90 :
ナナシマン:
一方、少女たちにその力を見せ付けたタイタンは上機嫌で秘密基地
へと帰還した。薄暗い地下通路を歩く足取りが気のせいか軽く感じ
られる。三神官が授けた秘策があれば、ストロンガーを亡き者にする
事ができる。タイタンの口元に邪悪な笑みが浮かぶ。
と、彼のちょうど反対方向から何者かの足音が聞こえてくる。
タイタンは足音の主と視線を交わすや、苦虫を噛み潰したような表情
で悪態をついて見せた。
「誰かと思えば貴様か」
彼の視線の先に立っていたのはライバルであるゼネラルシャドウ。
タイタンの企みをなつみに告げ、帰還したところであった。仮面の
奥に見せる不気味な目がタイタンを見つめている。
「地獄ヶ原で決闘だそうだな。その旨安倍なつみに伝えておいた」
「何ぃ?あの小娘に会ったと言うのか」
タイタンの問いにはわざと答えず、シャドウは更に言葉を続けた。
「気をつけるんだな・・・ストロンガーは今までとは違う。超電子
ダイナモの力でパワーアップし超電子人間となった今、下手な小細工
は却って身を滅ぼすぞ」
「どういう風の吹き回しだ?貴様が俺に忠告などとは」
シャドウの言葉を鼻で笑うタイタンの一言、それを聞いたシャドウの
耳まで避けた口元がピクリと動く。それからタイタンの顔を見やると
シャドウは口を開いた。彼の指には一枚のカードが挟みこまれており、
そのカードは彼の言葉と共に炎を上げて燃え始めた。
91 :
ナナシマン:04/12/20 22:22:18 ID:OfS8brL1
「俺のトランプ占いでは・・・貴様の命脈は今日尽きると出たが?」
タイタンの死を予言するシャドウのトランプ占い。自分の占いの結果
には絶対の自信がある。このまま行けばタイタンはストロンガーに
倒されて命を落とすことになるのだ。シャドウとしてはライバルが一人
減るだけで実害はないが、タイタンの表情に危機感めいたものが感じ
られないのが不気味に思えたのだ。
「シャドウよ、占いなど今日を限りに止めることだな。俺が何の
ためにわざわざ三神官と懇意になったか、そのうち判るだろうよ」
そう言うや、タイタンは高笑いと共にシャドウの前から去っていった。
シャドウは怪訝な表情のまま去って行く彼を見送っていたが、今度は
そんな彼の前にあの男が現れた。新参者の幹部、デットライオンだ。
「どうしたシャドウ、タイタンのことが気になるか」
「・・・貴様何者だ」
シャドウにとってもデットライオンは見知らぬ顔である。見知らぬ
以前にさほど気にかけるべき存在でもないのだが、そんなシャドウの
胸の内など露知らず、デットライオンは不敵な笑みを浮かべながら
言い放った。
「俺はデットライオン。まぁ今回はせいぜい指をくわえて見て
いることだな」
「言われなくとも今回は様子を見させてもらうさ・・・タイタンの
奴、何を企んでいる」
デットライオンの言葉など聴く耳も持たない。シャドウにはただ二人の
戦いの行く末だけが気がかりだった。
92 :
ナナシマン:04/12/20 22:23:41 ID:OfS8brL1
×「俺のトランプ占いでは・・・貴様の命脈は今日尽きると出たが?」
○「俺のトランプ占いでは・・・貴様の命脈は三日後に尽きると出たが?」
ですね。失礼しました。続きはまた。