「こちらです 社長」
「エンジンが異常過熱してブレードが半分溶けかかっているん
ですよ・・・幸い、機長が機体のブレに気がついて着陸したからよかった
ようなもののあのまま飛んでたらえらい惨事になってましたよ・・」
「稼働している全機の点検はしたのか!?」
「ええ、一応Cチェックまでやったんですが・・・」
「ほかになにか・・・」
「私個人の意見ですが、部品の耐久性に問題があるんじゃないでしょうか!?
ある一定の時間がたつと、急激に劣化する部品が多すぎるような気が
するんですよ。」「交換部品は大量にあるんだからどんどん換えればいいだろ!?」
「小さな部品はほかのエアバスの部品より安いし、うちの会社が日本での
メインサーバーですから大丈夫なんですが・・・機体そのものを構成して
いる部品が、他の部品と同じ基準でつくられているとすれば、これは問題なんですよ・・・」
「しかし、こいつを使いはじめてから国内線は二倍の収益をあげている。」
「はあ・・・」
「とにかく、このMB−14を使用している各社に問い合わせて、同一ケースが
あったかどうかチェックしてくれ!!」
「わかりました。」
「ふうむ・・・たとえ二倍の収益を上げても、事故をおこせば五百人近くが
一度に死ぬんだ・・・増収分なんか全部ふっとんでしまう・・・」