美貴帝のビンタを食らって大の字に伸びていた越後豚2号の斉藤が
むっくりと立ち上がり、凶器の椅子を鷲づかみにすると襲って来た。
野獣のような勘で殺気を感知した美貴帝は、豹のような身のこなしで
凶器を避けた。だが、美貴帝を目の前にして舞い上がっていた小春は
回避の動作が間に合わず、昏倒した。
激怒した美貴帝は凶器を奪い取ると、越後豚2号の斉藤を 椅子で
めった打ちにしてKO。更にはリング上の越後豚1号の小川
>>1に向かって
「おら、降りて来いや、そこに居るウドの大木!」と怒鳴った。
リング上に逃げ込んでいた悪役レスラー小川
>>1は かつて自分が美貴帝に
一方的にボコられ、今度は仲間の斉藤が失神KOに追い込まれたのを見て
恐怖の余り、腰が抜けそうだった。
だが悪役レスラー
>>1は、虚勢を張るのが仕事だ。負ける事は許されても
逃げる事は許されない。玉砕覚悟で美貴帝の挑発に応じざるを得なかった。
悪役レスラー小川が 顔面蒼白になりながらも 逃げるに逃げられず、天敵の
美貴帝の方へ向かう姿は、まるで屠殺場に連れて行かれる家畜であった。
もはや観客の関心は、どちらが勝つか ではない。 図体のデカい(横幅のみ)
悪役レスラー小川
>>1が、軽量級の美貴帝に どんなブザマな負け方をするか?
その一点に絞られていた。