812 :
名無しさん@お腹いっぱい。:
813 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/20(日) 00:25:07 ID:TV/gTGy70
814 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/20(日) 00:29:30 ID:TV/gTGy70
815 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/20(日) 01:12:05 ID:tfdTwE0w0
【「離着陸の支障となる地上走行時間」の差に着目した滑走路処理容量の試算】
1.試算の方法
拡張210m新案と新空港の「離着陸の支障となる地上走行時間」を算出し、
離着陸1回当たりの走行時間の差から、各々の1時間当たりの滑走路処理容量を試算しました。
現在の滑走路1本の運用と比べて、拡張210m新案や新空港では、滑走路が2本になる分、
「新たに」離着陸の支障となる地上走行が発生します。
「拡張210m新案」では、既設滑走路が着陸専用、西側(国際線側)の新設滑走路が離陸専用となるはずです。
この場合、国内線の離陸機は、国内線側の平行誘導路から国際線側の平行誘導路まで、
滑走路2本を横切って移動する必要が生じます。
また、国際線の着陸機は、西側(国際線側)の新設滑走路を横切って国際線ターミナルまで移動する必要が生じます。
「新空港」では、国内線・国際線のターミナルは一体型です。
ターミナルに近い方の滑走路が離陸用、ターミナルから遠い方の滑走路が着陸用になるのが一般的です。
この場合、着陸機は、離陸用滑走路を横切ってターミナルまで移動する必要が生じます。
そこで、国際線・国内線・離陸・着陸の割合や、地上走行速度、地上走行距離などの前提条件を設定し、
この2案それぞれの「離着陸の支障となる地上走行時間」を算出します。
そして、新空港に比べて、拡張西側210m新案の離着陸1回当たりの余分にかかる時間を算出し、
これを基に1時間当たりの処理回数および年間滑走路処理容量を算出します。
816 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/20(日) 01:12:44 ID:tfdTwE0w0
【「離着陸の支障となる地上走行時間」の差に着目した滑走路処理容量の試算】
2.離陸・着陸および国内線・国際線の前提条件
離陸回数と着陸回数は、時間帯ごとに見れば偏りが出ますが、ここでは、
・離陸:着陸=1:1
とします。
また、現状では国際線の割合は2割以下だと思いますが、
今後の伸び率は国際線の方が高いはずなので、
・国内線:国際線=8:2
とします。
その結果、
・国内線離陸機:国内線着陸機:国際線離陸機:国際線着陸機=4:4:1:1
となります
817 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/20(日) 01:13:26 ID:tfdTwE0w0
【「離着陸の支障となる地上走行時間」の差に着目した滑走路処理容量の試算】
3.離着陸の支障となる地上走行距離および速度の前提条件
拡張210m新案の場合、既設滑走路は着陸帯300m、新設滑走路は着陸帯150m、滑走路間隔210mです。
なお、現在の滑走路中心線〜平行誘導路中心線の距離は184mです。
よって、
・国内線側平行誘導路〜国際線側平行誘導路の距離=184m+210m+(184−75)m=503m
とします。
また、この移動をスタートする時は、管制官とのやりとり(会話)が発生するので、
・管制官の横断指示から航空機が動き出すまでの時間(横断時のレスポンスタイム)=10s
とします。
この横断時の速度は、国内線側平行誘導路から直角に機体をカーブさせ、加速し、
わずか503mで減速し、国際線側平行誘導路で直角にカーブさせる必要があることから、
ただでさえ地上では鈍い航空機の平均走行速度はかなり遅くなると予想されます。
速めに見積もって、
・滑走路2本横断の平均速度=30km/h
とします。
また、
・国際線着陸機が新設滑走路を横切る際の距離の増加=210m−75m=135m
となります。
この場合の速度は、着陸後徐々にスピードを落としながら動いており、
かつ平行誘導路での直角カーブは現在の滑走路1本の場合でも同じで無視できるので、
・新設滑走路を横切る平均速度=50km/h
とします。
新空港の場合、着陸機が離陸用滑走路を横切ってターミナルに向かうので、
滑走路間隔300mが「新たに」発生する地上走行距離となります。
この場合の速度は、拡張の国際線着陸機の場合と同様に、
・離陸用滑走路を横切る平均速度=50km/h
とします。
なお、滑走路間隔が300mあれば、離陸機の支障にならないよう、滑走路の間で停止することも可能なので、
この時間はある程度割り引くことも可能でしょうが、
とりあえず、そのまま加算して計算します。
818 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/20(日) 01:14:05 ID:tfdTwE0w0
【「離着陸の支障となる地上走行時間」の差に着目した滑走路処理容量の試算】
4.「離着陸の支障となる地上走行時間」の差
(※四捨五入の関係で小数点以下は合わない場合あり)
(1)拡張210m新案の場合
・国内線離陸機が東西の平行誘導路間を移動する時間(レスポンスタイム含む)
=10s+0.503km÷30km/h×3600s/h=70.4s
これが10機中4機の割合で発生するので、
・10機当たりの合計=70.4s×4=281.4s
・国際線着陸機が新設滑走路を横断する時間=0.135km÷50km/h×3600s/h=9.7s
これが10機中1機の割合で発生するので、
・10機当たりの合計時間=9.7s×1=9.7s
したがって、
・拡張210m新案の10機当たりの地上走行時間の増加=281.4s+9.7s=291.2s
(2)新空港の場合
・着陸機が離陸用滑走路との間隔300mを移動する時間=0.3km÷50km/h×3600s/h=21.6s
これが10機中5機の割合で発生するので、
・新空港の10機当たりの地上走行時間の増加=21.6s×5=108.0s
(3)拡張210m新案と新空港との差
上記(1)、(2)より、
・10機当たりの地上走行時間の差=291.2s−108.0s=183.2s
・離着陸1回当たりの地上走行時間の差=183.2s÷10回=18.3s/回
819 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/20(日) 01:14:43 ID:tfdTwE0w0
【「離着陸の支障となる地上走行時間」の差に着目した滑走路処理容量の試算】
5.滑走路処理容量の算出
離着陸1回当たりの地上走行時間の差18.3s/回から、
拡張あるいは新空港どちらかの1時間当たりの処理回数を仮定し、もう一方の処理回数を算出します。
新聞報道によると、拡張210m新案は現在の1.26倍らしいです。
現在の福岡空港の1時間当たりの処理回数は32回なので、
・拡張210m新案の1時間当たりの処理回数=32回/h×1.26=40回/h
この場合、新空港では離着陸1回当たりの時間を18.3s/回短縮できるので、
・新空港の1時間当たりの処理回数=3600s/h÷(3600s/h÷40回/h−18.3s/回)=50.2回/h
これでは、クロースパラレルの空港としてはあまりにも大きすぎるので、
国が示したとされる拡張210m新案の40回/hは過大だと考えられます。
次に、一般的にクロースパラレルの場合は滑走路1本の場合の約1.3倍になることから、
現在の福岡空港で平行誘導路を二重化した場合の33回/hを基に、
クロースパラレル新空港の1時間当たりの処理回数を仮定します。
33回/h×1.3=43回/h、もう少し多い場合として、45回/hぐらいまでの幅で考えてみます。
@新空港43回/hの場合、
・拡張210m新案の1時間当たりの処理回数=3600s/h÷(3600s/h÷43回/h+18.3s/回)=35.3回/h
A新空港45回/hの場合、
・拡張210m新案の1時間当たりの処理回数=3600s/h÷(3600s/h÷45回/h+18.3s/回)=36.6回/h
こんなものではないでしょうか?
なお、参考までに、「拡張西側滑走路間隔300mの場合」を試算すると、
この場合は、既設滑走路が離陸専用、西側(国際線側)の新設滑走路が着陸専用となるはずです。
国際線離陸機(10機中1機)が東西の平行誘導路間(184+300+184=668m)を移動し、
国内線着陸機(10機中4機)が既設滑走路(間隔300m)を横切って国内線ターミナルまで移動します。
この条件で、拡張210m新案と同様の計算をすると、
・離着陸1回当たりの地上走行時間の差=6.9s/回
となります。したがって、
@新空港43回/hの場合、
・拡張西側300m案の1時間当たりの処理回数=3600s/h÷(3600s/h÷43回/h+6.9s/回)=39.7回/h
A新空港45回/hの場合、
・拡張西側300m案の1時間当たりの処理回数=3600s/h÷(3600s/h÷45回/h+6.9s/回)=41.4回/h
820 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/20(日) 01:17:59 ID:tfdTwE0w0
【「離着陸の支障となる地上走行時間」の差に着目した滑走路処理容量の試算】
6.まとめ 各案の滑走路処理容量の試算結果
以上、各案の試算結果をまとめると、下記のようになります。
年間滑走路処理容量は、現空港の32回/h、14.5万回/年から比例計算しています。
新空港は24時間なので、深夜分として5%(約1万回)割増しています。
また、新空港オープンパラレルの場合は、クロースパラレルの7〜22時までの処理容量を1.2倍した上で、深夜分としてクロースパラレルと同数を加算しています。
○現在=32回/時 14.5万回/年
★拡張210m新案=35.3回/時〜36.6回/時 16.0〜16.6万回/年(現在の1.10〜1.14倍)
★拡張西側300m案=39.7回/時〜41.4回/時 18.0〜18.8万回/年(現在の1.24〜1.30倍)
(実際は、滑走路末端のずれによる乱気流の影響があり、もっと小さいらしい)
○新空港(クロースパラレル)=43回/時〜45回/時 20.5〜21.4万回/年(現在の1.41〜1.48倍)
(これを基準に各案の容量を算出)
★新空港(オープンパラレル)=24.4〜25.5万回/年(現在の1.68〜1.76倍)