仮面ライダーののクウガ

このエントリーをはてなブックマークに追加
163ナナシマン
 「やったね、なちみ!」

 「やったよぉ〜、ののぉ」

 駆け寄る希美を抱きとめるなつみ。しかしちょっと希美の勢いがつき過ぎたか、
軽くよろめいてしまう。そんな様子を微笑みと共に見つめる圭織。彼女の視線に
気づいたなつみは、希美との抱擁を解いて圭織の元へ歩み寄る。

 「見守ってくれてたんだね。ありがとう、圭織」

 「一時はどうなるかと思ったよ・・・でも、信じてた」

そう言うと二人は握手を交わし、そして互いにどちらからともなく抱き合う。
時にはケンカをしてしまう事もある二人。しかし、同時に固い絆で結ばれた
二人でもある。なつみは最大の試練を親友達が見守る中、自分の力で乗り切る
ことが出来たのである。
164ナナシマン:05/02/13 23:53:25 ID:QGwktkj0
と、木立の隙間にうごめく影があった。少女達は彼の存在に気づいては
いなかったが、影の正体もまた、戦う意思は持っていない。彼にしてみれば
まだ時ではないのだ。そう、少女達の姿を見つめていたのはゼネラルシャドウ。
一人つぶやく彼の大きく裂けた口に、不気味な笑みが宿る。

 「まずはよくやったと褒めておこう。だが、戦いはこれからだ。覚えておけ、
お前の命は俺が貰う」

なつみの命を狙う敵がいなくなった訳ではない。タイタンの力を上回るであろう
魔の国の住人達が、そしてまだ見ぬ敵が彼女を待ち受けているのだ。


 自らの命を賭して決戦を挑んだタイタンを、死闘の末に打ち破ったストロンガー。
勝利を信じた友の思いを胸に、なつみはこの先待ち受ける戦いに思いを馳せる。
しかしたとえ戦いが熾烈を極めようとも、彼女には仲間がいる。戦う宿命を背負った
少女達は強い絆で結ばれているのだ。戦いを終えて、少女達は帰りを待つ仲間達の
元へと急ぐのだった。


第59話 「ストロンガー危うし!タイタンの大逆襲」 終