「怖いね・・・。」
「うん・・。」
「戻ろうか・・。」
屋上とスタジオ内をつなぐドアを開けると、そこには森川が立っていた。
「お前ら・・・。危険な事くらい分かるだろう!」
「すみません。」
「体には何もないか。」
「・・はい。」
三人はすっかり萎縮してしまっていたが森川は聞き続けた。
「外はどうだったんだ?」
小川が言った。
「何もありませんでした。」
新垣が続けて言う。
「何も・・・。」
「どこまで見たんだ?」
「遠くまで・・・。でも・・・」
「何も・・・。」
森川はため息を突くと、ドアに付いている小さな窓越しに外を見た。
「・・・北海道・・、北海道みたいでした。」
「・・どういう事だ?紺野。」
「いや・・・。見た感じは全然違うんです。地元はもっとキレイだし・・。
でも空気というか・・。嫌な感じはしませんでした。」
三人は二階に戻る様に言われると、大人しく階段を降りて行った。
森川はまた窓越しに外を見て、しばらく考え込むと、
ポケットの中の車のキーに、確かめる様に触れた。
(第三部)━2━
スタジオの時計を見て藤本が言った。
「あの時計さー・・合ってるよね?もう夕方なんだね・・・。」
メンバーはそれぞれ自分達の携帯電話を調べた。
それはもう時計代わりにしかならなくなっていた。
薄い灰色の雲が空全体を覆っているが、外はまだ暗くなっていなかった。
窓の向こう側の正面、雲の裏側に座り込む太陽がいた。
全員が改めて時間の経過を感じ、昼食を取らなかった事を思い出した。
そして、目の前に広がっている食料を見つめた。
スタジオに常備されていた非常食とミネラルウォーター、
冷蔵庫に入っていた食べ物と飲み物は、一階会議室の床を埋め尽くす程の量があった。
それだけの備蓄があったのは、
人数の多いハロプロのメンバーが利用するスタジオ以外では考えられない事実だった。
床に雑然と広げられたそれを、賞味期限順に選り分ける様に森川は指示した。
そして自分は藤野と部屋を出て、何処かへ行ってしまった。
「凄い量・・・。」
紺野が目を丸くして言った。
高橋が同調した。
「ホントや。食べ切れるかのー。」
「愛ちゃん。よく考えなよ。」
新垣が、高橋の言った言葉を、他のメンバーに聞こえない様にすぐに制止した。
「・・十五人いて、これだけだからね。どうなんだろう。
これからの事も分かんないし・・。」
「まこっちゃんもだよ。みんなが暗くなる様な事言わないでよ。」
「好き嫌いとか言えないね。」
矢口が石川にささやく様に言った。
石川は軽く笑顔を見せてうなずいた。
「ご飯・・・まだですよね?」
道重が誰に聞くともなく言った。
「・・・これ、全部別けてからだね。
それから、全部がどれくらいの日数分なのか計算して・・・。
だから、もうちょっとガマンしよう。ね。」
石川がなぐさめる様に言うと道重だけではなく、全員が寂しそうな顔をした。
夏は、押し黙っていた。
モ娘。、そしてハロプロへの振り付けから身を引く。
そこには自分自身のプライドと、メンバーに対する愛情が混じった強い意思があった。
振り付けの創作に関して、会社と揉める事がここ最近多くなっていた。
早く仕上げろと追い立てられる環境のため、
自分のダンス観を振り付けに込める事が出来ない不満。
殆どゼロの状態から、大観衆の待つステージに、
拍手と歓声で出迎えられる存在にまで育て上げたメンバー達に、
そうした自分の納得のいかない物を教える事への申し訳なさ。
「外の空気はキレイでしたよ。何となく・・・。」
紺野が言った。
疑い深げな眼差しを向けて吉澤が言う。
「でも、あたしは出たくないね。」
田中がそれを聞いて言った。
「吉澤さん、さっき窓を開けっ放しにしてたじゃないですか!
石川さんが怒られたんですよ!」
「そんなの知らないよ。怒られる前に閉めりゃ良かったじゃん。」
「まあまあ。」
亀井が横からぽそりと言ったが、無視して田中が続けた。
「おかしいですよ。吉澤さん。どっかいなくなっちゃうし。」
石川が田中に言う。
「れいな、いいよ。そんなの。よっすぃも・・ゴメンね。」
「別に謝られる必要ないし。」
そして、今回もまたそうした事を繰り返す状況であるのを藤野の通達から知った。
そして決意した。
不満の残る、不完全な物を伝え続ける必要はないと。
それは自分の為でもあり、メンバーの為でもあると夏は考えた。
しかし、その決意も一瞬で意味の無いものに変わってしまった。
外の建物と同様に消え去ってしまった。
あの揺れによって。
決意に込められた自分という存在、そして長年連れ添ってきた浅村も。
「あ・・。あれ!」
田中が窓の外を指差す。そこには森川が歩いていた。
「大丈夫なんかのー。」
高橋が窓に近づき、こつこつと叩く。
森川は正面玄関から出て行った様で、会議室からは少し離れた位置にいたが、
その音に気付いてこちらを向くと、手で制止する格好を見せた。
「外の空気はキレイでしたよ。何となく・・・。」
紺野が言った。
疑い深げな眼差しを向けて吉澤が言う。
「でも、あたしは出たくないね。」
田中がそれを聞いて言った。
「吉澤さん、さっき窓を開けっ放しにしてたじゃないですか!
石川さんが怒られたんですよ!」
「そんなの知らないよ。怒られる前に閉めりゃ良かったじゃん。」
「まあまあ。」
亀井が横からぽそりと言ったが、無視して田中が続けた。
「おかしいですよ。吉澤さん。どっかいなくなっちゃうし。」
石川が田中に言う。
「れいな、いいよ。そんなの。よっすぃも・・ゴメンね。」
「別に謝られる必要ないし。」
矢口は石川に軽く触れると、空気を換える様に言った。
「紺野、空気キレイってどういう事?詳しく聞かせてよ。」
「屋上に行った時、感じたんですけど。
なんか・・・排気ガスみたいな空気、ありますよね。ああいうのが無かったんですよ。」
藤本がすかさず言った。
「車無いからなんじゃないの?」
「いや、違うんですよ。藤本さんなら分かると思うんですけど・・・
北海道みたいって言うか・・・。」
北海道という言葉を聞いたメンバー達は驚いて目を丸くした。
現実離れした外の景色と、それが全く結びつかなかったからだった。
吉澤は笑いながら言った。
「旅行に来てるつもりかよ。」
「呑気な事言ってすいません。でも・・・」
メンバーは改めて窓越しに外を見た。森川はすでにいなかった。
石川が言った。
「・・・じゃ、ここ日本じゃないのかもしれないね。」
「いや、北海道は日本だから。」
「ミキティ、そうじゃなくて。ほら、日本にこんな場所はないじゃん。
北海道もこんな景色じゃないよね。だからここは他のどこかの場所で・・・。」
道重が興奮気味に言った。
「だったらいい!家に帰れるって事ですよね!」
外を見るメンバーの表情が一転して明るくなった。
矢口が続けて言う。
「家に帰る前にレッスンじゃないかあ?ねえ先生?」
夏は矢口の方へ振り向くと言った。
「だといい。本当に・・・。」
メンバーは、夏がダンスレッスンから身を引くと言った事を思い出した。
そして、今ようやくその理由について聞けると思いかけたが、
吉澤の冷静な一言がそれを止めた。
「・・ありえない。本気で言ってるの?それ。」
「いや、ありえなくはないぞ。」
会議室に入ってきた森川だった。
「・・・選り分けは順調か?うん、続けてくれ。」
森川は外を見ながら言った。
「今、藤野さんと外を見てきた。紺野が言った“北海道”の意味も分かった。」
森川は一息つくと、メンバー達の方へ向き直り話を続けた。
「期待はしないで聞いて欲しい。あくまで仮定だから。
ここは・・この場所は、石川が今言っていた様に日本ではない場所という可能性もある。」
そう言いながら森川は、平井が言った、崩れ去る建物という表現を思い出していた。
しかし、それを自ら振り払う様に、話しを続けた。
「その証拠はないが。・・・いや、見つかっていないが。
でも、ここが元のスタジオのあった場所だという証拠も同じ様に無いんだ。」
全員が話に釘付けになっていた。
「何か良くないもの・・それは爆弾とかだな。
それの影響という事も、勿論考えられる。
確かに、紺野が言った様に、空気に汚れた感覚は感じられなかったけど。」
「大事なのはここが何処であれ、中にい続けては何も分からないだろうという事だ。」
そう言うと森川は再び窓の外を見た。
「だから、車で調べに行こうと思っている。
ここには藤野さんに残ってもらうから、待っててくれ。」
藤本が聞いた。
「大丈夫なんですか?」
「・・・分からない。確実に戻って来れる様にしないといけないな。
目印として屋上から白煙筒をたこうと思う。」
森川は、部屋の隅にある、
非常食や平井を縛ったロープの置いてあった棚から白煙筒を何本か取り出した。
「これを煙が途絶え次第・・何分かおきにうってほしい。
当然、これを見た誰かが助けに来てくれるという事も考えられる訳だ。」
それを聞き全員の表情が更に明るくなってきた。
「この考えは、紺野。お前らが勝手に屋上に出て行ったくれたからだぞ。」
藤野が森川の後ろから顔を出して言った。
藤野に距離感を感じ続けていたメンバー達は、
そこにかすかな皮肉のニュアンスを感じたが、不快な物では決してなかった。
むしろ距離感が縮まった感覚があった。
一人思い詰めた表情をしていた石川が声を出した。
「私も連れて行って下さい!」
全員があっけに取られた顔で石川を見た。
「危ないから残ってなさい。危険な目にあわす訳にいかない。」
「危険な目に合う可能性があるなら、一人で行くのはおかしいじゃないですか。」
「森川はマネージャーという立場からも言ってるんだよ。」
藤野が言ったが、石川は食い下がろうとしなかった。
「こういう状況でマネージャーとか関係あるんですか?
私達にも外の状況を知る権利はありますよね?」
「勿論・・。でも、女の子は危ないから残ってた方がいい。
君が足手まといになる可能性だってあるんだ。」
石川はそう言われると、これ以上は無理だと諦め、また食料の選り分けを始めた。
しかし、今度は紺野が立ち上がって喋り始めた。
「私も知りたいです。それに、私が言った事がきっかけで森川さんが調べに行くんですよね。
だったら、何かあったら私の責任でもあるし・・・。」
それを聞いた石川は再び森川の顔を見た。
森川はしばらく考え込むと、こう言った。
「分かった。じゃ石川と紺野の二人は着いて来てくれ。」
二人は声を揃えて返事をした。
矢口は今にも泣きそうな不安な顔をして石川に言った。
「梨華ちゃ〜ん、本当に大丈夫なの?」
「大丈夫ですよ。きっといいニュース持って帰ってきます。」
そう言って石川は小さくガッツポーズを作った。
「もう夕方だから、明日・・すぐにでも出発しよう。
予備の食べ物や水も、ある程度は持って行った方がいいだろう。」
その後、全員が軽い食事を取る事になり、
賞味期限が最も早く切れる何個かのパンが選ばれた。
コップ一杯分の水と共に、それを等分に分けたが、
一人辺りの量は一つ分にも満たない大きさだった。
床に並び別けられた量を思うとあまりに少なかったが、先の事を考えての配慮だった。
誰もが普段の紺野を見習う様に、ゆっくりと食べ飲んでいた。
部屋に差す光が暗くなってきた。太陽が沈みかけているらしかった。
空に敷きつめた雲の灰色が暗く染まっていくに従って、部屋も同様の変化を見せた。
また矢口が落ち着きを無くしかけていたが、すぐに石川が隣に寄って体を近づけた。
食事を全員が終える頃には、すっかり部屋は暗闇に包まれていた。
「・・怖いから、おいらはもう寝るよ。」
矢口は半ば冗談で言った事だったが、自然と全員が無言になり、体を横にした。
誰もが今日あった事を思い返し、疲れを意識した。
いつしか部屋に寝息が聞こえてきた。
同時に、誰かの泣く様な鼻をすする音も。
それが誰が立てている音なのか、誰も詮索しなかった。
石川が見せた自信には根拠もなく不安も覚えたが、勇気付けられたのも確かだった。
誰かが泣いている事実を自分が知ってしまったら、それは脆く崩れてしまうような気がした。
メンバーの誰もがそう思って、自分の涙をこらえていた。
━3━
部屋に差し込む光は、前日同様に敷き詰めた雲を通してのものだった。
携帯のアラームを森川が止める。時間は八時を回っていた。
全員が、充分に取られた睡眠時間の為にとても満足気な表情を見せていた。
特にメンバーは、日頃の仕事疲れを完全に取り払ったかの様だった。
水道をひねったコップ一杯分の水で歯を磨き、顔を洗った。
タライ一杯分の水で体を拭き汗をぬぐった。
朝食は昨夜の残りのパンだった。
森川は何も食べず、黙々と出かける準備をしていた。
カバンに何個かのパンとゼリー、ヨーグルトを詰め込む。
藤野がパンを渡した。
「気をつけろよ。」
「・・・はい。」
石川はピンクのジャージの裾をまくりあげ、靴下の中へ入れていた。
「これで動きやすい。」
「ミネラルウォーターは一本でいいだろう。よし、いつでも行ける。」
半分にも満たないパンを、ちぎってゆっくり食べていた紺野を石川が急かす。
「紺野、ほら。行くよ。」
「いや紺野、ゆっくり食べればいいよ。石川、お前はあせりすぎだ。」
その時、突然矢口が「あっ。」という声を上げて、会議室を出て行った。
「これ置きっぱにしてた・・・。」
そう言って戻って来た時には、手に氷の袋を持っていた。
「溶けちゃったけど・・、水で使えますね。」
森川が言う。
「氷よりずっと有効的だよ。矢口は残念だろうけど。」
「梨華ちゃん、こんこん・・。これ持って行きなよ。何かあった時、使って。」
石川は、これ以上ないという様な笑顔で矢口に抱きついた。
「ありがとう〜まりっぺ〜。」
「あ〜、うざい!」
矢口はすぐにそれを払いのけると、少し間を置いて言った。
「・・・気をつけて。」
「・・・はい。」
紺野もようやくパンを食べ終え、三人は会議室を出た。
振り返ると、全員が立ち上がって自分達を見ていた。
改めて、自分達に何が期待されてるのかを感じて石川は胸が高鳴った。
メンバー達は不安も大きかったが、
石川の、昨日と変わらないやけに自信に満ちた表情に対し笑顔を送った。
紺野が森川に言った。
「車って駐車場に停めてあるんですよね?」
「そうだけど・・?あ・・。」
駐車場を思い返す。
昼になると、かすかに道路沿いに日が差し込み、駐車場内に影絵を作る地下駐車場。
ゆるやかなカーブを描く道路から地下への角度。
昨日、正面玄関から出た時にそれは見当たらなかった。
あの揺れの時、平井は一階にいたと言った。
森川は一瞬顔を曇らせると、すぐにスタジオから地下に通じる階段へ駆け出した。
石川と紺野も慌ててそれについて行った。
それを見た会議室のメンバー達は、
迷子になった子どもの様な不安な顔をまた、そこによみがえらせていた。
乙
狼では諦めました。
何も言わずこっちに移動するのはどうかと思ったのですが、
聞かれたら答えようと思ってました。(もしも情報スレに貼ったのは自分です)
聞かれなかったとしても、ネタ振った自分へのそれなりの責任みたいのがあって、
続けてみようと思い移動しました。
とりあえず、ありがとう
意味もなく保全
━4━
階段を降り、ドアを開けると想像した通りの暗闇がそこにあった。
そして、懐中電灯を入れて浮かび上がってきた映像は、
見慣れた地下駐車場だけではなかった。
そこにあったはずの道路からの斜面は無かった。
コンクリートが滲み土へ変わり、斜面ではなく凹凸を持った地面が、
懐中電灯の光が届かない距離にまで延々と続いていた。
「どこまで続いてるんだろう・・・。」
石川が顔を暗闇に向けて覗き込ませた。
「分からない・・。外へ抜けてるかどうかが分かればいいんだけど・・・。」
「屋上から見た時、それらしいものは見なかった気がします。・・でも分からない。」
「とりあえず、行ってみるって事は出来ませんか?」
石川の質問に、しばらく森川が考え込む。
「すいません。懐中電灯、貸してもらえますか?」
紺野は懐中電灯を受け取ると、天井を照らしながら言った。
そこは地面と同様に、途中から滲む様に土の壁に変わっている。
「崩れてくる心配とか無ければ、大丈夫なんじゃないですか?」
駐車場は殆ど無風だったが、石川は風のかすかな音が駐車場の暗闇に響いたのを聞き逃さなかった。
「今、聞こえましたよ!ひゅーって!ひゅーって!」
「聞こえたな。という事はどこかへ抜けているという可能性がある。
奥へ行って空気が無くなる様な心配もなさそうだ。」
森川は車に乗り込む。石川は助手席に、紺野は後ろの座席にそれぞれ座った。
ライトが駐車場内に広がる。暗闇の果てはそれでも見えなかった。
エンジン音が響き渡りる。
三人を乗せた車は、何処へ通じているのか分からない駐車場の洞窟を走り出した。
激しく期待。移動乙です。
てst
てすと
46 :
ねぇ、名乗って:04/09/10 02:46 ID:meFUJvkb
更新まだぁ〜?
作者まで漂流したのか?
その通りです
ほ
ぜ
50 :
289:04/09/15 22:11:53 ID:aq8dJITA
作者です
更新の予定は未定です
ごめんなさい
289さん、そんな更新未定のモノでもよければどうぞ
>>←これでレス指定するのやめてくれない?
いまマンガ喫茶からだから、専用ブラウザ使えないんだよね
コピーして貼ってくれると見やすいです。
次のレスからそうしてください。
>>52 なんでお前のわがままに付き合わなきゃなんねーの?
バカだろお前
10年後にはきっと、せめて10年でいいからもどってやり直したいと思っているのだろう。
今やり直せよ。未来を。
10年後か、20年後か、50年後からもどってきたんだよ今。
━5━
「何か・・石川、しっかりしてるよね。」
飯田が矢口にこっそりと呟いた。
「そうだね。ちょっと空回りしそうで怖いけど・・・。」
「私がもっとちゃんとみんなを励ましたりしないと駄目なのに・・・。」
飯田がかすれた声を出すと、矢口は呆れた様な笑顔を見せて言った。
「しっかりしろ〜!誰かが落ち込むとみんなもつられるだろ〜!」
泣き顔でうなずくと、飯田はふらふらと倒れるようにして床に座りこんだ。
「屋上から見ても車が見えないんですよ。どうなってるんだろう・・。」
白煙筒を持って屋上へ行っていた藤本と田中が、息を切らして会議室に戻ってきた。
藤野がそれに対して答えた。
「駐車場を今見て来た所だ。地上にはつながっていなかった。
洞窟の様になっていたが、車は無くなっていた。
奥へ走っていったんだと思う。」
「大丈夫なんですか!?」
田中が問い詰める。
「きっとどこかへ抜けていると判断したんだろう。
それがどこかは分からない。だから屋上からの白煙筒は森川達には見えない可能性もある。」
「今、煙出してきましたよ!」
「田中、落ち着け。森川も何の考えも無く行った訳じゃない。
まだ車は、俺のも夏先生のも平井のもあるから探しにも行ける。」
「待とう。ね?」
藤本が田中の背中を軽くポンと叩いて言った。
窓の外は変わらずに薄い雲が空を覆っていた。
太陽の光が雲のフィルタに液体の様に広がる。
地面の不規則な凹凸を照らし、それが延々と地平線の彼方まで続く事を強調していた。
しかし昨日のそれよりも威圧感は失っている様に思えた。
それは石川が見せた自信への期待によるものと無関係ではなかった。
57 :
ねぇ、名乗って:04/09/21 07:06:08 ID:d53j5YRX
更新キテタ乙
これお題は?
水を差すようで悪いんですが
おおよそスレの内容は幼少の頃、父から聞かされて知っていました。
なのでさほどビックリする事はありませんでした。
ほ
← ※餌を与えないでください
65 :
名無し募集中。。。:04/11/05 17:36:47 ID:RyB9f+ke
餌
保全
67 :
名無し募集中。。。:04/11/12 00:03:28 ID:f3u0nM30
ここは結局どんなスレ?小説スレ?
水着で抜ける奴は素人
普段着最強
( ^▽^)<ハッハッハ
70 :
DDの食卓:04/12/08 07:25:41 ID:Nt1V+TFj
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/:/''ヾ,:;`//"'`',:'':'':' 亀ちゃん安倍さんお休みするけど
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'':;,:;;:;:'|//''" .,;.. 娘。がんばるべさ
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:'':;:;,:;;:;:'':i _|:|l ( つ日と ̄0(;゚;;)と) ̄ l|;|_
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∋ \ ./ ∈ ∋ \ ./ ∈
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( ^▽^)<この程度のスレにはこの程度の保全がお似合いだ ハッハッハ
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