悪役レスラー小川
>>1にとって、人気最下位は定位置である。
そんな小川には 若くて可愛い新人レスラーがデビューして
すぐ人気を得て華々しく活躍する姿ほど腹立たしい事は無い。
最近の小川
>>1が一番気に入らないのは、近頃台頭著しい真野
恵理奈である。
UFBでは大部分の選手が団体でデビューし、その中で人気を
競い合い、勝ち残った者が エース格として抜擢されるのが
一般的である。ところが真野はデビュー前、研修生のうちから
人気が出てしまったため、始めからソロ&レギュラー出演という
破格の扱いでデビューを飾った。
「新人のくせに生意気。アタシの巨体で押し潰してやる!」
嫉妬に狂った悪役レスラー小川
>>1は、真野と対戦する機会を
虎視眈々と伺っていた。
数年前には当時日の出の勢いだった小春に真剣勝負を挑み
返り討ちで惨敗した事など もちろん忘れている。
都合の悪い事はすぐ忘れる才能が無ければ、人気最下位のまま
レスラー稼業を続ける事は出来ないのだ。
その日、真野は同年代の有原選手との試合が組まれていた。
ところが対戦相手が急遽「外反母趾」という冗談みたいな理由で欠場となり
UFBは頭を抱えていた。観客の中には最近急上昇中の真野選手が目当てで
チケットを買った者も多い。何とか代打を立てて試合させる必要があった。
いち早くこの情報を入手した悪役レスラー小川
>>1は、待ってましたとばかり
対戦相手に立候補した。