翌朝、ホテルのロビーには刑事と警備員があふれていた。
朝食の席で、捜査状況が伝えられた。まだ配備が始まったという程度だった。
「今日から三日間は本来オフの日ですが、外出は一切禁止とします」
スタッフの言葉にあさ美は心底がっかりしたような表情を見せた。
部屋に戻って、真希に電話をかけようとした。
ところが、あさ美の機種には電波が届かない。
「なっ…圏外!?」
慌てて自分のケータイを見る希美。画面の左上には圏外の赤い文字が浮かんでいた。
「私のも圏外…」
やりきれなさに、ベッドにケータイを叩きつけるあさ美。
「何で繋がんないんだよ!東京でしょ?」
二人きりの部屋に、あさ美の荒い息が響く。
突然希美が立ち上がる。
「外で、掛けるしかない」
「出ちゃダメって言われたじゃん!聞いてなかったの!?」
希美は大きく息を吸って、声を限りに叫んだ。
「出 か け る ん だ よ ! ! !」
はっとする。希美の言っている事がやっと飲み込めた。口が勝手に動く。
「人が…作った壁は…人が…破れる?」
頼もしげにウインクする希美に、女ながらホレそうになった。
十分後、必要なものをすべて装備した二人は、ゆっくりと部屋のドアを開けた。
廊下を音を立てずに歩く。希美の後にあさ美が続く。
エレベーターホールには、警備員が三人ほど立っていた。
「ダメダメ、出ちゃダメだよ!」
「ロビーにお土産屋さんがあったんですよ、日本のお土産見たいんです!お願いします!」
希美が三人と話している隙にエレベーターのボタンを押すあさ美。
そして、光るボタンを背で隠す。ボタンの矢印は上を向いていた。
「まぁ、売店なら別にいいか」
警備員が無線連絡を始める。
「メンバーが二人、売店に行きます。警護お願いします」
しまったという顔をしてあさ美を見る希美。だがあさ美はニヤニヤしている。
静かにドアが開き、二人は滑り込む。
「「ありがとうございます!」」
ドアが閉まると同時にあさ美は一つ上の階のボタンを押す。希美が泣き付く。
「警備、どうしよう…」
エレベーターが上に動き始める。頷くあさ美と驚く希美。
「ふぇ、なんで上なの?」
「下に行くわけにはいかないから」
「え…?」
「まぁ見てなって!」
すぐに上階に止まり、あさ美は希美の手を引いて降りた。
降り際に一階のボタンを押す事も忘れなかった。
「これで乗り間違えたように見える、と」
そして廊下を進むあさ美。希美は混乱している。
「ねぇどういうこと?」
「間違えて上に行ってしまった。そしてあわてて下に切り換えた。っていう風に見せたかったの」
「なんでそんな面倒な事をするの?」
「ロビーにはたくさん警備員がいる。だからいないかも知れないところから出る」
「どこ?」
廊下の突き当たりに大きなリネン倉庫が見えてきた。
そしてその脇には業務用エレベーターの扉があった。
「この…エレベーターは?」
「シーツ専用の業務用エレベーター。地下一階の搬入口までどこにも止まらないの」
思わず立ち止まってあさ美の顔をまじまじと見つめる希美。
「な…なんでそんなこと知ってるの?」
「秘密!」
大きなエレベーターに乗り込む小さな二人。
「今ごろ一階じゃ騒ぎになってる…ハハ」
一階で二人を待っていた警備員は慌てて無線で上に連絡していた。
「…誰も乗っていませんが」
宿泊フロアの警備員は怪しんですぐに一つ上の階を捜索した。
二人の姿はどこにも見えなかった。
『館内の全警備員に告ぐ、緊急封鎖態勢を取れ。
ポッキーガールズのメンバー二名が失踪。出入り口を全て封鎖して下さい』
川c・-・)<
>>80さん、ありがとうございます。果たして( ^▽^)の行動は正しかったのか!?
7期は中卒以上でよかったよかった。ま、あんま女として出来てくると三好のような
問題も出てきますからね。そのあたりが難しいところでしょう、そう考えると男いても
無傷な後藤がいかにいいポジにいたか。清純派のスキャンダルはまさに命取りですな。
なに熱弁振るってるんだか。
>>81-82さん、てst結果はどうですか?
以上、駅前に路上駐輪して買い物行ってたら放置自転車扱いで回収(2000円)
されていて欝極まりない作者でした。オレノアルサス…