第2ラウンド開始のゴングと共に突進して来てパンチを振り回す小川を
かわす真野のフットワークは序盤とは打って変わって精彩を欠く。
ついにヘッドロックで捕らえられてしまった。
そのまま力任せにねじり倒されるかと観客が悲鳴を上げ始めた瞬間、
悪役レスラー小川
>>1の巨体が宙を舞い、真野のバックドロップが炸裂した。
地響きを立てて後頭部から落下する悪役レスラー小川
>>1を見て
観客は狂喜した。 バックドロップは、正統派美少女レスラー
真野にとって、最も得意な技である。
ただし、第1ラウンドのダメージが残っていたのと圧倒的な体重
差のため、十分に体を捻り切る事が出来ず、技を繰り出した
真野自身も後頭部を打ってしまった。
よろめきながら真野が立ち上がると、ほぼ同時に小川
>>1が立ち
上がって来るのが見えた。「これでやっと五分五分か」
実際には悪役レスラー小川
>>1は、派手に落下した割りにダメージは
負っていなかった。巨顔で有名な小川の頭蓋骨は 常人の3倍の
厚みがあり、ちょっとやそっとの衝撃では脳まで伝わらないのである。
小川がフラフラしながら太い腕を振り回してパンチで接近して来た。
「馬鹿の一つ覚えか」 失笑しつつ真野がかわした と思った瞬間、
それまでフラフラしていた小川が恐ろしいスピードで体ごと突っ込んで
来た。不意を突かれた美少女レスラー真野は、小川が最も得意とする
肉弾突撃をモロに食らってしまった。