188 :
L.O.D:2005/04/07(木) 15:08:17 ID:1TH/nQ7c
「・・・・・・・・?」
カーテンの隙間から溢れる光に目をつぶる。
眠りを覚ましたのは、それではなく
カバンの中に放り込んだままの携帯電話だった。
ベッドから体を起こし、電話を手にすると
マネージャーからの電話だった。
「・・・・・・はい?」
「今すぐ事務所に来てくれないか」
「え?」
「今すぐだ」
「は・・・・はいっ・・・・・」
切羽詰まった声。
リハーサルが9時から予定されている。
時計を見た、午前6時。
なにかやらかした?
いや、怒られるなら、リハーサル前だっていいはずだし
終わってからだっていいはずだ。
今日は仕事がない。
3時間前に電話をかけてきた意味は?
わけもわからずにリハーサル道具を詰め込むと
化粧もせずに帽子をかぶって、飛び出した。
大きな通りにいけばタクシーが捕まる。
飛び乗り、事務所の位置を伝えると、窓の外を見た。
街を人が行き交うのが見えた。
189 :
L.O.D:2005/04/07(木) 15:11:31 ID:1TH/nQ7c
「あれ?なっちいなくない?」
午前9時半、リハーサルスタジオ。
ジャージ姿のモーニング娘。
リハーサルを始める前のストレッチをしながら、矢口がつぶやく。
「また遅刻〜?」
飯田がいたずらっぽい声で野次ると
石川が調子に乗る。
「いやー、びっくりしたぁ。道ででっかい熊にあったべさー」
「梨華ちゃん全然似てないから」
「つか、寒い」
自信満々にやった安倍のモノマネを藤本、吉澤にこてんぱんにけなされ
しょげたような顔を見せている。
「でも、30分でしょ?ありえなくない?」
「確かにね」
「安倍なら今日は来ないぞ」
ちょうどそこへ入ってきたマネージャーがそう告げると、皆が目を丸くした。
「なんで?」
「具合が悪いそうだ」
「そっかぁ」
「じゃぁ、今日のリハは順番変わったり?」
「だろうねー」
「・・・・・・・・・」
190 :
L.O.D:2005/04/07(木) 15:13:43 ID:1TH/nQ7c
矢口は手を止め、周りのスタッフを見る。
いつもと変わらないような動きに見える。
いや、違う。
何か違う緊迫感が漂ってる気がした。
飯田が騒然としている他のメンバーを叱ってる。
携帯電話が鳴ってるのに気付き、廊下に出ていくマネージャー
チラッとこちらを伺ったような気がする。
明らかに自分達の様子をチェックしていた。
「やな感じ・・・・・・」
ぼそりとつぶやいて、ストレッチを再開した。
「あぁ・・・どうだ、そっちは?そうか・・・・・」
チーフマネージャーが電話しているのは、リハーサルの方にいるスタッフなのだろう。
だけど、なにを話してるのか、その意味すら今は聞こえない。
ぎゅっと身を固くし、下を見ていることしか出来ない。
事務所の一室。
机の上には今まで安倍が出したエッセイなどが上がっている。
「安倍、もう手の打ちようがない。」
「・・・・はい」
「今更、どうのこうの言うつもりもない」
191 :
L.O.D:2005/04/07(木) 15:14:38 ID:1TH/nQ7c
体が震えてる。
テーブルの上に置かれた本が目に入る。
自分がしてしまったことの意味がのしかかる。
急いで事務所に来ると、チーフマネージャーだけでなく幹部の人も何人かいて
緊迫した空気に何が起こってるのかも分からぬまま座らされた。
沈黙を破った後の言葉、数日前のラジオで読んだ詩が
盗作と言われてることを聞かされても、実感はなく
ひどくきょとんとしていたと思う。
そして、それをマスコミが記事にしようとしてることも知らされた。
頭の中がパニックになり、言葉も紡げずにいたが
自分の書いたエッセイの中の詩を事細かに説明され
自分がやっていたことが盗作なんだと気付いた瞬間
全身の体温が奪われた気がした。
192 :
L.O.D:2005/04/07(木) 15:15:23 ID:1TH/nQ7c
立ち上がろうとして、フラっとした瞬間
自分の体が言うことを聞かず、バランスを崩して、壁に激突した。
慌てて、スタッフが抱え起こしてくれたが
ありがとうも言えなかった。
震える唇に気付いた女性マネージャーの目を見た途端
張りつめてた気持ちが解けてしまってその場で泣き出した。
自分のしたことに対して、してしまった自分に対して
情けなくて仕方なくて声をあげて泣くことしか出来ずにいた。
そんな状態が3時間以上続いただろうか
流れる涙さえも途切れてしまったように呼吸を取り戻した。
「・・・・・・はぁ・・・・・・」
「これから、それぞれの方のところに行くけど大丈夫?」
「はい・・・・・大丈夫、行かなきゃ」
「安倍の今の気持ちは分かるけど」
「・・・・はい」
頭が痛かった。
泣いたからだろうか。
胸が痛い。
精神的なものだろう。
弱い自分が嫌だ。
消えてしまいたいと願った。
193 :
L.O.D:2005/04/07(木) 15:19:37 ID:1TH/nQ7c
みんながお弁当を食べ始めたのを見計らって
矢口はリハーサル室を出て、携帯を開いた。
通話ボタンを押すと、聞こえてきたのは不通の時のコール。
「電源切ってるのかなぁ」
病院に行ってるのか、それとも寝ているのか
もう1度鳴らしてみたがつながらなかった。
「矢口さん?」
リハーサル室から石川が顔を出している。
姿がなかったから探してたのだろうか。
矢口はニコッと笑ってみせた。
「なに?」
「・・・・・・・」
「?」
「誰に電話してたんですか?」
「え?」
194 :
L.O.D:2005/04/07(木) 15:20:17 ID:1TH/nQ7c
石川がすごく女らしいなと思う時がある。
写真集で見せるような美しさ
そして、女ならではの勘。
普段は話の空気一つも読めない人なのに
なぜだかこんな時だけは勘がいい。
「やだぁ、彼氏ですかぁ?」
言いよどんだ自分を気遣ったつもりなのだろうか
石川はニヤッと笑って、ドアを閉める。
なぜ、安倍に電話をしたと素直に言えなかったのだろう。
その瞬間、リハーサルが始まる前のマネージャーの顔が浮かんだ。
矢口の足がリハーサル室を横切る。
中を覗いた瞬間、石川と目が合った。
スタジオの中を歩き回る。
マネージャーの姿がない。
スタッフに声をかけても見ていないと言う。
電話をかけても出ない、ずっと通話中になっている。
立ち止まったドアの向こう
話し声が聞こえた。
マネージャーの声
電話をしている。
ドアノブに触れた。
ゆっくりと回す。
「安倍の件に関しては、まだメンバーには・・・・・」
195 :
L.O.D:2005/04/07(木) 15:23:04 ID:1TH/nQ7c
ガチャッ・・・・・・
見開いたマネージャーの目
しっかりと矢口を見ていた。
安倍の件。
メンバーには知られてはいけないコト?
それとも、これから言うつもりだったのか。
電話口の向こうから声が聞こえる。
チーフマネージャーの声だ。
彼等は何を話していたのか。
『どうした?』
「・・・・・矢口です」
マネージャーが電話を切った。
矢口はゆっくりと後手でドアを閉めると鍵をかけた。
「隠し事ですか、それともスタッフ間の話ですか」
「・・・・・・・」
「安倍の件ってなんですか」
「・・・・私達の話だから」
「メンバーになにか影響のある話なら、話してください。
今後のスケジュールの事を考えたら時間がないですよ」
「・・・・・・・」
196 :
L.O.D:2005/04/07(木) 15:25:01 ID:1TH/nQ7c
今、自分がどんな目をしてるか分かる。
手が震えてる。
怖いかもしれない。
いや、自分の胸にうずまく気持ちがどういうものか説明できない。
裏切られた?
違う、彼等は私達を守ろうとした。
だけど、分かる。
安倍は具合が悪いからいないんじゃない。
なにかが起こっていた。
「・・・・・・・ック」
座席の反対側でチーフマネージャーが憎々しげな声を上げる。
ビクッと体を振るわせて、また涙がこぼれそうになった。
いやなイメージが頭を覆う。
カバンの中にペンが入ってる。
その金属の先を左手の手首に突き刺してしまえば
自分の存在はおそらくこの世から消えるだろう。
スタッフのみんなを困らせる自分はいなくなる。
今、この車に誰かが運転する車が追突してしまったらどうなるだろう。
この体が粉々になってしまうだろうか。
ギュッと手首をつかむ。
頭の中をよぎる、イメージから逃れる。
逃げようとしている自分がいる。
自分のしたことはどうすれば償えるのだろうか。
謝っても許されるものではない。
この業界から消えたって行く場所などない。
うつむきながら、唇を噛み締める。
197 :
L.O.D:2005/04/07(木) 15:26:46 ID:1TH/nQ7c
「安倍」
「・・・・・・はい」
「一応、メンバーには具合が悪いと話してるが今後もずっとそれで通すわけにはいかない。
記事が出たら、どうせ知れることだ。、下のメンバーの動揺を軽減したい。
上のメンバーには今日の段階で教えることにするからな」
「・・・分かりました」
まだみんな知らない。
自分がなにをしてしまったかを
中澤や保田、飯田、矢口はどう思うだろう。
そう思うと、怖くなってきた。
チーフがマネージャー達に連絡を取り始めた。
付き添いできてくれた女性マネージャーが手を握ってくれた。
安倍の不安を感じてくれたのだろうか。
小さな気持ちでも、今の自分は強く揺さぶられる。
198 :
ねぇ、名乗って:2005/04/07(木) 15:35:59 ID:1TH/nQ7c
矢口に呼ばれ、全てのことを聞き終わった飯田は押し黙っていた。
近頃はあまり見せない不粋な表情だった。
このことで今後、どうなるかは予測できる。
近いうちに事務所は決断を下すだろうが
最悪の結果になれば、皆で作ろうとしているものが崩れるだろう。
そして、それが自分の娘。としての最後のコンサートなだけに
飯田には特別な思いがあるはずだ。
「圭織・・・・・・」
矢口はそんな飯田の気持ちを思い、声をかけようとするが
それ以上の言葉が見つからず、口をつぐんだ。
一人うなづき、何かを決心したかのように立ち上がった飯田が言う。
「分かりました、うちらはうちらのやれることをするだけです。」
「・・・・そうか」
「行くよ、矢口」
「えっ・・・・あっ・・・・」
思わぬリアクションに矢口はとまどう。
何かを割り切ったような言葉。
しかし、飯田に求められていたのはまさしくそれだったかもしれない。
動揺して、慌てていただけの自分に気付く。
飯田の歩きがいつもより早く感じる。
小走りでそれについていくと、飯田の方からしゃべり出した。
199 :
L.O.D:2005/04/07(木) 15:37:22 ID:1TH/nQ7c
「これでいいんだよね」
「・・・・うん」
「ほんっと、なっちだったら手間かかるね」
「・・・ほんとだよね」
「あたしの卒コン出れなかったら、なんて言ってやろうかな」
「ははっ・・・・・・」
「なーにしてんだか」
「ね。」
「分かった?なんもなかったようにね」
「うん」
「気合い入れていこ」
「おぅっ」
リハーサル室のドアを開けた瞬間、皆の視線が二人に集まる。
「さぁ、練習始めるよっ!」
中澤は指で携帯を弄んでた。
話は聞いた。
だけど、電話をかけれずにいた。
最近、一人で仕事をしていて思う。
これからハロプロとしてどうあるべきか
その上で、自分はどういう位置にいるべきか。
ヘタをすれば、自分の子供のような年の子まで入ってきている。
そんな中で、どうすればいいのか。
思えば、娘。のリーダーになったのも
別になったわけではなく、ただの年長者だっただけだ。
一人のアーティストとして見た時、自分はどうだろうか。
反対に、他のみんなはどうなんだろうか。
「・・・・・・困らすなっちゅーねん」
200 :
L.O.D:2005/04/07(木) 15:39:16 ID:1TH/nQ7c
嫌いになったわけじゃない。
面倒臭いわけじゃない。
電話をすべきかどうか悩んでいる。
これは安倍が乗り越えなきゃいけない壁だ。
誰かが手を貸してあげるべきではないかもしれないし
その手は自分が差し伸べるべきではないかもしれない。
一人のアーティストとして、安倍なつみがしっかり立つために
必要な壁なのだとしたら、もうあの頃のように手を握るべきではない。
「・・・・・大丈夫だよな」
まるで自分に問うようにつぶやいた。
あの子は弱い子だ。
自分を強いと見せたがる。
長いこと一緒にいるから、そんなところはいくらでも見てきた。
だけど、手を差し伸べれずにいる自分がいた。
『一人のプロとして』なんていう言い訳をしながら
見て見ぬふりをしてきた自分はなんて残酷なのだろうか。
彼女があと半歩踏み出せば、全てを失う瞬間も
手を差し伸べたのはいつも自分ではなかった。
自分の判断が正しいのか胸に刺さる。
「中澤さん、リハ入ります」
「あっ・・・・よろしくお願いします」
携帯の電源は入れたまま、そっとテーブルの上へ置いた・・・・・
201 :
L.O.D:2005/04/07(木) 15:41:03 ID:1TH/nQ7c
「のん?」
「・・・・・・・・」
「ののっ!」
「え、あ、うわ」
目の前に迫ってた加護の顔に驚いて、辻は椅子から転げ落ちそうになる。
「なに、考えてんだぁ?」
「な・い・しょ」
「えー、うわぁ、気持ち悪ぃ〜」
身震いしてみせる加護に苦笑してみせたが、フッと真顔に戻ってしまう。
なんか朝から嫌な予感がしている。
胸の辺りが気持ち悪かった。
安倍のことを思い浮かべていた。
大丈夫とは言ってたけど、なにか考えてたような気がする。
ただの気のせいかもしれない。
「メールしよかな・・・・・」
バックから携帯を取り出すが、書き出そうとすると言葉が出ない。
安倍は今、なにをしてるのだろうか。
コンサートのリハーサル中だろうか。
年下の自分が心配してる状況が少し笑えてしまった。
なぜだろう、たまにしっかりと手をつないでないと
彼女がどこかへ行ってしまいそうな気分になる。
もう手をつなげないどこかへ。
202 :
L.O.D:2005/04/07(木) 15:49:03 ID:1TH/nQ7c
午後11時、誰もいない部屋。
ギィッという音を立てて開く扉。
泣き過ぎて、残る頭痛を抱えたまま、ソファに体を沈める。
灯りもつけずに、ゆっくりと目が暗闇に慣れてきて、部屋の輪郭が見え始める。
だけど、それを拒否するように目をつぶった。
「・・・・・・・・ハァ」
深く息を吐く。
意識しないと、ちゃんと呼吸が出来ない。
自分という存在がフワフワと浮ついてる。
立っていた足場がもろくも崩れてしまったのか
それとも、自分が消えてしまったのか
両手いっぱいに貯めてた水が零れ落ちるかのように全てを失った感覚。
今、自分が何者なのかさえ分からない。
そこにあるのは、漠然とした、しかし、とても強い不安だけだった。
「・・・・・・・・・」
203 :
L.O.D:2005/04/07(木) 15:49:48 ID:1TH/nQ7c
目をつぶったまま、消えてしまえば楽だと思う。
このままスゥッと体が消えてしまえば・・・・・
自分という存在がなかったことになってしまえば、どれだけ楽だろうか。
体に力が入らない。
朝から何も食べていない
なのに、吐き気を催してはトイレに籠り、何も出ないのにえづいた。
かっこ悪い。
誰にも見られたくない。
携帯電話は切ったままだった。
これから自分はどんな目で見られるのだろうか。
誰かがあざ笑う。
脳裏に浮かぶのは、あの日のことだ。
教科書を地面にぶちまけられたあの日。
布団にくるまり、震えていた。
あの日と同じ不安が今、自分を壊してる。
だけど、あの日のように救われることはない。
音楽で自らを滅ぼしたのだから。
204 :
L.O.D:2005/04/07(木) 15:54:13 ID:1TH/nQ7c
「・・・・フゥ」
壁を向いて、息をつくと、隣に座ってた中澤が視界に入る。
一瞬合った視線。
分かっている、自然体でいればいい。
無理に話すこともない。
話さなければいけない時が来るかもしれない。
その時だった・・・・・
ガチャ
チーフマネージャーが扉を開けた。
厳しい顔を崩さず、みんなの中心に立つ。
「今日付けで安倍は二か月の謹慎処分となる。
今日の収録にも参加出来ないし、飯田の卒業コンサートにも出さない・・・」
「そんなっ・・・・・」
その言葉に反応したのは保田だった。
皆の視線が集まっている。
一瞬のためらいの後、口を開く。
「事務所はそれでいいんですか」
「決定だ」
「なっちがしたことは当然、反省しなければいけないと思います。
だけど、みんな、なっちがいない圭織のコンサートなんて望んでませんよ」
「仕方ない」
「・・・・・私達がやってきたことはなんだったんですか」
「・・・・・・・・・」
205 :
L.O.D:2005/04/07(木) 15:57:13 ID:1TH/nQ7c
チーフはそのまま無言で扉を閉める。
残ったのは重苦しい雰囲気だった。
誰も口を開かず、視線を合わせない。
安倍を見ると、口を真一文字に結んで、うつむいてた。
「・・・・・なっち、みんな分かってるとは思うけど言うことあるんちゃう?」
静寂を破ったのは、中澤だった。
安倍は顔を上げ、みんなを見る。
辻がそっと手を伸ばして、安倍の小指を掴んだ。
「ありがとう、のの・・・・・みんな・・・・その・・・・・・・・
ごめんなさいとしか言えないです・・・・ごめんなさい・・・・」
涙は出なかった。
泣くのが嫌だったのかもしれない。
頭を下げ続けた。
上げることなど出来なかった。
肩に置かれた手に気付き、体を起こした瞬間
強く強く抱きすくめられた。
206 :
L.O.D:2005/04/07(木) 16:00:24 ID:1TH/nQ7c
「バーカ・・・・・・・」
「かお・・・り・・・・」
骨がきしむ感触、だけど、それほどまでに強い思いを感じる。
その後はただ無言で抱きしめられ続けた。
二人が一緒に歩んできた分、二人にしか分からぬ感情がある。
中澤も、矢口も、保田も、ただそれを見ていることしか出来ない。
「・・・・私の卒業、一緒に出来ないのはショック、っていうか
ふざけんな、って感じだけど・・・・見てくれるよね?」
「・・・・・・うん」
答えた瞬間、涙が溢れてしまった。
事態が分かってから、ずっと胸を締め付けるような不安があった。
このまま消えてしまいたいと願う気持ちが飯田の一言でかき消される。
自分の存在を必要としてくれる誰かがいてくれることが
こんなにも暖かいものだと気付く。
飯田の胸の中で安倍は声を上げて泣いた・・・・
207 :
L.O.D:2005/04/07(木) 16:02:36 ID:1TH/nQ7c
二か月後・・・・・・・
「わっ・・・・」
目の前に広がる黄色い世界に驚いた。
ファンのみんなが一緒になって、卒業を祝ってくれてると強く感じる瞬間。
自分の時は真っ白に染まった会場を見て、胸が熱くなった。
まるで北海道の銀世界を思わせるような情景だった。
ステージの上で真っ白なドレスを着ている飯田を通して
あの瞬間を思い出してしまう。
「そだよね・・・・・」
ファンのみんなが応援してくれる。
だから、自分はあの舞台の上に立てる。
たくさんの手紙をもらい、全部読んだ。
謹慎中はツアーに応募してくれてた人への謝罪を書いたり
事務所の仕事を手伝ったりしながら、葛藤していた。
気持ちが揺らいで引退を口にしたこともあった。
208 :
L.O.D:2005/04/07(木) 16:04:33 ID:1TH/nQ7c
だけど、飯田の卒業を目の前にして気付く。
自分がこうやって歌手になれたのは
一人ずつにありがとうの気持ちを込めて必死だったから
一枚ずつCDを手売りしたあの瞬間があったからだ。
涙が溢れ出したのに気付いて、ハンカチで押さえた。
『今年1月28日にモーニング娘。は7周年を迎えました。
そして今日、1月30日に、私、飯田圭織はモーニング娘。を無事卒業できそうです。
7年間を振り返って、本当にいろんな思い出を残し
たくさんの人に支えられ愛されて、こんな素敵なモーニング娘。になりました。
1998年、デビュー曲“モーニングコーヒー”を、この横浜アリーナで歌いました。
7年たって、今日同じ横浜アリーナで、皆さんと会って
歌えるなんて、当時は思ってもいませんでした。かけがえのない仲間です。
皆さんのおかげだと思っています。心から感謝しています。
そして、今日という日を、私の中で最高の1日となりました。
本当にどうもありがとう・・・・・・・・・・・・・』
End・・・・・
209 :
L.O.D:2005/04/07(木) 16:09:44 ID:1TH/nQ7c
『steal 〜 song for you 〜』終了。
最初に考えてたものとはまるで違うものになりました。
5か月の間、羊のいろんなところを見ていて
みんな、娘。という存在を後ろ向きに捉えてるな、と感じました。
なので、この小説でリセットします。
誰が悪いとか豚だとかやめて、前向きに応援しましょうよ。
210 :
名無し募集中。。。:2005/04/07(木) 20:44:12 ID:h4xY6GU5
いや
残念ながら豚は豚だよ
犯罪を妄想で奇麗事にしてしまいたい気持ちは分からんでもないがそれで良いのか?
心の底から応援できるのか?
そうかな?
直接描かれることは無かったけど、十分リセットされるにたる何かを持った作品だと感じたよ
奇麗事うんぬんに感じる部分は、読者がそれそれの考えを持って補完すればいいんじゃないかな?
それとも何ですか?犯罪者は社会復帰しちゃいけないし、社会復帰しようとしてるやつは、
お前は犯罪者なんだから、と突き落とすことだけがあなたの中の正義ですか?
L.O.Dさん、作品の完成おめでとうございます。保全していた一人として感無量でした。
安倍は嘘の会見しただけでちゃんと謝っても居ないからな
更生以前の問題だろ
まずはちゃんと謝るべき
もう遅いけど
多分一生安倍のこと許せないと思ってる奴はそのへんが引っかかってると思うよ
それを嘘だと思い込んで安倍を責めるなら、そういう人もいるだろう
ちゃんと謝っていないと感じる人がいるなら、そういう人もいるだろう
ただそれを小説の感想としてぶつけるのは筋違いだと思わないか?
そして安倍を許したり、安倍はきちんと謝ったと感じる人がいるということも認められないですか?
214 :
ねぇ、名乗って:2005/04/08(金) 11:01:41 ID:8k45mXw+
小説なんてifでしかない。
ましてや、娘。小説というものは現実から派生した妄想。
それに対してマジレスとは少々、恥ずかしい。
カップリングや内容が合わないなら読まなければいいだけのことだろ。
215 :
ねぇ、名乗って:2005/04/08(金) 11:05:45 ID:YbVEH1sP
妄想してマジレスかましたのはLODだわな
完結乙、いつのまにか完結してたんだね。
企画中のアレどうするんすか?
218 :
名無し募集中。。。:2005/04/20(水) 22:09:16 ID:kfFc66fL BE:197131687-
( ` ・ゝ´) 川‘〜‘)|| (〜^◇^) 川σ_σ|| ( ^▽^) 川o・-・) ( ‘д‘) ( ・e・)
ほ
220 :
名無し募集中。。。:2005/04/30(土) 22:25:14 ID:4qHs5k9G BE:285136799-
( ` ・ゝ´) 川‘〜‘)|| (〜^◇^) 川σ_σ|| ( ^▽^) 川o・-・) ( ‘д‘) ( ・e・)
221 :
名無し募集中。。。:2005/05/06(金) 00:19:10 ID:JOd+K2Ar BE:70404454-
( ` ・ゝ´) 川‘〜‘)|| (〜^◇^) 川σ_σ|| ( ^▽^) 川o・-・) ( ‘д‘) ( ・e・)
222 :
名無し募集中。。。:2005/05/12(木) 22:38:00 ID:JP9t9CV2 BE:88005555-
(l|l´ ・ゝ`) 川l|l´〜`)|| (〜´◇`) 川l|lσ_σ|| (l|lT▽T) 川l|l´д`) (l|l´д`) (l|l´e`)
223 :
名無し募集中。。。:2005/05/16(月) 23:50:35 ID:KqYofnuY BE:28161942-
( ` ・ゝ´) 川‘〜‘)|| (〜^◇^) 川σ_σ|| ( ^▽^) 川o・-・) ( ‘д‘) ( ・e・)
( ` ・ゝ´) 川‘〜‘)|| (〜^◇^) 川σ_σ|| ( ^▽^) 川o・-・) ( ‘д‘) ( ・e・)
( ` ・ゝ´) 川‘〜‘)|| (〜^◇^) 川σ_σ|| ( ^▽^) 川o・-・) ( ‘д‘) ( ・e・)
226 :
名無し募集中。。。:2005/06/16(木) 16:53:33 ID:lSpmTfCE BE:63363492-
( ` ・ゝ´) 川‘〜‘)|| (〜^◇^) 川σ_σ|| ( ^▽^) 川o・-・) ( ‘д‘) ( ・e・)
227 :
名無し募集中。。。:2005/06/22(水) 17:01:18 ID:eHk3szQQ BE:126727294-
( ` ・ゝ´) 川‘〜‘)|| (〜^◇^) 川σ_σ|| ( ^▽^) 川o・-・) ( ‘д‘) ( ・e・)
228 :
ねぇ、名乗って:2005/06/26(日) 22:16:42 ID:XC4XGGId
あげ
( ` ・ゝ´) 川‘〜‘)|| (〜^◇^) 川σ_σ|| ( ^▽^) 川o・-・) ( ‘д‘) ( ・e・)
( ` ・ゝ´) 川‘〜‘)|| (〜^◇^) 川σ_σ|| ( ^▽^) 川o・-・) ( ‘д‘) ( ・e・)
( ` ・ゝ´) 川‘〜‘)|| (〜^◇^) 川σ_σ|| ( ^▽^) 川o・-・) ( ‘д‘) ( ・e・)
232 :
ねぇ、名乗って:2005/08/04(木) 17:29:08 ID:mtWGWvRf0
アレセイア湘南
233 :
ねぇ、名乗って:2005/08/04(木) 17:37:45 ID:CiLNC+llO
携帯でこの板見た折れは負け犬orz
( ` ・ゝ´) 川‘〜‘)|| (〜^◇^) 川σ_σ|| ( ^▽^) 川o・-・) ( ‘д‘) ( ・e・)
( ` ・ゝ´) 川‘〜‘)|| (〜^◇^) 川σ_σ|| ( ^▽^) 川o・-・) ( ‘д‘) ( ・e・)
236 :
名無し募集中。。。:2005/09/09(金) 14:09:59 ID:6wG238Ap0
( ` ・ゝ´) 川‘〜‘)|| (〜^◇^) 川σ_σ|| ( ^▽^) 川o・-・) ( ‘д‘) ( ・e・)