丸太のような腕を振り回して殴りかかる小川
>>1の巨体をヒラリとかわしながら
軽量級レスラー真野が打撃を繰り出す、第1ラウンドの序盤と同じ展開が
再開した。 まるで闘牛のような展開に観客は大喜びである。 白豚のよう
だった小川
>>1の脇腹や足は、ミドルやローキックの跡で紫色になっていた。
「このままでは大差の判定負け。この糞生意気な新人を〆るどころか
二度と対戦の機会が回って来ないかもしれん・・・」 悪役レスラー小川は
焦っていた。起死回生を狙ってパンチのフェイントから肉弾突撃を敢行。
「来た、来た」 劣勢の悪役レスラー小川
>>1が挽回するにはこれしか無い。
先程真野はこれを食らって窮地に立たされたが、あの巨体の下敷きになる
のはもう真っ平であった。
「バキッ」鈍い音と共に悪役レスラー小川の額が割れて鮮血が飛び散った。
肉弾突撃した小川の額に 軽量級レスラー真野の膝蹴りがカウンターで
命中したのである。 大流血しながらなお、軽量級レスラー真野の腰に
しがみついて押し倒そうと試みる悪役レスラー小川。
「ああ、また馬乗りになってしまう・・・」観客が心配したその瞬間
悪役レスラー小川
>>1の巨体が浮き上がったかと思うと、真野の頭を通り越し
放物線を描いて後方に地響きを立てて落下した。
「柔道の巴投げだ!」観客席は総立ちで歓声を上げた。