UFB「真野ちゃんと君じゃ体重もキャリアも違い過ぎる。期待の新人を今
壊すわけには行かないんだが・・・」
小川「こう見えても私はプロですから。悪役らしく大暴れするフリしながら
手加減して、最後はちゃんと勝ちを譲りますよ」
厚顔無恥な小川
>>1は、全力で叩き潰す気でいるにも関わらず、カラ約束を
連発すると、強引に対戦相手に収まった。
悪役の試合など見た事さえ無い真野は、対戦相手の変更を聞いても小川とやらが
どんな選手なのか ピンと来なかった。
いつもの通り、観客の声援に笑顔で手を振りながら入場した真野は、リング上で
仁王立ちになっている対戦相手を見て真っ青になった。
相撲取りかと思うような巨漢が、殺気のこもった目付きでこっちを睨んでいるのだ。
これまで同年代で軽量級の美少女レスラーとの対戦しか経験していなかった真野は
初めて間近に見る重量級の悪役レスラー
>>1が怖くて泣きそうになった。
「心配するな。奴は図体こそデカいが、練習しないし根性も無いから弱い。このところ
連戦連敗で勝ってるところなど見た事が無い。」セコンドがそう言うと真野は小さく頷き
リングに入った。
試合開始のゴングとともに悪役レスラー小川は 丸太のような腕を振り回し
殴りかかって来た。破壊力だけはありそうだが、スピードはのろく、新人の
真野でも比較的余裕を持ってかわす事は出来た。
「もしかすると、悪役だから手加減してくれてるのかな?」
実際には当の小川は殴り倒す気満々で振り回しているのだが、肥満体ゆえ
軽量級の真野の動きに付いて行けないのである。真野のセコンドが言う通り
生来の怠け者ゆえ練習もしておらず、一層動きは鈍かった。