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ねぇ、名乗って:
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ねぇ、名乗って:05/01/01 17:25:45 ID:9oqyQ32w
2ゲト
第1話「宇宙一強いプロレスラーより」
第2話「なつみかん」
第3話「陽の当たる場所に」
第4話「高橋愛vs紺野あさ美」
第5話「本当の優勝者」
第6話「亜依の望み、希美の愛」
第7話「ターゲットの名」
第8話「激闘!メロン」
第9話「枠」
第10話「お前か!」
第11話「東の光、西の闇」
第12話「プロレスの神様」
第13話「抽選会」
第14話「来ないで」
第15話「開幕」
第16話「もっとも恐れる者」
第17話「主人公じゃない」
第18話「七秒」
第19話「夢失いし娘の見た光景」
第20話「高橋愛vs辻希美」
第21話「藤本美貴vs矢口真里」
第22話「携帯に出ない女」
第23話「終わりの始まり」
第24話「頂上が見えた日」
第25話「エリの遊び」
安倍なつみ・番外編「なっちのみち」
第26話「最強チーム完成!」
第27話「恐るべき少女たち」
第28話「天使は羽ばたく」
第29話「戦いは終わらない」
松浦亜弥・番外編「戦場の女神」
第30話「アイ」
第31話「二人の夢はいつまでも」
第32話「プロジェクトKの子供達」
後藤真希・番外編「黄金時間」
第33話「野生」
第34話「宣戦布告」
第35話「プッチ公園の落日」
第36話「すべての道がひとつに繋がる」
第37話「バトル・サバイバル開幕」
第38話「序盤戦」
第39話「加護亜依vs辻希美」
バトル・サバイバル生存者(残り35名)
【夏美会館】安倍なつみ・辻希美・紺野あさ美・里田まい
【ハロープロレス】飯田圭織・新垣里沙・ソニン・松浦亜弥
【講道館】矢口真里・小川麻琴
【市井流柔術】後藤真希
【高橋流柔術】高橋愛
【チーム・メロン】柴田あゆみ
【海外招待選手】アミーゴ・ロムコー
【保田一派】亀井絵里・田中れいな・道重さゆみ・藤本美貴
【闇】石川梨華・加護亜依・中澤裕子・平家みちよ・????
梅田えりか・清水佐紀・嗣永桃子・矢島舞美・石村舞波・須藤茉麻
徳永千奈美・夏焼雅・熊井友理奈・菅谷梨沙子・鈴木愛理・中島早貴
第40話「魔の饗宴」
安倍なつみだ。
木の上から辺りを見渡していた石村がそう言うと、残りの4人は同時に視線を落とした。
およそ格闘技に携わる者で安倍の名を知らぬ者はいまい。
最強。その二文字にもっとも近き存在。
「間違いないよ」
「本物だ」
K最大派閥である嗣永派の5人は色めき立った。
まさか最初に見つけた獲物がいきなり敵陣の大将だとは。
「どうします?桃子さん」
「決まってんだろ」
嗣永派のリーダー嗣永桃子の顔はやる気の顔だ。
安倍なつみを倒したとなれば、マスターから受ける賞賛と信頼は計り知れない。
K全体のトップの座が約束される。
「いくぞ!」
「だめよ桃子!安倍と飯田の2人には手を出すなと上から言われているでしょ」
「大丈夫だって佐紀。やっちまえば関係ねえよ。それにこっちは5人だぜ」
清水の説得もむなしく嗣永は飛び降りた。残りのメンバーも続く。
なっちの前に嗣永桃子・清水佐紀・梅田えりか・徳永千奈美・石村舞波の5人が現れた。
「へぇ〜」
誰かが自分を見ていることに気付いてはいた。
でもまさかこんな小さな子供達とは思いもよらず、なっちは口笛を鳴らす。
「よく降りてこれたねぇ、お譲ちゃんたち」
「安倍なつみだな」
「それを知っていて…よく降りてこれたなって言ってんだよぉ」
いくら子供とはいえ5人に囲まれたこの状況である。
(なんなの…この余裕)
清水は少し不安を感じて嗣永を見る。
しかし嗣永は完全にやる気で敵意をむき出しにしている。
(いまさら遅いか。やるしかないわ。どんなに強くても5対1では…っ!)
ドン!
いきなり飛んできた安倍に反応が遅れる清水。
(速いっ!)
清水は古武道をたしなんでいる。安倍の攻撃をすぐに受け流そうとした。
だが間に合わない。今まで練習してきたどんな奴とも違う。
なっちの手刀を首に叩き込まれ、清水は崩れ落ちる。
「佐紀っ!!」
一瞬の出来事に、他の4人は目を見開く。
不意打ちでまず一人減らす。
その一人に清水佐紀を選んだことは安倍にとって正解であった。
五人の中で単純に強いのはリーダーの嗣永である。
だがチームの頭脳となり作戦を組み立てる役割を果たしていたのは清水である。
頭脳を失うということは残り4人がただの烏合の衆になり果てるということ。
清水がそういう役割を担うと知ってか知らずか、とにかく安倍はまず清水を潰した。
「まず、ひとぉり」
振り返り微笑む安倍の顔に、残り四人はハッと我に返る。
そして一斉に安倍に襲い掛かってきた。
複数人相手で真価が問われるのはここからである。
もう不意打ちは通じない。同時に襲い掛かられる為、うかつに大技も出せない。
組み付かれたり倒されたりしたら、そこで終わりである。
……だが安倍は落ち着いていた。
まず防御に徹した。
前羽の構え。
完全に受けに徹した安倍なつみを崩すことは不可能に近いかもしれない。
背後をとられぬ様にたえず足を動かしながら受け続けた。
受けながら敵の特性を見極めている。格闘スタイル・特技・弱点…
(ダメだ)
四人の中で最初に気付いたのは徳永千奈美であった。
(ここは引いた方がいい)
彼女はもともと嗣永派に固執していない。親友の石村がいるから所属しているだけ。
だから安倍なつみを襲うことにも肯定的でなかった。
(佐紀さんがやられた時点で、私達に勝ち目はなくなった…)
だがそれを言ってあの嗣永桃子が納得するはずもない。
そんなときに事件は起きる。
徳永は見た。親友の石村舞波の背中がポンと突き飛ばされる光景。
「え?」
背中を押された石村は虚を突かれた顔で安倍の懐に入る。
当然安倍は攻撃する。懐に入られては組み付かれる危険性もある。
前羽の構えを解いて石村に正拳突きを叩き込んだ。
まるでその瞬間を待っていたかの如く、石村の背後から一筋の閃光が飛び掛ってきた。
「舞波ぁーーーーーーーー!!!」
信じがたい映像が徳永の視界に入り込む。
石村は嗣永を慕っていた。嗣永はそんな石村を平然と安倍の方へと突き出したのだ。
そして安倍が石村を攻撃した瞬間に狙いを定めて飛び掛る。
そのジャンピングニーが安倍なつみの頬を裂いた。
「クソガキィ…」
この卑怯極まりない攻撃にむしろ安倍は笑みを浮かべる。
(相手は子供だから少し遠慮してたんだべ)
(でもそういうことなら…なっちも好きにさせてもらう!)
安倍は反撃の蹴りを繰り出す構え。
これに合わせて嗣永はすぐに下がろうとする。
その顔に地面の土が飛んできた。安倍が蹴りと同時に下からすくい上げたのだ。
(なっちと卑怯な手でやり合おうなんて一億年早いべさ!)
ルールに縛られた試合よりも、なんでもありの喧嘩の方が得意。
安倍なつみにとってはそこら中にあるすべてが武器と化す。
「…っく」
しかし、土で視界を奪われた嗣永は咄嗟に、横にいた仲間・梅田えりかの袖を引っ張る。
強引に梅田を自分と安倍の間に引き込んだのだ!
当然、安倍の蹴りは梅田にクリーンヒットし、嗣永はその隙に難を逃れた。
「えりかさん!!」
徳永はまた叫んだ。
もう確信した。
嗣永桃子は始めから5人で安倍なつみを倒す気なんかないんだ。
「桃子さん!あんた私たち4人を利用して自分1人だけが勝てばいいと思ってるの?」
「なぁに言ってんだよ千奈美」
徳永千奈美の問いにニヤリと笑う嗣永。
「当たり前じゃねぇか。勝つ為ならなんだってする」
「…っ!!」
「それより千奈美。お前も本気出せよ。知ってるんだぜ、いつも隠してるだろ」
「なに?」
「私もそろそろ本気を出す。なぁに私とあんたの二人ならまだ勝てるさ」
「断る!そうやって私も利用する気だろう!」
「心配すんな千奈美。お前は舞波らとは違う、だろ?」
「ふざけるな!!」
「ちょっとぉー、お取り込み中すいませんねぇ」
ここで安倍が口を挟む。
「まるで二人が本気で戦えばなっちに勝てるみたいな会話ですけど…」
「…」
「それは、なっちもまだ全然本気じゃないことも前提に話してるよねぇ?」
「本気じゃない…?」
「当たり前だろクソガキ。マジだったらそこの三人ほんとに全員死んでるべさ」
その瞬間、安倍なつみの体から溢れんばかりの気が発された。
「っ…!!」
生き残った嗣永と徳永の顔色が変わる。
「ケッ上等だ…おもしれえ」
「桃子さん!無理だ!私は引く!」
「勝手にしろよ。私は一人になっても戦うぜ」
「く……」
徳永は悔いた。
やはりこの安倍なつみには手を出すべきではなかったのだ。
五人がかりだからとかそんなことは関係なかった。このままでは嗣永派は壊滅だ。
「逃げてっ!」
その声は、安倍なつみにしがみつく小さな影から発せられた。
驚いた徳永千奈美は思わず声をあげる。
「佐紀さん!!」
「一旦引くのよ!桃子!千奈美!他の子たちと協力して…」
清水は自分を犠牲にして二人を逃がそうとしているのだ。
それを察した徳永はコクリと頷いて、走り出す。
嗣永は逃げる気などなかった。
だが苦楽を共にした親友の言葉に、今回は身を引くことを決する。
「覚えてろ、安倍なつみ…」
嗣永桃子もその場を去った。
すでに負傷している清水佐紀を取り払うことなど、なっちにすれば造作もない。
だが清水の仲間を守るという姿勢に免じてそれをやめた。
「少しは根性ある子もいるじゃん」
手刀一閃。安倍なつみは清水を気絶させた。
結果、気を失った石村舞波と梅田えりかと清水佐紀が残る。
なっちは嗣永にやられた頬をさすりながら、ため息まじりに呟いた。
「ちぇ、五人抜きを狙ったんだけどな」
『勝負ありぃ!!』
例の如く、島全体に決着の放送が流れる。
海岸で斉藤美海に勝利した高橋愛は、海岸の先の丘陵地帯でこの放送を聞いた。
最初に自分が、その次に加護亜依の名が、勝利者として呼ばれている。
(さぁ〜て、今度は誰や?)
『敗者!石村舞波!梅田えりか!清水佐紀!』
ここでいつもと違う事態。
一度に三人もの名が敗者として告げられたのである。
ということは多対多か?もしくはたった一人で三人もの相手を葬ったか?
後者だとすれば、それはとんでもない事実となるが…!
『勝者!安倍なつみ!』
おそらくは島中にいるすべての人間が、この一人の名に意識を奪われたであろう。
(やっぱり安倍さん!しかも三人抜きかぁ!!)
高橋愛もまた新たな武者奮いを感じた。
一人倒すだけでも大変なこのサバイバルで、いきなり三人抜きをしてのける存在。
伊達に『格闘技界最強』と呼ばれる訳ではない。
『残り32名!』
ところが、もう他の誰も真似できないであろうと思われたこの「三人抜き」が、
新たな波紋を呼び起こすこととなる。
島の南東に位置する集落地帯。
この神社の境内では夏美会館空手とハロープロレスの激闘が続いていた。
里田舞vsソニンと紺野あさ美vs新垣里沙である。
「ハアァ…ハア…ハァ…」
「…やるじゃねぇか」
「そっちこそ」
すでに戦闘が開始して30分近く経過している。
一瞬も緊張を緩めることのできないこの状況での戦い。
体力自慢であった里田やソニンですら、疲労ですでに息があがりきっていた。
しかし…
「なんだよ…あいつら」
悪態をつくソニンが見つめる先には、空手界とプロレス界の若きエース。
紺野と新垣は未だ互いに息も付かせぬ激しい攻防を続けていたのである。
(空手が上だ!)
(プロレスが上だ!)
二人にはそれぞれ折れられぬ理由があった。
「認めたくはないが、あいつらはもう我々を遥かに越えているようだ」
「ちっ…ああ」
里田とソニンは同時に思った。
空手を、プロレスを、この激闘の行く末を、託す、と。
複数の格闘技を習得することが常識となってきた昨今、
頑なに一つの格闘技を追い続けた二人だ。
紺野は空手以外の闘い方を知らない。それが最強への道と信じてきた。
新垣にもプロレスしかない。他の生き方を知らない。
そんな二人の激突である。熱くならないはずがない!
里田もソニンもすでに自分達の闘いより、そのあまりに激しい激突に目を奪われていた。
(願わくば、完全決着を)
(敗者すらも感動できる、最高の結末を、この二人に…)
「い〜ち、にぃ〜」
魔の声色は、そんな儚い願いを里田が願った後に、境内に聞こえ始めたのである。
「さぁ〜ん、しぃ〜、キャハ♪」
気にする余裕はない。紺野と新垣は激闘を続けている。
代わって里田とソニンの二人が咄嗟に後ろを振り返った。
クネクネと身を捻らせながら階段を上がってくる少女がいた。
「ぴったし四人。ちょうどいいです♪」
少女は嬉しそうにニコニコ笑いながら、言った。
このバトル・サバイバルに新たな旋風を巻き起こす娘。
「安倍さんが三人抜きだから、エリは四人抜きしちゃいますね、エヘヘ〜♪」
――――という訳で新年初更新でした。
改めまして、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
新年おめ
いよいよキャメイの登場?
1〜12話を今更見ようと思ったんだが
見れなくなってた…orz
もう見れないんでつか?(´・ω・`)
2005年も一週間すぎちゃったなぁ保全
亀井絵里。
夏美会館とハロープロレスが激闘を繰り広げる境内に姿を見せたのは、彼女であった。
「四人抜きだぁ?笑わせるなよクソガキ」
現れた娘がいかにも弱そうであった為、ソニンはなめてかかった。
彼女が石黒を倒し、あのジョンソン飯田までも追い込んだ娘と知らない。
ソニンはドンと亀井の肩を突き飛ばした。
異様な感触が掌に伝わる。
まるで骨がないかの様な柔軟さ。
クネクネッと亀井がソニンにまとわりつく。
その一瞬。
里田は目を見開く。
自分と30分も互角以上の闘いをし続けたソニンを、ほんの一瞬!
バキバキバキバキィィィィィ!!!!
全身の骨をこなごなに砕く音。
崩れ落ちるソニン。
ニィッと微笑む亀井。
「貴様!なにをした!」
「エヘヘェ、折っちゃいましたぁ♪」
「邪魔するな!二人は空手家として!レスラーとして!魂をかけて戦っているんだ!
お前も格闘家ならば、一対一の神聖な決闘を邪魔なんてできないはずだろ!!」
「ん〜?」
「やめろぉぉぉぉ!!!!」
新垣里沙は熱くなっていた。
ようやく出遭えた。心の奥底から燃え上がる闘いを共にできる相手。
こういう闘いをしたかったんだ。
なぁお前もそうだろう、紺野あさ美。
やってやろうぜトコトンまで。
「ギィヤァァァァァ!!!!!」
悲鳴?
横から悲鳴が聞こえてきた。誰の悲鳴だ?
ああ、そうだ。すぐ隣でソニンさんと夏美館の里田も戦っているんだった。
これほどの悲鳴が聞こえたってことは、そっちが終わったってことか。
どっちが勝ったんだろう?
気になるけれど余所見しているヒマは無い。
少しでも余所見したらすぐに紺野が殴りかかってくるからだ。
だけど私だってお前が余所見したらすぐに飛び掛るからな。
ん?
なんだあの手は?
おい紺野!お前の後ろに立っているそいつは誰だ!?
気がついてないのか!
待て!私のタックルに備えて身をかがめている場合じゃないぞ。
後ろのそいつがお前の首に手を回そうとしているぞ。
ソニンさんでもない。里田舞でもない。
じゃあ?じゃあさっきの悲鳴は一体誰の悲鳴だ?
(…二人とも倒れている!)
しまった!……余所見を!……紺野!
余所見した隙をついて私に飛び掛った紺野の、その隙をついて飛び掛る娘。
「紺野ぉぉぉぉぉ!!!!!」
私は叫んでいた。
たしかに私はたった今まで紺野と殴りあっていた。だが嫌いな訳じゃない。
むしろ好意すらもっている。
空手とプロレスの違いはあれど、共に格闘技に人生を賭けた仲間だ。
そりゃあ試合となれば挑発もするし、喧嘩腰の態度もとる。
だが嫌いじゃない。
中には根性のひねくれたクソ女もいるさ。
だが紺野は違う。根性ある奴だ。敵だけど今は尊敬すらしてるぜ。
そうだよ、私はプロレスも好きだが、格闘技自体が好きなんだ。
ガキの頃はレスラーのトレカ買ってたさ。今だってたまに欲しくなる。
何かに命賭けてる人ってのはやっぱりかっこいいよ。
私は、そうなりたかった。
そうなりたくてプロレスラーを目指したんだ。
だから許せないこともある。
一番許せないのは、互いが命賭けたタイマンを横からムチャクチャにする奴だ!
「エリも遊んじゃうよ?」
「うおわあああああああああああああああぁぁぁ!!!!!!」
私は紺野に飛び掛ったそいつに飛び掛った。
許せない。
こういう奴だけは許せない!そう思ったんだ。
足を掴んで、投げ飛ばしてやろうと思った。
だが信じられないことが起きた。
奴の足を掴んだ瞬間、その足が物凄い動きで私の手に絡み付いてきたのだ。
太くて、強くて、早い!
何か別の生き物を相手にしている様だった。
そいつの上半身は確かに紺野の首を締め付けている所である。
奴は下半身の力だけで、プロレスラーの私の動きを封じてしまっているのである。
「冗談じゃねえ!」
吼えた。
この世界にそんなことができる奴がいてたまるか!
右手。左手。右足。左足。
鍛え上げた四本をフルに使って引き剥がそうとした。
だがまるでビクともしない。
奴の両足は完全に私の胴を挟み込んで動かなくなった。
なんなんだ!?
どういうことなんだこれは?
まさかソニンさんと里田もこいつ一人にやられちまったのか?
そして私と紺野も今こいつにやられようとしているのか?
その辺の素人4人じゃないぞ。
空手界とプロレス界でトップクラスに立つ4人だぞ。
認めていいはずがねえ!
これまで信じてきた人生の概念が崩されちまう。
最強なんだ。
プロレスこそ最強なんだ!そうだろう飯田社長!!
「まゆげビーム!!」
プロレスラー新垣里沙、最高のフィニッシュホールド。
私の栄光はこの技から始まった。
私と辻が組み、相手はソニンさんと松浦だった。
負けはしたけど、それ以上に大切なものを知った試合だった。
辻は辞めさせられて、松浦も去り、ソニンさんもこいつにやられた。
もう私だけなんだ。
飯田社長がプロレス最強を証明する助けができるのは私だけなんだ!!
すべてを込める。
新垣里沙のすべてを込めたまゆげビームだ。
クネン。
まゆげを形取ったチョップが簡単に弾き返される。
異常にクネクネした皮膚。
本当に…冗談はこれくらいにしてくれ。
こいつには何も効かないのか?
それじゃあ逃れる術がないじゃねえか。
こんな、こんな所でやられちまうのかよ。
「くそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!」
新垣里沙は悔しさに叫んだ。
(プロレスは…最強…)
そのとき、首を絞められていた紺野の右手がある形を造り上げていた。
「っ―――――――――!!!」
新垣は何が起きたのか判断に迷った。
前触れもなく、自分と紺野を締めていたそいつがバッと飛んで離れたのだ。
少し離れた場所で奴は右腕を抱えている。
よく見ると紺野の首を絞めていた上腕部が赤く腫れ上がっている。
「何をしたの?」「何をした!」
亀井と新垣は同時に紺野あさ美を見た。
ようやく首絞めから開放された紺野はまだ地面で呼吸を整えている。
「…ゲホッ、ゴホゴホ……本当は使いたくありませんでした」
紺野は拳を造ってみせた。
その拳から薄っすらと光の様なものが漏れている。
「初めて宿ったのは一ヶ月前…
でもあまりの破壊力が人の手に余ると思い封印するつもりでした」
静かに、だが確固たる意思を秘めて立ち上がる紺野あさ美。
「今のような不完全な体勢からでもこの威力。
まともに体勢で使えば本当に人を殺しかねません。この拳は…」
―――――――――――神の拳!!
「新垣さん。あなたの様に純粋な格闘家とは、純粋な私の力のみで闘いたかった」
「…紺野」
「だけどこの人には、そういう訳にはいかない様です」
紺野は亀井を見た。
亀井を赤く腫れ上がった腕を抱えながら、ニコォ〜と笑ってみせた。
「だから新垣さん。残念ですけど勝負はおあずけです。ここは引いてください」
「なんだよ。二人であのクソガキ倒して、それからまた続きをすればいいじゃねえか」
「それはできません。私は空手家です。一人相手に二人がかりなんてできない」
「クソ真面目」
「すいません」
「あ〜わかったよ。いなくなればいいんだろ!」
「…」
「だけど絶対負けんなよ!お前の勝利放送を聞いたらまたすぐ戻ってくるからな!」
「楽しみにしてます」
「プロレスと空手の決着も!ハロプロと夏美会館の決着も!私とお前の決着も!
まだ何一つ着いちゃあいないんだからな!」
そう言って、新垣は山の方へ走り出した。
亀井の目が光る。
「逃がすと思いますかぁ〜?」
「いいえ。あなたの遊びはここで終わりです」
その前に、紺野あさ美が立ち塞がった。
右腕が動かない。
このダメージから推測するに、半日は休めないと戻らないだろう。
(まぁいいや、エヘヘ、しばらく片腕でも)
しかし亀井絵里はあいかわらずニコニコと笑みを崩さない。
まるで「困る」「悩む」といった感情が存在していない様だ。
そして亀井は立ち塞がる紺野を見た。
「トロそうなのに意外と強いんですね〜」
挑発か?ただの本音か?
どちらにしろ紺野は亀井のこのセリフを冷静に受け流す。
こういうタイプはいちいち相手にしない方がよい。
「でも、エリなら片腕でも勝てそうだなぁ、うん」
そういって亀井は左手をスッと上げた。
紺野は、骨を砕かれ倒れている里田とソニンをチラリと見て、構えた。
「あんな酷い事をして笑っていられるなんて、あなたは悪魔ですか?」
「アクマじゃないよエリだよ♪エヘヘ」
「良かった。貴女の様な人になら、遠慮なく全力を叩きつけることができます」
紺野の拳の光がさらに力を増す。
その光の生み出す影が、亀井絵里の笑みに潜む邪悪さをほのかに照らしていた。
紺野あさ美vs亀井絵里
一方、神社の境内から抜け出した新垣里沙は、山中を全力疾走していた。
胸騒ぎがまだ収まらない。
あのエリと名乗る娘が出てきてからずっとだ。
かなり離れた所まで来てようやく新垣は足を止めて呼吸を整える。
(本当に、勝ってくれよ、紺野)
強気な振りをしてはいたが、本当はあのエリという娘から離れたくて仕方なかった。
今気付いたが、体が震えていた。
「なんだよ!これじゃ昔の臆病な自分と変わってねえじゃんか!」
独り言ちる。強くなったつもりだった。
もう昔の自分とは違うって。そう………
(……っ!!……後ろに…誰かいる!)
迂闊だった。全力疾走していて周囲に気を配っていなかった。
誰かが自分の背後をとっている事に今気付いた。
一気に血の気が引いた。
おそるおそる新垣は背後を振り返る。
「―――――――――――おっ!!!お前っ!!!!!!」
そういえば昔ひとりだけいた。
これほどに体が震えて…「怖い」と心から思った相手。悪魔の様な女。
「おひさしぶりですね、新垣先輩」
松浦亜弥が立っていた。
島の中央・つんく城。
ついに闇の戦士以外の娘がここに辿り着いた。
「いよっしゃー!それじゃ行こうかい!!」
その名は小川麻琴。
喧嘩柔道の使い手である彼女は、アニキ分の吉澤ひとみを救う為、参加したのだ。
つんくの側近アヤカを倒し、彼女から吉澤を植物状態に追い込んだ者の名を聞いた。
「違わないわ。吉澤ひとみを半殺しにしたのは石川梨華よ」
にわかに信じ難いその真相を確かめる為にも、ここを目指した。
「失礼しやーす!」
まったくためらいもせず城の扉を開く小川。
広々とした玄関ホール。
そこに待ち受けていたのは一人の美しい女性であった。
小川も知っている。まさに会って話を聞きたかったその人である。
「いきなり会えるとはツイてんなー」
「……」
「なぁ石川梨華さん」
闇の女王は眉一つ動かさず、歩み出す。
もう戻れない魔の道を。
第40話「魔の饗宴」終わり
次回予告
神の拳vsクネクネ悪魔!!
因縁の松浦と再会した新垣の行方は!?
そして吉澤の仇を前に、小川が吼える!!
ヒートアップする激戦の数々!!乞うご期待!!
To be continued
35 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :05/01/09 20:38:36 ID:a3pAVwfK
今日のラッキー7オーディション見ました。
本当に「該当者なし」があるとは思わなかったので、一瞬ネタかと思った。
エースじゃないなら加入してもいい子はいたけど、確かにエース級はいなかったし、
まぁそれはそれでありかと思えてきました。
ちなみに小説的にはまったく影響無いです。
逆に今増えたら、どうしようかな〜とw
ガキさんトレカネタ
GJ!!
亀井vs紺野は昔のジャンプキャラで当てはめるなら
燃えるお兄さんのポキール星人とTheモモタロウのウラシマ・マリン
の対決みたいだw
高橋以外の5期は皆かませになる感じっぽいな
とりあえず壮絶な散り様を求むと
いや、紺野はわからんよ
モー娘最強トーナメント優勝者だし。
新垣もなんか生き延びるヨカン
1話〜12話と26話〜39話が読みたい・・・
22に貼ってあるのを見てみ。
えろい人サンクス
>>36 あれ聞いた瞬間「このネタ使えるな」と思いましたw
>>37 漫画はどっちも読んでたけどポキール星人は思い出せない。
>>38>>39 5期は「谷間」のイメージがあり、みんな下から這い上がってくる感じになってしまった。
さて、どうなるでしょうか。
>>42 過去スレのまとめ、ありがとうございます。
助かります。
第41話「小川麻琴vs石川梨華」
熱戦の続く島。
その対岸の解説テントに、遅れていた4人目のゲスト解説が到着する。
「わりい、わりい、遅くなったな〜」
市井紗耶香である。
だが、石黒・保田・福田ら解説陣の注目は、彼女が押す車椅子の人物に注がれた。
「吉澤ひとみ…か」
「ああ、こいつ連れてくんのに手間取ったんだよ」
「意識もないのに見る意味あんの?」
保田の蓮っ葉な言い方に、軽く唇を尖らせる市井。
「さあね。あいつが連れて来いって、うるせえからだ」
市井がアゴでさしたモニターに小川麻琴の顔が映る。
その前に佇むのは石川梨華。
「どうやら、ちょうどいい所みたいだな。吉澤」
車椅子の吉澤ひとみはじっと俯いたまま動かない。
モニターの中で大切な人と弟分の戦いが始まろうとしていた。
「もう一年以上も経つな」
「……」
「夏美会館でトーナメントがあった日だ」
「……」
「出場するはずだったアニキが突然消えた。」
「……」
「同時に一緒に暮らしていたあんたも消えた」
「……」
「翌朝、アニキは植物状態となって見つかった。あんたは消えたまま」
小川麻琴はチラリと石川梨華の反応を伺う。
人形の様に顔色一つ変えない。
「妙な噂を聞いたよ」
「……」
「アニキをあんな風にしたのはあんただっていう下らない噂さ」
「……」
「くだらな過ぎて笑えるよな。そうだろ」
「……」
「なんとか言えよ!!あんたがアニキをあんな風にするはずねえよな!」
「…しよ」
「え?」
「…私よ」
「………、え?」
「吉澤ひとみを半殺しにしたのは…私よ」
プツン。
麻琴の中でそれは切れた。
「うわあおおおおおおおおおおおおおああああああああっっ!!!!!!!」
鬼の形相で石川に飛び掛る。
石川は棒立ちでそれを受ける。
二発。麻琴の拳が梨華の頬を撃った。
流れるように服の裾を掴むと、内股で地面に叩き付けた。
そのままマウントポジション。
鬼は美しい人形の顔を、何度も何度も殴りつけた。
人形は抵抗しない。
なすがまま殴られ続けている。
だが痛がっている素振りは見せない。哀しげな瞳で荒れる鬼を眺めている。
「どうして!どうして!どうして!?アニキを!!あんたが!?ちくしょおお!!」
鬼は涙を流していた。
泣きながら殴り続けていた。
梨華はその映像に、デジャビュを感じる。
(あの人も…泣きながら)
ふと梨華は瞳を閉じた。
次の瞬間、物凄い力が麻琴の体を弾き飛ばした。
氷の視線で梨華は麻琴を見下ろした。
「一分たった」
「ハァ?」
「小川ちゃん。あなたには以前、助けてもらった。今の一分はそのときのお礼」
表情を変えず、淡々と語る石川。
無抵抗で殴らせていたこの一分間を、プレゼントだと言い放つ。
小川麻琴の目の色が変わる。
「…ざけんなよ」
「残念だけど、その一分でも、私にダメージを与えることはできなかったみたい」
「ざけんなって言ってんだコノヤロウ!!」
「もう…あなたに貸しはない。いきます」
トンと石川は前に踏み出した。
細腕から繰り出される突きが小川の腹部を打ち抜いた。
「ぐふぅ!!」
信じ難いが、細く弱々しい外見からは想像もつかぬ程に強力な一撃であった。
まるで吉澤ひとみの世界一の右ストレートを髣髴とさせる程。
たったの一撃で小川は口から胃液を吐いてうずくまった。
そこへ容赦のない蹴りが飛び込んでくる。
「ごはぁっ!!」
一発。二発。三発。当たるたびに小川の顔が紅く染まってゆく。
しかし石川は攻撃を止めようとしない。
ついに小川は床にひれ伏した。
その顔面をミチィと踏み潰す石川。
「おしまい」
それはケタ違いの強さであった。
しかしよくよく考えれば至極当たり前のことである。
石川梨華は殴りあいでボクシングヘビー級王者の吉澤ひとみに勝った女である。
その上、痛みを感じぬ天憮の異常体質をもつ。
誰にも負けない無敵の存在だ。
仕方が無い。
相手が悪い。
石川梨華に負けたからと小川を責める者はいない。
「…………ぃ……っぷ……ん………ら」
「!?」
そのとき、去りゆく石川の背後から声が聞こえた。
その声は「一分だ」と言っている。
石川が振り返ると、血まみれの小川が立ち上がり笑っていた。
「…この一分はサービスら……クソヤロウ」
顔面をボコボコに腫らして、血にまみれた、鬼がいた。
初めて、人形の表情が変わる。
なんと小川は、石川が一分間無抵抗で殴らせたのと同じ事をさせたというのだ。
痛みを知らぬ石川とは違い、生身の人間の小川が、である。
「本番は……こっから……ら…行くぜ」
「やはりあなたはヨッスィーの後輩ね」
(呆れるほどに…バカだ)
小川が突進する。
石川はヒラリと身をかわして、カウンターを撃ち返す。
殴られた小川は、それでもまた突っ込む。
それを払いのけた石川が蹴り返す。
蹴られた小川は痛みで顔を歪める。そしてまた向かってゆく。
その動きももはやボロボロで、石川は簡単に捌くことができる。
誰の目にもレベルの差は明らかだ。
だが小川は諦めない。
(無理よ)
石川は思った。
(あなたじゃ無理よ。小川麻琴ちゃん)
小川の顔を鷲づかみにすると、そのまま地面に叩きつけた。
(ヨッスィーに必要なものは…あのとき以上の死闘)
「あなた程度の腕じゃ到底…ヨッスィーと私を満足させることはできない」
地面に倒した小川を殴りつけた。小川には反撃する余地も与えない。
(やはり…いないの?)
(あのときの…ヨッスィーくらいの…死闘に付き合ってくれる人は何処にも?)
その女は風に乗っていた。
風の様な速さで森の中を走っていた。
目指す場所は島の中央にある城。そこに目的の人物がいるはずだ。
だがボートで到着した場所がひどく離れた場所であった為、まだ城が見えない。
(ん…?)
女はすぐ近くから誰かの気配を感じ取った。
それも自分と同じくらいのスピードで走っている。
近づいてみると子供であった。
(城に向かってるのかな?ちょうどいいから案内してもらおう)
少し速度を落とすと、女は子供の後ろに付いた。
「誰!!」
すると子供が気付いて止まった。
(あーあ、近寄りすぎたか。子供のくせに意外とするどいねぇ)
子供はKで最速を誇る矢島舞美であった。
辻と加護の見張りに付いたKの一人だ。
加護の圧力に屈し、城に戻ろうとしている所であった。
矢島は自分のスピードに付いて来た女を見る。
「誰だ!」
「…後藤真希」
「どうして後ろに?」
「別にぃ。付いていけば城まで最短距離で行けるかなって思っただけよ」
「させないわ」
矢島が消えた。
いや実際に消えた訳ではない。物凄い速さで飛び上がったのだ。
しかし常人の目には消えた様に映るであろう。
それほどの速さである。
矢島は飛び移った木の上から、後藤を見下ろして言った。
「どう?スピードで私に付いてこれる奴なんていな…」
下に後藤がいない!矢島は目を見開く。
(いつの間に?何処へ消え…)
「あのさぁ。スピード勝負なんて興味ないから。案内だけしてよ」
「っ!!」
すぐ後ろからのんびりした声が聞こえ、矢島は思わず飛び上がった。
「そ、そんな!私は!速さなら誰にも負けないと…!!」
加護の三倍拳はある意味反則だ。本来もっているスピードで負けた訳ではない。
だから矢島のプライドもまだ保たれていた。だがこの後藤真希という女は…違う!
「面倒くさいなぁ…案内してくんないなら、もう倒しちゃうよ」
「認めない!スピードだけは誰にも…負けてたまるかぁ!!うわあああ!!」
矢島は全速力を賭けて飛び掛った。
最速決戦。文字通り勝負は一瞬で終わった。
石川梨華はまだこの後藤真希を知らない。
どうしようもない悲しみの中、ただ小川麻琴を殴り続けていた。
小川麻琴の意識は薄れ掛けていた。
もう力が入らない。手も、足も。
あの梨華さんがこれほど強い人とは思わなかった。
とても勝てそうにない。
よく考えりゃ、アニキが勝てなかった人に私が勝てる訳ねえよな。
わかってたさそんなこと。
だけど逃げる訳にはいかねえんだよな。
私はアニキが好きだから。
アニキをあんな風にした奴を許せるはずがねえんだ。
その相手が石川梨華というなら尚更だ。
アニキは梨華さんのことが好きだったから。
梨華さんもアニキのことが好きだと思ってた。
あんたならいいって思った。
あんたなら私は黙って身を引こうって思った。
アニキとあんたなら、私は笑顔で祝ってやろうって思ったんだよクソヤロウ!
だから死んでも許さねえ!!
アニキを裏切った石川梨華を私は死んでも許さねえ!!
たとえ勝てなくても!
たとえどれほどレベルが違っても!
たとえ私がここでボコボコに殺されようと!!
負ける訳にはいかねえんだ!
石川梨華!
強い衝撃に、石川の細い体が弾け飛んだ。
クルッと体勢を整えると石川はそれを眺める。
もう動けない、そう思っていた。
だが、それはムクリと立ち上がってきた。
激しい攻防で柔道着の背中の部分がめくれ落ちていた。
「……小川ちゃん?」
石川は目をこすって見直す。
幻覚か?それとも?
小川麻琴の背中に『鬼の顔』が浮かび上がっていたのだ。
地上最強の生物キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
オーガ小川キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
バキを読んですぐ取り入れてるな まさに最速
乙です。
『鬼の顔』をここで出してしまうとは・・・
なっちの背中にでてくるもんだと思ってました。
まあ、刃牙の背中にでてきたこともあったけど。
覚醒した真琴がどうなるのか期待です。
それは小川麻琴ではなかった。
一匹の鬼だ。
ズシッズシッと重々しく近寄ってくる。
石川は思わず後ずさりする。
後ずさりして初めて石川は気付いた。
生まれてこの方、戦闘中に自分が後ろに下がったことなどあっただろうか?
(恐怖?)
(不死身の自分が?)
鬼の腕がすっと自分に近寄ってきた。
(いけない!)
石川は鬼の手よりも早く、自分の拳を鬼の顔に叩き込んだ。
しかしどうしたことだ。鬼はビクともしない。
「グルルルルルルルウルルルル…………」
妙な唸り声が鬼の内部から聞こえてきた。
とても人間が発する声とは思えない。
(その声をやめろ!)
殴った。石川はまた何度も鬼を殴りつけた。
しかし鬼は唸り声を止めないし、前進も止めない。
そうこうしている内に鬼の手が石川の頭を掴んだ。
(きゃ!)
「グルルルゥゥゥウガガガガアアアアアアアアアッッ!!!」
瞬間、鬼が爆発した。
ドガガガガガァァァン!!!
鬼が石川の頭部を物凄い勢いで城の壁に叩き付けた。
壁が破壊され轟音が響く。
鬼の手は、石川の頭が壁に半分埋まった状態でそのまま圧し!落とし!潰し!壊した!
「うがあああああああああ!!!!!!」
そのまま鬼は全体重を掛けて石川を崩れた壁との間で潰した。
石川は頭部だけ壁の奥にめり込まれた体勢で、この圧力をまともに受けた。
頭が下の逆さまで、石川梨華の体はめちゃくちゃに壁に埋め込まれた。
それでも鬼は止まらない。
豪腕が壁に埋まった石川の体を撃つ!
何発も!何発も!何発も!何発も!何発も!何発も!何発も!止まらない!
(死んだ)
モニターで観戦していた解説陣は全員が同じ事を思った。
(小川が石川を殺した)
(いや…あれは本当に小川麻琴なのか?)
その映像はあまりに残酷すぎた。とても人間同士の闘いとは思えない。
ガシャン!!
突然、吉澤ひとみが車椅子から転げ落ちる。
慌てて抱きかかえようとする市井は彼女の変化に気付いた。
まっすぐにモニターを見詰めながら、震えていたのだ。
(反応しているのか?この怪物どもの殺戮に?)
どれだけ殴り潰したであろうか?
先に耐え切れなくなったのは、鬼でも石川でも無かった。
城の外壁であった。
超ド級の鬼の連打を受けて、石川の体を埋め込ませた壁の穴がついに外まで達した。
普通の家やビルの壁ではない。
頑丈で分厚い城の1Fの外壁を、この鬼は生身の打撃で突き破ってしまったのだ。
「うがあああああああああああああああああああっっ!!!!!!」
鬼は吼えた。
それはついに念願の仇を討てた歓喜か?
それとも単なる破壊衝動への陶酔か?
とにかく鬼と化したそれは、吼え続けた。
「あああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
コトン。
瓦礫の小石が落ちた。
「…フフ」
鬼の目の前で、城壁が崩れてできた瓦礫の山がガラガラッと音を立てた。
「……ウフフフフフフフ」
そして、甲高い笑い声が聞こえた。
「待っていたわ」
紅い物体が瓦礫の山から姿を見せる。
それは血と泥に濡れた石川梨華!
「こういう…こういうのを…望んでいたの」
なんと!あれだけ残酷で惨たらしい攻撃を受けたというのに!石川梨華は笑っている!
彼女は『不死人形』
神がこの世に間違えて産み落とした『痛み』も『死』も知らぬ娘。
「さぁ続きよ鬼。もっともっともっともっと熱く激しく震えるような死闘を!!」
「うがあああああああああああああああああああ!!!!!!!」
「あの人に!あの人の為に!!」
鬼の叫びに呼応する様に、石川も叫ぶ。
狂っている。
傍から見ている者にはそう映るかもしれない。
だが石川梨華は狂ってなどいない。
彼女を叫ばせるものはずっとたったひとつだけ。
吉澤ひとみ。
あの人を目覚めさせることだけ!
その為ならば自分はどうなってもいい!
どんなに汚れてもいい!どんなに罵られてもいい!どんなに悪に染まってもいい!
すべてはあの死闘を超える死闘を求めて!
石川梨華は吼える!
ブチィン!!!
そのとき突然、鬼の肉体から紅い雫が舞い上がった。
ブチブチブチブチィィィ!!!!!
「ぎゃああああああああああああああああああああああああっ!!!!」
悲鳴。
その悲鳴は鬼の唸り声ではなく小川麻琴のそれであった。
悲鳴に続き麻琴の体の至る所から、線が切れる音と血飛沫が飛び交う。
石川は瓦礫の上でその光景を眺めていた。
何もしていない。
何もしていないのに鬼が一人でに血を吹き肉を裂いて自滅したのだ。
「……小川ちゃん?」
『鬼の背中』が切れた。
その力は元より生身の人間が扱える代物ではなかった。
死を賭した勝負への執念が小川麻琴に宿ったのだ。
これが一瞬でも限界の限界を超えた「鬼」の力を得る代償。
体中の筋肉の線が断裂し、血管が暴発する。
二度と戦えぬ体に。
「…嘘よ」
石川は呆然と立ち尽くしていた。
「なんなのよ…それ。これからでしょ!やっと今から始まる所でしょ!!」
「あの人との死闘を超える勝負を!今から始めるのよ!ほら!立って!!」
ヨロヨロと石川は瓦礫を踏み出す。
うつ伏せに倒れて、もはや意識もない小川麻琴の方へ。
「立て!小川麻琴!!何寝てんのよ!!ふざけないでよ!!!」
石川は小川を揺すりだした。
もちろん小川から返答など返って来るはずがない。
「なんなのよ!さっきの力なら…!私を怖がらせたくせに!!本当に…本当に…」
石川は泣いていた。
泣きながら小川の体を抱え込んでいた。
「起きて!!お願い!!起きてよぉ!!起きて私と殺しあって!!」
「あなたなら…ヨッスィーを愛するあなたとなら……できた」
「ウッ、ウッ、ウッ……ウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥ……」
動かなくなった小川を抱きながら、いつまでも石川は泣き続けた。
こうして二人の戦いは幕を閉じた。
『勝負ありぃ!!』
無常な決着宣言の放送は、島中に響き渡る。
『敗者!矢島舞美』
『勝者!後藤真希』
最速対決を秒殺で終わらせた黄金の娘は、木の上でこの放送を聞いていた。
根元には、光速の手刀一閃で意識を奪われた矢島が転がっている。
(黄金の速度……もう自分の意識化でほとんど制御できる)
(私は…誰にも負けない)
後藤はふっと前髪を風になびかせた。
『敗者!小川麻琴』
そのとき、また新たな放送がスピーカーから流れる。
告げられた勝者の名に後藤真希の鼓動は高ぶった。
『勝者!石川梨華』
ドクン!
(……イシカワリカ)
後藤はすぐに飛び上がった。
一足飛びに付近で一番高い大木のてっぺんにまで駆け上がったのだ。
見渡して、遥か山の向こうに小さくお城の影を見つけた。
(あそこにいる)
黄金の娘は物凄い速さで木の上から駆け出した。
『残り30名!』
死闘が終わると、吉澤ひとみの震えも止まった。
モニターの石川梨華を見つめたまま動かなくなった。
「吉澤、起こすぞ」
市井がゆっくりと吉澤を車椅子に戻す。
そして吉澤はまた元の植物状態に戻った。
だがほんの一瞬、確かに彼女は自らの意思で動いたのだ。
(今の闘いが続いていれば…あるいは)
市井の脳裏をかすめる希望と不安。
(お前がやる気か?真希)
止めることなどできやしない。これが運命か。
石川梨華と後藤真希。
もしこの二人が本当に激突したとすれば?
想像すらできない。
今の市井に願えることはひとつだけであった。
(死ぬな…)
「あっ!」
そのときモニターを観戦していた解説席から声があがった。
別の戦いを見ていた保田圭だ。
あの鋭い瞳が、全開にまで見開かれていた。
他の解説陣も思わずそのモニターに目を移す。
(!!!)
―――――――――亀井絵里が血を吐いて倒れていた。
「マコっちゃん、負けちゃったかぁ…」
高橋愛は小川麻琴敗北の放送を岩場の影で聞いていた。
(でも相手の名前が石川梨華って……まさかあの石川さん?)
愛も2年前、メロンにさらわれた石川の救出を吉澤小川と共に行った経験がある。
石川梨華と顔を合わせたのはそのときの一度きりだった。
(きれいな人やったて印象しかないわ)
(少なくとも……強そうには見えんかったけど…)
「っ!!!!!!」
(なに!!?)
とてつもない気を感じ、愛は飛び上がった。
バババッ!!
動物的スピードで岩と岩の隙間に身を隠す。
(なんやこれ!!!)
自分は見つかったか?わからない?だが思わず隠れてしまった。
ジャングルでの経験がなければ、気も察知できず襲われていただろう。
だがこれほどの気はジャングルでも感じたことはない。
(一体誰や?)
その強烈な気配は、さっきまで自分がいた場所辺りに来た。
今、愛が身を潜めている場所からは死角になって姿が見えない。
見ようと思って顔を出すと見つかる危険性が高い。
だが、気になる。見たい。
誰だ?
ひとつ分かることは、これまで愛が戦ってきた相手の中でも最強だろうということだ。
白い胴着に黒い帯が跳ねる。
矢口真里は川沿いの道を走っていた。
もちろん講道館の後輩、小川麻琴の敗北は聞いている。
(マコ…)
このバトル・サバイバルに参加している柔道家はたった二人だけ。
その内の一人が敗れてしまった。
だが矢口は悲観に暮れてなどいない。
(見ちゃいないけど、わかるぞマコ)
(最後の最後まで魂込めたあっちぃー勝負できたんだろ)
「あとはおいらに任せとけ」
ザッと砂利混じりの土を踏みしめる。
川の上流の向こうに、そびえ立つ城が見えた。
「全員ぶん投げてやるよ!!」
ここにも一人、つんく城を目指す熱き娘がいた。
第41話「小川麻琴vs石川梨華」終わり
69 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :05/01/19 23:09:21 ID:jCFBNI3r
という訳で梨華ちゃん20歳の誕生日に更新です。おめ!
(作者の石川梨華への想いは「僕とトメコ」既読の方ならご存知かと)
けどめでたい日なのに、石川の闘いは何故かいつも悲しくなってしまう。
おそらくこの先に待つ戦いも…。
まぁ本当の石川も小説の石川も頑張って欲しいです。
こんなに卒業後が心配な娘もいない。
更新乙です。
まこっちゃん…。
石川さんは卒業後どんな活動してくか楽しみですね。
更新乙です
特殊能力は小川だから耐えられなかったのか
それとも他のメンバーもそれなりの代償を払うのかが気になるとこだが
いい戦いを魅せてもらいました
このスレ的にはまったく関係ないけど
アキラ兄さんが表舞台に復帰と言う事で関西系メンバーには頑張ってほしいものです
( ` ・ゝ´) 川‘〜‘)|| (〜^◇^) 川σ_σ|| ( ^▽^) 川o・-・) ( ‘д‘) ( ・e・)
イ呆
._
|十|
. ̄
(〜´◇`)<やぐぅ
どうした矢口?環境大臣の前で「オイラ」って言ったのがそんなに堪えてるのか?
血を吐いたえりりんを挿入した意味は
>>78 76は75に対してのレスだと思うのだがどうか
だからオイラとか言ってないって
レスがたくさんついてるから更新したと思って来たのに
そうですかそうですか
梨華ちゃんの誕生日には更新してあいぼんの誕生日には更新してくれないんですか
と言うか、辻豆さん生きてるのかな?
84 :
ねぇ、名乗って。:05/02/09 01:49:25 ID:9ehMeQqo
私たち「ジブンのみち」の読者は!
辻豆さんを応援しています!!
デブの誕生日なんか忘れたのれす
辻豆さんれいにゃにのりかえ(ry
むしろえりりんにn(ry
辻豆さんはなっちに皆殺しにされたのさ
Σ (゜Д ゜ ) 『辻豆』ってグループ名だったのか!?
>>89 いや、充分あり得る話だ。実例もある。
東映特撮物の“八手三郎”や『水戸黄門』の“葉村彰子”、サンライズアニメの
“矢立肇”なんかも実は特定個人ではなくグループ名。
いわゆる「〜の中の人」の「〜」ってことですね
名前:れなっこのえりりんさん◆No.NoSexe. 投稿日:05/02/12 2:03:00 ID:sxder56t7
>>92 工エエェェ(´д`)ェェエエ工 辻豆さん…orz
96 :
ねぇ、名乗って。:05/02/14 03:26:27 ID:A97Wkuy4
私たち「ジブンのみち」の読者は!
辻豆さんを応援しています!!
97 :
ねぇ、名乗って。:05/02/17 01:17:42 ID:WMzoMfJt
私たち「ジブンのみち」の読者は!
辻豆さんを応援しています!
狼で書(ry
もうすぐ1ヶ月だぞ。
大丈夫かな?
7期が入らなくて構想が外れたのか?
ネタにつまったか
つなぎの部分で苦しんでいるのかな?
単に忙しいだけだと予想
この前狼で見たけどな
>>103 言っちゃった…orz
狼のあの人辻豆さんでしょ?文体が似てる。
>>105 そうなの?違うかなー?文章とかレスの付け方似てる人がいるんだが…
モー娘。後浦なつみWの16人でコンビを8組作る
http://ex7.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1108371951/ 409 名前:辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. [] 投稿日:05/02/14(月) 19:26:59 0
安倍&辻希 なちのので大本命
松浦&亀井 美少女コンビで本命
後藤&加護 師弟コンビで対抗馬
石川&道重 エコモニはビジュアルで売る
矢口&吉澤 新リーダーサブリーダーで売れなきゃまずい
藤本&紺野 オタがつき手堅く売れる
高橋&田中 最強歌唱力ペアで売れる
小川&新垣 狼が「マコニイを1位にしようぜ」と煽り、奇跡が起きる
433 名前:辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. [] 投稿日:05/02/14(月) 19:35:37 0
>>412 今の安倍の重い空気をボケてなごませてくれそうなの
辻くらいしかいない気がした
438 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:05/02/14(月) 19:36:38 0
>>433 お前はさっさと小説書け
447 名前:辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. [] 投稿日:05/02/14(月) 19:39:01 0
>>433 あー
>>413だった
>>438 うっ…
>>107 ツッコミにワロタw
まぁ、また1話から読み直す等して
気長に待つべし…
まあ、ご健勝のようでなにより。
_| ̄|○
γ⌒ ⌒ ⌒ヽ,
γ )
) /⌒\ /ヘ (
( / ))) | )
( / へ,, /^ |)
((| レ, ,, ̄’  ̄’〈
)( {_{ 」〉 |
ヽそ ⊂7 / / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| \__´_/ < なにやってんの!
| ̄ ̄l^T^l| \__________
飽きて止めるならそれでもいいけど、先の勝敗やエンディングは明かして欲しいな
飽きたんじゃないだろ
冷めただけだろ
実は「僕とエリ」がかなりイイとこまで出来上がっているとかw
まぁ気長に待とう。
その内、辻豆さんだってちゃんと帰ってくるさ。
私たち「ジブンのみち」の読者は!
辻豆さんを応援しています!!
更新遅いって?おめーらなぁ、小説書くのって意外に難しいんだぞ?
新しく伏線も作んなきゃなんないし、戦闘の描写だけすりゃいいってモンじゃないぞ。
まぁ、ただで面白い小説読んでるのに贅沢すぎだっつーことだ。
だから第一話から読み直して続きでも待ってなよ。
更新云々じゃなくて他スレに出没してるのにここに何も書き込みにこないのが問題なのでは?
別に問題とは思わないがね
第一話からと言わず、娘切草から(ry
>>116信者ウザイ
>>118辻豆はココにしか書きこむな的発想がウザイ
何も言わずに保全だけしとれ
辻豆さんが更新しにくくなっちゃうだろ
わざわざ固定で書き込んだんだ
見つけて欲しかったに違いない
>>121 ここにしか書き込むなとは一言も言っていない
他スレに来る余裕があるなら、このスレに一度くらい来て
「ちょっと煮詰まってます」みたいな、まあ「もうちょい待て」とかで構わないから
アクション暮れってこと。むしろそうしといたほうが辻豆さんが更新しやすくなると思うけど?
>>123 そ う か ?
あぁ、もう1話分くらいレス消費してるよ勿体ないorz
ちょっと控えてこーぜ
いいじゃねーかよ。
森の人の握力は500kgらしいよ。
つまり高橋の新たに身につけた奥義は(ry
気長に更新待ってますね。
>>126 そりゃちょっと主人公にしちゃ泥臭い奥義じゃないかい?w
Strengthでも発現させるのかしらん
握撃だっけ、花山薫の必殺業
あれのインパクトはすごかったな
今更ながら『僕トメ』読みました
辻豆さんよ〜!アンタなかなか凄い人なのね
いっそのこと本とか出しちゃえばいいのに
テレ東で毎年やってる、一月二日(だったかな?)の12時間連続時代劇の枠とかねw
イ呆
ほ
もうこのスレも終わりか・・・
終了宣言するならしてほしいなぁ
まだだ!まだ終わらんよ!!
( ^▽^)<ホモ サピエ〜ンス ♪
もう落とそうよ
保全するだけ無駄
>>140 よし、もうお前が続き書け!
これで万事解決間違い無し!
え?おれ?
141 :
140:05/03/07 16:26:32 ID:NtLQdlu0
えー…
あー…っと、困ったな…
島の火山爆発!
全員行方不明!
「勝者つんく!以上!」
〜 おわり 〜
142 :
140:05/03/07 16:27:20 ID:NtLQdlu0
よーし!ここはひとつ俺に任せろ!!
つC
145 :
143:05/03/07 22:03:29 ID:2TQrxdZ/
結局、なっちが皆殺し
こんなのしか思いつかなかったorz
あとはまかせたぞ!
>>145
146 :
143:05/03/07 22:05:10 ID:2TQrxdZ/
うきゃぁぁぁ!自爆した!
まじ、あとたのむぞ!
>>147
ん?俺?
キタ━━━━(Д゚(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━━━━━!!!
書き込むタイミングを逃し、長く放置してすいません。
飽きた訳ではなく今別にやりたいことがある状態で…。
合間を見てボチボチ続けたいとは思ってます。
書きたくない時に無理に書かなくてもいいです。
ただ、週1ぐらい生存確認のレスさえいただければ。
長期休暇もOKです。
無理はせずに。
ホント、生存確認だけでもいいんでお願いします。
ウチらは気長に待ちますから。
153 :
143:05/03/08 12:27:10 ID:A1L+Tyav
辻豆さんキタ━(゚∀゚)━(∀゚ )━(゚ )━( )━( ゚)━( ゚∀)━( ゚∀゚)━!!
まさか俺が振るとは(/▽\)
気長に更新待ってますよ、マイペース、マイペース。
半年に1回更新する小説の住人でも見習えよ。
お前ら遠回しに辻豆をせかしてんじゃねーよ。
なんて口が裂けても言えない。
155 :
ねぇ、名乗って:05/03/12 17:20:45 ID:WUtHFIy2
早書けボケッ!
辻豆さん生きててよかった・・・
待ってくれている読者への感謝も込めて、少しずつ再開します
第42話「もっとも出会ってはいけない人物」
紺野あさ美と亀井絵里の対決に決着の刻が訪れた。
(勝った!)
勝利を確信したのは紺野。同時に不安を感じる。
(…殺してしまったかもしれない)
紺野あさ美の前方には、神の拳をまともに受けて血を吐き倒れる亀井絵里があった。
(でもしょうがない。悪いのは彼女…)
元々は夏美会館とハロープロレスの闘いだった。
そこへこの亀井が乱入し里田とソニンを一蹴した。
さらに紺野と新垣の魂の対決を妨害。これらの行動が温厚な紺野を怒らせた。
人を死に至らしめる程の破壊力を有す『神の拳』の封印を解いたのだ。
片腕を怪我した亀井はそれでも平然と紺野に飛びこんできた。
きっと負けたことがないのだろう。
どんな攻撃でもクネクネした特異体質で防げる自信があったに違いない。
甘かった。
究極打撃『神の拳』を舐めていた。
紺野の一撃は速度・タイミング・破壊力・全てが亀井の想像を遥かに上回るもの。
クリーンヒットした亀井は神社脇の大木まで吹き飛び、そのまま動かなくなった。
紺野が恐れたのは殺したかもしれないこと。
彼女は純粋な格闘家であり決して殺し屋などではない。
どんな悪人でも殺したくはない。
紺野は生存確認の為、ゆっくりと大木に歩み寄った。
……そのときだ。
「おい、どうしたんだ?」
モニターでこの戦いを観戦していた保田や石黒達が騒ぐ。
そのカメラだけが突然切れたのだ。
それはあのつんくにとっても想定外の出来事。早急なる復旧をアヤカに命ずる。
解説陣が集う島外のテントは一時パニック状態に陥った。
そういう事故もあり、これから起こる恐怖を知るのは紺野あさ美ただ一人となった。
亀井絵里の生存確認の為に近づいた紺野。
まず違和感に気付いた。
何かがおかしい。
次の瞬間、紺野の顔が恐怖に歪む。
ソレはゆっくりと起き上がった。
死んでなかったとか…そうゆう問題ではない。
(?????????????)
(ナゼココニイル???)
何者もを凌駕する。
真の恐怖。
(アリエナイ??アリエナイ??アリエナイ??アリエナイ??)
ソレが紺野に近付いてくる。
「いやあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」
バシュッ!!
「おお!直ったぞ!」
解説陣に安堵の色が浮かぶ。
ようやく紺野vs亀井を映していたカメラとモニターが復旧したのだ。
だが、そこに映し出された映像に全員の表情が変わる。
「どうなっているんだ?」
「知らん!私に聞くな」
石黒も、市井も、福田も、つんくも、アヤカも…
亀井の師であるはずの保田でさえも…
全員が目を疑った。
カメラが消える前、映っていたのは亀井を倒した紺野の姿。
だがカメラが直った今映るのは、仰向けに倒れる紺野の姿。
しかも気を失ったその顔には、この世のものとは思えない恐怖が張り付いている。
対する亀井絵里の姿は消えていた。
「つんく様。これはどうしましょう?」
「わからへんけど…見たままで勝敗を告げるしかあらへんやろ」
二人以外の誰かが現場へ近付いた形跡はない。
という事は自ずと、亀井が紺野に逆転したという結論に至るほかない。
つんくはスピーカーマイクのスイッチを入れた。
『勝負あり!!』
再び、島の全土に走る衝撃!
『敗者!ソニン!里田まい!紺野あさ美!』
同時に呼ばれた三人の名前。
安倍なつみに続く三人抜きの偉業!
ついにその名が、最強を目指すすべての娘たちの脳に刻まれる!
『勝者!亀井絵里!!』
だが本当に恐ろしいのは三人抜きなどではない。
まだ紺野以外の誰も知らない。
真の恐怖が、動き出した。
辻豆さん更新キテターーー!!
亀井じゃない人がいたってことなのか、それとも・・・
本文にいきなり「想定外」って言葉が出てきてワラタよ
6期のボス、藤本が潜んでいた、とみる。
もしくはなにかの霊が亀井に憑依したか。
にしても、いつもイイところで終わるなあw
更新おつです。
りんねだろ
更新乙です!
うわぁ、気になるなぁ。
紺野もせっかく神の拳を手に入れたのに、ここで終了かぁ。
紺野は高橋と闘って欲しかったんだが・・・
辻豆さん、乙です。
やっぱ5期は捨て石か・・・
未だ残ってるガキさんが、娘メンの中(元も含めて)で
一番弱そうなのが気がかりです。
「格闘家は良いよな、相手の技を受けなくても良いんだから。」
とかつぶやきながら、相手の技を受けきった上で
立ったまま気絶→KO負けするプロレスラーをキボン。
主人公は高橋ですよ、捨て石だなんて失礼な
相手の攻撃を受けつつ「次は俺の番だろ」とか言いながらタコ殴りにされるプロレスラーもいいね
主人公は高橋だが、最後に残るのが高橋なら興ざめ・・・
正直高橋が主人公って感じてる奴はほとんどいないだろう・・・
なんだかんだで主役じゃないが愛されているガキさん萌え。
亀井は幸薄かエリックが出現したんだろ簡単簡単
高橋はFF6のティナみたいな感じで、主人公だけど・・・って扱いにされていくかと。
いや、実際にそうだし。
>>169 修羅の門だね。
個人的にプロレスラーに夢をみたいな。
強い、巧いだけではトップにたてない。
華をもった人のみがトップに立てるあたりアイドルそのもの。
そして今回は
最高の華を持ちながらプロレスを捨てた女と
華は無くてもプロレスにこだわり続けた女の闘い
紺野亀井戦の場所からもっとも近い場所で対峙するのは新垣里沙と松浦亜弥。
「じゃあやりましょうか」
「プ、プロレスか?」
「アハハハハハ、何言ってるんですかぁ」
屈託無く笑う松浦に、うっすら安堵を浮かべる新垣。
「殺し合いに決まっているでしょう。新垣セ・ン・パ・イ」
ゾクリ。
背筋が凍りつくような視線。
昔から何を考えているか分からん怖い女ではあった。
だが今のこいつの怖さは何かが違っている。
一体どういう修羅場をくぐり抜ければこういう目ができるのだろう?
「殺し合い」という台詞に少しの誇張も感じられない。
やらなければやられる!
「うおおおおおお!!!!」
新垣が先に飛び掛った。
(昔の自分とは違う!今のハロープロレスのエースは私だ!)
腕をとった。そのまま回転して腕ひしぎ十字に引きずり込む。
すると松浦は自ら同じ方向に回転してそれを防ぐ。
あいかわらず舐めた運動神経をしてやがる。
だが私だって!もう負けない!
足を伸ばして傍にあった木を蹴り逆回転する。
何でも利用する超アクロバット。
結果自分で回転している松浦にとって腕を締める回転は二重になった。
松浦には腕を折られた借りがある!
(どうだ!この腕もらっ…)
「ウグィ!」
口の中に何かが入り込んできた。
指!?
松浦の指だ。
指が強引に顔を引っ張り、回転を引き戻す。
(嘘だろっ!?)
絡まりあって二人は地面に落ちた。
落ちると同時に新垣の顔面目掛けて蹴りが入る。
(バカヤロ!どうゆう動きしてやがんだ!なんでこの体勢から蹴れる?)
(それに自分の指を私の口に入れたまま蹴りいれるか?ありえね!)
(こいつ…マジで…)
認めたくなかった。どんなに努力しても届かない奴がいる。
だけど組み合えばわかる。
24時間365日、死ぬまで何十年努力し続けても…決して超えることができそうにない。
もって生まれた天才的運動神経の上に、想像を絶する修羅場を積み重ねた女。
相手を破壊することに少しの躊躇もしない氷の魂。
地べたに崩れ落ちた新垣は心から感じた。
(こいつは…マジで…強え)
1分も持たなかった。
もう立てない。
私は強くなった。それは間違いない。みんなが認めてくれる。
それでもこいつはその遥か上にいる。この松浦亜弥って奴は!
だが思ったほど悔しくないのはどうしてだ?
こいつがプロレスラーだからか?
私は飯田さんの掲げたプロレス最強を実証する為に闘う。
プロレスラー以外の格闘家には死んでも負けられない。
だが松浦ならば…。
私は最後の気力を振り絞って声を出した。
「…ま、まいった。もう立てねえ。と、とどめはプロレス技にしてくれよ…」
奴は氷のような視線のまま返す。
「悪いけど私はもうプロレスを捨てた。飯田圭織も殺す」
ざけんな。私はともかく飯田さんに勝てる奴なんていやしねえ!
だがもしも…もしも松浦が飯田さんに勝てるのなら、それほど強いのなら。
「…それでもいい。飯田さんに代わってお前がプロレス最強を証明できるのな…っ!!」
新垣の声は途中で止まった。気に触った松浦が喉を踏みつけたのだ。
「勘違いしないでもらえます?最強はプロレスじゃなく…あやや一人よ」
新垣はもう瀕死状態。
松浦はとどめを刺そうと手を上げた。
そこへ例の勝利宣告スピーチが聞こえた。
『勝負あり!!』
『敗者!ソニン!里田まい!紺野あさ美!』
(…っ!!!!)
その放送を聴いた瀕死のはずの新垣が目を覚ます。
(紺野!)
「だけど絶対負けんなよ!お前の勝利放送を聞いたらまたすぐ戻ってくるからな!」
「楽しみにしてます」
「プロレスと空手の決着も!ハロプロと夏美会館の決着も!私とお前の決着も!
まだ何一つ着いちゃあいないんだからな!」
魂を込めた決闘。
あの約束が…!!!
(負けちまったのか!紺野!)
『勝者!亀井絵里!!』
「ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
絶叫をあげて新垣が起き上がった。
限界は超えている。だけど自分は戻らなければいけない!
戻ってカタキを討たなければいけない!あの場所で約束したのだから!
紺野の代わりに亀井絵里を倒さなければならない!
「松浦!お願いらから見逃しひてくへ!私は…!!!」
恥もプライドもいらない。
新垣は泣きながら松浦に土下座して頼み込んだ。
もう喉も潰れているけれど声を枯らして。
「あの化け物を!!カメイエリを倒さなけれはいけないんら!!」
松浦は氷の視線のまま答えた。
「ダメ」
「た、頼む!!」
「ダメだよ。だってそのカメイって奴は…私が殺すことに決めたから」
「…へ??」
「ムカツクじゃん。安倍なつみに続く三人抜き、亜弥が狙ってたのにさぁ」
私が戻ったところであの化け物には勝てないだろう。
だけどこの松浦なら?私にはできなかったプロレスの強さを見せてやれるか!?
松浦はクソムカツクけれど…プロレス舐めたアノヤローよりマシだ!
それなら…。
(!!!)
新垣は自分から背中を向けて松浦の懐に飛び込んだ。
その体勢は……松浦亜弥がプロレスラー時代もっとも得意としていた技の体勢。
自動的に体が動き出す。
松浦は無意識に新垣を脳天から地面へ叩き落とした。
あややスペシャル!!
「で、できんじゃん…プロレス」
「……っ」
「へへ、あと頼むわ」
プロレス技での敗北に満足気な笑みを浮かべ、新垣里沙は気を失った。
負けはしたが最後までプロレスラー魂を貫いたのだ。
プロレスラー以外の相手には死んでも負けない。貫いた!
『勝負あり!』
『敗者!新垣里沙!勝者!松浦亜弥!』
『残り26名!』
松浦は新垣のとどめを刺すことをやめた。
こういう顔で気絶している奴を殺してもつまらないからだ。
「たまたまプロレスだった。それだけのことよ」
気を失った新垣に呟いて松浦は歩き出す。
もう自分はプロレスラーではない。そんなものはあの日捨てた。
最後まで勝ち残るのはただ一人の…ただの松浦亜弥。
「でも安心して新垣先輩。願いの一つは叶えてあげるから…」
勝利した松浦は新垣の逃げてきた神社の境内の方向へ歩き出す。
『真の恐怖』を殺すため。
腕を…?
辻豆さんおつんつん!
熱いなガキさん!
イ呆
(ё)
187 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/03/23(水) 21:51:32 ID:zIMZEkEa
Kの1人、中島早貴は草むらの茂みに隠れていた。
それが彼女の戦い方。
気配を潜め、近付いてきた敵を背後から一撃でしとめる。
格闘スタイルは忍術。Kの仲間の誰にも戦法を明かしてはいない。
そうやってこの大会のテスト時、K最高の108人斬りという数字を残した。
目立たなければ目立たない程に彼女は強くなる。
中島からすれば嗣永や夏焼のポジションは愚としか言えない。
自ら周りの者に弱点をさらしている様な者だ。
最後まで生き残るのは自分の様な存在。そう頑なに信じている。
それが忍。
ガサァガサァ!
サバイバル開始の合図から数時間。
ようやく最初の獲物が近付いてきたようだ。
中島は完全に気配を消した。
「くそ、ゴトウマキは何処にいるんだよ。こう広いと探すのも一苦労だぜ」
暴言を吐きながらまったく周囲を注意しない乱雑な歩き方。
バトル・サバイバル唯一の海外招待選手。アミーゴ・ロムコーだ。
隠れている中島には毛ほども気付いてない。
(わざわざ遠くからご苦労様。そしてさようなら)
すぐ傍を横切った瞬間、中島早貴は飛び出した。
背後から首の骨を掴み、外す。
一瞬必殺!
戦闘に圧倒的なパワーも経験による駆け引きも一切必要としない。
ただこれだけの行為で勝敗は決す。
中島はこれだけであらゆる敵を葬り去って来たのだ。
ただ一人…今や闇の切り札となったあの女を除いて。
そしてアミーゴ・ロムコーもまた…。
ガッ!!
(え!?)
首の骨を掴んだ中島の表情が変わる。
(骨が…抜けない)
「あ〜痒いなぁ」
まるで蚊でも相手にする様に、アクビをしながら振り返るアミーゴ。
動揺した中島はすぐ距離をとろうと離れる。
だが遅かった。いつの間にか右腕を掴み獲られていた。
ものすごい握力で離れない。
「ロムコー相手に骨抜きかい?」
こうなったら戦法を切り替えるしかない。中島は接近戦からの投げを実行した。
しかし…アミーゴはビクともしない。
「小さいねぇ。背丈だけじゃなくやり方も小さい」
言うとアミーゴは掴んだ手の腕力だけで中島を地面に叩き落した。
中島はかろうじて受身をとる。
「俺は一族ん中じゃ柔術の才能無いって言われてたけど…筋力と持久力にゃ自信ある」
再び腕力で中島を反対側へ叩き落した。
それを何度も繰り返す。そのうちに中島の受身も間に合わなくなってきた。
「姉貴たちは細かい技にこだわりすぎてゴトウマキなんかに負けたんだよ」
「グッ…グフ…」
「俺は違うぜ。柔術も忘れないが…大きさも忘れない」
「ウッ…」
「どうだい?最後に言い残すことはあるか?」
「ち、小さいと言われても…やり方は曲げない…消えて隠れて刺す…それが忍び」
アミーゴの口元がへの字に曲がる。
「消える」や「隠れる」は彼女が一番嫌いな言葉。
機嫌を損ねたアミーゴは思いっきり力を込めて中島を地面に叩き潰した。
『勝負ありぃ!!』
『敗者!中島早貴!勝者!アミーゴ・ロムコー!!』
『残り25名!』
柔術の戦歴では姉たちに劣るが、ケンカで負けたことは一度も無い。
ロムコー一族の異端児・アミーゴ!堂々のDelightfulスタート!
「小せえケンカしちゃったね。さぁて、再出発といこうか」
更新乙です!!
アミーゴの戦い方がオモロイw
アミーゴイラネ(・勍)
アミーゴ再出発オメ・゚・(ノД`)・゚・
イ呆
_
|十|
 ̄
土
土
子
↑
誰やねん!
ヲレヲレ
イ口
T木
200
ロコ
L凵
|/
|\
( `.∀´)y―~~
ダーヤスマンセー
新垣を倒した松浦亜弥は…。
亀井絵里を追って、新垣が逃げてきた神社の境内へと踏み込んでいた。
しかしそこにあるのは意識を失い倒れる三人の敗北者の姿のみ。
(ひどい顔だねぇ…よほど怖いものを見たっての?)
恐怖に歪む紺野の顔を見て、松浦は思った。
その当事者は影も形も無い。
「さぁて、どっちに行った?」
辺りを見渡す。
すると点々と階段の下へ続く血の跡を発見する。
(み〜つけた)
それは間違いなく亀井の血であった。
彼女は『神の拳』を受けて血を流していたのだ。
階段の方向へ向かうと、血の跡は階段を下りさらに廃村へと続いている。
(紺野あさ美はまがりなりにも昔、愛を追い詰めた女だ)
(こんな血にも気付かないってことは、相当追い込まれてたってことか)
松浦は迷うことなくまっすぐ階段を下りる。
血の跡は廃村を抜けて海岸沿いの丘へと続いていた。
そのまま追いかける。
(…近い)
血のりが徐々に新しくなってきている。
松浦は速度を上げ、一気に丘を駆け上った。
そしてついに!『死神』が『真の恐怖』を捕らえた。
丘の反対側に蠢く娘の姿!
(亀井絵里。みーつけた)
「よぉーし着いたぞぉ!!」
その頃、ようやく闇の城に辿り着いた柔道界の元気娘・矢口真里。
なっちや亀井の三人抜きを聞いて、その高ぶりを抑えきれずにいた。
闇の連中相手に大暴れできるこのときを待ちに待っていたのだ。
「ん?誰だ?」
すると城の前にすでに誰かが立っている。
(敵か?でもどっかで…?)
スラリとしたスタイルの美人…だが只者でないことはすぐに分かる。
独特のオーラをまとっている。
「誰だぁ…お前?」
「んぁ?」
「おいらは矢…」
「あーーーー!!知さんだぁ!!」」
大人びた雰囲気を持っていた娘が突然子供のような表情で笑い出す。
なんとも掴みきれない奴に戸惑いも感じたが、それよりも…。
「誰がチだコラァァァ!!」
矢口が怒ったのはそっちだった。
しかしこの娘は一向に構わず矢口に打ち解けてくる。
(こいつ、ここがバトル・サバイバルだってことわかってんのか?)
「いっぺん会いたかったんですよねぇ。オリンピック見ましたよぉ〜」
「そりゃどうも…って何なんだよお前!」
敵か味方かも分からぬ娘に翻弄される。
こんなこと初めてだ。
(いや…もう一人いたなぁ…まるでアノヤロウみたいな)
矢口が思ったまさにそのとき、その人物の声が後方から飛んできた。
「そいつとはやんない方がいいべ。ヤグっつぁん」
「安倍!!」
「…っ!」
安倍なつみ登場!
彼女もまた闇の城を目指していた一人だ。
「なんだよぉ。こいつ安倍の知り合いかよ」
「いやぁちょっと…ねぇ後藤真希ちゃん」
「…」
なっちの姿を見た途端、先ほどまで和やかだった娘の表情が消える。
無表情の中に鋭く見え隠れする敵意。
(おいおい、これがさっきまでの無邪気な奴と同一人物かよ…)
「ここであの日の決着つけようか?」
「え!決着って何々?」
「言ったはずだよ。ヨッスィーの仇が最優先。あんたと遊ぶのはその後だって」
「あ〜そうだったべさ」
「何だよ何だよ!おいらにも説明しろい!」
一人取り残されたような矢口が騒ぐ。
すると安倍なつみはいつもの太陽の様な微笑みで、矢口真里と後藤真希の手を取った。
そしてその三本の手を中央で重ね合わせる。
「闇の連中を全滅させるまで、とりあえずうちらは仲間ってことだべさ!」
「ハァ?何それ?」
「あんたと仲間?冗談…」
「アハハ…別に助け合う気はないよ。ただ倒したい敵が共通してるだけ」
安倍の言葉に、顔をそむける矢口と後藤。
だが別に断るほど間違っている内容ではない。
「まぁ、おいらがリーダーなら組んでやってもいいけどさ」
「私は闇なんか興味ない。狙いは石川梨華だけだ」
「OKOK!じゃあリーダーヤグっちゃんね。石川梨華も真希ちゃんに譲るべさ」
安倍なつみ・矢口真里・後藤真希。
ここに闇に対抗する最強チームが完成する。
「じゃあ!行こっかリーダー」
「おぅ!おいらが一番乗りだかんね」
「…フン」
それぞれがそれぞれの思惑を胸に今…三人は闇の城へと乗り込む!
乙です。
おもしろくなってきましたね。
ラブマ三銃士!
・・・闘魂三銃士より遥かに強そうですなw
今更だが、松浦 対 ガキさんの戦いは寂しかったな。
辻豆さん曰く
最高の華を持ちながらプロレスを捨てた女と
華は無くてもプロレスにこだわり続けた女の闘い
だったはずだが、
ガキさんに華だけでなく、実質的な強さも全く無かったために
何の見せ場もなく、捨て石で終わってしまった。
華は無くてもプロレスにこだわり続けたガキさんが
どんな隠し玉を持ってるのかちょっと期待してだけに残念。
サイボーグしばたまだかな〜?
しーばちゃーん!
>>211 俺も。
「あんな途中で逃げたハンパ者は許せない!」とまでいきまいてたのにな。
いや、やはり潜り抜けてきた修羅場の数が云々
216 :
211:2005/04/03(日) 09:40:41 ID:XGCiBI3G
>>215 つまらないとは書いてないです。誤解の無きように。
話がおもしろいのとは、また別の話です。
プロレスラーの本分は負けっぷりだと思うの
時間かけて書いてると色々でてくるね
メンバー自身の個性自体、
現実には変わってきてしまってここの基本設定と多少ずれてきてるし
例えばもはや辻は怪力じゃないしね
初期紺野は努力の人だったはずだが、今ではすっかり安定してしまったし
ネガティブ石川も表面上は見えなくなってしまった。
あと、ごっちんもすっかり穏やかになって・・・
娘小説って難しいね。
まぁ、長期間続くと昔のイメージのままだとキツくなるのは仕方無いよな
>>210 安倍矢口後藤…ラブマ三銃士。いつか実現させたかったトリオです。
当たり前のように見れたあの頃はゼイタクだったんだなぁ。
>>211 プロレスの執念に満ちた新垣が何も出来ないくらい、松浦が圧倒的に強くなっていた。
…ということで。
新垣にプロレスの後を頼まれた松浦ですが…
果たしてこのまま修羅に堕ちるか、レスラーへの想いを取り戻すか?
>>218 この小説も気が付けば連載開始から1年半。色々と変わって当然ですね。
辻加護卒業で騒いでた頃がなつかしい…
(おいらてっきり…あいつも来ると思ってたんだけどなぁ)
闇の城へ乗り込む直前、矢口は一人の女を思い浮かべていた。
この最強チームに加わっていておかしくない女である。
あるいは安倍なつみとの共闘を拒んだのかもしれない。
そうゆう奴だ。
もしくは別の何者かと対峙していて、来れなかっただけかもしれない。
それならばその相手に深い同情を禁じえない。
すでに闇の城へ乗り込んでいるということはあるまい。
それならば闇陣営の敗北スピーチがとっくに流れているはずだ。
随時流れる勝敗報告にもまだ一度も名前が出てこない。
どこで何をしている?
ジョンソン飯田。
(ジョンソン飯田!!!)
高橋愛。えらい人を見つけてしまいました!
とんでもない気を感じて隠れたのはいいんやけど、つい我慢できず覗き込んで…。
なるほど、この人ならこの気も納得って感じやわ。
どうしよう?気付かれたかなぁ?…って別におびえる必要ないがの。
あの5vs5戦では闇の敵を相手に一緒に戦った仲間やざ。
あれ以来、久しぶりに会うんやし…
よしっ!普通に挨拶しよ。
「飯田さん!」
「…っ」
「ひ、久しぶりです」
「高橋愛か。見違えたな」
ほら、笑ってくれてる。
大丈夫…飯田さんは敵じゃない。
「えへへ、実はすごい所で修行したんやって」
「強くなったか」
「…多分。今なら何だってできる気がするんです」
「それは良かった」
「エヘヘ…」
「それなら俺も退屈しないですみそうだ」
「…へ?」
ズドォン!!!
瞬間、大砲の様なナックルがわき腹にめり込んだ。
何が起きたかわからぬまま、岩の塊に吹き飛ばされる。
「っが!!」
ジャングルで研ぎ覚まされた感覚。
―――――――死
その察知能力が無意識に体を後ろへ飛ばした。
ドゴオオオォン!!!!
まさに間一髪であった。
自分が吹き飛ばされた場所にあった岩の塊が粉々に砕け散る。
ジョンソン飯田のキック。
もし、少しでも飛ぶのが遅れたら…今頃。
あの岩石が高橋愛だった。
「どういうつもりや!よけんかったら死んでたわ!」
「…そのつもりだが?」
「え?」
「この戦場は自分以外全員が敵。それも忘れてノコノコ近付くバカは死んだ方がマシ!」
ゾクリ。
ああ、そうか。今わかった。
どうやら私は出会ってしまったようだ。
このバトル・サバイバルで…もっとも出会ってはいけない人物と。
誰よりも強暴で。
誰よりも冷徹で。
誰よりも傲慢で。
誰よりも強い。
『神』と崇められる――――地上最強にもっとも近い女。
「出逢った人間は全員倒す…そして頂点に立つ…それだけのこと」
「ハハ…そういうことスか」
正直、この人とだけは…戦いたくなかった。
もしかすると飯田圭織には勝てるかもしれない。
だがその飯田圭織に勝利するという行為が…自分の敗北を招く神を呼ぶ行為となる。
(でも…やるしかないんやな)
どんな獰猛な肉食獣と相対したときよりも震えてる。
(違う…これは武者奮いやよ)
いきなりラスボス。でも逆に言えば…もし勝ったら?
(私が最強?)
(それ、ちょっとヤバすぎるんだけど…)
どんな闘いの前よりもドキドキしている。ドキドキしすぎてヤバい。
「勝たせてもらっちゃいます。飯田さん」
第42話「もっとも出会ってはいけない人物」終わり
次回予告
最強のプロレスラー・ジョンソン飯田が天を指す頃―――
闇の城に突入した安倍・矢口・後藤の前に…
伝説のプロレスラーが復活する!!
To be continued
227 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/04/05(火) 22:22:25 ID:cyMHyy6W
バトル・サバイバル生存者(残り25名)
【夏美会館】安倍なつみ・辻希美
【ハロープロレス】飯田圭織・松浦亜弥
【講道館】矢口真里
【市井流柔術】後藤真希
【高橋流柔術】高橋愛
【チーム・メロン】柴田あゆみ
【海外招待選手】アミーゴ・ロムコー
【保田一派】亀井絵里・田中れいな・道重さゆみ・藤本美貴
【闇】石川梨華・加護亜依・中澤裕子・平家みちよ・????
嗣永桃子・徳永千奈美・夏焼雅・菅谷梨沙子・鈴木愛理・須藤茉麻・熊井友理奈
飯田さん、恐い
更新乙!です
これまた予想外の組合せでドキドキしますね。
あやみきのコンビは…実現しそうにないなぁ
なんで、そんなイイコちゃんになってしまったんだあやや・・・
笑いながら福田を半殺しにし、病室で高橋への嫉妬の炎に燃えたあややは死んじまったのかよぉ・・・
と、文句を言いつつもこの小説の松浦がお気に入りなんですが。
松浦、藤本、嗣永の3人を応援しています。更新乙!
( `.∀´)y―~~
保
ダーヤスマンセー
約束が違うよ…
これからだったのに…
…ヤグ
ヤグ退場
>>235 無理せんでもいいよ。
書きたいときに書く。
書きたくなかったら書かない。
それでいいと思うよ。
>>236 辻豆氏の好意で成り立ってるスレなんだから、
その好意に甘え続けるのはやめようや。
続きが気になるけど、マターリと待つべさ(○´ー`○)
もうこうなったら、なっち皆殺しでいっきに話を終わらせてしまうとか?
ここは辻豆ワールドなんだから辻豆さんの思い描く矢口真里で
続ければ良いのではないかと
だってそうじゃないと殺人マシーン松浦がトイレットペーパー
持って登場とかの話になっちゃうよw
正直なっち皆殺しでいいんじゃない?
うまく筋道立てて。っていうかそういうキャラ作りしてきたんだから
もともと皆殺しが自然だしね。
このスレなっち皆殺し推し大杉w
別に安倍ヲタじゃないけど、なんかそういうキャラ作りだったじゃない?
高橋や松浦はちょっと・・ってのは皆思ってるんじゃン・・って
結構真剣に語ってる俺は・・この話好きなんだろうなw
でもトイレットペーパー絡みで松浦とかおもしろいかも・・
えーっと・・・主役って誰だっけ
なんとなく柴田あゆみが優勝。
応援ありがとうございます。
矢口、このままフェードアウトは本当に嫌ですね。
もう22だし恋愛くらいしてて当然だと思うけど、特に矢口はw
辞める必要ないし、もし辞めるにしても他に無いかな方法。
モーニングに興味を持つきっかけとなった娘だけに…ちょっと胸が痛い。
話は180度変わって、新メンのオーディションですが…あの5人か。
第二の辻加護でも作る気なのかな。つんく12歳コンビ褒めすぎ。
もう今のハロプロは何が起きても不思議じゃないから、予測がつかない。
小説より奇なりってやつです。
とりあえず「バトル・サバイバルに新メンバー乱入!」だけは絶対にしません。
それでは続きいきます。
第43話「矢口真里、怒る」
ジョンソン飯田の強さの源。それは恐怖。
圧倒的カリスマ性から来る威圧感により、大概の対戦相手は萎縮してしまう。
恐怖で相手の実力を出させず、不敗神話を築いてきたのだ。
仮にもし飯田に対抗できる者がいるとするならば…それは恐怖を感じない者。
モニターを見ながら石黒は思い出した。
そんな人間を三人知っている。
中澤裕子。
松浦亜弥。
亀井絵里。
そしてジョンソン飯田を追い込み、神を呼び出したのもこの三人だけ。
だが神を倒した者はまだ誰もいない。
「愛ちゃん…逃げろ」
今、モニターの中でそんな飯田圭織を相手に、高橋愛が挑もうとしている。
止めたくても止めることはできない。
松浦のときは、石黒がいた。
亀井のときは、安倍がいた。
だが今あの場所に、神を制することのできる人物は誰もいない。
神は高橋愛の息の根を止めるまで止まりはしないだろう。
「逃げられないのなら…せめて」
「圭織が神になる前に…負けてくれ愛ちゃん」
しかし石黒の願いとは裏腹に…高橋愛は信じられないくらいに強くなっていた。
(見えるよ、飯田さん)
野生動物並の俊敏さで飯田の猛攻をさばく。
愛の恐怖感はジャングルでとっくにマヒしている。
恐怖さえ感じなければ、愛のスピードは飯田のスピードを遥かに上回る。
(本当に…)
(本当に…勝ってまうよ)
愛はギリギリまで飯田をひきつける。
そして飯田が拳をふった瞬間に、カウンターの手刀をあごに当てる。
直接、脳を揺らした。
強靭な体をもつ肉食獣を相手に磨き上げた戦法。
ガクンと相手が揺れた瞬間さらに得意のハイキックを叩き込む。
どんな生物でも、まず立てない。
それがライオンでもクマでも…飯田圭織であってもだ。
簡単すぎる…と言っていいくらいに、あっさりと飯田は崩れ落ちた。
(…勝った?)
愛はまだ信じられない。
あの伝説的存在のジョンソン飯田に…勝った?
1分もかかっていない。…秒殺。
「やったぁぁぁぁ!!!!」
このとき初めて、愛は自分の成長を感じたのである。
(強い!)
石黒は震えた。
石黒だけではない。福田も。保田も。市井も。つんくすらも。驚嘆した。
ジョンソン飯田を秒殺!
それは言葉にできる程、たやすい事ではない。
長い格闘技の歴史において誰一人として実現不可能と思われた奇跡に近い出来事。
誰にもできないと思われていた。
あの安倍なつみであったとしても…分からない?
「どんなトレーニングをすれば…ここまで変われるものだ?」
石黒の呟きに、福田は無言で目を閉じた。
(トレーニングじゃねえよ)
(命が100個あっても足りないくらいの地獄を愛は生き延びてきたんだ)
(はっきり言ってこれくらい…当然だ)
「こいつぁ予想外のダークホースやなぁ」
ニヤリと笑うつんく。笑いながら…次の言葉を続けた。
「それだけに残念や…ここで死ぬんは」
稲妻が走る。
崩れ落ちた飯田圭織の腕が天を指した。
一方、闇の城に突入した矢口・後藤・安倍。
玄関ホールにて血まみれの小川麻琴を発見する。
「マコォォォォ!!!!」
同じ講道館の先輩である矢口は、麻琴の名を叫びながら駆け寄った。
どうすればこれほど傷つけられるのか分からない程に、小川はボロボロで気絶している。
後藤と安倍はホール内を探索するが、誰もいない。
小川をこんな目にした張本人もその姿を消してしまっている。
「ひでぇ…ここまでやるかよぉ…」
あまりに凄惨な後輩の姿を見て、矢口の目に涙が浮かびつつあった。
そのとき上へと続く階段から一つの足音が聞こえる。
すぐさま臨戦態勢に入る後藤と安倍。
「石川梨華か…?」
勝利放送によれば小川麻琴を倒したのは石川梨華。
だが安倍も後藤も石川の顔を知らない。当然矢口も知らない。
実は闇の陣営以外に石川の顔を知るのは、出場選手では柴田あゆみと高橋愛しかいない。
「関係ないべ。いる奴全員みな殺しでいい」
だが、そこに現れた女は明らかに石川梨華でないと分かった。
三人ともよく知っているあまりにも有名な顔だったのだ。
「おーおーおー。おもろそうな娘がそろっとるやん。待ちくたびれたでぇ」
「っ!!」
「本当に闇についたべか…中澤裕子!!!」
全盛期を上回る風格と怖さを秘めて、三人の前に立ち尽くす中澤。
宣戦布告したつんくから聞いてはいた。
「闇の力で本物の怪物となった中澤裕子。あんたや飯田でも手に負えへんよ」
だが安倍も実際に見てみるまで、疑いを捨てきれなかった。
(そっくりさんとか…精密な人形とか…そんなんじゃないみたいだね)
「ジョンソン飯田はおらへんか。まぁウォーミングアップにええか」
「誰がウォーミングアップだって?」
「あんたや安倍ぇ。それとそっちの二人も。うちは三人がかりでも一向に構へんで」
「冗談は歳だけにしてくれよババア」
「えらい口叩く様になったもんやのぅ、空手の小娘」
安倍なつみと中澤裕子の間にビリビリした空気が膨れ上がる。
最強と最凶。
もはや激突は避けられぬという所で、間に割って入る小さな影。
「安倍。後藤。悪ぃけどここは譲って。おまえ等先に行っててよ」
「ヤグ…」
「ぶち切れすぎて…おいら、ヤバイからさぁ…ヘヘ」
マコをやられ、爆発寸前の矢口真里が女帝・中澤裕子を睨みつけた!
リアルでペットに先を越されたゆゆたんキター
(#〜^◇^)<ぶち切れすぎて…
辻豆氏乙!いろいろあるけど…ガンガレ矢口!
ここであえてやぐちゅー対決を持ってくるのが嬉しかったり。
ヤグ嵐をブチかませ!
イ呆
┌┬┐
├┼┤
└┴┘
土
土
(;;:::`.∀´) 彡 < 呼 ん だ ?
,/;/⌒/)
//;: /;:: /./
(;::::|;:: (;: (/
\);;:::.\;\
(;:: ( (<<<ヽ
.|;: |\;::::\
);:: | );:::: )
ヤスス呼んでないよヤスス
ワロタ
背面ワロス
263 :
ねぇ、名乗って:2005/04/25(月) 12:25:29 ID:bEBzofuK
下がり過ぎなのでage
265 :
263:2005/04/25(月) 23:30:32 ID:a8VwrcwJ
「ちっこいの。あんた一人でうちとやろうってんかぁ?笑わせんといてぇや」
「…」
自分の前に立つ矢口の小ささに笑う中澤裕子。
しかしその何処にもスキは無い。
中澤も、なっちも、矢口も、ビリビリした闘気に溢れている。
そんな中、ただ一人ノー天気な空気を放つ娘が口を開いた。
「ねぇ三人がかりでボコった方が早くない?」
「後藤。このオバサンはそれほど容易い相手じゃないべさ」
「誰がオバサンやコラほんましばくで」
「三人がかりで勝てたとしても…五体満足でいれる保証はないべさ」
「勝てる保証もやらへんて」
なっちは察していた。
中澤裕子は元々格闘技界を制圧していた女帝。
そこに闇の力が加わったのである…おそらくあの「神」に復讐できる程の。
…となると三人がかりでも相当のダメージは覚悟せねばならない。
これが一戦で終わりの試合ならば良い。だが先に続くサバイバル戦となると話は別だ。
(やれやれ。ちぃ〜っとやっかいだべなぁ…)
しかし後藤真希は平然と言い返す。
「関係ないよ」
「後藤!」
「誰がどんだけ強くても、私には関係ない。邪魔する奴は全部ぶっとばす」
「そっちのガキもなかなか言うやないか、おぉ」
「後藤。あんた強いけど…それじゃあ一番上には残れないべ」
「別にいいよ。石川梨華さえやれれば」
「あっそう。でもちょっとは頭使った方がいいべさ。なっちみたいにね」
「…??」
「利用できる者は利用しろってこった。なぁ矢口」
「うるせえよ。利用されてやっから、とっとと行けってんだ!」
「本当にいいの?ちなみになっちは…矢口が中澤裕子に勝てるとは思ってない」
「お前に期待なんかされたくもねえ!」
「負けると分かって、上に行くため捨て駒として利用するんだよ」
「お前ぜってー後でぶっコロすから!早く先行っちまえよ!」
なっちはニコッと笑った。
それはこれから負ける者へ送る顔ではない。
「矢口。もし中澤裕子に勝てたら…なっちがお前に挑戦するべさ」
「バカヤロ…ただでさえ燃えてんのに、これ以上おいらに火つけるんじゃねぇよ」
また笑うと、なっちは上へ続く階段へ走り出した。
「知さん、がんばって〜」
なっちとは逆に、何とも気の抜ける声援を残して、後藤も上へと駆け出した。
その場に中澤裕子と矢口真里の二人だけが残される。
「意外だな…あっさり二人を進ませてくれるなんてよ」
「みっちゃんの罠があるさかい」
罠?
その言葉に矢口は眉間を歪める。
「安倍なつみも後藤ってガキも…もうおしまいやで」
「なにっ?」
「まぁ一番最初におしまいなんは自分やけどな。矢口真里ぃ」
「てめぇだよ」
バッ!!
目にも止まらぬ速さで中澤の懐に飛び込んだ矢口。
ガシガシババッ!!!
あっという間に腕と足を掴み取るその体勢から繰り出される技は―――!!
「ヤグあら…!!!!」
電光石火の絶対必殺技。ヤグ嵐。
その動きが…止まる。
(えっ?)
柔を良く剛を制す。
矢口はこれまでどんなに大きく重い相手でも投げ飛ばしてきた。なのに…
(う、動かない!!)
中澤裕子の体がまるで根でも這ってある様にビクともしない!
「おい、ちっこいの。言うたやろ」
女帝の掌が、矢口の顔面をガチッと掴む。アイアンクロー!
「うちにとってはお前なんてなぁ」
中澤は矢口の顔を掴んだまま上へとひっぱり上げる。バタバタもがく矢口。
しかし中澤は片腕で軽々と矢口を持ち上げてしまった。
「ムゴォウグ…!!」
「飯田圭織の前のウォーミングアップにしか―――」
そして一気に下へ!!
「――すぎんのやぁっ!!!」
ドゴォオオンン!!!
顔面をボールの様に掴んだまま、床へ叩き潰した。
手を離すと、石畳の中に陥没した矢口がビクビクッと痙攣し血にまみれている。
「矢口…大人しくオリンピックの金メダルで満足してりゃいいもんを…」
「ゲッ!!ゲホッ…」
「最強を目指すなんて不相応な道を選んだせいで…うちに出逢ってしもた」
「ゴホゥ…ウッ…」
「終いや」
ズブンッ!!!
中澤裕子の全体重をかけた足が、陥没する矢口の頭部をさらに踏み潰した!
「お前が格闘界のリーダーになろうなんて…100年早いゆうこっちゃ」
――――――――――――――――フッ
(…!?)
「どしたん、のの」
「いま…いやな感覚が…よぎったの…れす」
「なんやそれ?」
「わかんない」
誰かの命の火が消えたような…いや気のせいか?
もっとも人の心配をしている場合でないことはよく分かっている。
まだ自力で立つこともできない。文字通り加護亜依におんぶの状況。
幸い、加護と再会したあの激闘以降、他の敵には見つからずにいれた。
敵が一人ならあいぼんは誰にも負けないと思う。
けれどもし今二人以上の敵に遭遇したら、その時点でゲームオーバー。
自分が足をひっぱっているから…。辻は心の中で決意する。
(そのときは…あいぼんだけでも逃がそう…うん)
「…のの」
「ふぇ?」
「やられた。前と後ろに誰かおる…」
突然のことに辻はビックリして前を見た。そこに最悪の娘が立っていた。
矢口真里を瞬殺した娘・道重さゆみ!!…ということは!
後方を振り返る!やはり辻が唯一決着をつけられなかった宿敵・田中れいな!
「会いたかったとよ辻希美。さぁ決着つけるばい!」
ののたん!!!!!がんばってくれ!!
れいにゃ〜ん
矢口はカマセまっしぐらだな
やぐ脂肪
矢口はサバイバルからも脱退か…
277 :
ねぇ、名乗って:2005/04/29(金) 20:22:20 ID:XLMIypy8
早く続きが読みたい・・・
Wいけ〜
ケメ子一派ぶっつぶせ
「あいぼん!逃げるのれす!」
「そりゃ無理やろ。心配いらん、うちの三倍拳なら二人くらい…」
「ダメ!のの置いて逃げてくらはい!こいつらは…」
外見で判断してはいけない。
加護の想像を遥かに上回る怪物。
前からまっすぐ、道重さゆみが突っ込んでくる。
「トロいやん。こんなん三倍拳つかわへんでも…」
「受けちゃダメ!よけて!」
「えっ?」
咄嗟に身を引く加護。少し出遅れた腕の皮が閃光と共に切れる。
「いいっ!!」
道重さゆみの突きは刃。触れるものすべてを切り裂く。
辻のアドバイスがなければ腕ごとやられていたかもしれない。
「じょ、冗談やないで!」
「ほんとに。冗談やなか」
気が付くと真後ろに、田中れいなが迫っていた。
八極拳・発勁!
パァン!!
辻をおぶったまま、加護はその衝撃をまともに受ける。
二人は森の中へ吹き飛ばされる。
「イッタ〜!ほんまなんや!あんのクソガキども…」
三倍の防御力になっていなければ…もう立てなかったかもしれない。
加護が立ち上がると、道重と田中が左右から迫ってくる。
「辻希美。怪我しとると?」
「…くっ」
「悪いけど…うちは怪我しているからって見逃すほど優しい人間やなかとよ」
一人では立つこともできない程ボロボロの辻を、冷酷なまなざしで見下ろすれいな。
その間に鬼の形相で立ちはだかるは加護亜依。
「ののとどういう関係かは知らへんけどな〜」
「誰やきさん?」
「加護亜依や!うちがいる限りののには指一本も触れさせへんで!」
三倍拳・発動!!
身を呈して自分を救ってくれた相棒。今度は自分が相棒を助ける番である。
怪物二人を前に…加護の意志は確固たるものとなっていた。
「信じられないの。一人で私達二人とやる気だよ」
「バカの友達もバカってことやね」
三倍の力をもってして…限界ギリギリというところ。
田中れいなを相手する。
道重さゆみを相手する。
辻希美を守る。
たった一人で同時に行なうには、あまりにもきつい状況。
加護はもはや逃れられないループに落ちていた。
(あかん。スタミナ切れて三倍やなくなった瞬間…やられる)
(しかもこのガキども…それが分かった上で遊んどる…)
人間を越えたパワーにスピードにテクニック…
今まで加護の三倍拳を見て、恐れ慄かなかった人間はいなかった。
なのにこの二人は、まるで遊びみたいに余裕な顔している。
絶対に負けない…そう分かっているのだ。
(くそ…)
(せめて敵がどっちか一人やったら…)
(せめて…ののがいなか…)
(っ!!)
(うちはアホか、今何を考えようとした…)
(ののがおるから今のうちがおるんやろ!)
(負けられへん!こんな所で絶対に終わるもんか!!うちらは…)
「うわあああああああああああ!!!!!!!!」
加護が吼えた。
執念のカウンターが道重の顔面をぶち抜い…!
(えっ!?)
「さゆのお顔は誰にも汚すことはできないの」
それは完全に罠だった。
わざとスキを作ってカウンターを自分に打たせたのだ。
特殊な気孔により打たせたその部分を鋼鉄化して。
「しまっ…」
加護の気が道重だけに集中されたその間に、田中は後ろに転がる辻の元へ飛んだ。
「バイバイ。辻希美さん」
「させへんわぁ!!」
ガードもできない辻に向かって発勁をうつ田中。
そこへ三倍速で飛び込む加護。
最強の八極拳士・田中れいな100%の掌が加護の背中に放たれた!
ドッドォン!!
「たいしたもんちゃね」
「ほんとなの」
「普通なら死んどるとよ。うちの100パーまともにいったら」
「あいぼん!あいぼん!!」
「…のの……ゴホッ!」
動けない辻を守るように、その上で横たわる加護。
実際に辻を守ったのだ。その身を犠牲にして。
「もう二人とも動けないみたいだね。じゃあ、さゆがとどめを刺すの」
「コラコラ、とどめはうちがやるっちゃよ」
重なって倒れる辻と加護の間で、くだらない争いをする二人。
(くそっ…もう終わりなんか)
(うちとののが交わした約束がこない所で…)
「じゃあ二人同時にとどめをさせばいいの」
「まぁそれならよか…」
ビクン!!
突然、バッと目を見開いて違う方向に顔を向ける田中。
「どうしたの、れいな?」
「血の匂い…エリの血の匂いばい!」
田中れいなの嗅覚は猫に近いものがある。常人とは比べ物にならない。
「嘘ぉ!あのエリがピンチってことぉ?信じられないの」
「とにかく急ぐと!」
「トドメは?ささないの?」
「そんなのいつでもできるたい!ほら行くとよ!」
「待って〜!」
田中と道重は騒ぎながら、遠くへ行ってしまった。
かろうじて生かされた辻と加護。だがその屈辱はあまりにも大きい。
(今は耐えるんや…二人とも万全なら…うちらは誰にも負けへん!)
更新おつです。
ののとあいぼんどうなるんだろう?
むしろ今はえりりんが気になるところ…
どうなるんだろうか…?
286 :
ねぇ、名乗って:2005/05/01(日) 21:21:47 ID:T82ONJ/g
やっぱ辻豆さんの小説はおもしろいですね。
続きがきになるなぁ…
ハッピーエンド久しぶりに読んでみようと思ったんだけど
>>1のサイトクリックしても読めないんだけど帝国の章から先ってどこかにある?
288 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/05/01(日) 23:10:51 ID:So64e2ZK
辻豆さん自らありがとう
さっそく読ませてもらいます
291 :
ねぇ、名乗って:2005/05/04(水) 22:31:32 ID:LdQi/AU8
早く続きが読みたい・・・
(この人、こわ〜い)
亀井絵里は顔の血を拭いながら思った。
実際に恐怖を感じている訳ではない。彼女にそんな感情はない。
ただ、目の前にいるのはあの松浦亜弥である。
「あんたが亀井絵里?」
「エヘヘ〜」
「今から殺すから」
笑いかけても、笑い返してくれない。
さっきもいきなり後ろから襲い掛かられた。
(紺野って人と戦ってケガしてるのにぃ〜もぅ)
グンっと松浦が無造作に近付いてくる。
わき腹を蹴られた。だけど亀井はクネクネでダメージを負わない。
何発か撃って松浦もそれに気付いたみたいだ。
すると今度はためらいもなく目を狙ってきた。
さすがにそこばかりはクネクネできない。
亀井は両手で顔を隠す。
すると、がら空きになったケガしている箇所を蹴られた。
(いたいっ!)
倒れると今度はサッカーボールの様に頭を蹴ってくる。
それをクネッとかわす。
立て続けに何発も蹴ってくる。
亀井に体勢を立て直す暇を与えてくれない。
(この人、なんか…人を潰し慣れてるよぉ)
(エヘヘ…それはそれでちょっとおもしろいかも)
亀井は倒れた体勢から、足の力だけで上体を強引に跳び起こした。
そのまま強烈な回し蹴りを松浦に叩き込む。
亀井絵里の足まわりの強さは前出している通り。
上半身だけ見れば普通にかわいらしい娘なのに、ふとももの筋肉だけが異様に太い。
この足から繰り出されるキックに耐えれた者はいない。
あのジョンソン飯田すらもノックアウトされている。
松浦もガードしたにも関わらず、数メートル後ろへ飛ばされた。
「あれ〜。体調が万全なら終わってたのにぃ」
亀井は一撃で決めれなかったことを悔しげに言う。
それが松浦の殺意にさらに油を注いだ。
「なるほど…」
「エヘヘ〜次で終わらせるよ」
「どうやら…本気を出す価値があるみたいだね」
パン!
突然、亀井は理解不能なダメージを受けた。
まるでピストルの銃弾を受けたみたいに、いきなり腕に風穴が空いたのだ。
もちろん松浦亜弥は武器など所有していない。
パン!
二弾目は紺野戦でケガをしていた箇所。
血が舞う。意識が朦朧としてくる。
(ダメ…)
(意識を失うとまた…あいつが出てきちゃうよ)
ガタンと膝を崩す亀井。
腕と腹からとめどなく血が流れ出ている。
「銃弾の飛び交う戦場を…どうやって素手で生き延びてきたか?教えてあげるよ」
温情のかけらもない。
極寒のブリザードの如き冷たい表情で松浦亜弥は、亀井絵里を見下ろす。
(ダメだって…これ以上するとまた…)
存在してはいけない『真の恐怖』が…
亀井の意識が薄れ掛けたそのとき、その声が聞こえた。
「エリィィィーーーー!!!!!!!」
森の中から飛び出してきたのはもちろん、田中れいなと道重さゆみ!
突然の強襲に振り返る松浦。
「くらうっちゃ!!」
飛び掛りざまに八極拳発勁!
横に飛んで避ける松浦。
そこへ振りかぶった道重が飛んでくる。
ザシュッ!
松浦亜弥の頬に一閃の傷が付く。
超ナルシストの顔に超ナルシストが傷を付けてしまった!
一方その頃、闇の城1Fの中澤vs矢口。
矢口の頭を踏み潰し勝利を確信した中澤だったが、その顔色が変わっていた。
(感触があらへん!)
次の瞬間、矢口の小さな手足が中澤の足に絡みついてきた。
(こいつ!まだ…)
そのまま捻られる。
間接をうまくついた攻撃にバランスを崩されて、中澤は倒された。
「何が100年早えだ!おいら100年も生きてねえよクソババ!!」
間接をかけたまま起き上がった矢口、頭部が血に濡れている。
(このチビ…)
(踏まれる瞬間に、自分から頭を地面に叩き込みおったんか!?)
普通なら自爆と言っていい回避方法。
「自慢じゃねぇけどおいら柔道界で一番の石頭なんだよ!」
今度は矢口にチャンス。中澤裕子の右足を折れる体勢に入っている。
しかし何を思ったか、矢口はそのチャンスを自ら外して、立ち上がってしまった。
「立て」
「なに考えとるん自分」
「いいから立てって」
「千載一隅のチャンスを逃しとんねんで」
「おいらは倒れない女・矢口真里だぜ。ぜってー投げて勝つって決まってんだよ!」
「ほんま…甘ちゃんやで」
立ち上がる中澤裕子。
「頂点に立つ者…リーダーってのはそんな甘ちゃんじゃ成り立たへん」
「へん。おいらは中澤裕子でも飯田圭織でもねえ!おいらのやり方で頂点に立つ!」
「その考えが…甘いゆうんや」
再び中澤裕子に真正面から向かう矢口。
後輩の小川麻琴をやられた怒りによって、眠っていた戦闘モードが目覚めつつある。
(気付かぬ内に、ルールのある試合に染まっていた。…なんでもありだったよな)
研ぎ澄まされてくる感覚。
ヤグ足が中澤の足を掴みとる。しかしやはりビクともしない。
「ムダや言うとるやろっ!!」
中澤は矢口を持ち上げると、背中から叩き落した。
パワーボム!!
そして蹴る、殴る、連打。
ボロボロになりながら転がって、再び立ち上がる矢口。
力量の差はわかっているくせに絶対にあきらめない。むしろさらに気迫が増している様。
このとき初めて中澤は、ウォーミングアップで済む相手でないことを認識する。
(本気でリーダーとる気か!矢口真里!)
矢口真里は終わらない!頂点に立つその瞬間まで!
第43話「矢口真里、怒る」終わり
次回予告
最強を目指し、福井の田舎から世界へ飛び出した娘・高橋愛。
そして今、ついにその頂点の『神』と交わる。
死に往くか?歴史を変えるか?
To be continued
更新乙です!
あややのその戦場を生き延びたチカラが一体何なのかも、亀井に隠された「真の恐怖」もすごい気になりますね。
300
301 :
名無し募集中。。。:2005/05/06(金) 00:08:20 ID:JnFKDXNB BE:179097067-
辻豆氏乙!
あっちもこっちもで大変でしょうががんばってくらさい!
亀井は自分の中に潜むモノを知ってたんだ!
意識を失っているのにというツッコミは無しということね
出さないって書いてあったけど、出して欲しいなぁ〜
久住小春
ジャージにヘルメットでミラクル発動とか分かりやすいキャラで扱いやすそうだけどなぁ〜
更新乙です
あれやね、脱胎前に書いてたんだね。。。
松浦のは修羅の門の、訃霞だっけ口の中から物をとばすのを想像したけど
ダメージから言うとちょっと無理があるかなぁ?
辻豆氏、乙です。
306 :
名無し募集中。。。:2005/05/06(金) 18:50:55 ID:HDa/fDvz BE:85284645-
雹だっけ、修羅の刻でアズマが使ってたヤツイメージすればいいんじゃないの
>>307 でも雹だと、尖った武器を投げてるだけだからな。
刀を持って斬りつけるのと変わらなくなるから、格闘技とは完全に別だよな。
309 :
ねぇ、名乗って:2005/05/07(土) 22:44:11 ID:jgtvPSKB
早く続きを書いてけれーーー
毎日待てしまう
最強トーナメントの時もぁゃゃは超能力を使ってたし、その類とみる
指弾sage
イ呆
313 :
名無し募集中。。。:2005/05/11(水) 01:03:26 ID:ZPgJ+euT BE:102341838-
._
|十|
. ̄
土
土
315 :
名無し募集中。。。:2005/05/11(水) 18:51:16 ID:GTtwwE5v BE:307022898-
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::
:::: _
_| |_ -ー-―
[_ _] ボコッ †
.† | | ^^
^^ | ..| ノノノハ
/^~~ ( `.∀´) |l <復活!
l| ,、/,、_つ,。つ,/
ヤススの墓
悪霊退散!!!
317 :
名無し募集中。。。:2005/05/13(金) 00:16:12 ID:TfG+CdaK BE:102341164-
保
>>301 正直たいへん…。あっちが終わるまでどうしてもこっちはペース落ちてしまいます。
>>303 いや久住はバトルサバイバルに出さないだけで、別の形で登場させる予定です
>>317 こんなの読んだらミラクルエースオタになってしまうよw
笑うというより、不思議と胸があったっかくなってきた
第44話「高橋愛vs飯田圭織」
ついに…
このときが来た。
私の目の前に神がいる。
人間も越えて神となった「一番つよい奴」が私の前にいる。
私はいつでも飛び出せる構えをとる。
ジョンソン飯田。
プロレスの神。
この人を倒したら私が「一番つよい奴」になる!!
「ヘヘへ」
想像しただけで笑いが出てしまう。
ずっとそれを求めてきたから。
どれだけの年月を重ねたか?
どれだけの道を走ったか?
どれだけの相手と拳を交えたか?
この女の前に立つ為に、本当に一体どれだけの…!!
一人一人の一匹一匹の顔を思い出す。
松浦亜弥、紺野あさ美、吉澤ひとみ、柴田あゆみ、石黒彩…そして辻希美…
福田明日香、村上愛、ハイエナ、大蛇、クロヒョウ、ウーさん、ライオン…斉藤みうな。
すべてが私を強くしてくれた。
すべてが私をこの場へ連れてきてくれた。
そのすべてを今ここでぶつける!!
先手必勝とばかりに私は飛び出した。
プロレスの神はまだ虚ろな表情で立ち尽くしている。
とりあえず試しにローキックを放つ。
バシィ!
普通にヒットした。
まるで反応を示さない。
私はもう一回蹴った。
また当たった。なにかおかしい。
(まだ寝てるんか?)
(ええよ。それなら今のうちに倒してまうから!)
もう一度、今度は頭へ目掛けてハイキックを放った。
そのとき神の焦点が定まった。―――――「敵」を認識した。
私はゾクゾクッという寒気を感じる。
すると突如、物凄い勢いで神が前へ突進してきた。
ハイキックの途中でバランスの悪かった私はあっという間に掴まれる。
(やばっ!!)
倒されると同時に、上から隕石のような打撃が落ちてくる。
(うわわわっ!!!)
足を跳ね上げて、神の顔を横っちょから跳ね飛ばす。
その勢いで下から脱出する。
(あぶな…)
と思ったら、どこから手が伸びてきた。
グニィと首をつかまれて、私はまた地面に叩き落される。
どこから捕まえられたのか確認している間もない。
ダメージを痛がっている暇は無い。
また隕石が落ちてきた。しかも今度は首を絞められている!
ミシミシィ!!
神のメテオナックルを両腕でガード。
たった一発で…両腕が痺れて動かなくなる。
(なんや!?)
二発目のメテオナックルで動かなくなった両腕ははじき飛ばされる。
(嘘やろ?ちょっ…ちょっと…)
思考も途中。
何もできないまま三発目の隕石が落ちてくる。
首を絞められて逃げれない。
両腕をやられてガードもできない。
もしかして、このままこれをもらったら…そこにあるのは…
【死】
その単語が脳裏に走った瞬間、全身にあの感覚が蘇る!!
月明かりすら届かぬ本物の夜の闇を…獰猛な猛獣達に追われ駆け抜けた。
常に死と隣り合わせのあのギリギリの危機感。
「ウワアアアァァッァ!!!!!!!!!!」
ヒュ。
ドガガァン!!!!!
頬の皮一枚で、メテオナックルをかわす。
そのギリギリの感覚。
動かないはずの両腕をムリヤリ動かして、神の頭を叩いた。
その隙に両足を、首を絞めている腕に絡める。
(ためらわない。一気に折…)
しかしその前にプロレスの神は自分からその手を放して下がった。
立ち上がる愛の顔に笑みが浮かぶ。
「下がった」
神が…下がった。
神様でも腕は折られたくないか?
いいや違う。
今まで誰も言おうとしなかっただけ。
「お前は神なんかじゃない」
神なんかじゃない。
「無意識で暴れる…ただのめちゃくちゃ強い人間やよ」
野生動物と同じ。
いやきっとそれは野生動物に違いない。
飯田圭織は意識を失うと、交信する。
何かの意識をその身に宿す。
あまりに凶暴な戦闘の塊となる。
人々はその圧倒的な姿を「神」と称えた。
でも実は違うんや。私には分かる。
交信しているのは神なんかじゃなくて、ただの動物霊。
神の正体は…凶暴な肉食獣そのものや。
「コォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!」
地鳴りの様に吼えるプロレスの神…いや、ただの獣。
「もう恐れない。あなたはただの飯田圭織だ」
私は掌を動物の牙の形に構える。
とことん付き合う。
正気な人間じゃ誰もあなたと戦おうなんて思わない。
勝つか負けるか、じゃない。
生きるか死ぬか、の戦いだから。
格闘技ではなく野生動物の生存競争。
「ええよ。私なら」
私ならば、もう慣れている。
どこまでもやってやろう!
いい感じでアドレナリンが高ぶってきた。
メテオナックルで頬から伝う血を、拳の裏で反対側までこすりつける。
鼻のすぐ下に漂う血の匂い。
ジャングルの匂い。
ジャングルを出てから眠りかけていた愛の中の獣が…目を覚まそうとする。
「がああぁあぁっぁぁぁ!!!!!!!!」
獣と獣。二匹の獣が飛び出した!!
パンチでもない。キックでもない。
技と呼べる代物でもない。
相手の命を奪うための削りあい。
削って。削って。削って。削って。削って。削って。削って。削る。
傷が開き。肉が裂け。血が噴出して。それでも引かぬ。
「ががががががぁぁぁぁっぁぁあ!!!!」
「うあああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」
人間ではない闘い。
もしかするとそれは。こと戦闘ということに限り。
あくなきまで命を賭し。攻め続けるその姿は。その姿こそ。
戦いの『神』なのかもしれない…
(なんて…)
(なんていう純粋さ)
(なんていう猛々しさ)
高橋愛の獣は吼え続けながら感動している。
飯田圭織の獣。
本当に、本当に、本当に、どうしようもなく、嫌というほど、強い。
あのジャングルでもきっといなかった。
これほどに強い獣はいなかった。
そんな獣に巡りあえた。
この広い地球にたった一匹しかいなはずの…頂点の獣。
まだ、足りない。
私の中の獣がまだ足りない。
まだすべてを出し切っていない。
それはわざと出さないのじゃなくて、出し方が分からないのだ。
このままじゃ勝てない。
絶対に勝てない。
飯田圭織の獣は感動するほど強すぎる。
私のすべてを出してもきっと勝てない。
私のすべてを出しきって…さらに今からその上へいく!
飯田圭織と命がけの削りあいをしながら、私の体内のあるすべてを吐き出して、
その上でこの闘いから自分のすべてをもっともっと新しく生み出して、
それでやっとこの殺し合いに生き残る確率が0.001%くらいになる。
ようやく0%でなくなるくらいにまでなる。
0%と0.001%は全然違う。
0.001%と100%よりも違う。
勝率がたとえ0.001%でも存在するのであれば、分からない。
結末は分からない。
奇跡が起きるかもしれない。
ううん、あいつならば…そこから奇跡を起こすはず。
「そうやろ。辻希美」
思わず口から出してしまったその名前が、その顔が、愛のすべてを思い出させる。
(そうやった。私はもう負けちゃいけないんやった)
たとえ相手が地上最強であっても。もう二度と!!
ふーん
辻豆氏乙です。
飯田 対 高橋始まりましたね。
夜叉猿 対 バキを彷彿させて面白いです。
でもできれば、いいらさんは松浦に止めて欲しかったなぁ。
バーサーカーと化した飯田に、プロレスを捨てたあややが
あえて、美しい弧を描くスープレックスを決めることによって
プロレスラーとしての飯田を取り戻させるとか・・・
329 :
名無し募集中。。。:2005/05/16(月) 23:19:55 ID:x3VwM7aa BE:345400799-
辻豆氏乙です。
夜叉猿対バキかぁ なるほどわかるわかるw
哀さんがんばれ!!
どっちが夜叉猿だよw
それを言わせるのかよw
ウッキ〜ヤヨ
ワクワク
曾
川VvV)
336 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/05/22(日) 00:46:55 ID:+vo0HZJ+
高橋愛のすべてを出す!
それが何か、ようやく分かった。
飯田圭織は止め処なく撃ってくる!
その腕をとろうとする。
だが失敗した。早すぎてなかなか上手くいかない。
考えちゃいけない。思考を止めろ。
野生に返る。獣に戻る。
もう一度、飯田の腕をとる。上手くいった。
考えるな!体の動くままに!
ヒュッ――――!!!
飯田の腕をとった瞬間、獣が飛んだ。
『打撃』と『間接』の複合。
高橋流柔術!!
獣の激しさと速さと凶暴さのまま、完成された格闘技を体現する。
考えちゃいけない。
考えていちゃ間に合わない。
無心のままに、野生のままに、本能のままに、『技』を繰り出す。
物心ついたときから何万回、何十万回と繰り返してきた動き。
無意識に呼吸するように…
無意識に技を繰り出す。
「うあおおおおおおおおおぉっぉぉぉぉぉ!!!!!!」
今、愛は変わる。格闘技を身に纏った『人間』という究極の獣に!
それは究極の動きであった。
この闘い初めて、愛が飯田のバックをとる。
そのまま腕を絡めて間接をとる。
(決めて!!)
(勝っ…)
ブゥン…!!!!
愛の両腕が空を切る。
(えっ?)
思考をしてしまった。
ほんのコンマ数秒「勝った」と意識してしまった。
その瞬間だけ愛は究極の獣でなくなる。
そして飯田圭織という怪物はいつかいかなるときも究極!!
背後に感じる重み。
ガンッ!!!!!!!!!!!!!!!!
鋼鉄のハンマーを振り下ろすような一撃が、愛の後頭部を強打する!!
まるでバスケットボールの様に、愛の頭部は地面に落ちてバウンドし、
跳ね上がった頭蓋骨を、飯田圭織は再び叩き落す。
その姿は…圧倒的な…破壊神。
やはり飯田圭織という女には『神』と呼ばせるなにかが存る。
そしてまたバウンドした頭を、今度はサッカーボールの様に蹴り…
ッン!!
そのとき、異変が起きた。
この戦いをモニター観戦していた者達は皆、残酷なシーンを想像した。
高橋愛の頭が破壊されたと勘違いしたのだ。
だが違った。
破壊されていたのは、飯田圭織の右足であった。
足首から先が違う方向にへし曲がっている。
「ぬう」
飯田圭織が思わず息を飲み込む。
高橋愛はまだうつ伏せに倒れている。
飯田は攻撃を止めない。その頭目掛けて、また拳を撃ち下ろした!
ッン!!
高橋愛は動いていない。うつ伏せのままだ。
なのに攻撃したはずの飯田の拳が180度まがっていた。
「うぐぅ」
さすがの激痛に飯田も、顔をしかめる。
わからない。
わからないことが起きている。
何故、攻撃した方がやられる?
飯田が迷っている間に、ようやく立ち上がった高橋愛。
意識は失っていない。いい表情をしている。
辿り着いた顔だ。
バウンドして二度殴られたとき、死んだ。
高橋愛のよけいな意志や迷いが全部死んだ。ふっとんでいった。
そしてあとに残ったものは…何もない。
何もないという所へ、ようやく辿り着いた。
……0.001%が100%に辿り着いた。
頭がカラッポになって、残ったのは体が記憶する「高橋流柔術」と「野生」。
柔術の構えと、獣の構え、その間くらいの構えをとる。
ゴキゴキィ!!
飯田は自分の力で、180度まがった手首と足首をひねり戻す。
そして吼えた。常に迷いはない!
最強と呼ばれた最大の攻撃力をもって愛に正面からぶつかっていく!!
飯田圭織。
高橋愛。
究極の獣と化した二人の戦いの決着は、究極の『技』で幕を閉じる。
―――――――ッン!!
高橋流柔術・秘伝中の秘伝。
攻めてきた相手の力を逆に利用して組み落とす。
まるで雲のようにつかみ所のないその動きから付けられた技名。
『綿雨(わたあめ)』
しかも今の愛の『綿雨』は秘伝のそれを遥か越える。
研ぎ澄まされた野生のスピードに、確実に相手をしとめる凶暴性。
そして辿り着いた「無」の境地。
何の予備動作もなく、気の変化もない。
結果、生まれたのは「見えない破壊」。
攻撃した相手は何もわからずに、気付いたときにはやられている。
相手の攻撃力が強大であればあるほど、その破壊力は増加する!
『真・綿雨!!』
最強の女・飯田圭織
その最大の攻撃力には―――――
骨が、肉が、砕け散る音。
最大の攻撃力で返す!!!!
交信状態の飯田圭織の体…その至る所から吹き荒れる血飛沫。
誰も勝てなかった。
『プロレスの神』と尊敬されてきたその神話が、今…
前のめりに崩れ落ちる。
「…ウッ!…ハァ…ハァ…ハァ…」
「無」から戻った愛が、ようやく我に返る。
そして自分の目の前で動かなくなった人を見下ろす。
ピクリとも動かない。最後まで真正面からぶつかってきた。
(飯田さん…)
とんでもないバケモノだった。自分では勝てなかった。
飯田圭織というバケモノの最大の攻撃力だったから!
この飯田圭織というバケモノを倒すことができたのだ。
(やっぱりあなたは…)
飯田圭織を倒せる者は飯田圭織だけ。
(神…でした)
精魂尽き果てるまでボロボロに闘い抜いた愛は、そのまま大の字に寝転ぶ。
仰向けに寝転んで、空を見上げて初めて気が付いた。
沈みかけた太陽と夕焼けの空。
そのオレンジ色。
生きて…目にすることができた。
高橋愛は生きている。
勝ったんだ。あの飯田さんに。
じわじわとこみ上げてくる実感。
小さく拳だけでつくるガッツポーズ。
そして決着宣言がスピーカーから島中に響き渡る。最大級の衝撃と共に――
『勝負ありぃぃぃ!!!!』
そのとき、松浦亜弥は亀井・田中・道重の3人と対峙していた。
『勝負あり』の放送が流れても特に気にはしなかった。
松浦は自分の顔を傷つけた道重を睨んでいて、それどころではなかったのだ。
「さゆ、エリを頼むばい。あいつはうちが片付けるけん」
「えーれいな、ずるーい」
「まとめて来なよ。まとめて殺すから」
「きさん、大口にも程があるとよ」
「試してみれば?」
「そうするっちゃ」
八極拳士・田中れいなが前進する。
合わせて亜弥も前に出る。
二人が重なろうとしたそのとき、スピーカーからその名前が呼ばれる。
『敗者!飯田圭織!!』
「!!!!!!!!!!!!????」
飯田圭織。
その名前が敗者の所で呼ばれた瞬間、亜弥の動きが固まる。
そのせいで田中の発勁をまともにくらってしまい、10m近くブッ飛ばされた。
特大のダメージを受けながら、亜弥はの意識はすでに違う場所をむいていた。
(嘘だ!私以外の奴が!?ジョンソン飯田を!プロレスの神を!!)
(一体、一体誰が…!?)
そして時代を動かした勝利者の名前が、島中の娘の耳に告げられる。
もうだめだね
リフレクション!!
川*'ー')にはまだそのネタがありましたねー。
なんだかなぁ
やっぱり強さの調整がおかしくなってる気がする
辻豆さん乙です。
いくらなんでも高橋 飯田戦、あっさりしすぎだし状況が全然分かりません。
あんまりイライラしたんで、高橋が飯田のバックとったあたり
勝手に脳内補完してみました。
初めて書くんで辻豆氏との技量の差を笑ってやってください。
高橋が飯田のバックを取った瞬間
バックを取ったはずの高橋の背筋に悪寒が走る
「理屈じゃない、此処はヤバイ。」
野生の感が高橋の頭の中で絶叫しだす。
「あかん、逃げんとやられんで」
しかしそれと同時に 「このまま締めおとせばあっしの勝ち」
高橋の格闘家としての冷静な判断がその場の離脱を許さない。
その時間わずか0.1秒。たった0.1秒・・・・・
もし安倍程豊かな経験を持つ戦士なら、迷わなかったろうか?
あのプロレスの神の背後で片腕を極めかけている。
にも関わらず、得体の知れない自らの命の危険をも感じている。
復讐の鬼保田なら何の躊躇いもなくその腕をへし折っただろう。
彼女にとって相手を滅することが、自分の存在の全てだから。
天才後藤なら、何の躊躇いもなくその場を離脱しただろう。
天才にとってその状況に、自らの危険を賭ける程の価値は無いから。
勝つ方法ならいくらでも有る。
最悪なことに、その砂漠でのオアシスに匹敵する程貴重なその一瞬の時間に、
その若き柔術家は 勝利の門が閉じていくのを 何もせずに見送った。
下手だね。
>>347 うまい下手以前の問題、常識を疑うよ最低だな
351 :
名無し募集中。。。:2005/05/23(月) 02:05:32 ID:KMSsIELl BE:153511766-
あぼーんしてスルー汁
辻豆氏乙!
>>346,347
こんなん蛇足だろ
確かに物足りないところはあったけど、
ここじゃねーだろ
センスなさ過ぎ
>>346 世の中には暗黙のルールがあること勉強しましょう。
あなたが同じことをされて小説を続けようと思いますか?
ジブンがやられてイヤなことはやめましょね。
分かりましたか?ぼく
354 :
名無し募集中。。。:2005/05/23(月) 22:26:01 ID:E+iwGcjs BE:208946377-
マァマァ( ´_ゝ`)スルー汁
ho
主役(たかはす)が強くなりすぎると何か萎える
何か最近やっつけ仕事じゃないですか
無理して書いてるんじゃない?
二兎を追う者は一兎も得ずな予感
358 :
ねぇ、名乗って:2005/05/27(金) 05:53:23 ID:OytbcDTt
バックボーンは違うけど
つ【陸奥vsイグナシオ】
( `.∀´)
飯田圭織・敗北!!
そのニュースは各地にあまりに大きな影響を及ぼす。
闇の城を駆け上がっていた安倍なつみと後藤真希も同時に動きを止める。
「飯田…ってあのプロレスの…」
「…冗談だべさ」
安倍なつみのこんな顔は見たことがない。
直接面識のない後藤だって『プロレスの神』の噂はよく知っている。
(いったい誰が?)
問題はそれだ。誰があのバケモノを倒したのか?
「私とあんた以外にいるのか?」
後藤は安倍に聞いた。安倍なつみと後藤真希以外に飯田と戦える者がいるのか?
安倍は無言。まだ目を見開いている。
(へぇ〜安倍なつみでもこういう顔するんだねぇ)
(飯田圭織ってのはそんなにヤバイ人だったのかぁ)
(よけいに気になるよ。誰がその飯田に勝ったのか?)
そして、飯田亡き今唯一の頂上となった安倍なつみと、「黄金の娘」後藤真希の耳に届く。
その名前。
『勝者!高橋愛!!!!』
その名を聞いて、ボロボロで倒れている辻の表情が変わった。
(えっ?)
その名を聞いて、加護は何かを思い出した。
(中国であった同じ名前のあの子やん!!)
その名を聞いて、安倍なつみの目つきが変わる。
(………)
その名を聞いても、後藤真希はマイペース。
(ふーん。聞いたことないなぁ。一応名前は覚えておくか)
その名を聞いて、石黒は表現しきれない感情に身を震わせた。
(圭織……愛ちゃん……)
その名を聞いて、福田は思わず泣きそうになる。
(ちっ、あのバカ。本当に…やっちまった)
その名を聞いて、柴田あゆみは遠い空を見上げる。
(それでこそサイボーグ化した甲斐があるぞ…待っていろ)
その名を聞いて、眠っていた藤本美貴がついに目を覚ます!
バトル・サバイバルに出場する選手のほとんどが「飯田圭織」の名は意識していた。
もっとも出逢いたくない人物の一人として。倒したい相手として。
プロレスの神の存在はそれほど別格であった。
今、その名がほとんど注目もされていなかった一人の娘の名にすりかわる。
「高橋愛」の名をあらゆる戦士たちがロックオンした!
そして、その名を聞いた松浦亜弥は…
「ハハハ…」
笑っていた。
奇妙な笑い方。
口元だけが三日月を形どり、目は突き刺すように凝固している。
「何がおかしか?」
たまらず尋ねる田中。
自分の発勁をまともにくらった奴がいきなりそういう笑い方をしたのだ。
れいなの発勁をまともにもらったら、少なくとも半日は立つこともできない。
そういう状態なのに、目の前の女は不気味な笑い声をあげた。
「昔からそうだった…あいつが何もかも亜弥から奪っていく」
「ハァ?何の話ばい?」
「おまえらでもない。ジョンソン飯田でもない。あいつだ…」
「だから何の話ばしとー…」
「…よぅくわかった」
(よぅくわかった)
(他の誰よりも一番…倒すべきなのは…あいつ)
(…私が高橋愛のすべてを奪う)
すると、膝をついていた松浦亜弥はバッと体を後ろに飛ばした。
その先には崖があった。
「!!」
驚いて田中と道重が崖にかけよる。
下には海が広がっている。もう松浦の姿はなかった。
「自殺したのかな?」
「わからんたい。まぁ生きてても動ける体やなかと」
「生きててもまた殺せばいいだけなの」
「そういことばい」
敵がいなくなったことを確認して、田中と道重は亀井に駆け寄る。
「でもエリがここまで追い込まれるなんてビックリなの」
「どうせまた遊んでったっちゃろ」
「エヘヘ〜ごめんねぇ」
二人のおかげで、エリは自分の中に眠る『もうひとつ』を出さずに済んだ。
いつも笑っている「無邪気」なエリにとって、あれは好ましい者じゃない。
「邪気」の塊。
できれば永遠に封じ込めて笑っていたい。れいなやさゆみと一緒に。
れいなやさゆみにあんな自分は見られたら、おそらくもう今みたいな関係でいられない。
それがエリにとって一番恐れることであった。
エリは右手でさゆみと左手でれいなと手を握る。
バトル・サバイバル開始以来ようやく、この3人がそろった。
この3人がそろったら、どんな奴等にも絶対に負けはしない。
『敗者!飯田圭織!!』
『勝者!高橋愛!!!!』
『残り24名!!』
その内容は、もちろんこの二人の元へも届いていた。
焦る中澤裕子。
笑う矢口真里。
「ふざけるな!飯田は俺の獲物や!!奴が俺以外に負ける訳あらへんやろ!!」
「キャハハ。負ける訳ねーって?まだ思ってんだ」
何度やられても立ち上がる矢口真里。
気が付くと後ずさりしているのは中澤裕子の方であった。
「時代は動いてるんだぜ。もう飯田圭織じゃない!中澤裕子でもねぇ!」
ヤグ足が中澤の足を掴む。手が腕を掴む。
「無駄やゆうとるやろ!うちにヤグ嵐は通用せえへ…」
そのとき矢口の小さな体が、中澤の周りを回転し始めた。
(なっ…!!)
ヤグ足は中澤を掴んだまま決して離れない。引き込まれる様に回転する中澤の体。
いつしか竜巻の様に中澤が浮かび上がる!!
決して動かすことのできなかった女帝が…宙に舞う!!!
「おいらの時代だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
ドオオオォォォォォォォン!!!!!!!!!!!
女帝の体が床に叩き落される。
最強の必殺技『ヤグ嵐』が、もう誰も逃れることのできない完全奥義として蘇る。
『真空竜巻ヤグ嵐』
竜巻で宙に飛ばされた勢いのまま地面に叩き落とされるこの技。
全身が一発でコナゴナに砕かれる。女帝といえどもう立つことはできない。
完全決着。
「…ゲホッ。こないチビにやられるなんて…なぁ」
「へえ、まだ意識あるんだ。さっすが中澤裕子」
「矢口ぃ。リーダーってぇのは生半可なことやあらへんで…
俺もおそらく飯田も…影では死に物狂いやったんや。それでも頂点を目指すか?」
「あったりまえじゃん!おいらは格闘技界のリーダーになる為に生まれてきたんだぜぃ」
「………やっぱ無理やな」
「んだよそれぇ〜!!」
中澤は自分を倒した娘をもう一度見つめる。
小さい小さいと思っていたが、今はやけに大きく見える。
(時代は動くか…フン)
(もううちの時代は…とうに終わってたんやなぁ)
「おい。矢口ぃ」
「あん?」
「あと頼んだわ。チビリーダー」
『勝負ありぃ!!!』
『敗者!!中澤裕子!!!』
『勝者!!矢口真里!!!』
『残り23名!!』
目を閉じた中澤は、夢を見た。
駆け抜けた戦いの歴史が走馬灯の様に現れては消える。
そして暗闇の中、最後に待ち受けていたのはジョンソン飯田。
「おう」
「ああ」
「負けたんやってな」
「あんたもな」
「うちらの時代はもう終わったんかなぁ」
「フン。女帝らしくねぇ。泣き言か」
「やかましい。ほんまどつくでお前」
「俺はレスラーだ。あのリングの上なら何度でも立ち上がる」
「ケッ」
「フフ…」
「上等やないか!死ぬまで現役や!プリプリでピンクのコスチュームでも着たるわい!」
「うわ、吐き気がするぜ」
「何言うとんねん!お前も着るんやでコラ!」
格闘技界のリーダーとして駆け抜けた二人。中澤裕子。飯田圭織。
彼女達の時代は…まだまだ終わらない。
第44話「高橋愛vs飯田圭織」終わり
次回予告
高橋愛が飯田圭織を破る。そして矢口真里は中澤裕子を退ける。
バトル・サバイバルの勢力図は大きく様変わりしようとしている。
そんな中、光と闇の決戦もいよいよ大詰めを迎える。
安倍なつみと後藤真希に降りかかる最大の罠。
「真希ちゃん。なっちの為に死んでくれる?」
「お前が死ね!」
To be continued
368 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/05/29(日) 15:28:29 ID:l+vlV3ps
(あとがき)
リーダー継承の名シーンになるはずが、まるでギャグにしかみえない。
矢口めw
(〜^◇^)<キャハハ♪
>>368 悪いけど、それは辻豆さんの書き方にも問題があるんじゃない?
(時代は動くか…フン)
まさにこの言葉通り
更新乙です。
>>368 まあそれは酷でしょ?
きっとここはずいぶん前から決まってたんだろうからさ。
いろいろな小説見てるけど娘。の動きになぞらえて
大作書く作者にとってはほんとに、
書きにくかったと思う、こんかいのことは。
ところでやっと柴ちゃん登場かと思ったら台詞だけ。w
彼女のこと忘れてたんでそろそろ活躍させたってください。
ヤヨー
川VvV)<寝起きは機嫌が悪いのよw
秘密兵器キター!?
>「真希ちゃん。なっちの為に死んでくれる?」
>「お前が死ね!」
なんか知らんが笑ってしまった。
(●´ー`)<真希ちゃん。なっちの為に死んでくれる?
( ´ Д `)<んぁ?
川VvV)<ドキドキ
hozen
,. - ── - .
/:::::::::::::::::::::::::::::\
. /:::::;:::::::::/ ∧:::::::::::::::::',
/:::i:::/:/i:/ / ト.:::i:::::::::::i
i::::i/レ' `VV;::::i
. i::::;i ┳ ┳ |;::::| <ヒマだよ
|::::;| ノ;::::|
_/´⌒、ヽゝ. V イィ ⌒ヽ_
`ーーー' ' ̄ `` ー-‐ '´ ̄ ーーー'
∋oノノハヽ
川*’ー’) <やよー
∩u )^)
/ / / u-u'| |
/ / | |
. / / /ノハヽ / /
/ (0´〜`) / <おーよちよち
/ | /
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| /⌒l
/ | / ./ .|
ヽ | /
/ | ゙ー'| L
/ | /(_ ヽ
/ノ / ゙し'
/ / ノ /
/ / //
/ ./
/ ( ヽ
/ ヽ、_つ
/
AAは良くない
辻豆さん忙しいのかなぁ
会えない長い日曜日
あっちもこっちもだからなぁ…ちゃんと帰ってきてくれよ辻豆!!待ってるぞ!!
あっちもこっちもって他でも書いてるのか?
2股かけずに1つに集中してほしいなぁ
>>386 そんなこと言ったらこっちが切られるジャマイカw
ここまでモチベーションが低いんだったら、いっそのこと切ってくれても構わないと思うけどね
こんな終盤で切られちゃたまらん
ちょっとずつでいい。読者は帰ってくるまで待ち続けるのみ。
向こうで正体ばれちゃったね
まぁガンバ!
394 :
ねぇ、名乗って:2005/06/16(木) 19:54:20 ID:CsrdnDO6
向こうって?
一月くらい前からあっちのも読んでた。
面白れーなと思ってたけど、まさか辻豆さんだったとはビックリ!
ヒント:狼
こっちも面白いけど向こうも面白い!
どっちかに絞れなんていわないからゆっくりでもいいから
キレイにまとめあげてくださいw
どんなに忙しくてもこの日だけは…
ののたん18歳の誕生日おめでとう
∋oノハヽo∈
( ´D`)<My Happy Birthday Comes!
第45話「闇の罠」
闇の城の階段を駆け上がる二人。
安倍なつみと後藤真希。
おそらく優勝への最大の障壁になるであろうと思われた飯田圭織が消えた。
しかし安倍なつみの顔は冴えない。
最後まで残しておいたデザートを横取りされた子供みたいな顔をしている。
「ひとつ約束だよ」
「何?」
「高橋愛だ。こいつはなっちがやる」
「好きにすればいい。何度も言う様に私の狙いは石川梨華だけ」
「それならいいべ」
「もっとも飯田さんに勝った以上、他の奴らからも狙われるでしょうけど…高橋って子」
「飯田圭織を食って他の奴にやられる様なら…それこそ許さないよ」
「勝ち残っても、負けても、ダメじゃん」
会話を続けていた二人の前に、仰々しい扉が現れた。
「ようやく上まで着いたね」
「もうなっちダメ。イライラしすぎて皆殺し気分」
「それも…好きにすればいい」
扉を開く。
ガランとした広く四角い部屋。
そのとき!
部屋に入った二人の後方へ鉄の柵が落ちてくる!
ガラガラガシャ〜〜ン!!ガン!ガン!ガン!
前にも!右も!左も!
あっという間に二人は檻に囲まれる形となった。
「ようこそ。闇の城へ」
奥の階段から聞こえてくる声。
平家みちよ。
檻に捕われた安倍なつみと後藤真希であったが、表情は少しも崩さない。
「見事にかかってくれましたね〜」
ポリポリと頭をかくなっち。
「あのさぁ…こんな罠でなっちを捕らえたつもり?」
グーをつくった。
まぁるい拳だ。これで数々の歴史を作り上げてきた。
この拳が当たれば破壊できないものはない。
単純にして究極の武器。
「ぶっこわす」
なっちはその拳を…前方の鉄柵へ放り投げた!
バチバチバチバチバチィ!!!!
「うわ!いったぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」
目に見えるほどの電撃が、檻に触れたなっちを襲う。
なっちは大げさなくらい痛がって転げまわった。
「アハハハハハ!触らない方がいい!その檻は超高圧電流で守られている」
笑う平家。
すると次は後藤真希が檻の前に立った。
(電流が伝わるより早く、壊せばいい)
シュッと目にも止まらぬスピードで手刀を放つ!
ビビッ!!
手の甲が焦げ付く。
(無理か…)
あまりに電流が強大すぎて、鉄柵まで届かない。
どんな達人だろうと、まともに鉄柵を叩けば黒焦げになるであろう。
つまり…
「安倍なつみ。後藤真希。お前らは完全に捕われたってことだ」
平家はまた笑う。
この二人を抑えれば、闇最大の戦績となるであろう。
「だけど二人にチャンスをあげるわ」
「っ!」
「…殺しあえ」
「なにぃ?」
「安倍なつみ。後藤真希。今からそこで戦え!勝った方だけを出してあげる」
プッと吹き出すなっち。
「アハハ…そんな手に乗るかってのねぇ」
「フン」
なっちはいつもの太陽の様な笑みで、後藤にほほ笑みかけた。
「真希ちゃん。なっちの為に死んでくれる?」
「お前が死ね!」
「冗談。冗談だってぇ。言ってみただけよ」
「じゃあ他に何か策があるの?」
「う〜ん無い。困った」
「…私はひとつある」
「ほんと!」
「あそこ見て」
「何々?」
後藤は平家の方を指差した。その方向へ振り向くなっち。
次の瞬間、なっちの首筋目掛けて、真希の手が物凄い速度で伸びる!
ガッ!
間一髪!ノールックで真希の腕を掴むなっち。
「不意打ちとは…やってくれんじゃん」
「いや、誤解だ」
「それが唯一の策だってこと?」
「だから誤解」
「勘弁してよ…なっち今イライラしてるっていったでしょ」
なっちはまだ笑っている。だけどそれはやや怖い笑みだ。
しかし後藤はまだとぼけている。
「フゥ〜〜〜〜〜」
「なにため息ついてんだべさ」
「やっぱり安倍なつみなんかと一緒にいるんじゃなかった」
「お互い様だよ」
元々味方じゃない。敵同士の二人だ。
もしどちらか片方が少しでも弱ければ…これほど悩まなかったかもしれない。
だが相手が安倍なつみと後藤真希となると…
「本気でやるしかないじゃん」
「残念だよ。もう圭織がいないから、後藤真希は最後まで楽しみに残しておきたかった」
「安倍なつみに勝っちゃうと…なにかと面倒臭くなるからヤダったのに…」
闇の罠の中、安倍なつみと後藤真希は静かに向かい合った。
生き残るのはどっちか!?
乙です。ぼちぼちで良いんで続けて下さいな
もしかして「北○の拳」のケンシ○ウとレ○みたいな・・・
407 :
名無し募集中。。。:2005/06/22(水) 07:05:18 ID:0OuP8Cbh
こんなんで平家の思惑にのって本気で戦ったりしたらただのマヌケ
なっちとゴマキが間抜けじゃないみたいな言い草だな
狼のれいにゃーずスレから来たけどさ
半日潰して読み続けたよ
素晴らしいな…何かもう圧倒されたよ
411 :
名無し募集中。。。:2005/06/25(土) 19:10:17 ID:2zIGmVra BE:49283827-
( ` ・ゝ´) 川‘〜‘)|| (〜^◇^) 川σ_σ|| ( ^▽^) 川o・-・) ( ‘д‘) ( ・e・)
真希は上に着ていたシャツを脱いで足元に落とした。
細くしまった体に黒のタンクトップという姿。
よりスピードを上げる為に、上着一枚でも重みを減らす。
特にこの安倍なつみという怪物相手では、その一枚で勝敗が左右する。
真希はその場でトントンと上下にステップを踏む。
なっちはいつもの空手着に、夏美会館のいつもの基本構え。
「いつでも来ていいべ」
「そっちから来い」
「わがままねぇ」
しかし言われなくても、なっちは先手を取るつもりでいた。
後藤真希のスピードに後手を取るのは得策でない。
タイミングを計り、スッと前に出る。
そのまま一直線に後藤真希のアゴ目掛けて正拳突きを撃った。
真希はそれに合わせてカウンターのハイキックを繰り出す。
なっちはそれを反対の腕でガードした!
ブアッ!!
次の瞬間、何かがなっちの視界を完全にふさいだ。
(上着!?)
さっき真希が脱ぎ捨てたシャツであった。
真希はそれを足の先でひっかけて、なっちの顔にかぶせたのだ!
初めから、そのつもりだった。
利用できるものは何でも利用する。無いなら利用できるものを自分で最初に作っておく。
市井ちゃんに教わった基本中の基本。
視界を奪われたなっちはただちにガードをつくる。
しかし、いつまでたっても攻撃がこない。
約2秒だ。なっちがガードを固め待っていた時間。
後藤真希を相手に目隠しで2秒というのは、恐ろしいくらいに長い時間。
なっちは後ろに飛ぶと、上着をはぎとった。
そして感嘆の声をあげる。
「わ〜お」
高圧電流の鉄柵が破壊され、後藤真希は平家みちよの前に立っていた。
平家みちよの顔が、驚愕に歪んでいる。
「き、き、きんぱ…」
「あんたは余計なこと言わなくていいんだよ」
真希は冷たい瞳で、平家の喉を押さえ込んだ。
最初からこの程度の罠など、真希にとってはなんてことなかった。
光速の「黄金時間」を使えば、電流よりも早く鉄柵を壊すことなどたやすい。
しかしそれでは安倍なつみに切り札を見られてしまうことになる。
「パーフェクトピッチ」の安倍なつみの前で、それだけは避けたかった。
その為に真希はわざわざ安倍を挑発して視界を奪うやり方を選択したのであった。
理解した安倍なつみは笑顔で拍手を贈る。
「なっちのせいでひどく面倒かけちゃったねぇ、真希ちゃん」
「まったくだよ」
後藤真希にとっては、闇の罠より安倍なつみの方が遥かに厄介だということだ。
平家みちよはかつて闇の格闘技界で頂点に君臨していた女である。
「最強」と自負する者への免疫はあるつもりでいた。
だが…安倍なつみ。後藤真希。
目の前にいるこの二人は、自分の想像をはるか超えた所にいる。
こざかしい罠や策略で太刀打ちできるレベルでない高みに。
「質問するよ。答えても答えなくても、あんたはここで倒すけど」
ノド元に手を添えたまま、淡々と語る後藤真希。
その後ろで安倍なつみはニコニコとほほ笑んでいる。
(なんなんだ、こいつらは…)
「答えたらあんまり痛くない様に倒す。答えないならめちゃくちゃ痛くする」
顔に似合わず、どこか幼稚な物言い。
だけど平家にとってはそれが余計に恐ろしさを増幅させる。
「石川梨華という女はこの上にいるのか?」
「い、いや。いない」
「!!」
「この上にいるのは…安倍なつみ用の秘密兵器だ。石川じゃない」
「なっち?」
意外な所で呼ばれて、安倍なつみは目を丸くする。
(秘密兵器…おもしろそうだべさ)
逆に後藤真希の顔はどんどん不機嫌に…。
「じゃあ石川梨華は何処!?」
「知らない!あいつは小川麻琴を片付けた後、フラッと城を出て行ったきりだ!」
「ふ〜ん」
ドンッ!!
平家みちよの体が一瞬で反転して床にめり込む。
よく目をこらさなければわからないくらいの攻撃速度。痛みを感じる暇もない。
安倍なつみの頬がさらに緩んでしまう。
(まいっちゃうね〜。今ここでやりたくなっちゃうよ〜)
本当に一瞬で平家みちよを片付けた後藤真希は、くるっと反転して歩き出す。
「もうここに用はなくなった」
「せっかく用意してくれたんだし、なっちは秘密兵器に会ってくるよ」
階段の下へ向かう後藤真希。
階段の上へ向かう安倍なつみ。
「生き残れよ真希ちゃん。次会ったら決着だ」
「そっちこそ。もう助けてあげないから」
「ベ〜。生意気な奴ぅ」
もっとも、安倍なつみも別の方法で罠を脱出する術をもっていただろう、と真希は思う。
あるいはわざと目隠しされて、自分の作戦を利用したのかもしれない。
どちらにしろ、安倍なつみという女だけは底が見えない。
次会うときは…本当に覚悟しなきゃいけないだろう。お互いに。
こうして後藤真希と安倍なつみは別れた。
『勝負ありぃ!!!』
『敗者!!後藤真希!!!』
『勝者!!平家みちよ!!!』
『残り22名!!』
順調に減り続ける生き残りの数。
バトル・サバイバルも中盤戦。
減れば減るほど、この先の戦いは厳しさを増してゆく。
果たして次に犠牲となるのは…?
「おぉ〜後藤も勝ってる。まぁあいつらなら当たり前か」
中澤裕子との死闘を終えた矢口真里は、まだ城の1Fで休んでいた。
さすがにダメージがでかすぎて、すぐに動ける状態ではなかったのだ。
そうしている内に、眠っていた中澤が目を覚ました。
「さっすが女帝。回復早いねぇ〜」
「…なんやまだおったんか矢口」
「別にどこにいたっていいじゃん。安全な場所なんてないんだし」
「そ・の・と・お・り・です」
そのとき、まだ幼さの残る声が、城の入口から聞こえた。
矢口も中澤も顔を向ける。
子供がいた。氷の様に冷たい目をした子供だ。
「矢口真里さん。申し訳ありませんが、あなたはここで消・え・てもらいます」
「キャハハハ。笑えない子供だね」
「いや笑っとるやん矢口」
まだ全快とは言えないが、体力も戻りつつある矢口はスクッと立ち上がった。
子供は無表情で中澤裕子を見下ろした。
「本来ならば中澤裕子によって消される予定でしたが…多少の軌道修正は止むを得ない」
「ハァ。何言ってんの、お前」
「役立たずのおばさんに期待しすぎるのもよくなかったですね」
女帝の目つきが変わった。子供といっても言ってよくないことがある。
中澤は立ち上がると子供の方へ歩み寄る。
「おいおい、ほんま笑えへんでぇ〜ガキ」
「怖っ!ほんと笑ってないから!」
「謝らんかいクソガ…」
次の瞬間、信じられない光景を矢口は目にする。
子供が片腕で中澤裕子を地面に叩きつぶす光景。
「ということはやはり気付いていないか。Kの中にもバケモノが二匹ほど潜んでいるぞ」
「K!?あのガキんちょどものことか!」
「ああ。おそらくあの大人数はバケモノを隠すカモフラージュ」
秘密兵器の女と会話した内容が中澤裕子の脳裏に浮かぶ…。
(…ほんまやった…バケモノ)
それを最後に中澤は今度こそ完全に、意識を失った。あの女帝がたったの一撃で!!
氷の様な目をした子供…熊井友理奈は静かにその視線と殺気を矢口真里へ移した。
「消・え・てもらいます」
418 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/06/26(日) 21:08:43 ID:8eSuFuzI
>>406 昔読んだけど覚えてないなぁ。どんなんでしたっけ?
>>409 あっちから来てくれた人もいる様で嬉しい限りです。
作風は全然違うんですけど、どっちもおもしろい(はず?)です。
>>411 これは…どうゆう組み合わせだろう?
更新乙です。面白いっす。
どーでもいいことですが辻豆さん、敢えて言わせてもらいますw
>>416 >『敗者!!後藤真希!!!』
>『勝者!!平家みちよ!!!』
Σ(;´D`)<ションナ!!
>>418 牙一族に人質をとられて二人で殺しあうように命令される
↓
お互い仮死状態になる秘孔を突く
↓
二人とも死んだと思った牙一族が人質を解放する
↓
生き返った二人に牙一族あぼーん
>>418 ( ` ・ゝ´) 川‘〜‘)|| (〜^◇^) 川σ_σ|| ( ^▽^) 川o・-・) ( ‘д‘) ( ・e・)
石黒 飯田 矢口 柴田 石川 紺野 加護 新垣
なぜか最近よく見かけるALLタンポポのAA
なんか最近ベリ工より℃-uteのほうが強いんじゃないかって気がしてきた
いかんいかん
>>419 やっちまったΣ(;´D`)
訂正は当然こうで↓
『敗者!平家みちよ!』
『勝者!後藤真希!』
>>420 説明ありがとうございます。
>>421 あーそっかタンポポか
辻豆さん更新乙です
向こう完結するまで、こちらの更新無いのかと思ってましたよ
日刊誌連載と週刊誌連載みたいなもんだな
漫画でも月刊誌と週刊誌掛け持ちしてる人もいるし
>>420 「北斗龍撃虎」と「南斗虎破龍」だっけか。
矢口が紙一重でようやく勝利を収めることができた中澤裕子。
それをまるで赤子の様にひねり潰した子供、熊井友理奈が静かに歩み出す。
「おいおいおい〜冗談だろぉ」
構える矢口。熊井のベースも柔道。奇しくも同じスタイル。
何のためらいもなく矢口の袖に手を伸ばす熊井。
「投げ合おうってのか!おいらと!」
それだけは!世界中のどんなバケモノが相手でも負けられない!
オリンピック金メダリスト。世界No1のプライド!!
熊井と矢口の体が重なり合う。
組手の奪い合い。
熱く声を張り上げている矢口に対して、冷たい瞳のままの熊井。
激しい攻防の中、冷静に矢口真里を分析していた。
(データよりもあらゆる能力が高まっている…)
(強い相手と戦えば戦うほどに強さを増していく稀有なタイプですか…)
(やはり今のうちに消しておかなければいけません)
熊井友理奈の能力がググンと高まる。
柔というよりもほぼ剛の力で、矢口の体を宙に跳ね上げる。
(おわりです)
そしてまっさかさまに地面へ叩き…!!
次の瞬間、熊井は後頭部に異変を感じる。何かに掴まれた感触!
「お前も落ちろ!」
ヤグ足!!
受身など一切考えず、矢口は自爆覚悟で相手も投げに巻き込む非常識な策に出たのだ!!
後頭部をヤグ足に掴まれた熊井の顔面も、矢口の頭部と共に地面へ落ちる!!
「…っく!」
ババババババッ!!
そのとき、熊井の体がありえない動きで投げている状態から、飛び出した。
投げを外されて転がる矢口。
熊井はまだ冷たい目をしている。だがその目の色は確実に濃度を増していた。
「キャハハハ!おいらほっといたら何するかわかんねえぜぃ!」
「…その様ですね」
(藤本美貴に中澤裕子。矢口真里はこれまで格上といえる相手に何故か勝ち続けている)
(データ的には劣っているはずだった。でもその理由が少しわかった気がします)
(矢口真里。この女をこのまま残しておけば必ず凶悪な汚点となる)
(やはり確実に消して…)
トントントン…。
そこへ階段から降りてくる足音が響いた。
振り向く矢口。
「んあ〜知さん。よく中澤さんに勝ったねぇ〜」
「後藤!!いい所に!」
「??」
「あのガキは油断できねえぜ!!」
「ガキ?誰もいないよ〜」
「えっ!?」
矢口が後藤に気を取られていたわずかな時間の内に、熊井友理奈はいなくなっていた。
(くそっ、とんでもねえガキだな)
いけると思ったらすぐに攻め、状況が不利になれば恐ろしい程すぐに引く。
「この城にはもう誰も残ってないよ。最後の一人は安倍さんがやっちゃうし」
「闇の連中もほとんど壊滅ってわけか」
「後藤が石川梨華を倒して終わりだよ」
終わり…。しかし、矢口はとてもそう楽観できなかった。
あの子供…ありえない身体能力をしていた。
不安がよぎる。
つんくは何かもっと恐ろしい闇の罠を控えている気がしてならない。
(まぁ、考えても仕方ねえや。要は来る奴みんなぶったおせばいいんだしな!)
しかし…このときの矢口の不安は、のちに最悪の的中を迎えることになる。
Kの中に潜む怪物…熊井友理奈は城を見渡せる木の上に移動していた。
(今の矢口真里と後藤真希を二人同時に相手できる人間など存在しない)
(まあ仕方ありません。いずれ機会は来るでしょう)
そして熊井は島の反対側に目を向ける。
考えているのは、Kに潜むもう一人のバケモノのこと。
(やれやれ…彼女はいつまで遊んでいる気でしょうか)
Kに潜むバケモノ二人。そのもう一人は未だバトル・サバイバルを満喫している。
「梨沙子〜起きなさい」
「ファァァ。おはよ雅ちゃん」
「しっかしよく寝れるよな。マジで頭おかしいんじゃないの?」
「えへへへ〜」
「コラ!愛理!悪口言わないの!それから梨沙子も!褒められてないから!」
ノンキな菅谷梨沙子と気の強い鈴木愛理。そして二人を世話する夏焼雅。
(母ちゃんみたいだな〜まだ若いのに)
そんな三人を見守る須藤茉麻は、これまた場にそぐわぬことを考えていた。
この夏焼一派の四人は最初からずっと行動を共にしていた。
なかなか戦闘ができなかったのは、菅谷梨沙子の迷子や居眠りが原因であった。
「てゆうか、そろそろ戦わないとウズいてしょうがないよ。誰かいないか見てくる!」
「ちょっと!愛理!」
一番好戦的な鈴木愛理が、適当な敵がいないか偵察に飛び出した。
戦闘能力はあの若さで天才的なものを持っているが、その性格がまだ危なっかしい。
夏焼雅の心配の種だ。
「雅ちゃん。おなかすいたぁ〜」
もっとも、彼女よりはるかに心配なのがこの菅谷梨沙子であるが…。
しかたなく非常食のお菓子を分け与えていると、声がする。
偵察に出た鈴木愛理が、あっというまに戻ってきたのだ。
「いたいた!ちょうどいい三人組!」
田中れいな・道重さゆみ・亀井絵里の三人は森の中で夕食をとっていた。
バトル・サバイバル中だというのにどこか楽しげである。
三人そろったら怖いもの無しだから、しょうがない。
「じゃあさゆもれいなもまだ誰も倒してないんだぁ〜」
「よく言うとね。絵里を助けにこんかったら、あん二人組倒しとーとに!」
「ウヘヘヘへ。絵里はもう3人抜きしましたよ?」
「ちょっ!誰のおかげで!さゆも何か言うと…」
シャーシャーシャー!
研ぎ石で、自分の腕の刃を研ぐ怖いさゆみがいた。
「獲物がみんな中途半端やったとから、だいぶご立腹っちゃよ」
「今はそっとしておいた方がいいね」
ボソボソと囁きあう二人。
(適当な敵でも来てくれたらよかとけど…)
れいながそう思ったとき、木々の合間から複数の気配がした。
(誰か来たよぉ〜)
(おぉ!いいタイミングやね〜)
れいなと絵里は立ち上がって、気配の方を見た。
現れたのは夏焼派の四人。れいな達三人を見て鈴木愛理が笑う。
「退屈なんで遊んでくださ〜い。年・増・の・お・ば・さ・ん・が・た♪」
後ろの方で刃を研ぐ音がピタリと止んだ。
432 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/06/30(木) 22:42:22 ID:IBKM7uMp0
あっちが休める間にこっちを更新
れいな達のキャラの違いに戸惑う自分がいる
乙です
あっちの方は久しぶりにまとめサイトを読み返してます
>>432 あっち休んでいいなんて誰が言った!
なんてのはうそです。両方とも楽しみにしてます。
両方ともしばらく終わりそうにないですからね。
がんばってください
板移転でビックリシタ
何板に移転したの?
438 :
名無し募集中。。。:2005/07/05(火) 22:36:51 ID:t9gu/R+f0
439 :
名無し募集中。。。:2005/07/06(水) 22:16:48 ID:ylYUfSe20
ほ
ほほ
ほほほ
442 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/07/12(火) 00:29:11 ID:TAwNFNu/0
_ ∩
( ;ω;)彡 ハッシモト!ハッシモト!!
⊂彡
こんな日は泣くがいいさ
そう、涙枯れるまで
446 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/07/13(水) 22:26:24 ID:lthNrG2t0
ジブンのみち登場人物の中で
「破壊王」の名に相応しいのは誰か考えてみた
そしたら涙が止まらなくなった
ののさん以外に思いつかなかったから。・゚・(ノД`)・゚・。
。・゚・(ノД`)・゚・。
( ` ・ゝ´) 川‘〜‘)|| (〜^◇^) 川σ_σ|| ( ^▽^) 川o・-・) ( ‘д‘) ( ・e・)
449 :
名無し募集中。。。:2005/07/15(金) 22:13:16 ID:oiDDFhTr0
キッズ>六期ってのは暴動おきるぞ
六期ヲタがそんなに聞き分けないと思わないけどな
小説なんだし
週遅れで見たハロモニでやってたののたんの回し蹴り
しっかり腰が入ってたな
( ` ・ゝ´) 川‘〜‘)|| (〜^◇^) 川σ_σ|| ( ^▽^) 川o・-・) ( ‘д‘) ( ・e・)
453 :
名無し:2005/07/23(土) 11:54:07 ID:79aB2/nrO
保?
お・ば・さ・ん?
れいなは眉をピクリと歪める。
「あ〜あ。もうダメっちゃ。お前ら全員、死ぬの決定したとよ」
れいなが言い終わると同時に、後ろから物凄いで飛び出す刃!道重さゆみ!
さゆみの刃は一直線に鈴木愛理の首元へ…
「ド〜ン!!!」
いきなり横からぶつかってきた巨体は須藤茉麻。
鋼鉄の気を腕に集中させていたさゆみは、そのぶちかましをまともに受ける。
須藤はさゆみを押し込んだまま森の奥へとつっこんでゆく。
夏焼雅の作戦通り。
(3人をバラバラに分散させて、1人ずつ片付ける)
しかし夏焼の思い通りに行かない娘が存在する。
「ウエヘヘヘ」
ニコニコと笑いながら亀井絵里が歩み寄ってきた。
まるで値踏みする様に、残るK3人の顔を覗き込む。
「ヘラヘラしやがって、何のつもりだよ」
鈴木愛理が手を伸ばす。絵里はそれをクネッとかわして奥へ回り込んだ。
「れいな〜♪絵里はいちばんおもしろそうな子もらうねぇ♪」
ニコニコと笑いながら絵里は、一番後ろにいた菅谷梨沙子の肩をポンと叩く。
ゾクッ!と夏焼雅の背筋に悪寒が走る。
「逃げろ!梨沙子!」
ドゴォン!!
絵里の強烈な蹴りが、菅谷のいた場所の地面をえぐりとっていた。
「へぇ、よく避けたねぇ」
「あ、あ、あ…」
「次は当てちゃうよぉ」
「梨沙子!私がいくまで逃げ続けるんだ!」
夏焼の指示にうなずく菅谷。
クネクネッと絵里が向かってくるのを、菅谷は全力で反対方向へ飛び込んだ。
「大丈夫。梨沙子なら…」
「てか何であいつが一番おもしろそうなんだ?気に食わないよ」
「愛理。文句言うくらいなら、あいつを二人がかりでソッコー片付けるわよ」
なんだかんだで夏焼の作戦通りに進んでいる。
うまいこと三人組をバラバラに分散させることはできた。
あとは二人がかりで残る一人を片付ければよい。
夏焼雅と鈴木愛理が、田中れいなを見やる。
「まさか二対一で卑怯呼ばわりしませんよねぇ」
「好きにすればよか」
「へん。かっこつけて。本当はビビってるくせに」
K随一の天才少女・鈴木愛理。
二大派閥の片翼・夏焼雅。
Kの中でもトップクラスの実力を誇る二人である。
しかしれいなはそんな二人を前にしても顔色一つ変えない。
「子供の作戦はやっぱりぬけとるとね」
「っ!?」
「さゆに絡んだでっかいのも、絵里に狙われたちっこいのも、もう終わりっちゃよ」
「何?」
「でも一番間違っとーとは…」
ズン!!
れいなが全身の気を解放する。
足元の地面にビキビキィとヒビ割れが起こった。
「二人ならうちに勝てると思っとーお前らっちゃ!!」
(強い!)
夏焼は一瞬にて相手の力の強さを感じ取った。
「愛理!私は防御に徹する!任せたよ!」
「お、おう」
れいなが無造作に飛び込んできた。
合気道を習得している夏焼も気の受け流し方には熟知していた。
しかしこれほど強大な気の持ち主とぶつかったことはない。
(これは…防御に専念しても…耐え切れるものじゃない…)
夏焼は世界の広さを知った。
Kの世界では自分は上の方だと思っていた。
だが外にはこれほどの相手がいたのだ。
(尊敬します。とても一対一で勝てる相手ではありませんでした)
次の瞬間、鈴木愛理がれいなの背後に飛び込んでいた。
れいなは気配を感じて振り返る。
しかし鈴木愛理もまた天才児であった。その飛び込みもフェイント。
わざとれいなの注意を向ける様、大げさに振舞っていたのだ。
(愛理!味方の私までも欺いて…!)
夏焼側からがら空きになるれいなの背中。
ドォン!!
夏焼雅、渾身の中段蹴りがれいなを打ち抜いた。
ガードもできず倒れ込むれいな。
最大のチャンス!二人がかりでキックの連打。ここで決める!
そのとき夏焼雅と鈴木愛理は、下から不思議な鳴き声が聞こえるのを耳にする。
「にゃぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜」
458 :
名無し募集中。。。:2005/07/24(日) 22:21:07 ID:l4ADB6FY0
从*´ ヮ`) きたー
459 :
名無し募集中。。。:2005/07/24(日) 22:29:34 ID:l4ADB6FY0
从*´ ヮ`)<にゃぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜
れいな達とはずいぶん離れた森の奥まで押し込まれたさゆみ。
「いい加減にするの!」
パワーでは勝てないが、さゆみには最凶の武器がある。
ズブッ!!
押さえ込まれながら、わき腹へ向けて刃の腕を突き刺した。
須藤茉麻の大きな体が動きを止める。
その隙に道重は、須藤の腕から抜け出した。
「相手が悪かったと後悔すればいいの…」
しかし須藤は刺されてもまだ、立っていた。
お腹の肉でカバーして致命傷は逃れていたのだ。
「まだ…まだぁ…」
「ふぅん。がんばるね。でもさゆ相手にはがんばらない方がいいと思うの」
キズが増えるだけ、と言いたいのだ。
しかし須藤茉麻は道重さゆみを前にしてまだ構える。
その須藤の顔色に変化が訪れる。さゆじゃない、別の方向に視線を向けだした。
(誰かいる?でも何の気配も…?)
振り向いたさゆみのすぐ隣に、いつの間にか一人の女が立っていた。
気配も存在しない女・サイボーグしばた!!
第45話「闇の罠」終わり
次回予告
田中れいなvs夏焼雅・鈴木愛理
亀井絵里vs菅谷梨沙子
そして、さゆみの前にはとんでもない女が!!
道重さゆみvs須藤茉麻vsサイボーグしばた
三すくみの戦いへ…!!
「刃が…効かないの!?」
To be continued
バトル・サバイバル生存者(残り22名)
【夏美会館】安倍なつみ・辻希美
【ハロープロレス】松浦亜弥
【講道館】矢口真里
【市井流柔術】後藤真希
【高橋流柔術】高橋愛
【チーム・メロン】柴田あゆみ
【海外招待選手】アミーゴ=ロムコー
【保田一派】亀井絵里・田中れいな・道重さゆみ・藤本美貴
【闇】石川梨華・加護亜依・????
嗣永桃子・徳永千奈美・夏焼雅・菅谷梨沙子・鈴木愛理・須藤茉麻・熊井友理奈
あぁキター!
キッズの天才二人ってやっぱ辻豆さんのお気に入りなんだろうねw
目が離せない、闘え!サイボーグしばた3(さん)
現実の道重は「〜の」とか言わない件
>>465 現実の娘。が全員ムチャクチャ強いわけじゃないだろ?
黙ってROMってろ厨房
道重と柴田の共通項それは…
赤いフリージア
は無理矢理すぎかな?
>>464 そんなこといったら、辻はれすれす言わないし、
加護もあんなおっさん臭い関西弁は使わない。
安倍もべさべさ言わないし、
高橋もやよやよ言ってない。
保
田
─┼─
──┴──
─┼─
──┴──
⊂⊃
(\ノノハヽ
(ヾ( `.∀´) <呼んだかしら?
.//( つ 暴 つ
(/(/___|″ フヨフヨ
し′し'
ヤスス氏んじゃったのかヤスス
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::
:::: _
_| |_ -ー-―
[_ _] ボコッ †
.† | | ^^
^^ | ..| ノノノハ
/^~~ ( `.∀´) |l <復活!
l| ,、/,、_つ,。つ,/
悪霊退散!
ノノハヽ
( `.∀´) <退散するわよ?
( っ っ
\ (
ヽ )
振り返るとヤスが居る
( `.∀) <え?ヤスが振り返る?
/ ヽ
ノ ノ |J
(__ソ(_)
保田大サーカス
しつこい
('A`)
イ呆
┌┬┐
├┼┤
└┴┘
土
土
486 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/08/18(木) 11:14:00 ID:5WXMnVpE0
>>463 そうですw
辻オタに熊井オタが多いというのは事実
>>464 2ch小説なので、わかりやすい様にあえて言わせてます
>>467 そのとおりw
487 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/08/18(木) 11:18:10 ID:5WXMnVpE0
第46話「純潔のフリージア」
道重は柴田の顔を見ても、少しも動じなかった。
以前、れいなと二人でメロンをまとめて病院送りにしたことがある。
(ザコが一人増えただけなの)
刃の腕を柴田のわき腹目掛けて振り上げた。
ガキン!!
「え?」
道重は経験したことのない感触に目を見開く。
まるで鉄の塊の様に、刃の攻撃が弾かれたのだ。
「無駄よ」
サイボーグ柴田が低く呟くと、まっすぐに右ストレートを放つ。
(無駄はそっちなの!)
道重は鋼鉄の防御体制をとる…しかし!
ガチィィィン!!!
(っ!!!)
まるで金属同士が激しくぶつかった勢いで、道重は吹き飛ばされた。
「ど、どうなってるの?」
488 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/08/18(木) 11:20:02 ID:5WXMnVpE0
様子を窺っていた須藤茉麻がそこへつっかけた。
柴田あゆみの腕を掴み取ると、自慢のパワーで一気にへしおる!
しかし、柴田あゆみは眉一つ動かさない。
「言ったでしょ。無駄だって」
「!!!!」
須藤茉麻の巨体が宙に浮き始める。
なんと柴田あゆみが、折られたはずの腕一本で持ち上げているのだ!
ありえない光景に道重も須藤も言葉が出ない。
柴田は顔色一つ変えず、須藤を軽々と宙に放り投げた。
「う、うわああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ズドオォォォォォォォォォッ!!!!!!!!!!
鋼鉄をも砕いてしまいそうなほど強烈な蹴りが、空中の須藤茉麻目掛けて放たれた。
その一撃。
あのタフな須藤がその一撃で地べたに落ち、動けなくなった。
「フリージア」
「!?」
「お前がこれから敗北する技の名前だ。道重さゆみ」
道重は訳が分からなかった。
以前、自分が切り裂いた柴田あゆみとはまるで別人だったから。
ケタ違いに強くなっている。
489 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/08/18(木) 11:21:37 ID:5WXMnVpE0
道重はもう一度、全身の気を腕に集中させる。
今までこれで斬れなかったものはない。倒せなかった相手はいない。
「さゆは誰より強いの!誰よりかわいいの!」
叫びながら、刃の腕を突き上げた。
その手刀がやはり柴田の胸の所でガチィとはじかれ、それ以上刺さらない。
漏れる絶望の吐息。
「刃が…効かないの!?」
ゾクッ。
次の瞬間、道重さゆみは感じたこともない恐怖をその身に覚えた。
「フリージア」
柴田あゆみの蹴りが、道重さゆみの横っ腹に向かって飛び込んできた。
(さゆだって!どんな攻撃も効かな…)
ズドオォォォォォォォォォッ!!!!!!!!!!
生まれて初めて。
道重さゆみは「死」をも連想できる痛みを知る。
あまりの激痛に悲鳴すらできずのたうち回る道重に向かって、柴田は冷静に言い放った。
「サイボーグしばたのフリージアは…金属すらも破壊する。……終わりだ」
490 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/08/18(木) 11:23:59 ID:5WXMnVpE0
『勝負ありぃ!!!』
『敗者!!須藤茉麻!!!』
『勝者!!柴田あゆみ!!!』
『残り21名!!』
その放送が聞こえてきたとき、夏焼雅と鈴木愛理は人外のものと対面していた。
(茉麻がやられた?でも柴田って?いやそれよりも今は…!)
「にゃああぁぁぁぁぁぁぁ〜」
田中れいなは、二人がかりならば勝てる相手だった。
だけど今目の前にいるこの獣は…?まるで想像もつかない気に満ちている。
「愛理。作戦変更した方がいいかもしれないわ。一旦ひきましょう」
「冗談じゃない!2対1なのに逃げるっていうの?私は一人でも戦うか…」
ザシュッ!
つむじ風の様に舞った爪が、鈴木愛理の頚動脈を切り裂いた。
「愛理っ!!!」
叫ぶ夏焼雅。鮮血とともに崩れ落ちる鈴木愛理。
あの天才少女が反応すらできなかった。人間の動きじゃない。
(こんな獣とまともにやりあうバカはいない)
夏焼はきびすを返して逃げ出した。彼女は知らない。
このれいにゃと正面からやりあった本物のバカがいたこと。
491 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/08/18(木) 11:41:41 ID:5WXMnVpE0
「雅ちゃ〜ん!!」
「梨沙子!!」
そこにである。
狂人・亀井絵里から逃げ続けていた菅谷梨沙子が飛び込んできたのは…。
(この子、まさか私の危機を察して?)
当然すぐ後ろには亀井絵里が飛び出してくる。
(うわっ!れいながれいにゃになってる!これは近付かない方がいいですよ?)
絵里は猫れいにゃを見て急ブレーキをかける。
れいにゃの凶爪は菅谷・夏焼の二人に向かって駆け込んでくる。
「梨沙子!ここは私が引き受けるから!あんたは逃げなさい!」
「やだもん!りしゃこは雅ちゃんといるもん!」
「行きなさいっ!!!!梨沙子!!!!」
「っ!!!」
夏焼に怒鳴られて、再び走り出す菅谷。
覚悟を決めた夏焼は真正面かられいにゃを迎え撃つ。
(あの子はまだ自分の本当の力に…自分でも気付いていない)
(あの子が目覚めれば、お前らなんて!!)
「生き延びるのよ!梨沙子!」
ザシュ!ザシュ!
れいにゃの凶爪は人間離れしたスピードで夏焼を切り裂いた。
K二大派閥の長と呼ばれた夏焼雅ですら、反応もできないほどの凄まじさ。
492 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/08/18(木) 11:43:19 ID:5WXMnVpE0
「にゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜お!」
獲物を見失ったれいにゃはニャーニャー鳴きながらゴロゴロ始める。
亀井絵里は少し離れた木の上でそれを眺めていた。
(あ〜あ。結局あの子、逃がしちゃった〜)
(れいにゃも当分戻らなそうだし〜)
空にはまあるいお月様が見える。
絵里はもう一人の仲間を月夜に思い浮かべた。
「さゆ、戻ってこないなぁ〜。何処まで行っちゃったんだろ?」
やがて勝利宣言のスピーチが夜空に響いた。
『勝負ありぃ!!!』
『敗者!!鈴木愛理!夏焼雅!』
『勝者!!田中れいな!!!』
『残り19名!!』
いよいよ生き残りも20名をきり、スタート時の半分にまで減った。
これからは明かりの無い孤島を漆黒の闇が包み込む。
バトル・サバイバルはより熾烈さを増してゆく。新たな怪物の登場と共に…。
安倍なつみは闇の城最上階にて、ついに『闇の秘密兵器』と遭遇した。
秘密兵器の娘は、なっちの顔を確認すると、嬉しそうに唇を緩めた。
「ひさしぶりねぇ、姉さん」
妹キター
ついになっちVSミキティか
どっちに絡めるんだろね
キタキタキタ(AA略
しかも妹までキタ(AA略
>>494 うわおまいはいったいなにをsけじぇしえgfけhうぇkxx;ぺdぇcl
/~''i //_\_..`7| l、{''″/__`>ヽ |r`i
l .{`|./ ヽ二・ニゝチ、 ! .ゝrニ・二r } ! i l
>>494>>497 { {(l { ノ | | ヽ :: }| ソ/ …まさかあのスレの生き残りがいるとはな…
ヽヽ|.{ / | | \ i.|//
なっちvsミキティ かぁ。出生の秘密とかも明かされるんだろうなぁワクワク
そりゃあミキティにもそろそろ闘って欲しいけどねぇw
>>494 【保田一派】亀井絵里・田中れいな・道重さゆみ・藤本美貴
【闇】石川梨華・加護亜依・中澤裕子・平家みちよ・????
藤本と秘密兵器は別
ということはあっち?
えっ、麻美ちゃん??
503 :
ねぇ、名乗って:2005/08/22(月) 14:39:44 ID:ElHZlixn0
なんで妹=ミキティだと思っている奴がいるのか
分からない漏れが来ましたよノシ
馬鹿正直に実妹のことだと思ってたが…。
/~''i //_\_..`7| l、{''″/__`>ヽ |r`i
l .{`|./ ヽ二・ニゝチ、 ! .ゝrニ・二r } ! i l
>>504 { {(l { ノ | | ヽ :: }| ソ/ …世の中には知らないことのほうが
ヽヽ|.{ / | | \ i.|// 良い事があるのだよ…
あっちより帝の方がなっちに似てたもんな
髪切った亀井も似てたけどな
あっちは( `.∀´)に似てるからな…。
実はこの二人、しまいだったりわっなにをsj;hjfglふぁあflk
ええぇっ!バカ正直に麻美とかありえないだろ?保田の妹役なら分かあqwswでfrgtghyじゅ
510 :
ねぇ、名乗って:2005/08/24(水) 02:47:55 ID:xejjSvFUO
おめ
ノノ*^ー^)
もう9月か
イ呆
田
土
土
( `.∀´)yー~~
辻豆氏、アク禁中〜
買えよ
405 名前:辻豆携帯 投稿日:2005/09/12(月) 19:29:30 O
ごめんなさい
アク禁ながい
書き溜めしてます
●あるとホント便利なんだがな、sambaも突破できるし
保全。
( ` ・ゝ´) 川‘〜‘)|| (〜^◇^) 川σ_σ|| ( ^▽^) 川o・-・) ( ‘д‘) ( ・e・)
ho
从*´ ヮ`)
こっちも月に1回くらいは更新してほしい
527 :
ねぇ、名乗って:2005/09/30(金) 12:13:58 ID:hPJUS3+X0 BE:7573267-###
狼があぼーんしている今こそ、更新のチャンスだよなぁ
念のため保全
狼
531 :
湯豆腐:2005/10/08(土) 23:58:56 ID:6Wx4WraKO
藤本「只今、夏のコンサートDVD販売中だぜ!」
田中「ファンの皆さん、お買い上げ頂き、ありがたいとです」
亀井「さゆが、恋のダンスサイトで、うさちゃんピースしてるんです(くねくね)」
道重「国民的大ヒットに繋がると良いですね、藤本さん」
藤本「(そんなことよりも、俺がソロ活動再開の際は、俺関係の商品を重点的に宜しく!)」
あっちが終わるまではこっちの更新は無いのか?
ってあっちも止まってるし
ほ
辻豆地震プレーオフに熱狂
次回から ロックロールボビーズ
まだかなぁ…辻豆さん
狼はいろいろあったけどこっちにも顔出してないんだね
何かあったかな。
おーい、生存連絡くらいしてくれよぉ
死んじゃったのかね
辻豆は前科があるからなぁ
ほ
前科ったって、予告あったべさ
「麻美?あんた何やってんだべさ?」
「私は闇の秘密兵器よ。さぁ勝負しましょう。姉さん」
黒いマントを羽織って謎めいた笑みを浮かべる娘。
なっちはその顔を見て顔をしかめた。
「気持ち悪いしゃべり方してないで姉ちゃんにちゃんと話しな!麻美!」
「な、なっち姉ちゃん!話なんかよりコレで語ればいいでしょ!」
怒られて思わず昔のように「なっち姉ちゃん」と呼んでしまった。
偉大な姉の前に、拳を掲げる妹・安倍麻美。
「あんたね〜そんなセリフは十年早…」
ポォンッ!!
麻美の拳が床に触れた途端、その部分だけに拳大の穴が現れた。
周囲にはヒビ一つつけていない。並の神業ではない。
「バカにすんなよ。私だってなっち姉ちゃんと同じ血が流れてるんだよ」
「…」
「小さな頃から姉ちゃんの空手をTVで見てて…思ってた」
「…」
「あれくらいなら私にもできるって」
「へぇ」
「姉ちゃんは知らないだろうけど…麻美だってがんばってきたんだよ。
なっち姉ちゃんを越えるために!!」
羽織っていた黒マントをバサッと放り捨てる麻美。
現れた体が、先ほどの言葉が嘘でないことを証明していた。
「さぁやろう」
しかし姉の返事は…。
「やらないよ」
「どうして!?」
構える麻美の前で、腰を下ろしあぐらをかくなっち。
「この安倍なつみと戦う権利を得るために、みんな死に物狂いの戦いをしてんだ」
藤本美貴…矢口真里…高橋愛…吉澤ひとみ…保田圭…他にも無数の娘達が…
たった一つの頂点・安倍なつみとの闘いを望み、死闘を続けていった。
「妹だからって理由だけで、安々とくれてやる訳にはいかねぇんだよぉ。麻美」
しかし、そんなことで引き下がる麻美ではない。
「じゃあ、どうすればいいんだよ!?」
「そうだね。少なくともこんなお城のてっぺんでノンキにしてる内は無理だべ」
「下に降りろってことか」
「誰でもいい。今まだ下で生き残っている奴を一人でもぶっ倒したら、相手してやるよ」
「たった一人でいいんだ」
「言っておくけど、もう楽な相手は残ってないかもしれないべ」
「関係ない。私からすれば姉ちゃん以外の奴は全員カスだ」
「フフッ…そのえらそうな口は誰に似たんだべ」
「姉ちゃんだろ」
余裕の笑みを浮かべて、麻美は外への出口に歩き出した。
あぐらをかいたまま見送るなっち。
視線を先ほどの拳の穴に移す。
(あながち過信でも無いかもしれないべさ)
残る人数はたしか19人。
「さぁ〜て、うちの妹に見つかる奴は誰だべ」
物凄いスピードで、闇の城を駆け下りる安倍麻美。
途中で、気絶して倒れている平家みちよと中澤裕子の姿を見かけた。
仲間意識などなかったが少し感傷に浸る。
(私はあなた達とは違う)
闇の連中ではたしかまだ石川梨華と加護亜依という奴が残っているはず。
それからKのガキどもが4人ほど。おそらくその中に気配を感じた怪物二人もいるはず。
なるべくなら闇の連中とは戦いたくなかった。
それでも最初に見つけた奴がそうなら、それはそれで仕方ないことだとも思う。
他に注目していた人物は、姉のライバルだった飯田圭織だけ。
その飯田も高橋愛とかゆうよくわからない娘に敗れ去っている。
(どうせマグレか運が良かっただけだろ)
(せっかくだからその高橋愛って奴が見つかればいいな…まぁそれも運次第か)
などと考えながら新たな怪物・安倍麻美は闇の城を飛び出した。
(なんや…この邪気は)
加護亜依は重症の辻希美を背負いながら、夜の森を進んでいた。
田中れいなと道重さゆみに襲われてギリギリの所で助かった。
早くあの場所から離れないと危険だと、安全な場所を探していた所だった。
そのときである。
信じられないほどに強烈な殺意の塊を加護が感じたのは。
「ど、どうしたんれすか…」
「シッ、静かに…のの」
「また誰かいるんれすか?」
(ののは気付いてへんのか?こんなに恐ろしい殺気やのに!?)
きっとケガで感覚が鈍っているのだろうと解釈した。
加護は音を立てないように、茂みに身を潜める。
(いったい何者や。こないおっそろしぃ〜殺気ビシバシ出しとんのは〜)
姿が見えてきた。
自分を見つけてみろと言わんばかりの大股歩き。
まるで隠れるということをしない、ふてぶてしい存在感。
何よりも恐ろしいのは…
目に付いた者は誰であろうと喰ってしまおうというその視線。
「あっミキティ…」
いきなり声を出した辻の口を、バッとふさぐ加護。
(バレたか!?)
おそるおそる藤本美貴の方を見る加護。
藤本美貴は立ち止まっていた。
「大丈夫れすよあいぼん。ミキティは友達らったのれす」
「アホぬかせ。親兄弟でも平気で殺しそうな目と殺気しとるで」
そのとき聞こえた声は、まるで地獄の底から響いている様であった。
「誰かいるな。出て来い」
(バレとるっ!!)
どないする…と加護の脳はフル回転を始める。
(ミキティ元気そうでよかったのれす)
辻の脳にはお花畑が咲きほこっていた。
加護にもまだ田中と道重にやられたキズが残っている。
たとえ三倍拳を使ったとしても…無事で済む殺気ではない。
(それでも…やるしかあらへんか)
辻を背負っていては、逃げれないことは百も承知。
戦って戦って戦い抜くしか道がないことは最初から覚悟していた。
「のの、ここでじっとしてるんやで」
「…あいぼん?」
「鬼退治いってくるわ」
決死の覚悟で、加護が立ち上がりかけたそのときだ!
別の方向から物凄い勢いで、とんでもない気の何者かが近付いてきた。
(こ、今度は何や?)
藤本美貴も視線をそっちに向ける。
その口元に強烈な笑みが浮かびあがった。
546 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/10/29(土) 22:39:12 ID:dXIIP3PQ0
ようやく羊の人多杉が直って
2ヶ月ぶりの更新です
お待たせしました
ひさびさにリアルタイムキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !!!!
辻豆さん乙であります!
待ってました!乙です!
551 :
ねぇ、名乗って:2005/10/30(日) 21:48:02 ID:tUf+lv8g0
れいにゃーずは?
この先しばらくは書き貯めしてるから更新は早いんだろうな・・・
と言ってみるテスト
ドォォォォォォォォォォォォンッッ!!!!!!!!!!
木々の合間から大砲の弾のように、強烈な勢いのまま飛び込んでくる拳。
藤本美貴の顔面を強打する。
(死っ…!)
加護は一瞬の内に、頭に浮かんだ文字を取り消した。
(いやガードしよった!!あのタイミングでっ!!)
信じられない藤本の反射神経である。
しかしその拳にガードなど関係なかった。
ガードした腕ごと弾き飛ばされる藤本。
「んっ!!!」
腕がやられた。
いや腕のみで済んだという方が正しい。
あれがそのまま顔面に入っていたら、間違いなく死んでいた。
(なんちゅうパンチや)
加護の顔が青ざめる。隣の辻も思わず声をあげる。
辻はあんな一撃をうてる人物をこの世に一人しか知らない。
「なっちしゃん…」
倒された藤本へ向かって、止まることなく追撃する謎の人物。
そのタイミングに合わせて下からせり上がってきたもの。
カウンター狙いの藤本のつまさきだった。
追撃者はそれを間一髪でかわす。
しかし、かすめた頬から血がしたたり落ちた。
倒されたばかりのあの体勢から、これほど鋭い蹴りを放つ!!
追撃者は深追いを避け、距離をとった。
「なるほど。これが藤本美貴…なっち姉ちゃんの元右腕か」
頬の血を拭いながら、笑みを浮かべる追撃者。
ゆっくりと立ち上がる藤本美貴。もう笑ってはいない。
「なっち姉ちゃん…?」
「ああ。私は安倍なつみの妹。安倍麻美」
「…妹」
藤本美貴の目の色が変わる。
離れて見守っていた加護と辻も無言で頷きあった。
あの拳の威力。それならば説明がつく。しかし恐るべき安倍の血脈。
「姉ちゃんに言われてね。誰でもいいから一人倒したら相手してやるって」
「ほぉう」
「誰でもよかった。たまたま最初に見つけたのがあんただった」
「不運だったな」
「幸運さ。姉ちゃんの右腕だったあんたの首なら、姉ちゃんへの手土産にちょうどいい」
「バカめ」
静かに重心を落とす藤本美貴。片腕だけで構えてみせた。
「ちょうどいいのはこっちの方だ」
柴田あゆみと道重さゆみの戦いは一方的な展開となっていた。
地べたを逃げ回る道重を、冷静に捉え続ける柴田。
「完全に立場が逆転したね」
「ハアッハアッハアッ…」
サイボーグ柴田のスピードに、道重は逃げることができない。
サイボーグ柴田のパワーは、道重の鋼鉄化も打ち砕く。
サイボーグ柴田の固さは、道重の刃も通さない。
サイボーグ柴田の鋼鉄の精神力は、道重に微塵のスキも与えない。
「スピード、パワー、ディフェンス、ハート、今やすべてにおいてあなたを上回る」
いよいよ追い詰められた道重は大きく目を見開いた。
(こんなとき…)
柴田がとどめの体勢に入る。それはつまりフリージアの体勢だ。
道重は全身の痛みからくる涙をこらえながら…立ち上がった。
(こんなとき絵里なら…きっと楽しそうに笑っている)
道重はムリヤリ口元を伸ばしてニィ〜と笑みを作って見せた。
不審に思う柴田。
(そして…こんなときれいななら…)
「にぃやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁお」
ネコの鳴き声。
完全敗北を前にして、とうとう頭がおかしくなったか、と柴田は思った。
体中ボロボロで涙も浮かべているのに、笑いながらネコの泣き声を真似る少女。
(遠慮なく倒させてもらう!)
「フリージア!!」
「にぃやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁお」
バゴォ!!!
棒立ちのまま吹き飛ばされる道重。
だが体中の気をガードに専念していたのか、すぐにまた立ち上がる。そして…
「にぃやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁお」
立つのが精一杯のくせに、また笑みを作ってネコの泣き声を発する。
「何を考えている?」
「にぃやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁお」
「やれやれ。本当に狂ったか…」
もう終わりにしよう。
サイボーグ柴田の気の質がそういう風に変わった。
(倒さなければいけない女はまだまだ残っている…辻希美。そして高橋愛)
(あなたと遊ぶ時間はここまでだ)
「正真正銘の…純潔のフリージア…行くぞっ!」
そのタイミング。
バカみたいにただ鳴いていた訳ではない。
鳴き声でタイミングを計っていた。
フリージアのタイミング。
「にぃやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁお」
ガードに使っていたすべての気を解放する。
何もかもすべてをこの右足に…
柴田あゆみのフリージアが向かってくる。
同じタイミングで、道重さゆみの右足が飛び出した。
ガチィィンッ!!!!!!!!!!!!
金属と金属が衝突する音!
(これは…!?)
顔色が変わったのはサイボーグ柴田。
(そんな嘘でしょ…これって…)
激しすぎる二つのぶつかりあいが熱を帯びて赤くなる。
(……フリージア)
道重さゆみの右足から放たれたそれはまぎれもなく…
…いやあるいは、オリジナルよりも美しい…
赤いフリージア。
幻ならばそれでいい。
でも、信じることにするわ。
右足に咲いた赤い花。
ピシ…ピシィ…ピシピシッ……
絶対無敵と呼ばれたサイボーグの右足間接が砕け散る音。
「うわああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
道重さゆみのフリージアが、柴田あゆみの機械の右足を斬り裂いた!!
崩れ落ちる柴田の意識に一輪の花が言葉をかける。
「他に好きな人が出来たの ごめんなさい」
(フリージアの花…?)
(ああ、そうか)
(こんな機械の体に身を宿した日から…もう私は純潔でなくなっていた)
(…)
(道重さゆみ…あの子ほど純潔な怪物は他にいるまい)
(立派な花を咲かせてもらいなさい…フリージア)
ガシャァン!!!!
無敵のサイボーグが、地に落ちた。
決着!!
『勝負あり!!!』
『敗者!!柴田あゆみ』
『勝者!!道重さゆみ』
『残り18名!!』
強烈すぎる衝撃で、真っ赤に染まった道重さゆみの右足。
彼女はそれを嬉しそうになでている。
「お前の鋼鉄化を打ち砕けるのは…サイボーグの私だけだと思っていた」
機械がショートして、動くことのできなくなった柴田が呟く。
「だがお前は乗り越え…さらに無敵の必殺技まで会得した」
「ウフ」
「頂点に立て。道重さゆみ。今のお前にもう敵はいない」
「そんなこと…最初からわかってるの」
敗者に背中を向けて歩き出す道重さゆみ。
「ちなみに、すべてにおいてさゆを上回るって…さっきのアレは大きな間違いだから」
「え?」
「『可愛さ』は!圧倒的にさゆが上回ってるの!」
もはや何も言えない柴田に、道重は振り返り言い放った。
「最後は必ず可愛い子が勝つって神様が決めたの。だからさゆは絶対に誰にも負けないの」
560 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/10/30(日) 23:43:09 ID:To5RNy+i0
久々に二日連続更新
れいにゃーずもそのうち…
乙んこ。
ゆっくりでいいっす。
楽しみにしてるよーーーーーー
作戦会議でもうネタかかないの?
>>560 そのうちとか言ってていざ書こうとしたらアク禁とか勘弁してよ
565 :
ねぇ、名乗って:2005/11/02(水) 00:22:38 ID:yyEzklZPO
何故ここまでしてIEにこだわるのかがわからない
さゆのフリージアが柴ちゃんのフリージアを超えるなんてありえれいな(
>>565 事情は人それぞれ。
俺も専ブラは入れれないからわかる
IEで見ることとなんら変わらないと思うのだがどんな事情ナンジャロ
PCが自分専用じゃない。とか履歴を残したくないとか。
WINDOWSじゃないとか。理由は一杯あると思う。
ナルホロ
真夜中である。
現在、戦闘中なのは安倍麻美と藤本美貴のみ。
両者とも昼間は体を休めておりコンディションは万全であった。
他の生き残りメンバーには、隠れて状態の回復を待つ者が多く見える。
モニターで激闘を眺めていたゲスト陣にも、休息をとるものが目立ってきた。
つんくはすでに専用のテントに篭っている。
そこへ従者のアヤカが不審な表情を浮かべて、入ってきた。
「つんく様…少し妙なことになりました」
「なんやねん?こない遅くに」
「現在の生き残りは18名ですよね」
「それくらい、わかっとるわい」
「ですが…何度モニターを確認しても17名しかいないのですよ」
「ハ?」
島の中には何百という監視カメラを設置してある。
それで誰が何処にいるのか完全に把握できるはずであった。
つんくは起き上がりモニターで娘達を数え始める。
「ひぃふぅみぃ……16、17」
そこで指が止まる。
確かに一人足りない!?
「誰や?誰が足りひんのや」
「菅谷梨沙子です」
「なんやて!?あいつは確か亀井や田中から無事に逃げ切れて…」
そのとき、つんくはモニターの一つに異変を見出す。
「菅谷っ!!」
うつ伏せに倒れ、気絶している菅谷梨沙子がモニターの隅に映っていた。
つんくとアヤカの顔色が変わる。
「誰がやったんや?」
「いえ。そんなはずはありません。他の17名は誰も…」
出場選手の誰かと誰かが接触したならば必ず気付くはずである。
ありえないことだが…。
「選手以外の何者かが、あの島に潜り込んだゆうんか?」
「い、いえ。わかってます。それは不可能なはずです」
島の周りには、常に複数の救護船がまわっている。
敗北者がアナウンスされたときだけ、ここから敗北者の回収を行なう。
回収班はすべてつんくの手の者であるし、救護船は外部からの邪魔を防ぐ役目も持つ。
島中に設置されたカメラは24時間動き続ける。
つまり、外部からの侵入者が誰にも気付かれずにあの島に潜むことは不可能…なはず。
もしそれが可能ならばバトル・サバイバルが根底から覆されてしまう。
「モニターを巻き戻して、確認してみます」
すべてのカメラは録画してある。
巻き戻せば、誰が菅谷を倒したのか判明するはず…。
だがアヤカはそこから、さらに恐るべき事実に気付く。
「カメラとカメラの隙間…」
島に設置してあるカメラの映す範囲には、どうしても隣と1m弱のブランクができる。
通常の戦闘であれば、その程度のブランクは問題にならないはずだった。
「菅谷はこの1m弱を通過する一瞬で…やられています」
「アホぬかせ。そないことできるかい」
つんくが顔をしかめて、問題部分の録画再生を凝視する。
森の中を走る菅谷梨沙子。
カメラの撮影範囲を超えて次のカメラの撮影範囲に入りかける…。
その一瞬!!
走っていた菅谷がバタリと倒れ、そのまま動かなくなった。
「冗談やろ。菅谷はKの中でもトップクラスの潜在能力を秘めた娘やぞ」
「ええ」
「その菅谷を相手にこないふざけた真似できる奴がおるとしたら…」
「ありえません。ミラクルです」
「!!?」
ミラクル。
その単語を聞いた瞬間、つんくの顔色が青ざめた。
「あ、あぁ…」
「どうされました?つんく様」
「いや、何でもあらへん。それよりアヤカ。このことはまだ…」
「ええ誰も気付いてはいません。みな寝ているか、起きてる者は安倍藤本戦に夢中です」
「絶対に気付かれるな。すぐに処理に移れ」
「どの様に致しましょう?」
「たしか菅谷が直前にやりあったのは亀井やったな」
「はい」
「そのときの怪我が悪化して倒れたことにするんや。アナウンスもそう言うとく」
「了解しました」
「それから…Kの二人に連絡をとるんや。遊びは終わりやと」
「は、はい」
アヤカがテントを出た後も、つんくは苦い顔を浮かべたままでいた。
(まずいことになったで)
これだけ大掛かりに仕掛けた計画が…すべて無駄になってしまう。
(こうなったらもう一刻の猶予もあらへん。とっとと進めな)
アナウンスのスイッチを入れると、つんくは偽の勝利宣言を島中に放送する。
『勝負あり!!!』
『敗者!!菅谷梨沙子』
『勝者!!亀井絵里』
『残り17名!!』
いつもと同じアナウンス。
このときはまだ誰も、違和感を持つ者はいなかった。
ただ一人を除いて…。
「ん〜?」
さゆとは戦いの最中にはぐれ、ネコ化したれいなともはぐれ、一人休んでいた亀井絵里。
(いま絵里の名前が呼ばれたぁ?)
頭に指を当てて首をひねる。
たしかにさっき菅谷梨沙子と追いかけっこはした。
だけどなかなかできる子で、まとまな攻撃は一発も当てれずに逃げられてしまった。
だから絵里は菅谷梨沙子を倒したはずがない。
なのに勝利者の名前で呼ばれている。
「なぁ〜んか、おかしいぞぉ」
小さな違和感。
何がおかしいのかはまだ分からない。
考えてもしょ〜がないので、絵里はとりあえず隠れて寝ることにした。
しかし、ここで亀井絵里が違和感を感じたという事実が、
最後の最後でとてつもなく大きな意味を持つことになる。
第46話「純潔のフリージア」終わり
次回予告
「なっちしゃんは…殺される」
安倍麻美vs藤本美貴の壮絶な幕切れに―――ついにあの娘が動く!!
「もう遊びは終わりです。私達二人で残りの全員を片付ける」
「相手が悪かったな、松浦」
「ヤグ…ッ!!」
激闘はクライマックスへと流転。そして高橋愛にも運命の巡りあわせが!!
To be continued
576 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/11/06(日) 19:21:06 ID:VjACAvuK0
バトル・サバイバル生存者(残り17名)
【夏美会館】安倍なつみ・辻希美
【ハロープロレス】松浦亜弥
【講道館】矢口真里
【市井流柔術】後藤真希
【高橋流柔術】高橋愛
【海外招待選手】アミーゴ=ロムコー
【保田一派】亀井絵里・田中れいな・道重さゆみ・藤本美貴
【闇】石川梨華・加護亜依・安倍麻美・嗣永桃子・徳永千奈美・熊井友理奈
うわーぞくぞくしてきた!!w
おぃおぃw
保田一派は残存率が高いな
りしゃこー
>>579 辻豆さんのお気に入りだからな
そして、遂にミラクルも登場かww
菅谷が優勝すると思ってたのに、まさかこんなところで・・・
hozen
れいにゃーずは?
587 :
ななし:2005/11/15(火) 06:49:49 ID:TOxqdMVSO
あさみんキタ──(゚∀゚)──w
589 :
ななし:2005/11/17(木) 18:07:57 ID:sUFZK4ahO
保全しなくて大丈夫なん、このスレ…?
羊初心者か?
591 :
ななし:2005/11/18(金) 19:25:19 ID:vHrqTLioO
土・日での更新を期待しておりますm(_ _)m
どんでんがえしでもあったかな
593 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/11/20(日) 19:22:07 ID:x37xEqPD0
第47話「これが決勝戦」
動けない。
安倍麻美は硬直した。
目の前にいる女はスキだらけに見える。
だけど仕掛けたらどんな体勢からもやり返される気がしてならない。
そう思うと…動けなくなった。
「へぇぇ」
感心した。同時に納得した。
藤本美貴の戦いを見たのはTVでやってた矢口真理戦だけだ。
あのときどうして二人がちっとも動かないのか、意味がわからなかった。
だけどこうして自分が対峙してみてよぅく理解った。
(動いたら殺される)
それほどに強烈な怖さをもった女だ。
だけど自分にも誰にも負けない武器がある。この拳だ。姉譲りの拳だ。
この拳が当たれば絶対に勝つ!その自信がある。
でも当てるには動かなければいけない。どうす…?
「来ねえのか?」
そのとき藤本がポツリと呟いた。
そのまま構えを解くとノーガードの棒立ちになる。意味がわからない。
「来いよ。これなら…来れんだろ」
594 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/11/20(日) 19:24:12 ID:x37xEqPD0
これは何かの作戦か?ただ舐めているだけか?
いやきっとどっちでもない。
藤本美貴という女を常識的なファイターと同じファクターで考えてはいけない。
なっち姉ちゃんならこんなときどうするか?
遠慮なくぶっ叩くだろう!!
「ああ、いく」
安倍麻美は前に出た。藤本美貴の顔面目掛けて拳を放つ!!
それでもまだ藤本は動かない。むしろ顔を前に出してきた。
(死ぬ気!?)
いや遠慮はいらない。撃ちぬけ!!
バコッ!
(当たった)(おデコ)(藤本…)(生きてる)(嘘)(っ……)
ガコォッ!!!!!!!!!!
カウンターの超速ハイキックが脳天を揺るがす。
安倍麻美は何が自分の意識を奪ったのかも知ることなく、闇の淵に落ちていった。
藤本美貴は自分のおデコをなでる。
この一年、もっとも変化したのは耐久力である。
田中れいな・道重さゆみ・亀井絵里といった怪物達の攻撃を死ぬ程受けてきたのだ。
「感謝する。いい実験台になったよ。妹さん」
595 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/11/20(日) 19:26:11 ID:x37xEqPD0
『勝負あり!!!』
『敗者!!安倍麻美』
『勝者!!藤本美貴』
『残り16名!!』
その戦いを間近で眺めていた加護の背中に、嫌な汗が浮かんでいた。
「強いでこれ…」
安倍麻美の一撃は、本当に姉の一撃と見劣りしない破壊力を秘めていた。
ところが藤本美貴はそれをおデコで完全に受けきってしまったのである。
「ほんまデコティや。なぁ」
隣の辻に話を振ろうとして、加護は驚いた。
今の戦いに、辻希美は想像以上のショックを受けていたからだ。
「のの?」
「なっちしゃんは…殺される」
「ちょ、何言うとん?」
「ミキティはなっちしゃんを狙ってるのれす!でも…今の」
安倍なつみと藤本美貴の一番傍にいて、二人の実力をよく知る辻だから一番分かる。
今の二人が激突したとしたら…その結果は…!?
辻は目に涙をいっぱいためて震えていた。
気のせいか加護の目には、辻の頬が少し痩せこけている様に見えた。
596 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/11/20(日) 19:27:45 ID:x37xEqPD0
「うちが止めたる!」
「ふぇ」
「うちがあのデコティを倒したる!だから泣くな、のの」
「あいぼん…」
「安倍さんはうちがおらん間、ののが世話になった人やしな。恩返しや」
加護がうなづくと、辻は目をウルウルさせて抱きついてきた。
二人の考えていることはいつでも一緒。いつまでも一緒。
「あいぼん、らいすっきなのれす!」
「コラ、ちょっとこそばいて!のの」
そうこうしてる間に藤本は先へ行ってしまった。あの闇の城の方角へ。
「あかん!先回りするで!ほら、のの、おぶさり」
「大丈夫…もう自分で立って歩けるのれす」
ほほ笑みながら、ヨロヨロと立ち上がる辻希美。
驚異的な回復力は健在であった。
「ほな、いくか」
「へい!」
手を取り合って再び歩き始める辻と加護。
その先に、最悪の戦いが待ち受けていることも、もちろん二人はまだ知らない。
597 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/11/20(日) 19:29:26 ID:x37xEqPD0
一方、闇の城最上階。
妹の敗北を知った姉・安倍なつみは複雑な表情で腰を上げた。
「あのバカ…よりによって美貴にケンカ売るとは」
その顔にいつもの笑みは無い。
これでもう藤本美貴との決戦は避けられないものとなったであろう。
当然負ける気はしない。だけど何故か嫌な予感がしてならないのだ。
「なんなんだべ…この悪寒」
一人呟いた。
そのとき階段の下から、異様な気配を感じる。
(美貴?いや時間的に早すぎる…)
「悪寒。俺のことかい?」
ある意味、安倍なつみにとって最も想定外の女が姿を見せた。
その女はなっちの顔を見て眉間にしわを寄せる。
「なぁんだ。ゴトウマキはここにいるんじゃなかったのか」
「…アミーゴ=ロムコー」
「呼び捨てにするなよ。誰だ、お前?」
日本最強の女と世界最強一族の生き残り。
事実上の決勝戦と呼べるかもしれない戦いは、稀有な巡り合せにより幕を開ける。
598 :
ななし:2005/11/20(日) 20:30:21 ID:m53JWIZdO
更新キテタ──(゜∀゜)──!!しかもあさみん負けてるし…orz
599 :
ねぇ、名乗って:2005/11/21(月) 19:36:27 ID:2Gi07AGT0
れいにゃーずの方も一つよろしく
600
601 :
ねえ、名乗って:2005/11/23(水) 13:50:15 ID:dDEBgXOC0
辻豆さん、待ってますぜ!
高橋×紺野と松浦×加護だったか?
「後にこの4人の中の1人と死闘を繰り広げる」
すっかり忘れてしまってたよ…
加護かぁ〜><
さすがかつてのキン肉マン並の休載明けだからって
こんなに飽きさせない展開をお見舞いしてくれるとはね
これからも期待してます
追伸:ガキさんはエディみたいなレスラーと思う
603 :
名無し募集中。。。:2005/11/25(金) 23:06:53 ID:L40os7KEO
辻豆さんが狼と羊どちらか週一更新が目一杯って言ったよ
604 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/11/26(土) 22:12:50 ID:odR3RLDx0
「にゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
左右を切り立った崖に挟まれた坂道を、矢口真理は進んでいた。
そのかわいくも恐ろしい泣き声が聞こえてきたのは坂の上からだった。
「あいつっ!!?マジかよ」
ネコ化したれいなが駆け下りてきて、矢口は顔を歪める。
矢口真理と田中れいなは一度戦っている。
夏美会館オープントーナメントの一回戦だ。そのときは矢口が秒殺で勝利した。
だがそのときれいなはわざと力を隠していたし、ネコ化もしていない。
れいなは5vs5マッチで辻希美と決着つかずの互角の勝負をみせた。
辻希美は、怪我をしていたとはいえ矢口真理にトーナメント決勝で勝利した娘である。
本当の決着はついてないと言える二人だった。
「ま〜た秒殺されてえのか!やったろうじゃん!!」
人間を超越したスピードで突っ込んでくるネコれいな。
意識の無い今、怖いという感覚が完全に抜け落ちているのだ。
(フン…)
矢口は冷静だった。
その目で、スピードとタイミングを測る。
怖さは無い。
あの女帝・中澤裕子に比べたら…怖いもんなんて何もない!!
「ヤグあら…!!」
605 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/11/26(土) 22:13:39 ID:odR3RLDx0
ヒュ…
矢口の両手両足が空を切る。
その四肢から鮮血が舞う。
捕まえたと思った瞬間、れいなのスピードさらに倍速化したのだ。
(こいつ…!)
油断ではない。まったく反応もできなかった。
爪で腕と足を切り裂いて、ネコれいなは後方に突っ込んでいった。
想像を絶する娘だった。
(ヤベェ強ぇ)
素直にそう思ってしまった。
なぜか同時に笑みがこぼれてしまう。最悪のピンチだというのに。
矢口真理とはそういう女だった。
「にゃああああ!!!」
ターンする前に体勢を立て直さなければいけない。次はやられる…。
痛みをこらえ振り返る矢口。
だがれいなはさらに坂の下側へと走り去っていた。
ネコれいなに意識はない。見えた相手は誰であろうと攻撃対象となる。
坂の下に別の娘が卑屈な笑みを浮かべて立ち尽くしていた。
嗣永桃子。
あの怪物相手に真っ向からカウンターを仕掛けようとしている。
(バカなガキ…死ぬぞ!!)
矢口は目を見開いた。
物凄いスピードのまま、田中れいなと嗣永桃子が激突した!!
606 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/11/26(土) 22:15:57 ID:odR3RLDx0
弾き飛ばされたのは嗣永桃子の方だった。当然といえば当然の結果。
崖に蹴り飛ばされて動かない。あるいは本当に死んでしまったかもしれない。
それくらいこのネコれいなはヤバすぎた。
「桃子さん!!!」
嗣永桃子と一緒に行動していた徳永千奈美が叫ぶ。
仲間を仲間と思わないムカツク人だった。それでも一応自分達のリーダーだ。
勝てる気はしなかった。それでも仇は討つ。
千奈美の目つきが変わる。
ネコれいなは次のターゲットに彼女を認識した。
「にぃやああゃぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ネコれいなが徳永千奈美との距離を詰めるまで、2秒足らず。
その2秒の間に信じられない出来事が起きた。
バァァァァァァァァァァァァアアアアアアン!!!!!!
トンデモナイ怪物のネコれいなが…子供に片腕で地面に押さえつけられていたのだ!
徳永千奈美…ではない。彼女も驚いている。
崖の上から飛び込んできたその少女…。
(あいつ…!!)
矢口真理の血の気が引く。
現れたのはあの冷たい瞳、熊井友理奈であった。
607 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/11/26(土) 22:17:13 ID:odR3RLDx0
「いつまで遊・ん・でいる気ですか?」
熊井友理奈が誰にともなく呟いた。
パラパラ…と崖から小石の落ちる音。
「…なんだよ友理奈。本気出していいなら早く言えバカ」
なんと、ムクリと起き上がったのは嗣永桃子。
あれだけの勢いで蹴り飛ばされたのに…まるでダメージひとつ無い!
矢口はまるで悪夢を見ている様だった。
同じ仲間であるはずの徳永千奈美までも同様に驚いている。
「ちょっと!友理奈!これはど〜ゆ〜こと?」
「千奈美ちゃん。今まで騙していてごめんなさい。私達二人は特別なの」
「木を隠すなら森。わかるかい?それがKだ」
「え?え?わかんないよ」
「お前らはうちらの存在を他から欺く為の…まぁ道具だったってこった」
「!?」
「いいすぎだ。あなたはいつも…」
「本当のことだろ友理奈」
フ〜とため息をつく熊井友理奈。
「もう遊びは終わりです。私達二人で残りの全員を片付ける」
「マスターの指令か。ま〜一人でも全員やれるけどな」
そう言うと、嗣永桃子は矢口の方を見た。
608 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/11/26(土) 22:18:48 ID:odR3RLDx0
「手始めに、あのチビは私が頂くぜ」
「どうぞ」
「友理奈は足元のペチャンコ。トドメさしときな」
ニヤリと笑って、坂を上ってくる嗣永桃子。
このとき、大きなミスを犯していたことにまだ気付いていない。
「あ〜あ。言っちゃったよ。おいらに言っちゃいけねえ言葉を…」
「?」
気のせいか?矢口の後ろに炎の様なものが見える。
ズドドドドドンッ!!!!!
そのとき熊井友理奈の足元が爆発した!!!
いや…八極拳で地面に大穴が開けられたのだった!飛んで下がる熊井。
穴の中央に、物凄い形相の娘が立っていた。
「誰ん胸をペチャンコ言うとーかぁ!!!!」
「ガキがチビとか言ってんじゃねぇ〜コラ!!!!」
ついに姿を現したKの怪物二人。嗣永桃子と熊井友理奈。
その前に、完全に火がついた凶暴な二人が立ちはだかる!!
609 :
ななし:2005/11/26(土) 22:24:58 ID:rBo9nny+O
リアルタイム更新に初遭遇か?ひょっとして!!
610 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/11/26(土) 22:26:11 ID:odR3RLDx0
なんかこっちのれいなまでバカになってきたよーな…まぁいいか
>>602 よく覚えてましたね
このまま加護か…?高橋や松浦の可能性もまだある…
>>603 狼にスレないときはこっちを進めて
スレを立てたら向こうに集中
611 :
ねぇ、名乗って:2005/11/26(土) 23:02:56 ID:8g23vstY0
test
やべえ、れいにゃーずを催促にきたが
今はこっちの続きが気になる。
613 :
ねえ、名乗って:2005/11/27(日) 02:03:57 ID:LEevNKzE0
れいにゃ・・・。・゚・(ノД`)・゚・。
矢口真「理」じゃなくて矢口真「里」ね。念のため。
嗣永-松浦同盟は叶わなかったか…
616 :
ななし:2005/11/28(月) 18:44:00 ID:dw7pfZg/O
待つよ、おいらはいつまでも待つYo〜。
イ呆
れいなの切れタ原因にワラタ
从*` ロ´)
620 :
ななし:2005/12/04(日) 14:48:08 ID:yh380HV2O
ほ
>>602 やっぱり加護じゃね?で、負けて辻の闘う理由になる。
そうじゃないと加護の最強を証明するために闘っていた辻は、加護が復活した今、
闘う意味がなくなってしまう。なので、今度は加護が藤本に負けてなっちをまもるために闘うと。
622 :
お初人:2005/12/05(月) 23:20:41 ID:GmF/vGfrO
@話から読みたいんですがどうやったら見れますか?m(_ _)m
624 :
ねぇ、名乗って:2005/12/06(火) 19:37:30 ID:601xYBpv0
>>621 加護が藤本に負けるか?
ぶっちゃけ三倍最強じゃね?
>>624 三倍は最強だと思うが、肉体への付加が大きく制限があるし
何より辻豆的には今までの作品の傾向から
加護は最強のかませ犬ぐらいにしかかんがえてないと思われ
加護は3倍でやっと藤本レベルって感じに捕らえてたけど。
627 :
ななし:2005/12/07(水) 09:29:54 ID:02Iz608YO
ほ
最強技とか最強の肉体を持ってる奴が最強じゃないところが格闘技だと思うがなあ
つまりヤスス最強
>>628 そうだな。強い奴が勝つんじゃなくて、勝った奴が強い。
まあ決勝は主人公二人のタイマンではないと思うが
どっちか一人だけかな。
633 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/12/09(金) 22:56:44 ID:sUKEQnci0
中澤裕子に勝ったあの瞬間から、矢口真里は変わった。
闇との戦いにおける責任をその小さな背中に背負う『格闘技界のリーダー』
怒りに吼える矢口があっというまに嗣永桃子の胸倉に入り込んだ。
これまで幾多の死闘を乗り越えてきた最高の必殺技・ヤグ嵐!!
「うおおおおおおおおおおおおおお…!!!」
嗣永桃子は静かに唇の端を吊り上げた。
「これが?最高の必殺技?ウフ」
まるで足に根が生えている様に嗣永は微動だにしない。
矢口の顔色が変わる。
「なっ!!」
「時代遅れなんだ。おめぇらはよ」
「うっさい!!クソガキ!!お前なんかに何がわかる!!」
「わかるよ。あんたらはみんな私の引き立て役なんだ」
ポキン。
嗣永桃子は軽く矢口の腕を握っただけだった。
それで矢口の肘関節がきれいに折れた。
「うがっああああああああ!!!!!」
「弱くてもろい。もう腐ってるぜ」
「あああぁぁぁっっっ・・・・・!!!!」
「あんただけじゃない。安倍も、後藤も、古いババアはみんな、賞味期限切れだ」
634 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/12/09(金) 22:57:36 ID:sUKEQnci0
レベルが違いすぎた。
秘密の工房にて人工的に作り上げられた格闘家の最終形態…それがK。
だが矢口真里は決して引かない。
「ウッグゥッ…だ、誰が賞味期限切れだコノヤロ!!」
「心配すんな。すぐに全員まとめて地獄に送ってやるからよ」
「だまれ!!だまれっ!!!!!」
矢口が嗣永の周りを回転する。
腕1本にヤグ足2本…それだけあれば十分だ。
女帝・中澤裕子をも粉砕した完全奥義『真空竜巻ヤグ嵐』!!!!
「!?」
竜巻の勢いで、嗣永桃子の足が宙に浮く。
(てめーなんかになっちや後藤がやられるか!!もちろんおいらもだ!!)
(歴史をなめんじゃねー!!)
ズドオォォォォォォォン!!!!!!!!!!!!!
「やっぱり…古臭い」
片手が二人分の体重を支えていた。
嗣永桃子は地面に投げ飛ばされた勢いを腕一本で防ぎ、嘲笑を浮かべる。
全力を使い果たした矢口には、何が起きているのか理解できない。
「最新の奥義ってのを…特別に教えてやるよ」
635 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/12/09(金) 22:58:18 ID:sUKEQnci0
見えない打撃が、矢口の頬をうつ。
防御どころか、反応すらもできない速度。それが加速してゆく。
ドン!ドン!ドッ!ドッ!ドッ!ドドッ!ドドッ!ドドッ!ドドドッ!ドドドドド!!
「ギャグ100回分殺してください♪」
100発分のダメージが物凄い勢いで矢口真里に蓄積されてゆく。
(おいらは…リーダーに…裕ちゃん…)
なすすべなく崩れ落ちる矢口真里。
「おいおい…まだ50発程度だぜ。もう終わりかよ。やっぱ腐ってんな」
そのあまりにレベルの違う決着は、バトル・サバイバルに強烈な衝撃を与える。
同じくKの熊井友理奈もまた、あの田中れいなを圧倒しつつあった。
自分の獲物をしとめ終えた嗣永桃子がニヤニヤ近付いてゆく。
「友理奈。なぁ〜に手加減してやってんだよ。私がとっちまうぞ」
「別に手加減はしていない。この田中という人はそれなりに実力者だ」
汗ひとつかいていない冷たい顔で熊井友理奈は平然と答える。
一方の、田中れいなの体には無数の汗と傷が付けられていた。
「く、くそぉ。なんか一晩中走りまわっとー感じで体がうまく動かんっちゃ」
れいなはネコ化したときの記憶が無い。
本当に一晩中ネコの様に走り回っていたとは知る由も無い。
636 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/12/09(金) 22:59:23 ID:sUKEQnci0
「千奈美。こっち来い」
脇でKの圧倒的な強さを眺めていた徳永千奈美も、嗣永に呼ばれて駆け寄ってきた。
熊井友理奈。嗣永桃子。徳永千奈美。3人に囲まれる絶体絶命のれいな。
「ほ、本当にびっくりしたよ。桃子さん、友理奈も、本当にすごい」
「まだまだ驚くのは早―ぜ。これから残りの全員ぶったおすからな」
「は、はい。私も協力し…」
シュッ…
徳永千奈美の後頭部に、閃光の様な手刀が打ち込まれる。
「え?あっ…あ?」
「言ったろ。残りの全員って。お前もだよ、千奈美」
一撃で意識を失い、地面に倒れる徳永千奈美。
それを見て一番怒り狂ったのは当然れいなであった。
「きさん何ばしよっと!!自分の仲間やっとーとよ!?」
「うるせえよペチャンコ。お前もここで終わりなんだよ」
ギリ…歯軋りするれいな。
自分だってひどいことはいっぱいしてきた。だけど仲間を裏切ることだけはしない。
今まで感じたことのない怒りがれいなの全身を包みこむ。
(さゆ…絵里…。うち…こいつだけは許せなかよ!!)
「にゃあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
637 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/12/09(金) 23:00:30 ID:sUKEQnci0
『勝負あり!!!』
『敗者!!矢口真里!徳永千奈美!』
『勝者!!嗣永桃子』
『残り14名!!』
その頃、島中の各地に衝撃の放送は伝わった。
「ヤグ…ッ!!」
アミーゴと対峙している安倍なつみの顔色が変わる。
(あの矢口が負けた?それも子供なんかに?だが同時に他の子供もやられている)
(一体何が起きているのか?さっぱり分からない。だが嫌な予感だけはする)
(どうやら…のんびりしてる暇はなさそうだねぇ)
「悪いけど…秒殺させてもらうべさ」
「奇遇だな。俺も同じことを思っていた」
決勝戦と呼んでもいいこのカードにも、激震が走る!!
同時刻、闇の城の入口手前にまで加護と辻は先回りに成功していた。
「矢口しゃんが負けてしまったのれす」
「矢口って…あのオリンピックの?のの、知っとるんか?」
「いろいろとあったのれす」
「そっか」
相棒の寂しそうな顔を見て加護は思う。もし違った形で出逢えてたなら、
その矢口という人とも一緒に笑ったり踊ったりできてたかもしれへんな、と。
638 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/12/09(金) 23:10:56 ID:sUKEQnci0
だが現実は戦場。これから最凶の敵を迎え撃とうとしている。
「のの。ひとつ約束や」
「へい」
「手出したあかんで。藤本美貴とはうちがサシでやる」
「へい」
辻は絶対に手を出すつもりで返事した。
一人草むらから立ち上がり、闇の城の入口前に立ちはだかる加護亜依。
「うちはあいぼんや。三倍拳のあいぼんや!誰にも負けへんでぇ!!さぁ来い!!」
大声で気合を入れる。
それから数十分経過。まだ藤本美貴は来ない。
待ちくたびれた辻が加護の元に駆け寄る。
「おかしくないれすか?いくらなんでもミキティ遅すぎなのれす」
「せ、せやなぁ。こない目立つ城、迷うはずあらへんよなぁ」
「もしかしたら…途中で他の誰かと」
「やりあってるゆうんか?まさか…」
しかし、その辻の予測は当たっていた。
時間は数十分さかのぼる。
藤本美貴の前に「もう一人の最凶」が現れていた。
639 :
名無し募集中。。。:2005/12/10(土) 00:29:26 ID:zIVkxotSO
今日は終わり?
三話連続を期待してたが・・・
640 :
ねぇ、名乗って:2005/12/10(土) 01:12:48 ID:tBG0Pkat0
続き期待あげ
641 :
ねぇ、名乗って:2005/12/10(土) 02:31:33 ID:enZpi99T0
あやみき… ハァハァ
あややor美貴vs加護か・・・
どっちが来ても面白そうだ
れいなさんがばって
あややVSみきで、あやや
であややVS加護の因縁の対決ですか?
この時間になってはじめてのほ
ほ
れいながベリっ子に負けないでほしいなぁ。
別にベリさんが嫌いってわけではないですけどね。
>>648 確かに、俺はキッズもみんな好きだけど
田中や加護、藤本とかの主要メンバーにはまだ負けてほしくない
(矢口は負けたけど)
辻豆さん的にも、
『れいにゃはこっちで負けても向こうで活躍できるからなぁ・・・』
みたいなこと考えてそうで怖い。
れいにゃガンガレ 超ガンガレ
キッズこんなに強いのになんで中澤必要だったんだ?
とりあえずペチャンコガンガレ超ガンガレ
652 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/12/17(土) 14:49:02 ID:bXIvIHMh0
「ハロープロレスの…松浦」
「夏美会館の…藤本」
互いに、その程度の認識であった。
もうとっくにハロープロレスでも夏美会館でもない。
交わることはないはずの二人。いや交わらせてはいけない凶。
「失せろ。見逃してやるよ」
藤本美貴が冷静にそう告げると、松浦亜弥は笑みを浮かべた。
無理に戦う理由は無い。二人ともこの先に決着を着けなければいけない相手がいる。
安倍なつみ。高橋愛。
こんな所で意味のない戦いをする必要は互いに無い。しかし…。
「見逃すって言うのは、強い人が弱い人に使う言葉じゃな〜い?」
松浦は笑っているが、笑ってはいなかった。
「よくわかってんじゃねぇか。だから…見逃してやる」
藤本はあいかわらず顔色ひとつ変えず、言い放つ。
「気ぃ〜が〜付けば、あなた…」
突然歌い出す松浦。次の瞬間、藤本の額が後ろの空間にはじけ飛ぶ。
「あなた…死んでるよ」
653 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/12/17(土) 14:50:52 ID:bXIvIHMh0
以前、あの亀井絵里の腕に風穴を空けた松浦亜弥の銃弾の様な攻撃。
そいつが藤本の額を撃ちぬいた!!……様に見えた。
次の瞬間、松浦の側頭部に閃光が駆け抜ける。
銃弾をギリギリでかわした藤本の高速カウンターハイキック!!
蹴り飛ばされる松浦。
「相手が悪かったな、松浦」
すると松浦はピョンと飛び起きる。
あの光速カウンターを完全にガードしきっていた。もう顔も笑っていない。
「相手が悪かったな、藤本」
お互いに、相手が悪かった。
どちらも引くことを知らない二人。
敗北はすなわち死に成りかねない。たとえ勝ったとして五体満足で済む確率は低い。
そんな相手に、たまたま…たまたま巡り会ってしまっただけ。
「フッ」
「フン」
思えば、似たもの同士かもしれない。
大勢の仲間よりも孤高を好む二人。
「決勝戦でやりたかったぜ」
654 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/12/17(土) 14:51:41 ID:bXIvIHMh0
「にゃあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
れいなの八極拳が、嗣永桃子の胸元で爆発する。
かろうじて後ろに飛んで防ぐ桃子。だが少しだけビックリした。
田中れいなの動きがいきなり数段上がったのだ。
「チッ…んだよ!」
「凡人ながら、たいしたものです」
熊井友理奈が冷静に分析を始める。
意識をそのままに、ネコ化の身体能力がれいなの体に宿りつつある様だ。
スピードだけならば自分達に勝るとも劣らないかもしれない。
「しかし…そんなムチャがいつまで続くか?」
友理奈もスピードには自信がある。
回避に専念すれば特に問題は無い。そのうち自滅すると判断した。
田中れいなの体から悲鳴が聞こえる。
(限界は近い…そのときが、彼女の命の火が消えるときです)
「ニャァ…ハアァッ…ハッ…ハァ…」
足元がふらつく。視界がおぼつかない。
れいな自身わかっていた。自分の限界がもう近いこと…。
でも絶対に止まる訳にはいかない!
(こいつらだけは…平気で仲間を捨てる様な奴等は…死んでも許せなか!!)
655 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/12/17(土) 14:52:47 ID:bXIvIHMh0
ガクン。
何かが、崩れ落ちた。
気が付くと膝が地面にくっついていた。どんなに頑張っても…力が入らない。
れいなはふと前を向く。
敵二人の冷たい視線が自分を見下ろしていた。
「よぉ、何か遺言はあるかい?」
そのとき、れいなは我慢できずに吹き出してしまった。
「ニャハハハ…」
「何がおかしいんだよ!」
「狂いましたか?」
「悪いけどれいなはケチっちゃから、お前に遺言の時間はやらんばい」
ヒュ…!
振り返る嗣永桃子。眼前に、上空から飛び込んでくる刃!!
「桃っ…!!」
生まれて初めて、熊井友理奈は大声を出した。
ザシュッ!!!
額からアゴにかけて紅き線が走り、倒れる嗣永桃子。
飛び込んできたその娘は、頬をプク〜と膨らませながら親友の前に立った。
「さゆを置いてくなんてヒドイの、れいな」
656 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/12/17(土) 14:54:29 ID:bXIvIHMh0
バトル・サバイバルの長い夜が明けようとしている。
「も〜。れいなもさゆもみつからないよ〜どこで遊んでるのぉ?」
少しの休息をとった後、亀井絵里は再び仲間を探して歩き回っていた。
そして、前方に誰かいることに気付く。
喜んで駆け寄るが、見知らぬ女の人だった。
「ん〜?どなたですかぁ〜?」
首をひねってニコニコ尋ねる絵里に、女は無表情のまま呟いた。
「あんたがイシカワリカ?」
「えー誰それ?違いますよ〜私は亀井絵里ですよ?」
「じゃあ用はない。消えろ」
「え〜?じゃあやっぱり私はイシカワリカでぇ〜す!遊んで遊んで♪」
「冗談でもその名を語るな」
「ウエヘヘヘ?どうしたんですかぁ?イシカワリカってのが怖いんんですかぁ?」
後藤真希の機嫌をそこねるには十分すぎる言葉だった。
無表情のまま立ち上がる後藤真希。
「偽者でも、その名を語る奴はぜんいん消す。それがヨッスィーへのはなむけ」
「ワーイ。ずっと退屈してたの〜。ひさしぶりにエリも本気で遊びますよ?」
後藤真希と亀井絵里。これもまた決勝戦と呼んでさしつかえないカード。
657 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/12/17(土) 15:03:58 ID:bXIvIHMh0
そして、高橋愛…。
夜のジャングルは手慣れたもので、あの飯田圭織との死闘から、
誰にもみつからず体を休めることができた。もうほぼ万全である。
「さ〜て、そろそろ動かな、誰が主役かわからんくなってまうわ」
自信にみなぎっていた。
飯田圭織に勝ったという事実は、言葉以上の重みを有する。
(あの人よりやばい相手に会うことも、も〜ないやろしの)
ところがこの後、飯田圭織をも越えるバケモノと、高橋愛は再会することになる。
島の外側、海辺が臨める海岸にまで愛は出てきた。
ちょうど朝日がのぼってくるところ。
「うわ〜きれい。戦いの中ってのを忘れてまうわ」
う〜んと大きく伸びをしながら深呼吸する高橋愛。
そのとき、海岸の遠くに人の姿を見つける。
朝日の輝きを受けてキラキラと輝くその姿は、まるで女神の様にも見えた。
「……石川さん?」
「…愛…ちゃん」
たった一度だけ、二人には面識がある。助けた者と助けられた者。
この運命の再会より、激闘は終盤戦へと突入する。
第47話「これが決勝戦」終わり
658 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/12/17(土) 15:04:32 ID:bXIvIHMh0
次回予告
安倍なつみvsアミーゴ・ロムコー
藤本美貴vs松浦亜弥
田中れいな・道重さゆみvs嗣永桃子・熊井友理奈
後藤真希vs亀井絵里
石川梨華vs高橋愛
すべてが決勝戦。
そして、残る辻希美と加護亜依にも…最悪の試練が待ち受ける!!
To be continued
659 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/12/17(土) 15:04:59 ID:bXIvIHMh0
バトル・サバイバル生存者(残り14名)
【夏美会館】安倍なつみ・辻希美
【ハロープロレス】松浦亜弥
【市井流柔術】後藤真希
【高橋流柔術】高橋愛
【海外招待選手】アミーゴ=ロムコー
【保田一派】亀井絵里・田中れいな・道重さゆみ・藤本美貴
【闇】石川梨華・加護亜依・嗣永桃子・熊井友理奈
660 :
ねえ、名乗って:2005/12/17(土) 15:46:25 ID:7H7ZwkJr0
すげーっ!
キターッ!
辻豆は6期が好きみたいだな
じゃあ、Wの相手はあいつしかおらんな
ミラクルの飛び入りか?
つまり、あいぼんが今だに闇扱いってことにヒントが!?
ここまで来てミラクルに辻加護あっさり負けさせるとか、
そんなショボーンな展開は止めてくれよ?辻豆さん?
ミラクルに押されあいぼんがののを見捨てるんだろ。
バレバレの前不利あったし。
で、あいぼんが負けてののが勝つ。
( ´D`)<あいぼんの敵なのれす!!
( ‘д‘)<うちはののをみすてたのに・・・
ミラクルは明らかに当初の予定にはない飛び入り参加だから、シナリオの大筋を壊すような活躍はできないと思う
つんく「まさか、あいつに勝つとはな…こりゃ、とんだミラクルやわ。」
みたいな流れでおk?
670 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/12/20(火) 20:09:38 ID:SRYgWZ5Q0
ひとつだけネタバレしとくと
辻加護の相手はミラクルじゃないです
671 :
ねえ、名乗って:2005/12/20(火) 21:54:53 ID:4lN6tuOq0
俺的にはれいな&さゆが負けて
辻加護が桃熊と戦う予想だったが
ミラクルは誰かと役割入れ替えたんじゃないの?
菅谷とか。
この展開だと
後藤VS石川 松浦VS高橋 安部VS藤本 のどれかが消えるのかな?
それとも以外な展開が
安部vs亀井期待してたんだが・・・ないかなぁ?
最初のエピローグがどう絡んでくるのか…。
気付けばもう二年以上気になってる。
辻豆さんはホントに焦らすのが好きだなw
辻加護の試練がなっちに勝ったアミーゴとの戦いだったらビクーリだな
677 :
ねえ、名乗って:2005/12/22(木) 01:40:03 ID:vczjmnF30
これから連休あるし、もう一回読み直してみるかな。
れいにゃ〜…の方って携帯版なかと?
あいぼんの足手まといにはなりたくないのれす
ってのはいやよ。想像するだけでなけるから
心配せんでも辻豆はそれだけはできんでしょ
おぉい 3連休スルーかよ!
ごめん、
>>678間違い。トーナメントの事が聞きたかったんだケド…。
こっちのが好きだお
ho
686 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2005/12/31(土) 13:50:45 ID:5wppF7Sd0
よく考えたら、このスレ立てたの元旦かw
最近1年が早いな〜
こっちの再開はあっちのdat落ち次第
来年こそ完結させます!!
687 :
ねぇ、名乗って:2005/12/31(土) 15:20:50 ID:3bbdopwu0
紅白で「ラブマシーン」は泣ける?
688 :
名無し募集中。。。:2005/12/31(土) 15:50:35 ID:ix6TSUjG0
あっち落とそうぜ
689 :
名無し募集中。。。:2005/12/31(土) 20:10:12 ID:ix6TSUjG0
ほ
690 :
名無し募集中。。。:2005/12/31(土) 20:57:29 ID:nM5cghXrO
あっちって何?
691 :
名無し募集中。。。:2005/12/31(土) 21:04:54 ID:7OSG4MCG0
また来年もよろ〜
あけおめ
693 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/01/03(火) 17:36:09 ID:4iYuRCle0
あけましておめでとうございます。
紅白の19人ラブマはやっぱりよかった。ちと感動した。
ラストが久住ってのもイイね。この小説のラストも…おっとw
今年もよろしくお願いします。
完結する前に8期が入るよ
ho
とりあえず、保全しておく。
保
そろそろ続き読みたいぞ〜〜〜〜〜〜〜
加護同!
700
702 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/01/15(日) 14:15:23 ID:gBEilYyS0
第48話「地獄のタッグマッチ」
朝日の輝く海岸で対峙する石川梨華と高橋愛。
「久しぶりやの。覚えてますか?」
「覚えているに決まってるでしょ。あなた達には本当に感謝しているんだから」
「…達って、吉澤さんと麻琴のことですか?」
「ええ。でもまさかこの手で二人を倒すことになるなんて…運命は残酷ね」
石川はさらりと衝撃の告白をした。
愛はそれに驚きもせず、受け止める。
「恨んでいる?私がヨッスィーと小川さんを倒したこと」
「恨んでえんざ。どっちかっていうと悔しい方が大きいわ」
「悔しい?」
「強い獲物を横取りされたからの。ずるいわ石川さん」
「フフ…」
「イヒヒ〜」
「おかしな人ね。あなたは」
「よく言われるけど、そっかな〜?自分ではこれが普通やって思ってるんやけど」
「…安心して。あなたの為の強い獲物なら、今ここにいるから」
「そっか。そりゃ楽し…」
ドンッと全解放した想像を絶する石川梨華の力に、島中が揺れる。
最強。その二文字に相応しきその力に、愛は顔をひきつらせた。
703 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/01/15(日) 14:16:55 ID:gBEilYyS0
(―――!!!!)
その力の解放に、最初に反応したのは亀井絵里と対峙する後藤真希であった。
今まで感じたことのない力の波動。
(まさか…)
確信に近い疑問を持つ。
吉澤ひとみを半殺しにできる力の持ち主など、そうはいない。
(イシカワリカ!!)
考えると同時に、後藤は超スピードで力の発生方向へ走り出していた。
「あ〜!ちょっと〜!何処行っちゃうんですか〜??」
遊びの途中で置いてきぼりにされた亀井は、大声で追いかけるが、早すぎて追いつかない。
後藤真希に遊んでいる暇などなかった。
もともとこの大会に出場したのも、最強の称号が欲しいからではない。
たった一人を倒すため。
親友を半殺しにしたイシカワリカという女を倒すため!
「よっすぃーはボクシングで、後藤は柔術で、一番になろう!」
「おお」
「そしたらさ、次は日本一賭けて決着つけようね」
「あぁ約束だ」
森を抜けて海岸線に飛び出した後藤真希。
視界に二人の女の姿が見えた。
704 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/01/15(日) 14:19:31 ID:gBEilYyS0
突然、飛び出してきた後藤真希を見て、愛は驚いた。
「どっちがイシカワリカ?」
有無を言わさぬ後藤の問いかけに、愛は首を振る。
石川はまるでそれを待っていたかの様に、強い気を放ったまま頷いた。
「お前が石川梨華か?」
「そうよ」
「お前がよっすぃーを…やったのか?」
「そうよ」
「私と戦え。私は後藤真希だ」
「知っているわ。あなたの名前はよっすぃーからよく聞いていたから」
呆然と成り行きを見守る愛に、石川がそっと微笑みかける。
「という訳でごめんなさい。愛ちゃんとは戦えなくなっちゃった」
いつもなら空気を読まず割り込む所だ。
でもなぜかこの二人の対決だけは、邪魔をしてはいけない気がしていた。
愛は静かに頷く。
「石川さんともやりたいし、後藤さんと柔術頂上決戦もしたい」
「そっか。あんたが…高橋流柔術の…」
後藤は思い出す。一度だけよっすぃーの病室ですれ違った娘だと。
705 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/01/15(日) 14:22:51 ID:gBEilYyS0
「横取りして悪かったね」
「いいよ。石川さんと後藤さん、勝った方とやるからね」
「代わりの相手ってのはアレだけど、もうすぐここに一人変なの来るから」
「うん。それで我慢してるわ」
そう言って、後藤は無言で石川に、場所を変えようと促す。
二人の決戦は誰の邪魔も入らない所がいい。
少しの距離をおいたまま、後藤と石川は海岸線から消えていった。
海岸に一人残された高橋愛。
そこへ何者かが近付いてくる気配がする。
(後藤さんが言ってた変な奴か?さ〜て誰…)
「もぉ〜〜〜後藤さ〜〜ん!!エリを置いてかないでよ〜〜!!」
「ぃ!!!」
「あれ?」
見詰め合う高橋愛と亀井絵里。
ニコッと笑う亀井。
「あ〜〜飯田さんを倒した高橋愛だ!よかった〜遊んでください♪」
かつて石黒彩が言ったセリフが愛の脳裏をよぎる。
この女にだけは手を出すな。
(後藤さん、勘弁してよ。最悪やが!!)
ついに激突!!高橋愛vs亀井絵里!!!
706 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/01/15(日) 14:24:34 ID:gBEilYyS0
同時刻。田中れいなは自分の目を疑っていた。
嗣永桃子を切り裂いて登場した道重さゆみ。そこまでは良かった。
「本気でいきます」
熊井友理奈がそう言った後だった。
とつぜん小さな少女だった彼女の手足が、信じられない勢いで成長を始めた。
気が付くと、れいなはもちろんさゆよりも、出場選手の誰よりも長身になっている。
その驚異的なリーチの長さに、さゆの刃も届かない。
あのさゆが一方的にやられている。
「嘘っちゃ…そんなはずなか…」
ヨロヨロと立ち上がるれいな。
加勢にいく。二人で戦えば誰にも負けはしな…
ドンッ!!
立ち上がった所を逆にカウンターでやられるれいな。
リーチもスピードも違いすぎた。強すぎた。
この熊井友理奈という怪物に、二人がかりでも勝てないのか?
「さらに絶望的なことを教えてあげましょうか?」
れいな達を見下ろす熊井。
視界の隅で、顔を斬られた怒りの嗣永桃子が起き上がっていた。
「嗣永桃子の本気は…私よりも強いです」
おまたせしました
久しぶりの更新です
708 :
たか:2006/01/15(日) 14:44:35 ID:3WM8BVSj0
辻豆さん待ってました〜w続きが気になって気になって、夜も眠れなかった…嘘ですwさゆ推しのおいらとしては、さゆに負けてほしくないですね…。
前に否定してたけどさ
やっぱりインフレおこってるよね
インフレかなぁ?
Kに関しては全く実力を隠していたわけだし、
6期は元々それなりの能力を持っていて、本大会にむけて劇的パワーアップした感じはないし。
インフレ言いたいだけちゃうんかと
712 :
名無し募集中:2006/01/15(日) 19:57:49 ID:yWRsy3wf0
次の更新はいつかな???
インフレどうこうより大きな問題がないか?
714 :
たか:2006/01/16(月) 05:40:45 ID:d7sEfzjQ0
大きな問題?
格闘じゃなくてSFアクション小説と思って読めば問題なし。
>とつぜん小さな少女だった彼女の手足が、信じられない勢いで成長を始めた。
>気が付くと、れいなはもちろんさゆよりも、出場選手の誰よりも長身になっている。
辻豆さん、あんた最高だよw
たまにある現実と絡めたネタが好きでたまらない
オカルトだな
黄金カードばかりで勿体ないと思ったが
よく考えたら、もうそれなりのメンバーしか残ってないんだね
正直強さは飽和状態な気はする。
黄金時間、三倍拳、不死人形あたりで限界でしょ?
この三人が、この三人+なっち意外に巻けたらはあ?って感じはする。
3倍拳はそんなに強そうな気がしないけどなあ
普段はビミョーなわけだし
飽和状態なのは同意
でも、バキみたいにデフレになるよりは、このまま行って欲しい
3倍ならせいぜい赤だよな。友理奈は3号生筆頭殿を思い出せばまぁ納得
普段のキャプテンがやっているように気迫で大きく見せてんだよ
未だにキッズの顔が分からない件について・・・
>>722 平気だ。
俺も3,4人しか名前と顔が一致してない
724 :
名無し募集中。。。:2006/01/18(水) 18:12:57 ID:w9zx3/ZrO
一致してから読み直しても面白いよ。
年末まで俺もわかんなかったし
つまんねぇのがいるなぁ
ほ
727 :
ねぇ、名乗って:2006/01/20(金) 22:55:45 ID:5gEVj8TQ0
ze
ん?
Kの中で実力を隠してた2人のうち1人が嗣永桃子だっていうのが納得いかないなぁ
本気を出せない立場なのに好戦的で無謀にも安倍に挑むなんて不自然だろ
てっきりもう一人は菅谷梨沙子だと思ってたのに
大体同意だが、、、
最後の一行がヲタくさいぞ
りしゃこが倒されてくやしんでるみたいじゃんw
客観的に見てみんなそう予想するだろう
732 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/01/21(土) 23:27:46 ID:UU1qpRCq0
「逃げて!れいな!」
さゆの叫び声が聞こえた。
次の瞬間、さゆの体が一回転して吹っ飛ばされる。
ブチギレた嗣永桃子の動きは、自分達の知る次元を超えていた。
頭から岩壁に叩きつけられたさゆ。
鋼鉄化の力をもつさゆだから死なずに済んだ。もし自分だったら…
そう考えると、急に怖くなってきた。
だけど…
「さゆを置いて逃げれなか!」
「さゆは平気なの!だかられいなはエリに!エリの所へ早く!!」
さゆが岩の中から立ち上がった。
そのまま二人のKに向かって歩き出す。
(エリがいれば…)
(3人一緒ならば…)
(こんなクソガキどもが100人いたって負ける気しなか!!)
「さゆ!すぐエリを連れて戻ってくるから!絶対死んじゃダメっちゃよ!!」
「当たり前なの」
れいなが後方へ走り出す。
当然、嗣永桃子がそれを見逃すはずがなかった。
さゆを飛び越して、れいなを追おうとする。
そのとき、さゆの右足が赤く輝いた。
受け継がれた無敵の蹴り技!!フリージア!!!
733 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/01/21(土) 23:32:27 ID:UU1qpRCq0
後ろから、誰かの倒れる音が聞こえた。
走っていたれいなはふと…振り返る。
その目に信じられない光景が映った。
「…さゆ?」
熊井友理奈の長い脚の下に、仰向けで倒れる道重さゆみ。
完全に意識を失っている。
「おしかったですね」
熊井友理奈はあいかわらず顔色一つ変えずに呟く。
「一対一だったなら、奇跡を起こせていたかもしれませんでした」
「ねーよバカ!」
反論する嗣永桃子のふとももに、強烈な青アザができていた。
さゆが柴田あゆみより譲り受けたフリージアは、Kの想像をも凌駕していたのだ。
しかし相手は一人ではなかった。
完全に嗣永桃子を捕らえたフリージアが、完全ヒットする直前にもう一人が動いた。
フリージアの瞬間、鋼鉄化の能力はすべて右足に注がれる。
つまり他の部位は完全にノーガードとなる諸刃の剣。
そこを冷静についたのが、熊井友理奈だった。
リーチを活かした打撃一撃。
その一撃で、道重さゆみは地に落ちた。
734 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/01/21(土) 23:35:11 ID:UU1qpRCq0
れいなの脳裏に、3人の少女が浮かんだ。
「毎日毎日修行修行!も〜うんざりばい!!」
幼い日の自分がいる。
「でも、さぼるとまた師匠に怒られるの」
幼い日のさゆがいる。
「ウエヘヘヘヘヘ」
幼い日のエリもいる。
「だいたい八極拳なんてもう流行らなか!やってられんちゃ」
「それ師匠に聞かれたら殺されると思うの」
「じゃあさ、じゃあさ、もっとおもしろいことしよっか?」
「いいっちゃね!何すると?さゆは何がよか?」
「えーと。えーと。さゆはお歌を歌う人になりたいの」
「ムリ×2」
「ちょっと二人とも!ハモらないでよ!」
「さゆが歌手なんて、世界がひっくりかえってもありえなか」
「エリもそう思う」
「二人ともひどいの!!」
「歌はれいなに任せて、さゆは伴奏をすればよか」
「じゃあエリはギターがひきたい!」
「あ、なんか楽しそうなの」
「バンドっちゃ!ロックっちゃ!燃えてきたっちゃぁぁぁぁ!!」
「何に燃えてきたのかしら?」
「ゲッ!お師匠っ!」
735 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/01/21(土) 23:37:17 ID:UU1qpRCq0
「にゃああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
どうしてあんな他愛な話を、今思い出したのかわからない。
気が付くとれいなは泣きながら飛び出していた。
嗣永桃子・熊井友理奈。二人の悪魔がれいなを待ち構える。
もう怖さは忘れていた。
師匠の方がよっぽど悪魔だった。
気の遠くなる程くりかえしてきた構えから放つ、発勁。
両手を前に出して受け止める熊井友理奈。
受けると同時に手足の長さを短くして、衝撃を外に逃がす。
自由自在に自らの身体を操作する能力『特別世代(スッペシャル・ジェネレーション)』。
れいなには何が起きたのか理解すらできない。
その背後に嗣永桃子がまわりこんでいた。
「死ね」
ドン!ドン!ドッ!ドッ!ドッ!ドドッ!ドドッ!ドドッ!ドドドッ!ドドドドド!!
死ぬまで止まらぬ地獄の百連打『ギャグ100回分殺してください』
ボロボロに崩れ落ちるれいな。
(ごめん…さゆ。ごめん…エリ)
(次に生まれ変わったら…きっと)
れいなの脳裏に最期に浮かんだのは、ステージで歌う3人の笑顔だった。
736 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/01/21(土) 23:38:33 ID:UU1qpRCq0
『勝負あり!!!』
その結末は、島中に大きな衝撃を及ぼす。
『敗者!!道重さゆみ!田中れいな!』
彼女達の実力を直に知る安倍・辻・藤本・高橋らは一斉に反応した。
(バケモノの様に強かったあの二人が!!しかも二人同時に!!)
だが他の誰よりもいちばんショックが大きいのは…
『勝者!!熊井友理奈!嗣永桃子!』
『残り12名!!』
「くまい?つくなが?子供らか?嘘やろ!?」
愛も驚きを隠せずにいた。
そして目の前にいる娘に視線を移した。
田中れいな・道重さゆみと共に育ち、共に暮らし、共に生きてきた娘。
喜怒哀楽の『楽』以外の感情を持たないはずだった。
亀井絵里の咆哮。
何気にIDがUU(ダブルユー)
すっぺじぇねワロタ
れいにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
更新乙!
これで絵里が切れそうだな。
>>729 加護同。
>>730 俺も菅谷だと思ってた。
だって散々潜在能力あるって書いてたし。
キッズ知らないけど、2chの雰囲気だと昔の辻に似てるっぽくって辻豆さんも好きだと思ってたし。
いや菅谷には特に興味なかった
最近、沢尻エリカに似てることに気付くまでは…
気付いたときには始末してたorz
要望が多ければミラクル絡みで再登場もできなくはない
742 :
名無し募集中。。。:2006/01/22(日) 00:30:44 ID:RAtFbgXSO
微妙に狼のほうとのリンク
GJ!
743 :
ねぇ、名乗って:2006/01/22(日) 01:19:06 ID:szbn7JZxO
まさか愛亀対K2人とかいう流れになるのか!?それともミラクルが…
Kの特別な二人って徳永と官谷だと思ってたよ。
サバイバルの最初の頃、桃が徳永に「本気出せよ」って煽ってたからな。
てっきり強いんかと。
もうやられちゃったんだっけ?
嗣永は松浦とヒールコンビになると思ってたが・・・
熊井と組んでしまったかw
746 :
名無し募集中:2006/01/22(日) 03:06:44 ID:qjFTNtfs0
辻豆さん明日更新する?
今日更新したっばっかだから2週間はないだろ
748 :
名無し募集中。。。:2006/01/22(日) 05:12:43 ID:zXk7h0V00
れいな負けたからもう読まない
749 :
たか:2006/01/22(日) 06:57:20 ID:tUtMdDuq0
おいらの知らない内に更新キテター(・∀・)ーwしかも、さゆが…さゆがぁぁぁぁ(号泣)れいにゃーずとリンクに驚いた。
>>741 負け宣言されたのが復活とか、そんなん興ざめするからやめて。
751 :
ねぇ、名乗って:2006/01/22(日) 08:34:24 ID:szbn7JZxO
狼の方は何処にあるの?
向こうでは亀井は損な役回りだから、こっちではおいしくしてあげたんだね。
754 :
ねぇ、名乗って:2006/01/22(日) 18:37:25 ID:coPoFzcS0
このままこっちはえりりんが主人公でいいと思う人ノシ
755 :
ねぇ、名乗って:2006/01/22(日) 21:26:34 ID:iKn7CXWHO
主人公は高橋松浦飯田安倍の4人でしょ
個人的には藤本が好きだけどね
ラストシーンから考えて最後、高橋と亀井の話に収束させるんでしょ
そこの辻褄が合えば後はどうでもいいかな
757 :
ねぇ、名乗って:2006/01/22(日) 23:47:59 ID:vXlv2ZhH0
>>756 高橋と亀井の決着はつかないまま終わるってのには禿同
後はどうでもいいってとこは反対
辻豆さんが綺麗な形でこの小説を終わらせてくれることを祈る
やっと追いついたで!!
主人公で何で飯田や安倍って名前が出て来るんだ?
辻と勘違いするなら分かるが w
辻に最期に全部持って行かせるために、今は隠してるっぽいからなぁ。
辻は夏蜜柑の大会を制してるからもう華は持たせてもらえないと思う
決勝は高橋松浦で、優勝は漁夫の利で久住あたりが持ってきそうなヨカン
急展開で次のステージへ行くと予想
決勝は高橋VS安倍じゃないの?みんなの目標が最後じゃないのもなんだか違う気がする。
やっぱここは主人公VS王者と言う
お約束でいってもらわないと
「朝までこうしてたい」
(・∀・)ニヤニヤ
エントリーしてない久住が優勝なんてあるのか?
766 :
たか:2006/01/25(水) 20:09:43 ID:M+wJ1dJP0
そんな事があったら、それこそ「ミラクル」だよなw
エントリー無しでも良いなら、復活した吉澤が・・・
みんなつぶし会って菅谷氏か手に掛けてない久住の優勝!
これこそミラクルでっせ
769 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/01/27(金) 23:06:50 ID:RnnMHafJ0
「誰かの…声が聞こえますね。そんなに遠くはない」
「行こうぜ。次の獲物だ」
嗣永桃子が熊井友理奈にアゴで指し示す。
とっとと残り全員を片付けなければならない。
友理奈が無言で頷くと、二人は声のした方へ飛び出した。
「今、誰か叫んでへんかった?」
「ううん、ぜんぜん聞こえなかったのれす」
加護亜依の問いかけに、辻希美は頭を振った。
「きっと、あいぼんの耳がよすぎるんれすよ」
「耳も3倍ええからなぁ。けっこう離れた場所や思うで」
「じゃあ今は関係ねーのれす」
「せやな…今は」
二人は草むらの中を静かに進んでいた。
いくら待ってもやって来ない藤本美貴に業を煮やしての行為だ。
そしてその数百m先では…
「顔色が悪くなりましたね〜藤本ミキタン♪」
「うぜぇよ」
松浦亜弥と藤本美貴が激突の最中であった。
770 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/01/27(金) 23:09:17 ID:RnnMHafJ0
美貴にとって、れいなやさゆはうっとおしいガキどもだった。
年下のクセに自分勝手で…そして常識外れに強い。
だが、今の自分があるのもあいつらのおかげであるとも思っている。
嗣永と熊井…?
何者かはよく知らないが、安倍に続きターゲットが増えたまでだ。
もっともその前にこの松浦亜弥が厄介である。
松浦亜弥は明らかに「切り札」を隠し持っている。
藤本美貴が「切り札」を隠し持っているのと同様に。
そしてお互いにそれを先に見せようとはしない。
ケンカが上手い。
どちらの「切り札」がどれだけのものかを読ませもしない。
牽制し合いながら、お互いに相手の隙を窺っているが、どちらも一部の隙も見せない。
それでも自分が負けることは絶対に無い、そう藤本は思っている。
特に理由は無いが、そう思っている。
あえて理由を作るとするならば、それは自分が藤本美貴であるということだ。
自分ほど最強に相応しい女はいないと思っている。
「亜弥ほど最強にふさわしい女はいない!」
「っ!?」
「自分も同じこと思ってるんでしょ。藤本ミキタン」
「わかってんじゃねぇか。あとその呼び方やめろ」
「出逢うんじゃなかったな。一番やなタイプ」
「フン」
「ただ強いだけじゃない。心の折れない人が一番面倒臭い」
「まったくだ。松浦…てめぇ一体どんな修羅場くぐったんだコラ」
「心配いらないですよ。たぶん今のミキタンが一番の修羅場ですか…」
――――――――――――――――――――――――――――――――ガサッ
771 :
たか:2006/01/27(金) 23:10:25 ID:ZB8v7EXS0
待ってましたよ!辻豆さんw
772 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/01/27(金) 23:11:03 ID:RnnMHafJ0
笑っていた松浦亜弥と藤本美貴の気が、同時に変化する。
(そこだ)
気が付くと二人は同時に、同じ方向へ飛び出した。
状況を変えたい気持ちは互いに同じだったのだ。
「あかん!飛べのの!」
「あいぼっ!!」
草むらに隠れていたのは、見覚えのある二人の少女。
「辻!!お前!!」
「加護亜依…」
藤本は夏美会館で共にいた辻の名を…
松浦はかつてケリをつけられなかった因縁の娘、加護の名を呼んだ。
「ミキティ、それから…」
「松浦亜弥やな。ずいぶんと久しぶりやないか」
松浦の目つきが変わる。辻は藤本に訴えかけた。
「ミキティ!本当になっちしゃんの敵になってしまったのれすか?」
「お前には関係ねーだろ辻、ひっこんでろ」
「関係あるのれす!!」
「どう関係あんだよ」
「もし本当なら…ののがミキティを止めるのれす!!」
773 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/01/27(金) 23:13:08 ID:RnnMHafJ0
「お前にゃムリだ、辻」
「ムリやあらへんで。うちがおるさかい」
加護が藤本に笑いかける。
「バレたらしょうがあらへん。トコトン暴れたるわ」
「待てよ。亜弥とのケリが先約でしょ?」
すると松浦亜弥の前に辻希美が割り込む。
「借りならこっちにもあるのれす」
松浦と辻。この二人もまたハロープロレスで因縁がある。
奇しくも重なり合う四角形。
辻希美。加護亜依。藤本美貴。松浦亜弥。
「やれやれ」
面倒臭そうに藤本は松浦を見た。
松浦も藤本を見ていた。
「言っておくが、てめぇのことは一ミリも信用しちゃいねぇぜ」
「もちろん、形の上だけよ」
「一時休戦だ」
最凶コンビの誕生。藤本美貴と松浦亜弥。
774 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/01/27(金) 23:14:21 ID:RnnMHafJ0
「のの。体調はもう万全か」
「もっちろん!ずっと休めたからね。あいぼんの背中で」
ピースマークを作る相棒を見て、亜依は気持ちが和らいだ。
おそらく藤本美貴も松浦亜弥も気が遠くなる程恐ろしい化け物だろう。
それでも不思議と全然怖くない。二人一緒なら。
「ほんまの最強タッグちゅ−もん。見せたろやないか!」
『ちょっと待ったぁーーーーーー!!!』
大音量のスピーカーが四人の間を割り込む。
つんくの声だった。
『松浦亜弥・藤本美貴 VS 辻希美・加護亜依』
『こんなおもろいカード、邪魔が入って有耶無耶になったらつまらへん!』
『すぐ近くに相応しい舞台が用意してある!そこへ移動や!!』
「…んだよ、面倒臭ぇな」
「まぁいいじゃないですか〜。せっかくだから主催者さんの趣向に乗っても」
「なんかおもしろうそうなのれす」
「どんな舞台でも結果は同じやけどな。ほな移動したろか」
4人はそれぞれに安全な距離をおいて、つんくの指示通り歩き始めた。
地獄のタッグマッチの舞台へと…
負けた人が復活とか
エントリーしてない人が優勝とかはありません
念のため
ののたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ
れいにゃぁずはいつから?
778 :
たか:2006/01/28(土) 01:13:28 ID:rNQ5H30e0
土日での大量更新に期待w
なんかタッグトーナメントみたくなってきたな
松藤は怪我人の辻加護ペアの勝てる相手だとは思えないな
脅威の回復力で怪我は治ってそうだが万全の状態でも勝てそうにないな
藤本も腕が折れてなかったっけ?
でも、これは俺的には今大会のメインだな
辻加護のマッスルドッキングが炸裂するわけだなw
いやいや、マスク・ジ・エンドですよ!
辻加護なら地球の自転を逆にする事だって可能!
そうすれば辻の傷だってね
なんでマッスルブラザーズじゃなくてヘルミッショネルズのほうなんだよw
786 :
名無し募集中。。。:2006/01/29(日) 20:36:35 ID:9eJ9NC3SO
土日スルー?
今ごろ辻豆はキンニクマンを読み返してさらに
創作意欲を書きたたせているころだろう
ランバージャックデスマッチか
そのスピーカーの声はもちろん今まで通り、島中に聞こえていた。
(美貴と…ののが…!!)
(加護っていうのは確か親友だってののが言ってた子)
(それに…あの松浦亜弥)
安倍なつみの嫌な予感は最高潮に達していた。
「顔色が悪いぞ」
『最強一族の生き残り』アミーゴ・ロムコーが忠告する。
この二人の戦闘時間はすでに30分を越えている。
戦闘を優勢に進めているのは安倍なつみである。
まだダメージらしいダメージはほとんど受けてはいない。
一方のアミーゴはすでにかなりの打撃をもらってしまっている。
言い換えれば、それだけ安倍なつみの攻撃を受けても、立っているということ。
「小さい世界で王様気取り。そろそろ…外の世界を見せてやろう」
アミーゴが初めて見せたロムコー譲りの柔術タックル!
なっちは教科書どおりにタックルをさばく。
しかし寝技世界一のロムコーの技術は、そんなに甘くは無い。
加えてこのアミーゴには驚異的なパワーとタフネスがある。
なっちはほぼ強引に倒された。
そこからアミーゴの目くるめく間接地獄がなっちを襲う。
防戦一方のなっちが…ふと呟いた。
「なぁ〜んだ」
突然、なっちの動きが独特なものに変化した。
(何?見たことも無い動き…いや、これは柔術!?)
アミーゴの絡みをあっという間に外すと、なっちは立ち上がって待っていた。
「高橋流…まさかお世話になる日がくるとはね…」
パーフェクト・ピッチ
その目で見たあらゆる技を己のものにする安倍なつみの究極能力。
「ガッカリだべ。見たこと無い世界の技を奪えるかと思ったのに…」
「貴様…まさか」
グン…
外側からでもはっきりと分かる。
安倍なつみの気がケタ違いに膨れ上がるのが。
「わざわざ時間をかけたのは失敗だったべさ」
「手を抜いていたのか…」
「悪いけど、もうゆっくりはしていられなくなったの」
動き、そのものがアミーゴには見えなかった。
スピードも威力も別世界の『太陽の拳』がアミーゴの顔面を強打する。
10年前、間違いなくロムコーこそ世界の頂点だった。
(後藤真希…そして安倍なつみ)
いつのまにこれほどの差をつけられたのか?
考える間も無くアミーゴの意識は脳の外へと弾き飛ばされた。
『勝負あり』
『敗者!!アミーゴ・ロムコー!』
『勝者!!安倍なつみ!』
『残り11名!!』
例の如く、勝利宣言の放送が流れる。
(なっちしゃんは順当に勝ち残っている…)
歩きながら辻はホッと胸をなでおろした。
ズキ…ズキ…
一歩一歩足を動かすだけで、全身を針で刺される様な痛みが走る。
いくら特異体質といえど、わずか半日で完治する程度の怪我では無かった。
それでも、これ以上加護に迷惑をかけたくなかった。
藤本美貴。松浦亜弥。どちらも恐ろしく強い。
今の自分が勝てるとはちっとも思っていない。
それでもどちらか一人を引きつけるくらいはできるはず。いや…死んでもやる!
(一対一ならあいぼんは絶対に勝つ。そしたら二対一になる)
辻の考えられる唯一の勝算だった。
『着いた!ここやで!』
つんくの声が聞こえた。見渡すが、特に何も無い原っぱであった。
藤本が不満そうにスピーカをにらみつける。
そのとき突然足元の感覚が消えた。
(っ!!)
原っぱ全体が巨大な落とし穴になっていて、4人は地の底へと落とされた。
『…地獄の入口や』
高橋愛は困惑していた。
亀井絵里はいつもニヤニヤしてつかみ所の無い娘だと認識していた。
ところが今、その娘が大声で泣き叫んでいるのだ。
「ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」
(壊れた?)
そう表現するのが正しい感じだった。
そのまま亀井は叫びながら森のほうへ走っていってしまった。
「ちょ、ちょっと…待ってや」
関わらない方がいい。
そんな気もしたが、なぜか愛は放っておくことができず追いかけた。
「ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」
亀井は物凄い速さで走っていったが、叫び声がでかいせいで方向はすぐにわかった。
(皆に気付かれてまうで)
「アアアア…ッ」
突然、叫び声が消えた。
考えられるのは、誰かとぶつかったということ。
愛は臨戦態勢でそちらへと急いだ。
亀井絵里の前に、二人組の少女が舞い降りていた。
もちろん嗣永桃子と熊井友理奈である。
「うるせえよ。お前。消すぞ」
「この人は確か…亀井絵里。さっきの二人の仲間ですね」
(さっきの二人?)
(さゆのこと?れいなのこと?)
絵里の目が大きく見開いた。
(お前らがっ!!)
絵里は叫びながら、二人に向かって突進した。
ガシィ!!
桃子がニィと笑う。
片腕で絵里の突進が受け止められた。
そこへ友理奈が飛び込む。絵里はクネクネッとかわそうとする。
だが突然、『特別世代』友理奈の手足が伸びて、追いつかれてしまう。
簡単に絵里は地面にたおされてしまう。
はいつくばる絵里を見下ろしながら、桃子がまたニィと笑った。
「死ね」
愛がその場に辿り着いたとき、
辺り一面が真っ赤な血で染まっていた。
第48話「地獄のタッグマッチ」終わり
次回予告
地の底で燃え上がる究極の殺し合い
松浦亜弥・藤本美貴 VS 辻希美・加護亜依
死闘の果て、加護に迫られる究極の決断!
―――二人そろっての敗北か?
―――たったひとりの勝利か?
「加護亜依はいずれ辻希美を捨てる。な、俺の言うた通りやろ」
To be continued
796 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/02/02(木) 19:43:48 ID:44nkMKIh0
バトル・サバイバル生存者(残り11名)
『太陽の拳』安倍なつみ
『奇跡の拳』辻希美
『黄金時間』後藤真希
『ロード・オブ・エース』高橋愛
『死神殺し』松浦亜弥
『狂気の満月(フルムーン)』藤本美貴
『地上ちゃいこー』亀井絵里
『三倍拳』加護亜依
『桃帝』嗣永桃子
『特別世代』熊井友理奈
『不死人形(アンデッド・ドール)』石川梨華
797 :
名無し募集中。。。:2006/02/02(木) 20:25:48 ID:yRcgP6z+O
相変わらずすごい引きですね
続きが気になります
すごい不意打ちだな
さきちゃんなみ
799 :
たか:2006/02/02(木) 20:46:04 ID:xzsNaad/0
藤本は?藤本は勝つのか?さゆが落ちたので、おいらは藤本にかける。
800
>>辻豆氏
乙!このあと楽しみ!!!
なんか・・・亀井のニックネームだけが・・・・いや、何でもないw
えりりんはちゃいこーなんだよ
アミーゴ・ロムコーはやっぱりかませ犬だったか
毎回次回予告が一番面白い。
次回予告読むために、本編を読んでるよ。
パーフェクトピッチって石川のアンデッドは無理だとして、後藤、加護、熊井の能力はマネできるんか?
>>806 後藤は安倍に黄金時間を見られないようにしてた
808 :
ねぇ、名乗って:2006/02/03(金) 18:25:11 ID:dIjbFTVvO
ぬっちの盗作力はすごい
>>807 それは覚えてるけどマネできるもんかと思ってさ。
加護のハ特殊体質だからって明記されてたから無理っぽいけど、原理がはっきりしない、後藤や熊井はどうかなって。
ちょ!えりりんここでリタイアとかないよな!!?
811 :
ねえ、名乗って:2006/02/04(土) 00:37:53 ID:qeq1kgRf0
むしろ一人余る現状が気になる
休みの4分の1が終わってしまった
まだ4分の3残ってるいると考えろ
今更だが、『ギャグ100回分殺してください』って、
ネーミングセンス悪すぎやしないか?
まぁ元の曲名のセンスが悪すぎるだけに仕方ないのかもしらんが。
作者さん更新乙です
ストライカーの頂点を決める戦い(現に打撃以外の決着って高橋vs石黒くらいか?)になりつつある事を除けば
かなり好きな展開ですのでこのまま突っ走って下さい
まだー
れいなが友達大事にする姿みて
パプワ君のアラシヤマ思い出した
また土日するーか
819 :
たか:2006/02/06(月) 20:19:22 ID:jf8sr6a10
辻豆さんも、忙しいんだよ…たぶん。
820 :
名無し募集中。。。:2006/02/06(月) 23:30:06 ID:syO5Lpvs0
みんな誰が優勝すると思ってるの?
821 :
たか:2006/02/07(火) 01:10:01 ID:4OZneIUL0
なっち皆殺し…何でもないw
普通に考えたら高橋じゃない?
けど、それだと面白くないから俺はえりりんを希望しておく
あいぼん誕生日おめ!!!
まさにこれから辻加護が戦うというときに…
どうでる?辻豆
825 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/02/09(木) 19:30:55 ID:4nbOaEB+0
ののたんがどうなるか次第…
最悪のケースもありうるコレ
あいぼんが煙幕にまぎれて松浦に攻撃とか
煙草が減るのも3倍…
なんでもない
あいぼんがどっかに行って一人ぼっちになってしまったののたんが
現実になるとは。。。
3倍になって帰ってくるのを待とう…
それは・・・
「のの、うちのせいでゴメンなぁ」
「ののはあいぼんと組めて幸せだったのれす」
過去形か
れいにゃーずスレから来ました
10日くらいかけてようやく追いついた
835 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/02/18(土) 11:43:32 ID:nAONlvZP0
第49話「さよならあいぼん」
まっくらやった。
まっくらやみな人生やった。
ののがおらんかったら…きっとうちは。
二人一緒ならどこまでも駆け抜けられる!
二人一緒なら誰にも負ける気がせえへん!
二人一緒なら怖いもんなんてあらへん!
これからもずっと…
ずっと一緒やで、のの。
836 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/02/18(土) 11:45:31 ID:nAONlvZP0
「まっくらなのれす」
ののの声で気が付いた。
地下に落とされて、一瞬だけ意識が飛んだみたいや。
下はマットみたいで痛みはあらへんけどここは…?
『ようこそ、地獄の舞台へ』
つんくの声がスピーカーで聞こえると同時に、明かりがついた。
すぐ隣にののが寝転がっていた。
ちょい離れた場所に松浦亜弥と藤本美貴が立っている。
「これって…」
周りを見渡してののが言った。うちも気付いた。
床全体が巨大なリングになっている。
(まるでプロレ…)
松浦とののの顔つきが変わっていた。
そういえばさっき言っとった。この二人にも借りがあるとか。
『どうや、驚いたか?でもここの本当の仕掛けはこんなもんやないで、出口見てみぃ』
出口といわれて、うちはまた辺りを見渡した。
壁の一角に、地上へ伸びる小さなリフトが設置されていた。二つだけ。
『そのリフトは人一人分の重さしか運べん様になっとる。
そして、決着がつき次第、ここのリングは瓦礫で崩れ落ちる」
837 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/02/18(土) 11:47:08 ID:nAONlvZP0
はめられた。
このおっさんの手口を忘れた訳やなかったのに…。
『わかったか?ここから生きて出れるんは、勝利ペアの二人だけって仕組みや』
うちはののと見詰め合った。
それから松浦と藤本の方を見た。
藤本は目がすわっていた。松浦は口元だけ笑みを浮かべていた。
負けたペアが死ぬ。確実に…。
「まいったなぁ。うちは殺す気なんてあらへんのに」
ちょっと冗談気味に、うちは二人に声をかけた。
ここは四人で脱出方法を考えた方がええんやないかな〜という気持ちがちょっとあった。
すると松浦は笑いながら応えた。
「関係ないよ。上で闘っても殺す気だったし」
体中の血がビクッと反応した。
あかん。
この女だけはあかん。
うちはおそるおそる藤本美貴をみた。
藤本は特に否定も肯定もせず、相変わらず怖い目つきで黙っていた。
殺る気はなかったが、目的の為に必要であるならば、しょうがない。
そんな顔つきだった。
838 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/02/18(土) 11:49:49 ID:nAONlvZP0
「大丈夫れす、あいぼん。勝てばいいのれす」
「のの…」
「勝ったあとに助ける方法を考えればいいのれす」
ののが言うことはいつも分かりやすく、いつもうちの悩みを吹き飛ばしてくれる。
「せやな。どっちにしても、勝つしかあらへんのやったな」
悩んでもしょうがない。
もう…勝つ以外に道は無い。
『ほな、あとは4人で好きに始めたらええ。せいぜい頑張りぃや』
それを最期に、スピーカーの音は消えた。
地下の底にうちら4人は取り残された。
「やるか」
藤本美貴が前に出てきた。
うちも前に出ようとしたけど、先にののが前に出た。
ののは藤本とまっすぐに向き合っている。
松浦は奥で笑っていた。笑いながらうちの方を見とった。
急に胸の奥がカッと熱くなった。
うちは吼えながら、松浦亜弥に向かって飛び込んだ!
「うわああああああああああああああああ!!!!!!!!」
今回の戦いを書くにあたり、久しぶりに昔の松浦vs加護を読み返した。
二人とも成長したなーと思った。
いまと違って初期あややと初期あいぼんという感じ。
その後の安倍と飯田の絡みもおもしろかった。
今度は、夏美会館時代の藤本と辻の絡みを読み返してみようと思う。
昼から乙です
なんかさびしいタイトルだなぁ
こん中で応援してんのはミキティ。 でもペアとしちゃ辻加護に勝ってほしい… しかし加護はこの作品ではホントに損な役回りだなぁ。 かませ犬になったり、操られたりね。
842 :
ねえ、名乗って:2006/02/19(日) 00:36:07 ID:Fx8VhWSA0
タイトルがすごい気になって仕方ない
843 :
たか:2006/02/19(日) 08:14:38 ID:yYJ8+L3b0
タイトルからして、あいぼんは負けるのか?
844 :
名無し募集中。。。:2006/02/19(日) 09:46:20 ID:zvDWXJXy0
―――二人そろっての敗北か?
―――たったひとりの勝利か?
勝っても負けてもさよならだね
845 :
ねぇ、名乗って:2006/02/19(日) 12:14:03 ID:ZxNtO60O0
結局、松浦・藤本が勝って加護が辻を3倍の力で助ける
つまり、加護だけ・・・という結末だったりして・・・
Realでさよならしてしまいそうなんだが…
どっちにしても、松浦はここではまだ負けられないからなぁ・・・
藤本もまだ何もしてない品
なっち妹倒したじゃん
ぁ。そうだったな。
むしろあいつこそ何もしてないなw
あいつは出オチ担当だから
保
ぬっちのぱーふえくとぷっちとか
なんかよげんじてみてるな
854 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/02/25(土) 13:57:26 ID:FYzgwwV40
肩を何かが突き抜けた。
勢い任せで飛び込んだうちは、地面に転がり落ちる。
痛い。太い針を突き刺された様な痛み。
うちは松浦を見上げた。まだ5mは離れている。手の届く距離じゃない。
(何したん――!?)
松浦は右手で口元を隠しながら、うちを見下ろしている。
次の瞬間、松浦は右手をうちに向けて突き出した。
(あかん―!!)
危険を感じた。咄嗟に使った『3倍拳』。
3倍のスピードで、松浦の銃弾の様な遠距離攻撃をかわす。
突然スピードが増したことに、松浦の目が少しだけ見開いた。
(驚くのはこれからやで)
とはいえ、この攻撃の正体を見破らなければ迂闊に近づけない。
3倍の動体視力で松浦亜弥の攻撃を見破る!
松浦はまた口元に手をやる。そしてその腕が動いた!
(――っ!!)
見えた!
水滴が針のような鋭さと勢いで、松浦の右手から飛び出す瞬間。
汗か唾か涙か血か、自分の水分すらも武器にしてしまう。
弾切れはほぼ無い。無尽蔵の遠距離攻撃。
だが正体が分かれば対処できる。この加護亜依ならば。
855 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/02/25(土) 13:58:50 ID:FYzgwwV40
ギリギリでかわす。訳は無い。
うちは笑って松浦に尋ねた。
「よ〜、こないけったいな技。誰に教えてもろたん」
松浦は構えを変えた。あの技が通用しないことに気付いたらしい。
「師なんていない。自己流よ。…あえて言うなら戦場が師」
無数の銃弾が飛び交う戦場で、生き残る為に自ら開いた力。
このバトル・サバイバルで松浦が少しも臆さないのは、その為だ。
生きるか死ぬか、それが当たり前の世界で生き抜いてきた。
「たいしたもんや。認めたる。強ぃわお前」
「フン」
「うちの1.5倍くらい強い…」
ドン!!
すべての力を解放した。急激に膨れ上がる戦闘力。
「ただしうちは、うちの3倍強い」
飛び込んだ。松浦もかろうじて反応する。
咄嗟にガードしてきた。関係ない。ガードの上からぶっ叩く。
パンチを松浦の左腕と胸に強烈にめり込ませ、そのまま壁に叩きつけた。
(松浦、お前がどんなに強うなってても、3倍拳には絶対に適わへん!)
856 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/02/25(土) 14:00:08 ID:FYzgwwV40
「くっあああぁぁぁ…」
そんとき、ののの悲鳴が聞こえた。
うちは慌てて振り返る。
藤本美貴の足の下で悶え苦しむののが見えた。
「ののっ!!」
「何を余所見してるの?」
ゾクッ!!
後ろから聞こえた悪魔の囁き。
(しもた!こいつもう…)
バックをとられた。そのまま持ち上げられ…。
思い出したプロレズ時代のこいつの必殺技。そしてうちはニヤリと笑った。
「まだ気付いてへんようやな…」
松浦の顔色が変わる。持ち上げられない。
「体重も3倍やねん」
ズドンッ!!松浦を逆に押しつぶしてやった。
松浦も抵抗するが、ムリや。
パワーもスピードもテクニックも体重も何もかも3倍の加護亜依に、死角は無い。
(のの、もうちょっとだけ耐えててや。すぐに終わらせたるさかい!)
マウントポジションをとったうちは松浦をボコボコに殴った。
857 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/02/25(土) 14:03:28 ID:FYzgwwV40
その様子を藤本美貴は横目で見ていた。
手を組みはしたが、別に松浦を助ける義理はない。
向こうのケリがついたら、次は自分が加護亜依とやるだけだ、と思っていた。
そして足元の辻に視線を移した。
目にいっぱいの涙を浮かべてもがいている。見れたものではなかった。
「もう諦めろ、辻」
「やらっ!!」
夏美会館にいた頃から、辻とはいつかやるかもという予感はあった。
あのトーナメントで自分が不覚をとらなければ、決勝戦でぶつかったはずだ。
実力的には自分の方がはるかに上にいた。
しかし辻は実力を凌駕する不思議な何かをもっていた。結果、辻が優勝した。
「お前ケガしてるだろ。それも動けるのが不思議なほどの大ケガだ」
「してねーのれす」
「美貴の知っている辻希美なら、美貴の体重くらい腕一本ではねのけた」
「それくらい余裕なのれす!」
「そうか…」
藤本はため息を一つついた。
「どうやら美貴は強くなりすぎた様だ。今の辻希美じゃ弱すぎて相手にならない」
そのとき、どこからかスピーカーの音が聞こえた。
『勝負あり!!』
858 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/02/25(土) 14:05:09 ID:FYzgwwV40
『敗者!!嗣永桃子!熊井友理奈!』
『勝者!!亀井絵里!』
先にとられたか、と藤本は思った。
れいなとさゆをやった二人組。仇をとったのはやはり亀井絵里。
だがあの二人組は相当できるはずだ。それをまさか二人同時に倒してしまうとは…
「亀井の奴…やはり隠してやがったか」
共に修行をしていた頃から、亀井だけは底の見えない部分があった。
師匠の保田圭でさえ把握しきれていない様な影の部分。
「地上で何が起きたか知らねえが…これで怪物が一人増えたのは確かだ」
スピーカーは最後に残り人数を告げて消えた。
『残り9名!!』
「とうとう10をきったな。今ここの4人を除けば、地上に5人。
亀井と、後藤と、飯田に勝った高橋、闇のボス石川、そして安倍。
もうバケモノしか残ってねえ」
藤本は辻に語りかける。
「わかったか辻。今のお前が地上に戻った所で…もう何もできねぇんだよ」
「ウウッウッ…」
「わかったら諦めて負けを認めろ。そうしたら命まではとらん」
859 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/02/25(土) 14:10:21 ID:FYzgwwV40
「ぜんぜんわかんねーのれす!!」
グググッと最後の気力を振り絞ったのか、辻が足を持ち上げる。
「残ってる誰よりも!!あいぼんが一番つえーのれす!!」
とうとう辻は藤本の足をはねのけて、強引に立ち上がった。
藤本は少し残念そうな顔で、立ち上がり息を切らす辻を見ていた。
「そうか…」
と言うと、藤本は加護と松浦の方へ向かって歩き出した。
物凄い殺気とともに…
(なんやっ!!)
その殺気に反応した加護は、マウントポジションを解いて飛び上がる。
目の前に恐ろしい目つきの藤本美貴が立っていた。
「代われ、松浦」
「邪魔しないでよ〜。せっかくいい所だったのに…」
顔中を血に染めた松浦がムクッと起き上がる。
そして遠巻きに辻を見た。
「なぁんだ。まだ殺してなかったのアレ。意外と甘いんだね〜ミキタン」
「…」
「いいよ。ミキタンが殺せないなら亜弥が殺すから」
松浦は顔についた血を手で拭い、その血を見るとスッと目を細めた。
質量保存の法則が!!!!
つーか桃子 つдt)
862 :
たか:2006/02/25(土) 16:14:11 ID:WEWkMrAt0
先が読めない…orzえりりんの中に潜んでる「何か」が凄く気になる。
ももちの優勝を期待してたオレってorz
松浦と加護が絡まってプロ「レズ」とは、なんともイヤラシイですね^^
>864
ごくたまにさりげなく遊びが入っているよね。
ずっと前には確かオランウータンによく似た別の動物が出てたような記憶がある。
866 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/02/26(日) 11:40:29 ID:XBievPoI0
石川の体質だけど
無痛感覚障害ってのがホントにあるらしいね
医学の本に書いてあった
でも体に対する『危険信号』が分からないので、寿命は短いとか…。
傷があっても消毒しないで放置しやすいので、感染症にかかりやすいそうです。
キン肉マン2世のチェックメイトか
870 :
ねえ、名乗って:2006/02/28(火) 01:59:24 ID:cYTo/lvp0
天上天下まで持ち出したかw
穹の技だね
辻がいよいよファッション誌登場だってね
のんの未来と
辻豆さんのモチベーションがあがることをきたい
保全。
873 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/03/04(土) 10:43:30 ID:36MqXxLa0
それは数年前の、夏美会館18歳以下オープントーナメント、準決勝のこと。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「さすがにここまでくる子は皆強そうだね」
「そうか?どいつもまだガキ臭えよ」
「美貴はどの子が優勝すると思う?」
「一応立場上、紺野って言わなきゃダメなんだろ」
「本音は?」
「さぁ、ガキの大会にゃ興味ねえってのが本音かな」
しかし藤本美貴は知らない。
数年後、ここに残る4人の内の1人と血が血で争う死闘を繰り広げることになる未来を。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
高橋愛でもなく、紺野あさ美でもなく、松浦亜弥でもなく、それは――
「加護亜依。悪いな、お前を殺すことになった」
「なんやそら」
「辻のバカに教えてやるんだ。自分が間違っているってな」
「ヘヘ…やれるもんならやってみぃ!」
加護の気が再び3倍に膨れ上がる。
藤本は顔色ひとつ変えず、正面から得意の蹴りを放つ。
加護は腕一本でそれを跳ね除けた。
(怪物…)
藤本は思った。初めて見たときはただの小生意気なガキだったくせに。
加護だけじゃない。松浦にしても、神の拳を開眼した紺野、飯田圭織を越えた高橋。
あのときのガキがどいつもこいつも、頂点に手の届く強さを手にしている。
874 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/03/04(土) 10:46:59 ID:36MqXxLa0
(おもしろい…)
このとき、藤本が始めて笑みを見せた。
強い奴に牙を剥く。
昔からそれが美貴の歴史だった。
「もうガキじゃねぇ。酒も飲むしタバコも吸えるか」
「おかげさんで大人んなりましたぁ。夜更かしもできます」
「なら遠慮はいらねぇよな。潰す」
「そらこっちのセリフや」
藤本が吼える。
加護が吼える。
二匹の怪物が本気の本気でぶつかりあう。
「わぁお♪」
その凄まじき光景を笑顔で眺める松浦亜弥。
血に染まった笑みは、恐ろしさも無邪気さも美しさも兼ね揃えている。
「どっちが勝つと思う?辻ちゃん」
「あいぼんに決まってるのれす」
事実、一方的に攻めまくっているのは加護だ。
「そうね。最初からサシだったら加護だったかもね」
「え?」
875 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/03/04(土) 10:48:59 ID:36MqXxLa0
藤本は完全に防戦一方だった。松浦のときと同じ。
「さすがミキタン。亜弥と同じことを考えている」
「どういう意味れす?」
「加護亜依の倒し方。三倍拳のメッキが剥がれるのを待つこと」
「メッキ?」
辻の表情がこわばる。
気のせいか、あいぼんの動きが落ちてきている様な…。
「あーいう類の技は一瞬で決めなきゃ。長時間使うもんじゃないよ」
通常、生物の運動神経は、体が壊れない様にある限界点までしか達しない様になっている。
三倍拳はその限界をムリヤリ引き出す様な技なのである。
「亜弥との戦いで2,3分は連続使用してる。まぁ、わざと使わせたんだけど…」
「えっ…」
「ミキタンおいしい所でもってっちゃうんだもん、そろそろ…フフ」
「あ、あいぼん!!」
辻が大声で名前を呼びながら、加護の元に駆け寄ろうとする。
そこへ唸るムチの様な回し蹴りが飛んでくる!!
カウンター気味にみぞおちへ直撃して、後方にもんどり返る辻。
「気付いてないの?こんな血だらけにされて、亜弥もとっくにキレてるわけ」
「アア…ウウッ…」
「大丈夫。加護より先にお前が死ぬんだから」
876 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/03/04(土) 10:50:42 ID:36MqXxLa0
「あいぼぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!!」
ののの声は聞こえへんかった。
倒せへん。
なんで倒せへんのや?
頭の中でずっとそれを考えとった。
うちはずっと三倍拳で攻めているのに。誰よりも強いはずやのに。
気のせいか。どんどん藤本美貴の強さが上がっていっとる気がする。
「そろそろ、か」
藤本がポツリと呟いた。
何がそろそろや。
そろそろ勝つんはうちの方やで。
今度こそ終わらせたる。右手に力を込める。思ったほど力が集まらない。
もしかして…うちか?
藤本が強うなっとるんやなくて、うちの力が落ちとるんか?
「ガボゥ」
気が付いた途端、口から血が出た。
なんじゃこりゃ!!
手も足も動かなくなった。
目の前で、藤本美貴が唇を緩めた。
なんか飛んできた。
痛みはなかった。
877 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/03/04(土) 10:52:26 ID:36MqXxLa0
ラストはハイキック。
加護はおそらくそれも分からぬまま、意識が飛んだだろう。
グラッと足元が揺れる。
思ったよりもダメージを受けていたらしい。
耐久力だけは誰にも負けないつもりだった。
毎日毎日、亀井と田中と道重を相手に地獄の特訓を続けた成果。
最終的に倒れない奴が勝つ。
自分の唯一の敗戦『倒れない女』矢口真里戦で得た結論。
今では安倍なつみの拳にも耐える自信がある。奴の妹相手に確証も得た。
そんな自分にここまでのダメージを与えた。防御に専念していたにも関わらず。
加護亜依。
忘れることのできない名前になると思った。
もしタッグマッチでなかったら?本気で負けていたかもしれない。
自信過剰の自分をしてそう思わせる奴だった。
松浦と辻を見る。
松浦が辻の首を締め上げていた。辻の顔が青くなっていた。
終わったと思った。
(勝った)
ふと、視線を足元に戻す。
加護の姿がなかった。
そのとき脳裏にあの試合が蘇った。
勝利を確信した瞬間に奇跡的な逆転を受けたあの試合。
(まさか…)
背中に、気配を感じた。
878 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/03/04(土) 10:55:00 ID:36MqXxLa0
がらあきの背中。
血を吐きながら見つめる加護。
まともにもらったハイキックで脳が揺れた。
加護を立たせたのは意識でも執念でもない。
約束。
『いちばんつよくなる』
約束が、世界に二人だけの奇跡体質を、立たせた。
全身に三倍の気が戻る!!
(この背中をぶっとばして、そのまま松浦もぶっとばして、うちらの勝ちや!)
絶対的な勝利が目の前にあった。
そのとき、視界の隅に…映った。
松浦の手が今まさに辻希美の心臓を貫こうとする画が…映った。
(のの…!?)
目の前にあるのは確実な勝利と、生死を共にした相棒の死。
加護に迫られる決断。
―――二人そろっての敗北か?
―――たったひとりの勝利か?
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ノノハヽ _ ─┬─ .┃ . | |
( ^▽^)ェェエエ工. | | ┃ . | |
|∪∪i  ̄ ─┴─ .┃ . | |
∪~∪ ━━┻━━. _____| |____
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880 :
たか:2006/03/04(土) 17:57:00 ID:o9+xvqR20
キタキタキター!!w
881 :
たか:2006/03/08(水) 18:32:52 ID:FtOszojH0
保全って言ったら保全!!
あいぼんだけ落ちて辻ちゃんだけが残ったら…
今後を暗示しているようで怖いなw
883 :
名無し募集中。。。:2006/03/09(木) 08:14:58 ID:wtYhf4HW0
乙です。
面白くなってきました。
ただこの展開から
二人で一人ダブルユーの勝利は勘弁ね。
884 :
ねぇ、名乗って:2006/03/09(木) 09:16:32 ID:QNDM5+QG0
キタキタキタ
よっすぃ〜は途中参加してくれるのか〜?
石川と相殺して消えそうな悪寒w
887 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/03/11(土) 12:03:15 ID:1lIq9Lvf0
すべてを貫く槍・グングニルと名付けた。
すべてを貫く左腕。
文字通りの必殺技。必ず殺す技。
「グングニル」と「水弾」で、松浦亜弥は戦場を生き延びた。
その切り札を満身創痍の辻の胸に目掛けて、突き刺す!!
――――瞬間。
横から、信じられないスピードで何かが割って入った。
亜弥の口元が大きく笑みを作る。
「加護…」
「まつうらぁー!!」
相棒を助ける為に、絶対的な勝利を捨てて飛び込んできた加護亜依。
もう限界を超えているはず。最後の三倍拳が加護に最後の力を与える。
両腕でグングニルを握り締める。3倍のパワー、3倍の防御力、すべてで…
「やああああああああああああああ!!!!」
「ムダよ」
3倍であろうが、何だろうが、この世に存在するもの、すべてを貫く。
グングニルが加護の手をすり抜けて、みぞおちから体内へ!!
ザシュ―――
加護の動きが止まる。
「あいぼん?」
辻が相棒の肩に触れると、相棒は無造作に崩れ落ちた。
888 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/03/11(土) 12:05:44 ID:1lIq9Lvf0
「加護亜依はいずれ辻希美を捨てる。な、俺の言うた通りやろ」
モニターを見ながら、つんくがアヤカに言う。
「辻との約束を守るなら、見殺しにしてでも加護は勝利をとるべきだったと?」
「そや。最後の最後で辻を助けたことが、逆に辻を裏切ることんなった訳や」
そう言いながら、つんくはスピーカーのスイッチを入れる。
『勝負あり!!』
『敗者!!加護亜依!』
『勝者!!松浦亜弥!』
『残り8名!!』
仕事を終え、スイッチを切ると、つんくはため息をついてイスに座した。
「もったいないわ〜加護」
「意外です。マスターがまだあの娘に固執されていたとは」
「当然や。闇の意識のままやったら、間違いなく優勝候補やったで」
「そうかもしれませんね」
「俺の決勝戦の予想は石川梨華vs加護亜依の闇対決やったからの〜」
「これで我々側の生き残りは本当に石川梨華一人になってしまいました」
「せやな。まぁあいつは心配いらん」
「たしかに」
「しかし、予想外の奴が何人かおったの〜。松浦・藤本…それに亀井絵里」
「私からすれば、残っている奴は全員バケモノですが」
889 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/03/11(土) 12:08:49 ID:1lIq9Lvf0
バゴォ!!
崩れ落ちる加護の顔面をサッカーボールの様に蹴り飛ばす松浦。
無防備にふっとぶ加護を慌てて受け止める辻。
「ひどいっ!もう勝負はついたのれす!」
非情な行為に激怒する辻を、松浦はため息をついて睨み返した。
「やっぱりお前は何にもわかっちゃいねぇな。加護をなめんなよ」
「?」
「たとえ腹に穴が空いてもいつ牙を剥いてくるか分からねぇ。そういう怖ぇ奴だぜ。
認めているからこそ、息の根止めるまで全力で潰してんだ」
「で、でも…」
「やれやれ。気付けよ。私がタッグマッチを選んだ理由くらい」
「ふぇ?」
「まともに加護とやったらこっちも五体満足じゃすまない。
楽に倒す為に辻、お前を利用したんだよ。バーカ」
「っ!!!!」
松浦はクルッと向きを返ると、リフトの方へ歩き出した。
藤本が入れ違いで辻の元へ向かう。
「ミキタン。加護は亜弥がとっちゃったから、残り物は譲るよ、どーぞお好きに」
「フン。わかってる」
出番を終えたとばかりに、松浦は地上へのリフト、その一つに腰をおろす。
890 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/03/11(土) 12:10:45 ID:1lIq9Lvf0
藤本美貴は不機嫌だった。
加護に背後をとられたこと。まだ自分に油断という甘さがあったこと。
加護へのとどめを松浦に奪われたこと。残る辻がグズグズ泣き崩れていること。
「立てよ。辻」
今ここで完全に自分の中に残る甘さを断ち切る。
その為ならば、かつての仲間であろうとも、ためらいなく―――
「殺すぞ」
加護の傷口からとめどなく血が吹き出している。
辻はそれを両手で押さえている。
「お、おさえてるのれす」
泣きながら、首を横に振る。
その顔にはもはや戦闘の意志は無い。
「チッ」
舌打ちする藤本。
こんな奴を殺した所で何の意味がある?
あるとすれば、あの女への手向けか。
「お前を殺した後、美貴は安倍なつみも殺す」
891 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/03/11(土) 12:13:03 ID:1lIq9Lvf0
あいぼん…
ごめんね、あいぼん…
のんもいくから…
ずっとずっといっしょだから…
あいぼん…
瞳を閉じて、ギュッと加護亜依を抱きしめる辻希美。
拳を造る藤本美貴。夏美会館にて練り上げた拳。
小さく、別れを呟く。
短い間であったが、共に生きた仲間・辻希美へ。
最後の情を残した甘い藤本美貴へ。
「さよなら」
鋭い音と、ほとばしる鮮血。あっけない結末。
藤本は無言で振り返る。
こうして地獄のタッグマッチは終わった。
第49話「さよならあいぼん」終わり
892 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/03/11(土) 12:30:40 ID:1lIq9Lvf0
次回予告
その闘いは、悪魔の所業―――
逃げる子供達。追う殺戮の悪魔。立ち向かう娘。
「もう許さんでのー!!」
その闘いは、いつか見覚えのある死闘―――
何者も割り込めない黄金の世界。唯一人を除いて…。
「吉澤…?」
To be continued
893 :
辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/03/11(土) 12:32:22 ID:1lIq9Lvf0
バトル・サバイバル生存者(残り8名)
『太陽の拳』安倍なつみ
『奇跡の拳』辻希美
『黄金時間』後藤真希
『ロード・オブ・エース』高橋愛
『死神殺し』松浦亜弥
『狂気の満月(フルムーン)』藤本美貴
『地上ちゃいこー』亀井絵里
『不死人形(アンデッド・ドール)』石川梨華
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
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ノノハヽ _ ─┬─ .┃ . | |
( ^▽^)ェェエエ工. | | ┃ . | |
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最後の血はあいぼんか?
896 :
たか:2006/03/11(土) 13:31:32 ID:8+atvTIc0
辻豆さん更新乙ですm(_ _)m吉澤復活か?…。
ミキティはののたんにトドメ刺さなかったのかな
トドメどころか見逃しているよ
生存者にしっかり辻の名前がある
でもそんな甘い藤本が好き
とどめ刺さなくても生き埋めになるんじゃなかったっけ
まあ負け宣告がなければ後で辻復活させられるからどうでもいい設定だけど
松浦は切り札を出してしまったね
しかもそれを辻とミキタンに見られた
一方のミキタンはまだ切り札を誰にも見せていない
この二人がリフトで上がった後に対決するのならミキタンの勝ちだな
松浦の話しでは藤本と組んで加護を倒そうということだ
つまり藤本がいなければ加護に勝てないと思った
そうなると加護が一番強いってことになる
それでいいの?
タイマンだと「こっちも五体満足じゃすまない」ので「楽に倒す為に」タッグマッチを選んだってことだから
実際にどうかはおいといて松浦的には勝てる見込みはあったんじゃない?
903 :
たか:2006/03/12(日) 04:31:17 ID:d4b+0OY20
誰かそろそろ次スレを立ててください。お願いしますm(_ _)mおいら立て方知らないので…(苦笑)
>>901 加護に勝てないってことじゃなく
この後にも戦う相手が居るわけだから
後の戦いのために少しでも無駄な力は使いたくなかった。
ってことでいーんでない?
906 :
名無し募集中。。。:2006/03/14(火) 00:44:42 ID:Y82li1vW0
ミラクルさんは誰と絡めばいいんだろう?
ここに固定で感想書く糞新参ってなんなの?新参みたいな事言うのはしようがないがせめて名無しになってくれよ
投稿に割り込んだりしてるし、リアルに子供なんだろ。
ほっときんさい。
909 :
名無し募集中。。。:2006/03/14(火) 22:43:54 ID:DbAd1wFbO
もしかしたらミキティがあややと戦ってのんを逃がすんじゃ…そしてキレたあややに全滅。
910 :
ねぇ、名乗って:2006/03/16(木) 00:29:16 ID:nNgQ7AiY0
予想:まぁ普通に行ったら決勝は高橋VS松浦になるだろうな・・・
結果は昔と同じで引き分けって言うことになりそうですねぇ・・・
911 :
ねぇ、名乗って:2006/03/16(木) 00:38:59 ID:wz5TE8mF0
乙です。
面白くなってきました。
ただこの展開から
二人で一人ダブルユーの勝利は勘弁ね。
913 :
ねぇ、名乗って:2006/03/16(木) 11:03:52 ID:KCiIcCNW0
388 名前:あぼ〜ん[あぼ〜ん] 投稿日:あぼ〜ん
あぼ〜ん
ゴバーク
残念ながらラスボスは軽くバラされてるんだけどな
あややも過去作品を見ると……うん、そんな役回りなんよ
頼むから消えてくれよ!おまえと関係のないスレでの自己主張は単なる荒らしだ
今日はなし?
919 :
ねぇ、名乗って:2006/03/19(日) 01:05:04 ID:tMt+jHsaO
変なゴミが沸いたからな
そしてsage忘れた
俺もゴミだな
藤本に殺されてくる
連載当初からの前不利にしては藤本VS加護はインパクト薄いな。
楽しみにしてたから残念だ。
三倍と強靭な耐久力じゃ他メンより地味だからしょうがないかも知れんが。
ここは後藤VS石川にきたい。
っつうか三倍弱え〜wwwww
>>895 違います
>>906 ミラクルさんの相手まだ決めてない。候補は3人いるんだけど。
>>915 過去作品と違って今作ではあややは主役級ですし、単純比較はできないかと。
てかラスボスばらしてましたっけ?自分でも覚えてない。
>>921 連載当初の構想とは、色々と違ってくる所も多くて。
本当はバトルサバイバルじゃなくトーナメントだったし。
タッグマッチじゃなくて1対1の予定だったし。
しかも実は加護が勝つ予定だったし。…色々と変わります。
ここまできたら安倍・藤本・辻の話は描かない訳にはいかないし。
しゃべりすぎか?
923 :
ねぇ、名乗って :2006/03/19(日) 20:01:46 ID:wRNS7iBd0
ていうか次はいつ?
しゃべらずに書けと
925 :
名無し募集中。。:2006/03/20(月) 03:09:29 ID:Jp5CmfvaO
とりあえず僕はミキティが好きです
926 :
ねぇ、名乗って:2006/03/21(火) 11:19:15 ID:TKDrNa440
なんかいいですね、ミキティの甘さが。
辻豆さんのコメント見てあんまりリアルにとらわれずに書いて欲しいと思った。
矢口と加護の所、最初の構想通りの方が面白かったんじゃないかなぁ。
リアルにあわせて変えてくのも娘。小説の良い所?だけど、
それで話が面白くなくなったら悲しいからなあ。
リアルに合わせて書いてるから面白いんじゃないか。
良くも悪くも予想を裏切られ、展開が読めないのでwktk
加護とか知とかw何?マジヲタなの?www
マジヲタ以外が羊にいるとは思えないのですが。。。
俺も
>>927に同意だな
長い間練り上げてきた構想を無理やりリアルに合わせて
話を壊してしまうよりも構想どおりに書いてった方がいいんじゃないか?
新参?
933 :
ねぇ、名乗って:2006/03/24(金) 11:49:04 ID:TKcaAkH00
春だな
辻豆は元からそんな芸風だし
ああ、春だったか。すまん。
>>930 マジヲタどころかむしろ泥船アンチだけど
面白いから読んでます
ミラクルは一体誰と戦うんだ?
いや、新参じゃない。サウンドノベル時代は行き当たりばったりでストーリーが破綻することが多くて嫌だったのが
僕とめやモーむすトーナメントの第一部あたりで改善されたと思ってたし、
この作品の最初の方は別にリアル意識してなかったしさ。
はいはい
そんなに自分と違う感想が気に入らないのかね〜?
もうpart5突入が近いですね
ハッピーエンド越えですかな
なっち皆殺し路線はまだ消えたわけじゃない
後一回ぐらいはこのスレで更新かな?
実はもう終わったことに気づけ
辻豆に彼女ができたらしい
狼で言ってたよ
おいおい、まるで今までいなかったから書いてたみたいじゃん
もう何年もやってる小説なのに、その間ずっと彼女がいなかったら問題だろうがw
↑一時期更新なかった理由知らないの?
947 :
ねぇ、名乗って:2006/03/30(木) 21:12:28 ID:JFlNQzXp0
306 :辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/03/19(日) 18:10:34
ごめんなさい
リアルに忙しい状況で
しばらく再開できそうにないです
948 :
ねぇ、名乗って:2006/03/30(木) 21:22:30 ID:mbuBM4Em0
辻豆さんのコメント見てあんまりリアルにとらわれずに書いて欲しいと思った。
矢口と加護の所、最初の構想通りの方が面白かったんじゃないかなぁ。
リアルにあわせて変えてくのも娘。小説の良い所?だけど、
それで話が面白くなくなったら悲しいからなあ。
949 :
ねぇ、名乗って:2006/03/30(木) 22:47:41 ID:Em93n3uT0
新参?
コピペうざ
951 :
ねえ、名乗って:2006/03/31(金) 00:16:43 ID:pioXU/WF0
俺も飼育で格闘小説書いてみっかね〜
実質地球上でのストライカーNO.1を決めるなら
吉澤が出てこないのはおかしいと思うんだが
953 :
ねぇ、名乗って:2006/03/31(金) 16:45:44 ID:dUxYkL680
打撃戦No1競ってないし・・・
取りあえず過去ログから読み直してね
こらこら、貴重なレス数を……
と思ったら辻豆氏の一段落待ちですね
次は第50話突破記念でもあるし、残りは雑談ですか?
(^ω^)あややの唾弾、くらいたいおwww
>>953 打撃以外の決着がいくつあったのかと聞きたい
打撃決着のパーセンテージはかなり高いぞ
これほどの屁理屈も珍しいズラ
最終更新から一ヶ月が経った
もう終わりなの?
なぜそう思うの!?
なぜそう思うの!?
あっちには辻豆氏のこみんぐそーんってレスがついてたな
ふーん、まだ続いてたんだ。
大したもんだな。ここまで続けられるなんて。
まだかな・・・
964 :
961:2006/04/18(火) 13:42:16 ID:WQF3W4LLO
>963
違うよw
辻豆氏は自演しないっしょ
965 :
963:2006/04/18(火) 17:07:38 ID:tnik6yPZ0
ひょっとして辻豆さん釣れるかなと思って
保全しとく?
れいにゃーずの終了後にこっち再開かな?
けど、こっちも終了したら、その後辻豆さんどうするんだろう…
なんかつんく♂結婚するみたいだから記念保全
969 :
ねぇ、名乗って:2006/04/26(水) 12:03:40 ID:OhuVcvp90
わかった
つんくの嫁が突然乱入して優勝をかっさらう
九州からの刺客wwwww
紺野と小川脱退だってさ・・・
一昨日、一気にバトロワ編をまとめて読んだが
久々に大興奮したよ
子供のとき読んで興奮した漫画の質と同等以上
それほどこの作者の展開はいいわ
で紺野脱退に泣いた
卒業対策ほ
面白いね
ジブンノミチ
貴重なスレ・・・?
最終更新から二ヶ月が経った
もう終わりだろ
>>977 まぁ単に別の作品かいてるだけで放棄ではない
935 :辻っ子のお豆さん ◆No.NoSexe. :2006/05/13(土) 18:49:16.24 0
どうしようか考え中
ギター対決はとても一回では終わりません
あっちの新スレたてるか
このまま勢いでラストまでこっちを突っ走るか
980 :
ねぇ、名乗って:2006/05/14(日) 22:22:52 ID:xRim6PnN0
こっちは感想&予想&辻豆さんへの意見スレにしちゃってよいのかな?
いいんじゃない
ただ辻豆さんが見てるかは謎