しばらくモーヲタやっている間に・・・

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159う〜み〜写真集 ◆toRomonInU

三人がやってきたのは、ごく普通の日本の民家だった。
麻衣がインターホンを押す。表札は「中西」とあった。
『はい』
「須尭ですけど、俊樹君はいますか」
声が止まった。
『ごめんなさい、もう許してやってください…』
「違うんです、ちょっと用件はカブってますけど、その話じゃないです…それにもう過ぎた
ことだから、気にしないで下さいお母さん」
麻衣から少し離れた所でやりとりを聞いていた二人は、よく話を理解できずに顔を見合わせていた。

「お母さん」と呼ばれた女性が玄関のドアを開く。
麻衣がそこに駆け寄る。何となく二人もそれに続いた。
「俊樹君はいらっしゃらない…ですか?」
「はぁ、実は…」
「もしかして…」

「…二日前から帰ってないんです」

後ろの二人の頭上に大きな「!」が浮かんだ。


160う〜み〜写真集 ◆toRomonInU :04/11/28 21:39:00 ID:Dxd1y6rP

「なんとか連絡つきませんか?」
「電話しかつてが無いもので…」
「どこに行かれた、とかは」
「まるで見当も…」
「…そうですか、分かりました。ありがとうございました」
きびすを返して足早に敷地を出る麻衣に、慌てて付いていく二人。
まだ九月というのに寒気がして、あさ美の足に鳥肌が立った。

近くの公園に三人は座り込んだ。
「麻衣ちゃん…?」

「…話すね。全部。洗いざらい」

161う〜み〜写真集 ◆toRomonInU :04/11/28 21:41:21 ID:Dxd1y6rP

「中西俊樹。中学校時代に同じクラスだったの。後藤祐樹とはまぁソリが合いそうなヤツで、
 ちょっとワルい感じの人だった。…んで中三の頃に、その俊樹と私は…付き合ったわけ。
 …んで、夏、そう中三の夏に、俊樹に遊びに行こう、って言われて。自転車でね、逃げる
 俊樹を追いかけてたら、…途中で何度も帰ろうよって叫んだんだけど、聞かなくって。
 ほっとくわけにも行かないでしょ?だから付いていった。そしたら、いつの間にか道に迷っちゃって、
 んで日も暮れてきて公園のベンチで野宿したの。次の日になったらアイツまた喜んじゃって、
 見失わないようにするので精一杯で、また夕方になって海に着いたから、てっきり東京湾だと
 思ったの。でも甘かった。そこは銚子だったの」

「ちょうし?千葉県のですか?」

「そう、まさかそんな所まで来てるとは思ってなくて、かなり焦った。アイツが懲りずに
 また南に行こうとしたから、流石にキレて…んで帰ることになったんだけど、またすぐに
 野宿するのもヤだったから夜じゅうずっと走ったのね、そしたら、利根川沿いを走ってる
 ときに私転んじゃって、唇切って血だらけになりながら、次の日の昼過ぎにやっと家に帰れて。
 まぁその後は…想像できるよね?私とアイツも別れたし。それっきりだったんだけど」

「つまり、二日半連れまわされてしかも怪我もさせられた、と」
「…亜依ちゃんの話とよく似てたから、もしかしたらと思ったら…」
「高校はどちらに?」
「日出学園ってトコ」
希美の背中にも鳥肌が立った。
「…祐樹と同じだ」

162う〜み〜写真集 ◆toRomonInU :04/11/28 21:41:58 ID:Dxd1y6rP

その鳥肌が収まらないうちに、昼前に電源を入れた希美のケータイが鳴り響いた。
音と振動にたまげて、軽く悲鳴をあげてしまう。
「の、ののちゃん電源切ってなかったの!?」
慌てて画面を確認すると、見たことも無い番号からだった。
「…ぜろさん…?へんな番号」
麻衣が口をはさむ。
「03は東京の番号だよ」
「…なんで東京の人が知ってるんだろう…」
希美のすぐ隣に座っていたあさ美が突然素っ頓狂な声をあげた。
「ああ〜あ!!ののちゃん!プラダだよプラダ!!!」
「おわぁ忘れてた!!!」