157 :
ナナシマン:
両者の右手ががっちりと握られたその瞬間、不意に引っ張るような力を感じ
一瞬ストロンガーの体が前のめりになる。時を同じくして、タイタンが不敵に
笑う。やはり友情の握手ではなかったのだ。
「ストロンガー、俺と共に地獄へ道連れにしてやる!」
「何っ?!」
体内で暴走を始めたマグマエネルギーは、タイタン自身を爆弾に化えていた。
己の死期を悟ったタイタンは最後の悪あがきにと、ストロンガーを道連れに
して自爆するつもりなのだ。だが、ストロンガーはタイタンの手を振り払って
見せると、素早く飛びのいて間合いを離す。もはや万策尽きたタイタンは、
両腕をかざして天を仰ぐ。
「ゼティマ・・・万歳ィィ!!」
力を失いガクリと落ちる首。体のあちこちから噴出す火花は、制御不能になった
マグマエネルギーだ。そのままタイタンは大の字に倒れ、大爆発と共に散った。
ついにゼティマ幹部タイタンはストロンガーによって倒されたのだ。そして
二人の戦いを影で見守っていた少女たちが、ストロンガーに駆け寄る。が、
その時だ。
158 :
ナナシマン:05/02/09 19:14:47 ID:0NNyYm3v
「ケェェェェーイ!!」
どこからとも無く聞こえてきた奇声と共に飛んできた謎の飛翔物。それは鋭い
鉄のハサミだった。ストロンガーは見事ハサミを叩き落すと、それは主の元
へと飛んでいく。そして戦いを終えたストロンガーの前に姿を現したのは、
あのデットライオンだった。
「ストロンガー、いくらお前でもタイタンと俺との連戦では勝ち目は
あるまい。このデットライオンが相手だ!!」
太陽が鋭いハサミを照らし、切っ先に怪しい光が宿る。デットライオンは
ストロンガーに対して見栄を切ると、ここぞとばかりに走り寄る。確かに敵の
言うとおり、ゼティマ幹部との連戦はあまりに体力の消耗が大きすぎる。
このままではストロンガーにとって不利なのは明らかだ。だが、敵はすぐそこ
まで迫っている。ストロンガーは傷ついた体を奮い立たせ、この新たな敵と
対峙した。
だが、その時二つの影がデットライオンの前に立ちはだかった。自ら
ストロンガーの盾となり敵の魔手を阻んだのは圭織と希美だ。
「何だ、小娘どもが。俺様の手を煩わせる気か?」
行く手を阻んだ二人の少女を指差して言い放つデットライオン。そう、彼は
知らなかったのだ。二人のもう一つの顔を。
159 :
ナナシマン:05/02/09 19:15:29 ID:0NNyYm3v
「ははぁ・・・ウチらのこと知らないな?」
「さては、もぐりれすね?」
不敵に笑う二人の少女は、腰の辺りにゆっくりと手をかける。身構える敵に
対して、目にも見よとばかりにジャケットを開く。その瞬間現れたものを
目の当たりにし、彼はようやく目の前の少女たちが何者であるかを知った。
「まっ・・・まさかお前たちも?!」
少女たちの正体を察知するや、驚きのあまり思わず後ずさりするデットライオン。
動揺の色が隠せないその表情に、少女たちは互いに顔を合わせにやりと笑うと
変身の構えを取る。
「変身!!」
二人同時の発声と共に、迸る閃光が二人を正義の戦士に変える。ライダーののと
スーパー1、二人の仮面ライダーが現れると形勢逆転。明らかに不利を負うのは
デットライオンの方だ。
「・・・ええい、今日のところは勝負はお預けだ!」
さすがに勝ち目が無いと見たか、デットライオンは遁走を決め込み二人の前から
姿を消した。戦うまでも無く敵を退けた二人、そして死闘を制したストロンガー。
戦いの終わりを知った三人は変身を解く。