【小説】リア消だったら誰に告ってた 新章【キッズ】
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ねぇ、名乗って:
スクランブル ☆WHITE☆
「男子って、どうして可愛い子の前だとあぁなんだろう…」
私は何気無く会話をしていたハズなのに、その言葉は知らずに心の声…つまり愚痴に変わっていた。
「『あぁなんだろう…』って何が?」
隣で会話を聞いていた桃ちゃんが私を不思議そうに見つめていた。
何も言わずに一点を見つめている私に気付いたらしく桃ちゃんもその方向を見つめる。
私が見つめていた先には気になるアイツがいて〜…
彼はクラスで1番可愛くって人気のある雅ちゃんとデレデレしながら話をしていた。
その嬉しそうでもあり幸せそうな表情に…ちょっと胸が痛くなっていた。
(も〜っ!ずっとデレデレしちゃって…そんなに雅ちゃんが好きな訳!?)
彼を見つめていた私は、途中で『ハッ』として窓ガラスに映る自分を見た。
私の表情は知らずのうちに『ムスッ!』っとした膨れっ面に変わっていた。
「はぁ…全然可愛くないな〜…私って…」
そんな落ち込んだ私を横から除き込むように桃ちゃんが笑顔で見つめていた。