仮面ライダーののクウガ

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69ナナシマン
 「獲物はお前たちではないと言ったろう?・・・そんなにエネルギーが
有り余っているなら、遊び相手をくれてやる」

 謎の紳士の言葉が発せられると同時に、路地裏の物陰という物陰から
次々と彼の配下である戦闘員たちが姿を現した。人数にして10人程度、
通常の作戦行動レベルの人数だ。奇声を挙げて身を躍らせると、謎の紳士
を守るようにして続々と少女たちの目の前に立ちはだかる。

 「この俺の狙いはあくまでも安倍なつみただ一人よ。無事に帰った
ならばこのタイタンが一対一の果し合いを望んでいると伝えろ」

謎の紳士〜タイタンはそう言って、少女たちの行く手を阻む戦闘員たちに
後を任せて悠然と引き上げていく。

 「なっちには果し合いなんてさせないんだから!」

長い脚から繰り出されるなぎ払うような回し蹴りが戦闘員を打ちのめす。
しかし圭織の視線はタイタンに注がれていた。立ち去ろうとするタイタン
に叫ぶ圭織。しかしその直後再び彼女に戦闘員が襲い掛かると、言葉を
続けている場合ではなくなってしまう。手刀を打ち込み、突きを放って
何とか戦闘員を振り払いタイタンに追いすがろうとする。そして圭織は
遂に敵の囲みを破り、タイタンとの間合いを一気につめた。その背後から
あさ美が続くと、二人は呼吸を合わせてタイタンに襲い掛かる。

 「紺野ッ、あわせて!」

 「はいっ!!」

二人は呼吸を合わせ渾身のとび蹴りを同時に放つ。裂ぱくの気合とともに
繰り出された鋭い一撃がタイタンを捉えた。
70ナナシマン:04/12/07 00:16:57 ID:wGnUvjQ0
 だが、二人の蹴り足に伝わった感覚は、望んだそれとはまったく
違っていた。二人の一撃はタイタンによってあっさりと受け止め
られていた。蹴り足を両の手がぐっと握り締め、その威力を減殺
している。それだけではない。彼は蹴り足を握ることによって
片手でそれぞれの動きを空中に捉えて見せた。圭織とあさ美、二人
は渾身の一撃を止められただけでなく、そのまま空中に捉われて
しまっているのだ。

 「嘘・・・」

呆然となる二人に対してタイタンはにやりと不敵な笑みを浮かべて言う。

 「所詮は小娘、人の姿ならばこんなものよ」

足を握り締め、二人を拘束する両腕に力がこもる。と、その時。

 「待て!!」

二人の後ろには戦闘員たちを倒して仲間の危機を救うべく駆け出した
希美の姿があった。再び通りに一陣の風が吹くと、彼女は決然として
その両腕を構え変身のポーズをとる。
71ナナシマン:04/12/07 00:17:48 ID:wGnUvjQ0
一方のタイタンとしては今ここでこれ以上彼女たちと戦うことは
得策ではない。さすがに今3人の仮面ライダーを相手にするわけには
いかない。蹴り足を硬く握り締めていた手を離すと、あっさりと
二人を解放した。タイタンが手を離したことで二人はそのまま落下し、
体を打ち付けてしまった。ゆっくりと立ち上がる圭織とあさ美、そして
希美に向かってタイタンは言う。

 「3日後の正午、必ず地獄ヶ原へ来いと伝えろ。タイタンがお前を
殺すために待っているとな!」

 果し合いの場所と時刻を少女たちに伝えると、タイタンの姿は路地
から一瞬にして掻き消えていた。