「acp」の存在理由は、カフェだけではない。グリコのポッキーアイランド支部を兼ねている。
毎年この時期になると、本社から連絡がある。
日本での宣伝のために、生産地の誰かを日本に呼び寄せるのだ。
…去年はなち姉やかおりんだった。今年は誰だろう?
麻琴は亜依の叔父が電話で話している後ろでわくわくしていた。
「…と…と…と…多いですね、今年は…」
「星ですか?それはガールズの方だけ…はい…わかりました。では一週間後に戻ります。失礼します」
亜依の叔父は麻琴に向き直った。
「マコちゃん、今年は人数が多いから、放送で呼び出そう」
「acp」には車がある。圭が働きに来る前、tova-Mikiteaという少女がバイトをしていたのだが、
出前に必ずタクシーを使うので出費がバカにならなかったため、耐えかねた麻琴の父が購入したものだ。
今Mikiteaはポッキーのプレッツェル部分の研究をするために隣のプリッツアイランドの女性に師事しているということだ。
今その車を圭が運転している。先々月に免許を取ったばかりだが。
激しく蛇行する車。車高が高いため、同乗者は寿命を縮める。
「あぁもうトロい電気自動車ウザい!」
圭は一流のドライバー気分だ。タイムを削ることと滑らかに運転することは相容れないものだと思っている。
しかもロールというものを全く感じない人間らしい。
恐ろしいスキール音をたてながら、矢口の車を追い抜く。
後部座席の麻琴と亜依の叔父はさっきから悲鳴を上げっぱなしだ。
やっと公園の事務所に到着し、係員に頼み込んで放送を使わせてもらう。
そしてそのマイクの前で、アナウンスを任された麻琴は初めて原稿を目にすることとなった。
そして放送が始まった。
「え〜、ただいまから2002年江崎グリコCMキャンペーンに起用された人の名前を読み上げます。
読み上げられた人はすぐにカフェ「acp」に集合してくださぃ」
「Abe-po-なつみ」
「Meshi-po-圭織」
「Yasu-po-圭」
「Yoshi-po-ひとみ」
「Ishi-po-梨華」
「Taka-po-愛」
「Tsuji-po-希美」
「Kago-po-亜依」
「Kon-po-あさ美」
「Nii-po-里沙」
「矢口真里」
「後藤真希」
「それから…Oga-po-麻琴。」
「合計十三人です。すぐに集合してください。いじょぅ。」
麻琴は自分の目と自分の声が信じられなかった。
川c・-・)<
>>25さん、とりあえずよろしくお願いします。
>>26さん、とりあえずお久しぶりです。ありがとうございます。
登場人物のフルネーム紹介です。圭織さんはハム太郎のメシハムから取りました。
このあたりから少々公式設定との差異が発生してきますが、どうぞご了承ください。