り廊下走り隊」の4人が残ってるわけだが
311 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 20:38:22
飛び居るように階段を駆け下りる遥香に、何事かとバルコニーの方へ顔を向けた敦子の視界に、きらっと光る物が映った。
そして、それは、放物線を描き、家の前へと転がった。1階から遥香が「伏せて!」と叫んだのが聞こえたのと同時に、眩い光とともにそれは爆発した。
カーテンを閉めたのは正解だったようで、割れた窓ガラスは飛び散らずに、窓の真下にバラバラと零れるように落ちた。
呆然と立ち尽くしていた敦子の目に、今度ははっきりと、缶のようなものを捕らえた。
それは、先ほどよりも近いところから飛んできているようで、1階の窓に向けて放たれていた。
敦子が耳を塞ぎながらしゃがんだとき、ダダダダと言う音とともに、それは空中で爆発した。1階の窓際に遥香がウージーを構えて立っている。それで手榴弾を着地前に打ち落としたのだった。
「みんな! 早く逃げてください!」遥香が叫ぶ。
ぱぱぱぱぱぱ、と遥香のとは別の銃声が聞こえた。
「あれ、誰!?」
「そんなのどうでもいいよ! 早く逃げよ!」麻衣の問いかけを、朝美が遮った。
敦子が1階へと急いだ。リビングに置いてある自分のバッグからグロック17Lを取り出す。
朝美の指示で、麻衣と高橋が玄関を抜けたとき、ぱぱぱぱぱぱ、と銃声が鳴り響いた。
「ぐぇ」っとカエルが潰れたときのような声がして、続けざまに朝美と里菜の「きゃー!」という叫び声が聞こえた。
敦子がその方向へと振り向く。
「いない! さっきまでそこに居たのに!」遥香が窓から顔を出して叫んだ。
いつの間にか敵は玄関側に回りこんでいたようで、不覚にも高橋と麻衣はその犠牲になってしまった。
「二人とも玄関閉めて!」敦子が叫んだが、玄関先で倒れている二つの死体を目の前にした里菜と朝美は腰を抜かしてしまい動くことが出来なかった。手榴弾が投げ込まれる。
遥香が助けに向かうために、踵を返したが、時既に遅く手榴弾が玄関に投げ込まれた。
爆音が轟く、今までで一番大きな音だった。爆風はリビングから窓へと吹き抜けた。
「りなてぃん!」敦子が玄関へと足を踏み込むと、遥香がその手を掴んだ。
黙って首を振ると、「逃げましょう」と落ち着いた声で窓のほうを指し示した。
「でも・・・」敦子が爆発で吹き飛ばされた玄関と遥香を交互に見る。玄関から差し込む月明かりに人影が映った。
「早く!」敦子を掴む手をさらに強めて、遥香は窓へと飛び込むように足を掛けた。つられて敦子も窓へよじ登る。
ぱぱぱぱぱぱ、と銃声が鳴る。遥香の脇腹に銃弾が2発当たった。
「はるごん!」
「私なら大丈夫です。早く逃げてください」遥香がウージーを敵に向かって撃った。
今度は敦子が遥香の手を取って走り出す番だった。教会の建物の向こう側の林まで走る途中に、遥香が窓から顔を出した敵の姿を見た。手にはマシンガンではなく拳銃を構えていて、こちらに向かってそれを3発放った。
その弾の1発が遥香の左腕に辺り、その反動で左腕が宙に跳ね上がった。
林の中へ入ったとき、またぱぱぱぱぱぱ、とマシンガンの銃声がして、木の枝を木っ端微塵に弾け飛ばしていた。
茂みを掻き分け、身を低くしてとにかく走った。
ぱぱぱぱぱぱ、と言う音が遠くなってきているのが判ったが、それでも尚、二人とも走るのを止めなかった。
どれだけ走っただろうか、マシンガンの音はいつの間にやら聞こえなくなっていた。
敦子の手から遥香の手が離れた。
「はるごん?」数歩後ろで遥香が息を荒げてぼんやり立っている。敦子が一歩近づいたとき、遥香がぐらりと倒れた。
慌てて倒れる遥香を受け止める。そのまま遥香は意識を失った。
313 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 21:20:14
戸島=ハリセン
大堀=あぶない水着(ゴールド水着)
増田=たこ焼き用千枚通し
多田=ピコピコハンマー
柏木=日本刀
早乙女=ドラグノフ狙撃銃
田名部=手裏剣
平嶋=マカロフPM
続く。
はるごんとあっちゃんと言う珍しい組み合わせですが、そういや二人とも同じ歳なんだよなぁ・・・
すっかりハマッてます。頑張ってください
316 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 22:02:44
はるごんカッコイイわ
はるごん死なないで〜
317 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 22:09:01
オカロとはるごんは頼りになるキャラなんだな、やっぱり
怒濤の高クオリティ更新ありがとうございます
佐江の鬼神の如き強さに震撼しました
ウダウダしない容赦ない行動力に緊張感を感じます
有華辺りもかなり強そうなので個人的に期待していますが
松本氏の思うままに展開される事を応援しています
面白い!乙です
320 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/19(日) 01:08:31
面白い!(/∀\*)♪
山際の方へ少し登ったところ、岩が露出して出来た壁の付近で才加達は休息を取っていた。
才加がかき集めた枝で、焚き火を起こし、支給されたパンを軽く炙って恵令奈に渡した。
缶詰を開けるて、それを地面に置いた。
恵令奈がパンを二つに割ると、それを真奈美の方に、一つ、差し出した。
「まぁちゃん、半分個しよ」
真奈美は体育座りのまま、顔を上げると、「あたし・・・お腹空いてないから」と言い、右手で軽く手を振った。
「・・・そっか」
恵令奈が差し出したパンを引っ込める。真奈美が少しだけ笑むと、すぐに膝の上に顔を埋めた。
様子がおかしいと察した恵令奈が、もう一度真奈美に近づいた。才加がパンを齧る手を止め、二人を見やった。
「まぁちゃん?」
恵令奈は真奈美の背中を擦るように手をかけた。服の下から伝わってくる熱に気づき、才加に助けを求めるように振り向いた。
才加が立ち上がり、真奈美の顔を持ち上げ、額に手を当てた。それから、自分の額にも手を当て、しばらく思いつめたような顔をした。
「熱がある」才加が小さく呟いたあと続けた。「真奈美、寒くない?」
「大丈夫・・・」
才加が上着を脱ぎ出した。その上着を真奈美の背中に掛けるように巻きつけた。
「まぁちゃん、どうなるの?」恵令奈が不安そうな顔で才加の動向を見つめている。
「多分風邪だと思う。えれぴょん、水とそこの缶詰取って」
恵令奈が言われたとおり、それらをすぐに才加に渡した。
「真奈美、食べて」
「いらない・・・お腹空いてない・・・」
「お願い、食べて」
才加が無理やりパンを口元へ持って行った。真奈美が力ない動きで口を開き、パンを一齧りした。
バッグの中から、瓶を取り出す。
「今度はこれ飲んで」差し出したのは、風邪薬だった。集落の商店から持ち出してきたものだ。
真奈美は黙って受け取ると、水と一緒にそれを流し込んだ。
「とりあえず、火の近くで横になったほうがいい」
才加が真奈美の身体を支えて横にさせた。
「まぁちゃん、大丈夫?」恵令奈が横になった真奈美の顔を、心配そうに覗きこんだ。
「うん―――大丈夫」
「寝かしといてあげよう」才加がそう言うと、恵令奈の腕を優しく引っ張った。
「うん・・・」
コクリと頷くと、真奈美に視線を送りながら、少しだけ離れた場所に腰を降ろした。
真奈美が何か言いたげな顔をしていたが、薬が効いたのだろう、ゆっくりと目を閉じて眠りに入った。
才加は地図を広げて、なにやらぶつぶつと呟いていた。
学校からそれほど遠くはない海岸に、トンネルのような窪みの岩陰。その中に、大堀恵と増田有華の姿があった。
恵の隣で有華が寝息を立てている。「少し眠ろう」そう言い出したのは、有華のほうだった。
「めーたんから寝る?」その問いかけに、恵はそれを辞退し、有華に先に眠るように指示した。
こんなときに眠れるわけなんかなかった。いつ誰に殺されるか判らないこの状況で、恵は常に緊張感で張り詰めていた。
頭痛と疲労でフラフラしていたが、それでも眠ることをせず、恵は起き続けた。
「う・・・ん・・・」有華が寝返りを打つ。それに過敏に反応して、手に持っていたアーミーナイフをさっと構えた。
ここで有華を殺してしまえば、ぐっすり眠れるだろうか? そんなことを考えながら、恵は有華を見つめていた。
頭をぶんぶんと振る。また、おかしなことを考えてしまったことに反省した。
そのとき、放送を伝える合図が島内に響き渡った。
『みなさ〜ん、お休み中のとこごめんなさいね〜』
戸賀崎が皮肉たっぷりな言い方で言った。恵はバッグの中から地図を取り出す。
「ん・・・放送?」有華が今の音で目を覚ました。目をごしごしと擦りながら、恵のほうを見た。
恵は黙って頷き、放送に耳を傾けた。
『それじゃ、死んだ者から発表する。え〜、まずは、松岡由紀、そして高橋みなみ、大島麻衣、大江朝美、中西里菜。
以上の5人だ。もっとペース上げないと、全員死んじゃうぞ』
「これで、29人・・・」恵が5人の名前を書き綴る。
「それ・・・その死んだメンバーの名前書いていくの、もうやめへん?」
恵のペンを握る手がピタリと止まった。そして、有華を睨み付けるように見やった。
『それじゃ、禁止エリアを発表しま〜す。地図の用意いいかぁ? 1時からC-3いいか、C-3だぞ』
地図に禁止エリアを書き記す。有華も慌てて自分の地図を取り出した。
『3時からG-10、そして5時からH-2だ。判ったか? もう言わないからな。
それでは、お休みなさ〜い』
「よかった、ここは関係あれへんな」有華が地図を折りたたんで恵に近寄った。
「めーたん、寝てへんのやろ? 次はうちが起きとくから、めーたん寝てもええで」
「うん、ありがとう。私なら大丈夫だから」
そう言うと、恵は大きめの石の上に腰を降ろした。
有華が軽く首を傾げると、少し離れた場所に座った。
恵は手に持っているアーミーナイフをジッと見つめたまま、口を閉ざしていた。
再び、有華に眠気が襲い掛かってきて、大きな欠伸をした。
闇夜に輝く星の中に、流れ星を見つけた。普段ならはしゃいで、それを誰かに教えただろうが、なんとなく今は、それをやるべきことじゃないと有華は思い、押し留めた。
続く。
関西人ではない自分には、関西弁はとっても難しすぎますorz
めーたん、未だにキャラ固まってないのに出しちゃったよ^^;
324 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/19(日) 21:16:10
乙です!
325 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/19(日) 22:12:58
きたー
ゆかちゃん!
結構テンポいいですね
人気メンがバタバタ死んでいくのもびっくりで面白いです
毎更新面白いです!
母のような才加の優しさが心に染みます
有華の肝の太さというかマイペースぶりにも癒されました
ありがとうございます
やっぱり、りなてぃんとおーいえはサエの手榴弾で吹き飛んじゃったんだねぇ…
更新お疲れ様です!
まつゆきっていつ死んだんだっけ?
これからも頑張ってください^^
残りメンバー
小嶋、※戸島、前田、峯岸
秋元、大島優、大堀、奥、小野、河西、増田、宮澤
※多田、※柏木、※早乙女、※田名部、仲川、※平嶋、渡辺
※は未登場
330 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/20(月) 01:37:10
がんばって!(・∀‐)/
めーたんはそのまま過労死してしまいそうですね。。。。
332 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/20(月) 02:44:34
花の登場を楽しみにしてます!
「・・・じゃあ、あの銃声は、佐江だったんだ」
峯岸が肩を落とし、落胆した。麻友は信じられないと言った表情で、口を押さえていた。
「そう・・・少なくとも、佐江はやる気になってる」優子が地面に視線を落とした。
「れいにゃんも、殺されちゃった・・・」
思いつめたような顔で、峯岸を見てから言った。
「みぃちゃんは? みぃちゃん達は、なにをしようとしてたの?」
優子が峯岸と麻友を交互に見やる。
「私達は・・・才加、才加を捜してたんだ」
「才加? なんで?」優子が食い入るように峯岸を見つめた。その大きな瞳には「?」の色が大きく映し出せれていた。
「それは・・・一番信用出来そうだから」
力強い眼差しで、優子の瞳を見据えた。それに応えるように、優子がニッと笑った。
「あの、思ったんですけど」
麻友が律儀にも右手を挙げて口を開いた。3人が一斉に振り向く。
「もしかして・・・秋元さんなら、宮澤さんを止めることが出来るんじゃないですか?」あの二人仲良かったみたいですし。と続けた。
峯岸が、なるほど、と言うようにポンと手を叩いた。
「そう、かな・・・?」麻友に向かってそう言ったのは、智美だった。
智美は、れいなが殺されるときの、佐江の異質な笑みを思い出して、背中がゾッとするのを感じた。
自身の身体を抱え込むように、抱く智美に、優子が「大丈夫?」と手を背中に回して、顔を覗きこんだ。
「でも、才加なら――」峯岸が口を開きかけたとき、優子が遮るように割り込んだ。
「私達は見ちゃったんだよね。佐江が豹変した姿を・・・」
峯岸のと麻友を交互に見ると、今度は二人の向こう側の木の陰を見つめた。
「いくら才加でも、あの子を止めるのは無理だと思う。佐江のあの顔・・・」
そこまで言うと、優子はスッと顔を伏せた。その頬に、涙が流れたような気がした。
「でも、才加はまだ生きてるんだよ。佐江を止めることは無理でも、私達の味方にはなってくれるよ」必ず。そう言ってから、みなみは立ち上がった。
優子の視界に峯岸の足が映った。そのまま視線を上に向けると、峯岸がニコっと笑みを作っていた。釣られて優子も笑んだ。
「生きてるのは、才加だけじゃないよ」
口を開いたのは、智美だった。3人が智美のほうに顔を向けた。
「ずっと気になってたことがあるの。放送で名前が呼ばれる度に・・・」
智美が3人の顔を見渡してから、俯いた。3人は黙って耳を傾けた。
「そりゃあ、殺された子たちの名前を呼ぶような放送は聞きたくなかったよ・・・でも・・・」
肩がが振るえ、智美の目から大粒の涙が零れていた。麻友がハンカチを差し出すと、黙ってそれを受け取った。
「えれぴょんと、まぁちゃんの名前が呼ばれてないの。別に、名前を呼ばれるのを期待してるとかじゃなく・・・ひっく・・・」
最後は嗚咽で声にならなかったが、3人には、智美が何を言いたかったのか、十分過ぎるほど判った。
優子に守られていた知美でさえ、恐い思いを何度もして、恐怖を感じているというのに、年少の恵令奈と真奈美が、もしかして一人で怯えているのではないかと、心配していたのだろう。
その流した涙は、智美の優しさが生んだ涙だった。
「捜さなきゃいけないのは、才加だけじゃないんだよね」
智美の頭をゆっくりと撫ぜながら、峯岸が優しく微笑んだ。優子は黙ってそれを見つめていた。
麻友はというと、両膝を抱え、そこに顎を乗せて、離れ離れになってしまった、平嶋と愛佳のことを心配していた。その表情は、ひどく寂しげだった。
続く。
>>328 まつゆきは
>>301で佐江に・・・・
>>329 毎度毎度、ありがとうございます。やはりKメンの生存率高いですよね^^
みなさん、毎回たくさんの感想or応援ありがとうございます。
昨日ここを見つけて、一気に今までの分読みました
松本氏すごいです。読んでてすごくドキドキします
陽菜と麻里子の戦いのところがリアルに映像として想像できたし
>>280でみぃがとも〜みに気づいて「とも〜み!」って
飛び出しちゃったところが何かうれしかったです
まだ出てきてない秘密兵器の花ちゃん…
ここが一番楽しみです。応援してますよ
1レス更新でも中身ぎっちり詰まってますね 素晴らしい。
激しい展開の中でも、えれぴょんとまぁちゃんを心配する姉心にも配慮する
繊細さに感情移入度も増していきます。
337 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/20(月) 21:19:18
なっちゃん&らぶたんコンビはあっさりやられるタイプでは無い、
ある意味手強そうな二人なので活躍してほしいな。
338 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/20(月) 23:09:53
あ
339 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/21(火) 00:36:07
がんばってください。
340 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/21(火) 06:17:21
支援
午前2時を過ぎた頃、戸島花が隠れていた洞穴から出てきた。
その場所は、浜辺から南に位置する松林の中に、人工的に造られた4畳ほどの広さの洞穴だった。
ゲームが開始からすぐに、隠れる場所を探していた花にとっては、最高の隠れ場所だった。
あと1時間ほどで、この場所が禁止エリアになるのを知り、花は行動を起こすことにした。
「さ、花ちゃんの出番ですよ、っと」
冗談のような言い回しで、花が伸びをする。
バッグを肩に掛け、右手にワルサーTPHをクルクルと回して、グリップを握った。
「あと、19人か。ちょっと早いけど、しょうがないよね」
残り人数が、10人を切ってから動き出そうというのが、花の当初の予定だった。
「みんなには悪いけど、私が生き残らせてもらうよ」
所在のない空間に向かって、花は不敵な笑みを見せる。
銃をズボンのベルトに差し込むと、ポケットからコンパスを取り出した。
「さてと、集落は・・・あっちか」
方角を確認すると、バッグを肩に掛けなおし、その方向に足を踏み込んだ。
まず最初に、集落を目指すというのは、当初からの予定だった。昼間の暑さのせいで、節約はしたものの、水はかなり消費していた。
髪をかきあげると、もう節約する必要のなくなった水を、ゴクゴクと、喉を鳴らして飲んだ。
空のペットボトルを、バッグの中に入れると、再び茂みを掻き分けて歩き出した。
前に進みながら、花は生き残った者たちのことを考えていた。
恐らく、やる気になっているのは、自分以外に、佐江と陽菜であろうと。
そうであるなら、あの銃声や爆発音は、この2人のどっちかだ。いや、どっちとも、と言った方がいいかもしれない。
他の者は、隠れ潜んでいるか、もしくは、逃げ出す算段でも相談していて、もうその方法を思いついているかもしれない。
花が自分の首輪に触れる。
「そんなわけないか・・・」
思ったことが、そのまま口に出てしまい、花は、フッと笑った。
続く。
花ちゃん登場。
短くてすみません。なんか、読み返してみたら、誤字脱字のオンパレードですね^^;
これからは気をつけたいと思います;
>>335 嬉しいお言葉ありがとうございます。
秘密兵器かどうかは判りませんが、花ちゃんは頭の切れる子ですからねぇ。
>>336 あの2人を心配しない子がいないなんて、思えないですからね。こういう状況の中でも、やはりとも〜みは、ビクビクしながらも、ちゃんと心配してるのではいかと思ったんです。
>>337 確かにらぶたんは意外と手強そうで恐いです^^;
>>339 ありがとうございます。
とうとう秘密兵器花ちゃん始動!!!
344 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/21(火) 11:03:44
がんばってください!毎回楽しみにしてます^^
345 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/21(火) 11:08:38
花はもうAKBじゃないよ…
事実上、11月23日まではAKB
あとこの小説がスタートしたのは花が卒業宣言をする前
347 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/21(火) 15:02:52
きたー
花ちゃん
カックイイ
348 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/21(火) 17:51:09
花きたー!
今後も期待してます(●´з`)
349 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/21(火) 20:32:53
バトルロワイヤルで生き残るためには
笑顔
手榴弾
ウルトラなっちゃーん!
350 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/22(水) 02:18:55
>>337 誘導するようなこと書くなよ
流れに身を任せるのみ
351 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/22(水) 02:37:55
はなはゲームに乗るのか・・
352 :
sage:2008/10/22(水) 02:57:21
松本氏乙です。
今ハケンして一気読みしてきました。
俺の推しメン氏んぢゃったんですか・・・・梅子。
2推しのたなみんが登場してないけど、キャラ的に難しいですねw
あと、もし良かったらどっかで研究生の大家を使ってもらえたら幸いです。
乙です、何となくだけどゲロ吐いた子がいるんだからおもらしする子がいてもおかしくないような・・・
何かを潰すような、そんな音で、有華は目を覚ました。
いつの間にか、また眠っていたようで、慌てて起き上がると辺りを見回した。
数メートル離れた場所で、有華に背中を向け、石に腰を掛けている恵の姿があった。
なにか作業をしているのか、微妙に身体が揺れていて、その動きに合わせて「くっ」と言う声が聞こえた。
「めーたん、何やってる―――」
後ろから、そっと覗き込んだ有華の目が大きく見開かれた。驚きの余り、一瞬何をやってるのか判らなかった。
有華の見たその光景とは、自分の左腕を右手のアーミーナイフで何度も突き刺す、恵の姿だった。
痛みを我慢しているのだろうか、額には脂汗が滲み出ており、唇は噛みすぎて、紫色に染まっていた。
「めーたんっ!」有華が恵の右腕を取り押さえると、ゆっくりと、目玉だけを有華の方へ動かして、睨んだ。
その目は、睡眠不足のせいか、真っ赤に充血しており、その下にはクマがくっきりと浮かんでいた。
有華はびっくりしてその手を離してしまった。再び恵が自分の左腕を傷つけ始めた。
「め、めーたん・・・?」
有華の声は恵の耳には届いておらず、その動きは止まることはなかった。
恵のこの不可思議な行動は、襲ってくる睡魔を払いのけるための行為であった。
このゲームが怖くて仕方なく、そのせいか、自分が眠っている間に、有華が寝首を掻くことを恐れ、眠ることさえできなかった。
かと言って、有華を殺す勇気すらなく、たった一人で睡魔と恐怖に怯えていた。そのせいかどうかは判らないが、恵は錯乱状態になっていた。
ナイフを突き刺すその顔は、何も知らない人が見れば、麻薬中毒者のそれにも見えた。
リズムよくナイフを突き刺していた手がピタリと止まると、唐突にくるりと有華のほうを向いた。
立ち上がり、有華に微笑みかけた。元に戻ったのかと思い、有華が話しかける。
「めーたん、寝てへんやろ? ウチ見張りやるから、少し眠ったほうが―――」
「行かなきゃ・・・」恵が海岸の方向へと向かって歩き出した。
「行くってどこ行くん?」有華が恵の動向を不安そうに見守った。
ゆっくりと海岸を目指して歩く恵が、今度は首だけを有華のほうへ向けた。
「有華も行かなきゃ、みんな待ってるよ」
ふふ、と笑ったあと、再び歩き出した。
「みんなって・・・・そっちは海やで?」
様子のおかしい恵の動向を止めようと、有華が恵の前に回りこんだ。
「なに言ってるの、今から公演でしょ? 早く行かなきゃ、怒られちゃうよ」
その目には、有華は映っておらず、その先にある海の、そのまたずっと向こうを見ているようであった。
「あかん! めーたん、目ぇ覚ましいや! 向こうにはなんにもない!」有華の目から涙が零れた。
恵の両肩を押さえつけて、何度も揺する。
恵の右手にあるアーミーナイフが振り下ろされた。有華の左肩に電気が流れたような、そんな痛みを感じた。
「どけっ! もう始まっちゃうでしょ」
歩みを進めた恵の身体は、腰の辺りまで海水に浸かっていた。
「め、めーたん・・・待って・・・」有華が左肩を押さえ、恵の背中を追った。
海水が胸の辺りまで浸かったとき、恵の身体が何かに引っ張られるように、ズボンと沈んだ。
「え? めーたん!」
有華が慌てて、走り出すも、恵の姿はどこにも見当たらない。そのとき、恵の身体が沈んだ数十メートル先向こう側で、恵が溺れている姿を見た。
「た、たす・・・たす、け・・・」ナイフで傷つけた左腕のせいで、思うように泳げないらしく、恵はもがき続けることしかできなかった。
真夜中の海は暗く、恐怖心だけを掻きたててくれた。意を決したように有華が上着を浜辺へと脱ぎ捨てる。
飛び込む際に、左肩に痛みが走った。
波は思ったより高く、中々前へ進んでくれなかった。もう一度恵の所在を確認しようと、足を着いた。
先ほどまでもがいて、不規則に舞い上げていた水しぶきが、止んでいた。
「え・・・?」有華の心臓がドクリと鳴った。目を凝らして、記憶を頼りに何度もその方向を見やる。
恵の姿を捉えた。すでに動かなくなったその身体は、仰向けに浮かんでいた。
「嘘や・・・」信じられないと言った顔で、その場に立ち尽くした。
波に乗せられて、恵の身体が寄せられてくる。
目の前に来たとき、有華は恵の身体を抱き寄せて、泣き叫んだ。
流れ落ちる涙の粒が、恵の顔にポタポタと落ちては、また流れた。
「死」と言う恐怖が、大堀恵を殺した。
続く。
花ちゃん、期待されまくってますね。
>>352 お初の方ですね。はじめまして。
研究生を今から出すのは少々難しいと思います^^; まあ、たなみんに期待してください。まだどうなるかはわかりませんが・・・
>>353 おもらしですか・・・? その発想は無かったですw確かに居てもおかしくないですよね。
乙です
お疲れ様です!
めーたんは恐らく過労死に近いですね…
更新お疲れ様です
めーたん(泣)でも、めーたんは実際にそうしそうですね
>>353 確かに漫画でもBR2でも、おもらしする子はいましたからね(漫画はBR中じゃないけど)
第三の女は花ちゃんでしたか
肉体本能系の佐江とこじはるに対して、知能犯的な怖さを感じますね
有華の優しさ故の負傷がこれからどう影響するのかも楽しみです
毎回期待以上の面白さに感謝します
360 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/22(水) 17:34:04
大堀の人間の弱さ=人間らしさがすごく良かったです
コレ、映画化とはいかなくてもtgskイラネみたいな形で作ってくれないかな・・・・
絶対面白いと思うんやけど。
今夜も更新あるかなぁ…?
朝起きて出社途中で読むのが最近の楽しみです!
真奈美かえれぴょんはおもらしするのかと思ってたら、作者さん全く考えてなかったんですね
ちょい残念
364 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/23(木) 02:49:53
このスレ最高
松本氏最高
「恵令奈、真奈美のバッグ持って。今から診療所に向かう」
才加が焚き火に砂を掛けて火を消した。自分のバッグを肩に掛けて、真奈美をおぶった。
突然のことに、恵令奈は眠たい目を擦り、口をポカンと開けて才加を見つめた。
「早く。動くのは危険だけど、こんなとこに寝せてたら、余計に悪化してしまう」才加が背中におぶっている真奈美を、顎で指し示す。
言ってることを理解した恵令奈が、慌ててバッグを二つ両手で抱えた。
「決断までに時間取りすぎた。少し急ごう」そういうと、才加は歩き出した。
事実、真奈美の体調に気づいてから、3時間以上が過ぎていた。風邪で動けない真奈美をつれて、さらに恵令奈を守りながら移動することに自身がなかったからだ。
茂みの中を真奈美をおぶって歩くのは困難だった。
「くっ」才加が歯を食いしばってるのを、恵令奈は気づいた。
「大丈夫? すごい汗だよ」
ちらりと恵令奈のほうを見ると、大丈夫だよとでも言うように、少しだけ微笑んだ。その顔に疲労以外に何かを恵令奈は感じ取った。
隣を歩く才加を観察する。おんぶされている真奈美が才加に身を任せたまま、寝息を立てている。
そのまま視線を落として、記憶を遡らせる。―――針と糸。
「―――あ」
恵令奈の足がピタっと止まった。今まで平気そうにしていたので忘れていたが、才加は脇腹を刺されていたのだ。
それなのに、昼間あれだけ動き回り、さらに今、真奈美をおぶって移動してる途中だ。ちゃんと治療したわけでもないのに、痛くないわけがない。
「恵令奈、なにしてるの? 置いていくよ」
才加が、身体を少しだけこちらに向け、早くと急かした。
居た堪れない気持ちでいっぱいになった恵令奈が、才加の持ってるバッグを奪い取るように引っ張った。
「持つよ」えへへ、と笑いかけて、背中に一つ、両肩に胸の前で交差するように二つ持った。
才加が傷のことで泣き言を言わないなら、それを自分が口にするこではない、だったら、自分は何も思い出さなかったことにしよう。恵令奈はそう決めた。
才加が何か言いたげそうに口を開いてから、そのまま何も言わず口を閉じた。代わりに、笑みを作って、「ありがとう」と言った。
午前4時を過ぎたころ、眠っていた優子が欠伸をしながら起き上がった。その隣では、麻友が眠っている。
「早いね、まだ寝てていいのに」智美が心配そうにそう言うと、優子が口の片端を持ち上げて、眉をへの字にしてから「なんか寝れなくて」と言った。
「今度は二人寝てよ。見張りは私一人でも出来るからさ」優子がズボンの前に差しているCz75を叩いて笑顔を見せた。
「私は、もう十分寝たから」峯岸が言うと、智美も辞退した。
「じゃあ、まゆゆが起きたら、出発しようか」
焚き火に薪をくべながら、峯岸が麻友の寝顔を見やった。
「そうだね」優子も峯岸の視線を追うように、麻友を見てから、ふふっと笑った。
「でも、どうやってみんなを捜すの? やっぱり今までみたいに闇雲に歩き回るだけ?」また、佐江に出くわすかもしれないよ。そう続けたあと、苦笑いをした。
「それなら、これがあるから大丈夫―――あれ? あ、まゆゆが持ってんだっけ」
自分のポケットをまさぐったあと、思い出したように、麻友に近づいて、ポケットに手を入れた。
「・・・ん、んん・・・なんですか?」麻友が目を擦りながら峯岸を見上げる。
「ごめん、起こしちゃった。ちょっと発信機貸して欲しいんだけど」
片目を瞑り、両手を顔の前に合わせた。麻友がもそもそと起き上がり、バッグの方を指差した。
「あれなら、バッグの中ですけど・・・」
優子と智美がコケる振りをする。峯岸が頭を掻きながら、ははは、と照れ笑いをした。
麻友が発信機を取り出して、優子と智美の前に突き出した。
ボタンを押してスイッチを入れる。緑色の画面に十字の黒い線が画面の端から端まで伸びていた。その真ん中に黒い丸が密集していた。
「この真ん中にある丸が私達です」麻友が得意気に画面を見せた。
「真ん中ってここだよね?」優子が不思議そうに口を開いた。
「丸5個あるよ」今度は智美が、首を傾げる番だった。
え?と言う顔で峯岸と麻友が画面を見た。
密集している4つの丸のすぐ隣に、もう1つの丸が確かに存在した。
峯岸が顔を上げた。瞬間、麻友の背中を突き飛ばした。それと同時に目の前の茂みに向かって上段蹴りを繰り出していた。
「つっ――」微かに聞こえたその声と、足に伝わった確かな感触で、敵の存在を確認した。
「佐江!?」峯岸が敵を確認して叫んだ。
佐江が仰向けで倒れ、上半身をゆっくりと起こし、銃をすっと構えた。躊躇うことなく佐江のマシンガンから銃弾が発砲された。
その銃弾は、峯岸の胸を貫き、佐江が素早く身を起こした。
「みんな、逃げて!」峯岸が地面に膝を着いたまま、力を振り絞って叫んだ。
「峯岸さん!」麻友が叫んだ。佐江の右手が今度は麻友のほうへと向いた。
智美が、バッグを一つ掴むと、麻友に覆いかぶさるように茂みの向こうへ飛んだ。
そのとき放たれた銃弾は、智美の背中に3発当たった。
「まゆゆ! 逃げるよ」智美が麻友の耳元でそう囁くと、麻友は首をぶんぶんと振って抵抗した。その目からは涙が溢れ、顔はグシャグシャに崩れていた。
「ここに居たらみんな死んじゃう、今は生きることだけ考えよう」泣き叫びた$いのは智美も一緒だった。やっと出会えた峯岸と、こんな形で別れるとは思いもせず、ただ、今は峯岸の跡を継ぎ、麻友を守ることを優先した。麻友の手を引っ張って、走った。
佐江がマシンガンを構え直したとき、パンッ!と言う音が鳴った。今度は優子が銃を放っていた。
「佐江、こっち! 私が相手したげる」
佐江の口元がニヤっと笑うのが見えた。身体の向きを90度ずらして、今度はマシンガンではなく拳銃で優子を撃った。
優子の心臓を狙っていたのが判った。佐江の右手がこちらへ向いたときに、咄嗟に木の陰に隠れたおかげで、弾には当たらなかった。
とりあえず、智美と麻友が逃げ切るまでの辛抱だと、もう一度身体を佐江に見せ、Cz75を構え、そして放った。
佐江が木の後ろに隠れていたが、そんなのお構いなしに銃をぶっ放した。弾が切れたのをきっかけに、優子は佐江とは反対方向に走り出した。
佐江がマシンガンの引き金を引いた。ぱぱぱぱぱぱ、と言う音が辺りに響いた。弾の一発がふくらはぎに当たり、一瞬ぐらりと優子の身体が傾いたが、持ち直し、走り続けた。
スミス&ウエッソンに持ち直した佐江が、同じ方向に走り出した。
足の速さに自信があった優子だが、佐江のほうが速いのだと思い出して、苦笑いをした。
だが、佐江は荷物を抱えながら走っている。そう考えたら、幾分優子のほが有利だった。
銃声の音はすでに止んでいたが、耳に残ったその音が何度も繰り返し、優子は走るのを止めなかった。
続く。
メンバーが徐々に減っていく様は、正直居た堪れない気持ちになります^^;
>>359 無差別な佐江と計画的行動の陽菜と頭脳戦の花って感じですかね。
368 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/23(木) 09:27:26
アチャーー優子負傷しちゃったんですか。
でも、われらの優子はこれしきの事では
へこたれないはず・・・・・ですよね?
この逆境にめげず反撃に転じる大島優子を
見たいと思うのは僕だけ?
と言った、一読者の勝手な想いは完全無視で、
松本氏の思い通りに突っ走って下さい。
続きを楽しみに待っています。
369 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/23(木) 13:03:47
コリス・・・(泣)
更新のハイペースぶりに嬉しい驚きです。
ありがとうございます。
発信器を付けた途端の戦慄がカッコイイです。
みぃの身を挺した犠牲は「才加と合流しよう」と提案した事も含めて
皆の役に立ったと思います。
そして才加の傷を心配しつつもあえて口に出さないえれぴょんに
真の優しさを見ました。
優子もさすがですね。囮になって佐江を挑発する所が優子らしくて素晴らしい。
瀕死の重傷なのに自分よりもまゆゆの安全を考えるみーちゃんに涙……
この作品のサエの性格上その後はみーちゃんにトドメを刺すんだろうなぁ…
>>368 二行目がフォローになってない
有志でやってくれてるんだからやはり一行目はあかんよ
374 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/23(木) 21:38:22
いやー面白くなってきましたね!今後の展開を期待しつつ、寝ます…
375 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/23(木) 22:16:16
なんで宮澤をこの役にしようと思ったんですか?
配役の決め方にとても興味があります(^^)
376 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/24(金) 01:12:30
短パンマン
377 :
363:2008/10/24(金) 01:29:47
>>370 ああその通りだ、だが個人的には峯岸みなみが1番だが
今夜も更新してくれるかな?
早くオカロVSサエが見たいです!
まとめサイトみたいなのを作ったらいかがでしょう?
ぶっちゃけ、おもらしするなら誰でも良い
やっぱオカロカッコいいなぁ・・・
リアルでもこうあってほしい。
胸に弾丸を撃ち込まれ、大量の出血していたにもかかわらず、峯岸みなみはまだ生きていた。
佐江が優子を追ったおかげで、とどめを刺されなかったのが幸いした。
ただ、意識が朦朧としていて、目が霞んできていた。そんな中、峯岸の目の前に友美の顔がぼんやりと映った。
「みぃちゃん、なにやってんの? そんなとこで寝てないで、こっちおいでよ」友美がいつものように鼻にシワを寄せて笑う。
あぁ・・・そうだ、この友美はAKBに加入した頃の友美だ。峯岸は口の端をゆっくり持ち上げて笑い返した。
ねえ、ともちん。私死ぬんだね・・・。そしたら、そっちの世界でまた、AKBできるかなぁ?そしたら、一緒にユニット組もうね。
「とも、無理言っちゃダメだよ。みぃちゃん、私達先に向こうで待ってるからね」今度は高橋の顔が友美の横から現れた。
相変わらずたかみなはちっちゃいなぁ・・・。あのね。私、たかみなのこと、本当は尊敬してたんだよ。はは・・・なんか照れるね、こういうの。
「こら、もう二人とも、あんまり急かすようなこと言わないの。みぃ、慌ててこっちに来なくていいんだからね。来たくなったら、おいで」高橋と友美に怒った顔を見せた後、今度は峯岸に優しく微笑んで見せた。
まいまい、ありがと。でも、私、もう無理みたい。すぐにそっちに行っちゃうかも・・・。
「ねえ、みぃちゃん、今の気持ちはどうですか?」突然、由加理が右手をマイクに見立て、峯岸の口元に持ってきた。
気持ち・・・? なんだろ? ムカつく・・・かな? だって、こんなゲームのせいで、みんな・・・死んでいくんだもん。
「じゃあ、15年間は短かったですか? それとも長かったですか?」今度は希が右手を向けていた。
そんなの、これからの人生過ごしてみないと判んないよ。
「死ぬのは怖いですか?」仁美と梨紗、そして朝美が峯岸の顔を覗きこんだ。
怖い・・・かな? でも、みんなと一緒なら、怖くないかも。
「じゃあ、最後の質問」里菜が真剣な眼差しで、峯岸を見ていた。
「AKB48に入れて、良かったですか?」
――――――はい。
――――――――――――
――――――――
―――――
「みぃちゃん。死なないで」
恵令奈の顔が浮かんだ。その顔は泣いていた。
遠のいていく意識を、最後の力を振り絞り引き戻し、ぼんやりと目を開けた。
東の空がうっすらと紫色に染まり、その微かな光の中に、小野恵令奈と秋元才加が峯岸を見下ろしていた。
続く。
シンディと麻里子がいないとかいうツッコミはなしでお願いしたいですw
>>368 まあ、優子がそう簡単にやられるとは、自分も思ってませんけど、どうなるかはまだ判りません。
>>371 折角合流したのに、またバラバラになっちゃいましたがね^^;
>>375 小説書く前に、
>>1から全て読んでみて、山本たろうのやっていた役を才加にしようと決めてたんです。
それで、その相手役を、と考えてたら、自然と佐江が浮かびました。麻里子様もちょっとだけ浮かんだんですけど、やっぱ佐江が適役かなと。
383 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/24(金) 08:34:28
お疲れさまです!まさかこんな感動するシーンがあるとわ…(>_<)
みぃちゃんは生きてたと解釈して良いのですかね?
384 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/24(金) 12:05:34
ミネギシきたー
全俺が泣いた
感動で肌が泡立った…
ありがとうございました!
みーちゃんにひたすら涙……
387 :
松本氏:2008/10/24(金) 16:33:34
あたしらぶたん
なっちゃんと一緒とまゆゆと一緒に行動してたんだけど、まゆゆったらうんこするって言ったきりどっかいくんだもん。あたしもうんこしてこよっと
ダダダダダ
一緒ちゃんて初めて聞く名前
乙です。
まさかこんな感動シーンが待ってるなんて思ってなかったので思わず泣きそうになりました
松本さんヤバいです!俺泣きました!
次回も楽しみにしています!
今夜も更新かなぁ…ワクワク
相馬光子みたいなおもらしシーン希望
松本氏の話面白いですね!
あまりにも佐江の存在がキョ−レツで…テレビとか雑誌で佐江見た時に、思わずギョっとしてしまうオレがいます!(><)
続きも楽しみにしてます
「才加・・・?」
峯岸の唇から、微かに声が洩れた。
目を開けておくのも、唇を微かに動かすのも辛かった。
「やっと・・・見つけた・・・」
ほとんど動かない顔の筋肉を精一杯動かして笑みを作った。
才加が黙って微笑んだ。恵令奈の右手が峯岸の頭を撫でていた。
「えれぴょん・・・とも〜みが、心配してた・・・」
頭を優しく撫でる恵令奈の手の心地よさを感じながら、峯岸はそう言った。
「才加・・・」視線を才加に戻し、そう呟く。
「なに?」悲しさにも似た笑顔で、才加は首を傾げた。
「まゆゆと、とも〜み・・・それから・・・優子」
そこまで言って、苦しそうな顔をした。
恵令奈が、「もう喋らなくてもいいよ――」と目に涙を一杯に溜めて、言った。
「その3人がどうしたの?」
才加が左手を恵令奈の方に伸ばし、遮ってから、峯岸に聞いた。
「・・・才加のこと捜してる・・・」
言い切ったあと、峯岸は大きく息を吸い込んだ。空気が漏れているように、思うように呼吸が出来なかった。
才加が、峯岸の右手を握って、「わかった」とだけ言った。
峯岸は、自分がもうあまり喋れないことを判っていた。
「私・・・もう、いくね・・・みんなが、待ってる・・・から」
そう言った峯岸の視線は、才加でも恵令奈でもなく、その向こう、木々の間に見える東の空を見ていた。
「みぃちゃん・・・死んじゃやだよ・・・」恵令奈が涙をボロボロと流していた。言葉の節々が震えているのがわかった。
才加の背中に凭れて寝ていた、真奈美がいつの間に起きていたのだろうか、声を殺して泣いていた。
「才加、えれぴょん・・・まぁちゃん・・・」それぞれを視線だけで見た。
「生き残って・・・」
そう言って、峯岸は優しく微笑んだあと、ゆっくりと目を閉じた。
みんな・・・待たせてごめんね。今、そっちに向かうよ・・・。
微笑んだまま、峯岸は死んだ。動かなくなってぐったりと全身に重力を委ねている峯岸の体を、恵令奈は抱きしめた。
そして、そのまましばらくの間、泣いた。
集落の中にある1軒の家屋に、平嶋夏海と多田愛佳が隠れていた。
隠れているのは隠れているのだが、昨晩平島が自分のバッグの中から見つけた、紙切れのせいで、二人とも隠れてるという自覚はなく、その紙切れに書かれていることに頭を悩めていた。
平嶋のバッグの底に肉眼ではわかりにくい切れ込みが入っており、その中に小さく折りたたんだ紙切れが2枚入っていたのだ。
その紙切れの1枚目には、こう書かれていた。
『首輪の外し方』と。そして、その外し方が載せてあった。
2枚目には、『注意』と書いてあり、諸注意等が書いてあった。その内容の1文を抜粋するとしたならば、『この首輪を外されば、外した者以外の首輪は爆発されるべし』と書いてあった。
「なんかさ、うさんくさいよね?」
平嶋が苦笑いして、愛佳から紙切れを受け取った。
「多分、これを外そうとした人の首輪が爆発するんだよ」
愛佳が、自分の首輪を指差しながら言った。
「だって、もしさ、なっちゃんがこれを学校を出たときに見つけちゃって、すぐに外したらどうなるの?」
「そりゃあ、みんなの首輪が爆発して・・・」私だけ助かるんじゃない?と続けた。
「それだと面白くないよね?」
愛佳が首を傾けた。
「なんで?」
「放送聴いててわかんない? 戸賀崎さん、毎回楽しそうだよ」眉間にシワを寄せながら、ムッとした表情をした。
「みんなで殺し合いをさせるのが楽しいってことは、こんなすぐに終わらせれるような仕掛け作ると思う?」
そこまで言うと、愛佳は得意気な顔をした。平嶋は思う。この子はいつだってそうだ、年下の割りに頭の回転が速い。たまに大人を言い負かすことだってある。
平嶋は唇だけで「なるほど」と動かした。
ガタン。
外から音が聞こえて、平嶋は窓から目だけを覗かせた。愛佳は戸惑いつつも、平嶋の隣へと寄り添った。
「誰かいる」平嶋が小さな声で愛佳に伝える。
「ど、どうする?」愛佳に先ほどの得意気な顔はすでに無く、一変して不安な表情へと変わっていた。
「ちょっと待って」愛佳の言葉を遮り、平嶋が外を観察した。
向こう側の家の端から、人影が見えた。その人影は、左肩に支給されたバッグを掛け、右手には拳銃を振り回すように持っていた。
「花ちゃんだ」平嶋が唇をほとんど動かさないで、呟いた。
「らぶたん逃げるよ」平嶋が自分のバッグを持ち上げ、自分の武器、ダブルデリンジャーをポケットに入れた。
「え、ああ、うん」
愛佳が慌てて身支度を始めた。右手には何故かピコピコハンマーを持っていた。愛佳の武器である。
「いい加減、それ捨てたら?」平嶋が呆れてため息をついた。
それは愛佳のお気に入りになったようで、肌身離さず持っていた。そのハンマーで平嶋は、昨日数えただけでも20回は叩かれた。もちろん面白半分でだが。
花がこちらに向かってくる前に、平嶋は戸口に手を掛け、愛佳に向こうの森まで行くように促した。
続く。
自分も書いてて泣きそうになるのを堪えて書きました。
みぃちゃんの思いは才加たちに伝わったと思うので、これ以上は語りません。
397 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/25(土) 07:48:33
乙です!リアルタイムで読んでました!
朝から涙を流すことになるとは…
今後の展開が気になります!
頑張って下さい!
398 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/25(土) 08:42:13
支援支援
399 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/25(土) 10:20:23
残りメンバー
小嶋、戸島、前田
秋元、大島優、奥、小野、河西、増田、宮澤
多田、※柏木、※早乙女、※田名部、仲川、平嶋、渡辺
※は未登場
400 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/25(土) 11:04:48
みぃちゃん(´;ω;`)
A少ねえ orz
松本サン朝一番でお疲れ様です!
みーちゃん死んじゃったけど、最後は救われたね…
みぃちゃんは見事な最後でした。
仲間の為に為すべき事をやり遂げて往生したかっこよさと
苦しくてもあえてみぃの遺言を引き出した才加の男気に惚れ直しました。
花ちゃんを見てすぐに危ないと気付いたなっちゃんの才気にも期待してます。
404 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/25(土) 17:07:26
早乙女と田名部は作者が存在を忘れてるんじゃないか心配だわ笑
405 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/25(土) 18:29:02
いやー 普通に いや普通以上に、作品として素晴らしいです
406 :
313:2008/10/25(土) 21:02:01
ピコピコハンマー採用してくれてありがとう。
おもらしも採用して下さい
408 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/26(日) 02:07:51
おもらしは勘弁してください。この作品大好きなんで。
409 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/26(日) 02:19:27
みぃちゃんの最後に思わず涙してしまいました
この最後は素晴らし過ぎる、しかもみぃちゃんがまたこの役をやったのも似合っていたと思います
ところで、おもらしですか?無しと言いたいとこですが、漫画も映画の2でもあるなら無しとも言い難いですね
松本氏が面倒じゃなければ、その回だけ注意書きを入れて読む人は読む、読まない人は読まないってやればいいかと・・・
410 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/26(日) 05:05:17
なんで おもらしおもらし言うの?
作っていただいた作品を読ませて頂いてるんだから 作者の世界観を惑わすようなことはやめようよ
花の姿を木の影から見送ると、平嶋は「ふぅ・・・」とため息を付いた。
「ねえ、なんで隠れるの? まだ敵かわからないじゃん」
愛佳が平嶋の腕に向かって、ハンマーをピコピコと鳴らした。
「ちょ、愛ちゃん五月蝿いからそれ止めてよ」
平嶋が慌てて、ハンマーを押さえる。それから、愛佳の疑問に答えた。
「花ちゃん、一人だった・・・」平嶋が地面に目線を落として、真剣に言った。
愛佳は、だからなに?と言いたそうな顔で、キョトンとしていた。
「誰が敵で、いつ殺されるか判らない状況なのに、あんな堂々としてるなんて、普通じゃないよ」
少しだけ声を震わせて、平嶋が言った。愛佳は尚もキョトンとした顔で平嶋を見ていた。愛佳が口を開く。
「誰か捜してたとかじゃなくて?」
「そうだとしても、武器をあんなふうに持ち歩いてたら、見つかるもんも見つからないよ」
平嶋がそう言うと、花が右手でくるくると銃を振り回してるいのを、愛佳は思い出した。
「あいちゃんも振り回してるよ」ピコピコハンマーを今度は木の幹に向かって叩き出す。ピコピコと間抜けな音で、平嶋がため息をついた。
「でも」愛佳がハンマーを止めて言った。「あれだけの時間で、そこまで判ったんだね。なっちゃんすごいよ」よしよしとでもするように、今度は平嶋の頭で、ハンマーを軽く3回鳴らした。
平嶋が苦笑いで、それを右手で塞いだ。
「真実はいつもひとつ!」突然愛佳がハンマーを持った腕を胸の前でビシッと伸ばし、ポーズを決めた。
「・・・なにそれ?」平嶋が苦笑いのまま、口をポカンと開けて聞いた。
「コナンじゃん、コナン」知らないの?とでも言うように、愛佳が平嶋を見た。
「いや、判るけどさ・・・」
平嶋が先ほど叩かれた頭を、ポリポリと掻いた。
「なっちゃんの名にかけて! なんちゃって」愛佳が笑って同じように、今度はさきほどよりも冗談交じりにやった。
「いや、それ、じっちゃんだから、なんか私死んだ人みたいに聞こえるじゃん。やめてよ縁起悪い」
呆れてそう言うと、愛佳がハンマーで口を隠し、くくく、と笑った。
愛佳の楽しそうな姿を見て、もしもこの子の武器が、こんなおもちゃではなく、銃器類だったら?と考えた。
それでも、愛佳はそれをおもちゃのように扱い、やはり楽しそうに遊んだに違いない。想像して、平嶋は笑った。
平嶋が笑ったのを、愛佳は自分が笑わせたのだと勘違いして喜んだ。
有華が戸賀崎の放送に気づいたのと、海の底で恵のアーミーナイフを見つけたのはほぼ同時だった。
「ぷはっ。 はぁはぁ・・・」海岸に上がった有華がナイフをバッグの横に置き、地図を広げた。
恵の死体は、有華がそのまま海へと沈めてしまっていた。眠っているだけのように見える、恵を見ていると、自分が自分じゃなくなりそうで怖かったから。
代わりに、恵の武器のアーミーナイフを探した。
戸賀崎の放送で、大堀恵と峯岸みなみの死が伝えられた。恵の名前を聞いたとき、有華の顔つきが少しだけ険しくなった。
そのあと、禁止エリアを告げ、戸賀崎の放送は終わった。
地図を折りたたむと、有華はアーミーナイフを取り上げた。
「めーたん・・・仇はうちが討ったるからな」
ナイフに、有華の冷たい目が映った。
左肩の傷を確かめるように、巻いた布を手で触った。
無理をしすぎたせいか、左肩は酷く痛み、右腕の感覚はほとんど皆無だった。
それでも、わずかに残る感覚で、指を動かす。ゆっくりだが、人差し指と親指が動いた。
恵を沈めた海を見つめる。潮風が有華の髪をかきあげた。
朝の冷たい風は、有華の心の中を吹き抜けた気がして、寂しさを増幅させた。
気づくと、有華の頬に涙が伝っていた。
右手でそれを確認すると、有華は、ふっ、と鼻で笑った。
あれだけ泣いたにも関わらず流れ落ちる涙を見て、ああ、涙は枯れ果てないものなのだな、と思った。
有華が声を出して泣いた。
その泣き声は、次第に激しくなり、いつの間にか有華は立つことも出来ず、地面に崩れるように膝を着いていた。
二度目の涙は、一度目のそれとは違い、悔し涙に近かった。
一通り泣いて、すっきりした有華が立ち上がった。
目は赤く腫れ上がってはいたものの、その見つめる先は、海ではなく、その反対側、山でも森でもなく、島全体を見ているようでもあった。
右肩でバッグを担いだ有華が、足を踏み出し、出発した。
右手にしっかりと、ナイフを握り締めて。
続く。
愛ちゃん書いてて楽しいなあ^^
ピコピコハンマーは
>>313を見たときに、これだ!って思ったんで、使わせていただきました。ありがとうございます。
おもらしの件ですが、今のところ書くつもりはないです。最初に言っててくれば書いてたかもしれませんが・・・・。
ですが、もしかしたら、そういう場面のときに、さり気なく入れてるかもしれません。まあ、約束は出来ませんが^^;
414 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/26(日) 06:19:22
乙でし
415 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/26(日) 06:22:04
乙です。有華かっけーっすね。
メンバー全体を均等に描写していて読んでてとても楽しいです。これからも頑張ってください。
ところでゲーム開始からどれくらい経ってる?
3日で終わっちゃうんだよな?
愛ちゃんは癒しですねー
ピコピコハンマーの使い方がうますぎです
有華の凛々しさと優しさにグッときました
毎更新グッとくるシーンの連続で感嘆します
おもらし、おもらしとか言ってるスカトロ厨は自スレ立てて自分でスカトロ小説書いたら?
毎日更新してくれている松本サンに対する感謝の気持ちが微塵にも感じられない…
メンにも読んで欲しいクオリティ
>>419 そうだね
でもすでに愛読者になってるメンバーがいたりしてねW
421 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/27(月) 01:58:05
たかみなと板野の殺りあい、助け合いなんかも見たかった
422 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/27(月) 02:42:19
展開が読めん!マジ面白過ぎ
仲川遥香は、目を覚ました。
その目に、木々の緑と青い空が見えた。
遥香が体を起こしかけた。途端、体に激痛が走り、起こしかけた体を元に戻した。
「はるごん、だめだよ無理しないで。怪我してるんだから」
遥香は首だけを動かして、それに応えた。
「これ、前田さんがしてくれたんですか?」そう言ってから、「ありがとうございます」と言った。
敦子が笑顔で首を横に何度か振った。
「ううん、別に大したことしてないよ。―――それより、私のほうこそ、ありがとう」
「え・・・?」遥香が目をいくらか大きくして、敦子を見た。
「はるごんが居なかったら―――死んでた」
少しだけ俯くと、遥香を見てから、はにかんだ。
その笑顔は、夏の太陽よりも眩しく見えて、遥香は目を逸らした。
「ねえ、お腹空いてない? こんなものしかないけど、食べて」敦子が支給されたパンと缶詰を差し出した。
遥香がゆっくりと体を起こすのを、敦子が手伝った。さて、食べようと思ったときに、左手が動かないのに気づいた。
「大丈夫? あ〜んしてやろうか? あ〜ん」冗談には聞こえない敦子の申し出を、顔を赤くして丁重にお断りし、右手で、パンを齧った。
遠慮しなくてもいいのにぃ。と敦子が不満顔をしてから、遥香の隣へ寄り添うように座った。
「こ、これからどうしますか?」慌てるように遥香が敦子に聞いた。
ん〜、と少しだけ唸ってから、「もうちょい南西に行ったとこに診療所があるけど・・・行く?」ちゃんとした治療出来ると思うし。と、言った。
「怪我なら、もう大丈夫ですけど――――行きましょう」気を遣わせないために言ったつもりつもりだったが、敦子の目があまりにも真剣だったため、言うとおりにした。
脇腹から全身に痛みが響き渡るのを感じ、少しだけ顔を歪めて、立ち上がった。
敦子がすぐに、肩に腕を回してくれた。ただ、敦子はすでに荷物を抱ええていたため、遥香はそれをすぐに辞退した。
そして、荷物を一つ受け取ろうと手を伸ばしたが、それに関しては、敦子が頑なに拒んだ。代わりに、敦子がウージーを手渡した。
「はるごんが持ってたほうが、心強いから」と言うことだった。それから、敦子はグロック17Lを見せて、「私はこれで十分」と言った。
遥香は、こういうとき、何て返せばいいのだろうと考えた。考えたものの、何も出てこず、代わりに笑うことにした。
そして、二人はその場を後にし、診療所へと向かった。
続く。
Aメンって3人しか残ってなかったんですねぇ・・・。
>>416 大体30時間以上経ってる計算になります。1日と6時間くらいってことですね。
以外にBメンが生き残っているな
佐江ちゃんに殺られたメンバー
藤江、佐藤亜、佐伯、倉持、松原、成瀬、松岡、高橋、大島麻、中西、大江、峯岸
4人に1人は佐江ちゃんに殺られています。
427 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/27(月) 13:57:00
●アイドルAKB48 秋元才加 ●月心会/武田梨奈 芦原会館/小林由佳 (全日本女子チャンピオン)
●美里ゆう(糸東流7大会連続優勝) ●渡辺久江(元DEEP女子ライト級チャンピオン)
映画 ハイキックガール 秋元才加 合気道2段で 勝ち
よってバトルでも秋元才加
428 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/27(月) 15:46:02
使えない外人かばって死亡
診療所の有様を見た才加たちは愕然とした。
建物の半分は、薫の作った手榴弾により壊滅され、地面には明日香と松原の死体が転がっていた。
「ひ、ひどい・・・」才加が目を見開き、呟いた。
「佐江ちゃんだ・・・」
恵令奈がマシンガンの銃弾を拾い上げ、そう呟いた。
真奈美を背中から下ろし、松原の頬に触れた。
「なっつみぃ・・・助けてあげれなくて、ごめんね」そう言うと、手のひらで松原の目を閉じさせた。
「明日香も・・・ごめん」松原同様、目を閉じさせる。
「どうしたんだろ・・・」恵令奈が俯いて呟いた。
才加が顔を上げて、恵令奈を見やった。
「佐江ちゃん、どうかしちゃったのかな?」
悲しそうに呟くと、恵令奈は口を閉ざした。才加はそれに対して何も応えることが出来なかった。
佐江は一体何を考えてるのだろうか。一番の理解者だと思っていた才加ですら、その意図は判らなかった。
もし、佐江を止めることが出来る者が居るとしたら、それは自分だけだろう、とも思った。
半壊した診療所を、詮索するように中に入った。どうやら診察室は無事だったようで、薬の瓶やらが並んでいた。
入院用の病室に入ったとき、壊れたベッドの下敷きになっている理沙を見つけた才加が、柱を拳で殴った。
才加は理沙をベッドの下から引きずりだし、明日香と松原の横に並べるように、寝かせてあげた。
「誰かくる」恵令奈が振り向いて小さな声で叫んだ。
「隠れて」才加がそれだけ言うと、恵令奈が真奈美の手を引き、診療所の中へと入った。
ショットガンを構えて、声のするほうに、顔だけを出した。
茂みの中から、人影が見えた。前田敦子と仲川遥香だった。
「ここだ、ここだ―――え・・・?」診療所を見つけた敦子が絶句する。
「宮澤さんですね・・・」落ち着いた口調で、遥香が言った。
「これ・・・」全身に響く痛みのせいで、少しおかしな歩き方になっている遥香が、明日香たちの死体を見つけた。
「うん、マシンガンだ・・・」敦子が項垂れる。
教会での戦いを思い出す。この爆発の仕方といい、明日香たちの銃弾の痕といい、間違いなく佐江の仕業だろうと確信した。
「あんた達」
急に呼ばれたせいで、敦子と遥香は身構えた。遥香は自然とウージーを構えていた。
「戦う気はないから」そう言いながら、才加が両手を挙げて出てきた。「そっちがその気なら、話は別だけどね」
そう言う才加の顔は、少しも笑っていなかった。
「才加・・・?」敦子が驚いて、目を見開かせた。
「二人?」辺りをキョロキョロと見渡した才加が、視線を敦子に戻し、たずねた。
「うん、二人――――二人になっちゃった」言った後、俯いた。
それだけで、敦子たちになにがあったのか、才加は理解した。
少しだけ考えてから、才加は、「恵令奈、出てきていいよ。敵じゃないみたい」と言った。
診療所の影から、恵令奈と真奈美の姿が現れた。
「この通り、私達も害はないから。それ、いい加減下ろしてくれないかな?」遥香の構えているウージーをチラっと見てから言った。
「あ、すいません」
遥香が慌ててウージーを下ろし、頭を下げた。その頭を才加がポンポンと叩いてから、「頑張ったみたいだね」と言い、優しく微笑んだ。
「さ、何があったか話しを聞く前に、その傷をどうにかしようか?」
そう言うと、才加は遥香の背中を叩いて、診察室に促した。
続く。
>>426 4人に1人ってすごいなぁ・・・・
小嶋→梅田、川崎、佐藤由、浦野、篠田
篠田→早野
佐藤夏→小林、仲谷、
藤江→板野
才加→野口
小野→佐藤夏
秋元康→野呂
自殺→井上、菊地、片山、米沢、大堀
禁止エリア内爆破→駒谷、成田
こんな感じですかね?こじはる意外と頑張ってるなぁ・・・
一日二回更新ありがとうございます。
はるごんとあっちゃんのちょい百合な雰囲気もいいですね。
そしてこんな状況でも佐江を心配するえれぴょんと才加の優しさが身に染みます。
才加のはるごんに対するポンポンというねぎらいが
「もう私がいるから安心だよ」と云うような優しさと頼りがいを感じて
最高にカッコいいです。
>>431 あ、本当だorz
勘違いしてました^^;
訂正ありがとです
更新お疲れ様!
まさかこんな早くから続きが見れるとは…
435 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/28(火) 01:47:25
松本氏楽しみにしてますよ^^
436 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/28(火) 02:08:11
佐江ちゃんに殺られたメンバー←吹いたww
たなみん・・・・
438 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/28(火) 10:01:27
支援支援
のんてぃ殺ったのは秋Pだったんですか。
てっきり軍人風の男だと思ってました。
皆さん初めまして
ここ何日かでAKBファンになった者です
んなモンでメンバーの顔と名前が一致しないコばっかりなんですけど…
そんな俺でも妙にワクワクしてますww
松本さん凄いすよ
これからも頑張ってください
他の方も
これからイチイチ質問するかもしんないですが
ヨロシクですww
441 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/28(火) 20:30:01
よろしく^^
増田有華が、山の中腹から、学校を見下ろしていた。
その眼差しは、憎しみにも似た冷たい目をしていた。
アーミーナイフを握る手に、汗がジワリと滲んでいた。
この中腹から数十メートル下ると、禁止エリアに入ってしまうため、有華は動けないでいた。
「この首輪さえ・・・」僅かにできた首輪の隙間に指を入れ、強く引っ張った。
あの忌々しく聳え立つ学校に、いや、その中で暢気にお茶でも啜りながら、みんなの死にいく様を飄々として待っているであろう、秋元と戸賀崎に、一泡吹かせたい。
爆弾でもあれば、ここから学校へ投げ込むことだって出来る。
爆弾―――マシンガンの音と一緒に、いつも爆発音がするのを有華は思い出した。
思い出したが、マシンガン相手にそれを奪い取る方法が思いつかなかった。
「やっぱり、せめて銃は必要やな・・・」ナイフをチラリと見やったあと呟いた。
「銃って、これのこと?」
突然聞こえた声に、有華が慌てて振り向いた。振り向いた先には、陽菜が銃を構えて立っていた。
「こんなとこで一人でボーっとしてたら、殺されちゃうよ」
言ってから、陽菜がニヤリと笑った。それに関しては、有華は何も応えず、陽菜の銃にだけ視線を送った。
「何見てんの? 私が油断したらこれ奪おってやろうとでも思ってる?」
陽菜が銃を少しだけ持ち上げて、指し示した。
「だったら、それは無理だよ。私はあの馬鹿麻里子とは違うからね」陽菜が思い出して笑うと、急に真面目な顔になり、発砲した。
弾丸は有華の右太ももに命中し、有華は衝撃で肩膝を着いた。
「陽菜、お願い、それ私にくれへん?」
有華が尚も銃に目を向けて言った。弾丸は確かに有華の右太ももに命中したはずなのだが、それでも有華の瞳は力強く陽菜の銃を見ていた。
「何言ってんの? あんたはここで死ぬの。そんなに欲しかったら、命がけで奪いにきたら?」
陽菜がさらに1発、今度は左足を撃った。
「くっ・・・」支えの無くなった体が、ぐらりと力なく倒れていくのを、近くの木に捕まることでそれを押さえた。
「悪いようには使わへん・・・ちょっとの間貸してくれるだけでも―――」
パンッ、パンッ。今度は腹部に2発。支えていた腕が離れて、有華が地面に倒れた。
「バカじゃないの? 貸せって言われて貸す人いると思う?」
陽菜が若干の苛立ちを見せて、眉間にシワを寄せた。
「めーたんの・・・死んだみんなの・・・仇を討ちたいだけやねん・・・だから・・・」
地面に這い蹲って、右手だけを陽菜の方へ伸ばした。伸ばした右手には、ナイフが握られていた。
死にかけても尚、陽菜の銃を欲しがる有華に、陽菜は恐怖感を覚えた。
「だ、大体、あんた武器持ってるじゃない・・・。なんで、そこまで・・・」
気づくと陽菜は、有華の体に、残った弾丸を全て放っていた。
有華の右手が地面へと落ちたのを見て、陽菜は胸を撫で下ろした。ただ、その右手に握ったナイフは、がっちりと握られ、離れることはなかった。
最初、有華を見たときは、余裕で殺せるはずだった。命乞いをする有華を弄んでやろうかとさえ思っていた。
だが、有華は命乞いどころか、死ぬことに恐怖すら感じていなかった。そこまでして銃を欲しがる意図は、陽菜には全く判らなかったが、どうも自分が銃を欲しがってたときとは、感じが違いすぎて、怖いとさえ思った。
有華の死体を見下ろす陽菜の体は、いつの間にか震えていた。
陽菜は、誤魔化すようにその場を足早に後にした。
続く。
>>437 たなみん、忘れてないですよ^^もう少し待っててください
>>440 こちらこそはじめまして。新規の方、大歓迎です^^
更新お疲れ様です!
ゆ 有華がかっこよさすぎる…
あの、有華のゆるぎない力強い瞳が見えるかのようです
445 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/28(火) 21:54:49
更新お疲れ様です!
有華ちゃん死んじゃったのが残念ですが、かっこよかったです
これからも更新がんばって下さい!!
446 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/28(火) 22:09:24
有華が…けど格好いい死に様でしたね。お疲れ様です。
ありがとうございます!
カッコイイ有華にふさわしい死に様でしたね。
殺した者にさえ強烈な印象を残す有華の力強さが最高でした。
448 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/29(水) 00:14:39
最高だお
449 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/29(水) 01:19:33
更新お疲れ様です!
AKBの曲は劇場公演の曲からシングルカットされた曲まで計100曲以上あるけど、松本サンがこの小説の主題歌に選ぶならどれにする?
450 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/29(水) 04:31:25
アイサレルトイウコトがいいと思う
451 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/29(水) 08:05:28
ダレニダヨ
454 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/29(水) 15:32:14
455 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/29(水) 17:07:11
色んな意味で あいたかった
456 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/29(水) 17:41:49
花と散れ!
有華を殺したあと、禁止エリアを避けるように、西側へと下っていた。
歩きながら銃に弾を込めるのも忘れなかった。
ただ、その光景を見られてるとは、陽菜は思いもしなかった。
近くの木の枝が不自然に揺れたのを感じ、陽菜はピタリと動きを止めた。
揺れた枝先をジッと見つめ、銃を握る手を強めた。
今度はその手前の木の枝が揺れたあと、陽菜が見ていた木の枝が揺れた。いや、揺れたと言うよりも、なにかが当たったと言ったほうがいいのかもしれなかった。
鳥か何かかと思ったそのとき、3度目の揺れのあと、陽菜の足元に何かが落ちた。それは、赤い布に包まれた石のようなものだった。
首を傾げ、空から降ってきたそれを拾おうと、腰を折り曲げたとき、銃声が轟いた。
気づくと、陽菜の右肩から血が流れていた。
「くそっ、油断した」陽菜が銃を構えて辺りを見渡す。
「隠れてないで、出てきなさいよ! この卑怯者!」
所在の判らない場所に向かって陽菜が叫ぶ。再び木の枝に何かが当たる音がして、陽菜の後方へと落ちた。
陽菜が飛んできた方向へ向かって、銃を撃った。それは虚しくも木の幹に当たっただけで、なにも反応を示さなかった。
混乱を招くかのように、今度は瓶が2本続けて降ってきた。その瓶の先には火の点いた紙がねじ込まれていた。
それは、テレビや漫画などでよく見る火炎瓶に似ていた。陽菜が咄嗟に反対方向へと飛んだ。
飛んだ瞬間、背中を撃たれた。苦しそうな顔をして、撃たれた方向に銃を向けた。相手の存在を確認したかった。
だが、銃を撃った者の姿は現れなかった。陽菜が見えない者への恐怖で、混乱していた。
「出て来いって言ってるでしょ! 正々堂々戦え! コノヤロー!」
陽菜が吼えた。吼えたあとすぐに銃弾が陽菜の左胸を貫いた。
「は、はは・・・もう少し、だったの・・・に・・・」胸から勢いよく噴出した血を見て、自分は助からないと戦意喪失した。
倒れ行く陽菜の目の前に、誰かの足が見えた。薄れ行く意識の中に、最後に見たのは、不敵な笑みを作っている花の姿だった。
「は、はなちゃ・・・」
「悪いけど、生き残るのは私だから」
そう言うと花は陽菜の持っている357マグナムを取り上げ、そのまま銃口を陽菜に向け、1発撃った。
衝撃で、びくんと陽菜の体が跳ねてから収まった。
「殺し合いもゲームも、要はここなんだよ。にゃんにゃん」
花が左手で自分の頭を指差しながら、笑った。
「さあて、ライオンさんは次の子猫ちゃんでも捜そうかな」冗談交じりにも聞こえる言い方で、花が嬉しそうにバッグを持ち上げた。
続く。
>>449 主題歌ですかぁ・・・。そうですね、候補としては「誰かのために」ですね。
「アイサレルトイウコト」も考えたんですけど、挿入歌に使ったらいい気がします。
459 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/29(水) 21:41:35
ついに花ちゃんが…
麻里子さまを完封したこじはるを
赤子の手を捻るかのようにアッサリと倒した花ちゃんスゴい!
これは才加たちだけじゃなく、佐江にとっても強敵出現ですね。
ありがとうございます。
とうとう花の才女ぶりが覚醒したか…
っていうか
新参の俺が言うのも何なんですが
本当にコレ映画にしたら面白いんじゃないですかね?
どっかの制作スタッフとか見てないかなぁこのスレ…
「これだッ!」
って思うんじゃ?
463 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/30(木) 08:35:42
結局は二次創作だからそれはない。
たしかにかなり面白い!
映像化\(__)
だったらBR制作側自体が第三段として
今度は女子高を舞台に…
みたいなのは?……
ないか
>>449 オープニング曲はK4thの「Stand up」
エンディング曲は鎮魂と懺悔の想いを込めてK3rdより「MARIA」
467 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/30(木) 18:43:04
研究生がビデオでゲームの説明をしているシーンで『くるくるぱ〜』をきぼんぬ
予告編だけでもいいから映像化して欲しいですね。
劇場で流すにはもってこいの企画だと思います。
田名部生来と早乙女美樹は、島の中央らへんにある民家の玄関からそっと顔を出した。
風でニワトリ小屋の戸が、キィ、と音を立てた。
「こっち来る」美樹が顔を引っ込めて、生来を見た。
ほんの数分前に近くで響いた銃声と、誰かの叫ぶような声。それで、誰かが死んだのだと確信した。
その銃声の聞こえた方角から、誰かが近づいてきていた。その誰かが、戸島花だと気づいたのは美樹だった。
「戸島さん・・・?」美樹が今度は窓から目だけを覗かせて、花の姿を見ていた。
民家に向かって来ていた花が、突然方向転換した。民家には目もくれず、美樹から見て、右方向へとくるりと向きを変えて歩き出した。
「どうしたんだろ?」美樹が首を傾げる。「絶対こっちくると思ったんだけど・・・」
「よかったじゃん。こっち来られても困るしさ」生来が胸を撫で下ろし、ため息をついた。
「そうなんだけどね」尚も首をかしげながら、花が見えなくなるまで、その姿を見送った。
「多分、さっきの銃声は戸島さんだね」生来が、自分の武器、ベレッタM92Fを右手で握った。
美樹が覗かせていた目を、ゆっくりと離すと、生来の顔を見てから、片方の唇を持ち上げた。
「てか、今、こっから撃ち殺したほうがよかったかな?」
笑いながら、銃を撃つふりをした。
「撃ったことないくせに、当てる自信あるの? 外したら間違いなく私達が殺されてるよ」
美樹が呆れた素振りで、ため息をついた。テーブルに置いてあるコップを持ち上げると、口に付けてから啜った。
「ちょ、トイレ」生来が立ち上がり、美樹の横をすり抜け、トイレに向かう。
その生来が、なにやら声を上げた。
「燃えてる! 火事だ!」
美樹は、コップをテーブルに置くと、慌ててトイレに向かった。
火事だなんて、そんなわけが無い。火元なんてないんだから。
その思いは空しく、目に映ったのは、燃えさかる炎だった。
一体どうして、超常現象かなにかでもない限り、こんなとこで火事なんてありえない。美樹が炎を見つめていた。
玄関から、何かが落ちる音がしたのが聞こえた。生来が叫んだ。
「今度はこっちも!」玄関に隣接している窓の窓枠が落ちて、燃えていた。
「み、水」美樹が外にある井戸から水を汲み上げるために、台所の戸口に向かうと、その戸口も炎に包まれていた。
「な、なんで・・・?」
おかしい。この島では雨の代わりに火でも降ってくるのだろうか? そうじゃなければ、この有様は考えられなかった。
「ねえ、こっちから外に出られるよ!」生来が叫んだ。
そこは、唯一炎が回り込んでいない、小さな窓だった。生来がはいずるように、外に出た。続いて美樹が外に出る。
炎は、家の周りを囲うように燃えていた。火元はやはり外からだった。
「誰かがやったんだ・・・」
美紀が燃える家を見上げながら、呟いた。
「誰かって、一体誰―――」そこまで言ってから、思い出した。「まさか・・・」
生来が口に手を当てて、美樹の顔を見た。美樹は黙って頷いた。
そのとき、後方から銃声が聞こえてから、美樹の体が前へ押し出された。
生来よりも2歩前へ押し出された美樹の背中からは、血がポタポタと流れていた。
そのまま膝を着きながらうつ伏せに倒れた。
生来が銃弾の飛んできた方向へベレッタを構えた。構えたのと同時に、2発目の銃弾が放たれていて、銃を構えている生来の右手にその銃弾が当たり、ベレッタが反動で生来の見後方へと転がった。
「ゆ、指がぁぁぁぁっ!!」構えていた右手の人差し指と中指が、第二関節辺りまで吹っ飛んでいた。
木の陰から銃を構えた状態で、花が現れた。それとほぼ同時に、燃えさかる家の右前方の茂みから人影が現れた。
続く。
これであとはゆきりんだけかぁ・・・。
>>462 映画化されたら嬉しいですねぇ。まあ、無理でしょうけど・・・
>>469 予告編はいいかもしれないですね! 予告編はこんな感じかな?と想像したことが何度かありますがw
472 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/30(木) 20:47:49
焼き殺すほうが面白いのに
>>472 ん〜・・・身動きが取れない状態なら、そうしたと思うんですが・・・難しいですね^^;
474 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/30(木) 21:18:16
人影は佐江なのか、はたまたブラックゆきりんか・・・
実は友情参加の俺なのか・・・
更新ありがとうございます。
花ちゃんの殺しっぷりは、佐江の熱い殺し方とは対照的に背筋が凍りますね。
もし才加と相対したらどうなるのかゾクゾクします。
Aはもうあっちゃんとはなちゃんだけですぅ
478 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/31(金) 00:39:04
Aメン結構くたばったなぁ…
Bメンの生存率の意外な高さにびっくり…!!!
ED曲は『支え』でよくねぇ〜?
479 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/31(金) 00:50:24
浦野野呂篠田だけ
あとは死んだ
480 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/31(金) 00:50:27
支援支援
俺は
>>466の言う通りEDはMARIAがいいと思う。
才加死なないでえぇぇぇ・゚・(つД`)・゚・
えれぴょん庇って打たれそうなヨカーン
どーも
また新規の俺が来ましたよ
今AKBのファーストコンサート(なのかな?)のDVD見てるんですけどね…
こん中でなんか歌の上手いコが「ガンバレ」って曲歌ってるんですよ(新参なんでまだこのコの名前が分からなくてスマソ)…
これ挿入歌って言うか…劇中で使えませんかネ?
どっかのシーンをスローにして…
ってかこの歌良い歌だし何よりこのコ歌上手いですね
484 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/31(金) 18:13:40
星野だ
485 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/31(金) 18:16:44
>>478 Bメンの存在を忘れてただけかと
命拾いしてきたな
>>483 やめてくれ〜
その歌は平和な頑張る心を歌った唄だぁ〜
更新まだかなぁ…
488 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/31(金) 20:09:36
Bメン多いから挿入歌は「命の使い道」がいい
「そこまでだよ」
そう言うと、Cz75を構えて、銃口を花に向けた優子が立っていた。
横目でちらっと優子を見た花が、唇の端を持ち上げ、笑みを作った。
そのままの状態で、花が右手を優子に向けてから、引き金を引いた。
パンッと乾いた音がしたあと、優子の右後方にある木の枝が宙に舞った。
今度はちゃんと体を優子の方へ向ける。
「撃つよ」優子が言った。
「撃てないよ。撃つんなら、そんなこと宣言しないもん」
花の右手人差し指が、ゆっくりと引き金を引き始めた。片目を瞑り、優子の頭を狙っているように見えた。
「撃つって言ったでしょっ!」叫んだのと同時に優子の構えた銃から、弾丸が放たれた。それは花の左腕を掠めた。
花が驚いた顔で、優子を見てから、「ちっ」と舌打ちをした。
「今度は外さないから」そう言った優子の声は、少しだけ震えているようにも聞こえた。
「あんたも十分狂ってるよ」花が、ふっ、と笑いながら、構えていた銃を降ろし、左肩に掛けたバッグを持ち直した。
「でもね」銃をズボンのベルトに仕舞った花が、右手で髪をかきあげながら続けた。「生き残るのは私だから」
そう言ったあと、踵を返し、優子に背を向けて数歩だけ歩いたあと、全速力で走り出した。それは、優子が引き金を引いたのとほぼ同時だった。
轟いた銃声を背中で聞きながら、花は舌打ちをした。
優子が現れたのは想定外だった。それ以外は多分、完璧だったはずだから。それに、優子が本当に撃ってくるとも思っていなかった。
花は考えた。やる気になってるのは、陽菜と佐江だけと予想していたはずだ。その内の1人、陽菜は花自身の手で殺した。
なのに、どういうことか、優子は花に噛み付いてきた。これは紛れもなく予想外の出来事だった。
「窮鼠、猫を噛むならぬ、コリス、ライオンを噛むだねこれじゃ」はは、と空笑いをしたが、顔は決して笑っていなかった。
次はもっと完璧な殺しをしよう。走りながら、花はそう決意した。
右手の指2本を失った生来が、地面を転がりながら、泣いていた。
銃を降ろした優子が、肩で息をしながら生来に近づく。
それに気づいた生来が、「こ、こないで」と叫んだ。
優子の足がピタリと止まる。優子を見る生来の目は、恐怖で怯えている目になっていた。
「たなみん・・・」
優子の顔は、酷く寂しそうな、そんな顔をしていたが、生来にはそうは映っていないようだった。
「お、お願いします・・・こ、殺さないでください」
地面を這うように、後方へと後ずさる生来の腕に、先ほどまで握っていたベレッタM92Fが当たった。
それを、慌てるように拾い上げたが、右手が思うように使えず、何度も落としてから、混乱する頭をフルに使い、ようやく左手で握ることを思いついた。
「たなみん、私はなにも―――」自分は害はない。そう言おうと前へ1歩足を踏み込んだ。
「いやーーっ! こ、こないで!」
銃を強く握ったまま、生来が後ろへ下がった、背中に何かが当たったのを感じ、それが先ほどまで居た家の壁だと思い出した。
そのとき、優子が大きな瞳を、さらに大きくしてから、なにか叫んだ。
優子の視線の先を追うように、生来が上を見上げた。
空から、燃え盛るなにかが降ってきているのが目に入った。
そうだった、この家は燃えていたんだっけ・・・。
そう思ったときには、生来の体にずしりと重力が圧し掛かり、ミシっと自身の骨が潰れる音が聞こえた。
「たなみん!」
焼け崩れる家に押しつぶされた生来を、優子はただ眺めるしか出来なかった。
「・・・もう、誰かが死んでいくのを見るのは嫌・・・」
燃え盛る炎を見つめる優子の瞳からは、大粒の涙が零れていた。
続く。
>>483 それは、星野みちるですね。確かにその子は歌うまいです。
>>485 忘れてたわけじゃないですよ^^; ただ、どういう役にしようか悩んでたら、残ってしまっただけです・・・
492 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/31(金) 21:37:48
優子も佐江に脚を撃たれてなかったっけ?
>>492 ふくらはぎ撃たれてますよ。その返の描写は、今回入れてないだけで、別に忘れてるわけではありませんから^^;
今回も花と優子両方生きててよかったぁ〜
もう覚悟きめないとなぁ
更新楽しみにしてますよ
仲良しの花ちゃん優子の対決は切ないですね。
ツインタワーの対決もそうですが、リアルで仲良しだと一層対決が際立ちますね。
今回もとても面白かったです。
残り 13人 えっ?もうこれだけ!!!
戸島、前田
秋元、大島優、奥、小野、河西、宮澤
多田、※柏木、仲川、平嶋、渡辺
※は未登場
現時点での勢力図?
単独行動→●戸島、●宮澤、○大島優、?柏木
集団行動→○秋元、○奥、○小野、○前田、○仲川
→○河西、○渡辺
→○平嶋、○多田
今さらだがなぜこじはるが乗り気になった??
最初はそうでもなかったはずだけど
差し支えなければ補足説明お願いします^^
>優子が大きな瞳を、さらに大きくして
これは松本小説の名フレーズですね笑
500 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/01(土) 02:35:56
花と優子は戦わせて欲しくなかった…あんなに仲良しなのに(>_<)
あげんな
更新期待するだろが
502 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/01(土) 17:44:06
こりゃゆきりんに期待だなw
>>501 期待しているのはお前だけじゃねぇ〜
今夜も楽しみ!
504 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/01(土) 21:23:35
ゆきりん単独行動ってことは・・・
505 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/01(土) 22:12:58
ゆきりんは口から炎出して殺すよ
506 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/02(日) 00:17:13
期待させアゲ
終了後はプリントしてカラー表紙も付けて本にしたい位ですね
田名部推しの俺が来ましたよw
あわてっぷりが田名部らしいw
でも、まだ氏んで欲しくなかった・・・
うっかり瀕死でも生きてて欲しい
そして、何かヲタっぽいセリフを吐いてほしいw
509 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/02(日) 01:30:05
>>507 表紙は白黒で現メンバーと真ん中にドガサンと秋元先生を希望!!!
510 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/02(日) 10:26:15
来年の夏コミで販売してほしい
才加が診察室に置いてあった消毒液の瓶の蓋を閉めた後、その隣にあった鎮痛剤を手にとった。
遥香が教会で起こったことを話した。
才加は聞き終えてから、「――――そっか、そんなことが・・・」と言うと、ひとつため息をついた。
「それで、秋元さんにお願いがあるんですけど―――」
俯けていた頭を上げて、早口で言った。それは、どこか回りを気にした風でもあり、幾分声が小さく聞こえた。
才加が遥香を見やった。
「あの、私、もうこんなんだし・・・もし次、宮澤さんに会ったら、戦うことも、逃げることも―――正直、自信がありません」
そこまで言うと、遥香は才加から目線を外してから、俯いた。「だから―――」決心したように、もう一度才加に目線を合わせた。
「だから、前田さんのこと、お願いします」言ったあと、遥香は辺りを警戒するかのように、視線を張り巡らせた。
才加は黙ったまま、包帯を3つ取り出して、遥香の左腕を取った。
「お願いしますって、あんた―――はるごんはどうすんの?」
包帯を腕にきつく巻きつけながら、才加が遥香の目を見た。それを直視できず、自分の左腕に視線を落とした。
「私は―――」
「これくらいの怪我で弱気になるな」才加が自分のシャツの裾を捲った。「私も、ほら、この通り」
遥香が驚いた顔で、傷を見た。
「それに――私には、あの二人のだけで精一杯なんだよ」巻き終わった包帯を、左手に持ち替えてから笑んだ。
口を開きかけて、止めた遥香が、そのまま息を吐き出し、口を閉ざした。
「あっちゃんは、はるごんに『守ってくれ』って頼んだの?」
「え?」息を吐き出した直後の質問だったため、遥香は意表を突かれたような顔をした。
「いえ・・・頼まれてません」
「そっか」それだけ言うと、才加は立ち上がり、隣の部屋へと顔を覗きこんだ。
遥香は、足元に置いてあるウージーサブマシンガンを見てから、才加の背中を見つめた。
「真奈美、具合どう?」笑んでから、真奈美の隣へしゃがみ込む。
「うん。大丈夫」先ほどよりマシになった顔色で、真奈美が笑顔を見せた。
「そりゃあ、よかったよかった」嬉しそうに真奈美の背中を叩いたあと、続けて口を開いた。「それじゃ、もうちょっとしたら、出発しようか?」
タオルを絞っていた恵令奈の手がピタリと止まり、敦子が驚いて顔を上げた。
「え、もう?」折角絞ったタオルを、バケツの中に落とした恵令奈が、口をポカンと開けてから言った。
「大島さんたち捜さないといけないんなら、なるべく早く動いたほうがいいかもしれませんね」
いつの間にか立っていた遥香のほうを、才加は振り向いてから、黙って頷いた。
「それで、考えたんだけど、私達は人数が多すぎる」1人、1人を見渡すように、見ながら言った。
「だから、二手に別れて捜そう」
「二手って?」敦子が首を傾げて才加を見た。
ウージーを右手に持った遥香が、真剣な眼差しで口を開いた。「私は、前田さんと行きます」
才加が、もう一度、今度は大きく頷いた。
「よし、決まったな。それじゃ30分後に出発する」そう言ってから、立ち上がった。
続く。
昨日は更新出来ませんで申し訳ありませんでした。
>>495 そうなんですよね。仲の良い者同士の戦いって、やっぱ、辛いものですよね。
>>496 「もう」なのか、「まだ」なのかよく判らなくなってきいる自分がいます^^;
でも、やっぱり、もう13人なんですよね・・・
>>498 それに関しては、書き忘れてしまった部分があるんで、いつか番外編か何かを書きます。
>>499 「名」かどうか判りませんが、好きなフレーズですww
>>500 仲が良いからこそ、と思ったんですけど、やっぱ、ファンからしたらそういう展開は辛いですよね。
>>505 吹いたw
>>508 ヲタっぽい台詞・・・。言わせればよかった・・・w
誰かスキル高いヤツまとめサイト作って
更新ありがとうございます。
松本氏のペースで書いて頂けるだけでありがたいです。
あっちゃんを守る事だけに集中するはるごんカッコイイです。
才加の背中が大きく暖かく感じますね。本当に頼りになる姉であり母のようです。
516 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/03(月) 01:04:01
松本さんは一回一回書かれているんですか?
もう完成されているのを小出しにされているんですか?
一回一回だとしたらすごいです また、これからどうなるかわからないってことですよね
517 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/03(月) 04:23:50
支援支援
松本サンご苦労様です
最近やっとメンバーの3分1位は顔と名前が一致してきた新規です
顔と名前が分かりだすとこの小説が抜群に面白いという事が分かりました
これからも頑張ってください
519 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/03(月) 19:59:04
今夜も更新あるかなぁ…
あると信じるのみ
簡易ラジオのような発信機を手に、渡辺麻友と河西智美の二人は、西の海岸の近くにある林の中を歩いていた。。
6時の放送で、峯岸の名前を呼ばれたとき、愕然とした麻友は、膝を着き咽び泣いた。
慰めるように、その背中を優しく撫でていた智美の目にも、涙の雫が頬を伝っていた。
峯岸の意志を受け継ぐために、二人は才加の居場所を捜した。
「反応ありませんね」麻友が発信機を見ながら、ため息を付いた。
それにつられるように、智美もため息を付いてから、困った顔をした。
「もうちょっと、範囲広くできないの?」
隣から発信機を覗き込んで、麻友の顔を見た。麻友は、困ったような顔をしてから、首だけを横に振った。
「峯岸さんだったら―――」そこまでいうと、麻友は木の間から見える海を見つた。
「え?」
智美が振り返って首を傾げる。なんでもありません、と言うように、麻友は少しだけ微笑んで見せた。
――峯岸さんだったら、どう行動するんだろう――
鼻の奥がツンと痛んだあと、目頭が熱くなった。
泣きそうな衝動を抑えるように、麻友はワザとらしく明るい口調で、「見つかりますよ、きっと」と言った。
精一杯の笑顔を智美に見せ、今にも零れ落ちそうな涙を見せないように、智美の前を足早に歩いた。
「ちょっと、まゆゆ速いって」
バッグを肩に掛けなおした智美が、小走りで麻友を追いかける。
潮風が木の枝と、二人の髪を揺らした。汗ばんだ体に吹き抜ける風が心地よくて、麻友はゆっくりと目を閉じた。
峯岸さん、見てくれてますか? あなたに守られた命、絶対に無駄にはしません。必ず、生きて見せますから―――だから、それまで、見守っていてください。
目を開けると、追いついた智美が麻友の顔を覗きこんでいた。
「どうかした?」笑んでから、少しだけ首を傾げて、目をぱちくりとさせた。
「なんでもありません」
悪戯に笑ってから、また少しだけ足早に歩いた。
「もう、だから速いってば」
智美が、呆れた言い方で歩き出す。
そのとき、麻友の右手に包まれた発信機が、反応を示した。
続く。
>>514 実際の才加もこんな感じだろうと信じて書いてますから^^
>>516 はい。一回一回書いてますよ^^ だから、自分でもラストがどうなるか判りません^^;
それに一回一回書いてるものですから、1レス分書くのに、1時間以上かかることもありますね^^;
>>518 3分の1ですか? 速いペースで覚えてらっしゃいますね。全員一致したときは、性格とか、キャラとかも覚えて読んでみてください。また違った楽しみ方が出来るかもしれません。多分ですけど^^;
523 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/03(月) 23:43:13
いや〜おもろい
これからも楽しみにしてます
524 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/04(火) 00:27:56
ゆきりんまだー?(●´з`)
>>524 正に乞うご期待って感じですね。支援支援
526 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/04(火) 23:52:54
あ
今日は更新なさそう…
期待して待ってます! 松本さんお体に気をつけてね。
529 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/05(水) 21:15:32
今週は作者取材のため連載はお休みです。
記念パピコ
531 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/05(水) 21:42:00
松本先生の作品が読めるのは2ちゃんだけ!
532 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/06(木) 02:47:35
泣
柏木由紀は、茂みの陰からそっと顔を出した。
汗で額に張り付いた前髪を掻き分け、茂みの向こう側を覗き込んだ。
草木が邪魔をして、よく見えないが、誰かがやってきていることだけ判った。
ちゃんと確認しようと、体を前に倒し、顔を覗きこませた。目を細めたその先に映っていたのは、渡辺麻友と河西智美の姿だった。
なにやら、麻友の手に持っている物を二人で見ているようだった。自然と手に持っていた日本刀に力が篭った。
由紀は息を整えた。ゲーム開始からほとんど寝れてなく疲れていたが、そんなことは関係なかった。
あの子たちは敵・・・。さあ、殺しなさい。じゃないと貴女が殺されちゃう。
由紀の中の、もう一人の由紀が語りかけた。
「殺す・・・? 私が、まゆゆを・・・?」由紀が答えた。
そう。何故あの子たちが生きているのだと思う? それは、生きている他の者たちを殺してきたから・・・。あの子達は殺人者。
「まゆゆが、殺人者・・・」日本刀の鞘をゆっくりと引き抜いた。地面をしっかりと踏みしめるように、腰を上げた。
さあ、殺せ! 生き延びるために。
由紀は音を立てないように茂みを掻き分けて、足を踏み込んだ。わずかだが、体が震えているのが判った。
息を整え、日本刀を構えてから走り出そうとした。
「ゆきりん、見ーっけ」
後ろから声がして、足を止めた。震える体を抑えながら、ゆっくりと振り向く。そこに立っていたのは、宮澤佐江だった。
「なにしようとしてたの?」佐江の口元が笑みを作っていたが、目が笑っていなかった。マシンガンの銃口を、すっと由紀の顔に向けた。
ふー、ふー、と息を荒げている由紀を、あざ笑うかのように、佐江がもう一度笑みを作った。
「ど、どうしよ・・・」
もう一人の自分に尋ねた言葉だった。だったが、先ほどまで頭の中に存在していた、もう一人の自分は、すでに消えていた。
頭の中が真っ白になってしまった由紀が取った行動は、がむしゃらに佐江に突っ込むことだった。
「うわぁーーーーっ!」
日本刀を振り上げ、そのまま突っ込んだ由紀の体に、佐江のマシンガンが火を吹いた。
ぱぱぱぱぱぱ、という音と共に、由紀の体が奇妙なダンスを踊った。そして、そのまま仰向けに倒れた。
佐江が、由紀の手から日本刀を剥がし取り、刀の先端を由紀の顔面に突きつけた。
続く。
仕事が忙しく、更新できませんでした^^;
書いていて思ったんですけど、松岡由紀と柏木由紀って同じ「由紀」なんですよねぇ・・・
二人とも「由紀」で書いちゃいましたw
これ書いてから、1時間後に「書き込む」ボタン押してますw どうしようか迷っちゃって^^;
535 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/06(木) 06:16:11
乙ぅうう!
536 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/06(木) 06:20:20
スレの私物化って有りなの?
乙です
忙しい中更新してくれてありがとうございます
松本サンお疲れ様です
段々と絞られて来ましたね
新規の俺にも最近になりやっと、皆さんがよく口にする推しと呼ばれるものが出来ました
その娘がまだ生きてるってのが妙に嬉しかったりもします
これからも無理の無いペースでかまいませんので頑張って下さい
539 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/06(木) 19:21:26
「うわぁーーーーっ!」 じゃなくて「ちぇすとーーーっ!」って斬りかかって欲しかったw
そういえば、佐江ってまだ無傷なんだよね。
相変わらず面白い!
そろそろ嵐が現れるから下げ推奨で
松本氏お仕事お疲れさまです。
更新本当にありがとうございます。
佐江の攻撃ぶりが、もはや無敵のヒールのように凄みを増してきました。
これから才加と佐江の心がどう絡み合っていくのか、とても楽しみにしています。
発信機の液晶画面の端っこに映った反応に、麻友と智美が顔を見合わせて、「どうする?」と言った表情をした。
「1人はヤバいんだよね?」知美が眉間にシワを寄せて、画面を見た。
「そうですけど―――」
智美の顔を見てから、画面に視線を戻した。
「もしかしたら、死体って可能性もある?」
言ってから、智美が嫌そうな顔をした。その可能性も十分あり得た。一度、美香と亜美菜の死体を発信機で発見しているから。
「とにかく、一度確認しましょう」麻友が決心した口ぶりで、智美と顔を見合わせた。
言われるがままに頷いた智美が、方向を確認してから、その先に動き出したとき、麻友が「あ、ちょっと待ってください」と止めた。
画面の黒丸の上に、もう一つの反応が現れていた。
「これって―――」智美の顔が険しい表情になったのを、麻友は見逃さなかった。「仲間かな?」
麻友が、首を捻って智美の顔を見たとき、叫び声のような声が林の中に響いた。その瞬間、聞き覚えのあるマシンガンの銃声が轟いた。
「今の声・・・」
叫び声で判りにくかったが、麻友には今の声が誰なのかすぐにわかった。
「まゆゆ、こっち」智美が麻友の袖を引っ張り、茂みの中へと誘った。「隠れよう」わずかに震えている麻友を、半ば強引に茂みの中へと連れ込み、発信機の画面を見つめた。
「今の声、ゆきりん・・・」
そう言った麻友の口は、やはり震えていて、その表情は思いつめているようでもあった。
「しっ、こっちくるよ」
智美の視線はすでに画面から離れていて、茂みの隙間から見える、佐江の姿を追っていた。
手馴れた感じでマシンガンを持ち、左肩に掛けたバッグの陰から見える、ズボンのベルトには拳銃が差してあった。
十数メートル先を歩いていく佐江を、息を潜めて見送った智美が、「ぷはぁ」と、息継ぎをするように吐き出してから、体の力を抜いた。
安堵の表情を浮かべてから、麻友に「あぶなかったね」と言おうと、振り向くと、険しい表情で麻友が震えていた。
峯岸に続き、間近で感じる友人の死が、相当ショックだったのだろうと思い、智美が慰めようと背中に手を回して、軽くポンポンと叩いた。
「河西さん・・・」
麻友がボソリと呟いた。その視線は相変わらず、発信機の画面を見つめていた。
「ん?」麻友の心情を察してかは定かではなかったが、寂しげな表情で麻友の顔を覗きこんだ。
「後ろ・・・います」
泣きそうな顔を智美に向けてから、発信機の画面を見せた。その画面の真ん中に智美と麻友の二つの黒丸の他に、もう一つの黒丸が存在した。
智美が息を呑んだ。心臓が大きく鼓動を始め、奥歯がガタガタと震えた。間違いであって欲しいと願いながら、ゆっくりと首だけを後ろに向けた。
Tシャツの袖を捲り上げて、マシンガンを肩に乗せた佐江の姿だった。薄ら笑いを浮かべて、智美の顔を見ていた。
「よく会うね、とも〜み」
声が出なかった。隣で、麻友が目を閉じてうな垂れていた。
乙ぅ!
続く。
残り12人まできちゃいましたね・・・。
>>538 推しメンできましたか?おめでとうございます^^
その娘とは一体誰なんでしょうか?
松本サン
朝早くから更新お疲れ様です
この後の展開が凄く気になる終わり方でウズウズしてますww
推しメンは戸島花サンです
この小説を読み始めた時は名前すら知らなかったメンバーでした
読み進めて行くうちにどんな娘なんだろうと気になり調べてみたら…
メチャクチャ俺のタイプでしたww
でもこの娘辞めちゃうんですよね?
せっかく見つけたのに…
546 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/07(金) 09:57:27
乙!
今さらですが、主役にオカロ、ライバルにさえを選んだ松本さんのセンスは素晴らしいっすね。
547 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/07(金) 14:33:10
読んでると手汗はんばね〜
「な、なんで・・・」
震える声で、智美が唯一搾り出した言葉だった。
なんで殺すの?なんでこんなことしてるの?なんで笑っていられるの?なんで追ってくるの?なんで―――――
いくつもの疑問が込められた、そんな言葉だった。佐江がすっとマシンガンを突きつけて、笑っていた。
「峯岸さん、ごめんなさい・・・」麻友がそう呟くと、右手の発信機のアンテナを折り、石で画面を叩き割った。
一瞬怯んだ顔をした佐江だったが、すぐに元の表情に戻り、今度は麻友にマシンガンを突きつけた。
目を閉じ、膝を抱えてから、腕の中に顔を埋めた。麻友は、死を覚悟していた。
ゆっくりと呼吸をすることで、まだ生きているのだと実感していたが、何度目の呼吸のあとだろうか、息を吸ったときか、吐いたときか、それすらも判らないくらい一瞬だった。
気づくと、いや気づくことすら出来ないまま、背中に銃弾を浴び、麻友は死んだ。
肉体的にも、精神的にも死んだはずの麻友の口元が、わずかに動いたのを、二人は気が付かなかった。それは、読唇術を習っている人が見れば、「みねぎしさん」と動いたようにも見えないことはなかった。
麻友の死を間近で見た智美の目には、涙が溢れ零れていた。それは、麻友が死んだという悲しみよりも、恐怖心からくる涙だった。
助けを懇願しようと、口を開いたが、声が出なかった。代わりに首をぶんぶんと左右に振った。
佐江がポケットから取り出した煙草に、火を点けた。それを口に咥えると慣れたように、ふぅー、と煙を吐き出した。
「吸う?」
咥えていた煙草を智美に差し出す。その顔は、いつもの無邪気な佐江の笑顔そのものだった。
もう一度、智美が首を振ると、佐江はつまんなそうな顔をしてから、「そっか」とだけ言ってから、煙草を麻友の体に押し付けて、消した。
「じゃ、そろそろお別れだ」
マシンガンを構えた佐江が、「ばいばい」とだけ言い、智美に向かって指先でひらひらと手を振った。
その瞬間、マシンガンからいくつもの銃弾が飛び出し、智美の美しかった顔を潰れたトマトのように変形させた。
顔の原型がなくなった智美の服を、佐江は引っぺがすと、ニヤリと笑った。
「やっぱりね。着てたんだ、防弾チョッキ」
続く。
残り10人になりました。
佐江の非道さは、出てくる度に増している気がします^^;
>>545 自分、花ちゃんの声好きですね〜。AKBは卒業しちゃいますが、芸能界を辞めるわけではありませんので、いつまでも応援してあげてください。
>>546 そんな、たいしたセンスじゃありませんよ。このスレの住人のおかげですから。でも、もう一回最初から書けと言われたとしても、この二人はこういう関係になるんだろうなぁと思います。
他の子の扱いは変えると思いますけどね^^
待ってました!
佐江が怖すぎるw
次も期待してます!
551 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/08(土) 09:06:21
今何日目ですか?
552 :
松本氏 ◇Gl3jYdoy9:2008/11/08(土) 10:13:24
「な、なんで・・・」
震える声で、智美が唯一搾り出した言葉だった。
なんで殺すの?なんでこんなことしてるの?なんで笑っていられるの?なんで追ってくるの?なんで―――――
いくつもの疑問が込められた、そんな言葉だった。佐江がすっとマシンガンを突きつけて、笑っていた。
「峯岸さん、ごめんなさい・・・」麻友がそう呟くと、右手の発信機のアンテナを折り、石で画面を叩き割った。
一瞬怯んだ顔をした佐江だったが、すぐに元の表情に戻り、今度は麻友にマシンガンを突きつけた。
目を閉じ、膝を抱えてから、腕の中に顔を埋めた。麻友は、死を覚悟していた。
ゆっくりと呼吸をすることで、まだ生きているのだと実感していたが、何度目の呼吸のあとだろうか、息を吸ったときか、吐いたときか、それすらも判らないくらい一瞬だった。
気づくと、いや気づくことすら出来ないまま、背中に銃弾を浴び、麻友は死んだ。
肉体的にも、精神的にも死んだはずの麻友の口元が、わずかに動いたのを、二人は気が付かなかった。それは、読唇術を習っている人が見れば、「みねぎしさん」と動いたようにも見えないことはなかった。
麻友の死を間近で見た智美の目には、涙が溢れ零れていた。それは、麻友が死んだという悲しみよりも、恐怖心からくる涙だった。
助けを懇願しようと、口を開いたが、声が出なかった。代わりに首をぶんぶんと左右に振った。
佐江がポケットから取り出した煙草に、火を点けた。それを口に咥えると慣れたように、ふぅー、と煙を吐き出した。
「吸う?」
咥えていた煙草を智美に差し出す。その顔は、いつもの無邪気な佐江の笑顔そのものだった。
もう一度、智美が首を振ると、佐江はつまんなそうな顔をしてから、「そっか」とだけ言ってから、煙草を麻友の体に押し付けて、消した。
「じゃ、そろそろお別れだ」
マシンガンを構えた佐江が、「ばいばい」とだけ言い、智美に向かって指先でひらひらと手を振った。
その瞬間、マシンガンからいくつもの銃弾が飛び出し、智美の美しかった顔を潰れたトマトのように変形させた。
顔の原型がなくなった智美の服を、佐江は引っぺがすと、ニヤリと笑った。
「やっぱりね。着てたんだ、防弾チョッキ」
怖えぇ…ハンパないっす…!
明日も楽しみです!
朝刊なみの更新感謝です。
残りの皆のために、命を賭して発信器を佐江に手渡さない
まゆゆの覚悟が素晴らしいです。
しかし佐江の狂気がハンパないですね。
佐江と花ちゃんの二人を敵にして
みんなを守らなきゃならない才加の精神力に期待したいです。
555 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/08(土) 17:32:39
まゆゆ…泣
556 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/08(土) 19:11:16
こんだけ1回1回書かれてて、防弾チョッキとかをきちんと覚えていて、なおかついい感じにいれ込むのが素晴らしいです
オカロ、頑張れ!
平嶋と愛佳のいる場所から、北東の空に黒煙が上がるのが見えた。
「あれ、何かな?」
愛佳がピコピコハンマーを左手に打ち鳴らしてから、空を指差した。
平嶋が首を捻ったあと、少しだけ声を唸らせてから、「さあ?」とだけ言った。
「さっきの銃声と関係あるかな?」ハンマーの柄を銃に見立てて、空に向かってバンッと撃って見せた。苦笑いをした平嶋が、「どうだろ?」と首を捻った。
「愛ちゃんさ」先ほどからハンマーで、草木を左右に掃ってる愛佳に平嶋が声を掛けると、一瞬だけ動きを止めて、「なに?」と愛佳が応えた。
「こんな状況なのに、元気だよね?」
ほとんど呆れた言い方だった。愛佳がニコッと笑顔を振り向けると、再びハンマーを振り回し始めた。
「こんな状況だからこそ、だよ」そう言うと、アニメの主題歌らしき鼻歌を歌いながら、「えい、たぁっ」とハンマーを近くの木に打ち付けた。ピコ、と間の抜けた音がしてから、平嶋のほうへ振り向いた。
「もうすぐ死んじゃうんだもん」笑んだまま続けた。「最後まで笑ってたいじゃん」最後のほうは、少しだけ寂しそうだった。
ああ、そうか、この子は無理をしてるんだ・・・。平嶋は、愛佳の屈託の無い笑顔の裏に隠された、不安や恐怖を垣間見たような気がして、胸が痛んだ。
誰だって死ぬのは怖いはずなのに、それなのに、愛佳はそれを平嶋に見せることなく、ずっと笑顔で居てくれていた。
「愛ちゃん」目頭が熱くなったが、愛佳と同じように笑顔を見せることで、平嶋は涙を抑えた。
「たぁっ!」愛佳がハンマーで平嶋の肩を叩いた。「ちょっと、止めてよ」言葉とは裏腹に、笑顔の平嶋が、愛佳にお返しとばかりに、右手で頭を軽く叩いた。
「止めないよ。だって、あいちゃんだもの」澄ましたような顔で言ったあと、再びハンマーを鳴らした。
「なに、その『人間だもの』みたいな言いかた〜」
2人の笑い声と、ピコピコと鳴るハンマーの音が、辺りに響いた。
平嶋と愛佳にとって、このときが最高に楽しかった瞬間だった。茂みの向こうから小枝を踏み鳴らす音が聞こえて、2人の動きは止まった。
少しだけ足を引きずったその音の主が茂みを?き分けてから、愛佳たちに笑いかけた。
「なんか、楽しそうだね」
平嶋の表情が一瞬だけ強張ってから、口を開いた。
「コリン!?」
愛佳の振り上げていたハンマーが、重力に逆らうことなく振り下ろされ、ピコ、と鳴った。
続く。
これからは今まで以上に慎重に展開を進ませなければいけないですね。
>>551 2日目です。
>>556 たまに忘れてしまいそうになることもあるんですけどね^^;
ん?と思ったら読み返すようにしなければ・・・
すみません、訂正箇所があります。
>茂みを?き分けてから、
これを
茂みを掻き分けてから、
に脳内変換してください。
まあ、誤字脱字は今に始まったことではないのですが、こればかりは、文章として成立ってなかったので、訂正しました。
申し訳ありませんm(_ _)m
561 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/09(日) 23:12:37
毎回じゃくてもいいから区切りごとで、原作みたいに最後に何日目、残り何人って書いてほしい。
いらぬお節介ながら、おおよその時系列での犠牲者一覧です。
文脈からの推測もありますので、多少の誤差はご容赦を。
[ゲーム開始前] 野呂
[1日目深夜〜早朝] 板野・藤江・小林
[1日目朝〜午前] 井上・片山・菊地・米沢・駒谷・成田・梅田・佐伯・佐藤亜
[1日目昼〜午後] 仲谷・野口・佐藤夏・松原・倉持・成瀬・佐藤由・川崎
[1日目夕〜夜] 浦野・早野・篠田・松岡・大島麻・高橋・大江・中西
[2日目深夜〜早朝] 大堀・峯岸
[2日目朝〜午前] 増田・小嶋・早乙女・田名部・柏木・渡辺・河西
現在2日目の午前中またはお昼頃、生存者10名
>>562 ご苦労様です
ここからのオカロは踏張りドコロですね
ってか
これからの優子の動きがキーを握ってるかも…
益々目が離せませんね
564 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/10(月) 05:30:55
残りメンバー
●戸島、前田
秋元、大島優、奥、小野、●宮澤
多田、仲川、平嶋
565 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/10(月) 11:31:06
さて、氏の小説をご愛読の皆様、メンバーも残すところ10名に絞られて、
皆様方それぞれ、後の展開に想いを巡らせていると存じます。
そこで、そろそろこのスレのテーマである
「AKBでバトルロワイヤルやったら誰が生き残るの?」について
語っても良い頃ではないでしょうか?
但し、氏の今後のストーリーの障害になるのは本意ではありませんので、
次の形式でコメしていただければ、ご迷惑にならないのでは?と思います。
@ この場限りの仮HN
A 予想メンバー(複数可)
B メンバーまたは氏への一言メッセージ
予想が的中された方には豪華賞品が送られま・・・せんが、
惜しみない賞賛と拍手をお送りしたいと思います。
ちなみに私としては
@ 立て、立つんだ優子〜
A 案外えれぴょん
B 毎回ワクワクしながら拝読しています。お仕事との両立は大変でしょうが、頑張ってください。
「二人とも、無事だったんだね」
平嶋の肩に手を掛けた優子の表情が少しだけ辛そうに見え、平嶋は優子を支えるように地面へと座らせた。
「大丈夫?」布で堅く縛られているふくらはぎを見やってから、平嶋が言った。
「ん。さっきまではそこまで痛くなかったんだけどね」
苦笑いで言ったあと、足をピンと伸ばしてから、ふくらはぎを擦った。
「水、飲みますか?」愛佳が自分のバッグから水を取り出して、キャップを外してから優子に差し出した。
「うわぁ、助かるな。私、バッグ置いてきちゃったから」
嬉しそうにそれを受け取ると、一気にボトルの半分まで飲み干した。
「なんでバッグ置いてきちゃったの?」
平嶋の問いに、優子が少しだけ寂しそうな顔をしたのを見逃さなかった。何も応えない優子に、平嶋はそれ以上話しかけることができなかった。
そんな二人を傍から見てた愛佳が、つまんなそうな顔でハンマーを打ち鳴らした。
しばらく続いた沈黙を、打ち破ったのは、やはり愛佳だった。
先ほどより一際大きくハンマーを打ち鳴らした愛佳が、平嶋のポケットを指差した。
「なっちゃん、あれ、見せてみたら?」
愛佳の突然の言葉に、不思議そうな顔をした平嶋だったが、すぐに何のことか思い出して、「あ」と口を開いた。
優子が、怪訝そうに二人の顔を交互に見た。
「これ―――これ見て」
ポケットの中から取り出した二枚の紙切れを、優子に差し出す。首を傾げながら、優子がその紙切れを、平嶋の手から受け取った。
診療所から東に向かった才加たちの場所から南西側に、黒煙が上がってるのが見えていた。
深夜0時に学校の東にある倉庫、つまりは1日目に才加たちが居た倉庫に、集合することを決め遙香たちと別れた。
「火事かな?」恵令奈が眉根を寄せて、首を傾げた。
「火事っていうか、誰かが燃やしたんでしょ?」
至極当然のように才加が言った。その物言いに恵令奈はなにか冷たいものを才加に感じて、拗ねるように口を尖らせてから、「ふうん」とだけ言って、頬を膨らませた。
「なんで燃やすの?」
今度は真奈美が首を傾げた。熱のほうは、大分下がったようで、今はおぶらなくても歩けるようになっていた。
「なんでって・・・そりゃあ―――」殺すためでしょ。そう言い掛けてから、才加は口を閉ざした。
「そりゃあ? なに?」
「なんでもないよ」
「ぶー」
誤魔化すように、歩みを進めた才加に、今度は真奈美が頬を膨らませる番だった。
才加が軽くため息を付く。
地図を広げて位置を確認しようとしたとき、ピンポンパンポ〜ンと放送の音が響いた。
『みなさん、こんにちわ〜』
才加の表情が険しくなってから、後ろの二人に「しっ」と人差し指を口元で立てて、合図を送った。
何も喋っていないのに、何故か怒られた気がした恵令奈と真奈美が、顔を見合わせてまた頬を膨らませた。
『今回は、沢山死んだぞ〜』
戸賀崎が嬉しそうに声を上げた。
『それじゃ、死んだ者を発表する。まずは、増田有華』
恵令奈の膨らんだ頬が、ぷしゅ、と音を立ててしぼんだ。
「有華ちゃん・・・」
「しっ、黙って」
才加が遮るように、右手を恵令奈の前に差し出した。
『それから、小嶋陽菜、早乙女美樹、田名部生来』
テンポよく戸賀崎が続ける。それに対し、才加が軽く舌打ちをした。
『それからそれから〜、柏木由紀に渡辺麻友と河西智美。以上7名で〜す』
「とも〜みとまゆゆって・・・」才加が険しい表情で呟いた。
『これで残り10名になりました〜。タイムリミットも残すところ、24時間で〜す。いいかぁ? 生存者は1名だけだぞ。2名以上残った場合は全員死ぬからな。気をつけろよ』
そう言うと、次は禁止エリアの説明を始めた。
『それじゃ言うぞ〜、まず13時からはA-3。次、15時からはI-5、I-5だぞ? そして17時から、D-10だ。判ったか? もう言わないからな』
才加が地図に書き記し、それを恵令奈と真奈美が、自分の地図に書き写した。
『それじゃ、次の放送まで頑張って殺してくださ〜い』
じゃあな〜、と言ったあと、ブツッとスピーカーの切れる音がしてから、放送は終わった。
峯岸が託したバトンを受け取ったものの、その想いを果たせることなく、麻友と智美を死なせてしまったことに、才加は目の前が暗くなった気がした。
その才加の目の端に、光るものを見た気がして、恵令奈は素早く目を逸らした。
「優子の名前は無かったよね。さあ、行こう。もたもたしてる場合じゃないよ」
無理やり作ったような笑顔で言ってから、才加はバッグを肩に掛けなおした。
「まぁちゃん、いこ」恵令奈が真奈美の手を取って、笑顔を向けた。それに応えるように頷いたあと、真奈美が恵令奈の手を取った。
続く。
残り10人で、残り時間24時間切りました。
もうそろそろクライマックスだと思うので、それに向けて頑張ります。
>>562 一覧表、ありがとうごいます。ちゃんと死んだ順に書かれてるのがすごいです。
いつまでも読んでいたい位熱中しています。
終わるのが惜しいですね。
これから優子の行動によって、事が大きくが動きそうですね。
まさに役者は揃った状況の中で、年少組の健気さも切ないです。
毎回ありがとうございます。応援しています。
571 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/10(月) 22:05:15
大量更新乙です
クライマックス楽しみにしてます!
572 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/10(月) 22:15:27
待ってました!
次も楽しみにしています!もうすぐ終わっちゃいますね><
今日もありがとうございます(-^▽^-) クライマックスに近づくにつれてハラハラドキドキがはんぱないです。ガンバレさやか、えれぴょんまーちゃんを頼むぞ!!!って心のそこから応援したくなるぐらい話にのめり込んでしまってます。
574 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/10(月) 22:40:09
このスレ見るのが、僕の生き甲斐ですw
575 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/10(月) 23:39:52
佐江が最高です!!!
576 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/11(火) 00:34:30
松本氏ラストに向かって走れ!!
>>574 ちと大袈裟だが、それは言えなくともないな…
今回は増量でさらに楽しめた
新規です
毎回ハラハラして次が楽しみで仕方なかったのに
ここまでラストが近くなると次を期待すると言うより
>>570 の言う通り終わってしまう淋しさが残りもしますが…
読者にこの言葉を言わせる松本サンが凄いですね
ってか
松本サンは執筆業なんですか?
松本氏の小説もクライマックスなので
ここらで現在の戦力をまとめてみます。
また、一読者の立場で書いたので間違え等が
あるかもしれませんのでご了承ください。
名前の横の()内は殺害人数、
(↑実際に文字に表すと嫌な感じが…)
武器の横の()内は移動経歴です
反対派
秋元(1人 ただし誤射)
所有武器 ショットガン(小野→秋元)
わき腹に負傷あり
小野・奥共に行動している。
前田・仲川と3日目0時に合流予定
大島優を探している
小野(1人)
所有武器 モーゼルM712(奥→小野)
秋元と行動を共にしている。
奥(0人)
所有武器 なし
秋元と行動を共にしている
風邪をひいている(現在は落ち着いている)
前田(0人)
所有武器 グロック17L
仲川と行動を共にしている
教会の戦い(宮澤)で生き残った(6人中4人死亡)
秋元たちと3日目0時に合流予定
仲川(0人)
所有武器 ウージーサブマシンガン
わき腹を負傷
前田と行動を共にしている
教会の戦い(宮澤)で生き残った(6人中4人死亡)
秋元たちと3日目0時に合流予定
(続き)
大島優(0人)
所有武器 Cz75
ふくらはぎに負傷あり
宮澤と2回(崖・林(?))、戸島と1回(島中央の民家)で戦っている
平島・多田と合流
爆弾の解除メモを知っている
平島(0人)
所有武器 ダブルデリンジャー
多田と行動を共にしている
爆弾の解除メモを持っている
集落で戸島のことを見ている
大島優と合流
多田(0人)
所有武器 ピコピコハンマー
平島と行動を共にしている
爆弾の解除メモを知っている
集落で戸島のことを見ている
大島優と合流
賛成派
宮澤(15人)
所有武器 ナイフ
銃(名称不明)
(上記2つのうち1つは野呂の)
マシンガン(秋元→宮澤)
スミス&ウェッソン・M629(佐藤亜→宮澤)
防弾チョッキ(河西→宮澤)
手製手榴弾
最多の16人を殺害している(全体の約40% 自殺等を含めなければ50
%)
無傷である
戸島(2人)
所有武器 ワルサーTPH
357マグナム(佐藤夏→篠田→小嶋→戸島)
火炎瓶(?)
途中まで隠れていた
頭脳戦が得意
一度 大島優と戦ったが逃げ出す
余談だが殺害人数2人は生き残りメンバーで2番目に多い
(総合だと4番目(小嶋 4人、篠田 3人 佐藤夏・戸島 2人)
見にくくてすいません
最後になりましたが松本さん頑張ってください
紙に書いてある首輪の解除方法と、注意事項。それらを真剣な眼差しで目を通したあと、愛佳が自説を説いた。
それを黙って聞いた優子が、紙切れから目を離して、地面に視線を落としたとき、戸賀崎の放送が始まった。
平嶋と愛佳が地図を広げている間、険しい表情で黙っていた優子が、麻友と智美の名前を聞いたとき、明らかに愕然とした表情をした。
放送が終わったあとも、口を開かない優子に、2人は黙っていた。
「二人はさ―――」ぽつりと呟いた優子が、顔を上げて二人を見やった。「まゆゆと一緒にいたんだよね?」
平嶋と愛佳が顔を見合わせると、寂しそうに頷いて見せた。
「私も少しだけ、一緒にいたんだ」佐江と出会うまでは。そう言ってから、再び地面に視線を落とした。
目に涙を溜めている平嶋が、今にも震えそうな声で優子に向かって言った。
「学校の側にいると、誰かに見つかって殺されちゃうかもって。私が離れたほうがいいんじゃないかな?って提案して、そしたら、近くで銃声がして、怖くなって走って逃げてたんです」
後半はほとんど嗚咽で聞こえなかった。ただ、それが原因で麻友と逸れたんだろうと、優子は解釈した。
「佐江と花ちゃん―――この二人は要注意人物だよ」
そう言う優子の目は真剣そのものだった。
「多分、この二人のどっちかに、まゆゆもとも〜みも殺されたんだと思う」噛んだ下唇が薄く紫色に染まっていた。
「でも――」顔を上げた優子が少しだけ笑んでから、続けた。「あの二人だって、こんなことしたくてしてるんじゃないんだよね―――」その笑顔は、酷く寂しそうに見えた。
優子の頭を愛佳がよしよしと撫でた。もちろんハンマーでではなく、手のひらでだ。
ふふっ、と笑ったあと、「ありがと」とだけ呟いた。
「らぶたんのさ」頭を撫でてくれていた愛佳を見上げながら、優子が紙切れを前に差し出した。「らぶたんの言うことも一理あるよね」
優子がそう言うと、突然名前を呼ばれた愛佳が、なんのことか意味がわからず、首を傾げた。また少しだけ笑んでから、それを無視して優子が続けた。
「でも、これ以外に助かる手段がないんなら、これに縋ろうよ」
紙を掲げた優子が、もう一度解除方法を眺めていた。
「でも、それが正しかったとしても・・・一人しか・・・」
落胆する平嶋に、優子が笑顔を見せた。
「みんなで同時に解除すればいいじゃん。死ぬのも生きるのも、みんな一緒。ね?」
優子が首輪を指し示し、平嶋の顔を覗きこんでから、またニコっと笑った。
ハンマーを、ピコっと鳴らした愛佳が、わざとらしく「おーっ」と感心して見せた。
そのリアクションが面白かったのかどうか判らないが、平嶋がため息をつくように笑んでから、優子と顔を見合わせて、もう一度笑った。
続く。
書き始めるまでどういう展開になるか、本人すら判らないもので、誰が最終的に生き残るかさえ判っていない状況です。
最初描いていたストーリーと大分変わったと思います。なんせ、みぃちゃんは最後の5人くらいまで生き残る予定でしたしね^^;
>>570 優子は才加とどっちを主役にしようか迷った子ですからね。まあ、主役以上の活躍をしていると思ってます。
>>571 みなさんが期待してるクライマックスになるかどうか判りませんが、最後まで手を抜かずに頑張りたいと思います。
>>572 終わるといっても、この最後がまだまだ長いと思いますので、最後までよろしくお願いします。
>>573 のめり込むなんて、すごくうれしいです。これ書いてて才加好きになったなあ^^
>>574 生き甲斐だなんて、滅相もないです^^; こんな駄文を読んでくれてるだけで、本当にありがたいです。
>>575 本当の佐江はいい子ですしね^^
>>576 最後まで突っ走ります!
>>577 毎回増量更新できればいいのですが、1レス分書くのに1時間以上掛かってるもので、申し訳ないです。
>>578 ありがとうございます。
執筆業ではありませんよ。もしそうなら、もっと文章上手いはずですからwただ、趣味で小説書いてるだけです。
そういえば、この板で小説書き始めて、1年経ってますね。
>>579-580 わざわざありがとうございます。そんなに細かく書いてくださったんですね。てか、佐江、ほとんど3分の1・・・。
それと、はるごん左腕も撃たれてますよ。
583 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/11(火) 21:55:02
更新乙です
584 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/11(火) 22:04:16
更新ありがとうございます(-^▽^-)
585 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/11(火) 23:30:25
乙です 本当に面白い
更新まだかな
おお更新来てましたか。ありがとうございます。
それでも佐江と花ちゃんを思いやる所に、仲間同士で闘ってる悲しさが感じられますね。
しかし優子も佐江と花ちゃんの二人とやり合ってなお
生き残ってる所がサスガです。
まだまだ続くとの事なのでホッとしています。頑張って下さい。
587 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/12(水) 07:57:09
最近この小説読んでるとすごい感動しちゃうんだよな。これも松本さんの文才か…
588 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/12(水) 08:20:41
乙です!次回も楽しみにしています(^_^)
生暖かい風が髪の毛をなびかせた。ふと見上げた空に黒い雲を見つけた遙香が、目を細めて「雨、降りそう・・・」と呟いた。
それに習うように、敦子が空を見上げた。
「ほんとだ。傘、用意してなかったね」手のひらで日よけを作った敦子が、おどけた言い方で言った。
「雨って、降るんですよね・・・」
空を見上げたままの遙香が、呟くようにそう漏らすと、「当たり前じゃん」と敦子が言った。
寂しそうに笑ってから、「そんなこと、忘れちゃってました」と言って、再び空を見上げた。
その横顔を見つめた敦子の表情も、寂しげだった。
「はるごん」
少しだけ驚いた顔をした遙香が、見上げていた顔を敦子のほうへ振り向けた。
「生きて帰ろうね」
「え―――」遙香がキョトンとした顔をし、それから、笑みを浮かべて、頷いた。「はい」
生きて帰る。遙香が何度も考えては諦めていた言葉だった。この首輪がある限り、自分たちはみんな死んじゃうんだと思っていた。
だが、諦めなければ、もしかしたら生きて帰れるかもしれない―――――今では、そう考えるようになっていた。
「前田さん」遙香が尋ねた。「生きて帰れたら、なにがしたいですか?」
敦子が、腕組をして、「ん〜」と考えた。
それから、「寝たい」と言った。
「布団の上でさ、その日起きたことを振り返りながら、ぐっすり眠りたいよ」
もっとしたいこと沢山あるんだけどね。ははは、と笑った敦子が遙香のほうを見た。
「いいですね」遙香が同意して頷いた。
「で、はるごんは?」
敦子が首を傾げて、遙香の顔を覗きこんだ。
「私は―――もう一度」みんなと公演がしたい。叶わぬ願いを心の中にしまいこみ、遙香は代わりに笑んで見せた。
「前田さんと一緒です」と言った。
「なんか隠したなぁ!?」
敦子が膨れっ面で遙香の肩を揺すった。それに対して遙香が笑って誤魔化した。
「それじゃ、一緒に寝ましょう」
「え―――」敦子が首を傾げて、目を大きくした。
「そして、朝起きたら、一緒に遊園地行きましょう。やっぱジェットコースターですよね。あと、お化け屋敷とか」
乗り物の名前を指折り数えながら並べて、嬉しそうに語った。
その横顔を黙って見ていた敦子は、遙香のほっぺに、キスをしたい衝動に駆られたが、代わりに笑むことで、その衝動を抑えた。
「――――あとは、やっぱ観覧車とかいいですよね?」
振り向いた遙香が笑顔で敦子に訊いた。
敦子が笑んでから、頷いた。
「―――うん」
空は、先ほどよりも真っ黒な雲に覆われ始めていた。
続く。
毎回感想ありがとうございます。
これからこの10人がどう動くかで、話の展開が大きく動くんじゃないかと思います。そのせいか、最近は慎重に書いてるつもりです^^;
>>586 実際にこんなことが起こったら、やっぱり仲間の心配はすると思うんですよ。
>>587 感動してくれることに、感動しています><
文才はなんて無いに等しいですが、これからもよろしくお願いします。
591 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/12(水) 23:07:17
乙です。
ワクワクo(^-^)o
連日の更新ありがとうございます。
とうとう天候も変化してきましたね。
うっすら百合風味な二人に萌えました。
もはや一つの言動で状況がどう転ぶかわからないスリリングさを感じます。
松本氏が納得いく形になるように、じっくりマイペースで頑張ってください。
593 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/12(水) 23:51:20
あっちゃんはるごんギザカワユス!!!
ふたりだけの世界ギザカワユス
595 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/13(木) 09:27:15
このシーンは優子&とも〜みで読みたかった。
とも〜みちゃんに合掌(涙)
596 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/13(木) 16:23:47
みぃちゃんの上段蹴りですらダメージ0
篠田さんに勝ったはるなも全く歯が立たず
佐江に勝てるイメージが出来ません
怖すぎます
597 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/13(木) 16:34:36
ここはCGまゆゆの出番!
598 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/13(木) 16:57:33
これオモレェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!!!!!!!!!!!!!!!
599 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/13(木) 17:07:54
松本さんおもしろすぎです。素晴らしい!ともーみが殺されたのは悲しいですが・・・
600
601 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/13(木) 19:08:14
毒をもって毒を制す、花ちゃんに期待するしかないな・・・
もちろん、主人公の才加に一番期待してるけど。
602 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/13(木) 20:03:57
オカロは栗山千明だな
前田亜季はまゆゆ
よって生き残るのはまゆゆ
603 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/13(木) 20:14:47
まゆゆはもう死んじゃったよ。。
頭の上に何かが落ちてきたことで、花は雨が降ってきたのに気づいた。
細い雨が落ち始めて、木の葉が水滴でリズミカルに揺れていた。
「雨―――」
落ちてくる水滴を、手のひらに乗せるように感じ、口元で笑みを作った。
雨は足音を消してくれる。そう、視界だって悪くさせてくれる。これは絶好のチャンスだと花は思った。
額に張り付いた前髪をかきあげると、茂みの向こう側を見つめた。
茂みの向こうは狭い空間が出来ていて、その中には、雨で出来たカーテン越しに、3人の姿が見えていた。
その3人もまた、雨に濡れている。大島優子と平嶋夏海、多田愛佳だった。
平嶋がハンカチを頭に乗せ、優子がそれを見て笑っていた。愛佳の手には、何故かおもちゃのハンマーが握られていて、花を少しだけ困惑させた。
花は息を整えた。優子とは二度目の戦いになる。一度目は、想定外の展開のせいで逃げることになってしまった。
足元の小石を拾い上げた。一呼吸したあと、優子たちの向こう側の茂みへ投げ込んだ。
ガサッ、と言う音に驚いた優子が立ち上がって、銃を抜いた。平嶋と愛佳は座ったまま身を固めて、音のしたほうを見つめていた。
花は音を立てないように3人に近づき、ワルサーPTHを構え、1発放った。
銃弾は、平嶋の後頭部を撃ち抜いた。続けて2発目を放ったとき、「らぶたん逃げて!」と、優子の声が響いた。
2発目の銃弾は、惜しくも優子の右肩を掠めた。続けて3発目を、逃げ出そうとする愛佳の背中に放った。当たった銃弾で、その動きが止まり、愛佳が膝を着いた。
4発目を放とうとしたとき、優子のCz75の銃弾が、花の顔の横を通り過ぎて、心臓がドクリと鳴った。
花の表情は、恐怖のそれとは違い、何か面白いおもちゃでも見つけたときの子供のような顔で、ニンマリと笑っていた。居場所がバレたことなど、失敗だとすら思っていなかった。
右手にワルサーTPHと、左手に357マグナムを握った花が、両方の銃口を優子に向けて立っていた。
両方の銃の引き金を引こうと、人差し指に力を入れたとき、目の前に人工的な赤い物体が現れた。
バババンッ。花が放った2丁の銃と、優子の放った銃の音が辺りに響いた。
赤い物体が花の目の前で、左下にゆっくりと落ちた。そして、それは足元に転がって、ピコ、と小さく音を立てた。黄色い柄の部分が花の爪先に乗っかった。
それは、愛佳の武器のピコピコハンマーだった。背中を向けていた愛佳が、いつの間にこちらを向いていたのか、地面にうつ伏せに倒れながら、息を荒げ、「・・・っちゃんのかたき――」と言った。
花がハンマーを蹴り上げようと体を捻ると、左胸から血が溢れているのに気づいた。一瞬だけ目を見開き、優子を見た。
右肩から血を流した優子が、両手に銃を構えて真剣な目で花を見つめていた。
ワルサーTPHを離した花が、胸に手を当てて、膝を着いた。
何か言おうとして口を開くと、喉の奥を生暖かい血が通過し、咽てから一気に吐き出した。
左手に残った357マグナムを愛佳に向けたとき、優子が2発目の銃弾を放ち、花の左腕が後ろに跳ね上がった。
そのまま、崩れるように仰向けのまま倒れて、口元をわずかに動かし、「死にたく、ない――――」と、そこまで言って、死んだ。
それは、雨音のせいで、優子には聞こえなかった。
雨脚は先ほどよりも強くなっていて、ずぶ濡れになって倒れている愛佳の元へ、優子は駆け寄った。
あのおもちゃのハンマーを投げてくれなかったら、優子は確実に死んでいた。良くて相打ちだっただろう。
わずかに呼吸をしている愛佳を抱き寄せてから、優子は耳元で「ありがとう」と繰り返した。
雨と一緒に、涙が頬を伝っていた。
605 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/13(木) 20:48:28
更新お疲れ様です。
いやー優子vs花。読み応えありましたね。ピコピコハンマーがこんな活躍をするとは…。
やはり優子が鍵になりそうですね。
続く。
>>595 禁2ですか? そういうチャンスそういやあったのに、なんで書かなかったのかな?と考えたら、あの2人より、はるごんって言う子供っぽいけど、頼もしいキャラだからこそ出来るシーンなのかなと。
>>596 自分にも今のところイメージできません^^;
>>602 申し訳ないですけど、まゆゆはもう・・・
607 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/13(木) 21:08:46
らぶたん死んじゃいやだ、生きててくれorz
608 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/13(木) 21:19:59
Kメンばっかだな残ってるの、実際体育会系が多いKメンは生命力強そうだがw
A 前田
K 秋元 小野 奥 大島優 宮澤
B 仲川
609 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/13(木) 21:24:53
やべ、泣けた
610 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/13(木) 22:25:01
いとしのともーみ生きかえってくれ〜 頼む君がいないと悲しいでチュウ(“A”)
花ちゃん・・・orz
松本氏ラストファイト!
612 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/13(木) 23:12:42
花ちゃんを倒すなんて…。優子凄すぎです!!!
613 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/13(木) 23:14:03
花ちゃんを倒しちゃう優子凄すぎですっ!!!
>>608 らぶたんはまだ死んでないと思うのだが………
615 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/13(木) 23:35:43
乙です!
らぶたんの健気さに涙しそうになりました・・・
松本サン
毎日の更新お疲れ様です
新規です
とうとう花が……
やはりここからは解除メモを手に入れた優子がキープレーヤーになって来ますね
ってか優子はまたもや仲間を失ってしまいましたね…
常に仲間を先に逃がそうと敵に立ち向かう優子の優しさが素敵です
優子と才加が合流したら面白い展開になりそうですね
617 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/14(金) 00:05:40
ここも支援しなくても賑わう様になったな
しかし相も変わらず支援支援
更新お疲れです!
つい前々回までピコでふざけあって楽しんでいたお二方の死に涙です…
これで敵は一人に絞られたのかな?
でも、まだまだ人は死にそうだし作品から目が離せないです
619 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/14(金) 07:22:36
w(゜O゜)wワォッ
620 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/14(金) 10:02:43
優子と前田。
嫌いな人は秋元に言えば辞めさせられるから
621 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/14(金) 11:57:39
さて、この大殺戮ゲームの起点となったAKB48フルメンバーの拉致事件が、
何時行われたのか?を検証してみる。
まず、ここに登場する48名が正式メンバーであった時期は、それほど長くはない。
4月15日のH2公演で佐藤亜のチームA加入が発表されてから、
7月13日のA4thR夜公演で宮崎美穂のA加入が発表されるまでの3ヶ月足らずである。
以上の事実から、まずは4月16日からぎりぎり7月13日の日昼までに絞り込める。
次に物語冒頭の記述
「夏の空は高い。 」より、この日は既に夏の季節であることが読み取れる。
とすれば、世の一般的常識から考えれば、7月以降と推量するのが妥当であろう。
また、諸兄もご存知の通りAKB48は土日祝日は1日3回公演を行っており、
この間の土日に全員でのPV撮影を行うと言えば、メンバーも疑念を抱くと思われるので、
これは平日に行われたと考える方が適当であろう。(おそらく撮影は日中に終わるから
夜の公演には支障はない、とでも言い繕ったのだろう。)
よってここまでの考察により、拉致は7/1(火)〜7/4(金)と
7/7(月)〜7/11(金)のいずれかと考えて差し支えないであろう。
次に冒頭に続く一文
「わたあめにも似た、白く柔らかそうな入道雲が、地上に陰を作る。
自己主張するかのように、光と熱を強める太陽が、才加の肌を焼き付けた。」から
この日は晴天であった事が解かる。
当日のメンバーの行動を推測すると、おそらくは朝シアターに集合し、
大型バスに乗り込み(偽りの)PV撮影地に向かったと考えていいだろう。
となれば、冒頭の情景はまだ東京から大きく離れてはいない地点であろう。
そこで7月前半の東京の天気を調べてみると、まだ梅雨の名残であろうか、
曇天や雨天の日が多く、日中概ね晴れていた日はわずか2日しかない。
それは7月4日と7月13日である。
前記の考察より7月13日は条件に当てはまらないので、
結論・AKB48メンバーが拉致されたのは7月4日金曜日である。
622 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/14(金) 12:44:21
623 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/14(金) 14:07:08
やっと追いついた産業〜
626 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/14(金) 18:35:13
松本さんの推して誰ですか?
627 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/14(金) 18:54:10
>>626 それ俺も気になってた!!
書き終わってからでもいいので教えてください。
>>618 らぶたんはまだ死んでない・・・と信じたい。
629 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/14(金) 20:09:23
いつもありがとうございます。
花ちゃんのヒットマンとしての実力と死に様は
ハードボイルドのようなカッコ良さがありましたね。
優子はザ・サードマン三村のような役どころでしょうか。
らぶたんの捨て身の助太刀にも感動しました。
雨が降りしきる中、優子は集落を目指して歩いていた。
その背中には、先程の戦いで花に撃たれて意識あを失った愛佳が、身を委ねていた。
雨で体力を奪われて、冷え切ったその体は、一見すると死体に見えなくもなかった。血の滲んだシャツがさらにそう見せてるかもしれない。
頬に掛かる息で、愛佳が生きているということを感じていた。
集落のどこかの民家にでも辿り着ければ、この雨から愛佳を守れる。それだけが今、優子の出来ることだった。
「待っててね。もうすぐ着くから」
優子の小さな体では、担ぐものが大きすぎたらしく、体力を奪われているのは愛佳だけではなかった。
何度かぬかるみで転びそうになりながらも、その足は真っ直ぐ集落を目指していた。
1時間ほど歩いただろうか、茂みの奥の雨の中に数軒の民家が見えた。
途端、優子の視界がぐらりと揺れた。
限界だった。地面に膝を着き、右手で体を支えた。
疲労に続き、ふくらはぎの傷が開いていたらしく、血が雨で流れていた。
力を失った体が、地面にひれ伏すように崩れ、伸ばした左腕が空を掴んでから、落ちた。
「・・・もう・・・少し・・・なのに・・・」出血多量。疲労困憊。そんな言葉が頭の中を過ぎっては、消えていった。
背中に圧し掛かる重さだけが、優子の意識を保っているらしく、その目は向こう側にある集落を、睨み付けるように見ていた。
ダレ、カ・・・タス・・・ケ、テ・・・。
ゲーム開始以来、初めて優子が助けを求めた。それは、自分自身をではなく、その背中に背負った、今にも消え入りそうな命のためだった。
薄れ行く意識の中に、人影を2つ見つけた。その人影に向かって声を出したが、それはあまりにも小さくて、届かなかった。
優子が力を振り絞って愛佳のハンマーを鳴らしてから、地面に頬を落として、そのまま意識を失った。
続く。
残り9人です。らぶたんは今のところ死んではいません。
>>621 すごい洞察力ですね。ですが、この小説を書き始めた時点では、みゃおの加入は知りませんでしたので、あまりそこに拘らなくてもいいですよ。
一応、7月の終わりから8月の始めくらいの季節のつもりで書いてます。ですが、その洞察力に感服しましたので、その設定でも別にかまいません^^
>>626 1推しは、たかみなです^^ この小説では全く活躍しませんでしたが^^;
>>629 まあ、Kを含め全チーム好きですよ。Kメンが多いのは別に贔屓してるわけではありませんのであしからず。
>>630 この前、初めて漫画のほうを少しだけ読んでみましたが、そうですね、優子はその役どころに一番近いかもしれません。
633 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/14(金) 21:37:35
やばい!!
優子とらぶたんの命の灯が消えかかってる
誰か、誰か助けてくれぇ〜!!
松本氏、更新乙です。
らぶたんがとりあえず生きてて良かったです。
優子も怪我をしているのにわざわざピコピコハンマーを持ってきたのは何か意図が?
635 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/14(金) 21:55:48
突っ込み御免
花ちゃんとなっちゃんが死んじゃったので、残り8人ですね。
636 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/14(金) 21:59:00
松本氏もたかみな推しでしたか
松本氏と同じ感性をしてるとわかっただけで、僕はもう幸せです
今死んでももう悔いはありません
637 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/14(金) 23:20:27
優子まだ死なないで!
毎晩の更新に驚きです。まさに日刊ペースですね。ありがとうございます。
原作を未読でここまでの小説を書ける力量に驚きです。かなり原作に近い雰囲気ですよ。
推しメンであっても、展開のためなら容赦なく脱落させていく誠実さに脱帽です。
どんな時でも自分より仲間を思いやる優子の精神力が素晴らしい。
櫻の園でも、そんな友達思いの役どころでしたね。
639 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/14(金) 23:57:50
今日みつけて、面白かったので夢中でここまで全部読みました。
是非映像化してもらいたいですね
640 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/15(土) 00:05:11
優子は皆が謀って公開処刑にされるだろうな〜
それほど遠くはない場所から銃声が聞こえた。その音は、遙香の聞き間違いでなければ計7発の音が轟いた。
マシンガンの特徴的な音が響かなかったことから、佐江以外の誰かが争っていると考えたが。
勿論、遙香たちとは反対方向に歩み進んだ才加たちではないだろう。じゃあ、残るのは優子と花、あとは平嶋と愛佳だけであった。
この4人の内、最低でも2人が争って、1人が死んだのだろう。もしかしたら、相撃ちで、2人とも死んだのかもしれない。銃声が止んでから、2人は方向を90度変えて、移動を始めた。
それには、遙香なりの意図があった。今の銃声で佐江がその場所ににやってくる可能性は、十分にありえると考えたから。
今はその場所に近づくのは避けようと、そう提案した。
銃声が聞こえてから1時間以上が経った今、雨は2人の視界を遮るように勢いを増していた。
集落の商店でタオルと雨具を調達しようと、歩みを進めていたとき、ピコ、と、人工的な音が敦子の耳に侵入してきた。
「ねえ、今何か聴こえなかった?」
「え?」
雨を少しでも遮ろうと、バッグを頭の上で翳していた遙香が、敦子のほうを振り向いた。
「今、何か変な音がした」
もう一度、今度は大きくゆっくりと言った。
遙香が首を傾げてから、左右に振った。「何も聴こえませんでしたけど」
歩みを進める遙香の背中が遠ざかる中、敦子は辺りを見渡してから、一度首を捻って、「おかしいなぁ」と言ってから、遙香の元へ駆け寄った。
遙香が立ち止まって、敦子を待った。その顔は、今にもため息を付きそうな、そんな呆れた顔だった。
このとき、敦子がもっと目を凝らして辺りを見渡していれば、左後方数十メートル先に、2人重なって倒れている優子と愛佳を見つけることが出来たかもしれない。
だが、それは天候の悪さのせいか、ただ運が悪かったのか、敦子は何も見つけることなく、その足を先に進めてしまった。
銃声が轟いた場所、そう、平嶋と花の死体のある場所に、人影がたどり着いた。
肩のバッグを担ぎなおして、マシンガンを右手から左手に持ち替えたその影は、宮澤佐江だった。
2人の死体を睨み付けるようにジッと見つめているその目は、何か模索するようなそんな目をしていた。
続く。
>>636 いや、死なないでください^^;
>>638 そういや、櫻の園公開してるんですよね。面白いんですかね?
>>639 はじめまして。面白いと言っていただけることは、本当に嬉しいです。
どんなラストになるかわかりませんが、最後まで見てやってください。
643 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/15(土) 19:41:27
あっちゃん…見つけてあげてくれよ。と、感情移入しすぎたw
644 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/15(土) 20:55:21
らぶたんがあぁぁぁ!!!
645 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/15(土) 21:21:58
あっちゃんはド近眼だからなあ・・・
って、優子とらぶたん死んじゃうorz
週末の更新ありがとうございます。
ピコピコハンマーがまさかここまで重要な役割を担うとは
お釈迦様でもわかるまいっ…てな展開ですね。
佐江の神出鬼没な登場は、まるで野山を駆け回る野獣のようです。
櫻の園は、彼氏持ちという役なのが残念でしたが
優子の演技は瑞々しくて自然で素晴らしかったですよ。
戸賀崎の放送が、戸島花と平嶋夏海の死を告げてから、2時間余りが過ぎていた。
「時間ないな・・・」
才加が時計を見てから、軽く舌打ちをした。遙香たちとの合流時間まで4時間を切っていた。
現在の位置、島の北東の浜辺付近から、合流地点の倉庫までは2時間ほどで着く距離だったが、真奈美と恵令奈の体力を考慮して、合流地点に向かうことにした。
「ねえ」恵令奈が才加の背中越しに顔を覗きこんだ。「もう終わる?」訊いてから慌てるように口を閉ざした。それは、才加が不思議そうな顔で恵令奈の目を見たからだった。
それを見た才加の口が一瞬だけ開いてから、「あ」と口の中で言った。
恵令奈は恐らく、このゲームを一刻も早く終わらせたいのではないのだろうか。それを思わず才加に訊いてしまい、慌てて口を噤んだのだろう。
「もうすぐ終わるよ」
誰に言うわけでもなしに、才加は真っ直ぐ歩みを進めた。
小降りになった雨が、リズミカルに音を奏でていた。
どれくらい気を失っていたのだろうか、目を覚ますと辺りは真っ暗になっていた。
背中に重みを感じ、愛佳の存在を思い出して慌てて体を起こした。
「らぶたん?」
悪夢でも見ているかのように、愛佳は苦しそうに呼吸をして眠っていた。
「・・・よかったぁ」無事ではなさそうだが、とりあえず背中に背負ってたものが死体ではなかったことに、ほっと胸を撫で下ろした。
愛佳を抱きかかえると、目の前の集落に向けて足を運んだ。
1軒の民家の畳の上に愛佳を寝かすと、シャツを巻くって、応急処置をしていた背中の銃弾痕の布を剥がした。
「んっ・・・んん・・・」
愛佳の眉間にシワが寄ったのが判った。それでも起きることのない愛佳の背中に、床の間のタンスの中にあった、救急箱の消毒液を塗ったてから、新しい布をあてがった。
それが正しい応急処置の方法なのか判らなかったが、今優子が出来る精一杯の対処法だった。
自分の傷の手当に入ったとき、ポケットの中の説明書の存在を思い出してから、「あ」と口を開けた。
急いで取り出したそれは、雨で濡れてはいたものの、破れて読めなかったり、インクが滲んでいたりすることはなかった。
2枚の紙をもう一度、いや、何度も、暗記するように読み返した。
首輪に触れる。今、ここで愛佳と自分の首輪を外せば、全てが終わるかもしれない。そう脳裏を過ぎった。
文字に落とした視線を、愛佳の顔に移動させてから、優子は目を閉じた。
「らぶたん、ごめん。もうちょっとだけ待ってて」
目を見開いた優子が、愛佳の頬に触れる。
「才加たち捜したら、必ず戻ってくるから」そう言う優子の口は、わずかに震えていた。
平嶋の武器、ダブルデリンジャーを愛佳の顔の横に置き、ピコピコハンマーを右手に握らせてから、胸の前に置いた。
「だから、もうちょっとだけ、我慢して待ってて」
立ち上がり、バッグを愛佳の側に置くと、ズボンの前に357マグナムとワルサーTPHを差し込んだ。そして、右手にはCz75を握って、部屋をそっと飛び出した。
続く。
夜は用事があるので、早めの更新です。
>>635 8人でしたね。数え間違えてたみたいです^^;
何を数え間違えたのかは、内緒ですが・・・
>>646 ピコピコハンマーを持たせた時点で、ただのおもちゃとして終わらせるのはなんか嫌だなと思ってたんですが、まさかここまで重要な役割をしてくれるとまでは思ってませんでした。
櫻の園は良かったみたいですね。来週の3連休にでも観に行って見ようと思います。
乙です!
用事の前に更新を済ませる律儀な松本氏に感謝です。
あの状況から自力で復活する優子のタフさに驚嘆します。さすがです。
ああ、早く才加と優子を合流させてあげたいです。
二人が揃えばこんなに心強い事はありません。
651 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/16(日) 18:32:11
佐江が追って来る!!!逃げて〜
652 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/16(日) 21:08:26
えれぴょんカワイイぉ〜(*^ρ^*)
さやか頼む!
653 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/16(日) 21:10:09
優子とらぶたんが生きてて良かった。
654 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/16(日) 22:10:46
優子とらぶたんが生きてたから俺は明日も生きて行ける
655 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/17(月) 00:05:17
花が氏んじゃったから、俺は明日から生きてゆけない
色違いの合羽を着た2人組、仲川遙香と前田敦子は、集落から北東側を迂回して倉庫を目指していた。
とうとう見つからなかった優子が、才加たちと一緒にいることを願いながら、それでも辺りを十分に見渡しながら、歩いていた。
「あとは、秋元さんたちが大島さんを見つけてくれてればいいんですけど」
合羽のフード部分を持ち上げて、雨が小降りになったのを確認した。
「だね。あとは倉庫で才加たちを待つだけだよ、もしかしたら向こうが先に待ってるかもしれないけど」
笑った敦子が、遙香と同じように、合羽のフードを脱いだ。それと同時に、何かが足に引っかかり転びそうになったのを、遙香が受け止めた。
「大丈夫ですか?」苦笑いで受け止めた遙香が、敦子の顔を見下ろした。
「ははは・・・」
同じく苦笑いをした敦子が、靴紐を結ぼうと、しゃがみ込んだとき、事態は急変した。
「前田さん、そのまま立ち上がらないで聞いてくださいね」
遙香の口調が低く真剣になった。不思議そうな顔で見上げた敦子の目に、遙香の喉元がゴクリと動くのを見た。その表情は真剣そのものだった。
敦子の心臓が、ドクリと鼓動した。この体勢からは見えなかったが、遙香が見ているものが何なのか、すぐに判った。
「宮澤さんが居ます。まだこちらには気づいていません」
それは、ゆっくりと小さな声だった。視線だけを敦子に向けた遙香が、敦子の右側にある茂みを目線で指し示した。
「そのままの体勢で、あの茂みの中まで行って隠れて下さい」
「え? でもそれじゃはるごんは?」敦子が驚いて立ち上がりそうになったのを、遙香が右手でその頭を押さえつけた。
そしてもう一度、先ほどよりも小さく、だが、先程よりかは早口で、「早く、隠れて下さい」と言った。
遙香のこめかみから汗がツーっと流れ落ちたのを見た。それは、雨の水滴だったのかもしれなかったが、真剣な表情とその口調に、敦子は従うしか選択がなかった。
這うように茂みの方へと進んでから、なるべく音を立てないようにその中に入った。
それを横目に見届けた遙香が、ウージーを構えなおして1歩前へと進んだ。
小降りではあるが、落ちてくる雨音のおかげで、多少の足音くらいじゃ気づかないようだったが、不意に佐江がこちらを振り返った。
目が合った瞬間、遙香は金縛りにあったような感覚を受けた。佐江の異質な笑顔は、以前教会で見たときのそれよりも、不気味な感じすら覚え、遙香の頭の中に『敗北』の二文字を過ぎらせた。
佐江がマシンガンをすっと向けたのを見て、金縛りにあってた体がビクッと動き出した。慌ててウージーを構える。
先制は遙香だった。ダダダダダ、と佐江に向かって走りながらウージーを撃ち放った。
佐江は一瞬だけみじろぎしたものの、ニヤッと笑ってから、マシンガンを手馴れた感じで腹部に何発もの銃弾を撃ち付けた。
「な、なんで?」当たったのに・・・。その疑問に応えてくれるでもなく、佐江は笑みを浮かべながら撃ち続けた。
至近距離から撃たれた遙香の体は、数歩後ろへと下がり、そのまま頭から仰向けになって倒れて行った。
仕上げと言わんばかりに、佐江が拳銃で遙香の心臓を撃ちぬくと、辺りを見渡してから、遙香の右手のウージーを剥ぎ取った。
茂みの中の敦子には気づかなかったようで、佐江はそのままその場所を後にした。
茂みの中で、遙香が殺されるのを目の当たりにした敦子が、佐江が去ったあと、茫然とした表情で出てきた。
「はる・・ごん?」
夢でも見ているかのような顔をした敦子が、遙香の頬に触れた。
指先に伝わる体温が、生きているかのように見せかる。
「うそでしょ・・・」今度は両肩を掴んで、揺すった。「うそだって言ってよっ!」
頬を涙が何度も伝っては落ちた。それは、雨のせいなんかではなく、確かに敦子の瞳から零れ落ちる涙だった。
ううう・・・。血で染まった遙香の胸に、顔を埋めて敦子は泣いた。
―――考えてますよ。皆が助かるためには、どうしたらいいんだろう?って―――
遙香の言葉がフラッシュバックした。
「一緒に生きて帰ろうって・・・なのに、なんで・・・・」
顔を上げた敦子が、遙香の顔を見てから、再び泣いた。その顔は、グシャグシャに崩れていた。
遙香の死に、涙を流して悲しんで泣き、己の愚かさに、悔しさと怒りが入り混じり、そして、泣いた。
嗚咽が聞こえなくなってからしばらくして、敦子がゆっくりと顔を上げた。
遙香の顔を眺めるその表情は、まるで人形のように生気を失っていた。
目から一滴涙が零れた。
ああ、涙とは、枯れても流れるのものなんだな、と思った。
そっと手を差し伸べて、遙香の頬にもう一度触れた。今度は先ほどよりも優しく、大切な宝物を扱うように。
そして、そのまま、敦子は、遙香の唇に、キスをした。
ただそれは、恋人同士のそれとは違い、優しく触れ合うだけのキスだった。
顔を上げた敦子が、腰に差し込んだ拳銃を取り出して、息を吸い込んだ。
―――それじゃ、一緒に寝ましょう―――
また、遙香の言葉がフラッシュバックした。
「うん」
敦子が少しだけ笑んでから、ベレッタM92Fをこめかみに押し付けた。
目を閉じて、ゆっくりと息を吐いた。引き金を引く指がわずかに震えていたが、それはすぐに止まった。
銃声が辺りに響いたあと、敦子は、うつ伏せになりながら、遙香に覆いかぶさって死んだ。
雨は未だに降り続いていた。
続く。
明日の夜(今日の夜?)は更新出来そうに無いので、今の内連続更新しときます。
残り人数、6名になりました。
松本サンご苦労様です
新規です
今仕事中なんですけどね……
こんな時間に泣かせないで下さいww
まさかあっちゃんが…後追いするとは………
俺が一番始めに顔と名前を覚えたのが彼女なだけに…何か切ないです
佐江は着込んでますね……防弾……
やっかいだぁww
660 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/17(月) 03:24:44
はるごん…
あっちゃん…
661 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/17(月) 03:25:22
スター集団チームAが全滅しました!
野呂さん
663 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/17(月) 04:10:44
うおー本当にもうクライマックスですね。6人か。
やっぱり最後は佐江vs才加になるんでしょうか。
松本さん楽しみにしてます!
664 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/17(月) 06:10:11
あっちゃんあああああああああああああああああああああああああ
松本さん凄い!
朝に読み始めていま追いついたけど何回も泣きましたw
これ本で出たら4kは余裕でだせます!
666 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/17(月) 07:09:45
朝一で松本さんに泣かされるとは…
敦子が竜宮レナみたいに鉈で戦ってたら萌えるかもなwww
えれぴょんヲタになっちゃいそう
669 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/17(月) 07:38:58
細かいようだけど、あっちゃんの銃は
ベレッタじゃなくてグロックじゃ?
sageで書き込んでね
まとめサイトまだー?
更新お疲れです!
まさか朝から更新するとは思いませんでした、後追いするあっちゃんにひたすら涙です……
次回もハラハラしながら待つ事にします
673 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/17(月) 09:15:34
犠牲者一覧(第2版)
[ゲーム開始前] 野呂
[1日目深夜〜早朝] 板野・藤江・小林
[1日目朝〜午前] 井上・片山・菊地・米沢・駒谷・成田・梅田・佐伯・佐藤亜
[1日目昼〜午後] 仲谷・野口・佐藤夏・松原・倉持・成瀬・佐藤由・川崎
[1日目夕〜夜] 浦野・早野・篠田・松岡・大島麻・高橋・大江・中西
[2日目深夜〜早朝] 大堀・峯岸
[2日目朝〜午前] 増田・小嶋・早乙女・田名部・柏木・渡辺・河西
[2日目昼〜午後] 平嶋・戸島
[2日目夕〜夜] 仲川・前田
現在2日目の夜、生存者6名
これで残ってるのはKが5人とBが1人ですか…
Kはやっぱ強いなw
675 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/17(月) 09:33:17
乙です!
普通に泣きそうになりました><
なんという素晴らしい純愛!
さすがあっちゃん、死に様も美しい……。
久しぶりなバトルロワイヤル見たくなったから借りてきた
678 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/17(月) 18:51:05
佐江ちゃんに殺られたメンバー
藤江、佐藤亜、佐伯、倉持、松原、成瀬、松岡、高橋、
大島麻、中西、大江、峯岸、柏木、河西、渡辺、仲川
3人に1人(1チーム相当)は佐江ちゃんに殺られています><ふぇ〜ん
まゆゆ…(泣)
680 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/17(月) 19:44:30
はるごんとあっちゃん一緒に天国で幸せになって欲しいです泣
sageろって
682 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/17(月) 19:50:03
奥ちゃんだろ
戦力になりそうなのはオカロと優子だけ、
佐江はいまだ無傷でしかも防弾チョッキ着用。
才加たちに勝機はあるのか・・・
684 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/17(月) 21:56:32
あ
685 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/17(月) 22:50:43
686 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/17(月) 23:18:38
sageろって
「ちょっと早かったかな?」
倉庫の一角の、パレットの上に腰を降ろした真奈美が、バッグの中から取り出したチョコレートを半分に割りながら、言った。
その半分を受け取った恵令奈が、「でも、あと10分くらいだよ?」と言い、半分のチョコをさらに半分に割って、それを才加に「はい」と差し出した。
手のひらを前に差し出して、いらないと意思表示した才加が、窓の外を覗き込んで、ため息をついた。
「無事だといいんだけど」
しばらく沈黙が続き、恵令奈は、窓の外を眺めている才加をジッと見つめた。
「ねえ―――」真奈美が口を開いた。「あたしたち、これからどうするの?」
才加が視線を真奈美に向けた。それから、少しだけ考えて「大丈夫、心配しないで」と言った。
「大丈夫だってさ。良かったね、まぁちゃん」
「――うん」
横に腰掛けていた恵令奈が、真奈美の顔を覗きこんでから笑った。それから、嬉しそうに真奈美のチョコを一欠けらだけ摘み取った。
少しだけ頬を膨らませた真奈美だったが、恵令奈の悪戯っぽい笑顔に、思わず笑みをこぼしてしまった。
そんな二人のやりとりを、横目で見た才加が、口元だけで笑って、また、視線を窓の外に向けた。
そのとき、放送を知らせる音が辺りに鳴り響いて、才加は思わず天井を見上げた。
『はーい、こんばんわあ』
放送の度に上がっている戸賀崎のテンションに、才加は毎度ながら舌打ちをした。
『恒例の行くぞ〜。まずはあ』
才加は耳を澄ました。残り人数は少なくっているが、佐江が死んでるとは考えにくい。だが、死を伝えるということは、誰かしら死んだと言う事だろう。
『仲川遙香と前田敦子の二人でーす』
才加の目が大きく見開かれた。
恵令奈と真奈美が顔を見合わせていた。二人の体は震えていて、涙目になっていた。
『これで残り6人になりましたー。秋元才加。大島優子。多田愛佳。奥真奈美。小野恵令奈。お前達すごいなあ。特に、多田。奥。小野。お前らがここまで残るなんて思ってなかったぞお。それじゃ、禁止エリアを発表しまーす。まずはあ』
才加が地図を広げメモを取った。
『1時からI-6。いいかあI-6だぞお』
I-6はこの倉庫のあるエリアだった。
『次、3時からF-8。そして5時からB-4だ。わかったかあ? もう言わないからな』
恵令奈と真奈美が、才加のメモを書き写すと、地図を折りたたんで、バッグの中へと閉まった。
『じゃあ、残り6人で仲良く殺しあうんだぞお。またなー』
放送が終わってから、すぐに才加が立ち上がった。
「出発しよう」
「え?」
恵令奈が聞き返すと、「はるごんたちはもうここには来ない。それに、ここは禁止エリアになる」そう言って、才加がショットガンとバッグを担いだ。
錆びてボロボロになった扉を開けると、キィ、とわずかに音がした。外は相変わらずの雨だったが、雨雲から少しだけ覗く月が、もうすぐ晴れることを告げていた。
とりあえず、このエリアから出ようと、方向を確認した才加が足を踏み出す。
「あ・・・」
真奈美が目を大きく見開いて、動きを止めた。
「中、入って!」
才加が叫んだ。勢いよく閉めた扉が、バタンと鳴ったのと同時にぱぱぱぱぱぱ、と音が響いた。
続く。
恒例の早朝更新。週交代での強制残業のせいで夜更新出来ないので、こんな時間に更新です。
ラストどうなるんでしょう・・・・。
>>659 着込んでますね・・・。これ以上無敵にしちゃってどうすんだろ・・・orz
>>663 お待たせしました。才加vs佐江です。クライマックスどうなっちゃうのか自分にも判りません。
>>665 泣いてくれるとは、嬉しい限りです。ですが、4kは出しすぎですよ^^; 映像化してDVDに4k出すならわかりますが。
>>669 ご指摘有難うございます。完全に見間違えましたorz 一応、みんなの武器はメモってたんですけど、たなみんとあっちゃんが上下に並べて書いてたもので、見間違えてしまったみたいです。
みなさんにも謝らなければいけませんね。本当に単純な間違いをしてしまい申し訳ありませんです。脳内変換でグロックに変えてくださいorz
>>673 毎回ありがとうございます。今更ながらノンティの扱いをもっとよくすればと思っています。
>>676 あっちゃんとはるごん。この二人の関係は確かに純愛だったかも?
>>678 3分の1か・・・やりすぎたかな・・・?
松ちゃん乙!
遂に闘いの時が…
松本サン
早朝更新ご苦労様です
今のこの状況で無邪気に笑っている年少組を見てると……切なくてたまりませんね…
そんな二人を不安にさせないようにと守り続けている才加を見てると涙が出てきます…
才加だって誰かに頼りたいだろうに…
感情移入しすぎですが…
松本サン
早く優子と合流させてあげてくださいww
またやっちゃったorz
戸賀崎さんの台詞のとこに、『宮澤佐江』って入れるの忘れてた・・・
本当に申し訳ないですm(_ _)m
続き気になる〜
明日が楽しみ
694 :
sage:2008/11/18(火) 11:31:50
sage廚うざい(-∀-`)
695 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/18(火) 11:52:24
sageなくて荒らし来て読めなくなったら許さんぞ
うわぁ〜、最大の山場ですねぇ
才加に頑張ってもらいたいけど、佐江武器持ち過ぎ
戦闘力「?」の二人を守りながら凌ぎ切れるのか?
697 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/18(火) 16:08:41
もしボンバーマンだったら佐江ボンを倒すと
アイテムがいっぱい出てくるんだろうな〜(笑)
もうここまで来ると
何だかんだ言っても松本サンの頭の中ではラストが出来上がってんでしょうね…
無事フィナーレを迎えた時はageまくりましょww
>>695 お前が荒らしだろカス
それにしても佐江無敵すぎだ・・・
えれぴょんどうなるんだろ…
おじさん泣いちゃう…
残業の疲労を越えての更新ありがとうございます。お疲れさまです。
才加の「大丈夫、心配しないで」の一言を
全幅の信頼で信じるえれぴょんとまぁちゃんが、本当の家族のようで癒されます。
早朝更新乙です!
次回も楽しみにしています(^_^)
才加が扉の鍵を回して閉めると、沢山の箱がいくつも積み上げられている方を顎で指し示した。
その奥には、シャッターがあり、隣に小さな扉があった。そこは事務所へと繋がる通路となっており、さらに奥を右に曲がると、外へと繋がる扉があった。
走って、シャッターの隣の扉を抜けた。
佐江が先ほど鍵をかけた扉を無理やりこじ開けて、入ってきていた。
辺りをぐるりと見渡すと、マシンガンを扇状にぱぱぱぱぱぱ、と撃った。
積み上げられた箱に穴が空いて、ドミノ倒しのように倒れた。
シャッターの隣の扉を見つけた佐江が、ニヤリと笑った。
ゆっくりと近づくと、その扉の窓の部分のガラス目掛けて、銃を撃ち放ち、ノブに手を掛けた。
キィ、と扉が開いた瞬間、ショットガンの弾が佐江の胸に当たり、一瞬だけよろめいてから、マシンガンを構えた。そして、撃った。
通路の折れ曲がったところにいた才加が、頭を引っ込めて、外に向かって走った。
外には、恵令奈と真奈美が待っていた。扉から出てきた才加の表情を見て、恵令奈が心配そうな目で見つめた。
「なんで・・・? 確かに当たったのに・・・」
眉間にシワを寄せた才加が、驚いた顔で考えた。
「どうしたの?」
才加の挙動に何かを察した真奈美が、不安顔で尋ねた。
「ううん、なんでもないよ。ちょっとしくじったみたい。さあ、逃げるよ」そう言ってから、すぐに言葉を変えた。「いや、隠れよう」と。
佐江の足の速さは知っている。真奈美や恵令奈が、その足から逃げ切れるとは到底思えなかった。
倉庫を、右に回りこむ形で移動した。そこには、焼却炉と積み上げられたパレットの山。そして、粗大ごみらしきものが、いくつも散らばっていた。
パレットの後ろまで走った3人が、その隙間から様子を伺った。
大きく深呼吸をした才加が、真剣な眼差しで恵令奈と真奈美を見た。そして、口を開いた。
「2人とも聞いて。佐江のこと見たでしょ?」
恵令奈と真奈美がコクリと頷いた。その目は今にも泣きそうに潤んでいた。
「あれは、私達が知ってる佐江じゃない。悪魔か何かに取り憑かれてるんだ」
自分に言い聞かせるような、そんな言い方だった。才加の目が少しだけ濡れていた。
「だから―――だから、私は、佐江を・・・元の佐江を取り戻したい」
ショットガンを持つ手が、グッと力が入って、赤く染まっていた。恵令奈が「うん」とでも言うかのように、首を縦に振った。
「だから、2人は逃げて」
「嫌だ」言ったのは、真奈美だった。口を開きかけた恵令奈が驚いて、真奈美を見た。
「あたしも、佐江ちゃん助けたい」
真奈美の瞳から、涙が零れた。――助けたい――それがなにを意味するのか、真奈美はちゃんと理解して言った。
恵令奈が才加の顔を見て、頷いた。2人を交互に見てから、才加は根負けして「わかった」と言った。
「じゃあ、今から私が言うとおりに行動して―――」
続く。
佐江は喋らなくても、存在感ありますねえ。正直、書き始め当初は、ここまでくるとは思っていませんでした^^;これも、みなさんのおかげです。
それと、今、自分が一番心配なのは、らぶたんなんです。
>>691 感情移入までしてくれるなんて嬉しいです。最後まで見届けてください。
>>698 ある程度のラストは描いてますが、未だにどうしようか悩みまくっています。一体最後は誰が生き残ってるんでしょうか・・・。
>>702 もうここまでくると、本当の家族ですよね。
朝早くお疲れ様です!
起きてて良かったw
続きが楽しみです♪
707 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/19(水) 05:23:41
松ちゃん乙!
松本サン
早朝更新お疲れ様です
やっぱり佐江の防弾チョッキ…やっかいですねw
どんなに佐江が変わろうと
才加の目の前にいるのは間違いなく、ともに励まし合い頑張ってきた佐江なんですよね…
殺そうとなんか考えられないですよね…
才加が佐江を止めてくれると信じてます
松本サン
これからも頑張ってください
709 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/19(水) 14:04:29
支援支援
「メロスの道」を聞きながら、
必死に才加達を探して走り回っている優子の姿を想像すると、
すっげータカまる。
711 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/19(水) 15:12:43
まあちゃんとえれぴょんも最後はどうなるんだ・・・?
712 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/19(水) 15:39:54
生きのこる
更新乙です!
続きが気になります!
次回も楽しみにしています(^_^)
新規ですけど
ごめんなさい
完全にスレチですけど知りたい事があるんで誰か教えて下さい
AKBて一番始めは20人から始まったんですよね?
その20人て誰ですか?
めんどくさい奴ですいません
wikipedia見ろやカス
寒くなってきた今朝の更新ありがとうございます。
才加たちの正気と愛情が、佐江の狂気を解放出来るのかドキドキしながら読みました。
えれぴょんまぁちゃんは守られるだけの存在ではなく
共に助け合う仲間である事が改めて感じられました。
>>714 宇佐美
あゆ姉
Cindy
なっちゃん
しほちゃん
こじはる
ひいちゃん
りなてぃん
花ちゃん
あっちゃん
ともちん
たかみな
ナタリ
かやの
ゆかりん
のぞフィス
みいちゃん
星野みちる
おーいぇ
まいまい
才加たちがこの先生きのこるためには・・・
とか言ってる場合じゃないなw
実際は防弾チョッキ着てても至近距離から撃たれれば肋骨は折れる、
そこまでリアルにする必要はないけどね。
この先生 きのこるに見えた
うるせーよww
>>717 KY気味にちょいとばかし訂正
初期メンにCinDyはいない。いたのはMIHO。
関係ない話しは終わり
せっかく小説がいい雰囲気なんだから
恵令奈と真奈美が粗大ごみのあるほうへと移動して、その姿が見えなくなったとき、佐江の姿が才加の視界に現れた。
「佐江!」叫んだ。両手を挙げて降参のポーズを取ることで、抵抗の意思がないことを示した。
マシンガンを構えたままの佐江が、才加のほうをゆっくりと向いた。そして、躊躇することなく撃った。
覚悟はしていた。だが、ほんの少しの可能性に掛けてみたかった。だが、その可能性は一瞬にして打ち崩されてしまった。
才加の腹部に右から左へと4つの銃弾の痕が付いて、シャツが真っ赤に染まっていた。崩れそうになった体を、踏ん張ることで持ち直した。
「佐江・・・・」才加の口の端から、血が流れて、咽た。押さえた両手が真っ赤に染まり、それを見てから、佐江の顔を見つめた。
「佐江を・・・佐江を、返せっ!」
ごぼっ、叫んだのと同時に、大量の血を吐いた。喉に詰まった血のせいで、呼吸が苦しくなっていた。
佐江が一瞬だけ思いつめたような顔をして、俯いた。だが、それは本当に一瞬だけだった。顔を上げた佐江が、今度は遙香の武器のウージーで才加の両足を右から左へと撃った。
左太腿の付け根と右膝の上部を撃たれ、才加の体は、支えるものがなくなり、膝を着き倒れた。
「さ・・・佐江・・」
搾り出した声だったが、それに気づかなかったのか、佐江は辺りを見渡していた。
先ほど、撃たれたはずの才加のショットガンが見当たらないことに気づいて、才加を見た。
「佐江ちゃん、こっち」
後ろから声がした。振り向こうと体を捻ったとこに、ショットガンの弾が佐江の左腕に当たった。
無数の弾の衝撃に、佐江の左腕が宙に跳ね上がって、体のバランスを崩した。
右手に構えたマシンガンを恵令奈に向けて撃った。ショットガンを撃ってすぐに、頭を引っ込めていたため、恵令奈の上部の木の枝が、木っ端微塵に飛び散っただけだった。
佐江にとって、恵令奈の攻撃は誤算だった。誤算だったからこそ、佐江の左腕にダメージを与えることができた。だが、今の佐江には、恵令奈だけではなく、真奈美の攻撃もあると予想していた。
マシンガンを構えたまま、前に歩みを進める佐江が、一瞬だけ見えた頭に目掛けて、ぱぱぱぱぱぱ、と撃ち放った。
真奈美の頭だったが、それはほんの少し上の木の枝に当たっていた。
助かったぁ、そう思ったが、佐江に居場所を教えることになってしまい、どちらかと言うと万事休すだった。
「どうしよどうしよどうしよ」
恵令奈が倒れた自販機に隠れて、何度も呟いた。その隣で真奈美が目を閉じて、何か考え事をしていた。
ぱぱぱぱぱぱ、と音が響いて、自販機が揺れた。真奈美がモーゼルM712を構えて、立ち上がった。そして撃った。
それは、佐江には当たらず、その右側にある焼却炉に当たって、一瞬だけ火花が散った。
真奈美が自販機に頭を引っ込めた。銃を持つ手が震えているのを見て、恵令奈は、頭の中で何度も、どうしよどうしよ、と考えた。
才加の言うとおり、佐江の頭を狙ったはずだった。その1撃で仕留められなかったのは、恵令奈にとって失敗だった。
できれば殺したくない。それが才加の作戦だったが、もし、才加が撃たれて、そして倒れた場合だけ、佐江を殺せと言われていた。
それが失敗した今、どうすることも出来なかった。真奈美のようにここから頭を出すことなんて出来なかった。
その真奈美も、今じゃ、恐怖で震えていた。
ざっ、ざっ、と佐江の足音がゆっくりと近づいてくる。震える真奈美を横目に、恵令奈はショットガンをもう一度放つべく、引き金に指を掛けた。あとは頭を出して撃つだけだ。次失敗すれば自分が死ぬ。
大きく深呼吸してから、立ち上がろうとしたとき、パパンとマシンガンとは違う銃声が2発聞こえた。
725 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/20(木) 06:11:32
松ちゃん乙!
続く。
今日は完全に勢いで書きました。毎回読み返さないで書き込みする自分ですが、今回は完全に勢いだけで書いてます。
それにしても、佐江が始めてダメージ受けました。
>>718 それ今回ので書こうと思ってたんですよね^^; 先に書かれたもんで、書きにくくなっちゃって省いちゃいましたw
まあ、無敵な佐江にはちょうどいいと思います。
727 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/20(木) 06:15:52
さやかあああああああああああああ
728 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/20(木) 06:15:55
優子キターーー
才加いやだああああああああ
乙です!
才加が…。今後も楽しみにしています(^_^)
銃弾で佐江を止める事ができるんだろうか?
止めるにはバズーカ砲くらいがいるような気がする…
732 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/20(木) 14:26:27
えれなぁああああああああああああああああああああ
>>726 余計なことしてすいません。
益々、佐江が無敵になってしまいましたね(´・ω・`)
身命を投げ出して佐江の改心に賭けた才加の精神力に感嘆しました!
早朝更新ありがとうございます!
735 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/20(木) 23:58:06
えれぴょんがんばれーー!!!
Multiple Personality Disorder?
走っていた。才加を捜すために優子は必死に走っていた。
ふくらはぎの傷のことなど完全に忘れていて、一刻も早く捜し出したかった。
戸賀先の放送が流れて、遙香と敦子の死を知ったとき、走る足を止めた。
そして、その数分後に、聞き覚えのあるマシンガンの銃声が轟いた。その音はそれほど遠くなく、優子の体を奮い立たせた。
気づくと、その銃声の聞こえる方向へと走り出していた。
はっ、はっ、はっ、と呼吸を一定に保ち、銃のグリップをしっかりと握って考えた。
敦子と遙香が死んだ今、残ってるのは才加と恵令奈、あと真奈美の3人だけだ。その内の1人が今殺されてるかもしれない。
「死なないでよ」
ズボンの前に挿していたワルサーTPHを取ってから、右腕で、額の汗をぬぐった。
マシンガンとは違う銃声が鳴った。それは、恵令奈の放ったショットガンだったが、優子は何が起こってるのますます困惑し始めていた。
銃声が1発響いたあと、お馴染みのマシンガンの音が聞こえた。
山を降りる形で、倉庫が見え始め、優子の視界にまず映ったのは、佐江の姿だった。その右手にはマシンガンを持っており、左腕を負傷していた。
その左後方に髪の長い女性が倒れているのが見えた。それが才加だと気づくのに、差ほど時間は掛からなかった。
そして、佐江の前方にある粗大ごみの一角、倒れた自販機の後ろには、恵令奈と真奈美の二人が居た。
恵令奈が抱えているショットガンを見た優子は、哀しい顔をした。
なんなんだろうこの気持ち。胸が締め付けられるような、体の中から何かがたぎり巡ってくるようなこの感じ。
寂しいとか、哀しいとか、そんな感情ではなく、もっと別の言葉。
銃を両手に構えて、優子が跳んだ。
そこで、やっと気づいた。この気持ちは、『せつない』だ。
締め付けられる胸を抑えることが出来ず、代わりに、胸いっぱいに息を吸った。
スローモーションのように、ゆっくりと時間が流れた。構えた銃の照準を、しっかりと佐江に合わせてから、同時にそれを放った。
銃声に気づいた佐江が、振り返ったおかげで、鎖骨と腹部にそれぞれ1発ずつ当たった。
鎖骨のほうからは血が流れていたが、腹部のほうは、なにも感じていないように見えた。
「コリン!」
恵令奈が叫ぶ。立ち上がろうとしたとき、「ダメ」と言う声とともに、真奈美が袖を引っ張った。ぱぱぱぱぱぱ、と鳴ったあと、自販機から火花が散り、今度はその銃口を優子に向けた。
「えれぴょん、撃って」今度は優子が叫ぶ。「佐江に撃たせちゃだめ」そう言うと、木の陰に隠れて、優子がワルサーTPHを弾がなくなるまで撃った。
佐江が焼却炉の影に隠れて、マシンガンを撃つと、優子の隠れている木の枝が粉砕した。
恵令奈が自販機から顔を出すと、今度は自販機に向けてマシンガンを構えるが、恵令奈のほうが、わずかに早く、ショットガンが焼却炉に当たって、煙突部が崩れ落ちた。
「このままじゃ、埒が明かない・・・」
優子がダブルデリンジャーに持ち替えて、焼却炉に向かって、走り出した。
佐江が素早く反応して、マシンガンを優子に向けて、放った。寸でのとこで転がり、左腕に1発だけ銃弾が掠っただけで済んだ。
優子がダブルデリンジャーを佐江に向けて撃った。それはわずかに左側に逸れてしまい、絶望感に襲われた。
2発目を撃とうにも、ダブルデリンジャーは、1発撃ったあと、一度銃身を起こして回転させなければ2発目は撃てない仕組みになっている。
弾の入っていないCz75を構えることで、駆け引きをしようとしたが、それも空しく、佐江がマシンガンの銃口を優子に向けた。
終わった。そう思った。目を閉じて、息を呑んだ。ダダダダダダ、と音がして、死んだ。と、思っていた。
目を開けると、死んではいなかった。
月明かりに照らせれた佐江の頭から、血が溢れ出していた。右手に持っていたマシンガンをポトリと落とすと、そのまま倒れた。
優子は、驚いて視線を泳がせた。佐江の左後方で、才加が倒れたままウージーを構えていた。
恵令奈が最初に撃ったショットガンのおかげで、佐江の左手に持ってたウージーは、才加の側へと転がっていたのだ。
才加が、ぜえ、ぜえ、と息を荒げて、構えたウージーを腕と一緒におとした。
「才加」
優子が駆け寄った。苦しそうに息をしている才加の口元がわずかに動いて、「さ、佐江・・・一緒に、逝くよ」と言った。
「才加っ! 死んじゃダメだよ。これ、ほら、これに何が書いてあると思う?」
優子がポケットから濡れてクシャクシャになった紙を取り出して、才加に見せた。
「これにね、この首輪の外し方が書いてあるんだよ! だから―――」
「優子・・・」薄く開けた目を優子に向け、呟いた。「ありがと」そう言って、才加は、瞳を閉じた。
恵令奈と真奈美が駆け寄ってきたときには、もう、息をしていなかった。
続く。
才加vs佐江。これは引き分けになるのかな?
どちらにしても、2人とも死んじゃいました・・・・。ああ、ここだけは本当に書きたくなかった・・・
>>733 いえいえ、指摘してくださるのはありがたいですからいいんですよ^^
今回は、なんとなく書きにくいと思ってしまった自分がいけないだけですから。
>>736 佐江のことですか? だとすると、そうかもしれないですし、そうじゃないかもしれません^^; 今となっては判らなくなりました。
(;´д⊂)
朝早くお疲れ様です!
続きみたらまた泣いちゃいそうだなぁ
741 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/21(金) 05:18:07
才加…
才加はよく戦ったよ…(T-T)
乙です
…ダブルデリンジャ−はラブたんの枕元に確か…
乙です。
さやかぁあああああ…
今回の間違いはやってはいけない間違いでした・・・。
本当に申し訳ないですorz
ですが、書いてしまったものはしょうがありません。このままラストまで行きます。
やっぱ、起きてすぐ書くとこうなっちゃうんですね・・・・。間違いは前からですが、今回は酷すぎました。
さすがに立ち直れそうにないので、しばらく更新を控えさせていただきます。と、言おうかと思ったんですが、ここまで来たら、もう開き直るしかありませんw
らぶたんの枕元に置いたのを、マグナムに脳内変換してくださいw もうこれっきゃないですw
このまま最後まで突っ走りますのでよろしくお願いします^^
連続更新乙です!
才加と佐江が死んでしまいましたね…このあとの展開が気になります(^_^)
>>745 脳内変換完了しました。そう気に病まずにどんどん突っ走っちゃって下さい。
残ったのは優子とちびメン3人ですか。らぶたん助かるといいなぁ。
命を賭して佐江を助けたんですから、才加の勝利だと思います。
750 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/21(金) 11:40:37
↑優子もある意味ちびメン。
751 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/21(金) 11:42:50
こうなると最終ボスは・・・運営???
752 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/21(金) 11:51:42
残り 4人 大島優、小野、奥、多田
あ、全員「お」だ・・・
753 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/21(金) 12:53:54
あの世で才加と正気に戻った佐江がヒュージョン
スーパーAKBメン秋澤才江として復活
秋Pとtgskをぶっ潰す
秋元(P)は死ね
>>750 座布団一枚
そう言や松本氏たかみな推しって言ってたし、もしかして小柄な女の子がタイプなのかな?
756 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/21(金) 17:32:23
さささささやか〜〜〜〜
ありがとう
あとはらぶたんの所に戻って首輪をはずしてtgskをぶちのめすだけ
そういえば、この場所はもうすぐ禁止エリアになる早く離れないとヤバイ!
758 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/21(金) 20:25:34
才加は強く気高く美しく散ったな…
佐江の荒ぶる魂を解放した才加の深い愛情に敬礼しました。
まるでネロとパトラッシュのように二人で天に召される光景を想像します。
才加よく頑張ったな(´;ω;`)
松本さん乙です
全身を重力に委ねた才加の手を取って、優子は泣いた。
恵令奈が、子供のように全身を振るわせて、「いやだいやだいやだ」と泣いた。それを見て、真奈美も静かに涙を流した。
「ありがとって・・・私、何もしてないよ・・・」
握った手を自然と強めた。目をギュッと閉じると、涙が溢れだした。
そして、優子は、才加の持ってるウージーにそっと手を掛け、拾い上げた。
同じように佐江のマシンガンも拾い上げた。
右手で涙を拭い、才加を見下ろすと、決心したかのように、泣きじゃくる二人を見てから言った。
「さあ、行こう。あと5分で禁止エリアになっちゃう」
それでも動こうとしない二人に、物寂しげな表情を浮かべた優子が、表情を強めて、二人の袖を掴んで、引き上げた
「ここで才加と心中でもする気? そんなことしても、才加は喜んでくれないよ」
言ってから、こみ上げてくる涙を必死に抑えて、顔を背けた。
鼻を啜る恵令奈が、何も言わず自分のバッグとショットガンを持ち上げて真奈美の手を取った。
「いこ・・・」
俯いて泣いていた真奈美が、頷いて立ち上がると、優子を見てから手を差し伸べた。
それを黙って取ると、3人は禁止エリアになるこの倉庫を、離れた。
あとは、愛佳の待つ集落に行って、この忌々しい首輪を外すだけだ。
「急ごう」
優子は、真奈美の手を引っ張ると、少しだけ歩くのを早めた。
困惑する二人が、顔を見合わせてから、優子に合わせて走った。
多田愛佳は、ふと、目を覚ました。
それは本当に自然だった。10時間以上眠ったときのような、休みの日に昼過ぎに起きたときに似た気だるさを感じながら、愛佳は目を覚ました。
まず目に映ったのは、天井だった。和室の木目の天井を見上げて、おばあちゃんの家に来ているのかと錯覚した。
窓から照らせれた月明かりと、雨の湿った匂いが、記憶を蘇らせてくれた。
平嶋が頭を撃たれ、目の前で死んだ。そして、優子が「逃げろ」と叫んだとき、愛佳は背中を撃たれてしまった。それからの記憶はなかった。
姿勢を変えようと体を捻ったとき、背中を中心に全身に痛みが走った。それは、どこか痺れにも似ていて、愛佳は苦痛の表情をした。
ハンマーを持つ手に力が入らず、ピコ、と言う音ともに、体の上から落ちた。
今の痛みのせいか、愛佳の視界が、もやもやと煙が立ち込めるように真っ白になった。
スーッと、遠のいていく意識がなぜか心地よかったが、その心地よさに寄りかかれば、帰ってこれなくなりそうな気がして、なとか引き戻した。
ここまで運んだのは一体誰なんだろうか、優子は生きているのだろうか。そんな疑問が繰り返されて、愛佳は自分のこめかみに何かが伝うのを感じた。
涙だった。感情のコントロールが効かなくなっているらしく、愛佳は涙を流していた。
「なっちゃ、ん・・・」
喉の奥から声を絞り出したことで、愛佳は自分が喋れなくなってきているのを感じた。
再び両方の目の端から、涙が零れた。今度はちゃんと自分の意思で泣いた。
怖かった。闇夜の怖さとかではなく、殺されるかもしれないとかでもなく、このまま1人で死ぬのが怖かった。
ひっく、ひっく、と喉が鳴った。右手に触れたピコピコハンマーを、指先に力を込めて、握った。
愛佳の目は、すでに見えなくなっていた。手探りで掴んだハンマーを、最後の力を振り絞って持ち上げた。
頭の中がぐちゃぐちゃになった気がして、愛佳は苦痛で顔を歪めた。そして、ハンマーを地面に振り落とし、ピコ、と鳴らした。
「はあ、はあ、はあ・・・」
酷く疲れた顔をした愛佳が、額に脂汗を浮かべたまま、唇の両端を持ち上げて、笑った。
―――最後まで笑ってたいじゃん―――
いつか、愛佳が平嶋に言った言葉だった。
その言葉の通り、最後に笑んでから、誰にも見送られることなく、愛佳は1人で死んだ。
その1分後に、戸が滑る音がして、優子が「らぶたんっ!」と叫んで、入ってきた。
続く。
残り3名です。
>>748 ごめんなさい。時を戻せるなら、らぶたんを花に出会わせないとこから書きたいですorz
>>755 ちびメン・・・。言われてみれば確かに・・・。
大柄な女性よりかは、小柄な女性がタイプですが、別にそんな理由で、このメンバーが生き残ったわけではないですよ^^;
764 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/22(土) 04:58:56
らぶたん…
どうして…
死んじゃ嫌だよ…(泣)
今回はひたすら涙でした…
らぶたん
更新お疲れ様です
らぶたん…
ビックリした…
とうとうKメンだけになってしまった。
推しも0に、でも最後まで読ませていただきますよ。
らぶたん・・・・・・・・・・・・orz
感情移入しすぎてリアルでtgsk殴りそうな俺がイル
769 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/22(土) 08:51:40
秋元をおもいっきり殴りたいわ
Pのね
あと、ごめんsageちまった
つらいなぁ、悲しいなぁ、苦しいなぁ
せめて優子の腕の中で旅出させてあげたかった……
才加が主人公じゃなかったのか、やっぱり映像化を考えると優子が主演だよな。
そこまで考えてないとは思うが・・・それにしてもKメンのみは寂しいよ
BRって太田出版てとこが発行してるんだ。調べたら太田プロの関連会社じゃん。
太田プロさん、これだけお宅のタレントが活躍してるんですから、
ちょっと本気で映像化考えてくれませんか?
このジャンルは数年前に流行ったからなあ、アニメやゲームのキャラやハロメンやジャニメン
に置き換えた○○ロワイヤルってやつ、
アイドル映画としては面白いものが出来そうだとは思うけど。
乙です!
すっごい感動しました…
てか、泣きました…
いよいよラスト目前、3人は生き残れるのか更新が待ちきれない。
でも、終わってしまうのはかなしい
777 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/22(土) 23:08:07
パラレルワールド的な感じで2もかいてくれたらうれしいな♪
778 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/22(土) 23:26:55
2は優子率いるテロリスト対まだでてないメン+研究生だ!!!
780 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/23(日) 00:44:57
>>778 優子ひきいる連合軍+オタクってのもおもしろいwww
>>779 確かに早いかwwwまだ終わってないし
ワクワク
782 :
松本氏 ◇Gl3jYdoy9.:2008/11/23(日) 12:17:33
恵令奈と真奈美が粗大ごみのあるほうへと移動して、その姿が見えなくなったとき、佐江の姿が才加の視界に現れた。
「佐江!」叫んだ。両手を挙げて降参のポーズを取ることで、抵抗の意思がないことを示した。
マシンガンを構えたままの佐江が、才加のほうをゆっくりと向いた。そして、躊躇することなく撃った。
覚悟はしていた。だが、ほんの少しの可能性に掛けてみたかった。だが、その可能性は一瞬にして打ち崩されてしまった。
才加の腹部に右から左へと4つの銃弾の痕が付いて、シャツが真っ赤に染まっていた。崩れそうになった体を、踏ん張ることで持ち直した。
「佐江・・・・」才加の口の端から、血が流れて、咽た。押さえた両手が真っ赤に染まり、それを見てから、佐江の顔を見つめた。
「佐江を・・・佐江を、返せっ!」
ごぼっ、叫んだのと同時に、大量の血を吐いた。喉に詰まった血のせいで、呼吸が苦しくなっていた。
佐江が一瞬だけ思いつめたような顔をして、俯いた。だが、それは本当に一瞬だけだった。顔を上げた佐江が、今度は遙香の武器のウージーで才加の両足を右から左へと撃った。
左太腿の付け根と右膝の上部を撃たれ、才加の体は、支えるものがなくなり、膝を着き倒れた。
「さ・・・佐江・・」
搾り出した声だったが、それに気づかなかったのか、佐江は辺りを見渡していた。
先ほど、撃たれたはずの才加のショットガンが見当たらないことに気づいて、才加を見た。
「佐江ちゃん、こっち」
後ろから声がした。振り向こうと体を捻ったとこに、ショットガンの弾が佐江の左腕に当たった。
無数の弾の衝撃に、佐江の左腕が宙に跳ね上がって、体のバランスを崩した。
右手に構えたマシンガンを恵令奈に向けて撃った。ショットガンを撃ってすぐに、頭を引っ込めていたため、恵令奈の上部の木の枝が、木っ端微塵に飛び散っただけだった。
佐江にとって、恵令奈の攻撃は誤算だった。誤算だったからこそ、佐江の左腕にダメージを与えることができた。だが、今の佐江には、恵令奈だけではなく、真奈美の攻撃もあると予想していた。
783 :
松本氏 ◇Gl3jYdoy9.:2008/11/23(日) 12:19:48
マシンガンを構えたまま、前に歩みを進める佐江が、一瞬だけ見えた頭に目掛けて、ぱぱぱぱぱぱ、と撃ち放った。
真奈美の頭だったが、それはほんの少し上の木の枝に当たっていた。
助かったぁ、そう思ったが、佐江に居場所を教えることになってしまい、どちらかと言うと万事休すだった。
「どうしよどうしよどうしよ」
恵令奈が倒れた自販機に隠れて、何度も呟いた。その隣で真奈美が目を閉じて、何か考え事をしていた。
ぱぱぱぱぱぱ、と音が響いて、自販機が揺れた。真奈美がモーゼルM712を構えて、立ち上がった。そして撃った。
それは、佐江には当たらず、その右側にある焼却炉に当たって、一瞬だけ火花が散った。
真奈美が自販機に頭を引っ込めた。銃を持つ手が震えているのを見て、恵令奈は、頭の中で何度も、どうしよどうしよ、と考えた。
才加の言うとおり、佐江の頭を狙ったはずだった。その1撃で仕留められなかったのは、恵令奈にとって失敗だった。
できれば殺したくない。それが才加の作戦だったが、もし、才加が撃たれて、そして倒れた場合だけ、佐江を殺せと言われていた。
それが失敗した今、どうすることも出来なかった。真奈美のようにここから頭を出すことなんて出来なかった。
その真奈美も、今じゃ、恐怖で震えていた。
ざっ、ざっ、と佐江の足音がゆっくりと近づいてくる。震える真奈美を横目に、恵令奈はショットガンをもう一度放つべく、引き金に指を掛けた。あとは頭を出して撃つだけだ。次失敗すれば自分が死ぬ。
大きく深呼吸してから、立ち上がろうとしたとき、パパンとマシンガンとは違う銃声が2発聞こえた。
784 :
松本氏 ◇Gl3jYdoy9.:2008/11/23(日) 12:24:16
走っていた。才加を捜すために優子は必死に走っていた。
ふくらはぎの傷のことなど完全に忘れていて、一刻も早く捜し出したかった。
戸賀先の放送が流れて、遙香と敦子の死を知ったとき、走る足を止めた。
そして、その数分後に、聞き覚えのあるマシンガンの銃声が轟いた。その音はそれほど遠くなく、優子の体を奮い立たせた。
気づくと、その銃声の聞こえる方向へと走り出していた。
はっ、はっ、はっ、と呼吸を一定に保ち、銃のグリップをしっかりと握って考えた。
敦子と遙香が死んだ今、残ってるのは才加と恵令奈、あと真奈美の3人だけだ。その内の1人が今殺されてるかもしれない。
「死なないでよ」
ズボンの前に挿していたワルサーTPHを取ってから、右腕で、額の汗をぬぐった。
マシンガンとは違う銃声が鳴った。それは、恵令奈の放ったショットガンだったが、優子は何が起こってるのますます困惑し始めていた。
銃声が1発響いたあと、お馴染みのマシンガンの音が聞こえた。
山を降りる形で、倉庫が見え始め、優子の視界にまず映ったのは、佐江の姿だった。その右手にはマシンガンを持っており、左腕を負傷していた。
その左後方に髪の長い女性が倒れているのが見えた。それが才加だと気づくのに、差ほど時間は掛からなかった。
そして、佐江の前方にある粗大ごみの一角、倒れた自販機の後ろには、恵令奈と真奈美の二人が居た。
恵令奈が抱えているショットガンを見た優子は、哀しい顔をした。
なんなんだろうこの気持ち。胸が締め付けられるような、体の中から何かがたぎり巡ってくるようなこの感じ。
寂しいとか、哀しいとか、そんな感情ではなく、もっと別の言葉。
銃を両手に構えて、優子が跳んだ。
そこで、やっと気づいた。この気持ちは、『せつない』だ。
締め付けられる胸を抑えることが出来ず、代わりに、胸いっぱいに息を吸った。
785 :
松本氏 ◇Gl3jYdoy9.:2008/11/23(日) 12:26:01
スローモーションのように、ゆっくりと時間が流れた。構えた銃の照準を、しっかりと佐江に合わせてから、同時にそれを放った。
銃声に気づいた佐江が、振り返ったおかげで、鎖骨と腹部にそれぞれ1発ずつ当たった。
鎖骨のほうからは血が流れていたが、腹部のほうは、なにも感じていないように見えた。
「コリン!」
恵令奈が叫ぶ。立ち上がろうとしたとき、「ダメ」と言う声とともに、真奈美が袖を引っ張った。ぱぱぱぱぱぱ、と鳴ったあと、自販機から火花が散り、今度はその銃口を優子に向けた。
「えれぴょん、撃って」
今度は優子が叫ぶ。「佐江に撃たせちゃだめ」そう言うと、木の陰に隠れて、優子がワルサーTPHを弾がなくなるまで撃った。
佐江が焼却炉の影に隠れて、マシンガンを撃つと、優子の隠れている木の枝が粉砕した。
恵令奈が自販機から顔を出すと、今度は自販機に向けてマシンガンを構えるが、恵令奈のほうが、わずかに早く、ショットガンが焼却炉に当たって、煙突部が崩れ落ちた。
「このままじゃ、埒が明かない・・・」
優子がダブルデリンジャーに持ち替えて、焼却炉に向かって、走り出した。
佐江が素早く反応して、マシンガンを優子に向けて、放った。寸でのとこで転がり、左腕に1発だけ銃弾が掠っただけで済んだ。
786 :
松本氏 ◇Gl3jYdoy9.:2008/11/23(日) 12:29:42
優子がダブルデリンジャーを佐江に向けて撃った。それはわずかに左側に逸れてしまい、絶望感に襲われた。
2発目を撃とうにも、ダブルデリンジャーは、1発撃ったあと、一度銃身を起こして回転させなければ2発目は撃てない仕組みになっている。
弾の入っていないCz75を構えることで、駆け引きをしようとしたが、それも空しく、佐江がマシンガンの銃口を優子に向けた。
終わった。そう思った。目を閉じて、息を呑んだ。ダダダダダダ、と音がして、死んだ。と、思っていた。
目を開けると、死んではいなかった。
月明かりに照らせれた佐江の頭から、血が溢れ出していた。右手に持っていたマシンガンをポトリと落とすと、そのまま倒れた。
優子は、驚いて視線を泳がせた。佐江の左後方で、才加が倒れたままウージーを構えていた。
恵令奈が最初に撃ったショットガンのおかげで、佐江の左手に持ってたウージーは、才加の側へと転がっていたのだ。
才加が、ぜえ、ぜえ、と息を荒げて、構えたウージーを腕と一緒におとした。
「才加」
優子が駆け寄った。苦しそうに息をしている才加の口元がわずかに動いて、「さ、佐江・・・一緒に、逝くよ」と言った。
「才加っ! 死んじゃダメだよ。これ、ほら、これに何が書いてあると思う?」
優子がポケットから濡れてクシャクシャになった紙を取り出して、才加に見せた。
「これにね、この首輪の外し方が書いてあるんだよ! だから―――」
「優子・・・」薄く開けた目を優子に向け、呟いた。「ありがと」そう言って、才加は、瞳を閉じた。
恵令奈と真奈美が駆け寄ってきたときには、もう、息をしていなかった。
787 :
松本氏 ◇Gl3jYdoy9.:2008/11/23(日) 12:31:59
今回の間違いはやってはいけない間違いでした・・・。
本当に申し訳ないですorz
ですが、書いてしまったものはしょうがありません。このままラストまで行きます。
やっぱ、起きてすぐ書くとこうなっちゃうんですね・・・・。間違いは前からですが、今回は酷すぎました。
さすがに立ち直れそうにないので、しばらく更新を控えさせていただきます。と、言おうかと思ったんですが、ここまで来たら、もう開き直るしかありませんw
らぶたんの枕元に置いたのを、マグナムに脳内変換してくださいw もうこれっきゃないですw
このまま最後まで突っ走りますのでよろしくお願いします^^
788 :
松本氏 ◇Gl3jYdoy9.:2008/11/23(日) 12:34:16
全身を重力に委ねた才加の手を取って、優子は泣いた。
恵令奈が、子供のように全身を振るわせて、「いやだいやだいやだ」と泣いた。それを見て、真奈美も静かに涙を流した。
「ありがとって・・・私、何もしてないよ・・・」
握った手を自然と強めた。目をギュッと閉じると、涙が溢れだした。
そして、優子は、才加の持ってるウージーにそっと手を掛け、拾い上げた。
同じように佐江のマシンガンも拾い上げた。
右手で涙を拭い、才加を見下ろすと、決心したかのように、泣きじゃくる二人を見てから言った。
「さあ、行こう。あと5分で禁止エリアになっちゃう」
それでも動こうとしない二人に、物寂しげな表情を浮かべた優子が、表情を強めて、二人の袖を掴んで、引き上げた
「ここで才加と心中でもする気? そんなことしても、才加は喜んでくれないよ」
言ってから、こみ上げてくる涙を必死に抑えて、顔を背けた。
鼻を啜る恵令奈が、何も言わず自分のバッグとショットガンを持ち上げて真奈美の手を取った。
「いこ・・・」
俯いて泣いていた真奈美が、頷いて立ち上がると、優子を見てから手を差し伸べた。
それを黙って取ると、3人は禁止エリアになるこの倉庫を、離れた。
あとは、愛佳の待つ集落に行って、この忌々しい首輪を外すだけだ。
「急ごう」
優子は、真奈美の手を引っ張ると、少しだけ歩くのを早めた。
困惑する二人が、顔を見合わせてから、優子に合わせて走った。
何この面倒臭い奴
790 :
松本氏 ◇Gl3jYdoy9.:2008/11/23(日) 12:36:43
多田愛佳は、ふと、目を覚ました。
それは本当に自然だった。10時間以上眠ったときのような、休みの日に昼過ぎに起きたときに似た気だるさを感じながら、愛佳は目を覚ました。
まず目に映ったのは、天井だった。和室の木目の天井を見上げて、おばあちゃんの家に来ているのかと錯覚した。
窓から照らせれた月明かりと、雨の湿った匂いが、記憶を蘇らせてくれた。
平嶋が頭を撃たれ、目の前で死んだ。そして、優子が「逃げろ」と叫んだとき、愛佳は背中を撃たれてしまった。それからの記憶はなかった。
姿勢を変えようと体を捻ったとき、背中を中心に全身に痛みが走った。それは、どこか痺れにも似ていて、愛佳は苦痛の表情をした。
ハンマーを持つ手に力が入らず、ピコ、と言う音ともに、体の上から落ちた。
今の痛みのせいか、愛佳の視界が、もやもやと煙が立ち込めるように真っ白になった。
スーッと、遠のいていく意識がなぜか心地よかったが、その心地よさに寄りかかれば、帰ってこれなくなりそうな気がして、なとか引き戻した。
ここまで運んだのは一体誰なんだろうか、優子は生きているのだろうか。そんな疑問が繰り返されて、愛佳は自分のこめかみに何かが伝うのを感じた。
涙だった。感情のコントロールが効かなくなっているらしく、愛佳は涙を流していた。
「なっちゃ、ん・・・」
喉の奥から声を絞り出したことで、愛佳は自分が喋れなくなってきているのを感じた。
再び両方の目の端から、涙が零れた。今度はちゃんと自分の意思で泣いた。
怖かった。闇夜の怖さとかではなく、殺されるかもしれないとかでもなく、このまま1人で死ぬのが怖かった。
ひっく、ひっく、と喉が鳴った。右手に触れたピコピコハンマーを、指先に力を込めて、握った。
愛佳の目は、すでに見えなくなっていた。手探りで掴んだハンマーを、最後の力を振り絞って持ち上げた。
頭の中がぐちゃぐちゃになった気がして、愛佳は苦痛で顔を歪めた。そして、ハンマーを地面に振り落とし、ピコ、と鳴らした。
「はあ、はあ、はあ・・・」
酷く疲れた顔をした愛佳が、額に脂汗を浮かべたまま、唇の両端を持ち上げて、笑った。
―――最後まで笑ってたいじゃん―――
いつか、愛佳が平嶋に言った言葉だった。
その言葉の通り、最後に笑んでから、誰にも見送られることなく、愛佳は1人で死んだ。
その1分後に、戸が滑る音がして、優子が「らぶたんっ!」と叫んで、入ってきた。
791 :
松本氏 ◇Gl3jYdoy9.:2008/11/23(日) 12:41:30
続く。
残り3名です。
>>748 ごめんなさい。時を戻せるなら、らぶたんを花に出会わせないとこから書きたいですorz
>>755 ちびメン・・・。言われてみれば確かに・・・。
大柄な女性よりかは、小柄な女性がタイプですが、別にそんな理由で、このメンバーが生き残ったわけではないですよ^^;
792 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/23(日) 12:49:57
あらしきえろ
愛佳に駆け寄ったときには、すでに愛佳は息をしていなかった。
優子は唇を噛み締め、涙を流した。
「ごめんね・・・」そっと愛佳の頭を抱きしめてから、優しく撫でてあげた。「1人で寂しかったよね」
溢れ出す涙が、愛佳の頭の上にポタポタと落ちては、流れた。
「もう、いやだ」呟いたのは恵令奈だった。「誰かが死ぬのなんて、もう見たくない」背中を後ろに向け、両膝に顔を埋めて頭を左右にぶんぶんと振っていた。
「首輪―――外そうか?」
そんな恵令奈に、そう問いかけたのは、この呪縛から早く開放させてあげたかったから。
愛佳の頭をそっと下ろすと、優子がポケットから2枚の紙を取り出した。
「これの通りに解除すれば、1人だけ助かるんだって」
「1人?」
真奈美が驚いて顔を上げた。その顔は、すぐに寂しそうに瞳だけ俯けた。
慌てるように優子が、愛佳の自説と、自分の説を説明した。それは、淡々としていて、時折見せるその表情は、なぜか嬉しそうにも、悲しそうにも見えた。
「―――どうする?」
全ての説明を終えた優子が、2人を見比べながら尋ねる。
「全員助かるか、全員死ぬか、1人だけ助かるか―――」3つに1つ。そう言ってから、優子はその解除方法の書いてある紙を、見つめた。
「違うよ」言ったのは、恵令奈だった。「3つじゃなくて、2つだよ」顔を上げて、優子のほうに振り返った。
「全員助かるか、全員死ぬか、だよ」
優子に手を差し伸ばし、紙を受け取ると、「コリンの言うとおり、やってみよう」と言った。
優子が軽く笑んでから、真奈美に「それでいい?」と訊いた。
黙ったまま頷いた真奈美が、そのまま顔を埋めたのを見て、泣いているのだと理解した。
「じゃあ、同時に外さなきゃいけないから、私の言う手順どおりやって」
そう言うと、二人は頷いた。
『―――私の言う手順どおりやって』
学校の教室のソファの上で、秋元がカップに口を付けた。
「どうします? 3人の首輪爆破させますか?」
戸賀崎が椅子をクルッと回して、秋元を見た。軽く咳払いをしたあと、「いや、しなくていい」と呟いた。
「でも、それだと・・・」
モニタに映る、3人の波打つ心拍数の画面が、ピーっと真っ直ぐになった。
「大島優子、奥真奈美、小野恵令奈、首輪解除しました」
軍服を着た男が、叫んだ。
秋元が、もう一度、カップに口を付けると、重たい腰を持ち上げるように、立ち上がった。
「どこへ行かれるんですか?」
慌てた戸賀崎が、後を追うように秋元に着いていく。それには何も応えず、秋元は教室を出て行った。
続く。
もうすぐ終わるってときに荒らしはやってくるんですねorz
>>772 主演はあくまで才加のつもりです。映像化を考えて書いてるわけではないですよ。
ただ、最後に生き残った3人がやっぱ主演になっちゃうんですかね?
>>777 パラレルワールド的ってのは、メンバーを今現在のメンバーにして、主演も代えるってことですか?
>>778 それはそれで面白いと思いますが、残ってるメンバー少なすぎな気がします・・・^^;
これ終わったら、主演代えて、最初から書いちゃってもいいかなと思ってはいますけどね。2とかじゃなく、同じのを最初からって感じで。
まあ、それもこれが終わってからの話ですよね^^;
更新お疲れ様です!
無視が一番
796 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/23(日) 14:28:06
惜しいなぁ
続くってやつまでコピーしなかったら新規のためにまとめて貼ったと脳内変換したのに
更新ありがとうございます。
妙な輩が湧いて出ちゃいましたけど
>>975さんの言うとおり無視します。
ところで「ピー」ってのは、・・・・・・・・・・・って事ですよね?
そう信じてていいですよね?
そう思っても言うのは我慢しよう
松本さんが書きにくくなるかもしれないし
799 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/23(日) 15:45:51
まあ、そういうことかな。多分www
800 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/23(日) 15:49:28
荒らしってどいつのこといってんの?
801 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/23(日) 15:50:24
えれぴょんとかまーちゃん崖から蹴落としそう
更新ありがとうございます。
主演の才加がいなくなってからの展開は、ある意味エピローグですかね。
えれぴょんはキーになるセリフを所々で言っていますね。
陰の功労者ですね。
東の空が薄紫色に染まり、太陽が顔を出していた。雨はすっかり上がっており、その空を見上げたまま、秋元は目を閉じた。
グランドに立つ秋元が、気配を感じて顔を正面に向けたとき、優子、恵令奈、真奈美の3人が姿を現した。
その手には、それぞれマシンガン、ウージー、ショットガンを持っていた。
「何か言いたそうな顔してるな?」
優子を見つめるその表情は終始無表情で、その言葉は淡々としていた。
「なんで―――」優子が歯を剥けて吼えた。「なんで、こんなことをした!」
怒りの全てをぶつけるように、マシンガンを構えて銃口を秋元に向けた。
「こんな――こんなクソゲームのために、みんな・・・」
優子が涙を流し、そして左手でその涙を拭った。
「宮澤は楽しそうに殺してただろ? 他に戸島や小嶋、あと、篠田も」銃口を向けられてるはずの秋元が、余裕な表情で答えた。
「お前だって殺してるじゃないか。小野、お前もな」
言われて、恵令奈が目線を逸らして、俯いた。
「うるさい! こんなゲームがなかったら、誰も死なずに済んだはずなんだ!お前らの考えてることは異常だ!」
もう一度、今度は先ほどより大きな声で吼えた。
「最初に説明したがな、このゲームの優勝者は、芸能界での将来が約束されてるんだ。わかるか? このゲームにはいくつものスポンサーがちゃんと付いてるんだよ」
優子が驚いた顔をした。秋元の言ってることが理解できなかった。
「日本は平和すぎなんだよ」秋元が東の空を見上げながら、呟いた。
「暇を持て余した、連中が望んだことだ。殺し合いをさせて、生き残ったやつに将来を約束しようってな。それで選ばれたのがお前らだったってだけだ」
「そんな―――そんなの警察に―――」優子が喋りだすのを遮るように、秋元が続けた。
「これには、政府の連中も絡んでるんだ。考えてみろ、あいつらが一番の暇人だぞ。誰が生き残るか掛けて遊んでやがるんだからな。そういや、大島、お前は秋元才加、宮澤、篠田に続いて、4番人気らしいぞ」
優子は歯を食いしばっているようだった。
「だが――このゲームには優勝者はいなかったようだ」そう言って、秋元が右手を内ポケットに入れた。
殺される。そう思った優子は、瞬時にマシンガンの引き金を引いていた。
ぱぱぱぱぱぱ、と言う音とともに、秋元の体が仰け反った。
学校の中から、軍服の男達と戸賀崎が出てきた。軍服の男達がライフルを構えて、3人に銃口を向けた。
「待て待て待て。こいつらはもう死んでるんだ。撃つんじゃない」
倒れそうになりながら、秋元が右手を挙げて言った。
「なあ、そうだろ? 首輪の反応は途絶えたもんなぁ・・・死んでる証拠だよ」秋元がそう言うと、先ほど内ポケットに突っ込んだ手を出して、優子に差し出した。
「船の鍵だ。それとな、この地図の場所へ行け。政府が絡んでる以上、お前らはもう、日本にはいられないんだよ。そこに行けば国外脱出に協力してくれる者がいる・・・」
血で赤く染まった紙と地図を、優子に手渡した後、秋元は後ろを向いた。そして、ゆっくりと歩き出した。
戸賀崎が秋元の元へと駆け寄ると、それにもたれかかるように、秋元は再び歩き出した。
「あいつらには手を出すなよ・・・」
軍服の男達に、そう告げると、戻れ、と言うように、手を挙げて学校の中を指し示した。
優子は受け取った鍵と地図を見て、秋元の背中を見送った。
立て続けの更新感謝します。
要は秋Pもこの胸糞悪くなる様な茶番劇に巻き込まれた一人という事ですか?
最後にほんのわずか人間らしい所を見せましたが、とても許せるものではありません。
戸賀崎支配人も合わせてその命をもって償って欲しいものです。
が、そんなことよりも今は、心ならずも散っていった45人の魂が
安らかに成仏する事を願って止みません。
おそらくは後もう少しで完結すると思いますが、益々のご活躍をお祈りします。
『続いてのニュースです。AKB48のメンバーである―――』
カチッ、簡易ラジオの電源を切ると、優子は欠伸を噛み殺した。
朝の5時。昼間に比べれば、人通りも少ないこの時間に、3人は駅に向かっていた。
秋元から受け取った地図の場所へ向かうために。
交差点が赤になり、足を止めると、優子は空を見上げた。
あのゲームが始まったときと同じような空を見つめ、そっと目を閉じた。
メンバーの顔がそれぞれ浮かんでは消えていった。才加の顔が浮かんだとき、トクンと胸の奥に何かが沈むような感じがして、目を開けた。
「コリン、早く〜」
すでに青になっていた横断歩道を、恵令奈と真奈美が半分まで渡って、優子を呼んだ。
「ごめんごめん」
笑んでから、優子は小走りで2人の元へと駆け寄った。
一陣の風が優子の体を通り抜けたとき、誰かの声が聞こえたような気がして、振り向いた。
「え―――」
才加の笑顔が浮かんで、そして、そのまま煙のように消えていった。
優子は自然と笑い返して、小さな声で、「ありがと」と言った。
「もう、遅いよぉ。早く行かないと間に合わないって言ったのコリンじゃん」
恵令奈が優子の肩を、右手に持つおもちゃで叩いた。
ピコ、と音を立てたそれは、風船のように丸く固まって、空へと浮かんでいったように見えた。
もう一度、今度は恵令奈からそれを奪い取った優子が、真奈美の頭に打ち付けて、笑った。
空には、あのときと同じような入道雲が、モクモクと広がっていた。
―――ゲームはまだ終わってはいない。
優子が左手でポケットの中のCz75を握り締めた。
806 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/23(日) 23:58:28
お疲れ様でした
最高のクライマックスですね
次回作、期待してもいいのかな?(笑)
最後に、こんな素晴らしい作品をありがとうございました
まだ終わりじゃなくね?
おいお前ら
松本さんが続くと書き込むまで待てよ
終わり。
ようやく完結しました。書いててこんなに辛い小説は初めてでた。
A、K、Bの3組が均等に残らないのに不満を抱かれてる方たちが居たようですが、こればかりは本当に申し訳ないと思ってます。
A、K、Bの3組と考えず、AKB48の1組と見て欲しかったんです。これがAvsKvsBでしたら、均等に残していったかもしれません。
次の機会があれば、もうちょっと考えて書いていこうと思います。
それでは、本当にみなさんラストまで読んでくれてありがとうございました。
沢山の感想嬉しかったです。
810 :
X ◆DLgwnxoKOw :2008/11/24(月) 00:09:21
松本さんお疲れ様です!
小説で泣いたの初めてでしたw
めちゃ楽しかったです♪
終わりか
コリンがえれぴょん達殺すんかと思った
>>811 そういうのもちょっと考えてました。
実は優子は殺し合い賛成派で、秋Pのとこにえれぴょんたちを連れていったあと、急に寝返って殺すって言う・・・。
ただ、それだとちょっと・・・・ねぇ? 怖すぎますもんね^^;
何にしても、本当にお疲れ様です
次回作のご予定は?
コリンがえれぴょん達殺して終わったら松本さん神だったのに
>>813 次回作ですか? 今のとこありませんが・・・・この大人数を出演させる物語があれば書きたいですねえ.
>>814 そっかー、やっぱりそっちのほうを望んでいましたかぁ・・・・orz どっちにしようか最後まで悩んだんですけどね^^;
>>810 泣いてくれるなんて、本当に光栄です。
もし次回作があれば、また読んでください。
俺も優子さんが殺すんちゃうか思て焦りましたわw
次回作期待してます!
>>812 実はその役回りはえれぴょんを想像していました。
らぶたんの亡骸に取りすがる優子、立ち尽くして涙するまーちゃん
突然の銃声、声も立てずに崩れ落ちるまーちゃん、何が起こったのか理解できない優子
驚き振り向く優子にえれぴょんが
「ごめんねーコリン。だって私スターになりたいんだもの。じゃあねー」
このゲームの勝者を決する最後の銃弾が放たれた。
なんてね
819 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/24(月) 00:50:30
お疲れさまでした。
また読みたいです。
最後の優子の銃を握りしめたのって
やっぱり、2人を転す、、、
っていう解釈していいんですか?
松本さんは2のフラグをたてたんだなw
松本さん最高のラストありがとうございます
マジで感動して泣いた場面がいくつもありました
次回作も是非お願いします
822 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/24(月) 00:54:26
もう終わったからsageなくていいよ
>>818 ものすごく軽い殺し方ですねwえれぴょんらしいというかなんというかw
>>819 その解釈は読み手のみなさんに任せます。そこまで考えて書いたつもりなかったんですが、そう読めなくもないですね^^;
>>820 2は難しいでしょうね^^; 残った人数が少なすぎますもん・・・
出てないメンと研究生って合わせて何人くらいなんだろ? それだけじゃ足りないですよね? なにかいい話ないですかね?
松本さんお疲れさまでした!これで終わりかと思うと寂しいです!素晴らしい小説をありがとう
ついに終幕を終えたのかぁ〜
九月にこのスレ見つけてから毎日更新を楽しみにしてました。
松本氏本当に乙でした^^
大変大変おつかれさまでした。毎回非常に楽しみながら読ませていただきました。
遠い昔に?小説本スレのほうでさりげなく松本さんに
BR小説書いてくれほしいな〜と書き込んだ者です。
こちらが一段落ついたので本スレで優子の途中の話を進められる予定ですか?
こちらで続けるのでしたらBRチーム戦A対K対Bを見てみたいですね。
これからも小説を書き続けてくださると嬉しいです。
827 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/24(月) 01:08:14
次は明るい話しがいいなぁw
松本さん差し支えなければ黒い優子の「そっちのほう」を
らぶたんが息をひきとった後ぐらいから書いていただけませんか?
そっちも見てみたいです^^;
気分を害されたようでしたらすみません。お書きにならなくていいです。
829 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/24(月) 01:16:16
松本さんお疲れ様です。
気が向いたら本スレの続きもお願いします。
830 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/24(月) 01:17:36
松本さん本当に乙でした!
もう毎朝見る楽しみがなくなるのかと思うと、残念でなりません。。
次はチーム戦を期待します^^
831 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/24(月) 01:20:35
銃とかじゃなくて水鉄砲がいいなぁ
もう死ぬの見るの辛い
いちおういつかの次回作のためのBRに似たような題材を紹介しときます。
・BRチーム戦
(ルールのほんの1例)各チーム16人
最初に10人を切ったチームは全員首輪が爆発
次に5人を切ったチームも同
残った1チームの残り5人で個人戦
・サバイバー
昔テレビでやってたやつ
投票でメンバーを島から追放していく
これも3チーム→個人戦がいいかも
・逃走中
つい最近までテレビでやってた鬼ごっこのようなゲーム
ハンターの追走から逃れる
途中様々なミッション有
逃走中の他にも密告中、解除中などいろいろあり
・ウィーケストリンク
昔やってたサバイバルクイズ番組
クイズをやるたびに投票で1人ずつ追放されていく。
サバイバーや逃走チユウなら書いてて辛くなるということはないはず。
松本さんその他の書きたい方々どうですか?
833 :
X ◆DLgwnxoKOw :2008/11/24(月) 01:29:50
逃走中好きやなぁ
みてみたい
>>824 こちらこそ、最後までお付き合いいただきありがとうございました^^
>>825 九月から毎日・・・・有難い話です。
>>826 あなたでしたか? このスレを紹介していただき本当にありがとうございます。
>>827 そうですね。明るい話もいいですよね。
>>828 ん〜、これは書いたほうがいいんですかね?
>>829 優子の続き、そういえばありましたね^^; 今度は向こうもちゃんと書かないといけませんね。何ヶ月間放置してたんだろ・・・
>>830 チーム戦期待してる人いますねぇ。ちょっと面白そうなんですよね、それ。
>>831 その気持ちすごく判ります! 自分も最初、書くのが相当辛かったですもん^^;
松本さんってたかみなヲタなんだよね?
スレに書き込みとかしてるの?
>>832 その中だと、BRチーム戦か、逃走中が面白そうですね。
ただ、逃走中は、緊迫感とか出ますかね?
>>835 たかみな推しですが、書き込みはあまりしてません。荒れたときに、スレ見てるのが辛いもので^^;
お疲れ様でした。
最近は涙を流さなかったのですが…結構泣きました。
秋元康の「日本は平和過ぎる」胸に刺さりました。
次回作も期待しております。
>>836 それわかるw
小説お疲れ様です!
また気が向いたってときは待ってますよ!!
839 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/24(月) 03:30:50
遅れて読み終えました。
松本さんお疲れ様です。本当に毎日楽しみに読んでいました。ありがとうございました。
もし松本さんに続編を書いていただけるなら、僕も逃走中かBRチーム戦が良いですね。
とにかくありがとうございました。
840 :
X ◆DLgwnxoKOw :2008/11/24(月) 05:24:54
いつもならこの時間、更新を楽しみに待ってたけど終わったんだなぁ…
寂しいねぇ
841 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/24(月) 05:41:41
>>832 そこまで提案するのはどうかと?
無理に書かせようと強要してるのではないでしょうか!
悪く言えば『自分で描けばどうなの?』と言いたいです。
これ見て荒らしと思うならそれはそれで良いけど
842 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/24(月) 07:17:48
>>松本氏
大作お疲れ様でしたm(_ _)m
もし次回作を書かれるなら研究生も絡めていただければ…平和主義中塚や頭脳派鈴木藤本、小野の影武者石田など面白い人材は揃ってますので
SKEメンもと言いたいところですが流石にデータ不足でしょうから無理は言いますまい
843 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/24(月) 09:12:04
チーム戦にするなら、舞台を戦国時代にしたら面白いんじゃ。
大将の首をとられたら負けで。
意外な人を大将にしてもよいかも。
844 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/24(月) 11:02:21
メンバーたりないならSKEをたしてみたらいいかもね。
akbのメンバーいないことにキレたオタクとか
>>839 こちらこそありがとうございました。
BRチーム戦だとなんとなく話が浮かんでくるんですが、逃走中はお遊び感が強すぎて、緊迫感が出るかどうか・・・書いてみないとわからないですけどね。
>>840 別の物語書き始めたら、また読んでください。面白いかどうかは別ですが^^;
>>841 気を遣っていただいて、ありがとうございます。色んな案をくれるのは自分としても嬉しいので、別に強要とは思ってないですよ。
>>842 ありがとうございます。次回作には是非研究生も入れたいですね。
>>843 魏・呉・蜀みたいな感じですか? それは三国志か^^;
>>844 SKEはキャラが掴めてないんで、正直難しいかと・・・
研究生ですら、まだキャラが掴めてない子いますし^^;
846 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/24(月) 13:05:38
松本氏お疲れさまです。
ゆっくりでいいので小説スレの話を進めてくれれば嬉しいなと
BRはおもしろいけど、少し心が痛んだので
次回は少しほのぼのとした話、
例えば大声PVのストーリーみたいなのが読みたいです。
でも、また佐江が悪者になるけど…
847 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/24(月) 14:21:45
松本サン
本当にお疲れ様でした
新規な俺ですが
考えてみれば、この小説を読み始めてから本格的にAKBにのめり込んでいった感じです
そういう意味でも松本サンや住人の皆さんに本当に感謝しています
ありがとうございました
最後に松本サン
本当にお疲れ様でした
松本さん乙!!!
松本さんはよく劇場には行くんですか?
849 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/24(月) 17:03:51
次回があればぜひ学園物をお願いしたいです。
ヤンキー転校生の宮澤佐江
番長の峯岸みなみ
裏番の佐藤亜美菜
空手部主将の秋元才加
弓道部部長の柏木由紀
美術部部長の渡辺麻友
学園のマドンナ 前田敦子
おしゃれ番長の篠田麻里子
生徒会長の平嶋夏海
3年A組の担任 高橋みなみ
3年K組の担任 大島優子
3年B組の担任 浦野一美
体育教師の倉持明日香
科学教師の早野薫
保健室の先生の大堀恵
学食のおばちゃんの野呂佳代
って感じで
>>846 そうですね。小説スレのほうも徐々に進めていきたいと思います。
>>847 こちらこそ、ありがとうございました。
新規の方に少しでもAKBに興味を持っていただけたことは、本当に嬉しい限りです。
>>848 最近は仕事の都合で引っ越してしまい全然行かなくなりましたね^^;
>>849 配役はともかく、
>>846さんの提案と合わせて行くのも楽しいかもしれませんね。
どちらにしろ、書くのは次スレからですかね? それまでに何を書くか決めて行きましょう
851 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/24(月) 19:24:24
推理ものなんてどうですか? 殺人事件が起こるとか、誰かが失踪するとか 自分で書かないのに提案ばかりすみません
今最終話を読み終わりました。
最初から最後まで毎更新 期待に違わない素晴らしい話でした。
最後に優子が空を見ながら、風と共に才加を感じた瞬間にジーンと感動しました。
空と風……才加にピッタリですね。
本当にありがとうございました。
853 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/24(月) 21:03:08
AKBの小説スレって
何処にありますか?
854 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/24(月) 21:34:18
>>851 メンバー全員で旅行→そこで連続殺人事件→犯人はこの中にいる!みたいな流れ?
推理ものは知識がないと難しいんじゃないかな。俺には絶対に無理だ。松本さんなら出来るかも?w
855 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/24(月) 21:43:36
FCツアーで有名ヲタが次々と殺害されるってのも面白いかも。
でも、登場人物多すぎるとグダグダになりそう。
ここは英(はなぶさ)女学園高等部。略してA(英)K(高等)B(部)と呼ばれている。
その学校の今は使われてはいない旧校舎。その一つの教室の扉に『ヒーロー部』と書かれた紙が貼ってある。
「いい? 私達はこの学園の平和を守るために日々精進しなければいけないの!」
教卓をドン、と拳で叩いたのは、このネーミングセンス0な部の部長、大島麻衣だった。
「不良共は私がみんなたたきのめしてやるぜ!」
先ほどからジャージ姿で腹筋をしてるのは、この部一番の腕っ節を持っている、副部長の秋元才加だった。
「そんなことしても、悪は生まれるものなんだよ。ボクは反対だね」
くくく、と鼻に皺を寄せて含み笑いをしたのは、一体何の為に入部したのか誰にも判らない、板野友美だった。
「世直しロボ7号(改)出来たーーっ!!・・・・(ボンッ)・・・あれ?」
ドリフのコントのような頭になったのは・・・・一度作った発明品は二度と作ることが出来ない、自称天才発明家、小林香菜。
「私は一体なにをしたらいいんですか?」
椅子にちょこんと座り、先ほどから挙動不審な顔で、モジモジしてるのは、渡辺麻友だった。
「ちょっとお、みんな真面目にやってよね!」
呆れ顔でため息をついたのは、だらしの無い部員を陰で支え続けている、苦労人の平嶋夏海だった。
そして、そんなヒーロー部が倒すべく相手・・・。
学園の風紀を乱す女達。
「ヒーロー部とかいうおちゃらけ部なんて、私一人で潰してやるよ」
両手の拳の骨をポキポキと鳴らしたのは、誰もが認める学園の番長、峯岸みなみだった。
「みぃ、私はあんたがやると言うのなら、どこまでも着いていくぜ」
重たい腰を持ち上げながら、ふう、と息を吐いたのは、副番長の大島優子だった。
「ちょっとちょっとちょっとぉ、二人ともそんな恐い顔しないでよ」
はい、お菓子でも食べて落ち着いて。袋から大量のお菓子を出して、空け始めたのは、優子の腰巾着の小野恵令奈だった。
「空き缶を燃えるゴミに出してあげちゃったよ、私ってワルじゃない?」
あっはっはっはっは・・・、空を見上げて高笑いをしたのは、高橋みなみだった。
「峯岸さん峯岸さん、先生が見回り始めました」
息を切らして走ってきたのは、不良グループの使いパシリ、倉持明日香。
「明日香ちゃん、ちょっとジュース買ってきて。あ、コーヒー牛乳ねコーヒー牛乳」
手のひらに30円だけ乗せると、そ知らぬ顔でDSをはじめたのは、不良グループ新米の多田愛佳だった。
この両組織を取り締まろうとするのが、我らが生徒会役員。
「不良共はもちろん、あのヒーロー部とかいう、部費の無駄遣いしかしていない部も、一緒に叩き潰してくれるわ!」
持っているハンカチを噛んで、怒りを抑えてるは、生徒会会長の柏木由紀だった。
「潰しあいでもさせて、残ったほうを潰してしまえばいいのでは?」
自称生徒会の頭脳派女、副会長早野薫。
「そんなことより、学園全体の服装が乱れています! そちらを先にどうにかしなくては」
メガネを指先でくいっと上げたのは、生徒会のメガネっ娘隊長、風紀委員の仲谷明香。
「これ見て見て〜、ヒーロー部の香菜ちゃんにもらったの〜(ボンッ)・・・・ケホッケホッ」
拍子抜けした顔をして、辺りを見回しているのは、生徒会書記の奥真奈美だった。
そんな栄女学園に現れた転校生。
「・・・・・・・・・・・なに見てんだよ?」
一発目の挨拶から一匹狼確定の女、峯岸番長にもヒーロー部にも、そして、生徒会にも目をつけられた女、宮澤佐江。
今、ここに新しいドラマが始まろうとしている。
「あのう、ヒーロー部に入部したいんですけどぉ・・・・」
謎の新入部員が、学園を救う?
次回作、『行け! AKBヒーロー部』
って、適当に作ってみただけです・・・・。始まりません^^;
>>849さんのを見てなんとなく妄想程度に書いてみただけですのであしからず
>>852 毎回適切な感想ありがとうございました。次回作が始まりましたらまた読んでください。
推理物は確かに知識必要ですよね^^;
それこそちゃんとメモ取りながら書かないと忘れてしまいそうで不安w
859 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/24(月) 22:35:36
松本氏さん
英が栄になってます、細かくてすいません
860 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/24(月) 22:39:16
リアル鬼ごっこ見たかったお
逃げ惑う佐藤さんと追い掛け回す他メン
鬼ごっこの時間以外はみんな普通に接しているのであった
861 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/24(月) 22:40:01
てかバトロワじゃない小説ならスレ違いだろ。誰か小説スレたてろ
>>859 訂正ありがとです。「えい」で変換すると最初に「栄」だ出るんですよね。
栄だとサカエになってSKEですもんねw
>>860 あみなとゆかりんとなっちだけ逃げ惑うんですか? ルール改正していかなくてはいけませんね
863 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/24(月) 23:50:06
849ですピコピコハンマーに続き採用してくれてありがとうございます。
正式な次回作楽しみにしています。
「マリア様が見てる」みたいな学園モノとかどですか?
「桜の花びらたち」と「大声ダイヤモンド」を混ぜた感じで・・・
宮澤さんはやっぱり一匹狼希望(笑)でも実はいい人的な。
ノンティーとめ〜たんは先生とかでもおもしろいかな〜なんて^^
865 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/25(火) 01:46:21
新しい小説はスレチ。
それにおもろないわ
もう書かなくていいよ^^
866 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/25(火) 01:53:33
じゃあお前が見なければいい
867 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/25(火) 01:56:14
あらしは無視(=^ε^=)
868 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/25(火) 06:20:02
俺敵にはBRUみたいに優子が反政府的な戦いを続けて欲しかったけど・・・
えれぽんとまーちゃんが成長したり才加の意思を受け継ぐ感じで
「みんなを殺したのはお前らだ!」的な
869 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/25(火) 08:34:40
マリア様が見てるはいいね〜
是非とも太田三姉妹で見てみたいw
BR2か、チーム戦BRの方向で考えますかあ……
マリア様が見てるは、昔小説で途中までしか読んでいないんで、あまり覚えていないんですよ^^;
もし書くとしたら、最初から読み直さなきゃいけないですね。
871 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/25(火) 13:38:35
荒らしのつもりは無いがここはバトロワのスレだから
872 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/25(火) 14:12:39
んじゃ次スレは
「AKB松本小説」で立てれば何でもアリで行けんじゃないすか?
873 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/25(火) 14:16:42
てか、今思えばNHKホールの日に完結したのは、
卒業した5人の最後の日に、5人が出てたこの小説の最後も合わせたのか?
だとしたら松本氏素晴らし過ぎるんだが。深読みし過ぎ?
874 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/25(火) 19:43:18
もう遅いかもしれないもしれないけど
akbの歌をテーマにした短編小説とかもいいかもです
875 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/26(水) 09:47:34
なっちゃん
876 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/26(水) 13:25:52
確実に過疎って来ましたよ皆さん
877 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/26(水) 13:28:41
松本さん短編小説書いてくださいよ〜
毎日の楽しみがなくてつまんない〜
878 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/26(水) 15:54:34
バトルスペックでパチンコAKB48を出して下さい
BR番外編 〜小嶋陽菜〜
風が木々を揺らし、それに合わせて蝉が合唱をしていた。
それは、陽菜の耳には全く聞こえておらず、彩佳の死体の横で足を抱えて座ったまま、数時間が経っていた。
こんなはずではなかったのに。殺し合いなんて半分冗談だと思ってたのに。
だが、目の前の彩佳は死んでいる。そして、手のひらに伝わる確かな感触。
怒りで叫び散らしたいような、泣き叫びたいような、何もかもを壊したくなるような、そんな衝動に駆られた。
彩佳の首もとに刺さったナイフを、ゆっくりと抜き取る。
ズブリ、と耳に付く音がして、陽菜は眉間に皺を寄せた。
スーっと息を吸ってから、少しずつ吐き出した。全部吐き出したのと同時に、もう一度そのナイフを今度は彩佳の胸元に刺した。
死んで動かなくなった彩佳の体が、生きているように反動でビクッと動いた。
陽菜の口元が妖しく笑みを作ったてから、快感を得るようにまた、ナイフを突きつけた。
何度も何度も、繰り返すようにナイフを突きつけた。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・」
気づくと、彩佳の体には、何度も突きつけられたナイフのせいで窪んでしまっており、血が溜まっていた。
陽菜は、ナイフに付いた彩佳の肉片をハンカチで拭うと、立ち上がった。
自分のバッグを持ち上げ、ナイフを腰に差す。そして、所在のない空間を睨み付けた。
その目には迷いなどなかった。「どんな手を使ってでも・・・」そう呟くと、陽菜は北へと歩き出した。
浦野一美と出会うのは、それから数時間後のことになる―――
終わり。
ちょっと短かったですけど、番外編を書いてみました。
>>873 深読みではありませんよ。一応、1週間前くらいから狙っていました。
多分、そのあたりから慌ててラストに向かった感があると思います^^;
>>874 それ前から考えてました。次スレ出来たらそれも書こうと思ってます。
松本氏乙です。
短編小説楽しみに待ってます。
882 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/26(水) 22:53:14
さえの心理が一番知りたい…
補完的な短編ありがとうございます。
それぞれが行動を起こした時の心理状態は興味深いですね。
こじはるが徐々に狂気に魅入られていく様子がよくわかりました。
884 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/27(木) 12:30:09
最近CMでバトルロワイヤルがなんちゃらていってるのがあるけどそれきく度もしや…と思っしてしまう
以前こじはるがなぜやる気になったのか?と書き込んだものです。
わざわざありがとうございます。
>>882さんのいうとおり
自分もさえの心理が知りたいです。
ゲーム開始頃と才加と逝く寸前それぞれが知りたいです
BR番外編 〜宮澤佐江〜
目を覚ますとそこは、どこかの学校の教室のようだった。
ざわついてるメンバーを黙らせるかのように、勢いよく開いた扉。
軍服を着た男が二人、姿勢を正して入ってきた。それに続くように秋元と戸賀崎が入ってきた。
「みなさん、こんばんわ」
シン、とした教室に響いた秋元の声に、誰も反応を見せなかった。
戸賀崎が怒声を上げた。それにより、あちこちから挨拶が聞こえた。
この重苦しい空気に、佐江はいち早く気づいていた。秋元も戸賀崎も普通じゃない。
いや、それは誰にも判ってることだったのかもしれないが、他の皆のほとんどが、番組かなんかの演出だと内心思っているように見えた。
佐江には、そんなことは微塵にも思わなかった。番組収録とは違う何かが始まる。そう感じていた。
「今から、みんなで殺し合いをしてもらう」
その言葉が耳に入った瞬間、血流が速くなったのを感じて、鳥肌が立った。心臓が鼓動を早める。
「先生、そう言う冗談はやめてください」
声のするほうに振り向くと、野呂だった。夏希の肩に凭れかかるように肘を乗せて、笑っていた。
パンッ。銃声がして、野呂がズルリと倒れた。メンバーの悲鳴が教室に響き、野呂を中心に輪が出来た。
体が震えた。いや、震えているのに気づいた。それを武者震いだと勘違いしたことが、佐江を大きく変えてしまった。
ビデオから流れる説明に半分だけ耳を傾ける。ようは皆殺しにすればいいんでしょ。佐江は自分が笑みを浮かべていることに気づいて、それを隠すように下を向いた。
ビデオはいつの間にか終わっており、秋元の指示で順番通り教室を出ていった。
声を殺して泣く者、未だにこれがなんらかのドッキリだと信じている者、様々だった。
佐江の番になり、バッグを受け取る。
「ノンティの分は?」自分でも驚くくらい落ち着いた声で言った。
投げつけられたバッグを二つ抱え、教室を出ると、声が聞こえた。
その声は、辺りを警戒しながら手招きする才加だった。
「才加?なにしてんの?」
佐江は、才加の不安な表情を見て、思わず笑みが零れそうになった。
「殺し合いなんてバカバカしい真似・・・」
この後に及んで何を言い出すんだこいつは。そう思って、佐江は呆れた表情をした。
「あのね才加。ノンティ見た? 死んじゃったんだよ? もう、私達逃げられないよ」
生き残れるのが一人ってこと判ってるんだろうか? もういいやまずは才加から殺そう。生かしとけば一番の敵になりそうだし。
「才加のリュックには何が入ってた?」おお、格好いい、これなんて名前の鉄砲かな?」
銃の扱い方の書いた説明書が入ってたが、今はそれをじっくり読んでる暇なんてない。とりあえず、才加を片付けるのが先だ。
「才加も見てみなよ」てか、早く見ろよ。じれったさでイライラした佐江の顔に、少しだけ眉間に皺が寄っていた。
背中を見せた才加の脇腹にナイフを刺した。その感触は初めて味わう感触だった。
「さ、佐江・・・?」
驚いた顔で、振り返った才加の耳元に、口元で笑みを作って囁いた。
「才加が一番手強そうだから、先に殺っちゃうね」
ゆっくりと倒れる才加を見下ろして、佐江は笑みを作った。
「才加、ごめんね。でも、一番手強そうってのは、嘘じゃないよ」
そう言ってから、佐江は才加のバッグを持ち上げた。
続く。
佐江編は最後にしようかと思ってたんですけど、一応希望があったので先に書かせてもらいました。
佐江視点で最初から全部書こうかと思ったんですけど、ものすごく長くなりそうだったんで、要点だけの簡単な番外編にしてます。
888 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/27(木) 21:40:39
あげ
補完ありがとうございます。
一番の謎である佐江の背景にはとても興味があります。
不適な笑みからして、もしや佐江だけはこのゲームの経験者かと勘繰っていました。
もし他のメンの補完もして頂けるのならこんなに楽しみな事はありません。
補完ありがとうございますぅ
891 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/28(金) 16:54:36
松本さん小説スレのほうもお願いします
肉を突き刺したときに伝わる感触を噛み締めるように、佐江は右手を見つめた。
このとき、僅かだがまだほんの少し、佐江には迷いがあった。
思いつめたように俯き、右手を何度も握り締めては開いた。残った感触を消し去るかのように。
茂みの奥から物音が聞こえて、佐江は顔を上げた。音のしたほうにそっと近づくと、誰かが寝転がっているのが見えた。
「れいにゃん・・・?」
息を整えるれいなが、バッグから水を取り出していた。佐江はもう一度、自分の右手を見つめた。
今度は、ナイフではなく銃(ブローニング・ハイパワー九ミリ)を握り締めると、生唾を飲み込んだ。
行け!と自分に言い聞かせてから、一歩足を踏み出すと、「誰?」れいなが声を出した。
それのせいで一瞬躊躇い足を止めた。
「もう、いやーっ!」れいながバッグを抱え込んで丸くなったのを見て、背筋に虫が這ったかのようにざわざわとした。
れいなの怯える姿は、佐江の迷いを打ち消してくれた。再び足を前に進めると、れいなの前に立った。
ゆっくりと顔を上げたれいなに、「おはよー」と言ってから微笑んで見せた。
安堵の表情を見せたれいなの前に、拳銃を構えて見せた。
少しだけ驚いた顔を見せたれいなだったが、その表情は瞬く間に消えてしまった。
銃口から吐き出す煙に、ふーと息を吹きかけると、佐江はそこから逃げ出すように歩き出した。
銃で撃ち殺したのは正解だった。ナイフで刺し殺すと、どうしてもその感触が残ってしまい、佐江に躊躇いを与えてしまう。
「次・・・」
そう、次だ。次殺せば今よりもずっと楽になれるはずだ。
胸の辺りから放たれる開放感が、佐江の気持ちを僅かずつ殺人鬼に変えていた。
続く。
>>889 他メンの番外編も書くつもりではいます。てか、佐江を最後にしようと思ってたくらいですし。
全員分は正直無理ですけどね^^;
>>891 優子の話の続きですね。あれ、最初描いてたストーリーを忘れてしまったもので、どう続けようか悩んでる最中なんです^^;
今週中にはっ書くと言ったものの・・・・いや、頑張りますので待ってください。
894 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/28(金) 21:00:52
みいちゃんのみたいです
今度こそおもらし・・・
896 :
まえぁちゅ:2008/11/29(土) 01:42:30
お初です^^
これからよろしくです
松本氏>>
一気に読ましてもらいました〜
凄い文章力ですねぇ
感動しちゃいました
新作楽しみにしてま〜す
更新のほうが遅れていますが、ちょっと時間がなくて書けない状態です^^;
もうしばらくお待ちください。
>>896 >>まえぁちゅさん
はじめまして^^
次スレが立てば、新作書かせていただきます。
そのときは、BRとは違う小説になると思われますが、読んでくれればうれしいです。
楽しみに待ってます^^
松本さん、楽しみにのんびり待たさせて頂きます。
900 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/02(火) 17:33:29
過疎ってきたぞ!
901 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/02(火) 22:46:13
あげ
902 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/02(火) 23:19:32
まいまいだな
901のageで何気にこのスレ見たんだけど、スッカリはまってしまって今の時間まで読んでました。
BRは大好きだったのでこのスレが立った時少し覗いたんだけど、ただのネタスレだったので小説やってた事に気付かなかった。
感想としては
松本氏は神過ぎる
原作以上と言っていいくらいの面白さです。
メンバーの個性も充分出てるし、背景を表す表現の仕方も凄く上手い。
2ちゃんねるでこんなに感情移入してしまったのは初めてです。
とりあえず今日は
>>365まで読んだ(栞)
明日残りを一気に読みます
種明かしが嫌なので新しいレスを見てなくて小説が終わってるかどうかわかりませんが、もし続いているので有れば頑張って下さい。
長文すみませんm(__)m
ホント凄い人だよ
佐江の耳に近くで銃声が聞こえた。
一瞬だけ、ビクッと体を震わせた佐江だったが、不敵な笑みを浮かべると、その銃声の聞こえた方向へと歩き出した。
木々の隙間から覗いたのは、楽しそうに会話を交わしている佐藤亜美菜と佐伯美香の二人だった。
茂みを掻き分けて二人に近づくその顔は、自然と笑顔になっていた。
「亜美菜、逃げて!」美香と目が合ったとき、自然とマシンガンの引き金を引いていた。
ぱぱぱぱぱぱぱ、と心地よい振動が体に伝わったあと、美香が倒れたのを見て、全身が震えるのがわかった。
逃がすわけないでしょ。心の中でそう呟いてから、胸の辺りから放たれる解放感に浸った。
「美香ちぃ!」
亜美菜の叫びに、美香が「逃げて」と言ったのを佐江は見た。ああ、殺してやりたい。と、そう思った。
もう一度マシンガンを撃ち放つと、美香の頭に穴が空いて、死んだ。
「い、いやーーーーっ!!!」
マシンガンを撃ち終えると、佐江は、美香の銃を拾い上げ、二人にトドメとばかりに弾を2発撃ち放った。
ずっと疑問だった胸の辺りからくる解放感の答えが判った。
これは、気持ちいいだ。
佐江の中に芽生え始めた、殺人鬼は、快楽を見つけてしまった。
続く。
ホント暇がない状態です;;
少しだけですが更新しました。これなら更新しないほうがマシだったかな?^^;
>>903 神とは恐れ多いです^^; 感情移入していただけるのは、嬉しいことですが。
更新乙です
更新して下さって、めちゃくちゃ嬉しいです
908 :
903:2008/12/03(水) 20:40:00
今読み終えた
松本氏に泣かされましたよw
みぃ、あっちゃん、はるごん、才加の所は特にね
みんなが盛り上ってる時に気付かなかった事をちょっと後悔してる。
でも一気に読めたのは良かったかも。更新なんて待ちきれない程面白いから。
お疲れ様 いい作品をありがとう
909 :
901:2008/12/04(木) 00:05:08
再度あげ
おもらしは?
911 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/04(木) 12:30:43
誰かスキルある人まとめサイト作って下さい><
更新ありがとうございます。
浦沢直樹のMONSTERをふと思わせるような佐江の覚醒振りですね。
松本氏の日常のペースを崩さない範囲で更新して頂けると嬉しいです。
913 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/05(金) 04:00:05
乙
914 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/07(日) 19:27:08
本編終わって書き込みすくなくなったなあ
915 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/09(火) 06:09:53
揚げ
916 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/09(火) 12:15:53
まゆゆが生き残る
917 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/09(火) 13:13:35
いきなりスレタイ絡みのレスしないで下さい
ビックリするから
918 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/09(火) 13:25:46
絶対まゆゆ
919 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/09(火) 17:40:01
920 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/09(火) 17:41:08
花ちゃん
921 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/09(火) 19:44:14
最後は花ちゃんとまゆゆが殺りあう^m^
922 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/11(木) 02:07:33
Flash
923 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/13(土) 19:48:43
うめ
924 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/13(土) 23:35:17
実は勝手に続きを構想してるんだが・・・
松本氏はもう書かないのかな?
925 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/14(日) 09:54:49
終わってしまえば、呆気ない。
今日は寒いなぁ〜
926 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/14(日) 11:35:13
>>924 いや松本サンは帰って来てくれるはずです
ただ
あなたの構想も興味あります
良かったら書いてもらえませんか?
仕事が一段落するまでもう少しお待ちください。
今夜辺り書けたら書きます。
928 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/14(日) 15:29:41
松本キタコレ
楽しみに待ってます
でも
無理しないで下さいね
929 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/14(日) 20:30:23
マジ神すぎる
2ちゃんに生まれて初めて書き込む程に感動しました
930 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/16(火) 05:34:55
931 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/16(火) 22:37:12
松本氏最高======!
932 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/17(水) 15:30:31
この過疎り具合はどうなんだ…
書くなら書く書かないなら書かないはっきりしろや!
糞スレロワイヤル
>>933 松本さんは書くって言ってんじゃん
忙しいみたいだから気長に待とうよくだらないレスでスレを埋めるのは止めよう
935 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/20(土) 06:29:25
松本サンが書き込んでくれるまで何か話しよーよ
長い間待たせて、本当に申し訳ないです。
年末で仕事が忙しく、書く暇がなかったんです。
それでですね、色々考えた結果、前に同級生スレで書いてたときに言われたんですが、アメブロの方で色んな小説を書いて行こうかな?と思いまして、blogを作ってきました。
http://ameblo.jp/art56/ まだどんな小説を書くか判らないですが、これだと携帯からも楽に更新できるし、まとめサイトを作る必要もないかなと……
ま、仕事が落ち着くまでは、更新もあまりないと思いますが、こんな小説を書いて欲しい、などの意見を書き込みにでも来てください。
乙です。
938 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/21(日) 20:42:13
>>936 更新チィックリストに加えさせて頂きました。
勝手ながら、処女作?は全てフルコピーペーストで既にまた読める様に保管してましたがまさかの一言です。
前にいろんな方に読んでもらいたかったから(身勝手に)三回分ぐらいをコピぺしたのでしたが荒らしてると批判を受けたものです。
その頃弁解のかき込みしようとも思いましがかき込みすればスレは消費が早く訪れるし余計に荒らす行為と合わせ嫌な思いをさせてしまうと判断しました。このスレを発見は九月だったかな-
メンを知ってるなら、絶対読んでいくと映像になって(面白おかしくでなくて)感情移入できて泣かされるぐらいの仕上がりだったか
…らって今更ながら甘んじて反感受けます(顔も名前も判らないだろうけど、こういうのは凹むから)。m(_ _)m
マジレスばかっぽいカナ
>>938 そういう理由だったんですね。
前に同級生スレで同じように荒らされたことがあったので、荒らしだと思ってました(^_^;)
チェックリスト追加ありがとです。
これからは、blogのほうでよろしくお願いします。
940 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/24(水) 20:38:34
長文乙
941 :
名無し募集中。。。 :2008/12/26(金) 02:16:21
松っちゃん書かなかったら俺書くぞw
下手かも知れないけどw
お前の下手くそな文章でこのスレを汚すな
書きたきゃ自分でスレ立てろ
番外編の続きはもう書かないのだろうか…
奮い立つ身体を抑えるように、佐江は笑った。
「才加、私に会うまで死なないでよね」
くくく、と妖しげに笑むと、マシンガンを右手に持ち直して、足を踏み出した。
恐怖に怯える顔を拝むのは、最高に楽しかった。このときだけは、自分は神のような存在になれる。
命乞いを懇願する者や、泣き叫ぶ者。佐江の気分次第で生かすも殺すも自由なはずだった。
だが、中には抵抗をする者も居た。それには、佐江も少しだけイラ立っていた。
峯岸みなみを殺したあと、渡辺麻友と河西智美を逃がしてしまい、しまいには、大島優子までも逃してしまった。
智美と優子に逃げられたのは、これで二度目のことで、佐江も今度ばかりはイラ立ちで天に向かって吼えた。
仲川遙香と前田敦子もその中の部類に入っていた。
佐江が見たいのは、恐怖に怯える敗者の姿であって、生きる希望を見出して抵抗する者の姿なんかじゃないのだと。
だから、二度も逃げられた智美の愕然とする、その表情を見たとき、佐江は思わず声を出して笑いそうになり、体の心から奮い立つなにかを抑えつけながら、智美を殺した。
その点遙香は、最後まで抵抗しようとしてきた。そのことに関しては、佐江は許せなかった。だから、わざと撃たせて、自分が無敵なのだとアピールして見せた。
結果、佐江の思惑通り、遙香は不思議そうな顔をして、「なんで?」と口にした。そして、そのまま仰向けに倒れて死んだ。
もしも、頭を撃ち抜かれていたら、と考えなかったわけではない。確かに大きなリスクだとは思った。
だが、他の者は頭を撃ち抜いてくることはない、という確信もあった。やつらは、殺されるのも、殺すのも反対してるから。
殺そうと思ってない者が、いきなり頭を狙ってくることは考えにくい。だったら、一番的の大きな体を狙ってくるだろうから。
だから、佐江は後攻を選んだのだ。遙香の驚く顔を見るため。
戸賀崎の放送が終わったとき、佐江は倉庫の扉の前に立っていた。
才加たちがここに入っていくのを遠目から見ていたから。
小野恵令奈と奥真奈美が居たのも納得した。「どおりで、一番のザコキャラが死んでないわけだ」
佐江がそう呟くと、扉のノブが回転した。最初に目が合ったのは真奈美だった。その次に才加。
「中、入って」そう才加が叫んで、中に入ったのと同時に、佐江はマシンガンを撃った。
逃げる才加がなぜか新鮮だった。才加なら向かってくるものだとばかり想像していたから。
やはり、守るものがあると逃げるんだな。そう考え、佐江は笑んでから、そおっと扉を開けて奥へとゆっくりと進んだ。威嚇するようにマシンガンを撃ち鳴らし、積みあがっているダンボールが音を立てて、崩れていった。
廊下へと続く扉を開けたとき、才加の放ったショットガンが佐江の腹部と胸元にヒットした。そのときの衝撃で、あばら骨が数箇所折れた。
それでも尚、佐恵は不気味に笑った。才加の必死な表情が可笑しかったから。
次に才加が顔を出したときは、佐江は才加の体中に銃弾を浴びせた。
勝った。佐江は倒れる才加の姿を唇を持ち上げて笑んでいた。次の瞬間、才加の手にショットガンがないのに気づき、辺りを見回した。
「佐江ちゃん、こっち」恵令奈の声だった。振り向こうとしたとき、左腕に恵令奈の放った弾が当たり、宙に跳ね上がった。
「くそ・・・」ガキが。そう言ってから、マシンガンを隠れた自販機に向かって撃った。
完全に油断していた。子供だと思って舐めてかかった結果だった。佐江は軽く舌打ちをしたあと、今度は冷静を努め、自販機まで歩みを進めた。
あと十数メートルというとこで、二発の銃声が鳴り響き、佐江の鎖骨に命中した。もう一発は防弾チョッキの上だった。
二度目の油断。だが、すぐに勝機はやってきた。
目の前には、弾を使い果たした優子が真剣な表情で銃を構えている。
佐江はゆっくりとマシンガンを優子に向け、引き金を引いた。いや、引いたのだと思った。
ダダダダダダ、と銃声が鳴り響いて、佐江の頭がグラグラと揺れた。一瞬、地震でも起きたのかと錯覚したほどだった。
それもほんの一瞬のことで、佐江は自分が撃たれたのだと気づくこともなく、地面にひれ伏せるように倒れた。
倒れる瞬間、佐江は才加と目が合った気がした。それは本当にそういう気がしただけかもしれないし、もしかしたら本当に目が合ったのかもしれなかった。
何も見えない。何も聴こえない。そんな世界が佐江の周りを囲んでいた。
しばらくその世界を彷徨っていると、小さな光のような点が見え、そこから才加の声が聞こえた。
暖かく、柔らかなその点は、次第に大きくなり、佐江を包み込んだ。
吸い込まれるようにその光の中へと引き込まれたとき、佐江は何も感じなくなった。
見ることも、聞くことも、考えることも。
「佐江、一緒に行くよ」
終わり。
遅くなり申し訳ありません^^;
今年の仕事がようやく終わったので、更新しました。
佐江編一応終わりです。
遅wでも乙。
949 :
名無し募集中。。。 :2008/12/28(日) 22:56:08
きたりえがラジオでバトルロワイヤルの映画が大好きだと言ってたね
今更新に気付きました。
佐江の最後に才加の声が届いていたのを知ってさらに感動を深くしました。
才加の優しい光に包まれて、天に旅立てて本当に良かったです。
あけましておめでとう。そしてありがとうございました。
951 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/04(日) 08:44:17
パートUスタートしたね
以外コピペ
新年一発目の小説がBRUなのはどうなのかと・・・・
色々考えてみた結果BRUになったわけですが、ほのぼの物系や学園物も間間に書いていく予定ですので、BR以外を希望していた方もたまに覗いてみてくださいねw
BRUはチーム戦になっております。
チームA、K、Bにそれぞれ研究生を振り分けようと思っています。
あ、7期生は出しませんので悪しからずm(_ _ )m
文頭を読むと、明らかに主役が高城亜樹ちゃんなわけで・・・w
お前はたかみな推しなんじゃないのかよ!って突っ込まれそうな気もしますが。
まぁ、才加のようなこともあるんで、最終的に誰が生き残ってどうなるんでしょうかね。
前作同様プロットも作成しないまま書き始めると言う暴挙に出てしまったんで、この先どうなるかすら本人もわかっておりません^^;
とにかく始まってしまったもんは仕方ないんで、なるべく目標は毎日更新を目指すつも・・・り・・・で・・・す・・・
あくまで目標ですw
それでは、2009年もよろしくお願いします。
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松本サンが向こうで新作書き出したとなると…
この板どーするよ
とりあえず埋めとくか?
953 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 11:31:49
んじゃこじはるで正解って事で
955 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 22:34:07
>>936 バトルロワイアルU
09/01/04 05:06
亜樹の髪が、突風に煽られて頬へと流れた。
目を細め、髪を手櫛で掻き分けると、視線を足元へと移した。
ほんの数分前まで共に戦っていた仲間の死体。それを見つめる亜樹の目はとても寂しそうだった。
喉をゴクリと鳴らしたとき、近くで爆音が轟いてから銃の音が聞こえた。
爆発の光の中に見えたのは、バギーカーとそれに乗っている3人の人影。それは、亜樹のほうへと向かって来ている。
チラっと足元を見てから、もう一度バギーカーへと視線を移すと、3人のうちの1人と目が合ったような気がした。
「ごめんね」
足元に向かってそう言うと、亜樹は雑木林のほうへと駆けた。
ぱぱぱぱぱぱぱ、と鳴る2つの銃声。それは亜樹を狙っているのではなく、ただ、強さを主張しているかのようにも見えた。
爆発音がもう一度辺りに轟くと、3人の女性の奇妙な笑い声が亜樹の耳に留まった。
なんでこんなことになったんだろう・・・
木の根に足を引っ掛けて、派手に転んだ亜樹が、手に付いた泥を落としながら考えた。
――――――――
――――――
――――
もうすぐ始まるコンサートのためのレッスン。
チームAのメンバーが集合し、汗を流してレッスンに励んだ。いや、はずだった。
敦子がレッスン場の扉に手を掛けた辺りから異変は始まっていた。
「ねえ、これ開かないんだけど」
「引くんじゃなくて押すんじゃないの? ・・・あれ?」
友美が敦子を押しのけて、掴んだ扉のノブを何度かカチャカチャと回しては、押したり引いたりを繰り返す。
その様子を見やったまま、峯岸が体の動きを止めた。
「ねえ、誰か鍵閉めたぁ?」
いい加減うんともすんとも言わない扉に痺れを切らした友美が、みんなの方を向いてから力なく叫ぶ。
「ちょっと貸して」先ほどから2人のやりとりを見ていた峯岸が友美と同じように、ノブをカチャカチャと回してから、首をひねった。
「壊れてるのかも? 外から開けてもらおう」
「じゃあ、私スタッフさんに掛けてみるよ」携帯を軽く掲げてから、敦子は画面に視線を落とした。
「そんなに心配しなくても誰かしら入ってくるんだから、ほっとけばいいのに」
麻衣が笑いながらそう言うと、麻里子が「閉所恐怖症じゃない?」と笑いながら返した。
「あれ〜? おかしいなあ・・・」
「どうしたの?」
何度も携帯を耳につけては離し、画面を見る敦子に高橋が尋ねた。
「わかんないけど、繋がらない」
「え? 番号合ってないんじゃない?」
友美が覗き込んでから、自分の携帯を取り出した。慣れた手つきで操作すると、携帯を耳に当てる。
「ねえ、なんか変な臭いしない?」鼻をクンクンと鳴らし始めた由加里が、立ち上がってウロウロ歩き出した。
「なに? おなら?」
希が嫌な顔をしてから、由香里とは逆の方へと移動すると、ドンッと陽菜にぶつかった。
「ごめ」謝ろうと陽菜のほうを向いたとき、陽菜はぶつかられた勢いに身を任せるように、そのまま崩れ落ちた。
「もう、なにやってんの」
麻里子が呆れながら陽菜のほうへ歩み寄ったとき、バタンッと音がした。
「ともちん!?」
振り向いた先には陽菜同様友美が倒れていた。倒れたはずみで携帯が手から離れ、床の上を滑った。
それは亜樹の靴の先に当り、ピタッと止まった。腰を折り曲げ拾い上げると、頭がボーっとしだしたのに気づいた。
視界の中のメンバー達が次々と倒れていく中、亜樹はなぜか襲ってくる眠気に、必死に抵抗していた。
左腕を掴まれる感触がして、そちらに目を向けると、里英が凭れかかる様に倒れていた。
それに引きずられるかのように、亜樹の記憶もそこで途切れてしまった。
BRU 2
09/01/04 20:51
どれくらい眠っていたのだろうか、一瞬、冷たい地面の感触をレッスン場の床だと錯覚した。
辺りを見回した先には、大きなテーブルが一つ、周りを囲むようにオパイプ椅子が並べられ、テーブルの前にも小さな台があり、その上にテレビが置いてあった。
それらを囲うように深緑の布のような生地。それがなんなのかは亜樹には判らなかったが、ここが先ほどまで居たレッスン場ではないことだけはわかった。
そしてつい先ほどまで一緒にレッスンをしていたメンバー達が、辺りをキョロキョロと見回していた。
亜樹の右隣でまだ眠っている藤江れいなに目を向けた。レッスン着のまま地面に横たわったれいなを起こそうと手を伸ばしたとき、ある違和感に気づいた。れいなの首に銀色に輝く、鉄製の首輪のようなものが巻きついていた。
他のメンバーもその異変に気づいたらしく、自分の首に手を伸ばし、ザワついていた。
そこで亜樹は、思い出したかのように自分の首筋に両手を入れた。
ヒヤリと冷たい感触が指先に伝わった。亜樹の首にも皆と同じものが付いているのだと確信した。
やがて全員が目を覚ました頃、テレビの画面がパッと明るくなった。
『おはようございます。起きてくださーい』
誰もが唖然とした表情でテレビ画面に視線を奪われた。そこに映っているのは、AKB48のメンバーなら誰でも知っているはずである男、戸賀崎の姿だった。
『眠っているやつがいたら、近くの人が起こしてやってくれよー』
無表情のまま何かを読み上げるような口調でそう言った。数秒だけ間が開いてから、画面の中の戸賀崎が続ける。
『じゃあ説明始めるぞー! 皆さんが何故そんなとこにいるのか? それはほかでもありません』少しだけ間を開けてから言った。『それは、今からみんなに殺し合いをしてもらいまーす』
耳を疑った。ほとんどのメンバーが顔を見合わせて首を傾げる。中には冗談だと笑うものも居た。戸賀崎は続けた。
『冗談なんかじゃないぞー。今お前らが居る場所は、ある島のそれぞれの本拠地だ』
その言葉でチームA以外のメンバー達もいるのだと思った。恐らく、ここ以外の場所で同じように連れてこられたのだろう。
『お前達にやってもらうことは、ただの殺し合いじゃない。今そこにいるメンバーいるだろ?そいつらは殺さなくてもいいからな』戸賀崎が初めて笑みをこぼした。それは、人を小ばかにしたような笑い方で、亜樹は少しだけイラっとした。
『A、K、B、それぞれ3チームで戦争をしてもらいます』
場がザワついた。
「3チームって・・・KもBもいるの?」
「私よくわかんない・・・」
「戦争って、冗談だよね?」
「ドッキリとかじゃないの?」
「やだ、なんかあたし恐い」
亜樹は戸賀崎が何かを言うのを黙って聞いていた。
『お前らうるさいぞ! いい加減にしないと殺すぞ』
二度目の笑みをこぼした戸賀崎の言葉に全員が反応して、静かになった。
亜樹は少しだけ首を傾げた。うるさい?なんでうるさいって判ったんだろう、と。
『みんなが首に付けてる首輪ですが、それは発信機が内臓されていて、全員の居場所がわかる様になっています。
ですので、もしこの島から逃げ出そうとした場合、発信機が作動して首輪が爆発しちゃいます。いいか?わかるよな?
それで、殺し合いのほうですが、それはお前達に任せまーす。そこに人数分の袋があるだろ?その中に武器と着替えが入ってるから、自由に使うように。
あ、あと食料もわずかだが入ってるからな喧嘩しないように分けて食うんだぞ』
そこまで言うと、一度画面の端へと顔を向けた後、戸賀崎の姿が消えた。
次に画面の端から現れたのは秋元だった。
咳払いをしたあと秋元が口を開いた。
『えー、こんばんわ』
BRU 3
09/01/05 20:29
もう一度咳払いをしたあと、秋元が口を開いた。
『ここは、島です。我々の居る場所は教えられないが、この島のどこかで私達はあなた達を監視しています。
逃げ出そうなんて考えは持たないようお願いします』
丁寧な口調で言うその目は、相変わらず無表情でそれがよりリアル感を与えてくれた。
『そこの荷物の中には地図も入ってます。えー、自分達の本拠地と、宝のありかが記されているんだが、まぁ、宝と言っても金銀財宝とかではありませんので、
えー、君達が少しでもこの戦いに有利になるような物が隠されています。あ、それとな、6時間置きにこのテレビから放送を流します。その放送で、新たな宝が設置されることもあるので、見逃さないようにしてください。』
地図と言う言葉を聴いたとき、咄嗟に荷物の中から地図を取り出したのは、麻里子だった。
折りたたまれた地図を広げると、赤い三角の印の中に「A」の文字が書かれていた。これが自分達が今居る場所なのだろう、と誰もが思った。
そして、島全体に網目状に線が入っており、一番上に左から1,2,3と数字が書かれており、横には縦にA、B、Cと順場に書かれていた。
「これ、宝の場所かな?」
麻衣が首をかしげながら地図の左上、つまりは北東の方角を指差した。そこには確かに宝の場所であろう印が書かれていた。
「どうでもいいよそんなの。それよりもこれ」
みんなの目の前に掲げて見せたのは、銃だった。敦子はそれを重そうに持ち上げると、銃を撃つときのように引き金に指を掛けて持った。
「あっちゃん危ないからこっち向けないで」高橋が慌てるように両手を敦子に差し出すと、敦子はすまなそうな顔で銃の真ん中を掴み、テーブルの上に置いた。
鉄の塊がテーブルの上でゴトリと音を立てる。
『みなさんは、仲間たちと協力し合って生き残らなければいけません。各3チームのうち2チームが全滅した時点でこのゲームは終了です。
上手くやれば自分のチームの仲間を1人も殺さずにこの島から出られるかもしれません。時間は無制限です、何日かかっても構いませんので、思いっきり殺しあってください』
そこまで言うと、秋元は画面から消え、再び戸賀崎が顔を出した。
『そういうことだ。判ったか? それじゃ、ゲームを開始す――――すまん、言い忘れてた。今、お前らのいる場所の外に大きな箱があると思うんだが、
その箱の中に仲間が入っている。殺すも生かすもお前ら次第だが、出来れば一緒に戦う仲間にしてあげてくれ』
そういうと、戸賀崎は苦笑いで口調を早めた。
テレビの画面が歪み、元に戻る。亜樹は自分の手のひらが汗でびっしょりと湿っているのにここで初めて気がついた。
喉がカラカラだったが、搾り出した唾液をゴクリと喉を鳴らして飲んだ。
『それじゃ、説明は以上だ。健闘を祈る』
ブンッと画面が真っ暗になると、みんなの口からドッとため息が吐き出された。
それぞれがようやくと言った感じで口を開いた。
「ちょ、本当かな?」
「殺すって言ったときの顔、マジだったよ」
「でも、これ本当の銃だよね?」
峯岸が銃を指先で突くと人差し指と中指と親指で軽く持ち上げた。
「ねえ、この箱じゃないですか?」
外で独特の高い声を大きく張り上げたのは佐藤亜美菜だった。亜美菜が指し示す先には確かに箱があった。
それは、人が小さく身を縮込ませれば3,4人は入れるほどの大きさだった。
「どうする?」友美が高橋の方を向いて言った。困ったような顔をした高橋が、麻里子に助けを求めて見つめた。
「開けましょう」言ったのは亜樹だった。
あの流れからして、今更戸賀崎が嘘を言うとは思えなかった。この中に人が入っているのなら、早く出してあげなければ。
そういう思いが強かった。留め金を外して、ゆっくりと箱を開ける。
「えっ?」中を見た瞬間、皆が口に手を当て驚いた。「仲間って・・・研究生の子達なの?」
その顔ぶれは誰もが知っている子たちだった。麻衣が慌てて箱の中から引っ張り出す。
高橋と麻里子がそれに習って同じように引っ張り出した。
ガムテープを剥がされて、大きく息を吸うと、「ありがとうございます」と言った。
並ぶように立たされたのは、左から、中塚智美、小原春香、藤本紗羅、畑山亜梨紗の4人だった。「あんたたち、どうして・・・?」
BRU 4
09/01/07 19:54
「研究生公演があるからって・・・」「なんで私達こんな目にあってるんですか? テレビ番組の収録ですか? だとしたら、性質が悪すぎます」
「お、大声ださないでよ、私達だって何がなにやら・・・ねぇ?」
一気にまくし立てる有馬優茄に浦野一美が両耳を塞いでたじろぐと、平嶋夏海のほうを向いて同意を求めた。
ふう、と息を吐き終えた優茄が、今度は瞳に涙を浮かべてその場にしゃがみ込むと、「もう、やだ」と呟いた。
「多分、番組収録かなにかだよ。だって殺し合いなんかあるわけないじゃん」
平嶋が慰めるように石田晴香の肩を叩いた。叩かれた本人は、慰めになってなかったようで、俯いたまま動こうとしなかった。
その隣で鈴木菜絵が足でなにやら地面に文字を書いていた。仲川遙香が不思議そうにそれを見つめている。
「ズッキー、なにやってんの?」
その疑問に最初に口を開いたのは、多田愛佳だった。菜絵の目の前にしゃがみ込むと、その書かれた文字を読み上げた。
「こ・・・ろ・・・す・・・?」読み上げたあと、顔を上げた。見上げた果てにあったのは、菜絵の笑顔。愛佳は一瞬表情が凍りつき、動くことができなかった。
「殺すって・・・」一美が苦笑いで口を開くと、菜絵が笑いながら愛佳の頭を撫でるように叩いた。
「『ころすけ』って書こうとしてただけじゃないですか。やだなぁ、もう」そう言ってから、右足で最後に「け」と乱暴に書いた。
一美と平嶋がお互いの目を見合わせると、何かを確認するように口を開いた。
「3人は、殺し合いのこと知ってるの?」
視線を一美の方へチラっと向けた優茄が、立ち上がってゆっくりと喋りだした。
「箱の中に押し込められたときに聞きました・・・・でも、そのときはパニックで意味が判らなくて・・・」
「本当に殺しあうんですかね?」
「そんなわけないじゃん! 冗談止めてよ!」
菜絵が明るい口調で言うと、優茄が怒鳴りつけた。へらへらと笑う菜絵を柏木由紀は先ほどからずっと睨みつけていた。
「これがどんな意図で始まったのか判らないけどさ、殺し合いなんて本当にさせるわけないじゃん―――もし、もし本当でも、人を簡単に殺せる人なんていないよ。
だって、仲間なんだよ・・・」
早乙女美樹は、先ほど菜絵が文字を書いていた辺りの地面を見つめてからそう呟いた。
「そ、そうだよ!メンバー同士で殺し合いなんて出来るわけ―――」先程から俯いていた渡辺麻友が、顔を上げて言った。
その声は僅かに震えていて、言ったあと再び俯いてしまった。
「あの〜、武器ってこれですよね?」
いつの間にテントの中に入ってたのか、菜絵がサブマシンガン(H&K54)を片手に構えて嬉しそうに撃つ真似をする。
「危ないから止めて!」それを止めようとする平嶋に、銃口をわざと向けて笑ってから「冗談ですよ」と言った。
悪戯をする子供を相手にしたように、平嶋が「ふう・・・」とため息をつく。
「さて、それが本物かどうかはともかく、これから私達はどうしたらいいか考えよう」
一美のこの一言で、皆が一斉に黙って考えた。未だにへらへら笑う菜絵と、それをジッと見つめている柏木を除いて。
「あいつは癌だ・・・」
誰かがそう呟いたのを仲谷明香は聞き逃さなかった。言った本人を見る。
明香はこれから始まるであろう事態に不安と恐怖を感じはじめていた。
BRU 5
09/01/08 19:47
ダダダダダダダ。小刻みに鳴るマシンガンの銃声がテントにいくつもの穴を空ける。
夜啼き鳥がパタパタと羽ばたいて木々を揺らすと、大島優子はマシンガンをテーブルに置いた。
「本物だね」至って冷静な優子に対し、小野恵令奈は口を大きく開けてそれを見つめていた。
「それ、私使おうかな?」テーブルに置かれたマシンガン(イングラムM11)を手に取った宮澤佐江が、マシンガンを構えて嬉しそうに「かっこいい」と笑った。
「ねえっ―――」
「佐江はこっちが似合うんじゃない?」
疑問を口に開きかけた恵令奈を遮って、秋元才加が笑いながらもう一つのマシンガン(トンプソンM1A1)を差し出した。その隣で荷物の中を漁り、食料を取り出している大堀恵が、水の入ったペットボトルの蓋を開けて口を付けていた。
「ねえっ―――」
もう一度、今度は先ほどよりも大きな声を出す。
「なに?」佐江が代表して恵令奈に返事をすると、視線を同じ高さに合わせてきた。
それに対して少しだけムッとした恵令奈だったが、すぐに思い直して疑問を口にした。
「なにしようとしてるの?」
不安を抱いたその質問に、佐江がニッと笑みを浮かべた。その恵令奈の隣に立っている早野薫の顔が引きつっているのは、佐江の口から返ってくる言葉が予想できたからだ。
「なにって――戦争の準備だよ」
当たり前のようにそう答えた佐江が、恵令奈の頭をポンポンと2回叩いてから、テーブルの上に並べられた武器を手に取りはじめた。
極度の緊張からか、最後のほうは涙声になっていた。それを聞いた恵が嬉しそうに笑むと、恵令奈を軽く突き飛ばしてから踵を返して、再び振り向いた。
「じゃあ、決まりだね」
優子が微笑んでから、テントの出入り口付近を覗き見る。そこには、箱から出されて一切の言葉を発していない研究生3人が立っていた。
「3人ともそれでいいよね?」
言われて、頷いた大家志津香が隣の瓜屋茜のほうを、チラっと見てから俯いた。近野莉菜が少しだけ不満そうな顔をしているのを優子は気づいたが、それに関しては何も言わなかった。
マシンガンで開けられた穴から、冷たい風が吹き抜ける。才加がクシャミを2回したのをきっかけに、薫は手榴弾を素早く隠し持った。
「戦争・・・」成瀬理沙がそう呟くと、奥真奈美が俯いたまま目をギュッと閉じた。それを察してか松原夏海が肩を抱き寄せて小さく「大丈夫」とだけ言った。
「手榴弾は小さい子たちに持たせたほうがいいよね?」言ってからパイナップル型の手榴弾を優子が数え始めた。
「じゃあ、優子が持ってれば?」
「確かに」
才加が冗談ぽくそう言うと、佐江が同意するように笑った。
「ちょ・・・もうっ・・・」
反論しようとするも、大きな二人を見上げる形になっているのに気づいて、拗ねるふりをすることで怒りをアピールした。
「ねえねえ、みんな」食料の缶詰をつまみ食いしていた恵が、急に立ち上がり舐めるように全員の顔を見回す。
唇を舌でペロっと濡らすと、続けて口を開いた。「死にたい? 死にたくない?」それは、全員に対しての質問だったのであろうが、
恵の視線は倉持明日香のとこで止まっており、明日香は蛇にでも睨まれているかのように、動くこともできずに目だけを泳がしてそのまま俯いた。
「死にたいの? 死にたくないの? どっち?」テーブルを迂回しながら歩き出すと、今度は恵令奈の顎を親指と人差し指で持ち上げてから、見詰めた。
長い沈黙。いや、長く感じているだけで実際はまだ10秒も経っていない。
「しに・・・」
顎を持ち上げられた恵令奈が口を開く。
「しに?」小首を傾げた恵が、続きを急かして鸚鵡返しをした。
「死にた・・・くない・・・」
BRU 6
09/01/09 22:19
「ねえねえ、他のチームはどこにいるんだろうね?」
優子が地図を広げて「K」と書かれた文字の上を指先でなぞった。
「適当にウロついてれば見つかるんじゃない?」よほど気に入ったのか、佐江がマシンガンを抱えて眺めながら言った。
「とりあえず、この宝っての探さない?」
「宝探し? いいね」
才加が宝のある場所を指し示すと、優子が嬉しそうに同意した。
「私は残るわよ。行くならあなたたちだけで行ってよね」
恵が椅子に座ったまま、銃(H&KUSP)に弾を込め、素知らぬ顔でそう言うと、才加にそれを突きつけて「バンッ」と撃つ振りをした。
「じゃあ・・・薫」才加に呼ばれて驚いたのか、薫が肩をビクッと上げた。才加はそれを知らん顔で一瞥したあと、地図の「K」の文字の右方向にある印を指差してから続けた。
「ここの宝取ってきてよ」
「えっ、私?」
言われて薫は目を泳がせ首だけを動かし、全員の顔を見回した。そして、「無理だよ・・・」とだけ言った。
「私らこっちの取ってくるからさ」先ほど指差したとこからさらに下側にある印を指差して才加は笑った。
佐江が武器を一つだけ薫に放り投げると、「がんばってね」と微笑んだ。
「じゃあ、いこっか」優子が立ち上がると、才加は頷いてマシンガンを肩に掛けて持ち上げた。
2人が外に出るのを見送ったあと、薫は受け取った銃を手の平の上に乗せたまま、立ち尽くしていた。
「かおりん、なにやってんの?」
佐江が不思議そうにそう言うと、「あ」と口を大きく開け、「ごめんごめん」と続けて言った。
「1人じゃ怖いよね? 誰か一緒に行ってあげて」
佐江の呼びかけも虚しく、誰も返事をしなかった。
「みんな冷たいな。仕方ない、かおりん頑張って」手の平に乗せてた銃を、佐江が包み込むように握らせ、薫の背中をテントの外へと押した。
「待って」
テントの中から発せられた声に佐江が振り向いた。動きを止めた恵が眉を持ち上げる。
「私も行く」野呂佳代だった。今まで一言も言葉を発しなかった佳代が、手を挙げて前へ出てくる。
テーブルに置いてある武器を一つ取ると、佐江の体を突き飛ばすように押しのけて、薫の手を取った。佳代に引っ張られた薫が後ろを振り返ると、面白くなさそうな顔をしている佐江がこちらを睨み付けていた。
「佳代ちゃん、痛い・・・」
テントが見えなくなった辺りで、薫が眉をへの字に下げて呟く。
「あ、ごめん」
手を離した佳代が、申し訳なさそうにそう言うと、今は見えなくなったテントのある方向に視線を向けた。
966 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 12:57:02
やはり貴方は投稿しすぎです。バイバイさるさん。
名前: 名無しさん@お腹いっぱい。
E-mail: oh
内容:
「どうしたの?」薫が佳代の視線を辿ってから首を傾げると、佳代が唇の片端を持ち上げて口を開いた。
「・・・あの子らの勝手にはせない」
それは、佐江たちのことだろうと薫は思った。佳代の言葉に何も返さず黙っていると、佳代がふうっとため息にも似た呼吸をした。
「かおりん、勇気あるね」
軽く笑んでから歩き始めた。何のことなのか判らず後を追いながら「え?」とだけ言った。
1人で外に出ようとしたことを言ってるのか、それは薫の意思ではないことくらい佳代は判ってるはずだが。
薫が首を傾げていると、佳代が嬉しそうに笑ってから言った。
「手榴弾、盗んだよね?」
「・・・あ」バレてた。何か気恥ずかしくなり誤魔化すように顔を俯かせる。
佳代はそれ以上問い詰めなかった。代わりに、えっほ、えっほ、と声を発しながら歩き続けた。
ポケットの中の手榴弾を確かめるように握り締める。そして、少し離れた佳代の背中を再び追いかけた。
【斎藤氏に無断で転載って云うか…】
>>966 無断で転載はどうかと思うけど、一応乙
あと斎藤氏って誰よww
松本氏だろ?
いいねえチーム戦
969 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 18:42:12
970 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 18:44:02
きはるん
あ
い
あか
ち
なか
きか
まゆに
ひ
ぬ
はら
ぬ
た
お
み
や
き
や
ら
は
さ
わ
ま
ぬ
る
く
る
ふ
ささ
し
ら
1001 :
1001:
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もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。